JP2004031053A - 無電極放電灯装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放電ガスが封入された気密容器1と、この気密容器1の凹部キャビティ2内に挿入された電力結合器3とを備えており、この電力結合器3は、高周波電流の印加に伴う高周波電磁界の発生によって前記放電ガスを励起して発光させる誘導コイル8と、熱伝導体10と複数個の磁芯11とが組み合わされたうえで前記誘導コイル8が巻回された組立コアとを具備している。そして、前記誘導コイル8及び熱伝導体10のそれぞれは前記磁芯11の各々と密着した状態で配設されており、前記誘導コイル8及び熱伝導体10の互い同士は密着しない状態で配設されている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無電極放電灯装置にかかり、特には、無電極放電灯装置が備えている電力結合器の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、照明器具のうちには無電極放電灯装置といわれるものがあり、その一例としては、特開平6−196006号公報で開示されたものがある。すなわち、この無電極放電灯装置は、放電ガスが封入された気密容器と、この気密容器の凹部キャビティ内に収納された電力結合器とを備えている。そして、電力結合器は、高周波電流の印加に伴う高周波電磁界の発生により放電ガスを励起して発光させる誘導コイルと、この誘導コイルが巻回された磁芯とを具備している。
【0003】
この無電極放電灯装置では、放電に伴って発生する熱の影響を受けたり、自己発熱したりするのに伴って誘導コイルや磁芯が極めて高温となることが避けられない。そして、誘導コイルや磁芯、その他の絶縁物などが使用許容温度を超えた場合には、無電極放電灯装置が正常に機能しなくなったり、短寿命となったりすることが起こる。例えば、磁芯が高温となった時には、磁束が飽和してランプ効率が低下したり、ランプの点灯を維持できずに消灯することが起こってしまう。
【0004】
この種の不都合を解消するため、従来の形態にかかる無電極放電灯装置では、図6の斜視図及び図7の平面図で要部のみを示すように、断面視円形状を有する中空丸棒体である金属製の熱伝導体51を用意し、一回り直径が大きな中空丸棒体である軟磁性素材製の磁芯52へと熱伝導体51を密着した状態で内挿してなる構造の組立コアが採用されている。すなわち、ここでの熱伝導体51は、磁芯52に蓄積する熱を外部へと放熱させる機能を実現している。なお、熱伝導体51が内挿された磁芯52の外表面に沿っては、誘導コイル53が巻回される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の構造とされた組立コアにあっては、熱伝導体51による磁芯52の放熱効果を最大限に引き出すため、熱伝導体51と磁芯52とを密着させておくことが必要となる。しかしながら、製作時及び組立時の状況を考慮した場合、熱伝導体51及び磁芯52の各々がそれぞれ一体物であるため、磁芯52へと熱伝導体51を内挿するには、これらの両者間に必ず若干の隙間が存在している必要があることとなる。
【0006】
すなわち、熱伝導体51及び磁芯52間に若干の隙間が存在していなければ、熱伝導体51を磁芯52に内挿することは不可能であり、また、これらの両者間に隙間が存在している限りは、熱伝導体51と磁芯52との間における密着性を確保できないこととなる。従って、従来構造のような組立コアである場合には、熱伝導体51と磁芯52との密着性を確保することが困難であり、熱伝導体51によって磁芯52の放熱効果を最大限にまで引き出すことはでき難いのが実情である。
【0007】
本発明はこのような不都合に鑑みて創案されたものであって、熱伝導体と磁芯との密着性を確保することが可能であり、熱伝導体による磁芯の放熱効果を最大限にまで引き出すことができる構成とされた無電極放電灯装置の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の説明にかかる無電極放電灯装置は、放電ガスが封入された気密容器と、この気密容器の凹部キャビティ内に挿入された電力結合器とを備えており、この電力結合器は、高周波電流の印加に伴う高周波電磁界の発生によって前記放電ガスを励起して発光させる誘導コイルと、熱伝導体と複数個の磁芯とが組み合わされたうえで前記誘導コイルが巻回された組立コアとを具備している。そして、前記誘導コイル及び熱伝導体のそれぞれは前記磁芯の各々と密着した状態で配設されており、前記誘導コイル及び熱伝導体の互い同士は密着しない状態で配設されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明にかかる無電極放電灯装置は請求項1に記載したものであり、前記熱伝導体が断面視円形状を有すると共に、前記磁芯の各々が前記熱伝導体の外表面に密着する断面視湾曲形状を有し、前記磁芯のそれぞれは前記熱伝導体の外表面に沿って配設されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明にかかる無電極放電灯装置は請求項2に記載したものであり、前記熱伝導体の外表面には前記磁芯のそれぞれを嵌合する凹部が互いに離間しあった状態で形成されたうえ、これら凹部のそれぞれには前記磁芯の各々が嵌合されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明にかかる無電極放電灯装置は請求項2または請求項3に記載したものであり、前記誘導コイルが、前記磁芯の外表面に沿って巻回されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明にかかる無電極放電灯装置は請求項4に記載したものであり、前記磁芯それぞれの外表面には、巻回される前記誘導コイルのガイド溝が形成されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本実施の形態にかかる無電極放電灯装置の全体構造を示す説明図、図2は本実施の形態にかかる無電極放電灯装置の電力結合器が具備している組立コアの構造を一部省略して示す斜視図であり、図3はその平面図である。そして、図4は本実施の形態の変形例にかかる組立コアの構造を一部省略して示す斜視図であり、図5はその平面図である。
【0014】
無電極放電灯装置は、図1で示すように、放電ガスが封入された透光性材料からなる気密容器1と、この気密容器1に設けられた凹部キャビティ2と、この凹部キャビティ2内に挿入された電力結合器3とを備えている。すなわち、気密容器1内には、アルゴンやクリプトンなどの希ガス及び水銀が放電ガスとして封入されており、その内面上には蛍光体皮膜4及び保護皮膜5が塗布されている。そして、凹部キャビティ2の内面上にも、蛍光体皮膜4及び保護皮膜5、反射皮膜6が塗布されている。
【0015】
また、この無電極放電灯装置は、気密容器1及び凹部キャビティ2がエンベロープの底部で封着され、かつ、排気細管7が凹部キャビティ2の上部で封着されてなる放電空間を備えており、この放電空間内にも放電ガスが封入されている。さらに、この際における電力結合器3は、高周波電流の印加に伴う高周波電磁界の発生によって放電ガスを励起して発光させる誘導コイル8と、この誘導コイル8が巻回される組立コアとを具備しており、この組立コアは、単一個の熱伝導体10と、熱伝導体10の外周囲に沿って並列配置される複数個(図では、4個)の磁芯11とを組み合わせたものとなっている。
【0016】
すなわち、ここでの熱伝導体10は、図2及び図3で示すように、断面視円形状を有する中空丸棒体である金属製、例えば、アルミニウム製などの金属シリンダであり、この熱伝導体10は電力結合器3をランプ台12に固定する支持部材としても機能することになっている。そして、熱伝導体10の軸芯位置には、断面視円形状の貫通孔、つまり、排気細管配設用の空間が形成されており、この空間には排気細管7が内挿されている。また、この排気細管7内には、水銀の蒸気圧を制御するためのアマルガム13と、このアマルガム13の位置を固定するガラスロッド14とがそれぞれ配設されている。
【0017】
一方、磁芯11の各々は、図2及び図3で示すように、熱伝導体10の外表面に密着する断面視湾曲形状を有し、かつ、フェライトなどのような軟磁性素材を用いて製作された平板部材であることになっており、これらの磁芯11それぞれは、互い同士間に隙間Sが設けられた状態で熱伝導体10の外表面に沿って配設されている。すなわち、この際においては、熱伝導体10が断面視円形状を有する一方、磁芯11の各々が熱伝導体10の外表面に密着する断面視湾曲形状を有しているので、これら磁芯11のそれぞれは熱伝導体10の外表面に密着した状態で配設される。
【0018】
さらに、このような構成とされた組立コアに対しては誘導コイル8が巻回されることになり、この誘導コイル8は、熱伝導体10に直接的ではなく、熱伝導体10に密着して配設された磁芯11それぞれの外表面に沿って巻回されている。すなわち、一般的な電力結合器3における電磁気発生部分は、放電空間からの輻射熱を受けると共に、誘導コイル8を流れる電流の抵抗ロスや磁芯11のロスによる発熱などの影響を受けるため、非常に高温となるのが通常である。
【0019】
しかしながら、本実施の形態のような構造とされた組立コアを具備している電力結合器3であれば、熱伝導体10と磁芯11との接触状態が良好となる結果、磁芯11それぞれの温度低下が促進される。なお、図示省略しているが、組立コアを構成する各磁芯11の外表面に対し、巻回される誘導コイル8を案内するためのガイド溝を形成しておいてもよく、このようなガイド溝を形成しておけば、誘導コイル8を磁芯11の外表面に沿って巻回しやすくなる。
【0020】
さらにまた、本実施の形態にかかる組立コアでは、図2及び図3で示したように、断面視円形状とされた熱伝導体10の外表面に対し、熱伝導体10の外表面に密着する断面視湾曲形状とされた磁芯11を配設しているが、この際における組立コアを、図4の斜視図及び図5の平面図で示すような変形例にかかる構造としておいてもよい。すなわち、熱伝導体10の外表面には、磁芯11のそれぞれを嵌合する複数個(図では、4個)の凹部10aが互いに離間しあった状態で形成されており、かつ、これら凹部10aのそれぞれに対しては、磁芯11の各々が嵌合されてなる組立コアの構造である。
【0021】
なお、各磁芯11が嵌合される凹部10aの深さ、換言すると、これらの凹部10a間に存在する突起部の高さは、磁芯11の外表面に沿って巻回される誘導コイル8と直接的に接触しないよう予め調整されている。すなわち、金属製の熱伝導体10が誘導コイル8に接触していると、ロスが増加することが避けられないので、熱伝導体10における凹部10aの深さは、これら同士間に存在している突起部と誘導コイル8とが互いに接触する恐れのない深さとされる。
【0022】
この変形例で説明したように、熱伝導体10の外表面に凹部10aを形成し、磁芯11を嵌合している場合には、放電空間から受けた輻射熱と誘導コイル8や磁芯11で発生した熱を熱伝導体10から効率よく放熱することが可能となる。なお、本実施の形態では、磁芯11の個数を4個とし、かつ、凹部10aの個数をも4個としているが、これらの個数が4個に限定されることはなく、2個以上でありさえすればよいことは勿論である。
【0023】
ところで、図示省略しているが、熱伝導体10に対しては渦電流の発生を抑制するためのスリット、つまり、熱伝導体10の周方向に沿って開口し、かつ、その軸心方向に沿うようにして形成されたスリットを設けておくことが好ましい。このようなスリットを形成しておけば、誘導コイル8の磁界の影響を受けて熱伝導体10内に渦電流が発生し、渦電流による発熱が起こる結果として放熱効果が低下することを抑制し得るという利点が確保される。また、熱伝導体10の外表面に配設される各磁芯11の角隅部を面取りしておいてもよく、このような加工を実行しておけば、電界や磁界の集中による絶縁破壊を防ぐことが可能となる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にかかる無電極放電灯装置では、誘導コイル及び熱伝導体のそれぞれを磁芯の各々と密接した状態で配設する一方、誘導コイル及び熱伝導体の互い同士を密接しない状態で配設している。従って、製造工程の省力化を実現しながら誘導コイルや磁芯の温度を低減することが可能となり、発光効率を高くして使用寿命を長くすることができるという効果が得られる。
【0025】
請求項2記載の発明にかかる無電極放電灯装置では、熱伝導体が断面視円形状を有すると共に、磁芯の各々が熱伝導体の外表面に密着する断面視湾曲形状を有し、磁芯のそれぞれは熱伝導体の外表面に沿って配設されている。そのため、熱伝導体と磁芯との密着状態が良好となり、磁芯の温度低下を促進することができるという効果が得られる。
【0026】
請求項3記載の発明にかかる無電極放電灯装置では、磁芯のそれぞれを嵌合する凹部が熱伝導体の外表面に離間しあった状態で形成されており、かつ、これらの凹部それぞれに対して磁芯の各々を嵌合することが行われている。そこで、熱伝導体と磁芯との接触面積が増大することになり、熱伝導体及び磁芯の密着状態がさらに良好になる結果、誘導コイル及び磁芯で発生した熱が確実に熱伝導体へと伝えられて有効に放熱されるという効果が得られる。
【0027】
請求項4記載の発明にかかる無電極放電灯装置では、熱伝導体でなくて磁芯の外表面に沿って誘導コイルが巻回されている。従って、高周波電流の印加に伴う高周波電磁界の発生によって放電ガスを励起して発光させる効果について、何らの不都合も生じる恐れがないという利点が確保される。
【0028】
請求項5記載の発明にかかる無電極放電灯装置では、磁芯それぞれの外表面に対して誘導コイルのガイド溝を形成している。そのため、誘導コイルを磁芯の外表面に沿って巻回しやすくなるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる無電極放電灯装置の全体構造を示す説明図である。
【図2】本実施の形態にかかる無電極放電灯装置の電力結合器が具備している組立コアの構造を一部省略して示す斜視図である。
【図3】その平面図である。
【図4】本実施の形態の変形例にかかる組立コアの構造を一部省略して示す斜視図である。
【図5】その平面図である。
【図6】従来の形態にかかる無電極放電灯装置の電力結合器が具備している組立コアの構造を一部省略して示す斜視図である。
【図7】その平面図である。
【符号の説明】
1 気密容器
2 凹部キャビティ
3 電力結合器
8 誘導コイル
10 熱伝導体
11 磁芯
Claims (5)
- 放電ガスが封入された気密容器と、該気密容器の凹部キャビティ内に挿入された電力結合器とを備えており、該電力結合器は、高周波電流の印加に伴う高周波電磁界の発生によって前記放電ガスを励起して発光させる誘導コイルと、熱伝導体と複数個の磁芯とが組み合わされたうえで前記誘導コイルが巻回された組立コアとを具備してなる無電極放電灯装置であって、
前記誘導コイル及び熱伝導体のそれぞれは前記磁芯の各々と密着した状態で配設されており、前記誘導コイル及び熱伝導体の互い同士は密着しない状態で配設されていることを特徴とする無電極放電灯装置。 - 前記熱伝導体は断面視円形状を有すると共に、前記磁芯の各々は前記熱伝導体の外表面に密着する断面視湾曲形状を有しており、前記磁芯のそれぞれは前記熱伝導体の外表面に沿って配設されていることを特徴とする請求項1に記載の無電極放電灯装置。
- 前記熱伝導体の外表面には前記磁芯のそれぞれを嵌合する凹部が互いに離間しあった状態で形成されており、該凹部のそれぞれには前記磁芯の各々が嵌合されていることを特徴とする請求項2に記載の無電極放電灯装置。
- 前記誘導コイルは、前記磁芯の外表面に沿って巻回されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の無電極放電灯装置。
- 前記磁芯それぞれの外表面には、巻回される前記誘導コイルのガイド溝が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の無電極放電灯装置。
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CN104201091A (zh) * | 2014-09-04 | 2014-12-10 | 苏州承乐电子科技有限公司 | 一种磁场耦合器 |
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