JP2004021725A - 証券化方法、証券化システム、証券化プログラム、および証券化プログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】債権化診断機関は、債権化診断対象車輌の情報に基づき診断車輌の車種を特定し(S21)、診断車輌を取り扱う系列ディーラーの管轄エリアにおける過去の診断車輌と同一車種の新車の登録台数を、統計情報DWHより検出する(S22)。次に、債権化診断機関は、診断車輌と同一車種の販売実績台数を販売実績DWHより検出し(S23)、検出された販売実績台数と検出された登録台数とを比較し、両者間の台数の違いを算出する(S24)。ここで算出された登録台数と販売実績台数との差を基に販売実績の正当性を判断する(S25)。検出された結果が基準レベルより低いレベルである場合には、正常値であると判断し、その結果を販売実績診断処理結果として記憶部に格納し(S26)、処理を終了する。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌の売掛債権を証券化した新車証券を発行する機関に対するリスク管理を行う証券化方法、証券化システム、証券化プログラム、および証券化プログラムを記憶した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、企業の保有する資産を証券に変換し、投資家など第3者への譲渡を可能にする資産の証券化が頻繁に行われるようになってきている。証券化される資産には、住宅ローン、リース債権、クレジットカード債権、自動車ローン債権、売掛債権などがあり、これらの資産に共通して言えることは、将来的にキャッシュフローを生み出すことができるということである。
中でも売掛債権を証券化することは、原材料を購入する資金や在庫資金などの運転資金の調達を効率よく行うことができる方法として注目されている。
【0003】
以下に、この売掛債権を証券化して運転資金を調達した場合の効果について自動車業界の流通機構を例に説明する。
はじめに、売掛債権の証券化を実施しない場合の自動車業界における流通機構について図13を参照しながら説明する。
車輌を購入する購入者100から自動車メーカー30系列の販売会社である系列ディーラー80に注文が入ると、系列ディーラー80は、自動車メーカー30へ注文を出す。自動車メーカー30は、系列ディーラー80からの注文に基づいた数量の自動車を製造する。
自動車メーカー30で製造された自動車は、系列ディーラー80に向けて出荷され、そして、系列ディーラー80から購入者100へ納車される。
【0004】
この納車時に自動車を購入した購入者100から系列ディーラー80への支払いが行われる。購入者100からは、現金、各種信販会社や銀行などで取り扱う自動車ローン、リース会社からのリース、購入者100から振り出される約束手形などによる支払いが予定されている。
一方、系列ディーラー80からは、一般的に自動車メーカー30から商品が納入(出荷)されてから代金を約60日間据え置きされた後に支払いがされている。この間、自動車メーカー30は、系列ディーラー80からの代金回収を行うことができない。
そのため、自動車メーカー30は、代金回収をする間の運転資金を銀行借入や社債発行といった方法により調達する必要があった。これらの方法により調達された運転資金は、貸借対照表に負債として計上されていた。
【0005】
ところが、自動車メーカー30は売掛債権を証券化して第3者に譲渡することにより、瞬時に現金化することができるため、自動車を製造する前に運転資金を調達することが可能になる。さらに、従来資産として計上されていた売掛債権を貸借対照表から落とすことができる。つまり、企業は売掛債権を証券化することにより、資産を売却した場合と同じ効果を得ることができる。具体的には、総資産利益率、株主資本利益率などの財務指数を改善することができる。
【0006】
次に、自動車の売掛債権を証券化する過程について図14を参照しながら説明する。
図14は、車輌売掛債権の証券化スキームの概要を示した図である。
オリジネーターである自動車メーカー30は、系列ディーラー80の保有する売掛債権と車輌所有権とについて信託銀行70に信託設定を行う。ここで、自動車メーカー30の発行する完成検査証の譲渡をもって車輌の所有権の移転となる。信託銀行70は、上記の信託設定と引き換えに信託受益権を自動車メーカー30に対して発行する。
上記のオリジネーターとは、自己の保有する資産を売却するか、担保に供するかして、証券化の対象資産を取りまとめる役目をするもの、つまりここでは自動車メーカー30を示す。
なお、自動車メーカー30は、売掛債権を系列ディーラー80より譲渡を受ける際に、系列ディーラー80に対して譲渡手数料を支払う。
【0007】
そして、自動車メーカー30は、この信託受益権をSPC(特別目的会社)40に販売する。SPC40は、この信託受益権の対価を自動車メーカー30に支払う。この過程で、自動車メーカー30は、売掛債権と車輌所有権とを現金化することができる。
SPC40は、購入した受託受益権を基とした証券の引き受けを証券会社に依頼する。アレンジャーである証券会社50は、この信託受益権を基とした証券を発行し、投資家へ販売する。そして、証券会社50は、引き受けた証券の対価をSPC40へ支払う。
【0008】
上記のアレンジャーとは、資金調達者と証券購入者との間を取り持つ金融仲介者、つまりここでは証券会社50を示す。
またSPC40とは、証券の発行体として設立された特別目的会社であり、具体的には、信託受益権などの資産の買い取りや、資金調達のための証券の発行、譲受け資産に関する信用補完などを行う。ここで表現するSPC40は、1998年に日本国で施行されたSPC法に基づいて設立される特別目的会社のことを示す。
証券会社50は、購入した受益権を基に新車証券を発行し、投資家90へ販売する。投資家90は、購入する新車証券の代金を証券会社50へ支払う。
【0009】
一方、自動車メーカー30で製造された車輌は、系列ディーラー80に出荷され、系列ディーラー80から購入者100へ納車される。
そして、自動車の購入者100から支払われる自動車の代金が、サービサーである系列ディーラー80を介して、SPC40へ支払われ、最終的に、新車証券を保有する投資家90へ支払われる仕組みになっている。
このサービサーとは、貸出債権の管理・回収を通してキャッシュフローの管理、具体的には、原資産からの回収金の管理やSPCへの回収金の引き渡し、延滞債権の回収などを行う専門家、つまりここでは系列ディーラー80を示す。
ここでは、アレンジャーである証券会社50で新車証券を発行して投資家90へ販売しているが、この新車証券をSPC40で直接発行して投資家90へ販売することも可能である。
【0010】
上述したような売掛債権を証券化した新車証券は、オリジネーターである自動車メーカー30が製造する車輌のうち購入者100からの注文が確定している部分を流動化の対象として発行されることを前提としている。つまり、将来的に新車の代金を購入者100より確実に回収できることが見込めることにこの新車証券の価値が生じる。従って、購入者100による購入が確定していない車輌に対する売掛債権の証券化を行ってもリスクが高いために新車証券としての信頼度が乏しく、証券価値は下がってしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法では、発行される新車証券が、購入者100からの注文が確定している部分を流動化の対象とされているか否かを判断する方法はなく、オリジネーターである自動車メーカー30の申告に基づいてのみ新車証券は発行される仕組みになっている。
そのため、系列ディーラーにより注文が確定していない、あるいは注文の裏付けの取れていない架空の注文書が作成され、この注文書に基づいて不正に新車証券が発行されてしまうおそれがある。
【0012】
一般に、企業が発行する社債や国が発行する国債には、格付と呼ばれる証券が有するリスクの度合を所定の機関で評価したものが示されている。投資家90は、この格付評価を参考にして証券化商品に投資をするようになっている。
しかし、新車証券の発行は、オリジネーターである自動車メーカー30の申告に基づいて行われるために、この新車証券の有するリスクの度合を把握することが非常に困難である。
例えば、A社が、X車種の自動車を過剰生産してしまった場合、このX車種の自動車を証券化しようとする際に、X車種の販売実績を偽って作成し、X車種が生産した台数全て販売したように見せかけたとする。
投資家90がX車種を証券化した新車証券を購入する際に、このような販売実績を偽装するような不正が行われると、新車証券市場における新車証券の信頼性が失われ価値も低下してしまう。
このような不正が容易に行われるようになると、投資家90は、新車証券の購入に慎重になり、新車証券の流動化を図ることは難しい状況になってしまう。
【0013】
そこで、本発明の目的は、オリジネーターである自動車メーカー30の不正を防止し、信頼性の高い新車証券を流通させるために新車証券の有するリスクを管理することができる証券化システム、証券化方法、証券化プログラム、および証券化を記憶した記憶媒体を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化する方法、即ち新車証券を発行する証券化方法であって、少なくとも証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報と過去の販売実績情報、および前記証券化対象車輌の購入者の情報を取得して債権化診断データベースに登録する第1ステップと、前記新車の製造メーカーより前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断依頼を受け、前記第1ステップで債権化診断データベースに登録された情報を基に前記妥当性の診断を実行する第2ステップと、前記第2ステップにより実行された、前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断結果を前記製造メーカーに転送する第3ステップと、少なくとも前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報、前記証券化対象車輌の債権情報、および前記証券化対象車輌の査定情報を取得して管理データベースに登録する第4ステップと、前記第3ステップにより転送された診断結果を基に証券化された新車証券の価値を、前記管理データベースに登録された情報を基に算出する第5ステップと、を具備することにより前記目的を達成する。
【0015】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記製造メーカーにより作成された過去の販売実績情報をコンピュータを使用した通信により仲介する第1aステップを有し、前記第1ステップは、前記第1aステップで仲介された過去の販売実績情報の中から、前記証券化対象車輌と同車種の過去の販売実績情報を取得することにより前記目的を達成する。
請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明において、公的に発表された自動車登録統計情報を、コンピュータを使用した通信により入力することを促す第1bステップを有し、前記第1ステップは、前記第1bステップで入力された自動車登録統計情報を取得することにより前記目的を達成する。
【0016】
請求項4記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記新車証券の発行体であるSPC(特別目的会社)により作成された過去の入金延滞情報をコンピュータを使用した通信により仲介する第1cステップを有し、前記第1ステップは、前記第1cステップで仲介された過去の入金延滞情報の中から、前記購入者の過去の入金延滞情報を取得することにより前記目的を達成する。
請求項5記載の発明では、請求項1から請求項4のうちいずれか1の請求項に記載した発明において、前記証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報と、前記証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報とを、コンピュータを使用した処理により比較照合する第2aステップを有し、前記第2ステップは、前記第2aステップで比較照合された結果を基に前記妥当性の診断を実行することにより前記目的を達成する。
【0017】
請求項6記載の発明では、請求項1から請求項4のうちいずれか1の請求項に記載した発明において、前記証券化対象車輌の購入者の情報からコンピュータを使用した処理により前記購入者の支払い事故歴の有無を検索する第2bステップを有し、前記第2ステップは、前記第2bステップで検索された前記購入者の支払い事故歴の結果を基に前記妥当性の診断を実行することにより前記目的を達成する。
請求項7記載の発明では、請求項1から請求項6のうちいずれか1の請求項に記載した発明において、コンピュータを使用した通信により前記製造メーカーと情報通信する第3aステップを有し、前記第3ステップは、前記第3aステップにより前記診断結果を前記製造メーカーに転送することにより前記目的を達成する。
【0018】
請求項8記載の発明では、請求項1から請求項7のうちいずれか1の請求項に記載した発明において、前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報をコンピュータを使用した通信により仲介する第4aステップを有し、前記第4ステップは、前記第4aステップで仲介された前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報を取得することにより前記目的を達成する。
請求項9記載の発明では、請求項1から請求項7のうちいずれか1の請求項に記載した発明において、前記証券化対象車輌の支払い条件、車輌情報をコンピュータを使用した通信により入力することを促す第4bステップを有し、
前記第4ステップは、第4bステップで入力された情報を前記証券化対象車輌の債権情報として取得することにより前記目的を達成する。
【0019】
請求項10記載の発明では、請求項1から請求項7のうちいずれか1の請求項に記載した発明において、中古車および新古車市場の過去の車輌査定情報をコンピュータを使用した通信により入力することを促す第4cステップを有し、前記第4ステップは、前記第4cステップで入力された情報を前記証券化対象車輌の査定情報として取得することにより前記目的を達成する。
請求項11記載の発明では、請求項1から請求項10のうちいずれか1の請求項に記載した発明において、前記証券化対象車輌の査定値をコンピュータを使用した処理により算出する第5aステップを有し、前記第5ステップは、前記新車証券の価値を前記第5aステップで算出された査定値を基に算出することにより前記目的を達成する。
【0020】
請求項12記載の発明では、新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化する方法、即ち新車証券を発行する証券化システムであって、少なくとも証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報と過去の販売実績情報、および前記証券化対象車輌の購入者の情報を格納する債権化診断データベースと、前記新車の製造メーカーより前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断依頼を受け、前記債権化診断データベースに登録された情報を基に前記妥当性の診断を実行する診断手段と、前記診断手段により実行された、前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断結果を前記製造メーカーに転送する転送手段と、少なくとも前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報、前記証券化対象車輌の債権情報、および前記証券化対象車輌の査定情報を格納する管理データベースと、前記転送手段により転送された診断結果を基に証券化された新車証券の価値を、前記管理データベースに登録された情報を基に算出する算出手段と、を具備することにより前記目的を達成する。
【0021】
請求項13記載の発明では、請求項12記載の発明において、前記製造メーカーにより作成された過去の販売実績情報をコンピュータを使用した通信により仲介する販売実績仲介手段を備え、前記債権化診断データベースは、前記販売実績仲介手段で仲介された過去の販売実績情報の中から、前記証券化対象車輌と同車種の過去の販売実績情報を取得して格納することにより前記目的を達成する。
請求項14記載の発明では、請求項12記載の発明において、公的に発表された自動車登録統計情報を、コンピュータを使用した通信により入力することを促す統計情報入力手段を備え、前記債権化診断データベースは、前記統計情報入力手段により入力された自動車登録統計情報を取得して格納することにより前記目的を達成する。
【0022】
請求項15記載の発明では、請求項12記載の発明において、前記新車証券の発行体であるSPC(特別目的会社)により作成された過去の入金延滞情報をコンピュータを使用した通信により仲介する入金延滞情報仲介手段を備え、
前記債権化診断データベースは、前記入金延滞情報仲介手段により仲介された過去の入金延滞情報の中から、前記購入者の過去の入金延滞情報を取得して格納することにより前記目的を達成する。
請求項16記載の発明では、請求項12から請求項15のうちいずれか1の請求項に記載した発明において、前記証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報と、前記証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報とを、コンピュータを使用した処理により比較照合する比較照合手段を備え、前記診断手段は、前記比較照合手段により比較照合された結果を基に前記妥当性の診断を実行することにより前記目的を達成する。
【0023】
請求項17記載の発明では、請求項12から請求項15のうちいずれか1の請求項に記載した発明において、前記証券化対象車輌の購入者の情報からコンピュータを使用した処理により前記購入者の支払い事故歴の有無を検索する検索手段を備え、前記診断手段は、前記検索手段により検索された前記購入者の支払い事故歴の結果を基に前記妥当性の診断を実行することにより前記目的を達成する。請求項18記載の発明では、請求項12から請求項17のうちいずれか1の請求項に記載した発明において、コンピュータを使用した通信により前記製造メーカーと情報通信する通信手段を備え、前記転送手段は、前記通信手段を用いて前記診断結果を前記製造メーカーに転送することにより前記目的を達成する。
【0024】
請求項19記載の発明では、請求項12から請求項18のうちいずれか1の請求項に記載した発明において、前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報をコンピュータを使用した通信により仲介する登録情報仲介手段を備え、前記管理データベースは、前記登録情報仲介手段により仲介された前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報を取得して格納することにより前記目的を達成する。
請求項20記載の発明では、請求項12から請求項18のうちいずれか1の請求項に記載した発明において、前記証券化対象車輌の支払い条件、車輌情報をコンピュータを使用した通信により入力することを促す車輌情報入力手段を備え、前記管理データベースは、前記車輌情報入力手段により入力された情報を前記証券化対象車輌の債権情報として取得して格納することにより前記目的を達成する。
【0025】
請求項21記載の発明では、請求項12から請求項18のうちいずれか1の請求項に記載した発明において、中古車および新古車市場の過去の車輌査定情報をコンピュータを使用した通信により入力することを促す車輌査定情報入力手段を備え、前記管理データベースは、前記車輌査定情報入力手段により入力された情報を前記証券化対象車輌の査定情報として取得することにより前記目的を達成する。
請求項22記載の発明では、請求項12から請求項21のうちいずれか1の請求項に記載した発明において、前記証券化対象車輌の査定値をコンピュータを使用した処理により算出する査定値算出手段を備え、前記算出手段は、前記新車証券の価値を前記査定値算出手段により算出された査定値を基に算出することにより前記目的を達成する。
【0026】
請求項23記載の発明では、新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化するとき、即ち新車証券を発行するときに使用される証券化プログラムであって、少なくとも証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報と過去の販売実績情報、および前記証券化対象車輌の購入者の情報を取得して債権化診断データベースに登録する債権化診断データベース登録機能と、前記新車の製造メーカーより前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断依頼を受け、前記債権化診断データベース登録機能により債権化診断データベースに登録された情報を基に前記妥当性の診断を実行する診断機能と、前記診断機能により実行された、前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断結果を前記製造メーカーに転送する転送機能と、少なくとも前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報、前記証券化対象車輌の債権情報、および前記証券化対象車輌の査定情報を取得して管理データベースに登録する管理データベース登録機能と、前記転送機能により転送された診断結果を基に証券化された新車証券の価値を、前記管理データベースに登録された情報を基に算出する算出機能と、をコンピュータに実現させることを特徴とする証券化プログラム。
【0027】
請求項24記載の発明では、新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化するとき、即ち新車証券を発行するときに使用される証券化プログラムを格納した記憶媒体であって、少なくとも証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報と過去の販売実績情報、および前記証券化対象車輌の購入者の情報を取得して債権化診断データベースに登録する債権化診断データベース登録機能と、前記新車の製造メーカーより前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断依頼を受け、前記債権化診断データベース登録機能により債権化診断データベースに登録された情報を基に前記妥当性の診断を実行する診断機能と、前記診断機能により実行された、前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断結果を前記製造メーカーに転送する転送機能と、少なくとも前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報、前記証券化対象車輌の債権情報、および前記証券化対象車輌の査定情報を取得して管理データベースに登録する管理データベース登録機能と、前記転送機能により転送された診断結果を基に証券化された新車証券の価値を、前記管理データベースに登録された情報を基に算出する算出機能と、をコンピュータに実現させることを特徴とする証券化プログラムを記憶した記憶媒体。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の証券化方法、証券化システム、証券化プログラム、および証券化プログラムを記憶した記憶媒体における好適な実施の形態について、図1から図12を参照して詳細に説明する。
なお、本実施形態における証券化とは、新車の売掛債権と車輌所有権とを債権化して新車証券を発行する手続きを示す。
図1は、本実施形態の証券化システムにおけるリスク管理システムの全体的なシステム構成を示した図である。
この図1に示すようにリスク管理システムは、新車証券の債権診断システムおよび発行済み新車証券のアセットバック管理システムの一形態として機能するリスク管理システムサーバー10を備えており、このリスク管理システムサーバー10は、ネットワーク20を介して、自動車メーカー30の販売管理システム端末31、SPC40の会計システム端末41、証券会社50の証券管理システム端末51および総合管理端末60が接続可能に構成されている。
【0029】
本実施形態においては、リスク管理システムサーバー10、自動車メーカー30の販売管理システム端末31、SPC40の会計システム端末41、証券会社50の証券管理システム端末51および総合管理端末60が、互いにネットワーク20であるインターネットを介して各種データを送受信するようになっているが、ネットワーク20としては、インターネットに限られるものではなく、キャプテンシステム、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(ワイド・エリア・ネットワーク)などのデータの送受信が可能なネットワークであればよい。
【0030】
このネットワーク20は、該ネットワーク20よりも小さなネットワークやサブネットワークを含んでいても、含んでいなくてもよい。さらに、このネットワーク20は、リスク管理システムサーバー10と各端末、各端末相互間が、有線、無線(通信衛星による通信を含む)、および両方のいずれにより接続されるネットワークでもよく、専用回線のみによるネットワーク、専用回線を一部に含む交換回線によるネットワーク、専用回線を含まない公衆回線によるネットワークのいずれでもよい。また、データの送受信が可能であれば必ずしもネットワークにより接続されなくてもよい。
リスク管理システムサーバー10は、本実施形態における各種処理の核となる部分であり、各種DWH(データ・ウェアハウス)やDB(データベース)を備えるデータベースサーバーおよびWWWサーバーなどのコンピュータで構成されている。
【0031】
一方、販売管理システム端末31、会計システム端末41、および証券管理システム端末51としては、インターネット接続可能なブラウザソフトを備えたパーソナルコンピュータが使用される。また、販売管理システム端末31、会計システム端末41、および証券管理システム端末51は、コンピュータシステムを内蔵しインターネットに対応可能な、ゲーム機やテレビその他の家庭電気器具、PDA(携帯情報端末)、通信専用携帯端末、携帯電話機などを使用するようにしてもよい。
なお、図1において、販売管理システム端末31、会計システム端末41、および証券管理システム端末51として各1台ずつが接続された状態について表示したが、実際には複数の端末が対象になり、複数が同時に接続される場合もある。
【0032】
リスク管理システムサーバー10は、図1に示すように、制御機関11、債権化診断機関12、アセットバック管理機関13およびバックアップ機関14を備えている。
債権化診断機関12は、系列ディーラー80からの当該車輌が証券化するに相応しい物件であるか否かの診断依頼である債権化問い合わせに対して、債権化診断処理を行う機関である。
債権化診断機関12は、図2に示すように、表示情報処理生成部120と、統計情報DWH121と、販売実績DWH122と、ポートフォリオDWH123とを備える。
【0033】
統計情報DWH121は、国土交通省より発表された登録地および車輌銘柄別に月ごとに集計されたデータを記憶する。このデータは、日本自動車販売協会連合会の発行する自動車登録統計情報を基に統計情報DWH121に入力される。図5に自動車登録統計情報の記載例(一部)を示す。図5(A)には、陸運局の管轄地域ごとに登録された新車台数が車種別に示されている。また図5(B)には、メーカーごとに登録された新車台数が車種別に示されている。
【0034】
販売実績DWH122は、系列ディーラーごとに車輌銘柄別の販売実績データを記憶する。この販売実績データは、オリジネーターである自動車系列ディーラー80から提出された販売実績報告を基に入力される。この販売実績報告データは、自動車メーカー30の販売管理システム端末31からネットワーク20を介して入力される。
ポートフォリオDWH123は、既に証券化(新車証券発行)されている証券の販売代金の回収実績データを記憶する。このデータは、SPC40の会計システム端末41で管理されている入金情報および入金延滞情報がネットワーク20を介して逐次入力されるようになっている。
【0035】
アセットバック管理機関13は、取引債券と対象車輌の登録情報との管理、および証券単位のアセットバリュー(資産担保価値)の算出処理を行う機関である。
アセットバック管理機関13は、図3に示すように、表示情報処理生成部130と、登録管理DWH131と、債権管理DWH132と、車輌査定情報DWH133とを備える。
登録管理DWH131は、証券化(新車証券発行)された車輌の登録情報を記憶し、この情報の管理を行う。車輌の登録情報は、自動車系列ディーラー80の販売管理システム端末31からネットワーク20を介して入力される。
【0036】
債権管理DWH132は、証券化(新車証券発行)された車輌の価値情報および受け取り債権の情報を記憶し、この情報の管理を行う。車輌の価値情報および受け取り債権の情報として、登録された対象車輌の支払い条件および車輌情報が、自動車系列ディーラー80の販売管理システム端末31からネットワーク20を介して入力される。
車輌査定情報DWH133は、過去の車輌の査定データをデータベース化したものを記憶する。この車輌の査定データベースのデータは、図示しない車輌相場情報システムから提供されたデータをネットワーク20を介して入力される。
【0037】
バックアップ機関14は、前述した統計情報DWH121、販売実績DWH122、ポートフォリオDWH123、登録管理DWH131、債権管理DWH132および車輌査定情報DWH133に記憶されているデータのバックアップ処理を行う機関である。
バックアップ機関14は、図4に示すように、バックアップDB140と、バックアップサービサー150とを備えている。
バックアップDB140は、統計情報DWH121、販売実績DWH122、ポートフォリオDWH123、登録管理DWH131、債権管理DWH132および車輌査定情報DWH133に記憶されているデータを定期的に記憶する。
【0038】
バックアップサービサー150は、リスク管理システムサーバー10のバックアップをする機関であり、バックアップDB151を備えている。
バックアップDB151は、バックアップDB140に記憶されているデータと同一内容のデータを記憶する。
なお、本実施例では、バックアップサービサー150はバックアップ機関14に格納されるようにしたが、独立した機関としてバックアップサービサー150を設けるようにしてもよい。
【0039】
販売管理システム端末31は、自動車メーカー30に備えられており、系列ディーラーからの車輌、仕様、価格などの受注情報の管理を行うための端末であり、入力部、表示部、記憶部、通信制御部などを有し、記憶部はリスク管理システムサーバー10に接続するための通信プログラム、受注情報の管理を行うための動作プログラム、該端末を特定する端末ID等を記憶する。
【0040】
会計システム端末41は、SPC40に備えられており、完成検査証の譲渡に対する対価および受益権の代金の回収、この回収に伴う各系列ディーラーおよび証券会社50からの入金情報や入金延滞情報などの管理を行うための端末であり、入力部、表示部、記憶部、通信制御部などを有し、記憶部はリスク管理システムサーバー10に接続するための通信プログラム、代金の回収および入金情報や入金延滞情報の管理を行うための動作プログラム、該端末を特定する端末ID等を記憶する。
【0041】
証券管理システム端末51は、証券会社50に備えられており、リスク管理システムサーバー10からの証券化情報および診断情報に基づいて証券化(新車証券発行)の可否を判断する端末であり、入力部、表示部、記憶部、通信制御部などを有し、記憶部はリスク管理システムサーバー10に接続するための通信プログラム、証券化の判断を行うための動作プログラム、該端末を特定する端末ID等を記憶する。
また、この証券管理システム端末は、証券会社50が独自で開発したオリジナルの端末である。
【0042】
総合管理端末60は、リスク管理システムサーバー10の運用・管理機能を備え、リスク管理システムサーバー10にネットワーク20を介して接続される複数の販売管理システム端末31、会計システム端末41、および証券管理システム端末51の全ての機能を備えた端末である。
この総合管理端末60は、遠隔地よりシステム全体を管理するための端末であり、入力部、表示部、記憶部、通信制御部などを有し、記憶部はリスク管理システム10に接続するための通信プログラム、システムの運用・管理などを行うための動作プログラム、該端末を特定するIDなどを記憶する。
【0043】
次に、このように構成された本実施形態の新車証券化システムにおける動作について説明する。
(A)債権化診断依頼処理
まず、自動車メーカー30が、販売管理システム端末31を用いてリスク管理システムサーバー10における債権化診断の依頼をするための債権化診断依頼処理について説明する。
例えば、自動車メーカー30は、販売管理システム端末31からネットワーク20を介してリスク管理システムサーバー10にアクセスし、債権化診断依頼の要求をする。すると、リスク管理システムサーバー10から債権化診断依頼のサイト画面が送信されるので、これを受信して販売管理システム端末31に表示する。そして、このサイト画面で入力が促されている項目である、債権化診断の対象車輌の車種、販売系列ディーラー、当該自動車購入者氏名・住所、支払い条件などを入力し、送信処理を行うことでリスク管理システムに対して対象車輌の債権化診断依頼を要求する。
【0044】
図11は、リスク管理システムサーバー10から送信される債権化診断依頼のサイト画面の一例を示した図である。
販売管理システム端末31から、診断対象車輌情報として、診断対象車輌のメーカー、車種、型式、色、装備を入力する。また、特記事項がある場合にはその内容を入力するようにする。さらに、診断対象車輌を販売する系列ディーラー名、および診断対象車輌を購入する購入者の情報を入力する。購入者の情報としては、購入者氏名、住所および支払い方法の具体的な内容を入力するようにしている。そして、全ての入力項目への入力が終了した場合には、データ送信ボタンを操作することにより債権化診断依頼の要求処理を実行できる。
【0045】
(B)債権化診断処理
次に、自動車メーカー30から債権化診断の要求が出されたときのリスク管理システムサーバー10の債権化診断機関12で行われる債権化診断処理について説明する。
図6は、リスク管理システムサーバー10の債権化診断機関12における債権化診断の処理手順の概要を示したフローチャートである。
まず、債権化診断機関12は、自動車メーカー30の販売管理システム端末31から送信された債権化診断依頼を受信する(ステップ11)。
そして、債権化診断機関12は、受信した債権化診断依頼から債権化診断対象車輌の情報を取得し債権化診断機関12の記憶部に格納する。
【0046】
債権化診断機関12は、債権化診断対象車輌の情報に基づいて車輌診断処理を実行する(ステップ12)。ここで行われる車輌診断処理の内容については後で詳述する。
車輌診断処理終了後、この車輌診断処理の結果データを債権化診断処理結果データとして記憶部に格納する。
次に、表示情報処理生成部120は、記憶部に格納されている債権化診断処理結果データを読み出し、この債権化診断処理結果の表示画面を生成し(ステップ13)、生成した債権化処理結果を債権化診断機関12の表示部に表示する(ステップ14)。
債権化診断機関12は、ネットワーク20を介して、債権化診断処理の結果データを動車メーカー30の販売管理システム端末31に送信する(ステップ15)。このとき、表示情報処理生成部120で生成した債権化診断処理結果を自動車メーカー30の販売管理システム端末31の表示部に表示させて処理を終了する。
【0047】
図12は、債権化処理結果の表示画面の一例を示した図である。
この債権化処理結果の表示画面には、販売実績診断結果、車輌購入者診断結果、項目別調査結果、および総合評価が表示されるようになっている。
販売実績診断結果の欄には、債権化診断機関12で算出された登録台数と販売実績台数との差(誤差)の比率を基に診断された結果として、「正常」または「異常」として表示される。この「正常」または「異常」の判断基準である誤差率は、任意に設定することができるようになっている。
車輌購入者診断結果の欄には、当該車輌購入者の支払い事故歴の有無を基に診断された結果として「正常」または「異常」として表示される。支払い事故歴が検出されなかった場合には「正常」、その他の場合には「異常」と表示される。項目別診断結果の欄には、リスク管理システムサーバー10で実行された個別調査の結果内容が表示される。なお、個別調査が実行されない場合には「正常」と表示されるようになっている。
総合評価の欄には、診断車輌に対する債権化診断機関12の総合評価が表示される。この総合評価は、最上級評価を「AAA」、最下級評価を「C」で示した9段階評価で行うようになっている。
【0048】
次に、債権化診断機関12で行われる車輌診断処理について説明する。
この車輌診断処理では、販売実績診断処理および車輌購入者診断処理が行われる。
図7は、リスク管理システムサーバー10の債権化診断機関12における販売実績診断の処理手順について示したフローチャートである。
まず、債権化診断対象車輌(以下、診断車輌とする。)の情報に基づき診断車輌の車種を特定する(ステップ21)。
そして、債権化診断機関12は、診断車輌を取り扱う系列ディーラーの管轄エリアにおける過去の診断車輌と同一車種の新車の登録台数を、統計情報DWH121より検出する(ステップ22)。検出された登録台数を債権化診断機関12の記憶部に格納する。
【0049】
次に、債権化診断機関12は、診断車輌と同一車種の販売実績台数を販売実績DWH122より検出する(ステップ23)。検出された販売実績台数を債権化診断機関12の記憶部に格納する。
そして、債権化診断機関12は、検出された登録台数と販売実績台数とを比較し、両者間の台数の違いを算出する(ステップ24)。
ここで算出された登録台数と販売実績台数との差を基に販売実績の正当性を判断する(ステップ25)。
具体的には、算出された結果が債権化診断機関12の規定する基準レベルより高いレベルである場合には、異常値であると判断し、その結果を診断結果として出力する。
【0050】
検出された結果が基準レベルより低いレベルである場合には、正常値であると判断し、その結果を販売実績診断処理結果として記憶部に格納し(ステップ26)、処理を終了する。
つまり、債権化診断機関12では、診断車輌の発生理由の裏付けを取り、実際当該診断車輌がキャッシュフローを生み出すことができるか否かを診断した上で当該診断車輌の価値を判断する。
このように債権化診断機関12では、診断車輌の車種ごとに販売実績を診断するため、販売実績の正当性が伴わない特定の車種の証券化を未然に防止することができる。
【0051】
次に、リスク管理システムサーバー10の債権化診断機関12における車輌購入者診断処理について説明する。
債権化診断機関12は、診断車輌の情報における車輌購入者の情報を基に、当該車輌購入者の支払い事故歴の調査をする。この事故歴の調査は、ポートフォリオDWH123に格納されている情報を検出して実行する。
当該車輌購入者の情報がポートフォリオDWH123に存在しない場合には、外部の調査専門機関(例えば、信販会社の与信調査部門など)に当該車輌購入者の支払い事故歴の調査を依頼し、その調査結果を取得する。
当該車輌購入者の支払い事故歴の調査結果を車輌購入者診断処理結果として記憶部に格納する。
【0052】
債権化診断機関12は、記憶部に格納された販売実績診断処理結果および車輌購入者診断処理結果を、所定の診断条件に基づいて解析し、これらの解析結果が債権化診断機関12の定める証券化判定基準に達しているか否かを判断する。
そして、この解析結果が証券化判定基準に達している場合、この判断結果、販売実績診断処理結果および車輌購入者診断処理結果のデータを含む車輌診断処理の結果データを債権化診断処理結果データとして記憶部に格納する。
【0053】
一方、解析結果が証券化判定基準に達していない場合、例えば、統計情報DWH121に格納されている公知データおよび販売実績DWH122に格納されている系列ディーラーの販売実績データとから異常値が検出された場合や車輌購入者の支払い事故歴が存在した場合など、証券化判定基準を満たさない項目の内容についてリスク管理システムサーバー10で個別調査を実行する。そして、この個別調査結果を含む車輌診断処理の結果データを債権化診断処理結果データとして記憶部に格納する。
なお、リスク管理システムサーバー10では、上述したような自動車メーカー30からの債権化診断依頼に基づく債権化診断だけでなく、SPC40からの信託受益権診断依頼に基づく債権価値の診断も同様に行うことが可能である。
【0054】
(C)債権化オーダー処理
次に、債権化診断機関12から債権化診断処理結果が送信され後の自動車メーカー30の販売管理システム端末31で行われる債権化オーダー処理について説明する。
図8は、販売管理システム端末31およびリスク管理システムサーバー10における債権化オーダーの処理手順について示したフローチャートである。
販売管理システム端末31は、債権化診断機関12から債権化診断処理結果を受信すると、この債権化処理結果を販売管理システム端末31の表示部に表示する(ステップ31)。
次に、販売管理システム端末31は、受信した診断結果データを解析し、証券化する車輌を決定する(ステップ32)。ここで証券化が決定した車輌を販売管理システム端末31は、図示しない登録データ部に登録する。
【0055】
販売管理システム端末31は、証券化が決定した車輌の証券化の注文依頼データ(証券化オーダー)を作成し、リスク管理システムサーバー10に送信する(ステップ33)。
リスク管理システムサーバー10は、販売管理システム端末31からの証券化の注文依頼データを受信し(ステップ34)、リスク管理システムサーバー10の記憶部に格納する。
そして、リスク管理システムサーバー10は、受信した注文依頼データを基に対象車輌の支払い条件、車輌情報などを登録管理DWH131および債権管理DWH132に登録する(ステップ35)。
次に、リスク管理システムサーバー10は、受信した証券化の注文依頼データを基に証券化注文情報や対象車輌の各種情報を作成し、これらの情報を証券会社50の証券管理システム端末51にネットワーク20を介して送信する(ステップ36)。
証券管理システム端末51は、リスク管理システムサーバー10から送信された証券化対象車輌情報を受信し(ステップ37)、処理を終了する。なお、証券管理システム端末51で受信された証券化対象車輌情報は、所定の証券化ファイルに保存される。
【0056】
(D)債権管理DWH132の情報更新処理
次に、アセットバック管理機関13に備えられている債権管理DWH132に格納されている情報の更新処理について説明する。
まず、リスク管理システムサーバー10は、証券化対象車輌の購入者からの入金情報を取得するために、入金情報取得依頼をSPC40の会計システム端末41に送信する。
会計システム端末41は、リスク管理システムサーバー10からの入金情報取得依頼を受信し、受信した入金情報取得依頼に基づいて該当する購入者の入金情報をリスク管理システムサーバー10に送信する。
リスク管理システムサーバー10は、会計システム端末41から送信された購入者の入金情報を受信し、この入金情報に基づいて債権管理DWH132に格納されている情報の更新を行う。
【0057】
(E)アセットバック管理処理
アセットバック管理機関13において実行される発行済み新車証券に対するアセットバック管理処理について説明する。
リスク管理システムサーバー10のアセットバック管理機関13では、証券化対象車輌が償還されるまでの間、当該証券化対象車輌の現時点での価値を算出することができるようになっている。
アセットバック管理機関13は、現在時点で発行済みの新車証券の対象となっている車輌のうち債権の償還が完了していない車輌の登録情報を登録管理DWH131より検出し、この検出された登録情報に記載されている当該車輌の条件と同等レベルの車輌の査定情報を車輌査定情報DWH133に格納されている情報より検出する。
【0058】
そして、この車輌査定情報DWH133より検出された情報に基づいて当該証券化対象車輌の車輌本体価値を算出する。車輌査定情報DWH133は、図示しない車輌相場情報システムから提供された中古車・新古車市場における過去のオークションでの実績情報に基づいている。
さらに、アセットバック管理機関13は、債権管理DWH132より当該証券化対象車輌の債権情報を検出し、この債券情報に基づいて未償還部分の価値を算出する。
そして、アセットバック管理機関13は、算出された車輌本体価値と未償還部分の価値とに基づいて当該証券化対象車輌価値を算出する。
【0059】
上述したリスク管理システムを備えることより、発行される新車証券の信頼性が向上する。そして、新車証券の信頼性が向上することにより、投資家90は安心して新車証券を購入することができる。また、新車証券の信頼性が向上することにより、新車証券の価値が向上するため、結果的にはオリジネーターである自動車メーカー30は、より多くの現金を調達することが可能になる。
そして、自動車メーカー30は、毎月発生する売掛債権を毎月集金する売掛債権で再投資することにより、運転資金を銀行借入や社債発行といった方法により調達する必要がなくなる。さらに、自動車メーカー30は、売掛債権を証券化することにより、総資産利益率、株主資本利益率などの財務指数の改善、つまり、バランスシートのオフバランス化を図ることができる。
【0060】
図9は、上述したリスク管理システムを用いた車輌売掛債権の証券化スキームの概要を示した図である。
また、図10は図9に示す証券化スキームを実現させるための証券化システムのシステム構成を示した図である。
なお、図10において図1と重複する箇所ついては説明を省略する。
図示する各端末としては、インターネット接続可能なブラウザソフトを備えたパーソナルコンピュータが使用される。また、図示する各端末は、コンピュータシステムを内蔵しインターネットに対応可能な、ゲーム機やテレビその他の家庭電気器具、PDA(携帯情報端末)、通信専用携帯端末、携帯電話機などを使用するようにしてもよい。また、図10において、各端末として各1台ずつが接続された状態について表示したが、実際には複数の端末が対象になり、複数が同時に接続される場合もある。
各端末は、入力部、表示部、記憶部、通信制御部などを有し、記憶部は通信プログラム、動作プログラムなどの各種プログラム、該端末を特定する端末ID等を記憶する。
【0061】
この図9に示すように、資産の原保有者であるオリジネーター、即ち車輌を製造する自動車メーカー30は、系列ディーラー80の保有する売掛債権と車輌所有権とについて信託銀行70に信託設定(自益信託設定依頼)を行う。この自益信託設定依頼は、車輌の完成検査証を信託銀行70に提出することにより行われる。
自動車メーカー30は、予め譲渡手数料を系列ディーラー80に支払い、ここで信託設定される売掛債権の譲渡を受ける。
【0062】
ここで提出される完成検査証は、原則として系列ディーラー80より受注の確定した車輌が対象となっている。この系列ディーラー80より受注の確定した車輌とは、購入者100からの注文を受けている車輌を示す。また、この系列ディーラー80より受注の確定した車輌には、系列ディーラー80において過去の実績などを基に算出された見込み値により仕入れを確定した車輌が含まれることもある。
なお、完成検査証は、系列ディーラー80から購入者100へ納車するときに自動車検査証に変換される。この自動車検査証は、1車輌につき1通発行されるようになっているため、1車輌に複数の完成検査証を発行することはできない。
【0063】
信託銀行70は、自動車メーカー30より自益信託設定依頼を受けると、信託依頼を受けた車輌の価値の査定をリスク管理システムサーバー10に依頼する。このリスク管理システムサーバー10は、後述するSPC(特別目的会社)40と業務委託契約をしている査定業務を専門に行う査定専門会社である。
リスク管理システムサーバー10は、信託銀行から依頼を受けた証券化の対象となる車輌の妥当性の検証を行い、その結果を信託銀行70へ送る。
このリスク管理システムサーバー10で行われる証券化妥当性の検証方法については、上述した債権化診断処理を参照する。
【0064】
そして、信託銀行70は、リスク管理システムサーバー10から証券化対象車輌の評価額妥当性の承認が得られた車輌の完成検査証に対して、信託受益権を自動車メーカー30へ発行する。
自動車メーカー30は、信託銀行70より発行された信託受益権をSPC(特別目的会社)40へ譲渡する。
このSPC40は、証券の発行を目的(特別目的)として設立された特別目的会社であり、信託受益権などの資産の買い取りや、資金調達のための証券の発行、譲受け資産に関する信用補完などの業務を行う。
【0065】
SPC40は、業務委託契約をしているリスク管理システムサーバー10に自動車メーカー30より譲渡を受ける信託受益権の有する価値の査定を依頼する。リスク管理システムサーバー10は、信託受益権の有する価値の査定を行い、査定結果をSPC40へ送る。
なお、信託受益権の有する価値の査定方法は、証券化妥当性の検証方法と同様にして行う。
リスク管理システムサーバー10では、SPC40からの依頼を受けて信託受益権の発行対象である車輌の完成検査証の管理なども行う。
【0066】
そして、SPC40は、リスク管理システムサーバー10の査定結果を基に信託受益権の譲渡に対する対価格を決定し、その金額を自動車メーカー30へ支払う。ここでの支払いは、原則として現金払いである。
このようにして、自動車メーカー30は、SPC40に信託受益権を譲渡することにより現金を取得することができ、ここで取得した現金を運転資金として使用することができる。
つまり、信託受益権をSPC40に譲渡することにより銀行などからの借入を行うことなく運転資金を調達することができるようになる。
【0067】
自動車メーカー30から信託受益権の譲渡を受けたSPC40は、この信託受益権を資金調達者(本実施例では自動車メーカー30に該当する)と投資家90との間を取り持つアレンジャーである証券会社50に受益権を販売する。
受益権を購入する証券会社50は、受益権の代金をSPC40に支払い、購入した受益権を基に新車証券を発行して投資家90へ販売する。
証券会社50と取引を行う投資家90には、個人投資家、銀行などの機関投資家などが該当する。
一方、信託受益権をSPC40譲渡することにより運転資金を取得した自動車メーカー30は、この運転資金を使用して車輌の製造を行う。
【0068】
そして、完成した車輌を当該車輌の注文した系列ディーラー80に出荷する。系列ディーラー80は、自動車メーカー30から出荷された車輌を購入者100に納車する。この購入者100に納車する際に、SPC40において管理されている納車車輌の完成検査証の譲渡を受け、この完成検査証を自動車検証に変換し、この自動車検証と共に完成車輌を納車する。
SPC40から譲渡された完成検査証に対する対価は、系列ディーラー80から支払われる。系列ディーラー80は、購入者100から支払われる車輌の購入代金の一部を完成検査証の譲渡に対する対価としてSPC40に支払う。
SPC40は、系列ディーラー80から支払われた完成検査証に対する対価を証券会社50を介して投資家90に配当する。
本実施の形態に係る車輌売掛債権の証券化スキームでは、アレンジャーとして証券会社50を用いて新車証券の発行を行うようにしているが、SPC40の有する証券発行機能を用いて新車証券を発行し、SPC40から直接投資家90へ新車証券を販売できるようにすることも可能である。
【0069】
次に、SPC40と業務委託契約をしているバックアップサービサー150の働きについて説明する。
バックアップサービサー150は、通常は、SPC40およびリスク管理システムサーバー10の運営業務について監査法人により決済ごとにその報告を受けて運営を監視する業務を行っている。
リスク管理システムサーバー10が倒産した場合、バックアップサービサー150は、本実施例に係る車輌売掛債権の証券化スキームを円滑に運営するために、速やかにリスク管理システムサーバー10に代わり、証券化の対象となる車輌の妥当性の検証および信託受益権の有する価値の査定を行う。
また、オリジネーターである自動車メーカー30あるいは系列ディーラー80が倒産した場合、バックアップサービサー150は、新車証券化の対象となっている車輌を回収してその車輌の販売を代行する。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、新車証券化スキームに新車証券の有するリスク管理システムを導入することにより、新車証券の信頼性が保たれ、新車証券の価値を向上させることができる証券化システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の証券化システムにおけるリスク管理システムの全体的なシステム構成を示した図である。
【図2】債権化診断機関の説明図である。
【図3】アセットバック管理機関の説明図である。
【図4】バックアップ機関の説明図である。
【図5】自動車登録統計情報の記載例を示した図である。
【図6】債権化診断の処理手順の概要を示したフローチャートである。
【図7】販売実績診断の処理手順について示したフローチャートである。
【図8】債権化オーダーの処理手順について示したフローチャートである。
【図9】リスク管理システムを用いた車輌売掛債権の証券化スキームの概要を示した図である。
【図10】証券化スキームを実現させるための証券化システムのシステム構成を示した図である。
【図11】債権化診断依頼のサイト画面の一例を示した図である。
【図12】債権化処理結果の表示画面の一例を示した図である。
【図13】売掛債権の証券化を実施しない場合の自動車業界における流通機構について示した図である。
【図14】車輌売掛債権の証券化スキームの概要を示した図である。
【符号の説明】
10 リスク管理システムサーバー
20 ネットワーク
30 自動車メーカー
40 SPC
50 証券会社
60 総合管理端末
Claims (24)
- 新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化する方法、即ち新車証券を発行する証券化方法であって、
少なくとも証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報と過去の販売実績情報、および前記証券化対象車輌の購入者の情報を取得して債権化診断データベースに登録する第1ステップと、
前記新車の製造メーカーより前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断依頼を受け、前記第1ステップで債権化診断データベースに登録された情報を基に前記妥当性の診断を実行する第2ステップと、
前記第2ステップにより実行された、前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断結果を前記製造メーカーに転送する第3ステップと、
少なくとも前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報、前記証券化対象車輌の債権情報、および前記証券化対象車輌の査定情報を取得して管理データベースに登録する第4ステップと、
前記第3ステップにより転送された診断結果を基に証券化された新車証券の価値を、前記管理データベースに登録された情報を基に算出する第5ステップと、を具備することを特徴とする証券化方法。 - 前記製造メーカーにより作成された過去の販売実績情報をコンピュータを使用した通信により仲介する第1aステップを有し、
前記第1ステップは、前記第1aステップで仲介された過去の販売実績情報の中から、前記証券化対象車輌と同車種の過去の販売実績情報を取得することを特徴とする請求項1記載の証券化方法。 - 公的に発表された自動車登録統計情報を、コンピュータを使用した通信により入力することを促す第1bステップを有し、
前記第1ステップは、前記第1bステップで入力された自動車登録統計情報を取得することを特徴とする請求項1記載の証券化方法。 - 前記新車証券の発行体であるSPC(特別目的会社)により作成された過去の入金延滞情報をコンピュータを使用した通信により仲介する第1cステップを有し、
前記第1ステップは、前記第1cステップで仲介された過去の入金延滞情報の中から、前記購入者の過去の入金延滞情報を取得することを特徴とする請求項1記載の証券化方法。 - 前記証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報と、前記証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報とを、コンピュータを使用した処理により比較照合する第2aステップを有し、
前記第2ステップは、前記第2aステップで比較照合された結果を基に前記妥当性の診断を実行することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1の請求項に記載した証券化方法。 - 前記証券化対象車輌の購入者の情報からコンピュータを使用した処理により前記購入者の支払い事故歴の有無を検索する第2bステップを有し、
前記第2ステップは、前記第2bステップで検索された前記購入者の支払い事故歴の結果を基に前記妥当性の診断を実行することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1の請求項に記載した証券化方法。 - コンピュータを使用した通信により前記製造メーカーと情報通信する第3aステップを有し、
前記第3ステップは、前記第3aステップにより前記診断結果を前記製造メーカーに転送することを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1の請求項に記載した証券化方法。 - 前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報をコンピュータを使用した通信により仲介する第4aステップを有し、
前記第4ステップは、前記第4aステップで仲介された前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報を取得することを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか1の請求項に記載した証券化方法。 - 前記証券化対象車輌の支払い条件、車輌情報をコンピュータを使用した通信により入力することを促す第4bステップを有し、
前記第4ステップは、第4bステップで入力された情報を前記証券化対象車輌の債権情報として取得することを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか1の請求項に記載した証券化方法。 - 中古車および新古車市場の過去の車輌査定情報をコンピュータを使用した通信により入力することを促す第4cステップを有し、
前記第4ステップは、前記第4cステップで入力された情報を前記証券化対象車輌の査定情報として取得することを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか1の請求項に記載した証券化方法。 - 前記証券化対象車輌の査定値をコンピュータを使用した処理により算出する第5aステップを有し、
前記第5ステップは、前記新車証券の価値を前記第5aステップで算出された査定値を基に算出することを特徴とする請求項1から請求項10のうちいずれか1の請求項に記載した証券化方法。 - 新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化する方法、即ち新車証券を発行する証券化システムであって、
少なくとも証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報と過去の販売実績情報、および前記証券化対象車輌の購入者の情報を格納する債権化診断データベースと、前記新車の製造メーカーより前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断依頼を受け、前記債権化診断データベースに登録された情報を基に前記妥当性の診断を実行する診断手段と、
前記診断手段により実行された、前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断結果を前記製造メーカーに転送する転送手段と、
少なくとも前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報、前記証券化対象車輌の債権情報、および前記証券化対象車輌の査定情報を格納する管理データベースと、
前記転送手段により転送された診断結果を基に証券化された新車証券の価値を、前記管理データベースに登録された情報を基に算出する算出手段と、
を具備することを特徴とする証券化システム。 - 前記製造メーカーにより作成された過去の販売実績情報をコンピュータを使用した通信により仲介する販売実績仲介手段を備え、
前記債権化診断データベースは、前記販売実績仲介手段で仲介された過去の販売実績情報の中から、前記証券化対象車輌と同車種の過去の販売実績情報を取得して格納することを特徴とする請求項12記載の証券化システム。 - 公的に発表された自動車登録統計情報を、コンピュータを使用した通信により入力することを促す統計情報入力手段を備え、
前記債権化診断データベースは、前記統計情報入力手段により入力された自動車登録統計情報を取得して格納することを特徴とする請求項12記載の証券化システム。 - 前記新車証券の発行体であるSPC(特別目的会社)により作成された過去の入金延滞情報をコンピュータを使用した通信により仲介する入金延滞情報仲介手段を備え、
前記債権化診断データベースは、前記入金延滞情報仲介手段により仲介された過去の入金延滞情報の中から、前記購入者の過去の入金延滞情報を取得して格納することを特徴とする請求項12記載の証券化システム。 - 前記証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報と、前記証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報とを、コンピュータを使用した処理により比較照合する比較照合手段を備え、
前記診断手段は、前記比較照合手段により比較照合された結果を基に前記妥当性の診断を実行することを特徴とする請求項12から請求項15のうちいずれか1の請求項に記載した証券化システム。 - 前記証券化対象車輌の購入者の情報からコンピュータを使用した処理により前記購入者の支払い事故歴の有無を検索する検索手段を備え、前記診断手段は、前記検索手段により検索された前記購入者の支払い事故歴の結果を基に前記妥当性の診断を実行することを特徴とする請求項12から請求項15のうちいずれか1の請求項に記載した証券化システム。
- コンピュータを使用した通信により前記製造メーカーと情報通信する通信手段を備え、
前記転送手段は、前記通信手段を用いて前記診断結果を前記製造メーカーに転送することを特徴とする請求項12から請求項17のうちいずれか1の請求項に記載した証券化システム。 - 前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報をコンピュータを使用した通信により仲介する登録情報仲介手段を備え、
前記管理データベースは、前記登録情報仲介手段により仲介された前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報を取得して格納することを特徴とする請求項12から請求項18のうちいずれか1の請求項に記載した証券化システム。 - 前記証券化対象車輌の支払い条件、車輌情報をコンピュータを使用した通信により入力することを促す車輌情報入力手段を備え、
前記管理データベースは、前記車輌情報入力手段により入力された情報を前記証券化対象車輌の債権情報として取得して格納することを特徴とする請求項12から請求項18のうちいずれか1の請求項に記載した証券化システム。 - 中古車および新古車市場の過去の車輌査定情報をコンピュータを使用した通信により入力することを促す車輌査定情報入力手段を備え、
前記管理データベースは、前記車輌査定情報入力手段により入力された情報を前記証券化対象車輌の査定情報として取得することを特徴とする請求項12から請求項18のうちいずれか1の請求項に記載した証券化システム。 - 前記証券化対象車輌の査定値をコンピュータを使用した処理により算出する査定値算出手段を備え、
前記算出手段は、前記新車証券の価値を前記査定値算出手段により算出された査定値を基に算出することを特徴とする請求項12から請求項21のうちいずれか1の請求項に記載した証券化システム。 - 新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化するとき、即ち新車証券を発行するときに使用される証券化プログラムであって、
少なくとも証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報と過去の販売実績情報、および前記証券化対象車輌の購入者の情報を取得して債権化診断データベースに登録する債権化診断データベース登録機能と、
前記新車の製造メーカーより前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断依頼を受け、前記債権化診断データベース登録機能により債権化診断データベースに登録された情報を基に前記妥当性の診断を実行する診断機能と、
前記診断機能により実行された、前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断結果を前記製造メーカーに転送する転送機能と、
少なくとも前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報、前記証券化対象車輌の債権情報、および前記証券化対象車輌の査定情報を取得して管理データベースに登録する管理データベース登録機能と、
前記転送機能により転送された診断結果を基に証券化された新車証券の価値を、前記管理データベースに登録された情報を基に算出する算出機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする証券化プログラム。 - 新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化するとき、即ち新車証券を発行するときに使用される証券化プログラムを格納した記憶媒体であって、
少なくとも証券化対象車輌と同車種の登録車輌情報と過去の販売実績情報、および前記証券化対象車輌の購入者の情報を取得して債権化診断データベースに登録する債権化診断データベース登録機能と、
前記新車の製造メーカーより前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断依頼を受け、前記債権化診断データベース登録機能により債権化診断データベースに登録された情報を基に前記妥当性の診断を実行する診断機能と、
前記診断機能により実行された、前記新車の売掛債権と車輌所有権とを証券化することの妥当性の診断結果を前記製造メーカーに転送する転送機能と、
少なくとも前記証券化対象車輌の前記製造メーカーにおける登録情報、前記証券化対象車輌の債権情報、および前記証券化対象車輌の査定情報を取得して管理データベースに登録する管理データベース登録機能と、
前記転送機能により転送された診断結果を基に証券化された新車証券の価値を、前記管理データベースに登録された情報を基に算出する算出機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする証券化プログラムを記憶した記憶媒体。
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