JP2004028041A - 排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】広い温度域、特に通常の排気ガス温度が200℃以下の低温域でのNOx吸着還元触媒のCO被毒を回避・抑制し、NOx吸着還元触媒の活性を良好な状態に保持できる排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法を提供すること。
【解決手段】上流側の排気ガス成分濃度調整手段は空燃比がリッチ域又はストイキ域のときに排気ガス中のCO濃度を低減し、下流側のNOx吸着還元触媒は空燃比がリーン域のときにNOxを吸着し、リッチ域又はストイキ域のときに吸着したNOxを窒素へ還元し、
NOx吸着還元触媒に流入する排気ガス温度がTNOx℃以下、リッチ運転又はストイキ運転でCO濃度が増大し、リッチスパイク後のリーン運転でNOx吸着還元触媒入口近傍のNOx濃度がCNOxppm以上であるとき、NOx吸着還元触媒の温度をTNOx℃超にする排気ガス浄化システムである。
【選択図】 図1
【解決手段】上流側の排気ガス成分濃度調整手段は空燃比がリッチ域又はストイキ域のときに排気ガス中のCO濃度を低減し、下流側のNOx吸着還元触媒は空燃比がリーン域のときにNOxを吸着し、リッチ域又はストイキ域のときに吸着したNOxを窒素へ還元し、
NOx吸着還元触媒に流入する排気ガス温度がTNOx℃以下、リッチ運転又はストイキ運転でCO濃度が増大し、リッチスパイク後のリーン運転でNOx吸着還元触媒入口近傍のNOx濃度がCNOxppm以上であるとき、NOx吸着還元触媒の温度をTNOx℃超にする排気ガス浄化システムである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気ガス浄化システムに係り、更に詳細には、CO被毒現象を抑制し、NOxを高効率で浄化する排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、NOx吸着還元型浄化触媒を用い、リーンとリッチ、ストイキを繰り返して排気ガスを浄化する方法が提案されている。
例えば、特許第2600492号公報では、NOx吸着材量に対して、NOx触媒に流入するNOx量が50%に達すると、リッチスパイク(R/S)制御を行う方法が提案されている。但し、ここでは使用温度域に関しては言及されていない。
【0003】
また、近年、内燃機関の技術の発展により、燃料消費率(燃費)の向上とともに、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOx)等の有害物質の排出が低減されてきている。
ここで、燃費の向上は燃焼効率の改善によるものが多いため、排気温度は低温化する傾向にある。これは触媒に対しては好ましくない状態である。
例えば、平均排気温度が200℃付近の低排温域におけるNOx浄化において上述のような、NOx吸着材量に対するNOx量の領域でNOx浄化を行おうとすると、R/S時のCO濃度が高い領域(3%)では、吸着窒素酸化物(NOx)の脱離が上手く行えず、その結果、十分なNOx触媒性能が得られないという問題があった。
【0004】
かかる低排温でのNOx浄化技術として、例えば、特開平2001−234737号公報では、水素を生成する触媒をNOx触媒前段に配置させ、NOx触媒に水素を供給し、NOxを浄化する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記NOx浄化技術では、低排温(200℃)でのNOx浄化に有効な水素を還元剤として用いるため、図3に示すように、R/S運転時の排気ガス中に含まれるCO濃度が高い場合は、水素によるNOx浄化反応がCOにより阻害を受けてしまい、十分なNOx浄化性能が得られないという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、広い温度域、特に通常の排気ガス温度が200℃以下の低温域でのNOx吸着還元触媒のCO被毒を回避・抑制し、NOx吸着還元触媒の活性を良好な状態に保持できる排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、NOx吸着還元触媒を流通する排気ガスを所定の条件で制御することにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排気ガス浄化システムについて詳細に説明する。なお、本明細書において「%」は、特記しない限り質量百分率を示す。
【0009】
本発明の排気ガス浄化システムは、内燃機関の排気ガス通路の上流側に排気ガス成分濃度調整手段を配設し、その下流側にNOx吸着還元触媒を配置して成る。このような構成とすることで、NOx吸着還元触媒がCO被毒を受けたときでも、NOx吸着還元触媒を所望温度に加熱し、リッチスパイク(R/S)により内燃機関の空燃比状態をリーン域からリッチ域へ切り替えて、CO被毒を容易に回避・抑制できる。
ここで、「CO被毒」とは、COの吸着により、NOx吸着還元触媒がリーン域でNOxを吸着できなくなる現象、言い換えれば、NOx吸着還元触媒が現在蓄えているNOxを放出・浄化できない状態となることをいう。例えば、200℃付近の低温運転時且つリッチスパイク(R/S)時のCO濃度が高い場合(例えば3%)に生じる。CO被毒作用により、200℃付近の低温では、NOx吸着還元触媒の表面に吸着したCOは活性しにくいため、触媒活性種である貴金属上に未反応のままとどまってしまう。吸着したCOにより貴金属種のNOx浄化性能が著しく阻害される。現時点では、このメカニズムの詳細は明らかではないが、本来、貴金属が吸着しているNOx種の出入りの窓口を担っていると推察できる。
なお、「リッチスパイク(R/S)」とは、リーンバーンエンジンなどの内燃機関において、一時的に空燃比をリッチ域(例えばA/F=12)へ切り替えることをいう。
【0010】
本発明の排気ガス浄化システムでは、上記排気ガス成分濃度調整手段が、空燃比がリッチ域又はストイキ域のときに排気ガス中のCO濃度を低減する。これより、CO被毒を回避・抑制しうる。かかる排気ガス成分濃度調整手段としては、例えば、CO吸着触媒であるPtを担持したCeO2(酸化セリウム)などが挙げられる。
【0011】
また、上記NOx吸着還元触媒は、空燃比がリーン域のときに窒素酸化物を吸着し、空燃比がリッチ域又はストイキ域のときに吸着した窒素酸化物を窒素へ還元する。上記NOx吸着還元触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類、又はこれらの任意の組合せに係る元素を含んで成ることが好適である。
【0012】
更に、これら元素は、次式1
M‐(NO3)y・(nH2O)+CO→M‐Ox+CO2+N2 …(1)
で表される反応により酸化物を生成するときの200℃におけるギブス自由エネルギー変化ΔGが、次式2
ΔG≦−1200kJ/Mol …(2)
(Mを1原子として計算する)を満たすことがより好適である。反応式1のΔG値が低いと、硝酸塩の還元分解反応が進行し易く、CO被毒を容易に緩和できる。従って、式2のΔG値を満たす元素を使用することにより、低温でのNOx浄化性能が更に向上しうる。かかる元素Mとしては、例えばMgなどが挙げられる。
【0013】
ここで、本排気ガス浄化システムは、NOx吸着還元触媒に流入する排気ガス温度がTNOx℃以下、且つリッチ運転又はストイキ運転でCO濃度が増大し、リッチスパイク後のリーン運転でNOx吸着還元触媒入口近傍のNOx濃度がCNOxppm以上であるとき、NOx吸着還元触媒の温度をTNOx℃超にする。これより、排気ガス温度がTNOx℃以下でのNOx吸着還元触媒のCO被毒を回避・抑制し、NOx吸着還元触媒の活性を良好な状態に保持する。
代表的には、TNOxを250〜270℃、CNOxを180〜200ppm以上にすることができる。
【0014】
また、本排気ガス浄化システムは、触媒温度検知手段、NOx濃度検知手段及びCO濃度検知手段を備えることが好適である。具体的には、上記触媒温度検知手段がNOx吸着還元触媒の入口温度を検出し、上記NOx濃度検知手段がリーン運転時に該NOx吸着還元触媒に流入するNOx量及びNOx濃度を検出又は推定し、上記CO濃度検知手段がリッチ運転時又はストイキ運転時のCO濃度を検出又は推定する、ことができる。この場合は、排気ガス成分濃度の調整が容易になり、また、内燃機関の空燃比状態をリーン域からリッチ域へ切り替えるタイミングの判断が容易になるため有効である。
【0015】
更に、NOx吸着還元触媒加熱手段を備えることが好適である。具体的には、この加熱手段が、内燃機関の点火時期、吸入空気量、燃料噴射量、回転数又はEGR(Exhaust Gas Recirculation)率、及びこれらの任意の組合せに係るものを制御して、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度を上昇させることができる。これより、NOx吸着還元触媒の性能が十分でない場合、即ち、R/S後のNOx吸着還元触媒出口のNOx濃度が所定値(例えば20ppm)を超えている場合を、NOx吸着還元触媒がCO被毒を受けていると推測し、上記制御により、NOx吸着還元触媒の入口温度をCO被毒が生じない温度域まで昇温させることができる。
【0016】
図3に示すように、NOx吸着還元触媒の温度が250℃に満たない場合は、CO被毒作用を完全に緩和できず、十分なNOx浄化性能が得られない。これに対し、図4示すように、NOx吸着還元触媒の温度が250℃以上であると、CO被毒作用は緩和され、高いNOx浄化性能が得られる。従って、NOx吸着還元触媒の温度を250℃まで昇温させることにより、低温(200℃付近)特有のCO被毒現象を回避できる。
なお、250℃以下の低温で且つCO濃度が高いと、一旦貴金属上に吸着したCOは、安定化し反応性が低下し易いが、昇温することにより当該COを活性化させ、吸着NOxと反応させることができる。また、CO被毒現象が一旦解除されると、NOx吸着還元触媒近傍の温度が再度250℃以下の低温となっても一定期間は十分な触媒性能が発揮されるので、昇温処理はNOx吸着還元触媒近傍の温度や排気ガス濃度より判断された時期に一時的に行うことができる。
【0017】
また、従来から、NOx吸着元素を分解し易くして、低温のNOx浄化性能を向上させることが知られている。これに対し、本発明者らは、NOx吸着元素のモル数に対するNOx吸着量がCO被毒作用を回避・抑制するための重要な因子であることを見出した。
即ち、リーン運転時にNOx吸着還元触媒に流入するNOx量の比率を制御することで、CO被毒作用を回避・抑制できる。具体的には、NOx吸着還元触媒が吸着するNOxのモル数を、含有するNOx吸着材のモル数の1.5%未満に制御することができる。例えば、アルカリ土類元素であるMgをNOx吸着材として含む場合、MgOの含浸量のモル数に対して、NOx吸着還元触媒に吸着したNOx吸着量が該モル数の1.5%を超えると、CO被毒作用が生じ易い。従って、NOx吸着還元触媒に蓄えられるNOx吸着量を監視又は推定し、NOx吸着材のモル数の1.5%未満に制御することにより、低温でのNOx浄化反応を促進できる。
【0018】
更に、CO被毒作用の発生は、NOx吸着量が一定量を超えた場合だけでなく、リーン域のNOx濃度も影響する。言い換えれば、リーン時の流入NOx量が同じでも、NOx濃度が一定値を超えるとCO被毒作用が生じ易い。このため、例えば、リーン域のNOx吸着還元触媒入口のNOx濃度を監視又は推定し、20ppm以下に制御することで、CO被毒作用を回避・抑制してNOx浄化を行うことができる。
なお、上述したNOx吸着量制御及びNOx濃度制御のしきい値は、元素種、運転条件(排気条件)などにより変動することは言うまでもない。
【0019】
次に、本発明の排気ガス浄化方法について詳細に説明する。
まず、本発明の第1の排気ガス浄化方法では、上述の排気ガス浄化システムを用い、
リッチ運転時又はストイキ運転時にCO濃度が増大し、リッチスパイク後のリーン運転時にNOx吸着還元触媒入口近傍のNOx濃度がCNOxppm超であり、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度がTNOx℃以下であるときに、上記NOx吸着還元触媒加熱手段を用いてNOx吸着還元触媒入口近傍の温度をTNOx℃超まで上昇させる。これより、TNOx℃以下の低温域でのNOx吸着還元触媒のCO被毒が効率良く回避・抑制される。
【0020】
また、本発明の第2の排気ガス浄化方法では、上述の排気ガス浄化システムを用い、
上記NOx吸着還元触媒に吸着したNOx種が、NO2 δ−種からNO3 δ−種へ酸化されたときに、上記NOx吸着還元触媒加熱手段を用いてNOx吸着還元触媒入口近傍の温度を上昇させる。
上述したように、250℃以下の低排温域におけるNOx吸着還元触媒のCO被毒作用は、NOx濃度やNOx量の影響を受ける。この詳細なメカニズムは現時点では明らかではないが、NOx吸着還元触媒の表面近傍のNOx濃度に対して気相のNOx濃度が高いと、分圧差(濃度勾配)を駆動力(反応の進行元)として、NOxの吸着反応が進行しやすいこと、また、NOx量が多いとき(リーン域の運転時間が長いとき)は、吸着したNO2吸着種がNO3種へと更に酸化されリッチ運転時に分解されにくい吸着種となること、が原因であると推察できる。
このため、このNO3種を生じさせない領域(NO2 δ−種からNO3 δ−種へ酸化されたとき)でR/S制御を施すことにより、CO被毒作用が回避される。なお、「NO2 δ−種からNO3 δ−種へ酸化されたとき」の判断方法としては、例えば、赤外分光法(FT−IR)測定による表面吸着種観察などが挙げられる。
【0021】
更に、本発明の第3の排気ガス浄化方法では、上述の排気ガス浄化システムを用い、
内燃機関のリーン運転時に、NOx吸着還元触媒の温度、流入するNOx量、NOx濃度又はCO濃度、及びこれらの任意の組合せに係るものを測定し、当該測定値が各しきい値を超えているときに、内燃機関をリッチ運転へ切り替える。この場合は、NOx吸着還元触媒のCO被毒が効率良く回避・抑制される。
【0022】
例えば、リーン運転時に、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度がTNOx℃以下、NOx濃度がCNOxppm超であるとき、又はCNOxppm以下でありNOx吸着還元触媒に含まれるNOx吸着材量AdNmolと流入NOx濃度CINOxppmとが、次式
K×AdN<CINOx×TL
(Kは補正係数[mol/s]、TLはリーン運転期間[s])を満たすときに、NOx吸着還元触媒をTNOx℃超まで上昇させ、リッチスパイクを行うことができる。また、これらの値は触媒に含まれる吸着材元素種により異なる。
【0023】
また、リーン運転時に、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度がTNOx℃以下であり、NOx濃度がCNOx以上であるときに、NOx吸着還元触媒をTNOx℃超まで上昇させ、リッチスパイクを行うことができる。
【0024】
更に、リーン運転時に、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度がTNOx℃以下、NOx濃度がCNOxppm以下であり、NOx吸着還元触媒に含まれるNOx吸着材量AdNmolと流入NOx濃度CINOxppmとが、次式
K×AdN<CINOx×TL
(Kは補正係数、TLはリーン運転期間)を満たすときに、NOx吸着還元触媒をTNOx℃超まで上昇させ、リッチスパイクを行うことができる。
【0025】
更にまた、リーン運転時に、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度が200℃以下であり、リッチスパイク直後のNOx濃度が20ppm超であるとき、NOx吸着還元触媒を250℃超まで上昇させ、リッチスパイクを行うことができる。
【0026】
このようなタイミングでリッチスパイクを行うことで、NOx吸着還元触媒のCO被毒が効率良く回避・抑制できる。吸着材としてMgを用いた場合は、代表的な各しきい値として、上記TNOxは200℃、上記CNOxは20ppm、上記CINOxは100ppmを例示できる。
なお、CO被毒を解除できる限り、上記TNOx、CNOx及びCINOxは、上記浄化方法と異なる位置(NOx吸着還元触媒の上流側又は下流側)で測定してもよい。
また、これらの浄化方法では、ECU(エンジンコントロールユニット)を組み込み、CO被毒が生じている又は生じそうであると判断した際に、上記操作を行い、昇温し、リッチスパイク処理を行い、NOx吸着還元触媒のCO被毒を解除することが有効である。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0028】
<触媒調製>
(触媒A)
ジニトロジアンミンPt溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pt担持アルミナ粉末(粉末A)を得た。この粉末のPt濃度は3.0%であった。
硝酸Rh水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh担持アルミナ粉末(粉末B)を得た。この粉末のRh濃度は2.0%であった。
上記粉末Aを576g、粉末Bを86g、活性アルミナ粉末を238g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーを得た。このスラリーをコージェライト質モノリス担体(1.7L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層200g/Lの触媒を得た。
なお、上記触媒Aは、CO低減手段としての触媒Aとして用いる。
【0029】
(触媒B)
硝酸セリウム溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中600℃で1時間焼成してセリウム担持アルミナ粉末(粉末C)を得た。ジニトロジアンミンPt溶液を粉末Cに含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pt−セリウム担持アルミナ粉末(粉末D)を得た。この粉末のセリウム濃度は5.0%、Pt濃度は3.0%であった。
硝酸Rh水溶液を粉末Cに含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh・セリウム担持アルミナ粉末(粉末E)を得た。この粉末のセリウム濃度は5.0%、Rh濃度は2.0%であった。
上記粉末Dを576g、粉末Eを86g、活性アルミナ粉末を238g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーを得た。このスラリーをコージェライト質モノリス担体(1.7L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層200g/Lの触媒を得た。
この触媒を任意の濃度の酢酸バリウム溶液に浸漬し、余剰の溶液を空気気流中にて、除去した後、150℃の空気気流にて乾燥、400℃、空気雰囲気中にて焼成し、触媒Bを得た。この時の触媒コート量は240g/Lであった。
【0030】
(触媒C)
酢酸バリウムのかわりに酢酸マグネシウム水溶液を使用した以外は、触媒Bと同様の製造工程を繰り返して、触媒Cを得た。400℃、空気雰囲気中にて焼成後の触媒コート量は210g/Lであった。
また、この触媒Cを下記耐久条件にて、耐久処理後、その一部をくり抜き、0.02Lとし、触媒cを得た。
【0031】
(触媒D)
酢酸バリウムのかわりに酢酸ナトリウム水溶液を使用した以外は、触媒Bと同様の製造工程を繰り返して、触媒Dを得た。400℃、空気雰囲気中にて焼成後の触媒コート量は205g/Lであった。
【0032】
<触媒評価>
触媒活性評価試験条件
耐久試験条件
上記触媒A〜D及びcの耐久処理を、実エンジン排ガスを用いて実施した。
評価エンジン ;日産自動車株式会社製 直列6気筒2.0Lエンジン
使用燃料 ;日石ダッシュガソリン
(Pb0mg/usg.,S=30ppm以下)
触媒入口排気温度 ;700℃
耐久時間 ;50時間
【0033】
1)モデルガス評価試験
排気モデルガス触媒評価試験を実施した。
反応温度 ;任意
反応ガス流量 ;20L/分(SV=60000Hr−1)
反応ガス組成 ;表1に示す。
【0034】
また、NOx転化率は以下の式より計算した。
NOx転化率
=[流入NOx量(リーン+リッチ)−出NOx量(リーン+リッチ)]
/ 流入NOx量(リーン+リッチ)
【0035】
(実施例1〜4及び比較例1)
実施例1〜4及び比較例1の評価条件を表1に示す。また、触媒性能評価結果を図5に示す。
なお、触媒の履歴は、同一の触媒を用い、実施例1→比較例1→実施例2→実施例3→実施例4の評価順序で評価した。
【0036】
【表1】
【0037】
図5より、実施例1〜4では、CO被毒作用が昇温により回避できることが明らかである。
即ち、排気温度200℃において、実施例1(R/S時のCOがない)では、高いNOx浄化性能を示すが、これに対し、比較例1(R/SのCO濃度が3%)では、NOx浄化性能が低下してしまうのでCO被毒作用を受けていることがわかる。このCO被毒作用は、吸着NOxの脱離、浄化が上手く進行しないことにより生じたと推察できるが、触媒が一旦この状態になると、低温でのNOx浄化に有効な水素がNOx吸着還元触媒に到達しても、十分なNOx浄化性能が得られない。
しかし、NOx吸着還元触媒がCO被毒状態に陥っても、一旦250℃まで、NOx吸着還元触媒の温度を上昇させることにより(実施例2)、CO被毒作用を解除でき、その後も良好なNOx転化率が保持できることがわかる(実施例3及び4)。
また、同じ排気条件のみを比較すると、比較例1と実施例4の触媒性能が異なる理由については、NOx吸着還元触媒に蓄えられているNOx量に差があること、又はNOx吸着種の状態が異なることが推察できる。言い換えれば、NOx吸着還元触媒が働くまでの履歴が異なるためと考えられる。
【0038】
(実施例3、4及び比較例2〜7)
実施例3、4及び比較例2〜7の評価条件を表2に示す。また、触媒性能評価結果を図6に示す。なお、触媒の履歴は、同一の触媒を用い、実施例3→実施例4、比較例2→比較例3、比較例4→比較例5及び比較例6→比較例7の評価順序で評価した。
【0039】
【表2】
【0040】
図6より、NOx吸着還元触媒に流入するNOx量によりCO被毒作用が生じることが明らかである。
即ち、実施例3及び4ではCO被毒現象が生じなかったのに対し、比較例2及び3ではリーン時のNOx濃度を変えずにリーン時間を2倍にしたため、比較例4及び5ではリーン時間を変えずにリーン時及びリッチ時のNOx濃度を2倍にしたため、各々CO被毒作用が生じていることがわかる。これは、NOx吸着還元触媒に流入するNOx量が多くなることにより、CO被毒作用が生じることを示している。
【0041】
また、CO被毒作用が生じる要因として、リーン域のNOx濃度も挙げられる。比較例6及び7は、実施例3及び4と同様の流入NOx量となるように、リーンNOx濃度を2倍、リーン時間を半分として評価を実施したが、流入NOx量が多い領域でもCO被毒作用が生じてしまうことが予想される。即ち、200℃付近の低温でのNOx吸着還元浄化において、問題とされるCO被毒作用は、流入NOx量、濃度に大きく影響を受けるため、これらを、CO被毒作用が生じないような排気ガス組成、温度及び内燃機関の運転条件に制御することにより、燃費の悪化を最小限にとどめ、且つ十分なNOx浄化性能を得ることができるものと予測される。
【0042】
なお、このNOx濃度及びNOx量はNOx吸着材元素とNOx吸着還元触媒中に含まれるNOx吸着材量に大きく影響を受けるため、上記制御因子である排気ガス組成、温度、内燃機関の運転条件は、NOx吸着材種、量により変更される。そのため、具体的には、車両に搭載するNOx吸着還元触媒中のNOx吸着材種、量により、最適な流入NOx量、濃度及び温度などを予めエンジンコントロールユニット(ECU)内のROMに記憶させておき、CO被毒作用が生じないようコントロールすることがよい。
【0043】
(実施例5〜16及び比較例8〜10)
実施例5〜16で採用した制御フロー1〜4について説明する。
【0044】
1) 車両評価試験
下記、評価試験条件にて実施した。
【0045】
図1に示すような直噴ガソリンエンジンを用いた。このエンジンは、運転時に常に、転火時期、吸入空気量、燃料噴射量、燃料噴射時期及びEGR率により、そのエンジンアウトのNOx濃度が変動するが、これらのデータを予め、ROM内に蓄えておき、常に運転状態を監視又は推測した。なお、NOxの濃度を監視又は推測する際の検知手段として、図2に示すように、A/Fセンサの変わりにNOxセンサを用いても良い。
【0046】
<制御フロー1>
実施例5、9及び13で採用した制御方法について説明する。また、フロー図を図7に示す。
まず、ステップ1(以下「S1」のように省略する)では、R/S直後のリーン運転開始時をTL=0として、NOx吸着還元触媒のCO被毒判断を開始する。
【0047】
次に、S2では、NOx吸着還元触媒の入口温度を測定し、CO被毒作用が発生しないしきい値として、TNOxを超えているか否かを判断する。
【0048】
この結果、排温がTNOx℃以下である場合(「Yes」のとき)は、CO被毒作用が生じる可能性があるため、S3に進み、NOx吸着還元触媒の出口近傍のNOx濃度を測定し、CO被毒作用が生じるNOx濃度(CNOxppm)以下であるか否かを判断する。一方、排温がTNOx℃超である場合(「No」のとき)は、CO被毒なしと判断する(S8)。
【0049】
また、S3でNOx吸着還元触媒入口の濃度がCNOxppm以下である場合(「Yes」のとき)は、S4に進み、流入NOx濃度CINOxppm(吸入空気量、EGR率とともに、流入NOx量を推定又は算出)とNOx吸着還元触媒に含まれるNOx吸着材量(AdNmol)とから、次式
K×AdN≧CINOx×TL
(Kは補正係数[mol/s]であって、CO被毒が生じ始める流入NOx量、AdNはROMにMAPを記憶させた値、TLはリーン運転期間[s]を示す。)を満たすか否かを判断する。
【0050】
この結果、上記式を満たすとき(「Yes」のとき)は、S9に進み、リーン運転を継続する。
また、上記式を満たさないとき(「No」のとき)は、S5に進み、NOx吸着還元触媒入口の温度を上昇させる。なお、S3で、NOx吸着還元触媒入口の濃度がCNOx超である場合(「No」のとき)も同様にS5に進める。
【0051】
NOx吸着還元触媒入口の温度を上昇させた後、R/S制御を施す(S6)。これより、CO被毒作用は回避できる。R/S後、NOx吸着還元触媒入口の温度は下降する(S7)。
以上の制御により、NOx吸着還元触媒のCO被毒作用を検出、解除することにより燃費悪化を最低限に抑制しながら、高いNOx浄化性能を得ることができる。
【0052】
<制御フロー2>
実施例6、10及び14で採用した制御方法について説明する。また、フロー図を図8に示す。
制御フロー2は、上述の制御フロー1をより簡略化したものであるが、内燃機関の運転中に、所定のNOx濃度(CNOxppm)を、NOx吸着還元触媒に流入するNOx濃度(CINOxppm)が上回ったことを検知又は推定した場合、即ちCO被毒作用が発生することが予想される場合に、速やかにNOx吸着還元触媒温度を上昇させ、R/S処理を行うものである。制御フローを簡略化することにより、例えば、車両に搭載するメモリーを軽減しつつ、高いNOx浄化性能を得ることができる。
【0053】
<制御フロー3>
実施例7、11及び15で採用した制御方法について説明する。また、フロー図を図9に示す。
制御フロー3は、制御フロー1をより簡略化したものであるが、内燃機関の運転中に、所定のNOx量及びNOx吸着還元触媒に流入するNOxが所定の濃度(CINOxppm)を上回ったことを検知又は推定した場合、即ちCO被毒作用が発生することが予想される場合に、速やかにNOx吸着還元触媒温度を上昇、R/S処理を行うものである。制御フローを簡略化することにより、車両に搭載するメモリーを軽減しつつ、高いNOx浄化性能を得ることができる。
【0054】
<制御フロー4>
実施例8、12及び16で採用した制御方法について説明する。また、フロー図を図10に示す。
制御フロー4は、NOx吸着還元触媒温度がTNOx以下の運転条件で、A/Fセンサ及びNOxセンサを用いてNOx吸着還元触媒出口のNOx濃度を測定又は推定する際、R/S制御直後のNOx濃度が既に20ppmを上回っている場合は、R/S直後にもかかわらずNOxを吸着除去できない、即ちCO被毒作用が生じていると判断し、上記NOx吸着還元触媒加熱手段を用いて昇温し、R/S処理を施すものである。これより、CO被毒作用を解除しつつ高いNOx浄化性能を得ることができる。
【0055】
実施例5〜16及び比較例8〜10の評価結果を表3及び図11に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
図11より、実施例5〜8(触媒A+B)では、本発明の好適形態である制御フロー1〜4を採用しているため、いずれにおいてもNOx転化率が良好であることがわかる。一方、比較例8では、かかる制御フローを採用していないため、NOx転化率が低下してしまう。
また、実施例9〜12(触媒A+C)では、本発明の好適形態である制御フロー1〜4を採用しているため、いずれにおいてもNOx転化率が良好であることがわかる。一方、比較例9では、かかる制御フローを採用していないため、NOx転化率が低下してしまう。
更に、実施例13〜16(触媒A+D)では、本発明の好適形態である制御フロー1〜4を採用しているため、いずれにおいてもNOx転化率が良好であることがわかる。一方、比較例10では、かかる制御フローを採用していないため、NOx転化率が低下してしまう。
【0058】
以上、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、NOx吸着還元触媒の上流側又は下流側に三元触媒などを更に配設することもできる。
また、三元触媒の代わりに、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)などを更に配設しても良い。
【0059】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、NOx吸着還元触媒を流通する排気ガスを所定の条件で制御することとしたため、広い温度域、特に排気ガス温度が200℃以下の低温域でのNOx吸着還元触媒のCO被毒を回避・抑制し、NOx吸着還元触媒の活性を良好な状態に保持できる排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】排気ガス浄化システムの一例を示す概略図である。
【図2】排気ガス浄化システムの他の例を示す概略図である。
【図3】200℃におけるR/S時CO濃度とNOx転化率の関係を示すグラフである。
【図4】200℃、250℃及び260℃におけるR/S時CO濃度とNOx転化率の関係を示すグラフである。
【図5】実施例1〜4及び比較例1におけるNOx転化率を示すグラフである。
【図6】実施例3、4及び比較例2〜7におけるNOx転化率を示すグラフである。
【図7】本発明の浄化方法の一例を示すフロー図である。
【図8】本発明の浄化方法の他の例を示すフロー図である。
【図9】本発明の浄化方法の更に他の例を示すフロー図である。
【図10】本発明の浄化方法の他の例を示すフロー図である。
【図11】実施例5〜16及び比較例8〜10におけるNOx転化率を示すグラフである。
【符号の説明】
a ECU(エンジンコントロールユニット)
b エアクリーナー
c エアフローメーター
d スロットル
e インジェクタ−
f クランク角センサー
g 点火プラグ
h EGRバルブ
i CO低減触媒
j 排気温度センサー
k NOx吸着還元触媒
l A/Fセンサー又はNOxセンサー
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気ガス浄化システムに係り、更に詳細には、CO被毒現象を抑制し、NOxを高効率で浄化する排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、NOx吸着還元型浄化触媒を用い、リーンとリッチ、ストイキを繰り返して排気ガスを浄化する方法が提案されている。
例えば、特許第2600492号公報では、NOx吸着材量に対して、NOx触媒に流入するNOx量が50%に達すると、リッチスパイク(R/S)制御を行う方法が提案されている。但し、ここでは使用温度域に関しては言及されていない。
【0003】
また、近年、内燃機関の技術の発展により、燃料消費率(燃費)の向上とともに、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOx)等の有害物質の排出が低減されてきている。
ここで、燃費の向上は燃焼効率の改善によるものが多いため、排気温度は低温化する傾向にある。これは触媒に対しては好ましくない状態である。
例えば、平均排気温度が200℃付近の低排温域におけるNOx浄化において上述のような、NOx吸着材量に対するNOx量の領域でNOx浄化を行おうとすると、R/S時のCO濃度が高い領域(3%)では、吸着窒素酸化物(NOx)の脱離が上手く行えず、その結果、十分なNOx触媒性能が得られないという問題があった。
【0004】
かかる低排温でのNOx浄化技術として、例えば、特開平2001−234737号公報では、水素を生成する触媒をNOx触媒前段に配置させ、NOx触媒に水素を供給し、NOxを浄化する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記NOx浄化技術では、低排温(200℃)でのNOx浄化に有効な水素を還元剤として用いるため、図3に示すように、R/S運転時の排気ガス中に含まれるCO濃度が高い場合は、水素によるNOx浄化反応がCOにより阻害を受けてしまい、十分なNOx浄化性能が得られないという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、広い温度域、特に通常の排気ガス温度が200℃以下の低温域でのNOx吸着還元触媒のCO被毒を回避・抑制し、NOx吸着還元触媒の活性を良好な状態に保持できる排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、NOx吸着還元触媒を流通する排気ガスを所定の条件で制御することにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排気ガス浄化システムについて詳細に説明する。なお、本明細書において「%」は、特記しない限り質量百分率を示す。
【0009】
本発明の排気ガス浄化システムは、内燃機関の排気ガス通路の上流側に排気ガス成分濃度調整手段を配設し、その下流側にNOx吸着還元触媒を配置して成る。このような構成とすることで、NOx吸着還元触媒がCO被毒を受けたときでも、NOx吸着還元触媒を所望温度に加熱し、リッチスパイク(R/S)により内燃機関の空燃比状態をリーン域からリッチ域へ切り替えて、CO被毒を容易に回避・抑制できる。
ここで、「CO被毒」とは、COの吸着により、NOx吸着還元触媒がリーン域でNOxを吸着できなくなる現象、言い換えれば、NOx吸着還元触媒が現在蓄えているNOxを放出・浄化できない状態となることをいう。例えば、200℃付近の低温運転時且つリッチスパイク(R/S)時のCO濃度が高い場合(例えば3%)に生じる。CO被毒作用により、200℃付近の低温では、NOx吸着還元触媒の表面に吸着したCOは活性しにくいため、触媒活性種である貴金属上に未反応のままとどまってしまう。吸着したCOにより貴金属種のNOx浄化性能が著しく阻害される。現時点では、このメカニズムの詳細は明らかではないが、本来、貴金属が吸着しているNOx種の出入りの窓口を担っていると推察できる。
なお、「リッチスパイク(R/S)」とは、リーンバーンエンジンなどの内燃機関において、一時的に空燃比をリッチ域(例えばA/F=12)へ切り替えることをいう。
【0010】
本発明の排気ガス浄化システムでは、上記排気ガス成分濃度調整手段が、空燃比がリッチ域又はストイキ域のときに排気ガス中のCO濃度を低減する。これより、CO被毒を回避・抑制しうる。かかる排気ガス成分濃度調整手段としては、例えば、CO吸着触媒であるPtを担持したCeO2(酸化セリウム)などが挙げられる。
【0011】
また、上記NOx吸着還元触媒は、空燃比がリーン域のときに窒素酸化物を吸着し、空燃比がリッチ域又はストイキ域のときに吸着した窒素酸化物を窒素へ還元する。上記NOx吸着還元触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類、又はこれらの任意の組合せに係る元素を含んで成ることが好適である。
【0012】
更に、これら元素は、次式1
M‐(NO3)y・(nH2O)+CO→M‐Ox+CO2+N2 …(1)
で表される反応により酸化物を生成するときの200℃におけるギブス自由エネルギー変化ΔGが、次式2
ΔG≦−1200kJ/Mol …(2)
(Mを1原子として計算する)を満たすことがより好適である。反応式1のΔG値が低いと、硝酸塩の還元分解反応が進行し易く、CO被毒を容易に緩和できる。従って、式2のΔG値を満たす元素を使用することにより、低温でのNOx浄化性能が更に向上しうる。かかる元素Mとしては、例えばMgなどが挙げられる。
【0013】
ここで、本排気ガス浄化システムは、NOx吸着還元触媒に流入する排気ガス温度がTNOx℃以下、且つリッチ運転又はストイキ運転でCO濃度が増大し、リッチスパイク後のリーン運転でNOx吸着還元触媒入口近傍のNOx濃度がCNOxppm以上であるとき、NOx吸着還元触媒の温度をTNOx℃超にする。これより、排気ガス温度がTNOx℃以下でのNOx吸着還元触媒のCO被毒を回避・抑制し、NOx吸着還元触媒の活性を良好な状態に保持する。
代表的には、TNOxを250〜270℃、CNOxを180〜200ppm以上にすることができる。
【0014】
また、本排気ガス浄化システムは、触媒温度検知手段、NOx濃度検知手段及びCO濃度検知手段を備えることが好適である。具体的には、上記触媒温度検知手段がNOx吸着還元触媒の入口温度を検出し、上記NOx濃度検知手段がリーン運転時に該NOx吸着還元触媒に流入するNOx量及びNOx濃度を検出又は推定し、上記CO濃度検知手段がリッチ運転時又はストイキ運転時のCO濃度を検出又は推定する、ことができる。この場合は、排気ガス成分濃度の調整が容易になり、また、内燃機関の空燃比状態をリーン域からリッチ域へ切り替えるタイミングの判断が容易になるため有効である。
【0015】
更に、NOx吸着還元触媒加熱手段を備えることが好適である。具体的には、この加熱手段が、内燃機関の点火時期、吸入空気量、燃料噴射量、回転数又はEGR(Exhaust Gas Recirculation)率、及びこれらの任意の組合せに係るものを制御して、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度を上昇させることができる。これより、NOx吸着還元触媒の性能が十分でない場合、即ち、R/S後のNOx吸着還元触媒出口のNOx濃度が所定値(例えば20ppm)を超えている場合を、NOx吸着還元触媒がCO被毒を受けていると推測し、上記制御により、NOx吸着還元触媒の入口温度をCO被毒が生じない温度域まで昇温させることができる。
【0016】
図3に示すように、NOx吸着還元触媒の温度が250℃に満たない場合は、CO被毒作用を完全に緩和できず、十分なNOx浄化性能が得られない。これに対し、図4示すように、NOx吸着還元触媒の温度が250℃以上であると、CO被毒作用は緩和され、高いNOx浄化性能が得られる。従って、NOx吸着還元触媒の温度を250℃まで昇温させることにより、低温(200℃付近)特有のCO被毒現象を回避できる。
なお、250℃以下の低温で且つCO濃度が高いと、一旦貴金属上に吸着したCOは、安定化し反応性が低下し易いが、昇温することにより当該COを活性化させ、吸着NOxと反応させることができる。また、CO被毒現象が一旦解除されると、NOx吸着還元触媒近傍の温度が再度250℃以下の低温となっても一定期間は十分な触媒性能が発揮されるので、昇温処理はNOx吸着還元触媒近傍の温度や排気ガス濃度より判断された時期に一時的に行うことができる。
【0017】
また、従来から、NOx吸着元素を分解し易くして、低温のNOx浄化性能を向上させることが知られている。これに対し、本発明者らは、NOx吸着元素のモル数に対するNOx吸着量がCO被毒作用を回避・抑制するための重要な因子であることを見出した。
即ち、リーン運転時にNOx吸着還元触媒に流入するNOx量の比率を制御することで、CO被毒作用を回避・抑制できる。具体的には、NOx吸着還元触媒が吸着するNOxのモル数を、含有するNOx吸着材のモル数の1.5%未満に制御することができる。例えば、アルカリ土類元素であるMgをNOx吸着材として含む場合、MgOの含浸量のモル数に対して、NOx吸着還元触媒に吸着したNOx吸着量が該モル数の1.5%を超えると、CO被毒作用が生じ易い。従って、NOx吸着還元触媒に蓄えられるNOx吸着量を監視又は推定し、NOx吸着材のモル数の1.5%未満に制御することにより、低温でのNOx浄化反応を促進できる。
【0018】
更に、CO被毒作用の発生は、NOx吸着量が一定量を超えた場合だけでなく、リーン域のNOx濃度も影響する。言い換えれば、リーン時の流入NOx量が同じでも、NOx濃度が一定値を超えるとCO被毒作用が生じ易い。このため、例えば、リーン域のNOx吸着還元触媒入口のNOx濃度を監視又は推定し、20ppm以下に制御することで、CO被毒作用を回避・抑制してNOx浄化を行うことができる。
なお、上述したNOx吸着量制御及びNOx濃度制御のしきい値は、元素種、運転条件(排気条件)などにより変動することは言うまでもない。
【0019】
次に、本発明の排気ガス浄化方法について詳細に説明する。
まず、本発明の第1の排気ガス浄化方法では、上述の排気ガス浄化システムを用い、
リッチ運転時又はストイキ運転時にCO濃度が増大し、リッチスパイク後のリーン運転時にNOx吸着還元触媒入口近傍のNOx濃度がCNOxppm超であり、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度がTNOx℃以下であるときに、上記NOx吸着還元触媒加熱手段を用いてNOx吸着還元触媒入口近傍の温度をTNOx℃超まで上昇させる。これより、TNOx℃以下の低温域でのNOx吸着還元触媒のCO被毒が効率良く回避・抑制される。
【0020】
また、本発明の第2の排気ガス浄化方法では、上述の排気ガス浄化システムを用い、
上記NOx吸着還元触媒に吸着したNOx種が、NO2 δ−種からNO3 δ−種へ酸化されたときに、上記NOx吸着還元触媒加熱手段を用いてNOx吸着還元触媒入口近傍の温度を上昇させる。
上述したように、250℃以下の低排温域におけるNOx吸着還元触媒のCO被毒作用は、NOx濃度やNOx量の影響を受ける。この詳細なメカニズムは現時点では明らかではないが、NOx吸着還元触媒の表面近傍のNOx濃度に対して気相のNOx濃度が高いと、分圧差(濃度勾配)を駆動力(反応の進行元)として、NOxの吸着反応が進行しやすいこと、また、NOx量が多いとき(リーン域の運転時間が長いとき)は、吸着したNO2吸着種がNO3種へと更に酸化されリッチ運転時に分解されにくい吸着種となること、が原因であると推察できる。
このため、このNO3種を生じさせない領域(NO2 δ−種からNO3 δ−種へ酸化されたとき)でR/S制御を施すことにより、CO被毒作用が回避される。なお、「NO2 δ−種からNO3 δ−種へ酸化されたとき」の判断方法としては、例えば、赤外分光法(FT−IR)測定による表面吸着種観察などが挙げられる。
【0021】
更に、本発明の第3の排気ガス浄化方法では、上述の排気ガス浄化システムを用い、
内燃機関のリーン運転時に、NOx吸着還元触媒の温度、流入するNOx量、NOx濃度又はCO濃度、及びこれらの任意の組合せに係るものを測定し、当該測定値が各しきい値を超えているときに、内燃機関をリッチ運転へ切り替える。この場合は、NOx吸着還元触媒のCO被毒が効率良く回避・抑制される。
【0022】
例えば、リーン運転時に、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度がTNOx℃以下、NOx濃度がCNOxppm超であるとき、又はCNOxppm以下でありNOx吸着還元触媒に含まれるNOx吸着材量AdNmolと流入NOx濃度CINOxppmとが、次式
K×AdN<CINOx×TL
(Kは補正係数[mol/s]、TLはリーン運転期間[s])を満たすときに、NOx吸着還元触媒をTNOx℃超まで上昇させ、リッチスパイクを行うことができる。また、これらの値は触媒に含まれる吸着材元素種により異なる。
【0023】
また、リーン運転時に、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度がTNOx℃以下であり、NOx濃度がCNOx以上であるときに、NOx吸着還元触媒をTNOx℃超まで上昇させ、リッチスパイクを行うことができる。
【0024】
更に、リーン運転時に、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度がTNOx℃以下、NOx濃度がCNOxppm以下であり、NOx吸着還元触媒に含まれるNOx吸着材量AdNmolと流入NOx濃度CINOxppmとが、次式
K×AdN<CINOx×TL
(Kは補正係数、TLはリーン運転期間)を満たすときに、NOx吸着還元触媒をTNOx℃超まで上昇させ、リッチスパイクを行うことができる。
【0025】
更にまた、リーン運転時に、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度が200℃以下であり、リッチスパイク直後のNOx濃度が20ppm超であるとき、NOx吸着還元触媒を250℃超まで上昇させ、リッチスパイクを行うことができる。
【0026】
このようなタイミングでリッチスパイクを行うことで、NOx吸着還元触媒のCO被毒が効率良く回避・抑制できる。吸着材としてMgを用いた場合は、代表的な各しきい値として、上記TNOxは200℃、上記CNOxは20ppm、上記CINOxは100ppmを例示できる。
なお、CO被毒を解除できる限り、上記TNOx、CNOx及びCINOxは、上記浄化方法と異なる位置(NOx吸着還元触媒の上流側又は下流側)で測定してもよい。
また、これらの浄化方法では、ECU(エンジンコントロールユニット)を組み込み、CO被毒が生じている又は生じそうであると判断した際に、上記操作を行い、昇温し、リッチスパイク処理を行い、NOx吸着還元触媒のCO被毒を解除することが有効である。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0028】
<触媒調製>
(触媒A)
ジニトロジアンミンPt溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pt担持アルミナ粉末(粉末A)を得た。この粉末のPt濃度は3.0%であった。
硝酸Rh水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh担持アルミナ粉末(粉末B)を得た。この粉末のRh濃度は2.0%であった。
上記粉末Aを576g、粉末Bを86g、活性アルミナ粉末を238g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーを得た。このスラリーをコージェライト質モノリス担体(1.7L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層200g/Lの触媒を得た。
なお、上記触媒Aは、CO低減手段としての触媒Aとして用いる。
【0029】
(触媒B)
硝酸セリウム溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中600℃で1時間焼成してセリウム担持アルミナ粉末(粉末C)を得た。ジニトロジアンミンPt溶液を粉末Cに含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pt−セリウム担持アルミナ粉末(粉末D)を得た。この粉末のセリウム濃度は5.0%、Pt濃度は3.0%であった。
硝酸Rh水溶液を粉末Cに含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh・セリウム担持アルミナ粉末(粉末E)を得た。この粉末のセリウム濃度は5.0%、Rh濃度は2.0%であった。
上記粉末Dを576g、粉末Eを86g、活性アルミナ粉末を238g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーを得た。このスラリーをコージェライト質モノリス担体(1.7L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層200g/Lの触媒を得た。
この触媒を任意の濃度の酢酸バリウム溶液に浸漬し、余剰の溶液を空気気流中にて、除去した後、150℃の空気気流にて乾燥、400℃、空気雰囲気中にて焼成し、触媒Bを得た。この時の触媒コート量は240g/Lであった。
【0030】
(触媒C)
酢酸バリウムのかわりに酢酸マグネシウム水溶液を使用した以外は、触媒Bと同様の製造工程を繰り返して、触媒Cを得た。400℃、空気雰囲気中にて焼成後の触媒コート量は210g/Lであった。
また、この触媒Cを下記耐久条件にて、耐久処理後、その一部をくり抜き、0.02Lとし、触媒cを得た。
【0031】
(触媒D)
酢酸バリウムのかわりに酢酸ナトリウム水溶液を使用した以外は、触媒Bと同様の製造工程を繰り返して、触媒Dを得た。400℃、空気雰囲気中にて焼成後の触媒コート量は205g/Lであった。
【0032】
<触媒評価>
触媒活性評価試験条件
耐久試験条件
上記触媒A〜D及びcの耐久処理を、実エンジン排ガスを用いて実施した。
評価エンジン ;日産自動車株式会社製 直列6気筒2.0Lエンジン
使用燃料 ;日石ダッシュガソリン
(Pb0mg/usg.,S=30ppm以下)
触媒入口排気温度 ;700℃
耐久時間 ;50時間
【0033】
1)モデルガス評価試験
排気モデルガス触媒評価試験を実施した。
反応温度 ;任意
反応ガス流量 ;20L/分(SV=60000Hr−1)
反応ガス組成 ;表1に示す。
【0034】
また、NOx転化率は以下の式より計算した。
NOx転化率
=[流入NOx量(リーン+リッチ)−出NOx量(リーン+リッチ)]
/ 流入NOx量(リーン+リッチ)
【0035】
(実施例1〜4及び比較例1)
実施例1〜4及び比較例1の評価条件を表1に示す。また、触媒性能評価結果を図5に示す。
なお、触媒の履歴は、同一の触媒を用い、実施例1→比較例1→実施例2→実施例3→実施例4の評価順序で評価した。
【0036】
【表1】
【0037】
図5より、実施例1〜4では、CO被毒作用が昇温により回避できることが明らかである。
即ち、排気温度200℃において、実施例1(R/S時のCOがない)では、高いNOx浄化性能を示すが、これに対し、比較例1(R/SのCO濃度が3%)では、NOx浄化性能が低下してしまうのでCO被毒作用を受けていることがわかる。このCO被毒作用は、吸着NOxの脱離、浄化が上手く進行しないことにより生じたと推察できるが、触媒が一旦この状態になると、低温でのNOx浄化に有効な水素がNOx吸着還元触媒に到達しても、十分なNOx浄化性能が得られない。
しかし、NOx吸着還元触媒がCO被毒状態に陥っても、一旦250℃まで、NOx吸着還元触媒の温度を上昇させることにより(実施例2)、CO被毒作用を解除でき、その後も良好なNOx転化率が保持できることがわかる(実施例3及び4)。
また、同じ排気条件のみを比較すると、比較例1と実施例4の触媒性能が異なる理由については、NOx吸着還元触媒に蓄えられているNOx量に差があること、又はNOx吸着種の状態が異なることが推察できる。言い換えれば、NOx吸着還元触媒が働くまでの履歴が異なるためと考えられる。
【0038】
(実施例3、4及び比較例2〜7)
実施例3、4及び比較例2〜7の評価条件を表2に示す。また、触媒性能評価結果を図6に示す。なお、触媒の履歴は、同一の触媒を用い、実施例3→実施例4、比較例2→比較例3、比較例4→比較例5及び比較例6→比較例7の評価順序で評価した。
【0039】
【表2】
【0040】
図6より、NOx吸着還元触媒に流入するNOx量によりCO被毒作用が生じることが明らかである。
即ち、実施例3及び4ではCO被毒現象が生じなかったのに対し、比較例2及び3ではリーン時のNOx濃度を変えずにリーン時間を2倍にしたため、比較例4及び5ではリーン時間を変えずにリーン時及びリッチ時のNOx濃度を2倍にしたため、各々CO被毒作用が生じていることがわかる。これは、NOx吸着還元触媒に流入するNOx量が多くなることにより、CO被毒作用が生じることを示している。
【0041】
また、CO被毒作用が生じる要因として、リーン域のNOx濃度も挙げられる。比較例6及び7は、実施例3及び4と同様の流入NOx量となるように、リーンNOx濃度を2倍、リーン時間を半分として評価を実施したが、流入NOx量が多い領域でもCO被毒作用が生じてしまうことが予想される。即ち、200℃付近の低温でのNOx吸着還元浄化において、問題とされるCO被毒作用は、流入NOx量、濃度に大きく影響を受けるため、これらを、CO被毒作用が生じないような排気ガス組成、温度及び内燃機関の運転条件に制御することにより、燃費の悪化を最小限にとどめ、且つ十分なNOx浄化性能を得ることができるものと予測される。
【0042】
なお、このNOx濃度及びNOx量はNOx吸着材元素とNOx吸着還元触媒中に含まれるNOx吸着材量に大きく影響を受けるため、上記制御因子である排気ガス組成、温度、内燃機関の運転条件は、NOx吸着材種、量により変更される。そのため、具体的には、車両に搭載するNOx吸着還元触媒中のNOx吸着材種、量により、最適な流入NOx量、濃度及び温度などを予めエンジンコントロールユニット(ECU)内のROMに記憶させておき、CO被毒作用が生じないようコントロールすることがよい。
【0043】
(実施例5〜16及び比較例8〜10)
実施例5〜16で採用した制御フロー1〜4について説明する。
【0044】
1) 車両評価試験
下記、評価試験条件にて実施した。
【0045】
図1に示すような直噴ガソリンエンジンを用いた。このエンジンは、運転時に常に、転火時期、吸入空気量、燃料噴射量、燃料噴射時期及びEGR率により、そのエンジンアウトのNOx濃度が変動するが、これらのデータを予め、ROM内に蓄えておき、常に運転状態を監視又は推測した。なお、NOxの濃度を監視又は推測する際の検知手段として、図2に示すように、A/Fセンサの変わりにNOxセンサを用いても良い。
【0046】
<制御フロー1>
実施例5、9及び13で採用した制御方法について説明する。また、フロー図を図7に示す。
まず、ステップ1(以下「S1」のように省略する)では、R/S直後のリーン運転開始時をTL=0として、NOx吸着還元触媒のCO被毒判断を開始する。
【0047】
次に、S2では、NOx吸着還元触媒の入口温度を測定し、CO被毒作用が発生しないしきい値として、TNOxを超えているか否かを判断する。
【0048】
この結果、排温がTNOx℃以下である場合(「Yes」のとき)は、CO被毒作用が生じる可能性があるため、S3に進み、NOx吸着還元触媒の出口近傍のNOx濃度を測定し、CO被毒作用が生じるNOx濃度(CNOxppm)以下であるか否かを判断する。一方、排温がTNOx℃超である場合(「No」のとき)は、CO被毒なしと判断する(S8)。
【0049】
また、S3でNOx吸着還元触媒入口の濃度がCNOxppm以下である場合(「Yes」のとき)は、S4に進み、流入NOx濃度CINOxppm(吸入空気量、EGR率とともに、流入NOx量を推定又は算出)とNOx吸着還元触媒に含まれるNOx吸着材量(AdNmol)とから、次式
K×AdN≧CINOx×TL
(Kは補正係数[mol/s]であって、CO被毒が生じ始める流入NOx量、AdNはROMにMAPを記憶させた値、TLはリーン運転期間[s]を示す。)を満たすか否かを判断する。
【0050】
この結果、上記式を満たすとき(「Yes」のとき)は、S9に進み、リーン運転を継続する。
また、上記式を満たさないとき(「No」のとき)は、S5に進み、NOx吸着還元触媒入口の温度を上昇させる。なお、S3で、NOx吸着還元触媒入口の濃度がCNOx超である場合(「No」のとき)も同様にS5に進める。
【0051】
NOx吸着還元触媒入口の温度を上昇させた後、R/S制御を施す(S6)。これより、CO被毒作用は回避できる。R/S後、NOx吸着還元触媒入口の温度は下降する(S7)。
以上の制御により、NOx吸着還元触媒のCO被毒作用を検出、解除することにより燃費悪化を最低限に抑制しながら、高いNOx浄化性能を得ることができる。
【0052】
<制御フロー2>
実施例6、10及び14で採用した制御方法について説明する。また、フロー図を図8に示す。
制御フロー2は、上述の制御フロー1をより簡略化したものであるが、内燃機関の運転中に、所定のNOx濃度(CNOxppm)を、NOx吸着還元触媒に流入するNOx濃度(CINOxppm)が上回ったことを検知又は推定した場合、即ちCO被毒作用が発生することが予想される場合に、速やかにNOx吸着還元触媒温度を上昇させ、R/S処理を行うものである。制御フローを簡略化することにより、例えば、車両に搭載するメモリーを軽減しつつ、高いNOx浄化性能を得ることができる。
【0053】
<制御フロー3>
実施例7、11及び15で採用した制御方法について説明する。また、フロー図を図9に示す。
制御フロー3は、制御フロー1をより簡略化したものであるが、内燃機関の運転中に、所定のNOx量及びNOx吸着還元触媒に流入するNOxが所定の濃度(CINOxppm)を上回ったことを検知又は推定した場合、即ちCO被毒作用が発生することが予想される場合に、速やかにNOx吸着還元触媒温度を上昇、R/S処理を行うものである。制御フローを簡略化することにより、車両に搭載するメモリーを軽減しつつ、高いNOx浄化性能を得ることができる。
【0054】
<制御フロー4>
実施例8、12及び16で採用した制御方法について説明する。また、フロー図を図10に示す。
制御フロー4は、NOx吸着還元触媒温度がTNOx以下の運転条件で、A/Fセンサ及びNOxセンサを用いてNOx吸着還元触媒出口のNOx濃度を測定又は推定する際、R/S制御直後のNOx濃度が既に20ppmを上回っている場合は、R/S直後にもかかわらずNOxを吸着除去できない、即ちCO被毒作用が生じていると判断し、上記NOx吸着還元触媒加熱手段を用いて昇温し、R/S処理を施すものである。これより、CO被毒作用を解除しつつ高いNOx浄化性能を得ることができる。
【0055】
実施例5〜16及び比較例8〜10の評価結果を表3及び図11に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
図11より、実施例5〜8(触媒A+B)では、本発明の好適形態である制御フロー1〜4を採用しているため、いずれにおいてもNOx転化率が良好であることがわかる。一方、比較例8では、かかる制御フローを採用していないため、NOx転化率が低下してしまう。
また、実施例9〜12(触媒A+C)では、本発明の好適形態である制御フロー1〜4を採用しているため、いずれにおいてもNOx転化率が良好であることがわかる。一方、比較例9では、かかる制御フローを採用していないため、NOx転化率が低下してしまう。
更に、実施例13〜16(触媒A+D)では、本発明の好適形態である制御フロー1〜4を採用しているため、いずれにおいてもNOx転化率が良好であることがわかる。一方、比較例10では、かかる制御フローを採用していないため、NOx転化率が低下してしまう。
【0058】
以上、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、NOx吸着還元触媒の上流側又は下流側に三元触媒などを更に配設することもできる。
また、三元触媒の代わりに、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)などを更に配設しても良い。
【0059】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、NOx吸着還元触媒を流通する排気ガスを所定の条件で制御することとしたため、広い温度域、特に排気ガス温度が200℃以下の低温域でのNOx吸着還元触媒のCO被毒を回避・抑制し、NOx吸着還元触媒の活性を良好な状態に保持できる排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】排気ガス浄化システムの一例を示す概略図である。
【図2】排気ガス浄化システムの他の例を示す概略図である。
【図3】200℃におけるR/S時CO濃度とNOx転化率の関係を示すグラフである。
【図4】200℃、250℃及び260℃におけるR/S時CO濃度とNOx転化率の関係を示すグラフである。
【図5】実施例1〜4及び比較例1におけるNOx転化率を示すグラフである。
【図6】実施例3、4及び比較例2〜7におけるNOx転化率を示すグラフである。
【図7】本発明の浄化方法の一例を示すフロー図である。
【図8】本発明の浄化方法の他の例を示すフロー図である。
【図9】本発明の浄化方法の更に他の例を示すフロー図である。
【図10】本発明の浄化方法の他の例を示すフロー図である。
【図11】実施例5〜16及び比較例8〜10におけるNOx転化率を示すグラフである。
【符号の説明】
a ECU(エンジンコントロールユニット)
b エアクリーナー
c エアフローメーター
d スロットル
e インジェクタ−
f クランク角センサー
g 点火プラグ
h EGRバルブ
i CO低減触媒
j 排気温度センサー
k NOx吸着還元触媒
l A/Fセンサー又はNOxセンサー
Claims (14)
- 内燃機関の排気ガス通路の上流側に排気ガス成分濃度調整手段を配設し、その下流側にNOx吸着還元触媒を配設して成る排気ガス浄化システムであって、
上記排気ガス成分濃度調整手段は、空燃比がリッチ域又はストイキ域のときに排気ガス中のCO濃度を低減し、
上記NOx吸着還元触媒は、空燃比がリーン域のときにNOxを吸着し、空燃比がリッチ域又はストイキ域のときに吸着したNOxを窒素へ還元し、
NOx吸着還元触媒に流入する排気ガス温度がTNOx℃以下、且つリッチ運転又はストイキ運転でCO濃度が増大し、リッチスパイク後のリーン運転でNOx吸着還元触媒入口近傍のNOx濃度がCNOxppm以上であるとき、NOx吸着還元触媒の温度をTNOx℃超にすることを特徴とする排気ガス浄化システム。 - 触媒温度検知手段、NOx濃度検知手段及びCO濃度検知手段を備え、
上記触媒温度検知手段が、該NOx吸着還元触媒の入口温度を検出し、
上記NOx濃度検知手段が、リーン運転時に該NOx吸着還元触媒に流入するNOx量及びNOx濃度を検出又は推定し、
上記CO濃度検知手段が、リッチ運転時又はストイキ運転時のCO濃度を検出又は推定する、ことを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化システム。 - NOx吸着還元触媒加熱手段を備え、この加熱手段が、内燃機関の点火時期、吸入空気量、燃料噴射量、回転数及びEGR率から成る群より選ばれた少なくとも1種のものを制御して、該NOx吸着還元触媒入口近傍の温度を上昇させることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化システム。
- 上記NOx吸着還元触媒が吸着するNOxのモル数を、含有するNOx吸着材のモル数の1.5%未満に制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
- 上記NOx吸着還元触媒が、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含んで成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
- 上記アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素Mが、次式1
M‐(NO3)y・(nH2O)+CO→M‐Ox+CO2+N2 …(1)
で表される反応により酸化物を生成するときの200℃におけるギブス自由エネルギー変化ΔG(Mを1原子として計算する)が、次式2
ΔG≦−1200kJ/Mol …(2)
を満たすことを特徴とする請求項5に記載の排気ガス浄化システム。 - TNOxが250〜270℃であり、CNOxが180〜200ppm以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
- 請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システムを用いて排気ガスを浄化する方法であって、
リッチ運転時又はストイキ運転時にCO濃度が増大し、リッチスパイク後のリーン運転時にNOx吸着還元触媒入口近傍のNOx濃度がCNOxppm超であり、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度がTNOx℃以下であるときに、上記NOx吸着還元触媒加熱手段を用いてNOx吸着還元触媒入口近傍の温度をTNOx℃超まで上昇させることを特徴とする排気ガス浄化方法。 - 請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システムを用いて排気ガスを浄化する方法であって、
上記NOx吸着還元触媒に吸着したNOx種が、NO2 δ−種からNO3 δ−種へ酸化されたときに、上記NOx吸着還元触媒加熱手段を用いてNOx吸着還元触媒入口近傍の温度を上昇させることを特徴とする排気ガス浄化方法。 - 請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システムを用いて排気ガスを浄化する方法であって、
内燃機関のリーン運転時に、NOx吸着還元触媒の温度、流入するNOx量、NOx濃度及びCO濃度から成る群より選ばれた少なくとも1種のものを測定し、当該測定値が各しきい値を超えているときに、内燃機関をリッチ運転へ切り替えることを特徴とする排気ガス浄化方法。 - リーン運転時に、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度がTNOx℃以下、NOx濃度がCNOxppm超であるとき、又はCNOxppm以下でありNOx吸着還元触媒に含まれるNOx吸着材量AdNmolと流入NOx濃度CINOxppmとが、次式
K×AdN<CINOx×TL
(Kは補正係数、TLはリーン運転期間)を満たすときに、
NOx吸着還元触媒をTNOx℃超まで上昇させ、リッチスパイクを行うことを特徴とする請求項10に記載の排気ガス浄化方法。 - リーン運転時に、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度がTNOx℃以下であり、NOx濃度がCNOx以上であるときに、NOx吸着還元触媒をTNOx℃超まで上昇させ、リッチスパイクを行うことを特徴とする請求項10に記載の排気ガス浄化方法。
- リーン運転時に、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度がTNOx℃以下、NOx濃度がCNOxppm以下であり、NOx吸着還元触媒に含まれるNOx吸着材量AdNmolと流入NOx濃度CINOxppmとが、次式
K×AdN<CINOx×TL
(Kは補正係数、TLはリーン運転期間)を満たすときに、NOx吸着還元触媒をTNOx℃超まで上昇させ、リッチスパイクを行うことを特徴とする請求項10に記載の排気ガス浄化方法。 - リーン運転時に、NOx吸着還元触媒入口近傍の温度が200℃以下であり、リッチスパイク直後のNOx濃度が20ppm超であるとき、NOx吸着還元触媒を250℃超まで上昇させ、リッチスパイクを行うことを特徴とする請求項10に記載の排気ガス浄化方法。
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