JP2004013120A - 液晶素子、及び該液晶素子の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶パネルを連続駆動する場合において、カイラルスメクチック液晶の電圧−透過率特性が変動してしまうことを防止する。
【解決手段】液晶パネルを図示のように第一領域D1と第二領域D2とに分け、第一領域D1では、一の極性の第1電圧(該領域の画像表示電圧)を印加した場合に明表示を行い他の極性の第2電圧(該領域のリセット電圧)を印加した場合に暗表示を行うようにし、第二領域D2では、第2電圧(該領域の画像表示電圧)を印加した場合に明表示を行い第1電圧(該領域のリセット電圧)を印加した場合に暗表示を行うようにした。そして、各領域におけるリセット電圧は、液晶に直流成分が蓄積されないように補正をしておく。これにより、液晶パネルには直流成分が蓄積されず、その蓄積に伴う液晶特性(すなわち、カイラルスメクチック液晶の電圧−透過率特性)の変動を抑制できる。
【選択図】 図3
【解決手段】液晶パネルを図示のように第一領域D1と第二領域D2とに分け、第一領域D1では、一の極性の第1電圧(該領域の画像表示電圧)を印加した場合に明表示を行い他の極性の第2電圧(該領域のリセット電圧)を印加した場合に暗表示を行うようにし、第二領域D2では、第2電圧(該領域の画像表示電圧)を印加した場合に明表示を行い第1電圧(該領域のリセット電圧)を印加した場合に暗表示を行うようにした。そして、各領域におけるリセット電圧は、液晶に直流成分が蓄積されないように補正をしておく。これにより、液晶パネルには直流成分が蓄積されず、その蓄積に伴う液晶特性(すなわち、カイラルスメクチック液晶の電圧−透過率特性)の変動を抑制できる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットパネルディスプレイ、プロジェクションディスプレイ等に用いられる液晶素子の駆動方法、及び液晶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、TFT(Thin Film Transistor)等のアクティブ素子を用いた表示素子として広範に用いられているネマティック液晶表示素子の代表的な液晶モードとして、たとえばエム・シャット(M.Schadt)とダブリュー・ヘルフリッヒ(W.Helfrich)著Applied Physics Letters第18巻、第4号(1971年2月15日発行)第127頁から128頁において示されたツイステッドネマチック(Twisted Nematic)モードが広く用いられている。一方最近では、横方向電界を利用したインプレインスイッチング(In−Plain Switching)モードや垂直配向(Vertical Alignment)モードを用いた液晶ディスプレイが発表されており、従来型の液晶ディスプレイの欠点であった視野角特性の改善がなされている。このように、こうしたネマティック液晶を用いたTFT表示素子に用いるための液晶モードとしていくつかのモードが存在するのであるが、そのいずれのモードの場合にも液晶の応答速度が数十ミリ秒以上と遅く、更なる応答速度の改善が要求されている。
【0003】
このような従来型のネマティック液晶素子の応答速度を改善するものとして、近年、カイラルスメクチック相を示す液晶を用いた液晶モードがいくつか提案されている。例えば、「ショートピッチタイプの強誘電性液晶」、「高分子安定型強誘電性液晶」、「無閾反強誘電性液晶」などが提案されており、未だ実用化には至っていないものの、いずれもサブミリ秒以下の高速応答性が実現できると報告されている。
【0004】
一方、我々は特願平10−177145号明細書に記載されている素子(以下「先願1」と記載)を発明し提案している。当該発明では、例えば、高温側より等方性液体相 (ISO.)−コレステリック相 (Ch)−カイラルスメクチックC相 又は等方性液体相 (ISO.)−カイラルスメクチックC相を示す相系列の材料に着目し、仮想コーンのエッジより内側の位置にて単安定化させるようにしている。そして例えば、Ch−SmC*相転移の際、又は等方相−SmC*相転移の際に一対の基板間に正負いずれかのDC電圧を印加する、などによって層方向を一方向に均一化させ、これにより高速応答且つ階調制御が可能であり、動画質に優れた高輝度の液晶素子が、高い量産性とともに実現しうる。そして先願の素子は上述の各種スメクチック液晶モードと比較して自発分極値を小さくする事ができることからTFT等のアクティブ素子とのマッチングがよい素子となっている。
【0005】
同様に、我々は特開2000−010076号公報に記載されている素子(以下「先願2」と記載)を発明し提案している。当該発明では、例えば、高温側より等方性液体相 (ISO.)−コレステリック相 (Ch)−カイラルスメクチックC相 又は等方性液体相 (ISO.)−カイラルスメクチックC相を示す相系列の材料に着目し、仮想コーンエッジの位置にて単安定化させるようにしている。そして例えば、Ch−SmC*相転移の際、又は等方相−SmC*相転移の際に一対の基板間に正負いずれかのDC電圧を印加する、などによって層方向を一方向に均一化させ、これにより高速応答且つ階調制御が可能であり、動画質に優れた高輝度の液晶素子が、高い量産性とともに実現しうる。また先願2の素子はヒステリシスが小さく安定な中間調表示が実現でき、かつ上述した他の各種スメクチック液晶モードと比較して自発分極値を小さくする事ができることからTFT等のアクティブ素子とのマッチングがよい素子となっている。
【0006】
更に、我々は特願平11−84639号明細書に記載されている素子(以下「先願3」と記載)を発明し提案している。当該発明では、先願1または2の配向制御方法として、配向規制力を適宜調整することによりストライプ状の配向状態を形成させ、それにより高コントラストが得られる素子が実現できている。
【0007】
以上述べたように、従来ネマティック液晶を用いたTFT液晶ディスプレイが抱えていた応答速度に関する問題点を解決できるという意味において、カイラルスメクティック液晶、特に先願1〜3の液晶素子を用いた液晶表示素子の実現が期待されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した先願1〜3の液晶素子は、高速応答や階調表示が可能であることから次世代のディスプレイとして大いに期待されるものであるが、連続駆動したような場合には液晶の特性(電圧−透過率特性)が次第に変化してしまい、表示焼き付きが発生してしまうという問題があった。
【0009】
上述のような電圧−透過率特性の変化は、従来型SSFLCにおいても見られるものであって、不純物イオンの偏在や配向変化等の観点から各方面で検討されてきたものであるが、SSFLC以外の強誘電性液晶モード、特にTFT駆動型強誘電性液晶モードのものに関してはほとんど検討されていないのが実情である。
【0010】
そこで、単安定強誘電性液晶モードにおける特性変化について本発明者が鋭意検討したところ、TFT駆動を駆動した場合に液晶素子の非対称駆動及び、液晶素子の非対称構成、液晶素子の駆動による非対称性等を原因として内部電界に偏り(直流成分)が生じることが原因であることが分かった。本発明はこのような直流成分の蓄積を抑制するためのものである。
【0011】
そこで、本発明は、そのような電圧−透過率特性の変化を抑制する液晶素子、及びその駆動方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、所定間隙を開けた状態に配置された一対の基板と、これら一対の基板の間隙に配置されたカイラルスメクチック液晶と、複数の画素を構成すると共に該カイラルスメクチック液晶を挟み込むように配置された一対の電極と、これらの画素毎に配置された複数のアクティブ素子と、を備え、前記一対の電極を介して前記カイラルスメクチック液晶に電圧を印加することにより駆動してなる液晶素子において、
前記カイラルスメクチック液晶は、電圧が印加されていない状態では前記液晶の平均分子軸が単安定化されている配向状態を示し、
第一の極性の電圧が印加された状態では液晶分子の平均分子軸が電圧の大きさに応じた角度で前記単安定化された位置から一方の側にチルトする第一領域と、第二の極性の電圧が印加された状態では液晶分子の平均分子軸が電圧の大きさに応じた角度で前記単安定化された位置から他方の側にチルトする第二領域と、が互いに隣接するように配置され、かつ、
前記第一領域及び前記第二領域は、表示階調に応じた電圧と、前記液晶に直流成分が蓄積されないような補正電圧分を加味した電圧と、が順次印加されて駆動される、ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図8を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
本実施の形態にて駆動される液晶素子Pは、図1に示すように、所定間隙を開けた状態に配置された一対の基板1a,1bと、これら一対の基板1a,1bの間隙に配置されたカイラルスメクチック液晶2と、複数の画素を構成すると共に該カイラルスメクチック液晶2を挟み込むように配置された一対の電極3a,3bと、これらの一対の電極のいずれか一方3bに接続された状態で画素毎に配置された複数のアクティブ素子4と、を備えており、該アクティブ素子4をオンすることに基づき前記一対の電極3a,3bを介して前記カイラルスメクチック液晶2に電圧を印加することにより駆動されるように構成されている。なお、少なくとも一方の基板3a又は3bには偏光板を配置しておくと良い。
【0015】
ここで、カイラルスメクチック液晶2としては、高温側より、等方性液体相 (ISO.)−コレステリック相 (Ch)−カイラルスメクチックC相 又は等方性液体相 (ISO.)−カイラルスメクチックC相の相転移系列を示す液晶を用いると良い。
【0016】
ところで、本実施例に係る液晶素子Pは、印加される電圧に応じて異なる挙動を示す2種類の領域D1,D2を有している(図2〜図5参照)。
【0017】
第一領域D1は、
・ 電圧が印加されていない状態では前記液晶の平均分子軸(液晶分子)が単安定化されている配向状態を示し、
・ 第一の極性(例えば正極性)の電圧が印加された状態では液晶分子の平均分子軸が電圧の大きさに応じた角度で前記単安定化された位置から一方の側にチルトし、
・ 第二の極性(前記第一の極性に対する逆極性をいう。例えば負極性)の電圧が印加された状態では液晶分子の平均分子軸はほとんどチルトしない、
という特性を示し、第二領域D2は、
・ 電圧が印加されていない状態では前記液晶の平均分子軸(液晶分子)が単安定化されている配向状態を示し、
・ 前記第二の極性の電圧が印加された状態では液晶分子の平均分子軸が電圧の大きさに応じた角度で前記単安定化された位置から他方の側にチルトし、
・ 前記第一の極性の電圧が印加された状態では液晶分子の平均分子軸はほとんどチルトしない、
する特性を有する。
【0018】
つまり、本実施の形態に用いる液晶2は、一方の領域D1又はD2では図6の特性を示し、他方の領域D2又はD1では図7の特性を示すようになっている。この液晶は、カイラルスメクチック液晶本来のメモリ性(双安定性)が消失されたものであって、チルト角の大きさを印加電圧によって連続的に制御することができ、それに伴って液晶素子の光量も連続的に変化させることができ、階調表示を可能とするものである。
【0019】
そして、これらの第一及び第二領域D1,D2は互いに隣接するように配置されている。例えば、
・ 図2及び図5に示すように、1つの画素を第一領域D1とし、該第一領域D1に隣接されるように配置された画素を第二領域D2としたり、
・ 図3に示すように、互いに隣接される複数の画素を第一領域D1とし、該第一領域D1に隣接される複数の画素を第二領域D2としたり、
・ 図4に示すように、例えば1本のゲート線Giに沿うなどして一列に配置された画素を第一領域D1とし、該第一領域D1に隣接されるように一列に配置された画素を第二領域D2としたり、
されている。
【0020】
このような領域D1,D2を形成する方法としては、
▲1▼ Ch−SmC*相転移の際(又はI相−SmC*相転移の際)に印加する直流電圧の印加条件(例えば、極性)を領域D1,D2に応じて異ならせる方法や、
▲2▼ 配向制御膜の材質を領域D1,D2に応じて異ならせる方法や、
▲3▼ 配向制御膜の処理法(ラビング強度、UV照射等の条件)を領域D1,D2に応じて異ならせる方法、
を挙げることができる。
【0021】
ところで、上述のような液晶素子Pには、図8に符号5で示すように駆動電圧供給手段を接続し、電極3a,3bに電圧R41,R42,G41,G42,B41,B42を供給するようにすると良い。なお、この駆動電圧供給手段5は、第一領域D1に関しては、
・ 表示階調と補正電圧分との関係のデータをメモリしていると共に、
・ 表示階調「入力(write)」に応じた大きさの第1電圧から前記補正電圧分(階調が「出力(reset)」になるような電圧分)を算出し、
・ 表示階調に応じた大きさの第1電圧R41,G41,B41と、前記液晶素子Pに直流成分が蓄積されないように前記第1電圧の絶対値に補正電圧分(つまり、表示階調レベルに応じたオフセット量)を加えた絶対値を有する第2電圧R42,G42,B42と、を前記液晶素子Pの各電極3a,3bを介して前記カイラルスメクチック液晶2に順次印加し、
他方の第二領域D2に関しては、
・ 表示階調と補正電圧分との関係のデータをメモリしていると共に、
・ 表示階調「入力(write)」に応じた大きさの第2電圧から前記補正電圧分(階調が「出力(reset)」になるような電圧分)を算出し、
・ 表示階調に応じた大きさの第2電圧R41,G41,B41と、前記液晶素子Pに直流成分が蓄積されないように前記第2電圧の絶対値に補正電圧分(つまり、表示階調レベルに応じたオフセット量)を加えた絶対値を有する第1電圧R42,G42,B42と、を前記液晶素子Pの各電極3a,3bを介して前記カイラルスメクチック液晶2に順次印加する、
ようにしておくと良い。
【0022】
次に、本実施の形態に係る液晶素子の駆動方法について説明する。
【0023】
上述のようなアクティブマトリクス型液晶素子では、一般的に、1つのフィールド期間では第一の極性の電圧を素子全体に印加し、次のフィールド期間では第二の極性の電圧を素子全面に印加するというフレーム反転駆動が行われる。しかし、本発明に係る液晶素子においてそのようなフレーム反転駆動を行った場合、
・ 第一の極性の電圧を印加しているフィールド期間では、第一領域D1は大きくチルトして明表示を行うが第二領域D2はほとんどチルトせずに暗表示を行い、
・ 第二の極性の電圧を印加しているフィールド期間では、第二領域D2は大きくチルトして明表示を行うが第一領域D1はほとんどチルトせずに暗表示を行う。
【0024】
つまり、いずれのフィールド期間においても第一領域D1又は第二領域D2のいずれかが明表示を行っており、CRTと同様なインパルス表示することにはならず(いわゆるホールド表示になってしまい)、良好な動画質を得ることができない。
【0025】
そこで、本発明では、前記第一領域D1に第一の極性の電圧(第1電圧)を印加するときには前記第二領域D2に第二の極性の電圧(第2電圧)を印加し、前記第一領域D1に第二の極性の電圧(第2電圧)を印加するときには前記第二領域D2に第一の極性の電圧(第1電圧)を印加するようにして駆動する。第一領域D1に第一の極性の電圧が印加され第二領域D2に第二の極性の電圧が印加されている場合には素子全体で明表示が行われ、第一領域D1に第二の極性の電圧が印加され第二領域D2に第一の極性の電圧が印加されている場合には素子全体で暗表示が行われるため、インパルス表示を達成でき、動画質を良好にすることができる。
【0026】
具体的には、次のような方法で駆動すれば良い。すなわち、
・ 図2や図5に示すように、1つの画素を第一領域D1とし、該第一領域D1に隣接されるように配置された画素を第二領域D2としている場合には、1画素毎に正負の極性を変化させて電圧を印加し(いわゆるドット反転駆動)、
・ 図3に示すように、互いに隣接される複数の画素を第一領域D1とし、該第一領域D1に隣接される複数の画素を第二領域D2としている場合には、領域毎に正負の極性を変化させて電圧を印加し、
・ 図4に示すように、例えば1本のゲート線Giに沿うなどして一列に配置された画素を第一領域D1とし、該第一領域D1に隣接されるように一列に配置された画素を第二領域D2としている場合には、1ゲート線毎に正負の極性を変化させて電圧を印加(いわゆるライン反転駆動)、
すれば良い。
【0027】
なお、本実施の形態においては、第一領域D1に印加する第一の極性の電圧と第二の極性の電圧とは等しくせず(つまり、非対称駆動とし)、第二領域D2に印加する第一の極性の電圧と第二の極性の電圧とは等しくしない(同様に、非対称駆動をする)。以下、その点について詳述する。
【0028】
第一領域D1においては、前記駆動電圧供給手段5によって前記第1電圧(すなわち、表示階調に応じた大きさの電圧であって、液晶2を大きくチルトさせて画像表示を行うための電圧)と、前記第2電圧(すなわち、その第2電圧の絶対値は、前記第1電圧の絶対値に前記補正電圧分を加算したものであって、前記液晶素子Pに直流成分が蓄積されないようにするために印加される電圧)と、を前記一対の電極3a,3bを介して前記カイラルスメクチック液晶2に順次印加する。これにより、第1電圧が印加されている期間は液晶2が大きくチルトされ(すなわち、表示され)、第2電圧が印加されている期間は液晶2が小さくチルトされる(すなわち、ほとんど表示されない)こととなる。
【0029】
他方の第二領域D2においては、前記駆動電圧供給手段5によって前記第2電圧(すなわち、表示階調に応じた大きさの電圧であって、液晶2を大きくチルトさせて画像表示を行うための電圧)と、前記第1電圧(すなわち、その第1電圧の絶対値は、前記第2電圧の絶対値に前記補正電圧分を加算したものであって、前記液晶素子Pに直流成分が蓄積されないようにするために印加される電圧)と、を前記一対の電極3a,3bを介して前記カイラルスメクチック液晶2に順次印加する。これにより、第2電圧が印加されている期間は液晶2が大きくチルトされ(すなわち、表示され)、第1電圧が印加されている期間は液晶2が小さくチルトされる(すなわち、ほとんど表示されない)こととなる。
【0030】
ここで、前記補正電圧分について補足する。
【0031】
上述したように、第一領域D1に関しては、第1電圧は表示階調に応じた大きさにする必要があるが、相前後して印加される第1電圧と第2電圧の絶対値を等しくした場合には液晶素子に直流成分が蓄積されることとなる。本実施の形態では、そのような直流成分が蓄積されないように、前記第1電圧(絶対値)に補正電圧分を加えて第2電圧(絶対値)を生成している。つまり、非対称駆動電圧値は実効的に、液晶層ならびに配向膜を含む液晶素子内部に印加される電圧値が、実使用時において、書き込みフィールド期間(前記第1電圧を印加する期間)と、リセットフィールド期間(前記第2電圧を印加する期間)とで等しくなるべくオフセット(リセットフィールド期間を調整・書き込みフィールド期間を調整・対向電位を振って概ね)をかけるようにしている。
【0032】
また、第二領域D2に関しては、第2電圧は表示階調に応じた大きさにする必要があるが、相前後して印加される第2電圧と第1電圧の絶対値を等しくした場合には液晶素子に直流成分が蓄積されることとなる。本実施の形態では、そのような直流成分が蓄積されないように、前記第2電圧(絶対値)に補正電圧分を加えて第1電圧(絶対値)を生成している。つまり、非対称駆動電圧値は実効的に、液晶層ならびに配向膜を含む液晶素子内部に印加される電圧値が、実使用時において、書き込みフィールド期間(前記第2電圧を印加する期間)と、リセットフィールド期間(前記第1電圧を印加する期間)とで等しくなるべくオフセット(リセットフィールド期間を調整・書き込みフィールド期間を調整・対向電位を振って概ね)をかけるようにしている。
【0033】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0034】
本実施の形態によれば、いずれの領域D1,D2においても、直流成分が蓄積されないような補正電圧分が印加されるため、連続駆動した場合においても液晶の特性(電圧−透過率特性)の変動を低減し、表示焼き付きの発生を抑制することができる。
【0035】
また、本実施の形態では、上述のような第一領域D1及び第二領域D2を、互いに隣接するように配置している。したがって、仮に、液晶に直流成分が蓄積された場合であっても、その表示焼き付きを目立たないようにすることができる。つまり、パネルの大判化や、TFTアレイの性能、対向基板に対する電荷の供給能力によって、パネル面内において、実効的にかかる駆動電圧がばらついた事で発生した焼き付き現象も、隣接または、近接する表示画素において逆方向に焼き付きが発生する事となり、その結果として、人間の網膜上において、焼付き現象がキャンセルされ、特に人間の視認において特に焼き付き問題を解決した信頼性の高い表示をすることが可能となる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
【0037】
(実施例1)
本実施例においては、液晶パネル(液晶素子)Pとして図1及び図9に示すアクティブマトリクス型パネルを用い、その液晶2には図6に示す電圧−透過率特性の片側V字液晶を用いた。なお、図1中の符号4は、各画素に配置されるアクティブ素子としてのTFT(薄膜トランジスタ)を示し、符号25は絶縁膜を示し、符号26a,26bは配向制御膜を示し、符号27は保持容量電極を示す。また、図9の符号S1,S2,S3,…は、TFT4のソース電極に接続される情報信号線を示し、符号G1,G2,G3,…は、TFT4のゲート電極に接続される走査信号線を示し、符号20は、各走査信号線G1,G2,G3,…を走査する走査信号線駆動回路を示し、符号21は、各情報信号線S1,S2,S3,…にソース電圧を供給する情報信号線駆動回路を示す。そして、この液晶パネルPには図8に示すようにA/D変換器31R,31G,31Bやγ補正回路32R,32G,32Bやオフセットデータ生成回路(駆動電圧供給手段)5等を接続して液晶装置を構成した。
【0038】
この液晶パネルPでは、走査信号線駆動回路20が各走査信号線G1,G2,G3,…を順次走査すると、TFT4はゲート電極にゲート電圧が印加されてオンされることとなる。このような走査タイミングに同期するように、情報信号線駆動回路21から各情報信号線S1,S2,S3,…を介してTFT4のソース電極には、表示データに対応した情報信号電圧(ソース電圧)が印加されることとなる。
【0039】
上述した液晶パネルPを駆動するに際しては、各フレーム期間において、
・ 第一領域D1の部分の画素には、その表示階調に応じた値の正極性の表示信号(第1電圧)R41,G41,B41と、補正電圧分を加味した負極性のリセット信号(第2電圧)R42,G42,B42とを順次印加し、
・ 第二領域D2の部分の画素には、その表示階調に応じた値の負極性の表示信号(第2電圧)R41,G41,B41と、補正電圧分を加味した正極性のリセット信号(第1電圧)R42,G42,B42とを順次印加した。以下、液晶パネルの駆動方法について図8等を参照して説明する。
【0040】
いま、入力端子30Rに入力された赤色画像信号(以下“R信号”とする)R1は、A/D変換器31Rにてデジタル信号R2に変換され、γ補正回路32Rにて補正された後で、オフセットデータ生成回路5に送られる。このオフセットデータ生成回路5は、データを記憶したオフセットデータテーブルを有すると共に、メモリ33に接続されていて、γ補正回路32RからのR信号R3を、
・ メモリ33に蓄積される表示信号R41と、
・ 補正されたリセット信号R42と、
に分けるようになっている。例えば、オフセットデータ生成回路5に入力されるR信号R3の階調レベルが255であった場合、
・ 表示信号R41にはその階調レベル(つまり、255の階調レベル)の信号が用いられ、
・ リセット信号R42には図10のデータに基いて補正された信号(すなわち、入力(write)が255階調であるため、出力(reset)は図12に示すように215階調となる)が用いられる。
【0041】
なお、入力端子30Gには緑色画像信号(以下“G信号”とする)が入力され、入力端子30Bには青色画像信号(以下“B信号”とする)が入力されるが、これらのG信号及びB信号もA/D変換器31G,31Bやγ補正回路32G,32Bやオフセットデータ生成回路5によって上記R信号と同様の処理が施され、表示信号G41,B41及びリセット信号G42,B42が生成される。なお、このような信号生成は、第一領域D1及び第二領域D2についてそれぞれ行われる。
【0042】
そして、RGB3色の表示信号R41,G41,B41及びリセット信号R42,G42,B42は液晶パネルPに入力され、そのドライバICにてアナログ信号に変換される。
【0043】
ところで、入力端子30Fに入力された同期信号F−Syncは、オフセットデータ生成回路5にて同期分離された上で、液晶パネルPと光源ユニット34とにそれぞれ送られるが、上述のようにアナログ信号に変換された表示信号及びリセット信号は同期信号F−Syncのタイミングに基づいて順次各画素に送られることとなる。また、光源ユニット34は、同期信号F−Syncに基き点灯され、これにより、液晶パネルの画像がフルカラー画像として認識されることとなる。
【0044】
図10は、片側V字液晶を使用し、D1領域にて非対称駆動を行った際に、液晶パネルの電圧―透過率特性が安定した系の、情報信号の入力レベルでの直流成分印加量を示す図である。つまり、図10は、表示信号を印加して表示しようとする階調(横軸)と、リセット信号に補正すべき直流成分(縦軸)との関係を示したものであり、このようなデータはオフセットデータ生成回路5にメモリされている。
【0045】
なお、本発明者は、15インチの液晶パネルPに所定のパターン画像を5時間連続表示させて焼付き耐久試験を行った。従来のフレーム反転駆動方式の場合にはパネル周辺部分で表示焼き付き現象が観測されたにもかかわらず、上述の駆動方式では、表示焼き付き現象は全く観測されなかった。つまり、▲1▼外部入力としての非対称駆動によって、パネルのほぼ全域にわたり内部的にはDC成分がまったく発生せず、DC成分が発生した事による電圧−透過率特性のシフトが無く安定状態が保たれ、▲2▼パネル周辺部のフレーム反転駆動方式において焼付きが発生した領域においては、一様な方向に対しDC成分が発生しているため、各D1領域及びD2領域において図6及び図7に示す様な特性を示す事から、図14に示されるように、観察時において、空間的に互いに補間し合う関係に焼付き現象がそれぞれ発生することになり、人間が表示パネルを観察した際には焼付き現象を感じることはない。すなわち、結果として、焼き付き現象に対する信頼性が大きく向上したものと考えられる。
【0046】
(実施例2)
実施例1では、内部的に蓄積される直流成分が第一領域D1と第二領域D2で等しいとして、その直流成分除去のための駆動を行ったが、本実施例では、該直流成分が第一領域D1と第二領域D2で異なるとして、異なるデータ(図11、図13参照)を用い、その直流成分除去のための駆動を行っている。なお、図11に示すものと図13に示すものである。図11は、第一領域D1及び第二領域D2のそれぞれにつき、表示信号を印加して表示しようとする階調(横軸)と、リセット信号に補正すべき直流成分(縦軸)との関係を示したものであり、図13は、
・ 表示しようとする階調と実際に出力する階調(write)、
・ 表示しようとする階調と、リセット時に第一領域D1に出力する値、
・ 表示しようとする階調と、リセット時に第二領域D2に出力する値、
を示したものである。
【0047】
本実施例では、実施例1と同じ片側V字液晶を用いて図1及び図9に示すアクティブマトリクス型液晶パネルPを作製し、図8に示す液晶装置を作製した。使用するデータ以外の構成は、実施例1と同じにした。
【0048】
上述した液晶パネルPを駆動するに際しては、各フレーム期間において、
・ 第一領域D1の部分の画素には、その表示階調に応じた値の正極性の表示信号(第1電圧)R41,G41,B41と、補正電圧分を加味した負極性のリセット信号(第2電圧)R42,G42,B42とを順次印加し、
・ 第二領域D2の部分の画素には、その表示階調に応じた値の負極性の表示信号(第2電圧)R41,G41,B41と、補正電圧分を加味した正極性のリセット信号(第1電圧)R42,G42,B42とを順次印加した。なお、上述のように補正電圧分は、第一領域D1と第二領域D2とで異なる。以下、液晶パネルの駆動方法について図8等を参照して説明する。
【0049】
いま、入力端子30Rに入力された赤色画像信号(以下“R信号”とする)R1は、A/D変換器31Rにてデジタル信号R2に変換され、γ補正回路32Rにて補正された後で、オフセットデータ生成回路5に送られる。このオフセットデータ生成回路5は、データを記憶したオフセットデータテーブルを有すると共に、メモリ33に接続されていて、γ補正回路32RからのR信号R3を、
・ メモリ33に蓄積される表示信号R41と、
・ 補正されたリセット信号R42と、
に分けるようになっている。例えば、オフセットデータ生成回路5に入力されるR信号R3の階調レベルが255であった場合、第一領域D1においては、
・ 表示信号R41にはその階調レベル(つまり、255の階調レベル)の信号が用いられ、
・ リセット信号R42には図11の“■”のデータに基いて補正された信号(すなわち、入力(write)が255階調であるため、出力(reset)は図13の“△”に示すように215階調となる)が用いられる。他方の第二領域D2においては、
・ 表示信号R41にはその階調レベル(つまり、255の階調レベル)の信号が用いられ、
・ リセット信号R42には図11の“△”のデータに基いて補正された信号(すなわち、入力(write)が255階調であるため、出力(reset)は図13の“×”に示すように215階調となる)が用いられる。
【0050】
この場合、リセット信号は第一領域D1及び第二領域D2で等しいが、オフセットデータ生成回路5に入力されるR信号R3の階調レベルが他の数値であった場合には違いが生ずる。すなわち、R信号R3の階調レベルが130であった場合、第一領域D1においては、
・ 表示信号R41にはその階調レベル(つまり、130の階調レベル)の信号が用いられ、
・ リセット信号R42には図11の“■”のデータに基いて補正された信号(すなわち、入力(write)が130階調であるため、出力(reset)は図13の“△”に示すように97階調となる)が用いられる。他方の第二領域D2においては、
・ 表示信号R41にはその階調レベル(つまり、130の階調レベル)の信号が用いられ、
・ リセット信号R42には図11の“△”のデータに基いて補正された信号(すなわち、入力(write)が255階調であるため、出力(reset)は図13の“×”に示すように105階調となる)が用いられる。
【0051】
なお、入力端子30Gには緑色画像信号(以下“G信号”とする)が入力され、入力端子30Bには青色画像信号(以下“B信号”とする)が入力されるが、これらのG信号及びB信号もA/D変換器31G,31Bやγ補正回路32G,32Bやオフセットデータ生成回路5によって上記R信号と同様の処理が施され、表示信号G41,B41及びリセット信号G42,B42が生成される。
【0052】
そして、RGB3色の表示信号R41,G41,B41及びリセット信号R42,G42,B42は液晶パネルPに入力され、そのドライバICにてアナログ信号に変換される。
【0053】
ところで、入力端子30Fに入力された同期信号F−Syncは、オフセットデータ生成回路5にて同期分離された上で、液晶パネルPと光源ユニット34とにそれぞれ送られるが、上述のようにアナログ信号に変換された表示信号及びリセット信号は同期信号F−Syncのタイミングに基づいて順次各画素に送られることとなる。また、光源ユニット34は、同期信号F−Syncに基き点灯され、これにより、液晶パネルの画像がフルカラー画像として認識されることとなる。
【0054】
また、図2に示す構成にした場合は、一ピクセルに対応すべく、3H毎に極性反転をする必要があり、図4に示す構成にした場合には、ゲート線Gi毎にライン反転駆動を行う必要がある。
【0055】
なお、本発明者は、情報信号の入力段でのDC成分印加を最大±5Vとして、液晶パネルPに所定のパターン画像を5時間連続表示させて焼付き耐久試験を行ない、その後、一様各中間調を表示し、焼き付き状態の確認を行った。その結果、パネルの表示領域全面に渡って、焼付き現象は観測されなかった。つまり、一サブピクセル毎や、一ピクセル毎に極性反転(いわゆるドット反転)させた場合と同様に、実際には、パネル周辺部において発生している焼付き現象が、人間の目の分解能を越えた空間周波数で繰り返されている為、網膜上においてキャンセルされる事となりパネルを観察した際には焼付き現象を感じることはなく、焼き付き現象に対し信頼性の高い表示を実現できた。
【0056】
本実施例1・2においては、非対称駆動データ処理の大半をパネルの外部で行い、さらに画像データの段階である256デジタル信号の状態で行ったが、例えば情報信号用ボード内、リファレンス電圧を変調することで処理させても何ら問題は無く、さらには、よりハイビットな例えば10bitデジタル信号として処理する事でより精密な制御を行う事も可能である。
【0057】
最後に本実施例においては、オフセットデータ生成をデジタル処理しているが、アナログ処理する事も可能であり、液晶のγ補正処理を施す、リファレンス電圧生成回路で一括した補正をする事も何ら問題は無く、目指すべき製品のスペック及びコストの兼ね合いで使い分ける必要がある。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、連続駆動した場合においても液晶の特性(電圧−透過率特性)の変動を低減し、表示焼き付きの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶素子の構造の一例を示す断面図。
【図2】第一領域D1及び第二領域D2の配置関係の一例を示す図。
【図3】第一領域D1及び第二領域D2の配置関係の一例を示す図。
【図4】第一領域D1及び第二領域D2の配置関係の一例を示す図。
【図5】第一領域D1及び第二領域D2の配置関係の一例を示す図。
【図6】片側V字液晶の電圧−透過率特性を示す特性図。
【図7】片側V字液晶の電圧−透過率特性を示す特性図。
【図8】本発明が適用されて駆動される液晶装置の構造を示すブロック図。
【図9】本発明が適用されて駆動される液晶パネルの構造を示す回路図。
【図10】表示階調と補正電圧分との関係を示す図。
【図11】表示階調と補正電圧分との関係を示す図。
【図12】表示階調とリセット信号の階調との関係等を示す特性図。
【図13】表示階調とリセット信号の階調との関係等を示す特性図。
【図14】本発明の効果を説明するための模式図。
【符号の説明】
1a,1b 基板
2 カイラルスメクチック液晶
3a,3b 電極
4 TFT(アクティブ素子)
5 オフセットデータ生成回路
D1 第一領域
D2 第二領域
P 液晶パネル(液晶素子)
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットパネルディスプレイ、プロジェクションディスプレイ等に用いられる液晶素子の駆動方法、及び液晶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、TFT(Thin Film Transistor)等のアクティブ素子を用いた表示素子として広範に用いられているネマティック液晶表示素子の代表的な液晶モードとして、たとえばエム・シャット(M.Schadt)とダブリュー・ヘルフリッヒ(W.Helfrich)著Applied Physics Letters第18巻、第4号(1971年2月15日発行)第127頁から128頁において示されたツイステッドネマチック(Twisted Nematic)モードが広く用いられている。一方最近では、横方向電界を利用したインプレインスイッチング(In−Plain Switching)モードや垂直配向(Vertical Alignment)モードを用いた液晶ディスプレイが発表されており、従来型の液晶ディスプレイの欠点であった視野角特性の改善がなされている。このように、こうしたネマティック液晶を用いたTFT表示素子に用いるための液晶モードとしていくつかのモードが存在するのであるが、そのいずれのモードの場合にも液晶の応答速度が数十ミリ秒以上と遅く、更なる応答速度の改善が要求されている。
【0003】
このような従来型のネマティック液晶素子の応答速度を改善するものとして、近年、カイラルスメクチック相を示す液晶を用いた液晶モードがいくつか提案されている。例えば、「ショートピッチタイプの強誘電性液晶」、「高分子安定型強誘電性液晶」、「無閾反強誘電性液晶」などが提案されており、未だ実用化には至っていないものの、いずれもサブミリ秒以下の高速応答性が実現できると報告されている。
【0004】
一方、我々は特願平10−177145号明細書に記載されている素子(以下「先願1」と記載)を発明し提案している。当該発明では、例えば、高温側より等方性液体相 (ISO.)−コレステリック相 (Ch)−カイラルスメクチックC相 又は等方性液体相 (ISO.)−カイラルスメクチックC相を示す相系列の材料に着目し、仮想コーンのエッジより内側の位置にて単安定化させるようにしている。そして例えば、Ch−SmC*相転移の際、又は等方相−SmC*相転移の際に一対の基板間に正負いずれかのDC電圧を印加する、などによって層方向を一方向に均一化させ、これにより高速応答且つ階調制御が可能であり、動画質に優れた高輝度の液晶素子が、高い量産性とともに実現しうる。そして先願の素子は上述の各種スメクチック液晶モードと比較して自発分極値を小さくする事ができることからTFT等のアクティブ素子とのマッチングがよい素子となっている。
【0005】
同様に、我々は特開2000−010076号公報に記載されている素子(以下「先願2」と記載)を発明し提案している。当該発明では、例えば、高温側より等方性液体相 (ISO.)−コレステリック相 (Ch)−カイラルスメクチックC相 又は等方性液体相 (ISO.)−カイラルスメクチックC相を示す相系列の材料に着目し、仮想コーンエッジの位置にて単安定化させるようにしている。そして例えば、Ch−SmC*相転移の際、又は等方相−SmC*相転移の際に一対の基板間に正負いずれかのDC電圧を印加する、などによって層方向を一方向に均一化させ、これにより高速応答且つ階調制御が可能であり、動画質に優れた高輝度の液晶素子が、高い量産性とともに実現しうる。また先願2の素子はヒステリシスが小さく安定な中間調表示が実現でき、かつ上述した他の各種スメクチック液晶モードと比較して自発分極値を小さくする事ができることからTFT等のアクティブ素子とのマッチングがよい素子となっている。
【0006】
更に、我々は特願平11−84639号明細書に記載されている素子(以下「先願3」と記載)を発明し提案している。当該発明では、先願1または2の配向制御方法として、配向規制力を適宜調整することによりストライプ状の配向状態を形成させ、それにより高コントラストが得られる素子が実現できている。
【0007】
以上述べたように、従来ネマティック液晶を用いたTFT液晶ディスプレイが抱えていた応答速度に関する問題点を解決できるという意味において、カイラルスメクティック液晶、特に先願1〜3の液晶素子を用いた液晶表示素子の実現が期待されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した先願1〜3の液晶素子は、高速応答や階調表示が可能であることから次世代のディスプレイとして大いに期待されるものであるが、連続駆動したような場合には液晶の特性(電圧−透過率特性)が次第に変化してしまい、表示焼き付きが発生してしまうという問題があった。
【0009】
上述のような電圧−透過率特性の変化は、従来型SSFLCにおいても見られるものであって、不純物イオンの偏在や配向変化等の観点から各方面で検討されてきたものであるが、SSFLC以外の強誘電性液晶モード、特にTFT駆動型強誘電性液晶モードのものに関してはほとんど検討されていないのが実情である。
【0010】
そこで、単安定強誘電性液晶モードにおける特性変化について本発明者が鋭意検討したところ、TFT駆動を駆動した場合に液晶素子の非対称駆動及び、液晶素子の非対称構成、液晶素子の駆動による非対称性等を原因として内部電界に偏り(直流成分)が生じることが原因であることが分かった。本発明はこのような直流成分の蓄積を抑制するためのものである。
【0011】
そこで、本発明は、そのような電圧−透過率特性の変化を抑制する液晶素子、及びその駆動方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、所定間隙を開けた状態に配置された一対の基板と、これら一対の基板の間隙に配置されたカイラルスメクチック液晶と、複数の画素を構成すると共に該カイラルスメクチック液晶を挟み込むように配置された一対の電極と、これらの画素毎に配置された複数のアクティブ素子と、を備え、前記一対の電極を介して前記カイラルスメクチック液晶に電圧を印加することにより駆動してなる液晶素子において、
前記カイラルスメクチック液晶は、電圧が印加されていない状態では前記液晶の平均分子軸が単安定化されている配向状態を示し、
第一の極性の電圧が印加された状態では液晶分子の平均分子軸が電圧の大きさに応じた角度で前記単安定化された位置から一方の側にチルトする第一領域と、第二の極性の電圧が印加された状態では液晶分子の平均分子軸が電圧の大きさに応じた角度で前記単安定化された位置から他方の側にチルトする第二領域と、が互いに隣接するように配置され、かつ、
前記第一領域及び前記第二領域は、表示階調に応じた電圧と、前記液晶に直流成分が蓄積されないような補正電圧分を加味した電圧と、が順次印加されて駆動される、ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図8を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
本実施の形態にて駆動される液晶素子Pは、図1に示すように、所定間隙を開けた状態に配置された一対の基板1a,1bと、これら一対の基板1a,1bの間隙に配置されたカイラルスメクチック液晶2と、複数の画素を構成すると共に該カイラルスメクチック液晶2を挟み込むように配置された一対の電極3a,3bと、これらの一対の電極のいずれか一方3bに接続された状態で画素毎に配置された複数のアクティブ素子4と、を備えており、該アクティブ素子4をオンすることに基づき前記一対の電極3a,3bを介して前記カイラルスメクチック液晶2に電圧を印加することにより駆動されるように構成されている。なお、少なくとも一方の基板3a又は3bには偏光板を配置しておくと良い。
【0015】
ここで、カイラルスメクチック液晶2としては、高温側より、等方性液体相 (ISO.)−コレステリック相 (Ch)−カイラルスメクチックC相 又は等方性液体相 (ISO.)−カイラルスメクチックC相の相転移系列を示す液晶を用いると良い。
【0016】
ところで、本実施例に係る液晶素子Pは、印加される電圧に応じて異なる挙動を示す2種類の領域D1,D2を有している(図2〜図5参照)。
【0017】
第一領域D1は、
・ 電圧が印加されていない状態では前記液晶の平均分子軸(液晶分子)が単安定化されている配向状態を示し、
・ 第一の極性(例えば正極性)の電圧が印加された状態では液晶分子の平均分子軸が電圧の大きさに応じた角度で前記単安定化された位置から一方の側にチルトし、
・ 第二の極性(前記第一の極性に対する逆極性をいう。例えば負極性)の電圧が印加された状態では液晶分子の平均分子軸はほとんどチルトしない、
という特性を示し、第二領域D2は、
・ 電圧が印加されていない状態では前記液晶の平均分子軸(液晶分子)が単安定化されている配向状態を示し、
・ 前記第二の極性の電圧が印加された状態では液晶分子の平均分子軸が電圧の大きさに応じた角度で前記単安定化された位置から他方の側にチルトし、
・ 前記第一の極性の電圧が印加された状態では液晶分子の平均分子軸はほとんどチルトしない、
する特性を有する。
【0018】
つまり、本実施の形態に用いる液晶2は、一方の領域D1又はD2では図6の特性を示し、他方の領域D2又はD1では図7の特性を示すようになっている。この液晶は、カイラルスメクチック液晶本来のメモリ性(双安定性)が消失されたものであって、チルト角の大きさを印加電圧によって連続的に制御することができ、それに伴って液晶素子の光量も連続的に変化させることができ、階調表示を可能とするものである。
【0019】
そして、これらの第一及び第二領域D1,D2は互いに隣接するように配置されている。例えば、
・ 図2及び図5に示すように、1つの画素を第一領域D1とし、該第一領域D1に隣接されるように配置された画素を第二領域D2としたり、
・ 図3に示すように、互いに隣接される複数の画素を第一領域D1とし、該第一領域D1に隣接される複数の画素を第二領域D2としたり、
・ 図4に示すように、例えば1本のゲート線Giに沿うなどして一列に配置された画素を第一領域D1とし、該第一領域D1に隣接されるように一列に配置された画素を第二領域D2としたり、
されている。
【0020】
このような領域D1,D2を形成する方法としては、
▲1▼ Ch−SmC*相転移の際(又はI相−SmC*相転移の際)に印加する直流電圧の印加条件(例えば、極性)を領域D1,D2に応じて異ならせる方法や、
▲2▼ 配向制御膜の材質を領域D1,D2に応じて異ならせる方法や、
▲3▼ 配向制御膜の処理法(ラビング強度、UV照射等の条件)を領域D1,D2に応じて異ならせる方法、
を挙げることができる。
【0021】
ところで、上述のような液晶素子Pには、図8に符号5で示すように駆動電圧供給手段を接続し、電極3a,3bに電圧R41,R42,G41,G42,B41,B42を供給するようにすると良い。なお、この駆動電圧供給手段5は、第一領域D1に関しては、
・ 表示階調と補正電圧分との関係のデータをメモリしていると共に、
・ 表示階調「入力(write)」に応じた大きさの第1電圧から前記補正電圧分(階調が「出力(reset)」になるような電圧分)を算出し、
・ 表示階調に応じた大きさの第1電圧R41,G41,B41と、前記液晶素子Pに直流成分が蓄積されないように前記第1電圧の絶対値に補正電圧分(つまり、表示階調レベルに応じたオフセット量)を加えた絶対値を有する第2電圧R42,G42,B42と、を前記液晶素子Pの各電極3a,3bを介して前記カイラルスメクチック液晶2に順次印加し、
他方の第二領域D2に関しては、
・ 表示階調と補正電圧分との関係のデータをメモリしていると共に、
・ 表示階調「入力(write)」に応じた大きさの第2電圧から前記補正電圧分(階調が「出力(reset)」になるような電圧分)を算出し、
・ 表示階調に応じた大きさの第2電圧R41,G41,B41と、前記液晶素子Pに直流成分が蓄積されないように前記第2電圧の絶対値に補正電圧分(つまり、表示階調レベルに応じたオフセット量)を加えた絶対値を有する第1電圧R42,G42,B42と、を前記液晶素子Pの各電極3a,3bを介して前記カイラルスメクチック液晶2に順次印加する、
ようにしておくと良い。
【0022】
次に、本実施の形態に係る液晶素子の駆動方法について説明する。
【0023】
上述のようなアクティブマトリクス型液晶素子では、一般的に、1つのフィールド期間では第一の極性の電圧を素子全体に印加し、次のフィールド期間では第二の極性の電圧を素子全面に印加するというフレーム反転駆動が行われる。しかし、本発明に係る液晶素子においてそのようなフレーム反転駆動を行った場合、
・ 第一の極性の電圧を印加しているフィールド期間では、第一領域D1は大きくチルトして明表示を行うが第二領域D2はほとんどチルトせずに暗表示を行い、
・ 第二の極性の電圧を印加しているフィールド期間では、第二領域D2は大きくチルトして明表示を行うが第一領域D1はほとんどチルトせずに暗表示を行う。
【0024】
つまり、いずれのフィールド期間においても第一領域D1又は第二領域D2のいずれかが明表示を行っており、CRTと同様なインパルス表示することにはならず(いわゆるホールド表示になってしまい)、良好な動画質を得ることができない。
【0025】
そこで、本発明では、前記第一領域D1に第一の極性の電圧(第1電圧)を印加するときには前記第二領域D2に第二の極性の電圧(第2電圧)を印加し、前記第一領域D1に第二の極性の電圧(第2電圧)を印加するときには前記第二領域D2に第一の極性の電圧(第1電圧)を印加するようにして駆動する。第一領域D1に第一の極性の電圧が印加され第二領域D2に第二の極性の電圧が印加されている場合には素子全体で明表示が行われ、第一領域D1に第二の極性の電圧が印加され第二領域D2に第一の極性の電圧が印加されている場合には素子全体で暗表示が行われるため、インパルス表示を達成でき、動画質を良好にすることができる。
【0026】
具体的には、次のような方法で駆動すれば良い。すなわち、
・ 図2や図5に示すように、1つの画素を第一領域D1とし、該第一領域D1に隣接されるように配置された画素を第二領域D2としている場合には、1画素毎に正負の極性を変化させて電圧を印加し(いわゆるドット反転駆動)、
・ 図3に示すように、互いに隣接される複数の画素を第一領域D1とし、該第一領域D1に隣接される複数の画素を第二領域D2としている場合には、領域毎に正負の極性を変化させて電圧を印加し、
・ 図4に示すように、例えば1本のゲート線Giに沿うなどして一列に配置された画素を第一領域D1とし、該第一領域D1に隣接されるように一列に配置された画素を第二領域D2としている場合には、1ゲート線毎に正負の極性を変化させて電圧を印加(いわゆるライン反転駆動)、
すれば良い。
【0027】
なお、本実施の形態においては、第一領域D1に印加する第一の極性の電圧と第二の極性の電圧とは等しくせず(つまり、非対称駆動とし)、第二領域D2に印加する第一の極性の電圧と第二の極性の電圧とは等しくしない(同様に、非対称駆動をする)。以下、その点について詳述する。
【0028】
第一領域D1においては、前記駆動電圧供給手段5によって前記第1電圧(すなわち、表示階調に応じた大きさの電圧であって、液晶2を大きくチルトさせて画像表示を行うための電圧)と、前記第2電圧(すなわち、その第2電圧の絶対値は、前記第1電圧の絶対値に前記補正電圧分を加算したものであって、前記液晶素子Pに直流成分が蓄積されないようにするために印加される電圧)と、を前記一対の電極3a,3bを介して前記カイラルスメクチック液晶2に順次印加する。これにより、第1電圧が印加されている期間は液晶2が大きくチルトされ(すなわち、表示され)、第2電圧が印加されている期間は液晶2が小さくチルトされる(すなわち、ほとんど表示されない)こととなる。
【0029】
他方の第二領域D2においては、前記駆動電圧供給手段5によって前記第2電圧(すなわち、表示階調に応じた大きさの電圧であって、液晶2を大きくチルトさせて画像表示を行うための電圧)と、前記第1電圧(すなわち、その第1電圧の絶対値は、前記第2電圧の絶対値に前記補正電圧分を加算したものであって、前記液晶素子Pに直流成分が蓄積されないようにするために印加される電圧)と、を前記一対の電極3a,3bを介して前記カイラルスメクチック液晶2に順次印加する。これにより、第2電圧が印加されている期間は液晶2が大きくチルトされ(すなわち、表示され)、第1電圧が印加されている期間は液晶2が小さくチルトされる(すなわち、ほとんど表示されない)こととなる。
【0030】
ここで、前記補正電圧分について補足する。
【0031】
上述したように、第一領域D1に関しては、第1電圧は表示階調に応じた大きさにする必要があるが、相前後して印加される第1電圧と第2電圧の絶対値を等しくした場合には液晶素子に直流成分が蓄積されることとなる。本実施の形態では、そのような直流成分が蓄積されないように、前記第1電圧(絶対値)に補正電圧分を加えて第2電圧(絶対値)を生成している。つまり、非対称駆動電圧値は実効的に、液晶層ならびに配向膜を含む液晶素子内部に印加される電圧値が、実使用時において、書き込みフィールド期間(前記第1電圧を印加する期間)と、リセットフィールド期間(前記第2電圧を印加する期間)とで等しくなるべくオフセット(リセットフィールド期間を調整・書き込みフィールド期間を調整・対向電位を振って概ね)をかけるようにしている。
【0032】
また、第二領域D2に関しては、第2電圧は表示階調に応じた大きさにする必要があるが、相前後して印加される第2電圧と第1電圧の絶対値を等しくした場合には液晶素子に直流成分が蓄積されることとなる。本実施の形態では、そのような直流成分が蓄積されないように、前記第2電圧(絶対値)に補正電圧分を加えて第1電圧(絶対値)を生成している。つまり、非対称駆動電圧値は実効的に、液晶層ならびに配向膜を含む液晶素子内部に印加される電圧値が、実使用時において、書き込みフィールド期間(前記第2電圧を印加する期間)と、リセットフィールド期間(前記第1電圧を印加する期間)とで等しくなるべくオフセット(リセットフィールド期間を調整・書き込みフィールド期間を調整・対向電位を振って概ね)をかけるようにしている。
【0033】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0034】
本実施の形態によれば、いずれの領域D1,D2においても、直流成分が蓄積されないような補正電圧分が印加されるため、連続駆動した場合においても液晶の特性(電圧−透過率特性)の変動を低減し、表示焼き付きの発生を抑制することができる。
【0035】
また、本実施の形態では、上述のような第一領域D1及び第二領域D2を、互いに隣接するように配置している。したがって、仮に、液晶に直流成分が蓄積された場合であっても、その表示焼き付きを目立たないようにすることができる。つまり、パネルの大判化や、TFTアレイの性能、対向基板に対する電荷の供給能力によって、パネル面内において、実効的にかかる駆動電圧がばらついた事で発生した焼き付き現象も、隣接または、近接する表示画素において逆方向に焼き付きが発生する事となり、その結果として、人間の網膜上において、焼付き現象がキャンセルされ、特に人間の視認において特に焼き付き問題を解決した信頼性の高い表示をすることが可能となる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
【0037】
(実施例1)
本実施例においては、液晶パネル(液晶素子)Pとして図1及び図9に示すアクティブマトリクス型パネルを用い、その液晶2には図6に示す電圧−透過率特性の片側V字液晶を用いた。なお、図1中の符号4は、各画素に配置されるアクティブ素子としてのTFT(薄膜トランジスタ)を示し、符号25は絶縁膜を示し、符号26a,26bは配向制御膜を示し、符号27は保持容量電極を示す。また、図9の符号S1,S2,S3,…は、TFT4のソース電極に接続される情報信号線を示し、符号G1,G2,G3,…は、TFT4のゲート電極に接続される走査信号線を示し、符号20は、各走査信号線G1,G2,G3,…を走査する走査信号線駆動回路を示し、符号21は、各情報信号線S1,S2,S3,…にソース電圧を供給する情報信号線駆動回路を示す。そして、この液晶パネルPには図8に示すようにA/D変換器31R,31G,31Bやγ補正回路32R,32G,32Bやオフセットデータ生成回路(駆動電圧供給手段)5等を接続して液晶装置を構成した。
【0038】
この液晶パネルPでは、走査信号線駆動回路20が各走査信号線G1,G2,G3,…を順次走査すると、TFT4はゲート電極にゲート電圧が印加されてオンされることとなる。このような走査タイミングに同期するように、情報信号線駆動回路21から各情報信号線S1,S2,S3,…を介してTFT4のソース電極には、表示データに対応した情報信号電圧(ソース電圧)が印加されることとなる。
【0039】
上述した液晶パネルPを駆動するに際しては、各フレーム期間において、
・ 第一領域D1の部分の画素には、その表示階調に応じた値の正極性の表示信号(第1電圧)R41,G41,B41と、補正電圧分を加味した負極性のリセット信号(第2電圧)R42,G42,B42とを順次印加し、
・ 第二領域D2の部分の画素には、その表示階調に応じた値の負極性の表示信号(第2電圧)R41,G41,B41と、補正電圧分を加味した正極性のリセット信号(第1電圧)R42,G42,B42とを順次印加した。以下、液晶パネルの駆動方法について図8等を参照して説明する。
【0040】
いま、入力端子30Rに入力された赤色画像信号(以下“R信号”とする)R1は、A/D変換器31Rにてデジタル信号R2に変換され、γ補正回路32Rにて補正された後で、オフセットデータ生成回路5に送られる。このオフセットデータ生成回路5は、データを記憶したオフセットデータテーブルを有すると共に、メモリ33に接続されていて、γ補正回路32RからのR信号R3を、
・ メモリ33に蓄積される表示信号R41と、
・ 補正されたリセット信号R42と、
に分けるようになっている。例えば、オフセットデータ生成回路5に入力されるR信号R3の階調レベルが255であった場合、
・ 表示信号R41にはその階調レベル(つまり、255の階調レベル)の信号が用いられ、
・ リセット信号R42には図10のデータに基いて補正された信号(すなわち、入力(write)が255階調であるため、出力(reset)は図12に示すように215階調となる)が用いられる。
【0041】
なお、入力端子30Gには緑色画像信号(以下“G信号”とする)が入力され、入力端子30Bには青色画像信号(以下“B信号”とする)が入力されるが、これらのG信号及びB信号もA/D変換器31G,31Bやγ補正回路32G,32Bやオフセットデータ生成回路5によって上記R信号と同様の処理が施され、表示信号G41,B41及びリセット信号G42,B42が生成される。なお、このような信号生成は、第一領域D1及び第二領域D2についてそれぞれ行われる。
【0042】
そして、RGB3色の表示信号R41,G41,B41及びリセット信号R42,G42,B42は液晶パネルPに入力され、そのドライバICにてアナログ信号に変換される。
【0043】
ところで、入力端子30Fに入力された同期信号F−Syncは、オフセットデータ生成回路5にて同期分離された上で、液晶パネルPと光源ユニット34とにそれぞれ送られるが、上述のようにアナログ信号に変換された表示信号及びリセット信号は同期信号F−Syncのタイミングに基づいて順次各画素に送られることとなる。また、光源ユニット34は、同期信号F−Syncに基き点灯され、これにより、液晶パネルの画像がフルカラー画像として認識されることとなる。
【0044】
図10は、片側V字液晶を使用し、D1領域にて非対称駆動を行った際に、液晶パネルの電圧―透過率特性が安定した系の、情報信号の入力レベルでの直流成分印加量を示す図である。つまり、図10は、表示信号を印加して表示しようとする階調(横軸)と、リセット信号に補正すべき直流成分(縦軸)との関係を示したものであり、このようなデータはオフセットデータ生成回路5にメモリされている。
【0045】
なお、本発明者は、15インチの液晶パネルPに所定のパターン画像を5時間連続表示させて焼付き耐久試験を行った。従来のフレーム反転駆動方式の場合にはパネル周辺部分で表示焼き付き現象が観測されたにもかかわらず、上述の駆動方式では、表示焼き付き現象は全く観測されなかった。つまり、▲1▼外部入力としての非対称駆動によって、パネルのほぼ全域にわたり内部的にはDC成分がまったく発生せず、DC成分が発生した事による電圧−透過率特性のシフトが無く安定状態が保たれ、▲2▼パネル周辺部のフレーム反転駆動方式において焼付きが発生した領域においては、一様な方向に対しDC成分が発生しているため、各D1領域及びD2領域において図6及び図7に示す様な特性を示す事から、図14に示されるように、観察時において、空間的に互いに補間し合う関係に焼付き現象がそれぞれ発生することになり、人間が表示パネルを観察した際には焼付き現象を感じることはない。すなわち、結果として、焼き付き現象に対する信頼性が大きく向上したものと考えられる。
【0046】
(実施例2)
実施例1では、内部的に蓄積される直流成分が第一領域D1と第二領域D2で等しいとして、その直流成分除去のための駆動を行ったが、本実施例では、該直流成分が第一領域D1と第二領域D2で異なるとして、異なるデータ(図11、図13参照)を用い、その直流成分除去のための駆動を行っている。なお、図11に示すものと図13に示すものである。図11は、第一領域D1及び第二領域D2のそれぞれにつき、表示信号を印加して表示しようとする階調(横軸)と、リセット信号に補正すべき直流成分(縦軸)との関係を示したものであり、図13は、
・ 表示しようとする階調と実際に出力する階調(write)、
・ 表示しようとする階調と、リセット時に第一領域D1に出力する値、
・ 表示しようとする階調と、リセット時に第二領域D2に出力する値、
を示したものである。
【0047】
本実施例では、実施例1と同じ片側V字液晶を用いて図1及び図9に示すアクティブマトリクス型液晶パネルPを作製し、図8に示す液晶装置を作製した。使用するデータ以外の構成は、実施例1と同じにした。
【0048】
上述した液晶パネルPを駆動するに際しては、各フレーム期間において、
・ 第一領域D1の部分の画素には、その表示階調に応じた値の正極性の表示信号(第1電圧)R41,G41,B41と、補正電圧分を加味した負極性のリセット信号(第2電圧)R42,G42,B42とを順次印加し、
・ 第二領域D2の部分の画素には、その表示階調に応じた値の負極性の表示信号(第2電圧)R41,G41,B41と、補正電圧分を加味した正極性のリセット信号(第1電圧)R42,G42,B42とを順次印加した。なお、上述のように補正電圧分は、第一領域D1と第二領域D2とで異なる。以下、液晶パネルの駆動方法について図8等を参照して説明する。
【0049】
いま、入力端子30Rに入力された赤色画像信号(以下“R信号”とする)R1は、A/D変換器31Rにてデジタル信号R2に変換され、γ補正回路32Rにて補正された後で、オフセットデータ生成回路5に送られる。このオフセットデータ生成回路5は、データを記憶したオフセットデータテーブルを有すると共に、メモリ33に接続されていて、γ補正回路32RからのR信号R3を、
・ メモリ33に蓄積される表示信号R41と、
・ 補正されたリセット信号R42と、
に分けるようになっている。例えば、オフセットデータ生成回路5に入力されるR信号R3の階調レベルが255であった場合、第一領域D1においては、
・ 表示信号R41にはその階調レベル(つまり、255の階調レベル)の信号が用いられ、
・ リセット信号R42には図11の“■”のデータに基いて補正された信号(すなわち、入力(write)が255階調であるため、出力(reset)は図13の“△”に示すように215階調となる)が用いられる。他方の第二領域D2においては、
・ 表示信号R41にはその階調レベル(つまり、255の階調レベル)の信号が用いられ、
・ リセット信号R42には図11の“△”のデータに基いて補正された信号(すなわち、入力(write)が255階調であるため、出力(reset)は図13の“×”に示すように215階調となる)が用いられる。
【0050】
この場合、リセット信号は第一領域D1及び第二領域D2で等しいが、オフセットデータ生成回路5に入力されるR信号R3の階調レベルが他の数値であった場合には違いが生ずる。すなわち、R信号R3の階調レベルが130であった場合、第一領域D1においては、
・ 表示信号R41にはその階調レベル(つまり、130の階調レベル)の信号が用いられ、
・ リセット信号R42には図11の“■”のデータに基いて補正された信号(すなわち、入力(write)が130階調であるため、出力(reset)は図13の“△”に示すように97階調となる)が用いられる。他方の第二領域D2においては、
・ 表示信号R41にはその階調レベル(つまり、130の階調レベル)の信号が用いられ、
・ リセット信号R42には図11の“△”のデータに基いて補正された信号(すなわち、入力(write)が255階調であるため、出力(reset)は図13の“×”に示すように105階調となる)が用いられる。
【0051】
なお、入力端子30Gには緑色画像信号(以下“G信号”とする)が入力され、入力端子30Bには青色画像信号(以下“B信号”とする)が入力されるが、これらのG信号及びB信号もA/D変換器31G,31Bやγ補正回路32G,32Bやオフセットデータ生成回路5によって上記R信号と同様の処理が施され、表示信号G41,B41及びリセット信号G42,B42が生成される。
【0052】
そして、RGB3色の表示信号R41,G41,B41及びリセット信号R42,G42,B42は液晶パネルPに入力され、そのドライバICにてアナログ信号に変換される。
【0053】
ところで、入力端子30Fに入力された同期信号F−Syncは、オフセットデータ生成回路5にて同期分離された上で、液晶パネルPと光源ユニット34とにそれぞれ送られるが、上述のようにアナログ信号に変換された表示信号及びリセット信号は同期信号F−Syncのタイミングに基づいて順次各画素に送られることとなる。また、光源ユニット34は、同期信号F−Syncに基き点灯され、これにより、液晶パネルの画像がフルカラー画像として認識されることとなる。
【0054】
また、図2に示す構成にした場合は、一ピクセルに対応すべく、3H毎に極性反転をする必要があり、図4に示す構成にした場合には、ゲート線Gi毎にライン反転駆動を行う必要がある。
【0055】
なお、本発明者は、情報信号の入力段でのDC成分印加を最大±5Vとして、液晶パネルPに所定のパターン画像を5時間連続表示させて焼付き耐久試験を行ない、その後、一様各中間調を表示し、焼き付き状態の確認を行った。その結果、パネルの表示領域全面に渡って、焼付き現象は観測されなかった。つまり、一サブピクセル毎や、一ピクセル毎に極性反転(いわゆるドット反転)させた場合と同様に、実際には、パネル周辺部において発生している焼付き現象が、人間の目の分解能を越えた空間周波数で繰り返されている為、網膜上においてキャンセルされる事となりパネルを観察した際には焼付き現象を感じることはなく、焼き付き現象に対し信頼性の高い表示を実現できた。
【0056】
本実施例1・2においては、非対称駆動データ処理の大半をパネルの外部で行い、さらに画像データの段階である256デジタル信号の状態で行ったが、例えば情報信号用ボード内、リファレンス電圧を変調することで処理させても何ら問題は無く、さらには、よりハイビットな例えば10bitデジタル信号として処理する事でより精密な制御を行う事も可能である。
【0057】
最後に本実施例においては、オフセットデータ生成をデジタル処理しているが、アナログ処理する事も可能であり、液晶のγ補正処理を施す、リファレンス電圧生成回路で一括した補正をする事も何ら問題は無く、目指すべき製品のスペック及びコストの兼ね合いで使い分ける必要がある。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、連続駆動した場合においても液晶の特性(電圧−透過率特性)の変動を低減し、表示焼き付きの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶素子の構造の一例を示す断面図。
【図2】第一領域D1及び第二領域D2の配置関係の一例を示す図。
【図3】第一領域D1及び第二領域D2の配置関係の一例を示す図。
【図4】第一領域D1及び第二領域D2の配置関係の一例を示す図。
【図5】第一領域D1及び第二領域D2の配置関係の一例を示す図。
【図6】片側V字液晶の電圧−透過率特性を示す特性図。
【図7】片側V字液晶の電圧−透過率特性を示す特性図。
【図8】本発明が適用されて駆動される液晶装置の構造を示すブロック図。
【図9】本発明が適用されて駆動される液晶パネルの構造を示す回路図。
【図10】表示階調と補正電圧分との関係を示す図。
【図11】表示階調と補正電圧分との関係を示す図。
【図12】表示階調とリセット信号の階調との関係等を示す特性図。
【図13】表示階調とリセット信号の階調との関係等を示す特性図。
【図14】本発明の効果を説明するための模式図。
【符号の説明】
1a,1b 基板
2 カイラルスメクチック液晶
3a,3b 電極
4 TFT(アクティブ素子)
5 オフセットデータ生成回路
D1 第一領域
D2 第二領域
P 液晶パネル(液晶素子)
Claims (7)
- 所定間隙を開けた状態に配置された一対の基板と、これら一対の基板の間隙に配置されたカイラルスメクチック液晶と、複数の画素を構成すると共に該カイラルスメクチック液晶を挟み込むように配置された一対の電極と、これらの画素毎に配置された複数のアクティブ素子と、を備え、前記一対の電極を介して前記カイラルスメクチック液晶に電圧を印加することにより駆動してなる液晶素子において、
前記カイラルスメクチック液晶は、電圧が印加されていない状態では前記液晶の平均分子軸が単安定化されている配向状態を示し、
第一の極性の電圧が印加された状態では液晶分子の平均分子軸が電圧の大きさに応じた角度で前記単安定化された位置から一方の側にチルトする第一領域と、
第二の極性の電圧が印加された状態では液晶分子の平均分子軸が電圧の大きさに応じた角度で前記単安定化された位置から他方の側にチルトする第二領域と、が互いに隣接するように配置され、かつ、
前記第一領域及び前記第二領域は、表示階調に応じた電圧と、前記液晶に直流成分が蓄積されないような補正電圧分を加味した電圧と、が順次印加されて駆動される、
ことを特徴とする液晶素子。 - 前記カイラルスメクチック液晶が、高温側より、等方性液体相(ISO.)−コレステリック相(Ch)−カイラルスメクチックC相(SmC*)、又は、等方性液体相(ISO.)−カイラルスメクチックC相(SmC*)の相転移系列を示す液晶である、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶素子。
- 一列に配置された画素を第一領域とし、該第一領域に隣接されるように一列に配置された画素を第二領域とした、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶素子。
- 1つの画素を第一領域とし、該第一領域に隣接されるように配置された画素を第二領域とした、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶素子。
- 互いに隣接される複数の画素を第一領域とし、該第一領域に隣接される複数の画素を第二領域とした、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶素子。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液晶素子を駆動する方法であって、
前記第一領域に第一の極性の第1電圧を印加するときには前記第二領域に第二の極性の第2電圧を印加し、前記第一領域に第二の極性の第2電圧を印加するときには前記第二領域に第一の極性の第1電圧を印加する、
ことを特徴とする液晶素子の駆動方法。 - 前記第一領域に印加する第1電圧は表示階調に応じた大きさとし、
前記第一領域に印加する第2電圧は、前記第一領域に印加する第1電圧の絶対値に補正電圧分を加えた絶対値を有し、
前記第二領域に印加する第2電圧は表示階調に応じた大きさとし、
前記第二領域に印加する第1電圧は、前記第二領域に印加する第2電圧の絶対値に補正電圧分を加えた絶対値を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の液晶素子の駆動方法。
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JP2002170573A JP2004013120A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 液晶素子、及び該液晶素子の駆動方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008151959A (ja) * | 2006-12-15 | 2008-07-03 | Dainippon Printing Co Ltd | 強誘電性液晶用配向処理基板および液晶表示素子 |
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-
2002
- 2002-06-11 JP JP2002170573A patent/JP2004013120A/ja active Pending
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