JP2004016659A - 手術室対応電磁シールド体 - Google Patents
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Abstract
【課題】手術室全体にRFシールドを施す必要無く、かつ、他の機器からのラインノイズの影響を除去可能であり、安価であり、かつ容易に設置可能な手術室対応電磁シールド体を実現する。
【解決手段】床面をメタルプレート6とし、支持柱2a〜2dに支持され、ノイズフィルタ3が接続されたメタルメッシュ1により撮影装置空間を包囲する。これにより、撮影装置空間を電磁ノイズ等から遮蔽する構成としたので、手術室全体にRFシールドを施す必要無く、かつ、他の機器からのラインノイズの影響を除去可能であり、安価であり、かつ容易に設置可能な手術室対応電磁シールド体を実現することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】床面をメタルプレート6とし、支持柱2a〜2dに支持され、ノイズフィルタ3が接続されたメタルメッシュ1により撮影装置空間を包囲する。これにより、撮影装置空間を電磁ノイズ等から遮蔽する構成としたので、手術室全体にRFシールドを施す必要無く、かつ、他の機器からのラインノイズの影響を除去可能であり、安価であり、かつ容易に設置可能な手術室対応電磁シールド体を実現することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手術室対応の磁気共鳴イメージングシステムに係わり、特に、手術中の磁気共鳴イメージングに際し、妨害となる高周波ノイズの除去手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)は、主に、被検体の組織を構成する原子核に核磁気共鳴を生じさせ、被検体から生じる核磁気共鳴信号を励起、受信するための計測系と、この計測系の各要素に電流を供給し、あるいは要素の一つである受信コイルからの信号を増幅する信号・電力増幅系と、この信号・電力増幅系の駆動を制御するとともに受信信号に基づき、被検体の断層像を再構成する信号処理系とを備える。
【0003】
そして、上記計測系は、静磁場を発生する磁石と、互いに直交する3軸方向のそれぞれに傾斜磁場を発生する3組の傾斜磁場コイルと、高周波磁場を発生する照射コイルと、被検体から発生する高周波磁場である核磁気共鳴信号を受信する受信コイルとを備える。
【0004】
また、信号・電力増幅系は、各傾斜磁場コイルに電流を供給する傾斜磁場電源と、受信した信号を増幅する信号増幅器と、照射コイルに電流を供給する電力増幅器とを備える。
【0005】
上述した従来のMRI装置において、図4に示すように、計測系は、外部環境からの高周波ノイズから遮蔽するために、手術室100をRFシールド20(破線)で覆ったシールドルーム内に設置されている。なお、図4の(A)は手術室100の断面を示し、(B)は、手術室100の平面を示す。
【0006】
シールドルームは、電磁波遮蔽のために、その壁・床・天井面全面に電磁波遮蔽体であるRFシールド20、すなわち電気的導体板または導体箔が設けられており、この導体板または導体箔は人体への電撃防止のために接地されている。
【0007】
また、壁面の一部には、電気的導体板もしくは導体箔と電気的・構造的に一体に接続されたフィルタボックスが設けられている。このフィルタボックス内には、ノイズフィルタが設置され、外部からの電源、信号ケーブルなどは、ノイズフィルタを介して、手術室100内部に導入される。
【0008】
通常の診断を目的としたMRI撮像では、上述のような電磁波遮蔽体20が設置されたシールドルームによって、外部からの高周波ノイズをほぼ排除でき、良好な画像を得ることができる。
【0009】
MRI撮像を手術中に行なう場合、通常の手術室では電磁遮蔽体が無いために、手術室外からの電磁波が撮影空間に入りこみ、MRI画像にノイズが入る。これを防ぐために、手術室を良好なMRI撮像が可能なシールドルームとするものである。
【0010】
また、手術室内部には、心電計、麻酔器、電気メス、筋電計、脳波計、加温治療機、各機器の電源など高周波ノイズを発生する電気・電子機器、および電気・電子機器に付属する導体線などが配置される。
【0011】
このため、MRI撮像中は、高周波ノイズの影響を回避するため、これらの電源を消す必要があり、MRI撮像を行なう前準備やMRI撮像後に手術を再開する準備に時間を要するため、手術時間が長くなる。
【0012】
そこで、図5に示すように、被検体の頭部(撮影部)以外を覆ったメッシュケージを、電磁シールドを施した円筒形磁石の開口部分に挿入し、撮影部分を完全に電磁シールド21にて覆う例もある(カルガリー大学、Neurosurgery, Vol.47, No.1, July, 2000)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、良好なMRI撮像を行うためには、手術室全体にRFシールドを施された特殊な高価な手術室が必要である。そして、RFシールドが施されていない既存の手術室については、大幅な改築工事が必要であり、多大な費用や時間が必要となる。
【0014】
また、MRI撮像を行なう前準備やMRI撮像後に手術を再開する準備時間を短縮するため、メッシュケージを電磁シールドを施した円筒形磁石の開口部分に挿入し、撮影部分を完全に電磁シールド21にて覆う場合、頭部(撮影部)に呼吸器、脳波計など各機器を取り付けることが困難であった。
【0015】
仮に、頭部に呼吸器などの取付けが可能となっても、呼吸器、脳波計に接続されるケーブルからのラインノイズの影響を除去することができなかった。
【0016】
本発明の目的は、手術室全体にRFシールドを施す必要無く、かつ、他の機器からのラインノイズの影響を除去可能であり、安価であり、かつ容易に設置可能な手術室対応電磁シールド体を実現することである。
【0017】
【発明を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
(1)手術室対応電磁シールド体において、電磁波遮蔽体からなる床面と、電磁遮蔽体からなり、上記床面と電気的に接続される電磁波遮蔽シートと、上記電磁波遮蔽シートを上記床面上に支持する支持柱とを備え、手術室内の核磁気共鳴イメージング装置が配置される撮像装置空間を上記電磁波遮蔽シート及び床面により、電磁波を発生する周辺機器が配置される周辺機器空間から隔離する。
【0018】
(2)好ましくは、上記(1)において、上記撮影装置空間内に位置する電気機器と、上記撮影装置空間外に位置する電気機器とを接続し、上記電磁波遮蔽シートに接続されたノイズフィルタを備える。
【0019】
(3)また、好ましくは、上記(1)又は(2)において、上記電磁波遮蔽シートは板状又は網状の形状である。
【0020】
(4)また、好ましくは、上記(1)又は(2)において、上記電磁波遮蔽シートは金属性の箔体である。
【0021】
(5)また、好ましくは、上記(1)又は(2)において、上記電磁波遮蔽シートは非磁性導体である。
【0022】
(6)手術室対応電磁シールド体において、電磁シールドを施していない手術室内に位置する核磁気共鳴イメージング装置を含む撮影装置空間と、電磁波を発生する物体を含む周辺機器空間とを分離する電磁波遮蔽シートを備える。
【0023】
【発明の実施の形熊】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態である手術室対応電磁シールド体の概略構成図である。
【0024】
図1において、手術室100は、一般の外科手術を行なう室であり、MRI撮像を実施することに対応した、磁気及びRFシールドは、部屋全体には施されていない手術室である。
【0025】
また、この手術室100には、外科手術を行なうために必要な術具一式、心電計、麻酔器、呼吸器、電気メスなどが存在する。
【0026】
また、上記心電計等の機器の他に、手術中に人体の断層像を撮影するMRI装置、術者および補助者、患者等が存在する。
【0027】
本発明の第1の実施形態では、手術室100の内部空間を、術者および補助者、患者、術具一式とMRI装置が存在する撮影装置空間と、心電計、呼吸器、麻酔器など電磁波を発生する電子機器が存在するノイズ発生機器空間(周辺機器空間)との2つの空間に分類する。
【0028】
そして、上述した撮影装置空間とノイズ発生機器空間との2つの空間が電磁シールド材にて互いに隔てられる。
【0029】
この電磁シールド材としては、例えば、非磁性体導体、金属性のメッシュやプレート、樹脂製またはカーボン繊維製の電磁シールド材など、網状(ネット状)の客易に設置・撤去可能なものが使用される。つまり、手術室の天井や壁面の大幅な改造を行う必要なく設置可能となものが使用される。
【0030】
図1に示した例においては、撮影装置空間を囲う支持柱2a〜2dと、これら支持柱2a〜2dに支持され、撮影装置空間を覆うメタルメッシュ1が使用されている。
【0031】
また、手術室100の床面のうち、全面またはRFシールド空間101の床面全面は望ましくはメタルプレート6とし、メタルメッシュ1とメタルプレート6とは電気的に接触した構成となっている。例えば、撮影装置空間への入口以外のメタルプレート6とメタルメッシュ1との接合部分は、はんだ付けなどにより電気的に接続されている。
【0032】
また、撮影装置空間では、術者および補助者が術技を行なうために十分な空間が確保されることが望ましい。
【0033】
さらに、電磁シールド体のメタルメッシュ1には、ノイズフイルタ3が電気的に接続されている。呼吸器、麻酔器、心電計、電気メス、MRI装置電源などの心電計等の機器4、5に接続しているケーブル類は、ノイズフィルタ3を介して、撮影装置空間に存在する術者および患者、MRI装置に接続あるいは近傍まで配線される。
【0034】
このノイズフィルタ3により、機器4、5から電磁波及び電子機器に接続される導線・ケーブルからのラインノイズが、MRI装置の撮影装置空間に侵入することを防ぐことができる。
【0035】
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、床面をメタルプレートとし、支持柱2a〜2dに支持され、ノイズフィルタ3が接続されたメタルメッシュ1により撮影空間を包囲する。これにより、撮影装置空間を電磁ノイズ等から遮蔽する構成としたので、手術室全体にRFシールドを施す必要無く、かつ、他の機器からのラインノイズの影響を除去可能であり、安価であり、かつ容易に設置可能な手術室対応電磁シールド体を実現することができる。
【0036】
なお、撮影装置空間が広い場合などであって、電磁シールド材にて撮影装置空間を覆うことが困難な場合は、上述の方法とは逆に、ノイズフィルタを接続した電磁シールド材にて電子機器空間を覆う構成とすることも可能である。
【0037】
図2は、本発明の第2の実施形態である手術室対応電磁シールド体の概略構成図である。この第2の実施形態と第1の実施形態との異なるところは、メタルメッシュ1に代えて、メタルプレート7を用いたところである。メタルプレート7は天板、壁板を有し、支持柱8a〜8dに支持されている。
【0038】
また、メタルプレート7以外にも、複合樹脂製の電磁シールド材など、耐久性のある電磁シールド材を使用することもできる。
【0039】
ここで、耐久性とは、術者およぴ補助者などが触れても、容易に破損したりしないことを意味する。
【0040】
なお、メタルプレート7の代りにメタル箔を樹脂や木製ボードに貼りつけたものを使用してもよい。この揚合においても、撮影装置空間を覆う面に配置する各電磁シールド材間を互いに電気的に接続しておく。
【0041】
さらに、撮影装置空間を覆う耐久性電磁シールド材には、術者および補助者が出入りできる入り口7bおよび装置空間外に存在する補助者などが術技ならびに術者の指示を目視するための覗窓7aが設けられ、この部分には望ましくはメタルメッシュが使用される。
【0042】
上述した、本発明の第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0043】
図3は、本発明の第3の実施形態である手術室対応電磁シールド体の概略構成図である。この第3の実施形態と第1の実施形態との異なるところは、メタルメッシュ1に代えて、天板を支持柱9a〜9dに支持されるメタル板9とし、撮影装置空間の壁面部を電磁シールド材からなるメタルカーテン10で包囲したところである。他の構成は第1の実施形態と同様となっている。
【0044】
このメタルカーテン10は、アコーディオンカーテン状となっており、床面のメタルプレート6とは電気的に接続するために隙間がない構造とされている。例えば、アコーディオンカーテンであるメタルカーテン10が開閉可能なレールが形成されている。
【0045】
メタルカーテン10をアコーディオンカーテン状とすることにより、MRI撮像を実施しない手術時には、アコーディオンカーテンを開けて、撮影装置空間を開放し、術技の妨げにならないような構成とすることができる。
【0046】
この場合、壁面の一部をメタルプレートとし、この部分にノイズフィルタ3を設置する。また、壁面全体をカーテン状の電磁シールド材とした場合は、天井または床面にノイズフィルタ3を配置する。
【0047】
上述した本発明の第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる他、壁面をアコーディオンカーテン状のメタルカーテン10としたので、MRI撮像を実施しない手術時には、アコーディオンカーテンを開けて、撮影装置空間を開放し、術技の妨げにならないような構成とすることができる。
【0048】
なお、上述した例においては、床面をメタルプレートとしたが、メタルプレートに限らず、例えぱ、非磁性体導体等の電磁シールド材としてもよい。
【0049】
また、上述した本発明の実施形態である電磁シールド体は、メタルメッシュ、支持柱、床面、フィルタ等を個々の部品として、手術室に搬入し、手術室内で組み立てることができる構成となっている。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、手術室全体にRFシールドを施す必要無く、かつ、他の機器からのラインノイズの影響を除去可能であり、安価であり、かつ容易に設置可能な手術室対応電磁シールド体を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である手術室対応電磁シールド体の概略構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態である手術室対応電磁シールド体の概略構成図である。
【図3】本発明の第3の実施形態である手術室対応電磁シールド体の概略構成図である。
【図4】従来技術における手術室全体をシールドルームとした例を示す図である。
【図5】従来技術における被検体の撮影部以外を覆ったメッシュケージにより電磁シールドを施した例を示す図である。
【符号の説明】
1 メタルメッシュ
2a〜2d 支持柱
3 フィルタ
4 心電計
5 信号・電力増幅系及び信号処理系
6 メタルメッシュ
7 メタルプレート
7a 覗き窓
7b 入り口
8a〜8d 支持柱
9 メタル板
9a、9b 支持柱
10 メタルカーテン
100 手術室
101 RFシールド空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、手術室対応の磁気共鳴イメージングシステムに係わり、特に、手術中の磁気共鳴イメージングに際し、妨害となる高周波ノイズの除去手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)は、主に、被検体の組織を構成する原子核に核磁気共鳴を生じさせ、被検体から生じる核磁気共鳴信号を励起、受信するための計測系と、この計測系の各要素に電流を供給し、あるいは要素の一つである受信コイルからの信号を増幅する信号・電力増幅系と、この信号・電力増幅系の駆動を制御するとともに受信信号に基づき、被検体の断層像を再構成する信号処理系とを備える。
【0003】
そして、上記計測系は、静磁場を発生する磁石と、互いに直交する3軸方向のそれぞれに傾斜磁場を発生する3組の傾斜磁場コイルと、高周波磁場を発生する照射コイルと、被検体から発生する高周波磁場である核磁気共鳴信号を受信する受信コイルとを備える。
【0004】
また、信号・電力増幅系は、各傾斜磁場コイルに電流を供給する傾斜磁場電源と、受信した信号を増幅する信号増幅器と、照射コイルに電流を供給する電力増幅器とを備える。
【0005】
上述した従来のMRI装置において、図4に示すように、計測系は、外部環境からの高周波ノイズから遮蔽するために、手術室100をRFシールド20(破線)で覆ったシールドルーム内に設置されている。なお、図4の(A)は手術室100の断面を示し、(B)は、手術室100の平面を示す。
【0006】
シールドルームは、電磁波遮蔽のために、その壁・床・天井面全面に電磁波遮蔽体であるRFシールド20、すなわち電気的導体板または導体箔が設けられており、この導体板または導体箔は人体への電撃防止のために接地されている。
【0007】
また、壁面の一部には、電気的導体板もしくは導体箔と電気的・構造的に一体に接続されたフィルタボックスが設けられている。このフィルタボックス内には、ノイズフィルタが設置され、外部からの電源、信号ケーブルなどは、ノイズフィルタを介して、手術室100内部に導入される。
【0008】
通常の診断を目的としたMRI撮像では、上述のような電磁波遮蔽体20が設置されたシールドルームによって、外部からの高周波ノイズをほぼ排除でき、良好な画像を得ることができる。
【0009】
MRI撮像を手術中に行なう場合、通常の手術室では電磁遮蔽体が無いために、手術室外からの電磁波が撮影空間に入りこみ、MRI画像にノイズが入る。これを防ぐために、手術室を良好なMRI撮像が可能なシールドルームとするものである。
【0010】
また、手術室内部には、心電計、麻酔器、電気メス、筋電計、脳波計、加温治療機、各機器の電源など高周波ノイズを発生する電気・電子機器、および電気・電子機器に付属する導体線などが配置される。
【0011】
このため、MRI撮像中は、高周波ノイズの影響を回避するため、これらの電源を消す必要があり、MRI撮像を行なう前準備やMRI撮像後に手術を再開する準備に時間を要するため、手術時間が長くなる。
【0012】
そこで、図5に示すように、被検体の頭部(撮影部)以外を覆ったメッシュケージを、電磁シールドを施した円筒形磁石の開口部分に挿入し、撮影部分を完全に電磁シールド21にて覆う例もある(カルガリー大学、Neurosurgery, Vol.47, No.1, July, 2000)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、良好なMRI撮像を行うためには、手術室全体にRFシールドを施された特殊な高価な手術室が必要である。そして、RFシールドが施されていない既存の手術室については、大幅な改築工事が必要であり、多大な費用や時間が必要となる。
【0014】
また、MRI撮像を行なう前準備やMRI撮像後に手術を再開する準備時間を短縮するため、メッシュケージを電磁シールドを施した円筒形磁石の開口部分に挿入し、撮影部分を完全に電磁シールド21にて覆う場合、頭部(撮影部)に呼吸器、脳波計など各機器を取り付けることが困難であった。
【0015】
仮に、頭部に呼吸器などの取付けが可能となっても、呼吸器、脳波計に接続されるケーブルからのラインノイズの影響を除去することができなかった。
【0016】
本発明の目的は、手術室全体にRFシールドを施す必要無く、かつ、他の機器からのラインノイズの影響を除去可能であり、安価であり、かつ容易に設置可能な手術室対応電磁シールド体を実現することである。
【0017】
【発明を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
(1)手術室対応電磁シールド体において、電磁波遮蔽体からなる床面と、電磁遮蔽体からなり、上記床面と電気的に接続される電磁波遮蔽シートと、上記電磁波遮蔽シートを上記床面上に支持する支持柱とを備え、手術室内の核磁気共鳴イメージング装置が配置される撮像装置空間を上記電磁波遮蔽シート及び床面により、電磁波を発生する周辺機器が配置される周辺機器空間から隔離する。
【0018】
(2)好ましくは、上記(1)において、上記撮影装置空間内に位置する電気機器と、上記撮影装置空間外に位置する電気機器とを接続し、上記電磁波遮蔽シートに接続されたノイズフィルタを備える。
【0019】
(3)また、好ましくは、上記(1)又は(2)において、上記電磁波遮蔽シートは板状又は網状の形状である。
【0020】
(4)また、好ましくは、上記(1)又は(2)において、上記電磁波遮蔽シートは金属性の箔体である。
【0021】
(5)また、好ましくは、上記(1)又は(2)において、上記電磁波遮蔽シートは非磁性導体である。
【0022】
(6)手術室対応電磁シールド体において、電磁シールドを施していない手術室内に位置する核磁気共鳴イメージング装置を含む撮影装置空間と、電磁波を発生する物体を含む周辺機器空間とを分離する電磁波遮蔽シートを備える。
【0023】
【発明の実施の形熊】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態である手術室対応電磁シールド体の概略構成図である。
【0024】
図1において、手術室100は、一般の外科手術を行なう室であり、MRI撮像を実施することに対応した、磁気及びRFシールドは、部屋全体には施されていない手術室である。
【0025】
また、この手術室100には、外科手術を行なうために必要な術具一式、心電計、麻酔器、呼吸器、電気メスなどが存在する。
【0026】
また、上記心電計等の機器の他に、手術中に人体の断層像を撮影するMRI装置、術者および補助者、患者等が存在する。
【0027】
本発明の第1の実施形態では、手術室100の内部空間を、術者および補助者、患者、術具一式とMRI装置が存在する撮影装置空間と、心電計、呼吸器、麻酔器など電磁波を発生する電子機器が存在するノイズ発生機器空間(周辺機器空間)との2つの空間に分類する。
【0028】
そして、上述した撮影装置空間とノイズ発生機器空間との2つの空間が電磁シールド材にて互いに隔てられる。
【0029】
この電磁シールド材としては、例えば、非磁性体導体、金属性のメッシュやプレート、樹脂製またはカーボン繊維製の電磁シールド材など、網状(ネット状)の客易に設置・撤去可能なものが使用される。つまり、手術室の天井や壁面の大幅な改造を行う必要なく設置可能となものが使用される。
【0030】
図1に示した例においては、撮影装置空間を囲う支持柱2a〜2dと、これら支持柱2a〜2dに支持され、撮影装置空間を覆うメタルメッシュ1が使用されている。
【0031】
また、手術室100の床面のうち、全面またはRFシールド空間101の床面全面は望ましくはメタルプレート6とし、メタルメッシュ1とメタルプレート6とは電気的に接触した構成となっている。例えば、撮影装置空間への入口以外のメタルプレート6とメタルメッシュ1との接合部分は、はんだ付けなどにより電気的に接続されている。
【0032】
また、撮影装置空間では、術者および補助者が術技を行なうために十分な空間が確保されることが望ましい。
【0033】
さらに、電磁シールド体のメタルメッシュ1には、ノイズフイルタ3が電気的に接続されている。呼吸器、麻酔器、心電計、電気メス、MRI装置電源などの心電計等の機器4、5に接続しているケーブル類は、ノイズフィルタ3を介して、撮影装置空間に存在する術者および患者、MRI装置に接続あるいは近傍まで配線される。
【0034】
このノイズフィルタ3により、機器4、5から電磁波及び電子機器に接続される導線・ケーブルからのラインノイズが、MRI装置の撮影装置空間に侵入することを防ぐことができる。
【0035】
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、床面をメタルプレートとし、支持柱2a〜2dに支持され、ノイズフィルタ3が接続されたメタルメッシュ1により撮影空間を包囲する。これにより、撮影装置空間を電磁ノイズ等から遮蔽する構成としたので、手術室全体にRFシールドを施す必要無く、かつ、他の機器からのラインノイズの影響を除去可能であり、安価であり、かつ容易に設置可能な手術室対応電磁シールド体を実現することができる。
【0036】
なお、撮影装置空間が広い場合などであって、電磁シールド材にて撮影装置空間を覆うことが困難な場合は、上述の方法とは逆に、ノイズフィルタを接続した電磁シールド材にて電子機器空間を覆う構成とすることも可能である。
【0037】
図2は、本発明の第2の実施形態である手術室対応電磁シールド体の概略構成図である。この第2の実施形態と第1の実施形態との異なるところは、メタルメッシュ1に代えて、メタルプレート7を用いたところである。メタルプレート7は天板、壁板を有し、支持柱8a〜8dに支持されている。
【0038】
また、メタルプレート7以外にも、複合樹脂製の電磁シールド材など、耐久性のある電磁シールド材を使用することもできる。
【0039】
ここで、耐久性とは、術者およぴ補助者などが触れても、容易に破損したりしないことを意味する。
【0040】
なお、メタルプレート7の代りにメタル箔を樹脂や木製ボードに貼りつけたものを使用してもよい。この揚合においても、撮影装置空間を覆う面に配置する各電磁シールド材間を互いに電気的に接続しておく。
【0041】
さらに、撮影装置空間を覆う耐久性電磁シールド材には、術者および補助者が出入りできる入り口7bおよび装置空間外に存在する補助者などが術技ならびに術者の指示を目視するための覗窓7aが設けられ、この部分には望ましくはメタルメッシュが使用される。
【0042】
上述した、本発明の第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0043】
図3は、本発明の第3の実施形態である手術室対応電磁シールド体の概略構成図である。この第3の実施形態と第1の実施形態との異なるところは、メタルメッシュ1に代えて、天板を支持柱9a〜9dに支持されるメタル板9とし、撮影装置空間の壁面部を電磁シールド材からなるメタルカーテン10で包囲したところである。他の構成は第1の実施形態と同様となっている。
【0044】
このメタルカーテン10は、アコーディオンカーテン状となっており、床面のメタルプレート6とは電気的に接続するために隙間がない構造とされている。例えば、アコーディオンカーテンであるメタルカーテン10が開閉可能なレールが形成されている。
【0045】
メタルカーテン10をアコーディオンカーテン状とすることにより、MRI撮像を実施しない手術時には、アコーディオンカーテンを開けて、撮影装置空間を開放し、術技の妨げにならないような構成とすることができる。
【0046】
この場合、壁面の一部をメタルプレートとし、この部分にノイズフィルタ3を設置する。また、壁面全体をカーテン状の電磁シールド材とした場合は、天井または床面にノイズフィルタ3を配置する。
【0047】
上述した本発明の第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる他、壁面をアコーディオンカーテン状のメタルカーテン10としたので、MRI撮像を実施しない手術時には、アコーディオンカーテンを開けて、撮影装置空間を開放し、術技の妨げにならないような構成とすることができる。
【0048】
なお、上述した例においては、床面をメタルプレートとしたが、メタルプレートに限らず、例えぱ、非磁性体導体等の電磁シールド材としてもよい。
【0049】
また、上述した本発明の実施形態である電磁シールド体は、メタルメッシュ、支持柱、床面、フィルタ等を個々の部品として、手術室に搬入し、手術室内で組み立てることができる構成となっている。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、手術室全体にRFシールドを施す必要無く、かつ、他の機器からのラインノイズの影響を除去可能であり、安価であり、かつ容易に設置可能な手術室対応電磁シールド体を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である手術室対応電磁シールド体の概略構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態である手術室対応電磁シールド体の概略構成図である。
【図3】本発明の第3の実施形態である手術室対応電磁シールド体の概略構成図である。
【図4】従来技術における手術室全体をシールドルームとした例を示す図である。
【図5】従来技術における被検体の撮影部以外を覆ったメッシュケージにより電磁シールドを施した例を示す図である。
【符号の説明】
1 メタルメッシュ
2a〜2d 支持柱
3 フィルタ
4 心電計
5 信号・電力増幅系及び信号処理系
6 メタルメッシュ
7 メタルプレート
7a 覗き窓
7b 入り口
8a〜8d 支持柱
9 メタル板
9a、9b 支持柱
10 メタルカーテン
100 手術室
101 RFシールド空間
Claims (3)
- 電磁波遮蔽体からなる床面と、
電磁遮蔽体からなり、上記床面と電気的に接続される電磁波遮蔽シートと、
上記電磁波遮蔽シートを上記床面上に支持する支持柱と、
を備え、手術室内の核磁気共鳴イメージング装置が配置される撮像装置空間を上記電磁波遮蔽シート及び床面により、電磁波を発生する周辺機器が配置される周辺機器空間から隔離することを特徴とする手術室対応電磁シールド体。 - 請求項1記載の手術室対応電磁シールド体において、上記撮影装置空間内に位置する電気機器と、上記撮影装置空間外に位置する電気機器とを接続し、上記電磁波遮蔽シートに接続されたノイズフィルタを備えることを特徴とする手術室対応電磁シールド体。
- 電磁シールドを施していない手術室内に位置する核磁気共鳴イメージング装置を含む撮影装置空間と、電磁波を発生する物体を含む周辺機器空間とを分離する電磁波遮蔽シートを備えることを特徴とする手術室対応電磁シールド体。
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2002
- 2002-06-19 JP JP2002178908A patent/JP2004016659A/ja active Pending
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