JP2004026715A - 骨粗鬆症・骨減少症治療剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期投与でもすぐれた骨密度増加効果が維持された、骨粗鬆症および骨減少症の治療剤の提供。
【解決手段】ゲラニル化合物をビスホスホネートと併用することにより、ビスホスホネート長期投与時の骨密度増加効果の減弱を抑制し、長期投与でもすぐれた骨密度増加効果が維持された、骨粗鬆症および骨減少症の治療剤。
【選択図】 なし。
【解決手段】ゲラニル化合物をビスホスホネートと併用することにより、ビスホスホネート長期投与時の骨密度増加効果の減弱を抑制し、長期投与でもすぐれた骨密度増加効果が維持された、骨粗鬆症および骨減少症の治療剤。
【選択図】 なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、骨粗鬆症または骨減少症の治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビスホスホネート(ビスホスホン酸塩類)は骨吸収を抑制することが知られており、骨粗鬆症およびその関連疾患・症状の治療薬として、エチドロネート、アレンドロネートを始めとする複数の化合物が既に臨床応用され、あるいは開発が進められている。
ところで、ビスホスホネートによる骨密度(bone mineral density;骨塩密度もしくは骨塩量とも称される)増加効果は長期投与では次第に減弱することが知られている(日本臨床60巻,増刊号3(2002),p350−358; 医薬ジャーナル Vol.37,No.3,2001/p981−988; ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism) Vol.85,2000/p3109−3115)。これらの文献では、投与開始後1−2年間は比較的急激に腰椎骨密度が増加するが、その後は次第に増加が緩徐となり、軽度の増加か現状維持に留まると報告されている。
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、長期投与でもすぐれた骨密度増加効果が維持された、骨粗鬆症および骨減少症の治療剤を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、後述するゲラニル化合物を併用したところ、全く予想外に、ビスホスホネート長期投与時の骨密度増加効果の減弱を顕著に抑制すること、あるいは、骨密度の増加効果を増強することを見出して、本発明を完成したものである。
【0004】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1] 下記のいずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物と併用するための、ビスホスホネートを有効成分とする骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート(Molfarnate)、ピファルニン(Pifarnine)
[2] ビスホスホネートの長期投与時の骨密度増加効果の減弱を抑制することを目的として、少なくとも1種のゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物と併用するための、ビスホスホネートを有効成分とする骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
[3] ビスホスホネートの長期投与時の骨密度増加効果の減弱を抑制することを目的として、下記のいずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物と併用するための、ビスホスホネートを有効成分とする骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート(Molfarnate)、ピファルニン(Pifarnine)、メナテトレノン、フィトナジオン(ビタミンK1)
[4] 下記のいずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物と併用して使用するように使用方法が表記され、包装された、ビスホスホネートを有効成分とする骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート(Molfarnate)、ピファルニン(Pifarnine)
[5] ゲラニル化合物がテプレノンまたはゲファルナートである[1]〜[4]のいずれかに記載の治療剤。
[6] 下記いずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物を、ビスホスホネートと組み合わせて含有する骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート(Molfarnate)、ピファルニン(Pifarnine)、メナテトレノン、フィトナジオン(ビタミンK1)
[7] ゲラニル化合物がテプレノンまたはゲファルナートである[6]に記載の治療剤。
[8] ビスホスホネートが下記の1または複数の薬剤である[1]〜[7]のいずれかに記載の治療剤。
エチドロネート、アレンドロネート、リセドロネート、インカドロネート、ゾレドロネート、イバンドロネート、クロドロネート、パミドロネート、チルドロネート、オルパドロネート、ネリドロネート、ミノドロネート(YH 529)、1−ヒドロキシ−3−(1−ピロリジニル)−プロピリデン・ビスホスホネート(EB−1053)
[9] ビスホスホネートがエチドロネートまたはアレンドロネートである[1]〜[7]のいずれかに記載の治療剤。
[10] 下記のいずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物を有効成分とする、ビスホスホネートの骨密度増加効果の減弱抑制剤または骨密度増加効果の増強剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート(Molfarnate)、ピファルニン(Pifarnine)、メナテトレノン、フィトナジオン(ビタミンK1)
[11] ゲラニル化合物がテプレノンまたはゲファルナートである[10]に記載の減弱抑制剤または増強剤。
[12] 少なくとも1種のゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物を有効成分とする、ビスホスホネートの長期投与時の骨密度増加効果の減弱抑制剤または骨密度増加効果の増強剤。
【0005】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明におけるゲラニル化合物としては、ゲラニル基を有する化合物のことであり、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
テプレノン
ゲファルナート
プラウノトール
モルファルナート(Molfarnate、製造方法は 特開昭57−106644に記載されている)
ピファルニン(Pifarnine)
メナテトレノン(同:特開昭63−162649)
フィトナジオン(ビタミンK1)
【0006】
本発明におけるゲラニル化合物の薬学上許容される塩としては、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、カンファー−スルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩、トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩等が挙げられる。
本発明には、本発明におけるゲラニル化合物のあらゆるプロドラッグを包含している。また、本発明はそれらの水和物等の溶媒和物およびあらゆる態様の結晶形のものも包含している。
【0007】
本発明で用いられるビスホスホネートとしては、骨粗鬆症または骨減少症の予防または治療効果を有するビスホスホネートが挙げられ、具体的には、以下の化合物を挙げることができる。なお、本発明で用いられるビスホスホネートには、以下の化合物のプロドラッグ、それらの水和物等の溶媒和物およびあらゆる態様の結晶形のもの、並びにそれらの混合物を包含している。
エチドロネート
アレンドロネート(製造方法は US 4,922,007およびUS 5,019,651に記載されている)
リセドロネート(同:EP 186,405 B)
インカドロネート(同:EP 325,482 B)
ゾレドロネート(同:EP 275,821 B)
イバンドロネート(同:EP 252,504 B)
クロドロネート
パミドロネート(同:EP 177,443 B)
チルドロネート(同:EP 100,718 B)
オルパドロネート(同:DE 2,534,391 A)
ネリドロネート(同:US 4,304,734)
ミノドロネート(YH 529、同:EP 354,806 B)
1−ヒドロキシ−3−(1−ピロリジニル)−プロピリデン・ビスホスホネート(EB−1053、同:EP 409,881 B)
【0008】
好ましいビスホスホネートとしては、エチドロネート、クロドロネート、チルドロネートなど、側鎖に窒素原子を含む置換基を有しないものが挙げられ、特に好ましいものとしてはエチドロネートが挙げられる。
また、ビスホスホネートの対カチオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオン等の無機塩基イオン、トリエチルアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ジイソプロピルアンモニウムイオン等の有機塩基イオン等が挙げられる。好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられ、さらに好ましくはナトリウムイオンが挙げられる。
エチドロネートの場合、好ましくはエチドロン酸二ナトリウムが、アレンドロネートの場合、好ましくはアレンドロン酸ナトリウムが挙げられる。
【0009】
骨粗鬆症としては、例えば、閉経後骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症などの原発性骨粗鬆症に加え、グルココルチコイド誘発骨粗鬆症(ステロイド性骨粗鬆症)、脳卒中による麻痺・廃用を原因とする骨粗鬆症などの続発性骨粗鬆症が例示できる。本発明の治療剤は、上記に代表されるような種々の骨粗鬆症または骨減少症において、長期投与に際して骨密度増加効果を持続させることができ、よって従来より優れた長期治療効果を有する。
【0010】
特に、ビスホスホネートを用いる長期治療においては、投与開始後1−2年間は比較的急激に腰椎骨密度が増加するものの、次第に増加が緩徐となり、その後は軽度の増加か現状維持に留まると報告されている。しかし、本発明の治療剤によれば、2−4年後の長期投与においても、ビスホスホネートの単独投与の場合とは異なり、顕著な腰椎骨密度の増加を示している。
【0011】
本発明におけるゲラニル化合物もしくはその薬学上許容される塩を含有する製剤、および本発明のビスホスホネートを含有する製剤は、通常経口的に投与されるが、非経口的(例えば、静脈内、皮下、もしくは筋肉内注射、局所的、経直腸的、経皮的、または経鼻的)に投与することもできる。経口投与のための形体としては、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、液剤、シロップ剤または懸濁剤などが挙げられ、非経口投与のための形体としては、例えば、注射用水性剤もしくは油性剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、エアロゾル剤、坐剤、貼付剤などが挙げられる。これらの製剤は、従来公知の技術を用いて調製され、許容される通常の担体、賦形剤、結合剤、安定剤等を含有することができる。また、注射剤形で用いる場合には許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。
【0012】
ゲラニル化合物もしくはその薬学上許容される塩を含む上記製剤は、ビスホスホネートを含有する製剤と併用することができるが、例えば、ゲラニル化合物もしくはその薬学上許容される塩をビスホスホネートに加えて配合した製剤とすることもできる。また、医師の処方箋に従って混合して医薬を製造することもできる。併用する場合には、本発明のゲラニル化合物またはその薬学上許容される塩と、ビスホスホネートとは、種々異なるルートにより同時にもしくは別々に、または例えば同日に時間をずらして、または数日間〜数週間さらには数ケ月にわたり所定の間隔をおいて投与することができる。
【0013】
本発明のビスホスホネートの投与量、投与回数は、症状、年令、体重、投与形態、投与する化合物の種類、および併用されるゲラニル化合物の種類、投与量によって異なり、特に投与するビスホスホネートの種類によって左右されるが、通常は経口投与の場合、成人に対してビスホスホネート化合物の有効成分量として、1日あたり約1〜1,000mg、好ましくは約1〜400mgを1回または数回に分けて投与することができる。また、ビスホスホネートは連日投与することもできるし、一定期間連日投与したのち一定期間休薬することを1クールとして、このような周期的間歇投与を繰り返す形で投与することもできる。
さらに好ましくは、ビスホスホネート単独での通常用いられる用法・用量と同程度か、またはそれを適宜減量した用法・用量で投与することができる。例えば、エチドロネートの場合、エチドロン酸二ナトリウムとして成人に対して1日あたり約200−400mgを約2週間連日投与し、その後約10ないし12週間休薬することを1クールとして、このような周期的間歇投与を繰り返す形、および同様の用法で1日用量を適宜減量した用法・用量で投与することができる。アレンドロネートの場合、アレンドロン酸として成人に対して1日あたり約2.5−20mg、より好ましくは1日あたり約5−10mgを連日投与することができる。または、アレンドロン酸として成人に対して約35−70mgを週に1回投与することができる。リセドロネートの場合、リセドロン酸ナトリウムとして成人に対して1日あたり約2.5−5mgを連日投与、または約17−35mgを週に1回投与することができる。
ビスホスホネートを単独で投与する場合と比べて、ゲラニル化合物を併用する場合には、同量を投与しても良いし、例えばその1/2,1/3,または1/5などに減量して投与しても良い。減量する場合の至適用量は、通常の用量設定試験(動物試験および臨床試験)により決定することができる。
【0014】
また、本発明のゲラニル化合物またはその薬学上許容される塩の投与量、投与回数は、症状、年令、体重、投与形態、投与する化合物の種類、および併用されるビスホスホネートの種類、投与量によって異なるが、通常は経口投与の場合、成人に対してゲラニル化合物の有効成分量として、1日あたり約1〜1,000mg、好ましくは約10〜500mg、さらに好ましくは約40〜300mgを1回または数回に分けて投与することができる。
具体的には、テプレノンの場合は1日あたり約150mgを、ゲファルナートの場合は1日あたり約100−300mgを、プラウノトールの場合は1日あたり約240mgを、メナテトレノンの場合は1日あたり約45mgを、それぞれ1日2−3回に分けて投与することが好ましい。
また、ビスホスホネートが間歇投与の形態で投与される場合、ゲラニル化合物またはその薬学上許容される塩はビスホスホネート同様に間歇投与する(ビスホスホネートを投与する期間のみ投与し、ビスホスホネートの休薬期間は投与しない)形態で投与しても良いし、ビスホスホネートの休薬期間も含め連日投与の形態で投与しても良い。
【0015】
さらに、ゲラニル化合物もしくはその薬学上許容される塩を含有する製剤と、ビスホスホネートを含有する製剤との一定期間分を同一のシートに封入し、患者にとって併用が容易になるようにパッケージした製剤の形も可能である。
【0016】
本発明の製剤は、さらに他の骨粗鬆症または骨減少症治療薬と併用することもできる。骨粗鬆症または骨減少症治療薬としては、具体的には、カルシウム製剤、ビタミンDおよびその誘導体、エストロゲンおよびその誘導体、カルシトニン製剤、その他の骨吸収抑制剤および骨形成促進剤が挙げられる。これらの化合物は、エステル化などのプロドラッグ化されていてもよく、ナトリウム塩等の塩の形態であってもよく、水和物等の溶媒和物であってもよい。
【0017】
【実施例】
以下、試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0018】
実施例1
1.方法
試験は骨粗鬆症または骨減少症を有する40歳以上の閉経後女性を対象とした。閉経後少なくとも12ヶ月を経過した患者を選択し、最終の月経時期が不明な場合は血中FSH(卵胞刺激ホルモン)が50IU/mlを超え、かつ血中エストラジオールが閉経期のレンジである30pg/ml未満の患者を選択した。エチドロン酸二ナトリウム(以下、EHDPと称する)は12週のうちに14日間、1日あたり200mgを投薬した。軽度の消化管症状がある患者にはEHDP投与日についてテプレノン(GGA) 50mgをEHDPと併用した(EHDP休薬期間はテプレノンも休薬した)。骨密度は試験開始時(ベースライン)およびそれ以後は6ヶ月毎にルナー社のDPX−Lを用いdual energy X−ray absorptiometry法(DXA法)にて測定し、EHDP単独投与群とEHDP/テプレノン併用群のベースラインからの腰椎骨密度変化率の差を評価項目とした。
結果はマンホイットニーのUテストで解析した。
【0019】
2.結果
平均年齢59±8歳(範囲:40−78歳)の194例の患者を解析対象とした。内訳はEHDP単独投与群が144例、EHDP/テプレノン併用群が50例であった。ベースラインの背景値(年齢、閉経年齢、体重、身長、Body mass index、開始時腰椎骨密度)には群間で有意な差は認められなかった。
試験開始1年後の継続率はEHDP/テプレノン併用群で96%、EHDP単独投与群で73%であり(p<0.001)、2年後では併用群で82%、単独群で65%(p=0.032)、3年後では併用群で76%、単独群で62%、4年後では併用群で66%、単独群で58%と推移した。
併用群および単独群における腰椎骨密度の変化率を図1に示す。腰椎骨密度の変化率は、dual energy X−ray absorptiometry法(DXA法)にて測定した腰椎骨密度の、ベースラインからの変化率を%で示した。グラフ中、平均値を棒グラフ(ハッチング付き:EHDP/テプレノン併用群、ハッチングなし:EHDP単独投与群)で、標準誤差をエラーバーで示した。
結果はマンホイットニーのUテストで解析し、#は、テプレノンなし群に比しp<0.05で有意に高値であることを、また、※は、テプレノンなし群に比しp<0.01で有意に高値であることを示す。
【0020】
ベースラインからの腰椎骨密度の変化率は試験開始1年後で併用群5.8±6.5%、単独群5.1±5.5%、2年後で併用群8.2±6.5%、単独群6.2±5.2%であり2年後までの値では群間に有意な差は認められなかった。一方、3年後では併用群9.9±7.5%、単独群6.4±4.5%、4年後では併用群14.7±8.0%、単独群7.0±4.9%と2群間に有意な差が認められた(3年後:p=0.028、4年後:p=0.003)。
【0021】
【発明の効果】
本発明により、長期投与でも骨密度の増加効果が減弱されることのない、すぐれた骨密度増加効果が維持された、骨粗鬆症および骨減少症の治療剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】骨粗鬆症、骨減少症を有する女性患者を対象とした、長期エチドロン酸二ナトリウム(以下、EHDPと称する)療法における腰椎骨密度の変化率(%)を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、骨粗鬆症または骨減少症の治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビスホスホネート(ビスホスホン酸塩類)は骨吸収を抑制することが知られており、骨粗鬆症およびその関連疾患・症状の治療薬として、エチドロネート、アレンドロネートを始めとする複数の化合物が既に臨床応用され、あるいは開発が進められている。
ところで、ビスホスホネートによる骨密度(bone mineral density;骨塩密度もしくは骨塩量とも称される)増加効果は長期投与では次第に減弱することが知られている(日本臨床60巻,増刊号3(2002),p350−358; 医薬ジャーナル Vol.37,No.3,2001/p981−988; ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism) Vol.85,2000/p3109−3115)。これらの文献では、投与開始後1−2年間は比較的急激に腰椎骨密度が増加するが、その後は次第に増加が緩徐となり、軽度の増加か現状維持に留まると報告されている。
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、長期投与でもすぐれた骨密度増加効果が維持された、骨粗鬆症および骨減少症の治療剤を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、後述するゲラニル化合物を併用したところ、全く予想外に、ビスホスホネート長期投与時の骨密度増加効果の減弱を顕著に抑制すること、あるいは、骨密度の増加効果を増強することを見出して、本発明を完成したものである。
【0004】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1] 下記のいずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物と併用するための、ビスホスホネートを有効成分とする骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート(Molfarnate)、ピファルニン(Pifarnine)
[2] ビスホスホネートの長期投与時の骨密度増加効果の減弱を抑制することを目的として、少なくとも1種のゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物と併用するための、ビスホスホネートを有効成分とする骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
[3] ビスホスホネートの長期投与時の骨密度増加効果の減弱を抑制することを目的として、下記のいずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物と併用するための、ビスホスホネートを有効成分とする骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート(Molfarnate)、ピファルニン(Pifarnine)、メナテトレノン、フィトナジオン(ビタミンK1)
[4] 下記のいずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物と併用して使用するように使用方法が表記され、包装された、ビスホスホネートを有効成分とする骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート(Molfarnate)、ピファルニン(Pifarnine)
[5] ゲラニル化合物がテプレノンまたはゲファルナートである[1]〜[4]のいずれかに記載の治療剤。
[6] 下記いずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物を、ビスホスホネートと組み合わせて含有する骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート(Molfarnate)、ピファルニン(Pifarnine)、メナテトレノン、フィトナジオン(ビタミンK1)
[7] ゲラニル化合物がテプレノンまたはゲファルナートである[6]に記載の治療剤。
[8] ビスホスホネートが下記の1または複数の薬剤である[1]〜[7]のいずれかに記載の治療剤。
エチドロネート、アレンドロネート、リセドロネート、インカドロネート、ゾレドロネート、イバンドロネート、クロドロネート、パミドロネート、チルドロネート、オルパドロネート、ネリドロネート、ミノドロネート(YH 529)、1−ヒドロキシ−3−(1−ピロリジニル)−プロピリデン・ビスホスホネート(EB−1053)
[9] ビスホスホネートがエチドロネートまたはアレンドロネートである[1]〜[7]のいずれかに記載の治療剤。
[10] 下記のいずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物を有効成分とする、ビスホスホネートの骨密度増加効果の減弱抑制剤または骨密度増加効果の増強剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート(Molfarnate)、ピファルニン(Pifarnine)、メナテトレノン、フィトナジオン(ビタミンK1)
[11] ゲラニル化合物がテプレノンまたはゲファルナートである[10]に記載の減弱抑制剤または増強剤。
[12] 少なくとも1種のゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物を有効成分とする、ビスホスホネートの長期投与時の骨密度増加効果の減弱抑制剤または骨密度増加効果の増強剤。
【0005】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明におけるゲラニル化合物としては、ゲラニル基を有する化合物のことであり、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
テプレノン
ゲファルナート
プラウノトール
モルファルナート(Molfarnate、製造方法は 特開昭57−106644に記載されている)
ピファルニン(Pifarnine)
メナテトレノン(同:特開昭63−162649)
フィトナジオン(ビタミンK1)
【0006】
本発明におけるゲラニル化合物の薬学上許容される塩としては、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、カンファー−スルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩、トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩等が挙げられる。
本発明には、本発明におけるゲラニル化合物のあらゆるプロドラッグを包含している。また、本発明はそれらの水和物等の溶媒和物およびあらゆる態様の結晶形のものも包含している。
【0007】
本発明で用いられるビスホスホネートとしては、骨粗鬆症または骨減少症の予防または治療効果を有するビスホスホネートが挙げられ、具体的には、以下の化合物を挙げることができる。なお、本発明で用いられるビスホスホネートには、以下の化合物のプロドラッグ、それらの水和物等の溶媒和物およびあらゆる態様の結晶形のもの、並びにそれらの混合物を包含している。
エチドロネート
アレンドロネート(製造方法は US 4,922,007およびUS 5,019,651に記載されている)
リセドロネート(同:EP 186,405 B)
インカドロネート(同:EP 325,482 B)
ゾレドロネート(同:EP 275,821 B)
イバンドロネート(同:EP 252,504 B)
クロドロネート
パミドロネート(同:EP 177,443 B)
チルドロネート(同:EP 100,718 B)
オルパドロネート(同:DE 2,534,391 A)
ネリドロネート(同:US 4,304,734)
ミノドロネート(YH 529、同:EP 354,806 B)
1−ヒドロキシ−3−(1−ピロリジニル)−プロピリデン・ビスホスホネート(EB−1053、同:EP 409,881 B)
【0008】
好ましいビスホスホネートとしては、エチドロネート、クロドロネート、チルドロネートなど、側鎖に窒素原子を含む置換基を有しないものが挙げられ、特に好ましいものとしてはエチドロネートが挙げられる。
また、ビスホスホネートの対カチオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオン等の無機塩基イオン、トリエチルアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ジイソプロピルアンモニウムイオン等の有機塩基イオン等が挙げられる。好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられ、さらに好ましくはナトリウムイオンが挙げられる。
エチドロネートの場合、好ましくはエチドロン酸二ナトリウムが、アレンドロネートの場合、好ましくはアレンドロン酸ナトリウムが挙げられる。
【0009】
骨粗鬆症としては、例えば、閉経後骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症などの原発性骨粗鬆症に加え、グルココルチコイド誘発骨粗鬆症(ステロイド性骨粗鬆症)、脳卒中による麻痺・廃用を原因とする骨粗鬆症などの続発性骨粗鬆症が例示できる。本発明の治療剤は、上記に代表されるような種々の骨粗鬆症または骨減少症において、長期投与に際して骨密度増加効果を持続させることができ、よって従来より優れた長期治療効果を有する。
【0010】
特に、ビスホスホネートを用いる長期治療においては、投与開始後1−2年間は比較的急激に腰椎骨密度が増加するものの、次第に増加が緩徐となり、その後は軽度の増加か現状維持に留まると報告されている。しかし、本発明の治療剤によれば、2−4年後の長期投与においても、ビスホスホネートの単独投与の場合とは異なり、顕著な腰椎骨密度の増加を示している。
【0011】
本発明におけるゲラニル化合物もしくはその薬学上許容される塩を含有する製剤、および本発明のビスホスホネートを含有する製剤は、通常経口的に投与されるが、非経口的(例えば、静脈内、皮下、もしくは筋肉内注射、局所的、経直腸的、経皮的、または経鼻的)に投与することもできる。経口投与のための形体としては、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、液剤、シロップ剤または懸濁剤などが挙げられ、非経口投与のための形体としては、例えば、注射用水性剤もしくは油性剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、エアロゾル剤、坐剤、貼付剤などが挙げられる。これらの製剤は、従来公知の技術を用いて調製され、許容される通常の担体、賦形剤、結合剤、安定剤等を含有することができる。また、注射剤形で用いる場合には許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。
【0012】
ゲラニル化合物もしくはその薬学上許容される塩を含む上記製剤は、ビスホスホネートを含有する製剤と併用することができるが、例えば、ゲラニル化合物もしくはその薬学上許容される塩をビスホスホネートに加えて配合した製剤とすることもできる。また、医師の処方箋に従って混合して医薬を製造することもできる。併用する場合には、本発明のゲラニル化合物またはその薬学上許容される塩と、ビスホスホネートとは、種々異なるルートにより同時にもしくは別々に、または例えば同日に時間をずらして、または数日間〜数週間さらには数ケ月にわたり所定の間隔をおいて投与することができる。
【0013】
本発明のビスホスホネートの投与量、投与回数は、症状、年令、体重、投与形態、投与する化合物の種類、および併用されるゲラニル化合物の種類、投与量によって異なり、特に投与するビスホスホネートの種類によって左右されるが、通常は経口投与の場合、成人に対してビスホスホネート化合物の有効成分量として、1日あたり約1〜1,000mg、好ましくは約1〜400mgを1回または数回に分けて投与することができる。また、ビスホスホネートは連日投与することもできるし、一定期間連日投与したのち一定期間休薬することを1クールとして、このような周期的間歇投与を繰り返す形で投与することもできる。
さらに好ましくは、ビスホスホネート単独での通常用いられる用法・用量と同程度か、またはそれを適宜減量した用法・用量で投与することができる。例えば、エチドロネートの場合、エチドロン酸二ナトリウムとして成人に対して1日あたり約200−400mgを約2週間連日投与し、その後約10ないし12週間休薬することを1クールとして、このような周期的間歇投与を繰り返す形、および同様の用法で1日用量を適宜減量した用法・用量で投与することができる。アレンドロネートの場合、アレンドロン酸として成人に対して1日あたり約2.5−20mg、より好ましくは1日あたり約5−10mgを連日投与することができる。または、アレンドロン酸として成人に対して約35−70mgを週に1回投与することができる。リセドロネートの場合、リセドロン酸ナトリウムとして成人に対して1日あたり約2.5−5mgを連日投与、または約17−35mgを週に1回投与することができる。
ビスホスホネートを単独で投与する場合と比べて、ゲラニル化合物を併用する場合には、同量を投与しても良いし、例えばその1/2,1/3,または1/5などに減量して投与しても良い。減量する場合の至適用量は、通常の用量設定試験(動物試験および臨床試験)により決定することができる。
【0014】
また、本発明のゲラニル化合物またはその薬学上許容される塩の投与量、投与回数は、症状、年令、体重、投与形態、投与する化合物の種類、および併用されるビスホスホネートの種類、投与量によって異なるが、通常は経口投与の場合、成人に対してゲラニル化合物の有効成分量として、1日あたり約1〜1,000mg、好ましくは約10〜500mg、さらに好ましくは約40〜300mgを1回または数回に分けて投与することができる。
具体的には、テプレノンの場合は1日あたり約150mgを、ゲファルナートの場合は1日あたり約100−300mgを、プラウノトールの場合は1日あたり約240mgを、メナテトレノンの場合は1日あたり約45mgを、それぞれ1日2−3回に分けて投与することが好ましい。
また、ビスホスホネートが間歇投与の形態で投与される場合、ゲラニル化合物またはその薬学上許容される塩はビスホスホネート同様に間歇投与する(ビスホスホネートを投与する期間のみ投与し、ビスホスホネートの休薬期間は投与しない)形態で投与しても良いし、ビスホスホネートの休薬期間も含め連日投与の形態で投与しても良い。
【0015】
さらに、ゲラニル化合物もしくはその薬学上許容される塩を含有する製剤と、ビスホスホネートを含有する製剤との一定期間分を同一のシートに封入し、患者にとって併用が容易になるようにパッケージした製剤の形も可能である。
【0016】
本発明の製剤は、さらに他の骨粗鬆症または骨減少症治療薬と併用することもできる。骨粗鬆症または骨減少症治療薬としては、具体的には、カルシウム製剤、ビタミンDおよびその誘導体、エストロゲンおよびその誘導体、カルシトニン製剤、その他の骨吸収抑制剤および骨形成促進剤が挙げられる。これらの化合物は、エステル化などのプロドラッグ化されていてもよく、ナトリウム塩等の塩の形態であってもよく、水和物等の溶媒和物であってもよい。
【0017】
【実施例】
以下、試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0018】
実施例1
1.方法
試験は骨粗鬆症または骨減少症を有する40歳以上の閉経後女性を対象とした。閉経後少なくとも12ヶ月を経過した患者を選択し、最終の月経時期が不明な場合は血中FSH(卵胞刺激ホルモン)が50IU/mlを超え、かつ血中エストラジオールが閉経期のレンジである30pg/ml未満の患者を選択した。エチドロン酸二ナトリウム(以下、EHDPと称する)は12週のうちに14日間、1日あたり200mgを投薬した。軽度の消化管症状がある患者にはEHDP投与日についてテプレノン(GGA) 50mgをEHDPと併用した(EHDP休薬期間はテプレノンも休薬した)。骨密度は試験開始時(ベースライン)およびそれ以後は6ヶ月毎にルナー社のDPX−Lを用いdual energy X−ray absorptiometry法(DXA法)にて測定し、EHDP単独投与群とEHDP/テプレノン併用群のベースラインからの腰椎骨密度変化率の差を評価項目とした。
結果はマンホイットニーのUテストで解析した。
【0019】
2.結果
平均年齢59±8歳(範囲:40−78歳)の194例の患者を解析対象とした。内訳はEHDP単独投与群が144例、EHDP/テプレノン併用群が50例であった。ベースラインの背景値(年齢、閉経年齢、体重、身長、Body mass index、開始時腰椎骨密度)には群間で有意な差は認められなかった。
試験開始1年後の継続率はEHDP/テプレノン併用群で96%、EHDP単独投与群で73%であり(p<0.001)、2年後では併用群で82%、単独群で65%(p=0.032)、3年後では併用群で76%、単独群で62%、4年後では併用群で66%、単独群で58%と推移した。
併用群および単独群における腰椎骨密度の変化率を図1に示す。腰椎骨密度の変化率は、dual energy X−ray absorptiometry法(DXA法)にて測定した腰椎骨密度の、ベースラインからの変化率を%で示した。グラフ中、平均値を棒グラフ(ハッチング付き:EHDP/テプレノン併用群、ハッチングなし:EHDP単独投与群)で、標準誤差をエラーバーで示した。
結果はマンホイットニーのUテストで解析し、#は、テプレノンなし群に比しp<0.05で有意に高値であることを、また、※は、テプレノンなし群に比しp<0.01で有意に高値であることを示す。
【0020】
ベースラインからの腰椎骨密度の変化率は試験開始1年後で併用群5.8±6.5%、単独群5.1±5.5%、2年後で併用群8.2±6.5%、単独群6.2±5.2%であり2年後までの値では群間に有意な差は認められなかった。一方、3年後では併用群9.9±7.5%、単独群6.4±4.5%、4年後では併用群14.7±8.0%、単独群7.0±4.9%と2群間に有意な差が認められた(3年後:p=0.028、4年後:p=0.003)。
【0021】
【発明の効果】
本発明により、長期投与でも骨密度の増加効果が減弱されることのない、すぐれた骨密度増加効果が維持された、骨粗鬆症および骨減少症の治療剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】骨粗鬆症、骨減少症を有する女性患者を対象とした、長期エチドロン酸二ナトリウム(以下、EHDPと称する)療法における腰椎骨密度の変化率(%)を示すグラフである。
Claims (12)
- 下記のいずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物と併用するための、ビスホスホネートを有効成分とする骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート、ピファルニン - ビスホスホネートの長期投与時の骨密度増加効果の減弱を抑制することを目的として、少なくとも1種のゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物と併用するための、ビスホスホネートを有効成分とする骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
- ビスホスホネートの長期投与時の骨密度増加効果の減弱を抑制することを目的として、下記のいずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物と併用するための、ビスホスホネートを有効成分とする骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート、ピファルニン、メナテトレノン、フィトナジオン - 下記のいずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物と併用して使用するように使用方法が表記され、包装された、ビスホスホネートを有効成分とする骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート、ピファルニン - ゲラニル化合物がテプレノンまたはゲファルナートである請求項1〜4のいずれかに記載の治療剤。
- 下記いずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物を、ビスホスホネートと組み合わせて含有する骨粗鬆症または骨減少症の治療剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート、ピファルニン、メナテトレノン、フィトナジオン - ゲラニル化合物がテプレノンまたはゲファルナートである請求項6に記載の治療剤。
- ビスホスホネートが下記の1または複数の薬剤である請求項1〜7のいずれかに記載の治療剤。
エチドロネート、アレンドロネート、リセドロネート、インカドロネート、ゾレドロネート、イバンドロネート、クロドロネート、パミドロネート、チルドロネート、オルパドロネート、ネリドロネート、ミノドロネート、1−ヒドロキシ−3−(1−ピロリジニル)−プロピリデン・ビスホスホネート(EB−1053) - ビスホスホネートがエチドロネートまたはアレンドロネートである請求項1〜7のいずれかに記載の治療剤。
- 下記のいずれかのゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物を有効成分とする、ビスホスホネートの骨密度増加効果の減弱抑制剤または骨密度増加効果の増強剤。
テプレノン、ゲファルナート、プラウノトール、モルファルナート、ピファルニン、メナテトレノン、フィトナジオン - ゲラニル化合物がテプレノンまたはゲファルナートである請求項10に記載の減弱抑制剤または増強剤。
- 少なくとも1種のゲラニル化合物、その薬学上許容される塩またはそれらの混合物を有効成分とする、ビスホスホネートの長期投与時の骨密度増加効果の減弱抑制剤または骨密度増加効果の増強剤。
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2002
- 2002-06-25 JP JP2002184866A patent/JP2004026715A/ja active Pending
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