JP2004020098A - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷却貯蔵庫1は、下面が開放する断熱性の冷却箱26内に冷却器27及び冷却器用送風機28を設置し、この冷却箱26を、断熱箱体2の天井部に形成した天井部開口を塞ぐかたちで当該断熱箱体2の天面に設置して成るものであって、天井部開口は、断熱壁18Aにて相互に区画された冷気吸込側開口16と冷気吐出側開口17とから成り、冷却箱26が断熱箱体2の天面に設置された状態で、冷気吸込側開口16は冷却器26の冷気吸込側に連通し、冷気吐出側開口17は冷却器26の冷気吐出側に連通する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下面が開放する断熱性の冷却箱内に冷却器及び冷却器用送風機を設置し、この冷却箱を、断熱箱体の天井に形成した天井部開口を塞ぐかたちで当該断熱箱体の天面に設置して成る冷却貯蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種プレハブ低温庫(冷凍・冷蔵庫)や業務用冷却貯蔵庫等の冷却貯蔵庫は、例えば特開2001−280793号公報に示されるように、ユニットベース上に圧縮機、凝縮器及び断熱性の冷却箱などが設置された冷却ユニットを準備し、この冷却ユニットの冷却箱により、断熱箱体の天井部に形成された開口を塞ぐかたちで当該冷却ユニットを断熱箱体の天面に載置して構成されている。そして、この冷却ユニットの冷却箱内に設けた冷却器や冷却器用送風機によって断熱箱体内に形成された貯蔵室内に冷気を循環させ、冷却していた。
【0003】
ここで、図12乃至図20を参照して従来のこの種冷却貯蔵庫101について説明する。図12は冷却貯蔵庫101の縦断側面図、図13は冷却貯蔵庫101の縦断正面図、図14は冷却貯蔵庫101の平面図、図15は冷却貯蔵庫101上部の拡大縦断正面図、図16は冷却貯蔵庫101の断熱箱体102の平面図、図17は図16のC−C線断面図、図18は断熱箱体102の側面図、図19は断熱箱体102の正面図、図20は断熱箱体102の平面図をそれぞれ示している。
【0004】
従来の冷却貯蔵庫101は所謂業務用の冷却貯蔵庫(業務用冷蔵庫若しくは業務用冷凍庫或いは業務用冷凍・冷蔵庫)、前面に開口する断熱箱体102とこの断熱箱体102の天面に設置された冷却ユニットRとから構成されている。断熱箱体102は、鋼板製の外箱103及び内箱104間に硬質発泡ポリウレタン断熱材106を現場発泡方式にて充填することにより構成されており、この内箱104内が貯蔵室107とされ、この貯蔵室107の前面開口は断熱扉108にて開閉自在に閉塞されている。そして、断熱箱体102の天井部には図16及び図17に示されるような矩形状の開口116が形成されている。
【0005】
一方、冷却ユニットRは、鋼板製のユニットベース21上に冷凍サイクルの冷媒回路を構成する圧縮機22、凝縮器23、凝縮器用送風機24、電装箱25及び断熱性の冷却箱26等を設置して構成されている。この冷却箱26は下面が開放した矩形状を呈しており、内部には前記圧縮機22や凝縮器23等と冷凍サイクルの冷媒回路を構成する冷却器27や図示しない減圧装置(膨張弁やキャピラリチューブ)、冷却器用送風機28が取り付けられている。
【0006】
冷却箱26内の下面開口付近には鋼板製の露受皿31が前後に取り付けられ、その右側は冷気吸込側、左側は冷気吐出側とされている。前記冷却器27はこの露受皿31上に設置されると共に、前記冷却器用送風機28は冷却器27の冷気吐出側に配置されている。尚、132は、断熱箱体102の開口116周囲と冷却箱26の開口周縁をシールする断熱シール材である。
【0007】
また、露受皿31の下面には冷気吐出ダクト板133が連続して設けられている。この冷気吐出ダクト板133は、図18乃至図20に示すように開口116の向かって左側の貯蔵室107天井面に固定されており、この天井面と所定の間隔を存して右方に延在し、冷却器用送風機28の冷気吐出側において上昇し、開口116を通過して露受皿31の下面に当接している。そして、冷気吐出ダクト板133は貯蔵室107の天井において向かって左方に開放している。
【0008】
この冷気吐出ダクト板133により、開口116は冷却器27及び冷却器用送風機28の冷気吸込側と冷気吐出側とに仕切られたかたちとなる。そして、前記圧縮機22や各送風機24、28が起動すると、冷却器27が冷却作用を発揮する。冷却器用送風機28は開口116から貯蔵室107内の空気を吸引し、冷却器27の冷気吸込側に流入させる。そして、冷却器27と熱交換させて冷却した後、開口116の冷気吐出側の冷気吐出ダクト板133方向に吐出する。
【0009】
冷気吐出ダクト板133に吐出された冷気は内部を通過し、貯蔵室107内の天井部分にて左方向に吹き出される。吹き出された冷気は貯蔵室107内部を図13中反時計回りに循環し、再び冷気吸込側から冷却器27に帰還する。係る冷気循環によって貯蔵室107内を所定の温度に冷却されるものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、係る従来の構造では冷気吐出ダクト板133が最も温度の低い冷却器27付近に位置しているため、露点温度以下となってその表面に結露が生じ、その結露水が貯蔵室107の床面を濡らす問題が発生していた。
【0011】
また、図18、図19に示すように冷気吐出ダクト板133は断熱箱体102の開口116から上方に突出してしまうため、製品出荷時に梱包が困難となる。そのため、通常は取り付けずに出荷し、設置現場にて取り付けることになるが、当該取り付け作業に比較的多くの時間と手間がかかると云う問題もあった。
【0012】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、冷気吐出ダクト板に生じる結露を解消若しくは抑制し、設置作業性の改善も図った冷却貯蔵庫を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷却貯蔵庫は、下面が開放する断熱性の冷却箱内に冷却器及び冷却器用送風機を設置し、この冷却箱を、断熱箱体の天井部に形成した天井部開口を塞ぐかたちで当該断熱箱体の天面に設置して成るものであって、天井部開口は、断熱壁にて相互に区画された冷気吸込側開口と冷気吐出側開口とから成り、冷却箱が断熱箱体の天面に設置された状態で、冷気吸込側開口は冷却器の冷気吸込側に連通し、冷気吐出側開口は冷却器の冷気吐出側に連通することを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明の冷却貯蔵庫は、上記において冷気吸込側開口と冷気吐出側開口の間の断熱壁下面に冷気吐出ダクト板を取り付けたことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、下面が開放する断熱性の冷却箱内に冷却器及び冷却器用送風機を設置し、この冷却箱を、断熱箱体の天井部に形成した天井部開口を塞ぐかたちで当該断熱箱体の天面に設置して成る冷却貯蔵庫において、天井部開口を、断熱壁にて相互に区画された冷気吸込側開口と冷気吐出側開口とから構成し、冷却箱が断熱箱体の天面に設置された状態で、冷気吸込側開口は冷却器の冷気吸込側に連通し、冷気吐出側開口は冷却器の冷気吐出側に連通するようにしたので、従来のように冷気吐出ダクト板で断熱箱体天井部の開口を冷気吸込側と冷気吐出側とに仕切る必要がなくなる。
【0016】
そして、請求項2の如く冷気吸込側開口と冷気吐出側開口の間の断熱壁下面に冷気吐出ダクト板を取り付ければ従来の如く冷気吐出ダクト板に結露が発生して断熱箱体内が浸水する不都合も解消若しくは抑制できるようになる。また、従来の如く冷気吐出ダクト板が断熱箱体の天井より突出することがないので、断熱箱体に予め取り付けた状態で容易に梱包して出荷可能となり、従来に比して設置作業性も改善される。
【0017】
請求項3の発明の冷却貯蔵庫は、上記において冷気吸込側開口と冷気吐出側開口の間の断熱壁上面を、熱良導性材料にて被覆しないことを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明によれば、上記に加えて冷気吸込側開口と冷気吐出側開口の間の断熱壁上面を、熱良導性材料にて被覆しないようにしたので、最も温度の低くなる冷却器によって冷やされる断熱壁上面からの熱伝導によって両開口周辺の断熱箱体の天面に結露が生じる危険性も効果的に解消若しくは抑制できるようになる。
【0019】
請求項4の発明の冷却貯蔵庫は、上記各発明において断熱箱体は、外箱と、内箱と、当該両箱間に発泡充填された断熱材から構成されると共に、冷気吸込側開口及び冷気吐出側開口は、両箱間に断熱材が発泡充填される以前に当該両箱の天井部に取り付けられた成形断熱材に形成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項4の発明によれば、上記各発明に加えて断熱箱体を、外箱と、内箱と、当該両箱間に発泡充填された断熱材から構成すると共に、冷気吸込側開口及び冷気吐出側開口を、両箱間に断熱材が発泡充填される以前に当該両箱の天井部に取り付けられた成形断熱材に形成するようにしたので、断熱箱体の生産性も良好となるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用した一実施例の冷却貯蔵庫1の縦断側面図、図2は冷却貯蔵庫1の縦断正面図、図3は冷却貯蔵庫1の平面図、図4は冷却貯蔵庫1上部の拡大縦断正面図、図5は冷却貯蔵庫1の断熱箱体2の平面図、図6は図5のA−A線断面図、図7は断熱箱体2の側面図、図8は断熱箱体2の正面図、図9は断熱箱体2の平面図をそれぞれ示している。
【0022】
実施例の冷却貯蔵庫1は所謂業務用の冷却貯蔵庫(業務用冷蔵庫若しくは業務用冷凍庫或いは業務用冷凍・冷蔵庫)、前面に開口する断熱箱体2とこの断熱箱体2の天面に設置された冷却ユニットRとから構成されている。断熱箱体2は、鋼板製の外箱3及び内箱4間にポリウレタン原液を注入し、現場発泡方式にて発泡させ、硬質発泡ポリウレタン断熱材6を充填することにより構成されており、この内箱4内が貯蔵室7とされ、この貯蔵室7の前面開口は断熱扉8にて開閉自在に閉塞されている。そして、断熱箱体2の天井部には図5及び図6に示されるような矩形状の冷気吸込側開口16及び冷気吐出側開口17(何れも天井部開口を構成する)が形成されている。
【0023】
この場合、冷気吸込側開口16及び冷気吐出側開口17は断熱壁となる予め矩形板状に成形された成形断熱材18に形成され、断熱壁(図6に18Aで示す部分。発泡スチロールや硬質発泡ポリウレタン等から成る)を介して冷気吸込側開口16と冷気吐出側開口17は相互に区画され、熱絶縁されている。
【0024】
この成形断熱材18の両開口16及び17より十分外側の上面周囲は前記外箱3が少許覆っている。また、成形断熱材18の両開口16、17以外の下面は前記内箱4が被覆している。従って、成形断熱材18の殆どの上面は当該断熱材が露出したかたちとされている。
【0025】
尚、成形断熱材18の上面は断熱材が露出せずとも、例えばビニールなどの熱伝導性の低いフィルムやシートなどで被覆されていてもよい。即ち、熱良導性の鋼板などで被覆されていなければよい。
【0026】
そして、断熱箱体2を生産する際には、予め外箱3の天井部に成形断熱材18よりも少許小さい矩形状の窓孔3Aを形成しておき、内箱4の天井部には成形断熱材18の冷気吸込側開口16と冷気吐出側開口17に対応する位置に同様の形状の窓孔4A、4Bを形成しておく。そして、両箱3、4の天井部間に成形断熱材18を挿入して固定し、冷気吸込側開口16を窓孔4Aに、冷気吐出側開口17を窓孔4Bにそれぞれ対応させる。
【0027】
その状態で、内外両箱4、3間に発泡ポリウレタン原液を注入し、現場発泡方式にて硬質発泡ポリウレタン断熱材6を充填することで断熱箱体2を製造する。成形断熱材18は断熱材6の固化によって両箱4、3間に固定されることになる。ここで、硬質発泡ポリウレタン断熱材6の充填時に同時に両開口16、17を形成する場合には、開口16、17部分に中子(治具)を挿入する必要が生じるが、予め両開口16、17が形成された成形断熱材18を両箱4、3に取り付ける方式とすることで、係る中子は不要となり、発泡治具の形状が簡素化され、生産性も良好となる。
【0028】
一方、冷却ユニットRは、前述同様に鋼板製のユニットベース21上に冷凍サイクルの冷媒回路を構成する圧縮機22、凝縮器23、凝縮器用送風機24、電装箱25及び断熱性の冷却箱26等を設置して構成されている。この冷却箱26は下面が開放した矩形状を呈しており、内部には前記圧縮機22や凝縮器23等と冷凍サイクルの冷媒回路を構成する冷却器27や図示しない減圧装置(膨張弁やキャピラリチューブ)、冷却器用送風機28が取り付けられている。
【0029】
冷却箱26内の下面開口付近には鋼板製の露受皿31が前後に取り付けられ、その右側は冷気吸込側、左側は冷気吐出側とされている。前記冷却器27はこの露受皿31上に設置されると共に、前記冷却器用送風機28は冷却器27の冷気吐出側に配置されている。尚、32は、断熱箱体2の成形断熱材18上面周囲と冷却箱26の開口周縁をシールする断熱シール材である。
【0030】
この取り付け状態で、断熱箱体2の天井部の冷気吸込側開口16は冷却器27の冷気吸込側に連通し、冷気吐出側開口17は冷却器用送風機28を介して冷却器27の冷気吐出側に連通する。また、両開口16、17間の成形断熱材18の断熱壁(18Aで示す部分)は露受皿31の下方に対応している。
【0031】
また、成形断熱材18の冷気吸込側開口16及び冷気吐出側開口17間の断熱壁(図6に18Aで示す部分)下面には冷気吐出ダクト板33が取り付けられている。この冷気吐出ダクト板33は、図7乃至図9に示すように成形断熱材18の断熱壁(18Aの部分)から冷気吐出側開口17の下方を経て向かって左側に延在し、貯蔵室7天井面に固定されており、冷気吐出ダクト板33の左端は貯蔵室7の天井において向かって左方に開放している。
【0032】
以上の構成で、次に動作を説明する。前記圧縮機22や各送風機24、28が起動すると、冷却器27が冷却作用を発揮する。冷却器用送風機28は冷気吸込側開口16から貯蔵室7内の空気を吸引し、冷却器27の冷気吸込側に流入させる。そして、冷却器27と熱交換させて冷却した後、冷気吐出側開口17から冷気吐出ダクト板33方向に吐出する。
【0033】
冷気吐出ダクト板33に吐出された冷気は内部を通過し、貯蔵室7内の天井部分にて左方向に吹き出される。吹き出された冷気は貯蔵室7内部を図2中反時計回りに循環し、再び冷気吸込側開口16から冷却器27に帰還する。係る冷気循環によって貯蔵室7内を所定の温度に冷却される。
【0034】
このように、本発明の冷却貯蔵庫1は、下面が開放する断熱性の冷却箱26内に冷却器27及び冷却器用送風機28を設置し、この冷却箱26を、断熱箱体2の天井部に形成した天井部開口を塞ぐかたちで当該断熱箱体2の天面に設置して成るものであって、天井部開口を、成形断熱材18の断熱壁(18Aで示す部分)にて相互に区画された冷気吸込側開口16と冷気吐出側開口17とから構成し、冷却箱26が断熱箱体2の天面に設置された状態で、冷気吸込側開口16は冷却器27の冷気吸込側に連通し、冷気吐出側開口17は冷却器27の冷気吐出側に連通するようにしたので、図12〜図20に示した従来の冷却貯蔵庫101のように冷気吐出ダクト板133で断熱箱体102の天井部の開口116を冷気吸込側と冷気吐出側とに仕切る必要がなくなる。
【0035】
そして、冷気吸込側開口16と冷気吐出側開口17の間の断熱壁(成形断熱材18において18Aに示す部分)下面に冷気吐出ダクト板33を取り付けているので、従来の如く冷気吐出ダクト板133に結露が発生して断熱箱体102内の貯蔵室107の床面に滴下し、浸水・汚損が生じるする不都合も解消若しくは抑制できるようになる。また、図18〜図20に示した従来例の如く冷気吐出ダクト板133が断熱箱体102の天井より突出することがないので、断熱箱体2に予め冷気吐出ダクト板33を取り付けた状態で容易に梱包し、出荷可能となる。これにより、従来に比して冷却貯蔵庫1を設置する現場での作業が削減され、設置作業性も改善される。
【0036】
また、成形断熱材18の冷気吸込側開口16と冷気吐出側開口17の間の断熱壁(18Aで示す部分)上面は鋼板などの熱良導性材料にて被覆していないので、最も温度の低くなる冷却器27によって冷やされる断熱壁(18Aの部分)上面からの熱伝導によって両開口16、17周辺の断熱箱体2の天面、特に外箱3の窓孔3A周囲に結露が生じる危険性も効果的に解消若しくは抑制できるようになる。
【0037】
そして、冷気吸込側開口16及び冷気吐出側開口17を成形断熱材18に形成し、この成形断熱材18は、断熱箱体2の内外両箱4、3間に硬質発泡ポリウレタン断熱材6が発泡充填される以前に当該両箱4、3の天井部に取り付けるようにしたので、断熱材6の発泡充填時に両開口16、17を形成する場合に比して断熱箱体2の生産性を改善できる。
【0038】
尚、請求項1及び請求項2の発明では図10、図11のように外箱3の天井部に内箱4の窓孔4A、4Bに対応する窓孔3B、3Cを形成し、硬質発泡ポリウレタン断熱材6の充填時に同時に冷気吸込側開口16と冷気吐出側開口17を形成するようにしてもよい。
【0039】
但し、この場合には、両開口16、17間の断熱壁(図11に2Bで示す部分)の上面には外箱3が存在するため、当該部分が冷却器27に冷やされて熱伝導により周囲に結露が生じる危険性はある。従って、冷却箱26下端部分の断熱シールを向上させる等の必要が生じる。また、断熱箱体2の生産時にも発泡治具が上述の如く複雑化する(両開口16、17部分に中子を挿入して発泡する必要がある)問題がある。しかしながら、両開口16、17間の強度は外箱3が存在し、且つ、開口16、17間に断熱材6が一体に充填される分向上すると共に、成型断熱材が不要となることで、部品点数の削減は図れる効果はある。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、下面が開放する断熱性の冷却箱内に冷却器及び冷却器用送風機を設置し、この冷却箱を、断熱箱体の天井部に形成した天井部開口を塞ぐかたちで当該断熱箱体の天面に設置して成る冷却貯蔵庫において、天井部開口を、断熱壁にて相互に区画された冷気吸込側開口と冷気吐出側開口とから構成し、冷却箱が断熱箱体の天面に設置された状態で、冷気吸込側開口は冷却器の冷気吸込側に連通し、冷気吐出側開口は冷却器の冷気吐出側に連通するようにしたので、従来のように冷気吐出ダクト板で断熱箱体天井部の開口を冷気吸込側と冷気吐出側とに仕切る必要がなくなる。
【0041】
そして、請求項2の如く冷気吸込側開口と冷気吐出側開口の間の断熱壁下面に冷気吐出ダクト板を取り付ければ従来の如く冷気吐出ダクト板に結露が発生して断熱箱体内が浸水する不都合も解消若しくは抑制できるようになる。また、従来の如く冷気吐出ダクト板が断熱箱体の天井より突出することがないので、断熱箱体に予め取り付けた状態で容易に梱包して出荷可能となり、従来に比して設置作業性も改善される。
【0042】
請求項3の発明によれば、上記に加えて冷気吸込側開口と冷気吐出側開口の間の断熱壁上面を、熱良導性材料にて被覆しないようにしたので、最も温度の低くなる冷却器によって冷やされる断熱壁上面からの熱伝導によって両開口周辺の断熱箱体の天面に結露が生じる危険性も効果的に解消若しくは抑制できるようになる。
【0043】
請求項4の発明によれば、上記各発明に加えて断熱箱体を、外箱と、内箱と、当該両箱間に発泡充填された断熱材から構成すると共に、冷気吸込側開口及び冷気吐出側開口を、両箱間に断熱材が発泡充填される以前に当該両箱の天井部に取り付けられた成形断熱材に形成するようにしたので、断熱箱体の生産性も良好となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の冷却貯蔵庫の縦断側面図である。
【図2】図1の冷却貯蔵庫の縦断正面図である。
【図3】図1の冷却貯蔵庫の平面図である。
【図4】図1の冷却貯蔵庫上部の拡大縦断正面図である。
【図5】図1の冷却貯蔵庫の断熱箱体の平面図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】図1の冷却貯蔵庫の断熱箱体の側面図である。
【図8】図1の冷却貯蔵庫の断熱箱体の正面図である。
【図9】図1の冷却貯蔵庫の断熱箱体の平面図である。
【図10】本発明の他の実施例の冷却貯蔵庫の断熱箱体の平面図である。
【図11】図10のB−B線断面図である。
【図12】従来の冷却貯蔵庫の縦断側面図である。
【図13】図12の冷却貯蔵庫の縦断正面図である。
【図14】図12の冷却貯蔵庫の平面図である。
【図15】図12の冷却貯蔵庫上部の拡大縦断正面図である。
【図16】図12の冷却貯蔵庫の断熱箱体の平面図である。
【図17】図16のC−C線断面図である。
【図18】図12の冷却貯蔵庫の断熱箱体の側面図である。
【図19】図12の冷却貯蔵庫の断熱箱体の正面図である。
【図20】図12の冷却貯蔵庫の断熱箱体の平面図である。
【符号の説明】
R 冷却ユニット
1 冷却貯蔵庫
2 断熱箱体
3 外箱
3A、3B、3C、4A、4B 窓孔
4 内箱
6 硬質発泡ポリウレタン断熱材
7 貯蔵室
16 冷気吸込側開口
17 冷気吐出側開口
18 成型断熱材
21 ユニットベース
22 圧縮機
23 凝縮器
24 凝縮器用送風機
26 冷却箱
27 冷却器
28 冷却器用送風機
31 露受皿
Claims (4)
- 下面が開放する断熱性の冷却箱内に冷却器及び冷却器用送風機を設置し、この冷却箱を、断熱箱体の天井部に形成した天井部開口を塞ぐかたちで当該断熱箱体の天面に設置して成る冷却貯蔵庫において、
前記天井部開口は、断熱壁にて相互に区画された冷気吸込側開口と冷気吐出側開口とから成り、前記冷却箱が前記断熱箱体の天面に設置された状態で、前記冷気吸込側開口は前記冷却器の冷気吸込側に連通し、前記冷気吐出側開口は前記冷却器の冷気吐出側に連通することを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記冷気吸込側開口と冷気吐出側開口の間の断熱壁下面に冷気吐出ダクト板を取り付けたことを特徴とする請求項1の冷却貯蔵庫。
- 前記冷気吸込側開口と冷気吐出側開口の間の断熱壁上面を、熱良導性材料にて被覆しないことを特徴とする請求項1又は請求項2の冷却貯蔵庫。
- 前記断熱箱体は、外箱と、内箱と、当該両箱間に発泡充填された断熱材から構成されると共に、前記冷気吸込側開口及び冷気吐出側開口は、前記両箱間に断熱材が発泡充填される以前に当該両箱の天井部に取り付けられた成形断熱材に形成されていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の冷却貯蔵庫。
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Cited By (1)
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CN104596189A (zh) * | 2015-01-26 | 2015-05-06 | 广西钦州市奇福保温冷冻设备有限公司 | 冷库一体机隔热箱体与冷库体联接结构 |
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2002
- 2002-06-18 JP JP2002177228A patent/JP2004020098A/ja active Pending
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CN104596189A (zh) * | 2015-01-26 | 2015-05-06 | 广西钦州市奇福保温冷冻设备有限公司 | 冷库一体机隔热箱体与冷库体联接结构 |
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