JP2004022719A - コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】コンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に発生する異常状態において、コンデンサ素子を電気回路から安全に切り離す。
【解決手段】電気回路に接続されるコンデンサ素子11を格納する容器9と、容器9の内壁に取り付けられた基板1と、この基板1に設けられてコンデンサ素子11を電気回路に切り離し可能に接続する導体2と、導体2を切り離し方向に付勢する弾性体3と、導体2に係止してこの導体2を接続状態に位置決めするストッパ4と、ストッパ4の係止状態を解除可能なストッパ解除機構5とを備えた。ストッパ4の係止状態を解除すると、弾性体3により棒状導体2が移動して接続部分6が非導通となるので、コンデンサを電気回路から切断することができる。また、コンデンサの冷却等により容器9が異常発生前のように収縮しても、導体2は接続状態の位置に戻らず電気回路への再投入を防止することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】電気回路に接続されるコンデンサ素子11を格納する容器9と、容器9の内壁に取り付けられた基板1と、この基板1に設けられてコンデンサ素子11を電気回路に切り離し可能に接続する導体2と、導体2を切り離し方向に付勢する弾性体3と、導体2に係止してこの導体2を接続状態に位置決めするストッパ4と、ストッパ4の係止状態を解除可能なストッパ解除機構5とを備えた。ストッパ4の係止状態を解除すると、弾性体3により棒状導体2が移動して接続部分6が非導通となるので、コンデンサを電気回路から切断することができる。また、コンデンサの冷却等により容器9が異常発生前のように収縮しても、導体2は接続状態の位置に戻らず電気回路への再投入を防止することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力設備機器として使用されるコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンデンサについては、コンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に起こった際、容器内圧上昇による容器膨張変位を利用して、容器の内側で相対する面の間に取り付けられた基板状、または箔状の導体弱点部分をその膨張変位により切断してコンデンサを電気回路から切り離す装置(保安装置)が用いられている。
【0003】
また、その容器膨張変位を利用して導体弱点部を切断させるため、容器変位をより大きく得られるよう、容器の中央部分に設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
基板状、または箔状の導体弱点部分を設けたコンデンサの場合、コンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に起こり容器膨張して一旦は電気回路から切り離されたとしてもコンデンサの冷却、または発生ガスの油中への溶け込みにより容器が異常発生前のように収縮し導体弱点部分が接触して再度コンデンサが電気回路に投入される場合がある。
【0005】
また、導体弱点部分においては電気回路から3相コンデンサを切り離すため2箇所の弱点部分を設けているが容器内圧による切断過程においては1箇所だけが先行して切断され、しかも切断された弱点部分に接続されているコンデンサ素子のみが絶縁破壊を連続的に発生していた場合は2相のみが電気回路に接続される状態となり、3相電気回路としては2相間にのみコンデンサが接続されるため電圧の不平衡を生じさせることになる。
【0006】
また、これまでのコンデンサは容器膨張変位をより大きく得られるよう容器の中央部分に設けていたため容器の小型化に限界があった。これに伴い、容器内を絶縁するために使用している充填絶縁油の使用量が多くなるという問題点があった。
【0007】
したがって、この発明の目的は、上記問題点を解決するために、コンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に発生する異常状態において、コンデンサ素子を電気回路から安全に切り離すとともに、電気回路へ再投入を防止することができ、またコンデンサの容器を小型化することを可能とし、またコンデンサ容器内で絶縁するために使用している充填絶縁油の使用量を削減することができるコンデンサを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の請求項1記載のコンデンサは、電気回路に接続されるコンデンサ素子を格納する容器と、前記容器の内壁に取り付けられた基板と、この基板に設けられて前記コンデンサ素子を前記電気回路に切り離し可能に接続する導体と、前記導体を切り離し方向に付勢する弾性体と、前記導体に係止してこの導体を接続状態に位置決めするストッパと、前記ストッパの係止状態を解除可能なストッパ解除機構とを備えた。
【0009】
このように、導体と、ストッパと、ストッパ解除機構とを備えているので、ストッパ解除機構によりストッパの係止状態を解除すると、弾性体により導体が移動して接続部分が非導通となるので、コンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に発生する異常状態において、容器内圧が上昇した際には基板上の導体の移動により、コンデンサを電気回路から切断することができる。
【0010】
また、導体の移動には、導体のストッパによる固定解除をして弾性体により移動するため、コンデンサの冷却等により容器が異常発生前のように収縮しても、導体は接続状態の位置に戻らず電気回路への再投入を防止することができる。
【0011】
請求項2記載のコンデンサは、請求項1記載のコンデンサにおいて、ストッパ解除機構は、容器の内圧上昇によって収縮することでストッパの係止状態を解除する圧力検出器である。このように、ストッパ解除機構は、容器の内圧上昇によって収縮することでストッパの係止状態を解除する圧力検出器であるので、導体の移動には容器膨張変位ではなく、容器内圧を検出して導体のストッパによる固定解除をして弾性体により移動させることができる。また、容器内圧を検出して動作させるため、これまでのコンデンサは容器膨張変位をより大きく得られるように容器の中央部分に導体弱点部分を設けていたが、容器内での設置場所を限定することはなく、容器の小型化、内部充填絶縁油の使用量削減を図れる。
【0012】
請求項3記載のコンデンサは、請求項1または2記載のコンデンサにおいて、電気回路は3相であり、導体は隣接するコンデンサ素子どうしの2箇所の接続部分に配置され、前記導体が移動すると前記2箇所の接続部分が同時に非導通となる。
【0013】
このように、電気回路は3相であり、導体は隣接するコンデンサ素子どうしの2箇所の接続部分に配置され、導体が移動すると2箇所の接続部分が同時に非導通となるので、3相コンデンサのコンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に発生する異常状態において、容器内圧が上昇した際には基板上の導体の移動により、コンデンサを電気回路から3相とも同時に切断することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態のコンデンサの要部でコンデンサ切り離し装置の平面図、図2はこの発明の実施の形態のコンデンサの全体を示す一部破断正面図である。
【0015】
図1および図2において、1は容器内壁に取り付けるための基板、2はコンデンサの2接点を導通させるために基板1に沿うように取り付けられた略棒状の導体(以下、棒状導体と呼ぶ)、3は棒状導体2を移動させるための弾性体、4は棒状導体2を固定するためのストッパ、5は蛇腹状の圧力検出器、6は基板1の導体パターンと棒状導体2の幅広部分との接点、7はコンデンサ素子に接続されている電線、9はコンデンサ本体(容器)、10はコンデンサ切り離し装置(保安装置)である。
【0016】
コンデンサ容器9は、図2に示すように、3相電気回路に接続されるコンデンサ素子11を格納する。コンデンサ切り離し装置10は、少なくともその一端が容器9の内壁に取り付けられた基板1と、この基板1に設けられてコンデンサ素子11を電気回路に切り離し可能に接続する棒状導体2と、棒状導体2を切り離し方向に付勢する弾性体3と、棒状導体2の他端側の位置に係止してこの棒状導体2を接続状態に位置決めするストッパ4と、ストッパ4の係止状態を解除可能なストッパ解除機構とを備えている。
【0017】
ストッパ解除機構は、容器9の内圧上昇によって収縮することでストッパ4の係止状態を解除する圧力検出器5である。圧力検出器5は、通常、棒状導体2を一定位置に維持するように棒状導体2と略直角の方向からストッパ4を付勢している。また、図3に示すように、棒状導体2は隣接するコンデンサ素子11どうしの2箇所の接続部分(接点6)に配置される。圧力検出器5によりストッパ4の係止状態を解除すると、弾性体3により棒状導体2が移動して2箇所の接点6が同時に非導通となる。この場合、3個のコンデンサ素子11に接続されている3本の電線7が、基板1に設けられている3つの導体パターン12にそれぞれ接続されている。棒状導体2は、2箇所の接点6となる幅が広い部分(幅広部)2aと、ストッパ4が係止する係止部2bとを有し、基板1に固定された止め具13により移動可能に取り付けられている。また、各導体パターン12は、棒状導体2の幅広部2aの両側に接触して接続され、棒状導体2が移動すると幅広部2aに接触しないように配置される。弾性体3は引張りばね等であり、一端が基板1に固定され、他端が棒状導体2の一端に固定されている。また、棒状導体2は幅広部2aと導体パターン12が接触した状態で、係止部2bとストッパ4が係止される。この状態で棒状導体2は弾性体3により引っ張られるように付勢されている。そのため、ストッパ4が係止部2bから外れると弾性体3により引っ張られて移動し、幅広部2aと導体パターン12が接触しない状態になる。
【0018】
また、基板1は取付金具8により容器内壁に取り付けられる。この取付金具8は、一片が基板1の側縁部に固定され、他の一片が容器9の内壁にねじ等の固着具により固定される。
【0019】
上記構成において動作を説明する。基板1上に棒状導体2を接触させて設置し、通常はこの棒状導体2により2接点6を導通状態として電気回路にコンデンサが接続された状態とする。この場合、まず基板1に設けられている3つの導体パターン12は棒状導体2の幅広部2aと接触してコンデンサ素子11に接続されている電線7の3本は各々導通状態である。この状態で図3に示すように、コンデンサは電気回路に接続されていることとなる。
【0020】
次にコンデンサ素子11に絶縁破壊が連続的に発生して容器内圧が上昇した際には棒状導体2を移動させて2箇所の接点部分6を同時に非導通とさせ、電気回路からコンデンサを切り離す。この場合、コンデンサ素子11の絶縁破壊が発生しガスが発生して容器内部の圧力が上昇すると蛇腹状の圧力検出器5が収縮しストッパ4が移動し、棒状導体2の固定が解除されると弾性体3により棒状導体2は基板1上にて移動するため、基板1上の導体パターン12と棒状導体2の幅広部2aとが接触して導通していた2箇所の接点部分6が非導通となり、コンデンサが電気回路から3相とも切り離されることになる。
【0021】
また、図2においては、切り離し装置10をコンデンサ容器9に取り付ける位置について、容器9の側面周縁部に取り付けた場合を示している。これまでの容器膨張変位を利用して基板状、または箔状の導体弱点部分を切断する方法のものは容器の側面中央部分で設けるため容器としては余剰スペースが発生していたが、この実施の形態のコンデンサの場合はコンデンサ容器9の内圧上昇を検出するため、設置場所は容器側面の中央部分である必要はなく容器スペースを削減でき、また容器充填絶縁油の使用量も削減可能となる。
【0022】
以上のようにこの実施の形態によれば、3相コンデンサのコンデンサ素子11の絶縁破壊が連続的に発生する異常状態において、容器内圧が上昇した際には基板1上の棒状導体2の移動により、コンデンサを電気回路から3相とも同時に切断することができる。
【0023】
また、棒状導体2の移動には容器膨張変位ではなく、容器内圧を検出して棒状導体2のストッパ4による固定解除をして弾性体3により移動するため、コンデンサの冷却等により容器が異常発生前のように収縮しても、棒状導体2は接続位置に戻らず電気回路への再投入を防止することができる。
【0024】
なお、電気回路が3相の場合を示したが、2相の場合でも同様に構成できる。
【0025】
【発明の効果】
この発明の請求項1記載のコンデンサによれば、導体と、ストッパと、ストッパ解除機構とを備えているので、ストッパ解除機構によりストッパの係止状態を解除すると、弾性体により導体が移動して接続部分が非導通となるので、コンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に発生する異常状態において、容器内圧が上昇した際には基板上の導体の移動により、コンデンサを電気回路から切断することができる。
【0026】
また、導体の移動には、導体のストッパによる固定解除をして弾性体により移動するため、コンデンサの冷却等により容器が異常発生前のように収縮しても、導体は接続状態の位置に戻らず電気回路への再投入を防止することができる。
【0027】
請求項2では、ストッパ解除機構は、容器の内圧上昇によって収縮することでストッパの係止状態を解除する圧力検出器であるので、導体の移動には容器膨張変位ではなく、容器内圧を検出して導体のストッパによる固定解除をして弾性体により移動させることができる。また、容器内圧を検出して動作させるため、これまでのコンデンサは容器膨張変位をより大きく得られるように容器の中央部分に導体弱点部分を設けていたが、容器内での設置場所を限定することはなく、容器の小型化、内部充填絶縁油の使用量削減を図れる。
【0028】
請求項3では、電気回路は3相であり、導体は隣接するコンデンサ素子どうしの2箇所の接続部分に配置され、導体が移動すると2箇所の接続部分が同時に非導通となるので、3相コンデンサのコンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に発生する異常状態において、容器内圧が上昇した際には基板上の導体の移動により、コンデンサを電気回路から3相とも同時に切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態のコンデンサの要部でコンデンサ切り離し装置の平面図である。
【図2】この発明の実施の形態のコンデンサの全体を示す一部破断正面図である。
【図3】この発明の実施の形態におけるコンデンサ内部回路図である。
【符号の説明】
1 基板
2 棒状導体
3 弾性体
4 ストッパ
5 圧力検出器
6 接点
7 電線
8 取付金具
9 コンデンサ本体
10 コンデンサ切り離し装置(保安装置)
11 コンデンサ素子
12 導体パターン
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力設備機器として使用されるコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンデンサについては、コンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に起こった際、容器内圧上昇による容器膨張変位を利用して、容器の内側で相対する面の間に取り付けられた基板状、または箔状の導体弱点部分をその膨張変位により切断してコンデンサを電気回路から切り離す装置(保安装置)が用いられている。
【0003】
また、その容器膨張変位を利用して導体弱点部を切断させるため、容器変位をより大きく得られるよう、容器の中央部分に設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
基板状、または箔状の導体弱点部分を設けたコンデンサの場合、コンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に起こり容器膨張して一旦は電気回路から切り離されたとしてもコンデンサの冷却、または発生ガスの油中への溶け込みにより容器が異常発生前のように収縮し導体弱点部分が接触して再度コンデンサが電気回路に投入される場合がある。
【0005】
また、導体弱点部分においては電気回路から3相コンデンサを切り離すため2箇所の弱点部分を設けているが容器内圧による切断過程においては1箇所だけが先行して切断され、しかも切断された弱点部分に接続されているコンデンサ素子のみが絶縁破壊を連続的に発生していた場合は2相のみが電気回路に接続される状態となり、3相電気回路としては2相間にのみコンデンサが接続されるため電圧の不平衡を生じさせることになる。
【0006】
また、これまでのコンデンサは容器膨張変位をより大きく得られるよう容器の中央部分に設けていたため容器の小型化に限界があった。これに伴い、容器内を絶縁するために使用している充填絶縁油の使用量が多くなるという問題点があった。
【0007】
したがって、この発明の目的は、上記問題点を解決するために、コンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に発生する異常状態において、コンデンサ素子を電気回路から安全に切り離すとともに、電気回路へ再投入を防止することができ、またコンデンサの容器を小型化することを可能とし、またコンデンサ容器内で絶縁するために使用している充填絶縁油の使用量を削減することができるコンデンサを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の請求項1記載のコンデンサは、電気回路に接続されるコンデンサ素子を格納する容器と、前記容器の内壁に取り付けられた基板と、この基板に設けられて前記コンデンサ素子を前記電気回路に切り離し可能に接続する導体と、前記導体を切り離し方向に付勢する弾性体と、前記導体に係止してこの導体を接続状態に位置決めするストッパと、前記ストッパの係止状態を解除可能なストッパ解除機構とを備えた。
【0009】
このように、導体と、ストッパと、ストッパ解除機構とを備えているので、ストッパ解除機構によりストッパの係止状態を解除すると、弾性体により導体が移動して接続部分が非導通となるので、コンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に発生する異常状態において、容器内圧が上昇した際には基板上の導体の移動により、コンデンサを電気回路から切断することができる。
【0010】
また、導体の移動には、導体のストッパによる固定解除をして弾性体により移動するため、コンデンサの冷却等により容器が異常発生前のように収縮しても、導体は接続状態の位置に戻らず電気回路への再投入を防止することができる。
【0011】
請求項2記載のコンデンサは、請求項1記載のコンデンサにおいて、ストッパ解除機構は、容器の内圧上昇によって収縮することでストッパの係止状態を解除する圧力検出器である。このように、ストッパ解除機構は、容器の内圧上昇によって収縮することでストッパの係止状態を解除する圧力検出器であるので、導体の移動には容器膨張変位ではなく、容器内圧を検出して導体のストッパによる固定解除をして弾性体により移動させることができる。また、容器内圧を検出して動作させるため、これまでのコンデンサは容器膨張変位をより大きく得られるように容器の中央部分に導体弱点部分を設けていたが、容器内での設置場所を限定することはなく、容器の小型化、内部充填絶縁油の使用量削減を図れる。
【0012】
請求項3記載のコンデンサは、請求項1または2記載のコンデンサにおいて、電気回路は3相であり、導体は隣接するコンデンサ素子どうしの2箇所の接続部分に配置され、前記導体が移動すると前記2箇所の接続部分が同時に非導通となる。
【0013】
このように、電気回路は3相であり、導体は隣接するコンデンサ素子どうしの2箇所の接続部分に配置され、導体が移動すると2箇所の接続部分が同時に非導通となるので、3相コンデンサのコンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に発生する異常状態において、容器内圧が上昇した際には基板上の導体の移動により、コンデンサを電気回路から3相とも同時に切断することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態のコンデンサの要部でコンデンサ切り離し装置の平面図、図2はこの発明の実施の形態のコンデンサの全体を示す一部破断正面図である。
【0015】
図1および図2において、1は容器内壁に取り付けるための基板、2はコンデンサの2接点を導通させるために基板1に沿うように取り付けられた略棒状の導体(以下、棒状導体と呼ぶ)、3は棒状導体2を移動させるための弾性体、4は棒状導体2を固定するためのストッパ、5は蛇腹状の圧力検出器、6は基板1の導体パターンと棒状導体2の幅広部分との接点、7はコンデンサ素子に接続されている電線、9はコンデンサ本体(容器)、10はコンデンサ切り離し装置(保安装置)である。
【0016】
コンデンサ容器9は、図2に示すように、3相電気回路に接続されるコンデンサ素子11を格納する。コンデンサ切り離し装置10は、少なくともその一端が容器9の内壁に取り付けられた基板1と、この基板1に設けられてコンデンサ素子11を電気回路に切り離し可能に接続する棒状導体2と、棒状導体2を切り離し方向に付勢する弾性体3と、棒状導体2の他端側の位置に係止してこの棒状導体2を接続状態に位置決めするストッパ4と、ストッパ4の係止状態を解除可能なストッパ解除機構とを備えている。
【0017】
ストッパ解除機構は、容器9の内圧上昇によって収縮することでストッパ4の係止状態を解除する圧力検出器5である。圧力検出器5は、通常、棒状導体2を一定位置に維持するように棒状導体2と略直角の方向からストッパ4を付勢している。また、図3に示すように、棒状導体2は隣接するコンデンサ素子11どうしの2箇所の接続部分(接点6)に配置される。圧力検出器5によりストッパ4の係止状態を解除すると、弾性体3により棒状導体2が移動して2箇所の接点6が同時に非導通となる。この場合、3個のコンデンサ素子11に接続されている3本の電線7が、基板1に設けられている3つの導体パターン12にそれぞれ接続されている。棒状導体2は、2箇所の接点6となる幅が広い部分(幅広部)2aと、ストッパ4が係止する係止部2bとを有し、基板1に固定された止め具13により移動可能に取り付けられている。また、各導体パターン12は、棒状導体2の幅広部2aの両側に接触して接続され、棒状導体2が移動すると幅広部2aに接触しないように配置される。弾性体3は引張りばね等であり、一端が基板1に固定され、他端が棒状導体2の一端に固定されている。また、棒状導体2は幅広部2aと導体パターン12が接触した状態で、係止部2bとストッパ4が係止される。この状態で棒状導体2は弾性体3により引っ張られるように付勢されている。そのため、ストッパ4が係止部2bから外れると弾性体3により引っ張られて移動し、幅広部2aと導体パターン12が接触しない状態になる。
【0018】
また、基板1は取付金具8により容器内壁に取り付けられる。この取付金具8は、一片が基板1の側縁部に固定され、他の一片が容器9の内壁にねじ等の固着具により固定される。
【0019】
上記構成において動作を説明する。基板1上に棒状導体2を接触させて設置し、通常はこの棒状導体2により2接点6を導通状態として電気回路にコンデンサが接続された状態とする。この場合、まず基板1に設けられている3つの導体パターン12は棒状導体2の幅広部2aと接触してコンデンサ素子11に接続されている電線7の3本は各々導通状態である。この状態で図3に示すように、コンデンサは電気回路に接続されていることとなる。
【0020】
次にコンデンサ素子11に絶縁破壊が連続的に発生して容器内圧が上昇した際には棒状導体2を移動させて2箇所の接点部分6を同時に非導通とさせ、電気回路からコンデンサを切り離す。この場合、コンデンサ素子11の絶縁破壊が発生しガスが発生して容器内部の圧力が上昇すると蛇腹状の圧力検出器5が収縮しストッパ4が移動し、棒状導体2の固定が解除されると弾性体3により棒状導体2は基板1上にて移動するため、基板1上の導体パターン12と棒状導体2の幅広部2aとが接触して導通していた2箇所の接点部分6が非導通となり、コンデンサが電気回路から3相とも切り離されることになる。
【0021】
また、図2においては、切り離し装置10をコンデンサ容器9に取り付ける位置について、容器9の側面周縁部に取り付けた場合を示している。これまでの容器膨張変位を利用して基板状、または箔状の導体弱点部分を切断する方法のものは容器の側面中央部分で設けるため容器としては余剰スペースが発生していたが、この実施の形態のコンデンサの場合はコンデンサ容器9の内圧上昇を検出するため、設置場所は容器側面の中央部分である必要はなく容器スペースを削減でき、また容器充填絶縁油の使用量も削減可能となる。
【0022】
以上のようにこの実施の形態によれば、3相コンデンサのコンデンサ素子11の絶縁破壊が連続的に発生する異常状態において、容器内圧が上昇した際には基板1上の棒状導体2の移動により、コンデンサを電気回路から3相とも同時に切断することができる。
【0023】
また、棒状導体2の移動には容器膨張変位ではなく、容器内圧を検出して棒状導体2のストッパ4による固定解除をして弾性体3により移動するため、コンデンサの冷却等により容器が異常発生前のように収縮しても、棒状導体2は接続位置に戻らず電気回路への再投入を防止することができる。
【0024】
なお、電気回路が3相の場合を示したが、2相の場合でも同様に構成できる。
【0025】
【発明の効果】
この発明の請求項1記載のコンデンサによれば、導体と、ストッパと、ストッパ解除機構とを備えているので、ストッパ解除機構によりストッパの係止状態を解除すると、弾性体により導体が移動して接続部分が非導通となるので、コンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に発生する異常状態において、容器内圧が上昇した際には基板上の導体の移動により、コンデンサを電気回路から切断することができる。
【0026】
また、導体の移動には、導体のストッパによる固定解除をして弾性体により移動するため、コンデンサの冷却等により容器が異常発生前のように収縮しても、導体は接続状態の位置に戻らず電気回路への再投入を防止することができる。
【0027】
請求項2では、ストッパ解除機構は、容器の内圧上昇によって収縮することでストッパの係止状態を解除する圧力検出器であるので、導体の移動には容器膨張変位ではなく、容器内圧を検出して導体のストッパによる固定解除をして弾性体により移動させることができる。また、容器内圧を検出して動作させるため、これまでのコンデンサは容器膨張変位をより大きく得られるように容器の中央部分に導体弱点部分を設けていたが、容器内での設置場所を限定することはなく、容器の小型化、内部充填絶縁油の使用量削減を図れる。
【0028】
請求項3では、電気回路は3相であり、導体は隣接するコンデンサ素子どうしの2箇所の接続部分に配置され、導体が移動すると2箇所の接続部分が同時に非導通となるので、3相コンデンサのコンデンサ素子の絶縁破壊が連続的に発生する異常状態において、容器内圧が上昇した際には基板上の導体の移動により、コンデンサを電気回路から3相とも同時に切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態のコンデンサの要部でコンデンサ切り離し装置の平面図である。
【図2】この発明の実施の形態のコンデンサの全体を示す一部破断正面図である。
【図3】この発明の実施の形態におけるコンデンサ内部回路図である。
【符号の説明】
1 基板
2 棒状導体
3 弾性体
4 ストッパ
5 圧力検出器
6 接点
7 電線
8 取付金具
9 コンデンサ本体
10 コンデンサ切り離し装置(保安装置)
11 コンデンサ素子
12 導体パターン
Claims (3)
- 電気回路に接続されるコンデンサ素子を格納する容器と、前記容器の内壁に取り付けられた基板と、この基板に設けられて前記コンデンサ素子を前記電気回路に切り離し可能に接続する導体と、前記導体を切り離し方向に付勢する弾性体と、前記導体に係止してこの導体を接続状態に位置決めするストッパと、前記ストッパの係止状態を解除可能なストッパ解除機構とを備えたコンデンサ。
- ストッパ解除機構は、容器の内圧上昇によって収縮することでストッパの係止状態を解除する圧力検出器である請求項1記載のコンデンサ。
- 電気回路は3相であり、導体は隣接するコンデンサ素子どうしの2箇所の接続部分に配置され、前記導体が移動すると前記2箇所の接続部分が同時に非導通となる請求項1または2記載のコンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002174097A JP2004022719A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002174097A JP2004022719A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | コンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004022719A true JP2004022719A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31173155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002174097A Pending JP2004022719A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004022719A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108701541A (zh) * | 2016-02-25 | 2018-10-23 | 松下知识产权经营株式会社 | 电容器 |
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2002
- 2002-06-14 JP JP2002174097A patent/JP2004022719A/ja active Pending
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CN108701541A (zh) * | 2016-02-25 | 2018-10-23 | 松下知识产权经营株式会社 | 电容器 |
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