JP2004031059A - フッ素レーザ波長校正用放電ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】波長157.6299nmの光を放出するフッ素レーザ装置の波長安定化用の基準光源であって、フッ素レーザ装置をステッパーやスキャン露光等の投影露光装置の光源として使う場合にその基準光源として実用性のあるものを提供することである。
【解決手段】フッ素レーザ装置より出射されるレーザ光の波長に近い発光スペクトルを有し、この発光スペクトル線を利用してフッ素レーザ装置からのレーザ光の発振波長を安定化させるためのフッ素レーザ波長校正用放電ランプであって、前記放電ランプ1は、内部に発光物質として臭素と始動用バッファガスとしての希ガスが封入された概略円筒状の放電空間部11と、この放電空間部の一端を塞ぐように配置された真空紫外光を透過させる窓部材3と、この放電空間部の外面を取巻くように離間して配置した一対の電極4a、4bと、この放電空間部11の前記窓部材3とは反対側において連通して設けられた前記放電容器の内容積よりも大きい内容積を有して、かつ放電空間部より大径の臭素リザーバ部12よりなることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】フッ素レーザ装置より出射されるレーザ光の波長に近い発光スペクトルを有し、この発光スペクトル線を利用してフッ素レーザ装置からのレーザ光の発振波長を安定化させるためのフッ素レーザ波長校正用放電ランプであって、前記放電ランプ1は、内部に発光物質として臭素と始動用バッファガスとしての希ガスが封入された概略円筒状の放電空間部11と、この放電空間部の一端を塞ぐように配置された真空紫外光を透過させる窓部材3と、この放電空間部の外面を取巻くように離間して配置した一対の電極4a、4bと、この放電空間部11の前記窓部材3とは反対側において連通して設けられた前記放電容器の内容積よりも大きい内容積を有して、かつ放電空間部より大径の臭素リザーバ部12よりなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光の発振波長を安定化するための基準光源ランプに関し、特に、波長157nmの光を発振するフッ素レーザ波長校正用放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体回路の微細化、高集積化につれ、投影露光装置では解像度の向上が要請されている。このため、光源から放出される露光光の短波長化が進められており、半導体リソグラフィ用光源としては、従来の水銀ランプの放射波長(365nm)より短波長の光を放出するArFエキシマレーザ装置が採用されている。
このArFエキシマレーザ装置は発振波長193nm、線幅0.5pmであるが、最近では、より発振波長が短いフッ素(分子)レーザ装置が次世代の光源として注目されている。このフッ素レーザ装置は発振波長157nm(厳密には、157.6299nm)、線幅0.2pmである。
【0003】
このようなArFエキシマレーザ装置およびフッ素レーザ装置は、放電動作中の発振波長が変動するため、レーザ装置としては発振波長を所定値に維持するための波長安定化制御が必要になる。安定化のレベルは、ArFエキシマレーザ装置の場合で±0.05nm、フッ素レーザ装置ではそれ以下の精度で要求される。
そして、このような波長安定化制御を行うためには、レーザ装置からの発振波長を測定する手段が必要になる。通常は、放射光が安定である(発光波長が変動しない)基準光源を使って、この基準光源からの放射光と被測定光(レーザ光)を所定時間ごとに比較することで、当該比較値のズレをもって、被測定光の波長のズレを検知する方法が用いられている。
【0004】
図5にArFエキシマレーザ装置の波長測定装置を示す。
基準光源から基準光が放射され、この基準光はシャッターAを経てビームスプリッタに入射し、さらにエタロン、集光レンズを経て光検出器としてのリニアセンサ(CCD)に入射する。リニアセンサ上には干渉縞(フリンジ)を形成し、このフリンジの位置データから基準光源の放射光の線幅、中心波長を認識する。
【0005】
次に、シャッターAを閉じて、ArFエキシマレーザからの波長193.4nm近傍の被測定光(レーザ光)を入射開口、シャッターB、反射鏡を経て、さらに凹面反射鏡、エタロンに導く。そして、エタロンで多重干渉された被測定光が集光レンズを経てリニアセンサ(CCD)上に照射される。このリニアセンサ上では、前記基準光源の場合と同様にフリンジが形成され、基準光源の場合と同様にCCD上に形成される位置データから被測定光の線幅や中心波長が算出される。
【0006】
ところで、レーザ動作時、エタロンにおける空気の屈折率が変動したり、ミラーの位置が微妙に変動する等の理由により、基準光のリニアセンサ上の干渉縞の位置も微妙に変化する。そのため、一度だけ測定した基準光の波長位置をもとに、レーザ光の波長を算出しようとしても、正確な波長位置を求めることは出来ない。
そこで、波長の安定した基準光源の光を同時に光学系に取り入れ、同様に空気の密度変化の影響を受けた状態でレーザ光の位置と相対比較する。これによって、擾乱の影響が補償され、そこで検出されるのが、レーザ発振段階での波長シフトとなる。それ故、基準光源での波長校正が、適時必要となる。
【0007】
上記従来例はArFエキシマレーザ装置の場合について説明したが、フッ素レーザ装置についても同様であって、発振レーザ光の波長安定化のためには基準光源を使った制御が必要となる。
特に、フッ素レーザ装置の場合は、発振波長がArFエキシマレーザよりもさらに短い真空紫外域である。このため、透過する気体媒質の密度の揺らぎに起因した屈折率の変化の影響が大きくなり、検出位置と波長との関係の変動も大きくなる。また要求される発振波長のズレの許容度も小さいことからフッ素レーザ装置の発振波長に極めて近い波長の光を放出する基準光源が必要となる。
【0008】
ここで、フッ素レーザ装置の基準光源については、例えば、特開2000−249600号に説明されており、この文献には、発光物質として炭素(C)、鉄(Fe)、ナトリウム(Na)、フッ素(F)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルゴン(Ar)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ゲルマニウム(Ge)、砒素(As)、臭素(Br)、白金(Pt)を使うことが開示されている。
【0009】
しかしながら、この文献の開示内容は、波長157nm近辺に僅かでも発光の可能性が見出せる原子を単に羅列したにすぎず、発光強度を考慮して、実用上有効な発光原子を特定しているものではない。言い方を変えれば、ここに開示された原子を発光物質として選択して基準光源を作ったとしても、当該選択された原子による発光ではその光強度が低すぎるか、あるいは他の波長との相対強度が低いため、半導体製造装置である投影露光装置(ステッパーやスキャン露光)の光源として使うフッ素レーザ装置の基準光源として十分に利用できるものではない。
また、この文献には放電ランプの構造や形状について何ら記載するものではなく、どのような構造や形状が基準光源として優れているかを開示するものでもない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明が解決しようとする課題は、波長157.6299nmの光を放出するフッ素レーザ装置の波長安定化用の基準光源であって、フッ素レーザ装置をステッパーやスキャン露光等の投影露光装置の光源として使う場合にその基準光源として実用性のあるものを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の基準光源は、フッ素レーザ装置より出射されるレーザ光の波長に近い発光スペクトルを有し、この発光スペクトル線を利用してフッ素レーザ装置からのレーザ光の発振波長を安定化させるためのフッ素レーザ波長校正用放電ランプであって、前記放電ランプは、内部に発光物質として臭素と始動用バッファガスとしての希ガスが封入された概略円筒状の放電空間部と、この放電空間部の一端を塞ぐように配置された真空紫外光を透過させる窓部材と、この放電空間部の外面を取巻くように離間して配置した一対の電極と、この放電空間部の前記窓部材とは反対側において連通して設けられた前記放電容器の内容積よりも大きい内容積を有して、かつ放電空間部より大径の臭素リザーバ部よりなることを特徴とする。
【0012】
【作用】
この発明は、フッ素(F2)レーザ装置の波長校正用基準光源として、臭素原子を利用するとともに、放電容器は放電を生じる放電空間部と臭素を蓄えるリザーバ部とより構成されることを特徴とする。
【0013】
まず、臭素原子を使う点について説明すると、放電容器内に、臭素分子あるいは臭素化合物という形で臭素を封入することにより、放電プラズマ中に臭素励起原子が多数発生させ、この臭素励起原子からF2レーザの波長に近い所望の発光スペクトルが効率良く得られ、放電容器の窓部材を通じて外部に放射光を取り出すことができる。
特に、臭素原子の発光スペクトルは157.6387nmであり、フッ素レーザの発振波長である157.6299nmに極めて近く、また、臭素原子はその他の原子に比べて、この発光波長に高い光強度を有するので、他の原子に比較しても実用性は十分に有している。
【0014】
また、放電容器は放電を生じる放電空間部を概略円筒状として、その一端に窓部材を設けるとともに、外側電極は放電空間部の外側側面を取巻くように円筒状(帯状)のものを容器の長手方向に互いに離間させて密着させている。
このような構造により、放電空間部内で発生する放電プラズマからの発光を円筒の中心軸から窓部材を介して取り出す場合に、放電プラズマ内に光学的に最も明るい領域を円筒状の放電容器のほぼ中心付近に安定に発生させることができ、この光学的に最も明るい位置を容易に見積もることができるので、後段のレンズあるいはスリット等の光学系とも関連させて、これらの位置調整を容易に行うことができる。
また、外部電極型構造とすることで放電容器に電極棒を導入するような構造が不要となり、放電容器を完全な気密封止とすることができる。このため、従来のランプに見られるような封入ガスのリークや封止部でのクラックの発生などの問題を良好に解決することができ、結果として長時間安定な発光を得ることができる。
【0015】
さらに、放電空間部において、封入された臭素は放電容器の管壁と反応もしくは吸着するなどしてその封入量が減少するものであるが、放電空間部に連通するようにリザーバ部を設けることでこの減少を十分に補うことが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のフッ素(F2)レーザ装置の発振レーザ光を制御するための基準光源を示す。
放電容器1は小径円筒型の放電空間部11と臭素を蓄積するリザーバ部12からなる。放電空間部は本体ケース2と窓部材3から構成され、本体ケース2は概略円筒形状をしており、例えば、石英ガラスから形成される。窓部材3は容器内部で生成した真空紫外光を取り出すためのもので合成石英ガラスからなる概略円盤状部材が本体ケース2の一端を塞ぐように取付けられる。
また、本体ケース2はソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、アルミナ珪酸ガラス、ホウケイ酸ガラスなども利用でき、窓部材3は合成石英ガラス以外にフッ化マグネシウムも採用することができる。
放電空間部11について、数値例をあげると、長さ150mm、外径20mm、厚さ1mmである。
【0017】
本体ケース2の外表面には、一対の概略帯状の電極4(4a、4b)が巻き付けられており、この電極4(4a、4b)からの接続線が交流電源5に接続される。この電極4(4a、4b)は、放電容器2の長手方向に対して互いに離間するように配置して、一方の電極が窓部材3に近く、他方の電極は窓部材3から離れているという構造を形成する。
電極4は、例えば、銅、アルミニウムからなるもので薄膜状のものが本体ケース2に密着する形で巻き付けられる。また、あらかじめ型成形した金属部材を取り付け、接着剤あるいは、ネジ固定してもよい。これらの導電性部材の巻きつけ、取り付けにおいては接着剤、あるいはこれに代わる粘着剤に導電性を持たせて使用するのも有効である。導電性ペーストを本体ケース2に直接、焼成させることにより電極とすることもできる。
【0018】
ここで、電極4a、4bは、ともに放電容器を取り巻く概略バンド状(帯状)のものであるが、図においては窓部材に近い側の電極4bは、他方の電極4aよりも放電容器2の長手方向に短いものであるが、これは限定されるものではなく、同一の長さでも電極4aが短い構成でもかまわない。数値例をあげると、電極4bの長さBは30mm、電極4aの長さAは90mmである。なお、窓部材3の外には、レンズLとスリットSLが配置される。レンズLは、ランプの光学的に最も明るい位置をスリット上に転写するために使用され、レンズ材質には、157nmにおける透過率の良いフッ化リチウム、フッ化カルシウム、合成石英等が選ばれる。スリットSLは図5で示す光学系に向けて良好に放射光を導くためのものである。
【0019】
リザーブ部12は放電空間部11の他端と連通して設けられ、臭素を内部に蓄積している。臭素は、例えば、化合物の形で固体として蓄積することができ、外部から加熱することでガス化することが可能となる。なお、臭素の蓄積形態はこれに限定されるものではない。
リザーブ部12は放電空間部11内に存在する臭素を補給するという意味を要することから、放電空間部11よりも内容積が大きく、かつ、大径に形成することが望ましい。
リザーバ部12について、数値例をあげると、外径25mm〜50mmの範囲であって、例えば40mm、長さ方向は30mm〜150mmであって、例えば80mm、放電空間部の2〜15倍、例えば10倍の内容積を有する。
【0020】
図2は、リザーバ部12の存在に関する実験データを示す。放電ランプとしては、リザーバ部を除き前記図1に示す構造をした臭素を含むものであって、封入リザーバ部12を持たないランプ1、リザーバ部12が放電空間部11の3.5倍のランプ2、リザーバ部12が放電空間部11の7倍のランプ3を用いた。各ランプ消費電力7.1Wで点灯させて、点灯経過時間と光量の減衰率を測定した。
実験は、初期照度(ランプ1〜3は初期照度は等しい)を100とした場合の相対値で表している。
図2より、リザーバ部12を持たないランプ1は約150時間で光量が10%以下まで低下したのに対し、リザーバ部12を有するランプ2、ランプ3は300時間経過しても初期値の60%を有していることがわかる。
【0021】
また、放電空間部11の材質としては石英ガラスやアルミノ珪酸ガラスを採用することができる。しかし、本発明ではアルミノ珪酸ガラスを用いることで、石英ガラスを用いる場合に比べて格段の寿命延命効果を発揮することが確認された。その様子を図3に示す。放電空間部11の材質にそれぞれ石英ガラスとアルミノ珪酸ガラスを使用した、封入リザーバ部12を持たない同形状の前記図1に示す構造の臭素を含むランプを用いて、その時の点灯経過時間と光量の減衰率を測定した。各ランプは、消費電力9.5Wで点灯させた。実験は、初期照度(各ランプの初期照度は等しい)を100とした場合の相対値で表している。
図3より、石英ガラスを用いたランプ1は約100時間で光量が10%以下まで低下したのに対し、アルミノ珪酸ガラスを用いたランプは350時間経過しても初期値の60%を有していることがわかる。これは、アルミノ珪酸ガラスの方が石英ガラスよりと反応もしくは吸着しにくいからと考えられる。
従って、放電容器の材質をアルミノ珪酸ガラスにして、かつ、リザーバ部を設ければ寿命効果はより一層向上することもわかる。
【0022】
放電ランプの説明に戻って、放電容器1の内部には、発光成分として臭素分子またはその化合物、点灯始動用バッファガスとして希ガスが封入される。一例をあげると、臭素分子またはその化合物は、臭素原子が、例えば0.015μmol/ccとなるように封入され、希ガスはアルゴンが2.67kPa封入される。このランプを点灯すると、電極4aと電極4b間に放電プラズマ6が形成される。放電容器全体に均一に放電プラズマが形成される場合もあるが、この例では、放電プラズマが狭窄した形が示されている。
なお、臭素化合物は臭化水素(HBr)、臭化アンモニウム(NH4Br)、臭化エチレン(CH2Br2)、臭化エチル(CH3Br)という形で封入できる。
【0023】
一対の電極4a、4bに所定の高周波電圧を印加することにより、放電容器2の内部で放電プラズマ6が発生する。この放電プラズマは、電極間隔、ガス圧、高周波電圧の選び方のより、放電が狭窄した形として実現することができる。なお、高周波電圧としては、周波数領域としては、商用周波数である50Hz〜100MHz程度まで可能であり、電圧波形についても、正弦波、矩形波、フライバックによるパルス点灯、あるいはバースト点灯なども可能である。
そして、この光学的に最も明るい位置を基準として放電容器とスリットSLの位置関係を調整することで、スリットSLに入射する光束量を最大になるように決めることができる。
【0024】
次に、図4使って、このような基準光源を使ったフッ素レーザ装置の全体構造について説明する。
フッ素レーザ装置はレーザチャンバ10、狭帯域モジュール20、波形検出光学系30、制御回路40からを主要素として構成され、これらで投影露光装置用の光源として機能すべく波長157nmの光を放射する。
レーザチャンバ10の両端には、窓が設けられており、チェンバ内にフッ素ガス、およびヘリウムを主体とするバッファガスが封入される。レーザチャンバ10の内部には所定間隔だけ離間して対向した一対の放電電極が設けられ、図示略の高電圧発生装置からの高電圧パルスが印加されると放電電極間に放電が生じてレーザガスであるフッ素ガスが励起される。この励起によってレーザ光が生じるが狭帯域化モジュール20にはレーザ光のスペクトル幅を狭帯域化するためのプリズムや回折格子が配置する。そして、レーザチャンバ10の他方の窓の外には出力鏡が設けられるとともにその先にビームスプリッタ31が設けられ、ここからレーザ光を校正するための検出光が一部取り出される。
この検出光を受ける波形検出光学系30は、図5に示す構造を有し、リニアセンサからの信号が制御回路40に送信される。
【0025】
一方、臭素を発光物質とする基準光源50からの放射光も同様に波形検出光学系30に入射される。この説明も図5における基準光源として本発明のランプを適用するだけで同様の説明をすることができる。そして、基準光源50からの放射光もリニアセンサからの信号として制御回路40に送信される。
現実の動作としては、フッ素レーザ装置からのレーザ光が定期的に測定されるとともに、それに前後して基準光源50からの放射光を測定することになる。この理由は前記したが、波形検出回路30に含まれるエタロンやミラー等の光学部品の状態が微妙に変化するためであり、その都度、両方の光を検出してその状態におけるフッ素レーザ装置のレーザ光を基準光源の波長を基準にして測定するものである。
そして、フッ素レーザ装置からのレーザ光の発振スペクトルにズレがある場合には、制御回40から狭帯域モジュール20に信号を送り、回折格子を動かす等によって適正化を図る。
【0026】
図6に本発明の基準光源の分光スペクトルを示す。縦軸はこの基準光源から放射される全放射光のうち、各々の波長における光の相対強度を示す。
図において、波長157.6387nmに高い放射強度を示していることがわかる(なお、図においては波長163nm付近にもより高いピークを有しているが、157.6387nmにも高いピークが存在することがわかる)。この基準光源は臭素0.025μmol/cc、希ガスとしてアルゴン6.60kPa封入したランプである。
【0027】
【発明の効果】
以上、説明したようにこの発明に係るフッ素レーザ装置の波長安定化用放電ランプは、窓部材側の電極の長さが、他方の電極の長さより短いものとしたことで、光学系を介して、より大きい光強度の放射光を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフッ素レーザ装置の波長安定化用放電ランプの基本構成を示す。
【図2】本発明の実験結果を示す。
【図3】本発明の実験結果を示す。
【図4】フッ素レーザ装置の全体構造を示す。
【図5】波長測定装置の概略図を示す。
【図6】本発明に係る基準光源の分光スペクトルを示す。
【符号の説明】
1 放電容器
2 本体ケース
3 窓部材
4 電極
5 交流電源
6 放電プラズマ
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光の発振波長を安定化するための基準光源ランプに関し、特に、波長157nmの光を発振するフッ素レーザ波長校正用放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体回路の微細化、高集積化につれ、投影露光装置では解像度の向上が要請されている。このため、光源から放出される露光光の短波長化が進められており、半導体リソグラフィ用光源としては、従来の水銀ランプの放射波長(365nm)より短波長の光を放出するArFエキシマレーザ装置が採用されている。
このArFエキシマレーザ装置は発振波長193nm、線幅0.5pmであるが、最近では、より発振波長が短いフッ素(分子)レーザ装置が次世代の光源として注目されている。このフッ素レーザ装置は発振波長157nm(厳密には、157.6299nm)、線幅0.2pmである。
【0003】
このようなArFエキシマレーザ装置およびフッ素レーザ装置は、放電動作中の発振波長が変動するため、レーザ装置としては発振波長を所定値に維持するための波長安定化制御が必要になる。安定化のレベルは、ArFエキシマレーザ装置の場合で±0.05nm、フッ素レーザ装置ではそれ以下の精度で要求される。
そして、このような波長安定化制御を行うためには、レーザ装置からの発振波長を測定する手段が必要になる。通常は、放射光が安定である(発光波長が変動しない)基準光源を使って、この基準光源からの放射光と被測定光(レーザ光)を所定時間ごとに比較することで、当該比較値のズレをもって、被測定光の波長のズレを検知する方法が用いられている。
【0004】
図5にArFエキシマレーザ装置の波長測定装置を示す。
基準光源から基準光が放射され、この基準光はシャッターAを経てビームスプリッタに入射し、さらにエタロン、集光レンズを経て光検出器としてのリニアセンサ(CCD)に入射する。リニアセンサ上には干渉縞(フリンジ)を形成し、このフリンジの位置データから基準光源の放射光の線幅、中心波長を認識する。
【0005】
次に、シャッターAを閉じて、ArFエキシマレーザからの波長193.4nm近傍の被測定光(レーザ光)を入射開口、シャッターB、反射鏡を経て、さらに凹面反射鏡、エタロンに導く。そして、エタロンで多重干渉された被測定光が集光レンズを経てリニアセンサ(CCD)上に照射される。このリニアセンサ上では、前記基準光源の場合と同様にフリンジが形成され、基準光源の場合と同様にCCD上に形成される位置データから被測定光の線幅や中心波長が算出される。
【0006】
ところで、レーザ動作時、エタロンにおける空気の屈折率が変動したり、ミラーの位置が微妙に変動する等の理由により、基準光のリニアセンサ上の干渉縞の位置も微妙に変化する。そのため、一度だけ測定した基準光の波長位置をもとに、レーザ光の波長を算出しようとしても、正確な波長位置を求めることは出来ない。
そこで、波長の安定した基準光源の光を同時に光学系に取り入れ、同様に空気の密度変化の影響を受けた状態でレーザ光の位置と相対比較する。これによって、擾乱の影響が補償され、そこで検出されるのが、レーザ発振段階での波長シフトとなる。それ故、基準光源での波長校正が、適時必要となる。
【0007】
上記従来例はArFエキシマレーザ装置の場合について説明したが、フッ素レーザ装置についても同様であって、発振レーザ光の波長安定化のためには基準光源を使った制御が必要となる。
特に、フッ素レーザ装置の場合は、発振波長がArFエキシマレーザよりもさらに短い真空紫外域である。このため、透過する気体媒質の密度の揺らぎに起因した屈折率の変化の影響が大きくなり、検出位置と波長との関係の変動も大きくなる。また要求される発振波長のズレの許容度も小さいことからフッ素レーザ装置の発振波長に極めて近い波長の光を放出する基準光源が必要となる。
【0008】
ここで、フッ素レーザ装置の基準光源については、例えば、特開2000−249600号に説明されており、この文献には、発光物質として炭素(C)、鉄(Fe)、ナトリウム(Na)、フッ素(F)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルゴン(Ar)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ゲルマニウム(Ge)、砒素(As)、臭素(Br)、白金(Pt)を使うことが開示されている。
【0009】
しかしながら、この文献の開示内容は、波長157nm近辺に僅かでも発光の可能性が見出せる原子を単に羅列したにすぎず、発光強度を考慮して、実用上有効な発光原子を特定しているものではない。言い方を変えれば、ここに開示された原子を発光物質として選択して基準光源を作ったとしても、当該選択された原子による発光ではその光強度が低すぎるか、あるいは他の波長との相対強度が低いため、半導体製造装置である投影露光装置(ステッパーやスキャン露光)の光源として使うフッ素レーザ装置の基準光源として十分に利用できるものではない。
また、この文献には放電ランプの構造や形状について何ら記載するものではなく、どのような構造や形状が基準光源として優れているかを開示するものでもない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明が解決しようとする課題は、波長157.6299nmの光を放出するフッ素レーザ装置の波長安定化用の基準光源であって、フッ素レーザ装置をステッパーやスキャン露光等の投影露光装置の光源として使う場合にその基準光源として実用性のあるものを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の基準光源は、フッ素レーザ装置より出射されるレーザ光の波長に近い発光スペクトルを有し、この発光スペクトル線を利用してフッ素レーザ装置からのレーザ光の発振波長を安定化させるためのフッ素レーザ波長校正用放電ランプであって、前記放電ランプは、内部に発光物質として臭素と始動用バッファガスとしての希ガスが封入された概略円筒状の放電空間部と、この放電空間部の一端を塞ぐように配置された真空紫外光を透過させる窓部材と、この放電空間部の外面を取巻くように離間して配置した一対の電極と、この放電空間部の前記窓部材とは反対側において連通して設けられた前記放電容器の内容積よりも大きい内容積を有して、かつ放電空間部より大径の臭素リザーバ部よりなることを特徴とする。
【0012】
【作用】
この発明は、フッ素(F2)レーザ装置の波長校正用基準光源として、臭素原子を利用するとともに、放電容器は放電を生じる放電空間部と臭素を蓄えるリザーバ部とより構成されることを特徴とする。
【0013】
まず、臭素原子を使う点について説明すると、放電容器内に、臭素分子あるいは臭素化合物という形で臭素を封入することにより、放電プラズマ中に臭素励起原子が多数発生させ、この臭素励起原子からF2レーザの波長に近い所望の発光スペクトルが効率良く得られ、放電容器の窓部材を通じて外部に放射光を取り出すことができる。
特に、臭素原子の発光スペクトルは157.6387nmであり、フッ素レーザの発振波長である157.6299nmに極めて近く、また、臭素原子はその他の原子に比べて、この発光波長に高い光強度を有するので、他の原子に比較しても実用性は十分に有している。
【0014】
また、放電容器は放電を生じる放電空間部を概略円筒状として、その一端に窓部材を設けるとともに、外側電極は放電空間部の外側側面を取巻くように円筒状(帯状)のものを容器の長手方向に互いに離間させて密着させている。
このような構造により、放電空間部内で発生する放電プラズマからの発光を円筒の中心軸から窓部材を介して取り出す場合に、放電プラズマ内に光学的に最も明るい領域を円筒状の放電容器のほぼ中心付近に安定に発生させることができ、この光学的に最も明るい位置を容易に見積もることができるので、後段のレンズあるいはスリット等の光学系とも関連させて、これらの位置調整を容易に行うことができる。
また、外部電極型構造とすることで放電容器に電極棒を導入するような構造が不要となり、放電容器を完全な気密封止とすることができる。このため、従来のランプに見られるような封入ガスのリークや封止部でのクラックの発生などの問題を良好に解決することができ、結果として長時間安定な発光を得ることができる。
【0015】
さらに、放電空間部において、封入された臭素は放電容器の管壁と反応もしくは吸着するなどしてその封入量が減少するものであるが、放電空間部に連通するようにリザーバ部を設けることでこの減少を十分に補うことが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のフッ素(F2)レーザ装置の発振レーザ光を制御するための基準光源を示す。
放電容器1は小径円筒型の放電空間部11と臭素を蓄積するリザーバ部12からなる。放電空間部は本体ケース2と窓部材3から構成され、本体ケース2は概略円筒形状をしており、例えば、石英ガラスから形成される。窓部材3は容器内部で生成した真空紫外光を取り出すためのもので合成石英ガラスからなる概略円盤状部材が本体ケース2の一端を塞ぐように取付けられる。
また、本体ケース2はソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、アルミナ珪酸ガラス、ホウケイ酸ガラスなども利用でき、窓部材3は合成石英ガラス以外にフッ化マグネシウムも採用することができる。
放電空間部11について、数値例をあげると、長さ150mm、外径20mm、厚さ1mmである。
【0017】
本体ケース2の外表面には、一対の概略帯状の電極4(4a、4b)が巻き付けられており、この電極4(4a、4b)からの接続線が交流電源5に接続される。この電極4(4a、4b)は、放電容器2の長手方向に対して互いに離間するように配置して、一方の電極が窓部材3に近く、他方の電極は窓部材3から離れているという構造を形成する。
電極4は、例えば、銅、アルミニウムからなるもので薄膜状のものが本体ケース2に密着する形で巻き付けられる。また、あらかじめ型成形した金属部材を取り付け、接着剤あるいは、ネジ固定してもよい。これらの導電性部材の巻きつけ、取り付けにおいては接着剤、あるいはこれに代わる粘着剤に導電性を持たせて使用するのも有効である。導電性ペーストを本体ケース2に直接、焼成させることにより電極とすることもできる。
【0018】
ここで、電極4a、4bは、ともに放電容器を取り巻く概略バンド状(帯状)のものであるが、図においては窓部材に近い側の電極4bは、他方の電極4aよりも放電容器2の長手方向に短いものであるが、これは限定されるものではなく、同一の長さでも電極4aが短い構成でもかまわない。数値例をあげると、電極4bの長さBは30mm、電極4aの長さAは90mmである。なお、窓部材3の外には、レンズLとスリットSLが配置される。レンズLは、ランプの光学的に最も明るい位置をスリット上に転写するために使用され、レンズ材質には、157nmにおける透過率の良いフッ化リチウム、フッ化カルシウム、合成石英等が選ばれる。スリットSLは図5で示す光学系に向けて良好に放射光を導くためのものである。
【0019】
リザーブ部12は放電空間部11の他端と連通して設けられ、臭素を内部に蓄積している。臭素は、例えば、化合物の形で固体として蓄積することができ、外部から加熱することでガス化することが可能となる。なお、臭素の蓄積形態はこれに限定されるものではない。
リザーブ部12は放電空間部11内に存在する臭素を補給するという意味を要することから、放電空間部11よりも内容積が大きく、かつ、大径に形成することが望ましい。
リザーバ部12について、数値例をあげると、外径25mm〜50mmの範囲であって、例えば40mm、長さ方向は30mm〜150mmであって、例えば80mm、放電空間部の2〜15倍、例えば10倍の内容積を有する。
【0020】
図2は、リザーバ部12の存在に関する実験データを示す。放電ランプとしては、リザーバ部を除き前記図1に示す構造をした臭素を含むものであって、封入リザーバ部12を持たないランプ1、リザーバ部12が放電空間部11の3.5倍のランプ2、リザーバ部12が放電空間部11の7倍のランプ3を用いた。各ランプ消費電力7.1Wで点灯させて、点灯経過時間と光量の減衰率を測定した。
実験は、初期照度(ランプ1〜3は初期照度は等しい)を100とした場合の相対値で表している。
図2より、リザーバ部12を持たないランプ1は約150時間で光量が10%以下まで低下したのに対し、リザーバ部12を有するランプ2、ランプ3は300時間経過しても初期値の60%を有していることがわかる。
【0021】
また、放電空間部11の材質としては石英ガラスやアルミノ珪酸ガラスを採用することができる。しかし、本発明ではアルミノ珪酸ガラスを用いることで、石英ガラスを用いる場合に比べて格段の寿命延命効果を発揮することが確認された。その様子を図3に示す。放電空間部11の材質にそれぞれ石英ガラスとアルミノ珪酸ガラスを使用した、封入リザーバ部12を持たない同形状の前記図1に示す構造の臭素を含むランプを用いて、その時の点灯経過時間と光量の減衰率を測定した。各ランプは、消費電力9.5Wで点灯させた。実験は、初期照度(各ランプの初期照度は等しい)を100とした場合の相対値で表している。
図3より、石英ガラスを用いたランプ1は約100時間で光量が10%以下まで低下したのに対し、アルミノ珪酸ガラスを用いたランプは350時間経過しても初期値の60%を有していることがわかる。これは、アルミノ珪酸ガラスの方が石英ガラスよりと反応もしくは吸着しにくいからと考えられる。
従って、放電容器の材質をアルミノ珪酸ガラスにして、かつ、リザーバ部を設ければ寿命効果はより一層向上することもわかる。
【0022】
放電ランプの説明に戻って、放電容器1の内部には、発光成分として臭素分子またはその化合物、点灯始動用バッファガスとして希ガスが封入される。一例をあげると、臭素分子またはその化合物は、臭素原子が、例えば0.015μmol/ccとなるように封入され、希ガスはアルゴンが2.67kPa封入される。このランプを点灯すると、電極4aと電極4b間に放電プラズマ6が形成される。放電容器全体に均一に放電プラズマが形成される場合もあるが、この例では、放電プラズマが狭窄した形が示されている。
なお、臭素化合物は臭化水素(HBr)、臭化アンモニウム(NH4Br)、臭化エチレン(CH2Br2)、臭化エチル(CH3Br)という形で封入できる。
【0023】
一対の電極4a、4bに所定の高周波電圧を印加することにより、放電容器2の内部で放電プラズマ6が発生する。この放電プラズマは、電極間隔、ガス圧、高周波電圧の選び方のより、放電が狭窄した形として実現することができる。なお、高周波電圧としては、周波数領域としては、商用周波数である50Hz〜100MHz程度まで可能であり、電圧波形についても、正弦波、矩形波、フライバックによるパルス点灯、あるいはバースト点灯なども可能である。
そして、この光学的に最も明るい位置を基準として放電容器とスリットSLの位置関係を調整することで、スリットSLに入射する光束量を最大になるように決めることができる。
【0024】
次に、図4使って、このような基準光源を使ったフッ素レーザ装置の全体構造について説明する。
フッ素レーザ装置はレーザチャンバ10、狭帯域モジュール20、波形検出光学系30、制御回路40からを主要素として構成され、これらで投影露光装置用の光源として機能すべく波長157nmの光を放射する。
レーザチャンバ10の両端には、窓が設けられており、チェンバ内にフッ素ガス、およびヘリウムを主体とするバッファガスが封入される。レーザチャンバ10の内部には所定間隔だけ離間して対向した一対の放電電極が設けられ、図示略の高電圧発生装置からの高電圧パルスが印加されると放電電極間に放電が生じてレーザガスであるフッ素ガスが励起される。この励起によってレーザ光が生じるが狭帯域化モジュール20にはレーザ光のスペクトル幅を狭帯域化するためのプリズムや回折格子が配置する。そして、レーザチャンバ10の他方の窓の外には出力鏡が設けられるとともにその先にビームスプリッタ31が設けられ、ここからレーザ光を校正するための検出光が一部取り出される。
この検出光を受ける波形検出光学系30は、図5に示す構造を有し、リニアセンサからの信号が制御回路40に送信される。
【0025】
一方、臭素を発光物質とする基準光源50からの放射光も同様に波形検出光学系30に入射される。この説明も図5における基準光源として本発明のランプを適用するだけで同様の説明をすることができる。そして、基準光源50からの放射光もリニアセンサからの信号として制御回路40に送信される。
現実の動作としては、フッ素レーザ装置からのレーザ光が定期的に測定されるとともに、それに前後して基準光源50からの放射光を測定することになる。この理由は前記したが、波形検出回路30に含まれるエタロンやミラー等の光学部品の状態が微妙に変化するためであり、その都度、両方の光を検出してその状態におけるフッ素レーザ装置のレーザ光を基準光源の波長を基準にして測定するものである。
そして、フッ素レーザ装置からのレーザ光の発振スペクトルにズレがある場合には、制御回40から狭帯域モジュール20に信号を送り、回折格子を動かす等によって適正化を図る。
【0026】
図6に本発明の基準光源の分光スペクトルを示す。縦軸はこの基準光源から放射される全放射光のうち、各々の波長における光の相対強度を示す。
図において、波長157.6387nmに高い放射強度を示していることがわかる(なお、図においては波長163nm付近にもより高いピークを有しているが、157.6387nmにも高いピークが存在することがわかる)。この基準光源は臭素0.025μmol/cc、希ガスとしてアルゴン6.60kPa封入したランプである。
【0027】
【発明の効果】
以上、説明したようにこの発明に係るフッ素レーザ装置の波長安定化用放電ランプは、窓部材側の電極の長さが、他方の電極の長さより短いものとしたことで、光学系を介して、より大きい光強度の放射光を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフッ素レーザ装置の波長安定化用放電ランプの基本構成を示す。
【図2】本発明の実験結果を示す。
【図3】本発明の実験結果を示す。
【図4】フッ素レーザ装置の全体構造を示す。
【図5】波長測定装置の概略図を示す。
【図6】本発明に係る基準光源の分光スペクトルを示す。
【符号の説明】
1 放電容器
2 本体ケース
3 窓部材
4 電極
5 交流電源
6 放電プラズマ
Claims (2)
- フッ素レーザ装置より出射されるレーザ光の波長に近い発光スペクトルを有し、この発光スペクトル線を利用してフッ素レーザ装置からのレーザ光の発振波長を安定化させるためのフッ素レーザ波長校正用放電ランプにおいて、
前記放電ランプは、内部に発光物質として臭素と始動用バッファガスとしての希ガスが封入された概略円筒状の放電空間部と、この放電空間部の一端を塞ぐように配置された真空紫外光を透過させる窓部材と、この放電空間部の外面を取巻くように離間して配置した一対の電極と、この放電空間部の前記窓部材とは反対側において連通して設けられた前記放電容器の内容積よりも大きい内容積を有して、かつ放電空間部より大径のリザーバ部よりなることを特徴とするフッ素レーザ波長校正用放電ランプ。 - 前記放電容器は、アルミノ珪酸ガラスであることを特徴とする請求項1のフッ素レーザ波長校正用基準光源。
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