JP2004029955A - 立て管施工支援システム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、立て管施工に関する専門知識や熟練を要さずに、容易かつ迅速に最適な立て管配置や支持固定点を決定できる立て管施工支援システムを提供することにある。
【解決手段】本発明は、立て管情報設定部14で設定された立て管情報および建物情報設定部13で設定された建物情報および管材データベースに記憶された管材基本物性値に基づいて、立て管の位置決め、立て管に付設する部材の選択や位置決めを行う部材配置処理部16と、部材配置処理部16で配置処理された立て管および立て管付設部材の情報に基づいて、立て管施工に必要な系統図と平面図を作成する作図処理部17とを備えることを特徴とするものである。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、立て管情報設定部14で設定された立て管情報および建物情報設定部13で設定された建物情報および管材データベースに記憶された管材基本物性値に基づいて、立て管の位置決め、立て管に付設する部材の選択や位置決めを行う部材配置処理部16と、部材配置処理部16で配置処理された立て管および立て管付設部材の情報に基づいて、立て管施工に必要な系統図と平面図を作成する作図処理部17とを備えることを特徴とするものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物に立て管を施工する際に、建物情報や立て管情報に基づいてあらかじめ荷重計算や耐震計算を行い、最適な立て管配置および支持固定点を決定する、コンピュータにより建物における立て管施工を支援する立て管施工支援システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築分野における設計図あるいは施工図等の各種作図作業の省力化ツールとして、CAD装置が広く利用されている。このうち、配管の支持固定に関連するCAD装置として、例えば、特開2000−348085号公報に記載の装置が知られている。この装置は、標準サポート部品の選択が、配管の種類、拘束条件、サイズにより特定できることに着目し、これらをキー項目とするデータベースを事前に作成しておき、このキー項目を指定するだけで使用する標準サポート部品を選択できるようにすることで、配管サポート部品の作図を容易に行い、作業の効率化を図るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の装置では、配管の種類、拘束条件、サイズによって支持固定方法を一意的に決定することはできるものの、管の拘束条件(支持固定ポイントおよび支持固定方法)そのものを決定する手段は提供していない。
【0004】
一般に空調・衛生配管の立て管工事においては、管の配置や支持固定方法の決定は非常に煩雑で時間を要する作業である。これは、荷重計算、耐震計算等を手作業で行った後、その結果を建築の構造と調整するという作業を何度も繰り返して行う必要があることが原因である。しかも、結果が客観的に見て最適か否かの判断を行うことも困難であるという問題点があった。
【0005】
さらに、このような作業を一般の設備技術者が行うことは現実的には難しく、高度な知識と経験を有する専門の技術者に頼る必要があった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、立て管施工に関する専門知識や熟練を要さずに、容易かつ迅速に最適な立て管配置や支持固定点を決定できる立て管施工支援システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、コンピュータにより建物における立て管施工を支援するシステムであって、立て管のサイズ、管材及び施工条件を含む立て管情報を設定する立て管情報設定手段と、立て管が施工される建物の構造、規模及び耐震条件を含む建物情報を設定する建物情報設定手段と、前記立て管情報設定手段で設定された立て管情報及び前記建物情報設定手段で設定された建物情報が記憶され、且つ管材種別毎の基本物性値を記憶する管材データベースを含む記憶手段と、前記立て管情報設定手段で設定された立て管情報および前記建物情報設定手段で設定された建物情報および前記管材データベースに記憶された管材基本物性値に基づいて、立て管の位置決め、立て管に付設する部材の選択や位置決めを行う部材配置処理手段と、前記部材配置処理手段で配置処理された立て管および立て管付設部材の情報に基づいて、立て管施工に必要な系統図と平面図を作成する作図処理手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムの構成を示す機能ブロック図である。図において、11はユーザー・入出力部であり、入力手段には、例えば、キーボードやマウス等のデバイスが用いられ、出力手段には、例えば、ディスプレイ、プリンタ等のデバイスが用いられる。なお、入出力手段は前述のデバイスに限定されず、通信ネットワークなど、ユーザーおよびコンピュータ間でデータ授受が正しく行われるものであればその種類は問わない。12はユーザー・インターフェイス、13は建物情報設定部であり、立て管が施工される建物の構造・規模や耐震条件などの建物情報を設定する。14は立て管情報設定部であり、立て管のサイズ・管材や施工条件などの立て管情報を設定する。15は記憶部であり、建物情報設定部13で設定された立て管が施工される建物の構造・規模や耐震条件などの建物情報および立て管情報設定部14で設定された立て管のサイズ・管材や施工条件などの立て管情報が記憶され、且つ管材種別毎の基本物性値を記憶する管材データベース18を含む。16は部材配置処理部であり、立て管情報設定部14で設定された立て管情報および建物情報設定部13で設定された建物情報および管材データベース18に記憶された管材基本物性値に基づいて、立て管の位置決め、立て管に付設する部材の選択や位置決めを行う。部材配置処理部16は耐震計算部19、伸縮継手配置処理部20、固定部材配置処理部21、立て管配置処理部22、支持部材配置処理部23を含んで構成される。17は作図処理部であり、部材配置処理部16で配置処理された立て管および立て管付設部材の情報に基づいて、立て管施工に必要な系統図と平面図を作成する。作図処理部17は系統図作成部24、配管シャフト平面図作成部25を含んで構成される。
【0010】
立て管施工支援システムは、ユーザー・入出力部11およびユーザー・インターフェイス12を介して、立て管施工支援に関するデータ入出力、演算、処理、記憶等が実行されるコンピュータシステムである。
【0011】
次に、本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムを構成するコンピュータに実装された主要各部の処理を説明する。
【0012】
(1)建物情報設定部13
建物情報設定部13では、ユーザー・インターフェイス12を介して、立て管が施工される建物の構造、規模(階数、階高)、耐震条件、配管シャフト配置等のデータが設定される。各設定データの詳細仕様を以下に示す。
【0013】
・ 構造:S(鉄骨)造またはSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造を択一する。
【0014】
・ 階数:地上階数、地下階数、塔屋階数をそれぞれ設定する。
【0015】
・ 階高:各階の階高を設定する。
【0016】
・ 耐震条件:低層階・中間階・上層階別に、耐震計算において必要となる水平方向震度[G]および垂直方向震度[G]を設定する。他に、建物層間変形角、立て管振動数[Hz]を設定する。
【0017】
・ 配管シャフト配置:配管シャフト毎に下端階・上端階、配管シャフト名称を設定する。
【0018】
・ その他:建物名称、施工地域、建物の高さなどを設定する。
【0019】
(2)立て管情報設定部14
立て管情報設定部14では、ユーザー・インターフェイス12を介して、立て管のサイズ(配管長や管径)、管材、施工条件(保温厚、スリーブ径、施工環境、管接続方法、管固定方法)、使用条件(流体温度、満水率)等のデータが設定される。各設定データの詳細仕様を以下に示す。
【0020】
・ サイズ:各立て管の配管長(立て管の上端位置および下端位置、各階の階高から算出)および管径(立て管と枝管の双方)を設定する。
【0021】
・ 管材:各立て管について、炭素鋼鋼管(SGP)、ステンレス鋼管(SUS)、銅管、鋳鉄管等の管材種別をリストから択一する。
【0022】
・ 保温厚:各立て管に巻く保温材とその厚さを設定する。保温厚は管径毎に設定する。
【0023】
・ スリーブ径:スリーブ(立て管を貫通する貫通孔)の大きさを設定する。
【0024】
・ 施工環境:立て管施工時の作業域温度(気温)を設定する。
【0025】
・ 管接続方法:立て管同士の接続方法(捻じ込み、溶接、フランジ)を設定する。
【0026】
・ 管固定方法:防振固定または直接固定を択一する。
【0027】
・ 流体温度:各立て管内を流れる流体(冷水、温水、蒸気、給水、給湯など)の温度上下限値を設定する。
【0028】
・ 満水率:立て管内に占める水量の割合を設定する。
【0029】
・ その他:管用途、伸縮継手タイプ、配管内圧力[MPa]などを設定する。
【0030】
これらの各設定部に設定された情報は、いずれもコンピュータ内の記憶部15に記憶され、後続の部材配置処理部16や作図処理部17における演算、配置処理、作図処理に利用される。
【0031】
(3)管材データベース18
記憶部15に設けられる管材データベース18では、管材に関する基本物性値(種別、許容応力度、線膨張係数、ヤング率)等のデータが記憶される。管材基本物性値は、管材種別毎に、JIS規格に基づく諸数値、あるいは、これらの数値を使った計算値として定義することができる。各データの詳細仕様を以下に示す。
【0032】
・ 許容応力度:管材別に、耐震計算に必要となる長期荷重・短期荷重に対する許容応力度、熱荷重を考慮した短期荷重に対する許容応力度[N/cm2]を設定する。
【0033】
・ 線膨張係数:管材別に線膨張係数[mm/m/℃×10−3]を設定する。
【0034】
・ ヤング率:管材別にヤング率[N/cm2×107]を設定する。
【0035】
なお、管材基本物性値は、前掲の設定部と同様に、ユーザー・インターフェイス12を介して、管材データベース18に設定するようにしても良い。
【0036】
(4)耐震計算部19
耐震計算部19では、立て管の耐震計算を行う。すなわち、建物情報設定部13に設定された建物情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、および、管材データベース18に設定された管材基本物性値を基に、立て管に加わる応力の大きさや座屈・共振の程度を求め、耐震性能確保に必要となる配管支持間隔が計算される。配管支持間隔は立て管毎に管径別に計算され、その計算結果は、後述の固定部材配置処理部21で利用される。耐震計算は以下のステップを経て実施される。
【0037】
4−1 合成応力度による支持間隔の算出
各立て管について、自重による応力度、内圧力による応力度、地震力による応力度、層間変位による応力度を合成した合成応力度を計算し、この値が配管の許容応力度以下になるような配管支持間隔(Lh1)の範囲を決定する。
【0038】
4−2 座屈防止に必要な支持間隔の算出
各立て管について、最大細長比に基づく座屈防止ガイドの取付間隔(Lh2)の最大値、および、座屈荷重に基づく座屈防止ガイドの取付間隔(Lh3)の最大値を計算する。
【0039】
4−3 共振防止に必要な支持間隔の算出
各立て管について、配管系の一次固有振動数と建物一次固有振動数との共振を避ける支持間隔(Lh4)の最大値を計算する。
【0040】
4−4 支持間隔の許容範囲の決定
各立て管について、上述の各過程で算出した支持間隔の値から、配管支持間隔の許容範囲を求める。配管支持間隔(Lh)の許容範囲は下式で定義される。
【0041】
Lh1の最小値≦Lh≦MIN(Lh1の最大値、Lh2の最大値、Lh3の最大値、Lh4の最大値)
なお、MINは、後続の計算値Lh1の最大値〜Lh4の最大値のうちで最小となる値を意味する。
【0042】
(5)伸縮継手配置処理部20
伸縮継手配置処理部20では、建物情報設定部13に設定された建物情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、および、管材データベース18に設定された管材基本物性値を基に、立て管に配置する伸縮継手の選択や最適な配置位置が算出される。配置位置は以下のステップを経て決定される。
【0043】
5−1 配管伸縮量の算出
各立て管について、立て管施工時における管内流体温度に応じた配管伸縮量を計算する。伸縮量は下式で定義される。
【0044】
配管の伸び量[mm]=単位長さあたりの配管伸び量×配管長
配管の縮み量[mm]=単位長さあたりの配管縮み量×配管長
なお、単位長さあたりの配管伸び量ΔLEXおよび単位長さあたりの配管縮み量ΔLCOは、それぞれ次式から計算できる。
【0045】
ΔLEX[mm/m]=線膨張係数×(流体温度上限値−配管施工時温度)
ΔLCO[mm/m]=線膨張係数×(配管施工時温度−流体温度下限値)
5−2 伸縮継手の要否判定
各立て管について、伸縮継手の設置の要否を判定する。管内に高温流体が流れないとき(用途が冷水管、冷却水管、給水管、揚水管、汚水管、雑排水管、雨水管、ドレン管、膨張管、通気管、スプリンクラー配管、屋内消火栓配管、ガス系消火配管、泡消火配管などの場合)、または、熱荷重を無視できる程度に配管伸縮量が十分小さいとき、または、配管伸縮量が伸縮による枝管分岐点の許容移動量(既定値は30mm)の二倍以下であるとき、伸縮継手は不要となる。
【0046】
5−3 伸縮継手の選定
伸縮継手要否判定処理において伸縮継手が必要と判定された場合に、その立て管に対し、立て管情報設定部14に設定された立て管管材、枝管の有無、伸縮継手タイプ、配管内圧力に合致する伸縮継手を選定する。なお、伸縮継手のデータは、あらかじめ、データベースとしてコンピュータ内の記憶部15に記憶させておく。
【0047】
伸縮継手タイプが「単式のみ」または「複式のみ」に設定されているときは、配管伸縮量にかかわらず、それぞれ、単式、または、複式を選定する。なお、複式の最大伸縮量は、単式のそれの2倍である。伸縮継手タイプが「両式併用」のときは、配管伸縮量に応じて単式と複式を組み合わせて選定する。例えば、複式1個では足りないが複式2個では余裕がありすぎるという場合に、「複式1個と単式1個」を選定する。
【0048】
5−4 伸縮継手が吸収可能な配管長の算出
一つの伸縮継手(単式)が吸収可能な配管長は下式で定義される。
【0049】
吸収可能な配管長[m]=MIN(MIN(伸縮継手の配管伸び吸収限界長さ、立て管の伸縮による枝管分岐点の許容移動量)/ΔLEX、MIN(伸縮継手の配管縮み吸収限界長さ、立て管の伸縮による枝管分岐点の許容移動量)/ΔLCO)
5−5 伸縮継手の数と位置の算出
各立て管について、選定した伸縮継手、および、一つの伸縮継手が吸収可能な配管長に基づいて、伸縮継手の最小必要個数を算出する。
【0050】
また、伸縮継手の配置位置は、固定部材配置処理部21において後述する鉛直固定点を決めた後、伸縮継手タイプに応じて、枝管の配管勾配が保たれるような位置に決定する。配置される伸縮継手には、固有の識別番号が付けられる。
【0051】
(6)固定部材配置処理部21
固定部材配置処理部21では、建物情報設定部13に設定された建物情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、および、管材データベース18に設定された管材基本物性値を基に、Uボルトやロケット式固定部材や振れ止め等の立て管の固定部材(鉛直固定部材および水平固定部材)の選択や最適な配置位置が算出される。配置は以下のステップを経て決定される。
【0052】
6−1 鉛直固定点の数と位置の算出
各立て管について、鉛直固定点数が最も少なくなり、かつ、隣接する鉛直固定点間の距離が均一になるように、最適な鉛直固定点の配置位置を求める。なお、鉛直固定点は設置階の床面高さの位置に設けるとともに、隣接する鉛直固定点間の距離は、1つの伸縮継手が吸収可能な配管長以下の長さとする。配置される鉛直固定点には、固有の識別番号が付けられる。
【0053】
6−2 水平固定点の位置の算出
各立て管について、既に決定した伸縮継手、鉛直固定点の配置位置に基づいて、水平固定点(振れ止め)の最適な配置位置を決定する。水平固定点は、伸縮継手設置階の床面、伸縮継手設置階の1つ上階の床面、立て管上端階の床面、立て管下端階の1つ上階の床面、および、前述の耐震計算部19で算出された「配管支持間隔の許容範囲」を逸脱することがないよう、設置が必要となる床面に設ける。ただし、既に鉛直固定点が配置されている床面は、水平固定点が配置されているものとして、上記の決定を行う。水平固定点には、固有の識別番号が付けられる。
【0054】
(7)立て管系統図作成部24
立て管系統図作成部24では、配置処理された伸縮継手および固定部材などの立て管付設部材の情報を基に、立て管の系統図が作成される。作成された立て管系統図は、ユーザー・インターフェイス12およびユーザー・入出力部11の出力手段を介してユーザに提示される。図3に作図処理された立て管系統図の一例を示す。
【0055】
図3に示すように、立て管系統図には、立て管31、伸縮継手32(配置位置および方式)、鉛直固定点33(配置位置および方式)、水平固定点34(配置位置および方式)の他に、枝管35、管径(例えば管径250A:呼径250mmの立て管)、階数(例えばB3F:地下3階、1F:地上1階、PH1F:塔屋1階)、階高(例えば1F:4800mm)等の情報が系統(配管シャフト)毎に表示される。図において、▲1▼,▲2▼………は配管の管No(管番号)である。伸縮継手32および鉛直固定点33および水平固定点34の配置位置に相当する図面上の位置には、対応するシンボルや識別番号(図示せず)が表示される。なお、枝管35による分岐・合流に伴う管径変化ポイント36では、自動的に異径継手のシンボルをプロットし、変化ポイント前後の管径を系統図上に表示させることもできる。
【0056】
また、立て管リストや立て管属性情報の出力、あるいは、立て管別の各種計算結果(伸縮継手や鉛直固定点にかかる反力、配管支持間隔など)の出力も可能である。
【0057】
(8)立て管配置処理部22
立て管配置処理部22では、フロアー毎に、建物情報設定部13に設定された建物情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、図3の立て管系統図を基に、シャフトスペースやスリーブ径を考慮して、各立て管を直列または並列に配管シャフト内に配置する。
【0058】
(9)支持部材配置処理部23
支持部材配置処理部23では、フロアー毎に、建物情報設定部13に設定された建物情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、立て管配置処理部22で作成された立て管配置情報、図3の立て管系統図を基に、配管シャフト内におけるフレーム等の立て管支持部材の選択や最適な配置位置が算出される。
【0059】
支持部材の最適な配置位置の算出では、使用する支持部材の量が最小となるように支持部材の位置決めを行う。そして、立て管配置位置と支持部材配置位置から自動的に定まる支持部材上の支点を抽出し、これらの支点にかかる荷重に耐え得る仕様を持つ支持部材が選定される。
【0060】
また、支持部材上の支点にかかる荷重計算書の出力も可能である。
【0061】
(10)配管シャフト平面図作成部25
配管シャフト平面図作成部25では、フロアー毎に、立て管配置処理部22で配置処理された立て管の情報、支持部材配置処理部23で配置処理された支持部材の情報などの立て管付設部材の情報を基に、立て管シャフト内の平面図が作成される。
【0062】
作成された配管シャフト平面図は、ユーザー・インターフェイス12およびユーザー入出力部11の出力手段を介してユーザーに提示される。図4(a)に作図処理された配管シャフト平面図の一例を示す。
【0063】
図4(a)は図3の地上8階部分の配管シャフト平面図であり、図において、▲1▼,▲2▼………は立て管(配管)の管No(管番号)、40は水平固定部材、41は建物の構造体、42は立て管支持部材のフレームA〜I、43はスリーブ、44は保温材、45は荷重(例えば520Kg)、46は支持部材として選定された鋼材(H−150:高さ150mmのH型鋼材、C−100:高さ100mmのC型鋼材)である。
【0064】
図4(a)の配管シャフト平面図には、立て管、固定部材配置、支持部材配置の他に、配管シャフト内寸法、配管支持間隔等の情報がフロアー毎に表示される(図示せず)。固定部材や支持部材の配置位置に相当する図面上の位置には、対応するシンボルや識別番号が表示される(図示せず)。また、固定支持点にかかる荷重計算書の出力も可能である。
【0065】
図4(b)は立て管の設置配管リストであり、配管の管No(管番号)▲1▼,▲2▼………、配管の系統名(例えば▲1▼は空調機系統加湿蒸気、▲4▼はFCU(ファンコイルユニット)系統冷温水(往))、配管の管材(例えば▲1▼はSGP:炭素鋼鋼管、色:黒)、配管の管径(例えば▲1▼は250mm)、枝径(例えば▲3▼は25mm)が配管の管No毎に表示される。
【0066】
立て管系統図および配管シャフト平面図を作成する際に必要となる躯体等の建物構造に関するデータは、あらかじめ、ユーザー・インターフェイス12、あるいは、記憶媒体(CD−ROM、FDなど)や伝送媒体(ネットワーク、LAN)を介して、システムの記憶部15に記憶させる。
【0067】
立て管系統図あるいは配管シャフト平面図に関して、ユーザーが自動配置の結果に不満である場合には、ユーザー・入出力部11の入力手段およびユーザー・インターフェイス12を介して、伸縮継手や固定点の位置変更、追加、削除等の操作が可能である。この場合、システムは、ユーザーの操作内容に応じて、再度、耐震計算や荷重計算を自動的に行い、所定の条件を満足するか否かを判定する。所定の条件を満たすときは操作が受け付けられるが、条件を満たさないときはそれらの操作は受け付けられず、ユーザー・インターフェイス12を介して警告が提示される。
【0068】
以上、本発明の好適な実施形態例を説明したが、立て管施工支援システムの実施態様は前述した例に限定されるものではない。
【0069】
例えば、立て管施工支援システムの処理部として、配置処理された立て管および立て管付設部材による荷重に対して建築構造が耐力を有しているか否かを判定する処理部(建築構造耐力判定部)を新たに設けても良い。この場合、建築構造耐力判定部では、フロアー毎に、配置処理された立て管および立て管付設部材の情報を基に、配管シャフト内における梁等の建築構造物にかかる荷重を算出し、建物情報設定部13に設定された建物情報の条件を満たしているかを判定する。条件を満たしたときは計算を終了するが、条件を満たさないときはユーザー・インターフェイス12を介して入力処理変更要求が提示される。
【0070】
また、例えば、立て管および立て管付設部材の種別、数量および価格に基づいて、立て管施工における所要工数や所要コストを見積もりする処理部(積算手段)を設けることにより、立て管配置や支持固定点の決定および作図業務のみならず、積算業務を同時に支援するシステムを提供することができる。この場合、記憶部15には、管材データベース18の他に、立て管、立て管付設部材および部材施工に関する工数や単価等の情報を記憶する価格データベースが設けられる。
【0071】
図2は本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムの処理手順を示すフローチャートである。
【0072】
ステップS1において、ユーザー・入出力部11からユーザー・インターフェイス12を介して建物情報設定部13に、立て管が施工される建物の構造、規模(階数、階高)、耐震条件、配管シャフト配置等の建築情報が入力設定される。
【0073】
ステップS2において、建物情報設定部13に入力設定された建築情報および記憶部15のデータから建築図(立面)が自動作図される。
【0074】
ステップS3において、ユーザー・入出力部11からユーザー・インターフェイス12を介して立て管情報設定部に、立て管のサイズ(配管長や管径)、管材、施工条件(保温厚、スリーブ径、施工環境、管接続方法、管固定方法)、使用条件(流体温度、満水率)等のデータが入力設定される。
【0075】
ステップS4において、建物情報設定部13に設定された建築情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、および、管材データベース18に設定された管材基本物性値を基に、伸縮継手配置処理部20で、立て管に配置する伸縮継手の選択および最適な配置位置が算出される。
【0076】
ステップS5において、伸縮継手配置処理部20で算出された伸縮継手の選択および最適な配置位置を基に、伸縮継手が自動配置される。
【0077】
ステップS6において、建物情報設定部13に設定された建築情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、および、管材データベース18に設定された管材基本物性値を基に、固定部材配置処理部21で、鉛直固定部材の選択および最適な鉛直固定点の配置位置が算出される。
【0078】
ステップS7において、固定部材配置処理部21で算出された鉛直固定点の配置位置を基に、鉛直固定点が自動配置される。
【0079】
ステップS8において、建物情報設定部13に設定された建築情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、および、管材データベース18に設定された管材基本物性値を基に、耐震計算部19で、立て管に加わる応力の大きさや座屈・共振の程度を求め、耐震性能確保に必要となる配管支持間隔が計算される。
【0080】
ステップS9において、耐震計算部19で計算された配管支持間隔、および、各立て管について、既に決定した伸縮継手、鉛直固定点の配置位置に基づいて、水平固定点(振れ止め)の最適な配置位置を決定し、決定された配置位置に水平固定点を自動配置する。
【0081】
ステップS10において、配置処理された伸縮継手および固定部材などの立て管付設部材の情報を基に、立て管系統図作成部24で、立て管の配管系統図が自動作成される。
【0082】
ステップS11において、建物情報設定部13に入力設定された建築情報および記憶部15のデータから建築図(平面)が自動作図される。
【0083】
ステップS12において、フロアー毎に、建物情報設定部13に設定された建築情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、立て管の配置系統図を基に、立て管配置処理部22で、シャフトスペースやスリーブ径を考慮して、各立て管を直列または並列に配管シャフト内に配置する立て管の最適な配管位置を計算する。
【0084】
ステップS13において、立て管配置処理部22で計算された最適な配管位置に立て管を自動配置する。
【0085】
ステップS14において、フロアー毎に、建物情報設定部13に設定された建築情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、立て管配置処理部22で作成された立て管配置情報、立て管の配管系統図を基に、支持部材配置処理部23で、配管シャフト内におけるフレーム等の立て管支持部材の選択および最適な配置位置が算出される。
【0086】
ステップS15において、支持部材配置処理部23で算出された最適な配置位置に支持部材を自動配置する。
【0087】
ステップS16において、フロアー毎に、立て管配置処理部22で配置処理された立て管の情報、支持部材配置処理部23で配置処理された支持部材の情報などの立て管付設部材の情報を基に、配管シャフト平面図作成部25で、立て管の配管シャフト内の平面図が自動作成される。
【0088】
ステップS17において、フロアー毎に、配置処理された立て管および立て管付設部材の情報を基に、建築構造耐力判定部で、配管シャフト内における梁等の建築構造物にかかる荷重を算出し、建物情報設定部13に設定された建築情報の条件を満たしているかを判定する。条件を満たしたときは計算を終了するが、条件を満たさないときはユーザー・インターフェイス12を介して入力処理変更要求が提示される。
【0089】
尚、本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムの処理手順は、具体的にはパソコン等のコンピュータにより、予め所定の立て管施工支援プログラムに基づいて実行される。前記立て管施工支援プログラムは所定のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することができる。
【0090】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、立て管施工に関する専門知識や熟練を要さずに、最適な立て管配置や支持固定点を自動的に決定することができるため、立て管施工作業の省力化や高品質化を図ることが可能になる。
【0091】
また、本発明によれば、伸縮継手取付個数、あるいは、立て管最適配置による支持固定部材の使用量を最小化することができ、立て管施工に伴う設備コストを削減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムの処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムの作図処理部において作図された立て管系統図の一例を示す構成説明図である。
【図4】本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムの作図処理部において作図された配管シャフト平面図の一例を示す構成説明図である。
【符号の説明】
11 ユーザー・入出力部
12 ユーザー・インターフェイス
13 建物情報設定部
14 立て管情報設定部
15 記憶部
16 部材配置処理部
17 作図処理部
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物に立て管を施工する際に、建物情報や立て管情報に基づいてあらかじめ荷重計算や耐震計算を行い、最適な立て管配置および支持固定点を決定する、コンピュータにより建物における立て管施工を支援する立て管施工支援システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築分野における設計図あるいは施工図等の各種作図作業の省力化ツールとして、CAD装置が広く利用されている。このうち、配管の支持固定に関連するCAD装置として、例えば、特開2000−348085号公報に記載の装置が知られている。この装置は、標準サポート部品の選択が、配管の種類、拘束条件、サイズにより特定できることに着目し、これらをキー項目とするデータベースを事前に作成しておき、このキー項目を指定するだけで使用する標準サポート部品を選択できるようにすることで、配管サポート部品の作図を容易に行い、作業の効率化を図るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の装置では、配管の種類、拘束条件、サイズによって支持固定方法を一意的に決定することはできるものの、管の拘束条件(支持固定ポイントおよび支持固定方法)そのものを決定する手段は提供していない。
【0004】
一般に空調・衛生配管の立て管工事においては、管の配置や支持固定方法の決定は非常に煩雑で時間を要する作業である。これは、荷重計算、耐震計算等を手作業で行った後、その結果を建築の構造と調整するという作業を何度も繰り返して行う必要があることが原因である。しかも、結果が客観的に見て最適か否かの判断を行うことも困難であるという問題点があった。
【0005】
さらに、このような作業を一般の設備技術者が行うことは現実的には難しく、高度な知識と経験を有する専門の技術者に頼る必要があった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、立て管施工に関する専門知識や熟練を要さずに、容易かつ迅速に最適な立て管配置や支持固定点を決定できる立て管施工支援システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、コンピュータにより建物における立て管施工を支援するシステムであって、立て管のサイズ、管材及び施工条件を含む立て管情報を設定する立て管情報設定手段と、立て管が施工される建物の構造、規模及び耐震条件を含む建物情報を設定する建物情報設定手段と、前記立て管情報設定手段で設定された立て管情報及び前記建物情報設定手段で設定された建物情報が記憶され、且つ管材種別毎の基本物性値を記憶する管材データベースを含む記憶手段と、前記立て管情報設定手段で設定された立て管情報および前記建物情報設定手段で設定された建物情報および前記管材データベースに記憶された管材基本物性値に基づいて、立て管の位置決め、立て管に付設する部材の選択や位置決めを行う部材配置処理手段と、前記部材配置処理手段で配置処理された立て管および立て管付設部材の情報に基づいて、立て管施工に必要な系統図と平面図を作成する作図処理手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムの構成を示す機能ブロック図である。図において、11はユーザー・入出力部であり、入力手段には、例えば、キーボードやマウス等のデバイスが用いられ、出力手段には、例えば、ディスプレイ、プリンタ等のデバイスが用いられる。なお、入出力手段は前述のデバイスに限定されず、通信ネットワークなど、ユーザーおよびコンピュータ間でデータ授受が正しく行われるものであればその種類は問わない。12はユーザー・インターフェイス、13は建物情報設定部であり、立て管が施工される建物の構造・規模や耐震条件などの建物情報を設定する。14は立て管情報設定部であり、立て管のサイズ・管材や施工条件などの立て管情報を設定する。15は記憶部であり、建物情報設定部13で設定された立て管が施工される建物の構造・規模や耐震条件などの建物情報および立て管情報設定部14で設定された立て管のサイズ・管材や施工条件などの立て管情報が記憶され、且つ管材種別毎の基本物性値を記憶する管材データベース18を含む。16は部材配置処理部であり、立て管情報設定部14で設定された立て管情報および建物情報設定部13で設定された建物情報および管材データベース18に記憶された管材基本物性値に基づいて、立て管の位置決め、立て管に付設する部材の選択や位置決めを行う。部材配置処理部16は耐震計算部19、伸縮継手配置処理部20、固定部材配置処理部21、立て管配置処理部22、支持部材配置処理部23を含んで構成される。17は作図処理部であり、部材配置処理部16で配置処理された立て管および立て管付設部材の情報に基づいて、立て管施工に必要な系統図と平面図を作成する。作図処理部17は系統図作成部24、配管シャフト平面図作成部25を含んで構成される。
【0010】
立て管施工支援システムは、ユーザー・入出力部11およびユーザー・インターフェイス12を介して、立て管施工支援に関するデータ入出力、演算、処理、記憶等が実行されるコンピュータシステムである。
【0011】
次に、本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムを構成するコンピュータに実装された主要各部の処理を説明する。
【0012】
(1)建物情報設定部13
建物情報設定部13では、ユーザー・インターフェイス12を介して、立て管が施工される建物の構造、規模(階数、階高)、耐震条件、配管シャフト配置等のデータが設定される。各設定データの詳細仕様を以下に示す。
【0013】
・ 構造:S(鉄骨)造またはSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造を択一する。
【0014】
・ 階数:地上階数、地下階数、塔屋階数をそれぞれ設定する。
【0015】
・ 階高:各階の階高を設定する。
【0016】
・ 耐震条件:低層階・中間階・上層階別に、耐震計算において必要となる水平方向震度[G]および垂直方向震度[G]を設定する。他に、建物層間変形角、立て管振動数[Hz]を設定する。
【0017】
・ 配管シャフト配置:配管シャフト毎に下端階・上端階、配管シャフト名称を設定する。
【0018】
・ その他:建物名称、施工地域、建物の高さなどを設定する。
【0019】
(2)立て管情報設定部14
立て管情報設定部14では、ユーザー・インターフェイス12を介して、立て管のサイズ(配管長や管径)、管材、施工条件(保温厚、スリーブ径、施工環境、管接続方法、管固定方法)、使用条件(流体温度、満水率)等のデータが設定される。各設定データの詳細仕様を以下に示す。
【0020】
・ サイズ:各立て管の配管長(立て管の上端位置および下端位置、各階の階高から算出)および管径(立て管と枝管の双方)を設定する。
【0021】
・ 管材:各立て管について、炭素鋼鋼管(SGP)、ステンレス鋼管(SUS)、銅管、鋳鉄管等の管材種別をリストから択一する。
【0022】
・ 保温厚:各立て管に巻く保温材とその厚さを設定する。保温厚は管径毎に設定する。
【0023】
・ スリーブ径:スリーブ(立て管を貫通する貫通孔)の大きさを設定する。
【0024】
・ 施工環境:立て管施工時の作業域温度(気温)を設定する。
【0025】
・ 管接続方法:立て管同士の接続方法(捻じ込み、溶接、フランジ)を設定する。
【0026】
・ 管固定方法:防振固定または直接固定を択一する。
【0027】
・ 流体温度:各立て管内を流れる流体(冷水、温水、蒸気、給水、給湯など)の温度上下限値を設定する。
【0028】
・ 満水率:立て管内に占める水量の割合を設定する。
【0029】
・ その他:管用途、伸縮継手タイプ、配管内圧力[MPa]などを設定する。
【0030】
これらの各設定部に設定された情報は、いずれもコンピュータ内の記憶部15に記憶され、後続の部材配置処理部16や作図処理部17における演算、配置処理、作図処理に利用される。
【0031】
(3)管材データベース18
記憶部15に設けられる管材データベース18では、管材に関する基本物性値(種別、許容応力度、線膨張係数、ヤング率)等のデータが記憶される。管材基本物性値は、管材種別毎に、JIS規格に基づく諸数値、あるいは、これらの数値を使った計算値として定義することができる。各データの詳細仕様を以下に示す。
【0032】
・ 許容応力度:管材別に、耐震計算に必要となる長期荷重・短期荷重に対する許容応力度、熱荷重を考慮した短期荷重に対する許容応力度[N/cm2]を設定する。
【0033】
・ 線膨張係数:管材別に線膨張係数[mm/m/℃×10−3]を設定する。
【0034】
・ ヤング率:管材別にヤング率[N/cm2×107]を設定する。
【0035】
なお、管材基本物性値は、前掲の設定部と同様に、ユーザー・インターフェイス12を介して、管材データベース18に設定するようにしても良い。
【0036】
(4)耐震計算部19
耐震計算部19では、立て管の耐震計算を行う。すなわち、建物情報設定部13に設定された建物情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、および、管材データベース18に設定された管材基本物性値を基に、立て管に加わる応力の大きさや座屈・共振の程度を求め、耐震性能確保に必要となる配管支持間隔が計算される。配管支持間隔は立て管毎に管径別に計算され、その計算結果は、後述の固定部材配置処理部21で利用される。耐震計算は以下のステップを経て実施される。
【0037】
4−1 合成応力度による支持間隔の算出
各立て管について、自重による応力度、内圧力による応力度、地震力による応力度、層間変位による応力度を合成した合成応力度を計算し、この値が配管の許容応力度以下になるような配管支持間隔(Lh1)の範囲を決定する。
【0038】
4−2 座屈防止に必要な支持間隔の算出
各立て管について、最大細長比に基づく座屈防止ガイドの取付間隔(Lh2)の最大値、および、座屈荷重に基づく座屈防止ガイドの取付間隔(Lh3)の最大値を計算する。
【0039】
4−3 共振防止に必要な支持間隔の算出
各立て管について、配管系の一次固有振動数と建物一次固有振動数との共振を避ける支持間隔(Lh4)の最大値を計算する。
【0040】
4−4 支持間隔の許容範囲の決定
各立て管について、上述の各過程で算出した支持間隔の値から、配管支持間隔の許容範囲を求める。配管支持間隔(Lh)の許容範囲は下式で定義される。
【0041】
Lh1の最小値≦Lh≦MIN(Lh1の最大値、Lh2の最大値、Lh3の最大値、Lh4の最大値)
なお、MINは、後続の計算値Lh1の最大値〜Lh4の最大値のうちで最小となる値を意味する。
【0042】
(5)伸縮継手配置処理部20
伸縮継手配置処理部20では、建物情報設定部13に設定された建物情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、および、管材データベース18に設定された管材基本物性値を基に、立て管に配置する伸縮継手の選択や最適な配置位置が算出される。配置位置は以下のステップを経て決定される。
【0043】
5−1 配管伸縮量の算出
各立て管について、立て管施工時における管内流体温度に応じた配管伸縮量を計算する。伸縮量は下式で定義される。
【0044】
配管の伸び量[mm]=単位長さあたりの配管伸び量×配管長
配管の縮み量[mm]=単位長さあたりの配管縮み量×配管長
なお、単位長さあたりの配管伸び量ΔLEXおよび単位長さあたりの配管縮み量ΔLCOは、それぞれ次式から計算できる。
【0045】
ΔLEX[mm/m]=線膨張係数×(流体温度上限値−配管施工時温度)
ΔLCO[mm/m]=線膨張係数×(配管施工時温度−流体温度下限値)
5−2 伸縮継手の要否判定
各立て管について、伸縮継手の設置の要否を判定する。管内に高温流体が流れないとき(用途が冷水管、冷却水管、給水管、揚水管、汚水管、雑排水管、雨水管、ドレン管、膨張管、通気管、スプリンクラー配管、屋内消火栓配管、ガス系消火配管、泡消火配管などの場合)、または、熱荷重を無視できる程度に配管伸縮量が十分小さいとき、または、配管伸縮量が伸縮による枝管分岐点の許容移動量(既定値は30mm)の二倍以下であるとき、伸縮継手は不要となる。
【0046】
5−3 伸縮継手の選定
伸縮継手要否判定処理において伸縮継手が必要と判定された場合に、その立て管に対し、立て管情報設定部14に設定された立て管管材、枝管の有無、伸縮継手タイプ、配管内圧力に合致する伸縮継手を選定する。なお、伸縮継手のデータは、あらかじめ、データベースとしてコンピュータ内の記憶部15に記憶させておく。
【0047】
伸縮継手タイプが「単式のみ」または「複式のみ」に設定されているときは、配管伸縮量にかかわらず、それぞれ、単式、または、複式を選定する。なお、複式の最大伸縮量は、単式のそれの2倍である。伸縮継手タイプが「両式併用」のときは、配管伸縮量に応じて単式と複式を組み合わせて選定する。例えば、複式1個では足りないが複式2個では余裕がありすぎるという場合に、「複式1個と単式1個」を選定する。
【0048】
5−4 伸縮継手が吸収可能な配管長の算出
一つの伸縮継手(単式)が吸収可能な配管長は下式で定義される。
【0049】
吸収可能な配管長[m]=MIN(MIN(伸縮継手の配管伸び吸収限界長さ、立て管の伸縮による枝管分岐点の許容移動量)/ΔLEX、MIN(伸縮継手の配管縮み吸収限界長さ、立て管の伸縮による枝管分岐点の許容移動量)/ΔLCO)
5−5 伸縮継手の数と位置の算出
各立て管について、選定した伸縮継手、および、一つの伸縮継手が吸収可能な配管長に基づいて、伸縮継手の最小必要個数を算出する。
【0050】
また、伸縮継手の配置位置は、固定部材配置処理部21において後述する鉛直固定点を決めた後、伸縮継手タイプに応じて、枝管の配管勾配が保たれるような位置に決定する。配置される伸縮継手には、固有の識別番号が付けられる。
【0051】
(6)固定部材配置処理部21
固定部材配置処理部21では、建物情報設定部13に設定された建物情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、および、管材データベース18に設定された管材基本物性値を基に、Uボルトやロケット式固定部材や振れ止め等の立て管の固定部材(鉛直固定部材および水平固定部材)の選択や最適な配置位置が算出される。配置は以下のステップを経て決定される。
【0052】
6−1 鉛直固定点の数と位置の算出
各立て管について、鉛直固定点数が最も少なくなり、かつ、隣接する鉛直固定点間の距離が均一になるように、最適な鉛直固定点の配置位置を求める。なお、鉛直固定点は設置階の床面高さの位置に設けるとともに、隣接する鉛直固定点間の距離は、1つの伸縮継手が吸収可能な配管長以下の長さとする。配置される鉛直固定点には、固有の識別番号が付けられる。
【0053】
6−2 水平固定点の位置の算出
各立て管について、既に決定した伸縮継手、鉛直固定点の配置位置に基づいて、水平固定点(振れ止め)の最適な配置位置を決定する。水平固定点は、伸縮継手設置階の床面、伸縮継手設置階の1つ上階の床面、立て管上端階の床面、立て管下端階の1つ上階の床面、および、前述の耐震計算部19で算出された「配管支持間隔の許容範囲」を逸脱することがないよう、設置が必要となる床面に設ける。ただし、既に鉛直固定点が配置されている床面は、水平固定点が配置されているものとして、上記の決定を行う。水平固定点には、固有の識別番号が付けられる。
【0054】
(7)立て管系統図作成部24
立て管系統図作成部24では、配置処理された伸縮継手および固定部材などの立て管付設部材の情報を基に、立て管の系統図が作成される。作成された立て管系統図は、ユーザー・インターフェイス12およびユーザー・入出力部11の出力手段を介してユーザに提示される。図3に作図処理された立て管系統図の一例を示す。
【0055】
図3に示すように、立て管系統図には、立て管31、伸縮継手32(配置位置および方式)、鉛直固定点33(配置位置および方式)、水平固定点34(配置位置および方式)の他に、枝管35、管径(例えば管径250A:呼径250mmの立て管)、階数(例えばB3F:地下3階、1F:地上1階、PH1F:塔屋1階)、階高(例えば1F:4800mm)等の情報が系統(配管シャフト)毎に表示される。図において、▲1▼,▲2▼………は配管の管No(管番号)である。伸縮継手32および鉛直固定点33および水平固定点34の配置位置に相当する図面上の位置には、対応するシンボルや識別番号(図示せず)が表示される。なお、枝管35による分岐・合流に伴う管径変化ポイント36では、自動的に異径継手のシンボルをプロットし、変化ポイント前後の管径を系統図上に表示させることもできる。
【0056】
また、立て管リストや立て管属性情報の出力、あるいは、立て管別の各種計算結果(伸縮継手や鉛直固定点にかかる反力、配管支持間隔など)の出力も可能である。
【0057】
(8)立て管配置処理部22
立て管配置処理部22では、フロアー毎に、建物情報設定部13に設定された建物情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、図3の立て管系統図を基に、シャフトスペースやスリーブ径を考慮して、各立て管を直列または並列に配管シャフト内に配置する。
【0058】
(9)支持部材配置処理部23
支持部材配置処理部23では、フロアー毎に、建物情報設定部13に設定された建物情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、立て管配置処理部22で作成された立て管配置情報、図3の立て管系統図を基に、配管シャフト内におけるフレーム等の立て管支持部材の選択や最適な配置位置が算出される。
【0059】
支持部材の最適な配置位置の算出では、使用する支持部材の量が最小となるように支持部材の位置決めを行う。そして、立て管配置位置と支持部材配置位置から自動的に定まる支持部材上の支点を抽出し、これらの支点にかかる荷重に耐え得る仕様を持つ支持部材が選定される。
【0060】
また、支持部材上の支点にかかる荷重計算書の出力も可能である。
【0061】
(10)配管シャフト平面図作成部25
配管シャフト平面図作成部25では、フロアー毎に、立て管配置処理部22で配置処理された立て管の情報、支持部材配置処理部23で配置処理された支持部材の情報などの立て管付設部材の情報を基に、立て管シャフト内の平面図が作成される。
【0062】
作成された配管シャフト平面図は、ユーザー・インターフェイス12およびユーザー入出力部11の出力手段を介してユーザーに提示される。図4(a)に作図処理された配管シャフト平面図の一例を示す。
【0063】
図4(a)は図3の地上8階部分の配管シャフト平面図であり、図において、▲1▼,▲2▼………は立て管(配管)の管No(管番号)、40は水平固定部材、41は建物の構造体、42は立て管支持部材のフレームA〜I、43はスリーブ、44は保温材、45は荷重(例えば520Kg)、46は支持部材として選定された鋼材(H−150:高さ150mmのH型鋼材、C−100:高さ100mmのC型鋼材)である。
【0064】
図4(a)の配管シャフト平面図には、立て管、固定部材配置、支持部材配置の他に、配管シャフト内寸法、配管支持間隔等の情報がフロアー毎に表示される(図示せず)。固定部材や支持部材の配置位置に相当する図面上の位置には、対応するシンボルや識別番号が表示される(図示せず)。また、固定支持点にかかる荷重計算書の出力も可能である。
【0065】
図4(b)は立て管の設置配管リストであり、配管の管No(管番号)▲1▼,▲2▼………、配管の系統名(例えば▲1▼は空調機系統加湿蒸気、▲4▼はFCU(ファンコイルユニット)系統冷温水(往))、配管の管材(例えば▲1▼はSGP:炭素鋼鋼管、色:黒)、配管の管径(例えば▲1▼は250mm)、枝径(例えば▲3▼は25mm)が配管の管No毎に表示される。
【0066】
立て管系統図および配管シャフト平面図を作成する際に必要となる躯体等の建物構造に関するデータは、あらかじめ、ユーザー・インターフェイス12、あるいは、記憶媒体(CD−ROM、FDなど)や伝送媒体(ネットワーク、LAN)を介して、システムの記憶部15に記憶させる。
【0067】
立て管系統図あるいは配管シャフト平面図に関して、ユーザーが自動配置の結果に不満である場合には、ユーザー・入出力部11の入力手段およびユーザー・インターフェイス12を介して、伸縮継手や固定点の位置変更、追加、削除等の操作が可能である。この場合、システムは、ユーザーの操作内容に応じて、再度、耐震計算や荷重計算を自動的に行い、所定の条件を満足するか否かを判定する。所定の条件を満たすときは操作が受け付けられるが、条件を満たさないときはそれらの操作は受け付けられず、ユーザー・インターフェイス12を介して警告が提示される。
【0068】
以上、本発明の好適な実施形態例を説明したが、立て管施工支援システムの実施態様は前述した例に限定されるものではない。
【0069】
例えば、立て管施工支援システムの処理部として、配置処理された立て管および立て管付設部材による荷重に対して建築構造が耐力を有しているか否かを判定する処理部(建築構造耐力判定部)を新たに設けても良い。この場合、建築構造耐力判定部では、フロアー毎に、配置処理された立て管および立て管付設部材の情報を基に、配管シャフト内における梁等の建築構造物にかかる荷重を算出し、建物情報設定部13に設定された建物情報の条件を満たしているかを判定する。条件を満たしたときは計算を終了するが、条件を満たさないときはユーザー・インターフェイス12を介して入力処理変更要求が提示される。
【0070】
また、例えば、立て管および立て管付設部材の種別、数量および価格に基づいて、立て管施工における所要工数や所要コストを見積もりする処理部(積算手段)を設けることにより、立て管配置や支持固定点の決定および作図業務のみならず、積算業務を同時に支援するシステムを提供することができる。この場合、記憶部15には、管材データベース18の他に、立て管、立て管付設部材および部材施工に関する工数や単価等の情報を記憶する価格データベースが設けられる。
【0071】
図2は本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムの処理手順を示すフローチャートである。
【0072】
ステップS1において、ユーザー・入出力部11からユーザー・インターフェイス12を介して建物情報設定部13に、立て管が施工される建物の構造、規模(階数、階高)、耐震条件、配管シャフト配置等の建築情報が入力設定される。
【0073】
ステップS2において、建物情報設定部13に入力設定された建築情報および記憶部15のデータから建築図(立面)が自動作図される。
【0074】
ステップS3において、ユーザー・入出力部11からユーザー・インターフェイス12を介して立て管情報設定部に、立て管のサイズ(配管長や管径)、管材、施工条件(保温厚、スリーブ径、施工環境、管接続方法、管固定方法)、使用条件(流体温度、満水率)等のデータが入力設定される。
【0075】
ステップS4において、建物情報設定部13に設定された建築情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、および、管材データベース18に設定された管材基本物性値を基に、伸縮継手配置処理部20で、立て管に配置する伸縮継手の選択および最適な配置位置が算出される。
【0076】
ステップS5において、伸縮継手配置処理部20で算出された伸縮継手の選択および最適な配置位置を基に、伸縮継手が自動配置される。
【0077】
ステップS6において、建物情報設定部13に設定された建築情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、および、管材データベース18に設定された管材基本物性値を基に、固定部材配置処理部21で、鉛直固定部材の選択および最適な鉛直固定点の配置位置が算出される。
【0078】
ステップS7において、固定部材配置処理部21で算出された鉛直固定点の配置位置を基に、鉛直固定点が自動配置される。
【0079】
ステップS8において、建物情報設定部13に設定された建築情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、および、管材データベース18に設定された管材基本物性値を基に、耐震計算部19で、立て管に加わる応力の大きさや座屈・共振の程度を求め、耐震性能確保に必要となる配管支持間隔が計算される。
【0080】
ステップS9において、耐震計算部19で計算された配管支持間隔、および、各立て管について、既に決定した伸縮継手、鉛直固定点の配置位置に基づいて、水平固定点(振れ止め)の最適な配置位置を決定し、決定された配置位置に水平固定点を自動配置する。
【0081】
ステップS10において、配置処理された伸縮継手および固定部材などの立て管付設部材の情報を基に、立て管系統図作成部24で、立て管の配管系統図が自動作成される。
【0082】
ステップS11において、建物情報設定部13に入力設定された建築情報および記憶部15のデータから建築図(平面)が自動作図される。
【0083】
ステップS12において、フロアー毎に、建物情報設定部13に設定された建築情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、立て管の配置系統図を基に、立て管配置処理部22で、シャフトスペースやスリーブ径を考慮して、各立て管を直列または並列に配管シャフト内に配置する立て管の最適な配管位置を計算する。
【0084】
ステップS13において、立て管配置処理部22で計算された最適な配管位置に立て管を自動配置する。
【0085】
ステップS14において、フロアー毎に、建物情報設定部13に設定された建築情報、立て管情報設定部14に設定された立て管情報、立て管配置処理部22で作成された立て管配置情報、立て管の配管系統図を基に、支持部材配置処理部23で、配管シャフト内におけるフレーム等の立て管支持部材の選択および最適な配置位置が算出される。
【0086】
ステップS15において、支持部材配置処理部23で算出された最適な配置位置に支持部材を自動配置する。
【0087】
ステップS16において、フロアー毎に、立て管配置処理部22で配置処理された立て管の情報、支持部材配置処理部23で配置処理された支持部材の情報などの立て管付設部材の情報を基に、配管シャフト平面図作成部25で、立て管の配管シャフト内の平面図が自動作成される。
【0088】
ステップS17において、フロアー毎に、配置処理された立て管および立て管付設部材の情報を基に、建築構造耐力判定部で、配管シャフト内における梁等の建築構造物にかかる荷重を算出し、建物情報設定部13に設定された建築情報の条件を満たしているかを判定する。条件を満たしたときは計算を終了するが、条件を満たさないときはユーザー・インターフェイス12を介して入力処理変更要求が提示される。
【0089】
尚、本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムの処理手順は、具体的にはパソコン等のコンピュータにより、予め所定の立て管施工支援プログラムに基づいて実行される。前記立て管施工支援プログラムは所定のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することができる。
【0090】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、立て管施工に関する専門知識や熟練を要さずに、最適な立て管配置や支持固定点を自動的に決定することができるため、立て管施工作業の省力化や高品質化を図ることが可能になる。
【0091】
また、本発明によれば、伸縮継手取付個数、あるいは、立て管最適配置による支持固定部材の使用量を最小化することができ、立て管施工に伴う設備コストを削減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムの処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムの作図処理部において作図された立て管系統図の一例を示す構成説明図である。
【図4】本発明の実施形態例に係る立て管施工支援システムの作図処理部において作図された配管シャフト平面図の一例を示す構成説明図である。
【符号の説明】
11 ユーザー・入出力部
12 ユーザー・インターフェイス
13 建物情報設定部
14 立て管情報設定部
15 記憶部
16 部材配置処理部
17 作図処理部
Claims (4)
- コンピュータにより建物における立て管施工を支援するシステムであって、
立て管のサイズ、管材及び施工条件を含む立て管情報を設定する立て管情報設定手段と、
立て管が施工される建物の構造、規模及び耐震条件を含む建物情報を設定する建物情報設定手段と、
前記立て管情報設定手段で設定された立て管情報及び前記建物情報設定手段で設定された建物情報が記憶され、且つ管材種別毎の基本物性値を記憶する管材データベースを含む記憶手段と、
前記立て管情報設定手段で設定された立て管情報および前記建物情報設定手段で設定された建物情報および前記管材データベースに記憶された管材基本物性値に基づいて、立て管の位置決め、立て管に付設する部材の選択や位置決めを行う部材配置処理手段と、
前記部材配置処理手段で配置処理された立て管および立て管付設部材の情報に基づいて、立て管施工に必要な系統図と平面図を作成する作図処理手段と
を備えることを特徴とする立て管施工支援システム。 - 部材配置処理手段は、
立て管の耐震計算を行う耐震計算部と、
立て管に配置する伸縮継手の選択や位置決めを行う伸縮継手配置処理部と、
立て管を固定する部材の選択や位置決めを行う固定部材配置処理部と、
立て管の位置決めを行う立て管配置処理部と、
立て管を支持する部材の選択や位置決めを行う支持部材配置処理部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の立て管施工支援システム。 - 作図処理手段は、
配置処理された伸縮継手および固定部材を含む立て管付設部材の情報に基づいて立て管の系統図を作成する系統図作成部と、
前記系統図作成部で作成された立て管系統図ならびに配置処理された立て管および支持部材を含む立て管付設部材の情報に基づいて立て管シャフト内の平面図を作成する配管シャフト平面図作成部と
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の立て管施工支援システム。 - 立て管および立て管付設部材の種別、数量および価格に基づいて、立て管施工における所要工数やコストを算出する積算手段を備えることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の立て管施工支援システム。
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