JP2004026559A - 水素貯蔵方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な水素貯蔵方法を提供する。
【解決手段】導電性高分子を水素吸着材料として用いる。導電性高分子としてはポリアニリン、ポリピロールが好ましい。さらに、導電性高分子がアニオン又はマイナスに荷電する基を有することによってさらに水素吸着能力が向上する。また、電解重合により製造した導電性高分子に含まれる、電解重合時に使用した電解質由来成分を、重合後、その電解質分子よりも平均分子半径の小さな分子と置換することによって、水素吸着能力が一段と向上する。
【選択図】 なし
【解決手段】導電性高分子を水素吸着材料として用いる。導電性高分子としてはポリアニリン、ポリピロールが好ましい。さらに、導電性高分子がアニオン又はマイナスに荷電する基を有することによってさらに水素吸着能力が向上する。また、電解重合により製造した導電性高分子に含まれる、電解重合時に使用した電解質由来成分を、重合後、その電解質分子よりも平均分子半径の小さな分子と置換することによって、水素吸着能力が一段と向上する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性高分子を用いた水素貯蔵方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素は、燃焼しても二酸化炭素を発生しないクリーンなエネルギー源として注目されている。水素を燃料として利用するため、水素の貯蔵及び運搬方法の検討が数多く行われてきた。水素を貯蔵運搬する方法としては、高圧ガスボンベによるものが一般的であるが、ガスボンベは重く、またガスボンベの単位容積当たりの貯蔵効率も実用上の限界があり、大きな貯蔵効率の向上は期待できない。ガスボンベに代わる水素貯蔵方法としては、例えば水素吸蔵合金を利用する方法が知られている。しかし、水素吸蔵合金はそれ自身が重いという欠点があり、水素吸蔵合金よりも軽量かつ水素貯蔵能力の高い材料の開発が求められている。近年、カーボンナノチューブ等の炭素系材料が、軽量かつ水素を吸蔵できる材料として注目され、これらを水素吸蔵材料として利用することが検討されてきた。例えば、特開2001−146408号公報には、カーボンナノチューブに触媒を担持させた水素貯蔵材料が、室温で水素吸蔵することが開示されている。しかし、さらに多くの水素を吸蔵できる水素吸蔵材料、及びそれを用いた水素貯蔵方法の開発が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、本発明は、従来知られていなかった、水素貯蔵能力の高い水素貯蔵方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の水素貯蔵方法は、導電性高分子に水素を吸着させることを含むことを特徴とする。
【0005】
前記導電性高分子としては、ポリアニリン、又はポリピロールの1種以上を含むことが好ましい。
【0006】
さらに、前記導電性高分子において、前記導電性高分子を構成する窒素原子、芳香族環、及び/又はヘテロ芳香族環上に、炭素原子よりも電気陰性度の大きな原子を含む基及び/又はアニオンを有することが好ましい。
【0007】
さらに、前記導電性高分子において、前記窒素原子上の基が、F−、Cl−、Br−、SO4 2−、NO3 −、BF4 −、ClO4 −、PF6 −、AsF6 −、CF3(SO3)−、(CF3SO2)2N−から選ばれる1種以上の基であり、前記芳香族環及び/又はヘテロ芳香族環上の置換基が、ハロゲン基、スルホン酸基、スルホン酸基のアルカリ金属塩から選ばれる1種以上の基であることが一層好ましい。
【0008】
また、本発明の水素貯蔵方法においては、前記導電性高分子が、1種以上の電解質の存在下に電解重合によって製造された高分子、及び/又は前記電解重合によって製造された導電性高分子を化学的に修飾した高分子であり、かつ、前記電解重合時に前記導電性高分子中に取り込まれて存在する前記電解質に由来する分子の一部又は全部を、前記電解重合後に、前記電解質よりも平均分子半径が小さい別の分子で置換したものを用いることが好ましい。ここで、平均分子半径の語は、分子が占める空間と同じ体積を占める球の半径の意味で使用する。
【0009】
【発明の実施の形態】
導電性高分子は、共役系が発達した高分子であって、いわゆるドーピングにより、その導電率を絶縁体領域から半導体、さらには金属領域へと変化させうることが知られている高分子材料である。導電性高分子は、従来からその電気的特性等を利用した応用研究がさかんに行われてきたが、これまで、導電性高分子を水素吸着材料として用いた水素貯蔵方法については知られていない。
【0010】
本発明の水素貯蔵方法は、導電性高分子が水素吸着能力を有すること、さらに、この導電性高分子がアニオン等のマイナス電荷を有する基を有することによってさらに水素吸着能力が向上することを発見したことに基づく。また、導電性高分子を電解重合によって製造し、さらに、この電解重合において用いた電解質を、電解重合後に、その電解質よりも小さな分子と置換することによって、導電性高分子の水素吸着能力がさらに向上するという発見に基づくものである。
【0011】
本発明の水素貯蔵方法に使用する導電性高分子は、ドーピングしても、ドーピングしなくても良い。すなわち、本発明でいう導電性高分子とは、ドーピングした場合には導電性を示す高分子という意味で用いる。
【0012】
本発明で使用する導電性高分子は、特に限定されず、例えば、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリベンゾチオフェン等の公知の導電性高分子を使用することが好ましいが、なかでも、ポリアニリン及びポリピロールが特に好ましい。さらに、本発明においては、2種以上の導電性高分子を併用することもできる。
【0013】
さらに、本発明で使用する導電性高分子は、上記公知の導電性高分子中に含まれる窒素原子、芳香族環、及び/又はヘテロ芳香族環上に、炭素原子よりも電気陰性度の大きな原子を含む基、及び/又はアニオンを有することが好ましい。ここで、上記芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が好ましい。上記ヘテロ芳香族環としては、ピロール、ピリジン、チオフェン、ベンゾチオフェンが好ましい。電気陰性度は、電気的に中性の原子が電子を受け入れる時の受け入れやすさを示すパラメータであって、電気陰性度を表す数値としてはポーリングやマリケンによるものが周知である。電気陰性度が大きな原子ほど電子を受け入れてアニオンになりやすく、また、この原子がイオン化していなくても異種原子と共有結合している場合、分極によって、電気陰性度の大きな原子がマイナス電荷を帯びやすい。
【0014】
本発明で使用する導電性高分子中に含まれる窒素原子上の具体的な基としては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン等のアニオンが好ましく、これらの1種以上を使用することができる。導電性高分子中に含まれる窒素原子の一部又は全部が、このアニオンを有することができる。さらに、導電性高分子中に含まれる芳香族環及び/又はヘテロ芳香族環上の置換基は、ハロゲン基、スルホン酸基、スルホン酸アルカリ金属塩から選ばれる1種以上の基であることが好ましい。導電性高分子中の芳香族環及び/又はヘテロ芳香族環の一部又は全部が、上記置換基を有することができる。
【0015】
ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子が、上記アニオン及び/又は炭素原子より電気陰性度の大きな原子を含む基を有することにより、これらの導電性高分子中にマイナス電荷を有する部位が生じる。この導電性高分子に水素を吸着させる場合に、水素が解離して発生する水素原子及び/又は水素イオンが、この導電性高分子中に存在するマイナス電荷を有する部位との静電的な作用によって吸着されやすくなり、水素吸着量が増加すると考えられる。
【0016】
以下に具体例によってさらに説明する。
耐圧容器にポリアニリンを入れ、25℃、10MPaの水素雰囲気下に置いて水素を吸着させた。水素吸着前後のポリアニリンの質量を測定し比較したところ、ポリアニリンの質量に対して4質量%の水素を吸着していた。
【0017】
また、耐圧容器にポリピロールを入れ、25℃、10MPaの水素雰囲気下に置いて水素を吸着させた。水素吸着前後のポリピロールの質量を測定し比較したところ、ポリピロールの質量に対して3質量%の水素を吸着していた。
【0018】
次に、ポリアニリン中の窒素原子の10モル%上に塩素イオンを有するポリアニリン塩酸塩を製造した。耐圧容器にこのポリアニリン塩酸塩を入れ、25℃、10MPaの水素雰囲気下に置いて水素を吸着させ、水素吸着前後のポリアニリン塩酸塩の質量を測定し比較したところ、ポリアニリン塩酸塩の質量に対して6質量%の水素を吸着していた。
【0019】
さらに、導電性高分子の製造工程で使用し、導電性高分子中に取り込まれた電解質分子を、その電解質分子よりも小さな分子と置換することによって、導電性高分子の水素吸着能力をいっそう高めることができる。
【0020】
すなわち、本発明の水素吸着材料として好ましい導電性高分子材料は、電解重合によって製造された高分子、及び/又は、電解重合によって製造された後、さらに化学的に修飾された高分子であり、この電解重合を1種以上の電解質の存在下で行い、この電解重合の後に、得られた導電性高分子中に残存する前記電解質に由来する分子の一部又は全部を、この電解質分子より平均分子半径が小さな別の分子と置換したものである。
【0021】
ここで、化学的に修飾された高分子とは、電解重合によって製造された高分子の窒素原子、芳香族環、及び/又はヘテロ芳香族環に、上述したように炭素原子よりも電気陰性度の大きな原子を含む基及び/又はアニオンを有する高分子にする等の化学的な修飾を意味するが、これらに限定されず、電解重合で製造された高分子を化学的手段で修飾した誘導体をすべて含み、この化学的手段は、酸化、還元、置換、付加、架橋を含むがこれらに限定されない。
【0022】
電解重合法は、溶媒中にモノマーと電解質を溶解し、電圧を印加することで、電極でモノマーを重合させる公知の方法である。この電解重合において用いた電解質は、その一部が導電性高分子に取り込まれることが知られている。この時、この取り込まれるものが、電解重合に使用した元通りの電解質分子の構造を維持しているかどうかは必ずしも明らかではないため、本明細書中においては、この導電性高分子に取り込まれる分子を「電解質に由来する分子」という。この電解質に由来する分子を、この分子よりも平均分子半径の小さな別の分子と置換することによって、導電性高分子の中に微小な細孔が形成され、この細孔の存在によって水素の吸着量をさらに増加することが可能になると考えられる。この目的のためには、電解重合に用いる電解質の分子と、電解重合後にこの電解質に由来する分子と置換する別の分子との平均分子半径の差が大きいほうが好ましい。実際に、上記置換によって得られた導電性高分子を水素貯蔵材料として用いると、いっそう優れた水素貯蔵能力が得られる。
【0023】
上記電解重合において使用する電解質は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等の各種電解質を使用することができるが、アルカリ金属塩が好ましく、中でもリチウム塩が特に好ましい。具体的には、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、CF3SO3Li、(CF3SO2)2NLi、C4F9SO3Liが好ましいが、上述の通り、電解重合後に、電解質分子に由来する分子を、それより小さな別の分子と置換して細孔を作るためには、電解重合に用いる電解質分子は平均分子半径の大きなものが好ましいため、電解重合に用いる電解質としては特にCF3SO3Li、(CF3SO2)2NLi、C4F9SO3Liが好ましい。これらの電解質をモノマーに対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%用いて電解重合を行う。この電解重合によって得られた導電性高分子中の電解質に由来する分子を、平均分子半径が小さい別の分子と置換する。この置換は、導電性高分子を、置換しようとする電解質の溶液に浸漬することによって容易に行うことができるが、必要に応じて加熱及び/又は超音波をあてること等によって置換を促進することができる。導電性高分子中の電解質に由来する分子を置換するための、平均分子半径が小さい分子としては、HCl、H2SO4、HNO3等の酸の他、電解重合に用いることが好ましい上記リチウム塩のうち、電解重合において用いた電解質分子よりも平均分子半径の小さなリチウム塩を使用することが好ましい。
【0024】
以下に具体例によってさらに説明する。
アニリンに対して、0.5質量%のCF3SO3Li存在下、アニリンの電解重合を行い、ポリアニリンを得た。このポリアニリンを12N塩酸に室温で12時間浸漬した後、水洗いして乾燥させた。耐圧容器に乾燥後のポリアニリンを入れ、25℃、10MPaの水素雰囲気下に置いて水素を吸着させた。水素吸着前後のポリアニリンの質量を測定し比較したところ、ポリアニリンの質量に対して5質量%の水素を吸着していた。12N塩酸による上記処理を行なう前のポリアニリンの水素吸着量を測定したところ、4質量%であった。
【0025】
CF3SO3Liの代わりにC4F9SO3Liを用い、上記同様にしてアニリンの電解重合及び得られたポリアニリンの12N塩酸処理、さらにポリアニリンの水素吸着試験を行った。その結果、電解重合後、12N塩酸で処理したポリアニリンは、6質量%の水素を吸着したが、塩酸処理しなかったポリアニリンは、4質量%の水素吸着量であった。
【0026】
0.5質量%のCF3SO3Li存在下、ポリピロールの電解重合を行った。得られたポリピロールを12N塩酸に室温で12時間浸漬した後、水洗いして乾燥させた。耐圧容器に乾燥後のポリピロールを入れ、25℃、10MPaの水素雰囲気下に置いて水素を吸着させた。水素吸着前後のポリピロールの質量を測定し比較したところ、ポリピロールの質量に対して4質量%の水素を吸着していた。12N塩酸による上記処理を行なう前のポリアニリンの水素吸着量を測定したところ、3質量%であった。
【0027】
CF3SO3Liの代わりにC4F9SO3Liを用い、上記同様にしてピロールの電解重合、及び重合で得られたポリピロールの12N塩酸処理、さらにポリピロールの水素吸着試験を行った。その結果、電解重合後、12N塩酸で処理したポリピロールは、ポリピロールの質量に対して6質量%の水素を吸着したが、塩酸処理しなかったポリピロールは、4質量%の水素吸着量であった。
【0028】
本発明の水素貯蔵方法は、上記の導電性高分子を水素貯蔵材料として用い、水素を貯蔵させることを含むものであり、さらに導電性高分子の温度及び/又は周囲の水素圧を変化させることで、水素の吸着又は水素の放出を制御することができ、任意の時に水素を吸着し、任意のときに水素を放出することができる。例えば、一定の条件下で導電性高分子に水素を吸着させた後、この導電性高分子を水素吸着時よりも低い圧力及び/又は水素吸着時より高い温度にすることで水素を放出させることができる。さらに、このような水素の吸着、放出を繰り返し行なわせることができる。温度、圧力を変化させて水素を吸着、放出させるための装置及び方法に関する技術は、水素吸蔵合金及び/又は炭素系材料等で公知の、水素の吸蔵、放出のための技術を使用することができる。
【0029】
【発明の効果】
導電性高分子を水素吸着材料として用いた水素貯蔵方法は、優れた水素貯蔵能力を有するという効果が得られる。さらに窒素原子、芳香族環、及び/又はヘテロ芳香族環上に、炭素原子よりも電気陰性度の大きな原子を含む基及び/又はアニオンを有する導電性高分子を水素貯蔵材料として用いることによって、さらに優れた水素貯蔵能力が得られる。
【0030】
また、導電性高分子に含まれる、この高分子の電解重合時に用いた電解質に由来する分子の一部又は全部を、その電解質分子よりも平均分子半径が小さな別の分子で置換した導電性高分子を用いた水素貯蔵方法は、さらに水素貯蔵能力が向上するという効果が得られる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性高分子を用いた水素貯蔵方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素は、燃焼しても二酸化炭素を発生しないクリーンなエネルギー源として注目されている。水素を燃料として利用するため、水素の貯蔵及び運搬方法の検討が数多く行われてきた。水素を貯蔵運搬する方法としては、高圧ガスボンベによるものが一般的であるが、ガスボンベは重く、またガスボンベの単位容積当たりの貯蔵効率も実用上の限界があり、大きな貯蔵効率の向上は期待できない。ガスボンベに代わる水素貯蔵方法としては、例えば水素吸蔵合金を利用する方法が知られている。しかし、水素吸蔵合金はそれ自身が重いという欠点があり、水素吸蔵合金よりも軽量かつ水素貯蔵能力の高い材料の開発が求められている。近年、カーボンナノチューブ等の炭素系材料が、軽量かつ水素を吸蔵できる材料として注目され、これらを水素吸蔵材料として利用することが検討されてきた。例えば、特開2001−146408号公報には、カーボンナノチューブに触媒を担持させた水素貯蔵材料が、室温で水素吸蔵することが開示されている。しかし、さらに多くの水素を吸蔵できる水素吸蔵材料、及びそれを用いた水素貯蔵方法の開発が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、本発明は、従来知られていなかった、水素貯蔵能力の高い水素貯蔵方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の水素貯蔵方法は、導電性高分子に水素を吸着させることを含むことを特徴とする。
【0005】
前記導電性高分子としては、ポリアニリン、又はポリピロールの1種以上を含むことが好ましい。
【0006】
さらに、前記導電性高分子において、前記導電性高分子を構成する窒素原子、芳香族環、及び/又はヘテロ芳香族環上に、炭素原子よりも電気陰性度の大きな原子を含む基及び/又はアニオンを有することが好ましい。
【0007】
さらに、前記導電性高分子において、前記窒素原子上の基が、F−、Cl−、Br−、SO4 2−、NO3 −、BF4 −、ClO4 −、PF6 −、AsF6 −、CF3(SO3)−、(CF3SO2)2N−から選ばれる1種以上の基であり、前記芳香族環及び/又はヘテロ芳香族環上の置換基が、ハロゲン基、スルホン酸基、スルホン酸基のアルカリ金属塩から選ばれる1種以上の基であることが一層好ましい。
【0008】
また、本発明の水素貯蔵方法においては、前記導電性高分子が、1種以上の電解質の存在下に電解重合によって製造された高分子、及び/又は前記電解重合によって製造された導電性高分子を化学的に修飾した高分子であり、かつ、前記電解重合時に前記導電性高分子中に取り込まれて存在する前記電解質に由来する分子の一部又は全部を、前記電解重合後に、前記電解質よりも平均分子半径が小さい別の分子で置換したものを用いることが好ましい。ここで、平均分子半径の語は、分子が占める空間と同じ体積を占める球の半径の意味で使用する。
【0009】
【発明の実施の形態】
導電性高分子は、共役系が発達した高分子であって、いわゆるドーピングにより、その導電率を絶縁体領域から半導体、さらには金属領域へと変化させうることが知られている高分子材料である。導電性高分子は、従来からその電気的特性等を利用した応用研究がさかんに行われてきたが、これまで、導電性高分子を水素吸着材料として用いた水素貯蔵方法については知られていない。
【0010】
本発明の水素貯蔵方法は、導電性高分子が水素吸着能力を有すること、さらに、この導電性高分子がアニオン等のマイナス電荷を有する基を有することによってさらに水素吸着能力が向上することを発見したことに基づく。また、導電性高分子を電解重合によって製造し、さらに、この電解重合において用いた電解質を、電解重合後に、その電解質よりも小さな分子と置換することによって、導電性高分子の水素吸着能力がさらに向上するという発見に基づくものである。
【0011】
本発明の水素貯蔵方法に使用する導電性高分子は、ドーピングしても、ドーピングしなくても良い。すなわち、本発明でいう導電性高分子とは、ドーピングした場合には導電性を示す高分子という意味で用いる。
【0012】
本発明で使用する導電性高分子は、特に限定されず、例えば、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリベンゾチオフェン等の公知の導電性高分子を使用することが好ましいが、なかでも、ポリアニリン及びポリピロールが特に好ましい。さらに、本発明においては、2種以上の導電性高分子を併用することもできる。
【0013】
さらに、本発明で使用する導電性高分子は、上記公知の導電性高分子中に含まれる窒素原子、芳香族環、及び/又はヘテロ芳香族環上に、炭素原子よりも電気陰性度の大きな原子を含む基、及び/又はアニオンを有することが好ましい。ここで、上記芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が好ましい。上記ヘテロ芳香族環としては、ピロール、ピリジン、チオフェン、ベンゾチオフェンが好ましい。電気陰性度は、電気的に中性の原子が電子を受け入れる時の受け入れやすさを示すパラメータであって、電気陰性度を表す数値としてはポーリングやマリケンによるものが周知である。電気陰性度が大きな原子ほど電子を受け入れてアニオンになりやすく、また、この原子がイオン化していなくても異種原子と共有結合している場合、分極によって、電気陰性度の大きな原子がマイナス電荷を帯びやすい。
【0014】
本発明で使用する導電性高分子中に含まれる窒素原子上の具体的な基としては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン等のアニオンが好ましく、これらの1種以上を使用することができる。導電性高分子中に含まれる窒素原子の一部又は全部が、このアニオンを有することができる。さらに、導電性高分子中に含まれる芳香族環及び/又はヘテロ芳香族環上の置換基は、ハロゲン基、スルホン酸基、スルホン酸アルカリ金属塩から選ばれる1種以上の基であることが好ましい。導電性高分子中の芳香族環及び/又はヘテロ芳香族環の一部又は全部が、上記置換基を有することができる。
【0015】
ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子が、上記アニオン及び/又は炭素原子より電気陰性度の大きな原子を含む基を有することにより、これらの導電性高分子中にマイナス電荷を有する部位が生じる。この導電性高分子に水素を吸着させる場合に、水素が解離して発生する水素原子及び/又は水素イオンが、この導電性高分子中に存在するマイナス電荷を有する部位との静電的な作用によって吸着されやすくなり、水素吸着量が増加すると考えられる。
【0016】
以下に具体例によってさらに説明する。
耐圧容器にポリアニリンを入れ、25℃、10MPaの水素雰囲気下に置いて水素を吸着させた。水素吸着前後のポリアニリンの質量を測定し比較したところ、ポリアニリンの質量に対して4質量%の水素を吸着していた。
【0017】
また、耐圧容器にポリピロールを入れ、25℃、10MPaの水素雰囲気下に置いて水素を吸着させた。水素吸着前後のポリピロールの質量を測定し比較したところ、ポリピロールの質量に対して3質量%の水素を吸着していた。
【0018】
次に、ポリアニリン中の窒素原子の10モル%上に塩素イオンを有するポリアニリン塩酸塩を製造した。耐圧容器にこのポリアニリン塩酸塩を入れ、25℃、10MPaの水素雰囲気下に置いて水素を吸着させ、水素吸着前後のポリアニリン塩酸塩の質量を測定し比較したところ、ポリアニリン塩酸塩の質量に対して6質量%の水素を吸着していた。
【0019】
さらに、導電性高分子の製造工程で使用し、導電性高分子中に取り込まれた電解質分子を、その電解質分子よりも小さな分子と置換することによって、導電性高分子の水素吸着能力をいっそう高めることができる。
【0020】
すなわち、本発明の水素吸着材料として好ましい導電性高分子材料は、電解重合によって製造された高分子、及び/又は、電解重合によって製造された後、さらに化学的に修飾された高分子であり、この電解重合を1種以上の電解質の存在下で行い、この電解重合の後に、得られた導電性高分子中に残存する前記電解質に由来する分子の一部又は全部を、この電解質分子より平均分子半径が小さな別の分子と置換したものである。
【0021】
ここで、化学的に修飾された高分子とは、電解重合によって製造された高分子の窒素原子、芳香族環、及び/又はヘテロ芳香族環に、上述したように炭素原子よりも電気陰性度の大きな原子を含む基及び/又はアニオンを有する高分子にする等の化学的な修飾を意味するが、これらに限定されず、電解重合で製造された高分子を化学的手段で修飾した誘導体をすべて含み、この化学的手段は、酸化、還元、置換、付加、架橋を含むがこれらに限定されない。
【0022】
電解重合法は、溶媒中にモノマーと電解質を溶解し、電圧を印加することで、電極でモノマーを重合させる公知の方法である。この電解重合において用いた電解質は、その一部が導電性高分子に取り込まれることが知られている。この時、この取り込まれるものが、電解重合に使用した元通りの電解質分子の構造を維持しているかどうかは必ずしも明らかではないため、本明細書中においては、この導電性高分子に取り込まれる分子を「電解質に由来する分子」という。この電解質に由来する分子を、この分子よりも平均分子半径の小さな別の分子と置換することによって、導電性高分子の中に微小な細孔が形成され、この細孔の存在によって水素の吸着量をさらに増加することが可能になると考えられる。この目的のためには、電解重合に用いる電解質の分子と、電解重合後にこの電解質に由来する分子と置換する別の分子との平均分子半径の差が大きいほうが好ましい。実際に、上記置換によって得られた導電性高分子を水素貯蔵材料として用いると、いっそう優れた水素貯蔵能力が得られる。
【0023】
上記電解重合において使用する電解質は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等の各種電解質を使用することができるが、アルカリ金属塩が好ましく、中でもリチウム塩が特に好ましい。具体的には、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、CF3SO3Li、(CF3SO2)2NLi、C4F9SO3Liが好ましいが、上述の通り、電解重合後に、電解質分子に由来する分子を、それより小さな別の分子と置換して細孔を作るためには、電解重合に用いる電解質分子は平均分子半径の大きなものが好ましいため、電解重合に用いる電解質としては特にCF3SO3Li、(CF3SO2)2NLi、C4F9SO3Liが好ましい。これらの電解質をモノマーに対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%用いて電解重合を行う。この電解重合によって得られた導電性高分子中の電解質に由来する分子を、平均分子半径が小さい別の分子と置換する。この置換は、導電性高分子を、置換しようとする電解質の溶液に浸漬することによって容易に行うことができるが、必要に応じて加熱及び/又は超音波をあてること等によって置換を促進することができる。導電性高分子中の電解質に由来する分子を置換するための、平均分子半径が小さい分子としては、HCl、H2SO4、HNO3等の酸の他、電解重合に用いることが好ましい上記リチウム塩のうち、電解重合において用いた電解質分子よりも平均分子半径の小さなリチウム塩を使用することが好ましい。
【0024】
以下に具体例によってさらに説明する。
アニリンに対して、0.5質量%のCF3SO3Li存在下、アニリンの電解重合を行い、ポリアニリンを得た。このポリアニリンを12N塩酸に室温で12時間浸漬した後、水洗いして乾燥させた。耐圧容器に乾燥後のポリアニリンを入れ、25℃、10MPaの水素雰囲気下に置いて水素を吸着させた。水素吸着前後のポリアニリンの質量を測定し比較したところ、ポリアニリンの質量に対して5質量%の水素を吸着していた。12N塩酸による上記処理を行なう前のポリアニリンの水素吸着量を測定したところ、4質量%であった。
【0025】
CF3SO3Liの代わりにC4F9SO3Liを用い、上記同様にしてアニリンの電解重合及び得られたポリアニリンの12N塩酸処理、さらにポリアニリンの水素吸着試験を行った。その結果、電解重合後、12N塩酸で処理したポリアニリンは、6質量%の水素を吸着したが、塩酸処理しなかったポリアニリンは、4質量%の水素吸着量であった。
【0026】
0.5質量%のCF3SO3Li存在下、ポリピロールの電解重合を行った。得られたポリピロールを12N塩酸に室温で12時間浸漬した後、水洗いして乾燥させた。耐圧容器に乾燥後のポリピロールを入れ、25℃、10MPaの水素雰囲気下に置いて水素を吸着させた。水素吸着前後のポリピロールの質量を測定し比較したところ、ポリピロールの質量に対して4質量%の水素を吸着していた。12N塩酸による上記処理を行なう前のポリアニリンの水素吸着量を測定したところ、3質量%であった。
【0027】
CF3SO3Liの代わりにC4F9SO3Liを用い、上記同様にしてピロールの電解重合、及び重合で得られたポリピロールの12N塩酸処理、さらにポリピロールの水素吸着試験を行った。その結果、電解重合後、12N塩酸で処理したポリピロールは、ポリピロールの質量に対して6質量%の水素を吸着したが、塩酸処理しなかったポリピロールは、4質量%の水素吸着量であった。
【0028】
本発明の水素貯蔵方法は、上記の導電性高分子を水素貯蔵材料として用い、水素を貯蔵させることを含むものであり、さらに導電性高分子の温度及び/又は周囲の水素圧を変化させることで、水素の吸着又は水素の放出を制御することができ、任意の時に水素を吸着し、任意のときに水素を放出することができる。例えば、一定の条件下で導電性高分子に水素を吸着させた後、この導電性高分子を水素吸着時よりも低い圧力及び/又は水素吸着時より高い温度にすることで水素を放出させることができる。さらに、このような水素の吸着、放出を繰り返し行なわせることができる。温度、圧力を変化させて水素を吸着、放出させるための装置及び方法に関する技術は、水素吸蔵合金及び/又は炭素系材料等で公知の、水素の吸蔵、放出のための技術を使用することができる。
【0029】
【発明の効果】
導電性高分子を水素吸着材料として用いた水素貯蔵方法は、優れた水素貯蔵能力を有するという効果が得られる。さらに窒素原子、芳香族環、及び/又はヘテロ芳香族環上に、炭素原子よりも電気陰性度の大きな原子を含む基及び/又はアニオンを有する導電性高分子を水素貯蔵材料として用いることによって、さらに優れた水素貯蔵能力が得られる。
【0030】
また、導電性高分子に含まれる、この高分子の電解重合時に用いた電解質に由来する分子の一部又は全部を、その電解質分子よりも平均分子半径が小さな別の分子で置換した導電性高分子を用いた水素貯蔵方法は、さらに水素貯蔵能力が向上するという効果が得られる。
Claims (5)
- 導電性高分子に水素を吸着させることを含むことを特徴とする、水素貯蔵方法。
- 前記導電性高分子が、ポリアニリン、又はポリピロールの1種以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の水素貯蔵方法。
- 前記導電性高分子を構成する窒素原子、芳香族環、及び/又はヘテロ芳香族環上に、炭素原子よりも電気陰性度の大きな原子を含む基及び/又はアニオンを有することを特徴とする、請求項2に記載の水素貯蔵方法。
- 前記窒素原子上の基が、F−、Cl−、Br−、SO4 2−、NO3 −、BF4 −、ClO4 −、PF6 −、AsF6 −、CF3(SO3)−、(CF3SO2)2N−から選ばれる1種以上の基であり、前記芳香族環及び/又はヘテロ芳香族環上の置換基が、ハロゲン基、スルホン酸基、スルホン酸アルカリ金属塩から選ばれる1種以上の基であることを特徴とする、請求項3に記載の水素貯蔵方法。
- 前記導電性高分子が、1種以上の電解質の存在下に電解重合によって製造された高分子、及び/又は前記電解重合によって製造された導電性高分子を化学的に修飾した高分子であり、かつ、前記電解重合時に前記導電性高分子中に取り込まれて存在する前記電解質に由来する分子の一部又は全部を、前記電解重合後に、前記電解質よりも平均分子半径が小さな別の分子で置換したものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水素貯蔵方法。
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