JP2004015970A - 電力系統の復旧方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】需要設備等の応急的復旧経路の抽出および選定を効率よく行える電力系統の復旧方法および装置を提供する。
【解決手段】電力系統の設備間の開閉を行う開閉器について、現在「切」状態のもののインピーダンスを大きく、「入」状態のものについては小さく設定して回路計算を行い、需要家設備への電流値が最大となる経路を応急的な復旧経路候補として選定し、処理の効率化を図る。
【効果】復旧するための経路が多数存在する場合において全ての組合せ経路を抽出しておく必要がなくなるため、応急的復旧経路の探索が1回で済むので復旧経路の抽出および選定が効率よく求められる効果がある。
【選択図】 図6
【解決手段】電力系統の設備間の開閉を行う開閉器について、現在「切」状態のもののインピーダンスを大きく、「入」状態のものについては小さく設定して回路計算を行い、需要家設備への電流値が最大となる経路を応急的な復旧経路候補として選定し、処理の効率化を図る。
【効果】復旧するための経路が多数存在する場合において全ての組合せ経路を抽出しておく必要がなくなるため、応急的復旧経路の探索が1回で済むので復旧経路の抽出および選定が効率よく求められる効果がある。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統の監視制御で系統事故等において電源から需要設備等へ電源供給再開するための応急的な経路を求める電力系統の復旧方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力系統の系統事故において需要設備等に支障をきたす場合、需要設備等へ電源供給再開のための応急的経路を求める必要がある。電力系統の応急的経路対象設備の接続が多岐にわたる場合、経路が多数存在するため、全ての経路を組合せ探索し経路を選定している。
【0003】
例えば、特開平5−252665号公報に記載のように、健全系統内の操作による応援電力の拡大処理が可能か否かを判断し、拡大処理が可能な場合にはその拡大処理を一旦登録し、復旧目標系統作成中の系統状態を事故後の系統状態に初期化した後、登録済の応援電力の拡大処理を行い、停電系統内の負荷送電を判断し、全ての停電系統が復旧できるまで停電系統内の負荷送電を行うという一連の操作を繰り返して復旧目標系統を作成する電力系統の事故復旧方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、特開平5−252665号公報に記載の従来の技術は、系統事故の発生により電力系統の大規模な停電を伴う場合、復旧を行うために、電源から需要設備等までの応急的復旧経路が多数存在し、その全ての組合せ経路を探索して抽出および選定を行う必要があるため処理性能に問題があった。
【0005】
本発明の第1の目的は、需要設備等の応急的復旧経路の抽出および選定を効率よく行える電力系統の復旧方法および装置を提供することである。
【0006】
本発明の第2の目的は、開閉器の操作がなるべく少ない復旧経路を選定できる電力系統の復旧方法および装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、電力系統の設備間の開閉を行う開閉器について、現在「切」状態のもののインピーダンスを大きく、「入」状態のものについては小さく設定して回路計算を行い、需要家設備への電流値が最大となる経路を応急的な復旧経路候補として選定し、処理の効率化を図るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を図1から図6により説明する。図1は、本実施例の電力系統の遠方監視制御システムの構成図である。
【0009】
図1に示すように、現地の機器,設備は、電源50に接続された電気所母線101,需要家設備60に接続された電気所母線102,需要家設備61に接続された電気所母線104,電気所母線101と電気所母線104との中間的に配置される電気所母線103,電気所母線101と電気所母線104とを接続する電線に設けられる開閉器111,118,開閉器111の遠方監視制御装置子局122,開閉器118の遠方監視制御装置子局129,電気所母線101と電気所母線103とを接続する電線に設けられる開閉器110,113,開閉器110,113の夫々に設けられる遠方監視制御装置子局121,124,電気所母線101と電気所母線102とを接続する電線に設けられる開閉器112,開閉器112に設けられる遠方監視制御装置子局123,電気所母線103と電気所母線104とを接続する電線に設けられる開閉器114〜117,開閉器114〜117の夫々に設けられる遠方監視制御装置子局125〜128で構成される。ここで、黒く塗られた開閉器は入りの状態を示し、白抜きの開閉器は切りの状態を示している。ここで、開閉器とは、遮断器や断路器である。
【0010】
遠方監視制御装置子局121〜129は、集配信装置150を介して監視制御用サーバ160と接続され、監視制御用サーバ160は、LAN100を介してマンマシンインターフェイス端末170及びデータベース180と接続されており、現地の機器・設備とともに遠方監視制御システムを構成している。遠方監視制御装置子局121〜129からの系統の運用状態を表すデータは、データベース180に取り込まれ保存され、系統の運用状態はマンマシンインターフェイス端末170に表示される。
【0011】
図2は、監視制御用サーバ160の構成の詳細を示す図である。図2に示すように、復旧対象関連設備抽出機能502,開閉器インピーダンス及び復旧対象需要設備の負荷量設定機能503,回路計算機能504,電流値最大ルート抽出機能505,復旧ルート決定機能506,抽出データ格納ファイル511,回路計算データ格納ファイル512,回路計算結果格納ファイル513,復旧ルート候補格納ファイル514で構成されている。復旧対象関連設備抽出機能502は、全体の運用状態データから今回処理対象となる電力系統の運用状態データの抽出、各設備の物理的な接続情報の抽出を行い、抽出データ格納ファイル511に記憶させる。開閉器インピーダンス設定機能又は復旧対象需要家設備の負荷量設定機能503は、抽出データ格納ファイル511に記憶されたデータを参照して、後述するように各開閉器のインピーダンス値の設定、又は復旧対象の需要家設備の負荷量、すなわち電流値または電力値の設定を行い、設定した結果を回路計算データ格納ファイル512に記憶させる。回路計算機能504は、回路計算データ格納ファイル512に記憶されたデータを参照して、キルヒホフの法則に基づく回路計算を行い、計算結果を回路計算結果格納ファイル513に記憶させる。電流値最大ルート抽出機能505は、回路計算結果格納ファイル513に記憶されたデータを参照して、電流値が最大となるルートを抽出し、復旧ルート候補格納ファイル514に記憶させる。復旧ルート決定機能506は、復旧ルート候補格納ファイル514に記憶されたデータを参照して復旧ルートの決定を行う。ここで、復旧対象の需要家設備の負荷量として復旧の緊急度を考慮して復旧に緊急を要するものは大きく設定する。
【0012】
実際の電力系統の構成は複雑かつ大規模であるが、電源が複数箇所に設置された、より広域の電力系統について、簡易的な系統例を示した図3により説明する。図3に示す例では、上位電源320〜322が設置され、電気所母線330〜333を介して需要家設備341〜342へ電力を供給している。
【0013】
仮に開閉器302が地絡や短絡等の事故、あるいは故障した場合は、開閉器302は切り状態となって開放されるので、下位側の設備への電力が供給されなくなる。開閉器302は故障しているので、使用できないため、需要家設備341に電力供給を再開して復旧するためには、上位側の電源320,322に接続された開閉器301,307のいずれかを投入すればよい。
【0014】
図4は、図3に示す電力系統の場合について、電源から需要家設備341までの各設備と開閉器の接続を示す経路1から経路10に開閉器の状態を併せて示した図である。ここで、開閉器302が故障のため使用することはできないので、電源321から需要家設備341までの経路は省略している。又、便宜上電源320,322はそれぞれP1,P2に、電気所母線330,331,332,333は、それぞれB1,B2,B3,B4に置き換えて示している。使用する経路の候補として電源320から需要家設備341までの経路1〜経路8,電源322から需要家設備341までの経路9,経路10のうち、開閉器が「切」となっている数が少ない経路、すなわち系統復旧時に投入操作が少ない経路を選択するのが好ましく、この例では、経路10を選択するのが好ましい。
【0015】
このような経路10を選択するための復旧方法を図5に示す流れ図により説明する。ステップ601では、系統の運用状態を表すデータ,機器,電源,電源に接続された電気所母線等電力系統の構成など取り込まれて保存されているデータベース180からデータを取り込み、ステップ602では、監視対象とする電力系統の全体の運用状態データから今回の事故により処理対象となる電力系統の運用状態データを抽出し、事故により停電となった復旧対象の需要家設備341,342,上位の電源320〜322,開閉器301〜309とその入り切り状態、及び各設備の接続を示す設備接続情報を抽出する。ここで、設備接続情報とは、例えば電気所母線330に開閉器301,302が接続されている等の物理的な状態を表す情報である。
【0016】
ステップ603では、ステップ602で抽出した開閉器の入り切り状態により各開閉器にインピーダンス値を設定する。例えば、図3に示す例のように開閉器が両方とも「切」状態であればインピーダンス値を大きく設定し、片方のみが「切」状態であればインピーダンス値は中間の値に、両方とも「入」状態であればインピーダンス値を小さく設定する。又、その開閉器が遠方監視制御可能かどうかによってインピーダンス値に差異を持たせる。すなわち、開閉器の入り切り状態が同じでも遠方監視制御が可能な場合は、インピーダンス値は小さめに設定し、遠方監視制御が不可の場合は、インピーダンス値は大きめに設定される。
【0017】
このように、開閉器の入り切り状態に、遠方監視制御可否の種別を加味して、開閉器の入り切り状態が同一であった場合でも、インピーダンス値の差異ができるような設定しているので、遠方操作可能な開閉器を使用する経路を選定することが可能となる。
【0018】
ステップ604では、図4に示す経路1から経路10上の全ての開閉器を「入」状態とした系統情報を作成する。これは「切」状態となっている開閉器は電流が流れないが、抽出した開閉器全てにインピーダンス値を設定して「切」状態となっている開閉器にも電流を流して回路計算を行えるようにするためである。
【0019】
ステップ604では、作成した系統情報とステップ603で設定したインピーダンス値を入力として、キルヒホフの法則に基づく回路計算を行う。ステップ605では、キルヒホフの法則に基づく回路計算により各開閉器301〜309を流れる電流値が求め、ステップ605で、その電流値が最大となるルートを抽出して、復旧ルート候補を決定する。
【0020】
図6は、図3に示す電力系統の開閉器をインピーダンス値に置き換え、電力系統をモデル化した図である。このように電源P2に接続される開閉器307′,電気所母線B4,開閉器308′の経路はインピーダンスの設定が最少となるため、回路計算を行った場合、電流値の結果は最大電流値となる結果が得られる。
【0021】
そこで、ステップ605の処理では、この電流値を用いて電源から需要家設備までの複数の経路の中から最大電流値となる経路を選定する。そのため、まず電源P1,P2に接続する開閉器301,開閉器301′,開閉器307,開閉器307′の電流値を比較する。この場合、開閉器307′が最大電流値となっているため、開閉器307′を選択する。次に、開閉器307′に接続する電気所母線B4には、開閉器306′,開閉器305、開閉器308′が接続されているので、これらの各開閉器の電流値を更に比較する。この場合、開閉器308′が最大電流値となっているため開閉器308′を選択する。開閉器308′には需要家設備L1が接続されているため、ここで処理を終了する。このように電源から各分岐において最大電流値をもつ1方向を選択することを繰り返して需要家設備まで探索した開閉器、設備を最大電流値の経路として選定する。
【0022】
ステップ606の処理では、ステップ605の処理にて、最大電流値となる経路を復旧ルート候補として選定したが、さらに送電線設備の活線作業経路等を考慮した評価条件に基づいて最終的な復旧経路を選定する。
【0023】
以上の説明では、事故の場合で説明したが、設備の保守や改修を行う場合も同様な経路の選定が行われる。又、復旧を行うための経路の例を説明したが、事故推定設備、すなわち事故の発生要因箇所と予想される設備に対して試充電、すなわち事故推定設備を加圧し再度リレーが動作した場合、その加圧した設備を事故設備として特定する操作を行うために使用する試充電を行う場合の経路を求めることもでき、この時は復旧を行うための経路の需要家設備を事故推定設備に置き換えて経路を求める。すなわち、充電部分から事故候補区間に至る経路に設置されている開閉器のうち開放されているものに大きなインピーダンス値を与えて回路計算を行い経路を求める。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、復旧するための経路が多数存在する場合において全ての組合せ経路を抽出して決定する必要がなく、応急的な復旧経路を1回の探索で行えるので、効率よく復旧経路の抽出および選定が行える効果がある。また、開閉器の操作がなるべく少ないものを選定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電力系統の遠方監視制御システムの構成図である。
【図2】監視制御サーバーの構成の詳細を示す図である。
【図3】広域の電力系統について簡易的な系統例を示した図である。
【図4】電源から需要家設備までの各設備と開閉器の接続を示す経路及び開閉器の状態を示す図である。
【図5】復旧方法を流れ図である。
【図6】電力系統の開閉器をインピーダンス値に置き換え、電力系統をモデル化した図である。
【符号の説明】
100…LAN、101〜104,330〜333…電気所母線、110〜
118,301〜309…開閉器、121〜129…遠方監視制御装置子局、
150…集配信装置、160…監視制御用サーバー、170…マンマシンインターフェイス端末、320〜322…上位電源、341,342…需要家設備。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統の監視制御で系統事故等において電源から需要設備等へ電源供給再開するための応急的な経路を求める電力系統の復旧方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力系統の系統事故において需要設備等に支障をきたす場合、需要設備等へ電源供給再開のための応急的経路を求める必要がある。電力系統の応急的経路対象設備の接続が多岐にわたる場合、経路が多数存在するため、全ての経路を組合せ探索し経路を選定している。
【0003】
例えば、特開平5−252665号公報に記載のように、健全系統内の操作による応援電力の拡大処理が可能か否かを判断し、拡大処理が可能な場合にはその拡大処理を一旦登録し、復旧目標系統作成中の系統状態を事故後の系統状態に初期化した後、登録済の応援電力の拡大処理を行い、停電系統内の負荷送電を判断し、全ての停電系統が復旧できるまで停電系統内の負荷送電を行うという一連の操作を繰り返して復旧目標系統を作成する電力系統の事故復旧方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、特開平5−252665号公報に記載の従来の技術は、系統事故の発生により電力系統の大規模な停電を伴う場合、復旧を行うために、電源から需要設備等までの応急的復旧経路が多数存在し、その全ての組合せ経路を探索して抽出および選定を行う必要があるため処理性能に問題があった。
【0005】
本発明の第1の目的は、需要設備等の応急的復旧経路の抽出および選定を効率よく行える電力系統の復旧方法および装置を提供することである。
【0006】
本発明の第2の目的は、開閉器の操作がなるべく少ない復旧経路を選定できる電力系統の復旧方法および装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、電力系統の設備間の開閉を行う開閉器について、現在「切」状態のもののインピーダンスを大きく、「入」状態のものについては小さく設定して回路計算を行い、需要家設備への電流値が最大となる経路を応急的な復旧経路候補として選定し、処理の効率化を図るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を図1から図6により説明する。図1は、本実施例の電力系統の遠方監視制御システムの構成図である。
【0009】
図1に示すように、現地の機器,設備は、電源50に接続された電気所母線101,需要家設備60に接続された電気所母線102,需要家設備61に接続された電気所母線104,電気所母線101と電気所母線104との中間的に配置される電気所母線103,電気所母線101と電気所母線104とを接続する電線に設けられる開閉器111,118,開閉器111の遠方監視制御装置子局122,開閉器118の遠方監視制御装置子局129,電気所母線101と電気所母線103とを接続する電線に設けられる開閉器110,113,開閉器110,113の夫々に設けられる遠方監視制御装置子局121,124,電気所母線101と電気所母線102とを接続する電線に設けられる開閉器112,開閉器112に設けられる遠方監視制御装置子局123,電気所母線103と電気所母線104とを接続する電線に設けられる開閉器114〜117,開閉器114〜117の夫々に設けられる遠方監視制御装置子局125〜128で構成される。ここで、黒く塗られた開閉器は入りの状態を示し、白抜きの開閉器は切りの状態を示している。ここで、開閉器とは、遮断器や断路器である。
【0010】
遠方監視制御装置子局121〜129は、集配信装置150を介して監視制御用サーバ160と接続され、監視制御用サーバ160は、LAN100を介してマンマシンインターフェイス端末170及びデータベース180と接続されており、現地の機器・設備とともに遠方監視制御システムを構成している。遠方監視制御装置子局121〜129からの系統の運用状態を表すデータは、データベース180に取り込まれ保存され、系統の運用状態はマンマシンインターフェイス端末170に表示される。
【0011】
図2は、監視制御用サーバ160の構成の詳細を示す図である。図2に示すように、復旧対象関連設備抽出機能502,開閉器インピーダンス及び復旧対象需要設備の負荷量設定機能503,回路計算機能504,電流値最大ルート抽出機能505,復旧ルート決定機能506,抽出データ格納ファイル511,回路計算データ格納ファイル512,回路計算結果格納ファイル513,復旧ルート候補格納ファイル514で構成されている。復旧対象関連設備抽出機能502は、全体の運用状態データから今回処理対象となる電力系統の運用状態データの抽出、各設備の物理的な接続情報の抽出を行い、抽出データ格納ファイル511に記憶させる。開閉器インピーダンス設定機能又は復旧対象需要家設備の負荷量設定機能503は、抽出データ格納ファイル511に記憶されたデータを参照して、後述するように各開閉器のインピーダンス値の設定、又は復旧対象の需要家設備の負荷量、すなわち電流値または電力値の設定を行い、設定した結果を回路計算データ格納ファイル512に記憶させる。回路計算機能504は、回路計算データ格納ファイル512に記憶されたデータを参照して、キルヒホフの法則に基づく回路計算を行い、計算結果を回路計算結果格納ファイル513に記憶させる。電流値最大ルート抽出機能505は、回路計算結果格納ファイル513に記憶されたデータを参照して、電流値が最大となるルートを抽出し、復旧ルート候補格納ファイル514に記憶させる。復旧ルート決定機能506は、復旧ルート候補格納ファイル514に記憶されたデータを参照して復旧ルートの決定を行う。ここで、復旧対象の需要家設備の負荷量として復旧の緊急度を考慮して復旧に緊急を要するものは大きく設定する。
【0012】
実際の電力系統の構成は複雑かつ大規模であるが、電源が複数箇所に設置された、より広域の電力系統について、簡易的な系統例を示した図3により説明する。図3に示す例では、上位電源320〜322が設置され、電気所母線330〜333を介して需要家設備341〜342へ電力を供給している。
【0013】
仮に開閉器302が地絡や短絡等の事故、あるいは故障した場合は、開閉器302は切り状態となって開放されるので、下位側の設備への電力が供給されなくなる。開閉器302は故障しているので、使用できないため、需要家設備341に電力供給を再開して復旧するためには、上位側の電源320,322に接続された開閉器301,307のいずれかを投入すればよい。
【0014】
図4は、図3に示す電力系統の場合について、電源から需要家設備341までの各設備と開閉器の接続を示す経路1から経路10に開閉器の状態を併せて示した図である。ここで、開閉器302が故障のため使用することはできないので、電源321から需要家設備341までの経路は省略している。又、便宜上電源320,322はそれぞれP1,P2に、電気所母線330,331,332,333は、それぞれB1,B2,B3,B4に置き換えて示している。使用する経路の候補として電源320から需要家設備341までの経路1〜経路8,電源322から需要家設備341までの経路9,経路10のうち、開閉器が「切」となっている数が少ない経路、すなわち系統復旧時に投入操作が少ない経路を選択するのが好ましく、この例では、経路10を選択するのが好ましい。
【0015】
このような経路10を選択するための復旧方法を図5に示す流れ図により説明する。ステップ601では、系統の運用状態を表すデータ,機器,電源,電源に接続された電気所母線等電力系統の構成など取り込まれて保存されているデータベース180からデータを取り込み、ステップ602では、監視対象とする電力系統の全体の運用状態データから今回の事故により処理対象となる電力系統の運用状態データを抽出し、事故により停電となった復旧対象の需要家設備341,342,上位の電源320〜322,開閉器301〜309とその入り切り状態、及び各設備の接続を示す設備接続情報を抽出する。ここで、設備接続情報とは、例えば電気所母線330に開閉器301,302が接続されている等の物理的な状態を表す情報である。
【0016】
ステップ603では、ステップ602で抽出した開閉器の入り切り状態により各開閉器にインピーダンス値を設定する。例えば、図3に示す例のように開閉器が両方とも「切」状態であればインピーダンス値を大きく設定し、片方のみが「切」状態であればインピーダンス値は中間の値に、両方とも「入」状態であればインピーダンス値を小さく設定する。又、その開閉器が遠方監視制御可能かどうかによってインピーダンス値に差異を持たせる。すなわち、開閉器の入り切り状態が同じでも遠方監視制御が可能な場合は、インピーダンス値は小さめに設定し、遠方監視制御が不可の場合は、インピーダンス値は大きめに設定される。
【0017】
このように、開閉器の入り切り状態に、遠方監視制御可否の種別を加味して、開閉器の入り切り状態が同一であった場合でも、インピーダンス値の差異ができるような設定しているので、遠方操作可能な開閉器を使用する経路を選定することが可能となる。
【0018】
ステップ604では、図4に示す経路1から経路10上の全ての開閉器を「入」状態とした系統情報を作成する。これは「切」状態となっている開閉器は電流が流れないが、抽出した開閉器全てにインピーダンス値を設定して「切」状態となっている開閉器にも電流を流して回路計算を行えるようにするためである。
【0019】
ステップ604では、作成した系統情報とステップ603で設定したインピーダンス値を入力として、キルヒホフの法則に基づく回路計算を行う。ステップ605では、キルヒホフの法則に基づく回路計算により各開閉器301〜309を流れる電流値が求め、ステップ605で、その電流値が最大となるルートを抽出して、復旧ルート候補を決定する。
【0020】
図6は、図3に示す電力系統の開閉器をインピーダンス値に置き換え、電力系統をモデル化した図である。このように電源P2に接続される開閉器307′,電気所母線B4,開閉器308′の経路はインピーダンスの設定が最少となるため、回路計算を行った場合、電流値の結果は最大電流値となる結果が得られる。
【0021】
そこで、ステップ605の処理では、この電流値を用いて電源から需要家設備までの複数の経路の中から最大電流値となる経路を選定する。そのため、まず電源P1,P2に接続する開閉器301,開閉器301′,開閉器307,開閉器307′の電流値を比較する。この場合、開閉器307′が最大電流値となっているため、開閉器307′を選択する。次に、開閉器307′に接続する電気所母線B4には、開閉器306′,開閉器305、開閉器308′が接続されているので、これらの各開閉器の電流値を更に比較する。この場合、開閉器308′が最大電流値となっているため開閉器308′を選択する。開閉器308′には需要家設備L1が接続されているため、ここで処理を終了する。このように電源から各分岐において最大電流値をもつ1方向を選択することを繰り返して需要家設備まで探索した開閉器、設備を最大電流値の経路として選定する。
【0022】
ステップ606の処理では、ステップ605の処理にて、最大電流値となる経路を復旧ルート候補として選定したが、さらに送電線設備の活線作業経路等を考慮した評価条件に基づいて最終的な復旧経路を選定する。
【0023】
以上の説明では、事故の場合で説明したが、設備の保守や改修を行う場合も同様な経路の選定が行われる。又、復旧を行うための経路の例を説明したが、事故推定設備、すなわち事故の発生要因箇所と予想される設備に対して試充電、すなわち事故推定設備を加圧し再度リレーが動作した場合、その加圧した設備を事故設備として特定する操作を行うために使用する試充電を行う場合の経路を求めることもでき、この時は復旧を行うための経路の需要家設備を事故推定設備に置き換えて経路を求める。すなわち、充電部分から事故候補区間に至る経路に設置されている開閉器のうち開放されているものに大きなインピーダンス値を与えて回路計算を行い経路を求める。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、復旧するための経路が多数存在する場合において全ての組合せ経路を抽出して決定する必要がなく、応急的な復旧経路を1回の探索で行えるので、効率よく復旧経路の抽出および選定が行える効果がある。また、開閉器の操作がなるべく少ないものを選定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電力系統の遠方監視制御システムの構成図である。
【図2】監視制御サーバーの構成の詳細を示す図である。
【図3】広域の電力系統について簡易的な系統例を示した図である。
【図4】電源から需要家設備までの各設備と開閉器の接続を示す経路及び開閉器の状態を示す図である。
【図5】復旧方法を流れ図である。
【図6】電力系統の開閉器をインピーダンス値に置き換え、電力系統をモデル化した図である。
【符号の説明】
100…LAN、101〜104,330〜333…電気所母線、110〜
118,301〜309…開閉器、121〜129…遠方監視制御装置子局、
150…集配信装置、160…監視制御用サーバー、170…マンマシンインターフェイス端末、320〜322…上位電源、341,342…需要家設備。
Claims (5)
- 複数の電源,送電線,変圧器,電気所母線、これらの設備間の開閉を行う開閉器,需要家設備を備えた電力系統において、前記電源の1つから需要家設備への電力の供給が行えなくなった場合は、前記開閉器の開閉状態,遠方監視制御の可否に基づいてインピーダンス値を設定し、回路計算を行って電源から需要家設備までの電流値が最大となる経路を復旧ルート候補として選定することを特徴とする電力系統の復旧方法。
- 電源,需要家設備に接続された電気所母線間を接続する電線に設けられる開閉器の遠方監視制御装置子局と集配信装置を介して接続された監視制御用サーバ、該監視制御用サーバとLANを介して接続されたマンマシンインターフェイス端末及びデータベースとを備え、全体の運用状態データから今回処理対象となる電力系統の運用状態データの抽出及び各設備の物理的な接続情報の抽出を行い、抽出された各開閉器のインピーダンス値を設定し、キルヒホフの法則に基づく回路計算を行い、該回路計算結果から電流値が最大となるルートを抽出して、復旧ルートの決定を行うことを特徴とする電力系統の復旧方法。
- 前記需要家設備の代りに事故設備候補を設定し、充電部分から事故設備候補に至る経路に設置されている開閉器のうち開放されているものに大きなインピーダンス値を与えて回路計算を行い、事故設備を特定するために試充電のルート探索を行う請求項1又は2に記載の電力系統の復旧方法。
- 復旧対象である需要家設備の負荷量を設定して前記回路計算を行うものであって、前記負荷量は復旧に緊急を要するものは大きい値に設定する請求項1又は2に記載の電力系統の復旧方法。
- 電源,需要家設備に接続された電気所母線間を接続する電線に設けられる開閉器の遠方監視制御装置子局と集配信装置を介して接続された監視制御用サーバ、該監視制御用サーバとLANを介して接続されたマンマシンインターフェイス端末及びデータベースとを備えた電力系統の復旧装置であって、前記監視制御用サーバが、全体の運用状態データから今回処理対象となる電力系統の運用状態データの抽出及び各設備の物理的な接続情報の抽出を行う復旧対象関連設備抽出機能,各開閉器のインピーダンス値を設定する開閉器インピーダンス設定機能,キルヒホフの法則に基づく回路計算を行う回路計算機能,電流値が最大となるルートを抽出する電流値最大ルート抽出機能,復旧ルートの決定を行う復旧ルート決定機能を備えていることを特徴とする電力系統の復旧装置。
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2002
- 2002-06-11 JP JP2002169401A patent/JP2004015970A/ja active Pending
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