JP2004027586A - 住宅の換気構造 - Google Patents

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Fumitoshi Shiraiwa
白岩 史年
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Abstract

【課題】住宅の屋内に於ける空気の流通を確保して換気をはかる。特に、空気の温度が一定の値に達したときに外部に放出すると共に外部から空気を流入させることで、屋内の適温化,恒常化をはかる。
【解決手段】住宅の換気構造は、住宅の上部に上部換気部Aを、下部に下部換気部Bを夫々設けると共にこれらの換気部A,Bを結ぶ流通路Cを構成し、各換気部A,Bを個別に開閉し得るように構成する。特に、各換気部A,Bに夫々温度を検出して開閉する羽根を有する蓋部材を設ける。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅の上部と下部とに設けた換気用開口部の間で空気を流通させることで屋内の換気が可能なように構成し、且つ各換気用開口部を開閉制御手段によって開閉させることで屋内にある高い温度の空気を放出し屋外の温度の低い空気を流入させて室温を適温に保つように構成した住宅の換気構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
住宅では、断熱効果を期待したり結露を防止する目的で、外壁に沿って換気用の通路を設けるのが一般的であるが、屋内の空間を利用して積極的に換気をはかるようにしたものは少ない。特に、四季に応じて気温や湿度の変化が顕著に現れる我が国の住宅では、夏季は屋内に外の涼しい風を取り入れ、且つ冬季は屋内の暖気を放出しないように考慮することが好ましい。
【0003】
住宅では、屋根部分に設けた採光を目的とする天窓に換気機能を設けることがある。このような採光機能と換気機能を有する天窓は、ガラスを嵌め込んだ枠を天窓の本体枠に対して回動可能に構成されており、前記枠を必要に応じて回動させることで天窓を開放することにより、該天窓の周囲に滞留した空気を外部に放出して屋内の換気をはかることが可能なように構成されている。
【0004】
上記の如き天窓は、住宅の上部である屋根部分に設けられることから、ガラスを嵌め込んだ枠を人手で開閉操作するのは困難である。このため、前記枠をモーター等の駆動手段によって回動し得るように構成しておき、居住者が遠隔操作によって駆動装置を制御して所望の時期に天窓を開閉するのが一般的である。また天窓の近傍に雨センサーを配置しておき、このセンサーからの電気信号によって駆動装置を制御して雨天時に天窓を閉鎖し得るように構成されているものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、住宅の上部にガラスを嵌め込んだ枠を開閉可能に構成した天窓を設け、この天窓によって屋内の換気をはかる場合、屋外の空気を屋内に流入させる部位が決まらずに不安定となり、屋内の居住性を確保する上で必ずしも充分ではないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、積極的に住宅の屋内に於ける空気の流通を確保して換気をはかると共に、屋内の温度を可及的に適温・恒常化し得るようにした換気構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る住宅の換気構造は、住宅の上部と下部に夫々開閉可能に構成された換気用開口部を設けると共に、これらの換気用開口部の間に空気が流通する流通路を構成し、且つ前記各換気用開口部に該換気用開口部を開閉する開閉制御手段を設けたものである。
【0008】
上記住宅の換気構造では、住宅の上部と下部に夫々開閉可能な換気用開口部を設け、且つ各換気用開口部を例えば廊下や該廊下と接続された階段によってつなぐことで空気が流通する換気用の流通路を構成することによって、換気用開口部(特に、下部に設けた換気用開口部)を介して屋外の空気を屋内に流入させ、或いは他の換気用開口部(上部に設けた換気用開口部)を介して屋内の空気を屋外に放出させることが出来る。
【0009】
更に、上部と下部に設けた各換気用開口部に夫々開閉制御手段を設け、この開閉制御手段によって各換気用開口部を個別に開閉させることで、屋外から屋内に流入させる条件と、屋内から屋外へ放出する条件を、例えば天候や外気温度,屋内温度等に応じて変えることが出来る。
【0010】
上記換気構造に於いて、上部と下部の換気用開口部を開閉する開閉制御手段は別々に温度を検出して各換気用開口部を蓋部材で開閉するようにしたものであることが好ましい。住宅の換気構造をこのように構成することで、上部に設けた換気用開口部では該換気用開口部の近傍の空気の温度が一定値になったとき、蓋部材が開放して屋内の空気を屋外に放出することが出来る。また下部に設けた換気用開口部では上部の換気用開口部による空気の放出の有無に関わらず、換気用開口部の近傍の温度が一定値になったとき、屋外の空気を屋内に流入させることが出来る。
【0011】
特に、上部換気用開口部と下部換気用開口部とを別々に開閉させることによって、例えば、屋内温度が一定の値に到達するまでは上部,下部換気用開口部を閉鎖しておき、一定の温度を超えたとき上部換気用開口部のみを開放して屋内の温度の上昇した空気を放出させて屋内の温度を低下させ、更に、屋内の温度が上昇したとき、下部換気用開口部を開放して屋外の温度の低い空気を流入させることで、屋内の温度を低下させることが出来る。
【0012】
従って、上部換気用開口部と、下部換気用開口部を段階的に開閉することによって、屋内の温度を段階的に低下させることが可能となり、各換気用開口部を開閉させる温度を最適な温度に設定することで、屋内の適温化をはかることが出来る。
【0013】
このため、上部換気用開口部は最上階(2階)の天井近くに設置することが好ましい。特に、天窓がある場合には該天窓の近傍に設置することが好ましい。このように、上部換気用開口部を天窓の近傍に設置することによって、天窓を開閉することなく換気をはかることが出来る。このため、天候の如何に関わらず換気をはかることが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る住宅の換気構造の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る換気構造は、住宅の上部に開閉可能な換気用開口部を設けると共に下部にも開閉可能な換気用開口部を設け、これらの換気用開口部を屋内の空間(階段、或いは階段とこの階段に接続された廊下等)によって接続することで、各換気用開口部を接続する空気の流通路を形成し、上部に設けた換気用開口部(以下「上部換気部」という)と下部に設けた換気用開口部(以下「下部換気部」という)を夫々制御手段によって互いに独立させて開閉することで、上部換気部から屋内の空気を屋外に放出し、この放出に関わらず、或いは同時に、下部換気部から屋外の空気を屋内に流入させ、これにより屋内の換気をはかるようにしたものである。
【0015】
特に、制御手段によって上部換気部と下部換気部を個別に開閉し得るように構成することで、温度が上昇した屋内の空気を外部に放出する操作と、温度の低い屋外の空気を屋内に取り込む操作を、互いに独自に行うことが可能であり、これにより、屋内の温度を適温に保持することが可能となり、屋内の冷暖房のためのエネルギーを低減することが可能となる。
【0016】
各換気部を開閉する構造は特に限定するものではなく、各換気部を開閉する開閉部材、或いは蓋部材を駆動する駆動部材と、該駆動部材の駆動を制御する制御部材とを有して構成されるものであれば良い。例えば開閉部材として各換気部の所定位置に設けた蓋部材や障子或いはシャッター等を、モーター等の駆動部材によって駆動することで開閉し得るように構成し、更に、前記駆動部材を操作スイッチによって駆動操作し得るように構成することが可能である。
【0017】
そして操作スイッチを操作して駆動部材を駆動し、この駆動に伴って各換気部を開閉することで、屋内の換気をはかることが可能である。操作スイッチとしては、屋内の温度を検出するセンサーを有し、該センサーからの信号に応じて駆動部材を駆動し得るように構成することが可能であり、更に、屋内の温度と屋外の温度を検出すると共に両者の差が予め設定された範囲から逸脱したときに信号を発生して駆動部材を駆動し得るように構成したものであっても良い。
【0018】
駆動部材としてモーター等を用いる場合、該駆動部材が消費するエネルギーが必要となるが、このエネルギーは冷暖房に於ける消費エネルギーと比較して大きなものではなく、充分に相殺して省エネ化をはかることが可能である。
【0019】
特に、制御手段を、各換気部に設けたセンサーによって夫々温度を検出して蓋部材を開閉し得るように構成することで、該換気部の空気の温度が一定の値に到達したとき、この空気を主として上部換気部から外部に放出することが可能であり、この空気の外部への放出と同期して或いは関連なく、主として下部換気部から外気を屋内に流入させることが可能である。従って、屋内の空気温度を略一定の適温に保持して居住性を維持することが可能となる。
【0020】
上記の如く、各換気部を周囲の温度を検出して開閉させるように構成することで、屋内の空気の温度或いは屋外の空気の温度の昇降に伴って、各換気部が独自に開閉して屋内の空気を外部に放出し、或いは外気を屋内に流入させることが可能である。
【0021】
即ち、上部換気部では屋内の空気の温度を検出して一定の値よりも高くなったときに開閉させ、下部換気部では屋外の空気の温度を検出して一定の値よりも高くなったときに開閉させることで、夏季では、温度が上昇した屋内の空気を上部換気部から屋外に放出させると共に屋外の温度の低い空気を下部換気空屋内に流入させることが可能であり、且つ冬季では、上部換気部を閉鎖して屋内の空気を屋外に放出させることなく、且つ屋外の極めて温度の低い空気を屋内に流入させることもない。
【0022】
例えば、上部換気部を屋内に居住する人が快適さを感じる高い方の温度で開閉し得るようにすると共に、下部換気部を上部換気部が開閉する温度よりも低い温度で開閉し得るようにした場合、夜間から日中にかけて屋内の温度が各換気部の開放温度よりも低いとき、上部換気部及び下部換気部は閉鎖状態を維持し、屋内の換気は行われない。
【0023】
屋内の温度が上昇し、温度が上昇した空気が上方に流れて上部換気部の周囲に滞留し、この空気の温度が予め設定された温度以上に上昇したとき、上部換気部が開放して温度の高い空気を屋外に放出することが可能である。このため、空気の放出に伴って屋内の熱が放出されることとなり、屋内の温度が低下する。
【0024】
下部換気部の周囲の温度が予め設定された温度に到達すると、下部換気部が開放し、この開放に伴って屋外の温度の低い空気が屋内に流入し、屋内の温度を一層低下させる。これに伴って、屋内には下部換気部から上部換気部に連なる空気の流通路に沿った空気の流れが形成され、常に、上部換気部の設定温度よりも低い温度に保持することが可能である。即ち、屋内を適温化し且つ恒常化することが可能となる。
【0025】
従って、夏季では、下部換気部から屋外の冷たい空気を流入させることで屋内の空気の温度を低下させることが可能であり、屋内に流入した空気が経時的に温度が上昇したとき、上部換気部から屋内の温度の高い空気を放出させると共に下部換気部から屋外の空気を流入させることで、屋内の温度を低く保持することが可能である。また冬季では屋内の空気を屋外に放出することなく冷暖房のエネルギーを減少させることが可能となる。このため、住宅が留守になるような場合であっても、屋内が一定の温度条件になったとき、自動的に換気を行って熱気や湿気がこもることを防止することが可能である。
【0026】
上部換気部は主として屋内で温度が上昇した空気を外部に放出する機能を有するものであり、換気機能を持った部材を屋根面に設置することで実現することが可能である。この換気機能を持った部材としては所謂ベンチレーターであれば良いが、換気機能に採光機能を付加した天窓であって良い。このように、上部換気部を天窓によって構成することで、上階に於ける階段の取付部分或いは廊下に外部の光を取り入れて明るくすると共に換気をはかることが可能となる。
【0027】
換気機能を併せ持つ天窓の構造としては例えば、ガラスを固定する固定枠と、該ガラスよりも下方の所定位置に開口部を設けた取付枠とを有し、固定枠と取付枠を一体的に構成したものがある。そして屋根面に於ける予め設定した位置に形成された開口に、取付枠を直接或いは台座等の部材を介して取り付けることによって、住宅の内部に採光する機能と、屋内で温度の上昇した空気を大気に放出して換気する機能を発揮させることが可能となる。
【0028】
上記の如く、天窓に於けるガラスよりも下方に空気を放出する開口部が設けられるため、ガラスの開閉に関わらず、屋内の空気を大気に放出することが可能となり、ガラスを固定枠に固定したままで換気を行うことが可能である。従って、ガラスを固定枠に固定することで、常にガラスは閉鎖された状態となり、防犯上不用心になることがない。
【0029】
上部換気部の下方に構成される空間は、下部換気部と連続した空間であることが好ましい。このため、上記換気部は、階段に連続した上階ホールや、この上階ホールと連続した上階の廊下の上方に配置されることが好ましい。このように、上階の廊下の上方に上部換気部を配置することで、該廊下に連続した部屋の仕切を開放すると共に窓を開放したとき、該窓が下部換気部と同様の機能を有し且つ部屋が空気の流通路を構成することとなる。
【0030】
また上部換気部を設ける住宅の上部(屋根)の形状や構造について特に限定するものではなく、勾配屋根や、陸屋根等の各種の形状を持った屋根に適用することが可能である。
【0031】
空気の流通のみを期待する場合、ガラスよりも下方に設けた開口部は、単に開放された状態で形成されていても良い。しかし、本発明では、天候の変化や気温の変化、或いは屋内温度の変化に伴って適宜開閉し得るように、温度を検出して開口部を開閉する蓋部材を設けている。
【0032】
蓋部材の構成は特に限定するものではなく、回動可能に構成された複数の羽根からなるルーバー状に構成しても良く、遮蔽部材を昇降させるシャッター状に、或いは障子を移動させるサッシ状に構成しても良い。
【0033】
また蓋部材を開閉する機構も特に限定するものではなく、モーター或いは電気エネルギーを利用しない部材を選択的に採用することが可能である。例えば、蓋部材を開閉させるためにモーターを利用する場合、上部換気部の近傍に温度センサーを設けておき、この温度センサーが屋内の空気の温度を検出して発生する電気信号に応じてモーターを駆動し得るように構成されている。
【0034】
また蓋部材を開閉させるための駆動部材として、温度の昇降に応じて変形するバイメタルを有するサーモスタットや、可逆式形状記憶合金或いは可逆式形状記憶樹脂,一方向式形状記憶合金或いは一方向式形状記憶樹脂とバイアスバネとの組み合わせ等を利用した場合、人手を介することなく、天窓の周囲の温度の昇降に応じて蓋部材を開閉することが可能となり有利である。
【0035】
下部換気部は主として外部の空気を屋内に流入させる機能を有するものであり、階段に於ける下階部分に設けた縦辷り出し窓や回動可能な複数の羽根を持ったルーバー状の窓、階段の下階に連続したホール或いは廊下、又はホールに連続した玄関等に設けた換気口等として構成されている。即ち、下部換気部としては、定型形状を有するものではなく、換気機能を発揮し得る窓や換気部材を適宜選択して用いることが可能である。
【0036】
上記の如く構成された下部換気部では、該下部換気部を開閉する機構は上部換気部の開閉機構とは独立して構成されており、上部換気部の開閉とは無関係に開閉することが可能である。即ち、下部換気部と上部換気部は個別に開閉することが可能である。
【0037】
また下部換気部には、上部換気部と同様に、温度を検出して開口部を開閉する蓋部材が設けられている。このため、下部開口部は夜間や留守の間でも開放される可能性があり、階段に設けた縦辷り出し窓やルーバー状の窓では防犯上の問題が生じる虞がある。従って、下部開口部としては、床下の換気をはかる換気部材と同様の部材を利用し、この換気部材を、階段に連続したホールや玄関を構成する外壁を貫通して配置して構成することが好ましい。
【0038】
上記換気部材として、回動可能に構成した複数の羽根を有し、該羽根をサーモスタットの作動に応じて開閉し得るように構成したものを利用することが好ましい。このように構成された換気部材を利用して下部換気部を構成することによって、周囲の温度が予め設定されたサーモスタットの作動温度に一致し或いはそれ以上になったとき、複数の羽根を回動させて下部換気部を開放することが可能であり、且つ周囲の温度が作動温度以下になったとき、複数の羽根を回動させて下部換気部を閉鎖することが可能である。
【0039】
上記の如く、上部換気部と下部換気部を夫々温度を検出して開閉し得るように構成するに際し、各換気部の作動温度を如何なる温度に設定するかは限定するものではなく、居住者が快適に感じる温度に設定することが好ましい。即ち、各換気部の作動温度は必ずしも同一温度である必要はない。
【0040】
一般的には、上部換気部を開閉させる作動温度は25℃以上であることが好ましく、下部換気部を開閉させる作動温度は20℃以上であることが好ましい。特に、屋内の適温化と恒常化の効果を得るためには、上部換気部の開閉温度と下部換気部の開閉温度に5℃程度の差を設けることが必要である。
【0041】
以下、本発明の換気構造を実現した実施例について図を用いて説明する。図1は住宅の換気構造を説明する模式斜視図である。図2は図1に示す住宅の間取り図である。図3は上部換気部を構成する換気機能を持った天窓の例を説明する図である。図4は換気部を開閉する際の蓋部材の駆動機構の例を説明する図である。
【0042】
図1,2に示す住宅は本発明に係る換気構造を実現したものであり、2階建て住宅として構成されている。住宅の上部となる2階の屋根部分には天窓としての採光機能を有する上部換気部Aが設けられており、下部となる1階の所定位置には下部換気部Bが設けられている。そして、上部換気部Aと下部換気部Bとを結んで流通路Cが形成され、該流通路Cを介して換気する際の空気が流通する。
【0043】
住宅に於ける各階の間取りは限定されるものではない。本実施例の住宅では、図2に示すように、1階には玄関11,玄関ホール12が設けられており、玄関ホール12に連続して2階への階段13が設けられている。また玄関ホール12に接続された廊下14に面して洗面所15,居間16,和室17が配置され、夫々ドアや襖等の開閉可能な仕切部材18によって遮断されている。更に、各室15〜17の屋外と対向する壁面には開閉可能な窓部材19が設けられている。
【0044】
また2階には階段13と連続した廊下21が設けられており、該廊下21を中心として複数の寝室22,予備室23,便所24が配置され、夫々ドア等の開閉可能な仕切部材25によって遮断されている。また各室22〜24の屋外と対向する壁面には開閉可能な窓部材26が設けられている。
【0045】
上記の如き間取りを持った本実施例の住宅に於いて、上部換気部Aは2階の廊下21の上部に配置され、下部換気部Bは階段13に連続した玄関ホール12であって階段13に連続した床14に配置されている。そして流通路Cは、外部からの空気の流入口となる下部換気部Bと、屋内の空気を外部に放出する上部換気部Aを両端とする空間によって構成されている。
【0046】
特に、流通路Cの1階側の開始点は、下部換気部Bが閉鎖されている場合で且つ1階の廊下14の周囲に配置された各室15〜17の仕切部材18,窓部材19を開放されている場合、各室15〜19の窓部材19となる。また2階の廊下21の周囲に配置された各室22〜24も同様に仕切部材25,窓部材26を開放することによって外気を屋内に流入させることが可能である。
【0047】
しかし、住宅では、夜間や留守にする際には各窓部材19,26を閉鎖すると共に施錠するため、本実施例のように、階段13の上がり縁に対応する位置に下部換気部Bを設けることで、夜間や留守中であっても防犯上の問題を生じさせることなく、外気の流入をはかることが可能である。
【0048】
従って、下部換気部Bの設置位置は本実施例に限定されるものではなく、玄関ドアの近傍、或いは玄関ホール12,廊下14に面した外壁の一部、または外気に連通した床下等に設置しても良いことは当然である。屋内の換気を合理的に実現することを想定した場合、下部換気部Bを階段13の段鼻よりも離隔した位置に設置することが好ましい。
【0049】
流通路Cの終点となる上部換気部Aは、階段13の上方であって2階の廊下21を含めた平面の略中央に位置するように配置されている。このように、階段13と2階の廊下21からなる平面の略中央に上部換気部Aを配置することによって、温度が上昇した空気を略均等に換気することが可能であり、屋内に温度ムラを生じさせることがない。
【0050】
1階の各室15〜17及び2階の各室22〜24は、夫々配置されたエアコンによって独自に温度制御し得るように構成されていても良い。この場合、省エネルギーを考慮して1階の各室15〜17及び2階の各室22〜24の仕切部材18,25を閉鎖しておくことが好ましい。
【0051】
このように、1階の各室15〜17及び2階の各室22〜24を仕切部材18,25によって閉鎖することで、流通路Cは独立した空間となる。そして1階又は2階の空間で温度が上昇した空気によって上昇気流が生じ、該空気は流通路Cを通って上昇して上部換気部Aの周囲に滞留する。
【0052】
従って、上部換気部Aの周囲の温度を検出して予め設定された温度に達したとき、該上部換気部Aを開放することで、屋内にある温度が上昇した空気を外部に放出することが可能である。このため、夏季にあっては温度が上昇した空気を放出することによって熱を発散させることが可能となり、冬季にあっては温度が上昇した空気を滞留させて熱を保持することが可能となる。
【0053】
また下部換気部Bの周囲の温度を検出して予め設定された温度に達したとき、該下部換気部Bを開放することで、屋外の大気を屋内に流入させることが可能である。特に、屋内で上昇気流が生じている場合、この上昇気流に伴って屋外の空気が屋内に流入する。
【0054】
従って、下部換気部Bの周囲の温度を検出して予め設定された温度に達したとき、該下部換気部Bを開放することで、屋外の空気を屋内に流入させることが可能となり、夏季にあっては温度が上昇した空気を上部換気部Aから放出するのに伴って、屋外から冷えた空気を流入させることよって、屋内の温度を低下させることが可能となり、冬季にあっては温度が上昇した空気を滞留させて熱を保持することが可能となる。
【0055】
上記の如く、夏季には温度が上昇した空気を上部換気部Aから屋外に放出すると同時に、下部換気部Bから屋外の冷えた空気を流入することで屋内の居住性を向上させ、冬季には上部換気部A及び下部換気部Bを閉鎖して暖気を外部に放出することなく、屋内の温度を保持して居住性を向上させることが可能となる。尚、上部換気部A,下部換気部Bの換気断面積を変化させる機構を付加することも可能である。
【0056】
次に、上部換気部Aの好ましい実施例について図3,4により説明する。図に於いて、上部換気部Aは、ガラス32を固定する固定部33と開口部34を一体的に形成した支持枠31によって構成されている。即ち、支持枠31の上端部分にガラス32を固定する固定部33が形成され、ガラス32の下方に開口部34が設けられている。特に、開口部34は、上部換気部Aの側面に向けて開口し得るように、支持枠31の側壁部分に形成されている。
【0057】
支持枠31は側面に開口部34を形成するのに充分な高さ寸法を持った四角枠として形成されている。この支持枠34は、屋根35の予め設定された位置に形成された天窓用開口35aの周囲に配置されると共に固定された断熱材36aと,石膏ボード及び仕上材からなる内部壁材36bとによって構成された架台36に固定される。
【0058】
図3に示すように、架台36は、上部換気部Aが屋根36に対し所定の角度で傾斜し得るように高さ寸法が設定されている。本実施例では、上部換気部Aの屋根36に対する傾斜角度は13度に設定されている。しかし、この傾斜角度は限定すべきものではなく、他の角度であっても良いことは当然である。
【0059】
ガラス32は高い断熱性能を有するものの、全く熱を遮断し得るものではないため、ガラス32の内面が露点に達して結露を生じることがある。このため、ガラス32の屋内側の面の周囲に樋状部材37が設けられており、ガラス32に付着した水滴を樋状部材37によって受けると共に、傾斜に沿って下方に流下させることが可能である。
【0060】
開口部34は、支持枠31に於けるガラス32の固定部33よりも下方であって、傾斜方向下側の側面31aのみに形成されている。特に、開口部34の面積は、目的の換気量を加味して設定されており、予め設定された面積を持った開口部34を形成し得るように側面31aの寸法が設定されている。
【0061】
支持枠31の外周には全周にわたって庇状の防水カバー38が設けられており、該防水カバー38によって開口部34の前面を覆うことで、該開口部34に雨水がかかることを防止している。また開口部34の屋外側の面には、屋外を飛翔する虫が屋内に入ることを防止する防虫網39が設けられており、この防虫網39によって開口部34からの虫の侵入を防止し得るように構成されている。
【0062】
開口部34には、該開口部34を開閉するための蓋部材が設けられている。この蓋部材は、回動することによって、或いは出没することによって、開口部34の開閉を行うものであり、この機能を有するものであれば構造を限定するものではない。例えば、ピンを中心として略90度程度の回動が可能な複数の羽根からなるルーバーを形成し、このルーバーを温度の変化に伴って変形する部品(温度変形部)によって回動させるようにしたものがある。
【0063】
本実施例では、開口部34の略中心に設けたピン40aを中心として回動する羽根40bによって蓋部材を構成し、この羽根40bの中心から一対のレバー40cを突出して形成し、図4に示すように、駆動部材となる温度変形部42を夫々のレバー40cと支持枠31の間に配置して構成している。また開口部34の上下両端部分には夫々遮蔽部材43が設けられており、羽根40bによって開口部34を閉鎖する際に該羽根40bの先端部分が接触し得るように構成されている。
【0064】
特に、駆動部材を構成する温度変形部42は、屋内の空気を放出することが好ましい温度(例えば25℃)に達したときに予め記憶処理された形状(例えば、圧縮した状態のコイルバネの形状)を回復し、この形状回復過程で大きい力を発揮させるように、予め記憶形状と記憶処理温度が設定されている。温度変形部42は形状回復温度に低下したとき、羽根40bを初期の回動位置になるように設定されている。
【0065】
上記の如く構成された羽根40bは、屋内の温度が上昇して温度変形部42が熱膨張すると、図2(b)に示すように、羽根40bを回動させて開口部34を開放し、屋内の温度が低下して温度変形部42の形状回復温度以下になると、熱収縮して羽根40bが逆方向に回動して開口部34を閉鎖する。
【0066】
上記の如く、羽根40bの駆動部材を温度の変化に応じた変形に伴って力を発生し得る部材によって構成することで、開口部34の開閉を人為的な操作によることなく、屋内の温度が予め設定された温度(例えばサーモスタットが蓋部材を開閉し得る温度、形状記憶合金が蓋部材を開放し得る変形を発生する温度)挟んで上下する際に開閉させることが可能となる。
【0067】
尚、開口部34を開閉する際の屋内の温度を如何なる値にするかは、限定するものではなく、駆動部材となるサーモスタットに於ける作動温度を調整し得るように構成しておくことが好ましい。
【0068】
上記の如く、温度に応じて作動する駆動部材を利用した場合、略メンテナンスフリーであり、しかも電気エネルギーを消費しないため、保守の面及びエネルギーコストの面から有利である。
【0069】
ガラス32の固定部33と開口部34を設けた支持枠31を構成するための材料として特に限定するものではないが、アルミニウムを押出成形したアルミ型材を利用することが好ましい。アルミ型材を利用して支持枠31を構成することによって、精度の高い安定した品質の上部換気部Aを構成することが可能となる。特に、アルミ型材を使用することによって構造の単純化をはかることが可能となり、生産性の向上をはかることが可能である。
【0070】
尚、図3に於いて、44は遮光スクリーンであり、夏場の日差しの強いときに利用することで、屋内に対する採光を調整することが可能である。特に、空気の流通を阻害することのないように、ルーバー状のものであることが必要である。
【0071】
下部換気部Bは構造を特に限定するものではないが、前述の上部換気部Aに於ける開口部34と同様に構成されたものを用いることが可能である。即ち、図4に示す部分を外壁に嵌め込むことで、下部換気部Bを構成することが可能である。
【0072】
特に、下部換気部Bでは、該下部換気部Bの開閉温度を限定するものではないが、温度変形部42の形状回復温度を上部換気部Aの設定温度よりも5℃以上の差を付けることが望ましい。下部換気部Bの開閉温度をこのように設定することで、夏季にあっては冷えた外気を屋内に流入させることが可能であり、冬季にあっては冷たい外気を流入させることなく屋内の暖気を保持することが可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係る換気構造では、屋内に構成された流通路の一方側の換気部から屋内の空気を大気に放出すると共に他方側の換気部から屋外の空気を大気に流入することが出来る。このため、夏季には温度が上昇した空気を屋外に放出すると同時に冷えた空気を屋内に流入させて換気をはかると共に屋内の空気を温度の低い状態に保持することが出来、且つ冬季には温度が上昇した空気を屋内に保持して屋内の温度を略一定の適温に保持することが出来る。
【0074】
特に、上部換気用開口部と下部換気用開口部とを別々に開閉させることによって、例えば、屋内温度が一定の値に到達するまでは上部,下部換気用開口部を閉鎖しておき、一定の温度を超えたとき上部換気用開口部のみを開放して屋内の温度の上昇した空気を放出させて屋内の温度を低下させ、更に、屋内の温度が上昇したとき、下部換気用開口部を開放して屋外の温度の低い空気を流入させることで、屋内の温度を低下させることが出来る。従って、上部換気用開口部と、下部換気用開口部を段階的に開閉することによって、屋内の温度を段階的に低下させることが可能となり、各換気用開口部を開閉させる温度を最適な温度に設定することで、屋内の適温化をはかることが出来る。
【0075】
また各換気部に開閉を制御する制御手段を有するため、天候に左右されることなく、且つ安全性を確保して屋内の空気を換気することが出来、住宅の居住性を向上させることが出来、更に、防犯上極めて有利である。
【0076】
また制御手段を温度を検出して開閉する蓋部材によって構成することで、換気部の周囲の温度が予め設定された温度に達したとき、屋内の空気を大気に放出し、或いは屋外の空気を流入させて換気をはかることが出来る。このため、長期間外出していても、屋内に熱気がこもることがない。
【0077】
特に、駆動部材を温度の昇降に伴って発生する力によって蓋部材を開閉させるように構成することによって、人手を要することなく、屋内の温度が略一定の温度に達したとき、蓋部材を駆動して開口部を開放し、或いは閉鎖することが出来る。また電気エネルギーを消費することなく換気部を開閉出来るので有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】住宅の換気構造を説明する模式斜視図である。
【図2】図1に示す住宅の間取り図である。
【図3】上部換気部を構成する換気機能を持った天窓の例を説明する図である。
【図4】換気部を開閉する際の蓋部材の駆動機構の例を説明する図である。
【符号の説明】
A         上部換気部
B         下部換気部
C         流通路
11         玄関
12         玄関ホール
13         階段
14         廊下
15         洗面所
16         居間
17         和室
18         仕切部材
19         窓部材
21         廊下
22         寝室
23         予備室
24         便所
25         仕切部材
26         窓部材
31         支持枠
31a        側面
32         ガラス
33         固定部
34         開口部
35         屋根
35a        上部換気部用開口
36         台枠
36a        断熱材
36b        内部壁材
37         樋状部材
38         防水カバー
39         防虫網
40         蓋部材
40a        ピン
40b        羽根
40c        レバー
42         温度変形部
43         遮蔽部材

Claims (2)

  1. 住宅の上部と下部に夫々開閉可能に構成された換気用開口部を設けると共に、これらの換気用開口部の間に空気が流通する流通路を構成し、且つ前記各換気用開口部に該換気用開口部を開閉する開閉制御手段を設けたことを特徴とする住宅の換気構造。
  2. 前記上部と下部の換気用開口部を開閉する開閉制御手段は別々に温度を検出して各換気用開口部を蓋部材で開閉するようにしたものであることを特徴とする請求項1に記載した住宅の換気構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010189949A (ja) * 2009-02-19 2010-09-02 Misawa Homes Co Ltd 建物の換気構造

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