JP3873667B2 - 液晶表示装置および電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置および電子機器に係り、特に透過モード時にも十分な明るさの表示が可能な半透過反射型の液晶表示装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
反射型液晶表示装置はバックライト等の光源を持たないために消費電力が小さく、従来から種々の携帯電子機器や装置の付属的な表示部等に多用されている。ところが、自然光や照明光などの外光を利用して表示するため、暗い場所では表示を視認することが難しいという問題があった。そこで、明るい場所では通常の反射型液晶表示装置と同様に外光を利用するが、暗い場所では内部の光源により表示を視認可能にした形態の液晶表示装置が提案されている。つまり、この液晶表示装置は反射型と透過型を兼ね備えた表示方式を採用しており、周囲の明るさに応じて反射モード、透過モードのいずれかの表示方式に切り替えることにより消費電力を低減しつつ周囲が暗い場合でも明瞭な表示が行うことが出来るようにしたものである。以下、本明細書ではこの種の液晶表示装置のことを「半透過反射型液晶表示装置」という。
【0003】
半透過反射型液晶表示装置の形態として、アルミニウム等の金属膜に光透過用のスリットを形成した反射膜を下基板内面に備えた液晶表示装置が提案されている。これは、金属膜を下基板内面に設けることにより、下基板の厚みによるパララックスの影響を防ぎ、特にカラーフィルタを用いた構造では混色を防いでいる。図9はパッシブマトリクス方式の半透過反射型液晶表示装置の一例を示している。この液晶表示装置100では、一対の透明基板101,102間に液晶103が挟持されており、下基板101上に反射膜104、絶縁膜106が積層され、その上にインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する。)等の透明導電膜からなるストライプ状の走査電極108が形成され、走査電極108を覆うように配向膜107が形成されている。一方、上基板102上には、カラーフィルタ109が形成され、その上に平坦化膜111が積層され、この平坦化膜111上にITO等の透明導電膜からなる信号電極112が走査電極108と直交する方向にストライプ状に形成されており、この信号電極112を覆うように配向膜113が形成されている。反射膜104はアルミニウムなどの金属膜で形成されており、この反射膜104には各画素毎に光透過用のスリット110が形成されている。このスリット110により、反射膜104は半透過反射膜として機能する。また、上基板102の外側には上基板102側から順に前方散乱板118、位相差板119、上偏光板114を配置し、下基板101の外側には1/4波長板115と下偏光板116が設けられている。また、バックライト117が下基板101の下面側に配置されている。
【0004】
上記構成の液晶表示装置100を明るい場所で反射モードで使用する際には上基板102の上方から入射した外光が液晶103を透過して反射膜104の表面で反射した後、再度液晶103を透過し、上基板102側に出射される。暗い場所で透過モードで使用する際には下基板101の下方に設置したバックライト117から出射される光がスリット110の部分で反射膜104を透過し、その後、液晶103を透過して上基板102側に出射される。これらの光が各モードでの表示に寄与する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記液晶表示装置100によれば、外光の有無に関わらず表示の視認が可能であるものの、反射モード時に比べて透過モード時の明るさが不足するという問題があった。これは、主に透過モード時の表示に寄与し得る光量が、反射膜104に設けたスリット110を通過した光量のみであることと、下基板101の外面側に設けられた1/4波長板115および偏光板116によるものである。
【0006】
図9に示す液晶表示装置100において、透過モードでの表示を行う場合には、バックライト117から出射された光が、下基板101の外側から液晶表示ユニットに入射し、この光のうちスリット110を通過した光が表示に寄与する光となる。ここで、液晶表示装置100において暗表示を行うためには、スリット110から上基板102へ向かう光が円偏光である必要がある。従って、バックライト117から出射されてスリット110を通過した光も円偏光となっている必要があるので、下偏光板116を透過した後の直線偏光を円偏光に変換するための1/4波長板115が必要となる。
【0007】
次に、バックライト117から出射された光のうち、スリット110を通過しない光に着目すると、バックライト117から出射され、下偏光板116を通過して紙面に平行な直線偏光となった後、1/4波長板115を通過して円偏光となり反射膜104に到達する。さらに反射膜104の下基板104側の面で反射されると、逆回りの円偏光となり、再び1/4波長板115を通過すると紙面に垂直な直線偏光になる。そして、紙面に平行な透過軸を有する下偏光板116によって吸収される。つまり、バックライト117から出射された光のうち、スリット110を通過せずに反射膜104の裏面側で反射された光は、下基板101の下偏光板116によってそのほぼ全てが吸収されてしまう。
【0008】
さらに、図9に示す液晶表示装置において透過モードの明表示を行う場合に着目すると、スリット110を通過して液晶103に入射した光は、液晶103による作用を受けずに上基板102の上偏光板114を通過して液晶表示装置の上方に出射されるが、スリット110から上基板102へ向かう光は1/4波長板115によって円偏光となっているので、紙面に平行な透過軸を有する上偏光板114を通過する際にその約半分が上偏光板114に吸収されてしまう。
【0009】
以上の2つの理由から、上記液晶表示装置100においては、透過モード時の表示を明るくすることができなかった。
【0010】
そこで、上記のような問題を解決するために、図10に示す構成の液晶表示装置が提案されている。図10に示す液晶表示装置200は、一対の透明基板201,202間に液晶203が挟持されており、下基板201上に反射偏光層204、絶縁層206が積層され、その上にITO等の透明導電膜からなるストライプ状の走査電極208が形成され、走査電極208を覆うように配向膜207が形成されている。一方、上基板202上には、カラーフィルタ209が形成され、その上に平坦化膜211が積層され、この平坦化膜211上にITO等の透明導電膜からなる信号電極212が走査電極208と直交する方向にストライプ状に形成されており、この信号電極212を覆うように配向膜213が形成されている。反射偏光層204は、アルミニウムなどの金属膜に、幅50nm程度の微細な開口部をスリット状に150nm〜400nmピッチで形成したものである。この反射偏光層204に入射した光は、スリット状の開口部に平行な偏光が反射され、前記開口部に垂直な偏光は透過するようになっている。また、上基板202の外側には上基板202側から順に前方散乱板218、位相差板219、上偏光板214が配置されている。また、バックライト217が下基板201の下面側に配置されている。
【0011】
上記構成の液晶表示装置200においては、透過モードでは図9に示す液晶表示装置100とは異なり、上偏光板214に入射する光は円偏光ではなく直線偏光であるため、上記の液晶表示装置100に比して透過モード時の表示を明るくすることが可能である。また、反射偏光層204を透過せずに反射された光は、バックライト217へ戻され、反射偏光層204とバックライト217との間で反射を繰り返すうち、その偏光状態が変化して反射偏光層204を透過できるようになるので、上記液晶表示装置100よりもバックライト217の光を有効に利用することができる。
【0012】
しかしながら、上記の構成の液晶表示装置200は、透過モードで使用する際に、液晶表示装置200に外光が入射すると、液晶表示装置200のコントラストが著しく低下し、この外光の強度によっては表示が視認できなくなる場合があった。
【0013】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、反射モード、透過モードを備える半透過反射型の液晶表示装置において、透過モード時の表示の明るさを向上させ、視認性に優れる半透過反射型の液晶表示装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は上記の視認性に優れた半透過反射型の液晶表示装置を備えた電子機器を提供することを第2の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の液晶表示装置は、互いに対向する上基板(第1の基板)と下基板(第2の基板)との間に液晶が挟持され、該液晶の上下に上偏光層(第1偏光層)および下反射偏光層(反射偏光層)が設けられ、前記下基板の外面側に照明装置が設けられ、透過モードと反射モードの切替により表示を行う半透過反射型の液晶表示装置であって、前記下反射偏光層が、前記下基板の内面側に部分的に設けられ、前記下反射偏光層の下側(反射偏光層の第2の基板側)に、下偏光層(第2偏光層)が設けられたことを特徴とする。
【0015】
本発明の係る構成によれば、透過モード時の表示の明るさを格段に向上させることができるとともに、図10に示す液晶表示装置200の問題点も解決し、透過モード時に外光が入射してもコントラストが低下しないようにすることができる。これらの効果について、図3および図4を参照して以下に詳細に説明する。
【0016】
図3は、本発明の液晶表示装置の動作原理を説明するための説明図であり、図3(a)は透過モード、図3(b)は反射モードの光の経路を示している。これらの図には、本発明の液晶表示装置の構成要素のうち、説明に必要な構成要素のみを示しており、液晶53を挟んで上下に上偏光板54と下反射偏光層51が設けられており、この下反射偏光層51と下基板50との間に、下偏光層55が形成されている。下基板50の外面側(図示下面側)には、照明装置58が設けられており、この照明装置58の外面側に反射板59が設けられている。
【0017】
前記上偏光板54は紙面に垂直な方向の透過軸を有しており、下偏光層55は、紙面に平行な透過軸を有している。また、上記下反射偏光層51は、紙面に垂直な方向の透過軸と、紙面に平行な反射軸を有している。そして、この下反射偏光層51に、照明装置58から出射された光を透過させるための開口部51aが設けられている。
【0018】
以下、図3(a)に示す透過モードで表示を行う場合について説明する。
まず、表示に利用される光である開口部51aを通過する光に着目すると、照明装置58から出射された光は、下基板50を透過した後、紙面に平行な透過軸を有する下偏光層55により紙面に平行な偏光へ変換され、開口部51aを通過して液晶53に入射する。この時、液晶53に電圧が印加された状態(オン状態)であれば、前記液晶53に入射した光は液晶53による作用をほとんど受けずに上偏光板54に到達し、紙面に垂直な透過軸を有する上偏光板54に吸収される。このようにして、画素が暗表示されるようになっている。一方、液晶53に電圧が印加されない状態(オフ状態)であれば、前記液晶53に入射した光は、液晶53の旋光作用により紙面に垂直な偏光へと変換され、上偏光板54に到達する。そして、上偏光板54の透過軸と平行な偏光であるこの光は、上偏光板54を透過し、画素が明表示されるようになっている。
【0019】
ここで、下偏光層55を透過した光のうち、開口部51aを通過せず、反射偏光層51の裏面側(下基板50側)で反射された光に着目すると、この光は、反射偏光層51で反射されて下基板50側へ向かう光となり、下偏光層55、下基板50を透過して照明装置58へと戻り、照明装置58外面側の反射板59により反射され、再び下偏光層55へ向かう光として再利用される。そして、この光が反射偏光層51と反射板59の間で反射を繰り返すうちに開口部51aを通過して、表示に寄与する光として利用される。従って、本発明の液晶表示装置においては、照明装置58から出射された光は、下偏光層55で吸収されないので、照明装置58から出射された光の利用率を高めることができ、明るい表示を得ることができる。
【0020】
次に、図3(b)に示す反射モードで表示を行う場合について説明する。
図3(b)に示すように、上偏光板54の上方から入射した光は、まず、紙面に垂直な透過軸を有する上偏光板54により紙面に垂直な偏光に変換されて液晶53に入射する。次いで、液晶がオン状態であれば、この入射光は液晶53による作用をほとんど受けずに下反射偏光層51に到達する。そして下反射偏光層51は、紙面に垂直な透過軸と、紙面に平行な反射軸を有する層なので、この下反射偏光層51に到達した光は下反射偏光層51を透過して、下基板50を透過後、紙面に平行な透過軸を有する下偏光板55により吸収される。このようにして画素が暗表示される。
【0021】
一方、液晶53がオフ状態であれば、液晶53に入射した光は、液晶53の旋光作用により紙面に平行な偏光へ変換され、下反射偏光層51へ到達する。そして、紙面に平行な反射軸を有する下反射偏光層51により反射され、液晶53の旋光作用により再び紙面に垂直な偏光へ変換されて上偏光板54を透過する。このようにして、画素が明表示される。
【0022】
このように、本発明の液晶表示装置においては、図9に示す液晶表示装置100のように、下基板101の外側に1/4波長板115を設けなくとも表示を行うことができる。従って、直線偏光から円偏光、または円偏光から直線偏光への変換が生じないので、これらの変換に伴う光の損失がない。これにより、明るい表示を得ることができ、特に透過モード時の明るさを大幅に向上させることができる。
【0023】
次に、図10に示す従来の構成の液晶表示装置200の動作について図4を参照して説明する。
図4は、上記液晶表示装置200の動作を説明するための説明図であり、図10に示す構成要素のうち、説明に必要な構成要素のみを図示したものである。すなわち、液晶203と、その上下に配された上偏光板214、反射偏光層204と、下基板201、およびこの下基板201の外面側に配されたバックライト217のみが図示されている。
【0024】
まず、図4(a)に示す透過モードについて説明する。
液晶表示装置200において、バックライト(照明装置)217から出射された光は、下基板201を透過して反射偏光層204に到達する。この反射偏光層204は、紙面に垂直な透過軸と、紙面に平行な反射軸を有するので、反射偏光層204に到達した光の一部は、紙面に垂直な偏光に変換されて液晶203に入射する。そして、液晶203がオン状態であれば、液晶203による作用をほとんど受けずに上偏光板214に到達し、紙面に垂直な透過軸を有するこの上偏光板214を透過する。このようにして画素が明表示される。一方、液晶203がオフ状態であれば、液晶203に入射した光は液晶203の旋光作用により紙面に平行な偏光へ変換されて上偏光板214に到達し、紙面に垂直な透過軸を有する上偏光板214に吸収される。このようにして、画素が暗表示されるようになっている。
【0025】
次に、図4(b)に示す反射モードについて説明する。
図4(b)に示すように、上偏光板214の上方から入射した光は、紙面に垂直な透過軸を有する上偏光板214により紙面に垂直な偏光へ変換されて液晶203に入射する。そして、液晶203がオン状態であれば、この入射した光はそのまま反射偏光板204に到達し、紙面に垂直な透過軸を有する反射偏光板204を透過した後、基板201を透過してバックライト217側へ出射される。このようにして、画素が暗表示されるようになっている。一方、液晶203がオフ状態であれば、液晶203に入射した光は液晶203の旋光作用により紙面に平行な偏光へ変換され、反射偏光板204へ到達する。ここで、反射偏光板204は紙面に平行な反射軸を有するので、この光は反射され、再び液晶203へ入射する。そして、液晶203の旋光作用により紙面に垂直な偏光に変換されて、上偏光板214を透過する。このようにして画素が明表示されるようになっている。
【0026】
上記液晶表示装置200における、透過モード時に液晶表示装置200に外光が入射するとコントラストが大きく低下するという問題は、透過モード時と反射モード時において、明表示、暗表示に対応する液晶のオン/オフ状態が異なっていることによるものである。つまり、画素を明表示させる場合において、透過モードでは液晶はオン状態となっているが、反射モードでは、液晶はオフ状態となっている。このために、例えば透過モードで使用している状態において、液晶表示装置200に外光が入射すると、暗表示の画素(液晶に電圧が印加されていない画素)において、入射した外光が反射偏光層204の上面で反射され、上基板201を透過して液晶表示装置200の上方に出射される。このために暗表示されるべき画素が明表示となるので、結果としてコントラストが低下し、場合によっては表示を視認できなくなる。
【0027】
これに対して、本発明の液晶表示装置においては、図3(a)、(b)に示すように、透過モードの明表示と、反射モードの明表示の状態では、いずれも液晶53はオフ状態とされており、逆に暗表示では両モードとも液晶53はオン状態とされている。従って、透過モードで使用している場合に、外光が入射しても、暗表示の画素では液晶53がオン状態とされているので、図3(b)に示すように、液晶53に入射した外光は下反射偏光層51と下基板50との間に設けられた下偏光層55に吸収される。従って、上記の液晶表示装置200のようなコントラストの低下が起こらないようになっている。
【0028】
さらに、本発明の液晶表示装置においては、図3に示すように下基板50側に下偏光層55が設けられていることにより、図4に示す液晶表示装置200よりもコントラストを高めることができる。これは、図4(b)に示す液晶表示装置200では、外光は上偏光板214、液晶203、反射偏光層203を透過した後、バックライト217側へ出射されるようになっているのに対して、本発明の液晶表示装置では、暗表示の画素に入射した外光は、上偏光板54、液晶53、下反射偏光層51を透過した後、下偏光層55により吸収されるためである。つまり、図4(b)に示す液晶表示装置200では、バックライト217側へ出射された光が、バックライト217の外面側に設けられた反射板(図示せず)により反射されて液晶203側へ向かう光となる場合があり、これにより暗表示が明るくなってコントラストが低下する場合があるが、本発明の液晶表示装置では、下偏光板55により吸収されて液晶53側へ再び戻ることはないからである。
【0029】
このように、本発明の液晶表示装置によれば、従来の半透過反射型の液晶表示装置に比して、照明装置から出射される光を有効に利用することができるので、透過モードにおける表示の明るさを格段に向上させることができる。また、明暗表示に対応する液晶のオン/オフ状態が、透過モードと反射モードで同じくされているので、透過モード時に外光が入射した場合も、コントラストの低下が起こらず、鮮明な表示が得られる。さらに、反射モードの暗表示において、液晶を透過した光を下偏光層で吸収する構造としたことにより、暗表示をより暗くすることができるので、反射モード時のコントラストも向上させることができる。
【0030】
次に、本発明の液晶表示装置は、前記下偏光層の外面側に、前記下偏光層の透過軸とほぼ平行な透過軸を有する反射偏光板を備えた構成とすることもできる。このような構成とすることにより、照明装置から出射された光を、より効率よく表示に利用することができ、透過モード時の表示をより明るくすることができる。この構成について、図5を参照して以下に詳細に説明する。
【0031】
図5は、上記の構成を採用した本発明に係る液晶表示装置の要部を示す説明図である。この図に示す液晶表示装置が、図3に示す液晶表示装置と異なる点は、下基板の外面側に反射偏光板が設けられている点のみである。従って、以下では、図5に示す反射偏光板57の作用についてのみ詳細に説明する。また、図5に示す構成要素のうち、図3に示す構成要素と同一のものには、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0032】
図5に示す反射偏光板57は、紙面に平行な透過軸と、紙面に垂直な反射軸を有する反射偏光板である。この液晶表示装置における表示原理は、図3(a)に示す液晶表示装置の透過モードとほぼ同様であり、照明装置58から出射された光は、紙面に平行な透過軸を有する反射偏光板57により、紙面に平行な偏光成分のみが透過され、下基板50および下偏光層55を透過する。そして、下反射偏光層51の開口部51aを通過して液晶53に入射する。ここで、液晶53がオン状態であれば、入射した光はそのまま上偏光板54に到達し、紙面と垂直な透過軸を有する上偏光板に吸収され、画素が暗表示されるようになっている。あるいは液晶53がオフ状態であれば、入射した光は液晶53の旋光作用により紙面に垂直な偏光へと変換され、上偏光板54を透過する。このようにして画素が明表示されるようになっている。
【0033】
図5に示す液晶表示装置には、反射偏光板57が設けられていることにより、図3に示す液晶表示装置よりもさらに明るい表示を得ることができる。これは、図3に示す液晶表示装置では、照明装置58から出射された光の約半分が、下偏光層55により吸収されるのに対し、図5に示す構成の液晶表示装置では、下偏光層55による光の吸収が起こらないためである。
【0034】
つまり、反射偏光層57が設けられていることにより、照明装置58から出射された光のうち、反射偏光板57の透過軸(紙面に平行)に平行な成分以外は反射偏光板57により反射されて照明装置58へ戻る。その後、照明装置58の外面側に設けられた反射板59より反射されるので、前記反射偏光板57と反射板59との間を反射するようになる。この反射を繰り返すうち、光の偏光状態が変化し、一部は反射偏光板57を透過するようになる。そして、この反射偏光板57を透過した光が、前記開口部51aを通過すれば、表示に寄与する光となる。また、反射偏光板57を透過した光のうち、開口部51aを通過せず、下反射偏光層51の裏面側で反射された光も、下反射偏光層51と反射板59の間で反射を繰り返すので、反射を繰り返すうちに開口部51aに入射し、表示に寄与させることができる。以上から、開口部51aに入射する光量が増加し、透過モードにおける表示の明るさを向上させることができる。
【0035】
次に、本発明の液晶表示装置においては、前記下偏光層の透過軸と、前記反射偏光板の透過軸とが成す角度は、−30°以上30°以下の範囲であることが好ましい。
【0036】
図5に示す液晶表示装置では、反射偏光板57を透過した光のうち、下偏光層55の透過軸に平行な成分以外は、下偏光層55に吸収されるので、前記下偏光層の透過軸と反射偏光板の透過軸とが成す角度は、0°(両者が平行)であることが最も望ましいのは勿論であるが、両者の透過軸が成す角度が±30°以内であれば、実用的に用いることができる。両者の透過軸が成す角度が前記範囲を越えると、下偏光層55により吸収される光量が多くなり、上記の表示を明るくする効果が得られなくなる。
【0037】
次に、本発明の液晶表示装置では、前記下偏光層を前記下基板の外面側に備えた構成としてもよい。つまり、下基板の外面側に偏光板を設けた構成としても良い。係る構成によれば、従来一般的に用いられている偏光板を用いて液晶表示装置を構成することができるので、本発明の液晶表示装置を容易に製造することができる。
【0038】
次に、本発明の液晶表示装置では、前記下反射偏光層より上側(反射偏光層より前記第1の基板側)に、該下反射偏光層により反射された光を散乱させるための散乱層が設けられた構成とすることが好ましい。係る構成によれば、前記下反射偏光層により反射された光の強度が特定の方向で大きくなるのを防止することができるので、視認性に優れた液晶表示装置とすることができる。
【0039】
上記散乱層としては、例えば、下反射偏光層の直上または、上基板の内面側に、光散乱機能を備えた層を形成したものを挙げることができる。あるいは、上基板の外面側に前方散乱板を設けても良い。
【0040】
次に、本発明の液晶表示装置では、前記上偏光層を前記上基板の内面側に備えた構成としてもよい。係る構成によれば、上基板の外面側に別途偏光板を設ける必要が無くなるので、製造コストの低減を図ることができる。また、このような偏光層は、上基板の内面側にカラーフィルタや平坦化膜などを形成する工程と連続して形成することができるので、製造工程を大きく変化させることなく、本構成の液晶表示装置を製造することができる。
【0041】
次に、本発明の液晶表示装置では、前記下反射偏光層の透過軸と、前記下偏光層の透過軸とがほぼ直交していることが好ましい。このような構成とすることにより、反射モードの暗表示を行う場合に、下反射偏光層を透過した光のほぼ全てを、下偏光層に吸収させることができるので、暗表示をより暗くし、コントラストを向上させることができる。
【0042】
次に、本発明の液晶表示装置においては、前記下反射偏光層の透過軸と、前記下偏光層の透過軸とが成す角度は、60°以上120°以下の範囲であることが好ましい。
【0043】
図3(b)に示す反射モードにおいて、暗表示を行う場合には、液晶表示装置に入射した外光は、最終的に下偏光層55に吸収されるようになっているが、下反射偏光層51を透過した光のうち、下偏光層55の透過軸に平行な成分は、下偏光層55を透過し、照明装置58側へ出射される。この光が反射板59で反射されて液晶53側へ戻ると、暗表示が明るくなりコントラストが低下する。従って、前記下偏光層55の透過軸と下反射偏光層51の透過軸とが成す角度は、90°(両者が直交)であることが最も望ましいのは勿論であるが、両者の透過軸が成す角度が±30°以内であれば、実用的に用いることができる。両者の透過軸が成す角度が前記範囲を越えると、下偏光層55を透過する光量が多くなり、液晶表示装置のコントラストが低下する。
【0044】
次に、本発明の液晶表示装置においては、前記上基板又は下基板の内面側にカラーフィルタを備えた構成としても良い。このような構成によれば、特に反射モードにおける視差を抑えて混色を防ぎ、良好な視認性を備えた液晶表示装置を実現することができる。
【0045】
次に、本発明の液晶表示装置においては、前記下反射偏光層は、プリズム形状を成す誘電体干渉膜を積層した構造である構成とすることもできる。
【0046】
本発明の液晶表示装置に係る下反射偏光層について、図6を参照して以下に説明する。図6は、プリズム形状を成す誘電体干渉膜を積層して構成された反射偏光層の一例を示す斜視図である。
図6に示す反射偏光層は、表面に周期的な溝を形成した基板60上に、Siからなる層61と、SiO2からなる層62を交互に複数積層して形成された、いわゆる3次元フォトニック結晶層である。このように、プリズム形状を成す層が積層された構成のフォトニック結晶は、光の伝搬特性に異方性を有しており、図示上面側から光が入射された場合には、この入射光の基板60の溝に垂直な方向の成分はフォトニック結晶を透過され、前記溝に平行な成分は反射されるようになっている。すなわち、図6に示す反射偏光層を透過した光Etは、基板60の溝に垂直な偏光となり、反射された光Erは、前記溝に平行な偏光となる。尚、前記層61,62の積層ピッチDは、0.5μm程度とされ、基板60上に形成された溝のピッチPは、0.5μm程度とされる。
【0047】
上記構成の下反射偏光層は、図3に示す液晶表示装置においては、透過軸が図3の紙面に垂直となるよう配置されている。つまり、図6に示す基板60の溝が、図3の紙面に平行となるように配置されており、この反射偏光層の一部に照明装置の光を透過させるための開口部が設けられている。
【0048】
次に、本発明の液晶表示装置では、前記下反射偏光層は、金属反射膜に複数の微細なスリット状の開口部を設けた構成としても良い。この構成を図7を参照して以下に詳細に説明する。図7は、金属反射膜に複数の微細なスリットを設けた反射偏光層の一例を示す斜視図である。
図7に示す反射偏光層は、基板70上に形成されたアルミニウムや銀などの高反射率の金属反射膜71に、複数のスリット72を所定のピッチで形成したものである。複数のスリット72は、互いに平行とされ、スリット幅Psは各スリット72でほぼ同一とされている。各部の寸法は、特に限定されるものではないが、この金属反射膜71の膜厚dは、100〜400nm程度とされ、スリット72の幅Psは、30nm〜300nmとされ、1本の金属反射膜71の幅Pmは、30nm〜300nmとされる。
このような構成の反射偏光層は、上面側から光が入射されると、スリット72の長さ方向に平行な成分は反射され、スリット72の長さ方向に垂直な成分は透過されるようになっている。つまり、図7に示す反射偏光層を透過した光Etは、スリット72に垂直な偏光となり、この反射偏光層により反射された光Erは、スリット72に平行な偏光となる。
【0049】
上記構成の下反射偏光層は、図3に示す液晶表示装置においては、透過軸が図3の紙面に垂直となるよう配置されている。つまり、図7に示すスリット72の長さ方向が、図3の紙面に平行となるように配置されている。また、この反射偏光層の一部に照明装置の光を透過させるための開口部が設けられている。
【0050】
次に、本発明の電子機器は、先に記載の本発明の液晶表示装置を備えたことを特徴とする。この構成によれば、透過モード時に格段に明るい表示が得られる優れた表示部を備えた電子機器を実現することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本実施形態の液晶表示装置の部分断面構造を示す図である。本実施形態は、パッシブマトリクス方式の半透過反射型カラー液晶表示装置の例である。尚、以下の図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0052】
本実施形態の液晶表示装置1は、図1に示すように、下基板(第2の基板)2と上基板(第1の基板)3とが対向配置されてこの上下基板2,3に挟まれた空間にSTN(Super Twisted Nematic)液晶からなる液晶4が挟持されて概略構成された液晶パネル1と、この液晶パネル1の後面側(下基板2の外面側)に配設されたバックライト(照明装置)5とを備えて概略構成されている。
ガラスや樹脂などからなる下基板2の内面側には、図7に示すものと同様の構成の下反射偏光層(反射偏光層)6と、絶縁膜7とが順次積層形成されており、この絶縁膜7上にITO等の透明導電膜からなるストライプ状の走査電極8が図示横方向に延在し、この走査電極8を覆うようにポリイミド等からなる配向膜9が積層されている。また、前記下反射偏光層6には、バックライト5から出射された光を透過させるためのスリット(開口部)10が各画素毎に設けられている。また、前記下基板2の外面側には、下偏光板(第2偏光層)20と、反射偏光板21がこの順に設けられている。尚、この下偏光板20の透過軸と、反射偏光板21の透過軸は、ほぼ平行となるように配置されている。
【0053】
一方、ガラスや樹脂などからなる上基板3の内面側には、前記下基板2の走査電極8と直交するように赤、緑および青のカラーフィルタ11が紙面垂直方向に延在してこの順番に繰り返し配列しており、その上にはこのカラーフィルタ11によって形成された凹凸を平坦化するための平坦化膜12が積層されている。そして平坦化膜12上に、ITO等の透明導電膜からなるストライプ状の電極14が紙面垂直方向に延在しており、この電極14上にポリイミド等からなる配向膜15が積層形成されている。また、上基板3の外面側には、前方散乱板16と、位相差板17と、上偏光板(第1偏光層)13がこの順に上基板3上に積層されて設けられている。バックライト5の下面側(液晶パネル1と反対側)には、反射板18が設けられている。
【0054】
前記下反射偏光層6は、図7に示すように、アルミニウムや銀などからなる金属膜に、幅30〜300nmの微細なスリット状の開口部を互いに平行に複数形成した構成であり、このスリット状の開口部の方向は、下偏光板20の透過軸と、ほぼ平行とされている。すなわち、この下反射偏光層6の透過軸と、下偏光板20の透過軸とがほぼ直交するように配置されている。これにより、反射モード時に下反射偏光層6を透過した光を、効率よく下偏光板20に吸収させることができるので、反射モードの暗表示を暗くして、液晶表示装置のコントラストを向上させることができる。
【0055】
上記基本構成を有する本実施形態の液晶表示装置は、下基板2の内側に、下反射偏光層6を形成して構成されており、従来下基板の外面側に設けることが必須であった1/4波長板が省略されている。このような構成としたことにより本実施形態の液晶表示装置は、反射モード、透過モードいずれにおいても視認性に優れる表示が可能である。特に、透過モードにおいては、下基板2の外面側に1/4波長板が設けられていないので、バックライト5から出射された光のうち下反射偏光層6の裏面側で反射され、バックライト5側へ戻った光を反射板18で反射させて再び液晶パネル1側に戻すことができる。従って、バックライト5の光を有効に表示に利用することができるので、その表示の明るさを従来よりも格段に向上させることができる。
【0056】
また、本実施形態の液晶表示装置の構成によれば、下偏光板20の外面側に、反射偏光板21が設けられているので、バックライト5から出射された光のうち、反射偏光板21の透過軸に平行でない成分は、反射偏光板21に反射されてバックライト5側へ戻され、反射板18との間で反射を繰り返すうちに、その偏光状態が変化して反射偏光板21を透過できるようになり、表示に利用できる光となる。従って、本実施形態の液晶表示装置においては、下偏光板20による光の吸収がほとんど生じないので、バックライト5の光をより効率よく表示に利用することができ、透過モード時の表示の明るさに優れた液晶表示とされている。
【0057】
(第2の実施形態)
本実施の形態において、液晶表示装置の全体構成は図1に示した第1の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。本実施形態の液晶表示装置が、第1の実施形態の液晶表示装置と異なる点は、下反射偏光層6の直上に、カラーフィルタ11が積層されて形成されており、このカラーフィルタ11上にカラーフィルタ11の凹凸を平坦化するための平坦化膜7が設けられている点であり、この部分のみについて図2を用いて説明する。図2は本実施形態の液晶表示装置の部分断面構造を示す図である。なお、図2において図1と共通の構成要素には同一の符号を付している。
【0058】
図2に示す本実施形態の液晶表示装置においては、下反射偏光層6上にカラーフィルタ11が設けられていることにより、反射モード時の色ずれや視差を低減することができる。これは、カラーフィルタ11が下反射偏光層6の直上に設けられていることにより、1つの色素層(例えばR画素)を透過した後、下反射偏光層6により反射され、再び同じ色素層を透過するためである。
【0059】
(電子機器)
上記各実施の形態の液晶表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
【0060】
図8(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。この図において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0061】
図8(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。この図において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0062】
図8(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図8(c)において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0063】
図8(a)〜(c)に示す電子機器は、上記実施の形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を備えているので、透過モードで明るい表示が得られる表示部を有する電子機器を実現することができる。
【0064】
【実施例】
以下、実施例により本発明の効果を明らかにするが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0065】
(実施例1)
実施例1として、図1に示す構成の液晶表示装置を作製した。いずれの液晶表示装置もドット数160ドット×120ドット、ドットピッチ0.24mmのパッシブマトリクス方式の半透過反射型カラー液晶表示装置とした。
実施例1の液晶表示装置において、下反射偏光層6は、図7に示す構成のアルミニウム薄膜にスリットを形成したものとした。この下反射偏光層6の膜厚は300nmとし、前記スリットのピッチは150nm、スリットの幅は、75nmとした。また、各画素毎に下反射偏光層6に0.068mm×0.022mmの開口部(下反射偏光層6の無い部分)を2個、画素の対角に並べて形成した。
【0066】
(比較例1)
次に、比較例1として、図9に示す従来の構成の液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置も、上記実施例1の液晶表示装置と同様にドット数160ドット×120ドット、ドットピッチ0.24mmのパッシブマトリクス方式の半透過反射型カラー液晶表示装置とした。
【0067】
(評価)
上記実施例1および比較例1の液晶表示装置について、透過モード、反射モードそれぞれの表示の明るさに対応する透過率および反射率を測定した。また、透過モード、反射モードそれぞれのコントラストも測定した。これらの測定結果を表1に示す。
表1に示すように、比較例1の液晶表示装置に比して、本発明の構成である実施例1の液晶表示装置は、透過率が3倍以上に向上していることが確認された。また、透過時のコントラストも2倍となり、大幅に向上していることが確認された。これは、実施例1の液晶表示装置がバックライト5の光を効率的に表示に利用することができるためである。
一方、実施例1の液晶表示装置の反射率は30%であり、比較例1の液晶表示装置と同等であったが、反射モードのコントラストは大幅な向上が確認された。このコントラストの向上は、明表示の明るさは同等であるが、暗表示はより暗くなったためである。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の液晶表示装置は、透過モードと反射モードを切替ながら使用する半透過反射型の液晶表示装置において、下基板の内面側に下反射偏光層を設け、この下反射偏光層の下側に下偏光層を設けた構成としたので、透過モードにおいては、照明装置から出射される光の利用効率を向上させて明るい表示を実現することができ、反射モードにおいては、暗表示をより暗くしてコントラストの向上を実現することができる。
【0070】
次に、本発明の電子機器は、先に記載の本発明の液晶表示装置を備えたことにより、透過モード時に格段に明るい表示が得られ、コントラストに優れた表示部を備えた電子機器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施形態の液晶表示装置の部分断面図である。
【図2】 図2は、本発明の第2の実施形態の液晶表示装置の部分断面図である。
【図3】 図3は、本発明の液晶表示装置の動作原理を説明するための説明図であり、図3(a)は透過モード、図3(b)は反射モードの状態を示している。
【図4】 図4は、図10に示す構成の液晶表示装置の動作原理を説明するための説明図であり、図4(a)は透過モード、図4(b)は反射モードの状態を示している。
【図5】 図5は、本発明の他の構成の動作原理を説明するための説明図である。
【図6】 図6は、本発明の液晶表示装置の下反射偏光層の一例を示す斜視図である。
【図7】 図7は、本発明の液晶表示装置の下反射偏光層の一例を示す斜視図である。
【図8】 図8(a)〜(c)は、本発明の電子機器の一例を示す斜視図である。
【図9】 図9は、従来の構成の液晶表示装置の一例を示す部分断面図である。
【図10】 図10は、従来の構成の液晶表示装置の他の例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 液晶表示装置
2 下基板
3 上基板
4 液晶
5 バックライト(照明装置)
6 下反射偏光層
11 カラーフィルタ
13 上偏光板(上偏光層)
20 下偏光板(下偏光層)
Claims (13)
- 互いに対向する第1の基板と第2の基板との間に液晶が挟持され、
該液晶の前記第1の基板側に第1偏光層が設けられ、
該液晶の前記第2の基板側に透過軸と反射軸とを有する反射偏光層が設けられ、
前記第2の基板の外面側に照明装置が設けられ、
透過モードと反射モードの切替により表示を行う半透過反射型の液晶表示装置であって、
前記反射偏光層が、前記第2の基板の内面側に部分的に設けられ、前記反射偏光層に、前記照明装置から出射された光を透過させる開口部が各画素毎に設けられ、
前記反射偏光層と前記照明装置との間に、第2偏光層が設けられ、前記第1偏光層側から前記液晶に入射する光、及び前記照明装置から出射されて前記液晶に入射する光が直線偏光であることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記第2偏光層と前記照明装置との間に、反射軸と、前記第2偏光層の透過軸とほぼ平行な透過軸とを有する反射偏光板を備えたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記第2偏光層の透過軸と、前記反射偏光板の透過軸とが成す角度は、−30°以上30°以下の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
- 前記第2偏光層を前記第2の基板の外面側に備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記反射偏光層より前記第1の基板側に、該反射偏光層により反射された光を散乱させるための散乱層が設けられたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記第1偏光層を前記第1の基板の内面側に備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記反射偏光層の透過軸と、前記第2偏光層の透過軸とは、ほぼ直交していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記反射偏光層の透過軸と、前記第2偏光層の透過軸とが成す角度は、60°以上120°以下の範囲であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記第1の基板又は第2の基板の内面側にカラーフィルタを備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記反射偏光層は、プリズム形状を成す誘電体干渉膜を積層した構造であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記反射偏光層は、金属反射膜に複数の微細なスリット状の開口部を設けた構成であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記スリット状の開口部のピッチは、30nm〜300nmの範囲であることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置。
- 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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