JP2004023416A - 指向性形成装置および指向性形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】他セル干渉の影響を抑制するとともに全帯域の受信品質の劣化を防ぐこと。
【解決手段】S/P変換部110は、変調された送信データをシリアル/パラレル変換して、複数系列(ここではキャリア数に対応する6系列)のデータを出力する。IFFT部120−1〜120−3は、キャリアのグループ数(ここでは3グループ)に応じて設けられており、各グループのキャリア(ここでは1グループにつき2キャリア)で伝送されるデータを逆高速フーリエ変換する。指向性割当部130は、乗算部131〜136から構成されており、グループごとの各キャリアに割り当てる指向性の幅を決定する。加算部140−1〜140−3は、乗算部131〜136の出力を加算し、送信信号を生成する。
【選択図】 図1
【解決手段】S/P変換部110は、変調された送信データをシリアル/パラレル変換して、複数系列(ここではキャリア数に対応する6系列)のデータを出力する。IFFT部120−1〜120−3は、キャリアのグループ数(ここでは3グループ)に応じて設けられており、各グループのキャリア(ここでは1グループにつき2キャリア)で伝送されるデータを逆高速フーリエ変換する。指向性割当部130は、乗算部131〜136から構成されており、グループごとの各キャリアに割り当てる指向性の幅を決定する。加算部140−1〜140−3は、乗算部131〜136の出力を加算し、送信信号を生成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指向性形成装置および指向性形成方法に関し、特に、マルチキャリア伝送において用いられる指向性形成装置および指向性形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動通信のブロードバンド化に伴い、例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式などのマルチキャリア伝送方式が注目されている。マルチキャリア伝送方式においては、周波数の異なる複数のキャリアでデータを伝送するため、伝送される信号は広帯域なものとなる。このような広帯域の信号を伝送する場合でも、マルチパス干渉および同一周波数干渉などの影響を受けない送受信を可能とする技術として、例えば特開平11−205026号公報に開示された適応可変指向性アンテナがある。この適応可変指向性アンテナでは、複数設けられたアンテナ素子の素子間隔とOFDMにおけるサブキャリアの周波数間隔とに基づいて、アンテナ素子ごと、かつ、サブキャリアごとの励振を制御するための励振ウエイトを算出し、各アンテナ素子で送受信される信号に励振ウエイトを付与する。これにより、OFDM信号の全帯域において所望方向に最適な指向性パターンが得られ、妨害波の影響を受けない送受信が可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の適応可変指向性アンテナにおいては、信号の全帯域に関して所望方向への指向性送信を行うため、隣接セルなどの他セルにおいて同様に全帯域に対して指向性送信している場合は、マルチキャリア信号の全帯域で他セル干渉の影響を受けるという問題がある。
【0004】
また、例えば基地局装置が上記の適応可変指向性アンテナによって移動端末装置へマルチキャリア信号を指向性送信している場合、基地局装置が移動端末装置の移動の追従を行えないと、基地局装置は指向性制御を適切に行うことができず、移動局装置における全帯域の信号の受信品質が劣化してしまうという問題がある。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、他セル干渉の影響を抑制するとともに全帯域の受信品質の劣化を防ぐことができる指向性形成装置および指向性形成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の指向性形成装置は、複数のキャリアでデータを伝送するマルチキャリア信号の各キャリアのデータを複数のグループに分割するグループ分割手段と、分割されて得られたグループごとのデータに互いに異なる幅の指向性を割り当てる指向性割当手段と、を有する構成を採る。
【0007】
この構成によれば、マルチキャリア信号の各キャリアのデータを複数のグループに分割し、各グループごとのデータに互いに異なる幅の指向性を割り当てるため、全帯域のキャリアが幅の狭い指向性で送信されることなく、全帯域のキャリアが同時に他セル干渉の影響を受けることを防止できるとともに、通信相手局の移動を追従できない場合でも全帯域における受信品質が同時に劣化することを防止できる。
【0008】
本発明の指向性形成装置は、前記グループ分割手段は、送信データを直/並列変換する直/並列変換部と、直/並列変換されて得られたキャリア数に対応する複数系列のデータを所定数のグループに分割してグループごとのデータを直交変換する直交変換部と、を有する構成を採る。
【0009】
この構成によれば、送信データを直/並列変換し、得られた複数系列のデータを所定数のグループに分割して直交変換するため、マルチキャリア伝送されるデータをキャリア単位でグループに分割することができる。
【0010】
本発明の指向性形成装置は、前記指向性割当手段は、前記グループのそれぞれに対応して設けられ、分割されて得られたグループのキャリアごとに指向性の幅を決定するための重み係数を乗算する乗算部、を有する構成を採る。
【0011】
この構成によれば、グループのキャリアごとに指向性の幅を決定するための重み係数を乗算するため、データを伝送するキャリア単位で各グループの指向性の幅を制御することができ、同一グループに属する周波数の異なるキャリアに同じ指向性幅を付加することができる。
【0012】
本発明の指向性形成装置は、前記指向性割当手段は、データを送信するために使用するアンテナ数を前記グループごとに変更することにより互いに異なる幅の指向性を割り当てる構成を採る。
【0013】
本発明の指向性形成装置は、前記指向性割当手段は、データを送信するために使用するマルチビーム数を前記グループごとに変更することにより互いに異なる幅の指向性を割り当てる構成を採る。
【0014】
これらの構成によれば、グループごとの指向性幅を確実に互いに異なるものとすることができる。
【0015】
本発明の指向性形成装置は、前記指向性割当手段は、分割されて得られたグループごとのデータに割り当てる指向性幅を所定の周期ごとにグループ間で交換する交換手段、を含む構成を採る。
【0016】
この構成によれば、分割されて得られたグループごとのデータに割り当てる指向性幅を所定の周期ごとにグループ間で交換するため、常に同一グループに属するキャリアの指向性幅が狭かったり、無指向性であったりすることを防止することができ、他セル干渉の影響が特定の帯域のキャリアに集中することを防止することができる。
【0017】
本発明の指向性形成装置は、前記交換手段は、グループ間の指向性幅をランダムに交換する構成を採る。
【0018】
この構成によれば、グループ間の指向性幅をランダムに交換するため、他セル干渉の影響が大きいキャリアが特定の帯域に偏ることがない。
【0019】
本発明の指向性形成装置は、前記交換手段は、グループ間の指向性幅を多値のM系列に応じて交換する構成を採る。
【0020】
この構成によれば、グループ間の指向性幅を多値のM系列に応じて交換するため、隣接するセル間で同じ帯域のキャリアの指向性幅は常に異なるものとすることができ、他セル間干渉の影響をさらに低減することができる。
【0021】
本発明の指向性形成装置は、前記指向性割当手段は、キャリアごとの干渉量に応じて当該キャリアの属するグループに割り当てる指向性幅を決定する構成を採る。
【0022】
この構成によれば、キャリアごとの干渉量に応じて当該キャリアの属するグループに割り当てる指向性幅を決定するため、例えば干渉量が小さい帯域のキャリアの指向性幅を狭くすることができ、信号の伝送品質を向上することができる。
【0023】
本発明の指向性形成装置は、前記乗算部は、分割されて得られたグループのデータのうち特定のキャリアで伝送されるデータに乗算される重み係数を当該特定キャリアで伝送されるデータと同一のグループのデータに乗算する構成を採る。
【0024】
この構成によれば、特定のキャリアで伝送されるデータに乗算される重み係数を同一のグループのデータに乗算するため、グループ内の特定のキャリアに対応する重み係数を同一グループに属するキャリアすべてに乗算し、装置の小型化・簡略化を図ることができる。
【0025】
本発明の指向性形成装置は、自装置と通信を行うユーザとの距離を測定する距離測定手段、をさらに有し、前記指向性割当手段は、測定された距離に応じて前記ユーザ宛てのデータに割り当てる指向性幅を決定する構成を採る。
【0026】
この構成によれば、自装置と通信を行うユーザとの距離を測定し、測定された距離に応じてユーザ宛てのデータに割り当てる指向性幅を決定するため、より正確なデータ送信を行うことができる。
【0027】
本発明の基地局装置は、上記のいずれかに記載の指向性形成装置を有する構成を採る。
【0028】
この構成によれば、上記のいずれかに記載の指向性形成装置と同様の作用効果を基地局装置において実現することができる。
【0029】
本発明の指向性形成方法は、複数のキャリアでデータを伝送するマルチキャリア信号の各キャリアのデータを複数のグループに分割するステップと、分割して得られたグループごとのデータに互いに異なる幅の指向性を割り当てるステップと、を有するようにした。
【0030】
この方法によれば、マルチキャリア信号の各キャリアのデータを複数のグループに分割し、各グループごとのデータに互いに異なる幅の指向性を割り当てるため、全帯域のキャリアが幅の狭い指向性で送信されることなく、全帯域のキャリアが同時に他セル干渉の影響を受けることを防止できるとともに、通信相手局の移動を追従できない場合でも全帯域における受信品質が同時に劣化することを防止できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、マルチキャリア伝送において、キャリアを複数のグループに分割し、グループごとに互いに異なる幅の指向性を割り当てて信号を送信することである。
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては、送信データを6つのキャリアで送信し、1グループに属するキャリアが2つである3グループに分割する場合を例にとって説明するが、本発明はこれに限定されず、1グループに属するキャリア数およびグループ数はいくつでも良い。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図である。同図に示す指向性形成装置は、変調部100、S/P変換部110、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)部120−1〜120−3、乗算部131〜136からなる指向性割当部130、加算部140−1〜140−3、および送信アンテナ150−1〜150−3を有している。
【0034】
変調部100は、送信データを変調する。S/P変換部110は、変調された送信データをシリアル/パラレル変換(以下、「S/P変換」という)して、複数系列(ここではキャリア数に対応する6系列)のデータを出力する。IFFT部120−1〜120−3は、キャリアのグループ数(ここでは3グループ)に応じて設けられており、各グループのキャリア(ここでは1グループにつき2キャリア)で伝送されるデータを逆高速フーリエ変換する。指向性割当部130は、乗算部131〜136から構成されており、各キャリアに割り当てる指向性を決定する。指向性割当部130および乗算部131〜136については、後に詳述する。加算部140−1〜140−3は、乗算部131〜136の出力を加算し、送信信号を生成する。送信アンテナ150−1〜150−3は、対応する加算部140−1〜140−3から出力される送信信号を送信する。
【0035】
次に、指向性割当部130および乗算部131〜136の構成について、図2から図4を用いて説明する。なお、ここでは、IFFT部120−1〜120−3によって3グループに分割されるキャリアのうち、IFFT部120−1に入力される2キャリア(以下、この2キャリアが属するグループを「グループA」という)については幅の狭い指向性で送信され、IFFT部120−2に入力される2キャリア(以下、この2キャリアが属するグループを「グループB」という)については無指向性で送信され、IFFT部120−3に入力される2キャリア(以下、この2キャリアが属するグループを「グループC」という)については幅の広い指向性で送信されるものとして説明する。
【0036】
図2は、乗算部131の内部構成を示すブロック図である。
【0037】
乗算部131は、乗算器131a、乗算器131b、および乗算器131cを有している。また、図では省略したが、乗算部132も同様の構成を有している。乗算部131および乗算部132は、幅の狭い指向性で送信されるグループAに属する2キャリアに対応して設けられている。乗算器131aは、IFFT部120−1から出力されるデータに送信アンテナ150−3からの出力を制御するためのウエイトW1を乗算する。乗算器131bは、IFFT部120−1から出力されるデータに送信アンテナ150−2からの出力を制御するためのウエイトW2を乗算する。乗算器131cは、IFFT部120−1から出力されるデータに送信アンテナ150−1からの出力を制御するためのウエイトW3を乗算する。これにより、グループAに属するキャリアは送信アンテナ150−1〜150−3から送信されることとなり、幅の狭い指向性で送信される。
【0038】
図3は、乗算部133の内部構成を示すブロック図である。
【0039】
乗算部133は、乗算器133a、乗算器133b、および乗算器133cを有している。また、図では省略したが、乗算部134も同様の構成を有している。乗算部133および乗算部134は、無指向性で送信されるグループBに属する2キャリアに対応して設けられている。乗算器133aは、IFFT部120−2から出力されるデータに送信アンテナ150−3からの出力を制御するためのウエイトW4を乗算する。乗算器133bは、IFFT部120−2から出力されるデータに0を乗算する。乗算器133cは、IFFT部120−2から出力されるデータに0を乗算する。これにより、グループBに属するキャリアは送信アンテナ150−3のみから送信されることとなり、無指向性で送信される。
【0040】
図4は、乗算部135の内部構成を示すブロック図である。
【0041】
乗算部135は、乗算器135a、乗算器135b、および乗算器135cを有している。また、図では省略したが、乗算部136も同様の構成を有している。乗算部135および乗算部136は、幅の狭い指向性で送信されるグループCに属する2キャリアに対応して設けられている。乗算器135aは、IFFT部120−3から出力されるデータに送信アンテナ150−1からの出力を制御するためのウエイトW5を乗算する。乗算器135bは、IFFT部120−3から出力されるデータに送信アンテナ150−2からの出力を制御するためのウエイトW6を乗算する。乗算器135cは、IFFT部120−3から出力されるデータに0を乗算する。これにより、グループCに属するキャリアは送信アンテナ150−1および送信アンテナ150−2から送信されることとなり、幅の広い指向性で送信される。
【0042】
次いで、上記構成を有する指向性形成装置の動作について説明する。
【0043】
まず、送信データは、変調部100によって変調され、S/P変換部110によってS/P変換される。S/P変換された送信データは、グループごとにIFFT部120−1〜120−3によって逆高速フーリエ変換される。ここで、IFFT部120−1は、幅の狭い指向性で送信されるグループAのキャリアに対応するデータに対して逆高速フーリエ変換を行い、IFFT部120−2は、無指向性で送信されるグループBのキャリアに対応するデータに対して逆高速フーリエ変換を行い、IFFT部120−3は、幅の広い指向性で送信されるグループCのキャリアに対応するデータに対して逆高速フーリエ変換を行う。
【0044】
そして、各IFFT部120−1〜120−3から出力されたデータは、キャリアごとにそれぞれ3分割され、対応する乗算部131〜136へ入力される。データが3分割されるのは、送信信号の数を送信アンテナ数に対応させるためである。そして、各乗算部131〜136では、3分割されたそれぞれのデータに対して送信アンテナ150−1〜150−3からの出力を制御するためのウエイトが乗算され、その結果は加算部140−1〜140−3へ出力される。
【0045】
このとき、グループAに対応する乗算部131および乗算部132においては、3分割されたそれぞれのデータすべてにウエイトが乗算され、加算部140−1〜140−3へ出力される。グループBに対応する乗算部133および乗算部134においては、3分割されたデータのうち、送信アンテナ150−3から送信されるデータのみにウエイトが乗算され、加算部140−3へ出力されるとともに、送信アンテナ150−1および送信アンテナ150−2から送信されるデータには0が乗算され、加算部140−1および加算部140−2へ出力される。また、グループCに対応する乗算部135および乗算部136においては、3分割されたデータのうち、送信アンテナ150−1および送信アンテナ150−2から送信されるデータにはウエイトが乗算され、加算部140−1および加算部140−2へ出力されるとともに、送信アンテナ150−3から送信されるデータには0が乗算され、加算部140−3へ出力される。
【0046】
そして、加算部140−1〜140−3によって、乗算部131〜136からの出力が加算され、対応する送信アンテナ150−1〜150−3から送信される。
【0047】
次に、本実施の形態に係る指向性形成装置の動作について、具体的に例を挙げて説明する。
【0048】
図5は、本実施の形態において伝送されるマルチキャリア信号のキャリア構成の一例を示す図である。同図において、キャリア200およびキャリア210はグループAに属し、幅の狭い指向性で送信されるものとする。また、同様に、キャリア220およびキャリア230はグループBに属し、無指向性で送信され、キャリア240およびキャリア250はグループCに属し、幅の広い指向性で送信されるものとする。
【0049】
送信データのうち、キャリア200およびキャリア210によって伝送されるデータはIFFT部120−1によって逆高速フーリエ変換され、さらにキャリア200によって伝送されるデータは、3分割されて乗算部131の乗算器131a〜131cへ入力され、それぞれウエイトW1、ウエイトW2、ウエイトW3が乗算される。同様にキャリア210によって伝送されるデータも3分割され、乗算部132の図示しない乗算器によってそれぞれウエイトが乗算される。
【0050】
また、送信データのうち、キャリア220およびキャリア230によって伝送されるデータはIFFT部120−2によって逆高速フーリエ変換され、さらにキャリア220によって伝送されるデータは、3分割されて乗算部133の乗算器133a〜133cへ入力され、それぞれウエイトW4、0、0が乗算される。同様にキャリア230によって伝送されるデータも3分割され、乗算部134の図示しない乗算器によってそれぞれウエイトおよび0が乗算される。
【0051】
さらに、送信データのうち、キャリア240およびキャリア250によって伝送されるデータはIFFT部120−3によって逆高速フーリエ変換され、さらにキャリア240によって伝送されるデータは、3分割されて乗算部135の乗算器135a〜135cへ入力され、それぞれウエイトW5、W6、0が乗算される。同様にキャリア250によって伝送されるデータも3分割され、乗算部136の図示しない乗算器によってそれぞれウエイトおよび0が乗算される。
【0052】
これらの乗算結果は、それぞれ加算部140−1〜140−3へ出力される。そして、加算部140−1〜140−3によって、各乗算部131〜136の乗算結果が加算され、対応する送信アンテナ150−1〜150−3を介して送信される。
【0053】
このとき、キャリア200およびキャリア210によって伝送されるデータは、3分割された各データ系列にウエイトが乗算された上で送信アンテナ150−1〜150−3から送信されるため、図6に示すように、幅の狭いビーム300の方向へ送信されることになる。また、キャリア220およびキャリア230によって伝送されるデータは、3分割されたデータ系列のうち1系列のみにウエイトが乗算された上で送信アンテナ150−3のみから送信されるため、図6に示すように、全方向へのビーム310によって無指向性で送信されることになる。さらに、キャリア240およびキャリア250によって伝送されるデータは、3分割されたデータ系列のうち2系列にウエイトが乗算された上で送信アンテナ150−1および送信アンテナ150−2から送信されるため、図6に示すように、幅の広いビーム320の方向へ送信されることになる。
【0054】
このように、本実施の形態によれば、マルチキャリア伝送される送信データをキャリア単位で送信アンテナ数に対応する数のグループに分割し、各グループごとのキャリアの指向性幅を互いに異なるものとするため、全帯域において同一の指向性で信号が送信されることがなく、幅の広いビームや無指向性で送信される帯域の信号成分に関しては他セル干渉の影響を抑制することができるともに、信号の送信先の移動を追従できない場合でも、幅の広いビームや無指向性で送信される帯域の信号成分に関しては受信品質の劣化を防ぐことができる。
【0055】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図である。同図に示す指向性形成装置において、図1に示す指向性形成装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
交換部400は、IFFT部120−1〜120−3から出力されるキャリアごとのデータが属するグループを所定の周期で交換し、それぞれグループに対応する乗算部131〜136へ出力する。これにより、幅の狭い指向性で送信されるキャリアが一定でなくなり、常に同一キャリアのみが他セルからの干渉を大きく受けることがないようにする。
【0057】
交換部400によるグループの交換は、例えば、グループ数(ここでは3)と同数の乱数を所定の周期で発生させ、IFFT部120−1〜120−3の出力ごとに乱数を対応させてグループを決定することにより行われる。また、所定周期で3値のM系列を発生させ、隣接セルの同一帯域のキャリア同士が同じグループに属さないようにグループを決定することにより、他セル干渉の影響をさらに低減することができる。
【0058】
このように、本実施の形態によれば、常に同一キャリアの指向性幅が狭かったり、無指向性であったりすることを防止するため、他セル干渉の影響が特定の帯域のキャリアに集中することを防止することができる。
【0059】
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図である。同図に示す指向性形成装置において、図1に示す指向性形成装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0060】
受信部510は、受信アンテナ500を介して、通信相手局によって測定されたキャリアごとの受信品質情報を受信する。受信品質情報としては、例えばCIR(Carrier to Interference Ratio)などが用いられる。
【0061】
指向性指示部520は、受信品質情報に基づいて干渉量が小さいキャリアを選択し、指向性割当部130に対して、干渉量が小さいキャリアが属するグループの指向性幅を狭くする旨の指示を出力する。
【0062】
次いで、上記構成を有する指向性形成装置の動作について説明する。
【0063】
受信アンテナ500を介して受信部510によって受信されたキャリアごとの受信品質情報は、指向性指示部520へ出力される。そして、指向性指示部520によって、受信品質情報に基づいて干渉量が最も小さい帯域のキャリアが選択され、選択されたキャリアが属するグループの指向性幅を狭くする旨の指示が指向性割当部130に対して出力される。ここでは、IFFT部120−2から出力されたグループのキャリアの干渉量が小さかったものとする。
【0064】
そして、指向性割当部130の乗算部133および乗算部134は、指向性指示部520の指示に応じて、IFFT部120−2から出力されたデータに対してウエイトを乗算し、このグループのキャリアの指向性幅が狭くなるようにする。
【0065】
このように、本実施の形態によれば、通信相手局において測定されるキャリアごとの受信品質情報に応じて、干渉量が小さい帯域のキャリアの指向性幅を狭くするため、信号の伝送品質を向上することができる。
【0066】
なお、本実施の形態においては、指向性指示部520は、干渉量が小さい帯域のキャリアが属するグループの指向性幅を狭くする旨の指示を出力するようにしたが、例えば、キャリアごとの受信品質情報に基づいて全グループの指向性幅を指定する旨の指示を出力するようにしても良い。
【0067】
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図である。同図に示す指向性形成装置において、図1に示す指向性形成装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
指向性割当部600は、乗算部131、乗算部133、および乗算部135から構成されており、各キャリアに割り当てる指向性を決定する。代表キャリア指示部610は、同一グループに属するキャリアから代表キャリアをそれぞれ選択し、その周波数を指向性割当部600へ通知する。代表キャリアは、各グループに属するキャリアのうちのいずれか一つのキャリアである。
【0069】
次いで、上記構成を有する指向性形成装置の動作について説明する。
【0070】
代表キャリア指示部610によって、代表キャリアが選択され、選択された代表キャリアの周波数が指向性割当部600へ通知される。そして、指向性割当部600においては、乗算部131、乗算部133、および乗算部135によって、それぞれ代表キャリアの周波数に対応するウエイトとデータとが乗算され、加算部140−1〜140−3へ出力される。
【0071】
上記実施の形態1から実施の形態3においては、同一グループに属するキャリアでも、それぞれ周波数が異なるため、乗算されるウエイトが異なるが、本実施の形態においては、同一グループに属するキャリアにはすべて同一のウエイトが乗算される。これにより、装置の小型化・簡略化を図ることができる。
【0072】
このように、本実施の形態によれば、同一グループに属するキャリアのうち特定のキャリアを代表キャリアとして選択し、代表キャリアの周波数に対応するウエイトを同一グループに属するキャリアすべてに乗算するため、装置の小型化・簡略化を図ることができる。
【0073】
なお、本実施の形態においては、選択された代表キャリアの周波数を指向性割当部600へ通知する構成としたが、例えば、同一グループに属するキャリアの周波数の平均周波数を算出し、算出された平均周波数を指向性割当部600へ通知し、この平均周波数に応じたウエイトを各グループのキャリアすべてに乗算するようにしても良い。
【0074】
(実施の形態5)
図10は、本発明の実施の形態5に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図である。同図に示す指向性形成装置において、図1に示す指向性形成装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0075】
受信部710は、受信アンテナ700を介して、通信相手局から送信されたデータを受信する。伝搬遅延測定部720は、受信データに基づいて、通信相手局から自装置までのデータの伝搬遅延を測定し、通信相手局との距離を算出する。送信アンテナ数指示部730は、通信相手局との距離に応じてデータの送信に使用する送信アンテナ数を決定し、指向性割当部130へ通知する。
【0076】
次いで、上記構成を有する指向性形成装置の動作について説明する。
【0077】
受信アンテナ700を介して受信部710によって受信されたデータは、伝搬遅延測定部720へ出力される。そして、伝搬遅延測定部720によって、受信データの伝搬遅延が測定され、データの送信元である通信相手局と自装置との距離が算出される。そして、送信アンテナ数指示部730によって、通信相手局との距離に応じた各グループごとの送信アンテナ数が決定され、指向性割当部130へ通知される。そして、指向性割当部130の乗算部131〜136において、通知された送信アンテナ数からデータが送信されるようにウエイトが設定され、乗算部131〜136内の図示しない乗算器によってデータに乗算される。具体的には、例えば、通信相手局との距離が遠い場合には、送信アンテナ150−1〜150−3のすべてのアンテナを使用し、幅の狭いビームでデータを送信するようにし、通信相手局との距離が近い場合には、いずれか一つの送信アンテナを使用し、無指向性でデータを送信する。これにより、距離が遠い通信相手局に対しても正確にデータを伝送することができる。
【0078】
このように、本実施の形態によれば、通信相手局から送信されたデータに基づいて伝搬遅延を測定し、通信相手局との距離を算出し、その距離に応じてデータ送信に使用する送信アンテナ数を決定するため、より正確なデータ送信を行うことができる。
【0079】
なお、上記各実施の形態においては、1グループに属するキャリア数を2つとして説明したが、1グループに属するキャリア数はいくつでも良く、グループによって異なる数のキャリアが属するようにしても良い。また、上記各実施の形態においては、各グループに1つずつIFFT部を備える構成としたが、全キャリアに対して1つのIFFT部を備えるようにしても良い。その場合は、IFFT部において、逆高速フーリエ変換を行うとともに、キャリアのグループ分けを行う。
【0080】
また、上記各実施の形態においては、送信アンテナ数を変更することによって各グループの指向性幅が異なるようにしたが、例えば同一の指向性幅のマルチビームを形成し、グループごとにマルチビームの合成数を変更することによって各グループの指向性幅が異なるようにしても良い。
【0081】
また、本発明をMC−CDMA(Multi Career−Code Division Multiple Access)方式に適用する場合には、指向性の幅を変化させる単位として、周波数方向拡散単位を用い、MC/DS−CDMA(Multi Career/Direct Spread−Code Division Multiple Access)方式に適用する場合には、指向性の幅を変化させる単位として、時間方向拡散単位を用いる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、他セル干渉の影響を抑制するとともに全帯域の受信品質の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1に係る乗算部の構成を示すブロック図
【図3】実施の形態1に係る乗算部の他の構成を示すブロック図
【図4】実施の形態1に係る乗算部のさらに他の構成を示すブロック図
【図5】実施の形態1において伝送される信号のキャリア構成の一例を示す図
【図6】実施の形態1に係る指向性形成装置によって形成される指向性の一例を示す図
【図7】本発明の実施の形態2に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態3に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態4に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態5に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図
【符号の説明】
110 S/P変換部
120−1、120−2、120−3 IFFT部
130、600 指向性割当部
131、132、133、134、135、136 乗算部
400 交換部
520 指向性指示部
610 代表キャリア指示部
720 伝搬遅延測定部
730 送信アンテナ数指示部
【発明の属する技術分野】
本発明は、指向性形成装置および指向性形成方法に関し、特に、マルチキャリア伝送において用いられる指向性形成装置および指向性形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動通信のブロードバンド化に伴い、例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式などのマルチキャリア伝送方式が注目されている。マルチキャリア伝送方式においては、周波数の異なる複数のキャリアでデータを伝送するため、伝送される信号は広帯域なものとなる。このような広帯域の信号を伝送する場合でも、マルチパス干渉および同一周波数干渉などの影響を受けない送受信を可能とする技術として、例えば特開平11−205026号公報に開示された適応可変指向性アンテナがある。この適応可変指向性アンテナでは、複数設けられたアンテナ素子の素子間隔とOFDMにおけるサブキャリアの周波数間隔とに基づいて、アンテナ素子ごと、かつ、サブキャリアごとの励振を制御するための励振ウエイトを算出し、各アンテナ素子で送受信される信号に励振ウエイトを付与する。これにより、OFDM信号の全帯域において所望方向に最適な指向性パターンが得られ、妨害波の影響を受けない送受信が可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の適応可変指向性アンテナにおいては、信号の全帯域に関して所望方向への指向性送信を行うため、隣接セルなどの他セルにおいて同様に全帯域に対して指向性送信している場合は、マルチキャリア信号の全帯域で他セル干渉の影響を受けるという問題がある。
【0004】
また、例えば基地局装置が上記の適応可変指向性アンテナによって移動端末装置へマルチキャリア信号を指向性送信している場合、基地局装置が移動端末装置の移動の追従を行えないと、基地局装置は指向性制御を適切に行うことができず、移動局装置における全帯域の信号の受信品質が劣化してしまうという問題がある。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、他セル干渉の影響を抑制するとともに全帯域の受信品質の劣化を防ぐことができる指向性形成装置および指向性形成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の指向性形成装置は、複数のキャリアでデータを伝送するマルチキャリア信号の各キャリアのデータを複数のグループに分割するグループ分割手段と、分割されて得られたグループごとのデータに互いに異なる幅の指向性を割り当てる指向性割当手段と、を有する構成を採る。
【0007】
この構成によれば、マルチキャリア信号の各キャリアのデータを複数のグループに分割し、各グループごとのデータに互いに異なる幅の指向性を割り当てるため、全帯域のキャリアが幅の狭い指向性で送信されることなく、全帯域のキャリアが同時に他セル干渉の影響を受けることを防止できるとともに、通信相手局の移動を追従できない場合でも全帯域における受信品質が同時に劣化することを防止できる。
【0008】
本発明の指向性形成装置は、前記グループ分割手段は、送信データを直/並列変換する直/並列変換部と、直/並列変換されて得られたキャリア数に対応する複数系列のデータを所定数のグループに分割してグループごとのデータを直交変換する直交変換部と、を有する構成を採る。
【0009】
この構成によれば、送信データを直/並列変換し、得られた複数系列のデータを所定数のグループに分割して直交変換するため、マルチキャリア伝送されるデータをキャリア単位でグループに分割することができる。
【0010】
本発明の指向性形成装置は、前記指向性割当手段は、前記グループのそれぞれに対応して設けられ、分割されて得られたグループのキャリアごとに指向性の幅を決定するための重み係数を乗算する乗算部、を有する構成を採る。
【0011】
この構成によれば、グループのキャリアごとに指向性の幅を決定するための重み係数を乗算するため、データを伝送するキャリア単位で各グループの指向性の幅を制御することができ、同一グループに属する周波数の異なるキャリアに同じ指向性幅を付加することができる。
【0012】
本発明の指向性形成装置は、前記指向性割当手段は、データを送信するために使用するアンテナ数を前記グループごとに変更することにより互いに異なる幅の指向性を割り当てる構成を採る。
【0013】
本発明の指向性形成装置は、前記指向性割当手段は、データを送信するために使用するマルチビーム数を前記グループごとに変更することにより互いに異なる幅の指向性を割り当てる構成を採る。
【0014】
これらの構成によれば、グループごとの指向性幅を確実に互いに異なるものとすることができる。
【0015】
本発明の指向性形成装置は、前記指向性割当手段は、分割されて得られたグループごとのデータに割り当てる指向性幅を所定の周期ごとにグループ間で交換する交換手段、を含む構成を採る。
【0016】
この構成によれば、分割されて得られたグループごとのデータに割り当てる指向性幅を所定の周期ごとにグループ間で交換するため、常に同一グループに属するキャリアの指向性幅が狭かったり、無指向性であったりすることを防止することができ、他セル干渉の影響が特定の帯域のキャリアに集中することを防止することができる。
【0017】
本発明の指向性形成装置は、前記交換手段は、グループ間の指向性幅をランダムに交換する構成を採る。
【0018】
この構成によれば、グループ間の指向性幅をランダムに交換するため、他セル干渉の影響が大きいキャリアが特定の帯域に偏ることがない。
【0019】
本発明の指向性形成装置は、前記交換手段は、グループ間の指向性幅を多値のM系列に応じて交換する構成を採る。
【0020】
この構成によれば、グループ間の指向性幅を多値のM系列に応じて交換するため、隣接するセル間で同じ帯域のキャリアの指向性幅は常に異なるものとすることができ、他セル間干渉の影響をさらに低減することができる。
【0021】
本発明の指向性形成装置は、前記指向性割当手段は、キャリアごとの干渉量に応じて当該キャリアの属するグループに割り当てる指向性幅を決定する構成を採る。
【0022】
この構成によれば、キャリアごとの干渉量に応じて当該キャリアの属するグループに割り当てる指向性幅を決定するため、例えば干渉量が小さい帯域のキャリアの指向性幅を狭くすることができ、信号の伝送品質を向上することができる。
【0023】
本発明の指向性形成装置は、前記乗算部は、分割されて得られたグループのデータのうち特定のキャリアで伝送されるデータに乗算される重み係数を当該特定キャリアで伝送されるデータと同一のグループのデータに乗算する構成を採る。
【0024】
この構成によれば、特定のキャリアで伝送されるデータに乗算される重み係数を同一のグループのデータに乗算するため、グループ内の特定のキャリアに対応する重み係数を同一グループに属するキャリアすべてに乗算し、装置の小型化・簡略化を図ることができる。
【0025】
本発明の指向性形成装置は、自装置と通信を行うユーザとの距離を測定する距離測定手段、をさらに有し、前記指向性割当手段は、測定された距離に応じて前記ユーザ宛てのデータに割り当てる指向性幅を決定する構成を採る。
【0026】
この構成によれば、自装置と通信を行うユーザとの距離を測定し、測定された距離に応じてユーザ宛てのデータに割り当てる指向性幅を決定するため、より正確なデータ送信を行うことができる。
【0027】
本発明の基地局装置は、上記のいずれかに記載の指向性形成装置を有する構成を採る。
【0028】
この構成によれば、上記のいずれかに記載の指向性形成装置と同様の作用効果を基地局装置において実現することができる。
【0029】
本発明の指向性形成方法は、複数のキャリアでデータを伝送するマルチキャリア信号の各キャリアのデータを複数のグループに分割するステップと、分割して得られたグループごとのデータに互いに異なる幅の指向性を割り当てるステップと、を有するようにした。
【0030】
この方法によれば、マルチキャリア信号の各キャリアのデータを複数のグループに分割し、各グループごとのデータに互いに異なる幅の指向性を割り当てるため、全帯域のキャリアが幅の狭い指向性で送信されることなく、全帯域のキャリアが同時に他セル干渉の影響を受けることを防止できるとともに、通信相手局の移動を追従できない場合でも全帯域における受信品質が同時に劣化することを防止できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、マルチキャリア伝送において、キャリアを複数のグループに分割し、グループごとに互いに異なる幅の指向性を割り当てて信号を送信することである。
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては、送信データを6つのキャリアで送信し、1グループに属するキャリアが2つである3グループに分割する場合を例にとって説明するが、本発明はこれに限定されず、1グループに属するキャリア数およびグループ数はいくつでも良い。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図である。同図に示す指向性形成装置は、変調部100、S/P変換部110、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)部120−1〜120−3、乗算部131〜136からなる指向性割当部130、加算部140−1〜140−3、および送信アンテナ150−1〜150−3を有している。
【0034】
変調部100は、送信データを変調する。S/P変換部110は、変調された送信データをシリアル/パラレル変換(以下、「S/P変換」という)して、複数系列(ここではキャリア数に対応する6系列)のデータを出力する。IFFT部120−1〜120−3は、キャリアのグループ数(ここでは3グループ)に応じて設けられており、各グループのキャリア(ここでは1グループにつき2キャリア)で伝送されるデータを逆高速フーリエ変換する。指向性割当部130は、乗算部131〜136から構成されており、各キャリアに割り当てる指向性を決定する。指向性割当部130および乗算部131〜136については、後に詳述する。加算部140−1〜140−3は、乗算部131〜136の出力を加算し、送信信号を生成する。送信アンテナ150−1〜150−3は、対応する加算部140−1〜140−3から出力される送信信号を送信する。
【0035】
次に、指向性割当部130および乗算部131〜136の構成について、図2から図4を用いて説明する。なお、ここでは、IFFT部120−1〜120−3によって3グループに分割されるキャリアのうち、IFFT部120−1に入力される2キャリア(以下、この2キャリアが属するグループを「グループA」という)については幅の狭い指向性で送信され、IFFT部120−2に入力される2キャリア(以下、この2キャリアが属するグループを「グループB」という)については無指向性で送信され、IFFT部120−3に入力される2キャリア(以下、この2キャリアが属するグループを「グループC」という)については幅の広い指向性で送信されるものとして説明する。
【0036】
図2は、乗算部131の内部構成を示すブロック図である。
【0037】
乗算部131は、乗算器131a、乗算器131b、および乗算器131cを有している。また、図では省略したが、乗算部132も同様の構成を有している。乗算部131および乗算部132は、幅の狭い指向性で送信されるグループAに属する2キャリアに対応して設けられている。乗算器131aは、IFFT部120−1から出力されるデータに送信アンテナ150−3からの出力を制御するためのウエイトW1を乗算する。乗算器131bは、IFFT部120−1から出力されるデータに送信アンテナ150−2からの出力を制御するためのウエイトW2を乗算する。乗算器131cは、IFFT部120−1から出力されるデータに送信アンテナ150−1からの出力を制御するためのウエイトW3を乗算する。これにより、グループAに属するキャリアは送信アンテナ150−1〜150−3から送信されることとなり、幅の狭い指向性で送信される。
【0038】
図3は、乗算部133の内部構成を示すブロック図である。
【0039】
乗算部133は、乗算器133a、乗算器133b、および乗算器133cを有している。また、図では省略したが、乗算部134も同様の構成を有している。乗算部133および乗算部134は、無指向性で送信されるグループBに属する2キャリアに対応して設けられている。乗算器133aは、IFFT部120−2から出力されるデータに送信アンテナ150−3からの出力を制御するためのウエイトW4を乗算する。乗算器133bは、IFFT部120−2から出力されるデータに0を乗算する。乗算器133cは、IFFT部120−2から出力されるデータに0を乗算する。これにより、グループBに属するキャリアは送信アンテナ150−3のみから送信されることとなり、無指向性で送信される。
【0040】
図4は、乗算部135の内部構成を示すブロック図である。
【0041】
乗算部135は、乗算器135a、乗算器135b、および乗算器135cを有している。また、図では省略したが、乗算部136も同様の構成を有している。乗算部135および乗算部136は、幅の狭い指向性で送信されるグループCに属する2キャリアに対応して設けられている。乗算器135aは、IFFT部120−3から出力されるデータに送信アンテナ150−1からの出力を制御するためのウエイトW5を乗算する。乗算器135bは、IFFT部120−3から出力されるデータに送信アンテナ150−2からの出力を制御するためのウエイトW6を乗算する。乗算器135cは、IFFT部120−3から出力されるデータに0を乗算する。これにより、グループCに属するキャリアは送信アンテナ150−1および送信アンテナ150−2から送信されることとなり、幅の広い指向性で送信される。
【0042】
次いで、上記構成を有する指向性形成装置の動作について説明する。
【0043】
まず、送信データは、変調部100によって変調され、S/P変換部110によってS/P変換される。S/P変換された送信データは、グループごとにIFFT部120−1〜120−3によって逆高速フーリエ変換される。ここで、IFFT部120−1は、幅の狭い指向性で送信されるグループAのキャリアに対応するデータに対して逆高速フーリエ変換を行い、IFFT部120−2は、無指向性で送信されるグループBのキャリアに対応するデータに対して逆高速フーリエ変換を行い、IFFT部120−3は、幅の広い指向性で送信されるグループCのキャリアに対応するデータに対して逆高速フーリエ変換を行う。
【0044】
そして、各IFFT部120−1〜120−3から出力されたデータは、キャリアごとにそれぞれ3分割され、対応する乗算部131〜136へ入力される。データが3分割されるのは、送信信号の数を送信アンテナ数に対応させるためである。そして、各乗算部131〜136では、3分割されたそれぞれのデータに対して送信アンテナ150−1〜150−3からの出力を制御するためのウエイトが乗算され、その結果は加算部140−1〜140−3へ出力される。
【0045】
このとき、グループAに対応する乗算部131および乗算部132においては、3分割されたそれぞれのデータすべてにウエイトが乗算され、加算部140−1〜140−3へ出力される。グループBに対応する乗算部133および乗算部134においては、3分割されたデータのうち、送信アンテナ150−3から送信されるデータのみにウエイトが乗算され、加算部140−3へ出力されるとともに、送信アンテナ150−1および送信アンテナ150−2から送信されるデータには0が乗算され、加算部140−1および加算部140−2へ出力される。また、グループCに対応する乗算部135および乗算部136においては、3分割されたデータのうち、送信アンテナ150−1および送信アンテナ150−2から送信されるデータにはウエイトが乗算され、加算部140−1および加算部140−2へ出力されるとともに、送信アンテナ150−3から送信されるデータには0が乗算され、加算部140−3へ出力される。
【0046】
そして、加算部140−1〜140−3によって、乗算部131〜136からの出力が加算され、対応する送信アンテナ150−1〜150−3から送信される。
【0047】
次に、本実施の形態に係る指向性形成装置の動作について、具体的に例を挙げて説明する。
【0048】
図5は、本実施の形態において伝送されるマルチキャリア信号のキャリア構成の一例を示す図である。同図において、キャリア200およびキャリア210はグループAに属し、幅の狭い指向性で送信されるものとする。また、同様に、キャリア220およびキャリア230はグループBに属し、無指向性で送信され、キャリア240およびキャリア250はグループCに属し、幅の広い指向性で送信されるものとする。
【0049】
送信データのうち、キャリア200およびキャリア210によって伝送されるデータはIFFT部120−1によって逆高速フーリエ変換され、さらにキャリア200によって伝送されるデータは、3分割されて乗算部131の乗算器131a〜131cへ入力され、それぞれウエイトW1、ウエイトW2、ウエイトW3が乗算される。同様にキャリア210によって伝送されるデータも3分割され、乗算部132の図示しない乗算器によってそれぞれウエイトが乗算される。
【0050】
また、送信データのうち、キャリア220およびキャリア230によって伝送されるデータはIFFT部120−2によって逆高速フーリエ変換され、さらにキャリア220によって伝送されるデータは、3分割されて乗算部133の乗算器133a〜133cへ入力され、それぞれウエイトW4、0、0が乗算される。同様にキャリア230によって伝送されるデータも3分割され、乗算部134の図示しない乗算器によってそれぞれウエイトおよび0が乗算される。
【0051】
さらに、送信データのうち、キャリア240およびキャリア250によって伝送されるデータはIFFT部120−3によって逆高速フーリエ変換され、さらにキャリア240によって伝送されるデータは、3分割されて乗算部135の乗算器135a〜135cへ入力され、それぞれウエイトW5、W6、0が乗算される。同様にキャリア250によって伝送されるデータも3分割され、乗算部136の図示しない乗算器によってそれぞれウエイトおよび0が乗算される。
【0052】
これらの乗算結果は、それぞれ加算部140−1〜140−3へ出力される。そして、加算部140−1〜140−3によって、各乗算部131〜136の乗算結果が加算され、対応する送信アンテナ150−1〜150−3を介して送信される。
【0053】
このとき、キャリア200およびキャリア210によって伝送されるデータは、3分割された各データ系列にウエイトが乗算された上で送信アンテナ150−1〜150−3から送信されるため、図6に示すように、幅の狭いビーム300の方向へ送信されることになる。また、キャリア220およびキャリア230によって伝送されるデータは、3分割されたデータ系列のうち1系列のみにウエイトが乗算された上で送信アンテナ150−3のみから送信されるため、図6に示すように、全方向へのビーム310によって無指向性で送信されることになる。さらに、キャリア240およびキャリア250によって伝送されるデータは、3分割されたデータ系列のうち2系列にウエイトが乗算された上で送信アンテナ150−1および送信アンテナ150−2から送信されるため、図6に示すように、幅の広いビーム320の方向へ送信されることになる。
【0054】
このように、本実施の形態によれば、マルチキャリア伝送される送信データをキャリア単位で送信アンテナ数に対応する数のグループに分割し、各グループごとのキャリアの指向性幅を互いに異なるものとするため、全帯域において同一の指向性で信号が送信されることがなく、幅の広いビームや無指向性で送信される帯域の信号成分に関しては他セル干渉の影響を抑制することができるともに、信号の送信先の移動を追従できない場合でも、幅の広いビームや無指向性で送信される帯域の信号成分に関しては受信品質の劣化を防ぐことができる。
【0055】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図である。同図に示す指向性形成装置において、図1に示す指向性形成装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
交換部400は、IFFT部120−1〜120−3から出力されるキャリアごとのデータが属するグループを所定の周期で交換し、それぞれグループに対応する乗算部131〜136へ出力する。これにより、幅の狭い指向性で送信されるキャリアが一定でなくなり、常に同一キャリアのみが他セルからの干渉を大きく受けることがないようにする。
【0057】
交換部400によるグループの交換は、例えば、グループ数(ここでは3)と同数の乱数を所定の周期で発生させ、IFFT部120−1〜120−3の出力ごとに乱数を対応させてグループを決定することにより行われる。また、所定周期で3値のM系列を発生させ、隣接セルの同一帯域のキャリア同士が同じグループに属さないようにグループを決定することにより、他セル干渉の影響をさらに低減することができる。
【0058】
このように、本実施の形態によれば、常に同一キャリアの指向性幅が狭かったり、無指向性であったりすることを防止するため、他セル干渉の影響が特定の帯域のキャリアに集中することを防止することができる。
【0059】
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図である。同図に示す指向性形成装置において、図1に示す指向性形成装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0060】
受信部510は、受信アンテナ500を介して、通信相手局によって測定されたキャリアごとの受信品質情報を受信する。受信品質情報としては、例えばCIR(Carrier to Interference Ratio)などが用いられる。
【0061】
指向性指示部520は、受信品質情報に基づいて干渉量が小さいキャリアを選択し、指向性割当部130に対して、干渉量が小さいキャリアが属するグループの指向性幅を狭くする旨の指示を出力する。
【0062】
次いで、上記構成を有する指向性形成装置の動作について説明する。
【0063】
受信アンテナ500を介して受信部510によって受信されたキャリアごとの受信品質情報は、指向性指示部520へ出力される。そして、指向性指示部520によって、受信品質情報に基づいて干渉量が最も小さい帯域のキャリアが選択され、選択されたキャリアが属するグループの指向性幅を狭くする旨の指示が指向性割当部130に対して出力される。ここでは、IFFT部120−2から出力されたグループのキャリアの干渉量が小さかったものとする。
【0064】
そして、指向性割当部130の乗算部133および乗算部134は、指向性指示部520の指示に応じて、IFFT部120−2から出力されたデータに対してウエイトを乗算し、このグループのキャリアの指向性幅が狭くなるようにする。
【0065】
このように、本実施の形態によれば、通信相手局において測定されるキャリアごとの受信品質情報に応じて、干渉量が小さい帯域のキャリアの指向性幅を狭くするため、信号の伝送品質を向上することができる。
【0066】
なお、本実施の形態においては、指向性指示部520は、干渉量が小さい帯域のキャリアが属するグループの指向性幅を狭くする旨の指示を出力するようにしたが、例えば、キャリアごとの受信品質情報に基づいて全グループの指向性幅を指定する旨の指示を出力するようにしても良い。
【0067】
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図である。同図に示す指向性形成装置において、図1に示す指向性形成装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
指向性割当部600は、乗算部131、乗算部133、および乗算部135から構成されており、各キャリアに割り当てる指向性を決定する。代表キャリア指示部610は、同一グループに属するキャリアから代表キャリアをそれぞれ選択し、その周波数を指向性割当部600へ通知する。代表キャリアは、各グループに属するキャリアのうちのいずれか一つのキャリアである。
【0069】
次いで、上記構成を有する指向性形成装置の動作について説明する。
【0070】
代表キャリア指示部610によって、代表キャリアが選択され、選択された代表キャリアの周波数が指向性割当部600へ通知される。そして、指向性割当部600においては、乗算部131、乗算部133、および乗算部135によって、それぞれ代表キャリアの周波数に対応するウエイトとデータとが乗算され、加算部140−1〜140−3へ出力される。
【0071】
上記実施の形態1から実施の形態3においては、同一グループに属するキャリアでも、それぞれ周波数が異なるため、乗算されるウエイトが異なるが、本実施の形態においては、同一グループに属するキャリアにはすべて同一のウエイトが乗算される。これにより、装置の小型化・簡略化を図ることができる。
【0072】
このように、本実施の形態によれば、同一グループに属するキャリアのうち特定のキャリアを代表キャリアとして選択し、代表キャリアの周波数に対応するウエイトを同一グループに属するキャリアすべてに乗算するため、装置の小型化・簡略化を図ることができる。
【0073】
なお、本実施の形態においては、選択された代表キャリアの周波数を指向性割当部600へ通知する構成としたが、例えば、同一グループに属するキャリアの周波数の平均周波数を算出し、算出された平均周波数を指向性割当部600へ通知し、この平均周波数に応じたウエイトを各グループのキャリアすべてに乗算するようにしても良い。
【0074】
(実施の形態5)
図10は、本発明の実施の形態5に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図である。同図に示す指向性形成装置において、図1に示す指向性形成装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0075】
受信部710は、受信アンテナ700を介して、通信相手局から送信されたデータを受信する。伝搬遅延測定部720は、受信データに基づいて、通信相手局から自装置までのデータの伝搬遅延を測定し、通信相手局との距離を算出する。送信アンテナ数指示部730は、通信相手局との距離に応じてデータの送信に使用する送信アンテナ数を決定し、指向性割当部130へ通知する。
【0076】
次いで、上記構成を有する指向性形成装置の動作について説明する。
【0077】
受信アンテナ700を介して受信部710によって受信されたデータは、伝搬遅延測定部720へ出力される。そして、伝搬遅延測定部720によって、受信データの伝搬遅延が測定され、データの送信元である通信相手局と自装置との距離が算出される。そして、送信アンテナ数指示部730によって、通信相手局との距離に応じた各グループごとの送信アンテナ数が決定され、指向性割当部130へ通知される。そして、指向性割当部130の乗算部131〜136において、通知された送信アンテナ数からデータが送信されるようにウエイトが設定され、乗算部131〜136内の図示しない乗算器によってデータに乗算される。具体的には、例えば、通信相手局との距離が遠い場合には、送信アンテナ150−1〜150−3のすべてのアンテナを使用し、幅の狭いビームでデータを送信するようにし、通信相手局との距離が近い場合には、いずれか一つの送信アンテナを使用し、無指向性でデータを送信する。これにより、距離が遠い通信相手局に対しても正確にデータを伝送することができる。
【0078】
このように、本実施の形態によれば、通信相手局から送信されたデータに基づいて伝搬遅延を測定し、通信相手局との距離を算出し、その距離に応じてデータ送信に使用する送信アンテナ数を決定するため、より正確なデータ送信を行うことができる。
【0079】
なお、上記各実施の形態においては、1グループに属するキャリア数を2つとして説明したが、1グループに属するキャリア数はいくつでも良く、グループによって異なる数のキャリアが属するようにしても良い。また、上記各実施の形態においては、各グループに1つずつIFFT部を備える構成としたが、全キャリアに対して1つのIFFT部を備えるようにしても良い。その場合は、IFFT部において、逆高速フーリエ変換を行うとともに、キャリアのグループ分けを行う。
【0080】
また、上記各実施の形態においては、送信アンテナ数を変更することによって各グループの指向性幅が異なるようにしたが、例えば同一の指向性幅のマルチビームを形成し、グループごとにマルチビームの合成数を変更することによって各グループの指向性幅が異なるようにしても良い。
【0081】
また、本発明をMC−CDMA(Multi Career−Code Division Multiple Access)方式に適用する場合には、指向性の幅を変化させる単位として、周波数方向拡散単位を用い、MC/DS−CDMA(Multi Career/Direct Spread−Code Division Multiple Access)方式に適用する場合には、指向性の幅を変化させる単位として、時間方向拡散単位を用いる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、他セル干渉の影響を抑制するとともに全帯域の受信品質の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1に係る乗算部の構成を示すブロック図
【図3】実施の形態1に係る乗算部の他の構成を示すブロック図
【図4】実施の形態1に係る乗算部のさらに他の構成を示すブロック図
【図5】実施の形態1において伝送される信号のキャリア構成の一例を示す図
【図6】実施の形態1に係る指向性形成装置によって形成される指向性の一例を示す図
【図7】本発明の実施の形態2に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態3に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態4に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態5に係る指向性形成装置の要部構成を示すブロック図
【符号の説明】
110 S/P変換部
120−1、120−2、120−3 IFFT部
130、600 指向性割当部
131、132、133、134、135、136 乗算部
400 交換部
520 指向性指示部
610 代表キャリア指示部
720 伝搬遅延測定部
730 送信アンテナ数指示部
Claims (13)
- 複数のキャリアでデータを伝送するマルチキャリア信号の各キャリアのデータを複数のグループに分割するグループ分割手段と、
分割されて得られたグループごとのデータに互いに異なる幅の指向性を割り当てる指向性割当手段と、
を有することを特徴とする指向性形成装置。 - 前記グループ分割手段は、
送信データを直/並列変換する直/並列変換部と、
直/並列変換されて得られたキャリア数に対応する複数系列のデータを所定数のグループに分割してグループごとのデータを直交変換する直交変換部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の指向性形成装置。 - 前記指向性割当手段は、
前記グループのそれぞれに属するキャリアに対応して設けられ、分割されて得られたグループのキャリアごとに指向性の幅を決定するための重み係数を乗算する乗算部、を有することを特徴とする請求項1記載の指向性形成装置。 - 前記指向性割当手段は、
データを送信するために使用するアンテナ数を前記グループごとに変更することにより互いに異なる幅の指向性を割り当てることを特徴とする請求項1記載の指向性形成装置。 - 前記指向性割当手段は、
データを送信するために使用するマルチビーム数を前記グループごとに変更することにより互いに異なる幅の指向性を割り当てることを特徴とする請求項1記載の指向性形成装置。 - 前記指向性割当手段は、
分割されて得られたグループごとのデータに割り当てる指向性幅を所定の周期ごとにグループ間で交換する交換手段、を含むことを特徴とする請求項1記載の指向性形成装置。 - 前記交換手段は、
グループ間の指向性幅をランダムに交換することを特徴とする請求項6記載の指向性形成装置。 - 前記交換手段は、
グループ間の指向性幅を多値のM系列に応じて交換することを特徴とする請求項6記載の指向性形成装置。 - 前記指向性割当手段は、
キャリアごとの干渉量に応じて当該キャリアの属するグループに割り当てる指向性幅を決定することを特徴とする請求項1記載の指向性形成装置。 - 前記乗算部は、
分割されて得られたグループのデータのうち特定のキャリアで伝送されるデータに乗算される重み係数を当該特定キャリアで伝送されるデータと同一のグループのデータに乗算することを特徴とする請求項3記載の指向性形成装置。 - 自装置と通信を行うユーザとの距離を測定する距離測定手段、をさらに有し、
前記指向性割当手段は、測定された距離に応じて前記ユーザ宛てのデータに割り当てる指向性幅を決定することを特徴とする請求項1記載の指向性形成装置。 - 請求項1から請求項11のいずれかに記載の指向性形成装置を有することを特徴とする基地局装置。
- 複数のキャリアでデータを伝送するマルチキャリア信号の各キャリアのデータを複数のグループに分割するステップと、
分割して得られたグループごとのデータに互いに異なる幅の指向性を割り当てるステップと、
を有することを特徴とする指向性形成方法。
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