JP2004021288A - Icカード情報表示器及び表示機能付きicカード並びにicカード情報表示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポイントやサービス内容等カードに格納した情報の一部を確認し得て、軽くて、ハンディで使用が簡易かつ安価にして、ユーザが高い利便性を維持しつつ安心してサービスを享受できる環境を実現するICカード情報表示器及び表示機能付きICカード並びに表示方法の提供。
【解決手段】変復調回路6、制御CPU7、メモリ8等の非接触ICカード1のICカード共通機能を実現するICカード共通回路部Xに加えて、低消費電力かつ電力の供給が停止しても一定時間表示を継続できる表示素子9を表示駆動回路10を介して制御CPU7に接続し、リーダライタ11通過後、一定時間情報を表示素子9に表示させる特徴的構成手段の採用。
【選択図】 図1
【解決手段】変復調回路6、制御CPU7、メモリ8等の非接触ICカード1のICカード共通機能を実現するICカード共通回路部Xに加えて、低消費電力かつ電力の供給が停止しても一定時間表示を継続できる表示素子9を表示駆動回路10を介して制御CPU7に接続し、リーダライタ11通過後、一定時間情報を表示素子9に表示させる特徴的構成手段の採用。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エリア系、交通系、金融系、流通系、公共系、通信系などのサービスで利用されているICカードシステム対応のICカード情報表示器及び表示機能付きICカード並びにICカード情報表示方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ビルや特定エリアでの入退室管理、データベースヘのアクセス制限、ブリペイドなどエリア系サービスでは、身分証、学生証、入門証といった形でICカードが利用されている。また、銀行及びクレジットなどの金融系サービスは、本人を確認する手段として磁気カードやICカードが大量に利用されている。さらに、現状の交通系、通信系及び流通系サービスでも、磁気カードが大量に利用されている。
【0003】
近年、銀行キャッシュカードやクレジットカードなとの金融系磁気カードについては、ピッキングなどの問題があり、よりセキュリティの高いICカードヘの移行が決定している。また、テレフォンカードについても変造など不正利用防止及び機構部分を排除して機器コスト及びメンテナンスコストを低減させる観点から、非接触ICカードヘ置き換わりつつある。また、ユーザ利便性向上などの観点から、鉄道改札システム、バスシステム、入門証等交通系及びエリア系サービスについても非接触ICカードが導入され始めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ポイントサービスに代表される流通系サービスにおいて、従来、廉価性の観点から磁気やプラスチックのカードが受け入れられている。近年、あまりにも多数の磁気やプラスチックのポイントカード等を個人が保管する必要が生じてきているため、カードの優れた携帯性以上に、管理の煩雑さが顕在化しつつある。
【0005】
このため、「パスネット」のように交通系サービス囲い込み手段として、企業間連携によるカードの複合・多目的利用も導入されつつある。複合・多目的利用では、メモリ容量に制限のある磁気カード(100バイト以下)に比べて、大きなメモリを有したICカードが適しており、ユーザ利便性及びメンテコスト低減等を考慮すれば、非接触ICカードが主流になるものと予想される。
【0006】
従って今後、高セキュリティ化、ユーザ利便性向上、複合・多目的利用促進等が進展するにつれ、不正利用防止、機器コスト低減、メンテナンスコスト削減、複合・多目的利用におけるメモリ有効利用の観点から、従来の磁気カードはICカードに、特に利便性を重視する分野については磁気カードから一気に非接触ICカードヘと移行が進むものと考えられている。
【0007】
このように、ICカードを利用した具体的なサービスが社会に導入され、一部の複合・多目的利用が促進されていく中で、「保有しているカードの蓄積ポイント、有効期限等の情報を確認したい」という欲求が起こることは自然の流れである。特に、複合・多目的利用カードでは「自分はどのようなサービスを受けることができるか?」という心配があるため、カードに格納された情報を確認するという行為は避けられない。
【0008】
従来、券面印刷によってどのような組織帰属で、どのようなサービス種別のカードかを識別できた。今後、複数サービス提供者相乗りでの複合・多目的サービスが進展し、例えば、ユーザは好きなタレント等の写真をカードに印刷し、カード外観では帰属も種別も解らないといった事が十分考えられる。この際、ユーザが安心してカードを利用するためには、帰属や種別を容易に確認できるような低コストで操作が簡便なICカード情報表示器あるいは表示機能付きICカードが不可欠となる。
【0009】
これまでのバランスリーダやビューアと呼ばれる表示器では、読み取り機能に特化することにより、ソフトやハードの簡略化を図っている。しかし、機器構成が基本的にリーダライタと同じであり、日常持ち歩くにはかさばって重い、機能の割には高価という課題があった。これでは「一枚のカードで複数のサービスが利用でき、財布などがかさばらない」、といったメリットが帳消しになってしまっていた。
【0010】
以上説明したように、「カードに蓄積されたポイント等の情報を確認したい」、「複合・多目的サービス利用で利用できるサービスを確認したい」、といったユーザの要求に対して、カードに格納されている情報を表示させる機器は不可欠である。しかしながら、従来のバランスリーダやビューアといった表示器は少なくとも財布に入らない程度にかさばっていて、機能の割に高価であるといった課題があった。
【0011】
高い利便性を維持しつつ、ユーザに安心し囲い込みを強化するためにも、従来に無い、軽くてハンディで、使用が煩雑でなく、安価な表示器あるいは操作性に優れた表示機能付きICカードが強く望まれていたが、現在まで具体的な提案はなかった。
【0012】
バランスリーダやビューアといった従来の表示器では、基本的にカードあるいはリーダライタに使っていた部品を搭載し、表示にも安価なガラスを中心とした液晶表示素子を適用していたため、比較的サイズが大きかった。また、電池搭載が前提であったため、重く、定期的な電池交換等煩わしいメンテナンスが必要であった。
【0013】
ここにおいて、本発明の解決すべき主要な目的は、次の通りである。
即ち、本発明の第1の目的は、ポイントやサービス内容等カードに格納した情報の一部を確認し得るICカード情報表示器及び表示機能付きICカード並びにICカード情報表示方法を提供せんとするものである。
【0014】
本発明の第2の目的は、軽くて、ハンディで、使用が繁雑でなく安価なICカード情報表示器及び表示機能付きICカード並びにICカード情報表示方法を提供せんとするものである。
【0015】
本発明の第3の目的は、ユーザが高い利便性を維持しつつ安心してサービスを享受できる環境を実現するICカード情報表示器及び表示機能付きICカード並びにICカード情報表示方法を提供せんとするものである。
【0016】
本発明の他の目的は、明細書、図面、特に特許請求の範囲の各請求項の記載から自ずと明らかとなろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明表示器は、前記課題の解決に当り、制御CPU、メモリ等ICカードの機能を実現する部品に加えて、低消費電力かつ電力の供給が停止しても一定時問表示を継続できる表示素子及びその表示駆動回路を実装し、リーダライタ(ゲート)通過後、一定時間情報を表示させること及び、動作電力は、電池を内蔵しそこから得たり、あるいは外部リーダライタからの電磁波から生成したりし、外部の電磁波から動作電力を生成する場合は、上記部品に加えて、送受信アンテナ、送受信回路、変復調回路を実装する特徴的構成手段を講じる。
【0018】
本発明カードは、前記課題の解決に当り、前記本発明表示器に実装された全部品を内蔵する特徴的構成手段を講じる。
【0019】
本発明表示方法は、通信機能とメモリ機能からなるICカード共通機能を有する非接触ICカードに対応して当該ICカード共通機能と表示機能を備えるICカード情報表示手段のICカード情報表示方法と、前記ICカード共通機能と表示機能を一体組込んだ表示機能付きICカードのICカード情報表示方法が、又リーダライタから給電を受けて活性化される場合と、電源回路に電池を用いる場合がそれぞれ存し、表示段階では、前記リーダライタからの読み出しコマンドを受けて返信された表示情報を前記ICカード情報表示手段が傍受することにより表示する場合と、読み出しコマンドを発した前記リーダライタが返信された表示情報を前記ICカード情報表示手段に一旦書き込ませた後、表示する場合と、前記リーダライタからの読み出しコマンドを受けた表示機能付きICカードが表示情報を返信する際に同時に表示する場合と、前記リーダライタからの読み出しコマンドを受けた表示機能付きICカードが書き換えられた表示情報を検知して表示する場合とがそれぞれ存し、それぞれの方法や場合に則してシーケンス処理が実施される特徴的手法を講じる。
【0020】
さらに、具体的詳細に述べると、当該課題の解決では、本発明が次に列挙する新規な特徴的構成手法及び手段を採用することにより、前記目的を達成するよう為される。
【0021】
本発明表示器の第1の特徴は、CPUあるいは制御回路、メモリ、変復調回路、全回路電力を賄う電源回路を含む機能要素でICカード共通回路部を構成する非接触ICカードに、当該ICカード共通回路部の前記CPUに対し表示駆動回路を介して接続するとともに低消費電力で動作しかつ不揮発性を備えた表示素子を有する表示手段を備えてICカード情報表示器となし、前記電源回路からの電力の供給が停止した後においても表示内容の確認に十分な時間に亙り表示を継続できる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0022】
本発明表示器の第2の特徴は、上記本発明表示器の第1の特徴における前記非接触ICカードが、前記ICカード共通回路部内に、送受信用アンテナ、前記電源回路、前記CPUに直結した変復調回路と、それぞれ接続する送受信回路を備え、他の各別の非接触ICカード、非接触ICカード用リーダライタ、ICカード情報表示器あるいは表示機能付きICカードと、それぞれ電磁波を用いて相互に通信できる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0023】
本発明表示器の第3の特徴は、上記本発明表示器の第2の特徴における前記ICカード情報表示器が、前記リーダライタからの電磁波を用いて、前記表示手段の動作にも必要な電力を生成できる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0024】
本発明表示器の第4の特徴は、上記本発明表示器の第2の特徴における前記電源回路が、電池を内蔵し、当該電池から得られる電力で前記表示手段をも動作できる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0025】
本発明表示器の第5の特徴は、上記本発明表示器の第2、第3又は第4の特徴における前記表示手段が、前記メモリ内に格納されたポイント、有効期限、処理内容を含むサービス情報を、前記リーダライタと通信を行った後、前記表示素子に、一定時間表示してなる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0026】
本発明表示器の第6の特徴は、上記本発明表示器の第2、第3、第4又は第5の特徴における前記ICカード情報表示器が、前記メモリ内にサービス情報を格納した別の前記非接触ICカードと前記リーダライタ間の通信を傍受し、当該サービス情報を取得し、その内容を前記表示手段に表示してなる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0027】
本発明表示器の第7の特徴は、上記本発明表示器の第2、第3、第4又は第5の特徴における前記ICカード情報表示器が、前記非接触ICカードと直接通信することにより、あるいは直前に前記リーダライタが前記非接触ICカードから受信した情報を、当該リーダライタが送信し、この情報を受信して前記表示手段に表示してなる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0028】
本発明表示器の第8の特徴は、上記本発明表示器の第2、第3、第4、第5、第6又は第7の特徴における前記表示手段が、前記リーダライタから電磁波を受けて活性化され、最後に表示した内容を再度表示してなる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0029】
本発明表示器の第9の特徴は、上記本発明表示器の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7又は第8の特徴における前記非接触ICカードが、前記CPUと前記メモリを駆使する認証機能を備え、通信する情報の信頼性が確認できた後にのみ、前記メモリの表示情報の更新を許容してなる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0030】
本発明表示器の第10の特徴は、上記本発明表示器の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8又は第9の特徴における前記表示素子が、電気泳動型、ツイストボール型、コレステリック液晶型又はエレクトロクロミック型を含んでなる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0031】
本発明カードの第1の特徴は、上記本発明表示器の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9又は第10の特徴に記載された前記ICカード共通回路部ともども、前記表示駆動回路と直結する表示素子を一体内蔵してなる、表示機能付きICカードの構成採用にある。
【0032】
本発明方法の第1の特徴は、通信機能とメモリ機能からなるICカード共通機能を有する非接触ICカードに対応して、当該ICカード共通機能と表示機能を備えるICカード情報表示手段のICカード情報表示方法であって、まず、通信エリア内に前記非接触ICカード及び前記ICカード情報表示手段が入ってきた場合、リーダライタは、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段に対して電力を給電し活性化させる処理と、次に、当該リーダライタは、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段を同一視することから、アンチコリージョン処理を行い、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段に対して、それぞれ少なくとも論理番号を付与する処理と、さらに、前記リーダライタと当該非接触ICカード間で、相互認証の後、読み出し/書き込み処理を行い、当該非接触ICカードに情報を格納する処理と、表示段階で、前記リーダライタは、当該非接触ICカードに対して表示情報の読み出しコマンドを送信するとともに、前記ICカード情報表示手段に対して表示開始を通知することにより、当該ICカード情報表示手段は前記非接触ICカードから前記リーダライタへ情報返信される情報を傍受するため待機状態とする処理と、前記非接触ICカードから前記リーダライタへ情報返信の際、前記ICカード情報表示手段は、情報返信を傍受することで、当該リーダライタ通過後、一定時間表示する処理と、を順次踏んで実施されてなる、ICカード情報表示方法の構成採用にある。
【0033】
本発明方法の第2の特徴は、通信機能とメモリ機能からなるICカード共通機能を有する非接触ICカードに対応して当該ICカード共通機能と表示機能を備えるICカード情報表示手段のICカード情報表示方法であって、まず、通信エリア内に前記非接触ICカード及び前記ICカード情報表示手段が入ってきた場合、リーダライタは、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段に対して電力を給電し活性化させる処理と、次に、当該リーダライタは、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段を同一視することから、アンチコリージョン処理を行い、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段に対して、それぞれ少なくとも論理番号を付与する処理と、さらに、前記リーダライタと当該非接触ICカード間で、相互認証の後、読み出し/書き込み処理を行い、当該非接触ICカードに情報を格納する処理と、表示段階で、前記リーダライタは、当該非接触ICカードに対して、表示情報の読み出しコマンドを送信し、当該非接触ICカードは、当該リーダライタに表示すべき情報を返信する処理と、当該リーダライタは、表示すべき情報を得た後、前記ICカード情報表示手段に対して、表示情報と一緒に表示情報書き込みコマンドを送信して書き込まれた後、一定時間、得られた情報を表示する処理と、を順次踏んで実施されてなる、ICカード情報表示方法の構成採用にある。
【0034】
本発明方法の第3の特徴は、通信機能とメモリ機能からなるICカード共通機能と表示機能を一体組込んだ表示機能付きICカードのICカード情報表示方法であって、まず、通信エリア内に当該表示機能付きICカードが入ってきた場合、リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して電力を給電し活性化する処理と、次に、当該リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して、通信路確立のため、アンチコリージョン処理を行う処理と、さらに、当該リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して、表示情報の読み出しコマンドを送信する処理と、当該表示機能付きICカードから当該リーダライタへ情報返信の際、同時に情報を表示させる処理と、を順次踏んで実施してなる、ICカード情報表示方法の構成採用にある。
【0035】
本発明方法の第4の特徴は、通信機能とメモリ機能からなるICカード共通機能と表示機能を一体組込んだ表示機能付きICカードのICカード情報表示方法であって、まず、通信エリア内に当該表示機能付きICカードが入ってきた場合、リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して電力を給電し活性化する処理と、次に、当該リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して、通信路確立のため、アンチコリージョン処理を行う処理と、さらに、当該リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して、表示情報の読み出しコマンドを送信する処理と、当該表示情報が書き換えられたことを検知した当該表示機能付きICカードは、書き換えられた表示情報を一定時間、表示させる処理と、を順次踏んで実施されてなる、ICカード情報表示方法の構成採用にある。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態をその表示器例、カード例及び表示方法例を詳説する。
【0037】
(表示器例)
図1は、本表示器例を示すICカード情報表示器の内部回路構成ブロック図である。
本表示器例は、本表示器例である情報表示器2と従来の非接触ICカード1とはそれぞれ分離した別体型であって、同図中、点線内で囲った送信アンテナ3、送受信回路4、電源回路5、変復調回路6、制御CPU7、メモリ8は、非接触ICカード1の機能要素と同一のICカード共通回路部Xである。
【0038】
即ち、本表示器例のICカード情報表示器2の機能を示す基本構成要素は非接触ICカード1と同様であるが、表示素子9及びその駆動回路10(昇圧回路も含む)が追加されている。ここでは図を使って、ICカード情報表示器2とリーダライタ11の基本動作について説明する。
【0039】
非接触ICカード1とリーダライタ11間通信と同様に、13.56MHzのキャリア電磁波をリーダライタ11からICカード情報表示器2に対して送信する。これによって、リーダライタ11からICカード情報表示器2に対して電力供給を行うと同時に情報(コマンドも含む)の送受信を行う。
【0040】
電力供給及び信号送受信の手順は以下の通りである。
▲1▼電力供給:ICカード情報表示器2は送受信アンテナ3及び送受信回路4にてリーダライタ11からの電磁波を受信した後、電源回路5にて整流し、各機能回路3〜10への電力供給を行う。同時に、従来の非接触ICカード1には無かった表示素子9及びそれを駆動する駆動回路10にも電力を供給する。リーダライタ11の給電能力や受信時間に応じて、電源回路5にはスーパキャパシタ等を挿入し、表示タイミングや表示時間を調整することが可能である。
【0041】
▲2▼信号送受信:ICカード情報表示器2は送受信アンテナ3にてリーダライタ11からの電磁波を受信した後、送受信回路4にて増幅し、重畳された信号の符号化方式に応じて変復調回路6を通して信号再生を行う。再生された信号は制御CPU7に送られ、メモリ8に書き込まれる。制御CPU7は必要に応じて正常受信した旨、リーダライタ11ヘACK/NAK等返信を行う。
【0042】
▲3▼情報表示:制御CPU7はメモリ8に書き込まれた情報を必要に応じて表示素子9に表示させる。表示指示及びその内容はリーダライタ11から指示された情報であり、表示側及びユーザ側で選択する必要がないため、ボタンなどの入力部品は不要である。
【0043】
このように、本表示器例によるICカード情報表示器2では、表示するための電力を非接触ICカード1と同様に、リーダライタ11から供給するために、電池の搭載が必要無い。従って、電池交換などのメンテナンスが不要となった。
【0044】
本表示器例のポイントは、▲1▼消費電力を大幅に抑えかつ、電力の供給が停止しても一定時間表示を継続できる表示素子9の採用、▲2▼リーダライタ11からの電力供給、▲3▼必要最小限の表示動作、であり、その結果、ICカード情報表示器2サイズのコンパクト化、重量を低減、操作ボタンなど入力部品の削減、機器コスト抑制を実現している。
【0045】
次に、部品構成について説明する。非接触ICカード1と同様のICカード共通機能については、そのまま非接触ICカード1の部品を転用できるため、制御CPU7も含めて20〜30mW程度の消費電力で動作させることができる。また、量産されている非接触ICカード1の部品を流用することで、機器コストの低減が可能である。
【0046】
表示素子9については、最も消費電力の少ない反射型液晶表示素子でも数10mW程度の電力を消費するため、液晶表示素子では電池搭載が避けられない。また、液晶表示素子を安価に製造するためにはガラスが適しており、そのため重くなったり、厚くなったりするといったことが起こる。さらに、液晶表示素子では電力供給を停止すれば表示しなくなるため、外部より給電する方法を採れば、表示中は電力供給を継続しなければならないといった使用制限も生じる。
【0047】
そこで、本表示器例では従来の反射型液晶表示素子に比べても非常に消費電力の小さな、電気泳動型表示素子9を採用する事で、電池搭載を無くし、リーダライタ11からの給電のみで情報を表示させることが可能となる。また、これらの表示素子9は電力供給を停止しても、一定時間(数分間程度保証)表示を維持することができるため、リーダライタ11から離れても表示を継続させることができた。
【0048】
本表示器例では電気泳動型表示素子9で詳細な特性を説明する。白色を表示する酸化チタン及び黒色を表示するカーボンブラックを同一のマイクロカプセル(直径100ミクロン以下)に溶媒と共に閉じ込め、これらのマイクロカプセルを上下から透明電極で挟みこんで表示素子とした。厚さ100ミクロン程度に仕上げた表示素子に、駆動電極などを積層実装することにより、厚さ1mm以下のサイズを実現するとともに、消費電力も反射型液晶の1/10以下まで下げる事ができた。
【0049】
図2に本表示器例のICカード情報表示器及びICカード共通回路部Xを内蔵した従来型の非接触ICカードを相互に分離別体とした物理形状を示す。
図中、1は非接触ICカード、2はICカード情報表示器である。電気泳動型表示素子9を採用することで、ICカード情報表示器2の厚さを1.5mmまで簿くすることができ、縦横の寸法についてもISO規定のID−1(54mm×85mm)に納める事が可能である。
【0050】
また、同図に示すように、最もシンプルな白黒表示であるが、非接触ICカード1に格納された情報を表示させることが可能である。この寸法であれば、定期券入れの財布のように透明プラスチック窓に合わせてICカード情報表示器2を入れ、その裏に重ねて非接触ICカード1を入れておけば、定期券やポイントカード等の情報をサイフに入れたまま表示させる事ができる。
【0051】
図3に本表示器例及び非接触ICカードによる操作イメージを示す。同図(A)は非接触ICカードとICカード情報表示器を重ねてリーダライタ(この場合、例えば入退室ゲート)にかざした状態である。また、同図(B)は非接触ICカードとICカード情報表示器がリーダライタ(ゲート)から離れて、ICカード情報表示器に格納情報の一部が表示された状態である。図中、1は非接触ICカード、2はICカード情報表示器、11はリーダライタ(ゲート)、αは情報非表示状態の表示素子、βは情報表示状態の表示素子である。
【0052】
リーダライタ11と非接触ICカード1間で通信を行った際、リーダライタ11はICカード情報表示器2も給電し活性化させている。しかし、電気泳動型表示素子9ではマイクロカプセル内粒子が物理的に移動して白黒表示するため、リーダライタ11から活性化されて直ぐに表示できる訳ではない。
【0053】
粒子の移動に数100m秒かかるため、活性化されて直ぐに情報表示を始めても、実際の表示が完了するのはリーダライタ(ゲート)11を通過した時点である。幸い、電力供給が停止しても移動した粒子が緩和されるには数分単位以上の時間がかかるため、この間ユーザは必要な情報、例えば、カード帰属、サービス内容、共通エコポイント、有効期限などを確認することができる。
【0054】
(表示方法例1)
前記本表示器例及び非接触ICカードに適用する本実施形態の表示方法例1の処理手順を図4につき説明する。
図4に、ICカード情報表示器2が、リーダライタ11と非接触ICカード1間の通信を傍受して表示する場合の処理シーケンスを示す。非接触ICカード1及びICカード情報表示器2が、リーダライタ(ゲート)11を通過後、遅延を伴ってカード格納情報が表示される処理手順は以下の通りである。
【0055】
▲1▼通信エリア内に非接触ICカード1及びICカード情報表示器2が入ってきた場合、リーダライタ11は非接触ICカード1及びICカード情報表示器2に対して電力を給電し活性化させる(ST1)。
【0056】
▲2▼次に、リーダライタ11は非接触ICカード1及びICカード情報表示器2が同一に見える事から、アンチコリージョン処理を行い、非接触ICカード1及びICカード情報表示器2に対して、それぞれ論理番号#1、#2等を付与する(ST2)。
▲3▼さらに、リーダライタ11と非接触ICカード1間で、相互認証の後、読み出し/書き込み処理を行い、非接触ICカード1に情報を格納する(ST3)。
【0057】
▲4▼表示段階で、リーダライタ11は非接触ICカード1に対して、表示情報の読み出しコマンドを送信するとともに、ICカード情報表示器2に対して表示処理開始を通知する。これにより、ICカード情報表示器2は非接触ICカード1からリーダライタ11ヘ情報返信される情報を傍受するために待機状態となる(ST4)。
▲5▼非接触ICカード1からリーダライタ11ヘ情報返信の際、ICカード情報表示器2は情報返信を傍受することで、ゲート通過後、一定時間情報を表示させる(ST5)。
【0058】
ICカード情報表示器2がリーダライタ11からのキャリア送信により活性化された後、ICカード情報表示器2の電源回路5は送信されたキャリアを整流し電力を蓄積する。この時点で、リーダライタ11からは、非接触ICカード1が2枚、自己のフィールド内に存在しているように見えている。
【0059】
非接触ICカード1からリーダライタ11に対する表示情報返信を、自己の送受信アンテナ3、送受信回路4にて傍受した後、情報は制御CPU7に伝えられ、表示駆動回路10を介してフレキシブル表示素子9に積層して配置された電極部に±15Vの信号を伝送する。
【0060】
これにより、前述のマイクロカプセル内酸化チタン及びカーボンブラックが電気的にひきつけられ、約200m秒後表示が完了した(明瞭なコントラストが得られた)。
従って、リーダライタ(ゲート)11の通過後、数100m秒後に、図2に示すような情報表示が完了する。特に、交通系ゲートではほぼ同じ時間でゲートを通過するため、ユーザは通過した後、カード情報を確認することになる。
【0061】
本表示方法例では、電気泳動型表示素子9を採用したが、白黒の表示(コントラスト)が電力供給停止後も一定時間維持されるといった特徴があるため、リーダライタ(ゲート)11通過後にユーザは内容確認ができる。
【0062】
(表示方法例2)
前記本表示器例及び非接触ICカードに適用する本実施形態の表示方法例2の処理手順を図5につき説明する。
図5に、リーダライタ11と非接触ICカード1間通信の後、リーダライタ11からICカード情報表示器2のメモリ8に書き込む情報を送信して、ICカード情報表示器2が表示する場合の本表示方法例2の処理シーケンスを示す。
【0063】
非接触ICカード1及びICカード情報表示器2が、リーダライタ(ゲート)11を通過後、カード格納情報が表示される処理手順は図4のST1〜ST3と同じである。但し、下記の▲6▼、▲7▼は異なる。
【0064】
▲6▼表示段階で、リーダライタ11は非接触ICカード1に対して、表示情報の読み出しコマンドを送信し、非接触ICカード1はリーダライタ11に表示すべき情報を返信する(ST4′)。
▲7▼リーダライタ11は表示すべき情報を得た後、ICカード情報表示器2に対して、表示情報と一緒に表示情報書き込みコマンドを送信する。書き込まれた後、一定時間、得られた情報が表示素子に表示される(ST5′)。
【0065】
図4及び図5の本表示方法例1乃至2の処理シーケンスで共通の事項は、表示に際して、ユーザはボタン操作など一切行わない事である。もし、表示確認が必要なければ、非接触ICカード1と一緒にICカード情報表示器2をリーダライタ11に近づけなければ良い。
【0066】
また、近接型非接触ICカード1の通信距離は高々10cm程度であるため、重ねた非接触ICカード1以外の情報を誤って取り込む可能性は殆どない。これにより、ICカード情報表示器2にボタン等の入力部品を実装する必要が無くなり、ユーザの操作性向上、機器のコストダウンが実現できている。
【0067】
本表示器例1では表示素子9として、電気泳動型表示素子を使って説明したが、低消費電力で動作しかつ不揮発性を備えた表示素子であれば、電気泳動型表示素子に限定されるものではなく、例えば、ツイストボール型、コレステリック液晶、エレクトロクロミック型等の素子を用いても同様の効果が得られたことは言うまでも無い。
【0068】
ICカード情報表示器2の表示は最後にEEPROMなどメモリ8に格納された情報を表示する訳であるから、リーダライタ11等からの電磁波を受け、ICカード情報表示器2が活性化した場合、最後の表示情報を再度表示させることも可能である。
本実施形態例では、リーダライタ11からの電磁波から電力を生成して動作する情報表示器2として説明したが、若干重く、大きくなるものの、電池を内蔵し、そこから電力を得て動作する情報表示器2とすることも可能である。
【0069】
以上のように、送受信アンテナ3、送受信回路4、変復調回路5、制御CPU7、メモリ8等非接触ICカード1のICカード共通機能を実現する機能要素に加えて、非常に消費電力を抑えた電気泳動型表示素子9を実装している。そのため、電池を内蔵しない場合でも、ICカード情報表示器2の電力はリーダライタ11から供給でき、上記表示素子9が電力供給停止後も一定時間表示を維持できるため、リーダライタ(ゲート)11通過後、一定時間情報を表示させていることが可能になっている。
【0070】
従って、液晶表示素子9を使った従来の情報表示器に比べて薄くすることができる。さらに、電池が内蔵されていない場合、電池が内蔵されている場合に比べて、軽く、電池交換等のメンテナンスが必要ない。
【0071】
(カード例)
本カード例による表示機能付きICカード1′の機能及び部品構成は前記本表示器例と同じである。
即ち、本カード例はICカード情報表示器2の表示素子9と表示駆動回路10を非接触ICカード1に一体組込んで一体型とした表示機能付きICカード1′である。
【0072】
図6に本カード例による表示機能付きICカードの物理形状を示す。電気泳動聖表示素子9を採用し、寸法についてISO規定のID−1(54mm×85mm×0.76mm)に納める事が可能である。
【0073】
図7に本カード例による操作イメージを示す。同図(A)は表示機能付きICカードをリーダライタ(この場合、例えば入退室ゲート)にかざした状態である。また、同図(B)は非接触ICカードがリーダライタ(ゲート)から離れて、ICカードに格納情報の一部が表示された状態である。
図中、1′は表示機能付きICカード、11はリーダライタ(ゲート)、α′は情報非表示状態の表示素子9、β′は情報表示状態の表示素子9である。
【0074】
リーダライタ11は、表示機能付きICカード1′に給電し、活性化させ、通信を行っている。しかし、電気泳動型表示素子9ではマイクロカプセル内粒子が物理的に移動して白黒表示するため、リーダライタ11から活性化されて直ぐに表示できる訳ではない。粒子の移動に数100m秒かかるため、活性化されて直ぐに情報表示をはじめても、実際の表示が完了するのはリーダライタ(ゲート)11を通過した時点である。
【0075】
幸い、電力供給が停止しても移動した粒子が緩和されるには数分単位以上の時間がかかるため、この間ユーザは必要な情報、例えば、カード帰属、サービス内容、共通エコポイント、有効期限などを確認することができる。
【0076】
(表示方法例3)
前記本カード例に適用した本実施形態例の表示方法例3の処理手順を図8につき説明する。
図8に、表示機能付きICカード1′がリーダライタ11と通信して表示する場合の処理シーケンスを示す。表示機能付きICカード1′が、リーダライタ(ゲート)11を通過後、遅延を伴ってカード格納情報が表示される仕組みは以下の通りである。
【0077】
▲1▼通信エリア内に表示機能付きICカード1′が入ってきた場合、リーダライタ11はカードに対して電力を給電し活性化させる(STA)。
▲2▼次に、リーダライタ11は表示機能付きICカード1′に対して、通信路確立のため、アンチコリージョン処理を行う(STB)。
【0078】
▲3▼さらに、リーダライタ11と表示機能付きICカード1′間で、相互認証の後、読み出し/書き込み処理を行い、表示機能付きICカード1′に情報を格納する(STC)。
▲4▼表示段階で、リーダライタ11はカード1′に対して、表示情報の読み出しコマンドを送信する(STD)。
▲5▼カード1′からリーダライタ11ヘ情報返信の際、同時に表示素子9に情報を表示させる(STE)。
【0079】
表示機能付きICカード1′がリーダライタ11からのキャリア送信により活性化された後、カードの電源回路5は送信されたキャリアを整流し電力を蓄積する。カード1′からリーダライタ11に対する表示情報返信を、送受信アンテナ3、送受信回路4にて受信した後、情報は制御CPU7に伝えられ、表示駆動回路10を介して、フレキシブル表示素子9に積層して配置された電極部に±15Vの信号を伝送する。
【0080】
これにより、前述のマイクロカプセル内酸化チタン及びカーボンブラックが電気的にひきつけられ、約200m秒後表示が完了した(明瞭なコントラストが得られた)。従って、リーダライタ(ゲート)11の通過後、数100m秒後に、図6に示すような情報表示が完了する。特に、交通系ゲートではほぼ同じ時間でゲートを通過するため、ユーザは通過した後、カード情報を確認することになる。
【0081】
本カード例では、電気泳動型表示素子9を採用したが、白黒の表示(コントラスト)が電力供給停止後も一定時間維持されるといった特徴があるため、リーダライタ(ゲート)11通過後にユーザは内容確認ができる。
【0082】
(表示方法例4)
前記本カード例に適用した本実施形態例の表示方法例4の処理手順を図9につき説明する。
図9に、リーダライタ11と表示機能付きICカード1′間で、認証、読み、書きの後、表示機能付きICカード1′が表示情報の書き換えを検知し、書き換え後の情報を表示する場合の本表示方法例4の処理シーケンスを示す。
【0083】
表示機能付きICカード1′が、リーダライタ(ゲート)11を通過後、カード格納情報が表示される仕組みは図8のSTA〜STCと同じである。但し、以降は異なる。
【0084】
STD、STEの段階で表示情報が書き換えられたことを検知したカード1′は、書き換えられた表示情報を一定時間、表示素子9に表示させる(STD′,STE′)。
【0085】
図8及び図9の本実施形態例の処理シーケンスで共通の事項は、表示に際して、ユーザはボタン操作など一切行わない事である。これにより、表示機能付きICカード1′にボタン等の入力部品を実装する必要が無くなり、ユーザの操作性向上、機器のコストダウンが実現できている。
【0086】
本実施形態例では表示素子9として、電気泳動型表示素子を使って説明したが、低消費電力で動作しかつ不揮発性を備えた表示素子であれば、電気泳動型表示素子に限定されるものではなく、例えば、ツイストボール型、コレステリック液晶、エレクトロクロミック型等の素子を用いても同様の効果が得られたことは言うまでも無い。
【0087】
表示機能付きICカード1′の表示は最後にEEPROMなどメモリに格納された情報を表示する訳であるから、リーダライタ11等からの電磁波を受け、表示器2が活性化した場合、最後の表示情報を再度表示させることも可能である。
【0088】
本実施形態例では、リーダライタ11からの電磁波から電力を生成して動作するICカード情報表示器2及び表示機能付きICカード1′として説明したが、若干重く、大きくなるものの、ペーパーバッテリ等の電池を内蔵し、そこから電力を得て動作するICカード情報表示器2及び表示機能付きICカード1′とすることも可能である。
【0089】
以上のように、送受信アンテナ3、送受信回路4、変復調回路5、制御CPU7、メモリ8等非接触ICカードのICカード共通機能を実現する機能要素に加えて、非常に消費電力を抑えた電気泳動型表示素子9を実装している。そのため、電池を内蔵しない場合でも、表示機能付きICカード1′の電力はリーダライタ11から供給でき、前記表示素子9が電力供給停止後も一定時間表示を維持できるため、リーダライタ(ゲート)11通過後、一定時間情報を表示させていることが可能になっている。
【0090】
また、本実施形態例においても表示素子9は電気泳動型表示素子を用いた例で説明を行ったが、本カード例は低消費電力で動作しかつ不揮発性を備えた表示素子であれば、電気泳動型表示素子9に限定されるものではなく、例えば、ツイストボール型、コレステリック液晶、エレクトロクロミック型等の素子を用いてもよいこと言うまでもない。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ポイント、有効期限や利用できるサービス内容等カードに格納した情報を確認する機能について、使用が煩雑でなく、安価なICカード情報表示器あるいは表示機能付きICカード並びにその表示方法を提供することができ、ユーザが高い利便性を維持しつつ、安心してカードサービスを享受できる環境を実現できる。
【0092】
さらに、電池を内蔵しない場合には、メンテナンスが不要で寿命が長く、小さく、軽いICカード情報表示器及びその表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるICカード情報表示器の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図2】同上、ICカード情報表示器及び非接触ICカードの物理形状の例である。
【図3】同上、ICカード情報表示器の動作例である。
【図4】同上による表示方法の表示に至る手順の処理シーケンス例である。
【図5】同上、表示に至る手順の処理シーケンスの別の例である。
【図6】同上、表示機能付きICカードの物理形状の例である。
【図7】同上、表示機能付きICカードの動作例である。
【図8】同上、表示機能付きICカードが表示に至る手順の処理シーケンス例である。
【図9】同上、表示機能付きICカードが表示に至る別の手順の処理シーケンス例である。
【符号の説明】
1…非接触ICカード
1′…表示機能付きICカード
2…ICカード情報表示器
3…送受信アンテナ
4…送受信回路
5…電源回路
6…変復調回路
7…制御CPU
8…メモリ
9…表示素子
10…表示駆動回路
11…リーダライタ
α…表示の無いICカード情報表示器
β…表示の有るICカード情報表示器
α′…表示の無い表示機能付きICカード
β′…表示の有る表示機能付きICカード
X…ICカード共通回路部
【発明の属する技術分野】
本発明は、エリア系、交通系、金融系、流通系、公共系、通信系などのサービスで利用されているICカードシステム対応のICカード情報表示器及び表示機能付きICカード並びにICカード情報表示方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ビルや特定エリアでの入退室管理、データベースヘのアクセス制限、ブリペイドなどエリア系サービスでは、身分証、学生証、入門証といった形でICカードが利用されている。また、銀行及びクレジットなどの金融系サービスは、本人を確認する手段として磁気カードやICカードが大量に利用されている。さらに、現状の交通系、通信系及び流通系サービスでも、磁気カードが大量に利用されている。
【0003】
近年、銀行キャッシュカードやクレジットカードなとの金融系磁気カードについては、ピッキングなどの問題があり、よりセキュリティの高いICカードヘの移行が決定している。また、テレフォンカードについても変造など不正利用防止及び機構部分を排除して機器コスト及びメンテナンスコストを低減させる観点から、非接触ICカードヘ置き換わりつつある。また、ユーザ利便性向上などの観点から、鉄道改札システム、バスシステム、入門証等交通系及びエリア系サービスについても非接触ICカードが導入され始めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ポイントサービスに代表される流通系サービスにおいて、従来、廉価性の観点から磁気やプラスチックのカードが受け入れられている。近年、あまりにも多数の磁気やプラスチックのポイントカード等を個人が保管する必要が生じてきているため、カードの優れた携帯性以上に、管理の煩雑さが顕在化しつつある。
【0005】
このため、「パスネット」のように交通系サービス囲い込み手段として、企業間連携によるカードの複合・多目的利用も導入されつつある。複合・多目的利用では、メモリ容量に制限のある磁気カード(100バイト以下)に比べて、大きなメモリを有したICカードが適しており、ユーザ利便性及びメンテコスト低減等を考慮すれば、非接触ICカードが主流になるものと予想される。
【0006】
従って今後、高セキュリティ化、ユーザ利便性向上、複合・多目的利用促進等が進展するにつれ、不正利用防止、機器コスト低減、メンテナンスコスト削減、複合・多目的利用におけるメモリ有効利用の観点から、従来の磁気カードはICカードに、特に利便性を重視する分野については磁気カードから一気に非接触ICカードヘと移行が進むものと考えられている。
【0007】
このように、ICカードを利用した具体的なサービスが社会に導入され、一部の複合・多目的利用が促進されていく中で、「保有しているカードの蓄積ポイント、有効期限等の情報を確認したい」という欲求が起こることは自然の流れである。特に、複合・多目的利用カードでは「自分はどのようなサービスを受けることができるか?」という心配があるため、カードに格納された情報を確認するという行為は避けられない。
【0008】
従来、券面印刷によってどのような組織帰属で、どのようなサービス種別のカードかを識別できた。今後、複数サービス提供者相乗りでの複合・多目的サービスが進展し、例えば、ユーザは好きなタレント等の写真をカードに印刷し、カード外観では帰属も種別も解らないといった事が十分考えられる。この際、ユーザが安心してカードを利用するためには、帰属や種別を容易に確認できるような低コストで操作が簡便なICカード情報表示器あるいは表示機能付きICカードが不可欠となる。
【0009】
これまでのバランスリーダやビューアと呼ばれる表示器では、読み取り機能に特化することにより、ソフトやハードの簡略化を図っている。しかし、機器構成が基本的にリーダライタと同じであり、日常持ち歩くにはかさばって重い、機能の割には高価という課題があった。これでは「一枚のカードで複数のサービスが利用でき、財布などがかさばらない」、といったメリットが帳消しになってしまっていた。
【0010】
以上説明したように、「カードに蓄積されたポイント等の情報を確認したい」、「複合・多目的サービス利用で利用できるサービスを確認したい」、といったユーザの要求に対して、カードに格納されている情報を表示させる機器は不可欠である。しかしながら、従来のバランスリーダやビューアといった表示器は少なくとも財布に入らない程度にかさばっていて、機能の割に高価であるといった課題があった。
【0011】
高い利便性を維持しつつ、ユーザに安心し囲い込みを強化するためにも、従来に無い、軽くてハンディで、使用が煩雑でなく、安価な表示器あるいは操作性に優れた表示機能付きICカードが強く望まれていたが、現在まで具体的な提案はなかった。
【0012】
バランスリーダやビューアといった従来の表示器では、基本的にカードあるいはリーダライタに使っていた部品を搭載し、表示にも安価なガラスを中心とした液晶表示素子を適用していたため、比較的サイズが大きかった。また、電池搭載が前提であったため、重く、定期的な電池交換等煩わしいメンテナンスが必要であった。
【0013】
ここにおいて、本発明の解決すべき主要な目的は、次の通りである。
即ち、本発明の第1の目的は、ポイントやサービス内容等カードに格納した情報の一部を確認し得るICカード情報表示器及び表示機能付きICカード並びにICカード情報表示方法を提供せんとするものである。
【0014】
本発明の第2の目的は、軽くて、ハンディで、使用が繁雑でなく安価なICカード情報表示器及び表示機能付きICカード並びにICカード情報表示方法を提供せんとするものである。
【0015】
本発明の第3の目的は、ユーザが高い利便性を維持しつつ安心してサービスを享受できる環境を実現するICカード情報表示器及び表示機能付きICカード並びにICカード情報表示方法を提供せんとするものである。
【0016】
本発明の他の目的は、明細書、図面、特に特許請求の範囲の各請求項の記載から自ずと明らかとなろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明表示器は、前記課題の解決に当り、制御CPU、メモリ等ICカードの機能を実現する部品に加えて、低消費電力かつ電力の供給が停止しても一定時問表示を継続できる表示素子及びその表示駆動回路を実装し、リーダライタ(ゲート)通過後、一定時間情報を表示させること及び、動作電力は、電池を内蔵しそこから得たり、あるいは外部リーダライタからの電磁波から生成したりし、外部の電磁波から動作電力を生成する場合は、上記部品に加えて、送受信アンテナ、送受信回路、変復調回路を実装する特徴的構成手段を講じる。
【0018】
本発明カードは、前記課題の解決に当り、前記本発明表示器に実装された全部品を内蔵する特徴的構成手段を講じる。
【0019】
本発明表示方法は、通信機能とメモリ機能からなるICカード共通機能を有する非接触ICカードに対応して当該ICカード共通機能と表示機能を備えるICカード情報表示手段のICカード情報表示方法と、前記ICカード共通機能と表示機能を一体組込んだ表示機能付きICカードのICカード情報表示方法が、又リーダライタから給電を受けて活性化される場合と、電源回路に電池を用いる場合がそれぞれ存し、表示段階では、前記リーダライタからの読み出しコマンドを受けて返信された表示情報を前記ICカード情報表示手段が傍受することにより表示する場合と、読み出しコマンドを発した前記リーダライタが返信された表示情報を前記ICカード情報表示手段に一旦書き込ませた後、表示する場合と、前記リーダライタからの読み出しコマンドを受けた表示機能付きICカードが表示情報を返信する際に同時に表示する場合と、前記リーダライタからの読み出しコマンドを受けた表示機能付きICカードが書き換えられた表示情報を検知して表示する場合とがそれぞれ存し、それぞれの方法や場合に則してシーケンス処理が実施される特徴的手法を講じる。
【0020】
さらに、具体的詳細に述べると、当該課題の解決では、本発明が次に列挙する新規な特徴的構成手法及び手段を採用することにより、前記目的を達成するよう為される。
【0021】
本発明表示器の第1の特徴は、CPUあるいは制御回路、メモリ、変復調回路、全回路電力を賄う電源回路を含む機能要素でICカード共通回路部を構成する非接触ICカードに、当該ICカード共通回路部の前記CPUに対し表示駆動回路を介して接続するとともに低消費電力で動作しかつ不揮発性を備えた表示素子を有する表示手段を備えてICカード情報表示器となし、前記電源回路からの電力の供給が停止した後においても表示内容の確認に十分な時間に亙り表示を継続できる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0022】
本発明表示器の第2の特徴は、上記本発明表示器の第1の特徴における前記非接触ICカードが、前記ICカード共通回路部内に、送受信用アンテナ、前記電源回路、前記CPUに直結した変復調回路と、それぞれ接続する送受信回路を備え、他の各別の非接触ICカード、非接触ICカード用リーダライタ、ICカード情報表示器あるいは表示機能付きICカードと、それぞれ電磁波を用いて相互に通信できる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0023】
本発明表示器の第3の特徴は、上記本発明表示器の第2の特徴における前記ICカード情報表示器が、前記リーダライタからの電磁波を用いて、前記表示手段の動作にも必要な電力を生成できる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0024】
本発明表示器の第4の特徴は、上記本発明表示器の第2の特徴における前記電源回路が、電池を内蔵し、当該電池から得られる電力で前記表示手段をも動作できる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0025】
本発明表示器の第5の特徴は、上記本発明表示器の第2、第3又は第4の特徴における前記表示手段が、前記メモリ内に格納されたポイント、有効期限、処理内容を含むサービス情報を、前記リーダライタと通信を行った後、前記表示素子に、一定時間表示してなる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0026】
本発明表示器の第6の特徴は、上記本発明表示器の第2、第3、第4又は第5の特徴における前記ICカード情報表示器が、前記メモリ内にサービス情報を格納した別の前記非接触ICカードと前記リーダライタ間の通信を傍受し、当該サービス情報を取得し、その内容を前記表示手段に表示してなる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0027】
本発明表示器の第7の特徴は、上記本発明表示器の第2、第3、第4又は第5の特徴における前記ICカード情報表示器が、前記非接触ICカードと直接通信することにより、あるいは直前に前記リーダライタが前記非接触ICカードから受信した情報を、当該リーダライタが送信し、この情報を受信して前記表示手段に表示してなる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0028】
本発明表示器の第8の特徴は、上記本発明表示器の第2、第3、第4、第5、第6又は第7の特徴における前記表示手段が、前記リーダライタから電磁波を受けて活性化され、最後に表示した内容を再度表示してなる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0029】
本発明表示器の第9の特徴は、上記本発明表示器の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7又は第8の特徴における前記非接触ICカードが、前記CPUと前記メモリを駆使する認証機能を備え、通信する情報の信頼性が確認できた後にのみ、前記メモリの表示情報の更新を許容してなる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0030】
本発明表示器の第10の特徴は、上記本発明表示器の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8又は第9の特徴における前記表示素子が、電気泳動型、ツイストボール型、コレステリック液晶型又はエレクトロクロミック型を含んでなる、ICカード情報表示器の構成採用にある。
【0031】
本発明カードの第1の特徴は、上記本発明表示器の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9又は第10の特徴に記載された前記ICカード共通回路部ともども、前記表示駆動回路と直結する表示素子を一体内蔵してなる、表示機能付きICカードの構成採用にある。
【0032】
本発明方法の第1の特徴は、通信機能とメモリ機能からなるICカード共通機能を有する非接触ICカードに対応して、当該ICカード共通機能と表示機能を備えるICカード情報表示手段のICカード情報表示方法であって、まず、通信エリア内に前記非接触ICカード及び前記ICカード情報表示手段が入ってきた場合、リーダライタは、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段に対して電力を給電し活性化させる処理と、次に、当該リーダライタは、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段を同一視することから、アンチコリージョン処理を行い、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段に対して、それぞれ少なくとも論理番号を付与する処理と、さらに、前記リーダライタと当該非接触ICカード間で、相互認証の後、読み出し/書き込み処理を行い、当該非接触ICカードに情報を格納する処理と、表示段階で、前記リーダライタは、当該非接触ICカードに対して表示情報の読み出しコマンドを送信するとともに、前記ICカード情報表示手段に対して表示開始を通知することにより、当該ICカード情報表示手段は前記非接触ICカードから前記リーダライタへ情報返信される情報を傍受するため待機状態とする処理と、前記非接触ICカードから前記リーダライタへ情報返信の際、前記ICカード情報表示手段は、情報返信を傍受することで、当該リーダライタ通過後、一定時間表示する処理と、を順次踏んで実施されてなる、ICカード情報表示方法の構成採用にある。
【0033】
本発明方法の第2の特徴は、通信機能とメモリ機能からなるICカード共通機能を有する非接触ICカードに対応して当該ICカード共通機能と表示機能を備えるICカード情報表示手段のICカード情報表示方法であって、まず、通信エリア内に前記非接触ICカード及び前記ICカード情報表示手段が入ってきた場合、リーダライタは、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段に対して電力を給電し活性化させる処理と、次に、当該リーダライタは、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段を同一視することから、アンチコリージョン処理を行い、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段に対して、それぞれ少なくとも論理番号を付与する処理と、さらに、前記リーダライタと当該非接触ICカード間で、相互認証の後、読み出し/書き込み処理を行い、当該非接触ICカードに情報を格納する処理と、表示段階で、前記リーダライタは、当該非接触ICカードに対して、表示情報の読み出しコマンドを送信し、当該非接触ICカードは、当該リーダライタに表示すべき情報を返信する処理と、当該リーダライタは、表示すべき情報を得た後、前記ICカード情報表示手段に対して、表示情報と一緒に表示情報書き込みコマンドを送信して書き込まれた後、一定時間、得られた情報を表示する処理と、を順次踏んで実施されてなる、ICカード情報表示方法の構成採用にある。
【0034】
本発明方法の第3の特徴は、通信機能とメモリ機能からなるICカード共通機能と表示機能を一体組込んだ表示機能付きICカードのICカード情報表示方法であって、まず、通信エリア内に当該表示機能付きICカードが入ってきた場合、リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して電力を給電し活性化する処理と、次に、当該リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して、通信路確立のため、アンチコリージョン処理を行う処理と、さらに、当該リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して、表示情報の読み出しコマンドを送信する処理と、当該表示機能付きICカードから当該リーダライタへ情報返信の際、同時に情報を表示させる処理と、を順次踏んで実施してなる、ICカード情報表示方法の構成採用にある。
【0035】
本発明方法の第4の特徴は、通信機能とメモリ機能からなるICカード共通機能と表示機能を一体組込んだ表示機能付きICカードのICカード情報表示方法であって、まず、通信エリア内に当該表示機能付きICカードが入ってきた場合、リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して電力を給電し活性化する処理と、次に、当該リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して、通信路確立のため、アンチコリージョン処理を行う処理と、さらに、当該リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して、表示情報の読み出しコマンドを送信する処理と、当該表示情報が書き換えられたことを検知した当該表示機能付きICカードは、書き換えられた表示情報を一定時間、表示させる処理と、を順次踏んで実施されてなる、ICカード情報表示方法の構成採用にある。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態をその表示器例、カード例及び表示方法例を詳説する。
【0037】
(表示器例)
図1は、本表示器例を示すICカード情報表示器の内部回路構成ブロック図である。
本表示器例は、本表示器例である情報表示器2と従来の非接触ICカード1とはそれぞれ分離した別体型であって、同図中、点線内で囲った送信アンテナ3、送受信回路4、電源回路5、変復調回路6、制御CPU7、メモリ8は、非接触ICカード1の機能要素と同一のICカード共通回路部Xである。
【0038】
即ち、本表示器例のICカード情報表示器2の機能を示す基本構成要素は非接触ICカード1と同様であるが、表示素子9及びその駆動回路10(昇圧回路も含む)が追加されている。ここでは図を使って、ICカード情報表示器2とリーダライタ11の基本動作について説明する。
【0039】
非接触ICカード1とリーダライタ11間通信と同様に、13.56MHzのキャリア電磁波をリーダライタ11からICカード情報表示器2に対して送信する。これによって、リーダライタ11からICカード情報表示器2に対して電力供給を行うと同時に情報(コマンドも含む)の送受信を行う。
【0040】
電力供給及び信号送受信の手順は以下の通りである。
▲1▼電力供給:ICカード情報表示器2は送受信アンテナ3及び送受信回路4にてリーダライタ11からの電磁波を受信した後、電源回路5にて整流し、各機能回路3〜10への電力供給を行う。同時に、従来の非接触ICカード1には無かった表示素子9及びそれを駆動する駆動回路10にも電力を供給する。リーダライタ11の給電能力や受信時間に応じて、電源回路5にはスーパキャパシタ等を挿入し、表示タイミングや表示時間を調整することが可能である。
【0041】
▲2▼信号送受信:ICカード情報表示器2は送受信アンテナ3にてリーダライタ11からの電磁波を受信した後、送受信回路4にて増幅し、重畳された信号の符号化方式に応じて変復調回路6を通して信号再生を行う。再生された信号は制御CPU7に送られ、メモリ8に書き込まれる。制御CPU7は必要に応じて正常受信した旨、リーダライタ11ヘACK/NAK等返信を行う。
【0042】
▲3▼情報表示:制御CPU7はメモリ8に書き込まれた情報を必要に応じて表示素子9に表示させる。表示指示及びその内容はリーダライタ11から指示された情報であり、表示側及びユーザ側で選択する必要がないため、ボタンなどの入力部品は不要である。
【0043】
このように、本表示器例によるICカード情報表示器2では、表示するための電力を非接触ICカード1と同様に、リーダライタ11から供給するために、電池の搭載が必要無い。従って、電池交換などのメンテナンスが不要となった。
【0044】
本表示器例のポイントは、▲1▼消費電力を大幅に抑えかつ、電力の供給が停止しても一定時間表示を継続できる表示素子9の採用、▲2▼リーダライタ11からの電力供給、▲3▼必要最小限の表示動作、であり、その結果、ICカード情報表示器2サイズのコンパクト化、重量を低減、操作ボタンなど入力部品の削減、機器コスト抑制を実現している。
【0045】
次に、部品構成について説明する。非接触ICカード1と同様のICカード共通機能については、そのまま非接触ICカード1の部品を転用できるため、制御CPU7も含めて20〜30mW程度の消費電力で動作させることができる。また、量産されている非接触ICカード1の部品を流用することで、機器コストの低減が可能である。
【0046】
表示素子9については、最も消費電力の少ない反射型液晶表示素子でも数10mW程度の電力を消費するため、液晶表示素子では電池搭載が避けられない。また、液晶表示素子を安価に製造するためにはガラスが適しており、そのため重くなったり、厚くなったりするといったことが起こる。さらに、液晶表示素子では電力供給を停止すれば表示しなくなるため、外部より給電する方法を採れば、表示中は電力供給を継続しなければならないといった使用制限も生じる。
【0047】
そこで、本表示器例では従来の反射型液晶表示素子に比べても非常に消費電力の小さな、電気泳動型表示素子9を採用する事で、電池搭載を無くし、リーダライタ11からの給電のみで情報を表示させることが可能となる。また、これらの表示素子9は電力供給を停止しても、一定時間(数分間程度保証)表示を維持することができるため、リーダライタ11から離れても表示を継続させることができた。
【0048】
本表示器例では電気泳動型表示素子9で詳細な特性を説明する。白色を表示する酸化チタン及び黒色を表示するカーボンブラックを同一のマイクロカプセル(直径100ミクロン以下)に溶媒と共に閉じ込め、これらのマイクロカプセルを上下から透明電極で挟みこんで表示素子とした。厚さ100ミクロン程度に仕上げた表示素子に、駆動電極などを積層実装することにより、厚さ1mm以下のサイズを実現するとともに、消費電力も反射型液晶の1/10以下まで下げる事ができた。
【0049】
図2に本表示器例のICカード情報表示器及びICカード共通回路部Xを内蔵した従来型の非接触ICカードを相互に分離別体とした物理形状を示す。
図中、1は非接触ICカード、2はICカード情報表示器である。電気泳動型表示素子9を採用することで、ICカード情報表示器2の厚さを1.5mmまで簿くすることができ、縦横の寸法についてもISO規定のID−1(54mm×85mm)に納める事が可能である。
【0050】
また、同図に示すように、最もシンプルな白黒表示であるが、非接触ICカード1に格納された情報を表示させることが可能である。この寸法であれば、定期券入れの財布のように透明プラスチック窓に合わせてICカード情報表示器2を入れ、その裏に重ねて非接触ICカード1を入れておけば、定期券やポイントカード等の情報をサイフに入れたまま表示させる事ができる。
【0051】
図3に本表示器例及び非接触ICカードによる操作イメージを示す。同図(A)は非接触ICカードとICカード情報表示器を重ねてリーダライタ(この場合、例えば入退室ゲート)にかざした状態である。また、同図(B)は非接触ICカードとICカード情報表示器がリーダライタ(ゲート)から離れて、ICカード情報表示器に格納情報の一部が表示された状態である。図中、1は非接触ICカード、2はICカード情報表示器、11はリーダライタ(ゲート)、αは情報非表示状態の表示素子、βは情報表示状態の表示素子である。
【0052】
リーダライタ11と非接触ICカード1間で通信を行った際、リーダライタ11はICカード情報表示器2も給電し活性化させている。しかし、電気泳動型表示素子9ではマイクロカプセル内粒子が物理的に移動して白黒表示するため、リーダライタ11から活性化されて直ぐに表示できる訳ではない。
【0053】
粒子の移動に数100m秒かかるため、活性化されて直ぐに情報表示を始めても、実際の表示が完了するのはリーダライタ(ゲート)11を通過した時点である。幸い、電力供給が停止しても移動した粒子が緩和されるには数分単位以上の時間がかかるため、この間ユーザは必要な情報、例えば、カード帰属、サービス内容、共通エコポイント、有効期限などを確認することができる。
【0054】
(表示方法例1)
前記本表示器例及び非接触ICカードに適用する本実施形態の表示方法例1の処理手順を図4につき説明する。
図4に、ICカード情報表示器2が、リーダライタ11と非接触ICカード1間の通信を傍受して表示する場合の処理シーケンスを示す。非接触ICカード1及びICカード情報表示器2が、リーダライタ(ゲート)11を通過後、遅延を伴ってカード格納情報が表示される処理手順は以下の通りである。
【0055】
▲1▼通信エリア内に非接触ICカード1及びICカード情報表示器2が入ってきた場合、リーダライタ11は非接触ICカード1及びICカード情報表示器2に対して電力を給電し活性化させる(ST1)。
【0056】
▲2▼次に、リーダライタ11は非接触ICカード1及びICカード情報表示器2が同一に見える事から、アンチコリージョン処理を行い、非接触ICカード1及びICカード情報表示器2に対して、それぞれ論理番号#1、#2等を付与する(ST2)。
▲3▼さらに、リーダライタ11と非接触ICカード1間で、相互認証の後、読み出し/書き込み処理を行い、非接触ICカード1に情報を格納する(ST3)。
【0057】
▲4▼表示段階で、リーダライタ11は非接触ICカード1に対して、表示情報の読み出しコマンドを送信するとともに、ICカード情報表示器2に対して表示処理開始を通知する。これにより、ICカード情報表示器2は非接触ICカード1からリーダライタ11ヘ情報返信される情報を傍受するために待機状態となる(ST4)。
▲5▼非接触ICカード1からリーダライタ11ヘ情報返信の際、ICカード情報表示器2は情報返信を傍受することで、ゲート通過後、一定時間情報を表示させる(ST5)。
【0058】
ICカード情報表示器2がリーダライタ11からのキャリア送信により活性化された後、ICカード情報表示器2の電源回路5は送信されたキャリアを整流し電力を蓄積する。この時点で、リーダライタ11からは、非接触ICカード1が2枚、自己のフィールド内に存在しているように見えている。
【0059】
非接触ICカード1からリーダライタ11に対する表示情報返信を、自己の送受信アンテナ3、送受信回路4にて傍受した後、情報は制御CPU7に伝えられ、表示駆動回路10を介してフレキシブル表示素子9に積層して配置された電極部に±15Vの信号を伝送する。
【0060】
これにより、前述のマイクロカプセル内酸化チタン及びカーボンブラックが電気的にひきつけられ、約200m秒後表示が完了した(明瞭なコントラストが得られた)。
従って、リーダライタ(ゲート)11の通過後、数100m秒後に、図2に示すような情報表示が完了する。特に、交通系ゲートではほぼ同じ時間でゲートを通過するため、ユーザは通過した後、カード情報を確認することになる。
【0061】
本表示方法例では、電気泳動型表示素子9を採用したが、白黒の表示(コントラスト)が電力供給停止後も一定時間維持されるといった特徴があるため、リーダライタ(ゲート)11通過後にユーザは内容確認ができる。
【0062】
(表示方法例2)
前記本表示器例及び非接触ICカードに適用する本実施形態の表示方法例2の処理手順を図5につき説明する。
図5に、リーダライタ11と非接触ICカード1間通信の後、リーダライタ11からICカード情報表示器2のメモリ8に書き込む情報を送信して、ICカード情報表示器2が表示する場合の本表示方法例2の処理シーケンスを示す。
【0063】
非接触ICカード1及びICカード情報表示器2が、リーダライタ(ゲート)11を通過後、カード格納情報が表示される処理手順は図4のST1〜ST3と同じである。但し、下記の▲6▼、▲7▼は異なる。
【0064】
▲6▼表示段階で、リーダライタ11は非接触ICカード1に対して、表示情報の読み出しコマンドを送信し、非接触ICカード1はリーダライタ11に表示すべき情報を返信する(ST4′)。
▲7▼リーダライタ11は表示すべき情報を得た後、ICカード情報表示器2に対して、表示情報と一緒に表示情報書き込みコマンドを送信する。書き込まれた後、一定時間、得られた情報が表示素子に表示される(ST5′)。
【0065】
図4及び図5の本表示方法例1乃至2の処理シーケンスで共通の事項は、表示に際して、ユーザはボタン操作など一切行わない事である。もし、表示確認が必要なければ、非接触ICカード1と一緒にICカード情報表示器2をリーダライタ11に近づけなければ良い。
【0066】
また、近接型非接触ICカード1の通信距離は高々10cm程度であるため、重ねた非接触ICカード1以外の情報を誤って取り込む可能性は殆どない。これにより、ICカード情報表示器2にボタン等の入力部品を実装する必要が無くなり、ユーザの操作性向上、機器のコストダウンが実現できている。
【0067】
本表示器例1では表示素子9として、電気泳動型表示素子を使って説明したが、低消費電力で動作しかつ不揮発性を備えた表示素子であれば、電気泳動型表示素子に限定されるものではなく、例えば、ツイストボール型、コレステリック液晶、エレクトロクロミック型等の素子を用いても同様の効果が得られたことは言うまでも無い。
【0068】
ICカード情報表示器2の表示は最後にEEPROMなどメモリ8に格納された情報を表示する訳であるから、リーダライタ11等からの電磁波を受け、ICカード情報表示器2が活性化した場合、最後の表示情報を再度表示させることも可能である。
本実施形態例では、リーダライタ11からの電磁波から電力を生成して動作する情報表示器2として説明したが、若干重く、大きくなるものの、電池を内蔵し、そこから電力を得て動作する情報表示器2とすることも可能である。
【0069】
以上のように、送受信アンテナ3、送受信回路4、変復調回路5、制御CPU7、メモリ8等非接触ICカード1のICカード共通機能を実現する機能要素に加えて、非常に消費電力を抑えた電気泳動型表示素子9を実装している。そのため、電池を内蔵しない場合でも、ICカード情報表示器2の電力はリーダライタ11から供給でき、上記表示素子9が電力供給停止後も一定時間表示を維持できるため、リーダライタ(ゲート)11通過後、一定時間情報を表示させていることが可能になっている。
【0070】
従って、液晶表示素子9を使った従来の情報表示器に比べて薄くすることができる。さらに、電池が内蔵されていない場合、電池が内蔵されている場合に比べて、軽く、電池交換等のメンテナンスが必要ない。
【0071】
(カード例)
本カード例による表示機能付きICカード1′の機能及び部品構成は前記本表示器例と同じである。
即ち、本カード例はICカード情報表示器2の表示素子9と表示駆動回路10を非接触ICカード1に一体組込んで一体型とした表示機能付きICカード1′である。
【0072】
図6に本カード例による表示機能付きICカードの物理形状を示す。電気泳動聖表示素子9を採用し、寸法についてISO規定のID−1(54mm×85mm×0.76mm)に納める事が可能である。
【0073】
図7に本カード例による操作イメージを示す。同図(A)は表示機能付きICカードをリーダライタ(この場合、例えば入退室ゲート)にかざした状態である。また、同図(B)は非接触ICカードがリーダライタ(ゲート)から離れて、ICカードに格納情報の一部が表示された状態である。
図中、1′は表示機能付きICカード、11はリーダライタ(ゲート)、α′は情報非表示状態の表示素子9、β′は情報表示状態の表示素子9である。
【0074】
リーダライタ11は、表示機能付きICカード1′に給電し、活性化させ、通信を行っている。しかし、電気泳動型表示素子9ではマイクロカプセル内粒子が物理的に移動して白黒表示するため、リーダライタ11から活性化されて直ぐに表示できる訳ではない。粒子の移動に数100m秒かかるため、活性化されて直ぐに情報表示をはじめても、実際の表示が完了するのはリーダライタ(ゲート)11を通過した時点である。
【0075】
幸い、電力供給が停止しても移動した粒子が緩和されるには数分単位以上の時間がかかるため、この間ユーザは必要な情報、例えば、カード帰属、サービス内容、共通エコポイント、有効期限などを確認することができる。
【0076】
(表示方法例3)
前記本カード例に適用した本実施形態例の表示方法例3の処理手順を図8につき説明する。
図8に、表示機能付きICカード1′がリーダライタ11と通信して表示する場合の処理シーケンスを示す。表示機能付きICカード1′が、リーダライタ(ゲート)11を通過後、遅延を伴ってカード格納情報が表示される仕組みは以下の通りである。
【0077】
▲1▼通信エリア内に表示機能付きICカード1′が入ってきた場合、リーダライタ11はカードに対して電力を給電し活性化させる(STA)。
▲2▼次に、リーダライタ11は表示機能付きICカード1′に対して、通信路確立のため、アンチコリージョン処理を行う(STB)。
【0078】
▲3▼さらに、リーダライタ11と表示機能付きICカード1′間で、相互認証の後、読み出し/書き込み処理を行い、表示機能付きICカード1′に情報を格納する(STC)。
▲4▼表示段階で、リーダライタ11はカード1′に対して、表示情報の読み出しコマンドを送信する(STD)。
▲5▼カード1′からリーダライタ11ヘ情報返信の際、同時に表示素子9に情報を表示させる(STE)。
【0079】
表示機能付きICカード1′がリーダライタ11からのキャリア送信により活性化された後、カードの電源回路5は送信されたキャリアを整流し電力を蓄積する。カード1′からリーダライタ11に対する表示情報返信を、送受信アンテナ3、送受信回路4にて受信した後、情報は制御CPU7に伝えられ、表示駆動回路10を介して、フレキシブル表示素子9に積層して配置された電極部に±15Vの信号を伝送する。
【0080】
これにより、前述のマイクロカプセル内酸化チタン及びカーボンブラックが電気的にひきつけられ、約200m秒後表示が完了した(明瞭なコントラストが得られた)。従って、リーダライタ(ゲート)11の通過後、数100m秒後に、図6に示すような情報表示が完了する。特に、交通系ゲートではほぼ同じ時間でゲートを通過するため、ユーザは通過した後、カード情報を確認することになる。
【0081】
本カード例では、電気泳動型表示素子9を採用したが、白黒の表示(コントラスト)が電力供給停止後も一定時間維持されるといった特徴があるため、リーダライタ(ゲート)11通過後にユーザは内容確認ができる。
【0082】
(表示方法例4)
前記本カード例に適用した本実施形態例の表示方法例4の処理手順を図9につき説明する。
図9に、リーダライタ11と表示機能付きICカード1′間で、認証、読み、書きの後、表示機能付きICカード1′が表示情報の書き換えを検知し、書き換え後の情報を表示する場合の本表示方法例4の処理シーケンスを示す。
【0083】
表示機能付きICカード1′が、リーダライタ(ゲート)11を通過後、カード格納情報が表示される仕組みは図8のSTA〜STCと同じである。但し、以降は異なる。
【0084】
STD、STEの段階で表示情報が書き換えられたことを検知したカード1′は、書き換えられた表示情報を一定時間、表示素子9に表示させる(STD′,STE′)。
【0085】
図8及び図9の本実施形態例の処理シーケンスで共通の事項は、表示に際して、ユーザはボタン操作など一切行わない事である。これにより、表示機能付きICカード1′にボタン等の入力部品を実装する必要が無くなり、ユーザの操作性向上、機器のコストダウンが実現できている。
【0086】
本実施形態例では表示素子9として、電気泳動型表示素子を使って説明したが、低消費電力で動作しかつ不揮発性を備えた表示素子であれば、電気泳動型表示素子に限定されるものではなく、例えば、ツイストボール型、コレステリック液晶、エレクトロクロミック型等の素子を用いても同様の効果が得られたことは言うまでも無い。
【0087】
表示機能付きICカード1′の表示は最後にEEPROMなどメモリに格納された情報を表示する訳であるから、リーダライタ11等からの電磁波を受け、表示器2が活性化した場合、最後の表示情報を再度表示させることも可能である。
【0088】
本実施形態例では、リーダライタ11からの電磁波から電力を生成して動作するICカード情報表示器2及び表示機能付きICカード1′として説明したが、若干重く、大きくなるものの、ペーパーバッテリ等の電池を内蔵し、そこから電力を得て動作するICカード情報表示器2及び表示機能付きICカード1′とすることも可能である。
【0089】
以上のように、送受信アンテナ3、送受信回路4、変復調回路5、制御CPU7、メモリ8等非接触ICカードのICカード共通機能を実現する機能要素に加えて、非常に消費電力を抑えた電気泳動型表示素子9を実装している。そのため、電池を内蔵しない場合でも、表示機能付きICカード1′の電力はリーダライタ11から供給でき、前記表示素子9が電力供給停止後も一定時間表示を維持できるため、リーダライタ(ゲート)11通過後、一定時間情報を表示させていることが可能になっている。
【0090】
また、本実施形態例においても表示素子9は電気泳動型表示素子を用いた例で説明を行ったが、本カード例は低消費電力で動作しかつ不揮発性を備えた表示素子であれば、電気泳動型表示素子9に限定されるものではなく、例えば、ツイストボール型、コレステリック液晶、エレクトロクロミック型等の素子を用いてもよいこと言うまでもない。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ポイント、有効期限や利用できるサービス内容等カードに格納した情報を確認する機能について、使用が煩雑でなく、安価なICカード情報表示器あるいは表示機能付きICカード並びにその表示方法を提供することができ、ユーザが高い利便性を維持しつつ、安心してカードサービスを享受できる環境を実現できる。
【0092】
さらに、電池を内蔵しない場合には、メンテナンスが不要で寿命が長く、小さく、軽いICカード情報表示器及びその表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるICカード情報表示器の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図2】同上、ICカード情報表示器及び非接触ICカードの物理形状の例である。
【図3】同上、ICカード情報表示器の動作例である。
【図4】同上による表示方法の表示に至る手順の処理シーケンス例である。
【図5】同上、表示に至る手順の処理シーケンスの別の例である。
【図6】同上、表示機能付きICカードの物理形状の例である。
【図7】同上、表示機能付きICカードの動作例である。
【図8】同上、表示機能付きICカードが表示に至る手順の処理シーケンス例である。
【図9】同上、表示機能付きICカードが表示に至る別の手順の処理シーケンス例である。
【符号の説明】
1…非接触ICカード
1′…表示機能付きICカード
2…ICカード情報表示器
3…送受信アンテナ
4…送受信回路
5…電源回路
6…変復調回路
7…制御CPU
8…メモリ
9…表示素子
10…表示駆動回路
11…リーダライタ
α…表示の無いICカード情報表示器
β…表示の有るICカード情報表示器
α′…表示の無い表示機能付きICカード
β′…表示の有る表示機能付きICカード
X…ICカード共通回路部
Claims (15)
- CPUあるいは制御回路、メモリ、変復調回路、全回路電力を賄う電源回路を含む機能要素でICカード共通回路部を構成する非接触ICカードに、当該ICカード共通回路部の前記CPUに対し表示駆動回路を介して接続するとともに、低消費電力で動作しかつ不揮発性を備えた表示素子を有する表示手段を備えてICカード情報表示器となし、
前記電源回路からの電力の供給が停止した後においても表示内容の確認に十分な時間に亙り表示を継続できる、
ことを特徴とするICカード情報表示器。 - 前記非接触ICカードは、
前記ICカード共通回路部内に、送受信用アンテナ、前記電源回路、前記CPUに直結した変復調回路と、それぞれ接続する送受信回路を備え、
他の各別の非接触ICカード、非接触ICカード用リーダライタ、ICカード情報表示器あるいは表示機能付きICカードと、それぞれ電磁波を用いて相互に通信できる、
ことを特徴とする請求項1に記載のICカード情報表示器。 - 前記ICカード情報表示器は、
前記リーダライタからの電磁波を用いて、前記表示手段の動作にも必要な電力を生成できる、
ことを特徴とする請求項2に記載のICカード情報表示器。 - 前記電源回路は、
電池を内蔵し、当該電池から得られる電力で前記表示手段をも動作できる、
ことを特徴とする請求項2のICカード情報表示器。 - 前記表示手段は、
前記メモリ内に格納されたポイント、有効期限、処理内容を含むサービス情報を、前記リーダライタと通信を行った後、前記表示素子に、一定時間表示する、
ことを特徴とする請求項2、3又は4に記載のICカード情報表示器。 - 前記ICカード情報表示器は、
前記メモリ内にサービス情報を格納した別の前記非接触ICカードと前記リーダライタ間の通信を傍受し、当該サービス情報を取得し、その内容を前記表示手段に表示する、
ことを特徴とする請求項2、3、4又は5に記載のICカード情報表示器。 - 前記ICカード情報表示器は、
前記非接触ICカードと直接通信することにより、あるいは直前に前記リーダライタが前記非接触ICカードから受信した情報を、当該リーダライタが送信し、この情報を受信して前記表示手段に表示する、
ことを特徴とする請求項2、3、4又は5に記載のICカード情報表示器。 - 前記表示手段は、
前記リーダライタから電磁波を受けて活性化され、最後に表示した内容を再度表示する、
ことを特徴とする請求項2、3、4、5、6又は7に記載のICカード情報表示器。 - 前記非接触ICカードは、
前記CPUと前記メモリを駆使する認証機能を備え、通信する情報の信頼性が確認できた後にのみ、前記メモリの表示情報の更新を許容する、
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載のICカード情報表示器。 - 前記表示素子は、
電気泳動型、ツイストボール型、コレステリック液晶型又はエレクトロクロミック型を含む、
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載のICカード情報表示器。 - 前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10に記載された前記ICカード共通回路部ともども、前記表示駆動回路と直結する表示素子を一体内蔵する、
ことを特徴とする表示機能付きICカード。 - 通信機能とメモリ機能からなるICカード共通機能を有する非接触ICカードに対応して、当該ICカード共通機能と表示機能を備えるICカード情報表示手段のICカード情報表示方法であって、
まず、通信エリア内に前記非接触ICカード及び前記ICカード情報表示手段が入ってきた場合、リーダライタは、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段に対して電力を給電し活性化させる処理と、
次に、当該リーダライタは、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段を同一視することから、アンチコリージョン処理を行い、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段に対して、それぞれ少なくとも論理番号を付与する処理と、
さらに、前記リーダライタと当該非接触ICカード間で、相互認証の後、読み出し/書き込み処理を行い、当該非接触ICカードに情報を格納する処理と、
表示段階で、前記リーダライタは、当該非接触ICカードに対して表示情報の読み出しコマンドを送信するとともに、前記ICカード情報表示手段に対して表示開始を通知することにより、当該ICカード情報表示手段は前記非接触ICカードから前記リーダライタへ情報返信される情報を傍受するため待機状態とする処理と、
前記非接触ICカードから前記リーダライタへ情報返信の際、前記ICカード情報表示手段は、情報返信を傍受することで、当該リーダライタ通過後、一定時間表示する処理と、
を順次踏んで実施される、
ことを特徴とするICカード情報表示方法。 - 通信機能とメモリ機能からなるICカード共通機能を有する非接触ICカードに対応して当該ICカード共通機能と表示機能を備えるICカード情報表示手段のICカード情報表示方法であって、
まず、通信エリア内に前記非接触ICカード及び前記ICカード情報表示手段が入ってきた場合、リーダライタは、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段に対して電力を給電し活性化させる処理と、
次に、当該リーダライタは、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段を同一視することから、アンチコリージョン処理を行い、当該非接触ICカード及び当該ICカード情報表示手段に対して、それぞれ少なくとも論理番号を付与する処理と、
さらに、前記リーダライタと当該非接触ICカード間で、相互認証の後、読み出し/書き込み処理を行い、当該非接触ICカードに情報を格納する処理と、
表示段階で、前記リーダライタは、当該非接触ICカードに対して、表示情報の読み出しコマンドを送信し、当該非接触ICカードは、当該リーダライタに表示すべき情報を返信する処理と、
当該リーダライタは、表示すべき情報を得た後、前記ICカード情報表示手段に対して、表示情報と一緒に表示情報書き込みコマンドを送信して書き込まれた後、一定時間、得られた情報を表示する処理と、
を順次踏んで実施される、
ことを特徴とするICカード情報表示方法。 - 通信機能とメモリ機能からなるICカード共通機能と表示機能を一体組込んだ表示機能付きICカードのICカード情報表示方法であって、
まず、通信エリア内に当該表示機能付きICカードが入ってきた場合、リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して電力を給電し活性化する処理と、
次に、当該リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して、通信路確立のため、アンチコリージョン処理を行う処理と、
さらに、当該リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して、表示情報の読み出しコマンドを送信する処理と、
当該表示機能付きICカードから当該リーダライタへ情報返信の際、同時に情報を表示させる処理と、
を順次踏んで実施する、
ことを特徴とするICカード情報表示方法。 - 通信機能とメモリ機能からなるICカード共通機能と表示機能を一体組込んだ表示機能ICカードのICカード情報表示方法であって、
まず、通信エリア内に当該表示機能付きICカードが入ってきた場合、リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して電力を給電し活性化する処理と、
次に、当該リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して、通信路確立のため、アンチコリージョン処理を行う処理と、
さらに、当該リーダライタは、当該表示機能付きICカードに対して、表示情報の読み出しコマンドを送信する処理と、
当該表示情報が書き換えられたことを検知した当該表示機能付きICカードは、書き換えられた表示情報を一定時間、表示させる処理と、
を順次踏んで実施される、
ことを特徴とするICカード情報表示方法。
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