JP2004026089A - 車両用のシール材 - Google Patents
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Abstract
【課題】被取り付け部に良好な密着状態で固定できる車両用シール材を提供する。
【解決手段】車両用のシール材1は、長尺状に形成され車両の被取り付け部位6に対向する基部12と、基部12の幅方向車外側端縁に突出して形成されてシール材1が基部12の車外側で被取り付け部位6に密着する密着部20と、基部12から密着部20とは異なる方向に突出して形成されて開閉ドア4が閉じられた状態で車体パネル2と開閉ドア4との間をシールするシール部26とを備えるシール材本体10と、基部12の被取り付け部位6に対向する面に基部12の長手方向に沿って一体化され、基部12より剛性が高く弾性変形可能な補強体31とを備える。基部12に補強体31が設けられてシール材1の形状保持性が向上しており、車両に取り付けた状態で幅方向への位置ずれを防止し、密着性が保持されている。
【選択図】図3
【解決手段】車両用のシール材1は、長尺状に形成され車両の被取り付け部位6に対向する基部12と、基部12の幅方向車外側端縁に突出して形成されてシール材1が基部12の車外側で被取り付け部位6に密着する密着部20と、基部12から密着部20とは異なる方向に突出して形成されて開閉ドア4が閉じられた状態で車体パネル2と開閉ドア4との間をシールするシール部26とを備えるシール材本体10と、基部12の被取り付け部位6に対向する面に基部12の長手方向に沿って一体化され、基部12より剛性が高く弾性変形可能な補強体31とを備える。基部12に補強体31が設けられてシール材1の形状保持性が向上しており、車両に取り付けた状態で幅方向への位置ずれを防止し、密着性が保持されている。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の車体とドア、トランクリッドなどの開閉ドアとの間をシールする部材に関し、特に開閉ドア側に好適に取り付けられるシール材に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、人の乗降用のドアやトランクリッド、バックドアなど車体に対して開閉し、閉じているときには車体に密閉して車両外面を構成する開閉ドアが設けられている。開閉ドアと車体との間は、開閉ドアの端縁に沿ってスポンジゴムのシール材が取り付けられており、閉状態での密閉性が確保されている。
シール材は、一般に、図11に示すように、弾性変形が容易な環状断面のシール部101と、シール部101の外面に一体成形された板状の基板103とが一体に形成された長尺体である。シール材は、図11に示すような、基板103の下面と両側端部全体とを嵌め込んで保持する断面略C字形の湾曲板状の取り付け部110に固定される。取り付け部110は典型的には板金製であり、ドア枠112などに溶接されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、車体の軽量化を進めるにあたり、板金製の前記取り付け部110を省略する構成が考えられている。例えば、ドア枠112とシール材1の基部の両方に所定の間隔で孔を設け、クリップを各孔に係止させて、シール材を固定する方法が考えられている。しかし、この構成では、シール材は柔軟であるため、クリップから離れている部分でシール材がドア枠112の所定位置からずれることがあり、シール材と被取り付け部との密着性が低下したり、シール材と被取付け部との間に隙間ができて水がこの隙間を通って車室側に入ったりするおそれがある。
他にシール材を両面テープや接着剤等を使ってドア枠に固定する方法もあるが、テープなどの取扱いが面倒で取付位置の精度が低い等の不具合があった。
【0004】
そこで、本発明では、被取り付け部に良好な密着状態で簡単に固定できる車両用のシール材を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願請求項1の発明は、車体パネルと車体パネルに開閉自在に設けられる開閉ドアとの間を当該開閉ドアの端縁でシールする車両用のシール材であって、長尺状に形成され当該シール材が車両に取り付けられるときに車両の被取り付け部位に対向する基部と、この基部の幅方向車外側端縁に突出して形成されて当該シール材が車両に取り付けられた状態で前記基部の車外側で被取り付け部位に密着する密着部と、前記基部から密着部とは異なる方向に突出して形成されて当該シール材が車両に取り付けられて開閉ドアが閉じられた状態で車体パネルと開閉ドアとの間をシールするシール部とを備えるシール材本体と、前記基部の前記被取り付け部位に対向する面に基部の長手方向に沿って一体化され、弾性変形可能で前記基部より剛性が高い材料からなる補強体とを備える車両用のシール材としたものである。
請求項1の発明によれば、このシール材は、シール材本体に被取り付け部位に対向する基部を有し、この基部の被取り付け部位に対向する面に、基部より剛性が高く弾性変形可能な補強体が設けられているため、シール材の形状保持性が向上している。このため、シール材は、被取り付け部位に固定されて所定の位置に保持されるため、被取り付け部位にシール材保持用の部材を特に必要としない。
また、シール材全体の剛性が増大しているため、車両への取付け作業が容易である。
なお、本明細書において開閉ドアとは、人間の乗降や物品の出し入れ、あるいは換気などのために形成された車体の開口部分を開閉できるように車体に取り付けられる部材で、特に回動によって開閉する部材である。したがって、人間の乗降に用いられるドアだけでなく、トランクリッドなどの荷室の扉などを含む。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記基部および/または補強体は、厚さ方向に貫通し、当該シール材を車両に取り付けるための固定具を挿通可能な挿通孔を、長手方向に沿って所定の間隔を保って複数備える車両用のシール材としたものである。
請求項2の発明によれば、より剛性の高い補強体には、正確な間隔で正確な形状の挿通孔を容易に設けることができるため、寸法安定性や取り付け強度が確保されたシール材となっている。
【0007】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の発明において、当該シール材を車両に取り付けるための固定具を備え、この固定具の一端側が前記挿通孔に挿入固定されており、当該シール材が車両に取り付けられるとき、前記固定具の他端側が前記被取り付け部位に形成された取り付け孔に係止可能である車両用のシール材としたものである。
請求項3の発明によれば、さらに、シール材は、車両に固定可能な複数の固定具を備えており、固定具は、より剛性の高い補強体に取り付けられているため、その位置や向きが安定しており、またシール材の車両への取付け作業が容易である。このシール材の固定具間の位置では補強材の作用によって被取り付け部位に密着し、かつ長手方向に沿って安定したシール性を有している。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3に記載の発明において、前記固定具の他端側は係止脚部を有し、この係止脚部の少なくとも1つは、この固定具の中心軸より車内側に位置して被取り付け部位の取り付け孔に固定される車両用のシール材としたものである。
請求項4の発明によれば、固定具は、取り付け状態で固定具の中心軸より車内側に位置される係止脚部を備えているため、開閉ドアの開閉時、特に閉じるときに受ける力によって、位置ずれしたり、傾いたりすることがなく、シール性が安定して確保されたシール材となっている。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかの発明において、前記シール材本体は、スポンジゴムより成り、前記補強体は、非発泡のゴム材料、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーより成る群から選択される材料で被取り付け部位の塗装膜よりも軟質の材料より成り、前記基部との接触面全体がシール材本体に接合されている車両用のシール材としたものである。
請求項5の発明によれば、補強体は、スポンジゴムより成るシール材本体より剛性が高く、かつ車両の外装塗膜よりも軟質に形成されているため、補強体によって外装塗膜が損傷されるおそれがない。このため、取り付け作業時に過度の注意力を必要とせず、作業性が良好である。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかの発明において、前記補強体は、前記シール材本体とは異なる色に形成されている車両用のシール材としたものである。
請求項6の発明によれば、補強体の有無を容易に視認できるため、製造過程で補強体の存否および形状が所定寸法に形成されているかの確認が容易である。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかの発明において、前記補強体は、前記被取り付け部位に対向する厚さ方向よりも前記被取り付け部位に平行な幅方向が大きい略長方形状の横断面形状を有する車両用のシール材としたものである。
請求項7の発明によれば、補強体の厚み寸法が、幅方向の寸法よりも大きいので、厚み方向への曲げは容易に行え、かつ幅方向へは厚さ方向へよりも曲がりにくいシール材となる。このため、多次元に曲がった形状、すなわち厚さ方向への曲率半径がより小さく、幅方向への曲率半径がより大きい形状に形成されている開閉ドア又は車体開口部の端縁に取り付けるときにスムーズに曲げて取り付けることができ、開閉ドアの端縁の形状に沿うように安定に取り付けることができる。また、取り付け後は、シール材の幅方向への位置ずれが良好に抑制される。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかの発明において、前記補強体は、前記被取り付け部位側の中央が幅方向の両端に対して凹状に形成されている車両用のシール材としたものである。
請求項8の発明によれば、両側端縁が中央部分より突出している補強体では、両側端縁がより強く被取り付け部位に圧接されるため、平板状に比較してより確実に密着されるシール材となっている。また、補強体の形状保持性が向上されており、取付け作業性が向上する。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1から8のいずれかの発明において、前記補強体は、前記シール材本体の基部上に押し出し成形されて、当該シール材が被取り付け部位に取り付けられるときに被取り付け部位に対向する位置で露出するように形成されている車両用のシール材としたものである。
請求項9の発明によれば、補強体はシール材本体の製造に後続して容易に一体化される。また、軟化状態の補強体材料により、シール材本体に補強体を溶融接合して一体化でき、接着剤などを使用せずにシール材を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明にかかるシール材が取り付けられる車両の部分を示す。図1は、乗用車の左側前部であり、乗降用の開口を備える車体2と、開口を開閉自在にする開閉ドア4とを備えている。開閉ドア4は、車両前側、すなわち図1の左側を中心に回動するように車体2に取り付けられている。開閉ドア4は、車体2の開口を塞ぐ閉位置から開閉ドア4の後ろ側が図1の紙面上手前に位置する開状態まで開閉自在になっている。
【0015】
シール材1は、開閉ドア4が閉じられたときに開閉ドア4と車体の開口端縁との間に位置するように取り付けられている。シール材1は、車体の開口端縁に取り付けられても良いが、典型的には、開閉ドア4の端縁に固定して取り付けられている。
【0016】
本実施形態のシール材1は、全体の形状として開閉ドア4の端縁に沿って取り付けられる略環状に形成されており、全長がほぼ同様の断面形状とされている。シール材1は、公知の方法、すなわち押し出し成形された長尺な主要部1Aと、コーナー部において射出成形された屈曲した形状のコーナー部1Bとが溶着等によって接合されることで略環状に形成されている。
【0017】
図2,3に本発明の本実施形態に係わるシール材1の主要部1A(以下、単に「シール材1」という。)断面を示す。シール材1は、シール材本体10と補強体31と固定具40とを備えている。
シール材本体10は、基部12と密着部20とシール部26とを備えている。シール材本体10は、少なくとも密着部20とシール部26とが弾性変形容易な材料で形成されている。本実施形態では、シール材本体10全体がEPDMを主体とする発泡ゴムで一体成形されているが、基部12は非発泡または微発泡のゴムや熱可塑性エラストマーで成形され、密着部20およびシール部26が前記発泡ゴムで成形されるなど、2種以上の材料で構成されていても良い。
なお、図2〜10において、破線は理解を容易にするために基部と他の部分との境界を便宜的に示しているもので、実際には明瞭な境界は存在しない。
【0018】
基部12は、シール材1の長さ全体にわたって延び、図3に示す開閉ドア4の被取り付け部位6に対向する部分である。基部12には、後で詳述する補強体31が一体的に形成されている。
本実施形態の基部12は、図2に示すように、厚さ方向(図2の上下方向)に所定の厚さを有し、長手方向に沿って互いに平行に延びる1組の脚部13,14と、この脚部13,14の上部を連結する上面部15とによって形成されている。また、脚部13,14の中間を連結する平板状の支持部16を有している。
【0019】
密着部20は、図2に示すように、基部12の被取り付け部位6に対向する側に突出して形成されている。密着部20は、シール材1が後述する固定具40によって被取り付け部位6に取り付けられた状態で弾性変形して被取り付け部位6に密着し、シール材1と被取り付け部位6との間をシールする。本実施形態では、密着部20は、基部12の下部外側面から斜め下方に向かって延びるリップ状に形成されている。密着部20は、基部12の幅方向の外側に突出して形成されており、図3に示す取り付け状態で基部12より車外側で被取り付け部位6に密着する。また、密着部20はリップ状で弾性変形しやすくなっており、被取り付け部位6の形状に追従して確実にかつ安定して被取り付け部位6に接触する。
【0020】
なお、図2に示す本実施形態では、基部12の脚部14にリップ状の補助部22が一体に形成されている。補助部22は、脚部14の下部外側から突出し、斜め下方に向かって延びている。補助部22は、シール材1の幅方向における密着部20と反対の側で被取り付け部位6に圧接されて弾性変形する部分で、シール材1の密着部20が被取り付け部位6から浮き上がる方向に傾くのを防止している。
【0021】
シール部26は、図2に示すように、被取り付け部位6と反対の側に基部12から突出して形成されている。シール部26は、図3に示すように、シール材1が車両に取り付けられて開閉ドア4が閉じられた状態で車体2の開口端に密着する。シール部26は、車体2の開口端に押付けられて図3に2点鎖線で示す形状から実線で示す形状まで車外側に向けて弾性変形し、その外形に追従して密着する形状とすることが好ましい。
本実施形態のシール部26は、基部12から突出する中空のチューブ状に形成されている。シール部26は、基部12の上面部15の脚部14寄りの部分から斜め上方に向かって突出して形成されており、図3に示す取り付け状態で斜め車内側に突出する。なお、図3において2点鎖線はシール材1のフリーな状態の形状を示している。
【0022】
本実施形態のシール材本体10は、さらに、サブシール部28を備えている。図2では、サブシール部28は、基部12の上面部15の脚部13から上方斜め外側に向かって突出して形成されている。サブシール部28は、斜め上方に延びるリップ部29aと、リップ部29aの中間部分から枝分かれして外側に向かって延びる補助リップ部29bとを有している。サブシール部28も開閉ドア4の閉位置において車体2の開口端に押付けられて弾性変形し、車体2の開口端に密着する。
【0023】
補強体31は、基部12の長手方向に沿って基部と一体化されており、基部12より剛性が高く、弾性変形可能に形成されている。補強体31は、例えば、EPDMを主体とする非発泡(微発泡を含む)のゴムや熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーなどによって形成することができ、被取り付け部位6の三次元形状に追従できる程度の弾性変形性を備える種々の高剛性の材料で形成できる。補強体31は、好ましくは、取り付けられる車両の開閉ドアに施される外装塗膜よりも軟質の材料、例えばポリプロピレン樹脂などで形成されていると、補強体31が外装塗膜に接触しても、外装塗膜が損傷するおそれがなく、シール材1の開閉ドア4の被取り付け部位6への取付け作業が容易である。
【0024】
補強体31は、典型的には、基部12の被取り付け部位6に対向する面に一体的に形成されるが、例えば、脚部13の下部や側面に形成されても良い。また、非発泡のゴムで成形する場合など、基部12の内部に埋設状態で設けられても良い。本実施形態では、図2に示すように基部12の支持部16に一面が露出して形成され、支持部16との接触部では支持部16との熱溶着で接合されている。
【0025】
補強体31の形状は特に限定されないが、いずれの方向にも曲げ可能である。
また、シール材1の形状保持性については、車体の上下方向および/または前後方向への曲げよりも車体の幅方向への曲げに対して高いことが好ましい。すなわち、シール材1は、図1に示す開閉ドア4の端縁に沿って基部12がドア内周側に、シール部26がドア外側に位置するように取り付けられるため、シール材1の厚み方向(図2の上下方向)には、曲げ変形が容易であることが好ましい。したがって、補強体31の断面形状は、基部12に対向する面、すなわち被取り付け部位6に平行な部分の幅方向寸法が、厚み方向の寸法よりも大きい形状であることが好ましい。図2に示す補強体31は、基部12の支持部16とほぼ同様の幅を有する断面略長方形状に形成されている。この形状であると、基部12の幅方向への変形を良好に規制することができる。
【0026】
また、図2に示す補強体31は、幅方向の中央が基部12側に突出する曲げ板状に形成されており、被取り付け部位6に対向する面の中央が被取り付け部位6に対して凹状に形成されている。この形状は、取り付け状態において基部12の幅方向端部側に圧接力を集中させる形状であるため、密着部20の被取り付け部位6への密着性の向上が期待できる。
なお、補強体31は、シール材1の色(例えば、黒色)とは、異色(例えば、白色などの淡色)を呈するように形成するのが好ましく、これによりシール材1の製造工程において補強体31の存否や、その形状、寸法を容易に確認できるので管理が容易となる。
【0027】
シール材1は、長手方向に所定間隔を保って複数個の固定具40を備えている。固定具40は、シール材1の被取り付け部位6に対向する面に形成された挿通孔35に通されて固定されている。挿通孔35は、例えば回転ドリル等でシール材本体10のみを貫通する孔として形成されても良いが、補強体31を貫通するように形成されていることが好ましい。本実施形態の挿通孔35は、補強体31の幅方向の中央に貫通し、さらに基部12の支持部16にも貫通している。挿通孔35は、シール材1の長手方向に沿って所定の間隔で複数形成されている。挿通孔35は、この挿通孔35に挿通される固定具40の後述する軸部43の形状に合わせた形状にすることができ、本実施形態では円形状に形成されている。補強体31を貫通する挿通孔を形成すれば、回転ドリル等で孔を形成するときに、スポンジゴムだけの部分に孔を形成する場合よりもちぎれなどが生じず、正確な形状の孔を形成することができる。
【0028】
固定具の一例である本実施形態の固定具40について説明する。固定具40は、ポリアセタール樹脂やナイロン樹脂のように硬質で弾性に富む材料から射出成形され、シール材1の挿通孔35に挿通されて挿通孔35の開口端に係止される第1の固定部42と、車両の被取り付け部位6に係止される第2の固定部48とを備えている。第1の固定部42と第2の固定部48とは、それぞれ同軸に形成されている。
【0029】
第1の固定部42は、挿通孔35の内径にほぼ等しい軸部43を有し、軸部43の先端に、挿通孔35の径より大きい係止端44が形成されている。第1の固定部42は、挿通孔35に押し通されて、係止端44が図2に示すように挿通孔35に係止されてシール材1に取り付けられている。また、軸部43の挿通孔35に挿入されない側の端部に挿通孔35より大径の基板部49が一体化されている。基板部49は、円形で外周に向かって徐々に厚みが薄くなっており、外周側が第2の固定部48の先端側に傾く円錐板状に形成されている。第1の固定部42は、基板部49が補強体31の外面に当接されて、挿通孔35の開口端を基板部49と係止端44とで挟み付けており、固定具40がシール材1に安定に取り付けられている。
【0030】
第2の固定部48は、図2,3に示すように、被取り付け部位6に形成される取り付け孔8に挿通されて取り付け孔8の開口端に係止するようになっている。
第2の固定部48は、基板部49から第1の固定部42とは反対の側に突出している。第2の固定部48は、基板部49の中心から垂直に延びる支柱部51と、支柱部51の先端部の両側に形成された一対の係止脚部52,52とを備えている。係止脚部52,52は、それぞれ外面が支柱部51の先端から基板部49の外周方向へ向かって傾斜する薄板状の肩部52a,52aと、肩部52a,52aの内側面から基板部49にほぼ垂直に接続される首部52b,52bとを備えている。係止脚部52,52は、肩部52a,52aが支柱部51方向に容易に弾性変形できるように形成されている。なお、首部52b,52bは、肩部52a,52aが過度に弾性変形するのを防止するとともに弾性復元力を増大させている。
【0031】
第2の固定部48は、被取り付け部位6に形成された取り付け孔8に圧入されることで被取り付け部位6に固定して取り付けられる。第2の固定部48は、取り付け孔8に押付けられて、係止脚部52の肩部52aが支柱部51方向に弾性変形して取り付け孔8を通り抜ける。このとき、密着部20がフリー状態から弾性変形するとともに、補強体31および基板部49は共に平板状に僅かに弾性変形する。そして、取り付け孔を通り抜けた肩部52aが弾性復元力で元の形状に戻るとともに、補強体31と基板部49とがその復元力により元の形状に戻ろうとして固定具40を被取り付け部位6の裏面に引き寄せる。このことにより、図3に示すように取り付け孔8の開口端に肩部52aの先端部が係止される。この状態で、基板部49の端縁は、補強体31側に弾性変形して被取り付け部位6の外面に圧接されており、肩部52aの先端の係止と基板部49の復元力との相互作用によって固定具40は被取り付け部位6に固定されている。
【0032】
固定具40は、開閉ドア4が閉じられている状態でシール材1にかかる負荷によってシール材1が外れて車外側に倒れたりしないように形成されていることが好ましい。本実施形態では、図3に示すように、開閉ドア4の閉位置で、シール部26が車体2の開口端に当接されてシール材1の上部に車外側に向かう力が加わるため、シール材1が車外側に倒れるおそれがある。このため、固定具40は、被取り付け部位6からシール材1の車内側部分、すなわち脚部14側が浮き上がるのを防げることが好ましい。本実施形態の固定具40は、係止脚部52の少なくとも1つが第2の固定部48の中心(中心軸)よりも車内側に位置されて、基板部49とともに取り付け孔8の開口端を挟持しているので、シール材1が安定に固定されて傾きにくい。
【0033】
シール材1は、補強体31が基部12に取り付けられているため、形状保持性が向上されている。この補強体31は、シール材1の幅方向の寸法が厚み方向の寸法より大きく形成されている。このため、補強体31の強度および剛性が幅方向の変形に対して大きく、シール材1は、厚み方向へは比較的容易に曲げ変形できるとともに、幅方向への曲げ変形はより大きく規制されている。したがって、シール材1は、図1に示すような開閉ドア4に良好に取り付けることができる。
すなわち、シール材1は厚み方向への曲げ変形は容易であるため、開閉ドア4の曲線状の端縁に良好に沿うことができる。また、幅方向への曲げ変形は抑制されて、自重や開閉ドア4の開閉時に係る負荷によって幅方向に位置ずれすることが抑制されている。一方、補強体31は弾性変形可能であるため、シール材1は、幅方向への曲げ変形も可能であり、開閉ドア4が図1の紙面上手前側に僅かに膨らむビヤ樽状の曲面に形成されている場合でも、シール材1が幅方向へ曲げ変形されて開閉ドア4の端縁形状に良好に沿う。
【0034】
また、シール材1は、補強体31によって付加された形状保持性により、固定具40によって被取り付け部位6に取り付けられていない部分も被取り付け部位6に密着されてシール性が確保されている。したがって、所定の間隔で固定具40が設けられているシール材1では、全長にわたって均一な押付け力によって被取り付け部位6に装着することが可能で、均一なシール性を発揮して、水漏れのないシール材となる。
【0035】
また、シール材1に形状保持性が付与されているため、自重で垂れ下がったりすることがなく、従来のシール材よりも取付け作業における取り扱いが容易であり、取付け作業の効率化が図れる。また、保管、運搬時には、シール材本体10が過度に折り曲げられた状態になることを防ぐことができる。
【0036】
また、補強体31が一体化されているため、補強体31とシール材1の支持部16に貫通する挿通孔35の形状が安定に保持されており、また取り付け部分の剛性が高く、シール材1に対する固定具40のぐらつきがない。したがって、シール材1の位置ずれは、より効果的に防止される。また、補強体31は、シール材本体10より剛性が高いため、補強体31部分に正確な形状の孔を正確な位置に形成することができる。したがって、シール材1に取り付けられる固定具40の位置の誤差が小さく、被取り付け部位6に対して適当な位置、角度で取り付けられるシール材1になっている。
【0037】
なお、シール材に対する補強体の接合強度は、図4に示すように、支持部66を発泡ゴムより硬度および強度の高い非発泡ゴムまたは微発泡ゴムなどで成形することによって向上させることができる。なお、図4に示す補強体67は平板状である。また、図5に示すように、基部12の両脚部13,14間に特に支持部を設けずに補強体68を一体化しても良い。この形態では、補強体68は、その幅方向の端部で基部12に一体化することができる。これらの場合、支持部や補強体の厚さのばらつきがスポンジゴムの支持部の場合より少ないので、固定具の取付が正確に行える、という利点がある。
【0038】
本実施形態のシール材1は、シール材本体10を長尺に押し出し成形後、補強体31の材料を加熱溶融させて基部12の所定部位に押し出し成形することで、補強体31をシール材1の基部12に溶着して一体化することができる。補強体31の材料がゴム以外の材料、すなわち加硫を必要としない材料の場合、補強体31の材料は、加硫完了後のシール材本体10が熱溶着可能な温度を保っている間に、シール材本体10の上に押し出し成形して溶着することが好ましい。補強体31の材料がゴムの場合は、シール材本体10の押し出し成形時にシール材本体10上に補強体31を同時に押し出し成形し、シール材本体10と補強体31とを同時に加硫することができる。この場合、シール材本体10と補強体31は加硫接合によって一体化される。この製造方法では、シール材本体10と補強体31とが一体化されているシール材1を一連の工程で同時に製造することができ、効率が良い。
なお、補強体31の一体化は、上記方法に限定されず、例えば、シール材本体10の押し出し成形直後でシール材本体10が熱溶着可能な温度を保っている間に、別に押し出し成形しておいた補強体31をシール材本体10に貼り付けることによって行っても良い。
【0039】
本発明に係わるシール材は、上記実施形態に限定されない。
密着部やシール部の形状は、本実施形態に限定されず、被取り付け部位の形状やシール部に圧接される車体の開口端(または開閉ドアの端縁)の形状に合わせて適合させられる。また、補助部やサブシール部を有しない構成であっても良い。
【0040】
補強体の断面形状は、前述した形状に限定されず、例えば、図6に示す補強体75のように、基部12との接合面が基部12の支持部16と同様の平面状で、被取り付け部位6に対向する面の中央が凹状である形状でも良い。また、図7,図8に示す補強体76,77のように、中央部は基部に平行な板状に形成され、両端部は中央部に対して所定の角度で屈曲されている形状でも良い。
また、図9,図10に示す補強体78,79のように、基部12の両側部に沿って延びる2条の長尺材から形成されていても良い。図9、図10に示す形態でも、固定具は、補強体78,79に係止されることが好ましい。図9、図10に示す形態では、補強体78,79には、特に挿通孔を設けなくても良く、2本の長尺材の間の隙間の支持部に挿通孔を形成すれば良い。
補強体75〜77,79は、被取り付け部位側の中央が幅方向の両端に対して凹状に形成されており、両側端縁がより強く被取り付け部位に圧接されるシール性の高いシール材となっている。
【0041】
また、固定具は、上記実施形態に限定されず、公知の2部材を取り付けて固定可能な固定部材を用いることができる。固定具は、特にシール材本体に対しては接着剤などによって固着される形態であっても良い。また、図4に示すように、シール材本体に係止される第1の固定部62が弾性変形可能に形成されていても良い。図4の固定具60の第1の固定部62は、基板部49の中央から垂直に延び、所定の間隔で対向して配置される1対の係止片63,64により形成されている。係止片63,64は、基板部49に対して垂直に延びる長尺部63a,64aと、その先端に半径方向に突出して形成された係止端63b,64bとを備えている。1対の係止片63,64は、それぞれ、互いに近接する側に弾性変形可能となっている。なお、固定具60の第2の固定部は、固定具40の第2の固定部48とほぼ同様であるが、肩部71aと首部71bとが連続状に形成されている係止脚部71を備えている。
固定具は、図2,4に示すように、嵌め込み式にすると、容易に取外しでき、取付け作業および廃棄時の材料分別作業が簡単となり、好ましい。
【0042】
【発明の効果】
本発明では、被取り付け部に良好な密着状態で簡単に固定できる車両用のシール材を提供することにより、シール材によるシール性を確保してシール材取付構造における軽量化を図ることができると共に、取付け作業の効率化を図ることができる。また、シール材の車両への取付け作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるシール材が取り付けられている車両の開閉ドア部分を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係わるシール材の断面図である。
【図3】図2のシール材が車体の開口縁と開閉ドアとの間をシールするようすを示す断面図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係わるシール材の断面図である。
【図5】本発明の別の実施形態に係わるシール材の断面図である。
【図6】補強体の他の例を示す断面図である。
【図7】補強体の他の例を示す断面図である。
【図8】補強体の他の例を示す断面図である。
【図9】補強体の他の例を示す断面図である。
【図10】補強体の他の例を示す断面図である。
【図11】車体の開口縁と開閉ドアとの間をシールするシール材の従来の取り付けを示す断面図である。
【符号の説明】
1 シール材
1A 主要部
1B コーナー部
2 車体
4 開閉ドア
6 被取り付け部位
8 取り付け孔
10 シール材本体
12 基部
13,14 脚部
15 上面部
16,66 支持部
20 密着部
22 補助部
26,101 シール部
28 サブシール部
29a,29b リップ部
31,67,68 補強体
35 挿通孔
40,60 固定具
42,62 第1の固定部
43 軸部
44,63b,64b 係止端
48 第2の固定部
49 基板部
50 係止部
51 支柱部
52,71 係止脚部
52a,71a 肩部
52b,71b 首部
63a,64a 長尺部
103 基板
110 取り付け部
112 ドア枠
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の車体とドア、トランクリッドなどの開閉ドアとの間をシールする部材に関し、特に開閉ドア側に好適に取り付けられるシール材に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、人の乗降用のドアやトランクリッド、バックドアなど車体に対して開閉し、閉じているときには車体に密閉して車両外面を構成する開閉ドアが設けられている。開閉ドアと車体との間は、開閉ドアの端縁に沿ってスポンジゴムのシール材が取り付けられており、閉状態での密閉性が確保されている。
シール材は、一般に、図11に示すように、弾性変形が容易な環状断面のシール部101と、シール部101の外面に一体成形された板状の基板103とが一体に形成された長尺体である。シール材は、図11に示すような、基板103の下面と両側端部全体とを嵌め込んで保持する断面略C字形の湾曲板状の取り付け部110に固定される。取り付け部110は典型的には板金製であり、ドア枠112などに溶接されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、車体の軽量化を進めるにあたり、板金製の前記取り付け部110を省略する構成が考えられている。例えば、ドア枠112とシール材1の基部の両方に所定の間隔で孔を設け、クリップを各孔に係止させて、シール材を固定する方法が考えられている。しかし、この構成では、シール材は柔軟であるため、クリップから離れている部分でシール材がドア枠112の所定位置からずれることがあり、シール材と被取り付け部との密着性が低下したり、シール材と被取付け部との間に隙間ができて水がこの隙間を通って車室側に入ったりするおそれがある。
他にシール材を両面テープや接着剤等を使ってドア枠に固定する方法もあるが、テープなどの取扱いが面倒で取付位置の精度が低い等の不具合があった。
【0004】
そこで、本発明では、被取り付け部に良好な密着状態で簡単に固定できる車両用のシール材を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願請求項1の発明は、車体パネルと車体パネルに開閉自在に設けられる開閉ドアとの間を当該開閉ドアの端縁でシールする車両用のシール材であって、長尺状に形成され当該シール材が車両に取り付けられるときに車両の被取り付け部位に対向する基部と、この基部の幅方向車外側端縁に突出して形成されて当該シール材が車両に取り付けられた状態で前記基部の車外側で被取り付け部位に密着する密着部と、前記基部から密着部とは異なる方向に突出して形成されて当該シール材が車両に取り付けられて開閉ドアが閉じられた状態で車体パネルと開閉ドアとの間をシールするシール部とを備えるシール材本体と、前記基部の前記被取り付け部位に対向する面に基部の長手方向に沿って一体化され、弾性変形可能で前記基部より剛性が高い材料からなる補強体とを備える車両用のシール材としたものである。
請求項1の発明によれば、このシール材は、シール材本体に被取り付け部位に対向する基部を有し、この基部の被取り付け部位に対向する面に、基部より剛性が高く弾性変形可能な補強体が設けられているため、シール材の形状保持性が向上している。このため、シール材は、被取り付け部位に固定されて所定の位置に保持されるため、被取り付け部位にシール材保持用の部材を特に必要としない。
また、シール材全体の剛性が増大しているため、車両への取付け作業が容易である。
なお、本明細書において開閉ドアとは、人間の乗降や物品の出し入れ、あるいは換気などのために形成された車体の開口部分を開閉できるように車体に取り付けられる部材で、特に回動によって開閉する部材である。したがって、人間の乗降に用いられるドアだけでなく、トランクリッドなどの荷室の扉などを含む。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記基部および/または補強体は、厚さ方向に貫通し、当該シール材を車両に取り付けるための固定具を挿通可能な挿通孔を、長手方向に沿って所定の間隔を保って複数備える車両用のシール材としたものである。
請求項2の発明によれば、より剛性の高い補強体には、正確な間隔で正確な形状の挿通孔を容易に設けることができるため、寸法安定性や取り付け強度が確保されたシール材となっている。
【0007】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の発明において、当該シール材を車両に取り付けるための固定具を備え、この固定具の一端側が前記挿通孔に挿入固定されており、当該シール材が車両に取り付けられるとき、前記固定具の他端側が前記被取り付け部位に形成された取り付け孔に係止可能である車両用のシール材としたものである。
請求項3の発明によれば、さらに、シール材は、車両に固定可能な複数の固定具を備えており、固定具は、より剛性の高い補強体に取り付けられているため、その位置や向きが安定しており、またシール材の車両への取付け作業が容易である。このシール材の固定具間の位置では補強材の作用によって被取り付け部位に密着し、かつ長手方向に沿って安定したシール性を有している。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3に記載の発明において、前記固定具の他端側は係止脚部を有し、この係止脚部の少なくとも1つは、この固定具の中心軸より車内側に位置して被取り付け部位の取り付け孔に固定される車両用のシール材としたものである。
請求項4の発明によれば、固定具は、取り付け状態で固定具の中心軸より車内側に位置される係止脚部を備えているため、開閉ドアの開閉時、特に閉じるときに受ける力によって、位置ずれしたり、傾いたりすることがなく、シール性が安定して確保されたシール材となっている。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかの発明において、前記シール材本体は、スポンジゴムより成り、前記補強体は、非発泡のゴム材料、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーより成る群から選択される材料で被取り付け部位の塗装膜よりも軟質の材料より成り、前記基部との接触面全体がシール材本体に接合されている車両用のシール材としたものである。
請求項5の発明によれば、補強体は、スポンジゴムより成るシール材本体より剛性が高く、かつ車両の外装塗膜よりも軟質に形成されているため、補強体によって外装塗膜が損傷されるおそれがない。このため、取り付け作業時に過度の注意力を必要とせず、作業性が良好である。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかの発明において、前記補強体は、前記シール材本体とは異なる色に形成されている車両用のシール材としたものである。
請求項6の発明によれば、補強体の有無を容易に視認できるため、製造過程で補強体の存否および形状が所定寸法に形成されているかの確認が容易である。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかの発明において、前記補強体は、前記被取り付け部位に対向する厚さ方向よりも前記被取り付け部位に平行な幅方向が大きい略長方形状の横断面形状を有する車両用のシール材としたものである。
請求項7の発明によれば、補強体の厚み寸法が、幅方向の寸法よりも大きいので、厚み方向への曲げは容易に行え、かつ幅方向へは厚さ方向へよりも曲がりにくいシール材となる。このため、多次元に曲がった形状、すなわち厚さ方向への曲率半径がより小さく、幅方向への曲率半径がより大きい形状に形成されている開閉ドア又は車体開口部の端縁に取り付けるときにスムーズに曲げて取り付けることができ、開閉ドアの端縁の形状に沿うように安定に取り付けることができる。また、取り付け後は、シール材の幅方向への位置ずれが良好に抑制される。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかの発明において、前記補強体は、前記被取り付け部位側の中央が幅方向の両端に対して凹状に形成されている車両用のシール材としたものである。
請求項8の発明によれば、両側端縁が中央部分より突出している補強体では、両側端縁がより強く被取り付け部位に圧接されるため、平板状に比較してより確実に密着されるシール材となっている。また、補強体の形状保持性が向上されており、取付け作業性が向上する。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1から8のいずれかの発明において、前記補強体は、前記シール材本体の基部上に押し出し成形されて、当該シール材が被取り付け部位に取り付けられるときに被取り付け部位に対向する位置で露出するように形成されている車両用のシール材としたものである。
請求項9の発明によれば、補強体はシール材本体の製造に後続して容易に一体化される。また、軟化状態の補強体材料により、シール材本体に補強体を溶融接合して一体化でき、接着剤などを使用せずにシール材を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明にかかるシール材が取り付けられる車両の部分を示す。図1は、乗用車の左側前部であり、乗降用の開口を備える車体2と、開口を開閉自在にする開閉ドア4とを備えている。開閉ドア4は、車両前側、すなわち図1の左側を中心に回動するように車体2に取り付けられている。開閉ドア4は、車体2の開口を塞ぐ閉位置から開閉ドア4の後ろ側が図1の紙面上手前に位置する開状態まで開閉自在になっている。
【0015】
シール材1は、開閉ドア4が閉じられたときに開閉ドア4と車体の開口端縁との間に位置するように取り付けられている。シール材1は、車体の開口端縁に取り付けられても良いが、典型的には、開閉ドア4の端縁に固定して取り付けられている。
【0016】
本実施形態のシール材1は、全体の形状として開閉ドア4の端縁に沿って取り付けられる略環状に形成されており、全長がほぼ同様の断面形状とされている。シール材1は、公知の方法、すなわち押し出し成形された長尺な主要部1Aと、コーナー部において射出成形された屈曲した形状のコーナー部1Bとが溶着等によって接合されることで略環状に形成されている。
【0017】
図2,3に本発明の本実施形態に係わるシール材1の主要部1A(以下、単に「シール材1」という。)断面を示す。シール材1は、シール材本体10と補強体31と固定具40とを備えている。
シール材本体10は、基部12と密着部20とシール部26とを備えている。シール材本体10は、少なくとも密着部20とシール部26とが弾性変形容易な材料で形成されている。本実施形態では、シール材本体10全体がEPDMを主体とする発泡ゴムで一体成形されているが、基部12は非発泡または微発泡のゴムや熱可塑性エラストマーで成形され、密着部20およびシール部26が前記発泡ゴムで成形されるなど、2種以上の材料で構成されていても良い。
なお、図2〜10において、破線は理解を容易にするために基部と他の部分との境界を便宜的に示しているもので、実際には明瞭な境界は存在しない。
【0018】
基部12は、シール材1の長さ全体にわたって延び、図3に示す開閉ドア4の被取り付け部位6に対向する部分である。基部12には、後で詳述する補強体31が一体的に形成されている。
本実施形態の基部12は、図2に示すように、厚さ方向(図2の上下方向)に所定の厚さを有し、長手方向に沿って互いに平行に延びる1組の脚部13,14と、この脚部13,14の上部を連結する上面部15とによって形成されている。また、脚部13,14の中間を連結する平板状の支持部16を有している。
【0019】
密着部20は、図2に示すように、基部12の被取り付け部位6に対向する側に突出して形成されている。密着部20は、シール材1が後述する固定具40によって被取り付け部位6に取り付けられた状態で弾性変形して被取り付け部位6に密着し、シール材1と被取り付け部位6との間をシールする。本実施形態では、密着部20は、基部12の下部外側面から斜め下方に向かって延びるリップ状に形成されている。密着部20は、基部12の幅方向の外側に突出して形成されており、図3に示す取り付け状態で基部12より車外側で被取り付け部位6に密着する。また、密着部20はリップ状で弾性変形しやすくなっており、被取り付け部位6の形状に追従して確実にかつ安定して被取り付け部位6に接触する。
【0020】
なお、図2に示す本実施形態では、基部12の脚部14にリップ状の補助部22が一体に形成されている。補助部22は、脚部14の下部外側から突出し、斜め下方に向かって延びている。補助部22は、シール材1の幅方向における密着部20と反対の側で被取り付け部位6に圧接されて弾性変形する部分で、シール材1の密着部20が被取り付け部位6から浮き上がる方向に傾くのを防止している。
【0021】
シール部26は、図2に示すように、被取り付け部位6と反対の側に基部12から突出して形成されている。シール部26は、図3に示すように、シール材1が車両に取り付けられて開閉ドア4が閉じられた状態で車体2の開口端に密着する。シール部26は、車体2の開口端に押付けられて図3に2点鎖線で示す形状から実線で示す形状まで車外側に向けて弾性変形し、その外形に追従して密着する形状とすることが好ましい。
本実施形態のシール部26は、基部12から突出する中空のチューブ状に形成されている。シール部26は、基部12の上面部15の脚部14寄りの部分から斜め上方に向かって突出して形成されており、図3に示す取り付け状態で斜め車内側に突出する。なお、図3において2点鎖線はシール材1のフリーな状態の形状を示している。
【0022】
本実施形態のシール材本体10は、さらに、サブシール部28を備えている。図2では、サブシール部28は、基部12の上面部15の脚部13から上方斜め外側に向かって突出して形成されている。サブシール部28は、斜め上方に延びるリップ部29aと、リップ部29aの中間部分から枝分かれして外側に向かって延びる補助リップ部29bとを有している。サブシール部28も開閉ドア4の閉位置において車体2の開口端に押付けられて弾性変形し、車体2の開口端に密着する。
【0023】
補強体31は、基部12の長手方向に沿って基部と一体化されており、基部12より剛性が高く、弾性変形可能に形成されている。補強体31は、例えば、EPDMを主体とする非発泡(微発泡を含む)のゴムや熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーなどによって形成することができ、被取り付け部位6の三次元形状に追従できる程度の弾性変形性を備える種々の高剛性の材料で形成できる。補強体31は、好ましくは、取り付けられる車両の開閉ドアに施される外装塗膜よりも軟質の材料、例えばポリプロピレン樹脂などで形成されていると、補強体31が外装塗膜に接触しても、外装塗膜が損傷するおそれがなく、シール材1の開閉ドア4の被取り付け部位6への取付け作業が容易である。
【0024】
補強体31は、典型的には、基部12の被取り付け部位6に対向する面に一体的に形成されるが、例えば、脚部13の下部や側面に形成されても良い。また、非発泡のゴムで成形する場合など、基部12の内部に埋設状態で設けられても良い。本実施形態では、図2に示すように基部12の支持部16に一面が露出して形成され、支持部16との接触部では支持部16との熱溶着で接合されている。
【0025】
補強体31の形状は特に限定されないが、いずれの方向にも曲げ可能である。
また、シール材1の形状保持性については、車体の上下方向および/または前後方向への曲げよりも車体の幅方向への曲げに対して高いことが好ましい。すなわち、シール材1は、図1に示す開閉ドア4の端縁に沿って基部12がドア内周側に、シール部26がドア外側に位置するように取り付けられるため、シール材1の厚み方向(図2の上下方向)には、曲げ変形が容易であることが好ましい。したがって、補強体31の断面形状は、基部12に対向する面、すなわち被取り付け部位6に平行な部分の幅方向寸法が、厚み方向の寸法よりも大きい形状であることが好ましい。図2に示す補強体31は、基部12の支持部16とほぼ同様の幅を有する断面略長方形状に形成されている。この形状であると、基部12の幅方向への変形を良好に規制することができる。
【0026】
また、図2に示す補強体31は、幅方向の中央が基部12側に突出する曲げ板状に形成されており、被取り付け部位6に対向する面の中央が被取り付け部位6に対して凹状に形成されている。この形状は、取り付け状態において基部12の幅方向端部側に圧接力を集中させる形状であるため、密着部20の被取り付け部位6への密着性の向上が期待できる。
なお、補強体31は、シール材1の色(例えば、黒色)とは、異色(例えば、白色などの淡色)を呈するように形成するのが好ましく、これによりシール材1の製造工程において補強体31の存否や、その形状、寸法を容易に確認できるので管理が容易となる。
【0027】
シール材1は、長手方向に所定間隔を保って複数個の固定具40を備えている。固定具40は、シール材1の被取り付け部位6に対向する面に形成された挿通孔35に通されて固定されている。挿通孔35は、例えば回転ドリル等でシール材本体10のみを貫通する孔として形成されても良いが、補強体31を貫通するように形成されていることが好ましい。本実施形態の挿通孔35は、補強体31の幅方向の中央に貫通し、さらに基部12の支持部16にも貫通している。挿通孔35は、シール材1の長手方向に沿って所定の間隔で複数形成されている。挿通孔35は、この挿通孔35に挿通される固定具40の後述する軸部43の形状に合わせた形状にすることができ、本実施形態では円形状に形成されている。補強体31を貫通する挿通孔を形成すれば、回転ドリル等で孔を形成するときに、スポンジゴムだけの部分に孔を形成する場合よりもちぎれなどが生じず、正確な形状の孔を形成することができる。
【0028】
固定具の一例である本実施形態の固定具40について説明する。固定具40は、ポリアセタール樹脂やナイロン樹脂のように硬質で弾性に富む材料から射出成形され、シール材1の挿通孔35に挿通されて挿通孔35の開口端に係止される第1の固定部42と、車両の被取り付け部位6に係止される第2の固定部48とを備えている。第1の固定部42と第2の固定部48とは、それぞれ同軸に形成されている。
【0029】
第1の固定部42は、挿通孔35の内径にほぼ等しい軸部43を有し、軸部43の先端に、挿通孔35の径より大きい係止端44が形成されている。第1の固定部42は、挿通孔35に押し通されて、係止端44が図2に示すように挿通孔35に係止されてシール材1に取り付けられている。また、軸部43の挿通孔35に挿入されない側の端部に挿通孔35より大径の基板部49が一体化されている。基板部49は、円形で外周に向かって徐々に厚みが薄くなっており、外周側が第2の固定部48の先端側に傾く円錐板状に形成されている。第1の固定部42は、基板部49が補強体31の外面に当接されて、挿通孔35の開口端を基板部49と係止端44とで挟み付けており、固定具40がシール材1に安定に取り付けられている。
【0030】
第2の固定部48は、図2,3に示すように、被取り付け部位6に形成される取り付け孔8に挿通されて取り付け孔8の開口端に係止するようになっている。
第2の固定部48は、基板部49から第1の固定部42とは反対の側に突出している。第2の固定部48は、基板部49の中心から垂直に延びる支柱部51と、支柱部51の先端部の両側に形成された一対の係止脚部52,52とを備えている。係止脚部52,52は、それぞれ外面が支柱部51の先端から基板部49の外周方向へ向かって傾斜する薄板状の肩部52a,52aと、肩部52a,52aの内側面から基板部49にほぼ垂直に接続される首部52b,52bとを備えている。係止脚部52,52は、肩部52a,52aが支柱部51方向に容易に弾性変形できるように形成されている。なお、首部52b,52bは、肩部52a,52aが過度に弾性変形するのを防止するとともに弾性復元力を増大させている。
【0031】
第2の固定部48は、被取り付け部位6に形成された取り付け孔8に圧入されることで被取り付け部位6に固定して取り付けられる。第2の固定部48は、取り付け孔8に押付けられて、係止脚部52の肩部52aが支柱部51方向に弾性変形して取り付け孔8を通り抜ける。このとき、密着部20がフリー状態から弾性変形するとともに、補強体31および基板部49は共に平板状に僅かに弾性変形する。そして、取り付け孔を通り抜けた肩部52aが弾性復元力で元の形状に戻るとともに、補強体31と基板部49とがその復元力により元の形状に戻ろうとして固定具40を被取り付け部位6の裏面に引き寄せる。このことにより、図3に示すように取り付け孔8の開口端に肩部52aの先端部が係止される。この状態で、基板部49の端縁は、補強体31側に弾性変形して被取り付け部位6の外面に圧接されており、肩部52aの先端の係止と基板部49の復元力との相互作用によって固定具40は被取り付け部位6に固定されている。
【0032】
固定具40は、開閉ドア4が閉じられている状態でシール材1にかかる負荷によってシール材1が外れて車外側に倒れたりしないように形成されていることが好ましい。本実施形態では、図3に示すように、開閉ドア4の閉位置で、シール部26が車体2の開口端に当接されてシール材1の上部に車外側に向かう力が加わるため、シール材1が車外側に倒れるおそれがある。このため、固定具40は、被取り付け部位6からシール材1の車内側部分、すなわち脚部14側が浮き上がるのを防げることが好ましい。本実施形態の固定具40は、係止脚部52の少なくとも1つが第2の固定部48の中心(中心軸)よりも車内側に位置されて、基板部49とともに取り付け孔8の開口端を挟持しているので、シール材1が安定に固定されて傾きにくい。
【0033】
シール材1は、補強体31が基部12に取り付けられているため、形状保持性が向上されている。この補強体31は、シール材1の幅方向の寸法が厚み方向の寸法より大きく形成されている。このため、補強体31の強度および剛性が幅方向の変形に対して大きく、シール材1は、厚み方向へは比較的容易に曲げ変形できるとともに、幅方向への曲げ変形はより大きく規制されている。したがって、シール材1は、図1に示すような開閉ドア4に良好に取り付けることができる。
すなわち、シール材1は厚み方向への曲げ変形は容易であるため、開閉ドア4の曲線状の端縁に良好に沿うことができる。また、幅方向への曲げ変形は抑制されて、自重や開閉ドア4の開閉時に係る負荷によって幅方向に位置ずれすることが抑制されている。一方、補強体31は弾性変形可能であるため、シール材1は、幅方向への曲げ変形も可能であり、開閉ドア4が図1の紙面上手前側に僅かに膨らむビヤ樽状の曲面に形成されている場合でも、シール材1が幅方向へ曲げ変形されて開閉ドア4の端縁形状に良好に沿う。
【0034】
また、シール材1は、補強体31によって付加された形状保持性により、固定具40によって被取り付け部位6に取り付けられていない部分も被取り付け部位6に密着されてシール性が確保されている。したがって、所定の間隔で固定具40が設けられているシール材1では、全長にわたって均一な押付け力によって被取り付け部位6に装着することが可能で、均一なシール性を発揮して、水漏れのないシール材となる。
【0035】
また、シール材1に形状保持性が付与されているため、自重で垂れ下がったりすることがなく、従来のシール材よりも取付け作業における取り扱いが容易であり、取付け作業の効率化が図れる。また、保管、運搬時には、シール材本体10が過度に折り曲げられた状態になることを防ぐことができる。
【0036】
また、補強体31が一体化されているため、補強体31とシール材1の支持部16に貫通する挿通孔35の形状が安定に保持されており、また取り付け部分の剛性が高く、シール材1に対する固定具40のぐらつきがない。したがって、シール材1の位置ずれは、より効果的に防止される。また、補強体31は、シール材本体10より剛性が高いため、補強体31部分に正確な形状の孔を正確な位置に形成することができる。したがって、シール材1に取り付けられる固定具40の位置の誤差が小さく、被取り付け部位6に対して適当な位置、角度で取り付けられるシール材1になっている。
【0037】
なお、シール材に対する補強体の接合強度は、図4に示すように、支持部66を発泡ゴムより硬度および強度の高い非発泡ゴムまたは微発泡ゴムなどで成形することによって向上させることができる。なお、図4に示す補強体67は平板状である。また、図5に示すように、基部12の両脚部13,14間に特に支持部を設けずに補強体68を一体化しても良い。この形態では、補強体68は、その幅方向の端部で基部12に一体化することができる。これらの場合、支持部や補強体の厚さのばらつきがスポンジゴムの支持部の場合より少ないので、固定具の取付が正確に行える、という利点がある。
【0038】
本実施形態のシール材1は、シール材本体10を長尺に押し出し成形後、補強体31の材料を加熱溶融させて基部12の所定部位に押し出し成形することで、補強体31をシール材1の基部12に溶着して一体化することができる。補強体31の材料がゴム以外の材料、すなわち加硫を必要としない材料の場合、補強体31の材料は、加硫完了後のシール材本体10が熱溶着可能な温度を保っている間に、シール材本体10の上に押し出し成形して溶着することが好ましい。補強体31の材料がゴムの場合は、シール材本体10の押し出し成形時にシール材本体10上に補強体31を同時に押し出し成形し、シール材本体10と補強体31とを同時に加硫することができる。この場合、シール材本体10と補強体31は加硫接合によって一体化される。この製造方法では、シール材本体10と補強体31とが一体化されているシール材1を一連の工程で同時に製造することができ、効率が良い。
なお、補強体31の一体化は、上記方法に限定されず、例えば、シール材本体10の押し出し成形直後でシール材本体10が熱溶着可能な温度を保っている間に、別に押し出し成形しておいた補強体31をシール材本体10に貼り付けることによって行っても良い。
【0039】
本発明に係わるシール材は、上記実施形態に限定されない。
密着部やシール部の形状は、本実施形態に限定されず、被取り付け部位の形状やシール部に圧接される車体の開口端(または開閉ドアの端縁)の形状に合わせて適合させられる。また、補助部やサブシール部を有しない構成であっても良い。
【0040】
補強体の断面形状は、前述した形状に限定されず、例えば、図6に示す補強体75のように、基部12との接合面が基部12の支持部16と同様の平面状で、被取り付け部位6に対向する面の中央が凹状である形状でも良い。また、図7,図8に示す補強体76,77のように、中央部は基部に平行な板状に形成され、両端部は中央部に対して所定の角度で屈曲されている形状でも良い。
また、図9,図10に示す補強体78,79のように、基部12の両側部に沿って延びる2条の長尺材から形成されていても良い。図9、図10に示す形態でも、固定具は、補強体78,79に係止されることが好ましい。図9、図10に示す形態では、補強体78,79には、特に挿通孔を設けなくても良く、2本の長尺材の間の隙間の支持部に挿通孔を形成すれば良い。
補強体75〜77,79は、被取り付け部位側の中央が幅方向の両端に対して凹状に形成されており、両側端縁がより強く被取り付け部位に圧接されるシール性の高いシール材となっている。
【0041】
また、固定具は、上記実施形態に限定されず、公知の2部材を取り付けて固定可能な固定部材を用いることができる。固定具は、特にシール材本体に対しては接着剤などによって固着される形態であっても良い。また、図4に示すように、シール材本体に係止される第1の固定部62が弾性変形可能に形成されていても良い。図4の固定具60の第1の固定部62は、基板部49の中央から垂直に延び、所定の間隔で対向して配置される1対の係止片63,64により形成されている。係止片63,64は、基板部49に対して垂直に延びる長尺部63a,64aと、その先端に半径方向に突出して形成された係止端63b,64bとを備えている。1対の係止片63,64は、それぞれ、互いに近接する側に弾性変形可能となっている。なお、固定具60の第2の固定部は、固定具40の第2の固定部48とほぼ同様であるが、肩部71aと首部71bとが連続状に形成されている係止脚部71を備えている。
固定具は、図2,4に示すように、嵌め込み式にすると、容易に取外しでき、取付け作業および廃棄時の材料分別作業が簡単となり、好ましい。
【0042】
【発明の効果】
本発明では、被取り付け部に良好な密着状態で簡単に固定できる車両用のシール材を提供することにより、シール材によるシール性を確保してシール材取付構造における軽量化を図ることができると共に、取付け作業の効率化を図ることができる。また、シール材の車両への取付け作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるシール材が取り付けられている車両の開閉ドア部分を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係わるシール材の断面図である。
【図3】図2のシール材が車体の開口縁と開閉ドアとの間をシールするようすを示す断面図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係わるシール材の断面図である。
【図5】本発明の別の実施形態に係わるシール材の断面図である。
【図6】補強体の他の例を示す断面図である。
【図7】補強体の他の例を示す断面図である。
【図8】補強体の他の例を示す断面図である。
【図9】補強体の他の例を示す断面図である。
【図10】補強体の他の例を示す断面図である。
【図11】車体の開口縁と開閉ドアとの間をシールするシール材の従来の取り付けを示す断面図である。
【符号の説明】
1 シール材
1A 主要部
1B コーナー部
2 車体
4 開閉ドア
6 被取り付け部位
8 取り付け孔
10 シール材本体
12 基部
13,14 脚部
15 上面部
16,66 支持部
20 密着部
22 補助部
26,101 シール部
28 サブシール部
29a,29b リップ部
31,67,68 補強体
35 挿通孔
40,60 固定具
42,62 第1の固定部
43 軸部
44,63b,64b 係止端
48 第2の固定部
49 基板部
50 係止部
51 支柱部
52,71 係止脚部
52a,71a 肩部
52b,71b 首部
63a,64a 長尺部
103 基板
110 取り付け部
112 ドア枠
Claims (9)
- 車体パネルと車体パネルに開閉自在に設けられる開閉ドアとの間を当該開閉ドアの端縁でシールする車両用のシール材であって、
長尺状に形成され当該シール材が車両に取り付けられるときに車両の被取り付け部位に対向する基部と、この基部の幅方向車外側端縁に突出して形成されて当該シール材が車両に取り付けられた状態で前記基部の車外側で被取り付け部位に密着する密着部と、前記基部から密着部とは異なる方向に突出して形成されて当該シール材が車両に取り付けられて開閉ドアが閉じられた状態で車体パネルと開閉ドアとの間をシールするシール部とを備えるシール材本体と、
前記基部の前記被取り付け部位に対向する面に基部の長手方向に沿って一体化され、弾性変形可能で前記基部より剛性が高い材料からなる補強体と
を備える車両用のシール材。 - 前記基部および/または補強体は、厚さ方向に貫通し、当該シール材を車両に取り付けるための固定具を挿通可能な挿通孔を、長手方向に沿って所定の間隔を保って複数備える、請求項1に記載の車両用のシール材。
- 当該シール材を車両に取り付けるための固定具を備え、この固定具の一端側が前記挿通孔に挿入固定されており、当該シール材が車両に取り付けられるとき、前記固定具の他端側が前記被取り付け部位に形成された取り付け孔に係止可能である、請求項2に記載の車両用のシール材。
- 前記固定具の他端側は係止脚部を有し、この係止脚部の少なくとも1つは、この固定具の中心軸より車内側に位置して被取り付け部位の取り付け孔に固定される、請求項3に記載の車両用のシール材。
- 前記シール材本体は、スポンジゴムより成り、
前記補強体は、非発泡のゴム材料、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーより成る群から選択される材料で被取り付け部位の塗装膜よりも軟質の材料より成り、前記基部との接触面全体がシール材本体に接合されている、請求項1から4のいずれかに記載の車両用のシール材。 - 前記補強体は、前記シール材本体とは異なる色に形成されている、請求項1から5のいずれかに記載の車両用のシール材。
- 前記補強体は、前記被取り付け部位に対向する厚さ方向よりも前記被取り付け部位に平行な幅方向が大きい略長方形状の横断面形状を有する、請求項1から6のいずれかに記載の車両用のシール材。
- 前記補強体は、前記被取り付け部位側の中央が幅方向の両端に対して凹状に形成されている、請求項1から7のいずれかに記載の車両用のシール材。
- 前記補強体は、前記シール材本体の基部上に押し出し成形されて、当該シール材が被取り付け部位に取り付けられるときに被取り付け部位に対向する位置で露出するように形成されている、請求項1から8のいずれかに記載の車両用のシール材。
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