JP2004015875A - 電池監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】組電池を構成する各単電池の動作状態を監視するためのコストを可及的に低減する。
【解決手段】複数の単電池にて構成される組電池における各単電池に、その単電池の動作状態を検出する動作状態検出手段SSと、前記動作状態検出手段SSの検出情報を授受するための検出情報通信手段ICとが設けられた電池監視システムにおいて、前記検出情報通信手段ICが他の単電池に備えられた前記検出情報通信手段ICと通信するように構成されて、複数の単電池夫々に備えられた前記検出情報通信手段ICによって連鎖状の通信経路が構成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の単電池にて構成される組電池における各単電池に、その単電池の動作状態を検出する動作状態検出手段SSと、前記動作状態検出手段SSの検出情報を授受するための検出情報通信手段ICとが設けられた電池監視システムにおいて、前記検出情報通信手段ICが他の単電池に備えられた前記検出情報通信手段ICと通信するように構成されて、複数の単電池夫々に備えられた前記検出情報通信手段ICによって連鎖状の通信経路が構成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の単電池にて構成される組電池における各単電池に、その単電池の動作状態を検出する動作状態検出手段と、前記動作状態検出手段の検出情報を授受するための検出情報通信手段とが設けられた電池監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる電池監視システムは、いわゆる組電池を各単電池のレベルで動作状態を監視して、組電池を的確に管理するためのシステムである。
尚、動作状態検出手段の検出対象となる単電池の動作状態としては、単電池の電圧,温度,あるいは,内部抵抗その他の種々の動作状態が存在する。
このようなシステムにおいては、従来、組電池全体を監視する中央監視装置を備えると共に、各単電池毎に前記中央監視装置と電波により無線通信する形態の検出情報通信手段を備えて、各単電池に備えられた前記動作状態検出手段の検出情報を、前記検出情報通信手段にて各単電池毎に個別に前記中央監視装置へ送信する構成が考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、上記従来構成では、各単電池に、単電池と前記中央監視装置との間の最大距離を通信可能な無線通信装置を配備する必要があり、各単電池の動作状態の検出情報の通信のための装置コストが大きくなり、更に、組電池に対して単電池を増設するような場合を考えると前記中央監視装置において単電池の増設分に対応する数の通信チャンネルを増設する等の設備変更が必要となり、単電池増設に伴う設備の変更コストも大きいものとなってしまう。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、組電池を構成する各単電池の動作状態を監視するためのコストを可及的に低減する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記請求項1記載の構成を備えることにより、複数の単電池にて構成される組電池における各単電池に、その単電池の動作状態を検出する動作状態検出手段と、前記動作状態検出手段の検出情報を授受するための検出情報通信手段とが設けられた電池監視システムにおいて、前記検出情報通信手段が他の単電池に備えられた前記検出情報通信手段と通信するように構成されて、複数の単電池夫々に備えられた前記検出情報通信手段によって連鎖状の通信経路が構成されている。
【0005】
すなわち、組電池は、通常、複数の単電池を密集させた状態で配置し、単電池間の通信距離も極めて短く、その間の通信手段を簡素に構成できるものであるが、単に単電池間で通信可能に構成するだけでは、相互に夫々の動作状態の検出情報を授受できるに過ぎず、組電池を構成する単電池全体の前記動作状態の検出情報を取り扱うことはできない。
そこで、各単電池に検出情報通信手段を備えて近くの単電池間で前記動作状態の検出情報を授受できるようにすると共に、それらの検出情報通信手段によって組電池を構成する複数の単電池が連鎖状に通信経路を形成するように構成することで、個々の通信距離を可及的に短くしながら、通信経路全体として見ると組電池を構成する複数の単電池の前記動作状態の検出情報を送り出すことができる。しかも、組電池に対して単電池を増設するような場合では、増設する単電池を元々存在する他の単電池に近くに配置して、増設する単電池の前記検出情報通信手段を既存の通信経路の途中にもぐりこませるか、あるいは、通信経路の端に継ぎ足すだけの操作で、増設した単電池を電池監視システムに組み込むことができる。
もって、組電池を構成する各単電池の動作状態を監視するためのコストを可及的に低減できるに至った。
【0006】
又、上記請求項2記載の構成を備えることにより、前記検出情報通信手段は、他の単電池に備えられた前記検出情報通信手段から他の単電池についての前記動作状態の検出情報を受信する受信用通信手段と、自己に備えられた前記動作状態検出手段の検出情報を送信可能であり且つ前記受信用通信手段にて受け取った前記検出情報を他の単電池に備えられた前記検出情報通信手段に送信する送信用通信手段とを備えて構成され、前記受信用通信手段の通信相手先となる前記検出情報通信手段を備える単電池と、前記送信用通信手段の通信相手先となる前記検出情報通信手段を備える単電池とが異なる単電池となるように配置されている。
すなわち、各単電池に備えられる検出情報通信手段によって形成される連鎖状の通信経路を前記動作状態の検出情報の流れとして見ると、前記動作状態の検出情報が一方通行となる状態で伝達されて行くことになる。
従って、各単電池に備えられる前記検出情報通信手段の通信制御の構成を極めて単純化することができ、電池監視システムのコストをより一層低減することができる。
【0007】
又、上記請求項3記載の構成を備えることにより、前記検出情報通信手段が、赤外光ビーム出射手段又は受光手段を備えて赤外光ビームの空間伝送により通信するように構成されている。
すなわち、近接配置された単電池間の通信のように短距離の通信では、赤外光ビームの空間伝送により通信を行うことが容易であり、このような通信形態をとることで、外来光を含む外来ノイズの影響を回避できると共に、配線の接続等の手間を省くことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電池監視システムを無停電電源装置に適用した場合の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔無停電電源装置UPの概略構成〕
無停電電源装置UPは、図4に概略的に示すように、商用交流ライン1からの交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータ2と、停電等により商用電力からの電力供給が停止したときに、負荷機器として接続されている電気機器3に対して電力の供給を行うリチウムイオン電池4と、AC/DCコンバータ2の出力直流電圧又はリチウムイオン電池4の出力直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACコンバータ5とが備えられて構成されている。尚、本実施の形態のリチウムイオン電池4は、図1に示すように、複数の単電池SBを直列接続して組電池として構成したものを例示している。但し、図1中では、図面を見易くするために、各単電池SBの電極端子7a,7bを接続する配線の図示を省略している。
【0009】
〔電池監視システムBWの概略構成〕
前記無停電電源装置UPに備えられたリチウムイオン電池4の動作を監視するための電池監視システムBWは、監視用コントローラ6と、図1に示すように各単電池SBの上面に固定された電池モニタユニット8とを主要部として構成されている。
監視用コントローラ6には、リチウムイオン電池4の設置箇所の雰囲気温度を測定するための温度センサ6aと、リチウムイオン電池4の充放電電流を測定する充放電電流測定部6bと、公衆回線を通じて測定データ等の通信を行うための通信モデム6cと、が接続され、更に、LANに接続されて、監視用コンピュータ20と通信可能に構成されている。
【0010】
電池モニタユニット8には、図2に示すように、他の単電池SBに取り付けられた電池モニタユニット8との間の通信を制御する通信制御部9と、他の単電池SBに取り付けられた電池モニタユニット8との間で赤外光ビームの空間伝送によって通信するための第1光送受信ユニット10及び第2光送受信ユニット11と、各単電池SBに取り付けられた複数の電池モニタユニット8夫々を識別するための識別番号を設定する識別番号設定器12と、単電池SBの動作状態を検出制御するモニタ制御部13と、単電池SBの温度(厳密には表面温度)を検出する温度センサ14と、単電池SBの内部インピーダンスを測定する内部インピーダンス測定部15と、単電池SBの電極端子7a,7b間の電圧を測定する電圧計測部16とが備えられている。すなわち、電池モニタユニット8は、各単電池SBの動作状態として、単電池SBの温度と、単電池SBの内部インピーダンスと、電極端子7a,7bの端子間電圧とを検出対象としており、温度センサ14,内部インピーダンス測定部15及び電圧計測部16は、単電池SBの動作状態を検出する動作状態検出手段SSとして機能している。このような情報を収集するために電池モニタユニット8は、図1に示すように、配線17a,17bによって電極端子7a,7bに接続され、これらの配線17a,17bが内部インピーダンス測定部15及び電圧計測部16に接続されている。
【0011】
通信制御部9,第1光送受信ユニット10及び第2光送受信ユニット11は、前記動作状態検出手段SSの検出情報を授受するための検出情報通信手段ICを構成しており、この検出情報通信手段ICが他の単電池SBに備えられた検出情報通信手段ICと通信して、これら各単電池SBの検出情報通信手段ICによって連鎖状の通信経路を構成している。
【0012】
第1光送受信ユニット10と第2光送受信ユニット11とは基本的に同一の構成であるが、それらの使用態様として、本実施の形態では、第1光送受信ユニット10は他の単電池SBの動作状態の検出情報や監視用コントローラ6からの動作指令を受信するのに用いると共に、第2光送受信ユニット11はそれらを、必要に応じて自己の前記動作状態の検出情報を含めた状態で他の単電池SBに送信するのに用いている。
すなわち、監視用コントローラ6からの動作指令の情報及び前記動作状態の検出情報を一方通行で伝えるように、各単電池SBの電池モニタユニット8が配置されており、図1に示すように、ある単電池SBの第1光送受信ユニット10が、通信経路の上流側の電池モニタユニット8の第2光送受信ユニット11から送信される信号を受信し、第2光送受信ユニット11が通信経路の下流側の電池モニタユニット8の第1光送受信ユニット10に向けて送信するように構成されている。
【0013】
従って、第1光送受信ユニット10は、他の単電池SBに備えられた検出情報通信手段ICから動作状態検出手段SSの検出情報を受信する受信用通信手段RCとして機能し、第2光送受信ユニット11は、自己に備えられた動作状態検出手段SSの検出情報を送信可能であり且つ第1光送受信ユニット10(受信用通信手段RC)にて受け取った前記検出情報を他の単電池SBに備えられた検出情報通信手段ICに送信する送信用通信手段SCとして機能し、受信用通信手段RCの通信相手先となる検出情報通信手段ICを備える単電池SBと、送信用通信手段SCの通信相手先となる検出情報通信手段ICを備える単電池SBとが異なる単電池SBとなるように配置されているものとなっている。
【0014】
第1,第2光送受信ユニット10,11には、夫々、受光手段LRとしての赤外域に感度を有するフォトダイオード10a,11aと、赤外光ビーム出射手段LSとしての赤外発光ダイオード10b,11bとが備えられており、第1,第2光送受信ユニット10,11は、図1に示すように、縦軸芯周りに回動可能としてあり、光ビームの出射方向を調整可能に構成してある。
尚、検出情報通信手段ICの連鎖によって形成される通信経路の上流端の第1光送受信ユニット10に対しては、監視用コントローラ6の指令送信ユニット6dから動作指令等の情報が赤外光ビームにより送信され、前記通信経路の下流端の第2光送受信ユニット11から送信される前記動作状態の検出情報等は、監視用コントローラ6のデータ受信ユニット6eにて受信され、監視用コントローラ6に取り込まれる。指令送信ユニット6d及びデータ受信ユニット6eの構成は、第1光送受信ユニット10等と同様である。
【0015】
〔無停電電源装置UPの概略動作〕
無停電電源装置UPは、商用交流ライン1から正常に商用電力が供給されている状態では、商用交流ライン1の交流電圧がAC/DCコンバータ2にて直流電圧に変換された後、更にDC/ACコンバータ5にて交流電圧に変換され、その交流電圧が交流負荷である電気機器3に供給される。
AC/DCコンバータ2の出力直流電圧は、リチウムイオン電池4に対しても充電電圧として供給され、AC/DCコンバータ2は、リチウムイオン電池4に対する充電装置としても機能している。
従って、商用交流ライン1から正常に商用電力が供給されている状態では、商用電力は電気機器3に供給されると共に、リチウムイオン電池4に充電用電力として供給され、停電等の何らかの理由により商用交流ライン1からの電力供給が停止したときは、リチウムイオン電池4の出力直流電圧がDC/ACコンバータ5にて交流電圧に変換されて電気機器3に供給される。
【0016】
〔電池監視システムBWの概略動作〕
電池監視システムBWは、監視用コントローラ6が定期的(例えば12時間毎等)に組電池であるリチウムイオン電池4を構成する各単電池SBの動作状態の検出情報を収集すると共に、それらの収集データを温度センサ6aの検出データ及び充放電電流測定部6bの測定データと共に記憶保持する。このようにして監視用コントローラ6に記憶保持されたデータは、通信モデム6cを介してリチウムイオン電池4の管理を委託されている管理サービス会社のコンピュータに送信されると共に、監視用コントローラ6と同一のLANに接続されている監視用コンピュータ20から閲覧できるようにする。このため、監視用コントローラ6には、いわゆるWEBサーバ機能が備えられており、収集した前記動作状態の検出情報を監視用コンピュータ20に組み込まれたWEB閲覧プログラムにて閲覧可能なファイル形式で書込む。
尚、各単電池SBの動作状態の検出情報の収集は、上記のように定期的に行われる他、公衆回線と通信モデム6cとを経由して前記管理サービス会社からのデータ収集指令や、監視用コンピュータ20からのデータ収集指令によっても開始される。
【0017】
〔電池モニタユニット8の詳細動作〕
監視用コントローラ6が、各電池モニタユニット8の検出情報通信手段ICにて構成される通信経路の上流端から、単電池SBの前記動作状態の検出開始指令を送信すると、その検出開始指令は前記通信経路を順次伝達され、前記動作状態の検出を指令された電池モニタユニット8は、動作状態検出手段SSによる検出情報を付加して、前記検出開始指令を前記通信経路の下流側に伝える。尚、前記検出開始指令の具体構成としては、例えば、通信プロトコルに関するヘッダ情報に引き続いて、前記動作状態を検出しようとする単電池SBに取り付けられた電池モニタユニット8の識別番号を指定する形態で良く、この識別番号は、個々の識別番号を指定できると共に、監視対象の単電池SB全体を指定するものでも良い。
【0018】
次に、通信制御部9が実行する図3のフローチャートに基づいて、更に詳細に説明する。
通信制御部9は、前記通信経路の上流側の単電池SBに備えられた電池モニタユニット8の第2光送受信ユニット11から、前記検出開始指令を含む信号を第1光送受信ユニット10が受信するまで待機し(ステップ#1)、前記検出開始指令を含む信号を受信すると、その信号に自己の識別番号設定器12で設定されている識別番号が含まれているか否かを判断し(ステップ#2)、含まれていなければ、第2光送受信ユニット11にて、上流側から受信した信号をそのまま前記通信経路の下流側の単電池SBに備えられた電池モニタユニット8の第1光送受信ユニット10に向けて転送する(ステップ#3)。
【0019】
一方、前記検出開始指令を含む信号に自己の識別番号が指定されていれば(ステップ#2)、モニタ制御部13に対して単電池SBの前記動作状態を検出開始を指示する(ステップ#4)。
モニタ制御部13は、この検出開始の指示を受けて、温度センサ14,内部インピーダンス測定部15及び電圧計測部16の計測値を前記動作状態の検出情報として取り込んで通信制御部9に送信する。
通信制御部9は、この動作状態の検出情報をモニタ制御部13から受け取ると(ステップ#5)、通信経路の上流側から受け取った前記検出開始指令を含む信号に、前記動作状態の検出情報を付加して、前記通信経路の下流側の単電池SBに備えられた電池モニタユニット8の第1光送受信ユニット10に向けて送信する(ステップ#6)。
【0020】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)上記実施の形態では、本発明の電池監視システムを無停電電源装置UPに適用した場合を例示しているが、種々の用途の組電池の監視のために本発明を適用することができ、例えば、いわゆるバッテリーフォークリフトに電力源として搭載される組電池の監視のために適用しても良い。
バッテリーフォークリフトに電力源として搭載される組電池は、組電池を構成する単電池が均等に劣化するのではなく、ごく一部の単電池について先行して劣化が進む傾向があり、その先行して劣化した単電池を新しい単電池に交換する場合において、上述のように連鎖的な通信経路を構成していることで、新しく組み込んだ単電池を含む通信経路の再構築を極めて容易に行うことができる。
【0021】
(2)上記実施の形態では、本発明をリチウムイオン電池の組電池の監視に適用する場合を例示しているが、鉛蓄電池により構成される組電池等の種々の形態の電池に本発明を適用できる。
(3)上記実施の形態では、各単電池SBの動作状態の検出情報を一方通行の形態で上流から下流に伝達する場合を例示しているが、単電池SBの動作状態の検出指令を受け取った電池モニタユニット8が、前記動作状態の検出結果を上流側に送り返すように構成しても良い。
【0022】
(4)上記実施の形態では、電池モニタユニット8の通信制御部9は、監視用コントローラ6からの前記検出開始指令を含む信号に単電池SBの動作状態の検出情報を付加して通信経路の下流側に伝達する場合を例示しているが、前記検出開始指令の伝達と、単電池SBの動作状態の検出情報とを別個に送受信するように構成しても良い。
(5)上記実施の形態では、検出情報通信手段ICは、単電池SBの動作状態の検出情報を赤外光ビームの空間伝送にて通信する場合を例示しているが、いわゆるIDタグに使用されているような短距離用の無線通信技術を適用する等、具体的な通信技術は種々変更可能である。
【0023】
(6)上記実施の形態では、単電池SBを1列に並べて組電池を構成する場合を例示しているが、例えば、単電池SBを複数列に並べて組電池を構成する等、単電池SBの配置構成は種々変更可能である。
(7)上記実施の形態では、監視用コントローラ6と、指令送信ユニット6d及びデータ受信ユニット6eとを有線接続する場合を例示しているが、これらの間を無線にて通信するように構成してもよい。
このように構成すれば、組電池が移動体に搭載されている場合にも本発明を適用することができる。
(8)上記実施の形態では、複数の検出情報通信手段ICにて形成される連鎖状の通信経路はラインを形成する場合を例示しているが、ループ状の通信経路を形成するように検出情報通信手段ICを配置しても良い。
【0024】
(9)上記実施の形態では、第1,第2光送受信ユニット10,11を縦軸芯周りに回動可能として、赤外光ビーム出射手段LSの光ビームの出射方向を水平面内で調整可能としているが、単電池SBの配置形態や第1,第2光送受信ユニット10,11の取り付け状態によっては、第1,第2光送受信ユニット10,11を水平軸芯周りに回動可能として、赤外光ビーム出射手段LSの光ビームの出射方向を垂直面内で調整可能としても良いし、更には、縦軸芯及び水平軸芯の両方で回動可能として、赤外光ビーム出射手段LSの光ビームの出射方向を任意の方向に調整可能としても良い。
【0025】
(10)上記実施の形態では、各単電池SBに備えられた動作状態検出手段SSは、監視用コントローラ6からの指令によって単電池SBの動作状態の検出を開始する場合を例示しているが、各動作状態検出手段SSが個別に設定されたタイミングで各単電池SBの動作状態を検出して各動作状態検出手段に備えられたメモリにその検出情報を記憶しておき、検出情報通信手段ICにて監視用コントローラ6からデータ収集指令を受けたときに夫々の検出情報を送出するように構成してもよい。
又、このように、各動作状態検出手段SSが個別に設定されたタイミングで各単電池SBの動作状態を検出する構成では、監視用コントローラ6からの指令によって検出情報を送出するのではなく、各動作状態検出手段SSの判断で検出情報を送出するようにしても良い。
例えば、各動作状態検出手段SSが比較的短い間隔で動作情報を検出し、その検出情報を予め設定されている異常判別値と比較することにより単電池SBが正常に動作しているか否かを判別して、単電池SBの動作が異常であると判別したときに、動作状態検出手段SSが自ら単電池SBに異常が発生した旨の信号を含めた動作状態の検出情報を送出して、監視用コントローラ6に報知するように構成することもできる。
【0026】
【発明の効果】
上記請求項1記載の構成によれば、各単電池に検出情報通信手段を備えて近くの単電池間で前記動作状態の検出情報を授受できるようにすると共に、それらの検出情報通信手段によって組電池を構成する複数の単電池が連鎖状に通信経路を形成するように構成することで、個々の通信距離を可及的に短くしながら、通信経路全体として見ると組電池を構成する複数の単電池の前記動作状態の検出情報を送り出すことができる。
しかも、組電池に対して単電池を増設するような場合では、増設する単電池を元々存在する他の単電池に近くに配置して、増設する単電池の前記検出情報通信手段を既存の通信経路の途中にもぐりこませるか、あるいは、通信経路の端に継ぎ足すだけの操作で、増設した単電池を電池監視システムに組み込むことができる。
もって、組電池を構成する各単電池の動作状態を監視するためのコストを可及的に低減できるに至った。
【0027】
又、上記請求項2記載の構成によれば、各単電池に備えられる検出情報通信手段によって形成される連鎖状の通信経路を前記動作状態の検出情報の流れとして見ると、前記動作状態の検出情報が一方通行となる状態で伝達されて行くことになり、各単電池に備えられる前記検出情報通信手段の通信制御の構成を極めて単純化することができ、電池監視システムのコストをより一層低減することができる。
又、上記請求項3記載の構成によれば、近接配置された単電池間の通信のように短距離の通信では、赤外光ビームの空間伝送により通信を行うことが容易であり、このような通信形態をとることで、外来光を含む外来ノイズの影響を回避できると共に、配線の接続等の手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる要部斜視図
【図2】本発明の実施の形態にかかる電池モニタユニットのブロック構成図
【図3】本発明の実施の形態にかかるフローチャート
【図4】本発明の実施の形態にかかる無停電電源装置のブロック構成図
【符号の説明】
IC 検出情報通信手段
RC 受信用通信手段
SB 単電池
SC 送信用通信手段
SS 動作状態検出手段
4 組電池
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の単電池にて構成される組電池における各単電池に、その単電池の動作状態を検出する動作状態検出手段と、前記動作状態検出手段の検出情報を授受するための検出情報通信手段とが設けられた電池監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる電池監視システムは、いわゆる組電池を各単電池のレベルで動作状態を監視して、組電池を的確に管理するためのシステムである。
尚、動作状態検出手段の検出対象となる単電池の動作状態としては、単電池の電圧,温度,あるいは,内部抵抗その他の種々の動作状態が存在する。
このようなシステムにおいては、従来、組電池全体を監視する中央監視装置を備えると共に、各単電池毎に前記中央監視装置と電波により無線通信する形態の検出情報通信手段を備えて、各単電池に備えられた前記動作状態検出手段の検出情報を、前記検出情報通信手段にて各単電池毎に個別に前記中央監視装置へ送信する構成が考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、上記従来構成では、各単電池に、単電池と前記中央監視装置との間の最大距離を通信可能な無線通信装置を配備する必要があり、各単電池の動作状態の検出情報の通信のための装置コストが大きくなり、更に、組電池に対して単電池を増設するような場合を考えると前記中央監視装置において単電池の増設分に対応する数の通信チャンネルを増設する等の設備変更が必要となり、単電池増設に伴う設備の変更コストも大きいものとなってしまう。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、組電池を構成する各単電池の動作状態を監視するためのコストを可及的に低減する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記請求項1記載の構成を備えることにより、複数の単電池にて構成される組電池における各単電池に、その単電池の動作状態を検出する動作状態検出手段と、前記動作状態検出手段の検出情報を授受するための検出情報通信手段とが設けられた電池監視システムにおいて、前記検出情報通信手段が他の単電池に備えられた前記検出情報通信手段と通信するように構成されて、複数の単電池夫々に備えられた前記検出情報通信手段によって連鎖状の通信経路が構成されている。
【0005】
すなわち、組電池は、通常、複数の単電池を密集させた状態で配置し、単電池間の通信距離も極めて短く、その間の通信手段を簡素に構成できるものであるが、単に単電池間で通信可能に構成するだけでは、相互に夫々の動作状態の検出情報を授受できるに過ぎず、組電池を構成する単電池全体の前記動作状態の検出情報を取り扱うことはできない。
そこで、各単電池に検出情報通信手段を備えて近くの単電池間で前記動作状態の検出情報を授受できるようにすると共に、それらの検出情報通信手段によって組電池を構成する複数の単電池が連鎖状に通信経路を形成するように構成することで、個々の通信距離を可及的に短くしながら、通信経路全体として見ると組電池を構成する複数の単電池の前記動作状態の検出情報を送り出すことができる。しかも、組電池に対して単電池を増設するような場合では、増設する単電池を元々存在する他の単電池に近くに配置して、増設する単電池の前記検出情報通信手段を既存の通信経路の途中にもぐりこませるか、あるいは、通信経路の端に継ぎ足すだけの操作で、増設した単電池を電池監視システムに組み込むことができる。
もって、組電池を構成する各単電池の動作状態を監視するためのコストを可及的に低減できるに至った。
【0006】
又、上記請求項2記載の構成を備えることにより、前記検出情報通信手段は、他の単電池に備えられた前記検出情報通信手段から他の単電池についての前記動作状態の検出情報を受信する受信用通信手段と、自己に備えられた前記動作状態検出手段の検出情報を送信可能であり且つ前記受信用通信手段にて受け取った前記検出情報を他の単電池に備えられた前記検出情報通信手段に送信する送信用通信手段とを備えて構成され、前記受信用通信手段の通信相手先となる前記検出情報通信手段を備える単電池と、前記送信用通信手段の通信相手先となる前記検出情報通信手段を備える単電池とが異なる単電池となるように配置されている。
すなわち、各単電池に備えられる検出情報通信手段によって形成される連鎖状の通信経路を前記動作状態の検出情報の流れとして見ると、前記動作状態の検出情報が一方通行となる状態で伝達されて行くことになる。
従って、各単電池に備えられる前記検出情報通信手段の通信制御の構成を極めて単純化することができ、電池監視システムのコストをより一層低減することができる。
【0007】
又、上記請求項3記載の構成を備えることにより、前記検出情報通信手段が、赤外光ビーム出射手段又は受光手段を備えて赤外光ビームの空間伝送により通信するように構成されている。
すなわち、近接配置された単電池間の通信のように短距離の通信では、赤外光ビームの空間伝送により通信を行うことが容易であり、このような通信形態をとることで、外来光を含む外来ノイズの影響を回避できると共に、配線の接続等の手間を省くことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電池監視システムを無停電電源装置に適用した場合の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔無停電電源装置UPの概略構成〕
無停電電源装置UPは、図4に概略的に示すように、商用交流ライン1からの交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータ2と、停電等により商用電力からの電力供給が停止したときに、負荷機器として接続されている電気機器3に対して電力の供給を行うリチウムイオン電池4と、AC/DCコンバータ2の出力直流電圧又はリチウムイオン電池4の出力直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACコンバータ5とが備えられて構成されている。尚、本実施の形態のリチウムイオン電池4は、図1に示すように、複数の単電池SBを直列接続して組電池として構成したものを例示している。但し、図1中では、図面を見易くするために、各単電池SBの電極端子7a,7bを接続する配線の図示を省略している。
【0009】
〔電池監視システムBWの概略構成〕
前記無停電電源装置UPに備えられたリチウムイオン電池4の動作を監視するための電池監視システムBWは、監視用コントローラ6と、図1に示すように各単電池SBの上面に固定された電池モニタユニット8とを主要部として構成されている。
監視用コントローラ6には、リチウムイオン電池4の設置箇所の雰囲気温度を測定するための温度センサ6aと、リチウムイオン電池4の充放電電流を測定する充放電電流測定部6bと、公衆回線を通じて測定データ等の通信を行うための通信モデム6cと、が接続され、更に、LANに接続されて、監視用コンピュータ20と通信可能に構成されている。
【0010】
電池モニタユニット8には、図2に示すように、他の単電池SBに取り付けられた電池モニタユニット8との間の通信を制御する通信制御部9と、他の単電池SBに取り付けられた電池モニタユニット8との間で赤外光ビームの空間伝送によって通信するための第1光送受信ユニット10及び第2光送受信ユニット11と、各単電池SBに取り付けられた複数の電池モニタユニット8夫々を識別するための識別番号を設定する識別番号設定器12と、単電池SBの動作状態を検出制御するモニタ制御部13と、単電池SBの温度(厳密には表面温度)を検出する温度センサ14と、単電池SBの内部インピーダンスを測定する内部インピーダンス測定部15と、単電池SBの電極端子7a,7b間の電圧を測定する電圧計測部16とが備えられている。すなわち、電池モニタユニット8は、各単電池SBの動作状態として、単電池SBの温度と、単電池SBの内部インピーダンスと、電極端子7a,7bの端子間電圧とを検出対象としており、温度センサ14,内部インピーダンス測定部15及び電圧計測部16は、単電池SBの動作状態を検出する動作状態検出手段SSとして機能している。このような情報を収集するために電池モニタユニット8は、図1に示すように、配線17a,17bによって電極端子7a,7bに接続され、これらの配線17a,17bが内部インピーダンス測定部15及び電圧計測部16に接続されている。
【0011】
通信制御部9,第1光送受信ユニット10及び第2光送受信ユニット11は、前記動作状態検出手段SSの検出情報を授受するための検出情報通信手段ICを構成しており、この検出情報通信手段ICが他の単電池SBに備えられた検出情報通信手段ICと通信して、これら各単電池SBの検出情報通信手段ICによって連鎖状の通信経路を構成している。
【0012】
第1光送受信ユニット10と第2光送受信ユニット11とは基本的に同一の構成であるが、それらの使用態様として、本実施の形態では、第1光送受信ユニット10は他の単電池SBの動作状態の検出情報や監視用コントローラ6からの動作指令を受信するのに用いると共に、第2光送受信ユニット11はそれらを、必要に応じて自己の前記動作状態の検出情報を含めた状態で他の単電池SBに送信するのに用いている。
すなわち、監視用コントローラ6からの動作指令の情報及び前記動作状態の検出情報を一方通行で伝えるように、各単電池SBの電池モニタユニット8が配置されており、図1に示すように、ある単電池SBの第1光送受信ユニット10が、通信経路の上流側の電池モニタユニット8の第2光送受信ユニット11から送信される信号を受信し、第2光送受信ユニット11が通信経路の下流側の電池モニタユニット8の第1光送受信ユニット10に向けて送信するように構成されている。
【0013】
従って、第1光送受信ユニット10は、他の単電池SBに備えられた検出情報通信手段ICから動作状態検出手段SSの検出情報を受信する受信用通信手段RCとして機能し、第2光送受信ユニット11は、自己に備えられた動作状態検出手段SSの検出情報を送信可能であり且つ第1光送受信ユニット10(受信用通信手段RC)にて受け取った前記検出情報を他の単電池SBに備えられた検出情報通信手段ICに送信する送信用通信手段SCとして機能し、受信用通信手段RCの通信相手先となる検出情報通信手段ICを備える単電池SBと、送信用通信手段SCの通信相手先となる検出情報通信手段ICを備える単電池SBとが異なる単電池SBとなるように配置されているものとなっている。
【0014】
第1,第2光送受信ユニット10,11には、夫々、受光手段LRとしての赤外域に感度を有するフォトダイオード10a,11aと、赤外光ビーム出射手段LSとしての赤外発光ダイオード10b,11bとが備えられており、第1,第2光送受信ユニット10,11は、図1に示すように、縦軸芯周りに回動可能としてあり、光ビームの出射方向を調整可能に構成してある。
尚、検出情報通信手段ICの連鎖によって形成される通信経路の上流端の第1光送受信ユニット10に対しては、監視用コントローラ6の指令送信ユニット6dから動作指令等の情報が赤外光ビームにより送信され、前記通信経路の下流端の第2光送受信ユニット11から送信される前記動作状態の検出情報等は、監視用コントローラ6のデータ受信ユニット6eにて受信され、監視用コントローラ6に取り込まれる。指令送信ユニット6d及びデータ受信ユニット6eの構成は、第1光送受信ユニット10等と同様である。
【0015】
〔無停電電源装置UPの概略動作〕
無停電電源装置UPは、商用交流ライン1から正常に商用電力が供給されている状態では、商用交流ライン1の交流電圧がAC/DCコンバータ2にて直流電圧に変換された後、更にDC/ACコンバータ5にて交流電圧に変換され、その交流電圧が交流負荷である電気機器3に供給される。
AC/DCコンバータ2の出力直流電圧は、リチウムイオン電池4に対しても充電電圧として供給され、AC/DCコンバータ2は、リチウムイオン電池4に対する充電装置としても機能している。
従って、商用交流ライン1から正常に商用電力が供給されている状態では、商用電力は電気機器3に供給されると共に、リチウムイオン電池4に充電用電力として供給され、停電等の何らかの理由により商用交流ライン1からの電力供給が停止したときは、リチウムイオン電池4の出力直流電圧がDC/ACコンバータ5にて交流電圧に変換されて電気機器3に供給される。
【0016】
〔電池監視システムBWの概略動作〕
電池監視システムBWは、監視用コントローラ6が定期的(例えば12時間毎等)に組電池であるリチウムイオン電池4を構成する各単電池SBの動作状態の検出情報を収集すると共に、それらの収集データを温度センサ6aの検出データ及び充放電電流測定部6bの測定データと共に記憶保持する。このようにして監視用コントローラ6に記憶保持されたデータは、通信モデム6cを介してリチウムイオン電池4の管理を委託されている管理サービス会社のコンピュータに送信されると共に、監視用コントローラ6と同一のLANに接続されている監視用コンピュータ20から閲覧できるようにする。このため、監視用コントローラ6には、いわゆるWEBサーバ機能が備えられており、収集した前記動作状態の検出情報を監視用コンピュータ20に組み込まれたWEB閲覧プログラムにて閲覧可能なファイル形式で書込む。
尚、各単電池SBの動作状態の検出情報の収集は、上記のように定期的に行われる他、公衆回線と通信モデム6cとを経由して前記管理サービス会社からのデータ収集指令や、監視用コンピュータ20からのデータ収集指令によっても開始される。
【0017】
〔電池モニタユニット8の詳細動作〕
監視用コントローラ6が、各電池モニタユニット8の検出情報通信手段ICにて構成される通信経路の上流端から、単電池SBの前記動作状態の検出開始指令を送信すると、その検出開始指令は前記通信経路を順次伝達され、前記動作状態の検出を指令された電池モニタユニット8は、動作状態検出手段SSによる検出情報を付加して、前記検出開始指令を前記通信経路の下流側に伝える。尚、前記検出開始指令の具体構成としては、例えば、通信プロトコルに関するヘッダ情報に引き続いて、前記動作状態を検出しようとする単電池SBに取り付けられた電池モニタユニット8の識別番号を指定する形態で良く、この識別番号は、個々の識別番号を指定できると共に、監視対象の単電池SB全体を指定するものでも良い。
【0018】
次に、通信制御部9が実行する図3のフローチャートに基づいて、更に詳細に説明する。
通信制御部9は、前記通信経路の上流側の単電池SBに備えられた電池モニタユニット8の第2光送受信ユニット11から、前記検出開始指令を含む信号を第1光送受信ユニット10が受信するまで待機し(ステップ#1)、前記検出開始指令を含む信号を受信すると、その信号に自己の識別番号設定器12で設定されている識別番号が含まれているか否かを判断し(ステップ#2)、含まれていなければ、第2光送受信ユニット11にて、上流側から受信した信号をそのまま前記通信経路の下流側の単電池SBに備えられた電池モニタユニット8の第1光送受信ユニット10に向けて転送する(ステップ#3)。
【0019】
一方、前記検出開始指令を含む信号に自己の識別番号が指定されていれば(ステップ#2)、モニタ制御部13に対して単電池SBの前記動作状態を検出開始を指示する(ステップ#4)。
モニタ制御部13は、この検出開始の指示を受けて、温度センサ14,内部インピーダンス測定部15及び電圧計測部16の計測値を前記動作状態の検出情報として取り込んで通信制御部9に送信する。
通信制御部9は、この動作状態の検出情報をモニタ制御部13から受け取ると(ステップ#5)、通信経路の上流側から受け取った前記検出開始指令を含む信号に、前記動作状態の検出情報を付加して、前記通信経路の下流側の単電池SBに備えられた電池モニタユニット8の第1光送受信ユニット10に向けて送信する(ステップ#6)。
【0020】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)上記実施の形態では、本発明の電池監視システムを無停電電源装置UPに適用した場合を例示しているが、種々の用途の組電池の監視のために本発明を適用することができ、例えば、いわゆるバッテリーフォークリフトに電力源として搭載される組電池の監視のために適用しても良い。
バッテリーフォークリフトに電力源として搭載される組電池は、組電池を構成する単電池が均等に劣化するのではなく、ごく一部の単電池について先行して劣化が進む傾向があり、その先行して劣化した単電池を新しい単電池に交換する場合において、上述のように連鎖的な通信経路を構成していることで、新しく組み込んだ単電池を含む通信経路の再構築を極めて容易に行うことができる。
【0021】
(2)上記実施の形態では、本発明をリチウムイオン電池の組電池の監視に適用する場合を例示しているが、鉛蓄電池により構成される組電池等の種々の形態の電池に本発明を適用できる。
(3)上記実施の形態では、各単電池SBの動作状態の検出情報を一方通行の形態で上流から下流に伝達する場合を例示しているが、単電池SBの動作状態の検出指令を受け取った電池モニタユニット8が、前記動作状態の検出結果を上流側に送り返すように構成しても良い。
【0022】
(4)上記実施の形態では、電池モニタユニット8の通信制御部9は、監視用コントローラ6からの前記検出開始指令を含む信号に単電池SBの動作状態の検出情報を付加して通信経路の下流側に伝達する場合を例示しているが、前記検出開始指令の伝達と、単電池SBの動作状態の検出情報とを別個に送受信するように構成しても良い。
(5)上記実施の形態では、検出情報通信手段ICは、単電池SBの動作状態の検出情報を赤外光ビームの空間伝送にて通信する場合を例示しているが、いわゆるIDタグに使用されているような短距離用の無線通信技術を適用する等、具体的な通信技術は種々変更可能である。
【0023】
(6)上記実施の形態では、単電池SBを1列に並べて組電池を構成する場合を例示しているが、例えば、単電池SBを複数列に並べて組電池を構成する等、単電池SBの配置構成は種々変更可能である。
(7)上記実施の形態では、監視用コントローラ6と、指令送信ユニット6d及びデータ受信ユニット6eとを有線接続する場合を例示しているが、これらの間を無線にて通信するように構成してもよい。
このように構成すれば、組電池が移動体に搭載されている場合にも本発明を適用することができる。
(8)上記実施の形態では、複数の検出情報通信手段ICにて形成される連鎖状の通信経路はラインを形成する場合を例示しているが、ループ状の通信経路を形成するように検出情報通信手段ICを配置しても良い。
【0024】
(9)上記実施の形態では、第1,第2光送受信ユニット10,11を縦軸芯周りに回動可能として、赤外光ビーム出射手段LSの光ビームの出射方向を水平面内で調整可能としているが、単電池SBの配置形態や第1,第2光送受信ユニット10,11の取り付け状態によっては、第1,第2光送受信ユニット10,11を水平軸芯周りに回動可能として、赤外光ビーム出射手段LSの光ビームの出射方向を垂直面内で調整可能としても良いし、更には、縦軸芯及び水平軸芯の両方で回動可能として、赤外光ビーム出射手段LSの光ビームの出射方向を任意の方向に調整可能としても良い。
【0025】
(10)上記実施の形態では、各単電池SBに備えられた動作状態検出手段SSは、監視用コントローラ6からの指令によって単電池SBの動作状態の検出を開始する場合を例示しているが、各動作状態検出手段SSが個別に設定されたタイミングで各単電池SBの動作状態を検出して各動作状態検出手段に備えられたメモリにその検出情報を記憶しておき、検出情報通信手段ICにて監視用コントローラ6からデータ収集指令を受けたときに夫々の検出情報を送出するように構成してもよい。
又、このように、各動作状態検出手段SSが個別に設定されたタイミングで各単電池SBの動作状態を検出する構成では、監視用コントローラ6からの指令によって検出情報を送出するのではなく、各動作状態検出手段SSの判断で検出情報を送出するようにしても良い。
例えば、各動作状態検出手段SSが比較的短い間隔で動作情報を検出し、その検出情報を予め設定されている異常判別値と比較することにより単電池SBが正常に動作しているか否かを判別して、単電池SBの動作が異常であると判別したときに、動作状態検出手段SSが自ら単電池SBに異常が発生した旨の信号を含めた動作状態の検出情報を送出して、監視用コントローラ6に報知するように構成することもできる。
【0026】
【発明の効果】
上記請求項1記載の構成によれば、各単電池に検出情報通信手段を備えて近くの単電池間で前記動作状態の検出情報を授受できるようにすると共に、それらの検出情報通信手段によって組電池を構成する複数の単電池が連鎖状に通信経路を形成するように構成することで、個々の通信距離を可及的に短くしながら、通信経路全体として見ると組電池を構成する複数の単電池の前記動作状態の検出情報を送り出すことができる。
しかも、組電池に対して単電池を増設するような場合では、増設する単電池を元々存在する他の単電池に近くに配置して、増設する単電池の前記検出情報通信手段を既存の通信経路の途中にもぐりこませるか、あるいは、通信経路の端に継ぎ足すだけの操作で、増設した単電池を電池監視システムに組み込むことができる。
もって、組電池を構成する各単電池の動作状態を監視するためのコストを可及的に低減できるに至った。
【0027】
又、上記請求項2記載の構成によれば、各単電池に備えられる検出情報通信手段によって形成される連鎖状の通信経路を前記動作状態の検出情報の流れとして見ると、前記動作状態の検出情報が一方通行となる状態で伝達されて行くことになり、各単電池に備えられる前記検出情報通信手段の通信制御の構成を極めて単純化することができ、電池監視システムのコストをより一層低減することができる。
又、上記請求項3記載の構成によれば、近接配置された単電池間の通信のように短距離の通信では、赤外光ビームの空間伝送により通信を行うことが容易であり、このような通信形態をとることで、外来光を含む外来ノイズの影響を回避できると共に、配線の接続等の手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる要部斜視図
【図2】本発明の実施の形態にかかる電池モニタユニットのブロック構成図
【図3】本発明の実施の形態にかかるフローチャート
【図4】本発明の実施の形態にかかる無停電電源装置のブロック構成図
【符号の説明】
IC 検出情報通信手段
RC 受信用通信手段
SB 単電池
SC 送信用通信手段
SS 動作状態検出手段
4 組電池
Claims (3)
- 複数の単電池にて構成される組電池における各単電池に、その単電池の動作状態を検出する動作状態検出手段と、前記動作状態検出手段の検出情報を授受するための検出情報通信手段とが設けられた電池監視システムであって、
前記検出情報通信手段が他の単電池に備えられた前記検出情報通信手段と通信するように構成されて、複数の単電池夫々に備えられた前記検出情報通信手段によって連鎖状の通信経路が構成されている電池監視システム。 - 前記検出情報通信手段は、
他の単電池に備えられた前記検出情報通信手段から他の単電池についての前記動作状態の検出情報を受信する受信用通信手段と、
自己に備えられた前記動作状態検出手段の検出情報を送信可能であり且つ前記受信用通信手段にて受け取った前記検出情報を他の単電池に備えられた前記検出情報通信手段に送信する送信用通信手段とを備えて構成され、
前記受信用通信手段の通信相手先となる前記検出情報通信手段を備える単電池と、前記送信用通信手段の通信相手先となる前記検出情報通信手段を備える単電池とが異なる単電池となるように配置されている請求項1記載の電池監視システム。 - 前記検出情報通信手段が、赤外光ビーム出射手段又は受光手段を備えて赤外光ビームの空間伝送により通信するように構成されている請求項1又は2記載の電池監視システム。
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