JP2004029202A - 液晶表示装置、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液晶表示装置1は、下基板2の内側に、開口部10を備えた下反射偏光層6を形成して構成されており、下反射偏光層6と下偏光板21との間に位相差板20が設けられるとともに、位相差板20の遅相軸と下偏光板21の吸収軸もしくは透過軸とのなす角度が2.5°〜20°とされ、さらに位相差板20のリタデーション値が((nλ/2)−(λ/7))〜((nλ/2)+(λ/7))(但し、n=0,1,2・・・で、λ=550nmとする)の範囲とされている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置及び電子機器に係り、特に透過モード時にも十分な明るさの表示が可能な半透過反射型の液晶表示装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
反射型液晶表示装置はバックライト等の光源を持たないために消費電力が小さく、従来から種々の携帯電子機器や装置の付属的な表示部等に多用されている。ところが、自然光や照明光などの外光を利用して表示するため、暗い場所では表示を視認することが難しいという問題があった。そこで、明るい場所では通常の反射型液晶表示装置と同様に外光を利用するが、暗い場所では内部の光源により表示を視認可能にした形態の液晶表示装置が提案されている。つまり、この液晶表示装置は反射型と透過型を兼ね備えた表示方式を採用しており、周囲の明るさに応じて反射モード、透過モードのいずれかの表示方式に切り替えることにより消費電力を低減しつつ周囲が暗い場合でも明瞭な表示が行うことが出来るようにしたものである。以下、本明細書ではこの種の液晶表示装置のことを「半透過反射型液晶表示装置」という。
【0003】
半透過反射型液晶表示装置の形態として、アルミニウム等の金属膜に光透過用のスリットを形成した反射膜を下基板内面に備えた液晶表示装置が提案されている。この場合、下基板外面に設けられたバックライトからの光はスリットを抜け透過表示に供される一方、上基板側から入射された光は反射膜により反射され反射表示に供されることとなり、反射膜は半透過反射膜として機能する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような液晶表示装置によれば、外光の有無に関わらず表示の視認が可能であるものの、反射モード時に比べて透過モード時の明るさが不足するという問題があった。これは、主に透過モード時の表示に寄与し得る光量が、反射膜に設けたスリットを通過した光量のみであることが一因となっている。
【0005】
また、その他の構成の半透過反射型液晶表示装置においても、反射モードと透過モードとのバランスをとることが困難で、例えば反射モードにおいて明るく色付きの少ない条件にすると、透過モードでのコントラストが十分に得られなく、一方、透過モードにおいてコントラストの高い表示を得る条件にすると、反射モードにおいて色付き等の不具合が生じる場合があった。
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、反射モード、透過モードを備える半透過反射型の液晶表示装置において、透過モード時の表示の明るさを向上させ、視認性に優れる半透過反射型の液晶表示装置を提供することを目的とし、また、その視認性に優れた半透過反射型の液晶表示装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の液晶表示装置は、互いに対向する上基板と下基板との間に液晶層が挟持され、該液晶層の上下に上偏光層及び下反射偏光層が設けられ、前記下基板の外面側(以下、上基板及び下基板の液晶層側を内面側、液晶層と異なる側を外面側とする)に照明装置が設けられ、透過モードと反射モードの切替により表示を行う半透過反射型の液晶表示装置であって、前記下反射偏光層が、前記下基板の内面側に基板面内において部分的に設けられ、前記下反射偏光層の下側に、下偏光層が設けられるとともに、前記下反射偏光層と前記下偏光層との間に位相差板が設けられ、前記下偏光層の吸収軸もしくは透過軸と、前記位相差板の遅相軸とのなす角度が、2.5°〜20°で、前記位相差板のリタデーション値が((nλ/2)−(λ/7))〜((nλ/2)+(λ/7))(但し、n=0,1,2・・・で、λ=550nmとする)の範囲であることを特徴とする。なお、本発明においては、位相差板のリタデーション値についてn=0の場合、0〜λ/7の範囲にて規定するものとする。
【0008】
このような液晶表示装置によれば、透過モード時の表示の明るさを格段に向上させ、高コントラストの表示を得ることができるとともに、反射モード時の明るさも確保可能となり、反射モード及び透過モードの双方において明るい表示を提供することが可能となる。本発明者が検討したところ、液晶層の上下に上偏光層及び下反射偏光層が設けられ、下反射偏光層が下基板の内面側に部分的に設けられるとともに、下反射偏光層の下側に下偏光層が設けられた構成の液晶表示装置において、反射モードで明るさを確保し色付きを少なくするための条件と、透過モードで明るさを確保し高コントラストの表示を得るための条件とを兼備させるためには、下反射偏光層と下偏光層との間に位相差板を具備させ、該位相差板の遅相軸と下偏光層の吸収軸もしくは透過軸とのなす角度を規定し、且つ位相差板のリタデーション値を併せて規定することが必要であることを見出した。そして、それらの規定として、位相差板の遅相軸と下偏光層の吸収軸もしくは透過軸とのなす角度が2.5°〜20°で、位相差板のリタデーション値が((nλ/2)−(λ/7))〜((nλ/2)+(λ/7))(但し、n=0,1,2・・・で、λ=550nmとする)の範囲であることが好ましいことを見出したのである。なお、位相差板の遅相軸と下偏光層の吸収軸もしくは透過軸とのなす角度は、好ましくは5°〜15°とし、位相差板のリタデーション値は、好ましくは((nλ/2)−(λ/10))〜((nλ/2)+(λ/10))(但し、n=0,1,2・・・で、λ=550nmとする)の範囲とするのが良い。
【0009】
ここで、反射偏光層を用いた液晶表示装置において、液晶層の選択電圧の印加・非印加により、完全に直交する直線偏光に変換することはできず、印加時に直線偏光にしようと光学設計すれば、非印加時に楕円偏光となり、逆に非印加時に直線偏光にしようと光学設計すれば、印加時に楕円偏光となってしまう。
半透過反射の表示装置においては、反射モードではコントラストを高めるよりも明るさを高めた方が表示の見栄えが良く、透過モードでは明るさよりもコントラストを高めた方が表示の見栄えが良くなる。そこで、反射モード時にコントラストよりも明るさを優先させるため、該反射モードにおいて非印加時に反射光を直線偏光にしようとすると、印加時の反射偏光層に入射する光は楕円偏光となり、一部が反射されるためコントラストが低下するものの明るさが優先される。
一方、透過モードにおいては、下偏光層と下反射偏光層との間に位相差板を設けないとすると、印加時の黒表示の光が楕円偏光となりコントラストが低下する。前述の通り、透過モードにおいては明るさよりもコントラストの向上が望まれるため、表示の見栄えが悪くなる惧れがある。
そこで、本発明のように、下偏光層と下反射偏光層との間に上記のような位相差板を設けることにより、照明装置から出射された光は該位相差板を通過することにより、楕円偏光(やや偏った楕円偏光)となるため、液晶から出射する光を直線偏光とすることができるようになる。その結果、コントラストの高い透過表示が得ることができ、透過表示の見栄えを良くすることが可能となる。
【0010】
次に、上記課題を解決するために、本発明の液晶表示装置は、その異なる態様として、互いに対向する上基板と下基板との間に液晶層が挟持され、該液晶層の上下に上偏光層及び下偏光層が設けられ、前記下基板の外面側(以下、上基板及び下基板の液晶層側を内面側、液晶層と異なる側を外面側とする)に照明装置が設けられ、透過モードと反射モードの切替により表示を行う半透過反射型の液晶表示装置であって、前記下基板の内面側に、半透過反射膜と、該半透過反射膜上に形成された吸収偏光層とが設けられ、前記半透過反射層の下側に、前記下偏光層が設けられるとともに、前記半透過反射層と前記下偏光層との間に位相差板が設けられ、前記下偏光層の吸収軸もしくは透過軸と、前記位相差板の遅相軸とのなす角度が、2.5°〜20°で、前記位相差板のリタデーション値が((nλ/2)−(λ/7))〜((nλ/2)+(λ/7))(但し、n=0,1,2・・・で、λ=550nmとする)の範囲であることを特徴とする。
【0011】
このような液晶表示装置においても、透過モード時の表示の明るさを格段に向上させ、高コントラストの表示が得ることができるとともに、反射モード時の明るさも確保可能となり、反射モード及び透過モードの双方において明るい表示を提供することが可能となる。なお、位相差板の遅相軸と下偏光層の吸収軸もしくは透過軸とのなす角度は、好ましくは5°〜15°とし、位相差板のリタデーション値は、好ましくは((nλ/2)−(λ/10))〜((nλ/2)+(λ/10))(但し、n=0,1,2・・・で、λ=550nmとする)の範囲とするのが良い。
【0012】
次に、本発明の電子機器は、先に記載の本発明の液晶表示装置を備えたことを特徴とする。この構成によれば、透過モード時に格段に明るい表示が得られる優れた表示部を備えた電子機器を実現することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態の液晶表示装置について部分断面構造を示す図である。本実施形態は、パッシブマトリクス方式の半透過反射型カラー液晶表示装置の例である。なお、以下の図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0014】
本実施形態の液晶表示装置1は、図1に示すように、下基板2と上基板3とが対向配置されてこの上下基板2,3に挟まれた空間にSTN(Super Twisted Nematic)液晶からなる液晶4が挟持されて概略構成された液晶パネル1と、この液晶パネル1の後面側(下基板2の外面側)に配設されたバックライト(照明装置)5とを備えて概略構成されている。
【0015】
ガラスや樹脂などからなる下基板2の内面側には、下反射偏光層6と、絶縁膜7とが順次積層形成されており、この絶縁膜7上にITO等の透明導電膜からなるストライプ状の走査電極8が図示横方向に延在し、この走査電極8を覆うようにポリイミド等からなる配向膜9が積層されている。また、下反射偏光層6には、バックライト5から出射された光を透過させるためのスリット(開口部)10が各画素毎に設けられている。また、下基板2の外面側には、位相差板20と、下偏光板21がこの順に設けられている。なお、この位相差板20の遅相軸と、下偏光板21の吸収軸もしくは透過軸とのなす角度は2.5°〜20°の範囲に規定されている。また、位相差板20のリタデーション値は、((nλ/2)−(λ/7))〜((nλ/2)+(λ/7))(但し、n=0,1,2・・・で、λ=550nmとする)の範囲を満たすものとされている。
【0016】
一方、ガラスや樹脂などからなる上基板3の内面側には、下基板2の走査電極8と直交するように赤、緑及び青のカラーフィルタ11が紙面垂直方向に延在してこの順番に繰り返し配列しており、その上には、このカラーフィルタ11によって形成された凹凸を平坦化するための平坦化膜12が積層されている。そして、平坦化膜12上に、ITO等の透明導電膜からなるストライプ状の信号電極14が紙面垂直方向に延在しており、この走査電極14上にポリイミド等からなる配向膜15が積層形成されている。また、上基板3の外面側には、前方散乱板16と、位相差板17と、上偏光板13がこの順に上基板3上に積層されて設けられている。さらに、バックライト5の下面側(液晶パネル1と反対側)には、反射板18が設けられている。
【0017】
下反射偏光層6は、図3に示すように、プリズム形状を成す誘電体干渉膜を積層して構成されている。図3に示す反射偏光層6は、表面に周期的な溝を形成した基板60上に、Siを主体として構成された層61と、SiO2を主体として構成された層62を交互に複数積層して形成された、いわゆる3次元フォトニック結晶層である。このように、プリズム形状を成す層が積層された構成のフォトニック結晶は、光の伝搬特性に異方性を有しており、図示上面側から光が入射された場合には、この入射光の基板60の溝に垂直な方向の成分はフォトニック結晶を透過され、前記溝に平行な成分は反射されるようになっている。
【0018】
すなわち、図3に示す反射偏光層6を透過した光Etは、基板60の溝に垂直な偏光となり、反射された光Erは、前記溝に平行な偏光となる。なお、各層61,62の積層ピッチDは、0.1μm程度とされ、基板60上に形成された溝のピッチPは、3〜5μm程度とされる。また、本実施形態においては、反射偏光層6の透過軸が図1の紙面に垂直となるよう配置されている。つまり、図3に示す基板60の溝が、図1の紙面に平行となるように配置されており、この反射偏光層6の一部にバックライト5からの光を透過させるための開口部10が設けられている。
【0019】
なお、下反射偏光層6の変形例として、図4に示すように金属反射膜に複数の微細なスリット状の開口部を設けた構成の下反射偏光層67を用いても良い。図4は、金属反射膜に複数の微細なスリットを設けた反射偏光層の一例を示す斜視図である。この場合の反射偏光層67は、基板70上に形成されたアルミニウムや銀などの高反射率の金属反射膜71に、複数のスリット72を所定のピッチで形成したものである。複数のスリット72は、互いに平行とされ、スリット幅Psは各スリット72でほぼ同一とされている。各部の寸法は、特に限定されるものではないが、この金属反射膜71の膜厚dは、100〜400nm程度とされ、スリット72の幅Psは、30nm〜300nmとされ、1本の金属反射膜71の幅Pmは、30nm〜300nmとされる。
【0020】
このような構成の反射偏光層は、上面側から光が入射されると、スリット72の長さ方向に平行な成分は反射され、スリット72の長さ方向に垂直な成分は透過されるようになっている。つまり、図4に示す反射偏光層を透過した光Etは、スリット72に垂直な偏光となり、この反射偏光層により反射された光Erは、スリット72に平行な偏光となる。また、本実施形態においては、反射偏光層67の透過軸が図1の紙面に垂直となるよう配置されている。つまり、図4に示すスリット72の長さ方向が、図1の紙面に平行となるように配置されており、この反射偏光層67の一部にバックライト5からの光を透過させるための開口部10が設けられている。
【0021】
図1に戻り、本実施形態の液晶表示装置1は、下基板2の内側に、開口部10を備えた下反射偏光層6を形成して構成されており、下反射偏光層6と下偏光板21との間に位相差板20が設けられるとともに、位相差板の遅相軸が下偏光板21の吸収軸もしくは透過軸との関係で角度規定され、さらに位相差板のリタデーション値が上記値に規定されているため、反射モード、透過モードいずれにおいても視認性に優れた表示が可能である。特に、位相差板の遅相軸及びリタデーション値を上記のように規定したために、反射モードにおいては下反射偏光層6を透過した光が、バックライト5側の反射板18にて反射し戻り光として開口部10から表示に供されることも抑制される上、透過モードにおいては下反射偏光層6を透過した光が、開口部10から透過した光とともに表示に寄与することが可能となり、該透過モードにおける明るさを向上させることが可能となる。
【0022】
(第2の実施形態)
図2は本実施形態の液晶表示装置の部分断面構造を示す図である。なお、図2において図1と共通の構成要素には同一の符号を付している。この第2の実施形態の液晶表示装置101が、第1の実施形態の液晶表示装置1と特に異なる点は、下基板2の内面側に開口部10aを備える反射層61が形成され、該反射層61の直上に吸収偏光層63が積層されて形成されており、これら反射層61と吸収偏光層63の上層を覆うように絶縁膜7が順次積層形成されている点である。
【0023】
この場合、反射層61はアルミニウム等の反射性金属膜にて構成され、入射する光を略全反射するものである。また、吸収偏光層63は、リオトロピック液晶を示す二色性色素を主体として構成され、所定軸方向の光を吸収するものである。さらに、この液晶表示装置101においても、位相差板20の遅相軸と、下偏光板21の吸収軸もしくは透過軸とのなす角度が2.5°〜20°の範囲に規定されており、位相差板20のリタデーション値が、((nλ/2)−(λ/7))〜((nλ/2)+(λ/7))(但し、n=0,1,2・・・で、λ=550nmとする)の範囲を満たすものとされている。したがって、第1の実施形態の液晶表示装置1と同様、反射モード、透過モードいずれにおいても視認性に優れた表示が可能である。
【0024】
(電子機器)
上記各実施の形態の液晶表示装置1,101を備えた電子機器の例について説明する。
【0025】
図5(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。この図において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記各実施形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0026】
図5(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。この図において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記各実施形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0027】
図5(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図5(c)において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記各実施形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0028】
図5(a)〜(c)に示す電子機器は、上記各実施形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を備えているので、透過モードで明るい表示が得られる表示部を有する電子機器を実現することができる。
【0029】
(実施例)
上記実施形態の液晶表示装置1及び液晶表示装置101について、位相差板20のリタデーション値(nm)、及び位相差板20の遅相軸と下偏光板21の吸収軸とのなす角度Θ(°)を種々の値に変化させ、透過時のコントラスト、及び反射時の明るさ及び色付きを評価した。
【0030】
図6は上記の評価結果を示すもので、透過時のコントラストが、液晶表示装置1及び液晶表示装置101において位相差板を除いたときのコントラスト30以上のものをプロットしたものである。なお、位相差板20の遅相軸と下偏光板21の吸収軸とのなす角度Θが25°を超える場合、透過時のコントラストは全て30未満であった。このように、位相差板20の遅相軸と下偏光板21の吸収軸とのなす角度Θが2.5°〜20°の範囲であって、位相差板20のリタデーション値が((nλ/2)−(λ/7))〜((nλ/2)+(λ/7))(但し、n=0,1,2・・・で、λ=550nmとする)の範囲を満たす場合に、透過時のコントラストが30以上となる。なお、この場合、反射時の特性(コントラスト、明るさ、色度)は良好で、特性低下は見られなかった。
【0031】
また、図6からも分かるように、位相差板20の遅相軸と下偏光板21の吸収軸とのなす角度Θは5°〜15°の範囲とするのが好ましくは、位相差板20のリタデーション値は((nλ/2)−(λ/10))〜((nλ/2)+(λ/10))(但し、n=0,1,2・・・で、λ=550nmとする)の範囲とするのが好ましい。この場合、反射時の表示特性を低下させることなく、透過時のコントラストが一層向上する。
ここで液晶表示装置1及び液晶表示装置101の上偏光板13、下反射偏光層6及び吸収偏光層63の透過軸を90°回転させれば、下偏光板21の透過軸も90°回転することとなり、その場合は上記で言う位相差板20の遅相軸と下偏光板21の吸収軸とのなす角度Θは、位相差板20の遅相軸と下偏光板21の透過軸とのなす角度Θとなる。
【0032】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の液晶表示装置は、透過モードと反射モードを切替ながら使用する半透過反射型の液晶表示装置において、下基板の内面側に下反射偏光層を設け、この下反射偏光層の下側に位相差板及び下偏光層を設ける構成とし、さらに位相差板の遅相軸と下偏光板の吸収軸もしくは透過軸とのなす角度を2.5°〜20°とし、且つ位相差板のリタデーション値を((nλ/2)−(λ/10))〜((nλ/2)+(λ/10))(但し、n=0,1,2・・・で、λ=550nmとする)の範囲としたために、透過モードにおいては、照明装置から出射される光の利用効率を向上させて明るい表示を実現することができ、反射モードにおいては、戻り光を防止してコントラストの向上を実現することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態の液晶表示装置の部分断面図である。
【図2】図2は、本発明の第2の実施形態の液晶表示装置の部分断面図である。
【図3】図3は、本発明の液晶表示装置の下反射偏光層の一例を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の液晶表示装置の下反射偏光層の異なる例を示す斜視図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、本発明の電子機器の一例を示す斜視図である。
【図6】図6は、図1及び図2の液晶表示装置の効果を確認するための実施例の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1,101 液晶表示装置
2 下基板
3 上基板
4 液晶(液晶層)
5 バックライト(照明装置)
6 下反射偏光層
13 上偏光板(上偏光層)
20 位相差板
21 下偏光板(下偏光層)
Claims (3)
- 互いに対向する上基板と下基板との間に液晶層が挟持され、該液晶層の上下に上偏光層及び下反射偏光層が設けられ、前記下基板の外面側に照明装置が設けられ、透過モードと反射モードの切替により表示を行う半透過反射型の液晶表示装置であって、
前記下反射偏光層が、前記下基板の内面側に基板面内において部分的に設けられ、
前記下反射偏光層の下側に、下偏光層が設けられるとともに、
前記下反射偏光層と前記下偏光層との間に位相差板が設けられ、
前記下偏光層の吸収軸もしくは透過軸と、前記位相差板の遅相軸とのなす角度が、2.5°〜20°で、前記位相差板のリタデーション値が((nλ/2)−(λ/7))〜((nλ/2)+(λ/7))(但し、n=0,1,2・・・で、λ=550nmとする)の範囲であることを特徴とする液晶表示装置。 - 互いに対向する上基板と下基板との間に液晶層が挟持され、該液晶層の上下に上偏光層及び下偏光層が設けられ、前記下基板の外面側に照明装置が設けられ、透過モードと反射モードの切替により表示を行う半透過反射型の液晶表示装置であって、
前記下基板の内面側に、半透過反射膜と、該半透過反射膜上に形成された吸収偏光層とが設けられ、
前記半透過反射層の下側に、前記下偏光層が設けられるとともに、
前記半透過反射層と前記下偏光層との間に位相差板が設けられ、
前記下偏光層の吸収軸もしくは透過軸と、前記位相差板の遅相軸とのなす角度が、2.5°〜20°で、前記位相差板のリタデーション値が((nλ/2)−(λ/7))〜((nλ/2)+(λ/7))(但し、n=0,1,2・・・で、λ=550nmとする)の範囲であることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1又は2に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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