JP2004026853A - 紫外線透過率を下げるポリエステル組成物及びこれを使って製造したペットボトル - Google Patents

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Abstract

【目的】紫外線透過率を下げるポリエステル組成物を提供し、これを使ってUV(紫外線)光の透過率を全面的に下げ、低い霞度を保つことができるペットボトルを製造する。
【構成】少量のナフタリン系コモノマー0.01〜2mol%を含有するポリエステル樹脂に、少量の有機系紫外線吸収剤のベンゾトリアゾール10〜1000ppmを混合して得られたポリエステル組成物及びそれからなるペットボトル。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル樹脂組成物に関するもので、特に、少量のナフタリン系コモノマー0.01〜2mol%を含有するポリエステル樹脂に、少量の有機系紫外線吸収剤のベンゾトリアゾール10〜1000ppmを混合して得られたポリエステル樹脂組成物を指し、これを使って製造したペットボトルは、UV(紫外線)光の透過率を全面的に下げるとともに、低い霞度を保つことができる。
【0002】
【従来の技術及び本発明が解決しようとする課題】
ポリエステルには、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」を称する)、ポリブチレンテレフタレート(以下「PBT」を称する)、ポリプロピレンテレフタレート(以下「PPT」を称する)などがあり、このうちPETは通常、包装に用いられる材質である。ボトル製造の点では、PETポリマーが適切である。このポリマーを使って製造した、いわゆるペットボトルは、軽くて壊れにくく、香りや味などの保存性が良く、加えて強度と透明性に優れているため、従来から、炭酸飲料、果汁、茶などの飲料の包装に幅広く用いられてきた。
【0003】
しかし、ペットボトルで包装・充填された飲料は、日光に晒されたとき、ペットボトルの透明性のために、紫外線の影響を受けやすいことから、飲料の変質や変色を起こすことが多く、好ましくない。食品の成分に光化学反応作用を起こさせる波長は、200〜380nmの範囲内であるが、ペットボトルに用いられるPET材質は、波長が315nm以下の紫外線のみを吸収する。ペットボトルが波長315〜380nmの範囲内の紫外線の影響を受けないようにすることは、業界が早急に解決しなければならない課題である。
【0004】
ペットボトル製造に用いられるポリエステル組成物に紫外線吸収剤を添加して、波長が315〜380nmの範囲内の紫外線を遮断することが一つの方法である。
【0005】紫外線吸収剤は、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤に分けられる。このうち、有機系紫外線吸収剤には、サリチレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などがあり、特殊な共鳴構造を利用して、紫外線を吸収するという目的を達成する。無機系紫外線吸収剤は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウムなどがあり、無機粒子の適度な粒径、高屈折率、色相などにより紫外線を散乱、吸収し、紫外線を吸収するという目的を達成させる。
【0006】
紫外線遮断効果を持つペットボトルの製造にあたっては、日本特許公開公報の特開平10−53696号が、ナフタリン系コモノマー0.001〜10重量%を含む共ポリエステルを使って製造した紫外線遮断効果をもつペットボトルを開示している。しかし、ナフタリン系コモノマーは、2つのベンゼン環が結合した特定の共鳴構造を持っており、紫外線の各波長を全面的に下げるという透過効果はなく、波長範囲が360nm以下の限られた紫外線しか吸収できないため好ましくなかった。
【0007】
全面的に紫外線(特に360nm以上の波長のもの)の透過を遮断するために、通常、粒径が0.01〜2.0μmの微粒の無機粒子(二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウムなど)を添加する。これらの微粒無機粒子は、波長が360nm以上の紫外線に対して、良好な散乱・吸収効果があるが、無機粒子の粒径が小さすぎると、二次凝集が起こりやすく、紫外線を遮断する透過効果が落ちる。また、厚さ0.355mmのペットボトルに良好な紫外線遮断の透過効果を持たせようとすると、微粒無機粒子の添加量を1000ppm以上にしなければならず、大量の無機粒子を使用するために、ペットボトルの霞度(haze)が高くなる。
【0008】
このため、ペットボトルの紫外線の遮断効果をさらに改善し、紫外線の広い波長範囲を全面的に遮断するとともに、低い霞度を保つようにすることが課題となっていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記に鑑み、本発明者らは鋭意検討を重ね、ポリエステル樹脂に、紫外線の各波長について異なる吸収効果を持つナフタリン系コモノマーとベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を混合し、得られたポリエステル樹脂組成物を使って製造したペットボトルは、UV(紫外線)光の透過率を全面的に下げ、低い霞度を保てることがわかった。
【0010】
本発明では、異なる種類のポリエステル樹脂を使うことができる。ポリエステル樹脂は、一般に二価酸と二価アルコ−ルをエステル化させて得るか、ジエステルと二価アルコ−ル、例えばジメチルテレフタレート(DMT)とジエステルについてエステル交換を行った後、重合反応させて得られる。最もよく用いられる二価酸はテレフタル酸(TPA)で、最もよく用いられる二価アルコ−ルは、エチレングリコール(EG)である。ポリエステルは、2種又は3種以上の二価酸又は二価アルコ−ルからなる。
【0011】
ポリエステルの酸成分は、イソフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸などから成る群から選んだ1種又はこれと同等の物質の混合物である。ポリエステルのエステル成分は、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールから成る一群から選んだ1種又はこれと同等の物質の混合物である。
【0012】
ポリエステルの製造方法で、業界でよく知られている方法は、次のとおりである。テレフタル酸とエチレングリコールを、210〜240℃の温度下で反応させ、モノマーと水を形成する。水を繰り返し除去し、反応を正反応に向かわせる。テレフタル酸とエチレングリコールが反応する間、触媒を必要としない。触媒により反応をやや加速することができるが、品質に影響を及ぼす副産物のジエチレングリコール(DEG)も相対的に増加する。エステル化が終了したら、続けて重縮合反応を起こさせる。重縮合反応は、予備重合反応と主重合反応に分けられ、予備重合反応温度は270〜280℃の間であり、操作の真空度は250〜15mmHgの間である。主重合反応温度は275〜285℃の間であり、操作の真空度は1mmHg以下の高真空下で、重縮合反応を起こさせる。PETの溶融相での重縮合反応終了時には、PETポリマーの固有粘度IV(intrinsic  viscosity)値は0.5〜0.7dl/gまで上がる。さらに、ポリマーを冷水中で急速冷却し、カットして円柱状のチップにする。
【0013】
固有粘度IV値をボトルグレ−ドのレベルにまで上げるため、チップをさらに200℃の窒素雰囲気の下で固相重合させ、IV値を0.7〜1.1dl/gまで引き上げる。IV値は0.72〜0.88dl/gが好ましい。固相重合の温度が200℃以下のとき、固有粘度IV値の増加は緩慢で、固相重合しない場合もある。
【0014】
本発明に係わる紫外線透過率を下げるポリエステル組成物は、98mol%以上のポリエステルのプレポリマーと、0.01〜2mol%の2,6−ナフタリンジカルボキシレートから成る共ポリエステルに、10〜1000ppmのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を添加して得られたものである。ポリエステル飲料容器とその他の透明なペットボトルを製造する場合、まずチップを結晶乾燥させた後、射出吹込成形機によりプリフォームを成形し、続けて所望するボトルの形に成形する。
【0015】
ペットボトルの内容物が紫外線照射により変質しないように、本発明では、少量のナフタリン系コモノマー0.01〜2mol%を含有するポリエステル樹脂に、少量の有機系紫外線吸収剤のベンゾトリアゾール10〜1000ppmを混合して得られたポリエステル樹脂組成物を使っている。作製されたペットボトルは、UV(紫外線)光の透過率を全面的に下げるとともに、低い霞度を保つことができる。
【0016】
ナフタリン系コモノマーには、2,6−ナフタリンジカルボキシレート(2,6−naphthalene dicarboxylate, 以下「NDC」を称する)などがあるが、2,6−ナフタリンジカルボキシレートが最適である。
【0017】
2−6ナフタリンジカルボキシレート(NDC)は、ナフタリンの2つのベンゼン環からなる基本構造を持つ。ナフタリンの紫外線吸収のピークは、286nmと312nmである。2−6ナフタリンジカルボキシレート(NDC)の構造は、ナフタリン環の2,6位のHをCOOCHに置き換えたものであって、これにより紫外線吸収のピークは、比較的長い波長である345nmと365nm に移る。このため、ポリエステル合成の際、少量の2−6ナフタリンジカルボキシレート(NDC)を添加すれば、波長360nm以下の紫外線に対して、良好な吸収効果を持つポリエステル組成物が得られる。
【0018】
また、重合のプロセスで、2−6ナフタリンジカルボキシレート(NDC)は、分子鎖中に結合する。ナフタリン系コモノマーを含有するポリエステル組成物を溶融、吹込によってボトルに成形するとき、分子鎖中のナフタリンの2つのベンゼン環からなる構造の平面は、吹込・加工・延伸により、ボトルの胴体の方向と平行になり、紫外線の吸収遮断に最大の効果を持つようになる。
【0019】
このほか、ポリエステル組成物に添加する有機系紫外線吸収剤には、サリチレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などがあり、特殊な共鳴構造を利用して、紫外線を吸収することができる。本発明においては、TINUVIN*234(登録商標、チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド製品)などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。なかでもTINUVIN*234が最適で、構造中のOH基とNが分子内で水素結合して共鳴効果を起こし、紫外線を吸収する。同時に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の電子共鳴の平面範囲は、サリチレート系、ベンゾフェノン系より大きいため、紫外線の各波長に対して広い範囲の吸収能力を持つ。10〜1000ppmの少量のTINUVIN*234紫外線吸収剤を添加して得られたポリエステル樹脂組成物は、波長360nm以下の紫外線の吸収効果が、少量のナフタリン系コモノマー(0.01〜2モル%)を含有するポリエステル樹脂組成物に比べて劣るが、365nm以上の紫外線の吸収効果が、ナフタリン系コモノマーより優れている。
【0020】
ナフタリン系コモノマーとTINUVIN*234有機系紫外線吸収剤の、紫外線の各波長に対する異なる吸収効果を利用して、ナフタリン系コモノマーとTINUVIN*234を少量混合して得られたポリエステル樹脂組成物を使って製造したペットボトルは、UV光の透過率を全面的に下げるとともに、低い霞度を保つことができる。
【0021】
本発明の2−6ナフタリンジカルボキシレート(NDC)の添加量は、0.01〜2.0モル%で、0.1〜1.0モル%が好ましい。添加量が0.1モル%以下のとき、低波長(360nm以下)の紫外線の遮断効果がはっきり現れない。添加量が1.0モル%以上のとき、短波長(360nm以下)の紫外線の遮断効果が緩慢となる。
【0022】
本発明においてTINUVIN*234有機系紫外線吸収剤の添加量は10〜1000ppmであり、200〜500ppmが好ましい。添加量が500ppm以上のとき、紫外線の遮断効果が緩慢になり、添加量が200ppm以下のとき、長波長(370nm以上)の紫外線の遮断効果がはっきり現れない。
【0023】
本発明で、2−6ナフタリンジカルボキシレート(NDC)とTINUVIN*234有機系紫外線吸収剤を添加する場合、2−6ナフタリンジカルボキシレート(NDC)を磨って粉にし、エチレングリコールを加えて25wt%のスラリーにし、さらにギヤーポンプにより反応槽に注入する。2−6ナフタリンジカルボキシレートのスラリーは、二価酸とエチレングリコールの配合時、又はエステル化反応時に、ポリエステル製造プロセスに入れる。TINUVIN*234は、エチレングリコール(EG)を添加して、15wt%のスラリーにし、ギヤーポンプにより反応槽に注入する。TINUVIN*234のスラリーは、二価酸とエチレングリコールの配合時、又はエステル化反応時に、ポリエステル製造プロセスに加える。
【0024】
本発明のポリエステル組成物には、熱安定剤、光安定剤、染料、顔料、可塑剤、酸化防止剤、赤外線吸収剤、紫外線防止剤などの添加剤を加えることができる。
【0025】
ペットボトルのシ−トの紫外線透過率の分析には、島津製作所のUV−2101PC紫外分光光度計を使って測定した。該装置は、スキャンにより波長300〜400nmの透過率を測定する。
【0026】
霞度の測定に用いた機器は、日本電色工業製造の測色色差計(COLOR AND COLOR DIFFERENCE METER, MODEL 1001DP)である。
【0027】
実施例1
電気で加熱するステンレス30Lの反応器内に、PETオリゴマー12.11KgとEG3.87Kgを加え、常圧下で撹拌し、260℃にまで加熱して、EG 1200〜1400mlを回収する。該PETオリゴマーは、PTA(テレフタル酸)とEGを反応させて得る。重縮合反応を行う前に、重縮合触媒の酢酸アンチモンを450ppm、酢酸コバルトを140ppm加え、2−6ナフタリンジカルボキシレート0.25mol%を注入し、TINUVIN*234紫外線防止剤300ppmを注入する。その後、真空にして、反応器内を1mmHg以下に漸次減圧し、270℃で予備重合反応をさせ、280℃で主重合反応をさせて、共ポリエステルを得る。かくして得られた共ポリエステルの固有粘度IVは、0.6〜0.64dl/gに制御される。
上記で得られたポリマーをカットして粒にし、まず180℃以下の窒素雰囲気下で、6時間乾燥、結晶させ、固相重縮合反応を行わせる。固相重縮合は、反応温度225℃、反応時間20時間で行う。固相重縮合反応終了後の固有粘度IVは、0.76〜0.86dl/gに制御される。
固相重縮合反応の終了後、ポリエステル粒を、280℃で射出成形機によりペットボトルに成形する。
【0028】
実施例2〜3
2−6ナフタリンジカルボキシレートとTINUVIN*234の添加量の比率を調整するほかは、実施例1と同じ操作を行う。結果は表1に示す。
【0029】
比較例1
電気で加熱するステンレス30Lの反応器内に、PETオリゴマー12.11KgとEG3.87Kgを加え、常圧下で撹拌し、260℃にまで加熱して、EG 1200〜1400mlを回収する。該PETオリゴマーは、PTAとEGを反応させて得る。重縮合反応を行う前に、重縮合触媒の酢酸アンチモンを450ppm、酢酸コバルトを140ppm加える。
その後、真空にして、反応器内を1mmHg以下に漸次減圧し、270℃で予備重合反応をさせ、280℃で主重合反応をさせて、共ポリエステルを得る。該共ポリエステルの固有粘度IVは、0.6〜0.64dl/gに制御される。
上記で得られたポリマーをカットして粒にし、まず180℃以下の窒素雰囲気下で、6時間乾燥、結晶させ、固相重縮合反応を行わせる。固相重縮合は、反応温度225℃、反応時間20時間で行う。固相重縮合反応の終了後の固有粘度は、0.76〜0.86dl/gに制御される。
固相重縮合反応終了後、ポリエステルチップを、280℃で射出成形機によりペットボトルに成形する。
【0030】
比較例2
電気で加熱するステンレス30Lの反応器に、PETオリゴマー12.11KgとEG 3.87Kgを加え、常圧下で撹拌し、260℃にまで加熱して、EG 1200〜1400mlを回収する。該PETオリゴマーは、PTAとEGを反応させて得る。重縮合反応を行う前に、重縮合触媒の酢酸アンチモンを450ppm、酢酸コバルトを140ppm加え、2−6ナフタリンジカルボキシレート0.25mol%を注入する。その後、真空にして、反応器内を1mmHg以下に漸次減圧し、270℃で予備重合反応をさせ、280℃で主重合反応をさせて、共ポリエステルを得る。該共ポリエステルの固有粘度は、0.6〜0.64dl/gに制御される。
上記で得られたポリマーをカットして粒にし、まず180℃以下の窒素気体の流通下で、6時間乾燥、結晶させ、固相重縮合反応を行わせる。固相重縮合は、反応温度225℃、反応時間20時間で行う。固相重縮合反応終了後の固有粘度は、0.76〜0.86dl/gに制御される。
固相重縮合反応終了後、ポリエステル粒を、280℃で射出成形機によりペットボトルに成形する。
【0031】
比較例3〜6
2−6ナフタリンジカルボキシレートとTINUVIN*234の添加量の比率を調整するほかは、比較例2と同じ操作を行う。結果は表1に示す。
【表 1】
Figure 2004026853
【0032】
表1からわかるように、2−6ナフタリンジカルボキシレート0.25mol%を加えただけでは、波長が360nm以上の紫外線の遮断効果ははっきりと現れない。TINUVIN*234を加えただけでは、波長が360nm以下の紫外線効果は、2−6ナフタリンジカルボキシレートを加えただけのときの効果に比べて劣る。
2−6ナフタリンジカルボキシレートとTINUVIN*234を少量加えて製造したペットボトルは、UV光の透過率を全面的に下げるとともに、低い霞度を保つことができる。
【0033】
比較例7
2−6ナフタリンジカルボキシレート0.25mol%を使用し、TINUVIN*234を加えずに、これに代えて無機系紫外線吸収剤のナノメートルレベルの四三酸化鉄(20nm)50ppmを使用するほかは、実施例1と同じ操作を行う。結果は表2に示す。
【0034】
比較例8
ナノメートルレベルの四三酸化鉄の添加量を100ppmに調整するほかは、比較例7と同じ操作を行う。結果は、表2に示す。
【0035】
比較例9
ナノメートルレベルの四三酸化鉄を加えず、0.27μmの四三酸化鉄200ppmを加えるほかは、比較例7と同じ操作を行う。結果は表2に示す。
【表 2】
Figure 2004026853
【0036】表2から明らかに、2−6ナフタリンジカルボキシレート0.25mol%を混合したポリエステル組成物に添加した無機粒子は、粒径が小さすぎると、二次凝集を起こしやすく、紫外線を遮断する透過効果が落ちると同時に、霞度が高くなる。

Claims (8)

  1. 98mol%以上のポリエステルのプレポリマーと、0.01〜2mol%の2−6ナフタリンジカルボキシレートから成る共ポリエステルに、10〜1000ppmのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を添加してなる紫外線透過率を下げたポリエステル組成物。
  2. 前記ポリエステルがポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンテレフタレートの改質物である請求項1記載のポリエステル組成物。
  3. 前記2−6ナフタリンジカルボキシレートの添加量が0.1〜1.0mol%である請求項1記載のポリエステル組成物。
  4. 前記2−6ナフタリンジカルボキシレートの添加は、2−6ナフタリンジカルボキシレート(NDC)を粉に砕き、エチレングリコール(EG)を加えて25wt%のスラリにしてから、ギヤーポンプで反応溝に注入するものとし、該2−6ナフタリンジカルボキシレートのスラリはナフタリン酸およびエチレングリコールの調合時、またはエステル化反応期間にポリエステル製造プロセスに加える請求項1記載のポリエステル組成物。
  5. 前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤がTINUVIN*234(登録商標、チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド製品)である請求項1に記載のポリエステル組成物。
  6. 前記TINUVIN*234の添加量が200〜500ppmである請求項5記載のポリエステル組成物。
  7. 前記ポリエステル組成物がさらに抗酸化剤、有機顔料および赤外線吸収剤を含む請求項1に記載のポリエステル組成物。
  8. 請求項1記載のポリエステル組成物からボトルプリフォームを形成し、続けて所望する形状に吹込成型してなる抗紫外線のペットボトル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2017209223A1 (ja) * 2016-05-31 2019-03-28 サントリーホールディングス株式会社 バイオpet樹脂の製造方法
GB2590495A (en) * 2019-12-20 2021-06-30 Henkel IP & Holding GmbH A container for, and a pack including, cyanoacrylate composition(s)

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