JP2004014448A - 光検出型多方向スイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】安価にして半永久的な寿命を有し、さらには信号処理を高速かつ正確に行うことが可能な光検出型多方向スイッチを提供する。
【解決手段】光検出型多方向スイッチを、スティック状の操作部1と、当該操作部1と一体に形成されたスライダ2と、配線基板3と、当該配線基板3に実装された1つの発光素子4及び8個の受光素子5a〜5hと、前記配線基板3の受発光素子実装面に被着されたホルダ6とから構成する。操作部1の操作方向に応じてスライダ2をスライドさせ、発光素子4より出射された光を受光する受光素子と受光しない受光素子の組合せを切り替える。
【選択図】 図5
【解決手段】光検出型多方向スイッチを、スティック状の操作部1と、当該操作部1と一体に形成されたスライダ2と、配線基板3と、当該配線基板3に実装された1つの発光素子4及び8個の受光素子5a〜5hと、前記配線基板3の受発光素子実装面に被着されたホルダ6とから構成する。操作部1の操作方向に応じてスライダ2をスライドさせ、発光素子4より出射された光を受光する受光素子と受光しない受光素子の組合せを切り替える。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置のカーソル操作手段などに適用される光検出型多方向スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばカーナビゲーションシステムなどの情報処理装置のカーソル操作手段としては、金属接点を有する機械式の多方向スイッチが多く用いられてきたが、機械式のスイッチは、接点摩耗の発生が不可避であるため、長期間の使用によってスイッチ機能が劣化する。接点寿命は、約20万回といわれている。これに対して、金属接点を有さず、操作部の操作方向及び操作量を光電方式で検出する光検出型のコンピュータ用入力装置も従来より提案されている。
【0003】
図13及び図14を用いて、従来より提案されている光検出型のコンピュータ用入力装置の一例を説明する。図13から明らかなように、本例のコンピュータ用入力装置は、キーボード101にゴム状の支持部102を介して揺動自在に設けられたスティック状の操作部103と、当該操作部103の下端部に固着された反射板104と、キーボード101内の前記操作部103の設定部と対向する部分に設定された光センサ105とから主に構成されている。光センサ105は、LED(発光ダイオード)106と、当該LED106を挟んでその両側に配置された2次元位置検出用PSD(位置検出素子)107及び1次元位置検出用PSD108と、これらの各素子106,107,108を収納するケース109とから構成されており、前記ケース109の上面には、前記LED106より出射された光を前記反射板104に向けて通過させる光出射孔110と、前記反射板104にて反射された光を前記2次元位置検出用PSD107に向けて通過させる第1の反射光通過孔111と、前記反射板104にて反射された光を前記1次元位置検出用PSD108に向けて通過させる第2の反射光通過孔112とが開口されている。
【0004】
図14に示すように、LED106より出射され、反射板104にて反射された光の2次元位置検出用PSD107への入射位置及び1次元位置検出用PSD108への入射位置は、反射板104の傾斜角度、即ち操作部103の操作角度に応じて変化する。例えば、反射板104がAの傾斜状態にあるときには、PSD107,108への反射光の入射位置は実線矢印で示される位置になり、反射板104がBの傾斜状態にあるときには、PSD107,108への反射光の入射位置は破線矢印で示される位置になる。PSD107,108は、入射した光エネルギに比例した電荷を光の入射位置に発生し、この電荷は光電流として電極より出力されるので、光電流を電極までの距離に逆比例するように分割して取り出すことにより、光の入射位置を求めることができる。したがって、本例のコンピュータ用入力装置を用いれば、操作部103の操作方向及び操作角度に応じた信号をコンピュータに入力することができる。
【0005】
このコンピュータ用入力装置は、金属接点を有しないので、接点摩耗の発生ということが原理的にあり得ず、ほぼ半永久的な寿命を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例に係るコンピュータ用入力装置は、受光素子として複雑な信号処理回路を必要とし、かつ高価なPSD107,108を用いているので、製品コストが高価になるという不都合がある。また、複雑な信号処理回路を必要とすることから、信号処理を高速かつ正確に行うことが難しいという不都合もある。
【0007】
本発明は、かかる技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、安価にして半永久的な寿命を有し、さらには信号処理を高速かつ正確に行うことが可能な光検出型多方向スイッチを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、多方向に操作可能な操作部と、発光素子及び複数個の受光素子が実装された配線基板と、前記操作部により前記配線基板の受発光素子実装面に沿ってスライド操作されるスライダとを備え、前記スライダに、前記操作部の操作方向に応じて特定の1乃至複数個の前記受光素子に前記発光素子より放射された光を入射する光反射部と、前記操作部の操作方向に応じて他の特定の1乃至複数個の前記受光素子への前記発光素子より放射された光の入射を遮断する光遮断部とを形成するという構成にした。
【0009】
このように、配線基板の受発光素子実装面に沿ってスライド操作されるスライダに光反射部と光遮断部とを備え、操作部の操作方向に応じて特定の受光素子に発光素子より放射された光を入射すると共に、他の特定の受光素子への発光素子より放射された光の入射を遮断すると、無接点で光検出型多方向スイッチをオンオフ操作することができるので、原理的に接点摩耗が発生せず、半永久的な寿命を帯有することができる。また、受光素子として複雑な信号処理回路を必要とせず、かつ高価なPSDを用いることなく操作部の操作方向を確実に検出することができるので、コンピュータ用入力装置としての光検出型多方向スイッチを安価に製造することができる。さらに、複雑な信号処理回路を必要としないことから、高速かつ正確な信号処理を行うことができ、光検出型多方向スイッチの信頼性を高めることができる。
【0010】
また、本発明は、前記の課題を解決するため、前記構成の光検出型多方向スイッチにおいて、前記配線基板の受発光素子実装面に、前記発光素子及び前記受光素子を個々に収容可能な透孔が開設された遮光体よりなるホルダを備えるという構成にした。
【0011】
このように、配線基板の受発光素子の実装面に発光素子及び受光素子を個々に収容可能な透孔が開設された遮光体よりなるホルダを備えると、発光素子から受光素子への不正な光の漏れ込みをより確実に防止できるので、光検出型多方向スイッチの信頼性を高めることができる。
【0012】
また、本発明は、前記の課題を解決するため、前記構成の光検出型多方向スイッチにおいて、前記スライダと前記ホルダとの間に、前記スライダを所定の可動方向に案内するための案内手段を設けるという構成にした。
【0013】
このように、スライダとホルダとの間にスライダを所定の可動方向に案内するための案内手段を設けると、スライダひいては操作部をより確実に所定の操作方向に操作することができるので、操作部の誤操作が防止され、光検出型多方向スイッチの信頼性を高めることができる。
【0014】
また、本発明は、前記の課題を解決するため、前記構成の光検出型多方向スイッチにおいて、前記操作部と前記スライダとを一体に形成するという構成にした。
【0015】
このように、操作部とスライダとを一体に形成すると、操作部とスライダとの間にリンク部材を備える必要がないので、光検出型多方向スイッチの小型化を図ることができる。
【0016】
また、本発明は、前記の課題を解決するため、前記構成の光検出型多方向スイッチにおいて、前記複数個の受光素子を前記発光素子の設定部を中心とする円周上に配置するという構成にした。
【0017】
このように、複数個の受光素子を発光素子の設定部を中心とする円周上に配置すると、スライダを発光素子の設定部を中心として放射状にスライドさせることによって多方向スイッチの切り替えを行うことができるので、光検出型多方向スイッチの構造の簡略化と小型化とを図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光検出型多方向スイッチの第1実施形態例を、図1乃至図7に基づいて説明する。図1は第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの分解斜視図、図2は第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる発光素子及び受光素子の配列を示す配線基板の平面図、図3は第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられるスライダの底面図、図4は第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの非操作状態の要部断面図、図5は第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの操作状態の要部断面図、図6は第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの動作説明図、図7は第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる操作部の操作方向と各受光素子の受光状態との関係を示す表図である。
【0019】
図1に示すように、第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチは、スティック状の操作部1と、当該操作部1と一体に形成されたスライダ2と、配線基板3と、当該配線基板3に実装された1つの発光素子4及び8個の受光素子5a〜5hと、前記配線基板3の受発光素子実装面に被着されたホルダ6とから主に構成されている。
【0020】
8個の受光素子5a〜5hは、図2に示すように、配線基板3上における発光素子4の設定部を中心とする円周上に等分に配置される。発光素子4としては、LED又はIRED(赤外線発光ダイオード)などを用いることができ、受光素子5a〜5hとしては、フォトダイオードなどを用いることができる。
【0021】
ホルダ6は、例えば遮光性が付与されたプラスチックの成形体等をもって構成されており、その中心部分には、前記配線基板3上に配列された発光素子4を収容するための透孔11が開設され、当該透孔11の周囲には、前記配線基板3上に配列された受光素子5a〜5hを個々に収容するための透孔12a〜12hが開設されている。また、前記透孔12a〜12hよりも外周には、スライダ2のスライド方向を規制するための放射状のスライド規制溝13が形成されている。スライド規制溝13の放射方向は、発光素子4の設定位置に対する8個の受光素子5a〜5hの設定方向と合致するように形成される。
【0022】
スライダ2の下面中央部には、図3乃至図5に示すように平面形状が放射状で断面形状が円弧形をなす光反射部14が形成され、その外周部下面には、ホルダ6の上面と接する光遮断部15が形成されている。また、前記光遮断部15の外周には、前記スライド規制溝13に係合するための係合突起16が突設されている。前記光反射部14の放射方向は、図6(a)に示すように、発光素子4の設定位置に対する8個の受光素子5a〜5hの設定方向と合致するように形成される。操作部1及びスライダ2は、少なくとも光反射部14及び光遮断部15に発光素子4より出射される光を反射する光反射性が付与された材料をもって形成される。即ち、操作部1及びスライダ2は、金属材料をもって形成することもできるし、光反射性を有する樹脂材料をもって形成することもできる。さらには、光反射部14及び光遮断部15に金属膜が被着された樹脂材料をもって形成することもできる。なお、操作部1は、当該光検出型多方向スイッチが備えられる情報処理装置、例えばカーナビゲーションシステムの筐体等に取り付けられる。
【0023】
次に、前記のように構成された第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの動作について説明する。
【0024】
図4及び図6(a)に示すように、係合突起16がスライド規制溝13の中央部に位置している場合には、ホルダ6に開設された透孔11及び透孔12a〜12hのいずれもがスライダ2に形成された光遮断部15によって遮蔽されておらず、発光素子4及び全ての受光素子5a〜5hがスライダ2に形成された光反射部14内にあって、発光素子4より出射された光が各受光素子5a〜5hに均等に入射される。この状態から操作部1を操作し、スライダ2をスライド規制溝13に沿って受光素子5aの配設方向にスライドすると、図5及び図6(b)に示すように、ホルダ6に開設された透孔12b〜12hがスライダ2に形成された光遮断部15によって遮蔽され、発光素子4より出射された光が受光素子5aにのみ入射される。したがって、受光素子5aと、発光素子4を介して当該受光素子5aと対向に配置された受光素子5eの出力を検出することによって、操作部1が受光素子5aの設定方向に操作されたことを検知することができる。スライダ2が他の受光素子の配設方向にスライドされた場合も同様であり、これによって操作部1の操作方向を知ることができる。
【0025】
図7に、操作部1の操作方向と各受光素子5a〜5hの受光状態との関係をまとめて示す。この図において、○印は発光素子4より出射された光を受光している受光素子、×印は発光素子4より出射された光を受光していない受光素子を示している。この図から明らかなように、操作部1の操作方向と各受光素子5a〜5hの受光状態とが1対1に対応しており、操作部1の操作方向を確実に知ることができる。
【0026】
前記第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチは、配線基板3の受発光素子実装面に沿ってスライド操作されるスライダ2に光反射部14と光遮断部15とを備え、操作部1の操作方向に応じて特定の受光素子に発光素子4より放射された光を入射すると共に、他の特定の受光素子への発光素子4より放射された光の入射を遮断するようにしたので、無接点で光検出型多方向スイッチをオンオフ操作することができ、半永久的な寿命を帯有することができる。また、受光素子5a〜5hとして複雑な信号処理回路を必要とせず、かつ高価なPSDを用いないので、コンピュータ用入力装置としての光検出型多方向スイッチを安価に製造することができる。さらに、複雑な信号処理回路を必要としないことから、高速かつ正確な信号処理を行うことができて、光検出型多方向スイッチの信頼性を高めることができる。また、配線基板3の受発光素子実装面に、発光素子4及び受光素子5a〜5hを個々に収容可能な透孔11,12a〜12hが開設された遮光体よりなるホルダ6を備えるので、発光素子4から受光素子5a〜5hへの不正な光の漏れ込みをより確実に防止することができ、光検出型多方向スイッチの信頼性を高めることができる。さらに、ホルダ6にスライド規制溝13を形成すると共にスライダ2に当該スライド規制溝13に係合可能な係合突起16を形成したので、スライダ2ひいては操作部1をより確実に所定の操作方向に操作することができ、操作部1の誤操作が防止されて、光検出型多方向スイッチの信頼性を高めることができる。また、操作部1とスライダ2とを一体に形成したので、操作部1とスライダ2との間にリンク部材を備える必要がなく、光検出型多方向スイッチの小型化を図ることができる。加えて、8個の受光素子5a〜5hを発光素子4の設定部を中心とする円周上に配置したので、スライダ2を発光素子4の設定部を中心として放射状にスライドさせることができ、光検出型多方向スイッチの構造の簡略化と小型化とを図ることができる。
【0027】
次に、本発明に係る光検出型多方向スイッチの第2実施形態例を、図8及び図9に基づいて説明する。図8は第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの動作説明図、図9は第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる操作部の操作方向と各受光素子の受光状態との関係を示す表図である。
【0028】
第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチは、図8に示すように、スライダ2に形成される光反射部14を放射状に形成するのではなく、単純な円椀状に形成したことを特徴とする。その他については第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチと同じであるので、説明を省略する。
【0029】
光反射部14を単純な円椀状に形成すると、スライダ2をスライド規制溝13に沿って受光素子5aの配設方向にスライドしたとき、第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチとは異なり、図8(a),(b)に示すように、受光素子5aを収容する透孔12aのみならず、受光素子5b,5hを収容する透孔12b,12hも光遮断部15によって遮蔽されず、発光素子4より出射された光が受光素子5a、5b、5hに入射される。スライダ2をスライド規制溝13に沿って他の受光素子の配設方向にスライドしたときも同様である。しかしながら、スライダ2のスライド方向によって、受光状態に保持される受光素子と遮光状態に切り替えられる受光素子とが特有の組合せになるので、各受光素子5a〜5hの出力を検出することによって、操作部1の操作方向を知ることができる。
【0030】
図9に、第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチにおける操作部1の操作方向と各受光素子5a〜5hの受光状態との関係をまとめて示す。この図においても、○印は発光素子4より出射された光を受光している受光素子、×印は発光素子4より出射された光を受光していない受光素子を示している。この図から明らかなように、操作部1の操作方向と各受光素子5a〜5hの受光状態とが1対1に対応しており、操作部1の操作方向を確実に知ることができる。
【0031】
第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチは、第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチと同様の効果を有するほか、スライダ2に形成される光反射部14を単純な円椀状にしたので、スライダ2の製造を容易化できて、光検出型多方向スイッチの製造コストを安価にできるという効果を有する。
【0032】
次に、本発明に係る光検出型多方向スイッチの第3実施形態例を、図10及び図11に基づいて説明する。図10は第3実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる配線基板の平面図、図11は第3実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる操作部の操作方向と各受光素子の受光状態との関係を示す表図である。
【0033】
第3実施形態例に係る光検出型多方向スイッチは、図10に示すように、配線基板3上に8個の受光素子5a〜5hを配設して8方向に関する操作部1の操作方向を検出するのではなく、配線基板3上に4個の受光素子5a〜5dを配設して8方向に関する操作部1の操作方向を検出することを特徴とする。また、第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチと同様に、スライダ2に形成される光反射部14を単純な円椀状に形成したことを特徴とする。その他については第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチと同じであるので、説明を省略する。
【0034】
このようにすると、スライダ2をスライド規制溝13に沿って受光素子5a,5b,5c,5dの配設方向にスライドしたときには、図10(b)に例示するように、1つの受光素子のみが選択的に遮光状態に切り替えられ、スライダ2をスライド規制溝13に沿って受光素子5a,5b,5c,5dの配設方向に対して45度の方向にスライドしたときには、図10(c)に例示するように、2つの受光素子が選択的に受光状態に切り替えられる。したがって、スライダ2のスライド方向によって、受光状態に保持される受光素子と遮光状態に切り替えられる受光素子とが特有の組合せになるので、各受光素子5a〜5dの出力を検出することによって、操作部1の操作方向を知ることができる。
【0035】
図11に、第3実施形態例に係る光検出型多方向スイッチにおける操作部1の操作方向と各受光素子5a〜5dの受光状態との関係をまとめて示す。この図においても、○印は発光素子4より出射された光を受光している受光素子、×印は発光素子4より出射された光を受光していない受光素子を示している。この図から明らかなように、操作部1の操作方向と各受光素子5a〜5dの受光状態とが1対1に対応しており、操作部1の操作方向を確実に知ることができる。
【0036】
第3実施形態例に係る光検出型多方向スイッチは、第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチと同様の効果を有するほか、4個の受光素子5a〜5dを備えるだけで8方向の操作部1の操作方向を検出することができるので、受光素子の数量を減少することができて、光検出型多方向スイッチの製造コストを安価にできるという効果を有する。
【0037】
なお、前記実施形態例においては、操作部1をスライダ2と一体に形成したが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、操作部1とスライダ2とを別体に形成することもできる。この場合、操作部1をカーナビゲーションシステムの筐体等に揺動自在に取り付け、操作部1の揺動操作に応じてスライダ2をスライドさせるようにすることもできる。
【0038】
また、前記実施形態例においては、本発明に係る光検出型多方向スイッチをカーナビゲーションシステムなどの情報処理装置のカーソル操作手段として適用する場合を例にとって説明したが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、図12に示すように、操作部1とスライダ2と配線基板3とホルダ6とをケーシング21によって一体化し、多方向スイッチ装置とすることもできる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光検出型多方向スイッチは、配線基板の受発光素子実装面に沿ってスライド操作されるスライダに光反射部と光遮断部とを備え、操作部の操作方向に応じて特定の受光素子に発光素子より放射された光を入射すると共に、他の特定の受光素子への発光素子より放射された光の入射を遮断するようにしたので、無接点で光検出型多方向スイッチをオンオフ操作することができ、半永久的な寿命を帯有することができる。また、受光素子として複雑な信号処理回路を必要とし、かつ高価なPSDを用いることなく操作部の操作方向を確実に検出することができるので、コンピュータ用入力装置としての光検出型多方向スイッチを安価に製造することができる。さらに、複雑な信号処理回路を必要としないことから、高速かつ正確な信号処理を行うことができ、光検出型多方向スイッチの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの分解斜視図である。
【図2】第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる発光素子及び受光素子の配列を示す配線基板の平面図である。
【図3】第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられるスライダの底面図である。
【図4】第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの非操作状態の要部断面図である。
【図5】第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの操作状態の要部断面図である。
【図6】第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの動作説明図である。
【図7】第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる操作部の操作方向と各受光素子の受光状態との関係を示す表図である。
【図8】第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの動作説明図である。
【図9】第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる操作部の操作方向と各受光素子の受光状態との関係を示す表図である。
【図10】第3実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる配線基板の平面図である。
【図11】第3実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる操作部の操作方向と各受光素子の受光状態との関係を示す表図である。
【図12】本発明に係る光検出型多方向スイッチの応用例を示す斜視図である。
【図13】従来例に係る光検出型多方向スイッチの構成図である。
【図14】従来例に係る光検出型多方向スイッチの動作説明図である。
【符号の説明】
1 操作部
2 スライダ
3 配線基板
4 発光素子
5a〜5h 受光素子
6 ホルダ
11 透孔
12a〜12h 透孔
13 スライド規制溝
14 光反射部
15 光遮断部
16 係合突起
21 ケーシング
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置のカーソル操作手段などに適用される光検出型多方向スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばカーナビゲーションシステムなどの情報処理装置のカーソル操作手段としては、金属接点を有する機械式の多方向スイッチが多く用いられてきたが、機械式のスイッチは、接点摩耗の発生が不可避であるため、長期間の使用によってスイッチ機能が劣化する。接点寿命は、約20万回といわれている。これに対して、金属接点を有さず、操作部の操作方向及び操作量を光電方式で検出する光検出型のコンピュータ用入力装置も従来より提案されている。
【0003】
図13及び図14を用いて、従来より提案されている光検出型のコンピュータ用入力装置の一例を説明する。図13から明らかなように、本例のコンピュータ用入力装置は、キーボード101にゴム状の支持部102を介して揺動自在に設けられたスティック状の操作部103と、当該操作部103の下端部に固着された反射板104と、キーボード101内の前記操作部103の設定部と対向する部分に設定された光センサ105とから主に構成されている。光センサ105は、LED(発光ダイオード)106と、当該LED106を挟んでその両側に配置された2次元位置検出用PSD(位置検出素子)107及び1次元位置検出用PSD108と、これらの各素子106,107,108を収納するケース109とから構成されており、前記ケース109の上面には、前記LED106より出射された光を前記反射板104に向けて通過させる光出射孔110と、前記反射板104にて反射された光を前記2次元位置検出用PSD107に向けて通過させる第1の反射光通過孔111と、前記反射板104にて反射された光を前記1次元位置検出用PSD108に向けて通過させる第2の反射光通過孔112とが開口されている。
【0004】
図14に示すように、LED106より出射され、反射板104にて反射された光の2次元位置検出用PSD107への入射位置及び1次元位置検出用PSD108への入射位置は、反射板104の傾斜角度、即ち操作部103の操作角度に応じて変化する。例えば、反射板104がAの傾斜状態にあるときには、PSD107,108への反射光の入射位置は実線矢印で示される位置になり、反射板104がBの傾斜状態にあるときには、PSD107,108への反射光の入射位置は破線矢印で示される位置になる。PSD107,108は、入射した光エネルギに比例した電荷を光の入射位置に発生し、この電荷は光電流として電極より出力されるので、光電流を電極までの距離に逆比例するように分割して取り出すことにより、光の入射位置を求めることができる。したがって、本例のコンピュータ用入力装置を用いれば、操作部103の操作方向及び操作角度に応じた信号をコンピュータに入力することができる。
【0005】
このコンピュータ用入力装置は、金属接点を有しないので、接点摩耗の発生ということが原理的にあり得ず、ほぼ半永久的な寿命を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例に係るコンピュータ用入力装置は、受光素子として複雑な信号処理回路を必要とし、かつ高価なPSD107,108を用いているので、製品コストが高価になるという不都合がある。また、複雑な信号処理回路を必要とすることから、信号処理を高速かつ正確に行うことが難しいという不都合もある。
【0007】
本発明は、かかる技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、安価にして半永久的な寿命を有し、さらには信号処理を高速かつ正確に行うことが可能な光検出型多方向スイッチを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、多方向に操作可能な操作部と、発光素子及び複数個の受光素子が実装された配線基板と、前記操作部により前記配線基板の受発光素子実装面に沿ってスライド操作されるスライダとを備え、前記スライダに、前記操作部の操作方向に応じて特定の1乃至複数個の前記受光素子に前記発光素子より放射された光を入射する光反射部と、前記操作部の操作方向に応じて他の特定の1乃至複数個の前記受光素子への前記発光素子より放射された光の入射を遮断する光遮断部とを形成するという構成にした。
【0009】
このように、配線基板の受発光素子実装面に沿ってスライド操作されるスライダに光反射部と光遮断部とを備え、操作部の操作方向に応じて特定の受光素子に発光素子より放射された光を入射すると共に、他の特定の受光素子への発光素子より放射された光の入射を遮断すると、無接点で光検出型多方向スイッチをオンオフ操作することができるので、原理的に接点摩耗が発生せず、半永久的な寿命を帯有することができる。また、受光素子として複雑な信号処理回路を必要とせず、かつ高価なPSDを用いることなく操作部の操作方向を確実に検出することができるので、コンピュータ用入力装置としての光検出型多方向スイッチを安価に製造することができる。さらに、複雑な信号処理回路を必要としないことから、高速かつ正確な信号処理を行うことができ、光検出型多方向スイッチの信頼性を高めることができる。
【0010】
また、本発明は、前記の課題を解決するため、前記構成の光検出型多方向スイッチにおいて、前記配線基板の受発光素子実装面に、前記発光素子及び前記受光素子を個々に収容可能な透孔が開設された遮光体よりなるホルダを備えるという構成にした。
【0011】
このように、配線基板の受発光素子の実装面に発光素子及び受光素子を個々に収容可能な透孔が開設された遮光体よりなるホルダを備えると、発光素子から受光素子への不正な光の漏れ込みをより確実に防止できるので、光検出型多方向スイッチの信頼性を高めることができる。
【0012】
また、本発明は、前記の課題を解決するため、前記構成の光検出型多方向スイッチにおいて、前記スライダと前記ホルダとの間に、前記スライダを所定の可動方向に案内するための案内手段を設けるという構成にした。
【0013】
このように、スライダとホルダとの間にスライダを所定の可動方向に案内するための案内手段を設けると、スライダひいては操作部をより確実に所定の操作方向に操作することができるので、操作部の誤操作が防止され、光検出型多方向スイッチの信頼性を高めることができる。
【0014】
また、本発明は、前記の課題を解決するため、前記構成の光検出型多方向スイッチにおいて、前記操作部と前記スライダとを一体に形成するという構成にした。
【0015】
このように、操作部とスライダとを一体に形成すると、操作部とスライダとの間にリンク部材を備える必要がないので、光検出型多方向スイッチの小型化を図ることができる。
【0016】
また、本発明は、前記の課題を解決するため、前記構成の光検出型多方向スイッチにおいて、前記複数個の受光素子を前記発光素子の設定部を中心とする円周上に配置するという構成にした。
【0017】
このように、複数個の受光素子を発光素子の設定部を中心とする円周上に配置すると、スライダを発光素子の設定部を中心として放射状にスライドさせることによって多方向スイッチの切り替えを行うことができるので、光検出型多方向スイッチの構造の簡略化と小型化とを図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光検出型多方向スイッチの第1実施形態例を、図1乃至図7に基づいて説明する。図1は第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの分解斜視図、図2は第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる発光素子及び受光素子の配列を示す配線基板の平面図、図3は第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられるスライダの底面図、図4は第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの非操作状態の要部断面図、図5は第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの操作状態の要部断面図、図6は第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの動作説明図、図7は第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる操作部の操作方向と各受光素子の受光状態との関係を示す表図である。
【0019】
図1に示すように、第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチは、スティック状の操作部1と、当該操作部1と一体に形成されたスライダ2と、配線基板3と、当該配線基板3に実装された1つの発光素子4及び8個の受光素子5a〜5hと、前記配線基板3の受発光素子実装面に被着されたホルダ6とから主に構成されている。
【0020】
8個の受光素子5a〜5hは、図2に示すように、配線基板3上における発光素子4の設定部を中心とする円周上に等分に配置される。発光素子4としては、LED又はIRED(赤外線発光ダイオード)などを用いることができ、受光素子5a〜5hとしては、フォトダイオードなどを用いることができる。
【0021】
ホルダ6は、例えば遮光性が付与されたプラスチックの成形体等をもって構成されており、その中心部分には、前記配線基板3上に配列された発光素子4を収容するための透孔11が開設され、当該透孔11の周囲には、前記配線基板3上に配列された受光素子5a〜5hを個々に収容するための透孔12a〜12hが開設されている。また、前記透孔12a〜12hよりも外周には、スライダ2のスライド方向を規制するための放射状のスライド規制溝13が形成されている。スライド規制溝13の放射方向は、発光素子4の設定位置に対する8個の受光素子5a〜5hの設定方向と合致するように形成される。
【0022】
スライダ2の下面中央部には、図3乃至図5に示すように平面形状が放射状で断面形状が円弧形をなす光反射部14が形成され、その外周部下面には、ホルダ6の上面と接する光遮断部15が形成されている。また、前記光遮断部15の外周には、前記スライド規制溝13に係合するための係合突起16が突設されている。前記光反射部14の放射方向は、図6(a)に示すように、発光素子4の設定位置に対する8個の受光素子5a〜5hの設定方向と合致するように形成される。操作部1及びスライダ2は、少なくとも光反射部14及び光遮断部15に発光素子4より出射される光を反射する光反射性が付与された材料をもって形成される。即ち、操作部1及びスライダ2は、金属材料をもって形成することもできるし、光反射性を有する樹脂材料をもって形成することもできる。さらには、光反射部14及び光遮断部15に金属膜が被着された樹脂材料をもって形成することもできる。なお、操作部1は、当該光検出型多方向スイッチが備えられる情報処理装置、例えばカーナビゲーションシステムの筐体等に取り付けられる。
【0023】
次に、前記のように構成された第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの動作について説明する。
【0024】
図4及び図6(a)に示すように、係合突起16がスライド規制溝13の中央部に位置している場合には、ホルダ6に開設された透孔11及び透孔12a〜12hのいずれもがスライダ2に形成された光遮断部15によって遮蔽されておらず、発光素子4及び全ての受光素子5a〜5hがスライダ2に形成された光反射部14内にあって、発光素子4より出射された光が各受光素子5a〜5hに均等に入射される。この状態から操作部1を操作し、スライダ2をスライド規制溝13に沿って受光素子5aの配設方向にスライドすると、図5及び図6(b)に示すように、ホルダ6に開設された透孔12b〜12hがスライダ2に形成された光遮断部15によって遮蔽され、発光素子4より出射された光が受光素子5aにのみ入射される。したがって、受光素子5aと、発光素子4を介して当該受光素子5aと対向に配置された受光素子5eの出力を検出することによって、操作部1が受光素子5aの設定方向に操作されたことを検知することができる。スライダ2が他の受光素子の配設方向にスライドされた場合も同様であり、これによって操作部1の操作方向を知ることができる。
【0025】
図7に、操作部1の操作方向と各受光素子5a〜5hの受光状態との関係をまとめて示す。この図において、○印は発光素子4より出射された光を受光している受光素子、×印は発光素子4より出射された光を受光していない受光素子を示している。この図から明らかなように、操作部1の操作方向と各受光素子5a〜5hの受光状態とが1対1に対応しており、操作部1の操作方向を確実に知ることができる。
【0026】
前記第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチは、配線基板3の受発光素子実装面に沿ってスライド操作されるスライダ2に光反射部14と光遮断部15とを備え、操作部1の操作方向に応じて特定の受光素子に発光素子4より放射された光を入射すると共に、他の特定の受光素子への発光素子4より放射された光の入射を遮断するようにしたので、無接点で光検出型多方向スイッチをオンオフ操作することができ、半永久的な寿命を帯有することができる。また、受光素子5a〜5hとして複雑な信号処理回路を必要とせず、かつ高価なPSDを用いないので、コンピュータ用入力装置としての光検出型多方向スイッチを安価に製造することができる。さらに、複雑な信号処理回路を必要としないことから、高速かつ正確な信号処理を行うことができて、光検出型多方向スイッチの信頼性を高めることができる。また、配線基板3の受発光素子実装面に、発光素子4及び受光素子5a〜5hを個々に収容可能な透孔11,12a〜12hが開設された遮光体よりなるホルダ6を備えるので、発光素子4から受光素子5a〜5hへの不正な光の漏れ込みをより確実に防止することができ、光検出型多方向スイッチの信頼性を高めることができる。さらに、ホルダ6にスライド規制溝13を形成すると共にスライダ2に当該スライド規制溝13に係合可能な係合突起16を形成したので、スライダ2ひいては操作部1をより確実に所定の操作方向に操作することができ、操作部1の誤操作が防止されて、光検出型多方向スイッチの信頼性を高めることができる。また、操作部1とスライダ2とを一体に形成したので、操作部1とスライダ2との間にリンク部材を備える必要がなく、光検出型多方向スイッチの小型化を図ることができる。加えて、8個の受光素子5a〜5hを発光素子4の設定部を中心とする円周上に配置したので、スライダ2を発光素子4の設定部を中心として放射状にスライドさせることができ、光検出型多方向スイッチの構造の簡略化と小型化とを図ることができる。
【0027】
次に、本発明に係る光検出型多方向スイッチの第2実施形態例を、図8及び図9に基づいて説明する。図8は第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの動作説明図、図9は第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる操作部の操作方向と各受光素子の受光状態との関係を示す表図である。
【0028】
第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチは、図8に示すように、スライダ2に形成される光反射部14を放射状に形成するのではなく、単純な円椀状に形成したことを特徴とする。その他については第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチと同じであるので、説明を省略する。
【0029】
光反射部14を単純な円椀状に形成すると、スライダ2をスライド規制溝13に沿って受光素子5aの配設方向にスライドしたとき、第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチとは異なり、図8(a),(b)に示すように、受光素子5aを収容する透孔12aのみならず、受光素子5b,5hを収容する透孔12b,12hも光遮断部15によって遮蔽されず、発光素子4より出射された光が受光素子5a、5b、5hに入射される。スライダ2をスライド規制溝13に沿って他の受光素子の配設方向にスライドしたときも同様である。しかしながら、スライダ2のスライド方向によって、受光状態に保持される受光素子と遮光状態に切り替えられる受光素子とが特有の組合せになるので、各受光素子5a〜5hの出力を検出することによって、操作部1の操作方向を知ることができる。
【0030】
図9に、第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチにおける操作部1の操作方向と各受光素子5a〜5hの受光状態との関係をまとめて示す。この図においても、○印は発光素子4より出射された光を受光している受光素子、×印は発光素子4より出射された光を受光していない受光素子を示している。この図から明らかなように、操作部1の操作方向と各受光素子5a〜5hの受光状態とが1対1に対応しており、操作部1の操作方向を確実に知ることができる。
【0031】
第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチは、第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチと同様の効果を有するほか、スライダ2に形成される光反射部14を単純な円椀状にしたので、スライダ2の製造を容易化できて、光検出型多方向スイッチの製造コストを安価にできるという効果を有する。
【0032】
次に、本発明に係る光検出型多方向スイッチの第3実施形態例を、図10及び図11に基づいて説明する。図10は第3実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる配線基板の平面図、図11は第3実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる操作部の操作方向と各受光素子の受光状態との関係を示す表図である。
【0033】
第3実施形態例に係る光検出型多方向スイッチは、図10に示すように、配線基板3上に8個の受光素子5a〜5hを配設して8方向に関する操作部1の操作方向を検出するのではなく、配線基板3上に4個の受光素子5a〜5dを配設して8方向に関する操作部1の操作方向を検出することを特徴とする。また、第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチと同様に、スライダ2に形成される光反射部14を単純な円椀状に形成したことを特徴とする。その他については第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチと同じであるので、説明を省略する。
【0034】
このようにすると、スライダ2をスライド規制溝13に沿って受光素子5a,5b,5c,5dの配設方向にスライドしたときには、図10(b)に例示するように、1つの受光素子のみが選択的に遮光状態に切り替えられ、スライダ2をスライド規制溝13に沿って受光素子5a,5b,5c,5dの配設方向に対して45度の方向にスライドしたときには、図10(c)に例示するように、2つの受光素子が選択的に受光状態に切り替えられる。したがって、スライダ2のスライド方向によって、受光状態に保持される受光素子と遮光状態に切り替えられる受光素子とが特有の組合せになるので、各受光素子5a〜5dの出力を検出することによって、操作部1の操作方向を知ることができる。
【0035】
図11に、第3実施形態例に係る光検出型多方向スイッチにおける操作部1の操作方向と各受光素子5a〜5dの受光状態との関係をまとめて示す。この図においても、○印は発光素子4より出射された光を受光している受光素子、×印は発光素子4より出射された光を受光していない受光素子を示している。この図から明らかなように、操作部1の操作方向と各受光素子5a〜5dの受光状態とが1対1に対応しており、操作部1の操作方向を確実に知ることができる。
【0036】
第3実施形態例に係る光検出型多方向スイッチは、第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチと同様の効果を有するほか、4個の受光素子5a〜5dを備えるだけで8方向の操作部1の操作方向を検出することができるので、受光素子の数量を減少することができて、光検出型多方向スイッチの製造コストを安価にできるという効果を有する。
【0037】
なお、前記実施形態例においては、操作部1をスライダ2と一体に形成したが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、操作部1とスライダ2とを別体に形成することもできる。この場合、操作部1をカーナビゲーションシステムの筐体等に揺動自在に取り付け、操作部1の揺動操作に応じてスライダ2をスライドさせるようにすることもできる。
【0038】
また、前記実施形態例においては、本発明に係る光検出型多方向スイッチをカーナビゲーションシステムなどの情報処理装置のカーソル操作手段として適用する場合を例にとって説明したが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、図12に示すように、操作部1とスライダ2と配線基板3とホルダ6とをケーシング21によって一体化し、多方向スイッチ装置とすることもできる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光検出型多方向スイッチは、配線基板の受発光素子実装面に沿ってスライド操作されるスライダに光反射部と光遮断部とを備え、操作部の操作方向に応じて特定の受光素子に発光素子より放射された光を入射すると共に、他の特定の受光素子への発光素子より放射された光の入射を遮断するようにしたので、無接点で光検出型多方向スイッチをオンオフ操作することができ、半永久的な寿命を帯有することができる。また、受光素子として複雑な信号処理回路を必要とし、かつ高価なPSDを用いることなく操作部の操作方向を確実に検出することができるので、コンピュータ用入力装置としての光検出型多方向スイッチを安価に製造することができる。さらに、複雑な信号処理回路を必要としないことから、高速かつ正確な信号処理を行うことができ、光検出型多方向スイッチの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの分解斜視図である。
【図2】第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる発光素子及び受光素子の配列を示す配線基板の平面図である。
【図3】第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられるスライダの底面図である。
【図4】第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの非操作状態の要部断面図である。
【図5】第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの操作状態の要部断面図である。
【図6】第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの動作説明図である。
【図7】第1実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる操作部の操作方向と各受光素子の受光状態との関係を示す表図である。
【図8】第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチの動作説明図である。
【図9】第2実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる操作部の操作方向と各受光素子の受光状態との関係を示す表図である。
【図10】第3実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる配線基板の平面図である。
【図11】第3実施形態例に係る光検出型多方向スイッチに備えられる操作部の操作方向と各受光素子の受光状態との関係を示す表図である。
【図12】本発明に係る光検出型多方向スイッチの応用例を示す斜視図である。
【図13】従来例に係る光検出型多方向スイッチの構成図である。
【図14】従来例に係る光検出型多方向スイッチの動作説明図である。
【符号の説明】
1 操作部
2 スライダ
3 配線基板
4 発光素子
5a〜5h 受光素子
6 ホルダ
11 透孔
12a〜12h 透孔
13 スライド規制溝
14 光反射部
15 光遮断部
16 係合突起
21 ケーシング
Claims (5)
- 多方向に操作可能な操作部と、発光素子及び複数個の受光素子が実装された配線基板と、前記操作部により前記配線基板の受発光素子実装面に沿ってスライド操作されるスライダとを備え、前記スライダに、前記操作部の操作方向に応じて特定の1乃至複数個の前記受光素子に前記発光素子より放射された光を入射する光反射部と、前記操作部の操作方向に応じて他の特定の1乃至複数個の前記受光素子への前記発光素子より放射された光の入射を遮断する光遮断部とを形成したことを特徴とする光検出型多方向スイッチ。
- 前記配線基板の受発光素子実装面に、前記発光素子及び前記受光素子を個々に収容可能な透孔が開設された遮光体よりなるホルダを備えたことを特徴とする請求項1に記載の光検出型多方向スイッチ。
- 前記スライダと前記ホルダとの間に、前記スライダを所定の可動方向に案内するための案内手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の光検出型多方向スイッチ。
- 前記操作部と前記スライダとを一体に形成したことを特徴とする請求項1に記載の光検出型多方向スイッチ。
- 前記複数個の受光素子を前記発光素子の設定部を中心とする円周上に配置したことを特徴とする請求項1に記載の光検出型多方向スイッチ。
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