JP2004029517A - 熱現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱現像材料を迅速でしかも均一に現像し、更に長期間に亘り熱現像装置内の熱ドラムの汚れがなく、熱現像された熱現像材料にも汚れが転写することなく高品位画質を与える熱現像装置を提供する。
【解決手段】支持体の少なくとも一方の面に銀塩および還元剤を含有する感光層と該感光層を保護する層を有する熱現像材料の熱現像装置において、該装置内の熱ドラムの芯金属および被覆樹脂が10〜1000nmの貫通ポアを有し、熱現像時に熱ドラム表面に移動する成分を熱ドラム内に誘導する手段を設けたことを特徴とする熱現像装置。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱現像により画像を形成する熱現像材料を処理する装置に関するもので、特に熱現像材料を長期間に亘って多量に迅速でしかも均一高画質に現像する処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線撮影による医療画像診断の分野で、ドライ処理システムが普及している。このシステムは、被写体を透過したX線エネルギーをイメージングプレート中の輝尽性蛍光体に吸収させ、紫外線、可視光線、或いは赤外線等で時系列的に輝尽性蛍光体を励起し、蓄積されたX線エネルギーを蛍光として放射させ、この蛍光を光電的に読みとって電気信号を得、得られた電気信号をレーザー光の強度に変換し、このレーザー光でドライイメージング材料中のハロゲン化銀に潜像を形成させ、これを熱現像して被写体又は被検体のX線画像を可視画像として再生することを基本としている。熱現像は80℃〜200℃の温度の熱ドラム上で加熱処理して黒色画像を得る。熱現像材料中の感光層には、銀塩と還元剤の他にカブリ防止剤、光カブリ防止剤、安定剤、現像促進剤、延展剤および結合剤等の添加剤が含まれ、その保護層には延展剤、マット剤、帯電防止剤および結合剤等が含まれている。これらが熱現像時に加熱されて軟化し、時には揮発、蒸散、昇華或いは凝集、分解等の現象が微少量ながら発生し、熱ドラムの最外層に付着し、この付着物がドライイメージング材料に転写し画質を劣化させる。熱ドラム上に付着する物質は、熱現像材料中からでなく、外部からの塵芥の進入による場合もある。塵芥のような付着は静電気を帯びて付着するので帯電防止剤等で対処されているが、この方法で完全に防げるわけではない。このような付着物質の汚れは、1万時間〜10万時間と長期間運転すると肥大し、熱ドラムを微小ながら変形させたり、クラックを生じさせ、この上を搬送される熱現像材料の熱現像に不均一性を与えて画質を損なう。熱ドラムは耐熱性の他に異物の付着を避けるために特開2001−272751明細書記載の如くフッ素原子を含む活性剤を熱現像材料に使用し、熱ドラムをシリコーンゴムで被覆した方法が開示されているが長期間に亘る汚れを完全に防止できなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、熱現像材料を迅速でしかも均一に現像する熱現像装置を提供すること、更には長期間に亘り熱現像装置内の熱ドラムの汚れがなく、熱現像された熱現像材料にも汚れが転写することなく高品位画質を与える熱現像装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
【0005】
1.支持体の少なくとも一方の面に銀塩および還元剤を含有する感光層と該感光層を保護する層を有する熱現像材料の熱現像装置において、該装置内の熱ドラムの芯金属および被覆樹脂が10〜1000nmの貫通ポアを有し、熱現像時に熱ドラム表面に移動する成分を熱ドラム内に誘導する手段を設けたことを特徴とする熱現像装置。
【0006】
2.移動する成分を誘導する手段が加圧または減圧手段であることを特徴とする前記1に記載の熱現像装置。
【0007】
3.熱ドラム表面に移動する成分を吸着除去する手段へ輸送する手段を設けたことを特徴とする前記1又は2に記載の熱現像装置。
【0008】
4.熱ドラムの10〜1000nmの貫通ポアを有する被覆樹脂が撥水性樹脂であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の熱現像装置。
【0009】
5.吸着除去する手段として比表面積が500m〜3000mである活性炭が充填されていることを特徴とする前記3に記載の熱現像装置。
【0010】
6.誘導された移動成分を熱ドラム内で触媒の存在下、熱分解する手段を設けたことを特徴とする前記1に記載の熱現像装置。
【0011】
7.触媒の存在下に熱分解する温度が80℃〜200℃であることを特徴とする前記6に記載の熱現像装置。
【0012】
8.熱分解のための触媒が貴金属触媒を含むことを特徴とする前記7に記載の熱現像装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
〈熱現像装置と熱ドラム〉
本発明に使用する熱現像装置の熱現像部の断面図を図1に示す。熱現像部は、熱ドラムの外周を押さえローラーで加圧と加熱を同時にされながら現像するものである。熱現像材料は挿入口7から挿入ローラー5で熱ドラム4に導かれ、芯金属上にシリコーンゴム、ポリ4フッ化エチレン樹脂等で被覆された熱ドラム4と押さえローラー群2の間隙を走行し、排出ローラー6で排出口8から排出される。熱ドラムに与える熱はニクロム線等の発熱体が組み込まれた熱源3から供給される。熱源は熱ドラム4直下でもよい。押さえローラー群を覆う遮蔽体1は、断熱材で内側は熱線を反射するミラーで被覆されてもよい。ミラーは、アルミニウムの蒸着膜またはアルミの粉末からの溶融膜でもよい。厚さは1nmから1mmの範囲で被覆することができる。押さえローラー群は図では15本で構成されているが、搬送が滑らかであれば、任意に設定することができ、熱ドラムの径に応じて5〜100本の間で配置することができる。熱ドラムの表面は、温度を検出するサーミスターを取り付け温度を現像温度、80℃〜200℃に維持する。
【0015】
熱ドラムは、強度的に80℃から200℃に耐えることから芯金属はステンレス、アルミニウム金属、マグネシウム合金等を使用することができるが、現像を均一にするには、更にシリコーンゴム、ポリフッ化オレフィン樹脂等で被覆される。被覆樹脂としては、撥水性の高い樹脂が好ましく、樹脂の表面の水滴の接触角が90度から270度までの値であるシリコーンゴム、ポリ四フッ化エチレン(テフロン(R))、フッ化ビニリデン、ポリフッ化ブチルビニルエーテル樹脂等を挙げることができる。樹脂の被覆の厚さは10nmから20mmの範囲で被覆するのが好ましい。樹脂の中でもシリコーンゴムは、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、帯電防止特性等を備えるように調整されるが、特に耐熱性と耐薬品性を高めたシリコーンゴム(オルガノポリシロキサン)が好ましい。シリコーンゴムは、必要に応じて種々の硬度向上剤を添加して硬度を上げることができる。シリコーンゴムに硬度を与える代表的な素材として酸化鉄や酸化珪素が知られている。この他にシリコーンゴム組成物に硬度を与える方法としては、オルガノシリコーンの3次元架橋を促進する白金触媒を使用することが好ましい。
【0016】
熱ドラムの加熱は、熱現像温度の設定、環境(作業室)温度、熱ドラムの周囲の断熱状況によるが、熱現像温度±0.1℃〜熱現像温度±2℃に設定されるのが好ましい。
【0017】
本発明の芯金属はナノサイズの貫通孔を設けることが必要で、YAGレーザーや炭酸ガスレーザーのような熱レーザーで穿孔することができる。サイズの大きさは10nm〜1000nmサイズの直径になるようにする。特に好ましいサイズは10nmから300nmである。サイズとしては平均直径で表すことができるが、サイズ分布として狭い方が好ましく、サイズが大きいと熱現像時にドライイメージング材料が穿孔部の上部で接触する部分と接触しない部分との熱履歴が異なるため、画像欠陥が目視で観察されてしまう。サイズ分布の狭さはポアサイズ径の標準偏差をポアサイズ径の平均値で割り100を掛けた数字で表し、その数値が小さい程狭い。実用的には5〜60の範囲であれば良いが、5〜20の値であれば充分である。穿孔サイズが小さいとそこに移動成分が目詰まりしてしまう。好ましいサイズは10nm〜100nmであり、更には20nm〜80nmの範囲である。レーザー穿孔の他には、金属細線を焼結する方法がある。金属繊維や金属粉末を多孔質焼結体に形成する製造方法は、不活性雰囲気あるいは減圧下で、熱処理により焼結を行う。このような方法で製造された多孔質焼結金属は、気孔の分布が、ファイバー間、または粉末の粒子間に存在する。例えば、金属繊維(80μm×3mm)を用いた焼結体では、30μm以上の大きさの気孔で、気孔率が80%以上の高気孔率の材料を製作することができるが、数ミクロンの微細な気孔を備えた多孔質材料は難しい。また、粉末焼結体では、逆に原料粉末粒径の10〜20%の気孔径をもつ低気孔率材料となってしまうので特開2000−192107明細書記載の方法のように酸化と還元処理を行って制御してもよい。この方法では最初の成形体と処理後の多孔質金属体とは大きさがほとんど変わらない。この方法で銅、ニッケル、ステンレス、アルミニウム等のナノサイズ孔がある芯金属体を製造することができる。ナノサイズ孔が貫通するのは、空隙率に依存し、低い空隙率では、貫通しないが、空隙率が30%を越えるとナノサイズポアは貫通してくる。従って空隙率が30%〜90%が好ましい。ポアサイズが大きく、空隙率が高いと芯金属の強度が弱くなるので、ポアサイズの直径が300nm以下が特に好ましい。
【0018】
本発明に使用する芯金属の被覆樹脂は、芯金属と同様に表面まで貫通する10〜1000nmポアを有する。貫通するという意味は、ナノサイズポアが隣接のナノサイズのポアと接続して空隙部分が表面まで繋がっていることである。繋がっていない場合は、単なる微細孔であり、そこに移動成分が蓄積し除去されないため、本発明の目的を達成することができない。被覆樹脂に貫通する10〜1000nmポアを形成する方法は、芯金属と同様に熱レーザーで穿孔することもできるが、ナノサイズポアのある不織布を芯金属に接着する方法、発泡樹脂を塗布または巻き付け接着させる方法等がある。発泡シリコーンゴムを表面に塗布する方法として樹脂内部に熱分解で気泡を生じる化合物を存在させて樹脂固化のときに10〜1000nmの貫通ポアを作製してもよい。この方法として特開平7−308630号、同7−292146号、同8−259818号、同9−111028号、同10−182072号、同10−087865号、同11−302431号、特開2000−160017、同2001−270989、同2002−146078等を参考にすることができる。ポリ四フッ化エチレン樹脂を被覆する場合は、シリコーンゴムに発泡剤を添加して発泡させる方法を参考にして成型することができ、発泡剤と発泡剤の分解を促進する促進剤等を混合して使用することができる。上記方法は発泡素材としてアゾ化合物の熱分解時に窒素ガスを放出することを利用している。発泡させる量をコントロールして空隙率や貫通の程度を調節することができる。発泡度は、発泡剤種、温度、時間等で決まってくるので適宜条件を選択することが好ましい。樹脂のポア形成がガス放出化合物の熱分解によらない場合は、空気、窒素、アルゴンガス、ヘリウムガス、炭酸ガス等を吹き込み樹脂を混連時に形成してもよい。
【0019】
図2に熱ドラムの部分断面図示す。貫通するナノサイズポアを有する芯金属4bの上部にナノサイズポアを有する被覆樹脂4aを積層したもので、熱現像材料の面から移動する成分はこのポアを通じて熱ドラム内に誘導される。
【0020】
ドライイメージング材料からの移動成分は熱ドラムの内部で触媒的に分解する。触媒的に分解又は吸着された移動成分は輸送手段により移動され排出する。移動成分は、熱現像材料を構成する化学成分に由来するものであるが、熱現像時の加熱により、揮発、昇華、蒸散等あり、その移動は微少でその成分を特定することは、難しい。何故なら、単に添加した主成分でなく、主成分を製造する際に混入する副生成分、複雑な構造に変化した化合物等が含まれ、もとの成分の構造とは違っているからである。そこで本発明では構造決定の困難な化合物を含む熱現像材料の表面から熱ドラムに付着する化合物を総じて移動する成分と称している。この熱ドラムに移動し、堆積した成分が次ぎの熱現像材料の表面に転写して汚れを生じさせ画質を損なっているのである。汚れの原因となる移動成分を熱ドラム内に移動させるには、熱ドラムの外部と内部に圧力差を生じさせることがよい。圧力差は、1mPa〜1000mPaの範囲であればよく、1mPa以下では、気体の流れが低速であり成分の移動が困難であり、1000mPa以上であると移動は充分であるが、達成手段の装備において経済的でない。内部の気体を循環させるようにして成分移動を一回限りでなく、巡回させることにより、分解や補足の効率を上げることができる。
【0021】
移動成分を吸着除去する方法は、種々の吸着剤を使用することができる。例えば、シリカゲル、珪藻土、ゼオライト、活性炭、活性炭に触媒を担持させた添着炭等を挙げることができる。特に好ましい吸着剤は、活性炭や添着炭であり、比表面積の大きいものがよい。比表面積はグラム当たり、500m〜3000mが好ましい。これより少ない場合は、吸着量が少ないので交換頻度の点で経済的でない。また、3000m/g以上は、製造コストの点から経済的でない。
【0022】
移動成分を触媒の存在下に熱分解するには、貴金属触媒を使用することが好ましい。貴金属触媒は、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウムまたはこれらを含む複合系触媒等が好ましい。貴金属触媒は、粉末、顆粒、担持のいずれでもよい。担持の場合の基材は、シリカ、珪藻土、ゼオライト等を使用することができる。触媒を活性化する温度として80℃から200℃が好ましい。80℃より低い場合は、触媒の活性が得られず分解が不充分であり、200℃より高いと熱のロスが大きく経済的に好ましくない。
【0023】
〈熱現像材料〉
本発明の熱現像材料は支持体上に少なくても1層の感光層を設け、この感光層の下部(支持体と感光層の間)にアンチハレーション層(AH層)、感光層の上部に保護層が塗設されている。更に支持体に対して感光層のある側と反対側にバッキング層(BC層)、その上部に保護層がそれぞれ塗設されている。感光層中には、ハロゲン化銀、有機銀塩、還元剤およびバインダー(高分子結合材)が含まれている。AH層やBC層には感光波長に対して吸収効率の高くて、残色になりにくい染料をバインダー中に存在させて熱現像材料の構成層界面での乱反射による鮮鋭性の劣化や干渉縞の防止を行う。AH層、BC層および保護層等のバインダーは、感光層と同種や異種の素材を使用することができる。BC層に染料を使用する場合、AH層を設けない場合もある。AH層やBC層の染料に由来する残色を低減させるために熱により消色する染料を、更に熱消色を促進するために塩基発生前駆体を場合によっては使用することができる。バインダーの硬化は、保護層のみに関わらず感光層、AH層およびBC層等をエポキシ架橋剤、酸無水物化合物および塩基発生前駆体を適宜選択することにより、写真性能を損なわない範囲で使用することができる。以下に熱現像材料に使用する素材について順次詳述する。
【0024】
本発明の熱現像材料に使用される感光性ハロゲン化銀は、シングルジェットもしくはダブルジェット法などの写真技術の分野で公知の任意の方法により、例えばアンモニア法乳剤、中性法、酸性法等のいずれかの方法でも調製できる。この様に予め調製し、次いで本発明の他の成分と混合して本発明に用いる組成物中に導入することが出来る。この場合に感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の接触を充分に行わせるため、例えば感光性ハロゲン化銀を調製するときの保護ポリマーとして米国特許第3,706,564号、同第3,706,565号、同第3,713,833号、同第3,748,143号、英国特許第1,362,970号各明細書に記載されたポリビニルアセタール類などのゼラチン以外のポリマーを用いる手段や、英国特許第1,354,186号明細書に記載されているような感光性ハロゲン化銀乳剤のゼラチンを酵素分解する手段、又は米国特許第4,076,539号明細書に記載されているように感光性ハロゲン化銀粒子を界面活性剤の存在下で調製することによって保護ポリマーの使用を省略する手段等の各手段を適用することが出来る。
【0025】
ハロゲン化銀は、良好な画質を得るために粒子サイズが小さくて感度の高いものが好ましい。粒子サイズが小さいと粒状性や解像度が良いからである。しかし、感度は低くなるので分光増感や化学増感により、増感され易い結晶形が好ましい。具体的には平均粒子サイズが0.1μm以下、好ましくは0.01μm〜0.1μm、特に0.02μm〜0.08μmが好ましい。又、ハロゲン化銀の形状としては特に制限はないが、立方体、八面体の所謂正常晶等の粒子が好ましい。又ハロゲン化銀組成としては、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよいが、沃臭化銀が好ましい。
【0026】
ハロゲン化銀の量はハロゲン化銀及び後述の有機銀塩の総量に対し50%以下好ましくは25%〜0.1%、更に好ましくは15%〜0.1%の間である。
【0027】
本発明の熱現像材料に使用される感光性ハロゲン化銀は又、英国特許第1,447,454号明細書に記載されている様に、有機銀塩を調製する際にハライドイオン等のハロゲン成分を有機銀塩形成成分と共存させこれに銀イオンを注入する事で有機銀塩の生成とほぼ同時に生成させることが出来る。
【0028】
更に他の方法としては、予め調製された有機銀塩の溶液もしくは分散液、又は有機銀塩を含むシート材料にハロゲン化銀形成成分を作用させて、有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換することもできる。このようにして形成されたハロゲン化銀は有機銀塩と有効に接触しており好ましい作用を呈する。
【0029】
これらのハロゲン化銀は有機銀塩に対して化学量論的には少量用いられる。通常、その範囲は有機銀塩1モルに対し0.001モル乃至0.7モル、好ましくは0.03モル乃至0.5モルである。ハロゲン化銀形成成分は上記の範囲で2種以上併用されてもよい。上記のハロゲン化銀形成成分を用いて有機銀塩の一部をハロゲン化銀に変換させる工程の反応温度、反応時間、反応圧力等の諸条件は作製の目的にあわせ適宜設定する事が出来るが、通常、反応温度は−23℃乃至74℃、その反応時間は0.1秒乃至72時間であり、その反応圧力は大気圧に設定されるのが好ましい。この反応は又、後述する結合剤として使用されるポリマーの存在下に行われることが好ましい。この際のポリマーの使用量は有機銀塩1質量部当たり0.01乃至100質量部、好ましくは0.1乃至10質量部である。
【0030】
上記した各種の方法によって調製される感光性ハロゲン化銀は、例えば含硫黄化合物、金化合物、白金化合物、パラジウム化合物、銀化合物、錫化合物、クロム化合物又はこれらの組み合わせによって化学増感する事が出来る。この化学増感の方法及び手順については、例えば米国特許第4,036,650号、英国特許第1,518,850号各明細書、特開昭51−22430号、同51−78319号、同51−81124号各公報に記載されている。
【0031】
本発明に特に好ましい化学増感剤は、有機カルコーゲン増感剤であり、カルコーゲンとして硫黄原子、セレン原子またはテルル原子を分子内に含む有機化合物が好ましい。化学構造においては、カルコーゲン原子が炭素や燐原子に直接結合している化合物であり、即ち、炭素原子の4本の結合手のうち、2本はカルコーゲンであり、その他の2本は任意の有機の置換基であること、或いは燐原子の5本の結合手のうち、2本はカルコーゲンと結合し、その他は任意の有機の置換基であり、任意の置換基がアリール基であることが好ましい。アリール基としては、芳香族基またはヘテロ原子を含む複素環化合物が好ましく、最も好ましいのは。フェニル基またはフッ素原子で置換されたフェニル基である。下記に好ましい具体例としては、トリフェニルホスフィンセレナイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンテルライド等である。
【0032】
化学増感剤の添加方法は、ハロゲン化銀の分散溶液中に、水や有機溶媒に溶解して添加してもよいし、微粒子や粉末のまま添加してもよい。添加量はハロゲン化銀1モル当たり1×10−9〜1×10−2モルが適当であり、好ましくは1×10−8〜1×10−4モルである。化学増感時の熟成温度は30℃〜90℃、熟成時間は20分から8時間、通常は40分〜90分が好ましい。
【0033】
感光性ハロゲン化銀には、照度不軌や、階調調整、感度、カブリおよび保存性等のために遷移金属、特に元素周期律表の6族から10族に属する金属の第4周期から第6周期の化合物がドープ(含有)されることが好ましい。具体的にはRh、Ru、Re、Ir、Os、Fe等のイオン、その錯体又は錯イオンが好ましい。ドープ量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10−9〜1×10−2モルが適当であり、好ましくは1×10−8〜1×10−4モルである。これらの金属のイオン又は錯体イオンを提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特に核形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好ましく、更には核形成、成長の段階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形成の段階で添加する。添加に際しては、数回に渡って分割して添加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させることもできるし、特開昭63−29603号、特開平2−306236号、同3−167545号、同4−76534号、同6−110146号、同5−273683号等に記載されている様に粒子内に分布を持たせて含有させることもできる。
【0034】
本発明の熱現像材料のバインダーとしては、ハロゲン化銀、有機銀塩、還元剤が反応する場として好ましい素材と熱消色染料が80℃以上200℃以下の熱で消色する反応に好ましい素材、あるいは塩基発生前駆体が熱により速やかに塩基を発生するような素材が好ましい。例えば、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体などが挙げられる。更に乾燥後、膜を形成したのち、その塗膜の平衡含水率の低いものが好ましい。
【0035】
本発明においては、感光性層上の保護層やBC層にマット剤を含有することが好ましく、本発明において用いられるマット剤の材質は、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。
【0036】
マット剤の形状は、定形、不定形どちらでも良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられる。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算したときの直径で表される。本発明においてマット剤の粒径とはこの球形換算した直径のことを示すものとする。本発明に用いられるマット剤は、平均粒径が0.5μm〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0μm〜8.0μmである。又、粒子の単分散度は50以下であることが好ましく、更に好ましくは40以下であり、特に好ましくは20以下となるマット剤である。ここで、粒子の単分散度は粒子径の標準偏差を粒子径で除した数字に100を掛けた数字で表すことができる。本発明に係るマット剤の添加方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。また複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0037】
本発明の熱現像材料は、熱現像処理にて写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀塩)、触媒活性量のハロゲン化銀、ヒドラジン誘導体、還元剤、及び必要に応じて銀の色調を抑制する色調剤を通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している熱現像材料であることが好ましい。本発明の熱現像材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃〜200℃)に加熱することで現像される。加熱は、一定の温度で一定時間加熱する1段階方式と予備加熱、本加熱、あるいは後加熱のように段階的に加熱する方法等あるが、適宜加熱方式を選択することができる。加熱することで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光でハロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。この反応過程は、外部から水等の処理液を供給することなしで進行する。
【0038】
本発明の熱現像材料には、色調剤を添加することが好ましい。好適な色調剤の例はResearch Disclosure第17029号に開示されており、次のものがある。
【0039】
メロシアニン染料(例えば、3−エチル−5−((3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン(ベンゾチアゾリニリデン))−1−メチルエチリデン)−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン);フタラジノン、フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩(例えば、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−ポリハロメタン化合物ジオン);フタラジノンとスルフィン酸誘導体の組み合わせ(例えば、6−クロロフタラジノン+ベンゼンスルフィン酸ナトリウム又は8−メチルフタラジノン+p−トリスルホン酸ナトリウム);ポリハロメタン化合物+フタル酸の組み合わせ;ポリハロメタン化合物(ポリハロメタン化合物の付加物を含む)とマレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選択される少なくとも1つの化合物との組み合わせ;キナゾリンジオン類、ベンズオキサジン、ナルトキサジン誘導体;ベンズオキサジン−2,4−ジオン類(例えば、1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン);ピリミジン類及び不斉−トリアジン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミジン)、及びテトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン)。
【0040】
本発明の熱現像材料には、例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、米国特許第4,639,414号、同第4,740,455号、同第4,741,966号、同第4,751,175号、同第4,835,096号に記載された増感色素が使用できる。本発明に使用される有用な増感色素は例えばResearch Disclosure Item17643IV−A項(1978年12月p.23)、同Item1831X項(1978年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。例えば特開平9−34078号、同9−54409号、同9−80679号記載の化合物が好ましく用いられる。
【0041】
本発明の支持体としては、紙、合成紙、不織布、金属箔、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネートやポリプロピレン等のプラスチックフィルムなどの支持体が使用可能であり、またこれらを組み合わせた複合シ−トを任意に用いてもよい。
【0042】
本発明において、露光はレーザー走査露光により行うことが好ましいが、熱現像材料の露光面と走査レーザー光のなす角が実質的に垂直になることがないレーザー走査露光機を用いることが好ましい。ここで、「実質的に垂直になることがない」とはレーザー走査中に最も垂直に近い角度として好ましくは55度以上88度以下、より好ましくは60度以上86度以下、更に好ましくは65度以上84度以下、最も好ましくは70度以上82度以下であることをいう。レーザー光が、熱現像材料に走査されるときの熱現像材料露光面でのビームスポット直径は、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。これは、スポット径が小さい方がレーザー入射角度の垂直からのずらし角度を減らせる点で好ましい。なお、ビームスポット直径の下限は10μmである。このようなレーザー走査露光を行うことにより干渉縞様のムラの発生等のような反射光に係る画質劣化を減じることが出来る。
【0043】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0044】
実施例1
(熱ドラムの作製)
貫通するアルミニウム製芯金属は、アルミニウムのファイバー(短繊維)で太さ(平均直径)5μm、長さ100μmのものを銅(JIS 記号;C1100)のファイバー(短繊維)で太さ(最大径)30μm、長さ2mmのものを、内径100mm、外径105mm、長さ430cmの型に充填成形し、この成形体を590℃の大気雰囲気中に、110分間維持した後、400℃の水素雰囲気中に150分維持する処理を行い、多孔質金属の焼結体、すなわち円筒形の平均直径20nmのポアサイズのアルミニウム芯軸体を得た。同様に上記方法に準じてファイバー径、焼結温度と時間を変化させて、ポアサイズを1nm〜10000nmまで変化させた。上記貫通ポアサイズを有する芯金属の上に10〜1000nmの貫通ポアを有するシリコーン樹脂を被覆した。
【0045】
上記被覆シリコーン樹脂はエチレン基を6モル%含むポリメチルシロキサン260g、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンを38g、重合開始剤としてブトキシパーオキサイドを6g、平均粒子径3μmシリカを56g、発泡剤アゾビスイソブチロニトリル4gを加えて、ニーダーで混合しながら180℃3時間反応させたものを使用した。ポアサイズは30nmであった。以下同様に発泡剤の使用量1g〜12gまでを変化させて、貫通ポアサイズ1nmから10000nmまで変化させた。
【0046】
熱ドラム内の触媒としてゼオライト9g上にロジウム6質量%、ルテニウム質量4質量%、白金1質量%担持したものをそれぞれ使用した。熱ドラムの内側を外側に対して100mPa加圧または減圧した実験を行った。このような条件を任意に設定できる熱ドラムを使用して下記作製の熱現像材料を表1の様に処理した。尚、比較のナノサイズポアのない芯金属と被覆樹脂は、通常の方法で両者とも溶融射出成型した。
【0047】
熱現像材料の作製
[下引済み写真用支持体の作製]
厚さ175μmのポリエチレンテレフタレート支持体の両面に8w/m・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層A−1とし、また反対側の面に下記下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層B−1とした。
《下引塗布液a−1》
ブチルアクリレート(30質量%)
t−ブチルアクリレート(20質量%)
スチレン(25質量%)
2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%)
の共重合体ラテックス液(固形分30%)         270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア)      0.8g
水で1lに仕上げる。
《下引塗布液b−1》
ブチルアクリレート(40質量%)
スチレン(20質量%)
グリシジルアクリレート(40質量%)
の共重合体ラテックス液(固形分30%)         270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア)      0.8g
水で1lに仕上げる。
【0048】
引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、8w/m・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μmになる様に下引上層A−2として、下引層B−1の上には下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmになる様に帯電防止機能をもつ下引上層B−2として塗設した。
《下引上層塗布液a−2》
ゼラチン                  0.4g/mになる質量
シリカ粒子(平均粒径3μm)               0.1g
水で1リットルに仕上げる。
《下引上層塗布液b−2》
スチレンブタジエン共重合ラテックス液(固形分20%)     80g
ポリエチレングリコール(質量平均分子量600)        6g
水で1リットルに仕上げる。
【0049】
<ハロゲン化銀粒子乳剤Aの調製>
水900ml中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウムを含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加しNaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.06μm、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀粒子乳剤Aを得た。
【0050】
(分散有機銀塩の調製)
4720mlの純水にベヘン酸111.4g、アラキジン酸83.8g、ステアリン酸54.9gを80℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら1.5M/Lの水酸化ナトリウム水溶液540.2mlを添加し濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して有機酸ナトリウム溶液を得た。上記の有機酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、上記ハロゲン化銀乳剤(銀0.038モルを含む)と純水450mlを添加し5分間攪拌した。次に1M/Lの硝酸銀溶液760.6mlを2分間かけて添加し、さらに20分攪拌し、濾過により水溶性塩類を除去した。その後、濾液の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、濾過を3回繰り返し乾燥させた。
【0051】
バック面側塗布
バック層およびバック層保護層を以下の組成物をメチルエチルケトン溶液中に加えて調製した塗布液を以下の付き量になるように減圧押し出し同時重層塗布した。
【0052】
バック層(第1層)
PVB−1                      1.1g/m
染料:C1                      12mg/m
コロイダルシリカ                   12mg/m
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム         13mg/m
バック層保護膜(第2層)
セルロースアセテートブチレート            0.8g/m
マット剤(PMMA:平均粒径3μm)        0.02g/m
コロイダルシリカ                  0.02g/m
活性剤:N−プロピルオクチルスルホンアミド酢酸   0.02g/m
硬膜剤:1,2−ビス(ビニルスルホンアミド)エタン 0.02g/m
感光層面側塗布
AH層(第1層)
PVB−1(既出)                  0.3g/m
染料:C1(既出)                   8mg/m
感光層(第2層)
感光層の調製は以下の組成物のメチルエチルケトン溶解体を加えて塗布液を調製した。この塗布液を35℃に保ち、以下の付き量になるように塗布乾燥した。
【0053】
銀量(ハロゲン化銀+有機銀)             1.4g/m
バインダー:  PVB−1(既出)          5.6g/m
分光増感色素A1                    8mg/m
カブリ防止剤1:2−メルカプトベンツイミダゾール  0.3mg/m
カブリ防止剤2:イソチアゾロン           1.2mg/m
カブリ防止剤3:2−トリブロモメチルスルホニルピリジン120mg/m
現像剤:1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル−3,5,5−トリメチル)ヘキサン            3.3ミリモル/m
表面保護層(第3層)
セルロースアセテートブチレート            1.2g/m
4−メチルフタル酸                  0.7g/m
テトラクロロフタル酸                 0.2g/m
テトラクロロフタル酸無水物              0.5g/m
シリカマット剤(平均粒径5μm)           0.5g/m
コロイダルシリカ                  0.02g/m
【0054】
【化1】
Figure 2004029517
【0055】
上記の組成物を上記付き量で減圧押し出し塗布機を用い塗布速度260m/分で同時重層塗布し48℃、56秒で乾燥した。
【0056】
上記作製した熱ドラムの汚れ評価は、濃度1.5に仕上がるように露光した上記作製試料を4つ切りサイズにして現像温度120℃、現像時間10秒、1時間当たり処理枚数100枚、1日1000枚処理で5日間処理後、各々の表面の汚れを目視評価した。最も良いレベルを5、最も悪いレベルを1とした。3は中間で実用的には問題ないレベルである。上記テストの評価結果を表1に示した。
【0057】
【表1】
Figure 2004029517
【0058】
熱ドラムの芯金属を10〜1000nmの貫通ポアにし、且つ被覆樹脂にも10〜1000nmの貫通ポアを有するようにし、熱ドラム内に貴金属触媒を設置し熱現像材料から現像時に移動する成分を熱分解処理すると本発明の熱現像材料に汚れが付かないことがわかる。
【0059】
実施例2
実施例1の実験番号103と同様に実施したが、ここではドラムの外部に吸着剤として活性炭を充填した部材へ移動成分を加圧(10mPa)送風(風速1m/分)により除去した。使用した活性炭の比表面積を300m〜2000mまで変化させた。
【0060】
【表2】
Figure 2004029517
【0061】
移動成分を吸着除去すると処理される熱現像材料に汚れが付かないことがわかる。比表面積の大きい活性炭を使用すると処理数を増大しても汚れが付かないことがわかる。
【0062】
【発明の効果】
本発明により、熱現像材料を迅速でしかも均一に現像し、更に長期間に亘り熱現像装置内の熱ドラムの汚れがなく、熱現像された熱現像材料にも汚れが転写することなく高品位画質を与える熱現像装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱現像装置の熱現像部の断面図である。
【図2】本発明の熱ドラムの部分断面図である。
【符号の説明】
1 遮蔽体
2 押さえローラー群
3 熱源
4 熱ドラム
4a 熱ドラムの被覆樹脂
4b 熱ドラムの芯金属
5 挿入ローラー
6 排出ローラー
7 挿入口
8 排出口

Claims (8)

  1. 支持体の少なくとも一方の面に銀塩および還元剤を含有する感光層と該感光層を保護する層を有する熱現像材料の熱現像装置において、該装置内の熱ドラムの芯金属および被覆樹脂が10〜1000nmの貫通ポアを有し、熱現像時に熱ドラム表面に移動する成分を熱ドラム内に誘導する手段を設けたことを特徴とする熱現像装置。
  2. 移動する成分を誘導する手段が加圧または減圧手段であることを特徴とする請求項1に記載の熱現像装置。
  3. 熱ドラム表面に移動する成分を吸着除去する手段へ輸送する手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱現像装置。
  4. 熱ドラムの10〜1000nmの貫通ポアを有する被覆樹脂が撥水性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱現像装置。
  5. 吸着除去する手段として比表面積が500m〜3000mである活性炭が充填されていることを特徴とする請求項3に記載の熱現像装置。
  6. 誘導された移動成分を熱ドラム内で触媒の存在下、熱分解する手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の熱現像装置。
  7. 触媒の存在下に熱分解する温度が80℃〜200℃であることを特徴とする請求項6に記載の熱現像装置。
  8. 熱分解のための触媒が貴金属触媒を含むことを特徴とする請求項7に記載の熱現像装置。
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