JP2004032477A - 記録装置、圧縮データ調整プログラムおよびサブ画像データ調整プログラム - Google Patents
記録装置、圧縮データ調整プログラムおよびサブ画像データ調整プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】圧縮データを記憶するメモリの容量を確保するとともにメモリの転送速度を低下させないという課題を解決しつつ、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうという課題を解決すること。
【解決手段】ブートROM115が、RAM117の空き容量およびRAM117に記憶されたサブ画像データを転送する際の転送速度を検知する検知手段である検知プログラムと、検知プログラムによって検知された空き容量に応じて、RAM117に格納される符号化されたサブ画像データの量を調整すること、および検知プログラムによって検知された転送速度に応じて、RAM117から転送される符号化されたサブ画像データの量を調整することのうち少なくとも一方を行う調整手段である調整プログラムとを格納すること。
【選択図】 図1
【解決手段】ブートROM115が、RAM117の空き容量およびRAM117に記憶されたサブ画像データを転送する際の転送速度を検知する検知手段である検知プログラムと、検知プログラムによって検知された空き容量に応じて、RAM117に格納される符号化されたサブ画像データの量を調整すること、および検知プログラムによって検知された転送速度に応じて、RAM117から転送される符号化されたサブ画像データの量を調整することのうち少なくとも一方を行う調整手段である調整プログラムとを格納すること。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮データの量を調整する記録装置、圧縮データ調整プログラムおよびサブ画像データ調整プログラムに関し、より詳しくは、記憶手段の空き容量および転送速度に応じて圧縮データまたはサブ画像データの量を調整するプリンタ、インテリジェントコピアおよびインテリジェントファクシミリ、ならびに、これらに用いられる圧縮データ調整プログラムおよびサブ画像データ調整プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、特開平10−84484号公報には、ウェーブレット方式の圧縮またはバイナリ方式の圧縮を選択して画像データを圧縮するデータ圧縮システムが記載されており、このデータ圧縮システムを用いた記録装置が知られている。
【0003】
この種の記録装置では、圧縮データを記憶するメモリの容量を確保するとともにメモリの転送速度を低下させないために、元の画像データと、この元の画像データから圧縮データを階層的に生成する際に生じた中間階層の圧縮データとを破棄するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の記録装置にあっては、元の画像データと、この元の画像データから圧縮データを階層的に生成する際に生じた中間階層の圧縮データとを破棄するため、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうという課題があった。
【0005】
もっとも、圧縮データを記憶するメモリの容量を確保するとともにメモリの転送速度を低下させないという課題が解決されるべきものであることは当然である。
【0006】
そこで、本発明は、圧縮データを記憶するメモリの容量を確保するとともにメモリの転送速度を低下させないという課題を解決しつつ、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうという課題を解決することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る記録装置は、外部から入力された画像データを圧縮して圧縮データを生成する圧縮手段と、前記圧縮手段によって生成された圧縮データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された圧縮データを伸張する伸張手段と、前記伸張手段によって得られた伸張データを予め定められた記録媒体に記録する記録手段とを備える。さらに、本発明に係る記録装置は、前記記憶手段の空き容量および前記記憶手段に記憶された圧縮データを前記伸張手段側に転送する際の転送速度を検知する検知手段と、前記検知手段によって検知された空き容量に応じて、前記圧縮手段から前記記憶手段に対して格納される圧縮データの量を調整すること、および前記検知手段によって検知された転送速度に応じて、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量を調整することのうち少なくとも一方を行う調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
この構成によって、前記記憶手段に空き容量があれば、圧縮データから記憶装置に対して格納される圧縮データの量が増加して、多量の圧縮データに基づいて圧縮データが伸張されるので、圧縮データと伸張データとの誤差が小さくなり、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうことを防止することができる。他方、前記記憶手段に空き容量がなければ、圧縮データから記憶装置に対して格納される圧縮データの量が減少するので、圧縮データを記憶する記憶手段の容量を確保することができる。また、この構成によって、前記記憶手段の転送速度が速ければ、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量が増加し、多量の圧縮データに基づいて圧縮データが伸張されるので、圧縮データと伸張データとの誤差を小さくすることになり、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうことを防止することができる。他方、前記記憶手段の転送速度が遅ければ、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量が減少するので、記憶手段の転送速度が低下することを防止することができる。
【0009】
本発明に係る記録装置においては、前記圧縮手段が、外部から入力された画像データを予め設定された単位ブロック単位で直交変換して画像データの周波数成分を示す係数を算出し、画像データの周波数成分を示す係数を広域成分と低域成分とに分割し、この低域成分を行方向および列方向に分割して得られた低域成分を行方向および列方向に分割することを繰り返して、分割前の画像データに相似する複数のサブ画像データを生成するウェーブレット変換を用いて、外部から入力された画像データを圧縮している。さらに、前記調整手段は、前記検知手段によって検知された空き容量に応じて、前記圧縮手段から前記記憶手段に対して格納されるサブ画像データの量を調整すること、および前記検知手段によって検知された転送速度に応じて、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送するサブ画像データの量を調整することのうち少なくとも一方を行うことを特徴とする。ここで、サブ画像データは、圧縮データの下位概念であり、ウェーブレット変換を用いた圧縮手段によって生成される圧縮データを意味する。
【0010】
この構成によって、前記記憶手段に空き容量がなく、記憶装置に対して格納されるサブ画像データの量が減少する場合、または前記記憶手段の転送速度が遅くて、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送されるサブ画像データの量が減少する場合であっても、前記圧縮手段としてウェーブレット変換を用いると、低域成分を行方向および列方向に分割することを繰り返して得られたサブ画像データ、および、このサブ画像データとこのサブ画像データを伸張して得られた画像データとの差分によって得た画像データを合わせて圧縮データを伸張するので、圧縮データを伸張して得た画像データの画質を高く保つことができる。
【0011】
本発明に係る記録装置は、前記調整手段が前記検知手段によって得られた検知結果に応じて圧縮データの量を調整するか否かをユーザに選択させる選択手段を備えたことを特徴とする。また、前記圧縮手段がウェーブレット変換を用いる場合には、前記選択手段が、前記調整手段が前記検知手段によって得られた検知結果に応じてサブ画像データの量を調整するか否かをユーザに選択させることを特徴とする。
【0012】
この構成によって、前記記憶手段の残容量が少ない場合や、前記記憶手段の転送速度が遅い場合であっても、ユーザの選択によって圧縮データの量またはサブ画像データの量を減少させずに画像処理を行うので、画像データの画質劣化する場合を減少させる要請と、圧縮データを記憶する記憶手段の容量を確保するとともに記憶手段の転送速度を低下させない要請とのバランスを図ることができる。
【0013】
本発明に係る記録装置においては、前記選択手段が、前記記憶手段の設定状況および前記記憶手段の動作状況をユーザに表示する表示手段に設けられていることを特徴とする。ここで、記憶手段の設定状況とは、記憶手段の記憶可能容量および転送可能速度を含むものをいう。他方、記憶手段の動作状況とは、記憶手段の現在の残容量および記憶手段の現在の転送速度を含むものをいう。
【0014】
この構成によって、ユーザは前記記憶手段の記憶可能容量と前記記憶手段の現在の残容量とを見比べ、また、前記記憶手段の転送可能速度と前記記憶手段の現在の転送速度とを見比べた上で、前記調整手段が前記検知手段によって得られた検知結果に応じて圧縮データの量を調整するか否かをユーザに選択するので、ユーザは、より高度に、画像データの画質劣化する場合を減少させる要請と、圧縮データを記憶する記憶手段の容量を確保するとともに記憶手段の転送速度を低下させない要請とのバランスを図ることができる。
【0015】
本発明に係る記録装置は、前記調整手段が前記検知手段の検知結果に応じて圧縮データの量を調整するか否かを制御する制御コマンドをネットワーク上の外部装置から受信して、前記制御コマンドを前記調整手段に伝達するネットワーク通信手段を備えことを特徴とする。また、前記圧縮手段がウェーブレット変換を用いる場合には、前記ネットワーク通信手段は、前記調整手段が前記検知手段の検知結果に応じてサブ画像データの量を調整するか否かを制御する制御コマンドをネットワーク上の外部装置から受信して、前記制御コマンドを前記調整手段に伝達することを特徴とする。
【0016】
この構成によって、前記記憶手段の残容量が少ない場合や、前記記憶手段の転送速度が遅い場合であっても、ユーザの選択によって圧縮データの量またはサブ画像データの量を減少させずに画像処理を行うので、画像データの画質劣化する場合を減少させる要請と、圧縮データを記憶する記憶手段の容量を確保するとともに記憶手段の転送速度を低下させない要請とのバランスを図ることができる。
【0017】
本発明に係る記録装置においては、前記ネットワーク通信手段は、前記記憶手段の設定状況および前記記憶手段の動作状況を示すデータをネットワーク上の外部装置に送信することを特徴とする。
【0018】
この構成によって、ユーザは前記記憶手段の記憶可能容量と前記記憶手段の現在の残容量とを見比べ、また、前記記憶手段の転送可能速度と前記記憶手段の現在の転送速度とを見比べた上で、前記調整手段が前記検知手段によって得られた検知結果に応じて圧縮データの量を調整するか否かをユーザに選択するので、ユーザは、より高度に、画像データの画質劣化する場合を減少させる要請と、圧縮データを記憶する記憶手段の容量を確保するとともに記憶手段の転送速度を低下させない要請とのバランスを図ることができる。
【0019】
本発明に係る圧縮データ調整プログラムは、外部から入力された画像データを圧縮して圧縮データを生成する圧縮手段によって生成された圧縮データを記憶する記憶手段の残容量を検知する残容量検知ステップと、前記残容量検知ステップで検知された前記記憶手段の残容量に応じて、前記圧縮手段によって生成される圧縮データの量を調整する生成圧縮データ調整ステップと、前記記憶手段が圧縮データを転送する際の転送速度を検知する転送速度検知ステップと、前記転送速度検知ステップで検知された転送速度に応じて、前記記憶手段から転送される圧縮データの量を調整する転送圧縮データ調整ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
この構成によって、前記記憶手段に空き容量があれば、圧縮データから記憶装置に対して格納される圧縮データの量が増加して、多量の圧縮データに基づいて圧縮データが伸張されるので、圧縮データと伸張データとの誤差が小さくなり、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうことを防止することができる。他方、前記記憶手段に空き容量がなければ、圧縮データから記憶装置に対して格納される圧縮データの量が減少するので、圧縮データを記憶する記憶手段の容量を確保することができる。また、この構成によって、前記記憶手段の転送速度が速ければ、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量が増加し、多量の圧縮データに基づいて圧縮データが伸張されるので、圧縮データと伸張データとの誤差を小さくすることになり、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうことを防止することができる。他方、前記記憶手段の転送速度が遅ければ、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量が減少するので、記憶手段の転送速度が低下することを防止することができる。
【0021】
本発明に係るサブ画像データ調整プログラムは、外部から入力された画像データを予め設定された単位ブロック単位で直交変換して画像データの周波数成分を示す係数を算出し、画像データの周波数成分を示す係数を広域成分と低域成分とに分割し、この低域成分を行方向および列方向に分割して得られた低域成分を行方向および列方向に分割することを繰り返して、分割前の画像データに相似する複数のサブ画像データを生成するウェーブレット変換を用いた圧縮手段によって生成されたサブ画像データを記憶する記憶手段の残容量を検知する残容量検知ステップと、前記残容量検知ステップで検知された前記記憶手段の残容量に応じて、前記圧縮手段によって生成されるサブ画像データの量を調整する生成サブ画像データ調整ステップと、前記記憶手段がサブ画像データを転送する際の転送速度を検知する転送速度検知ステップと、前記転送速度検知ステップで検知された転送速度に応じて、前記記憶手段から転送されるサブ画像データの量を調整する転送サブ画像データ調整ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
この構成によって、前記記憶手段に空き容量がなく、圧縮データから記憶装置に対して格納される圧縮データの量が減少する場合、または前記記憶手段の転送速度が遅くて、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量が減少する場合であっても、前記圧縮手段としてウェーブレット変換を用いると、低域成分を行方向および列方向に分割することを繰り返して得られたサブ画像データ、および、このサブ画像データとこのサブ画像データを伸張して得られた画像データとの差分によって得た画像データを合わせて圧縮データを伸張するので、圧縮データを伸張して得た画像データの画質を高く保つことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態に係るプリンタ装置を図面に基づいて説明する。まず、プリンタ装置の構成について本発明に関係する部分を図1を用いて説明すると、プリンタ装置は、プリンタ装置全体の制御を行うコントローラ部と、コントローラ部からの信号に基づいて印字動作を実行するエンジン部120と、コントローラ部の設定状況および動作状況をユーザに表示するとともにユーザの指示をコントローラ部に伝達する操作パネル部130とを備える。ここで、エンジン部120は、記録手段の機能を有している。また、操作パネル部130は、タッチパネルで構成されており、表示手段および選択手段の機能を有している。
【0024】
次に、コントローラ部の詳細な構成について説明すると、コントローラ部は、エンジン部120と各種データの通信を行うエンジンインターフェース(以下、エンジンI/Fとする)111と、操作パネル部130と各種データの通信を行うパネルインターフェース(以下、パネルI/Fとする)112と、ネットワーク上のホストコンピュータ200と各種データの通信を行うネットワーク通信手段であるホストインターフェース(以下、ホストI/Fとする)113と、ハードディスク装置300と各種データの通信を行うディスクインターフェース(以下、ディスクI/Fとする)114とを備える。また、コントローラ部は、プリンタ装置全体の制御を行う各種制御プログラムを格納するブートROM115(Read Only Memory)と、ブートROM115に格納された各種制御プログラムを実行するCPU116(Central Processing Unit)と、CPU116の作業領域および各種データを一時的に保持する領域として使用される記憶手段であるRAM117(Random Access Memory)と、操作パネル部130からのデータを記憶するための不揮発性ROMと、フォントパターンなどを記憶するフォントROM119とを備える。ここで、コントローラ部110を構成する各部はバスによって接続されている。
【0025】
次に、ブートROM115に格納された各種制御プログラムについて説明する。ブートROM115は、ホストI/F113を介してホストコンピュータ200から受け取った画像データを圧縮して圧縮データを生成する圧縮手段である圧縮プログラムを格納する。ここで、本実施の形態では、圧縮プログラムとして、外部から入力された画像データを予め設定された単位ブロック単位で直交変換して画像データの周波数成分を示す係数を算出し、画像データの周波数成分を示す係数を広域成分と低域成分とに分割し、この低域成分を行方向および列方向に分割して得られた低域成分を行方向および列方向に分割することを繰り返して、分割前の画像データに相似する複数のサブ画像データを生成するウェーブレット変換プログラムを含んでいる。もちろん、本実施の形態は、ウェーブレット変換以外の変換プログラム、例えば、離散コサイン変換などのプログラムを用いてサブ画像データに代わる圧縮データを生成する場合を妨げるものではない。また、ブートROM115は、圧縮プログラムによって生成されたサブ画像データを符号化する符号化プログラムと、符号化されたサブ画像データを伸張する伸張手段である伸張プログラムとを格納する。また、ブートROM115は、RAM117の空き容量およびRAM117に記憶されたサブ画像データを転送する際の転送速度を検知する検知手段である検知プログラムと、検知プログラムによって検知された空き容量に応じて、RAM117に格納される符号化されたサブ画像データの量を調整すること、および検知プログラムによって検知された転送速度に応じて、RAM117から転送される符号化されたサブ画像データの量を調整することのうち少なくとも一方を行う調整手段である調整プログラムとを格納する。ここで、ブートROM115に格納されたこれらの各種プログラムの集合体は、ウェーブレット変換プログラム以外の圧縮プログラムを含んでいる場合には圧縮データ調整プログラムに、ウェーブレット変換プログラムを含んでいる場合にはサブ画像データ調整プログラムにそれぞれ対応するものである。
【0026】
次に、本実施の形態に係るプリンタ装置の動作について図2を用いて説明する。まず、コントローラ部が、ホストI/F113を介してホストコンピュータ200からの画像データを取得する(S101)。
【0027】
次いで、CPU116が、ブートROM115に格納されたウェーブレット変換プログラムを画像データに対して実行する(S102)。ここで、ウェーブレット変換について説明すると、ウェーブレット変換においては、画像データが8ビット×8ビットなどのブロック単位で直交変換され、画像データの周波数成分に分割される。次いで、画像データの周波数成分は、ローパスフィルタ(以下、LPFとする)およびハイパスフィルタ(以下、HPFとする)によって出力される。LPF出力であるS(n)およびHPF出力であるD(n)は、次式に基づいて得られる。なお、次式の「x」は周波数成分を意味する。
S(n)=│{x(2n)+x(2n+1)}/2│
D(n)=x(2n+2)−x(2n+3)+│{−S(n)+S(n+2)+2}/4│
さらに、LPF出力であるS(n)およびHPF出力であるD(n)が行方向および列方向に分割されて、図3のようになる。図3において、LL1は、第1階層の低周波数成分を表す。各階層の低周波数成分LL(n)については、図4に示すように、前述の周波数成分による分割と、行方向および列方向の分割が繰り返し実行される。このようにして得られた各階層の低周波数成分LL(n)をサブ画像データとする。
【0028】
次いで、CPU116は、ブートROM115に格納された符号化プログラムを実行してウェーブレット変換によって生成されたサブ画像データをエントロピー符合化法に従って符号化する(S103)。なお、本実施の形態では、エントロピー符合化法を用いたが、他の符合化法を用いることを妨げない。
【0029】
次いで、CPU116は、ブートROM115に格納された検知プログラムを実行して、符号化されたサブ画像データが記憶されるRAM117の残容量を検知する(S104)。
【0030】
次いで、CPU116は、ブートROM115に格納された調整プログラムを実行して、検知プログラムによって検知されたRAM117の残容量が少ないか否かを判定する(S105)。ここで、RAM117の残容量は、RAM117の記憶可能容量からRAM117の現在の記憶容量を差分することで求められる。また、RAM117の残容量が少ないか否かは、符号化されたサブ画像データの量をRAM117の残容量で除した値が予め設定された値よりも大きいか否かで判定されるが、本実施の形態は他の場合を妨げない。
【0031】
次いで、RAM117の残容量が少ないと判定されると、CPU116は、ブートROM115に格納されたプログラムを実行して、RAM117の残容量および符号化されたサブ画像データの量を操作パネル部130に表示する。この表示を見たユーザが、符号化されたサブ画像データの量を減少させることを可とする選択を操作パネル部130によって行う。CPU116は、符号化されたサブ画像データの量を減少させることを可とするデータを不揮発性RAM118117に保持する(S106)。
【0032】
次いで、CPU116は、不揮発性RAM118117に保持されたユーザの選択結果に基づいて、ブートROM115に格納された調整プログラムを実行し、RAM117に記憶される符号化されたサブ画像データの量を減少させる(S107)。ここで、符号化されたサブ画像データの量を減少させるとは、例えば、第4階のウェーブレット変換が行われた場合、第4階目のウェーブレット変換までに生じた低周波数成分LL1、LL2、LL3およびLL4のうち、LL4を残して、他の低周波数成分を破棄することをいう。また、RAM117に記憶される符号化されたサブ画像データの減少量は、RAM117の残容量およびRAM117に記憶する符号化されたサブ画像データの減少量に関する予め設定された比例式に基づいて算出されることが好ましいが、本実施の形態は他の場合を妨げない。
【0033】
なお、本実施の形態では、ユーザがRAM117に記憶される符号化されたサブ画像データの量を減少させるか否かを操作パネル部130によって選択するようになっているが(S106参照)、このステップを設けなくても構わない。また、符号化されたサブ画像データの量を減少させるか否かという択一的な選択ではなく、符号化されたサブ画像データの量をどの程度減少させるかという判断をユーザに操作パネル部130によって選択させてもよい。この場合、RAM117の残容量およびRAM117に記憶する符号化されたサブ画像データの減少量に関する比例式が、操作パネル部130を介してユーザに表示される。これら操作パネル部130によって行われる操作は、ホストコンピュータ200からホストI/F113を介して制御コマンドを送信することで行われてもよい。
【0034】
次いで、CPU116は、符号化されたサブ画像データをRAM117に記憶する(S108)。ここで、符号化されたサブ画像データは、図5に示すようなコーディングスタイルでRAM117に記憶される。図5は、符号化されたサブ画像データが全てRAM117に記憶された状態を示しているが、符号化されたサブ画像データが減少した場合は、図5とは異なったコーディングスタイルとなる。
【0035】
次いで、CPU116は、符号化されたサブ画像データをRAM117から読み出す前に、ブートROM115に格納された検知プログラムを実行して、RAM117の転送速度を検知する(S109)。特に、ステップS108において、符号化されたサブ画像データが全てRAM117に記憶された場合、RAM117の転送速度が遅いと、符号化されたサブ画像データをRAM117から読み出す処理に時間がかかってしまうので、RAM117の転送速度を検知することが重要となる。
【0036】
次いで、CPU116は、ブートROM115に格納された調整プログラムを実行して、RAM117の転送速度が遅いか否かを判定する(S110)。ここで、CPU116は、ブートROM115に格納された調整プログラムを実行し、ステップS102で得られたRAM117の残容量に応じて、RAM117に記憶する符号化されたサブ画像データの量を調整する。ここで、RAM117の転送速度は、単位時間当たりの符号化されたサブ画像データの移動量を演算する演算プログラムによって求められる。また、RAM117の転送速度が遅いか否かは、RAM117の現在の転送速度をRAM117の転送可能速度で除した値が予め設定された値よりも大きいか否かで判定されるが、本実施の形態は他の場合を妨げない。
【0037】
次いで、RAM117の転送速度が遅いと判定されると、CPU116は、ブートROM115に格納されたプログラムを実行して、RAM117の転送速度および符号化されたサブ画像データの量を操作パネル部130に表示する。この表示を見たユーザが、RAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの量を減少させることを可とする選択を操作パネル部130によって行う。CPU116は、RAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの量を減少させることを可とするデータを不揮発性RAM118117に保持する(S111)。
【0038】
次いで、CPU116は、不揮発性RAM118117に保持されたユーザの選択結果に基づいて、ブートROM115に格納された調整プログラムを実行し、RAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの量を減少させる(S112)。ここで、RAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの減少量は、RAM117の転送速度およびRAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの減少量に関する予め設定された比例式に基づいて算出されることが好ましいが、本実施の形態は他の場合を妨げない。
【0039】
なお、本実施の形態では、ユーザがRAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの量を減少させるか否かを操作パネル部130によって選択するようになっているが(S111参照)、このステップを設けなくても構わない。また、RAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの量を減少させるか否かという択一的な選択ではなく、RAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの量をどの程度減少させるかという判断をユーザに操作パネル部130によって選択させてもよい。この場合、RAM117の転送速度およびRAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの減少量に関する比例式が、操作パネル部130を介してユーザに表示される。これら操作パネル部130によって行われる操作は、ホストコンピュータ200からホストI/F113を介して制御コマンドを送信することで行われてもよい。ここで、制御コマンドは、プリンタ装置に格納された各種プログラムを記述する言語に対応した言語で記述されていることが好ましい。また、ホストコンピュータ200にプリンタ装置に設けられた操作パネル部130のような操作パネルを設けて、制御コマンドを入力する動作を省略してもよい。
【0040】
次いで、CPU116は、ブートROM115に格納された伸張プログラムを実行して、RAM117から読み出された符号化されたサブ画像データを伸張する(S113)。
【0041】
次いで、CPU116は、ブートROM115に格納されたプログラムを実行して、伸張された画像データをエンジン部120に印字させる(S114)。
【0042】
なお、本実施の形態では、RAM117に記憶される符号化されたサブ画像データの量をRAM117の残容量に応じて減少する動作と、RAM117から読み出す符号化されたサブ画像データの量をRAM117の転送速度に応じて減少する動作が双方実施されているが、本実施の形態は、一方の動作のみが実施される場合を妨げるものではない。
【0043】
本実施の形態によれば、RAM117に空き容量がなく、RAM117に対して格納される圧縮データであるサブ画像データの量が減少する場合、またはRAM117の転送速度が遅くて、RAM117から転送されるサブ画像データの量が減少する場合であっても、圧縮プログラムとしてウェーブレット変換プログラムを用いると、低域成分を行方向および列方向に分割することを繰り返して得られたサブ画像データ、および、このサブ画像データとこのサブ画像データを伸張して得られた画像データとの差分によって得た画像データを合わせてサブ画像データを伸張するので、サブ画像データを伸張して得た画像データの画質を高く保つことができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係る記録装置によって、前記記憶手段に空き容量があれば、圧縮データから記憶装置に対して格納される圧縮データの量が増加して、多量の圧縮データに基づいて圧縮データが伸張されるので、圧縮データと伸張データとの誤差が小さくなり、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうことを防止することができる。他方、前記記憶手段に空き容量がなければ、圧縮データから記憶装置に対して格納される圧縮データの量が減少するので、圧縮データを記憶する記憶手段の容量を確保することができる。また、この構成によって、前記記憶手段の転送速度が速ければ、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量が増加し、多量の圧縮データに基づいて圧縮データが伸張されるので、圧縮データと伸張データとの誤差を小さくすることになり、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうことを防止することができる。他方、前記記憶手段の転送速度が遅ければ、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量が減少するので、記憶手段の転送速度が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施形態に係るプリンタ装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明一実施形態に係るプリンタ装置の動作手順を示すフローチャート
【図3】ウェーブレット変換係数の名称と画像との対応関係を示す図
【図4】4階層ウェーブレット変換の手順を示す図
【図5】RAM上の符号化データのコーディングスタイルを示す図
【符号の説明】
113 ホストI/F(ネットワーク通信手段)
115 ブートROM(圧縮手段、伸張手段、検知手段、調整手段)
116 CPU(圧縮手段、伸張手段、検知手段、調整手段)
117 RAM(記憶手段)
120 エンジン部(記録手段)
130 操作パネル部(選択手段、表示手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮データの量を調整する記録装置、圧縮データ調整プログラムおよびサブ画像データ調整プログラムに関し、より詳しくは、記憶手段の空き容量および転送速度に応じて圧縮データまたはサブ画像データの量を調整するプリンタ、インテリジェントコピアおよびインテリジェントファクシミリ、ならびに、これらに用いられる圧縮データ調整プログラムおよびサブ画像データ調整プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、特開平10−84484号公報には、ウェーブレット方式の圧縮またはバイナリ方式の圧縮を選択して画像データを圧縮するデータ圧縮システムが記載されており、このデータ圧縮システムを用いた記録装置が知られている。
【0003】
この種の記録装置では、圧縮データを記憶するメモリの容量を確保するとともにメモリの転送速度を低下させないために、元の画像データと、この元の画像データから圧縮データを階層的に生成する際に生じた中間階層の圧縮データとを破棄するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の記録装置にあっては、元の画像データと、この元の画像データから圧縮データを階層的に生成する際に生じた中間階層の圧縮データとを破棄するため、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうという課題があった。
【0005】
もっとも、圧縮データを記憶するメモリの容量を確保するとともにメモリの転送速度を低下させないという課題が解決されるべきものであることは当然である。
【0006】
そこで、本発明は、圧縮データを記憶するメモリの容量を確保するとともにメモリの転送速度を低下させないという課題を解決しつつ、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうという課題を解決することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る記録装置は、外部から入力された画像データを圧縮して圧縮データを生成する圧縮手段と、前記圧縮手段によって生成された圧縮データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された圧縮データを伸張する伸張手段と、前記伸張手段によって得られた伸張データを予め定められた記録媒体に記録する記録手段とを備える。さらに、本発明に係る記録装置は、前記記憶手段の空き容量および前記記憶手段に記憶された圧縮データを前記伸張手段側に転送する際の転送速度を検知する検知手段と、前記検知手段によって検知された空き容量に応じて、前記圧縮手段から前記記憶手段に対して格納される圧縮データの量を調整すること、および前記検知手段によって検知された転送速度に応じて、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量を調整することのうち少なくとも一方を行う調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
この構成によって、前記記憶手段に空き容量があれば、圧縮データから記憶装置に対して格納される圧縮データの量が増加して、多量の圧縮データに基づいて圧縮データが伸張されるので、圧縮データと伸張データとの誤差が小さくなり、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうことを防止することができる。他方、前記記憶手段に空き容量がなければ、圧縮データから記憶装置に対して格納される圧縮データの量が減少するので、圧縮データを記憶する記憶手段の容量を確保することができる。また、この構成によって、前記記憶手段の転送速度が速ければ、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量が増加し、多量の圧縮データに基づいて圧縮データが伸張されるので、圧縮データと伸張データとの誤差を小さくすることになり、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうことを防止することができる。他方、前記記憶手段の転送速度が遅ければ、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量が減少するので、記憶手段の転送速度が低下することを防止することができる。
【0009】
本発明に係る記録装置においては、前記圧縮手段が、外部から入力された画像データを予め設定された単位ブロック単位で直交変換して画像データの周波数成分を示す係数を算出し、画像データの周波数成分を示す係数を広域成分と低域成分とに分割し、この低域成分を行方向および列方向に分割して得られた低域成分を行方向および列方向に分割することを繰り返して、分割前の画像データに相似する複数のサブ画像データを生成するウェーブレット変換を用いて、外部から入力された画像データを圧縮している。さらに、前記調整手段は、前記検知手段によって検知された空き容量に応じて、前記圧縮手段から前記記憶手段に対して格納されるサブ画像データの量を調整すること、および前記検知手段によって検知された転送速度に応じて、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送するサブ画像データの量を調整することのうち少なくとも一方を行うことを特徴とする。ここで、サブ画像データは、圧縮データの下位概念であり、ウェーブレット変換を用いた圧縮手段によって生成される圧縮データを意味する。
【0010】
この構成によって、前記記憶手段に空き容量がなく、記憶装置に対して格納されるサブ画像データの量が減少する場合、または前記記憶手段の転送速度が遅くて、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送されるサブ画像データの量が減少する場合であっても、前記圧縮手段としてウェーブレット変換を用いると、低域成分を行方向および列方向に分割することを繰り返して得られたサブ画像データ、および、このサブ画像データとこのサブ画像データを伸張して得られた画像データとの差分によって得た画像データを合わせて圧縮データを伸張するので、圧縮データを伸張して得た画像データの画質を高く保つことができる。
【0011】
本発明に係る記録装置は、前記調整手段が前記検知手段によって得られた検知結果に応じて圧縮データの量を調整するか否かをユーザに選択させる選択手段を備えたことを特徴とする。また、前記圧縮手段がウェーブレット変換を用いる場合には、前記選択手段が、前記調整手段が前記検知手段によって得られた検知結果に応じてサブ画像データの量を調整するか否かをユーザに選択させることを特徴とする。
【0012】
この構成によって、前記記憶手段の残容量が少ない場合や、前記記憶手段の転送速度が遅い場合であっても、ユーザの選択によって圧縮データの量またはサブ画像データの量を減少させずに画像処理を行うので、画像データの画質劣化する場合を減少させる要請と、圧縮データを記憶する記憶手段の容量を確保するとともに記憶手段の転送速度を低下させない要請とのバランスを図ることができる。
【0013】
本発明に係る記録装置においては、前記選択手段が、前記記憶手段の設定状況および前記記憶手段の動作状況をユーザに表示する表示手段に設けられていることを特徴とする。ここで、記憶手段の設定状況とは、記憶手段の記憶可能容量および転送可能速度を含むものをいう。他方、記憶手段の動作状況とは、記憶手段の現在の残容量および記憶手段の現在の転送速度を含むものをいう。
【0014】
この構成によって、ユーザは前記記憶手段の記憶可能容量と前記記憶手段の現在の残容量とを見比べ、また、前記記憶手段の転送可能速度と前記記憶手段の現在の転送速度とを見比べた上で、前記調整手段が前記検知手段によって得られた検知結果に応じて圧縮データの量を調整するか否かをユーザに選択するので、ユーザは、より高度に、画像データの画質劣化する場合を減少させる要請と、圧縮データを記憶する記憶手段の容量を確保するとともに記憶手段の転送速度を低下させない要請とのバランスを図ることができる。
【0015】
本発明に係る記録装置は、前記調整手段が前記検知手段の検知結果に応じて圧縮データの量を調整するか否かを制御する制御コマンドをネットワーク上の外部装置から受信して、前記制御コマンドを前記調整手段に伝達するネットワーク通信手段を備えことを特徴とする。また、前記圧縮手段がウェーブレット変換を用いる場合には、前記ネットワーク通信手段は、前記調整手段が前記検知手段の検知結果に応じてサブ画像データの量を調整するか否かを制御する制御コマンドをネットワーク上の外部装置から受信して、前記制御コマンドを前記調整手段に伝達することを特徴とする。
【0016】
この構成によって、前記記憶手段の残容量が少ない場合や、前記記憶手段の転送速度が遅い場合であっても、ユーザの選択によって圧縮データの量またはサブ画像データの量を減少させずに画像処理を行うので、画像データの画質劣化する場合を減少させる要請と、圧縮データを記憶する記憶手段の容量を確保するとともに記憶手段の転送速度を低下させない要請とのバランスを図ることができる。
【0017】
本発明に係る記録装置においては、前記ネットワーク通信手段は、前記記憶手段の設定状況および前記記憶手段の動作状況を示すデータをネットワーク上の外部装置に送信することを特徴とする。
【0018】
この構成によって、ユーザは前記記憶手段の記憶可能容量と前記記憶手段の現在の残容量とを見比べ、また、前記記憶手段の転送可能速度と前記記憶手段の現在の転送速度とを見比べた上で、前記調整手段が前記検知手段によって得られた検知結果に応じて圧縮データの量を調整するか否かをユーザに選択するので、ユーザは、より高度に、画像データの画質劣化する場合を減少させる要請と、圧縮データを記憶する記憶手段の容量を確保するとともに記憶手段の転送速度を低下させない要請とのバランスを図ることができる。
【0019】
本発明に係る圧縮データ調整プログラムは、外部から入力された画像データを圧縮して圧縮データを生成する圧縮手段によって生成された圧縮データを記憶する記憶手段の残容量を検知する残容量検知ステップと、前記残容量検知ステップで検知された前記記憶手段の残容量に応じて、前記圧縮手段によって生成される圧縮データの量を調整する生成圧縮データ調整ステップと、前記記憶手段が圧縮データを転送する際の転送速度を検知する転送速度検知ステップと、前記転送速度検知ステップで検知された転送速度に応じて、前記記憶手段から転送される圧縮データの量を調整する転送圧縮データ調整ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
この構成によって、前記記憶手段に空き容量があれば、圧縮データから記憶装置に対して格納される圧縮データの量が増加して、多量の圧縮データに基づいて圧縮データが伸張されるので、圧縮データと伸張データとの誤差が小さくなり、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうことを防止することができる。他方、前記記憶手段に空き容量がなければ、圧縮データから記憶装置に対して格納される圧縮データの量が減少するので、圧縮データを記憶する記憶手段の容量を確保することができる。また、この構成によって、前記記憶手段の転送速度が速ければ、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量が増加し、多量の圧縮データに基づいて圧縮データが伸張されるので、圧縮データと伸張データとの誤差を小さくすることになり、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうことを防止することができる。他方、前記記憶手段の転送速度が遅ければ、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量が減少するので、記憶手段の転送速度が低下することを防止することができる。
【0021】
本発明に係るサブ画像データ調整プログラムは、外部から入力された画像データを予め設定された単位ブロック単位で直交変換して画像データの周波数成分を示す係数を算出し、画像データの周波数成分を示す係数を広域成分と低域成分とに分割し、この低域成分を行方向および列方向に分割して得られた低域成分を行方向および列方向に分割することを繰り返して、分割前の画像データに相似する複数のサブ画像データを生成するウェーブレット変換を用いた圧縮手段によって生成されたサブ画像データを記憶する記憶手段の残容量を検知する残容量検知ステップと、前記残容量検知ステップで検知された前記記憶手段の残容量に応じて、前記圧縮手段によって生成されるサブ画像データの量を調整する生成サブ画像データ調整ステップと、前記記憶手段がサブ画像データを転送する際の転送速度を検知する転送速度検知ステップと、前記転送速度検知ステップで検知された転送速度に応じて、前記記憶手段から転送されるサブ画像データの量を調整する転送サブ画像データ調整ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
この構成によって、前記記憶手段に空き容量がなく、圧縮データから記憶装置に対して格納される圧縮データの量が減少する場合、または前記記憶手段の転送速度が遅くて、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量が減少する場合であっても、前記圧縮手段としてウェーブレット変換を用いると、低域成分を行方向および列方向に分割することを繰り返して得られたサブ画像データ、および、このサブ画像データとこのサブ画像データを伸張して得られた画像データとの差分によって得た画像データを合わせて圧縮データを伸張するので、圧縮データを伸張して得た画像データの画質を高く保つことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態に係るプリンタ装置を図面に基づいて説明する。まず、プリンタ装置の構成について本発明に関係する部分を図1を用いて説明すると、プリンタ装置は、プリンタ装置全体の制御を行うコントローラ部と、コントローラ部からの信号に基づいて印字動作を実行するエンジン部120と、コントローラ部の設定状況および動作状況をユーザに表示するとともにユーザの指示をコントローラ部に伝達する操作パネル部130とを備える。ここで、エンジン部120は、記録手段の機能を有している。また、操作パネル部130は、タッチパネルで構成されており、表示手段および選択手段の機能を有している。
【0024】
次に、コントローラ部の詳細な構成について説明すると、コントローラ部は、エンジン部120と各種データの通信を行うエンジンインターフェース(以下、エンジンI/Fとする)111と、操作パネル部130と各種データの通信を行うパネルインターフェース(以下、パネルI/Fとする)112と、ネットワーク上のホストコンピュータ200と各種データの通信を行うネットワーク通信手段であるホストインターフェース(以下、ホストI/Fとする)113と、ハードディスク装置300と各種データの通信を行うディスクインターフェース(以下、ディスクI/Fとする)114とを備える。また、コントローラ部は、プリンタ装置全体の制御を行う各種制御プログラムを格納するブートROM115(Read Only Memory)と、ブートROM115に格納された各種制御プログラムを実行するCPU116(Central Processing Unit)と、CPU116の作業領域および各種データを一時的に保持する領域として使用される記憶手段であるRAM117(Random Access Memory)と、操作パネル部130からのデータを記憶するための不揮発性ROMと、フォントパターンなどを記憶するフォントROM119とを備える。ここで、コントローラ部110を構成する各部はバスによって接続されている。
【0025】
次に、ブートROM115に格納された各種制御プログラムについて説明する。ブートROM115は、ホストI/F113を介してホストコンピュータ200から受け取った画像データを圧縮して圧縮データを生成する圧縮手段である圧縮プログラムを格納する。ここで、本実施の形態では、圧縮プログラムとして、外部から入力された画像データを予め設定された単位ブロック単位で直交変換して画像データの周波数成分を示す係数を算出し、画像データの周波数成分を示す係数を広域成分と低域成分とに分割し、この低域成分を行方向および列方向に分割して得られた低域成分を行方向および列方向に分割することを繰り返して、分割前の画像データに相似する複数のサブ画像データを生成するウェーブレット変換プログラムを含んでいる。もちろん、本実施の形態は、ウェーブレット変換以外の変換プログラム、例えば、離散コサイン変換などのプログラムを用いてサブ画像データに代わる圧縮データを生成する場合を妨げるものではない。また、ブートROM115は、圧縮プログラムによって生成されたサブ画像データを符号化する符号化プログラムと、符号化されたサブ画像データを伸張する伸張手段である伸張プログラムとを格納する。また、ブートROM115は、RAM117の空き容量およびRAM117に記憶されたサブ画像データを転送する際の転送速度を検知する検知手段である検知プログラムと、検知プログラムによって検知された空き容量に応じて、RAM117に格納される符号化されたサブ画像データの量を調整すること、および検知プログラムによって検知された転送速度に応じて、RAM117から転送される符号化されたサブ画像データの量を調整することのうち少なくとも一方を行う調整手段である調整プログラムとを格納する。ここで、ブートROM115に格納されたこれらの各種プログラムの集合体は、ウェーブレット変換プログラム以外の圧縮プログラムを含んでいる場合には圧縮データ調整プログラムに、ウェーブレット変換プログラムを含んでいる場合にはサブ画像データ調整プログラムにそれぞれ対応するものである。
【0026】
次に、本実施の形態に係るプリンタ装置の動作について図2を用いて説明する。まず、コントローラ部が、ホストI/F113を介してホストコンピュータ200からの画像データを取得する(S101)。
【0027】
次いで、CPU116が、ブートROM115に格納されたウェーブレット変換プログラムを画像データに対して実行する(S102)。ここで、ウェーブレット変換について説明すると、ウェーブレット変換においては、画像データが8ビット×8ビットなどのブロック単位で直交変換され、画像データの周波数成分に分割される。次いで、画像データの周波数成分は、ローパスフィルタ(以下、LPFとする)およびハイパスフィルタ(以下、HPFとする)によって出力される。LPF出力であるS(n)およびHPF出力であるD(n)は、次式に基づいて得られる。なお、次式の「x」は周波数成分を意味する。
S(n)=│{x(2n)+x(2n+1)}/2│
D(n)=x(2n+2)−x(2n+3)+│{−S(n)+S(n+2)+2}/4│
さらに、LPF出力であるS(n)およびHPF出力であるD(n)が行方向および列方向に分割されて、図3のようになる。図3において、LL1は、第1階層の低周波数成分を表す。各階層の低周波数成分LL(n)については、図4に示すように、前述の周波数成分による分割と、行方向および列方向の分割が繰り返し実行される。このようにして得られた各階層の低周波数成分LL(n)をサブ画像データとする。
【0028】
次いで、CPU116は、ブートROM115に格納された符号化プログラムを実行してウェーブレット変換によって生成されたサブ画像データをエントロピー符合化法に従って符号化する(S103)。なお、本実施の形態では、エントロピー符合化法を用いたが、他の符合化法を用いることを妨げない。
【0029】
次いで、CPU116は、ブートROM115に格納された検知プログラムを実行して、符号化されたサブ画像データが記憶されるRAM117の残容量を検知する(S104)。
【0030】
次いで、CPU116は、ブートROM115に格納された調整プログラムを実行して、検知プログラムによって検知されたRAM117の残容量が少ないか否かを判定する(S105)。ここで、RAM117の残容量は、RAM117の記憶可能容量からRAM117の現在の記憶容量を差分することで求められる。また、RAM117の残容量が少ないか否かは、符号化されたサブ画像データの量をRAM117の残容量で除した値が予め設定された値よりも大きいか否かで判定されるが、本実施の形態は他の場合を妨げない。
【0031】
次いで、RAM117の残容量が少ないと判定されると、CPU116は、ブートROM115に格納されたプログラムを実行して、RAM117の残容量および符号化されたサブ画像データの量を操作パネル部130に表示する。この表示を見たユーザが、符号化されたサブ画像データの量を減少させることを可とする選択を操作パネル部130によって行う。CPU116は、符号化されたサブ画像データの量を減少させることを可とするデータを不揮発性RAM118117に保持する(S106)。
【0032】
次いで、CPU116は、不揮発性RAM118117に保持されたユーザの選択結果に基づいて、ブートROM115に格納された調整プログラムを実行し、RAM117に記憶される符号化されたサブ画像データの量を減少させる(S107)。ここで、符号化されたサブ画像データの量を減少させるとは、例えば、第4階のウェーブレット変換が行われた場合、第4階目のウェーブレット変換までに生じた低周波数成分LL1、LL2、LL3およびLL4のうち、LL4を残して、他の低周波数成分を破棄することをいう。また、RAM117に記憶される符号化されたサブ画像データの減少量は、RAM117の残容量およびRAM117に記憶する符号化されたサブ画像データの減少量に関する予め設定された比例式に基づいて算出されることが好ましいが、本実施の形態は他の場合を妨げない。
【0033】
なお、本実施の形態では、ユーザがRAM117に記憶される符号化されたサブ画像データの量を減少させるか否かを操作パネル部130によって選択するようになっているが(S106参照)、このステップを設けなくても構わない。また、符号化されたサブ画像データの量を減少させるか否かという択一的な選択ではなく、符号化されたサブ画像データの量をどの程度減少させるかという判断をユーザに操作パネル部130によって選択させてもよい。この場合、RAM117の残容量およびRAM117に記憶する符号化されたサブ画像データの減少量に関する比例式が、操作パネル部130を介してユーザに表示される。これら操作パネル部130によって行われる操作は、ホストコンピュータ200からホストI/F113を介して制御コマンドを送信することで行われてもよい。
【0034】
次いで、CPU116は、符号化されたサブ画像データをRAM117に記憶する(S108)。ここで、符号化されたサブ画像データは、図5に示すようなコーディングスタイルでRAM117に記憶される。図5は、符号化されたサブ画像データが全てRAM117に記憶された状態を示しているが、符号化されたサブ画像データが減少した場合は、図5とは異なったコーディングスタイルとなる。
【0035】
次いで、CPU116は、符号化されたサブ画像データをRAM117から読み出す前に、ブートROM115に格納された検知プログラムを実行して、RAM117の転送速度を検知する(S109)。特に、ステップS108において、符号化されたサブ画像データが全てRAM117に記憶された場合、RAM117の転送速度が遅いと、符号化されたサブ画像データをRAM117から読み出す処理に時間がかかってしまうので、RAM117の転送速度を検知することが重要となる。
【0036】
次いで、CPU116は、ブートROM115に格納された調整プログラムを実行して、RAM117の転送速度が遅いか否かを判定する(S110)。ここで、CPU116は、ブートROM115に格納された調整プログラムを実行し、ステップS102で得られたRAM117の残容量に応じて、RAM117に記憶する符号化されたサブ画像データの量を調整する。ここで、RAM117の転送速度は、単位時間当たりの符号化されたサブ画像データの移動量を演算する演算プログラムによって求められる。また、RAM117の転送速度が遅いか否かは、RAM117の現在の転送速度をRAM117の転送可能速度で除した値が予め設定された値よりも大きいか否かで判定されるが、本実施の形態は他の場合を妨げない。
【0037】
次いで、RAM117の転送速度が遅いと判定されると、CPU116は、ブートROM115に格納されたプログラムを実行して、RAM117の転送速度および符号化されたサブ画像データの量を操作パネル部130に表示する。この表示を見たユーザが、RAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの量を減少させることを可とする選択を操作パネル部130によって行う。CPU116は、RAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの量を減少させることを可とするデータを不揮発性RAM118117に保持する(S111)。
【0038】
次いで、CPU116は、不揮発性RAM118117に保持されたユーザの選択結果に基づいて、ブートROM115に格納された調整プログラムを実行し、RAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの量を減少させる(S112)。ここで、RAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの減少量は、RAM117の転送速度およびRAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの減少量に関する予め設定された比例式に基づいて算出されることが好ましいが、本実施の形態は他の場合を妨げない。
【0039】
なお、本実施の形態では、ユーザがRAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの量を減少させるか否かを操作パネル部130によって選択するようになっているが(S111参照)、このステップを設けなくても構わない。また、RAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの量を減少させるか否かという択一的な選択ではなく、RAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの量をどの程度減少させるかという判断をユーザに操作パネル部130によって選択させてもよい。この場合、RAM117の転送速度およびRAM117から読み出される符号化されたサブ画像データの減少量に関する比例式が、操作パネル部130を介してユーザに表示される。これら操作パネル部130によって行われる操作は、ホストコンピュータ200からホストI/F113を介して制御コマンドを送信することで行われてもよい。ここで、制御コマンドは、プリンタ装置に格納された各種プログラムを記述する言語に対応した言語で記述されていることが好ましい。また、ホストコンピュータ200にプリンタ装置に設けられた操作パネル部130のような操作パネルを設けて、制御コマンドを入力する動作を省略してもよい。
【0040】
次いで、CPU116は、ブートROM115に格納された伸張プログラムを実行して、RAM117から読み出された符号化されたサブ画像データを伸張する(S113)。
【0041】
次いで、CPU116は、ブートROM115に格納されたプログラムを実行して、伸張された画像データをエンジン部120に印字させる(S114)。
【0042】
なお、本実施の形態では、RAM117に記憶される符号化されたサブ画像データの量をRAM117の残容量に応じて減少する動作と、RAM117から読み出す符号化されたサブ画像データの量をRAM117の転送速度に応じて減少する動作が双方実施されているが、本実施の形態は、一方の動作のみが実施される場合を妨げるものではない。
【0043】
本実施の形態によれば、RAM117に空き容量がなく、RAM117に対して格納される圧縮データであるサブ画像データの量が減少する場合、またはRAM117の転送速度が遅くて、RAM117から転送されるサブ画像データの量が減少する場合であっても、圧縮プログラムとしてウェーブレット変換プログラムを用いると、低域成分を行方向および列方向に分割することを繰り返して得られたサブ画像データ、および、このサブ画像データとこのサブ画像データを伸張して得られた画像データとの差分によって得た画像データを合わせてサブ画像データを伸張するので、サブ画像データを伸張して得た画像データの画質を高く保つことができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係る記録装置によって、前記記憶手段に空き容量があれば、圧縮データから記憶装置に対して格納される圧縮データの量が増加して、多量の圧縮データに基づいて圧縮データが伸張されるので、圧縮データと伸張データとの誤差が小さくなり、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうことを防止することができる。他方、前記記憶手段に空き容量がなければ、圧縮データから記憶装置に対して格納される圧縮データの量が減少するので、圧縮データを記憶する記憶手段の容量を確保することができる。また、この構成によって、前記記憶手段の転送速度が速ければ、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量が増加し、多量の圧縮データに基づいて圧縮データが伸張されるので、圧縮データと伸張データとの誤差を小さくすることになり、圧縮データを伸張して得た画像データの画質が常に劣化してしまうことを防止することができる。他方、前記記憶手段の転送速度が遅ければ、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量が減少するので、記憶手段の転送速度が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施形態に係るプリンタ装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明一実施形態に係るプリンタ装置の動作手順を示すフローチャート
【図3】ウェーブレット変換係数の名称と画像との対応関係を示す図
【図4】4階層ウェーブレット変換の手順を示す図
【図5】RAM上の符号化データのコーディングスタイルを示す図
【符号の説明】
113 ホストI/F(ネットワーク通信手段)
115 ブートROM(圧縮手段、伸張手段、検知手段、調整手段)
116 CPU(圧縮手段、伸張手段、検知手段、調整手段)
117 RAM(記憶手段)
120 エンジン部(記録手段)
130 操作パネル部(選択手段、表示手段)
Claims (10)
- 外部から入力された画像データを圧縮して圧縮データを生成する圧縮手段と、前記圧縮手段によって生成された圧縮データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された圧縮データを伸張する伸張手段と、前記伸張手段によって得られた伸張データを予め定められた記録媒体に記録する記録手段とを備えた記録装置において、
前記記憶手段の空き容量および前記記憶手段に記憶された圧縮データを前記伸張手段側に転送する際の転送速度を検知する検知手段と、
前記検知手段によって検知された空き容量に応じて、前記圧縮手段から前記記憶手段に対して格納される圧縮データの量を調整すること、および前記検知手段によって検知された転送速度に応じて、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送される圧縮データの量を調整することのうち少なくとも一方を行う調整手段とを備えたことを特徴とする記録装置。 - 前記圧縮手段は、外部から入力された画像データを予め設定された単位ブロック単位で直交変換して画像データの周波数成分を示す係数を算出し、画像データの周波数成分を示す係数を広域成分と低域成分とに分割し、この低域成分を行方向および列方向に分割して得られた低域成分を行方向および列方向に分割することを繰り返して、分割前の画像データに相似する複数のサブ画像データを生成するウェーブレット変換を用いて、外部から入力された画像データを圧縮しており、
前記調整手段は、前記検知手段によって検知された空き容量に応じて、前記圧縮手段から前記記憶手段に対して格納されるサブ画像データの量を調整すること、および前記検知手段によって検知された転送速度に応じて、前記記憶手段から前記伸張手段側に対して転送するサブ画像データの量を調整することのうち少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 前記調整手段が前記検知手段によって得られた検知結果に応じて圧縮データの量を調整するか否かをユーザに選択させる選択手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記選択手段は、前記圧縮手段がウェーブレット変換を用いる場合には、前記調整手段が前記検知手段によって得られた検知結果に応じてサブ画像データの量を調整するか否かをユーザに選択させることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
- 前記選択手段は、前記記憶手段の設定状況および前記記憶手段の動作状況をユーザに表示する表示手段に設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の記録装置。
- 前記調整手段が前記検知手段の検知結果に応じて圧縮データの量を調整するか否かを制御する制御コマンドをネットワーク上の外部装置から受信して、前記制御コマンドを前記調整手段に伝達するネットワーク通信手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記ネットワーク通信手段は、前記圧縮手段がウェーブレット変換を用いる場合には、前記調整手段が前記検知手段の検知結果に応じてサブ画像データの量を調整するか否かを制御する制御コマンドをネットワーク上の外部装置から受信して、前記制御コマンドを前記調整手段に伝達することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
- 前記ネットワーク通信手段は、前記記憶手段の設定状況および前記記憶手段の動作状況を示すデータをネットワーク上の外部装置に送信することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の記録装置。
- 外部から入力された画像データを圧縮して圧縮データを生成する圧縮手段によって生成された圧縮データを記憶する記憶手段の残容量を検知する残容量検知ステップと、
前記残容量検知ステップで検知された前記記憶手段の残容量に応じて、前記圧縮手段によって生成される圧縮データの量を調整する生成圧縮データ調整ステップと、
前記記憶手段が圧縮データを転送する際の転送速度を検知する転送速度検知ステップと、
前記転送速度検知ステップで検知された転送速度に応じて、前記記憶手段から転送される圧縮データの量を調整する転送圧縮データ調整ステップとをコンピュータに実行させるための圧縮データ調整プログラム。 - 外部から入力された画像データを予め設定された単位ブロック単位で直交変換して画像データの周波数成分を示す係数を算出し、画像データの周波数成分を示す係数を広域成分と低域成分とに分割し、この低域成分を行方向および列方向に分割して得られた低域成分を行方向および列方向に分割することを繰り返して、分割前の画像データに相似する複数のサブ画像データを生成するウェーブレット変換を用いた圧縮手段によって生成されたサブ画像データを記憶する記憶手段の残容量を検知する残容量検知ステップと、
前記残容量検知ステップで検知された前記記憶手段の残容量に応じて、前記圧縮手段によって生成されるサブ画像データの量を調整する生成サブ画像データ調整ステップと、
前記記憶手段がサブ画像データを転送する際の転送速度を検知する転送速度検知ステップと、
前記転送速度検知ステップで検知された転送速度に応じて、前記記憶手段から転送されるサブ画像データの量を調整する転送サブ画像データ調整ステップとをコンピュータに実行させるためのサブ画像データ調整プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002187352A JP2004032477A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 記録装置、圧縮データ調整プログラムおよびサブ画像データ調整プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002187352A JP2004032477A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 記録装置、圧縮データ調整プログラムおよびサブ画像データ調整プログラム |
Publications (1)
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JP2004032477A true JP2004032477A (ja) | 2004-01-29 |
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ID=31182411
Family Applications (1)
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JP2002187352A Pending JP2004032477A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 記録装置、圧縮データ調整プログラムおよびサブ画像データ調整プログラム |
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JP (1) | JP2004032477A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9127795B2 (en) | 2007-03-30 | 2015-09-08 | Sun Chan | Conduit joining apparatus |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002187352A patent/JP2004032477A/ja active Pending
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