JP2004022955A - 赤外線センサ素子収納用パッケージおよび赤外線センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】窓部材にクラックが発生したり窓部材が蓋体から剥れたりするのを有効に防止し、赤外線を良好に透過させ得る窓部材を有し、また蓋体への窓部材の接合を長期に亘って強固かつ信頼性良く保持するとともに赤外線センサ素子に赤外線を効率よく入射させること。
【解決手段】基体2の上面の凹部1aの周囲に外周部が取着される蓋体4の中央領域に開けられた窓5は、内周面5aに窓部材7の側面7aの中央部に接合される、窓5の中心に向かって突出した凸部6が全周にわたって連続して形成されており、かつ凸部6の窓部材7に接合される先端面6の上下方向の幅が窓部材7の厚さの1/6〜2/3であり、基体2の凹部1aにおける載置部1bと電極1cとを除く面および蓋体4の下面の外周部を除く略全面に厚さが500〜1500ÅのAl膜Aが被着されている。
【選択図】 図1
【解決手段】基体2の上面の凹部1aの周囲に外周部が取着される蓋体4の中央領域に開けられた窓5は、内周面5aに窓部材7の側面7aの中央部に接合される、窓5の中心に向かって突出した凸部6が全周にわたって連続して形成されており、かつ凸部6の窓部材7に接合される先端面6の上下方向の幅が窓部材7の厚さの1/6〜2/3であり、基体2の凹部1aにおける載置部1bと電極1cとを除く面および蓋体4の下面の外周部を除く略全面に厚さが500〜1500ÅのAl膜Aが被着されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石英ガラスから成る窓部材を通じて外部の赤外線を受光する赤外線センサ素子を収納した赤外線センサ素子収納用パッケージおよび赤外線センサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、赤外線センサ素子を収容する赤外線センサ素子収納用パッケージ(以下、赤外線センサパッケージともいう)の窓部材として、例えばサファイア製のものが用いられてきた。しかしながら、近年、人などの周囲よりも温度が高い物体の存在を感知してドアを開ける装置や、防犯などを目的とした赤外線センサ装置用として赤外線を効率よく透過させる窓部材の需要が高まってきている。そのため、窓部材として短波長から長波長にわたる優れた光透過性を有し、特に赤外線を効率よく透過させることができ、高純度で無色透明、高耐熱性等の特性を有する石英(SiO2)ガラス製のものが広く用いられるようになってきている。
【0003】
特に、OH基が極めて少ない無水合成石英ガラスは、赤外線を含めた光の吸収が極めて小さく、赤外線透過用の窓部材の材料として極めて有用である。そして、石英ガラス製の窓部材は、例えば、赤外線センサパッケージの蓋体にロウ付けされて用いられ、内部に収容する赤外線センサ素子に赤外線を効率良く入射させることができる。
【0004】
石英ガラス製の窓部材をロウ付けする場合、例えば円板状の窓部材の一方の主面の外周部から側面にかけて接合用のメタライズ層を被着させ、そのメタライズ層をロウ材を介して蓋体に形成された窓の内周面に接合する。メタライズ層は、例えば、銅(Cu)−チタン(Ti)等からなる金属ペーストを例えばスクリーン印刷法により窓部材の側面に被着し、約890℃で加熱し焼成することにより形成される。この形成条件は、石英ガラスの歪み点が1070℃であり、サファイア製の窓部材を接合する際に一般的に用いられるモリブデン(Mo),マンガン(Mn),Mo−Mn合金等のように1350〜1450℃程度の温度で焼成される金属を用いることができないことから設定されたものである。仮にMo−Mn合金を約1400℃で被着させると、石英ガラス製の窓部材は変形して赤外線の透過率が劣化したり、また、石英ガラス製の窓部材が窓にロウ付けされたときに窓部材の変形に起因してロウ付け部の厚さが不均一となる場合がある。その結果、長時間にわたって赤外線センサ装置を作動させると、ロウ付け部の厚さが不均一なことにより発生する小さな応力で気密性が損なわれることがあった。
【0005】
ここで、図3は、メタライズ層18が側面17aから主面17bにかけて被着された従来の石英ガラス製の窓部材17とその周辺の具体的構成を示す部分拡大断面図であり、また図4は、従来の赤外線センサパッケージ11で中央領域に窓(開口)15が形成された蓋体14を有するものの斜視図である。これらの図において、11は略直方体の赤外線センサパッケージ、12は、Fe(鉄)−Ni(ニッケル)−Co(コバルト)合金,Fe−Ni合金等から成り、上面に凹部が形成されているとともにその凹部の底面に赤外線センサ素子が載置される載置部を有する基体、14はFe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金等からなる蓋体、15は窓である(特開2001−358126公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3,図4に示したような従来構成の赤外線センサパッケージ11では、石英ガラスの熱膨張係数が0.5×10−6/℃程度と極めて小さいため、Fe−Ni−Co合金(熱膨張係数11.3×10−6/℃)やFe−Ni合金(熱膨張係数12.5×10−6/℃)等の金属から成る蓋体14に、接合の信頼性に優れる銀(Ag)ロウ19(ロウ付け温度600〜900℃)を用いて窓部材17を接合すると、ロウ付け後の冷却過程で基体12やAgロウ19(熱膨張係数19.6×10−6/℃)と窓部材17との熱膨張差に起因する応力が発生する。この応力が石英ガラス製の窓部材17の下側主面と側面との間の稜部に集中し、その結果、稜部を起点とするクラックが発生し、これにより赤外線が反射して透過率が低下したり、さらには赤外線センサパッケージの気密性が損なわれるという問題点があった。
【0007】
また、窓部材17の下側主面の外周部17bにおけるメタライズ層18は、Agロウ19を介して窓部材17を蓋体14の窓15にロウ付けした後に数百度から室温まで温度が下がる際に、窓部材17と蓋体14との熱膨張係数差によりロウ付け部にクラックが発生し、その結果、窓部材17が剥れてしまう場合があった。
【0008】
さらに、基体12は赤外線を少なからず吸収するため、検出対象(例えば人)などから放射されている赤外線を感知しようとする場合、窓部材17から入射する赤外線の一部が基体12に吸収されて赤外線センサ素子に達しない場合があり、その結果、検出対象が発する赤外線を確実に検出できない場合があった。
【0009】
従って、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、石英ガラス製の窓部材にクラックが発生したりロウ付け部が剥れたりするのを有効に防止して、蓋体に対する窓部材の接合を長期に亘って強固に保持することが可能であるとともに、赤外線を効率よく赤外線センサ素子に入射し得る基体を備えた赤外線センサパッケージおよび赤外線センサ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージは、上面に形成された凹部の底面に赤外線センサ素子が載置される載置部および前記赤外線センサ素子に電気的に接続される電極が形成されたセラミックスから成る基体と、該基体の上面の前記凹部の周囲に下面の外周部が取着される、中央領域に窓が開けられた鉄−ニッケル−コバルト合金または鉄−ニッケル合金から成る蓋体と、側面から両主面の外周部にかけて全周にわたってメタライズ層が形成される、前記窓の内周面に前記側面がロウ材を介して接合された石英ガラスから成る窓部材とを具備する赤外線センサ素子収納用パッケージにおいて、前記窓は、内周面に前記窓部材の側面の中央部に接合される、前記窓の中心に向かって突出した凸部が全周にわたって連続して形成されており、かつ前記凸部の前記窓部材に接合される先端面の上下方向の幅が前記窓部材の厚さの1/6〜2/3であり、前記基体の前記凹部における前記載置部と前記電極とを除く面および前記蓋体の下面の前記外周部を除く略全面に厚さが500〜1500Åのアルミニウム膜が被着されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージは、上記の構成により、窓の内周面に形成された凸部の先端面が石英ガラス製の窓部材の側面の中央部に接合されるため、窓部材にクラックが発生したり窓部材に反り変形が発生するのを解消することができる。これにより、窓部材のクラックに起因する光の反射および光の散乱、窓部材の反り変形に起因する剥れ、光の集光位置のずれ等が発生するのを防ぐことができる。また、窓の内周面から窓部材の主面の外周部にわたる従来のロウ付け部に発生していた窓部材の剥れを解消することができる。
【0012】
さらに、基体の凹部における載置部と電極とを除く面および蓋体の下面の外周部を除く略全面に厚さが500〜1500Åのアルミニウム膜が被着されていることから、赤外線がアルミニウム膜で高反射率で反射し、赤外線の一部が基体の凹部の側面や蓋体の下面に吸収されてしまうことがなくなる。これにより、検出対象(被測定物)の存在を赤外線を検出することにより確実に捉えることができる。
【0013】
従って、本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージは、蓋体に石英ガラス製の窓部材を強固かつ信頼性良く接合できるとともに、赤外線の透過率の高い石英ガラスからなる窓部材を有するものとなる。
【0014】
本発明の赤外線センサ装置は、本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージと、前記基体の載置部に載置されるとともに前記電極に電気的に接続された赤外線センサ素子と、前記基体の上面の前記凹部の周囲に外周部が取着された前記蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0015】
本発明の赤外線センサ装置は、上記の構成により、上記本発明の作用効果を有し赤外線センサ素子が長期に亘り正常かつ安定して作動し得る信頼性の高いものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージについて以下に詳細に説明する。図1(a)は本発明の赤外線センサパッケージについて実施の形態の一例を示す断面図であり、(b)は赤外線センサパッケージの平面図を示す。また、図2(a)は本発明の赤外線センサパッケージを構成する石英ガラス製の窓部材の接合部とその周辺部を示す部分拡大断面図、(b)は(a)の接合部において蓋体の窓の内周面に設けた凸部の先端が先細り状とされたものを示す部分拡大断面図である。
【0017】
これらの図において、1は赤外線センサパッケージ、1aは凹部、1bは載置部、2は基体、Aはアルミニウム(Al)膜、3は赤外線センサ素子、4は蓋体、5は蓋体4に形成された窓、5aは窓5の内周面、6は窓5の内周面に設けた凸部、6aは凸部6の先端面、7は円板状等の形状の石英ガラス製の窓部材、7aは窓部材7の側面、7bは窓部材7の主面の外周部、8はメタライズ層、9はロウ付け部である。そして、基体2と蓋体4と窓部材7とで内部に赤外線センサ素子3を気密に収納するための容器が基本的に構成される。
【0018】
本発明において、凸部6、ロウ付け部9以外の赤外線センサパッケージ1および赤外線センサ装置全体の基本構成は、従来の赤外線センサパッケージを示す図4,図5と同様であり、各部材の詳細な説明は省略する。
【0019】
本発明の赤外線センサパッケージ1は、上面に形成された凹部1aの底面に赤外線センサ素子3が載置される載置部1bおよび赤外線センサ素子3に電気的に接続される電極1cが形成されたセラミックスから成る基体2と、基体2の上面の凹部1aの周囲に外周部が取着される、中央領域に窓5が開けられた鉄−ニッケル−コバルト合金または鉄−ニッケル合金から成る蓋体4と、側面から両主面の外周部にかけて全周にわたってメタライズ層8が形成される、窓5の内周面に側面がロウ材を介して接合された石英ガラスから成る窓部材7とを具備し、窓5は、内周面に窓部材7の側面7aの中央部に接合される、窓5の中心に向かって突出した凸部6が全周にわたって連続して形成されており、かつ凸部6の窓部材7に接合される先端面6aの上下方向の幅が窓部材7の厚さの1/6〜2/3であり、基体2の凹部1aにおける載置部1bと電極1cとを除く面および蓋体4の下面の外周部を除く略全面に厚さが500〜1500ÅのAl膜Aが被着されている。
【0020】
本発明において、凸部6の先端面6aの上下方向の幅が窓部材7の厚さの1/6未満では、凸部6が変形して赤外線センサパッケージ1の気密が破れ易くなる。2/3を超えると、ロウ材にクラックが発生し易くなる。また、凸部6の幅(突出長さ)は0.25〜2mmがよく、0.25mm未満では、窓部材7の側面にロウ材が溜まり過ぎ、クラックが発生し易くなる。2mmを超えると、ロウ材が外側に流れ出してメニスカスが生成し難くなる。
【0021】
本発明の赤外線センサパッケージ1は、半導体素子3を収容するための容器であり、アルミナセラミックスなどからなる基体2と、基体2の上面に接合されたFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金などの金属からなる蓋体4とで構成され、所定の部位にAl膜が被着されている。そして、基体2の上面に形成された凹部1aの底面の載置部1bに赤外線センサ素子3を載置固定し、基体2の上面に窓部材7を設けた蓋体4を接合することによって、赤外線センサ装置が構成される。
【0022】
蓋体4は、図1,図2に示すように、その中央領域に窓5が設けられ、窓5の内周面5aには全周に亘って凸部6が形成されている。さらに、窓部材7の側面7aとこの凸部6の先端面6aとがロウ付け部9を介して接合され、赤外線センサ素子3を気密に封止するとともに、赤外線センサ素子3に外部から入射した光を赤外線センサ素子3で受光するための窓部材7を有する蓋体4が構成される。そして、例えば赤外線センサ素子3に入射する赤外線は窓部材7から赤外線センサ素子3に入射し、これにより被測定物の存在が認識される。
【0023】
窓5の内周面5aに形成された凸部6への窓部材7の接合は以下の[1]〜[4]の工程によって行われる。この接合は、窓部材7として用いられる石英ガラスが圧縮応力に対して充分に耐える強度を有しているという特性を利用している。
【0024】
[1]窓部材7の側面7aから主面の外周部7bにかけて、例えばCu粉末とTi粉末とを混合したCu−Ti粉末に有機溶剤、溶媒を添加混合して得た金属ペーストを塗布する。この場合、主面の外周部7bにはスクリーン印刷法等により印刷する。また側面7aには、例えばスクリーン印刷に用いるメッシュ状の版に金属ペーストを供給し、次にスキージにより版の裏面に略均一な厚みで金属ペーストを押出し、この版の裏面に対して窓部材7の側面7aを回転させながら押し付けることにより、金属ペーストを略均一な厚さ(例えば20μm程度)で被着させる。
【0025】
窓部材7の側面7aから外周部7bにかけて金属ペーストを被着させるのは、窓部材7の稜部に集中する応力に対して、稜部周辺を補強するためである。
【0026】
[2]次に、890℃で窒素中において5分間加熱し、窓部材7の表面にメタライズ層8を固着させる。
【0027】
[3]次に、窓部材7を窓5に嵌め込んだ状態とする。このとき、蓋体4は、酸化防止およびロウ付けの接合性を高めるうえで、予めNiメッキ層および金(Au)メッキ層をいずれも0.5〜9μmの厚さで被着させる。この場合、溶融したロウ材を窓部材7と窓5の隙間に侵入させ易くすることを目的として、窓部材7の側面7aと窓5の内周面5aとの隙間を10〜30μmとしておくことが好ましい。また、凸部6に対する窓部材7の接合位置を合わせるために、窓部材7の下にカーボンなどからなるスペーサーを挿入しておくのがよく、窓部材7の側面7aの高さ方向の略中央部に凸部6を接合することが容易となる。
【0028】
[4]次に、リング状のAgロウ(BAg−8:JISZ3261等)を窓5の内周面5aと窓部材7との隙間の上方を覆うように隙間に沿って載置し、800℃の温度で、還元雰囲気下で加熱することにより溶融させて、窓部材7が窓5の凸部6の先端面6aにロウ付けされる。
【0029】
このロウ付けに際して、窓5が窓部材7よりも大きく熱膨張し、Agロウは溶融して容易に窓5と窓部材7との隙間に侵入する。その後、徐々に冷えてAgロウが固化する際に、窓5が窓部材7を内側方向に圧縮しながら冷えて収縮していくことによって、窓部材7が窓5の内周面5aから圧縮応力を受けている状態でAgロウが固化することになる。
【0030】
このような接合状態となった赤外線センサパッケージ1は、赤外線センサ素子3が作動時に例えば数十度の熱を発生した場合、この熱により窓5が窓部材7との熱膨張係数差で窓部材7よりも大きく広がろうとしても、圧縮応力が若干開放されるだけで、窓部材7を内側に押し付ける圧縮応力が相殺されることがない。よって、引張り応力に対して強度が小さい窓部材7は中心方向に向かって常に圧縮された状態となり、窓部材7には引張り応力による破壊が発生することがない。
【0031】
また、図2(b)は、凸部6の先端面6aから窓5の内周面5aに向かって凸部6の厚さが厚くなるように形成されている場合の部分拡大断面図である。この場合、凸部6の先端面6aの上下方向の幅が小さい場合においても、凸部6の強度を大きくすることができるため、窓部材7に圧縮応力を作用させる場合に凸部6が変形するといった不具合を有効に防止できる。
【0032】
次に、Al膜Aが凹部1aにおける所定部位および蓋体4の下面に蒸着法やスパッタリング法によって被着される。以下、Al膜Aを蒸着法で形成する場合について説明する。基体2へのAl膜Aの蒸着は以下のようにして行なわれるが、蒸着に先立って載置部1b、電極1c、基体2の上面および外面にAl膜Aが被着しないように酸化に強いステンレスなどからなるマスキング治具を取着する。このマスキング治具は蒸発した金属が侵入しないようにするために被マスキング部に対して隙間のないように取着され、蒸着の都度使用される。
【0033】
次に、蒸着用の真空装置内に設けられた発熱体上にAlのペレットを載置し、このペレットを覆うようにマスキング治具が取着された基体2を上下を逆にして設置し、発熱体に通電してペレットを蒸発させ、基体2の凹部1aの内面の所定部位にAl膜Aを被着させる。
【0034】
Al膜Aが所定部位に被着された基体2は以下のような効果を奏する。すなわち、窓部材7から凹部1aに入り直接赤外線センサ素子3に直接入射しない赤外線は、Al膜Aにより反射されて、赤外線センサ素子3に達することになる。これにより、被測定物の存在を赤外線により確実に感知することができる。Al膜Aを被着するのは、光の反射率に優れるとともに、極めて滑らかな表面状態の蒸着膜を被着させることができるからである。
【0035】
Al膜Aの厚さは500〜1500Åである。厚さが500Å未満では、基体2の表面の凹凸をなぞったような光沢の無い状態となり、また1500Åを超えると、Al膜Aに厚さのバラツキが発生し、剥がれ易くなってしまう。
【0036】
なお、Al膜Aは蓋体4の下面の外周部を除く略全面に形成される。即ち、基体2との取着部である外周部には形成しない。蓋体4の基体2との取着部にAl膜Aが形成されていると、蓋体4の接合に用いられるSn(錫)−Ag−Cu合金等とAlが反応してAl膜が消失し、気密性が損なわれる場合がある。
【0037】
また、電極1cは基体2の外面に導通する配線導体を含んでいてもよい。
【0038】
【実施例】
本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージの実施例について以下に説明する。
【0039】
Fe−Ni−Co合金から成る蓋体4の窓5の内周面に形成した凸部6の先端面6aの上下方向の幅を、石英ガラス製の窓部材7の厚さに対して変化させてAgロウ(BAg−8)でロウ付けし、窓部材7に発生するクラックを調査した。このとき、蓋体4は、全体の寸法が縦3mm×横5mm×厚さ2mm、窓5の直径(凸部6を除く)が8mm、凸部6の幅(突出長さ)が1mmであり、窓部材7は、厚さが2mmで直径が7mmの円板状とした。
【0040】
そして、凸部6の先端面6aの幅を、窓部材7の厚さ2mmに対して、1/7,1/6,1/5,1/4,1/3,2/3,3/4,4/5とした蓋体4を、各20個ずつ合計160個作製した。このとき、先端面6aの上下方向の幅を窓部材7の厚さの1/7,1/6,1/5としたサンプルについては、内周面5aに近づくに従って凸部6を厚くし、その強度を向上させたもの{図2(b)}とした。
【0041】
また比較例として、従来例の図3のように、窓15の内周面に凸部6がなく、その内周面における窓部材17の側面17aとの接合部の上下方向の幅が2mmであり、内周面の下端に幅が1mmの段差を有する蓋体14を、上記と同様にして10個作製した。そして、これらのサンプルの表面に厚さ3μmのNiメッキ層および厚さ1μmのAuメッキ層を被着した。
【0042】
また、窓部材7の側面7aおよび下側主面の外周部7bに幅1mmのCu−Ti合金からなるメタライズ層8を還元雰囲気下で890℃で形成したものを比較例用の10個を含めて170個用意した。
【0043】
そして、本発明のサンプルについては、窓5の内周面5aの凸部6の先端面6aに窓部材7の側面7aの中央部を、Agロウ(BAg−8)で接合して、窓部材7を設けた蓋体4を計160個作製した。接合条件は還元雰囲気下で800℃で5分間とした。
【0044】
また、比較例のサンプルについては、蓋体14の上面と窓部材17の上側主面とを面一とし、窓15の内周面に窓部材17の側面17a全面および下側主面の外周部17bをロウ付けしたものを10個作製した。この場合、接合条件は上記実施例と同じとし、同じAgロウにより接合した。
【0045】
この調査においてはサンプルにはAl膜Aを被着しないものを用いた。Al膜Aを被着するとロウ付け部のクラックの状態が観察できなくなり、またAl膜Aが極めて薄いために窓部材のクラック発生に大きく影響することがないからである。そして、窓部材におけるクラックの発生割合、凸部6の変形とそれに伴なって気密性が損なわれた割合を調べた結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
表1より、凸部6の先端面6aの幅が窓部材7の厚さの1/6〜2/3である本発明の赤外線センサパッケージ1においては、窓部材7のクラックの発生が皆無であり、また凸部6の変形も発生すること無く、本発明の有効性が確認された。
【0048】
なお、凸部6の先端面6aの幅を大きくしていくと窓部材7の稜部にクラックが発生しているが、これは先端面6aの幅を大きくすることによりロウ材の広がりの先端部が窓部材7の側面7aの稜部に達する場合があり、このとき稜部に応力集中が発生するからである。
【0049】
次に、凸部6の先端面6aの幅を窓部材7の厚さの1/3として、基体2の内面の所定部位および蓋体4の下面に、Al膜Aの厚さを300,400,500,600,800,1000,1200,1400,1500,1600,1700(Å)として被着させたサンプルを各10個づつ110個作製した。また、Al膜Aが被着されていない従来のサンプルを10個作製した。
【0050】
Al膜Aの蒸着は、以下のような所謂真空蒸着法で行なった。真空装置内の発熱体が設置されている位置にAlのペレットを蒸着源として置き、基体2を裏返しにして凹部1aの内側がペレットに向くように位置させ、次に真空装置内部を真空状態として発熱体に通電し、発生するジュール熱で発熱体を発熱させてペレットを溶融、蒸発させることによって、基体2の凹部1a内面に被着させた。このとき、Al膜Aを被着させたくない部位には予め金属(ステンレス)からなるマスクを取着させておいた。また、蓋体4の下面の外周部を除く全面に対しても同様にしてAl膜Aを被着した。
【0051】
上記11種類の厚さのAl膜Aを形成するに際しては、発熱体への通電条件、ペレットの表面積および蒸着時間を正確にコントロールすることによって行なった。
【0052】
そして、これらのサンプルについて、赤外線センサ装置の前を人などの周囲よりも温度の高い被測定物が通過する際に、この物体が発する赤外線からその温度を赤外線センサ素子3によって検出する際の検出感度について、Al膜Aの厚さをパラメーターとして評価した。この実験では、赤外線センサ装置と被測定物の距離を10mとし、10m先を人が通過した場合について検出できるかどうかを評価した。また、このとき従来のAl膜Aを形成していないサンプルについても検出感度を評価した。それらの結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
表2より、本発明の赤外線センサパッケージ1では、Al膜Aの厚さが500Å未満になると金属光沢から白色に変化し、その結果赤外線の反射率が低下して、被測定物が発する赤外線の感知は不十分なものとなった。また1500Åを超えると、良好な金属光沢は得られるが、被着されたAl膜Aに厚さのバラツキやうねりが発生し、これにより赤外線の反射率が低下して赤外線を充分に感知することができず、その結果被測定物が通過したかどうかの判定ができない場合があった。
【0055】
なお、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を行うことは何等差し支えない。
【0056】
【発明の効果】
本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージは、基体の上面の凹部の周囲に外周部が取着される蓋体の中央領域に開けられた窓は、内周面に窓部材の側面の中央部に接合される、窓の中心に向かって突出した凸部が全周にわたって連続して形成されており、かつ凸部の窓部材に接合される先端面の上下方向の幅が窓部材の厚さの1/6〜2/3であり、基体の凹部における載置部と電極とを除く面および蓋体の下面の外周部を除く略全面に厚さが500〜1500ÅのAl膜が被着されていることにより、窓の内周面に形成された凸部の先端面が石英ガラス製の窓部材の側面の中央部に接合されるため、窓部材にクラックが発生したり窓部材に反り変形が発生するのを解消することができる。これにより、窓部材のクラックに起因する光の反射および光の散乱、窓部材の反り変形に起因する剥れ、光の集光位置のずれ等が発生するのを防ぐことができる。また、窓の内周面から窓部材の主面の外周部にわたる従来のロウ付け部に発生していた窓部材の剥れを解消することができる。
【0057】
さらに、基体の凹部における載置部と電極とを除く面および蓋体の下面の外周部を除く略全面に厚さが500〜1500ÅのAl膜が被着されていることから、赤外線がAl膜で高反射率で反射し、赤外線の一部が基体の凹部の側面や蓋体の下面に吸収されることがなくなる。これにより、検出対象(被測定物)の存在を赤外線を検出することにより確実に捉えることができる。従って、本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージは、蓋体に石英ガラス製の窓部材を強固かつ信頼性良く接合できるとともに、赤外線の透過率の高い石英ガラスからなる窓部材を有するものとなる。
【0058】
本発明の赤外線センサ装置は、本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージと、基体の載置部に載置されるとともに電極に電気的に接続された赤外線センサ素子と、基体の上面の凹部の周囲に外周部が取着された蓋体とを具備したことにより、上記本発明の作用効果を有し赤外線センサ素子が長期に亘り正常かつ安定して作動し得る信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージについて実施の形態の一例を示し、(a)は赤外線センサ素子収納用パッケージの断面図、(b)は赤外線センサ素子収納用パッケージの平面図である。
【図2】(a)は本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージにおける蓋体の窓と窓部材との接合部を示す部分拡大断面図、(b)は接合部の他の例を示す部分拡大断面図である。
【図3】従来の赤外線センサ素子収納用パッケージにおける蓋体の窓と窓部材との接合部を示す部分拡大断面図である。
【図4】従来の赤外線センサ素子収納用パッケージの斜視図である。
【符号の説明】
1:赤外線センサ素子収納用パッケージ
1a:凹部
1b:載置部
2:基体
3:赤外線センサ素子
4:蓋体
5:窓
5a:内周面
6:凸部
6a:先端面
7:窓部材
7a:側面
7b:主面の外周部
8:メタライズ層
A:Al膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、石英ガラスから成る窓部材を通じて外部の赤外線を受光する赤外線センサ素子を収納した赤外線センサ素子収納用パッケージおよび赤外線センサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、赤外線センサ素子を収容する赤外線センサ素子収納用パッケージ(以下、赤外線センサパッケージともいう)の窓部材として、例えばサファイア製のものが用いられてきた。しかしながら、近年、人などの周囲よりも温度が高い物体の存在を感知してドアを開ける装置や、防犯などを目的とした赤外線センサ装置用として赤外線を効率よく透過させる窓部材の需要が高まってきている。そのため、窓部材として短波長から長波長にわたる優れた光透過性を有し、特に赤外線を効率よく透過させることができ、高純度で無色透明、高耐熱性等の特性を有する石英(SiO2)ガラス製のものが広く用いられるようになってきている。
【0003】
特に、OH基が極めて少ない無水合成石英ガラスは、赤外線を含めた光の吸収が極めて小さく、赤外線透過用の窓部材の材料として極めて有用である。そして、石英ガラス製の窓部材は、例えば、赤外線センサパッケージの蓋体にロウ付けされて用いられ、内部に収容する赤外線センサ素子に赤外線を効率良く入射させることができる。
【0004】
石英ガラス製の窓部材をロウ付けする場合、例えば円板状の窓部材の一方の主面の外周部から側面にかけて接合用のメタライズ層を被着させ、そのメタライズ層をロウ材を介して蓋体に形成された窓の内周面に接合する。メタライズ層は、例えば、銅(Cu)−チタン(Ti)等からなる金属ペーストを例えばスクリーン印刷法により窓部材の側面に被着し、約890℃で加熱し焼成することにより形成される。この形成条件は、石英ガラスの歪み点が1070℃であり、サファイア製の窓部材を接合する際に一般的に用いられるモリブデン(Mo),マンガン(Mn),Mo−Mn合金等のように1350〜1450℃程度の温度で焼成される金属を用いることができないことから設定されたものである。仮にMo−Mn合金を約1400℃で被着させると、石英ガラス製の窓部材は変形して赤外線の透過率が劣化したり、また、石英ガラス製の窓部材が窓にロウ付けされたときに窓部材の変形に起因してロウ付け部の厚さが不均一となる場合がある。その結果、長時間にわたって赤外線センサ装置を作動させると、ロウ付け部の厚さが不均一なことにより発生する小さな応力で気密性が損なわれることがあった。
【0005】
ここで、図3は、メタライズ層18が側面17aから主面17bにかけて被着された従来の石英ガラス製の窓部材17とその周辺の具体的構成を示す部分拡大断面図であり、また図4は、従来の赤外線センサパッケージ11で中央領域に窓(開口)15が形成された蓋体14を有するものの斜視図である。これらの図において、11は略直方体の赤外線センサパッケージ、12は、Fe(鉄)−Ni(ニッケル)−Co(コバルト)合金,Fe−Ni合金等から成り、上面に凹部が形成されているとともにその凹部の底面に赤外線センサ素子が載置される載置部を有する基体、14はFe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金等からなる蓋体、15は窓である(特開2001−358126公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3,図4に示したような従来構成の赤外線センサパッケージ11では、石英ガラスの熱膨張係数が0.5×10−6/℃程度と極めて小さいため、Fe−Ni−Co合金(熱膨張係数11.3×10−6/℃)やFe−Ni合金(熱膨張係数12.5×10−6/℃)等の金属から成る蓋体14に、接合の信頼性に優れる銀(Ag)ロウ19(ロウ付け温度600〜900℃)を用いて窓部材17を接合すると、ロウ付け後の冷却過程で基体12やAgロウ19(熱膨張係数19.6×10−6/℃)と窓部材17との熱膨張差に起因する応力が発生する。この応力が石英ガラス製の窓部材17の下側主面と側面との間の稜部に集中し、その結果、稜部を起点とするクラックが発生し、これにより赤外線が反射して透過率が低下したり、さらには赤外線センサパッケージの気密性が損なわれるという問題点があった。
【0007】
また、窓部材17の下側主面の外周部17bにおけるメタライズ層18は、Agロウ19を介して窓部材17を蓋体14の窓15にロウ付けした後に数百度から室温まで温度が下がる際に、窓部材17と蓋体14との熱膨張係数差によりロウ付け部にクラックが発生し、その結果、窓部材17が剥れてしまう場合があった。
【0008】
さらに、基体12は赤外線を少なからず吸収するため、検出対象(例えば人)などから放射されている赤外線を感知しようとする場合、窓部材17から入射する赤外線の一部が基体12に吸収されて赤外線センサ素子に達しない場合があり、その結果、検出対象が発する赤外線を確実に検出できない場合があった。
【0009】
従って、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、石英ガラス製の窓部材にクラックが発生したりロウ付け部が剥れたりするのを有効に防止して、蓋体に対する窓部材の接合を長期に亘って強固に保持することが可能であるとともに、赤外線を効率よく赤外線センサ素子に入射し得る基体を備えた赤外線センサパッケージおよび赤外線センサ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージは、上面に形成された凹部の底面に赤外線センサ素子が載置される載置部および前記赤外線センサ素子に電気的に接続される電極が形成されたセラミックスから成る基体と、該基体の上面の前記凹部の周囲に下面の外周部が取着される、中央領域に窓が開けられた鉄−ニッケル−コバルト合金または鉄−ニッケル合金から成る蓋体と、側面から両主面の外周部にかけて全周にわたってメタライズ層が形成される、前記窓の内周面に前記側面がロウ材を介して接合された石英ガラスから成る窓部材とを具備する赤外線センサ素子収納用パッケージにおいて、前記窓は、内周面に前記窓部材の側面の中央部に接合される、前記窓の中心に向かって突出した凸部が全周にわたって連続して形成されており、かつ前記凸部の前記窓部材に接合される先端面の上下方向の幅が前記窓部材の厚さの1/6〜2/3であり、前記基体の前記凹部における前記載置部と前記電極とを除く面および前記蓋体の下面の前記外周部を除く略全面に厚さが500〜1500Åのアルミニウム膜が被着されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージは、上記の構成により、窓の内周面に形成された凸部の先端面が石英ガラス製の窓部材の側面の中央部に接合されるため、窓部材にクラックが発生したり窓部材に反り変形が発生するのを解消することができる。これにより、窓部材のクラックに起因する光の反射および光の散乱、窓部材の反り変形に起因する剥れ、光の集光位置のずれ等が発生するのを防ぐことができる。また、窓の内周面から窓部材の主面の外周部にわたる従来のロウ付け部に発生していた窓部材の剥れを解消することができる。
【0012】
さらに、基体の凹部における載置部と電極とを除く面および蓋体の下面の外周部を除く略全面に厚さが500〜1500Åのアルミニウム膜が被着されていることから、赤外線がアルミニウム膜で高反射率で反射し、赤外線の一部が基体の凹部の側面や蓋体の下面に吸収されてしまうことがなくなる。これにより、検出対象(被測定物)の存在を赤外線を検出することにより確実に捉えることができる。
【0013】
従って、本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージは、蓋体に石英ガラス製の窓部材を強固かつ信頼性良く接合できるとともに、赤外線の透過率の高い石英ガラスからなる窓部材を有するものとなる。
【0014】
本発明の赤外線センサ装置は、本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージと、前記基体の載置部に載置されるとともに前記電極に電気的に接続された赤外線センサ素子と、前記基体の上面の前記凹部の周囲に外周部が取着された前記蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0015】
本発明の赤外線センサ装置は、上記の構成により、上記本発明の作用効果を有し赤外線センサ素子が長期に亘り正常かつ安定して作動し得る信頼性の高いものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージについて以下に詳細に説明する。図1(a)は本発明の赤外線センサパッケージについて実施の形態の一例を示す断面図であり、(b)は赤外線センサパッケージの平面図を示す。また、図2(a)は本発明の赤外線センサパッケージを構成する石英ガラス製の窓部材の接合部とその周辺部を示す部分拡大断面図、(b)は(a)の接合部において蓋体の窓の内周面に設けた凸部の先端が先細り状とされたものを示す部分拡大断面図である。
【0017】
これらの図において、1は赤外線センサパッケージ、1aは凹部、1bは載置部、2は基体、Aはアルミニウム(Al)膜、3は赤外線センサ素子、4は蓋体、5は蓋体4に形成された窓、5aは窓5の内周面、6は窓5の内周面に設けた凸部、6aは凸部6の先端面、7は円板状等の形状の石英ガラス製の窓部材、7aは窓部材7の側面、7bは窓部材7の主面の外周部、8はメタライズ層、9はロウ付け部である。そして、基体2と蓋体4と窓部材7とで内部に赤外線センサ素子3を気密に収納するための容器が基本的に構成される。
【0018】
本発明において、凸部6、ロウ付け部9以外の赤外線センサパッケージ1および赤外線センサ装置全体の基本構成は、従来の赤外線センサパッケージを示す図4,図5と同様であり、各部材の詳細な説明は省略する。
【0019】
本発明の赤外線センサパッケージ1は、上面に形成された凹部1aの底面に赤外線センサ素子3が載置される載置部1bおよび赤外線センサ素子3に電気的に接続される電極1cが形成されたセラミックスから成る基体2と、基体2の上面の凹部1aの周囲に外周部が取着される、中央領域に窓5が開けられた鉄−ニッケル−コバルト合金または鉄−ニッケル合金から成る蓋体4と、側面から両主面の外周部にかけて全周にわたってメタライズ層8が形成される、窓5の内周面に側面がロウ材を介して接合された石英ガラスから成る窓部材7とを具備し、窓5は、内周面に窓部材7の側面7aの中央部に接合される、窓5の中心に向かって突出した凸部6が全周にわたって連続して形成されており、かつ凸部6の窓部材7に接合される先端面6aの上下方向の幅が窓部材7の厚さの1/6〜2/3であり、基体2の凹部1aにおける載置部1bと電極1cとを除く面および蓋体4の下面の外周部を除く略全面に厚さが500〜1500ÅのAl膜Aが被着されている。
【0020】
本発明において、凸部6の先端面6aの上下方向の幅が窓部材7の厚さの1/6未満では、凸部6が変形して赤外線センサパッケージ1の気密が破れ易くなる。2/3を超えると、ロウ材にクラックが発生し易くなる。また、凸部6の幅(突出長さ)は0.25〜2mmがよく、0.25mm未満では、窓部材7の側面にロウ材が溜まり過ぎ、クラックが発生し易くなる。2mmを超えると、ロウ材が外側に流れ出してメニスカスが生成し難くなる。
【0021】
本発明の赤外線センサパッケージ1は、半導体素子3を収容するための容器であり、アルミナセラミックスなどからなる基体2と、基体2の上面に接合されたFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金などの金属からなる蓋体4とで構成され、所定の部位にAl膜が被着されている。そして、基体2の上面に形成された凹部1aの底面の載置部1bに赤外線センサ素子3を載置固定し、基体2の上面に窓部材7を設けた蓋体4を接合することによって、赤外線センサ装置が構成される。
【0022】
蓋体4は、図1,図2に示すように、その中央領域に窓5が設けられ、窓5の内周面5aには全周に亘って凸部6が形成されている。さらに、窓部材7の側面7aとこの凸部6の先端面6aとがロウ付け部9を介して接合され、赤外線センサ素子3を気密に封止するとともに、赤外線センサ素子3に外部から入射した光を赤外線センサ素子3で受光するための窓部材7を有する蓋体4が構成される。そして、例えば赤外線センサ素子3に入射する赤外線は窓部材7から赤外線センサ素子3に入射し、これにより被測定物の存在が認識される。
【0023】
窓5の内周面5aに形成された凸部6への窓部材7の接合は以下の[1]〜[4]の工程によって行われる。この接合は、窓部材7として用いられる石英ガラスが圧縮応力に対して充分に耐える強度を有しているという特性を利用している。
【0024】
[1]窓部材7の側面7aから主面の外周部7bにかけて、例えばCu粉末とTi粉末とを混合したCu−Ti粉末に有機溶剤、溶媒を添加混合して得た金属ペーストを塗布する。この場合、主面の外周部7bにはスクリーン印刷法等により印刷する。また側面7aには、例えばスクリーン印刷に用いるメッシュ状の版に金属ペーストを供給し、次にスキージにより版の裏面に略均一な厚みで金属ペーストを押出し、この版の裏面に対して窓部材7の側面7aを回転させながら押し付けることにより、金属ペーストを略均一な厚さ(例えば20μm程度)で被着させる。
【0025】
窓部材7の側面7aから外周部7bにかけて金属ペーストを被着させるのは、窓部材7の稜部に集中する応力に対して、稜部周辺を補強するためである。
【0026】
[2]次に、890℃で窒素中において5分間加熱し、窓部材7の表面にメタライズ層8を固着させる。
【0027】
[3]次に、窓部材7を窓5に嵌め込んだ状態とする。このとき、蓋体4は、酸化防止およびロウ付けの接合性を高めるうえで、予めNiメッキ層および金(Au)メッキ層をいずれも0.5〜9μmの厚さで被着させる。この場合、溶融したロウ材を窓部材7と窓5の隙間に侵入させ易くすることを目的として、窓部材7の側面7aと窓5の内周面5aとの隙間を10〜30μmとしておくことが好ましい。また、凸部6に対する窓部材7の接合位置を合わせるために、窓部材7の下にカーボンなどからなるスペーサーを挿入しておくのがよく、窓部材7の側面7aの高さ方向の略中央部に凸部6を接合することが容易となる。
【0028】
[4]次に、リング状のAgロウ(BAg−8:JISZ3261等)を窓5の内周面5aと窓部材7との隙間の上方を覆うように隙間に沿って載置し、800℃の温度で、還元雰囲気下で加熱することにより溶融させて、窓部材7が窓5の凸部6の先端面6aにロウ付けされる。
【0029】
このロウ付けに際して、窓5が窓部材7よりも大きく熱膨張し、Agロウは溶融して容易に窓5と窓部材7との隙間に侵入する。その後、徐々に冷えてAgロウが固化する際に、窓5が窓部材7を内側方向に圧縮しながら冷えて収縮していくことによって、窓部材7が窓5の内周面5aから圧縮応力を受けている状態でAgロウが固化することになる。
【0030】
このような接合状態となった赤外線センサパッケージ1は、赤外線センサ素子3が作動時に例えば数十度の熱を発生した場合、この熱により窓5が窓部材7との熱膨張係数差で窓部材7よりも大きく広がろうとしても、圧縮応力が若干開放されるだけで、窓部材7を内側に押し付ける圧縮応力が相殺されることがない。よって、引張り応力に対して強度が小さい窓部材7は中心方向に向かって常に圧縮された状態となり、窓部材7には引張り応力による破壊が発生することがない。
【0031】
また、図2(b)は、凸部6の先端面6aから窓5の内周面5aに向かって凸部6の厚さが厚くなるように形成されている場合の部分拡大断面図である。この場合、凸部6の先端面6aの上下方向の幅が小さい場合においても、凸部6の強度を大きくすることができるため、窓部材7に圧縮応力を作用させる場合に凸部6が変形するといった不具合を有効に防止できる。
【0032】
次に、Al膜Aが凹部1aにおける所定部位および蓋体4の下面に蒸着法やスパッタリング法によって被着される。以下、Al膜Aを蒸着法で形成する場合について説明する。基体2へのAl膜Aの蒸着は以下のようにして行なわれるが、蒸着に先立って載置部1b、電極1c、基体2の上面および外面にAl膜Aが被着しないように酸化に強いステンレスなどからなるマスキング治具を取着する。このマスキング治具は蒸発した金属が侵入しないようにするために被マスキング部に対して隙間のないように取着され、蒸着の都度使用される。
【0033】
次に、蒸着用の真空装置内に設けられた発熱体上にAlのペレットを載置し、このペレットを覆うようにマスキング治具が取着された基体2を上下を逆にして設置し、発熱体に通電してペレットを蒸発させ、基体2の凹部1aの内面の所定部位にAl膜Aを被着させる。
【0034】
Al膜Aが所定部位に被着された基体2は以下のような効果を奏する。すなわち、窓部材7から凹部1aに入り直接赤外線センサ素子3に直接入射しない赤外線は、Al膜Aにより反射されて、赤外線センサ素子3に達することになる。これにより、被測定物の存在を赤外線により確実に感知することができる。Al膜Aを被着するのは、光の反射率に優れるとともに、極めて滑らかな表面状態の蒸着膜を被着させることができるからである。
【0035】
Al膜Aの厚さは500〜1500Åである。厚さが500Å未満では、基体2の表面の凹凸をなぞったような光沢の無い状態となり、また1500Åを超えると、Al膜Aに厚さのバラツキが発生し、剥がれ易くなってしまう。
【0036】
なお、Al膜Aは蓋体4の下面の外周部を除く略全面に形成される。即ち、基体2との取着部である外周部には形成しない。蓋体4の基体2との取着部にAl膜Aが形成されていると、蓋体4の接合に用いられるSn(錫)−Ag−Cu合金等とAlが反応してAl膜が消失し、気密性が損なわれる場合がある。
【0037】
また、電極1cは基体2の外面に導通する配線導体を含んでいてもよい。
【0038】
【実施例】
本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージの実施例について以下に説明する。
【0039】
Fe−Ni−Co合金から成る蓋体4の窓5の内周面に形成した凸部6の先端面6aの上下方向の幅を、石英ガラス製の窓部材7の厚さに対して変化させてAgロウ(BAg−8)でロウ付けし、窓部材7に発生するクラックを調査した。このとき、蓋体4は、全体の寸法が縦3mm×横5mm×厚さ2mm、窓5の直径(凸部6を除く)が8mm、凸部6の幅(突出長さ)が1mmであり、窓部材7は、厚さが2mmで直径が7mmの円板状とした。
【0040】
そして、凸部6の先端面6aの幅を、窓部材7の厚さ2mmに対して、1/7,1/6,1/5,1/4,1/3,2/3,3/4,4/5とした蓋体4を、各20個ずつ合計160個作製した。このとき、先端面6aの上下方向の幅を窓部材7の厚さの1/7,1/6,1/5としたサンプルについては、内周面5aに近づくに従って凸部6を厚くし、その強度を向上させたもの{図2(b)}とした。
【0041】
また比較例として、従来例の図3のように、窓15の内周面に凸部6がなく、その内周面における窓部材17の側面17aとの接合部の上下方向の幅が2mmであり、内周面の下端に幅が1mmの段差を有する蓋体14を、上記と同様にして10個作製した。そして、これらのサンプルの表面に厚さ3μmのNiメッキ層および厚さ1μmのAuメッキ層を被着した。
【0042】
また、窓部材7の側面7aおよび下側主面の外周部7bに幅1mmのCu−Ti合金からなるメタライズ層8を還元雰囲気下で890℃で形成したものを比較例用の10個を含めて170個用意した。
【0043】
そして、本発明のサンプルについては、窓5の内周面5aの凸部6の先端面6aに窓部材7の側面7aの中央部を、Agロウ(BAg−8)で接合して、窓部材7を設けた蓋体4を計160個作製した。接合条件は還元雰囲気下で800℃で5分間とした。
【0044】
また、比較例のサンプルについては、蓋体14の上面と窓部材17の上側主面とを面一とし、窓15の内周面に窓部材17の側面17a全面および下側主面の外周部17bをロウ付けしたものを10個作製した。この場合、接合条件は上記実施例と同じとし、同じAgロウにより接合した。
【0045】
この調査においてはサンプルにはAl膜Aを被着しないものを用いた。Al膜Aを被着するとロウ付け部のクラックの状態が観察できなくなり、またAl膜Aが極めて薄いために窓部材のクラック発生に大きく影響することがないからである。そして、窓部材におけるクラックの発生割合、凸部6の変形とそれに伴なって気密性が損なわれた割合を調べた結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
表1より、凸部6の先端面6aの幅が窓部材7の厚さの1/6〜2/3である本発明の赤外線センサパッケージ1においては、窓部材7のクラックの発生が皆無であり、また凸部6の変形も発生すること無く、本発明の有効性が確認された。
【0048】
なお、凸部6の先端面6aの幅を大きくしていくと窓部材7の稜部にクラックが発生しているが、これは先端面6aの幅を大きくすることによりロウ材の広がりの先端部が窓部材7の側面7aの稜部に達する場合があり、このとき稜部に応力集中が発生するからである。
【0049】
次に、凸部6の先端面6aの幅を窓部材7の厚さの1/3として、基体2の内面の所定部位および蓋体4の下面に、Al膜Aの厚さを300,400,500,600,800,1000,1200,1400,1500,1600,1700(Å)として被着させたサンプルを各10個づつ110個作製した。また、Al膜Aが被着されていない従来のサンプルを10個作製した。
【0050】
Al膜Aの蒸着は、以下のような所謂真空蒸着法で行なった。真空装置内の発熱体が設置されている位置にAlのペレットを蒸着源として置き、基体2を裏返しにして凹部1aの内側がペレットに向くように位置させ、次に真空装置内部を真空状態として発熱体に通電し、発生するジュール熱で発熱体を発熱させてペレットを溶融、蒸発させることによって、基体2の凹部1a内面に被着させた。このとき、Al膜Aを被着させたくない部位には予め金属(ステンレス)からなるマスクを取着させておいた。また、蓋体4の下面の外周部を除く全面に対しても同様にしてAl膜Aを被着した。
【0051】
上記11種類の厚さのAl膜Aを形成するに際しては、発熱体への通電条件、ペレットの表面積および蒸着時間を正確にコントロールすることによって行なった。
【0052】
そして、これらのサンプルについて、赤外線センサ装置の前を人などの周囲よりも温度の高い被測定物が通過する際に、この物体が発する赤外線からその温度を赤外線センサ素子3によって検出する際の検出感度について、Al膜Aの厚さをパラメーターとして評価した。この実験では、赤外線センサ装置と被測定物の距離を10mとし、10m先を人が通過した場合について検出できるかどうかを評価した。また、このとき従来のAl膜Aを形成していないサンプルについても検出感度を評価した。それらの結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
表2より、本発明の赤外線センサパッケージ1では、Al膜Aの厚さが500Å未満になると金属光沢から白色に変化し、その結果赤外線の反射率が低下して、被測定物が発する赤外線の感知は不十分なものとなった。また1500Åを超えると、良好な金属光沢は得られるが、被着されたAl膜Aに厚さのバラツキやうねりが発生し、これにより赤外線の反射率が低下して赤外線を充分に感知することができず、その結果被測定物が通過したかどうかの判定ができない場合があった。
【0055】
なお、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を行うことは何等差し支えない。
【0056】
【発明の効果】
本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージは、基体の上面の凹部の周囲に外周部が取着される蓋体の中央領域に開けられた窓は、内周面に窓部材の側面の中央部に接合される、窓の中心に向かって突出した凸部が全周にわたって連続して形成されており、かつ凸部の窓部材に接合される先端面の上下方向の幅が窓部材の厚さの1/6〜2/3であり、基体の凹部における載置部と電極とを除く面および蓋体の下面の外周部を除く略全面に厚さが500〜1500ÅのAl膜が被着されていることにより、窓の内周面に形成された凸部の先端面が石英ガラス製の窓部材の側面の中央部に接合されるため、窓部材にクラックが発生したり窓部材に反り変形が発生するのを解消することができる。これにより、窓部材のクラックに起因する光の反射および光の散乱、窓部材の反り変形に起因する剥れ、光の集光位置のずれ等が発生するのを防ぐことができる。また、窓の内周面から窓部材の主面の外周部にわたる従来のロウ付け部に発生していた窓部材の剥れを解消することができる。
【0057】
さらに、基体の凹部における載置部と電極とを除く面および蓋体の下面の外周部を除く略全面に厚さが500〜1500ÅのAl膜が被着されていることから、赤外線がAl膜で高反射率で反射し、赤外線の一部が基体の凹部の側面や蓋体の下面に吸収されることがなくなる。これにより、検出対象(被測定物)の存在を赤外線を検出することにより確実に捉えることができる。従って、本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージは、蓋体に石英ガラス製の窓部材を強固かつ信頼性良く接合できるとともに、赤外線の透過率の高い石英ガラスからなる窓部材を有するものとなる。
【0058】
本発明の赤外線センサ装置は、本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージと、基体の載置部に載置されるとともに電極に電気的に接続された赤外線センサ素子と、基体の上面の凹部の周囲に外周部が取着された蓋体とを具備したことにより、上記本発明の作用効果を有し赤外線センサ素子が長期に亘り正常かつ安定して作動し得る信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージについて実施の形態の一例を示し、(a)は赤外線センサ素子収納用パッケージの断面図、(b)は赤外線センサ素子収納用パッケージの平面図である。
【図2】(a)は本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージにおける蓋体の窓と窓部材との接合部を示す部分拡大断面図、(b)は接合部の他の例を示す部分拡大断面図である。
【図3】従来の赤外線センサ素子収納用パッケージにおける蓋体の窓と窓部材との接合部を示す部分拡大断面図である。
【図4】従来の赤外線センサ素子収納用パッケージの斜視図である。
【符号の説明】
1:赤外線センサ素子収納用パッケージ
1a:凹部
1b:載置部
2:基体
3:赤外線センサ素子
4:蓋体
5:窓
5a:内周面
6:凸部
6a:先端面
7:窓部材
7a:側面
7b:主面の外周部
8:メタライズ層
A:Al膜
Claims (2)
- 上面に形成された凹部の底面に赤外線センサ素子が載置される載置部および前記赤外線センサ素子に電気的に接続される電極が形成されたセラミックスから成る基体と、該基体の上面の前記凹部の周囲に下面の外周部が取着される、中央領域に窓が開けられた鉄−ニッケル−コバルト合金または鉄−ニッケル合金から成る蓋体と、側面から両主面の外周部にかけて全周にわたってメタライズ層が形成される、前記窓の内周面に前記側面がロウ材を介して接合された石英ガラスから成る窓部材とを具備する赤外線センサ素子収納用パッケージにおいて、前記窓は、内周面に前記窓部材の側面の中央部に接合される、前記窓の中心に向かって突出した凸部が全周にわたって連続して形成されており、かつ前記凸部の前記窓部材に接合される先端面の上下方向の幅が前記窓部材の厚さの1/6〜2/3であり、前記基体の前記凹部における前記載置部と前記電極とを除く面および前記蓋体の下面の前記外周部を除く略全面に厚さが500〜1500Åのアルミニウム膜が被着されていることを特徴とする赤外線センサ素子収納用パッケージ。
- 請求項1記載の赤外線センサ素子収納用パッケージと、前記基体の載置部に載置されるとともに前記電極に電気的に接続された赤外線センサ素子と、前記基体の上面の前記凹部の周囲に外周部が取着された前記蓋体とを具備したことを特徴とする赤外線センサ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009135164A (ja) * | 2007-11-29 | 2009-06-18 | Kyocera Corp | パッケージおよび電子装置 |
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CN114170896A (zh) * | 2021-10-29 | 2022-03-11 | 湖北长江新型显示产业创新中心有限公司 | 一种显示装置及其制备方法 |
-
2002
- 2002-06-19 JP JP2002178423A patent/JP2004022955A/ja not_active Withdrawn
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