JP2004014217A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の圧力で確実に作動する安全弁を備えた非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】貫通孔14を穿設した支持板12と、貫通孔14を塞ぐようにして設けたニッケル箔13とを備えた安全弁を非水電解質二次電池に設ける。貫通孔14の側壁面の一つには、貫通孔14の内側に向かって突出する突出部15を設け、非水電解質二次電池の内圧の上昇により膨張したニッケル箔13が突出部15の先端15Aにより破られる構成とする。そして、ニッケル箔13と先端15Aとの間に隙間を設ける。
【選択図】 図2
【解決手段】貫通孔14を穿設した支持板12と、貫通孔14を塞ぐようにして設けたニッケル箔13とを備えた安全弁を非水電解質二次電池に設ける。貫通孔14の側壁面の一つには、貫通孔14の内側に向かって突出する突出部15を設け、非水電解質二次電池の内圧の上昇により膨張したニッケル箔13が突出部15の先端15Aにより破られる構成とする。そして、ニッケル箔13と先端15Aとの間に隙間を設ける。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質二次電池に関し、特にその安全弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池は、高電圧・高エネルギー密度を有し、携帯電話、携帯用パソコン、ビデオカメラ、電気自動車等の用途に好適に用いることができる。
一般に、非水電解質二次電池は、電解質として電池内の酸化還元雰囲気に耐えうる有機溶媒に電解質塩を溶解したものが用いられており、密閉構造とされている。しかし、密閉された電池では過充電や短絡などにより、電池内部の温度が上昇し、電解質の分解などによるガスが発生して、内部の圧力が異常に上昇する場合がある。
【0003】
そこで、非水電解質二次電池には、安全装置の一つとして安全弁が備えられている。安全弁は、内圧が異常上昇した場合に、内部のガスなどを放出するためのものである。
このような安全弁としては、例えば、電池容器に設けられた貫通孔を金属箔で塞ぎ、金属箔が電池の内圧により破れるようにしたものが知られている。
この安全弁は、一旦作動すると再び作動しない非復帰式とされているため、安全装置類の中では最後に作動する構成とされ、電池の目的や用途に応じた所定の圧力で、確実に作動することが要求される。
そして、安全弁の作動圧力は金属箔の厚みと相関関係があるから、異なる膜厚を有する金属箔を安全弁に使用することより、作動圧力を所定値とすることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、異なる膜厚を有する金属箔を使用しようとしても、一般に市場に提供されている金属箔の膜厚は、例えば5μm、10μm、15μmのように限られている。
このため、市場に提供されている金属箔を用いた場合においては、作動圧力を連続的に変化させることはできないから、目標とする圧力で作動する安全弁を作製することは困難であった。
もちろん、所望の膜厚の金属箔を作製し、この金属箔を安全弁に使うことも考えられるが、特殊な膜厚の金属箔の製造コストが高いため安全弁のコスト上昇を招いてしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、コストを上昇させることなく、所定の圧力で確実に作動する安全弁を備えた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、貫通孔を穿設した支持板と、前記貫通孔を塞ぐようにして設けられた膜と、前記貫通孔の縁部に設けられ、この縁部から前記貫通孔の内方向に突出した突出部からなる安全弁を設けた非水電解質二次電池において、前記突出部の先端と前記膜との間に隙間を設けたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記安全弁が、プレス加工により、前記貫通孔が打ち抜かれるとともに、前記突出部が形成されるところに特徴を有する。
【0008】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
請求項1の非水電解質二次電池によれば、安全弁の突出部が、この突出部の先端と膜との間に隙間を開けて設けられているから、膨張した膜が突出部の先端に達した場合に、この先端により膜が破られる構成となっている。
よって、この構成では、隙間の大きさを変えると、膜が膨張して突出部の先端に達して破れるまでの膜の膨張の程度が変化する。
【0009】
この膜の膨張の程度は、電池内圧と相関関係があるから、隙間の大きさを変えると、膜が破れる際の電池内圧が変化することになる。そして、隙間の大きさは連続的に変えることができるから、安全弁が作動する圧力を連続的に変えることができる。
【0010】
従って、隙間の大きさを変えるだけで、コストを上昇させることなく、所定の圧力で確実に作動する安全弁を備えた非水電解質二次電池を提供することができる。
【0011】
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、プレス加工により、貫通孔及び突出部が形成されるから、製造コストを低減できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1ないし図3によって説明する。
図1は、本発明を具体化した角型の非水電解質二次電池1(以下、「電池1」と略す)の断面図である。電池1は、アルミニウム板等により形成された扁平な箱状の電池容器6に、発電要素2を図示しない非水電解質とともに収容し、電池蓋7で密封してなるものである。発電要素2は、正極3と負極4とがセパレータ5を介して渦巻状に巻回されてなる。
正極は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質を構成要素とする正極合剤層を備え、負極は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を構成要素とする負極合剤層を備えている。
【0013】
電池蓋7には負極端子9が設けられており、負極端子9は電池蓋7と絶縁されるとともに、負極リード11を介して負極4と電気的に接続されている。正極3は正極リード10を介して電池蓋7と電気的に接続されている。
そして、電池蓋7の厚み方向に貫通形成された孔部には、安全弁8が嵌め込まれ、レーザー溶接されている。
【0014】
電池蓋7の孔部に嵌め込まれていない状態の安全弁8の平面図を図2に、図2のIII−III線での断面図を図3(A)に示す。安全弁8は、鉄により形成された支持板12と、本発明の膜に相当するニッケル箔13とを備えている。支持板12は、矩形状をなし、その厚み方向に略矩形状の貫通孔14が穿設されている。そして、ニッケル箔13は貫通孔14の一方の開口面を塞ぐように支持板12にレーザ溶接されている。
【0015】
支持板12には、貫通孔14の側壁面の一つから、相対する側壁面に向かって突出する突出部15が設けられている。この突出部15を設けた側壁面が、本発明の縁部に相当する。突出部15は、その平面形状が三角形状とされている(図2参照)。また、突出部15は、支持板12より薄く形成され、突出部15と貫通孔14を塞ぐニッケル箔13との間に隙間が設けられている。突出部15のニッケル箔13に面する角である先端15Aは、貫通孔14内において、突出部15が設けられた側壁面と相対する側壁面との、突出部15の突出方向の中央より、突出部15が設けられた側壁面側に位置している。
【0016】
そして、支持板12は、鉄板をプレス加工することにより、貫通孔14を打ち抜くとともに、突出部15及び先端15Aを圧縮して形成し、製造されている。このため、支持板12、突出部15、及び先端15Aを、一つの工程で形成でき、安全弁8の製造コストを低減できる。
【0017】
このようにして、通常時(電池1に内圧が生じていない時)に先端15Aと、ニッケル箔13との間には隙間が設けられている(図3(A)参照)。なお、安全弁8は、突出部15がニッケル箔13に対して電池容器6の外側となるようにして、電池蓋7に取り付けられている。
【0018】
次に、本実施形態にかかる安全弁8の作用及び効果について説明する。
電池1が通常に使用されており、電池1の内圧が通常の圧力範囲に保たれているときには、貫通孔14を塞ぐニッケル箔13に膨張、変形は見られない(図3(A))。
【0019】
しかし、過充電、過放電、高温環境下での長時間放置などにより、電池1の内部でガスが発生すると、電池1の内圧が上昇し、電池容器6が内側から圧迫される。このとき、安全弁8のニッケル箔13は電池容器6などと比較して変形しやすいため、圧力を受けて電池容器6の外側(支持板12の厚み方向で突出部15のある方向、すなわち図3(A)、(B)の上方)に向かって膨張する。
【0020】
ここで、通常時において先端15Aとニッケル箔13との間には隙間が設けられているから、膨張したニッケル箔13が先端15Aに達した場合に、先端15Aにより破られるようになっている。
【0021】
よって、この構成では先端15Aとニッケル箔13との隙間の大きさ、すなわち、ニッケル箔13と先端15Aとの支持板12の厚み方向での距離を変えることにより、ニッケル箔13が膨張して先端15Aに達して破れるまでのニッケル箔13の膨張の程度が変化する。
【0022】
このニッケル箔13の膨張の程度は、電池1の内圧と相関関係があり、電池1の内圧が大きければニッケル箔13が大きく膨張する。このため、ニッケル箔13と先端15Aとの支持板12の厚み方向での距離を変えることにより、ニッケル箔13が破れる際の電池1の内圧を変えることができる。そして、ニッケル箔13と先端15Aとの距離は、突出部15を設計する際に連続的に変えることができるから、安全弁8が作動する圧力を連続的に変えることができる。
【0023】
なお、ニッケル箔13の厚みを変えることにより、安全弁8の作動圧力を連続的に変えることも可能であるが、その場合には、安全弁8の動作圧力に対応する所定の厚みのニッケル箔13を作製する必要があり、ニッケル箔13の製造コストが大きくなってしまう。
【0024】
従って、支持板12の厚み方向での距離を変えるだけで、コストを上昇させることなく、所定の圧力で確実に作動する安全弁8を備えた非水電解質二次電池を提供することができる。
【0025】
以上のように、本実施形態によれば、コストを上昇させることなく、所定の圧力で確実に作動させることができる安全弁を提供できる。
【0026】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0027】
(1)上記実施形態によれば、突出部15のニッケル箔13に面する角の部分が先端15Aとなっているが、先端15Aの形状はこれに限られない。例えば、図4(A)に示すように、突出部15の先端15Aにニッケル箔13に向かう突起15Bを設け、突起15Bの先端によりニッケル箔13を破るようにしてもよい。また、図4(B)に示すように突出部15のニッケル箔13に面する底面を、突出部15の先端15Aから突出部15の設けられている側壁面に向かって、ニッケル箔13から離れる形状としてもよい。
【0028】
(2)上記実施形態によれば、突出部15の平面形状は三角形状であったが、本発明によれば突出部15の形状は上記実施形態に限るものではなく、例えば、長方形状であってもよい。また、突出部15の数は、一つに限られず、複数設けることもできる。
【0029】
(3)上記実施形態によれば、支持板12及び貫通孔14の形状は略矩形状であったが、本発明によれば支持板12及び貫通孔14の形状は上記実施形態に限るものではなく、例えば、円形状、多角形状等であってもよい。また、支持板12と貫通孔14の形状が異なっていてもよい。
【0030】
(4)上記実施形態によれば、安全弁8は電池蓋7に設けられた孔部に取り付けられていたが、本発明によれば、安全弁8の取付け部分及び取付け方法はこれに限られない。例えば、電池容器6に孔部を設け、安全弁8を取り付ける構成とすることができる。また、電池容器6または電池蓋7に貫通孔14及び突出部15をプレス加工により形成し、貫通孔14にニッケル箔13をレーザ溶接して、安全弁8とすることができる。
【0031】
(5)上記実施形態によれば、貫通孔14の側壁面が本発明の縁部に相当していたが、本発明の貫通孔14の縁部はこれに限られない。例えば、支持板12のニッケル箔13が設けられていない面の貫通孔12周辺部も貫通孔12の縁部に含まれ、ここに突出部15を設けることができる。
【0032】
(6)上記実施形態では、安全弁8の作動圧力を変える方法として、突出部15とニッケル箔13との支持板12の厚み方向における距離を変えた例について示したが、本発明によれば安全弁の作動圧力を変える方法はこれに限られない。例えば、突出部15が側壁面の一つから貫通孔14の内方向に突出する長さを変えることにより、ニッケル箔13が先端15Aに達するときの膨張の程度を変えることができる。これにより、ニッケル箔13が膨張して、先端15Aにより破られ、安全弁8が作動する圧力を変えることができる。
【0033】
(7)上記実施形態によれば、膜としてニッケル箔13が用いられていたが、本発明によれば、膜の材質はこれに限られない。例えば、ステンレス箔、銅箔、アルミニウム箔等を使用でき、これらの金属箔にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂膜を複合させることができる。また、支持板12は、鉄により形成されていたが、支持板12の材質はこれに限られない。例えば、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、銅等の金属により支持板12を形成することができる。
【0034】
(8)上記実施形態によれば、ニッケル箔13はレーザ溶接により支持板12に取り付けられていたが、本発明によればニッケル箔13の取付け方法はこれに限られない。例えば、冷間圧接により支持板12に取付けてもよい。
【0035】
(9)上記実施形態では、電池1は角型であったが、本発明によれば電池1の形状はこれに限られない。例えば、円筒形、コイン型の電池とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる安全弁を備えた非水電解質二次電池の断面図
【図2】その安全弁の平面図
【図3】その安全弁の断面図
【図4】他の実施形態にかかる安全弁の断面図
【符号の説明】
8…安全弁
12…支持板
13…ニッケル箔
14…貫通孔
15…突出部
15A…先端
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質二次電池に関し、特にその安全弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池は、高電圧・高エネルギー密度を有し、携帯電話、携帯用パソコン、ビデオカメラ、電気自動車等の用途に好適に用いることができる。
一般に、非水電解質二次電池は、電解質として電池内の酸化還元雰囲気に耐えうる有機溶媒に電解質塩を溶解したものが用いられており、密閉構造とされている。しかし、密閉された電池では過充電や短絡などにより、電池内部の温度が上昇し、電解質の分解などによるガスが発生して、内部の圧力が異常に上昇する場合がある。
【0003】
そこで、非水電解質二次電池には、安全装置の一つとして安全弁が備えられている。安全弁は、内圧が異常上昇した場合に、内部のガスなどを放出するためのものである。
このような安全弁としては、例えば、電池容器に設けられた貫通孔を金属箔で塞ぎ、金属箔が電池の内圧により破れるようにしたものが知られている。
この安全弁は、一旦作動すると再び作動しない非復帰式とされているため、安全装置類の中では最後に作動する構成とされ、電池の目的や用途に応じた所定の圧力で、確実に作動することが要求される。
そして、安全弁の作動圧力は金属箔の厚みと相関関係があるから、異なる膜厚を有する金属箔を安全弁に使用することより、作動圧力を所定値とすることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、異なる膜厚を有する金属箔を使用しようとしても、一般に市場に提供されている金属箔の膜厚は、例えば5μm、10μm、15μmのように限られている。
このため、市場に提供されている金属箔を用いた場合においては、作動圧力を連続的に変化させることはできないから、目標とする圧力で作動する安全弁を作製することは困難であった。
もちろん、所望の膜厚の金属箔を作製し、この金属箔を安全弁に使うことも考えられるが、特殊な膜厚の金属箔の製造コストが高いため安全弁のコスト上昇を招いてしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、コストを上昇させることなく、所定の圧力で確実に作動する安全弁を備えた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、貫通孔を穿設した支持板と、前記貫通孔を塞ぐようにして設けられた膜と、前記貫通孔の縁部に設けられ、この縁部から前記貫通孔の内方向に突出した突出部からなる安全弁を設けた非水電解質二次電池において、前記突出部の先端と前記膜との間に隙間を設けたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記安全弁が、プレス加工により、前記貫通孔が打ち抜かれるとともに、前記突出部が形成されるところに特徴を有する。
【0008】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
請求項1の非水電解質二次電池によれば、安全弁の突出部が、この突出部の先端と膜との間に隙間を開けて設けられているから、膨張した膜が突出部の先端に達した場合に、この先端により膜が破られる構成となっている。
よって、この構成では、隙間の大きさを変えると、膜が膨張して突出部の先端に達して破れるまでの膜の膨張の程度が変化する。
【0009】
この膜の膨張の程度は、電池内圧と相関関係があるから、隙間の大きさを変えると、膜が破れる際の電池内圧が変化することになる。そして、隙間の大きさは連続的に変えることができるから、安全弁が作動する圧力を連続的に変えることができる。
【0010】
従って、隙間の大きさを変えるだけで、コストを上昇させることなく、所定の圧力で確実に作動する安全弁を備えた非水電解質二次電池を提供することができる。
【0011】
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、プレス加工により、貫通孔及び突出部が形成されるから、製造コストを低減できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1ないし図3によって説明する。
図1は、本発明を具体化した角型の非水電解質二次電池1(以下、「電池1」と略す)の断面図である。電池1は、アルミニウム板等により形成された扁平な箱状の電池容器6に、発電要素2を図示しない非水電解質とともに収容し、電池蓋7で密封してなるものである。発電要素2は、正極3と負極4とがセパレータ5を介して渦巻状に巻回されてなる。
正極は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質を構成要素とする正極合剤層を備え、負極は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を構成要素とする負極合剤層を備えている。
【0013】
電池蓋7には負極端子9が設けられており、負極端子9は電池蓋7と絶縁されるとともに、負極リード11を介して負極4と電気的に接続されている。正極3は正極リード10を介して電池蓋7と電気的に接続されている。
そして、電池蓋7の厚み方向に貫通形成された孔部には、安全弁8が嵌め込まれ、レーザー溶接されている。
【0014】
電池蓋7の孔部に嵌め込まれていない状態の安全弁8の平面図を図2に、図2のIII−III線での断面図を図3(A)に示す。安全弁8は、鉄により形成された支持板12と、本発明の膜に相当するニッケル箔13とを備えている。支持板12は、矩形状をなし、その厚み方向に略矩形状の貫通孔14が穿設されている。そして、ニッケル箔13は貫通孔14の一方の開口面を塞ぐように支持板12にレーザ溶接されている。
【0015】
支持板12には、貫通孔14の側壁面の一つから、相対する側壁面に向かって突出する突出部15が設けられている。この突出部15を設けた側壁面が、本発明の縁部に相当する。突出部15は、その平面形状が三角形状とされている(図2参照)。また、突出部15は、支持板12より薄く形成され、突出部15と貫通孔14を塞ぐニッケル箔13との間に隙間が設けられている。突出部15のニッケル箔13に面する角である先端15Aは、貫通孔14内において、突出部15が設けられた側壁面と相対する側壁面との、突出部15の突出方向の中央より、突出部15が設けられた側壁面側に位置している。
【0016】
そして、支持板12は、鉄板をプレス加工することにより、貫通孔14を打ち抜くとともに、突出部15及び先端15Aを圧縮して形成し、製造されている。このため、支持板12、突出部15、及び先端15Aを、一つの工程で形成でき、安全弁8の製造コストを低減できる。
【0017】
このようにして、通常時(電池1に内圧が生じていない時)に先端15Aと、ニッケル箔13との間には隙間が設けられている(図3(A)参照)。なお、安全弁8は、突出部15がニッケル箔13に対して電池容器6の外側となるようにして、電池蓋7に取り付けられている。
【0018】
次に、本実施形態にかかる安全弁8の作用及び効果について説明する。
電池1が通常に使用されており、電池1の内圧が通常の圧力範囲に保たれているときには、貫通孔14を塞ぐニッケル箔13に膨張、変形は見られない(図3(A))。
【0019】
しかし、過充電、過放電、高温環境下での長時間放置などにより、電池1の内部でガスが発生すると、電池1の内圧が上昇し、電池容器6が内側から圧迫される。このとき、安全弁8のニッケル箔13は電池容器6などと比較して変形しやすいため、圧力を受けて電池容器6の外側(支持板12の厚み方向で突出部15のある方向、すなわち図3(A)、(B)の上方)に向かって膨張する。
【0020】
ここで、通常時において先端15Aとニッケル箔13との間には隙間が設けられているから、膨張したニッケル箔13が先端15Aに達した場合に、先端15Aにより破られるようになっている。
【0021】
よって、この構成では先端15Aとニッケル箔13との隙間の大きさ、すなわち、ニッケル箔13と先端15Aとの支持板12の厚み方向での距離を変えることにより、ニッケル箔13が膨張して先端15Aに達して破れるまでのニッケル箔13の膨張の程度が変化する。
【0022】
このニッケル箔13の膨張の程度は、電池1の内圧と相関関係があり、電池1の内圧が大きければニッケル箔13が大きく膨張する。このため、ニッケル箔13と先端15Aとの支持板12の厚み方向での距離を変えることにより、ニッケル箔13が破れる際の電池1の内圧を変えることができる。そして、ニッケル箔13と先端15Aとの距離は、突出部15を設計する際に連続的に変えることができるから、安全弁8が作動する圧力を連続的に変えることができる。
【0023】
なお、ニッケル箔13の厚みを変えることにより、安全弁8の作動圧力を連続的に変えることも可能であるが、その場合には、安全弁8の動作圧力に対応する所定の厚みのニッケル箔13を作製する必要があり、ニッケル箔13の製造コストが大きくなってしまう。
【0024】
従って、支持板12の厚み方向での距離を変えるだけで、コストを上昇させることなく、所定の圧力で確実に作動する安全弁8を備えた非水電解質二次電池を提供することができる。
【0025】
以上のように、本実施形態によれば、コストを上昇させることなく、所定の圧力で確実に作動させることができる安全弁を提供できる。
【0026】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0027】
(1)上記実施形態によれば、突出部15のニッケル箔13に面する角の部分が先端15Aとなっているが、先端15Aの形状はこれに限られない。例えば、図4(A)に示すように、突出部15の先端15Aにニッケル箔13に向かう突起15Bを設け、突起15Bの先端によりニッケル箔13を破るようにしてもよい。また、図4(B)に示すように突出部15のニッケル箔13に面する底面を、突出部15の先端15Aから突出部15の設けられている側壁面に向かって、ニッケル箔13から離れる形状としてもよい。
【0028】
(2)上記実施形態によれば、突出部15の平面形状は三角形状であったが、本発明によれば突出部15の形状は上記実施形態に限るものではなく、例えば、長方形状であってもよい。また、突出部15の数は、一つに限られず、複数設けることもできる。
【0029】
(3)上記実施形態によれば、支持板12及び貫通孔14の形状は略矩形状であったが、本発明によれば支持板12及び貫通孔14の形状は上記実施形態に限るものではなく、例えば、円形状、多角形状等であってもよい。また、支持板12と貫通孔14の形状が異なっていてもよい。
【0030】
(4)上記実施形態によれば、安全弁8は電池蓋7に設けられた孔部に取り付けられていたが、本発明によれば、安全弁8の取付け部分及び取付け方法はこれに限られない。例えば、電池容器6に孔部を設け、安全弁8を取り付ける構成とすることができる。また、電池容器6または電池蓋7に貫通孔14及び突出部15をプレス加工により形成し、貫通孔14にニッケル箔13をレーザ溶接して、安全弁8とすることができる。
【0031】
(5)上記実施形態によれば、貫通孔14の側壁面が本発明の縁部に相当していたが、本発明の貫通孔14の縁部はこれに限られない。例えば、支持板12のニッケル箔13が設けられていない面の貫通孔12周辺部も貫通孔12の縁部に含まれ、ここに突出部15を設けることができる。
【0032】
(6)上記実施形態では、安全弁8の作動圧力を変える方法として、突出部15とニッケル箔13との支持板12の厚み方向における距離を変えた例について示したが、本発明によれば安全弁の作動圧力を変える方法はこれに限られない。例えば、突出部15が側壁面の一つから貫通孔14の内方向に突出する長さを変えることにより、ニッケル箔13が先端15Aに達するときの膨張の程度を変えることができる。これにより、ニッケル箔13が膨張して、先端15Aにより破られ、安全弁8が作動する圧力を変えることができる。
【0033】
(7)上記実施形態によれば、膜としてニッケル箔13が用いられていたが、本発明によれば、膜の材質はこれに限られない。例えば、ステンレス箔、銅箔、アルミニウム箔等を使用でき、これらの金属箔にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂膜を複合させることができる。また、支持板12は、鉄により形成されていたが、支持板12の材質はこれに限られない。例えば、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、銅等の金属により支持板12を形成することができる。
【0034】
(8)上記実施形態によれば、ニッケル箔13はレーザ溶接により支持板12に取り付けられていたが、本発明によればニッケル箔13の取付け方法はこれに限られない。例えば、冷間圧接により支持板12に取付けてもよい。
【0035】
(9)上記実施形態では、電池1は角型であったが、本発明によれば電池1の形状はこれに限られない。例えば、円筒形、コイン型の電池とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる安全弁を備えた非水電解質二次電池の断面図
【図2】その安全弁の平面図
【図3】その安全弁の断面図
【図4】他の実施形態にかかる安全弁の断面図
【符号の説明】
8…安全弁
12…支持板
13…ニッケル箔
14…貫通孔
15…突出部
15A…先端
Claims (2)
- 貫通孔を穿設した支持板と、前記貫通孔を塞ぐようにして設けられた膜と、前記貫通孔の縁部に設けられ、この縁部から前記貫通孔の内方向に突出した突出部からなる安全弁を設けた非水電解質二次電池において、
前記突出部の先端と前記膜との間に隙間を設けたことを特徴とする非水電解質二次電池。 - プレス加工により、前記貫通孔が打ち抜かれるとともに、前記突出部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002164121A JP2004014217A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | 非水電解質二次電池 |
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JP2002164121A JP2004014217A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | 非水電解質二次電池 |
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JP2004014217A true JP2004014217A (ja) | 2004-01-15 |
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ID=30432360
Family Applications (1)
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JP2002164121A Pending JP2004014217A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | 非水電解質二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004014217A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100403580C (zh) * | 2004-03-29 | 2008-07-16 | 深圳市创明电池技术有限公司 | 设置在锂离子电池中的可恢复安全阀装置及其设置方法 |
JPWO2015182136A1 (ja) * | 2014-05-30 | 2017-04-20 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 円筒形リチウムイオン二次電池 |
-
2002
- 2002-06-05 JP JP2002164121A patent/JP2004014217A/ja active Pending
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US10305077B2 (en) | 2014-05-30 | 2019-05-28 | Panasonic Intellectual Property Mgmt Co., Ltd. | Cylindrical lithium-ion secondary battery |
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