JP2004013249A - ガス供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれないないこと。
【解決手段】減圧弁13とMFC15との間の容積を、単位時間当たりの、減圧弁13とMFC15との間を通過するガスの体積流量より、十分大きいか又は十分小さい値に設定することで、MFC15の制御量(MFC15から出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設ける。また、減圧弁13の応答時間と緩和時間とから、減圧弁13とMFC15との間の容積Vを修正する。
【選択図】 図10
【解決手段】減圧弁13とMFC15との間の容積を、単位時間当たりの、減圧弁13とMFC15との間を通過するガスの体積流量より、十分大きいか又は十分小さい値に設定することで、MFC15の制御量(MFC15から出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設ける。また、減圧弁13の応答時間と緩和時間とから、減圧弁13とMFC15との間の容積Vを修正する。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所望の質量流量に制御してガスを供給するガス供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体製造装置においては、種々の材料ガスなどの供給量を設定値に保つガス供給システムが使用されている。
例えば、図10に示すガス供給システム1Cでは、ガス源に連通されたガス供給口11と、CVD装置のチャンバなどに連通されたガス出力口16との間において、手動弁12や、減圧弁13、マスフローコントローラ(以下、「MFC」という)15などを設けるとともに、減圧弁13とMFC15との間の接続管路19に圧力変換器(以下、「PT」という)14を設け、図示しない制御装置を介して、MFC15を操作することにより、MFC15(ひいては、ガス出力口16)から供給されるガスの質量流量を制御している。
【0003】
このとき、MFC15は、急激な圧力変動に追従できないため、MFC15の入口側に減圧弁13を設けることで、減圧弁13の2次側圧力(接続管路19の圧力)の安定化を図っている。また、MFC15は、その制御量であるガスの質量流量を示す信号を、図示しない制御装置に出力する。従って、図示しない制御装置は、MFC15(ひいては、ガス出力口16)から供給されるガスの質量流量をフィードバックしながら、MFC15を操作することができる。
尚、接続管路19には、ベント出力口18が分岐しており、図示しない制御装置で操作される遮断弁17が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10に示すガス供給システム1Cにおいては、例えば、時間T0において、MFC15をステップ状に開いて、ある体積流量Q(例えば、1.0×102cm3/min程度)に相当する質量流量のガスを供給し始めるとすると、本来であれば、図12に示すように、減圧弁13が閉状態から徐々に開いた状態に移行するので、減圧弁13の2次側圧力(接続管路19の圧力)Pは、設定圧力P20から、体積流量Qの減圧弁流量特性であるP21に向かって漸近して減少していくはずであるが、減圧弁13の機種によっては、減圧弁13が閉状態から急激に開いた状態に移行するので、図11の下のグラフで示すように、時間T1で急激に上昇し、体積流量Qの減圧弁流量特性であるP21をオーバーシュートすることがあった。
【0005】
このような事態になると、MFC15の追従が追いつけなくなり、MFC15の制御量であるガスの質量流量を示す信号においても、図11の上のグラフで示すように、時間T1で急激に上昇し、体積流量Q(に相当する質量流量)を示す信号Vsetの値をオーバーシュートすることになる。このとき、MFC15(ひいては、ガス出力口16)から供給されるガスの質量流量は、若干乱れるものの、直後の時間T2(図11参照)以降で一定(体積流量Q)に戻るので、その乱れは、許容範囲内であり、半導体製造装置に悪影響を及ぼすものではないが、かかるMFC15のオーバーシュート信号を受信した、図示しない制御装置は、ガス供給システム1Cに異常が生じたものと判断して、半導体製造装置全体を非常停止にするおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたガス供給システムであって、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれないないことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、前記マスフローコントローラの制御量を変更した時から前記減圧弁の2次側圧力を漸近して変化させるために、前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間の容積を、前記マスフローコントローラの制御量を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けたこと、を特徴としている。
【0008】
このような特徴を有する本発明のガス供給システムでは、減圧弁に対して、以下の考察がなされたこにより、減圧弁とマスフローコントローラとの間の容積が決定されている。
【0009】
すなわち、減圧弁とマスフローコントローラとの間の容積を「V」、減圧弁とマスフローコントローラとの間を通過するガスの体積流量を「Q」、減圧弁の2次圧を「P2」とすると、以下の式(1)の関係が成立する。
【数1】
ここで、定常時の減圧弁の2次圧を「P20」とすると、上記式(1)は、以下の式(2)となる。
【数2】
【0010】
一方、図7に減圧弁の構造を示す。ここで、符号13は減圧弁であり、符号31はロードスプリングであり、符号32はバイアススプリングであり、符号33はダイアフラムであり、符号34は弁シートであり、符号35はポペットである。この点、図7によりポペット35に作用する力Fは、以下の式(3)で表すことができる。
【数3】
尚、ここでは、ロードスプリング31の荷重を「f1」、バイアススプリング32の荷重を「f2」、ダイアフラム33の受圧面積を「S」、ポペット35の受圧面積を「s」、減圧弁13の1次圧を「P1」、ポペット35の摩擦力を「fF」とし、図7の上向きを正とする。
【0011】
また、減圧弁13のポペット35が閉じている場合には、内部シールがされているので、減圧弁13のシール荷重を「Fseal」とすると、以下の式(4)となる。
【数4】
ここで、Fseal>0である。
【0012】
そして、マスフローコントローラが開いた場合には、t秒後におけるポペット35に作用する力Fは、上記式(3)に上記式(2)を代入することにより、以下の式(5)で表される。
【数5】
尚、テーラー展開によれば、以下の式(6)が成立する。
【数6】
【0013】
従って、上記式(5)は、上記式(4)及び上記式(6)を代入することにより、以下の式(7)となる。
【数7】
【0014】
ここで、V>>Qの場合には、上記式(7)は、以下の式(8)となる。
【数8】
一方、V<<Qの場合には、減圧弁13の排気時間が短くなるので、t→0とすると、上記式(7)は、以下の式(9)となる。
【数9】
【0015】
従って、上記式(8)及び上記式(9)によれば、V(減圧弁13とマスフローコントローラとの間の容積)がQ(減圧弁13とマスフローコントローラとの間を通過するガスの体積流量)に比べて十分大きい場合や十分小さい場合には、ポペット35に作用する力Fはシール荷重Fsealを保っていることになる。従って、マスフローコントローラを開にしても、減圧弁13が急激に開くことはなく、減圧弁13の2次側圧力に応じて開くことになる。
【0016】
しかし、V(減圧弁13とマスフローコントローラとの間の容積)がQ(減圧弁13とマスフローコントローラとの間を通過するガスの体積流量)と同等の場合には、減圧弁13の排気時間は短くなく、上記式(7)の第2項以降が無視できなくなり、そのため、ポペット35に作用する力Fが負(図7の下向き)になると考えられ、減圧弁13における力のバランスが崩れやすくなる。従って、マスフローコントローラを開にすると、減圧弁13の2次側圧力に応じて開くことはなく、減圧弁13が急激に開くことになる。
【0017】
尚、Q(減圧弁13とマスフローコントローラとの間を通過するガスの体積流量)とは、単位時間当たりの、減圧弁13とマスフローコントローラとの間を通過するガスの体積流量を意味し、マスフローコントローラの制御量(マスフローコントローラから出力されるガスの質量流量)から換算することができる。
【0018】
そこで、本発明のガス供給システムでは、減圧弁とマスフローコントローラとの間の容積を、マスフローコントローラの制御量(マスフローコントローラから出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けて、減圧弁における力のバランスを平衡状態を保ち続けながら移行させることにより、マスフローコントローラの制御量を変更した時から減圧弁の2次側圧力を漸近して変化させるので、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0019】
さらに、マスフローコントローラの制御量を変更した時から減圧弁の2次側圧力を漸近して変化させるので、マスフローコントローラの制御量が安定し、より高精度な流量制御を行うことができる。
【0020】
尚、マスフローコントローラの制御量は、通常、レンジ幅や制御範囲を持っているので、この場合には、マスフローコントローラの制御量(マスフローコントローラから出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量も、ある程度の範囲を持つことになり、かかる範囲から除外して、減圧弁とマスフローコントローラとの間の容積を設けなければならい。
【0021】
また、マスフローコントローラの制御量を変更した時とは、質量流量を「0」から或る値に変更した場合の他、質量流量を或る値から別の値に変更した場合も含まれる。
【0022】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載するガス供給システムであって、前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間の容積を、前記減圧弁の応答時間に基づいて修正して設けたこと、を特徴としている。
【0023】
すなわち、減圧弁における力のバランスが平衡状態を保てない状況となっても、減圧弁の応答時間中に、減圧弁における力のバランスが平衡状態を保てる状況に復帰すれば、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがないので、本発明のガス供給システムにおいて、減圧弁とマスフローコントローラとの間の容積を、マスフローコントローラの制御量(マスフローコントローラから出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けた上で、さらに、減圧弁の応答時間に基づいて修正することは、設定可能範囲が広がる点で有効である。
【0024】
また、この課題を解決するために成された請求項3に係る発明は、減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間にダンパーを設けたこと、を特徴としている。
【0025】
すなわち、本発明のガス供給システムでは、減圧弁とマスフローコントローラとの間にダンパーを設けており、減圧弁の2次側圧力の変化率を緩和させる要素を付加しているので、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0026】
また、この課題を解決するために成された請求項4に係る発明は、減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間にオリフィス又はフィルタを設けたこと、を特徴としている。
【0027】
すなわち、本発明のガス供給システムでは、減圧弁とマスフローコントローラとの間にオリフィス又はフィルタを設けており、減圧弁の2次側圧力の変化率を緩和させる要素を付加しているので、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0028】
さらに、マスフローコントローラの制御量を変更した時から減圧弁の2次側圧力が漸近して変化するので、マスフローコントローラの制御量が安定し、より高精度な流量制御を行うことができる。
【0029】
また、この課題を解決するために成された請求項5に係る発明は、減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間に前記減圧弁の2次側圧力を測定する圧力測定手段を備え、前記減圧弁の2次側圧力の変化量が所定量より大きくなったことを前記圧力測定手段を介して検知したときは、前記マスフローコントローラは前記信号の出力を維持すること、を特徴としている。
【0030】
すなわち、本発明のガス供給システムでは、減圧弁の2次側圧力の変化量が所定量より大きくなったことを圧力測定手段を介して検知したときは、マスフローコントローラは、マスフローコントローラの制御量を示す信号の出力を維持するので、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行って、減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生したとしても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号を含ませないことができる。
【0031】
また、この課題を解決するために成された請求項6に係る発明は、減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、前記マスフローコントローラの制御量を変更した時から所定時間が経過するまで、前記マスフローコントローラは前記信号の出力を維持すること、を特徴としている。
【0032】
すなわち、本発明のガス供給システムでは、マスフローコントローラの制御量を変更した時から所定時間が経過するまで、マスフローコントローラは、マスフローコントローラの制御量を示す信号の出力を維持するので、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行って、減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生したとしても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号を含ませないことができる。
【0033】
また、請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載するガス供給システムにおいて、半導体製造装置に使用されること、を特徴としている。
【0034】
すなわち、本発明のガス供給システムを、半導体製造装置に使用すれば、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれないので、半導体製造装置全体を非常停止にするおそれがなくなる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。先ず、第1実施の形態について説明する。第1実施の形態は、「従来技術」の欄で説明した図10のガス供給システム1Cと同一の構成を有するので、その各構成の具体的な説明は省略する。但し、第1実施の形態では、減圧弁13とMFC15との間の容積Vの設定が、「従来技術」の欄で説明したものとは異なるので、その点について詳細に説明する。
【0036】
すなわち、減圧弁13とMFC15との間の容積Vは、上記式(1)〜(9)の考察により、単位時間当たりの、減圧弁13とMFC15との間を通過するガスの体積流量Qより、十分大きいか又は十分小さい値に設定される。この点、減圧弁13とMFC15との間を通過するガスの体積流量Qは、MFC15の制御量であるガスの質量流量から換算することができる。
尚、単位時間当たりの、減圧弁13とMFC15との間を通過するガスの体積流量Qは、半導体製造装置の要求仕様から決定される。
【0037】
すなわち、第1実施の形態のガス供給システム1Cでは、減圧弁13とMFC15との間の容積Vを、単位時間当たりの、減圧弁13とMFC15との間を通過するガスの体積流量Qより、十分大きいか又は十分小さい値に設定することで、MFC15の制御量(MFC15から出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けており、減圧弁13における力のバランスを平衡状態を保ち続けながら移行させることにより、例えば、図12に示すように、MFC15かの制御量を変更した時T0から、減圧弁13の2次側圧力を、減圧弁流量特性であるP21に向かって漸近して変化させている。
【0038】
従って、第1実施の形態のガス供給システム1Cでは、MFC15を開にしても減圧弁13の2次側圧力に急激な変化が発生することがないので、MFC15に対してステップ状の開操作を行っても、MFC15の制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0039】
尚、MFC15の制御量は、通常、レンジ幅や制御範囲を持っているので、この場合には、MFC15の制御量(MFC15から出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量も、ある程度の範囲を持つことになる。従って、かかる範囲から除外して、減圧弁13とMFC15との間の容積Vを設けなければならい。
【0040】
さらに、このとき、例えば、図12に示すように、MFC15の制御量を変更した時T0から、減圧弁13の2次側圧力を、減圧弁流量特性であるP21に向かって漸近して変化させているので、MFC15の制御量が安定し、より高精度な流量制御を行うことができる。
【0041】
また、第1実施の形態のガス供給システム1Cでは、以下の考察により、減圧弁13とMFC15との間の容積Vを修正することも可能である。
すなわち、上記式(4)において、以下の表の値を代入する。
【表1】
そして、C=C1+C2としてまとめると、上記式(4)は、以下の式(10)となる。
【数10】
尚、Fseal>0であるから、0<Fseal<31.5(N)となる。
【0042】
ここで、上記式(7)におけるtの2次項までに、上記表の値及びFseal=10(N)を代入し、V/Q(以下、緩和時間τとする)を変化させて計算した結果を図8に示す。また、上記式(7)におけるtの2次項までに、上記表の値及びFseal=5(N)を代入し、V/Q(以下、緩和時間「τ」とする)を変化させて計算した結果を図9に示す。
【0043】
図8及び図9により、Fseal=5(N)の場合には、Fが負となる領域が現れる。すなわち、図7において、ポペット35に下方向の力Fが作用する領域が現れることを意味し、これにより、減圧弁13が急激に開き、図11の上下の両グラフで示すオーバーシュートが発生すると考えられる。
【0044】
但し、減圧弁13のポペット35に作用する力Fが負となる領域があっても、その領域が、可動部の摺動抵抗やダイアフラム33の厚さなどで決まる減圧弁13の応答時間に収まれば、減圧弁13が急激に開くことはない。従って、減圧弁13の応答時間外において、減圧弁13のポペット35に作用する力Fが負とならない緩和時間τ(V/Q)を選定すれば、図11の上下の両グラフで示すオーバーシュートを防止することができる。
【0045】
通常、図10のガス供給システム1Cにおいては、減圧弁13の選定や、減圧弁13とMFC15との間を通過するガスの体積流量Qは、半導体製造装置の要求仕様から決定されるので、減圧弁13の応答時間と緩和時間τ(V/Q)とから、減圧弁13とMFC15との間の容積Vが修正される。
【0046】
すなわち、第1実施の形態のガス供給システム1Cでは、減圧弁13とMFC15との間の容積Vを、MFC15の制御量(マスフローコントローラ15から出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けた上で、さらに、減圧弁13の応答時間に基づいて修正しているので、仮に、減圧弁13における力のバランスが平衡状態を保てない状況となっても、減圧弁13の応答時間中に、減圧弁13における力のバランスが平衡状態を保てる状況に復帰するので、MFC15を開にしても減圧弁13の2次側圧力に急激な変化が発生することがない。
【0047】
従って、第1実施の形態のガス供給システム1Cでは、MFC15を開にしても減圧弁13の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、MFC15に対してステップ状の開操作を行っても、MFC15の制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれないので、減圧弁13とMFC15との間の容積Vの設定可能範囲が広がる。
【0048】
尚、上記第1実施の形態のガス供給システム1Cでは、MFC15の制御量を変更した時とは、図11の上のグラフで示すように、MFC15の制御量である質量流量を「0」から体積流量Qに相当する値に変更した場合を示しているが、その他に、MFC15の制御量である質量流量を或る値から別の値に変更した場合であっても、上述した効果は得られる。
【0049】
次に、第2実施の形態について説明する。図1に、第2実施の形態のガス供給システム1Aに示す。第2実施の形態のガス供給システム1Aでは、以下の点を除いて、「従来技術」の欄で説明した図10のガス供給システム1Cと同一の構成を有するので、その各構成の具体的な説明は省略する。すなわち、第2実施形態では、減圧弁13とMFC15との間に配管部品20(ダンパー、オリフィス、又はフィルタ)が設けられた点が、「従来技術」の欄で説明したものとは異なる。
【0050】
そして、第2実施の形態のガス供給システム1Aにおいて、減圧弁13とMFC15との間に設けられる配管部品20として、オリフィス又はフィルタを設けた場合には、減圧弁13の2次側圧力の変化率を緩和させる要素を付加しているので、図5に示すように、減圧弁13の2次側圧力のハンチングはなくなる。従って、MFC15を開にしても減圧弁13の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、MFC15に対してステップ状の開操作を行っても、MFC15の制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
さらに、例えば、図5に示すようにして、MFC15の制御量を変更した時T0から、減圧弁13の2次側圧力を、減圧弁流量特性であるP21に向かって漸近して変化させているので、MFC15の制御量が安定し、より高精度な流量制御を行うことができる。
【0051】
また、第2実施の形態のガス供給システム1Aにおいて、減圧弁13とMFC15との間に設けられる配管部品20として、図3に示すようにして、ベローズ22を内蔵したダンパーを設けた場合には、減圧弁13の2次側圧力の変化率を緩和させる要素を付加しているので、図6に示すように、時間t1の前後でアンダーシュートが起こるものの、減圧弁13の2次側圧力の急激な圧力上昇はなくなる。従って、MFC15に対してステップ状の開操作を行っても、MFC15の制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0052】
次に、第3実施の形態について説明する。図2に、第3実施の形態のガス供給システム1Bに示す。第3実施の形態のガス供給システム1Bでは、以下の点を除いて、「従来技術」の欄で説明した図10のガス供給システム1Cと同一の構成を有するので、その各構成の具体的な説明は省略する。すなわち、第3実施形態では、PT14及びMFC15と図示しない制御装置の間に演算回路21が設けられている点が、「従来技術」の欄で説明したものとは異なる。
【0053】
そして、第3実施の形態のガス供給システム1Bでは、図示しない制御装置を介して、MFC15を操作することにより、MFC15(ひいては、ガス出力口16)から供給されるガスの質量流量を制御する一方で、図4のフローチャートに示す制御を行っている。すなわち、S11において、減圧弁13の2次側圧力をPT14(「圧力測定手段」に相当するもの)でサンプリングする周期を設定するとともに、演算回路21で使用する限界圧力変化量(「所定量」に相当するもの)を設定する。次のS12では、上記周期をもって、減圧弁13の2次側圧力をPT14でサンプリングする。そして、S13において、前回のサンプリング結果に基づいて、減圧弁13の2次側圧力の変化量を演算回路21で算出する。その後、S14において、減圧弁13の2次側圧力の変化量が限界圧力変化量よりも大きいか否かを判断する。
【0054】
ここで、減圧弁13の2次側圧力の変化量が限界圧力変化量よりも大きいと判断しない場合には(S14:No)、S12に戻って、上述した処理を繰り返す一方、減圧弁13の2次側圧力の変化量が限界圧力変化量よりも大きいと判断する場合には(S14:Yes)、S15に進んで、MFC15に対して、キャンセル信号を出力して、終了する。このとき、キャンセル信号を受信したMFC15は、その制御量であるガスの質量流量を示す信号をT秒間変化させないで、図示しない制御装置に出力する。
【0055】
すなわち、第3実施の形態のガス供給システム1Bにおいては、減圧弁13とMFC15との間に減圧弁13の2次側圧力を測定するPT14を備えており、減圧弁13の2次側圧力の変化量が所定量より大きくなったことをPT14を介して検知したときは(S14:Yes)、MFC15は、キャンセル信号を受信することをトリガとして、MFC15の制御量を示す信号の出力をT秒間維持するので、MFC15に対してステップ状の開操作を行って、減圧弁13の2次側圧力に急激な変化が発生したとしても、MFC15の制御量を示す信号にオーバーシュート信号を含ませないことができる。
【0056】
尚、第3実施の形態のガス供給システム1Bにおいては、MFC15は、キャンセル信号を受信することをトリガとして、MFC15の制御量を示す信号の出力をT秒間維持していたが、この点、MFC15に対してステップ状の開操作を行ってから、減圧弁13の2次側圧力に急激な変化が発生・消滅するまでに要する必要時間は、バラツキが少なく、予備運転などで知ることができるので、MFC15の制御量を変更した時から所定時間(上記必要時間よりも長く設定される)が経過するまで、MFC15の制御量を示す信号の出力を維持させてもよい。
【0057】
そして、以上詳細に説明した、本実施の形態のガス供給システム1A、1B、1Cは、「従来技術」の欄で既に説明したように、半導体製造装置で使用されるものであるから、MFC15に対してステップ状の開操作を行っても、MFC15の制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれないので、半導体製造装置全体を非常停止にするおそれがなくなる。
【0058】
【発明の効果】
本発明のガス供給システムでは、減圧弁とマスフローコントローラとの間の容積を、マスフローコントローラの制御量(マスフローコントローラから出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けて、減圧弁における力のバランスを平衡状態を保ち続けながら移行させることにより、マスフローコントローラの制御量を変更した時から減圧弁の2次側圧力を漸近して変化させるので、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0059】
さらに、マスフローコントローラの制御量を変更した時から減圧弁の2次側圧力を漸近して変化させるので、マスフローコントローラの制御量が安定し、より高精度な流量制御を行うことができる。
【0060】
また、減圧弁における力のバランスが平衡状態を保てない状況となっても、減圧弁の応答時間中に、減圧弁における力のバランスが平衡状態を保てる状況に復帰すれば、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがないので、本発明のガス供給システムにおいて、減圧弁とマスフローコントローラとの間の容積を、マスフローコントローラの制御量(マスフローコントローラから出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けた上で、さらに、減圧弁の応答時間に基づいて修正することは、設定可能範囲が広がる点で有効である。
【0061】
また、本発明のガス供給システムにおいて、減圧弁とマスフローコントローラとの間にダンパーを設けた場合には、減圧弁の2次側圧力の変化率を緩和させる要素を付加しているので、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0062】
また、本発明のガス供給システムにおいて、減圧弁とマスフローコントローラとの間にオリフィス又はフィルタを設けた場合には、減圧弁の2次側圧力の変化率を緩和させる要素を付加しているので、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0063】
さらに、マスフローコントローラの制御量を変更した時から減圧弁の2次側圧力が漸近して変化するので、マスフローコントローラの制御量が安定し、より高精度な流量制御を行うことができる。
【0064】
また、本発明のガス供給システムにおいて、減圧弁とマスフローコントローラとの間に減圧弁の2次側圧力を測定する圧力測定手段を備えた場合には、減圧弁の2次側圧力の変化量が所定量より大きくなったことを圧力測定手段を介して検知したときは、マスフローコントローラは、マスフローコントローラの制御量を示す信号の出力を維持するので、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行って、減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生したとしても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号を含ませないことができる。
【0065】
また、本発明のガス供給システムにおいて、マスフローコントローラの制御量を変更した時から所定時間が経過するまで、マスフローコントローラは、マスフローコントローラの制御量を示す信号の出力を維持させた場合には、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行って、減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生したとしても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号を含ませないことができる。
【0066】
また、本発明のガス供給システムを、半導体製造装置に使用すれば、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれないので、半導体製造装置全体を非常停止にするおそれがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2実施形態によるガス供給システムの回路図である。
【図2】本発明の第3実施形態によるガス供給システムの回路図である。
【図3】本発明の第2実施形態によるガス供給システムにおいて、配管部品として設けられるダンパーの断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態によるガス供給システムのフローチャート図である。
【図5】本発明の第2実施形態によるガス供給システムにおいて、配管部品として、オリフィス又はフィルターが設けられたときの、減圧弁の2次側圧力の波形を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態によるガス供給システムにおいて、配管部品として、ダンパーが設けられたときの、減圧弁の2次側圧力の波形を示す図である。
【図7】本発明の実施形態又は従来技術のガス供給システムにおいて、減圧弁のポペットに作用する力を示した概念図である。
【図8】本発明の実施形態又は従来技術のガス供給システムの減圧弁において、ポペットのシール荷重が10Nのときの、緩和時間毎の排気時間とポペット荷重の関係を示した図である。
【図9】本発明の実施形態又は従来技術のガス供給システムの減圧弁において、ポペットのシール荷重が5Nのときの、緩和時間毎の排気時間とポペット荷重の関係を示した図である。
【図10】本発明の第3実施形態又は従来技術のガス供給システムの回路図である。
【図11】従来技術のガス供給システムにおいて、MFC(マスフローコントローラ)の出力信号とPT(圧力変換器)の出力変換器の出力信号の変化を示した図である。
【図12】従来技術のガス供給システムにおいて、減圧弁の2次側圧力の理想波形変化曲線を示す図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C ガス供給システム
11 ガス供給口
13 減圧弁
14 PT(圧力変換器)
15 MFC(マスフローコントローラ)
19 減圧弁とMFCとの間の接続管路
20 配管部品(ダンパー、オリフィス、又はフィルタ)
21 演算回路
22 ベローズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、所望の質量流量に制御してガスを供給するガス供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体製造装置においては、種々の材料ガスなどの供給量を設定値に保つガス供給システムが使用されている。
例えば、図10に示すガス供給システム1Cでは、ガス源に連通されたガス供給口11と、CVD装置のチャンバなどに連通されたガス出力口16との間において、手動弁12や、減圧弁13、マスフローコントローラ(以下、「MFC」という)15などを設けるとともに、減圧弁13とMFC15との間の接続管路19に圧力変換器(以下、「PT」という)14を設け、図示しない制御装置を介して、MFC15を操作することにより、MFC15(ひいては、ガス出力口16)から供給されるガスの質量流量を制御している。
【0003】
このとき、MFC15は、急激な圧力変動に追従できないため、MFC15の入口側に減圧弁13を設けることで、減圧弁13の2次側圧力(接続管路19の圧力)の安定化を図っている。また、MFC15は、その制御量であるガスの質量流量を示す信号を、図示しない制御装置に出力する。従って、図示しない制御装置は、MFC15(ひいては、ガス出力口16)から供給されるガスの質量流量をフィードバックしながら、MFC15を操作することができる。
尚、接続管路19には、ベント出力口18が分岐しており、図示しない制御装置で操作される遮断弁17が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10に示すガス供給システム1Cにおいては、例えば、時間T0において、MFC15をステップ状に開いて、ある体積流量Q(例えば、1.0×102cm3/min程度)に相当する質量流量のガスを供給し始めるとすると、本来であれば、図12に示すように、減圧弁13が閉状態から徐々に開いた状態に移行するので、減圧弁13の2次側圧力(接続管路19の圧力)Pは、設定圧力P20から、体積流量Qの減圧弁流量特性であるP21に向かって漸近して減少していくはずであるが、減圧弁13の機種によっては、減圧弁13が閉状態から急激に開いた状態に移行するので、図11の下のグラフで示すように、時間T1で急激に上昇し、体積流量Qの減圧弁流量特性であるP21をオーバーシュートすることがあった。
【0005】
このような事態になると、MFC15の追従が追いつけなくなり、MFC15の制御量であるガスの質量流量を示す信号においても、図11の上のグラフで示すように、時間T1で急激に上昇し、体積流量Q(に相当する質量流量)を示す信号Vsetの値をオーバーシュートすることになる。このとき、MFC15(ひいては、ガス出力口16)から供給されるガスの質量流量は、若干乱れるものの、直後の時間T2(図11参照)以降で一定(体積流量Q)に戻るので、その乱れは、許容範囲内であり、半導体製造装置に悪影響を及ぼすものではないが、かかるMFC15のオーバーシュート信号を受信した、図示しない制御装置は、ガス供給システム1Cに異常が生じたものと判断して、半導体製造装置全体を非常停止にするおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたガス供給システムであって、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれないないことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、前記マスフローコントローラの制御量を変更した時から前記減圧弁の2次側圧力を漸近して変化させるために、前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間の容積を、前記マスフローコントローラの制御量を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けたこと、を特徴としている。
【0008】
このような特徴を有する本発明のガス供給システムでは、減圧弁に対して、以下の考察がなされたこにより、減圧弁とマスフローコントローラとの間の容積が決定されている。
【0009】
すなわち、減圧弁とマスフローコントローラとの間の容積を「V」、減圧弁とマスフローコントローラとの間を通過するガスの体積流量を「Q」、減圧弁の2次圧を「P2」とすると、以下の式(1)の関係が成立する。
【数1】
ここで、定常時の減圧弁の2次圧を「P20」とすると、上記式(1)は、以下の式(2)となる。
【数2】
【0010】
一方、図7に減圧弁の構造を示す。ここで、符号13は減圧弁であり、符号31はロードスプリングであり、符号32はバイアススプリングであり、符号33はダイアフラムであり、符号34は弁シートであり、符号35はポペットである。この点、図7によりポペット35に作用する力Fは、以下の式(3)で表すことができる。
【数3】
尚、ここでは、ロードスプリング31の荷重を「f1」、バイアススプリング32の荷重を「f2」、ダイアフラム33の受圧面積を「S」、ポペット35の受圧面積を「s」、減圧弁13の1次圧を「P1」、ポペット35の摩擦力を「fF」とし、図7の上向きを正とする。
【0011】
また、減圧弁13のポペット35が閉じている場合には、内部シールがされているので、減圧弁13のシール荷重を「Fseal」とすると、以下の式(4)となる。
【数4】
ここで、Fseal>0である。
【0012】
そして、マスフローコントローラが開いた場合には、t秒後におけるポペット35に作用する力Fは、上記式(3)に上記式(2)を代入することにより、以下の式(5)で表される。
【数5】
尚、テーラー展開によれば、以下の式(6)が成立する。
【数6】
【0013】
従って、上記式(5)は、上記式(4)及び上記式(6)を代入することにより、以下の式(7)となる。
【数7】
【0014】
ここで、V>>Qの場合には、上記式(7)は、以下の式(8)となる。
【数8】
一方、V<<Qの場合には、減圧弁13の排気時間が短くなるので、t→0とすると、上記式(7)は、以下の式(9)となる。
【数9】
【0015】
従って、上記式(8)及び上記式(9)によれば、V(減圧弁13とマスフローコントローラとの間の容積)がQ(減圧弁13とマスフローコントローラとの間を通過するガスの体積流量)に比べて十分大きい場合や十分小さい場合には、ポペット35に作用する力Fはシール荷重Fsealを保っていることになる。従って、マスフローコントローラを開にしても、減圧弁13が急激に開くことはなく、減圧弁13の2次側圧力に応じて開くことになる。
【0016】
しかし、V(減圧弁13とマスフローコントローラとの間の容積)がQ(減圧弁13とマスフローコントローラとの間を通過するガスの体積流量)と同等の場合には、減圧弁13の排気時間は短くなく、上記式(7)の第2項以降が無視できなくなり、そのため、ポペット35に作用する力Fが負(図7の下向き)になると考えられ、減圧弁13における力のバランスが崩れやすくなる。従って、マスフローコントローラを開にすると、減圧弁13の2次側圧力に応じて開くことはなく、減圧弁13が急激に開くことになる。
【0017】
尚、Q(減圧弁13とマスフローコントローラとの間を通過するガスの体積流量)とは、単位時間当たりの、減圧弁13とマスフローコントローラとの間を通過するガスの体積流量を意味し、マスフローコントローラの制御量(マスフローコントローラから出力されるガスの質量流量)から換算することができる。
【0018】
そこで、本発明のガス供給システムでは、減圧弁とマスフローコントローラとの間の容積を、マスフローコントローラの制御量(マスフローコントローラから出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けて、減圧弁における力のバランスを平衡状態を保ち続けながら移行させることにより、マスフローコントローラの制御量を変更した時から減圧弁の2次側圧力を漸近して変化させるので、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0019】
さらに、マスフローコントローラの制御量を変更した時から減圧弁の2次側圧力を漸近して変化させるので、マスフローコントローラの制御量が安定し、より高精度な流量制御を行うことができる。
【0020】
尚、マスフローコントローラの制御量は、通常、レンジ幅や制御範囲を持っているので、この場合には、マスフローコントローラの制御量(マスフローコントローラから出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量も、ある程度の範囲を持つことになり、かかる範囲から除外して、減圧弁とマスフローコントローラとの間の容積を設けなければならい。
【0021】
また、マスフローコントローラの制御量を変更した時とは、質量流量を「0」から或る値に変更した場合の他、質量流量を或る値から別の値に変更した場合も含まれる。
【0022】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載するガス供給システムであって、前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間の容積を、前記減圧弁の応答時間に基づいて修正して設けたこと、を特徴としている。
【0023】
すなわち、減圧弁における力のバランスが平衡状態を保てない状況となっても、減圧弁の応答時間中に、減圧弁における力のバランスが平衡状態を保てる状況に復帰すれば、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがないので、本発明のガス供給システムにおいて、減圧弁とマスフローコントローラとの間の容積を、マスフローコントローラの制御量(マスフローコントローラから出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けた上で、さらに、減圧弁の応答時間に基づいて修正することは、設定可能範囲が広がる点で有効である。
【0024】
また、この課題を解決するために成された請求項3に係る発明は、減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間にダンパーを設けたこと、を特徴としている。
【0025】
すなわち、本発明のガス供給システムでは、減圧弁とマスフローコントローラとの間にダンパーを設けており、減圧弁の2次側圧力の変化率を緩和させる要素を付加しているので、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0026】
また、この課題を解決するために成された請求項4に係る発明は、減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間にオリフィス又はフィルタを設けたこと、を特徴としている。
【0027】
すなわち、本発明のガス供給システムでは、減圧弁とマスフローコントローラとの間にオリフィス又はフィルタを設けており、減圧弁の2次側圧力の変化率を緩和させる要素を付加しているので、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0028】
さらに、マスフローコントローラの制御量を変更した時から減圧弁の2次側圧力が漸近して変化するので、マスフローコントローラの制御量が安定し、より高精度な流量制御を行うことができる。
【0029】
また、この課題を解決するために成された請求項5に係る発明は、減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間に前記減圧弁の2次側圧力を測定する圧力測定手段を備え、前記減圧弁の2次側圧力の変化量が所定量より大きくなったことを前記圧力測定手段を介して検知したときは、前記マスフローコントローラは前記信号の出力を維持すること、を特徴としている。
【0030】
すなわち、本発明のガス供給システムでは、減圧弁の2次側圧力の変化量が所定量より大きくなったことを圧力測定手段を介して検知したときは、マスフローコントローラは、マスフローコントローラの制御量を示す信号の出力を維持するので、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行って、減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生したとしても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号を含ませないことができる。
【0031】
また、この課題を解決するために成された請求項6に係る発明は、減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、前記マスフローコントローラの制御量を変更した時から所定時間が経過するまで、前記マスフローコントローラは前記信号の出力を維持すること、を特徴としている。
【0032】
すなわち、本発明のガス供給システムでは、マスフローコントローラの制御量を変更した時から所定時間が経過するまで、マスフローコントローラは、マスフローコントローラの制御量を示す信号の出力を維持するので、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行って、減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生したとしても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号を含ませないことができる。
【0033】
また、請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載するガス供給システムにおいて、半導体製造装置に使用されること、を特徴としている。
【0034】
すなわち、本発明のガス供給システムを、半導体製造装置に使用すれば、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれないので、半導体製造装置全体を非常停止にするおそれがなくなる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。先ず、第1実施の形態について説明する。第1実施の形態は、「従来技術」の欄で説明した図10のガス供給システム1Cと同一の構成を有するので、その各構成の具体的な説明は省略する。但し、第1実施の形態では、減圧弁13とMFC15との間の容積Vの設定が、「従来技術」の欄で説明したものとは異なるので、その点について詳細に説明する。
【0036】
すなわち、減圧弁13とMFC15との間の容積Vは、上記式(1)〜(9)の考察により、単位時間当たりの、減圧弁13とMFC15との間を通過するガスの体積流量Qより、十分大きいか又は十分小さい値に設定される。この点、減圧弁13とMFC15との間を通過するガスの体積流量Qは、MFC15の制御量であるガスの質量流量から換算することができる。
尚、単位時間当たりの、減圧弁13とMFC15との間を通過するガスの体積流量Qは、半導体製造装置の要求仕様から決定される。
【0037】
すなわち、第1実施の形態のガス供給システム1Cでは、減圧弁13とMFC15との間の容積Vを、単位時間当たりの、減圧弁13とMFC15との間を通過するガスの体積流量Qより、十分大きいか又は十分小さい値に設定することで、MFC15の制御量(MFC15から出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けており、減圧弁13における力のバランスを平衡状態を保ち続けながら移行させることにより、例えば、図12に示すように、MFC15かの制御量を変更した時T0から、減圧弁13の2次側圧力を、減圧弁流量特性であるP21に向かって漸近して変化させている。
【0038】
従って、第1実施の形態のガス供給システム1Cでは、MFC15を開にしても減圧弁13の2次側圧力に急激な変化が発生することがないので、MFC15に対してステップ状の開操作を行っても、MFC15の制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0039】
尚、MFC15の制御量は、通常、レンジ幅や制御範囲を持っているので、この場合には、MFC15の制御量(MFC15から出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量も、ある程度の範囲を持つことになる。従って、かかる範囲から除外して、減圧弁13とMFC15との間の容積Vを設けなければならい。
【0040】
さらに、このとき、例えば、図12に示すように、MFC15の制御量を変更した時T0から、減圧弁13の2次側圧力を、減圧弁流量特性であるP21に向かって漸近して変化させているので、MFC15の制御量が安定し、より高精度な流量制御を行うことができる。
【0041】
また、第1実施の形態のガス供給システム1Cでは、以下の考察により、減圧弁13とMFC15との間の容積Vを修正することも可能である。
すなわち、上記式(4)において、以下の表の値を代入する。
【表1】
そして、C=C1+C2としてまとめると、上記式(4)は、以下の式(10)となる。
【数10】
尚、Fseal>0であるから、0<Fseal<31.5(N)となる。
【0042】
ここで、上記式(7)におけるtの2次項までに、上記表の値及びFseal=10(N)を代入し、V/Q(以下、緩和時間τとする)を変化させて計算した結果を図8に示す。また、上記式(7)におけるtの2次項までに、上記表の値及びFseal=5(N)を代入し、V/Q(以下、緩和時間「τ」とする)を変化させて計算した結果を図9に示す。
【0043】
図8及び図9により、Fseal=5(N)の場合には、Fが負となる領域が現れる。すなわち、図7において、ポペット35に下方向の力Fが作用する領域が現れることを意味し、これにより、減圧弁13が急激に開き、図11の上下の両グラフで示すオーバーシュートが発生すると考えられる。
【0044】
但し、減圧弁13のポペット35に作用する力Fが負となる領域があっても、その領域が、可動部の摺動抵抗やダイアフラム33の厚さなどで決まる減圧弁13の応答時間に収まれば、減圧弁13が急激に開くことはない。従って、減圧弁13の応答時間外において、減圧弁13のポペット35に作用する力Fが負とならない緩和時間τ(V/Q)を選定すれば、図11の上下の両グラフで示すオーバーシュートを防止することができる。
【0045】
通常、図10のガス供給システム1Cにおいては、減圧弁13の選定や、減圧弁13とMFC15との間を通過するガスの体積流量Qは、半導体製造装置の要求仕様から決定されるので、減圧弁13の応答時間と緩和時間τ(V/Q)とから、減圧弁13とMFC15との間の容積Vが修正される。
【0046】
すなわち、第1実施の形態のガス供給システム1Cでは、減圧弁13とMFC15との間の容積Vを、MFC15の制御量(マスフローコントローラ15から出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けた上で、さらに、減圧弁13の応答時間に基づいて修正しているので、仮に、減圧弁13における力のバランスが平衡状態を保てない状況となっても、減圧弁13の応答時間中に、減圧弁13における力のバランスが平衡状態を保てる状況に復帰するので、MFC15を開にしても減圧弁13の2次側圧力に急激な変化が発生することがない。
【0047】
従って、第1実施の形態のガス供給システム1Cでは、MFC15を開にしても減圧弁13の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、MFC15に対してステップ状の開操作を行っても、MFC15の制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれないので、減圧弁13とMFC15との間の容積Vの設定可能範囲が広がる。
【0048】
尚、上記第1実施の形態のガス供給システム1Cでは、MFC15の制御量を変更した時とは、図11の上のグラフで示すように、MFC15の制御量である質量流量を「0」から体積流量Qに相当する値に変更した場合を示しているが、その他に、MFC15の制御量である質量流量を或る値から別の値に変更した場合であっても、上述した効果は得られる。
【0049】
次に、第2実施の形態について説明する。図1に、第2実施の形態のガス供給システム1Aに示す。第2実施の形態のガス供給システム1Aでは、以下の点を除いて、「従来技術」の欄で説明した図10のガス供給システム1Cと同一の構成を有するので、その各構成の具体的な説明は省略する。すなわち、第2実施形態では、減圧弁13とMFC15との間に配管部品20(ダンパー、オリフィス、又はフィルタ)が設けられた点が、「従来技術」の欄で説明したものとは異なる。
【0050】
そして、第2実施の形態のガス供給システム1Aにおいて、減圧弁13とMFC15との間に設けられる配管部品20として、オリフィス又はフィルタを設けた場合には、減圧弁13の2次側圧力の変化率を緩和させる要素を付加しているので、図5に示すように、減圧弁13の2次側圧力のハンチングはなくなる。従って、MFC15を開にしても減圧弁13の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、MFC15に対してステップ状の開操作を行っても、MFC15の制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
さらに、例えば、図5に示すようにして、MFC15の制御量を変更した時T0から、減圧弁13の2次側圧力を、減圧弁流量特性であるP21に向かって漸近して変化させているので、MFC15の制御量が安定し、より高精度な流量制御を行うことができる。
【0051】
また、第2実施の形態のガス供給システム1Aにおいて、減圧弁13とMFC15との間に設けられる配管部品20として、図3に示すようにして、ベローズ22を内蔵したダンパーを設けた場合には、減圧弁13の2次側圧力の変化率を緩和させる要素を付加しているので、図6に示すように、時間t1の前後でアンダーシュートが起こるものの、減圧弁13の2次側圧力の急激な圧力上昇はなくなる。従って、MFC15に対してステップ状の開操作を行っても、MFC15の制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0052】
次に、第3実施の形態について説明する。図2に、第3実施の形態のガス供給システム1Bに示す。第3実施の形態のガス供給システム1Bでは、以下の点を除いて、「従来技術」の欄で説明した図10のガス供給システム1Cと同一の構成を有するので、その各構成の具体的な説明は省略する。すなわち、第3実施形態では、PT14及びMFC15と図示しない制御装置の間に演算回路21が設けられている点が、「従来技術」の欄で説明したものとは異なる。
【0053】
そして、第3実施の形態のガス供給システム1Bでは、図示しない制御装置を介して、MFC15を操作することにより、MFC15(ひいては、ガス出力口16)から供給されるガスの質量流量を制御する一方で、図4のフローチャートに示す制御を行っている。すなわち、S11において、減圧弁13の2次側圧力をPT14(「圧力測定手段」に相当するもの)でサンプリングする周期を設定するとともに、演算回路21で使用する限界圧力変化量(「所定量」に相当するもの)を設定する。次のS12では、上記周期をもって、減圧弁13の2次側圧力をPT14でサンプリングする。そして、S13において、前回のサンプリング結果に基づいて、減圧弁13の2次側圧力の変化量を演算回路21で算出する。その後、S14において、減圧弁13の2次側圧力の変化量が限界圧力変化量よりも大きいか否かを判断する。
【0054】
ここで、減圧弁13の2次側圧力の変化量が限界圧力変化量よりも大きいと判断しない場合には(S14:No)、S12に戻って、上述した処理を繰り返す一方、減圧弁13の2次側圧力の変化量が限界圧力変化量よりも大きいと判断する場合には(S14:Yes)、S15に進んで、MFC15に対して、キャンセル信号を出力して、終了する。このとき、キャンセル信号を受信したMFC15は、その制御量であるガスの質量流量を示す信号をT秒間変化させないで、図示しない制御装置に出力する。
【0055】
すなわち、第3実施の形態のガス供給システム1Bにおいては、減圧弁13とMFC15との間に減圧弁13の2次側圧力を測定するPT14を備えており、減圧弁13の2次側圧力の変化量が所定量より大きくなったことをPT14を介して検知したときは(S14:Yes)、MFC15は、キャンセル信号を受信することをトリガとして、MFC15の制御量を示す信号の出力をT秒間維持するので、MFC15に対してステップ状の開操作を行って、減圧弁13の2次側圧力に急激な変化が発生したとしても、MFC15の制御量を示す信号にオーバーシュート信号を含ませないことができる。
【0056】
尚、第3実施の形態のガス供給システム1Bにおいては、MFC15は、キャンセル信号を受信することをトリガとして、MFC15の制御量を示す信号の出力をT秒間維持していたが、この点、MFC15に対してステップ状の開操作を行ってから、減圧弁13の2次側圧力に急激な変化が発生・消滅するまでに要する必要時間は、バラツキが少なく、予備運転などで知ることができるので、MFC15の制御量を変更した時から所定時間(上記必要時間よりも長く設定される)が経過するまで、MFC15の制御量を示す信号の出力を維持させてもよい。
【0057】
そして、以上詳細に説明した、本実施の形態のガス供給システム1A、1B、1Cは、「従来技術」の欄で既に説明したように、半導体製造装置で使用されるものであるから、MFC15に対してステップ状の開操作を行っても、MFC15の制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれないので、半導体製造装置全体を非常停止にするおそれがなくなる。
【0058】
【発明の効果】
本発明のガス供給システムでは、減圧弁とマスフローコントローラとの間の容積を、マスフローコントローラの制御量(マスフローコントローラから出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けて、減圧弁における力のバランスを平衡状態を保ち続けながら移行させることにより、マスフローコントローラの制御量を変更した時から減圧弁の2次側圧力を漸近して変化させるので、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0059】
さらに、マスフローコントローラの制御量を変更した時から減圧弁の2次側圧力を漸近して変化させるので、マスフローコントローラの制御量が安定し、より高精度な流量制御を行うことができる。
【0060】
また、減圧弁における力のバランスが平衡状態を保てない状況となっても、減圧弁の応答時間中に、減圧弁における力のバランスが平衡状態を保てる状況に復帰すれば、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがないので、本発明のガス供給システムにおいて、減圧弁とマスフローコントローラとの間の容積を、マスフローコントローラの制御量(マスフローコントローラから出力されるガスの質量流量)を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けた上で、さらに、減圧弁の応答時間に基づいて修正することは、設定可能範囲が広がる点で有効である。
【0061】
また、本発明のガス供給システムにおいて、減圧弁とマスフローコントローラとの間にダンパーを設けた場合には、減圧弁の2次側圧力の変化率を緩和させる要素を付加しているので、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0062】
また、本発明のガス供給システムにおいて、減圧弁とマスフローコントローラとの間にオリフィス又はフィルタを設けた場合には、減圧弁の2次側圧力の変化率を緩和させる要素を付加しているので、マスフローコントローラを開にしても減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生することがなく、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれない。
【0063】
さらに、マスフローコントローラの制御量を変更した時から減圧弁の2次側圧力が漸近して変化するので、マスフローコントローラの制御量が安定し、より高精度な流量制御を行うことができる。
【0064】
また、本発明のガス供給システムにおいて、減圧弁とマスフローコントローラとの間に減圧弁の2次側圧力を測定する圧力測定手段を備えた場合には、減圧弁の2次側圧力の変化量が所定量より大きくなったことを圧力測定手段を介して検知したときは、マスフローコントローラは、マスフローコントローラの制御量を示す信号の出力を維持するので、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行って、減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生したとしても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号を含ませないことができる。
【0065】
また、本発明のガス供給システムにおいて、マスフローコントローラの制御量を変更した時から所定時間が経過するまで、マスフローコントローラは、マスフローコントローラの制御量を示す信号の出力を維持させた場合には、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行って、減圧弁の2次側圧力に急激な変化が発生したとしても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号を含ませないことができる。
【0066】
また、本発明のガス供給システムを、半導体製造装置に使用すれば、マスフローコントローラに対してステップ状の開操作を行っても、マスフローコントローラの制御量を示す信号にオーバーシュート信号が含まれないので、半導体製造装置全体を非常停止にするおそれがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2実施形態によるガス供給システムの回路図である。
【図2】本発明の第3実施形態によるガス供給システムの回路図である。
【図3】本発明の第2実施形態によるガス供給システムにおいて、配管部品として設けられるダンパーの断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態によるガス供給システムのフローチャート図である。
【図5】本発明の第2実施形態によるガス供給システムにおいて、配管部品として、オリフィス又はフィルターが設けられたときの、減圧弁の2次側圧力の波形を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態によるガス供給システムにおいて、配管部品として、ダンパーが設けられたときの、減圧弁の2次側圧力の波形を示す図である。
【図7】本発明の実施形態又は従来技術のガス供給システムにおいて、減圧弁のポペットに作用する力を示した概念図である。
【図8】本発明の実施形態又は従来技術のガス供給システムの減圧弁において、ポペットのシール荷重が10Nのときの、緩和時間毎の排気時間とポペット荷重の関係を示した図である。
【図9】本発明の実施形態又は従来技術のガス供給システムの減圧弁において、ポペットのシール荷重が5Nのときの、緩和時間毎の排気時間とポペット荷重の関係を示した図である。
【図10】本発明の第3実施形態又は従来技術のガス供給システムの回路図である。
【図11】従来技術のガス供給システムにおいて、MFC(マスフローコントローラ)の出力信号とPT(圧力変換器)の出力変換器の出力信号の変化を示した図である。
【図12】従来技術のガス供給システムにおいて、減圧弁の2次側圧力の理想波形変化曲線を示す図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C ガス供給システム
11 ガス供給口
13 減圧弁
14 PT(圧力変換器)
15 MFC(マスフローコントローラ)
19 減圧弁とMFCとの間の接続管路
20 配管部品(ダンパー、オリフィス、又はフィルタ)
21 演算回路
22 ベローズ
Claims (7)
- 減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、
前記マスフローコントローラの制御量を変更した時から前記減圧弁の2次側圧力を漸近して変化させるために、前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間の容積を、前記マスフローコントローラの制御量を換算した単位時間当たりの体積流量から除外して設けたこと、を特徴とするガス供給システム。 - 請求項1に記載するガス供給システムであって、
前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間の容積を、前記減圧弁の応答時間に基づいて修正して設けたこと、を特徴とするガス供給システム。 - 減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、
前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間にダンパーを設けたこと、を特徴とするガス供給システム。 - 減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、
前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間にオリフィス又はフィルタを設けたこと、を特徴とするガス供給システム。 - 減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、
前記減圧弁と前記マスフローコントローラとの間に前記減圧弁の2次側圧力を測定する圧力測定手段を備え、
前記減圧弁の2次側圧力の変化量が所定量より大きくなったことを前記圧力測定手段を介して検知したときは、前記マスフローコントローラは前記信号の出力を維持すること、を特徴とするガス供給システム。 - 減圧弁を介してガス源に接続されたマスフローコントローラにより、前記ガス源から供給されるガスの質量流量を制御する際に、前記マスフローコントローラの制御量を示す信号を前記マスフローコントローラから出力するガス供給システムにおいて、
前記マスフローコントローラの制御量を変更した時から所定時間が経過するまで、前記マスフローコントローラは前記信号の出力を維持すること、を特徴とするガス供給システム。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載するガス供給システムにおいて、
半導体製造装置に使用されること、を特徴とするガス供給システム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002162393A JP2004013249A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | ガス供給システム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2002162393A JP2004013249A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | ガス供給システム |
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|---|---|
| JP2004013249A true JP2004013249A (ja) | 2004-01-15 |
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ID=30431141
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2002162393A Pending JP2004013249A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | ガス供給システム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004013249A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012178155A (ja) * | 2011-02-24 | 2012-09-13 | Linde Aktiengesellschaft | 圧力低下装置 |
| CN104075119A (zh) * | 2014-06-17 | 2014-10-01 | 上海冠龙阀门机械有限公司 | 一种减压稳压阀组 |
| CN110102443A (zh) * | 2019-06-25 | 2019-08-09 | 常州铭赛机器人科技股份有限公司 | 减压装置和具有其的点胶控制器 |
| CN115707970A (zh) * | 2021-08-19 | 2023-02-21 | 株式会社岛津制作所 | 气体调整装置及方法 |
-
2002
- 2002-06-04 JP JP2002162393A patent/JP2004013249A/ja active Pending
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