JP2004013328A - 評価値算出方法、評価値算出装置、制御対象の制御装置及び評価値算出プログラム - Google Patents

評価値算出方法、評価値算出装置、制御対象の制御装置及び評価値算出プログラム Download PDF

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水谷 卓明
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Abstract

【課題】制御対象に係る複数の非線形制御特性の相対評価を行うための評価値を算出するのに好適な評価値算出方法及び評価値算出装置を提供する。
【解決手段】制御システム1を、評価値算出装置10と、制御部11と、制御対象12と、を含んだ構成とし、評価値算出装置10を、評価データ収集部10aと、学習部10bと、評価値演算部10cと、を含んだ構成とし、学習部10bにおいて、CMACを利用して評価モデルの基準値を算出し、評価値演算部10cにおいて、算出された基準値及び評価用データに基づき、最小二乗法を利用してモデルの係数を評価値として算出する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御対象に係る複数の非線形制御特性を相対的に評価する際の評価値の算出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、車両や家電製品等の製品の特性を制御する場合、制御対象となる製品の特性は、開発、設計段階で使用者の好みや使用状況を加味し、できるだけ広い範囲の使用者に適応するように決められている。しかし、使用者は個々に特有の個性を持っており、その好みも十人十色であるため、全ての使用者が満足する特性を提供することは不可能である。また、製品の使用環境や経年劣化等のために制御特性が使用者の好みから外れたものとなる恐れもある。
【0003】
これらの問題を解決するために、制御対象の運転中等にニューラルネットワークや遺伝的アルゴリズム等の学習演算方法を用いて使用者の好みや使用状況を推定し、使用者が満足し得る特性を実現する制御方法が試みられている。この方法においては、評価値の算出を高速化するために、評価用データを制御特性に係る動作要因に基づき細分化された評価領域に分類し、更に、評価値をモデル化することで、取得条件が同一の制御用データを同一条件で比較評価できるようにすると共に、少ない数の評価用データに対して信頼性の高い出力データの獲得ができる評価値の算出を可能としている。例えば、評価値に寄与率の高いパラメータにより規定されるマップ等の評価領域に対して評価用データを分類し、各データの属する局所領域の平均値に対する係数を最小二乗法により近似することで個体の評価値とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法では、評価値が評価用データの平均値の係数モデルであるため、評価値の信頼性は評価用データの平均値の信頼性に大きく依存する。また、評価用データの平均値の信頼性は、各局所領域に含まれる評価用データの数と個々の評価用データ間の分散により決定され、実際、現状のシステムにおいて信頼率95%、誤差1%で評価用データの平均値を得るためには、各局所領域(局所領域数:500)に対し24データが必要である。つまり、評価用データの評価領域への分布具合にも依るが、実環境において信頼性の高い評価を行うためには評価用データの収集に長時間を要する。こういったことから、従来手法では少ない評価用データ数に対して十分な信頼性のある評価値を得ることが難しい。
【0005】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、制御対象に係る複数の非線形制御特性の相対評価を行うための評価値を算出するのに好適な評価値算出方法及び評価値算出装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1記載の評価値算出方法は、制御対象に係る複数の非線形制御特性を相対的に評価する際に、前記制御対象の各非線形制御特性毎の動作要因に基づき細分化された評価領域に対応させて、前記複数の非線形制御特性の評価用データを分類し、この分類された評価用データを評価して前記複数の非線形制御特性の評価値を算出するときには、
前記分類された前記評価用データに基づき前記複数の非線形制御特性毎の評価用データを所定の基準値と係数とから成るモデルに置き換え、このモデルに基づいてそれぞれの評価値を算出する評価値算出方法であって、
前記所定の基準値を、前記評価用データを教師データとした所定の学習演算方法に基づいて算出することを特徴としている。
【0007】
つまり、例えば、遺伝的アルゴリズム等を利用して複数の非線形制御特性の相対評価を行う際に、複数の非線形制御特性に対して、これらの評価用データを、この非線形制御特性に係る動作要因に基づき細分化された評価領域に対応させて分類し、更に、評価用データをモデル化し、このモデルに基づき評価値を算出するときに、モデル化する際の所定の基準値を所定の学習演算方法に基づいて算出することで、局所評価領域間の汎化性を向上させ、少ない評価データ数で信頼性の高い基準値を獲得することが可能となる。ここで、汎化性とは、或るデータが、その周辺のデータに影響を与えることであり、この場合は、或る入出力関係に対して学習後の出力値の特性が他の入力値に対する出力値に与える影響を指す。つまり、学習によって出力値がなだらかに変化するようになれば、教師データの与えられていない入出力関係に対してもその出力値が理想値に近い値となることが期待できる。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1記載の評価値算出方法において、前記所定の学習演算方法は、ファジイ推論、ニューラルネットワーク及びCMACのうちいずれか一であることを特徴としている。
つまり、モデルの基準値の学習演算を、公知の学習演算方法である、ファジイ推論、ニューラルネットワーク及びCMACのうちいずれか一によって行うことにより、信頼性の高い基準値を獲得することが可能となる。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の評価値算出方法において、前記複数の非線形制御特性毎の前記モデルの係数を最小二乗法に基づいて推定し、これを前記評価値とすることを特徴としている。
つまり、最小二乗法を用いてモデルの係数を評価値として推定することで、その時の算出条件において、最も信頼性の高い評価値を獲得することが可能となる。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の評価値算出方法において、前記制御対象は、エンジン、電動モータ、空調装置、冷蔵庫、又は、ロボットであることを特徴としている。
つまり、制御対象は、エンジン、電動モータ、空調装置、冷蔵庫、又は、ロボットなどの制御結果の出力が非線形特性を有するものである。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の評価値算出方法において、前記制御対象は車両のエンジンであって、前記動作要因は、スロットルの操作内容、エンジン回転数、ギアの切り替え内容及び走行状況のうち少なくとも一を含むことを特徴としている。
つまり、制御対象は車両のエンジンであって、スロットルの操作内容、エンジン回転数、ギアの切り替え内容及び走行状況のうち少なくとも一を含む動作要因によって評価領域を細分化するようにしたので、これらの要因を考慮した評価値の算出が可能となる。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の評価値算出方法において、前記制御対象はエンジン駆動の車両であり、前記非線形制御特性は、当該車両における加速性能の特性、減速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一方を含むことを特徴としている。
つまり、制御対象がエンジン駆動の車両であり、非線形制御特性として、車両における加速性能の特性、減速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含んでおり、本発明は、このような非線形制御特性に対して評価値の算出を行う方法である。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の評価値算出方法において、前記制御対象は電動モータ駆動の車両であり、前記非線形制御特性は、当該車両における加速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含むことを特徴としている。
つまり、制御対象が電動モータ駆動の車両であり、非線形制御特性として、車両における加速性能の特性、減速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含んでおり、本発明は、このような非線形制御特性に対して評価値の算出を行う方法である。
【0014】
また、請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の評価値算出方法において、前記制御対象はエンジン及び電動モータによって駆動する車両であり、前記非線形制御特性は、当該車両における加速性能の特性、減速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含むことを特徴としている。
【0015】
つまり、制御対象がエンジン及び電動モータによって駆動される車両であり、非線形制御特性として、車両における加速性能の特性、減速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含んでおり、本発明は、このような非線形制御特性に対して評価値の算出を行う方法である。
また、請求項9に係る発明は、請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の評価値算出方法において、前記加減速性能に関する前記評価用データを、車両の加速度、車両の速度、エンジン回転数及びモータ回転数のうち少なくとも一の上昇度合いとすることを特徴としている。
【0016】
つまり、加減速性能に関する評価用データを、車両の加速度、車両の速度、エンジン回転数及びモータ回転数のうち少なくとも一の上昇度合いとしたものである。
また、請求項10に係る発明は、請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の評価値算出方法において、前記燃費性能に関する前記評価用データを、単位時間、又は、単位距離における燃料消費量とすることを特徴としている。
【0017】
つまり、燃費性能に関する評価用データを、単位時間、又は、単位距離における燃料消費量としたものである。
また、請求項11に係る発明は、請求項4乃至請求項10のいずれか1項に記載の前記動作要因は、使用者の好み、技量及び状態、使用環境、運転状態のうち少なくとも一を含むことを特徴としている。
【0018】
つまり、使用者の好み、技量及び状態、使用環境、運転状態のうち少なくとも一を含む動作要因によって評価領域を細分化するようにしたので、これらの要因を考慮した評価値の算出が可能となる。
また、本発明に係る請求項12記載の評価値算出装置は、制御対象に係る複数の非線形制御特性を相対的に評価する際に、前記制御対象の各非線形制御特性毎の動作要因に基づき細分化された評価領域に対応させて、前記複数の非線形制御特性の評価用データを分類し、この分類された評価用データを評価して前記複数の非線形制御特性の評価値を算出するときには、
前記分類された前記評価用データに基づき前記複数の非線形制御特性毎の評価用データを所定の基準値と係数とから成るモデルに置き換え、このモデルに基づいてそれぞれの評価値を算出する評価値算出装置であって、
前記所定の基準値を、前記評価用データを教師データとした所定の学習演算方法に基づいて算出する学習演算手段を備えることを特徴としている。
【0019】
このような構成であれば、学習演算手段によって、所定の基準値を所定の学習演算方法に基づいて算出することが可能である。
ここで、本発明は、請求項1記載の評価値算出方法を実現するための装置でありその効果は重複するので記載を省略する。
また、請求項13に係る発明は、請求項12記載の評価値算出装置において、前記学習演算方法は、ファジイ推論、ニューラルネットワーク及びCMACのうちいずれか一であることを特徴としている。
【0020】
つまり、基準値を算出する学習演算方法を、ファジイ推論、ニューラルネットワーク及びCMACのうちいずれか一にしたものである。
ここで、本発明は、請求項2記載の評価値算出方法を実現するための装置でありその効果は重複するので記載を省略する。
また、請求項14に係る発明は、請求項12又は請求項13のいずれか1項に記載の評価値算出装置において、前記評価値算出手段は、前記モデルの係数を最小二乗法に基づいて推定し、これを前記評価値とすることを特徴としている。
【0021】
つまり、評価値算出手段は、モデルの係数を評価値として最小二乗法に基づき推定するようになっている。
ここで、本発明は、請求項5記載の評価値算出方法を実現するための装置でありその効果は重複するので記載を省略する。
また、請求項15に係る発明は、請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の評価値算出装置において、前記制御対象は、エンジン、電動モータ、空調装置、冷蔵庫、又は、ロボットであることを特徴としている。
【0022】
つまり、制御対象は、制御結果が非線形特性を有する、エンジン、電動モータ、空調装置、冷蔵庫、又は、ロボットであるものである。
また、請求項16に係る発明は、請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の評価値算出装置において、前記制御対象は車両のエンジンであって、前記動作要因は、スロットルの操作内容、エンジン回転数、ギアの切り替え内容及び走行状況のうち少なくとも一を含むことを特徴としている。
【0023】
つまり、制御対象は車両のエンジンであって、前記動作要因として、スロットルの操作内容、エンジン回転数、ギアの切り替え内容及び走行状況のうち少なくとも一を含むものである。
ここで、本発明は、請求項7記載の評価値算出方法を実現するための装置でありその効果は重複するので記載を省略する。
【0024】
また、請求項17に係る発明は、請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の評価値算出装置において、前記制御対象はエンジン駆動の車両であり、前記非線形制御特性は、当該車両における加速性能の特性、減速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含むことを特徴としている。
つまり、制御対象は、エンジン駆動の車両であり、非線形制御特性として、車両における加速性能の特性、減速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含むものである。
【0025】
また、請求項18に係る発明は、請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の評価値算出装置において、前記制御対象は電動モータ駆動の車両であり、前記非線形制御特性は、当該車両における加速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含むことを特徴としている。
つまり、制御対象は、電動モータ駆動の車両であり、非線形制御特性として、車両における加速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含むものである。
【0026】
また、請求項19に係る発明は、請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の評価値算出装置において、前記制御対象はエンジン及び電動モータによって駆動する車両であり、前記非線形制御特性は、当該車両における加速性能の特性、減速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含むことを特徴としている。
【0027】
つまり、制御対象は、エンジン及び電動モータによって駆動される車両であり、非線形制御特性として、車両における加速性能の特性、減速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含むものである。
また、請求項20に係る発明は、請求項17乃至請求項19のいずれか1項に記載の評価値算出装置において、前記加減速性能に関する前記評価用データを、車両の加速度、車両の速度、エンジン回転数及びモータ回転数のうち少なくとも一の上昇度合いとすることを特徴としている。
【0028】
つまり、加減速性能に関する前記評価用データを、車両の加速度、車両の速度、エンジン回転数及びモータ回転数のうち少なくとも一の上昇度合いとしたものである。
また、請求項21に係る発明は、請求項17乃至請求項20のいずれか1項に記載の評価値算出装置において、前記燃費性能に関する前記評価用データを、単位時間、又は、単位距離における燃料消費量とすることを特徴としている。
【0029】
つまり、燃費性能に関する前記評価用データを、単位時間、又は、単位距離における燃料消費量としたものである。
また、請求項22に係る発明は、請求項15乃至請求項21のいずれか1項に記載の評価値算出装置において、前記動作要因は、使用者の好み、技量及び状態、使用環境、運転状態のうち少なくとも一を含むことを特徴としている。
【0030】
つまり、動作要因として、使用者の好み、技量及び状態、使用環境、運転状態のうち少なくとも一を含むものである。
ここで、本発明は、請求項7記載の評価値算出方法を実現するための装置でありその効果は重複するので記載を省略する。
また、本発明に係る請求項23記載の制御対象の制御装置は、請求項12乃至請求項22のいずれか1項に記載の評価値算出装置と、当該評価値算出装置によって算出された評価値に基づき前記制御対象の非線形制御特性を相対的に評価する相対評価手段と、当該相対評価手段の評価結果に基づき前記制御対象の非線形制御特性を最適化する最適化手段と、を備えることを特徴としている。
【0031】
このような構成であれば、請求項12乃至請求項22のいずれか1項に記載の評価値算出装置によって、非線形特性を有する制御結果の現れる制御対象の複数の非線形制御特性の評価値を算出することが可能であり、相対評価手段によって、この算出された評価値に基づき非線形制御特性の相対的な評価を行うことが可能であり、最適化手段によって、この評価結果に基づき非線形制御特性を最適化することが可能である。
【0032】
つまり、評価値算出装置の特性から高速な評価値の算出が可能であり、且つ、取得条件が同一の制御用データを同一条件で比較評価可能な評価値の算出が可能であり、この算出された評価値を用いて、例えば、相対評価手段として、非線形制御特性を個体に見立てて遺伝的アルゴリズムを適用することにより高速、且つ、信頼性の高い非線形制御特性の相対評価を行うことが可能である。
【0033】
また、本発明に係る請求項24記載の評価値算出プログラムは、制御対象に係る複数の非線形制御特性を相対的に評価する際に、前記制御対象の各非線形制御特性毎の動作要因に基づき細分化された評価領域に対応させて、前記複数の非線形制御特性の評価用データを分類し、この分類された評価用データを評価して前記複数の非線形制御特性の評価値を算出するときには、
前記分類された前記評価用データに基づき前記複数の非線形制御特性毎の評価用データを所定の基準値と係数とから成るモデルに置き換え、このモデルに基づいてそれぞれの評価値を算出するコンピュータ実行可能なプログラムであって、前記所定の基準値を、前記評価用データを教師データとした所定の学習演算方法に基づいて算出することを特徴としている。
【0034】
つまり、評価用データをモデル化する際の所定の基準値を所定の学習演算方法に基づいて算出することで、局所評価領域間の汎化性が向上し、少ない評価データ数で信頼性の高い基準値を獲得することが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1乃至図13は、本発明に係る制御システムの実施の形態を示す図である。
まず、本発明に係る制御システムの構成を図1に基づき説明する。図1は、本発明に係る制御システムの構成を示すブロック図である。
【0036】
図1に示すように、制御システム1は、評価値算出装置10と、制御部11と、制御対象12と、を含んだ構成となっている。
評価値算出装置10は、評価データ収集部10aと、学習部10bと、評価値演算部10cと、を含んだ構成となっている。
評価データ収集部10aは、選択された制御特性による制御を実行したときの、制御対象12の動作結果を評価用データとして収集し、この収集された評価用データを、細分化された評価領域に分類するものである。本実施の形態においては、図2に示す動作要因1及び動作要因2を入力軸として形成されるCMACの入力空間における区分空間にそれぞれ評価用データを配置するものである。
【0037】
ここで動作要因とは、評価用データの非線形性を特徴付けるもので、制御対象に対する使用者の好み、技量及び状態、使用環境、運転状態等から決定されるものである。
また、CMACとは、高次のベクトルを写像によって複数の低次のベクトルで表現することで、複雑な演算を複数の簡単な演算に置き換えて学習を行うことが可能な学習演算方法である。ここで、CMACを小脳の細胞に置きかえると、まず、入力値をコード化するための苔状繊維の集合を設定し、次に、入力値に対応する顆粒細胞の設定、そして選択された顆粒細胞の有する荷重の総和によって出力値が求められることになる。
【0038】
CMACの適用にあたって、まず、図2に示すように取扱う入力値の種類に合わせた入力空間を形成する。ここでは、動作要因1及び動作要因2の2種類の入力値が設定されており、動作要因1、2をそれぞれ軸とした2次元の空間を形成し、更に、動作要因1、2の数値範囲を所定の数値単位で量子化することで入力空間を形成している。
【0039】
そして、入力空間を一定の範囲で格子状に区分することにより区分空間を形成する。入力空間20では、入力空間20の数値範囲を均等に9等分することで複数の区分空間20aを構成する。すなわち、入力空間20が、苔状繊維の集合によって入力値をコード化する小脳の機能部に対応し、区分空間20aが顆粒細胞に対応している。
【0040】
更に、入力空間は、上記したように入力空間20〜22の3つの層から構成されており、なお更に、図2に示すように、第2層は第1層に対して区分空間21aを動作要因1、2の軸方向にそれぞれ1量子化単位ずつずらし、同様に第3層は第2層に対して区分空間22aをそれぞれ1量子化単位ずつずらすことによって形成される。そして、これら3つの層を積層することによって入力空間をきめ細かく形成する。すなわち、CMACは、或る区分空間の1つ前の層に対して区分空間を入力である動作要因1、2の軸方向に1量子化単位ずつずらした入力空間を生成することで層の数を増やし、更にこれらを積層することで入力空間を細分化することができる。但し、このときに、各層の入力空間の数値範囲はそのままである。
【0041】
学習部10bは、上記したCMACを利用して、評価モデルの基準値を算出するものである。
評価値演算部10cは、算出された基準値及び評価用データに基づき、最小二乗法を利用してモデルの係数を評価値として算出するものである。
制御部11は、選択された制御特性に基づき制御対象12を制御するものである。
【0042】
制御対象12は、複数の制御特性に応じて動作し、非線形特性を有する制御結果を出力するものである。
更に、図示しないが、制御システム1は、各演算部の演算処理等を行うプログラムの記憶されたROM(Read Only Memory)と、演算に必要な情報を記憶するためのRAM(Random Access Memory)と、プログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)と、を備えている。
【0043】
更に、図3に基づき、評価値の算出処理の流れを説明する。図3は、評価値の算出処理を示すフローチャートである。
図3に示すように、まずステップS300に移行し、評価データ収集部10aにおいて、複数の制御特性に対する制御対象12の動作結果を評価データとして収集し、CMACの入力空間に配置してステップS302に移行する。
【0044】
ステップS302では、学習部10bにおいて、評価モデルの基準値をCMACの学習により算出する。つまり、制御対象の動作要因により形成されたCMACについて、評価用データを教師データとして学習を行い、この学習結果を評価モデルの基準値としてステップS304に移行する。
ここで、CMACの学習は、全ての教師データに対して、所定の学習回数だけ実施される。個々の教師データに対する学習は、教師データとCMAC出力値とを比較し、誤差が所定範囲以上であるときに行われる。このときのCMAC各層の修正量Δは、以下の式(1)で表される。
【0045】
【数1】
Figure 2004013328
【0046】
ここで、εは学習係数、LはCMACの層数、f(j,k)は特性jのk番目の評価用データ(教師データ)である。また、f(j,k)は教師データと同入力から得られるCMACの出力値であり、CMACの層lと各層において入力から参照される領域mの出力C(m)を用いて以下の式(2)で表される。
【0047】
【数2】
Figure 2004013328
【0048】
ステップS304に移行すると、評価値演算部10cにおいて、評価用データの基準値に対する係数モデルから評価値を推定してステップS306に移行する。
つまり、制御特性j、k番目の評価用データf(j,k)が以下に示す式(3)でモデル化されるとする。
【0049】
【数3】
Figure 2004013328
【0050】
係数αを制御特性jに関する全評価用データから最小二乗法で推測する。つまり、以下に示す式(4)を満たす係数α(j)を算出する。
【0051】
【数4】
Figure 2004013328
【0052】
以下の式(5a)〜(5c)に示すように、上記式(4)を偏微分して右辺を0としこの式を展開すると、係数α(j)の算出式(5c)が得られる。ここで、本実施の形態においては、最小二乗法によって推定されるこのα(j)を評価値とする。
【0053】
【数5】
Figure 2004013328
【0054】
ステップS306に移行すると、制御部において、相対評価された複数特性の評価結果から、評価値が最良となる特性を新たな制御特性として選択しステップS300に移行する。
つまり、ステップS300〜ステップS306の処理を繰り返し行うことによって、常に最適な制御特性を維持する。
【0055】
更に、本システムを、実際の車両のエンジンを制御対象とした場合の一例を、図4乃至図6に基づき説明する。図4は、制御対象をエンジンとし、制御特性を燃料噴射制御特性とした場合の第2の制御システムの構成を示すブロック図であり、図5は、第2の制御システムにおける基準値算出用のCMACを示す図であり、図6は、燃費評価値算出装置40における評価値の算出処理を示すフローチャートである。
【0056】
図4に示すように、第2の制御システム4は、燃費評価値算出装置40と、燃料噴射量制御部41と、エンジン42と、センサ43と、を含んだ構成となっている。
燃費評価値算出装置40は、燃費評価データ収集部40aと、基準値演算部40bと、評価値演算部40cと、を含んだ構成となっている。
【0057】
燃費評価データ収集部40aは、選択された燃料噴射制御特性による制御を実行したときの、燃料噴射量及びエンジン42からセンサ43によって検出される走行距離を燃費評価用データとして収集し、この収集された燃費評価用データを、図5に示すCMAC5の入力空間に配置するものである。ここで、燃費評価値算出装置40における、評価モデルの基準値算出用CMAC5は、図5に示すように、入力空間50〜52の3層構成となっており、それぞれ複数の区分空間50a〜52aによって細分化されている。また、入力空間50〜52はスロットル(TH)開度及びエンジン回転数を入力軸として形成されている。
【0058】
基準値演算部40bは、CMAC5による学習演算によって、燃費評価モデルの基準値を算出するものである。
評価値演算部40cは、CMAC5によって算出された燃費評価モデルの基準値と燃費評価用データとに基づき最小二乗法を用いて燃費評価モデルの係数αを評価値として算出するものである。
【0059】
燃料噴射量制御部41は、選択された燃料噴射制御特性に基づきエンジン42における燃料噴射量を制御するものである。
エンジン42は、ガソリンを燃料として駆動する駆動装置である。
センサ43は、エンジンから検出されるデータに基づき車両の走行距離を検出するものである。
【0060】
更に、図示しないが、第2の制御システム4は、各演算部の演算処理等を行うプログラムの記憶されたROMと、演算に必要な情報を記憶するためのRAMと、プログラムを実行するためのCPUと、を備えている。
更に、図6に基づき、評価値の算出処理の流れを説明する。図6は、燃費評価値の算出処理を示すフローチャートである。
【0061】
図6に示すように、まずステップS600に移行し、複数の燃料噴射制御特性により走行し、それぞれの特性に対する燃費評価データを収集して、CMAC5の入力空間50〜52に配置してステップS602に移行する。ここで、燃費評価データは以下の式(6)となる。
ステップS602では、燃費評価用データの非線形性を特徴付ける車両の動作要因であるスロットル開度及びエンジン回転数により区分された入力空間によって形成されるCMAC5について、燃費評価用データを教師データとして学習を行い、学習結果を評価モデルの基準値としてステップS604に移行する。
【0062】
ステップS604では、燃費評価値演算部40cにおいて、基準値の決定された評価モデルと燃費評価用データとに基づき、最小二乗法を利用して評価モデルの係数αを評価値として算出してステップS606に移行する。
ステップS606では、相対評価された複数の燃料噴射制御特性の評価結果から、燃費が最良となる燃料噴射制御特性を新たな特性として選択してステップS600に移行する。
【0063】
更に、車両のエンジンを制御対象とし遺伝的アルゴリズム(以下、GAと略す)を用いて自律進化による燃費低減を目的とした本システムのシミュレーション結果に基づき、従来の方法との比較を行う。
ここで、GAとは、自然進化の過程を模倣し、適者生存を原理として、探索空間のなかで探索点を表す個体を最適解に向けて進化させることにより、効率的な探索を行う確率的探索アルゴリズムである。具体的には、複数の個体の集合からなる個体群を仮想的に生成するとともに、各個体ごとにその個体の遺伝情報に見立てて個体情報を構成する。そして、同一世代において、遺伝子操作を模倣した情報操作を個体情報に対して行う遺伝的操作、および個体の評価値に基づいて個体の生存または淘汰を行う個体選択操作をそれぞれ少なくとも1回行って世代を進行させる。適用する対象によって多少異なるが、ある程度有効な解を得るには、一般に数百から数千回の世代交代を繰り返す必要がある。
【0064】
以下、図7乃び図8に基づき、本システムにおいて、実際にエンジンから得られる評価用データを入力として行った評価値算出処理のシミュレーション結果を示す。図7は、CMACの各層の分割方法の一例を示す図であり、図8(a)は、各個体の学習係数と燃費評価値との関係を示す図であり、(b)は、各個体の学習係数とレスポンス性能評価値との関係を示す図であり、(c)は、各個体の学習回数と燃費評価値誤差との関係を示す図であり、(d)は、各個体の学習回数とレスポンス性能評価値誤差との関係を示す図である。なお、本シミュレーションは、上記した式(1)〜式(5c)を用いて行われたものである。
【0065】
また、シミュレーションの条件としては、入力データ数は1個体あたり30で、全個体数6個体分180とし、CMACの入力空間の層数は3とし、学習許容誤差は0.1とし、各分割方法は図7に従うものとした。
以下、図8(a)、(b)に基づき、CMACの学習係数について検討する。ここで、一般に、学習係数を小さくすると学習速度は低下し、逆に学習係数を大きくすると学習速度は速くなるものの学習精度が低下する。また、図8(a)、(b)は、評価値、学習係数ともに、1を1024の分解能で表し、更に、どの学習係数においても十分学習が飽和するように、学習回数を10000回とした。
【0066】
図8(a)、(b)に示すように、学習係数が30までは燃費・レスポンス性能評価値とも安定して得られるものの、それ以上では評価値が大きく変化している。評価値は1(図では1024)を中心とした相対評価値であることから、学習係数30以下が妥当な結果である。これ以上の学習係数では、個々の教師データを学習する際の修正量が大きくなりすぎるため学習の収束性が悪く、それを利用して演算される評価値の精度を低下させている。
【0067】
一方、学習係数が30以下でも微妙に評価値が変化しているが、これは、学習量演算時の分解能の問題で、小さすぎる学習係数では学習収束付近の学習量の算出ができず、結果的に学習精度が低下しているためである。また、学習係数を小さくすると、学習を収束させるために多くの学習回数が必要となり、本システムを制御対象の実運転中に実行する場合には学習演算に時間がかかりすぎるため不向きとなる。以上から、小さすぎる学習係数は不適当であり、このシミュレーションにおいては、学習係数30(教師データとCMAC出力値の差分を3%ずつ学習)を採用して学習演算を行うことが適当であることになる。
【0068】
次に、図8(c)、(d)に基づき、CMACの学習回数について検討した。ここで、制御対象の実運転中に学習を行うにあたり、学習が収束する最小限の学習回数で学習を済ませることが望ましい。図中、評価値は基準値(学習収束時において得られた評価値)に対する誤差として表している。また、学習係数は、上記シミュレーション結果から30とした。
【0069】
図8(c)、(d)に示すように、両図とも300回の学習で評価値の誤差が0.1%以下となっており、学習がほぼ収束していることが解る。学習が収束する過程において、燃費評価値と比較すると、レスポンス評価性能値の誤差の方が大きい。これは、入力される元々の評価データ(レスポンス性能データ)における分散が、燃費データのそれと比較して大きいためである。以上から、学習回数としては300回程度が適当であると考えられる。
【0070】
更に、図9及び図10に基づき、基準値の算出にCMACを利用した評価値算出方法と上記従来技術に記載した従来の方法とをシミュレーション結果により比較する。ここでは、実際に実機(ここでは、エンジン)から得られる評価用データに対する評価値の信頼性を評価するためのシミュレーションを行った。図9は、CMACの各層の分割方法の一例を示す図であり、図10(a)は、本発明の評価値算出方法と従来の方法とにおける各個体と燃費評価値との関係を示す図であり、(b)は、本発明の評価値算出方法と従来の方法とにおける各個体とレスポンス性能評価値との関係を示す図である。
【0071】
また、シミュレーションの条件としては、入力データ数は1個体あたり30で、全個体数6個体分180とし、CMACの層数は3とし、学習許容誤差は0.1とし、学習係数は30とし、学習回数は300とし、各層の分割方法は図9に従うものとした。なお、上記シミュレーション結果から学習係数及び学習回数を決定した。また、図10(a)、(b)において、評価値は1024を基準とした相対評価値である。
【0072】
図10(a)、(b)に示すように、従来の方法とCMACを利用した本発明の方法とで同傾向の評価値が得られていることが解る。このことから、実機から得られた評価データを対象として、CMACを利用した方法により適切な評価が行えていることが解る。更に、従来の方法と比較して、CMACを利用した方法ではGA個体間における評価値の分散が小さい。個体の切り替えによる操縦性の変化を避ける目的から、GA個体間に大きな特性の違いが生じないよう個体を生成していることを考慮すると、CMACを利用した方法により算出された評価値の方が適切である。
【0073】
更に、算出される評価値の妥当性と、評価用データに対する評価値の信頼性を評価するため、擬似的評価用データを入力としたシミュレーションを行った。図11乃至図13に基づき、評価用データに対する評価値の信頼性について述べる。図11は、CMACを利用した評価値演算方法における各個体の評価用データ数と各評価値との関係を示す図であり、(a)は、各個体の評価用データ数と燃費評価値との関係を示す図であり、(b)は、各個体の評価用データ数と燃費評価値誤差との関係を示す図であり、(c)は、各個体の評価用データ数とレスポンス性能評価値との関係を示す図であり、(d)は、各個体の評価用データ数とレスポンス性能評価値誤差との関係を示す図であり、図12は、従来の方法における各個体の評価用データ数と各評価値との関係を示す図であり、(a)は、各個体の評価用データ数と燃費評価値との関係を示す図であり、(b)は、各個体の評価用データ数と燃費評価値誤差との関係を示す図であり、(c)は、各個体の評価用データ数とレスポンス性能評価値との関係を示す図であり、(d)は、各個体の評価用データ数とレスポンス性能評価値誤差との関係を示す図であり、図13は、従来の方法とCMACを利用した方法とのメモリの使用量を示す図である。ここで、図11(b)、(d)、図12(b)、(d)は、それぞれ、図11(a)、(c)、図12(a)、(c)について、統計的に最も信頼性の高い結果(入力データ数:100/個体)を基準とする評価値の誤差をまとめたものである。
【0074】
図11(a)〜(d)及び図12(a)〜(d)に示すように、両方法ともに、1個体あたり100の評価用データを入力として与えることで、GA個体ごと1%の評価データの差を評価値として算出されているのが解る。この評価用データ数では、入力に対する5%の誤差成分にも関わらず、十分信頼性の高い評価値が得られているといえる。
【0075】
図より、燃費評価値に関して、CMACを利用した方法では、50程度の評価用データ数で十分信頼性の高い評価値が得られている(各個体の誤差が0.2%以下)ことが解る。
一方、従来の方法に関しては、燃費評価値と比較して少ない評価用データ数で信頼性の高い評価値が得られている。これは、レスポンス性能評価では、評価領域を分割する動作要因が少ないため、各局所領域に含まれる評価データ数が増加する理由による。
【0076】
更に、レスポンス性能評価値に関して、CMACを利用した手法では、60以下の評価データ数についても安定して評価値が得られている。具体的には、誤差0.5%以下で評価値を得るために、従来の方法では40程度の評価用データ数が必要となるものの、CMACを利用した方法では20程度の評価用データ数で同等の評価値が得られる。
【0077】
このことは、図13に示すメモリ使用量にも影響してくる。従来の方法はCMACに比べ唯でさえ演算量が多いため、最終的には個体評価に必要となるメモリ量はCMACの約10倍となってしまう。従って、CMACを利用した方法はメモリの使用効率に関しても優れている。
以上より、基準値の算出に学習演算方法(特にCMAC)を利用することで、従来の方法と比較して、燃費・レスポンス性能評価のどちらについても、評価領域におけるデータ分布が広い(データ密度が低い)際に評価値の信頼性を高める効果が得られている。つまり、少ない数の評価用データで個体評価を行う際の、基準値の信頼性向上に伴う高精度な個体評価が可能となる。
【0078】
ここで、図1及び図4に示す学習部10b及び基準値演算部40bは、請求項12記載の学習演算部に対応する。
なお、上記実施の形態においては、車両のエンジンを制御対象として説明しているが、これに限らず、電動モータ、空調装置、冷蔵庫、ロボット等を制御対象としても良い。
【0079】
また、本実施の形態においては、制御出力として燃料噴射量を取り扱っているが、制御対象としてエンジン10を適用する場合、制御出力としては、その他に、例えば、噴射時間、点火時期、吸気バルブタイミング、電子スロットル開度、バルブリフト量、排気バルブタイミング、または吸排気制御用バルブタイミング等が考えられる。ここで、吸気制御用バルブとは、タンブルおよびスワールの制御を行うために吸気管に設けられるバルブであり、また、排気制御バルブとは、排気脈動を制御するために排気管に設けられるバルブである。
【0080】
また、本実施の形態においては、CMACを学習部における学習演算方法として用いたが、これに限らず、ファジイ推論、ニューラルネットワーク等の別の学習演算方法を用いてもよい。
また、上記実施の形態においては、エンジンの燃費特性およびレスポンス特性の相対評価を行うのにGAを用いたが、これに限らず、GPやES等の進化的アルゴリズムを用いることもできる。
【0081】
また、上記実施の形態において、図3及び図6のフローチャートに示す処理を実行するにあたっては、ROMにあらかじめ格納されているプログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記録された記録媒体から、そのプログラムをRAMに読み込んで実行するようにしてもよい。
【0082】
ここで、記録媒体とは、RAM、ROM等の半導体記録媒体、FD、HD等の磁気記録型記録媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記録媒体、MO等の磁気記録型/光学的読取方式記録媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であれば、あらゆる記録媒体を含むものである。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る評価値算出方法によれば、評価値をモデル化した際の基準値を、細分化された評価領域に分類された評価用データに基づきCMACやニューラルネットワーク等の学習演算方法によって算出するようにしたので、評価領域における局所領域間の汎化性が向上し、少ない評価用データ数で信頼性の高い評価値の得られる基準値の獲得が可能となり、更に、このようにして基準値の決定されたモデルの係数を最小二乗法を用いて推定し、且つ、この係数を評価値としたので、最も信頼性の高い評価値を獲得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】動作要因1及び動作要因2を入力軸として形成される3層のCMACの一例を示す図である。
【図3】評価値の算出処理を示すフローチャートである。
【図4】制御対象をエンジンとし、制御特性を燃料噴射制御特性とした場合の第2の制御システムの構成を示すブロック図である。
【図5】第2の制御システムにおける基準値算出用のCMACを示す図である。
【図6】燃費評価値算出装置40における評価値の算出処理を示すフローチャートである。
【図7】CMACの各層の分割方法の一例を示す図である。
【図8】(a)は、各個体の学習係数と燃費評価値との関係を示す図であり、(b)は、各個体の学習係数とレスポンス性能評価値との関係を示す図であり、(c)は、各個体の学習回数と燃費評価値誤差との関係を示す図であり、(d)は、各個体の学習回数とレスポンス性能評価値誤差との関係を示す図である。
【図9】CMACの各層の分割方法の一例を示す図である。
【図10】(a)は、本発明の評価値算出方法と従来の方法とにおける各個体と燃費評価値との関係を示す図であり、(b)は、本発明の評価値算出方法と従来の方法とにおける各個体とレスポンス性能評価値との関係を示す図である。
【図11】CMACを利用した評価値演算方法における各個体の評価用データ数と各評価値との関係を示す図であり、(a)は、各個体の評価用データ数と燃費評価値との関係を示す図であり、(b)は、各個体の評価用データ数と燃費評価値誤差との関係を示す図であり、(c)は、各個体の評価用データ数とレスポンス性能評価値との関係を示す図であり、(d)は、各個体の評価用データ数とレスポンス性能評価値誤差との関係を示す図である。
【図12】従来の方法における各個体の評価用データ数と各評価値との関係を示す図であり、(a)は、各個体の評価用データ数と燃費評価値との関係を示す図であり、(b)は、各個体の評価用データ数と燃費評価値誤差との関係を示す図であり、(c)は、各個体の評価用データ数とレスポンス性能評価値との関係を示す図であり、(d)は、各個体の評価用データ数とレスポンス性能評価値誤差との関係を示す図である。
【図13】
従来の方法とCMACを利用した方法とのメモリの使用量を示す図である。
【符号の説明】
1        制御システム
2        CMAC
4        第2の制御システム
5        CMAC
10       評価値算出装置
10a      評価データ収集部
10b      学習部
10c      評価値演算部
11       制御部
12       制御対象
20       入力空間
40       燃費評価値算出装置
40a      燃費評価データ収集部
40b      基準値演算部
40c      燃費評価値演算部
41       燃料噴射量制御部
42       エンジン
43       センサ
50       入力空間

Claims (24)

  1. 制御対象に係る複数の非線形制御特性を相対的に評価する際に、前記制御対象の各非線形制御特性毎の動作要因に基づき細分化された評価領域に対応させて、前記複数の非線形制御特性の評価用データを分類し、この分類された評価用データを評価して前記複数の非線形制御特性の評価値を算出するときには、
    前記分類された前記評価用データに基づき前記複数の非線形制御特性毎の評価用データを所定の基準値と係数とから成るモデルに置き換え、このモデルに基づいてそれぞれの評価値を算出する評価値算出方法であって、
    前記所定の基準値を、前記評価用データを教師データとした所定の学習演算方法に基づいて算出することを特徴とする評価値算出方法。
  2. 前記所定の学習演算方法は、ファジイ推論、ニューラルネットワーク及びCMAC(Cerebellar Model Arithmetic Computer)のうちいずれか一であることを特徴とする請求項1記載の評価値算出方法。
  3. 前記複数の非線形制御特性毎の前記モデルの係数を最小二乗法に基づいて推定し、これを前記評価値とすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の評価値算出方法。
  4. 前記制御対象は、エンジン、電動モータ、空調装置、冷蔵庫、又は、ロボットであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の評価値算出方法。
  5. 前記制御対象は車両のエンジンであって、前記動作要因は、スロットルの操作内容、エンジン回転数、ギアの切り替え内容及び走行状況のうち少なくとも一を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の評価値算出方法。
  6. 前記制御対象はエンジン駆動の車両であり、前記非線形制御特性は、当該車両における加速性能の特性、減速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の評価値算出方法。
  7. 前記制御対象は電動モータ駆動の車両であり、前記非線形制御特性は、当該車両における加速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の評価値算出方法。
  8. 前記制御対象はエンジン及び電動モータによって駆動する車両であり、前記非線形制御特性は、当該車両における加速性能の特性、減速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の評価値算出方法。
  9. 前記加減速性能に関する前記評価用データを、車両の加速度、車両の速度、エンジン回転数及びモータ回転数のうち少なくとも一の上昇度合いとすることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の評価値算出方法。
  10. 前記燃費性能に関する前記評価用データを、単位時間、又は、単位距離における燃料消費量とすることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の評価値算出方法。
  11. 前記動作要因は、使用者の好み、技量及び状態、使用環境、運転状態のうち少なくとも一を含むことを特徴とする請求項4乃至請求項10のいずれか1項に記載の評価値算出方法。
  12. 制御対象に係る複数の非線形制御特性を相対的に評価する際に、前記制御対象の各非線形制御特性毎の動作要因に基づき細分化された評価領域に対応させて、前記複数の非線形制御特性の評価用データを分類し、この分類された評価用データを評価して前記複数の非線形制御特性の評価値を算出するときには、
    前記分類された前記評価用データに基づき前記複数の非線形制御特性毎の評価用データを所定の基準値と係数とから成るモデルに置き換え、このモデルに基づいてそれぞれの評価値を算出する評価値算出装置であって、
    前記所定の基準値を、前記評価用データを教師データとした所定の学習演算方法に基づいて算出する学習演算手段を備えることを特徴とする評価値算出装置。
  13. 前記学習演算方法は、ファジイ推論、ニューラルネットワーク及びCMACのうちいずれか一であることを特徴とする請求項12記載の評価値算出装置。
  14. 前記モデルの係数を最小二乗法に基づいて推定し、これを前記評価値とすることを特徴とする請求項12又は請求項13記載の評価値算出装置。
  15. 前記制御対象は、エンジン、電動モータ、空調装置、冷蔵庫、又は、ロボットであることを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の評価値算出装置。
  16. 前記制御対象は車両のエンジンであって、前記動作要因は、スロットルの操作内容、エンジン回転数、ギアの切り替え内容及び走行状況のうち少なくとも一を含むことを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の評価値算出装置。
  17. 前記制御対象はエンジン駆動の車両であり、前記非線形制御特性は、当該車両における加速性能の特性、減速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含むことを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の評価値算出装置。
  18. 前記制御対象は電動モータ駆動の車両であり、前記非線形制御特性は、当該車両における加速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含むことを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の評価値算出装置。
  19. 前記制御対象はエンジン及び電動モータによって駆動する車両であり、前記非線形制御特性は、当該車両における加速性能の特性、減速性能の特性及び燃費性能の特性のうち少なくとも一を含むことを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の評価値算出装置。
  20. 前記加減速性能に関する前記評価用データを、車両の加速度、車両の速度、エンジン回転数及びモータ回転数のうち少なくとも一の上昇度合いとすることを特徴とする請求項17乃至請求項19のいずれか1項に記載の評価値算出装置。
  21. 前記燃費性能に関する前記評価用データを、単位時間、又は、単位距離における燃料消費量とすることを特徴とする請求項17乃至請求項20のいずれか1項に記載の評価値算出装置。
  22. 前記動作要因は、使用者の好み、技量及び状態、使用環境、運転状態のうち少なくとも一を含むことを特徴とする請求項15乃至請求項21のいずれか1項に記載の評価値算出装置。
  23. 請求項12乃至請求項22のいずれか1項に記載の評価値算出装置と、当該評価値算出装置によって算出された評価値に基づき前記制御対象の非線形制御特性を相対的に評価する相対評価手段と、当該相対評価手段の評価結果に基づき前記制御対象の非線形制御特性を最適化する最適化手段と、を備えることを特徴とする制御対象の制御装置。
  24. 制御対象に係る複数の非線形制御特性を相対的に評価する際に、前記制御対象の各非線形制御特性毎の動作要因に基づき細分化された評価領域に対応させて、前記複数の非線形制御特性の評価用データを分類し、この分類された評価用データを評価して前記複数の非線形制御特性の評価値を算出するときには、
    前記分類された前記評価用データに基づき前記複数の非線形制御特性毎の評価用データを所定の基準値と係数とから成るモデルに置き換え、このモデルに基づいてそれぞれの評価値を算出するコンピュータ実行可能なプログラムであって、
    前記所定の基準値を、前記評価用データを教師データとした所定の学習演算方法に基づいて算出することを特徴とする評価値算出プログラム。
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