JP2004025021A - 活性炭担体、触媒担持活性炭およびそれらの製造方法 - Google Patents

活性炭担体、触媒担持活性炭およびそれらの製造方法 Download PDF

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小林 真申
Makoto Inoue
井上 誠
Toshiaki Hayashi
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Abstract

【課題】触媒による水素化および脱水素反応の反応効率の向上を図るため、比表面積が大きく、熱伝導性に優れかつ水素ガス、反応原料および生成物の拡散性に優れた活性炭担体および触媒担持活性炭を提供する。
【解決手段】本発明にかかる活性炭担体は、繊維状活性炭編物により構成され、通気性が200cm/cm・s以上であることを特徴とする。該活性炭担体が、トルエン吸着性能が25g/m以上、またはBET法による比表面積が500〜3000m/gであることは好ましい。また、本発明にかかる触媒担持活性炭は、上記活性炭担体に触媒を担持して得られることを特徴とするものであり、触媒坦持後のトルエン吸着性能が15g/m以上、またはBET法による比表面積が300〜2400m/gであることが好ましい。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒を担持するための活性炭担体および該活性炭担体に触媒を担持してなる触媒担持活性炭に関するものであり、さらに詳しくは、高分子固体電解質型燃料電池の電極に用いられる活性炭担体および触媒担持活性炭や、水素化、脱水素化反応に用いられる活性炭担体および触媒担持活性炭に関するものである。
【0002】
たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの単環芳香族化合物、ナフタレン、メチルナフタレンなどの2環芳香族化合物及びアントラセンなどの3環芳香族化合物を水素化するシステム、あるいは水素化物であるシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンなどの単環水素化芳香族化合物、テトラリン、デカリン、メチルデカリンなどの2環水素化芳香族化合物、テトラデカヒドロアントラセン、テトラデカヒドロメチルアントラセンなどの3環水素化芳香族化合物を脱水素するシステムなどに用いられる活性炭担体および触媒担持活性炭に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、触媒を担持する担体として、表面積が大きく耐薬品性の高い活性炭等が用いられている。水素化物を脱水素するシステムに用いられる触媒担体は、脱水素反応が吸熱反応であるため、反応促進のために400℃までの雰囲気にする必要があるため、熱伝導性に優れ、かつ水素ガスや芳香族化合物などの生成物の拡散性にも優れていることを求められるが、十分な性能は得られていなかった。
【0004】
たとえば、特開2001−110437公報には、常温で液体の水素化芳香族化合物原料から加熱した脱水素触媒反応装置により水素を生成、分離し、燃料電池に水素を供給するシステムが考案されている。このシステムではCO、COなどの副生成物を生じることなく、高純度水素を効率よく製造、供給することができ、システムのコンパクト化ができる特徴を有する。
【0005】
上記公報では触媒活性成分として白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、コバルト、レニウム、バナジウム、タングステン、モリブデンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するものが用いられており、触媒担体として表面積970m/gのシルカアルミナ系メゾ細孔多孔質材や表面積3200m/gのアルカリ処理の活性炭が用いられているが、より一層の反応効率の向上が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者はかかる事情に鑑み、触媒による水素化反応および脱水素反応の反応効率の向上を図るべく、比表面積が大きく、熱伝導性に優れかつ水素ガス、原料および生成物の拡散性に優れた活性炭担体および触媒担持活性炭を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる活性炭担体は、繊維状活性炭編物により構成され、厚み方向の通気性が200cm/cm・s以上であることを特徴とする。該活性炭担体は、トルエン吸着性能が25g/m以上であり、またはBET法による比表面積が500m/g〜3000m/gであることが好ましい。
【0008】
該活性炭担体は、繊維状高分子を製編して繊維状高分子編物を製造する工程と該繊維状高分子編物を炭化して繊維状活性炭編物を製造する工程を含む製造法によって製造することができる。
【0009】
また、本発明にかかる触媒担持活性炭は、繊維状活性炭編物により構成され、厚み方向の通気性が200cm/cm・s以上である活性炭担体に触媒を担持して得られることを特徴とする。該触媒担持活性炭は、金属触媒担持後のトルエン吸着性能が、15g/m以上であり、または金属触媒担持後のBET法による比表面積が、300m/g〜2400m/gであることが好ましい。
【0010】
該触媒担持活性炭は、繊維状高分子を製編して繊維状高分子編物を製造する工程と該繊維状高分子編物を炭化して繊維状活性炭編物を製造する工程を含む工程によって得られた、通気性が200cm/cm・s以上である活性炭担体に触媒を担持することによって製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明における活性炭担体は、繊維状活性炭編物により構成されることを必要とする。不職布のような単繊維でなく繊維束になっているため熱伝導率が良くなり、織物のような密な組織でなく疎な組織であるため通気性が良くなるからである。このため、繊維状活性炭を編物状とすることにより、高熱伝導率かつ反応ガス・液の拡散性が向上し、触媒による水素化反応および脱水素反応速度が向上する。
【0012】
繊維状活性炭編物の製造方法について特に制限はないが、繊維状高分子を製編後、炭化処理および必要に応じて賦活処理する方法が好ましい方法として挙げられる。
【0013】
本発明における繊維状高分子の材質は、フェノール系繊維であることが望ましい。繊維状活性炭の原料繊維としては他にセルロース系、ピッチ系やPAN系が知られている。セルロース系繊維を原料繊維とする場合は炭化・賦活により十分な吸着性能を発揮する比表面積を有する繊維状活性炭が得られるが、収率が低く、また収縮率が大きいので剛性が高く、編物の強度、特に引裂強さの小さいものとなる。PAN系繊維を原料繊維とする場合には、比較的編物強度の高いものが得られるが、大きな吸着性能を有する繊維状活性炭を得ることが困難である。ピッチ系繊維を用いるとセルロース系とPAN系の中間程度の強度と吸着性能が得られるが、必ずしも両方の特性とも満足するものではない。
【0014】
本発明における繊維状高分子の形状は、ステープルから得られる紡績糸状、フィラメント糸状いずれの場合でもよく、また両者を混合した混繊糸状であってもよい。糸全体としての繊度は、150dtex以上、好ましくは295〜590dtexが良い。150dtex未満の場合、製編し炭化・賦活した後の繊維状活性炭編物の密度が緻密となって十分な通気性が得られないからである。
【0015】
紡績糸または混繊糸の場合、それを構成する各単繊維の繊度は1.1dtex〜5.5dtexが良い。単繊維繊度が1.1dtex以下であると、加工後の単繊維強度が著しく弱くなり、編物を保持することができず、また単繊維繊度が5.5dtex以上であると、炭化、賦活の進行具合が繊維表面と内部で偏りを生じ、やはり単繊維強度が著しく弱くなり、編物を保持することができないからである。
【0016】
このような糸状を用いて原料編地を製編するにあたって、繊維状活性炭にした後の生地の通気性と熱伝導性を保持するためには編組織としてはリブ編み又は両面編みが好ましい。この中でもフライス編みやスムース編みは連続焼成する際に生地の収縮によるコース方向の応力によって生じる生地の耳部の巻き込みがほとんどなく、繊維状活性炭編物の均一な形態保持の点で好ましい。
【0017】
このようにして得られた原料編物を活性炭にする際には、炭化処理および必要に応じて賦活処理を行う。炭化処理および賦活処理を行う場合は、バッチ式あるいは連続式に炭化・賦活工程を施すが、繊維状活性炭編物の生地特性や吸着性能の均一性を得ることや工業的生産性を考慮すると炭化・賦活を連続的に行うことが好ましい。原料編物を350℃以上1300℃以下の温度の不活性雰囲気で炭化し、次いで500℃以上1300℃以下の温度で炭素と反応する水蒸気、酸素、二酸化炭素などを含む活性な雰囲気で賦活し活性炭化する。
【0018】
また、場合によっては雰囲気条件を制御することにより炭化と賦活を同時に行うことも可能である。なお、賦活処理、すなわち活性炭化を行う際の最高到達温度を1300℃以上にすると質量収率が著しく減少するため、最高到達温度は1300℃以下にすることが好ましい。これにより、比表面積が500〜3000m/gである編物状の繊維状活性炭が得られる。
【0019】
得られた編物状の繊維状活性炭はそのままでも触媒担体としての機能を有するが、さらに表面改質することが好ましい。表面改質の方法は問わず、たとえば、酸素雰囲気下での乾式処理、強酸や電気酸化などによる湿式処理、プラズマ処理等により行うことができる。
【0020】
得られた活性炭担体の目付量は、50g/m〜300g/mが好ましい。50g/m未満であると活性炭担体の強度が弱くなり、300g/m以上の場
合通気性が悪くなるからである。より好ましくは60g/m〜150g/mである。
【0021】
また、本発明にかかる活性炭担体は、厚み方向の通気性が200cm/cm・s以上であることを必要とする。通気性が200cm/cm・s未満であれば、触媒担体として用いた場合、生成した水素ガスの拡散が悪くなり、反応効率が低下するからである。
【0022】
また、活性化担体のトルエン吸着性能またはBET法による比表面積等の吸着性能は、いずれも活性炭担体および触媒担持活性炭を評価する重要な指標となる。
すなわち、トルエン吸着性能とBET法による比表面積はいずれも触媒の担持場または脱水素反応場となり得るスペースを評価する点で共通するため相当の相関が認められるが、トルエン吸着性能は脱水素化反応における原料、生成物類似の化合物であるトルエンを用いて、主として反応場を評価するのに対し、BET法による比表面積は、窒素ガスを用いて、主として触媒の担持場を評価する点で異なり、それぞれ重要な指標である。
【0023】
本発明にかかる活性炭担体は、トルエン吸着性能が25g/m以上であることが好ましい。25g/m未満の場合は、原料化合物の反応場が低減し、触媒担持活性炭の性能低下をもたらすからである。また、BET法による比表面積は、500m/g〜3000m/gであることが好ましい。500m/g未満であると触媒の担持量が低下し触媒担持活性炭の性能が低下し、3000m/gを超えると繊維の比重が著しく低下し担体の強度が低下するからである。かかる観点から、トルエン吸着性能は、800m/g〜3000m/gであることがより好ましい。
【0024】
本発明にかかる触媒担持活性炭は、上記活性炭担体に触媒が担持されているものであることを必要とする。上記担体に担持されることにより、比表面積の増大、水素ガス、反応原料および生成物の拡散性が向上し、反応効率の高い触媒担持活性炭が得られるからである。
【0025】
上記活性炭担体に担持される触媒に特に制限はないが、脱水素化反応の触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、コバルト、レニウム、バナジウム、タングステン、モリブデン等の各種触媒が挙げられる。またこれらの触媒を複数組み合わせて用いることもできる。
【0026】
また、上記活性炭担体に触媒を担持する方法についても特に制限はないが、たとえば白金を担持する場合、10質量%以下の塩化白金酸水溶液に該活性炭担体を12時間以上浸漬、乾燥することによって10質量%以下の白金を担持することができる。ここで、溶液の溶媒として水の他にメタノール、エタノール、アセトン等の水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用いることもできる。なお、触媒活性を高めるため、使用前に還元処理を行うことが極めて好ましい。
【0027】
本発明にかかる触媒担持活性炭は、触媒担持後のトルエン吸着性能が15g/m以上、または触媒担持後のBET法による比表面積が300m/g〜2400m/gであることが好ましい。トルエン吸着性能が15g/m未満であり、比表面積が300m/g未満であると、十分な触媒活性が得られず、比表面積が2400m/gを超えると、触媒担持活性炭を構成する繊維状活性炭の比重が低下し触媒担持活性炭の機械的強度が低下するからである。かかる関連から、トルエン吸着性能は、500m/g〜2400m/gであることがより好ましい。
【0028】
また、本発明にかかる触媒担持活性炭においては、触媒を担持した後の通気性が触媒を担持する前の通気性と同様であることが好ましい。すなわち、触媒を担持した後の通気性も、200cm/cm・s以上であることが好ましい。触媒を担持した後の通気性が200cm/cm・s未満の場合は、脱水素反応において生成した水素ガスの拡散が悪くなり、反応効率が低下するからである。
【0029】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、繊維高分子編物、繊維状活性炭編物、活性炭担体および触媒担持活性炭についての各特性値の測定方法は以下の通りである。
【0030】
(1)通気性
通気性は、JIS L1018の8.33.1に記載されているように、フラジュール形試験機を用いて、圧力差125Paにおいて単位面積当たりに試料を通過する空気の速度(cm/cm・s)を測定した。
【0031】
(2)トルエン吸着性能
トルエン吸着性能は、JIS K1477に準拠して、25℃で乾燥空気で1/10に希釈したトルエン蒸気を通じたとき、試料単位面積当たりに吸着したトルエン質量(g/m)を測定した。
【0032】
(3)比表面積
比表面積は、液体窒素の沸点(−195.8℃)雰囲気下、相対圧力0.0〜0.2の範囲で上昇させたときの試料への窒素吸着量を数点測定し、BETプロットにより試料単位質量当たりの表面積(m/g)を求めた。なお、試料は、予め1Mの塩酸水溶液で12時間洗浄し、十分に水洗いし乾燥したものを、約0.1g採取し120℃で12時間真空乾燥させたものを用いた。
【0033】
(4)水素発生速度
図1に水素発生装置の概略図を示す。10cm(直径3.5cm)の触媒担持活性炭2をアルゴン置換された丸底フラスコ1の下部に設置し、丸底フラスコ1の下方に設けた電気ヒータ3により200℃に熱しながら、該触媒担持活性炭に噴霧器付き水素化物導入部9よりシクロヘキサンを10ml/min吹き付けた。生成した水素ガスは冷却管4を通って水素捕集管6に捕集され、生成したベンゼンは未反応のシクロヘキサンとともに冷却管7を通って芳香族回収部8に回収された。30分後と5時間後の水素ガスの発生速度(L/min)を測定した。
【0034】
(実施例1)
単繊維繊度2.2dtex、糸状の繊度295dtexのフェノール系繊維を使用し、22ゲージ両面丸編み機によりフライス編地を編成した。この編地は、目付225g/m、厚さ1.65mm、見掛密度0.14g/cm、通気性は320cm/cm・sであった。
【0035】
この編地を常温から800℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12質量%を含有する雰囲気中800℃の温度で90分間賦活した。得られた編地状の繊維状活性炭布は、絶乾目付130g/m、厚さ1.10mm見掛密度0.11g/cm、通気性は330cm/cm・sであった。また、この繊維状活性炭編物のトルエン吸着性能は43g/m、BET比表面積は1010m/gと高い吸着性能を有するものであった。
【0036】
さらに、塩化白金酸の水溶液に該編地状の繊維状活性炭を浸漬し、5質量%の白金触媒担持活性炭を調製した。この白金触媒担持活性炭のトルエン吸着性能は29g/m、BET比表面積は710m/gであった。なお、白金触媒担持後の通気性は、担持前と同じく330cm/cm・sであった。この白金触媒担持活性炭10cmを120℃で12時間真空乾燥して還元した後、水素ガスの発生速度(L/min)を測定したところ、30分後の水素発生速度は3.2L/minで、5時間後も3.1L/minと非常に良好であった。結果を表1に示す。
【0037】
(実施例2)
実施例1と同様のフライス編地を編成し、同様に炭化した。次に水蒸気12質量%を含有する雰囲気中800℃の温度で45分間賦活した。得られた編地状の繊維状活性炭布は、絶乾目付145g/m、厚さ1.20mm、見掛密度0.12g/cm、通気性は320cm/cm・sであった。また、この繊維状活性炭布のトルエン吸着性能は28g/m、BET比表面積は600m/gであった。
【0038】
さらに、実施例1と同様にして、5質量%の白金触媒担持活性炭を調製した。この白金触媒担持活性炭のトルエン吸着性能は17g/m、BET比表面積は390m/gであった。なお、白金触媒担持後の通気性は、担持前と同じく320cm/cm・sであった。この白金触媒担持活性炭10cmを120℃で12時間真空乾燥して還元した後、水素ガスの発生速度(L/min)を測定したところ、30分後の水素発生速度は2.9L/minで、5時間後も2.5L/minと良好であった。結果を表1に示す。
【0039】
(比較例1)
単繊維繊度2.2dtexのフェノール系繊維の短繊維を使用し、ニードルパンチ機によりフェルトを作製した。このフェルトは、目付260g/m、厚さ3.1mm、見掛密度0.084g/cm、通気性は500cm/cm・sであった。この編地を常温から800℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12質量%を含有する雰囲気中800℃の温度で90分間賦活した。得られたフェルト状の繊維状活性炭布は、絶乾目付153g/m、厚さ2.60mm、見掛密度0.056g/cm、通気性は480cm/cm・sであった。また、この繊維状活性炭布のトルエン吸着性能は50g/m、BET比表面積は1000m/gと高い吸着性能を有するものであった。
【0040】
さらに、実施例1と同様にして、5質量%の白金触媒担持活性炭を調製した。この白金触媒担持活性炭のトルエン吸着性能は34g/m、BET比表面積は700m/gであった。なお、白金触媒担持後の通気性は、担持前と同じく480cm/cm・sであった。この白金触媒担持活性炭10cmを120℃で12時間真空乾燥して還元した後、水素ガスの発生速度(L/min)を測定したところ、30分後の水素発生速度は1.5L/minで、5時間後も1.4L/minと低かった。結果を表1に示す。
【0041】
(比較例2)
単繊維繊度2.2dtex、糸状の繊度295dtexのフェノール系繊維を使用し、18ゲージ両面丸編み機によりスムース編地を編成した。この編地は、目付259g/m、厚さ1.75mm、見掛密度0.15g/cm、通気性は250cm/cm・sであった。
【0042】
この編地を常温から800℃まで30分間で不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12質量%を含有する雰囲気中800℃の温度で90分間賦活した。得られた編地状の繊維状活性炭布は、絶乾目付145g/m、厚さ1.15mm、見掛密度0.13g/cmであった。又、この繊維状活性炭布のトルエン吸着性能は48g/m、BET比表面積は990m/gと高い吸着性能を有するものであったが、通気性は174cm/cm・sであった。
【0043】
さらに、実施例1と同様にして、5質量%の白金触媒担持活性炭を調製した。この白金触媒担持活性炭のトルエン吸着性能は32g/m、BET比表面積は690m/gであった。なお、白金触媒担持後の通気性は、担持前と同じく174cm/cm・sであった。この白金触媒担持活性炭10cmを120℃で12時間真空乾燥して還元した後、水素ガスの発生速度(L/min)を測定したところ、30分後の水素発生速度は1.3L/minで、5時間後も1.2L/minと低かった。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 2004025021
【0045】
実施例1および実施例2は、白金触媒が、繊維状活性炭編物により構成され、厚み方向の通気性が200cm/cm・s以上の活性炭担体に担持された活性炭担持白金触媒を用いたものであるため、水素ガスの発生量が多く、脱水素反応が促進されていることを示す。特に、実施例1は、実施例2に比べトルエン吸着性能、およびBET法による比表面積がより高いため、実施例2より水素ガスの発生量が多い。
【0046】
これに対し、比較例1は活性炭担体が編物状でないため、比較例2は活性炭担体の通気性が200cm/cm・s未満であるため、いずれも水素ガスの発生量は少ない。
【0047】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
【0048】
【発明の効果】
上述のように、本発明にかかる活性炭担体は、繊維状活性炭の編物状構造をとり通気性が高いため、熱伝導性に優れ、水素ガス、水素化または脱水素化反応における反応原料および生成物の拡散性に優れている。このため、該活性炭担体に触媒を担持して得られる触媒担持活性炭は、水素化または脱水素反応の反応効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる水素発生装置の概略図である。
【符号の説明】
1 丸底フラスコ、2 触媒担持活性炭、3 電気ヒータ、4 冷却管、5 コック、6 水素捕集管、7 冷却管、8 芳香族回収部、9 噴霧器付き水素化物導入部。

Claims (9)

  1. 繊維状活性炭編物により構成され、厚み方向の通気性が200cm/cm・s以上であることを特徴とする活性炭担体。
  2. トルエン吸着性能が25g/m以上である請求項1に記載の活性炭担体。
  3. BET法による比表面積が500m/g〜3000m/gである請求項1に記載の活性炭担体。
  4. 繊維状活性炭編物の原料となる繊維状高分子が150dtex以上の太さを有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の活性炭担体。
  5. 繊維状高分子を製編して繊維状高分子編物を製造する工程と該繊維状高分子編物を炭化して繊維状活性炭編物を製造する工程を含み、厚み方向の通気性が200cm/cm・s以上である活性炭担体を製造することを特徴とする活性炭担体の製造方法。
  6. 繊維状活性炭編物により構成され、厚み方向の通気性が200cm/cm・s以上である活性炭担体に触媒を担持して得られることを特徴とする触媒担持活性炭。
  7. 触媒担持後のトルエン吸着性能が15g/m以上である請求項6に記載の触媒担持活性炭。
  8. 触媒担持後のBET法による比表面積が300m/g〜2400m/gである請求項6に記載の触媒担持活性炭。
  9. 繊維状高分子を製編して繊維状高分子編物を製造する工程と該繊維状高分子編物を炭化して繊維状活性炭編物を製造する工程を含む工程によって得られた、通気性が200cm/cm・s以上である活性炭担体に触媒を担持することによって、通気性が200cm/cm・s以上である触媒担持活性炭を製造することを特徴とする触媒担持活性炭の製造方法。
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