JP2004031750A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理速度を速める基板処理装置および基板処理方法を提供する。
【解決手段】水蒸気とオゾンを含む処理ガスによりウエハWに形成されたレジスト膜を酸化処理するレジスト変性処理ユニット(VOS)15aは、ウエハWを収容する密閉式のチャンバ30と、チャンバ30に水蒸気とオゾンを含む処理ガスを供給する処理ガス供給装置16と、チャンバ30からの排気を行う排気装置32と、を具備する。チャンバ30は、処理ガスが略水平方向に流れるように処理ガスを内部に導入するガス導入口34aおよび処理ガスを外部へ排気するガス排出口34bと、ウエハWを支持するプロキシミティピン44が表面に設けられ、周縁に立起壁33aが形成されたステージ33を有する。立起壁33aによってウエハWの下側に処理ガスが流れ込み難くなるために、ウエハWの表面に効率的に処理ガスが供給され、処理速度が速められる。
【選択図】 図4
【解決手段】水蒸気とオゾンを含む処理ガスによりウエハWに形成されたレジスト膜を酸化処理するレジスト変性処理ユニット(VOS)15aは、ウエハWを収容する密閉式のチャンバ30と、チャンバ30に水蒸気とオゾンを含む処理ガスを供給する処理ガス供給装置16と、チャンバ30からの排気を行う排気装置32と、を具備する。チャンバ30は、処理ガスが略水平方向に流れるように処理ガスを内部に導入するガス導入口34aおよび処理ガスを外部へ排気するガス排出口34bと、ウエハWを支持するプロキシミティピン44が表面に設けられ、周縁に立起壁33aが形成されたステージ33を有する。立起壁33aによってウエハWの下側に処理ガスが流れ込み難くなるために、ウエハWの表面に効率的に処理ガスが供給され、処理速度が速められる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハやLCDガラス基板等の基板を処理する基板処理装置および基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体デバイスの製造工程においては、フォトリソグラフィー技術を用いて半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)に所定の回路パターンを形成している。具体的には、洗浄処理されたウエハにフォトレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、このレジスト膜を所定のパターンで露光し、これを現像処理し、さらにエッチングや不純物注入等を行った後に、ウエハから不用となったレジスト膜を除去する一連の処理が行われている。
【0003】
ここで近年、ウエハからレジスト膜を除去する方法として、水蒸気とオゾンを含む処理ガスを用いてレジスト膜を変質させ、その後に水洗処理を行うことにより、レジスト膜をウエハから除去する方法が提案されている。
【0004】
図13はこの処理ガスによるレジスト除去を行うために用いられるチャンバ200の概略断面図である。チャンバ200は、固定された下部容器201と昇降自在な蓋体202とを有し、蓋体202の上下動によってチャンバ200の開閉が行われる。下部容器201にはウエハWを載置するステージ203が設けられており、ステージ203の表面にはウエハWを支持する支持ピン203aが所定位置に設けられている。また下部容器201の側壁の対向する位置に、処理ガスをチャンバ200内に導入するためのガス導入口204と、処理ガスを排気するための排気口205とが設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなチャンバ200を用いてウエハWの処理を行うと、ステージ203の表面とウエハWの裏面との間に形成される隙間に処理ガスが入り込みやすいために、処理ガスが無駄に消費される。このために、処理速度を上げようとすると、大量の処理ガスを流す必要が生じ、処理コストが高くなる。一方、支持ピン203aを設けずにウエハWを直接にステージ203に載置すると、ウエハWとステージ203との間に水蒸気が入り込んで液滴化し、ウエハWの裏面にパーティクルが付着したり、ウォーターマークが発生する等して、ウエハWが汚染されるという問題を生ずる。
【0006】
また、チャンバ200では、ガス導入口204と排気口205をチャンバ200の側壁に設けることによって、チャンバ200の薄型化と低容積化が実現され、これによって処理ガスの消費量の低減が可能となっている。しかし、チャンバ200においては、処理ガスは一方向に流れやすくなるために、ガス導入口204と排気口205を結ぶ方向と直交する方向においては、ウエハWの中心から離れるにしたがって処理ガスはウエハWにあたり難くなる。このようなデッドゾーンが発生すると、ウエハW全体で均一な処理を行うことができず、ウエハWの品質の低下を招く。
【0007】
さらに、ウエハWの処理速度の向上の観点から、処理ガスに含まれる各成分がウエハWに効果的に供給されるように、チャンバ200の内部の雰囲気を制御することが望まれる。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、処理速度を速める基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。また本発明は処理ガスの消費量を低減せしめる基板処理装置を提供することを目的とする。さらに本発明は基板全体で均一な処理を行うことができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、所定の処理ガスによって基板を処理する基板処理装置であって、
基板を収容する密閉式のチャンバと、
前記チャンバに処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記チャンバから前記処理ガスを排気する排気手段と、
を具備し、
前記チャンバは、
前記処理ガスが前記チャンバの内部において略水平方向に流れるように、前記処理ガスを内部に導入するガス導入口および前記処理ガスを外部へ排気するガス排出口と、
基板を支持する支持部材が表面に設けられ、前記支持部材に支持された基板の周縁を囲繞するように設けられた突起状の壁部を有するステージと、
を有することを特徴とする基板処理装置、が提供される。
【0010】
このような基板処理装置によれば、ステージに支持部材に支持された基盤を囲繞するように突起状の壁部を設けたので、この壁部によって基板の下側への処理ガスの流れ込みが抑制され、ステージと基板との間に流れ込む処理ガスの量を低減することができる。これにより処理ガスの消費量を低減することができ、しかも基板表面の処理速度を向上させることができる。
【0011】
本発明の第2の観点によれば、所定の処理ガスによって基板を処理する基板処理装置であって、
基板を収容する密閉式のチャンバと、
前記チャンバに処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記チャンバから前記処理ガスを排気する排気手段と、
を具備し、
前記チャンバは、
前記処理ガスが前記チャンバの内部において略水平方向に流れるように、前記処理ガスを内部に導入するガス導入口および前記処理ガスを外部へ排気するガス排出口と、
基板を支持する支持部材が表面に設けられたステージと、
前記ガス導入口から前記チャンバ内に導入された処理ガスを前記ステージに載置された基板全体に前記処理ガスが供給されるように拡散する拡散板と、
を有することを特徴とする基板処理装置、が提供される。
【0012】
本発明の第3の観点によれば、所定の処理ガスによって基板を処理する基板処理装置であって、
基板を収容する密閉式のチャンバと、
前記チャンバに処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記チャンバから前記処理ガスを排気する排気手段と、
を具備し、
前記チャンバは、
基板を支持する支持部材が表面に設けられたステージと、
前記処理ガスを内部に導入するガス導入口と、
前記ガス導入口から前記チャンバ内に導入された処理ガスを前記ステージに載置された基板の周縁に回り込ませて前記基板の外側から前記基板に供給するガス供給ノズルと、
前記ガス供給ノズルから噴射された処理ガスを外部へ排気するガス排出口と、
を有することを特徴とする基板処理装置、が提供される。
【0013】
このような第2および第3の観点に係る基板処理装置によれば、処理ガスが基板の表面に均一に供給されるために、基板全体で均一な処理が行われる。これによって基板の品質を高めることが可能となる。なお、ガス導入口と排気口はチャンバの側壁に設けられているので、チャンバを薄型とすることができる。
【0014】
本発明の第4の観点によれば、水蒸気とオゾンを含む処理ガスによって基板を処理する基板処理方法であって、
基板を支持する支持部材が表面に設けられたステージと前記ステージに載置された基板とを、昇降自在な蓋体と固定された下部容器とからなる密閉式のチャンバの内部に収容する工程と、
前記ステージを90℃〜150℃に保持し、かつ、前記蓋体において前記基板と対面する部分の温度を前記ステージの温度よりも5℃〜15℃高く保持しながら、前記チャンバの内部に水蒸気とオゾンを含む処理ガスを供給することによって前記基板を処理する工程と、
を有することを特徴とする基板処理方法、が提供される。
【0015】
このような基板処理方法によれば、チャンバの内部で温度勾配を設けることによって、処理ガスに含まれる各成分を効率的に基板の表面に供給することが可能となり、これによって処理速度が速められる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について具体的に説明する。ここでは、ウエハの搬入出と、水蒸気とオゾン(気体)を含む処理ガスによってウエハから不用なレジスト膜を除去する変性処理と、その後のレジスト除去処理および水洗処理とを行うレジスト除去システムについて説明することとする。
【0017】
図1はレジスト除去システム1の概略平面図であり、図2はその正面図であり、図3はその背面図である。レジスト除去システム1は、他の処理システム等からウエハWが収容されたキャリアが搬入され、逆にレジスト除去システム1において所定の処理が終了したウエハWを収容したキャリアを次の処理を行う処理システム等へ搬出するためのキャリアステーション4と、レジストの変質処理およびその後のレジスト除去処理および水洗/乾燥処理等をウエハWに施すための複数の処理ユニットを有する処理ステーション2と、処理ステーション2とキャリアステーション4との間でウエハWの搬送を行う搬送ステーション3と、処理ステーション2で使用する薬液やガス等の貯留/生成を行うケミカルステーション5と、を具備している。
【0018】
キャリアCの内部において、ウエハWは略水平姿勢で上下方向(Z方向)に一定の間隔で収容されている。このようなキャリアCに対するウエハWの搬入出はキャリアCの一側面を通して行われ、この側面は蓋体10a(図1には図示せず。図2および図3に蓋体10aが取り外された状態を示す)によって開閉自在となっている。
【0019】
図1に示すように、キャリアステーション4は、図中Y方向に沿って3箇所にキャリアCを載置できる載置台6を有しており、キャリアCは蓋体が設けられた側面がキャリアステーション4と搬送ステーション3との間の境界壁8a側を向くようにして載置台6に載置される。境界壁8aにおいてキャリアCの載置場所に対応する位置には窓部9aが形成されており、各窓部9aの搬送ステーション3側には窓部9aを開閉するシャッタ10が設けられている。このシャッタ10はキャリアCの蓋体10aを把持する把持手段(図示せず)を有しており、図2および図3に示すように、蓋体10を把持した状態で搬送ステーション3側に、蓋体10aを退避させることができるようになっている。
【0020】
搬送ステーション3に設けられたウエハ搬送装置7はウエハWを保持可能なウエハ搬送ピック7aを有している。ウエハ搬送装置7は搬送ステーション3の床にY方向に延在するように設けられたガイド(図2および図3参照)11に沿ってY方向に移動可能である。また、ウエハ搬送ピック7aは、X方向にスライド自在であり、かつ、Z方向に昇降自在であり、かつ、X−Y平面内で回転自在(θ回転)である。
【0021】
このような構造により、キャリアCの内部と搬送ステーション3とが窓部9aを介して連通するようにシャッタ10を退避させた状態において、ウエハ搬送ピック7aは、載置台6に載置された全てのキャリアCにアクセス可能であり、キャリアC内の任意の高さ位置にあるウエハWをキャリアCから搬出することができ、逆に、キャリアCの任意の位置にウエハWを搬入することができる。
【0022】
処理ステーション2は、搬送ステーション3側に2台のウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bを有しており、例えば、ウエハ載置ユニット(TRS)13bは、搬送ステーション3からウエハWを受け入れる際にウエハWを載置するために用いられ、ウエハ載置ユニット(TRS)13aは、処理ステーション2において所定の処理が終了したウエハWを搬送ステーション3に戻す際にウエハWを載置するために用いられる。後述するように処理ステーション2においてはフィルターファンユニット(FFU)18から清浄な空気がダウンフローされるために、処理ステーション2において処理の終了したウエハWを、上段のウエハ載置ユニット(TRS)13aに載置することにより、ウエハWの汚染が抑制される。
【0023】
搬送ステーション3と処理ステーション2との間の境界壁8bにおいて、ウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bの位置に対応する部分には窓部9bが設けられている。ウエハ搬送ピック7aは、この窓部9bを介してウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bにアクセス可能であり、キャリアCとウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bとの間でウエハWを搬送する。
【0024】
処理ステーション2には、ウエハWに形成されているレジスト膜の変性処理を行う8台のレジスト変性処理ユニット(VOS)15a〜15hが2列4段で背面側に配置され、レジスト変性処理ユニット(VOS)15a〜15hにおける処理の終了したウエハWからレジスト膜を除去し、水洗、乾燥処理を行う洗浄処理ユニット(CLN)12a〜12dが2列2段で正面側に配置されている。また、処理ステーション2の略中央部には、処理ステーション2内においてウエハWを搬送する主ウエハ搬送装置14が設けられている。
【0025】
さらに処理ステーション2において、主ウエハ搬送装置14を挟んでウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bと対向する位置には、洗浄処理ユニット(CLN)12a〜12dでの処理を終えたウエハWを加熱乾燥するホットプレートユニット(HP)19a〜19dが4段に積み重ねられて配置されている。さらに、ウエハ載置ユニット(TRS)13aの上側には、加熱乾燥処理されたウエハWを冷却するクーリングプレートユニット(COL)21a・21bが積み重ねられている。なお、ウエハ載置ユニット(TRS)13bは、クーリングプレートユニット(COL)21a・21bとして用いることが可能である。処理ステーション2の上部には処理ステーション2の内部に清浄な空気を送風するフィルターファンユニット(FFU)18が設けられている。
【0026】
主ウエハ搬送装置14は、ウエハWを搬送するウエハ搬送アーム14aを有している。主ウエハ搬送装置14はZ軸周りに回転自在である。また、ウエハ搬送アーム14aは水平方向に進退自在であり、かつZ方向に昇降自在である。このような構造により、ウエハ搬送装置14は、処理ステーション2に設けられた各ユニットにアクセス可能であり、これら各ユニット間でウエハWを搬送する。
【0027】
レジスト変性処理ユニット(VOS)15a〜15dとレジスト変性処理ユニット(VOS)15e〜15hとは、その境界壁22bについて略対称な構造を有している。後に詳細に説明するように、レジスト変性処理ユニット(VOS)15a〜15hは、ウエハWを載置するステージを有する密閉式のチャンバを有しており、このチャンバ内に水蒸気とオゾンを含む処理ガスを供給することによって、ウエハWの表面に形成されているレジスト膜をウエハWから容易に除去されるように変性させる。
【0028】
洗浄処理ユニット(CLN)12a・12bは洗浄処理ユニット(CLN)12c・12dとは境界壁22aについて略対称な構造を有している。これは主ウエハ搬送装置14の構造を簡単なものとし、ウエハ搬送アーム14aのアクセスを容易とするためである。これらの洗浄処理ユニット(CLN)12a〜12dは、ウエハWを保持し、回転自在に構成されたスピンチャックと、スピンチャックを囲繞するカップと、スピンチャックに保持されたウエハWの表面に洗浄液(純水、有機溶剤)を噴射する洗浄液噴射ノズルと、ウエハWの表面に乾燥ガスを噴射するガス噴射ノズルと、を有している。
【0029】
ケミカルステーション5には、水蒸気とオゾンを含む処理ガスを調整してレジスト変性処理ユニット(VOS)15a〜15hに供給する処理ガス供給装置16と、洗浄処理ユニット(CLN)12a〜12dで使用する洗浄液(純水)を貯蔵/送液する洗浄液供給装置17と、が設けられている。処理ガス供給装置16は、例えば、酸素ガスをオゾン化するオゾン発生装置と、オゾンを希釈する窒素ガスを供給し、また、レジストの変性処理後にチャンバ内をパージするための窒素ガスを供給する窒素ガス供給ラインと、純水を気化させて水蒸気を発生させる水蒸気発生装置と、オゾン/窒素混合ガスと水蒸気を混合させて処理ガスを生成するミキサーと、を有している。なお、オゾン発生装置においては、空気中の酸素をオゾン化することによって、オゾン/窒素混合ガスを生成することもできる。
【0030】
次に、レジスト変性処理ユニット(VOS)15aを例として、その構造について詳細に説明する。図4および図5はレジスト変性処理ユニット(VOS)15aの概略断面図である。レジスト変性処理ユニット(VOS)15aは、ウエハWを収容する密閉式のチャンバ30を有しており、チャンバ30は、固定された下部容器41aと、下部容器41aの上面を覆う蓋体41bから構成され、蓋体41bはレジスト変性処理ユニット(VOS)15aのフレーム42に固定されたシリンダ43によって昇降自在である。図4は蓋体41bを下部容器41aに密接させた状態を示しており、図5は蓋体41bを下部容器41aの上方に離間させた状態を示している。
【0031】
下部容器41a周縁の立起部の上面にはOリング51が配置されている。シリンダ43を駆動して蓋体41bを降下させると、蓋体41bの裏面周縁が下部容器41a周縁の立起部の上面に当接するとともに、Oリング51が圧縮されてチャンバ30内に密閉された処理空間が形成される。
【0032】
下部容器41aにはウエハWを載置するステージ33が設けられており、このステージ33は主表面よりも周縁部の高さが高い段差構造を有している。ステージ33の主表面には、ウエハWを支持するプロキシミティピン44が複数箇所に設けられている。また、ステージ33の周縁を構成している立起壁33aの上面の高さは、プロキシミティピン44に支持されたウエハWの表面の高さと同等か、またはそれより高く設定されている。なお、プロキシミティピン44に支持されたウエハWの端面と立起壁33aの内面との間の隙間はできるだけ狭くすることが好ましい。この立起壁33aによって、チャンバ30内に供給される処理ガスがウエハWの裏面へ流入することを抑制することができる。
【0033】
ステージ33の内部にはヒータ45aが埋設され、かつ、蓋体41bにはヒータ45bが埋設されており、ステージ33と蓋体41bをそれぞれ所定温度で保持することができるようになっている。これによりウエハWの温度も一定に保持される。なお、ステージ33と蓋体41bの温度を変えることによって、ウエハWを温度を変化させ、処理条件を変えることも可能である。
【0034】
蓋体41bの裏面にはウエハWを保持する爪部材46が、例えば3箇所(図4では1箇所のみ図示)に設けられている。ウエハ搬送アーム14aはこの爪部材46に対してウエハWの受け渡しを行う。爪部材46がウエハWを保持した状態で蓋体41bを降下させると、その降下途中でウエハWは、ステージ33に設けられたプロキシミティピン44に受け渡しされる。爪部材46がステージ33に衝突することがないように、ステージ33において爪部材46が降下してくる位置に対応する部分には、凹部33bが形成されている。なお、凹部33bは、立起壁33aの厚み(径方向の厚み)を薄くすることによって、容易に形成することができる。
【0035】
チャンバ30では、処理ガスがチャンバ30の内部において略水平方向に流れるように、処理ガスを内部に導入するガス導入口34aおよび処理ガスを外部へ排気するガス排出口34bが下部容器41aに設けられている。処理ガス供給装置16はガス導入口34aに接続され、ガス排出口34bには排気装置32が接続されている。ガス導入口34aからチャンバ30内に導入された処理ガスは、ステージ33を形成する立起壁33aによってウエハWの裏面に回り込み難くなっている。これにより処理ガスはウエハWの表面側へ供給されやすくなるため、ウエハWの処理が効率的に進行し、処理速度を上げることができる。
【0036】
図4および図5では、ガス導入口34aおよびガス排出口34bの高さ位置がプロキシミティピン44に載置されたウエハWの高さよりも下側で示されているが、ガス導入口34aおよびガス排出口34bの位置はこのような形態に限定されない。例えば、図6はチャンバ30の別の実施形態であるチャンバ30aの概略断面図であり、チャンバ30aでは、ガス導入口34aおよびガス排出口34bが、プロキシミティピン44に支持されたウエハWの高さ位置よりも高い位置に設けられている。さらに、これに限定されず、ガス導入口34aをプロキシミティピン44に支持されたウエハWの高さ位置よりも高い位置に設け、ガス排出口34bをプロキシミティピン44に支持されたウエハWの高さ位置よりも低い位置に設けてもよい。なお、ガス導入口34aおよびガス排出口34bを蓋体41bに設けることも可能である。
【0037】
ウエハWの処理ガスによる処理は、チャンバ30の内部を一定の陽圧に保持して行うことが好ましい。このためにチャンバ30の内部から下部容器41aと蓋体41bとの間を通って外部に処理ガスが流出しないように、蓋体41bと下部容器41aとの密閉処理を、シリンダ43による押圧力に依存するだけでなく、より強固に行うことが好ましい。
【0038】
このため、下部容器41aと蓋体41bの端面にはそれぞれリング部材47a・47bが取り付けられており、下部容器41aの下方にこのリング部材47a・47bどうしを締め付けるロック機構35が設けられている。リング部材47aとリング部材47bは、Z方向矢視において互いに重なるような同等の形状を有している。
【0039】
図4に示すように、ロック機構35は、下部容器41aの裏面中心に固定された支持軸52と、支持軸52との間にベアリング53を介して、回転装置54によって回転自在に配置された回転筒55と、回転筒55に固定された円板56と、円板56の周縁の所定位置に設けられた挟持部材57と、を有している。挟持部材57は、回転軸58回りに回転自在な押圧ローラ59a・59bと、回転軸58を保持するローラ保持部材60と、を有している。
【0040】
図7はリング部材47a・47bの形状と挟持部材57の位置を示す平面図であり、図8は押圧ローラ59a・59bの移動形態を示す説明図である。図7においてリング部材47a・47bは紙面に垂直な方向で重なっている。リング部材47a・47bにはそれぞれ、切り欠き部61が4箇所に等間隔で形成されている。この切り欠き部61の位置に挟持部材57が配置されている状態では、蓋体41bの昇降を自由に行うことができる。
【0041】
一方、回転装置54を駆動して回転筒55とともに円板56を所定角度回転させると、押圧ローラ59aは回転しながらリング部材47bの上面を登ってリング部材47b上で静止し、押圧ローラ59bは回転しながらリング部材47aの下側に回り込んでリング部材47aの下側で静止する。押圧ローラ59a・59b間の間隔をリング部材47bの表面とリング部材47aの裏面との間の距離よりも短く設定することによって、リング部材47a・47bを締め付けることができ、これによってチャンバ30の密閉性を向上させることができる。
【0042】
なお、回転軸58の上下位置がバネ等によって移動可能な構造とすることによって、リング部材47a・47bどうしを締め付ける力が調整されるようにしてもよい。また、切り欠き部61を設ける位置は図7に示す4箇所に限定されず、好ましくは3箇所以上に等間隔で設けることが好ましい。
【0043】
このように構成されたレジスト除去システム1においては、例えば、エッチングマスクとしてレジスト膜が用いられてエッチング処理が終了したウエハWの収容されたキャリアCがオペレータによって、または自動搬送装置によって載置台6に載置される。キャリアCの蓋体10aとシャッター10を搬送ステーション3側に退避させることによって窓部9aが開かれる。続いてウエハ搬送ピック7aによって、キャリアCの所定位置にある1枚のウエハWをウエハ載置ユニット(TRS)13bへ搬送する。
【0044】
次に、ウエハ搬送アーム14aによってウエハ載置ユニット(TRS)13bに載置されたウエハWをレジスト変性処理ユニット(VOS)15a(または15b〜15hのいずれか)に搬入する。レジスト変性処理ユニット(VOS)15aへのウエハWの搬入処理は次のようにして行われる。すなわち、最初にチャンバ30の蓋体41bを下部容器41aの上方に退避させた状態とし、その後に、蓋体41bに設けられた爪部材46のウエハWを保持する部分(水平方向に突出した部分)よりも僅かに高い位置へウエハWが進入するように、ウエハWを保持したウエハ搬送アーム14aを進入させる。次いで、ウエハ搬送アーム14aを一旦下方へ移動させると、ウエハWは爪部材46に受け渡される。
【0045】
ウエハ搬送アーム14aをレジスト変性処理ユニット(VOS)15aから退避させた後に蓋体41bを降下させて、蓋体41bを下部容器41aに密着させ、さらにロック機構35を動作させて、リング部材47a・47bを締め付けることによって、チャンバ30を密閉状態とする。なお、蓋体41bを降下させる途中で、ウエハWは爪部材46からプロキシミティピン44へ受け渡され、ステージ33の上に載置される。
【0046】
ステージ33に備えられたヒータ45aと蓋体41bに備えられたヒータ45bを発熱させて、ステージ33およびヒータ45aを所定の温度に保持する。例えば、ステージ33を100℃に保持し、蓋体41bを110℃に保持する。これにより、後にチャンバ内に水蒸気とオゾンを含む処理ガスを供給した際に、水蒸気の結露が防止される。また、チャンバ30内における水蒸気の密度は、蓋体41b側よりもステージ33側で高くなるために、水蒸気を効率的にウエハWにあてることができる。
【0047】
なお、ステージ33と蓋体41bの温度差が極端に大きくなると、ステージ33およびウエハWに結露が生じやすくなり、一方、この温度差が小さいと水蒸気密度に分布が生じなくなる。このためステージ33と蓋体41bの温度差は5℃〜15℃の範囲、好ましくはほぼ10℃とする。
【0048】
ステージ33の温度は、90℃〜150℃とすることが好ましく、このような範囲であれば、結露が抑制され、しかもウエハWに熱的なダメージが与えられることもない。また、プロキシミティピン44の高さは、ステージ33の表面に結露が生じた場合に、ウエハWの裏面が結露した液滴に接することがない高さ、例えば、1mm以上3mm以下に設定される。これによりウエハWの裏面へのウォーターマークやパーティクルの付着が防止され、ウエハWの品質が高く保たれる。
【0049】
ステージ33および蓋体41bが所定温度に保持され、かつ、ウエハWの温度分布がほぼ一定となったら、最初に処理ガス供給装置16からオゾン/窒素混合ガスのみをチャンバ30内に供給して、チャンバ30の内部がオゾン/窒素混合ガスでパージされ、かつ、所定の陽圧、例えばゲージ圧で0.2MPaとなるように調節する。その後、オゾン/窒素混合ガスに水蒸気を混合させた処理ガスを、処理ガス供給装置16からチャンバ30内に供給する。この処理ガスによってウエハWに形成されているレジスト膜は酸化されて水溶性へと変性する。チャンバ30への処理ガスの供給量とチャンバ30からの排気量は、チャンバ30内が所定の陽圧となるように調整される。
【0050】
レジスト変性処理ユニット(VOS)15aにおけるウエハWの処理においては、ステージ33は周縁に立起壁33aが設けられているために、ウエハWの裏面側に処理ガスが回り込み難い。これによって、効率的に処理ガスがウエハWの表面側に供給されるために処理速度が速められ、しかも処理ガスの流量(使用量)を低減することができる。さらに、ステージ33と蓋体41bに温度差が設けられているために、水蒸気を効率的にウエハWに供給することができ、これによっても処理速度が速められる。
【0051】
ウエハWの処理ガスによる処理中に、ガス排出口34bから排気された反応処理後の処理ガスは、排気装置32によって所定の分離操作を経る。排気装置32に導入された水蒸気は、排気装置32内において結露し、液化する。このため排気装置32は排液装置としての機能を備えている。図9は排気装置32の概略構成を示す説明図である。排気装置32は、主にバルブ71〜75と、エジェクタ76と、ミストトラップ77と、オゾンキラー78と、冷却装置79と、これらを接続する配管類と、から構成されている。
【0052】
チャンバ30のガス排出口34b(図示せず)に接続された配管81には、バルブ71・72・73が並列に接続されている。例えば、バルブ71は解放時に少量の排気および排液を行い、バルブ72は解放時に多量の排気および排液を行い、バルブ73はチャンバ30内部の処理ガスを緊急に排気するために用いられる。
【0053】
ミストトラップ77はバルブ71・72の下流側の配管82に設けられている。バルブ71・72を通してミストトラップ77へ導かれた処理ガスは、ミストトラップ77において気液分離され、分離された液体成分はドレインへと排出され、気体成分はオゾンキラー78へ排出される。オゾンキラー78においては、オゾン/窒素混合ガスに含まれるオゾンが酸素ガスに熱分解される。オゾンキラー78により加熱処理されたガスは冷却装置79により所定の温度まで冷却された後に排気される。
【0054】
バルブ73の下流側の配管83aにはエジェクタ76が配置されており、エジェクタ76の下流側の配管83bにはバルブ75が設けられている。バルブ73・75を開いてエジェクタ76を動作させることにより、配管83a・83bを通して、チャンバ30内の処理ガスがミストトラップ77へ向けて排出される。また、エジェクタ76にはバルブ74を開くことによって空気供給源から空気が供給されるようになっており、配管83a・83bを空気でパージすることができるようになっている。なお、バルブ73〜75は、ウエハWの処理中は、通常、閉じた状態で保持される。
【0055】
ウエハWの処理ガスによる処理が終了したら、処理ガスの供給を停止する。続いて処理ガス供給装置16からチャンバ30内に窒素ガスを供給して、チャンバ30内を窒素ガスでパージする。このパージ処理時には、その後にチャンバ30を開いたときに、排気装置32からオゾン/窒素混合ガスが逆流してオゾン/窒素混合ガスがチャンバ30から排出されないように、排気装置32内からもオゾン/窒素混合ガスを完全に排出する。排気装置32では、通常の処理はバルブ73・75が閉じられた状態で行われるために、配管83a・83bを窒素ガスでパージする必要がない。これによってパージ時間を短縮することができる。
【0056】
窒素ガスによるパージ処理が終了した後には、チャンバ30の内圧が外気圧と同じであることを確認する。これは、チャンバ30の内部圧力が大気圧よりも高い状態でチャンバ30を開くと、チャンバ30が損傷するおそれがあるからである。チャンバ30の内圧確認後、ロック機構35による下部容器41aと蓋体41bの締め付けを解除し、蓋体41bを上昇させる。蓋体41bを上昇させる際に、ウエハWは爪部材46に保持されて蓋体41bとともに上昇する。ウエハ搬送アーム14aを下部容器41aと蓋体41bとの隙間に進入させて、ウエハWを爪部材46からウエハ搬送アーム14aに受け渡す。
【0057】
レジスト変性処理ユニット(VOS)15aにおける処理においては、レジストは水溶性へと変性するが、ウエハWから除去されない。そこでウエハWからレジストを除去するために、ウエハWは、洗浄処理ユニット(CLN)12a〜12dのいずれかに搬入されて、そこで洗浄液による変性したレジストの除去処理が行われる。
【0058】
次いで、洗浄処理ユニット(CLN)12a〜12dにおける処理が終了したウエハWは、ホットプレートユニット(HP)19a〜19dのいずれかに搬送されて、加熱乾燥された後、クーリングプレートユニット(COL)21a・21bのいずれかに搬送されて冷却処理される。所定の温度まで冷却されたウエハWは、ウエハ載置ユニット(TRS)13aに搬送され、そこからウエハ搬送装置7によってキャリアCの所定の位置に収容される。
【0059】
次に、レジスト変性処理ユニット(VOS)15aに用いられるチャンバのさらに別の実施の形態について説明する。図10はチャンバ30bの概略断面図であり、図11はチャンバ30bを構成する下部容器41a´の水平面での概略断面図である。
【0060】
下部容器41a´にはステージ33´が配置されている。ステージ33´が蓋体41bを降下させた際に爪部材46と衝突しないように、ステージ33´の外径はウエハWの外径よりも短くなっている。下部容器41a´の内側において、ガス導入口34aの周囲には、水平方向に複数の窓部36aが形成された拡散板36が設けられている。
【0061】
ガス導入口34aからチャンバ30bの内部に供給された処理ガスは、拡散板36の窓部36aを通してウエハWに供給される。これにより、処理ガスは、ウエハW全体に広く行き渡るようにしてウエハWに供給されるために、ウエハW全体で略均一に処理を行うことができる。また、処理ガスを効率的にウエハWに供給することが可能となるために、処理速度を速めることができ、スループットが向上する。さらに処理ガスの使用量を低減することも可能となる。
【0062】
図12は、チャンバ30bに備えられた拡散板36に代えて、ウエハWの外周の広い範囲からウエハWへの処理ガスの供給を行うガス供給ノズル37を配置したチャンバ30cの構成を示す説明図である。ガス供給ノズル37は、ガス導入口34aからチャンバ30cの内部に供給された処理ガスが、ウエハWの周縁に回り込むように略円環状に形成されており、その内周の複数箇所に窓部37aが形成されている。なお、ガス供給ノズル37は、下部容器41a´の周縁の立起部の内周を利用することによって、下部容器41a´と一体構成になっている。
【0063】
ガス導入口34aからチャンバ30cの内部に供給された処理ガスは、窓部37aを通して、ウエハWの外周から中心に向かって供給され、その後にガス排出口34bから排出される。このようにガス供給ノズル37を用いた場合にも、拡散板36を用いた場合と同じ効果を得ることができる。
【0064】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、チャンバ30b・30cにおいても、チャンバ30に使用されていた立起壁33aを有するステージ33を用いることができる。チャンバ30へのウエハWの搬入出は、蓋体41bに取り付けられた爪部材46を用いて行われる形態を示したが、例えば、ステージを貫通して昇降自在に設けられた昇降ピンを設け、この昇降ピンとウエハ搬送アーム14aとの間でウエハWの受け渡しが行われるようにしてもよい。
【0065】
また、レジスト変性処理ユニット(VOS)15a〜15hによるウエハWの処理において、処理ガスによる処理が終了してチャンバ30内を窒素パージする際には、チャンバ30内および排気装置の配管81内からオゾンが排出された状態で、バルブ71〜73を閉じ、これと同時にチャンバ30への窒素ガスの供給を停止してもよい。この方法によれば、バルブ71〜73を閉じているために、排気装置32からオゾンがチャンバ30へ逆流せず、パージ時間を短縮することができるために、使用する窒素量を低減することもできる。また、この方法を用いる場合にはバルブ75を設ける必要はないために、部品点数を低減することができる。
【0066】
但し、上述した窒素ガスによるチャンバ30のパージ方法を用いた場合には、その後にチャンバ30が陽圧に保持された状態でチャンバ30が開かれることのないように、チャンバ30を開く前に、バルブ74を開いてエジェクタ76へ空気を導入し、かつ、バルブ73を開くことによって、排気装置32を空気でパージし、かつ、チャンバ30の内圧を外気圧と同じとなるように調整する。この空気による排気装置32のパージは数秒間という短い時間でよい。
【0067】
上記説明においては基板として半導体ウエハを例示したが、基板はこれに限定されない。例えば、液晶表示装置(LCD)に使用されるガラス基板に電極回路を形成する際に使用されるレジストの除去処理等にも本発明を適用することができる。また、処理ガスはオゾンと水蒸気を所定濃度含む混合ガスに限定されず、その他の混合ガスまたは単一組成ガスであっても、そのガスを効率的に基板の表面に供給することが可能である。
【0068】
【発明の効果】
上述の通り、本発明によれば、基板を載置するステージの周縁に立起壁を設けることによって、ステージと基板との間に流れ込む処理ガスの量を低減することができる。これによって基板表面に処理ガスを効率的に供給することができるために、処理ガスの消費量を低減することができ、しかも、処理速度を向上させることができる。また、本発明によれば、処理ガスを拡散させて基板に供給することにより、または処理ガスの供給路を基板の周縁に導いた後に基板に向けて供給することによって、処理ガスを基板に均一に供給することができる。これによって、基板の処理が基板全体で均一に行われ、基板の品質が高められる。さらに本発明によれば、チャンバの内部で温度勾配を設けることによって、処理ガスに含まれる各成分を効率的に基板の表面に供給することが可能である。これによって処理速度が速められ、スループットが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】レジスト除去システムの概略平面図。
【図2】レジスト除去システムの正面図。
【図3】レジスト除去システムの背面図。
【図4】レジスト除去システムに備えられたレジスト変性処理ユニット(VOS)の概略断面図
【図5】レジスト変性処理ユニット(VOS)の別の概略断面図。
【図6】レジスト変性処理ユニット(VOS)に備えられる別のチャンバの形態を示す概略断面図。
【図7】チャンバに備えられたリング部材の形状とチャンバを固定する挟持部材の位置を示す平面図。
【図8】チャンバを固定する押圧ローラの移動形態を示す説明図。
【図9】排気装置の概略構成を示す説明図。
【図10】レジスト変性処理ユニット(VOS)に備えられる別のチャンバの概略断面図。
【図11】チャンバを構成する下部容器の水平面での概略断面図。
【図12】チャンバを構成する別の下部容器の水平面での概略断面図。
【図13】従来のチャンバの構造を示す概略断面図。
【符号の説明】
1;レジスト除去システム
2;処理ステーション
3;搬送ステーション
4;キャリアステーション
15a〜15h;レジスト変性処理ユニット(VOS)
16;処理ガス供給装置
30・30a・30b・30c;チャンバ
32;排気装置
33・33´;ステージ
33a;立起壁
33b;凹部
34a;ガス導入口
34b;ガス排出口
35;ロック機構
36;拡散板
36a;窓部
37;ガス供給ノズル
37a;窓部
41a;下部容器
41b;蓋体
45a・45b;ヒータ
W;ウエハ(基板)
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハやLCDガラス基板等の基板を処理する基板処理装置および基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体デバイスの製造工程においては、フォトリソグラフィー技術を用いて半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)に所定の回路パターンを形成している。具体的には、洗浄処理されたウエハにフォトレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、このレジスト膜を所定のパターンで露光し、これを現像処理し、さらにエッチングや不純物注入等を行った後に、ウエハから不用となったレジスト膜を除去する一連の処理が行われている。
【0003】
ここで近年、ウエハからレジスト膜を除去する方法として、水蒸気とオゾンを含む処理ガスを用いてレジスト膜を変質させ、その後に水洗処理を行うことにより、レジスト膜をウエハから除去する方法が提案されている。
【0004】
図13はこの処理ガスによるレジスト除去を行うために用いられるチャンバ200の概略断面図である。チャンバ200は、固定された下部容器201と昇降自在な蓋体202とを有し、蓋体202の上下動によってチャンバ200の開閉が行われる。下部容器201にはウエハWを載置するステージ203が設けられており、ステージ203の表面にはウエハWを支持する支持ピン203aが所定位置に設けられている。また下部容器201の側壁の対向する位置に、処理ガスをチャンバ200内に導入するためのガス導入口204と、処理ガスを排気するための排気口205とが設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなチャンバ200を用いてウエハWの処理を行うと、ステージ203の表面とウエハWの裏面との間に形成される隙間に処理ガスが入り込みやすいために、処理ガスが無駄に消費される。このために、処理速度を上げようとすると、大量の処理ガスを流す必要が生じ、処理コストが高くなる。一方、支持ピン203aを設けずにウエハWを直接にステージ203に載置すると、ウエハWとステージ203との間に水蒸気が入り込んで液滴化し、ウエハWの裏面にパーティクルが付着したり、ウォーターマークが発生する等して、ウエハWが汚染されるという問題を生ずる。
【0006】
また、チャンバ200では、ガス導入口204と排気口205をチャンバ200の側壁に設けることによって、チャンバ200の薄型化と低容積化が実現され、これによって処理ガスの消費量の低減が可能となっている。しかし、チャンバ200においては、処理ガスは一方向に流れやすくなるために、ガス導入口204と排気口205を結ぶ方向と直交する方向においては、ウエハWの中心から離れるにしたがって処理ガスはウエハWにあたり難くなる。このようなデッドゾーンが発生すると、ウエハW全体で均一な処理を行うことができず、ウエハWの品質の低下を招く。
【0007】
さらに、ウエハWの処理速度の向上の観点から、処理ガスに含まれる各成分がウエハWに効果的に供給されるように、チャンバ200の内部の雰囲気を制御することが望まれる。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、処理速度を速める基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。また本発明は処理ガスの消費量を低減せしめる基板処理装置を提供することを目的とする。さらに本発明は基板全体で均一な処理を行うことができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、所定の処理ガスによって基板を処理する基板処理装置であって、
基板を収容する密閉式のチャンバと、
前記チャンバに処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記チャンバから前記処理ガスを排気する排気手段と、
を具備し、
前記チャンバは、
前記処理ガスが前記チャンバの内部において略水平方向に流れるように、前記処理ガスを内部に導入するガス導入口および前記処理ガスを外部へ排気するガス排出口と、
基板を支持する支持部材が表面に設けられ、前記支持部材に支持された基板の周縁を囲繞するように設けられた突起状の壁部を有するステージと、
を有することを特徴とする基板処理装置、が提供される。
【0010】
このような基板処理装置によれば、ステージに支持部材に支持された基盤を囲繞するように突起状の壁部を設けたので、この壁部によって基板の下側への処理ガスの流れ込みが抑制され、ステージと基板との間に流れ込む処理ガスの量を低減することができる。これにより処理ガスの消費量を低減することができ、しかも基板表面の処理速度を向上させることができる。
【0011】
本発明の第2の観点によれば、所定の処理ガスによって基板を処理する基板処理装置であって、
基板を収容する密閉式のチャンバと、
前記チャンバに処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記チャンバから前記処理ガスを排気する排気手段と、
を具備し、
前記チャンバは、
前記処理ガスが前記チャンバの内部において略水平方向に流れるように、前記処理ガスを内部に導入するガス導入口および前記処理ガスを外部へ排気するガス排出口と、
基板を支持する支持部材が表面に設けられたステージと、
前記ガス導入口から前記チャンバ内に導入された処理ガスを前記ステージに載置された基板全体に前記処理ガスが供給されるように拡散する拡散板と、
を有することを特徴とする基板処理装置、が提供される。
【0012】
本発明の第3の観点によれば、所定の処理ガスによって基板を処理する基板処理装置であって、
基板を収容する密閉式のチャンバと、
前記チャンバに処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記チャンバから前記処理ガスを排気する排気手段と、
を具備し、
前記チャンバは、
基板を支持する支持部材が表面に設けられたステージと、
前記処理ガスを内部に導入するガス導入口と、
前記ガス導入口から前記チャンバ内に導入された処理ガスを前記ステージに載置された基板の周縁に回り込ませて前記基板の外側から前記基板に供給するガス供給ノズルと、
前記ガス供給ノズルから噴射された処理ガスを外部へ排気するガス排出口と、
を有することを特徴とする基板処理装置、が提供される。
【0013】
このような第2および第3の観点に係る基板処理装置によれば、処理ガスが基板の表面に均一に供給されるために、基板全体で均一な処理が行われる。これによって基板の品質を高めることが可能となる。なお、ガス導入口と排気口はチャンバの側壁に設けられているので、チャンバを薄型とすることができる。
【0014】
本発明の第4の観点によれば、水蒸気とオゾンを含む処理ガスによって基板を処理する基板処理方法であって、
基板を支持する支持部材が表面に設けられたステージと前記ステージに載置された基板とを、昇降自在な蓋体と固定された下部容器とからなる密閉式のチャンバの内部に収容する工程と、
前記ステージを90℃〜150℃に保持し、かつ、前記蓋体において前記基板と対面する部分の温度を前記ステージの温度よりも5℃〜15℃高く保持しながら、前記チャンバの内部に水蒸気とオゾンを含む処理ガスを供給することによって前記基板を処理する工程と、
を有することを特徴とする基板処理方法、が提供される。
【0015】
このような基板処理方法によれば、チャンバの内部で温度勾配を設けることによって、処理ガスに含まれる各成分を効率的に基板の表面に供給することが可能となり、これによって処理速度が速められる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について具体的に説明する。ここでは、ウエハの搬入出と、水蒸気とオゾン(気体)を含む処理ガスによってウエハから不用なレジスト膜を除去する変性処理と、その後のレジスト除去処理および水洗処理とを行うレジスト除去システムについて説明することとする。
【0017】
図1はレジスト除去システム1の概略平面図であり、図2はその正面図であり、図3はその背面図である。レジスト除去システム1は、他の処理システム等からウエハWが収容されたキャリアが搬入され、逆にレジスト除去システム1において所定の処理が終了したウエハWを収容したキャリアを次の処理を行う処理システム等へ搬出するためのキャリアステーション4と、レジストの変質処理およびその後のレジスト除去処理および水洗/乾燥処理等をウエハWに施すための複数の処理ユニットを有する処理ステーション2と、処理ステーション2とキャリアステーション4との間でウエハWの搬送を行う搬送ステーション3と、処理ステーション2で使用する薬液やガス等の貯留/生成を行うケミカルステーション5と、を具備している。
【0018】
キャリアCの内部において、ウエハWは略水平姿勢で上下方向(Z方向)に一定の間隔で収容されている。このようなキャリアCに対するウエハWの搬入出はキャリアCの一側面を通して行われ、この側面は蓋体10a(図1には図示せず。図2および図3に蓋体10aが取り外された状態を示す)によって開閉自在となっている。
【0019】
図1に示すように、キャリアステーション4は、図中Y方向に沿って3箇所にキャリアCを載置できる載置台6を有しており、キャリアCは蓋体が設けられた側面がキャリアステーション4と搬送ステーション3との間の境界壁8a側を向くようにして載置台6に載置される。境界壁8aにおいてキャリアCの載置場所に対応する位置には窓部9aが形成されており、各窓部9aの搬送ステーション3側には窓部9aを開閉するシャッタ10が設けられている。このシャッタ10はキャリアCの蓋体10aを把持する把持手段(図示せず)を有しており、図2および図3に示すように、蓋体10を把持した状態で搬送ステーション3側に、蓋体10aを退避させることができるようになっている。
【0020】
搬送ステーション3に設けられたウエハ搬送装置7はウエハWを保持可能なウエハ搬送ピック7aを有している。ウエハ搬送装置7は搬送ステーション3の床にY方向に延在するように設けられたガイド(図2および図3参照)11に沿ってY方向に移動可能である。また、ウエハ搬送ピック7aは、X方向にスライド自在であり、かつ、Z方向に昇降自在であり、かつ、X−Y平面内で回転自在(θ回転)である。
【0021】
このような構造により、キャリアCの内部と搬送ステーション3とが窓部9aを介して連通するようにシャッタ10を退避させた状態において、ウエハ搬送ピック7aは、載置台6に載置された全てのキャリアCにアクセス可能であり、キャリアC内の任意の高さ位置にあるウエハWをキャリアCから搬出することができ、逆に、キャリアCの任意の位置にウエハWを搬入することができる。
【0022】
処理ステーション2は、搬送ステーション3側に2台のウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bを有しており、例えば、ウエハ載置ユニット(TRS)13bは、搬送ステーション3からウエハWを受け入れる際にウエハWを載置するために用いられ、ウエハ載置ユニット(TRS)13aは、処理ステーション2において所定の処理が終了したウエハWを搬送ステーション3に戻す際にウエハWを載置するために用いられる。後述するように処理ステーション2においてはフィルターファンユニット(FFU)18から清浄な空気がダウンフローされるために、処理ステーション2において処理の終了したウエハWを、上段のウエハ載置ユニット(TRS)13aに載置することにより、ウエハWの汚染が抑制される。
【0023】
搬送ステーション3と処理ステーション2との間の境界壁8bにおいて、ウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bの位置に対応する部分には窓部9bが設けられている。ウエハ搬送ピック7aは、この窓部9bを介してウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bにアクセス可能であり、キャリアCとウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bとの間でウエハWを搬送する。
【0024】
処理ステーション2には、ウエハWに形成されているレジスト膜の変性処理を行う8台のレジスト変性処理ユニット(VOS)15a〜15hが2列4段で背面側に配置され、レジスト変性処理ユニット(VOS)15a〜15hにおける処理の終了したウエハWからレジスト膜を除去し、水洗、乾燥処理を行う洗浄処理ユニット(CLN)12a〜12dが2列2段で正面側に配置されている。また、処理ステーション2の略中央部には、処理ステーション2内においてウエハWを搬送する主ウエハ搬送装置14が設けられている。
【0025】
さらに処理ステーション2において、主ウエハ搬送装置14を挟んでウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bと対向する位置には、洗浄処理ユニット(CLN)12a〜12dでの処理を終えたウエハWを加熱乾燥するホットプレートユニット(HP)19a〜19dが4段に積み重ねられて配置されている。さらに、ウエハ載置ユニット(TRS)13aの上側には、加熱乾燥処理されたウエハWを冷却するクーリングプレートユニット(COL)21a・21bが積み重ねられている。なお、ウエハ載置ユニット(TRS)13bは、クーリングプレートユニット(COL)21a・21bとして用いることが可能である。処理ステーション2の上部には処理ステーション2の内部に清浄な空気を送風するフィルターファンユニット(FFU)18が設けられている。
【0026】
主ウエハ搬送装置14は、ウエハWを搬送するウエハ搬送アーム14aを有している。主ウエハ搬送装置14はZ軸周りに回転自在である。また、ウエハ搬送アーム14aは水平方向に進退自在であり、かつZ方向に昇降自在である。このような構造により、ウエハ搬送装置14は、処理ステーション2に設けられた各ユニットにアクセス可能であり、これら各ユニット間でウエハWを搬送する。
【0027】
レジスト変性処理ユニット(VOS)15a〜15dとレジスト変性処理ユニット(VOS)15e〜15hとは、その境界壁22bについて略対称な構造を有している。後に詳細に説明するように、レジスト変性処理ユニット(VOS)15a〜15hは、ウエハWを載置するステージを有する密閉式のチャンバを有しており、このチャンバ内に水蒸気とオゾンを含む処理ガスを供給することによって、ウエハWの表面に形成されているレジスト膜をウエハWから容易に除去されるように変性させる。
【0028】
洗浄処理ユニット(CLN)12a・12bは洗浄処理ユニット(CLN)12c・12dとは境界壁22aについて略対称な構造を有している。これは主ウエハ搬送装置14の構造を簡単なものとし、ウエハ搬送アーム14aのアクセスを容易とするためである。これらの洗浄処理ユニット(CLN)12a〜12dは、ウエハWを保持し、回転自在に構成されたスピンチャックと、スピンチャックを囲繞するカップと、スピンチャックに保持されたウエハWの表面に洗浄液(純水、有機溶剤)を噴射する洗浄液噴射ノズルと、ウエハWの表面に乾燥ガスを噴射するガス噴射ノズルと、を有している。
【0029】
ケミカルステーション5には、水蒸気とオゾンを含む処理ガスを調整してレジスト変性処理ユニット(VOS)15a〜15hに供給する処理ガス供給装置16と、洗浄処理ユニット(CLN)12a〜12dで使用する洗浄液(純水)を貯蔵/送液する洗浄液供給装置17と、が設けられている。処理ガス供給装置16は、例えば、酸素ガスをオゾン化するオゾン発生装置と、オゾンを希釈する窒素ガスを供給し、また、レジストの変性処理後にチャンバ内をパージするための窒素ガスを供給する窒素ガス供給ラインと、純水を気化させて水蒸気を発生させる水蒸気発生装置と、オゾン/窒素混合ガスと水蒸気を混合させて処理ガスを生成するミキサーと、を有している。なお、オゾン発生装置においては、空気中の酸素をオゾン化することによって、オゾン/窒素混合ガスを生成することもできる。
【0030】
次に、レジスト変性処理ユニット(VOS)15aを例として、その構造について詳細に説明する。図4および図5はレジスト変性処理ユニット(VOS)15aの概略断面図である。レジスト変性処理ユニット(VOS)15aは、ウエハWを収容する密閉式のチャンバ30を有しており、チャンバ30は、固定された下部容器41aと、下部容器41aの上面を覆う蓋体41bから構成され、蓋体41bはレジスト変性処理ユニット(VOS)15aのフレーム42に固定されたシリンダ43によって昇降自在である。図4は蓋体41bを下部容器41aに密接させた状態を示しており、図5は蓋体41bを下部容器41aの上方に離間させた状態を示している。
【0031】
下部容器41a周縁の立起部の上面にはOリング51が配置されている。シリンダ43を駆動して蓋体41bを降下させると、蓋体41bの裏面周縁が下部容器41a周縁の立起部の上面に当接するとともに、Oリング51が圧縮されてチャンバ30内に密閉された処理空間が形成される。
【0032】
下部容器41aにはウエハWを載置するステージ33が設けられており、このステージ33は主表面よりも周縁部の高さが高い段差構造を有している。ステージ33の主表面には、ウエハWを支持するプロキシミティピン44が複数箇所に設けられている。また、ステージ33の周縁を構成している立起壁33aの上面の高さは、プロキシミティピン44に支持されたウエハWの表面の高さと同等か、またはそれより高く設定されている。なお、プロキシミティピン44に支持されたウエハWの端面と立起壁33aの内面との間の隙間はできるだけ狭くすることが好ましい。この立起壁33aによって、チャンバ30内に供給される処理ガスがウエハWの裏面へ流入することを抑制することができる。
【0033】
ステージ33の内部にはヒータ45aが埋設され、かつ、蓋体41bにはヒータ45bが埋設されており、ステージ33と蓋体41bをそれぞれ所定温度で保持することができるようになっている。これによりウエハWの温度も一定に保持される。なお、ステージ33と蓋体41bの温度を変えることによって、ウエハWを温度を変化させ、処理条件を変えることも可能である。
【0034】
蓋体41bの裏面にはウエハWを保持する爪部材46が、例えば3箇所(図4では1箇所のみ図示)に設けられている。ウエハ搬送アーム14aはこの爪部材46に対してウエハWの受け渡しを行う。爪部材46がウエハWを保持した状態で蓋体41bを降下させると、その降下途中でウエハWは、ステージ33に設けられたプロキシミティピン44に受け渡しされる。爪部材46がステージ33に衝突することがないように、ステージ33において爪部材46が降下してくる位置に対応する部分には、凹部33bが形成されている。なお、凹部33bは、立起壁33aの厚み(径方向の厚み)を薄くすることによって、容易に形成することができる。
【0035】
チャンバ30では、処理ガスがチャンバ30の内部において略水平方向に流れるように、処理ガスを内部に導入するガス導入口34aおよび処理ガスを外部へ排気するガス排出口34bが下部容器41aに設けられている。処理ガス供給装置16はガス導入口34aに接続され、ガス排出口34bには排気装置32が接続されている。ガス導入口34aからチャンバ30内に導入された処理ガスは、ステージ33を形成する立起壁33aによってウエハWの裏面に回り込み難くなっている。これにより処理ガスはウエハWの表面側へ供給されやすくなるため、ウエハWの処理が効率的に進行し、処理速度を上げることができる。
【0036】
図4および図5では、ガス導入口34aおよびガス排出口34bの高さ位置がプロキシミティピン44に載置されたウエハWの高さよりも下側で示されているが、ガス導入口34aおよびガス排出口34bの位置はこのような形態に限定されない。例えば、図6はチャンバ30の別の実施形態であるチャンバ30aの概略断面図であり、チャンバ30aでは、ガス導入口34aおよびガス排出口34bが、プロキシミティピン44に支持されたウエハWの高さ位置よりも高い位置に設けられている。さらに、これに限定されず、ガス導入口34aをプロキシミティピン44に支持されたウエハWの高さ位置よりも高い位置に設け、ガス排出口34bをプロキシミティピン44に支持されたウエハWの高さ位置よりも低い位置に設けてもよい。なお、ガス導入口34aおよびガス排出口34bを蓋体41bに設けることも可能である。
【0037】
ウエハWの処理ガスによる処理は、チャンバ30の内部を一定の陽圧に保持して行うことが好ましい。このためにチャンバ30の内部から下部容器41aと蓋体41bとの間を通って外部に処理ガスが流出しないように、蓋体41bと下部容器41aとの密閉処理を、シリンダ43による押圧力に依存するだけでなく、より強固に行うことが好ましい。
【0038】
このため、下部容器41aと蓋体41bの端面にはそれぞれリング部材47a・47bが取り付けられており、下部容器41aの下方にこのリング部材47a・47bどうしを締め付けるロック機構35が設けられている。リング部材47aとリング部材47bは、Z方向矢視において互いに重なるような同等の形状を有している。
【0039】
図4に示すように、ロック機構35は、下部容器41aの裏面中心に固定された支持軸52と、支持軸52との間にベアリング53を介して、回転装置54によって回転自在に配置された回転筒55と、回転筒55に固定された円板56と、円板56の周縁の所定位置に設けられた挟持部材57と、を有している。挟持部材57は、回転軸58回りに回転自在な押圧ローラ59a・59bと、回転軸58を保持するローラ保持部材60と、を有している。
【0040】
図7はリング部材47a・47bの形状と挟持部材57の位置を示す平面図であり、図8は押圧ローラ59a・59bの移動形態を示す説明図である。図7においてリング部材47a・47bは紙面に垂直な方向で重なっている。リング部材47a・47bにはそれぞれ、切り欠き部61が4箇所に等間隔で形成されている。この切り欠き部61の位置に挟持部材57が配置されている状態では、蓋体41bの昇降を自由に行うことができる。
【0041】
一方、回転装置54を駆動して回転筒55とともに円板56を所定角度回転させると、押圧ローラ59aは回転しながらリング部材47bの上面を登ってリング部材47b上で静止し、押圧ローラ59bは回転しながらリング部材47aの下側に回り込んでリング部材47aの下側で静止する。押圧ローラ59a・59b間の間隔をリング部材47bの表面とリング部材47aの裏面との間の距離よりも短く設定することによって、リング部材47a・47bを締め付けることができ、これによってチャンバ30の密閉性を向上させることができる。
【0042】
なお、回転軸58の上下位置がバネ等によって移動可能な構造とすることによって、リング部材47a・47bどうしを締め付ける力が調整されるようにしてもよい。また、切り欠き部61を設ける位置は図7に示す4箇所に限定されず、好ましくは3箇所以上に等間隔で設けることが好ましい。
【0043】
このように構成されたレジスト除去システム1においては、例えば、エッチングマスクとしてレジスト膜が用いられてエッチング処理が終了したウエハWの収容されたキャリアCがオペレータによって、または自動搬送装置によって載置台6に載置される。キャリアCの蓋体10aとシャッター10を搬送ステーション3側に退避させることによって窓部9aが開かれる。続いてウエハ搬送ピック7aによって、キャリアCの所定位置にある1枚のウエハWをウエハ載置ユニット(TRS)13bへ搬送する。
【0044】
次に、ウエハ搬送アーム14aによってウエハ載置ユニット(TRS)13bに載置されたウエハWをレジスト変性処理ユニット(VOS)15a(または15b〜15hのいずれか)に搬入する。レジスト変性処理ユニット(VOS)15aへのウエハWの搬入処理は次のようにして行われる。すなわち、最初にチャンバ30の蓋体41bを下部容器41aの上方に退避させた状態とし、その後に、蓋体41bに設けられた爪部材46のウエハWを保持する部分(水平方向に突出した部分)よりも僅かに高い位置へウエハWが進入するように、ウエハWを保持したウエハ搬送アーム14aを進入させる。次いで、ウエハ搬送アーム14aを一旦下方へ移動させると、ウエハWは爪部材46に受け渡される。
【0045】
ウエハ搬送アーム14aをレジスト変性処理ユニット(VOS)15aから退避させた後に蓋体41bを降下させて、蓋体41bを下部容器41aに密着させ、さらにロック機構35を動作させて、リング部材47a・47bを締め付けることによって、チャンバ30を密閉状態とする。なお、蓋体41bを降下させる途中で、ウエハWは爪部材46からプロキシミティピン44へ受け渡され、ステージ33の上に載置される。
【0046】
ステージ33に備えられたヒータ45aと蓋体41bに備えられたヒータ45bを発熱させて、ステージ33およびヒータ45aを所定の温度に保持する。例えば、ステージ33を100℃に保持し、蓋体41bを110℃に保持する。これにより、後にチャンバ内に水蒸気とオゾンを含む処理ガスを供給した際に、水蒸気の結露が防止される。また、チャンバ30内における水蒸気の密度は、蓋体41b側よりもステージ33側で高くなるために、水蒸気を効率的にウエハWにあてることができる。
【0047】
なお、ステージ33と蓋体41bの温度差が極端に大きくなると、ステージ33およびウエハWに結露が生じやすくなり、一方、この温度差が小さいと水蒸気密度に分布が生じなくなる。このためステージ33と蓋体41bの温度差は5℃〜15℃の範囲、好ましくはほぼ10℃とする。
【0048】
ステージ33の温度は、90℃〜150℃とすることが好ましく、このような範囲であれば、結露が抑制され、しかもウエハWに熱的なダメージが与えられることもない。また、プロキシミティピン44の高さは、ステージ33の表面に結露が生じた場合に、ウエハWの裏面が結露した液滴に接することがない高さ、例えば、1mm以上3mm以下に設定される。これによりウエハWの裏面へのウォーターマークやパーティクルの付着が防止され、ウエハWの品質が高く保たれる。
【0049】
ステージ33および蓋体41bが所定温度に保持され、かつ、ウエハWの温度分布がほぼ一定となったら、最初に処理ガス供給装置16からオゾン/窒素混合ガスのみをチャンバ30内に供給して、チャンバ30の内部がオゾン/窒素混合ガスでパージされ、かつ、所定の陽圧、例えばゲージ圧で0.2MPaとなるように調節する。その後、オゾン/窒素混合ガスに水蒸気を混合させた処理ガスを、処理ガス供給装置16からチャンバ30内に供給する。この処理ガスによってウエハWに形成されているレジスト膜は酸化されて水溶性へと変性する。チャンバ30への処理ガスの供給量とチャンバ30からの排気量は、チャンバ30内が所定の陽圧となるように調整される。
【0050】
レジスト変性処理ユニット(VOS)15aにおけるウエハWの処理においては、ステージ33は周縁に立起壁33aが設けられているために、ウエハWの裏面側に処理ガスが回り込み難い。これによって、効率的に処理ガスがウエハWの表面側に供給されるために処理速度が速められ、しかも処理ガスの流量(使用量)を低減することができる。さらに、ステージ33と蓋体41bに温度差が設けられているために、水蒸気を効率的にウエハWに供給することができ、これによっても処理速度が速められる。
【0051】
ウエハWの処理ガスによる処理中に、ガス排出口34bから排気された反応処理後の処理ガスは、排気装置32によって所定の分離操作を経る。排気装置32に導入された水蒸気は、排気装置32内において結露し、液化する。このため排気装置32は排液装置としての機能を備えている。図9は排気装置32の概略構成を示す説明図である。排気装置32は、主にバルブ71〜75と、エジェクタ76と、ミストトラップ77と、オゾンキラー78と、冷却装置79と、これらを接続する配管類と、から構成されている。
【0052】
チャンバ30のガス排出口34b(図示せず)に接続された配管81には、バルブ71・72・73が並列に接続されている。例えば、バルブ71は解放時に少量の排気および排液を行い、バルブ72は解放時に多量の排気および排液を行い、バルブ73はチャンバ30内部の処理ガスを緊急に排気するために用いられる。
【0053】
ミストトラップ77はバルブ71・72の下流側の配管82に設けられている。バルブ71・72を通してミストトラップ77へ導かれた処理ガスは、ミストトラップ77において気液分離され、分離された液体成分はドレインへと排出され、気体成分はオゾンキラー78へ排出される。オゾンキラー78においては、オゾン/窒素混合ガスに含まれるオゾンが酸素ガスに熱分解される。オゾンキラー78により加熱処理されたガスは冷却装置79により所定の温度まで冷却された後に排気される。
【0054】
バルブ73の下流側の配管83aにはエジェクタ76が配置されており、エジェクタ76の下流側の配管83bにはバルブ75が設けられている。バルブ73・75を開いてエジェクタ76を動作させることにより、配管83a・83bを通して、チャンバ30内の処理ガスがミストトラップ77へ向けて排出される。また、エジェクタ76にはバルブ74を開くことによって空気供給源から空気が供給されるようになっており、配管83a・83bを空気でパージすることができるようになっている。なお、バルブ73〜75は、ウエハWの処理中は、通常、閉じた状態で保持される。
【0055】
ウエハWの処理ガスによる処理が終了したら、処理ガスの供給を停止する。続いて処理ガス供給装置16からチャンバ30内に窒素ガスを供給して、チャンバ30内を窒素ガスでパージする。このパージ処理時には、その後にチャンバ30を開いたときに、排気装置32からオゾン/窒素混合ガスが逆流してオゾン/窒素混合ガスがチャンバ30から排出されないように、排気装置32内からもオゾン/窒素混合ガスを完全に排出する。排気装置32では、通常の処理はバルブ73・75が閉じられた状態で行われるために、配管83a・83bを窒素ガスでパージする必要がない。これによってパージ時間を短縮することができる。
【0056】
窒素ガスによるパージ処理が終了した後には、チャンバ30の内圧が外気圧と同じであることを確認する。これは、チャンバ30の内部圧力が大気圧よりも高い状態でチャンバ30を開くと、チャンバ30が損傷するおそれがあるからである。チャンバ30の内圧確認後、ロック機構35による下部容器41aと蓋体41bの締め付けを解除し、蓋体41bを上昇させる。蓋体41bを上昇させる際に、ウエハWは爪部材46に保持されて蓋体41bとともに上昇する。ウエハ搬送アーム14aを下部容器41aと蓋体41bとの隙間に進入させて、ウエハWを爪部材46からウエハ搬送アーム14aに受け渡す。
【0057】
レジスト変性処理ユニット(VOS)15aにおける処理においては、レジストは水溶性へと変性するが、ウエハWから除去されない。そこでウエハWからレジストを除去するために、ウエハWは、洗浄処理ユニット(CLN)12a〜12dのいずれかに搬入されて、そこで洗浄液による変性したレジストの除去処理が行われる。
【0058】
次いで、洗浄処理ユニット(CLN)12a〜12dにおける処理が終了したウエハWは、ホットプレートユニット(HP)19a〜19dのいずれかに搬送されて、加熱乾燥された後、クーリングプレートユニット(COL)21a・21bのいずれかに搬送されて冷却処理される。所定の温度まで冷却されたウエハWは、ウエハ載置ユニット(TRS)13aに搬送され、そこからウエハ搬送装置7によってキャリアCの所定の位置に収容される。
【0059】
次に、レジスト変性処理ユニット(VOS)15aに用いられるチャンバのさらに別の実施の形態について説明する。図10はチャンバ30bの概略断面図であり、図11はチャンバ30bを構成する下部容器41a´の水平面での概略断面図である。
【0060】
下部容器41a´にはステージ33´が配置されている。ステージ33´が蓋体41bを降下させた際に爪部材46と衝突しないように、ステージ33´の外径はウエハWの外径よりも短くなっている。下部容器41a´の内側において、ガス導入口34aの周囲には、水平方向に複数の窓部36aが形成された拡散板36が設けられている。
【0061】
ガス導入口34aからチャンバ30bの内部に供給された処理ガスは、拡散板36の窓部36aを通してウエハWに供給される。これにより、処理ガスは、ウエハW全体に広く行き渡るようにしてウエハWに供給されるために、ウエハW全体で略均一に処理を行うことができる。また、処理ガスを効率的にウエハWに供給することが可能となるために、処理速度を速めることができ、スループットが向上する。さらに処理ガスの使用量を低減することも可能となる。
【0062】
図12は、チャンバ30bに備えられた拡散板36に代えて、ウエハWの外周の広い範囲からウエハWへの処理ガスの供給を行うガス供給ノズル37を配置したチャンバ30cの構成を示す説明図である。ガス供給ノズル37は、ガス導入口34aからチャンバ30cの内部に供給された処理ガスが、ウエハWの周縁に回り込むように略円環状に形成されており、その内周の複数箇所に窓部37aが形成されている。なお、ガス供給ノズル37は、下部容器41a´の周縁の立起部の内周を利用することによって、下部容器41a´と一体構成になっている。
【0063】
ガス導入口34aからチャンバ30cの内部に供給された処理ガスは、窓部37aを通して、ウエハWの外周から中心に向かって供給され、その後にガス排出口34bから排出される。このようにガス供給ノズル37を用いた場合にも、拡散板36を用いた場合と同じ効果を得ることができる。
【0064】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、チャンバ30b・30cにおいても、チャンバ30に使用されていた立起壁33aを有するステージ33を用いることができる。チャンバ30へのウエハWの搬入出は、蓋体41bに取り付けられた爪部材46を用いて行われる形態を示したが、例えば、ステージを貫通して昇降自在に設けられた昇降ピンを設け、この昇降ピンとウエハ搬送アーム14aとの間でウエハWの受け渡しが行われるようにしてもよい。
【0065】
また、レジスト変性処理ユニット(VOS)15a〜15hによるウエハWの処理において、処理ガスによる処理が終了してチャンバ30内を窒素パージする際には、チャンバ30内および排気装置の配管81内からオゾンが排出された状態で、バルブ71〜73を閉じ、これと同時にチャンバ30への窒素ガスの供給を停止してもよい。この方法によれば、バルブ71〜73を閉じているために、排気装置32からオゾンがチャンバ30へ逆流せず、パージ時間を短縮することができるために、使用する窒素量を低減することもできる。また、この方法を用いる場合にはバルブ75を設ける必要はないために、部品点数を低減することができる。
【0066】
但し、上述した窒素ガスによるチャンバ30のパージ方法を用いた場合には、その後にチャンバ30が陽圧に保持された状態でチャンバ30が開かれることのないように、チャンバ30を開く前に、バルブ74を開いてエジェクタ76へ空気を導入し、かつ、バルブ73を開くことによって、排気装置32を空気でパージし、かつ、チャンバ30の内圧を外気圧と同じとなるように調整する。この空気による排気装置32のパージは数秒間という短い時間でよい。
【0067】
上記説明においては基板として半導体ウエハを例示したが、基板はこれに限定されない。例えば、液晶表示装置(LCD)に使用されるガラス基板に電極回路を形成する際に使用されるレジストの除去処理等にも本発明を適用することができる。また、処理ガスはオゾンと水蒸気を所定濃度含む混合ガスに限定されず、その他の混合ガスまたは単一組成ガスであっても、そのガスを効率的に基板の表面に供給することが可能である。
【0068】
【発明の効果】
上述の通り、本発明によれば、基板を載置するステージの周縁に立起壁を設けることによって、ステージと基板との間に流れ込む処理ガスの量を低減することができる。これによって基板表面に処理ガスを効率的に供給することができるために、処理ガスの消費量を低減することができ、しかも、処理速度を向上させることができる。また、本発明によれば、処理ガスを拡散させて基板に供給することにより、または処理ガスの供給路を基板の周縁に導いた後に基板に向けて供給することによって、処理ガスを基板に均一に供給することができる。これによって、基板の処理が基板全体で均一に行われ、基板の品質が高められる。さらに本発明によれば、チャンバの内部で温度勾配を設けることによって、処理ガスに含まれる各成分を効率的に基板の表面に供給することが可能である。これによって処理速度が速められ、スループットが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】レジスト除去システムの概略平面図。
【図2】レジスト除去システムの正面図。
【図3】レジスト除去システムの背面図。
【図4】レジスト除去システムに備えられたレジスト変性処理ユニット(VOS)の概略断面図
【図5】レジスト変性処理ユニット(VOS)の別の概略断面図。
【図6】レジスト変性処理ユニット(VOS)に備えられる別のチャンバの形態を示す概略断面図。
【図7】チャンバに備えられたリング部材の形状とチャンバを固定する挟持部材の位置を示す平面図。
【図8】チャンバを固定する押圧ローラの移動形態を示す説明図。
【図9】排気装置の概略構成を示す説明図。
【図10】レジスト変性処理ユニット(VOS)に備えられる別のチャンバの概略断面図。
【図11】チャンバを構成する下部容器の水平面での概略断面図。
【図12】チャンバを構成する別の下部容器の水平面での概略断面図。
【図13】従来のチャンバの構造を示す概略断面図。
【符号の説明】
1;レジスト除去システム
2;処理ステーション
3;搬送ステーション
4;キャリアステーション
15a〜15h;レジスト変性処理ユニット(VOS)
16;処理ガス供給装置
30・30a・30b・30c;チャンバ
32;排気装置
33・33´;ステージ
33a;立起壁
33b;凹部
34a;ガス導入口
34b;ガス排出口
35;ロック機構
36;拡散板
36a;窓部
37;ガス供給ノズル
37a;窓部
41a;下部容器
41b;蓋体
45a・45b;ヒータ
W;ウエハ(基板)
Claims (12)
- 所定の処理ガスによって基板を処理する基板処理装置であって、
基板を収容する密閉式のチャンバと、
前記チャンバに処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記チャンバから前記処理ガスを排気する排気手段と、
を具備し、
前記チャンバは、
前記処理ガスが前記チャンバの内部において略水平方向に流れるように、前記処理ガスを内部に導入するガス導入口および前記処理ガスを外部へ排気するガス排出口と、
基板を支持する支持部材が表面に設けられ、前記支持部材に支持された基板の周縁を囲繞するように設けられた突起状の壁部を有するステージと、
を有することを特徴とする基板処理装置。 - 前記ステージが有する突起状の壁部の高さは、前記基板が前記支持部材に支持された際の基板の裏面の高さより高いことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
- 前記ガス導入口は、前記ステージに載置された基板の表面の高さよりも高い位置において前記チャンバの側壁に設けられ、前記ガス排出口は前記ガス導入口と対向する側壁に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
- 所定の処理ガスによって基板を処理する基板処理装置であって、
基板を収容する密閉式のチャンバと、
前記チャンバに処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記チャンバから前記処理ガスを排気する排気手段と、
を具備し、
前記チャンバは、
前記処理ガスが前記チャンバの内部において略水平方向に流れるように、前記処理ガスを内部に導入するガス導入口および前記処理ガスを外部へ排気するガス排出口と、
基板を支持する支持部材が表面に設けられたステージと、
前記ガス導入口から前記チャンバ内に導入された処理ガスを前記ステージに載置された基板全体に前記処理ガスが供給されるように拡散する拡散板と、
を有することを特徴とする基板処理装置。 - 前記拡散板は、前記ステージに載置された基板の外側上方から前記基板に向けて前記処理ガスを流入させる複数のガス透過窓を有することを特徴とする請求項4に記載の基板処理装置。
- 所定の処理ガスによって基板を処理する基板処理装置であって、
基板を収容する密閉式のチャンバと、
前記チャンバに処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記チャンバから前記処理ガスを排気する排気手段と、
を具備し、
前記チャンバは、
基板を支持する支持部材が表面に設けられたステージと、
前記処理ガスを内部に導入するガス導入口と、
前記ガス導入口から前記チャンバ内に導入された処理ガスを前記ステージに載置された基板の周縁に回り込ませて前記基板の外側から前記基板に供給するガス供給ノズルと、
前記ガス供給ノズルから噴射された処理ガスを外部へ排気するガス排出口と、
を有することを特徴とする基板処理装置。 - 前記ガス供給ノズルが前記処理ガスを噴射するガス噴射口は、前記ステージに載置された基板の表面の高さよりも高い位置に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の基板処理装置。
- 前記チャンバは、
前記ステージが収容された下部容器と、
前記下部容器の上方に昇降自在に設けられた蓋体と、
を有し、
前記ステージに載置された基板を所定の温度に保持するためのヒータが前記ステージおよび前記蓋体にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の基板処理装置。 - 前記処理ガスはオゾンと水蒸気を所定濃度含む混合ガスであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 水蒸気とオゾンを含む処理ガスによって基板を処理する基板処理方法であって、
基板を支持する支持部材が表面に設けられたステージと前記ステージに載置された基板とを、昇降自在な蓋体と固定された下部容器とからなる密閉式のチャンバの内部に収容する工程と、
前記ステージを90℃〜150℃に保持し、かつ、前記蓋体において前記基板と対面する部分の温度を前記ステージの温度よりも5℃〜15℃高く保持しながら、前記チャンバの内部に水蒸気とオゾンを含む処理ガスを供給することによって前記基板を処理する工程と、
を有することを特徴とする基板処理方法。 - 前記処理ガスによる前記基板の処理は、前記ステージに結露が生じた際に、前記基板の裏面が前記結露に接触しない高さに保持されて行われることを特徴とする請求項10に記載の基板処理方法。
- 前記処理ガスによる前記基板の処理は、前記チャンバの内部を陽圧に保持して行われることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の基板処理方法。
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JP2002187419A JP2004031750A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 基板処理装置および基板処理方法 |
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KR101272023B1 (ko) * | 2008-07-30 | 2013-06-07 | 참엔지니어링(주) | 기판 처리 장치 |
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