JP2004013051A - ステレオ画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスプレイと観察者の目との間でディスプレイの属性に関わり無く、所望の直交する、画像に係る2つの偏光を作成するステレオ画像表示装置を提供する。更に、疲労感の少ないステレオ画像表示装置とする。
【解決手段】ディスプレイからの発生光の偏光方向を、偏光板、ミラー、ハーフミラー、波長板を使って、ディスプレイの属性によらず、少なくとも1台のディスプレイで所望の直交する2つの偏光を作り出す。画面から両目までの光路の途中にレンズを置き、画像観察時の目の調節距離を疲労の少ない調節安静位近傍(約1m)に調節する。更に、なお、ミラーやハーフミラーによる外光の反射を防止するために、装置からの画像の光の出口に外光反射防止スクリーンを取り付ける。
【選択図】図1
【解決手段】ディスプレイからの発生光の偏光方向を、偏光板、ミラー、ハーフミラー、波長板を使って、ディスプレイの属性によらず、少なくとも1台のディスプレイで所望の直交する2つの偏光を作り出す。画面から両目までの光路の途中にレンズを置き、画像観察時の目の調節距離を疲労の少ない調節安静位近傍(約1m)に調節する。更に、なお、ミラーやハーフミラーによる外光の反射を防止するために、装置からの画像の光の出口に外光反射防止スクリーンを取り付ける。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、立体視可能なステレオ画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2において、従来の立体視可能なステレオ画像表示装置102の概略構成の平面図を示す。
【0003】
図2の構成では、2台のCRTディスプレイ装置(104R、104L)が用意される。2台のCRTディスプレイ装置(104R、104L)は適切なコンピュータ114に接続する。該コンピュータ114は各CRTディスプレイ装置(104R、104L)にステレオ画像の夫々を表示する。各CRTディスプレイ装置(104R、104L)の前面には偏光板(210R、210L)が設置され、図8に模式的に示すようにそれらのうち一方が垂直偏光(90°偏光)のもので、もう一方が水平偏光(0°偏光)のものである。各偏光板(210R、210L)を通過した画像の光は、ハーフミラー(ビームスプリッタ)32上で重畳され、観察者24に向かう。
【0004】
観察者24は偏光メガネ(20R、20L)を利用する。該偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向は、上記のCRTディスプレイ装置(104R、104L)の前面に取り付けられた各偏光板(210R、210L)の偏光方向にそれぞれ対応している。即ち、図2の左の偏光メガネ20Lの偏光方向は、図下方のCRTディスプレイ装置104L前面の偏光板210Lの偏光方向と一致し、右の偏光メガネ20Rの偏光方向は、図左方のCRTディスプレイ装置104R前面の偏光板210Rの偏光方向と一致する(図8参照)。このようにすれば、観察者24の左右夫々の目(20R、20L)には、片方のCRTディスプレイ装置(104R、104L)の画像のみが提供され、両画像に適切な視差があれば観察者24は立体視が可能となる。
【0005】
ところで、本明細書において、「偏光方向」は、偏光の進行方向あるいは偏光板を垂直に通過する光の進行方向を中心軸とした場合に、当該偏光あるいは当該偏光板を通過した光が有する偏光面の傾きを、意味するものとする。
【0006】
図2に示すように、右目22Rに対する表示画像(実像)16R、及び左目22Lに対する表示画像(虚像)134Lは、右目に係るCRTディスプレイ装置104R方向に存在する。従って、左目22Lの画像実光路は“A−B−C”、左目22Lの画像視覚光路は“D−B−C”となり、右目22Rの画像実光路(=視覚光路)は“D−E”となる。
【0007】
なお、図において、観察者24の右目に係る光学系装置の符号の末尾に“R”を付し、左目に係る光学系装置の符号の末尾に“L”を付す。以下、本明細書、及び添付の他の図面においても同様である。
【0008】
図2の従来のステレオ画像表示装置102では、CRTディスプレイ装置104Lの画像はハーフミラー32で反射されて観察者24の左目22Lに届くので、横反転されている。ところで、図2のステレオ画像表示装置102は、観察者24(及び偏光メガネ(20R、20L))が、ハーフミラー32の反射面における図2図面に垂直な中心線を反時計方向に90°回転した配置でも実現され得る。この配置のときには、CRTディスプレイ装置104Rの画像が横反転され、CRTディスプレイ装置104Lの画像は反転されない。左目22Lに対する表示画像(実像)16L、及び右目22Rに対する表示画像(虚像)(図示せず。)は、左目に係るCRTディスプレイ装置104L方向に存在することになる。
【0009】
上記の従来技術は、発生光が偏光しないCRTディスプレイを利用して、偏光板により二つの直交偏光を作り出すものである。この従来技術に係る装置では、偏光方向が異なる偏光板のペアが製作され付加されねばならず、量産に有利とは言い難い。また、ある種の液晶ディスプレイでは発生光そのものが既に偏光しており、そのような液晶ディスプレイを図2のステレオ画像表示装置102に含ませても、所望の機能を実現し得ない。更に、ディスプレイを必ず2台用意せねばならない。
【0010】
加えて上記の従来技術では、立体視する対象映像の位置はディスプレイ画面上に在るため、観察距離が40cm〜60cm付近となる。この状態での目の輻輳角は、安静時の目の輻輳角よりも大きい。水晶体レンズの調節の緊張も強くなり、目の疲労の原因の一つとなり得る。この疲労感は立体視のときに顕著であるが、通常の2次元画面でも同様の疲労は、既に「VDT作業症候群」あるいは「テクノストレス眼症」の一つとして指摘されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ディスプレイと観察者の目との間でディスプレイの属性に関わり無く、少なくとも1台のディスプレイで所望の直交する、画像に係る2つの偏光を作成するステレオ画像表示装置を提供することを目的とする。更に、本発明は、疲労感の少ないステレオ画像表示装置とすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために為されたものである。本発明に係る請求項1に記載のステレオ画像表示装置は、
液晶ディスプレイ装置と、
少なくとも2枚の光路変更ミラーと、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記液晶ディスプレイ装置に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記液晶ディスプレイ装置の表示画像の偏光方向が、垂直偏光又は水平偏光である、
ステレオ画像表示装置である。そのステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうちの、片方の画像の光路に、偏光方向を90°変化させる位相板が設置され、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
もう一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る。
【0013】
本発明に係る請求項2に記載のステレオ画像表示装置は、
液晶ディスプレイ装置と、
少なくとも2枚の光路変更ミラーと、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記液晶ディスプレイ装置に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記液晶ディスプレイ装置の表示画像の偏光方向が、+45°偏光又は−45°偏光である、
ステレオ画像表示装置である。そのステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
もう一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る。
【0014】
本発明に係る請求項3に記載のステレオ画像表示装置は、
2台の液晶ディスプレイ装置と、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記2台の液晶ディスプレイ装置の夫々に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記2台の液晶ディスプレイ装置の表示画像の偏光方向が、ともに垂直偏光又は水平偏光である、
ステレオ画像表示装置である。そのステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうちの、片方の画像の光路に、偏光方向を90°変化させる位相板が設置され、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
もう一方の画像が、上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る。
【0015】
本発明に係る請求項4に記載のステレオ画像表示装置は、
2台の液晶ディスプレイ装置と、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記2台の液晶ディスプレイ装置の夫々に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記2台の液晶ディスプレイ装置の表示画像の偏光方向が、ともに+45°偏光又は−45°偏光である、
ステレオ画像表示装置である。そのステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
もう一方の画像が、上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る。
【0016】
本発明に係る請求項5に記載のステレオ画像表示装置は、
表示画面が偏光方向を備えないディスプレイ装置と、
少なくとも2枚の光路変更ミラーと、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記ディスプレイ装置に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記ディスプレイ装置の表示画面の前に、偏光方向が垂直偏光又は水平偏光である第3の偏光板が設置される、
ステレオ画像表示装置である。そのステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうちの、片方の画像の光路に、偏光方向を90°変化させる位相板が設置され、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
もう一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る。
【0017】
本発明に係る請求項6に記載のステレオ画像表示装置は、
表示画面が偏光方向を備えないディスプレイ装置と、
少なくとも2枚の光路変更ミラーと、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記ディスプレイ装置に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記ディスプレイ装置の表示画面の前に、偏光方向が+45°偏光又は−45°偏光である第3の偏光板が設置される、
ステレオ画像表示装置である。そのステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
もう一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る。
【0018】
本発明に係る請求項7に記載のステレオ画像表示装置は、
表示画面が偏光方向を備えない2台のディスプレイ装置と、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記2台のディスプレイ装置の夫々に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記ディスプレイ装置の表示画面の前に、偏光方向がともに+45°偏光又は−45°偏光である第3の偏光板が設置される、
ステレオ画像表示装置である。そのステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
もう一方の画像が、上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る。
【0019】
本発明に係る請求項8に記載のステレオ画像表示装置は、
上記の偏光方向を90°変化させる位相板が、2枚組みの四分の一波長板である、
請求項1、請求項3、又は請求項5のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置である。
【0020】
本発明に係る請求項9に記載のステレオ画像表示装置は、
上記の偏光方向を90°変化させる位相板が、1枚の二分の一波長板である、請求項1、請求項3、又は請求項5のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置である。
【0021】
本発明に係る請求項10に記載のステレオ画像表示装置は、
表示画面と、観察者の両目との間に、観察者の画像観察時の目の調節距離を調整するレンズが設置される、
請求項1乃至請求項9のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置である。
【0022】
本発明に係る請求項11に記載のステレオ画像表示装置は、
上記第1の偏光板と上記第2の偏光板が、観察者の画像観察時の目の調節距離を調整するレンズを含む、
請求項1乃至請求項9のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置である。
【0023】
本発明に係る請求項12に記載のステレオ画像表示装置は、
外光反射防止スクリーンが取り付けられた、
請求項1乃至請求項11のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る好適な実施の形態について説明する。
【0025】
≪第1の実施の形態≫
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2の概略構成の平面図を示す。図1の第1の実施の形態と図2の従来の形態との同一部位には同一符号を付し、説明は省略する。
【0026】
図1の構成では、1台の液晶ディスプレイ装置4が用意される。液晶ディスプレイ装置4は従来技術のものである。液晶ディスプレイ装置4の液晶パネル6の背面及び前面には偏光板(第1の偏光板8、第2の偏光板10)が設定され、更に液晶パネル6及び第1の偏光板8の背面にはバックライト12が設置され表示に必要な光が供給される。該液晶ディスプレイ装置4、特に液晶パネル6は、コンピュータ14の制御を受ける。該コンピュータ14は液晶ディスプレイ装置4に、右目用の表示画像16Rと左目用の表示画像16Lとを表示する。
【0027】
ここで、第2の偏光板10により液晶ディスプレイ装置4からの発生光が例えば垂直偏光(図10(1)参照)している場合には、片方の目用の画像、例えば右目用画像の偏光方向を90°変化させるために、右目用の表示画像16Rの前面に四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)を設置する。すると、図10(1)のように、左目用の画像16’Lは垂直偏光となり、右目用の画像16’Rはそれに対応して水平偏光となる。
【0028】
右目用の画像16’Rはそれから右目用光路変換ミラー26Rで反射し略90°向きを変え、調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て右目に向かう。左目用の画像16’Lは左目用光路変換ミラー26Lで反射し略180°向きを変え、ハーフミラー32で反射し略90°向きを変え、更に調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て左目に向かう。
【0029】
それら画像(16’R、16’L)の偏光方向は、上記の途中の反射を夫々経ても変化することなく、夫々の目のための偏光メガネ(20R、20L)に到達する。該偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向がそれら画像の偏光方向の各々と一致するように設定されていれば、右目用の画像16’Rは右目22Rに入り、左目用の画像16’Lは左目22Lに入る。よって、従来技術と同様に、両画像に適切な視差があれば観察者24は立体視ができる。
【0030】
四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は、左目用の表示画像16Lの前面に設置されてもよい。このときには偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向が逆に設定される。
【0031】
第2の偏光板10により液晶ディスプレイ4からの発生光が水平偏光している場合も、原理上上記と同様に構成され得る。
【0032】
一方、第2の偏光板10により液晶ディスプレイ4からの発生光が、図10(2)に示すように、±45°偏光している場合には、上記の四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は不要となる。なぜなら図1の構成では、右目用の画像16’Rは右目用光路変換ミラー26Rで1回(奇数回)反射し、左目用の画像16’Lは左目用光路変換ミラー26L及びハーフミラー32で2回(偶数回)反射し、結局両光は偏光方向を直交させる状態で偏光メガネ(20R、20L)に到達するからである。つまり、偏光メガネ(20R、20L)の夫々の偏光方向を、それら2つの偏光方向に対応させればよいことになる。
【0033】
図1の第1の実施の形態では、左目22Lの画像実光路は“A−B−C−D‐E”、左目22Lの画像視覚光路は“J−D−E”となり、右目22Rの画像実光路は“F−G−H−I”、右目22Rの画像視覚光路は“J−H−I”となる。なお、左目用光路変換ミラー26Lは光路長調整機能も果たしており、左目用光路変換ミラー26Lの位置を前後させることにより実光路長も、視覚光路長も左右等しくなるように設定でき、よって立体視を容易にできる。
【0034】
右目用の画像は、右目用光路変換ミラー26Rで1回(奇数回)反射するから、液晶パネル6上では横反転されている。左目用の画像は、左目用光路変換ミラー26L及びハーフミラー32で2回(偶数回)反射するから、液晶パネル6上では反転は不要である。
【0035】
ところで、第1の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2は、コンピュータ14及び液晶ディスプレイ装置4を除き、右目用光路変換ミラー26Rと左目用光路変換ミラー26Lとの交線と、2つの表示画像(16R、16L)の中線とを通る垂直断面に関して、対称に配置した形態でも実現され得る。このとき、2つの表示画像(16R、16L)の反転条件は逆に設定されなければならない。また、右目に係る光学系装置と左目に係る光学系装置の役割は、入れ替わることになる。
【0036】
画面(液晶ディスプレイ10)と観察者24両目との間に設置される調節距離調整レンズ28は、画像観察時の目の調節距離を目の疲労が少ない調節安静位近傍(約1m)に調節する。図1では、調節距離調整レンズ28が設置されて、観察者24は地点Jに画像(虚像)(34R、34L)を見る。ここでのJ−I間又はJ−E間の距離が1mに近いものであれば、観察者24は目に掛かる負担を軽くして画像を観察できる。調節距離調整の具体例については、後述する。
【0037】
ステレオ画像表示装置2内に複数設置されるミラーによる外光の反射の発生を防止するために、該装置2からの画像の出口に外光反射防止スクリーン30が設置される。外光反射防止スクリーン30は、外部の光の侵入を食い止め、それ自体反射機能を有さないものである。例えば、黒色無反射不透明の極細い繊維で編まれた網目の布地が適合する。
【0038】
≪第2の実施の形態≫
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2の概略構成の平面図を示す。図1の第1の実施の形態との同一部位には同一符号を付して説明を省略し、差異を中心に説明する。
【0039】
図3の構成では、2台の液晶ディスプレイ(4R、4L)が用意される。液晶ディスプレイ(4R、4L)は、第1の実施の形態と同様のものであり、従来技術のものである。コンピュータ14は2台の液晶ディスプレイ装置(4R、4L)に、夫々右目用の表示画像16Rと左目用の表示画像16Lとを供給する。
【0040】
第2の偏光板(10R、10L)により液晶ディスプレイ装置(4R、4L)からの発生光が例えば垂直偏光(図9(1)参照)している場合には、片方の目用の画像、例えば左目用画像の偏光方向を90°変化させるために、左目用の表示画像16Lの前面に四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)を設置する。すると、図9(1)のように、右目用の画像16’Rは垂直偏光となり、左目用の画像16’Lはそれに対応して水平偏光となる。
【0041】
右目用の画像16’Rは、調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て右目に向かう。左目用の画像16’Lは、ハーフミラー32で反射し略90°向きを変え、更に調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て左目に向かう。
【0042】
それら画像(16’R、16’L)の偏光方向は、上記の途中を夫々経ても変化することなく、夫々の目のための偏光メガネ(20R、20L)に到達する。該偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向がそれら画像の偏光方向と一致するように設定されていれば、右目用の画像16’Rは右目22Rに入り、左目用の画像16’Lは左目22Lに入る。よって、両画像に適切な視差があれば観察者24は立体視ができる。
【0043】
四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は、右目用の表示画像16Rの前面に設置されてもよい。このときには偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向が逆に設定される。
【0044】
第2の偏光板(10R、10L)により液晶ディスプレイ装置(4R、4L)からの発生光が水平偏光している場合も、原理上上記と同様に構成され得る。
【0045】
一方、第2の偏光板(10R、10L)により液晶ディスプレイ装置(4R、4L)からの発生光が、図9(2)に示すように、±45°偏光している場合には、やはり、上記の四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は不要となる。なぜなら図3の構成では、右目用の画像16’Rは反射することなく進み、左目用の画像16’Lはハーフミラー32で1回(奇数回)反射し、結局両光は偏光方向を直交させる状態で偏光メガネ(20R、20L)に到達するからである。つまり、偏光メガネ(20R、20L)の夫々の偏光方向を、それら2つの偏光方向に対応させればよいことになる。
【0046】
図3の第2の実施の形態では、左目22Lの画像実光路は“A−B−C−D”、左目22Lの画像視覚光路は“H−C−D”となり、右目22Rの画像実光路は“E−F−G”、右目22Rの画像視覚光路は“H−F−G”となる。
【0047】
左目用の画像は、ハーフミラー32で1回(奇数回)反射するから、液晶パネル6L上では横反転されている。右目用の画像は、液晶パネル6R上では反転は不要である。
【0048】
第2の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2は、調節距離調整レンズ28、外光反射防止スクリーン30、偏光メガネ(20R、20L)、及び観察者24が、ハーフミラー32反射面における図3図面に垂直な中心線を反時計回りに90°回転した配置形態でも実現され得る。このとき、2つの表示画像(16R、16L)の反転条件は逆に設定されなければならない。また、観察者24の見る画像(虚像)(34R、34L)も、ハーフミラー32反射面の上記中心線を反時計回りに90°回転することになる。
【0049】
第1の実施の形態と同様に、調節距離調整レンズ28が、画面(液晶ディスプレイ装置(10R、10L))と観察者24両目との間に設置される。調節距離調整の具体例については、後述する。更に第1の実施の形態と同様に、外光反射防止スクリーン30が、ステレオ画像表示装置2内に複数設置されるミラーによる外光の反射の発生を防止するために、該装置2からの画像の出口に設置される。
【0050】
≪第3の実施の形態≫
図4は、本発明の第3の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2の概略構成の側方図を示す。図1の第1の実施の形態及び図3の第2の実施の形態と、同一部位には同一符号を付して説明を省略し、差異を中心に説明する。
【0051】
図4の構成では、1台の液晶ディスプレイ装置4が用意される。図1の第1の実施の形態と比較すると、第3の実施の形態は、観察者24(及び偏光メガネ(20R、20L))以外の装置を、液晶ディスプレイ装置4が下方に来るように光(路)軸を中心に90°回転させた構成に概ね相当する。更に、液晶ディスプレイ装置4は、観察者24からの遠位が表示画面の「天」となるように90°回転され、右目用の表示画像16Rと左目用の表示画像16Lとは、表示画面上で縦に並べられる。
【0052】
液晶ディスプレイ装置4は、第1の実施の形態と同様のものであり、従来技術のものである。コンピュータ14は液晶ディスプレイ装置4に、右目用の表示画像16Rと左目用の表示画像16Lとを供給する。
【0053】
第2の偏光板10により液晶ディスプレイ装置4からの発生光が例えば垂直偏光(図10(1)参照)している場合には、片方の目用の画像、例えば右目用画像の偏光方向を90°変化させるために、右目用の表示画像16Rの前面に四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)を設置する。すると、図10(1)のように、左目用の画像16’Lは垂直偏光となり、右目用の画像16’Rはそれに対応して水平偏光となる。
【0054】
右目用の画像16’Rはそれから右目用光路変換ミラー26Rで反射し略90°向きを変え、調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て右目に向かう。左目用の画像16’Lは左目用光路変換ミラー26Lで反射し略180°向きを変え、ハーフミラー32で反射し略90°向きを変え、更に調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て左目に向かう。
【0055】
それら画像(16’R、16’L)の偏光方向は、上記の途中を夫々経ても変化することなく、夫々の目のための偏光メガネ(20R、20L)に到達する。該偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向がそれら画像の偏光方向の各々と一致するように設定されていれば、右目用の画像16’Rは右目22Rに入り、左目用の画像16’Lは左目22Lに入る。よって、両画像に適切な視差があれば観察者24は立体視ができる。
【0056】
四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は、左目用の表示画像16Lの前面に設置されてもよい。このときには偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向が逆に設定される。
【0057】
第2の偏光板10により液晶ディスプレイ装置4からの発生光が水平偏光している場合も、原理上上記と同様に構成され得る。
【0058】
一方、第2の偏光板10により液晶ディスプレイ4からの発生光が、図10(2)に示すように、±45°偏光している場合には、やはり、上記の四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は不要となる。なぜなら図4の構成では、右目用の画像16’Rは右目用光路変換ミラー26Rで1回(奇数回)反射し、左目用の画像16’Lは左目用光路変換ミラー26L及びハーフミラー32で2回(偶数回)反射し、結局両光は偏光方向を直交させる状態で偏光メガネ(20R、20L)に到達するからである。つまり、偏光メガネ(20R、20L)の夫々の偏光方向を、それら2つの偏光方向に対応させればよいことになる。
【0059】
図4の第3の実施の形態では、左目22Lの画像実光路は“A−B−C−D‐E”、左目22Lの画像視覚光路は“J−D−E”となり、右目22Rの画像実光路は“F−G−H−I”、右目22Rの画像視覚光路は“J−H−I”となる。なお第3の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、左目用光路変換ミラー26Lは光路長調整機能も果たしており、左目用光路変換ミラー26Lの位置を上下させることにより実光路長も、視覚光路長も左右等しくなるように設定でき、よって立体視を容易にできる。
【0060】
右目用の画像は、右目用光路変換ミラー26Rで1回(奇数回)反射するから、液晶パネル6上では上下反転されている。左目用の画像は、左目用光路変換ミラー26L及びハーフミラー32で2回(偶数回)反射するから、液晶パネル6上では反転は不要である。
【0061】
第3の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2は、コンピュータ14及び液晶ディスプレイ4を除き、右目用光路変換ミラー26Rと左目用光路変換ミラー26Lとの交線と、2つの表示画像(16R、16L)の中線とを通る垂直断面に関して、対称に配置した形態でも実現され得る。このとき、2つの表示画像(16R、16L)の反転条件は逆に設定されなければならない。また、右目に係る光学系装置と左目に係る光学系装置の役割は、入れ替わることになる。
【0062】
第1の実施の形態と同様に、調節距離調整レンズ28が、画面(液晶ディスプレイ装置)4と観察者24両目との間に設置される。調節距離調整の具体例については、後述する。更に第1の実施の形態と同様に、外光反射防止スクリーン30が、ステレオ画像表示装置2内に複数設置されるミラーによる外光の反射の発生を防止するために、該装置2からの画像の出口に設置される。
【0063】
≪第4の実施の形態≫
図5は、本発明の第4の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2の概略構成の側方図を示す。図1の第1の実施の形態、図3の第2の実施の形態、及び図4の第3の実施の形態と、同一部位には同一符号を付して説明を省略し、差異を中心に説明する。
【0064】
図5の構成では、2台の液晶ディスプレイ装置(4R、4L)が用意される。図3の第2の実施の形態と比較すると、第4の実施の形態は、観察者24(、偏光メガネ(20R、20L))及び(右目用)液晶ディスプレイ装置4R以外の装置を、(左目用)液晶ディスプレイ4Lが下方に来るように光(路)軸を中心に90°回転させた構成に概ね相当する。更に、(左目用)液晶ディスプレイ4Lは、観察者24からの遠位が表示画面の「天」となるように90°回転される。
【0065】
液晶ディスプレイ装置(4R、4L)は、第1の実施の形態と同様のものであり、従来技術のものである。コンピュータ14は2台の液晶ディスプレイ装置(4R、4L)に、夫々右目用の表示画像16Rと左目用の表示画像16Lとを供給する。
【0066】
第2の偏光板(10R、10L)により液晶ディスプレイ装置(4R、4L)からの発生光が例えば垂直偏光(図9(1)参照)している場合には、片方の目用の画像、例えば左目用画像の偏光方向を90°変化させるため、左目用の表示画像16Lの前面に四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)を設置する。すると、図9(1)のように、右目用の画像16’Rは垂直偏光となり、左目用の画像16’Lはそれに対応して水平偏光となる。
【0067】
右目用の画像16’Rは、調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て右目に向かう。左目用の画像16’Lは、ハーフミラー32で反射し略90°向きを変え、更に調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て左目に向かう。
【0068】
それら画像(16’R、16’L)の偏光方向は、上記の途中を夫々経ても変化することなく、夫々の目のための偏光メガネ(20R、20L)に到達する。該偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向がそれら画像の偏光方向の各々と一致するように設定されていれば、右目用の画像16’Rは右目22Rに入り、左目用の画像16’Lは左目22Lに入る。よって、両画像に適切な視差があれば観察者24は立体視ができる。
【0069】
四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は、右目用の表示画像16Rの前面に設置されてもよい。このときには偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向が逆に設定される。
【0070】
第2の偏光板(10R、10L)により液晶ディスプレイ装置(4R、4L)からの発生光が水平偏光している場合も、原理上上記と同様に構成され得る。
【0071】
一方、第2の偏光板(10R、10L)により液晶ディスプレイ装置(4R、4L)からの発生光が、図9(2)に示すように、±45°偏光している場合には、第2の実施の形態と同様に、上記の四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は不要となる。なぜなら図5の構成では、右目用の画像16’Rは反射することなく進み、一方左目用の画像16’Lはハーフミラー32で1回(奇数回)反射し、結局両光は偏光方向を直交させる状態で偏光メガネ(20R、20L)に到達するからである。つまり、偏光メガネ(20R、20L)の夫々の偏光方向を、それら2つの偏光方向に対応させればよいことになる。
【0072】
図5の第4の実施の形態では、左目22Lの画像実光路は“A−B−C−D”、左目22Lの画像視覚光路は“H−C−D”となり、右目22Rの画像実光路は“E−F−G”、右目22Rの画像視覚光路は“H−F−G”となる。
【0073】
左目用の画像は、ハーフミラー32で1回(奇数回)反射するから、液晶パネル6L上では上下反転されている。右目用の画像は、液晶パネル6R上では反転は不要である。
【0074】
第4の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2は、調節距離調整レンズ28、外光反射防止スクリーン30、偏光メガネ(20R、20L)、及び観察者24が、ハーフミラー32の反射面における図5図面に垂直な中心線を反時計回りに90°回転した配置形態でも実現され得る。このとき、2つの表示画像(16R、16L)の反転条件は逆に設定されなければならない。また、観察者24の見る画像(虚像)(34R、34L)も、ハーフミラー32の反射面の上記中心線を反時計回りに90°回転することになる。
【0075】
第1の実施の形態と同様に、調節距離調整レンズ28が、画面(液晶ディスプレイ装置(10R、10L))と観察者24両目との間に設置される。調節距離調整の具体例については、後述する。更に第1の実施の形態と同様に、外光反射防止スクリーン30が、ステレオ画像表示装置2内に複数設置されるミラーによる外光の反射の発生を防止するために、該装置2からの画像の出口に設置される。
【0076】
≪第5の実施の形態≫
図6は、本発明の第5の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2の概略構成の平面図を示す。第5の実施の形態では、従来のCRTディスプレイ装置を組み込んで本発明を実現する。その余の構成は、特に第1の実施の形態と略同様であり、同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
【0077】
図6の構成では、1台の従来技術のCRTディスプレイ装置104が用意される。CRTディスプレイ装置104の前面には、偏光板110が設定される。該CRTディスプレイ装置104は、コンピュータ14の制御を受ける。該コンピュータ14はCRTディスプレイ装置104に、右目用の表示画像16Rと左目用の表示画像16Lとを表示する。
【0078】
上記のCRTディスプレイ装置104は、偏光方向を有さない他のディスプレイ装置、例えばプラズマディスプレイなどでもよい。
【0079】
偏光板110により、CRTディスプレイ装置104からの発生光は、例えば垂直偏光される。それから、第1の実施の形態と同様に、片方の目用の画像、例えば右目用画像の偏光方向を90°変化させるため、右目用の表示画像16Rの前面に四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)を設置する。そのあと、左目用の画像16’Lが垂直偏光となり左目に向かい、右目用の画像16’Rが水平偏光となり右目に向かうのも、第1の実施の形態と同様である(図10(1)参照)。
【0080】
但し、第5の実施の形態では、調節距離調整レンズ28及び偏光メガネ(20R、20L)の代わりに、偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)が設定される。即ち、調節距離調整レンズの機能が、偏光メガネに持たされている。この偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)は、上述の第1の実施の形態乃至第4の実施の形態においても、調節距離調整レンズ28及び偏光メガネ(20R、20L)の代わりに利用され得る。
【0081】
第5の実施の形態でも、左目用の画像16’Lと右目用の画像16’Rとに適切な視差があれば観察者24は立体視ができる。
【0082】
四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は、左目用の表示画像16Lの前面に設置されてもよい。このときには偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)の左右の偏光方向が逆に設定される。
【0083】
偏光板110によりCRTディスプレイ装置104からの発生光が水平偏光する場合も、原理上上記と同様に構成され得る。
【0084】
偏光板110によりCRTディスプレイ装置104からの発生光が、図10(2)に示すように、±45°偏光する場合には、第1の実施の形態と同様に、上記の四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は不要となる。よって、偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)の夫々の偏光方向を、適宜対応させればよいことになる。
【0085】
図6の第5の実施の形態でも、左目22Lの画像実光路は“A−B−C−D‐E”、左目22Lの画像視覚光路は“J−D−E”となり、右目22Rの画像実光路は“F−G−H−I”、右目22Rの画像視覚光路は“J−H−I”となる。なお第5の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、左目用光路変換ミラー26Lは光路長調整機能も果たしており、左目用光路変換ミラー26Lの位置を前後させることにより実光路長も、視覚光路長も左右等しくなるように設定でき、よって立体視を容易にできる。
【0086】
第1の実施の形態と同様に、右目用の画像は、CRTディスプレイ装置104画面上では横反転されている。左目用の画像は、CRTディスプレイ装置104画面上では反転は不要である。更に第1の実施の形態と同様に、第5の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2は、コンピュータ14及びCRTディスプレイ装置104を除き、右目用光路変換ミラー26Rと左目用光路変換ミラー26Lとの交線と、2つの表示画像(16R、16L)の中線とを通る垂直断面に関して、対称に配置した形態でも実現され得る。このときも、2つの表示画像(16R、16L)の反転条件は逆に設定されなければならない。また、右目に係る光学系装置と左目に係る光学系装置の役割は、入れ替わることになる。
【0087】
更に、第5の実施の形態のステレオ画像表示装置2でも、該装置2からの画像の出口に外光反射防止スクリーン30が設置される。
【0088】
≪第6の実施の形態≫
図7は、本発明の第6の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2の概略構成の平面図を示す。第6の実施の形態では、従来のCRTディスプレイ装置を組み込んで本発明を実現する。また、第6の実施の形態では、四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は設定されない。その余の構成は、特に第2の実施の形態と略同様であり、同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
【0089】
図7の構成では、2台の従来技術のCRTディスプレイ装置(104R、104L)が用意される。CRTディスプレイ装置(104R、104L)の前面には、偏光板(110R、110L)が設定される。該CRTディスプレイ装置(104R、104L)は、コンピュータ14の制御を受ける。該コンピュータ14はCRTディスプレイ装置(104R、104L)に、夫々右目用の表示画像16Rと左目用の表示画像16Lとを供給する。上記のCRTディスプレイ装置104は、他の偏光方向を有さないディスプレイ装置、例えばプラズマディスプレイなどでもよい。
【0090】
偏光板(110R、110L)により、CRTディスプレイ装置(104R、104L)からの発生光は、図9(2)に示すように、ともに+45°(又は−45°)偏光されている。そのあと、右目用の画像16’Rと左目用の画像16’Lとが、最終的に夫々の偏光方向を直交させて、右目と左目とに向かうのも第2の実施の形態と同様である(図9(1)参照)。
【0091】
但し、(第5の実施の形態と同様に)第6の実施の形態でも、調節距離調整レンズ28及び偏光メガネ(20R、20L)の代わりに、偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)が設定される。即ち、調節距離調整レンズの機能が、偏光メガネに持たされている。
【0092】
よって、第6の実施の形態でも、偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)の夫々の偏光方向を適宜対応させれば、左目用の画像16’Lと右目用の画像16’Rとに適切な視差があるとき観察者24は立体視ができる。
【0093】
図7の第6の実施の形態でも、左目22Lの画像実光路は“A−B−C−D”、左目22Lの画像視覚光路は“H−C−D”となり、右目22Rの画像実光路は“E−F−G”、右目22Rの画像視覚光路は“H−F−G”となる。
【0094】
第2の実施の形態と同様に、左目用の画像は、CRTディスプレイ106L上では横反転されている。右目用の画像は、CRTディスプレイ106R上では反転は不要である。更に第2の実施の形態と同様に、第6の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2は、外光反射防止スクリーン30、偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)、及び観察者24が、ハーフミラー32反射面における図7図面に垂直な中心線を反時計回りに90°回転した配置形態でも実現され得る。このときも、2つの表示画像(16R、16L)の反転条件は逆に設定されなければならない。また、観察者の見る画像(虚像)(34R、34L)も、ハーフミラー32反射面の上記中心線を反時計回りに90°回転することになる。
【0095】
更に、第6の実施の形態のステレオ画像表示装置2でも、該装置2からの画像の出口に外光反射防止スクリーン30が設置される。
【0096】
<調節距離調整について>
上記の第1の実施の形態乃至第4の実施の形態では、いずれも、調節距離調整レンズ28が設定される。更に上記の第5の実施の形態乃至第6の実施の形態では、いずれも、偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)が設定される。
【0097】
図2に示すように、従来では肉眼で、又は視力矯正用メガネを使って、ステレオ画面表示装置102の画像を観察していた。そうすると、図11に示すように、肉眼(右目22R、22L)が画像16を観察するとき、両眼による輻輳角θ1が形成される。即ち、両眼の水晶体の調節筋は画面上の画像(星印)にピントが合うように緊張することになる。このとき、調節距離dは概ね40〜60cmとなる。これらの調節距離及び輻輳角に適合するために両眼の水晶体の調節筋に加えられる緊張が、観察者の(特に目の)様々な疲労に繋がると言われている。
【0098】
そこで、本発明は、調節距離調整レンズ21、又は偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)を、画面と両目の間に設定する。そうすると、図11のように、画像の星印の虚像34が、調節距離を大きくし且つ輻輳角を小さくするようにして形成される(調節距離e、輻輳角θ2)。このような調節距離e(例えば、70〜100cm)及び輻輳角θ2であれば、両眼の水晶体の調節筋に加えられる緊張は緩み、条件次第では非緊張状態になると言われる。
【0099】
以下では、調節距離調整レンズを中心に説明を行う。図11に示すように、
・画面上の画像と調節距離調整レンズとの距離を“a”、
・調節距離調整レンズと両目との距離を“c”、
・画面上の画像と両目との距離(即ち、従来の調節距離)を“d”、
・虚像と画面上の画像との仮想的な距離を“g”、
・虚像と調節距離調整レンズとの仮想的な距離を“b”、
・虚像と両目との距離(即ち、調整後の調節距離)を“e”
とする。
【0100】
ここで、“d”(従来の調節距離)は一定であり、この一定の“d”に対して、“a”の距離を変化させて、望ましい“e”(調整後の調節距離)に調整する。調節距離調整レンズ28の焦点距離をfcm(=100/D;Dはジオプタ)とすると、以下の関係式が成立する。
【数1】
上式より以下となる。
【数2】
定義から以下の関係となる。
【数3】
【数4】
【0101】
上記の数1から数4の関係を基にして、レンズの位置(即ち、a)と調整後調節距離(e)の関係をグラフにして図12に示す。図12のグラフでは、画面の観察距離(d)が(1)60cm、(2)50cm、(3)40cmであり、夫々の観察距離において、更に、焦点距離の異なる複数のレンズ28を置くことを想定している。
【0102】
図12では、例えば、(1)観察距離が60cmの場合に、焦点距離50cmのレンズを画面から29cmの位置に置けば、観察者の調節距離は1mに延びることがわかる。(2)観察距離が50cmの場合には、焦点距離50cmのレンズを画面から31cmの位置に置けば、観察者の調節距離は同様に1mに延びることがわかる。(3)観察距離が40cmの場合には、焦点距離50cmのレンズを画面から32.5cmの位置に置けば、観察者の調節距離はやはり同様に1mに延びることがわかる。
【0103】
図13は、図12(1)、(2)、及び(3)のようにレンズを移動させた場合に、表示される虚像の見かけの大きさの変化を示すグラフである。
【0104】
2次元画像を観察する場合は、2枚のステレオ画像に視差が無いため拡大倍率はあまり問題とはならない。しかしながら、立体視画像の場合は、2枚の画像に視差が必須であり、然も拡大倍率の変化を視差の変化に反映させねばならない。虚像の見かけの拡大率を“m”とすると、mは以下の式で表される。
【数5】
画面の表示画像の大きさを拡大倍率の逆数で補正すれば、正しく両眼視差画像を観察できるようになる。
【0105】
図14は、図12(1)、(2)、及び(3)のようにレンズを移動させた場合の、見かけの輻輳角の減少割合を示すグラフである。輻輳角の変化率を“n”とすると、nは以下の式で表される。
【数6】
概ね調節距離の延長に逆比例して減少する。
【0106】
図14から、例えば、(1)観察距離が60cmの場合には、焦点距離50cmのレンズを画面から29cmの位置に置けば、輻輳角の減少率は約60%となることがわかる。(2)観察距離が50cmの場合には、焦点距離50cmのレンズを画面から31cmの位置に置けば、輻輳角の減少率は約50%となることがわかる。(3)観察距離が40cmの場合には、焦点距離50cmのレンズを画面から32.5cmの位置に置けば、輻輳角の減少率は約40%となることがわかる。
【0107】
このように、調節距離調整レンズ28を使えば、調節距離が延びて輻輳角が減少し立体視が楽になる。また、本装置でステレオ画像に視差のない2枚の画像を表示すれば、2次元表示VDT作業に伴う疲労の軽減に役立てることができる。
【0108】
【発明の効果】
本発明を利用することにより、以下のような効果を得ることができる。
【0109】
従来のCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、又はその他のディスプレイに、簡単な光学系を付加するだけで容易に立体視を実現することができる。付加すべき光学系は廉価なものである。
【0110】
コンピュータ用ではない、ビデオモニタやテレビにも適用可能である。また、コンピュータやディスプレイの機種に依存しない。画像処理ソフトウエアにも依存しない。
【0111】
2次元ディスプレイとして使用しても、目に緊張を強い無い距離で観察できるので、長時間使用する場合にも目の疲労を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るステレオ画像表示装置の概略構成の平面図である。
【図2】従来の立体視可能なステレオ画像表示装置の概略構成の平面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るステレオ画像表示装置の概略構成の平面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るステレオ画像表示装置の概略構成の側方図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係るステレオ画像表示装置の概略構成の側方図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係るステレオ画像表示装置の概略構成の平面図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態に係るステレオ画像表示装置の概略構成の平面図である。
【図8】従来の立体視可能なステレオ画像表示装置での画像の偏光状態の変遷を示す。
【図9】本発明の第2、第4、及び第6の実施の形態に係るステレオ画像表示装置での画像の偏光状態の変遷を示す。
【図10】本発明の第1、第3、及び第5の実施の形態に係るステレオ画像表示装置での画像の偏光状態の変遷を示す。
【図11】従来の調節距離及び輻射角と、調節距離調整レンズ設置時の調節距離及び輻射角との関係を示す、概略の平面図である。
【図12】調節距離調整レンズの位置と調整後調節距離の関係を示すグラフである。
【図13】図12(1)、(2)、及び(3)のように調節距離調整レンズを移動させた場合に、表示される虚像の見かけの大きさの変化を示すグラフである。
【図14】図12(1)、(2)、及び(3)のように調節距離調整レンズを移動させた場合の、見かけの輻輳角の減少割合を示すグラフである。
【符号の説明】
2・・・ステレオ画像表示装置、4、4R、4L・・・液晶ディスプレイ装置、6、6R、6L・・・液晶パネル、8、8R、8L・・・第1の偏光板、10、10R、10L・・・第2の偏光板、14・・・コンピュータ、16、16R、16L・・・表示画像、18−1、18−2・・・四分の一波長板、20R、20L・・・偏光メガネ、26R、26L・・・光路変換ミラー、28・・・調節距離調整レンズ、30・・・外光反射防止スクリーン、32・・・ハーフミラー、34R、34L・・・画像(虚像)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、立体視可能なステレオ画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2において、従来の立体視可能なステレオ画像表示装置102の概略構成の平面図を示す。
【0003】
図2の構成では、2台のCRTディスプレイ装置(104R、104L)が用意される。2台のCRTディスプレイ装置(104R、104L)は適切なコンピュータ114に接続する。該コンピュータ114は各CRTディスプレイ装置(104R、104L)にステレオ画像の夫々を表示する。各CRTディスプレイ装置(104R、104L)の前面には偏光板(210R、210L)が設置され、図8に模式的に示すようにそれらのうち一方が垂直偏光(90°偏光)のもので、もう一方が水平偏光(0°偏光)のものである。各偏光板(210R、210L)を通過した画像の光は、ハーフミラー(ビームスプリッタ)32上で重畳され、観察者24に向かう。
【0004】
観察者24は偏光メガネ(20R、20L)を利用する。該偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向は、上記のCRTディスプレイ装置(104R、104L)の前面に取り付けられた各偏光板(210R、210L)の偏光方向にそれぞれ対応している。即ち、図2の左の偏光メガネ20Lの偏光方向は、図下方のCRTディスプレイ装置104L前面の偏光板210Lの偏光方向と一致し、右の偏光メガネ20Rの偏光方向は、図左方のCRTディスプレイ装置104R前面の偏光板210Rの偏光方向と一致する(図8参照)。このようにすれば、観察者24の左右夫々の目(20R、20L)には、片方のCRTディスプレイ装置(104R、104L)の画像のみが提供され、両画像に適切な視差があれば観察者24は立体視が可能となる。
【0005】
ところで、本明細書において、「偏光方向」は、偏光の進行方向あるいは偏光板を垂直に通過する光の進行方向を中心軸とした場合に、当該偏光あるいは当該偏光板を通過した光が有する偏光面の傾きを、意味するものとする。
【0006】
図2に示すように、右目22Rに対する表示画像(実像)16R、及び左目22Lに対する表示画像(虚像)134Lは、右目に係るCRTディスプレイ装置104R方向に存在する。従って、左目22Lの画像実光路は“A−B−C”、左目22Lの画像視覚光路は“D−B−C”となり、右目22Rの画像実光路(=視覚光路)は“D−E”となる。
【0007】
なお、図において、観察者24の右目に係る光学系装置の符号の末尾に“R”を付し、左目に係る光学系装置の符号の末尾に“L”を付す。以下、本明細書、及び添付の他の図面においても同様である。
【0008】
図2の従来のステレオ画像表示装置102では、CRTディスプレイ装置104Lの画像はハーフミラー32で反射されて観察者24の左目22Lに届くので、横反転されている。ところで、図2のステレオ画像表示装置102は、観察者24(及び偏光メガネ(20R、20L))が、ハーフミラー32の反射面における図2図面に垂直な中心線を反時計方向に90°回転した配置でも実現され得る。この配置のときには、CRTディスプレイ装置104Rの画像が横反転され、CRTディスプレイ装置104Lの画像は反転されない。左目22Lに対する表示画像(実像)16L、及び右目22Rに対する表示画像(虚像)(図示せず。)は、左目に係るCRTディスプレイ装置104L方向に存在することになる。
【0009】
上記の従来技術は、発生光が偏光しないCRTディスプレイを利用して、偏光板により二つの直交偏光を作り出すものである。この従来技術に係る装置では、偏光方向が異なる偏光板のペアが製作され付加されねばならず、量産に有利とは言い難い。また、ある種の液晶ディスプレイでは発生光そのものが既に偏光しており、そのような液晶ディスプレイを図2のステレオ画像表示装置102に含ませても、所望の機能を実現し得ない。更に、ディスプレイを必ず2台用意せねばならない。
【0010】
加えて上記の従来技術では、立体視する対象映像の位置はディスプレイ画面上に在るため、観察距離が40cm〜60cm付近となる。この状態での目の輻輳角は、安静時の目の輻輳角よりも大きい。水晶体レンズの調節の緊張も強くなり、目の疲労の原因の一つとなり得る。この疲労感は立体視のときに顕著であるが、通常の2次元画面でも同様の疲労は、既に「VDT作業症候群」あるいは「テクノストレス眼症」の一つとして指摘されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ディスプレイと観察者の目との間でディスプレイの属性に関わり無く、少なくとも1台のディスプレイで所望の直交する、画像に係る2つの偏光を作成するステレオ画像表示装置を提供することを目的とする。更に、本発明は、疲労感の少ないステレオ画像表示装置とすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために為されたものである。本発明に係る請求項1に記載のステレオ画像表示装置は、
液晶ディスプレイ装置と、
少なくとも2枚の光路変更ミラーと、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記液晶ディスプレイ装置に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記液晶ディスプレイ装置の表示画像の偏光方向が、垂直偏光又は水平偏光である、
ステレオ画像表示装置である。そのステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうちの、片方の画像の光路に、偏光方向を90°変化させる位相板が設置され、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
もう一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る。
【0013】
本発明に係る請求項2に記載のステレオ画像表示装置は、
液晶ディスプレイ装置と、
少なくとも2枚の光路変更ミラーと、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記液晶ディスプレイ装置に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記液晶ディスプレイ装置の表示画像の偏光方向が、+45°偏光又は−45°偏光である、
ステレオ画像表示装置である。そのステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
もう一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る。
【0014】
本発明に係る請求項3に記載のステレオ画像表示装置は、
2台の液晶ディスプレイ装置と、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記2台の液晶ディスプレイ装置の夫々に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記2台の液晶ディスプレイ装置の表示画像の偏光方向が、ともに垂直偏光又は水平偏光である、
ステレオ画像表示装置である。そのステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうちの、片方の画像の光路に、偏光方向を90°変化させる位相板が設置され、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
もう一方の画像が、上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る。
【0015】
本発明に係る請求項4に記載のステレオ画像表示装置は、
2台の液晶ディスプレイ装置と、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記2台の液晶ディスプレイ装置の夫々に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記2台の液晶ディスプレイ装置の表示画像の偏光方向が、ともに+45°偏光又は−45°偏光である、
ステレオ画像表示装置である。そのステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
もう一方の画像が、上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る。
【0016】
本発明に係る請求項5に記載のステレオ画像表示装置は、
表示画面が偏光方向を備えないディスプレイ装置と、
少なくとも2枚の光路変更ミラーと、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記ディスプレイ装置に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記ディスプレイ装置の表示画面の前に、偏光方向が垂直偏光又は水平偏光である第3の偏光板が設置される、
ステレオ画像表示装置である。そのステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうちの、片方の画像の光路に、偏光方向を90°変化させる位相板が設置され、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
もう一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る。
【0017】
本発明に係る請求項6に記載のステレオ画像表示装置は、
表示画面が偏光方向を備えないディスプレイ装置と、
少なくとも2枚の光路変更ミラーと、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記ディスプレイ装置に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記ディスプレイ装置の表示画面の前に、偏光方向が+45°偏光又は−45°偏光である第3の偏光板が設置される、
ステレオ画像表示装置である。そのステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
もう一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る。
【0018】
本発明に係る請求項7に記載のステレオ画像表示装置は、
表示画面が偏光方向を備えない2台のディスプレイ装置と、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記2台のディスプレイ装置の夫々に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記ディスプレイ装置の表示画面の前に、偏光方向がともに+45°偏光又は−45°偏光である第3の偏光板が設置される、
ステレオ画像表示装置である。そのステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
もう一方の画像が、上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る。
【0019】
本発明に係る請求項8に記載のステレオ画像表示装置は、
上記の偏光方向を90°変化させる位相板が、2枚組みの四分の一波長板である、
請求項1、請求項3、又は請求項5のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置である。
【0020】
本発明に係る請求項9に記載のステレオ画像表示装置は、
上記の偏光方向を90°変化させる位相板が、1枚の二分の一波長板である、請求項1、請求項3、又は請求項5のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置である。
【0021】
本発明に係る請求項10に記載のステレオ画像表示装置は、
表示画面と、観察者の両目との間に、観察者の画像観察時の目の調節距離を調整するレンズが設置される、
請求項1乃至請求項9のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置である。
【0022】
本発明に係る請求項11に記載のステレオ画像表示装置は、
上記第1の偏光板と上記第2の偏光板が、観察者の画像観察時の目の調節距離を調整するレンズを含む、
請求項1乃至請求項9のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置である。
【0023】
本発明に係る請求項12に記載のステレオ画像表示装置は、
外光反射防止スクリーンが取り付けられた、
請求項1乃至請求項11のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る好適な実施の形態について説明する。
【0025】
≪第1の実施の形態≫
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2の概略構成の平面図を示す。図1の第1の実施の形態と図2の従来の形態との同一部位には同一符号を付し、説明は省略する。
【0026】
図1の構成では、1台の液晶ディスプレイ装置4が用意される。液晶ディスプレイ装置4は従来技術のものである。液晶ディスプレイ装置4の液晶パネル6の背面及び前面には偏光板(第1の偏光板8、第2の偏光板10)が設定され、更に液晶パネル6及び第1の偏光板8の背面にはバックライト12が設置され表示に必要な光が供給される。該液晶ディスプレイ装置4、特に液晶パネル6は、コンピュータ14の制御を受ける。該コンピュータ14は液晶ディスプレイ装置4に、右目用の表示画像16Rと左目用の表示画像16Lとを表示する。
【0027】
ここで、第2の偏光板10により液晶ディスプレイ装置4からの発生光が例えば垂直偏光(図10(1)参照)している場合には、片方の目用の画像、例えば右目用画像の偏光方向を90°変化させるために、右目用の表示画像16Rの前面に四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)を設置する。すると、図10(1)のように、左目用の画像16’Lは垂直偏光となり、右目用の画像16’Rはそれに対応して水平偏光となる。
【0028】
右目用の画像16’Rはそれから右目用光路変換ミラー26Rで反射し略90°向きを変え、調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て右目に向かう。左目用の画像16’Lは左目用光路変換ミラー26Lで反射し略180°向きを変え、ハーフミラー32で反射し略90°向きを変え、更に調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て左目に向かう。
【0029】
それら画像(16’R、16’L)の偏光方向は、上記の途中の反射を夫々経ても変化することなく、夫々の目のための偏光メガネ(20R、20L)に到達する。該偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向がそれら画像の偏光方向の各々と一致するように設定されていれば、右目用の画像16’Rは右目22Rに入り、左目用の画像16’Lは左目22Lに入る。よって、従来技術と同様に、両画像に適切な視差があれば観察者24は立体視ができる。
【0030】
四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は、左目用の表示画像16Lの前面に設置されてもよい。このときには偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向が逆に設定される。
【0031】
第2の偏光板10により液晶ディスプレイ4からの発生光が水平偏光している場合も、原理上上記と同様に構成され得る。
【0032】
一方、第2の偏光板10により液晶ディスプレイ4からの発生光が、図10(2)に示すように、±45°偏光している場合には、上記の四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は不要となる。なぜなら図1の構成では、右目用の画像16’Rは右目用光路変換ミラー26Rで1回(奇数回)反射し、左目用の画像16’Lは左目用光路変換ミラー26L及びハーフミラー32で2回(偶数回)反射し、結局両光は偏光方向を直交させる状態で偏光メガネ(20R、20L)に到達するからである。つまり、偏光メガネ(20R、20L)の夫々の偏光方向を、それら2つの偏光方向に対応させればよいことになる。
【0033】
図1の第1の実施の形態では、左目22Lの画像実光路は“A−B−C−D‐E”、左目22Lの画像視覚光路は“J−D−E”となり、右目22Rの画像実光路は“F−G−H−I”、右目22Rの画像視覚光路は“J−H−I”となる。なお、左目用光路変換ミラー26Lは光路長調整機能も果たしており、左目用光路変換ミラー26Lの位置を前後させることにより実光路長も、視覚光路長も左右等しくなるように設定でき、よって立体視を容易にできる。
【0034】
右目用の画像は、右目用光路変換ミラー26Rで1回(奇数回)反射するから、液晶パネル6上では横反転されている。左目用の画像は、左目用光路変換ミラー26L及びハーフミラー32で2回(偶数回)反射するから、液晶パネル6上では反転は不要である。
【0035】
ところで、第1の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2は、コンピュータ14及び液晶ディスプレイ装置4を除き、右目用光路変換ミラー26Rと左目用光路変換ミラー26Lとの交線と、2つの表示画像(16R、16L)の中線とを通る垂直断面に関して、対称に配置した形態でも実現され得る。このとき、2つの表示画像(16R、16L)の反転条件は逆に設定されなければならない。また、右目に係る光学系装置と左目に係る光学系装置の役割は、入れ替わることになる。
【0036】
画面(液晶ディスプレイ10)と観察者24両目との間に設置される調節距離調整レンズ28は、画像観察時の目の調節距離を目の疲労が少ない調節安静位近傍(約1m)に調節する。図1では、調節距離調整レンズ28が設置されて、観察者24は地点Jに画像(虚像)(34R、34L)を見る。ここでのJ−I間又はJ−E間の距離が1mに近いものであれば、観察者24は目に掛かる負担を軽くして画像を観察できる。調節距離調整の具体例については、後述する。
【0037】
ステレオ画像表示装置2内に複数設置されるミラーによる外光の反射の発生を防止するために、該装置2からの画像の出口に外光反射防止スクリーン30が設置される。外光反射防止スクリーン30は、外部の光の侵入を食い止め、それ自体反射機能を有さないものである。例えば、黒色無反射不透明の極細い繊維で編まれた網目の布地が適合する。
【0038】
≪第2の実施の形態≫
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2の概略構成の平面図を示す。図1の第1の実施の形態との同一部位には同一符号を付して説明を省略し、差異を中心に説明する。
【0039】
図3の構成では、2台の液晶ディスプレイ(4R、4L)が用意される。液晶ディスプレイ(4R、4L)は、第1の実施の形態と同様のものであり、従来技術のものである。コンピュータ14は2台の液晶ディスプレイ装置(4R、4L)に、夫々右目用の表示画像16Rと左目用の表示画像16Lとを供給する。
【0040】
第2の偏光板(10R、10L)により液晶ディスプレイ装置(4R、4L)からの発生光が例えば垂直偏光(図9(1)参照)している場合には、片方の目用の画像、例えば左目用画像の偏光方向を90°変化させるために、左目用の表示画像16Lの前面に四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)を設置する。すると、図9(1)のように、右目用の画像16’Rは垂直偏光となり、左目用の画像16’Lはそれに対応して水平偏光となる。
【0041】
右目用の画像16’Rは、調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て右目に向かう。左目用の画像16’Lは、ハーフミラー32で反射し略90°向きを変え、更に調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て左目に向かう。
【0042】
それら画像(16’R、16’L)の偏光方向は、上記の途中を夫々経ても変化することなく、夫々の目のための偏光メガネ(20R、20L)に到達する。該偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向がそれら画像の偏光方向と一致するように設定されていれば、右目用の画像16’Rは右目22Rに入り、左目用の画像16’Lは左目22Lに入る。よって、両画像に適切な視差があれば観察者24は立体視ができる。
【0043】
四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は、右目用の表示画像16Rの前面に設置されてもよい。このときには偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向が逆に設定される。
【0044】
第2の偏光板(10R、10L)により液晶ディスプレイ装置(4R、4L)からの発生光が水平偏光している場合も、原理上上記と同様に構成され得る。
【0045】
一方、第2の偏光板(10R、10L)により液晶ディスプレイ装置(4R、4L)からの発生光が、図9(2)に示すように、±45°偏光している場合には、やはり、上記の四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は不要となる。なぜなら図3の構成では、右目用の画像16’Rは反射することなく進み、左目用の画像16’Lはハーフミラー32で1回(奇数回)反射し、結局両光は偏光方向を直交させる状態で偏光メガネ(20R、20L)に到達するからである。つまり、偏光メガネ(20R、20L)の夫々の偏光方向を、それら2つの偏光方向に対応させればよいことになる。
【0046】
図3の第2の実施の形態では、左目22Lの画像実光路は“A−B−C−D”、左目22Lの画像視覚光路は“H−C−D”となり、右目22Rの画像実光路は“E−F−G”、右目22Rの画像視覚光路は“H−F−G”となる。
【0047】
左目用の画像は、ハーフミラー32で1回(奇数回)反射するから、液晶パネル6L上では横反転されている。右目用の画像は、液晶パネル6R上では反転は不要である。
【0048】
第2の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2は、調節距離調整レンズ28、外光反射防止スクリーン30、偏光メガネ(20R、20L)、及び観察者24が、ハーフミラー32反射面における図3図面に垂直な中心線を反時計回りに90°回転した配置形態でも実現され得る。このとき、2つの表示画像(16R、16L)の反転条件は逆に設定されなければならない。また、観察者24の見る画像(虚像)(34R、34L)も、ハーフミラー32反射面の上記中心線を反時計回りに90°回転することになる。
【0049】
第1の実施の形態と同様に、調節距離調整レンズ28が、画面(液晶ディスプレイ装置(10R、10L))と観察者24両目との間に設置される。調節距離調整の具体例については、後述する。更に第1の実施の形態と同様に、外光反射防止スクリーン30が、ステレオ画像表示装置2内に複数設置されるミラーによる外光の反射の発生を防止するために、該装置2からの画像の出口に設置される。
【0050】
≪第3の実施の形態≫
図4は、本発明の第3の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2の概略構成の側方図を示す。図1の第1の実施の形態及び図3の第2の実施の形態と、同一部位には同一符号を付して説明を省略し、差異を中心に説明する。
【0051】
図4の構成では、1台の液晶ディスプレイ装置4が用意される。図1の第1の実施の形態と比較すると、第3の実施の形態は、観察者24(及び偏光メガネ(20R、20L))以外の装置を、液晶ディスプレイ装置4が下方に来るように光(路)軸を中心に90°回転させた構成に概ね相当する。更に、液晶ディスプレイ装置4は、観察者24からの遠位が表示画面の「天」となるように90°回転され、右目用の表示画像16Rと左目用の表示画像16Lとは、表示画面上で縦に並べられる。
【0052】
液晶ディスプレイ装置4は、第1の実施の形態と同様のものであり、従来技術のものである。コンピュータ14は液晶ディスプレイ装置4に、右目用の表示画像16Rと左目用の表示画像16Lとを供給する。
【0053】
第2の偏光板10により液晶ディスプレイ装置4からの発生光が例えば垂直偏光(図10(1)参照)している場合には、片方の目用の画像、例えば右目用画像の偏光方向を90°変化させるために、右目用の表示画像16Rの前面に四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)を設置する。すると、図10(1)のように、左目用の画像16’Lは垂直偏光となり、右目用の画像16’Rはそれに対応して水平偏光となる。
【0054】
右目用の画像16’Rはそれから右目用光路変換ミラー26Rで反射し略90°向きを変え、調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て右目に向かう。左目用の画像16’Lは左目用光路変換ミラー26Lで反射し略180°向きを変え、ハーフミラー32で反射し略90°向きを変え、更に調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て左目に向かう。
【0055】
それら画像(16’R、16’L)の偏光方向は、上記の途中を夫々経ても変化することなく、夫々の目のための偏光メガネ(20R、20L)に到達する。該偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向がそれら画像の偏光方向の各々と一致するように設定されていれば、右目用の画像16’Rは右目22Rに入り、左目用の画像16’Lは左目22Lに入る。よって、両画像に適切な視差があれば観察者24は立体視ができる。
【0056】
四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は、左目用の表示画像16Lの前面に設置されてもよい。このときには偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向が逆に設定される。
【0057】
第2の偏光板10により液晶ディスプレイ装置4からの発生光が水平偏光している場合も、原理上上記と同様に構成され得る。
【0058】
一方、第2の偏光板10により液晶ディスプレイ4からの発生光が、図10(2)に示すように、±45°偏光している場合には、やはり、上記の四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は不要となる。なぜなら図4の構成では、右目用の画像16’Rは右目用光路変換ミラー26Rで1回(奇数回)反射し、左目用の画像16’Lは左目用光路変換ミラー26L及びハーフミラー32で2回(偶数回)反射し、結局両光は偏光方向を直交させる状態で偏光メガネ(20R、20L)に到達するからである。つまり、偏光メガネ(20R、20L)の夫々の偏光方向を、それら2つの偏光方向に対応させればよいことになる。
【0059】
図4の第3の実施の形態では、左目22Lの画像実光路は“A−B−C−D‐E”、左目22Lの画像視覚光路は“J−D−E”となり、右目22Rの画像実光路は“F−G−H−I”、右目22Rの画像視覚光路は“J−H−I”となる。なお第3の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、左目用光路変換ミラー26Lは光路長調整機能も果たしており、左目用光路変換ミラー26Lの位置を上下させることにより実光路長も、視覚光路長も左右等しくなるように設定でき、よって立体視を容易にできる。
【0060】
右目用の画像は、右目用光路変換ミラー26Rで1回(奇数回)反射するから、液晶パネル6上では上下反転されている。左目用の画像は、左目用光路変換ミラー26L及びハーフミラー32で2回(偶数回)反射するから、液晶パネル6上では反転は不要である。
【0061】
第3の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2は、コンピュータ14及び液晶ディスプレイ4を除き、右目用光路変換ミラー26Rと左目用光路変換ミラー26Lとの交線と、2つの表示画像(16R、16L)の中線とを通る垂直断面に関して、対称に配置した形態でも実現され得る。このとき、2つの表示画像(16R、16L)の反転条件は逆に設定されなければならない。また、右目に係る光学系装置と左目に係る光学系装置の役割は、入れ替わることになる。
【0062】
第1の実施の形態と同様に、調節距離調整レンズ28が、画面(液晶ディスプレイ装置)4と観察者24両目との間に設置される。調節距離調整の具体例については、後述する。更に第1の実施の形態と同様に、外光反射防止スクリーン30が、ステレオ画像表示装置2内に複数設置されるミラーによる外光の反射の発生を防止するために、該装置2からの画像の出口に設置される。
【0063】
≪第4の実施の形態≫
図5は、本発明の第4の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2の概略構成の側方図を示す。図1の第1の実施の形態、図3の第2の実施の形態、及び図4の第3の実施の形態と、同一部位には同一符号を付して説明を省略し、差異を中心に説明する。
【0064】
図5の構成では、2台の液晶ディスプレイ装置(4R、4L)が用意される。図3の第2の実施の形態と比較すると、第4の実施の形態は、観察者24(、偏光メガネ(20R、20L))及び(右目用)液晶ディスプレイ装置4R以外の装置を、(左目用)液晶ディスプレイ4Lが下方に来るように光(路)軸を中心に90°回転させた構成に概ね相当する。更に、(左目用)液晶ディスプレイ4Lは、観察者24からの遠位が表示画面の「天」となるように90°回転される。
【0065】
液晶ディスプレイ装置(4R、4L)は、第1の実施の形態と同様のものであり、従来技術のものである。コンピュータ14は2台の液晶ディスプレイ装置(4R、4L)に、夫々右目用の表示画像16Rと左目用の表示画像16Lとを供給する。
【0066】
第2の偏光板(10R、10L)により液晶ディスプレイ装置(4R、4L)からの発生光が例えば垂直偏光(図9(1)参照)している場合には、片方の目用の画像、例えば左目用画像の偏光方向を90°変化させるため、左目用の表示画像16Lの前面に四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)を設置する。すると、図9(1)のように、右目用の画像16’Rは垂直偏光となり、左目用の画像16’Lはそれに対応して水平偏光となる。
【0067】
右目用の画像16’Rは、調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て右目に向かう。左目用の画像16’Lは、ハーフミラー32で反射し略90°向きを変え、更に調節距離調整レンズ28と外光反射防止スクリーン30とを経て左目に向かう。
【0068】
それら画像(16’R、16’L)の偏光方向は、上記の途中を夫々経ても変化することなく、夫々の目のための偏光メガネ(20R、20L)に到達する。該偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向がそれら画像の偏光方向の各々と一致するように設定されていれば、右目用の画像16’Rは右目22Rに入り、左目用の画像16’Lは左目22Lに入る。よって、両画像に適切な視差があれば観察者24は立体視ができる。
【0069】
四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は、右目用の表示画像16Rの前面に設置されてもよい。このときには偏光メガネ(20R、20L)の左右の偏光方向が逆に設定される。
【0070】
第2の偏光板(10R、10L)により液晶ディスプレイ装置(4R、4L)からの発生光が水平偏光している場合も、原理上上記と同様に構成され得る。
【0071】
一方、第2の偏光板(10R、10L)により液晶ディスプレイ装置(4R、4L)からの発生光が、図9(2)に示すように、±45°偏光している場合には、第2の実施の形態と同様に、上記の四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は不要となる。なぜなら図5の構成では、右目用の画像16’Rは反射することなく進み、一方左目用の画像16’Lはハーフミラー32で1回(奇数回)反射し、結局両光は偏光方向を直交させる状態で偏光メガネ(20R、20L)に到達するからである。つまり、偏光メガネ(20R、20L)の夫々の偏光方向を、それら2つの偏光方向に対応させればよいことになる。
【0072】
図5の第4の実施の形態では、左目22Lの画像実光路は“A−B−C−D”、左目22Lの画像視覚光路は“H−C−D”となり、右目22Rの画像実光路は“E−F−G”、右目22Rの画像視覚光路は“H−F−G”となる。
【0073】
左目用の画像は、ハーフミラー32で1回(奇数回)反射するから、液晶パネル6L上では上下反転されている。右目用の画像は、液晶パネル6R上では反転は不要である。
【0074】
第4の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2は、調節距離調整レンズ28、外光反射防止スクリーン30、偏光メガネ(20R、20L)、及び観察者24が、ハーフミラー32の反射面における図5図面に垂直な中心線を反時計回りに90°回転した配置形態でも実現され得る。このとき、2つの表示画像(16R、16L)の反転条件は逆に設定されなければならない。また、観察者24の見る画像(虚像)(34R、34L)も、ハーフミラー32の反射面の上記中心線を反時計回りに90°回転することになる。
【0075】
第1の実施の形態と同様に、調節距離調整レンズ28が、画面(液晶ディスプレイ装置(10R、10L))と観察者24両目との間に設置される。調節距離調整の具体例については、後述する。更に第1の実施の形態と同様に、外光反射防止スクリーン30が、ステレオ画像表示装置2内に複数設置されるミラーによる外光の反射の発生を防止するために、該装置2からの画像の出口に設置される。
【0076】
≪第5の実施の形態≫
図6は、本発明の第5の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2の概略構成の平面図を示す。第5の実施の形態では、従来のCRTディスプレイ装置を組み込んで本発明を実現する。その余の構成は、特に第1の実施の形態と略同様であり、同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
【0077】
図6の構成では、1台の従来技術のCRTディスプレイ装置104が用意される。CRTディスプレイ装置104の前面には、偏光板110が設定される。該CRTディスプレイ装置104は、コンピュータ14の制御を受ける。該コンピュータ14はCRTディスプレイ装置104に、右目用の表示画像16Rと左目用の表示画像16Lとを表示する。
【0078】
上記のCRTディスプレイ装置104は、偏光方向を有さない他のディスプレイ装置、例えばプラズマディスプレイなどでもよい。
【0079】
偏光板110により、CRTディスプレイ装置104からの発生光は、例えば垂直偏光される。それから、第1の実施の形態と同様に、片方の目用の画像、例えば右目用画像の偏光方向を90°変化させるため、右目用の表示画像16Rの前面に四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)を設置する。そのあと、左目用の画像16’Lが垂直偏光となり左目に向かい、右目用の画像16’Rが水平偏光となり右目に向かうのも、第1の実施の形態と同様である(図10(1)参照)。
【0080】
但し、第5の実施の形態では、調節距離調整レンズ28及び偏光メガネ(20R、20L)の代わりに、偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)が設定される。即ち、調節距離調整レンズの機能が、偏光メガネに持たされている。この偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)は、上述の第1の実施の形態乃至第4の実施の形態においても、調節距離調整レンズ28及び偏光メガネ(20R、20L)の代わりに利用され得る。
【0081】
第5の実施の形態でも、左目用の画像16’Lと右目用の画像16’Rとに適切な視差があれば観察者24は立体視ができる。
【0082】
四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は、左目用の表示画像16Lの前面に設置されてもよい。このときには偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)の左右の偏光方向が逆に設定される。
【0083】
偏光板110によりCRTディスプレイ装置104からの発生光が水平偏光する場合も、原理上上記と同様に構成され得る。
【0084】
偏光板110によりCRTディスプレイ装置104からの発生光が、図10(2)に示すように、±45°偏光する場合には、第1の実施の形態と同様に、上記の四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は不要となる。よって、偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)の夫々の偏光方向を、適宜対応させればよいことになる。
【0085】
図6の第5の実施の形態でも、左目22Lの画像実光路は“A−B−C−D‐E”、左目22Lの画像視覚光路は“J−D−E”となり、右目22Rの画像実光路は“F−G−H−I”、右目22Rの画像視覚光路は“J−H−I”となる。なお第5の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、左目用光路変換ミラー26Lは光路長調整機能も果たしており、左目用光路変換ミラー26Lの位置を前後させることにより実光路長も、視覚光路長も左右等しくなるように設定でき、よって立体視を容易にできる。
【0086】
第1の実施の形態と同様に、右目用の画像は、CRTディスプレイ装置104画面上では横反転されている。左目用の画像は、CRTディスプレイ装置104画面上では反転は不要である。更に第1の実施の形態と同様に、第5の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2は、コンピュータ14及びCRTディスプレイ装置104を除き、右目用光路変換ミラー26Rと左目用光路変換ミラー26Lとの交線と、2つの表示画像(16R、16L)の中線とを通る垂直断面に関して、対称に配置した形態でも実現され得る。このときも、2つの表示画像(16R、16L)の反転条件は逆に設定されなければならない。また、右目に係る光学系装置と左目に係る光学系装置の役割は、入れ替わることになる。
【0087】
更に、第5の実施の形態のステレオ画像表示装置2でも、該装置2からの画像の出口に外光反射防止スクリーン30が設置される。
【0088】
≪第6の実施の形態≫
図7は、本発明の第6の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2の概略構成の平面図を示す。第6の実施の形態では、従来のCRTディスプレイ装置を組み込んで本発明を実現する。また、第6の実施の形態では、四分の一波長板の2枚組み(18−1、18−2)は設定されない。その余の構成は、特に第2の実施の形態と略同様であり、同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
【0089】
図7の構成では、2台の従来技術のCRTディスプレイ装置(104R、104L)が用意される。CRTディスプレイ装置(104R、104L)の前面には、偏光板(110R、110L)が設定される。該CRTディスプレイ装置(104R、104L)は、コンピュータ14の制御を受ける。該コンピュータ14はCRTディスプレイ装置(104R、104L)に、夫々右目用の表示画像16Rと左目用の表示画像16Lとを供給する。上記のCRTディスプレイ装置104は、他の偏光方向を有さないディスプレイ装置、例えばプラズマディスプレイなどでもよい。
【0090】
偏光板(110R、110L)により、CRTディスプレイ装置(104R、104L)からの発生光は、図9(2)に示すように、ともに+45°(又は−45°)偏光されている。そのあと、右目用の画像16’Rと左目用の画像16’Lとが、最終的に夫々の偏光方向を直交させて、右目と左目とに向かうのも第2の実施の形態と同様である(図9(1)参照)。
【0091】
但し、(第5の実施の形態と同様に)第6の実施の形態でも、調節距離調整レンズ28及び偏光メガネ(20R、20L)の代わりに、偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)が設定される。即ち、調節距離調整レンズの機能が、偏光メガネに持たされている。
【0092】
よって、第6の実施の形態でも、偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)の夫々の偏光方向を適宜対応させれば、左目用の画像16’Lと右目用の画像16’Rとに適切な視差があるとき観察者24は立体視ができる。
【0093】
図7の第6の実施の形態でも、左目22Lの画像実光路は“A−B−C−D”、左目22Lの画像視覚光路は“H−C−D”となり、右目22Rの画像実光路は“E−F−G”、右目22Rの画像視覚光路は“H−F−G”となる。
【0094】
第2の実施の形態と同様に、左目用の画像は、CRTディスプレイ106L上では横反転されている。右目用の画像は、CRTディスプレイ106R上では反転は不要である。更に第2の実施の形態と同様に、第6の実施の形態に係るステレオ画像表示装置2は、外光反射防止スクリーン30、偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)、及び観察者24が、ハーフミラー32反射面における図7図面に垂直な中心線を反時計回りに90°回転した配置形態でも実現され得る。このときも、2つの表示画像(16R、16L)の反転条件は逆に設定されなければならない。また、観察者の見る画像(虚像)(34R、34L)も、ハーフミラー32反射面の上記中心線を反時計回りに90°回転することになる。
【0095】
更に、第6の実施の形態のステレオ画像表示装置2でも、該装置2からの画像の出口に外光反射防止スクリーン30が設置される。
【0096】
<調節距離調整について>
上記の第1の実施の形態乃至第4の実施の形態では、いずれも、調節距離調整レンズ28が設定される。更に上記の第5の実施の形態乃至第6の実施の形態では、いずれも、偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)が設定される。
【0097】
図2に示すように、従来では肉眼で、又は視力矯正用メガネを使って、ステレオ画面表示装置102の画像を観察していた。そうすると、図11に示すように、肉眼(右目22R、22L)が画像16を観察するとき、両眼による輻輳角θ1が形成される。即ち、両眼の水晶体の調節筋は画面上の画像(星印)にピントが合うように緊張することになる。このとき、調節距離dは概ね40〜60cmとなる。これらの調節距離及び輻輳角に適合するために両眼の水晶体の調節筋に加えられる緊張が、観察者の(特に目の)様々な疲労に繋がると言われている。
【0098】
そこで、本発明は、調節距離調整レンズ21、又は偏光機能付き調節距離調整レンズ(21R、21L)を、画面と両目の間に設定する。そうすると、図11のように、画像の星印の虚像34が、調節距離を大きくし且つ輻輳角を小さくするようにして形成される(調節距離e、輻輳角θ2)。このような調節距離e(例えば、70〜100cm)及び輻輳角θ2であれば、両眼の水晶体の調節筋に加えられる緊張は緩み、条件次第では非緊張状態になると言われる。
【0099】
以下では、調節距離調整レンズを中心に説明を行う。図11に示すように、
・画面上の画像と調節距離調整レンズとの距離を“a”、
・調節距離調整レンズと両目との距離を“c”、
・画面上の画像と両目との距離(即ち、従来の調節距離)を“d”、
・虚像と画面上の画像との仮想的な距離を“g”、
・虚像と調節距離調整レンズとの仮想的な距離を“b”、
・虚像と両目との距離(即ち、調整後の調節距離)を“e”
とする。
【0100】
ここで、“d”(従来の調節距離)は一定であり、この一定の“d”に対して、“a”の距離を変化させて、望ましい“e”(調整後の調節距離)に調整する。調節距離調整レンズ28の焦点距離をfcm(=100/D;Dはジオプタ)とすると、以下の関係式が成立する。
【数1】
上式より以下となる。
【数2】
定義から以下の関係となる。
【数3】
【数4】
【0101】
上記の数1から数4の関係を基にして、レンズの位置(即ち、a)と調整後調節距離(e)の関係をグラフにして図12に示す。図12のグラフでは、画面の観察距離(d)が(1)60cm、(2)50cm、(3)40cmであり、夫々の観察距離において、更に、焦点距離の異なる複数のレンズ28を置くことを想定している。
【0102】
図12では、例えば、(1)観察距離が60cmの場合に、焦点距離50cmのレンズを画面から29cmの位置に置けば、観察者の調節距離は1mに延びることがわかる。(2)観察距離が50cmの場合には、焦点距離50cmのレンズを画面から31cmの位置に置けば、観察者の調節距離は同様に1mに延びることがわかる。(3)観察距離が40cmの場合には、焦点距離50cmのレンズを画面から32.5cmの位置に置けば、観察者の調節距離はやはり同様に1mに延びることがわかる。
【0103】
図13は、図12(1)、(2)、及び(3)のようにレンズを移動させた場合に、表示される虚像の見かけの大きさの変化を示すグラフである。
【0104】
2次元画像を観察する場合は、2枚のステレオ画像に視差が無いため拡大倍率はあまり問題とはならない。しかしながら、立体視画像の場合は、2枚の画像に視差が必須であり、然も拡大倍率の変化を視差の変化に反映させねばならない。虚像の見かけの拡大率を“m”とすると、mは以下の式で表される。
【数5】
画面の表示画像の大きさを拡大倍率の逆数で補正すれば、正しく両眼視差画像を観察できるようになる。
【0105】
図14は、図12(1)、(2)、及び(3)のようにレンズを移動させた場合の、見かけの輻輳角の減少割合を示すグラフである。輻輳角の変化率を“n”とすると、nは以下の式で表される。
【数6】
概ね調節距離の延長に逆比例して減少する。
【0106】
図14から、例えば、(1)観察距離が60cmの場合には、焦点距離50cmのレンズを画面から29cmの位置に置けば、輻輳角の減少率は約60%となることがわかる。(2)観察距離が50cmの場合には、焦点距離50cmのレンズを画面から31cmの位置に置けば、輻輳角の減少率は約50%となることがわかる。(3)観察距離が40cmの場合には、焦点距離50cmのレンズを画面から32.5cmの位置に置けば、輻輳角の減少率は約40%となることがわかる。
【0107】
このように、調節距離調整レンズ28を使えば、調節距離が延びて輻輳角が減少し立体視が楽になる。また、本装置でステレオ画像に視差のない2枚の画像を表示すれば、2次元表示VDT作業に伴う疲労の軽減に役立てることができる。
【0108】
【発明の効果】
本発明を利用することにより、以下のような効果を得ることができる。
【0109】
従来のCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、又はその他のディスプレイに、簡単な光学系を付加するだけで容易に立体視を実現することができる。付加すべき光学系は廉価なものである。
【0110】
コンピュータ用ではない、ビデオモニタやテレビにも適用可能である。また、コンピュータやディスプレイの機種に依存しない。画像処理ソフトウエアにも依存しない。
【0111】
2次元ディスプレイとして使用しても、目に緊張を強い無い距離で観察できるので、長時間使用する場合にも目の疲労を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るステレオ画像表示装置の概略構成の平面図である。
【図2】従来の立体視可能なステレオ画像表示装置の概略構成の平面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るステレオ画像表示装置の概略構成の平面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るステレオ画像表示装置の概略構成の側方図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係るステレオ画像表示装置の概略構成の側方図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係るステレオ画像表示装置の概略構成の平面図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態に係るステレオ画像表示装置の概略構成の平面図である。
【図8】従来の立体視可能なステレオ画像表示装置での画像の偏光状態の変遷を示す。
【図9】本発明の第2、第4、及び第6の実施の形態に係るステレオ画像表示装置での画像の偏光状態の変遷を示す。
【図10】本発明の第1、第3、及び第5の実施の形態に係るステレオ画像表示装置での画像の偏光状態の変遷を示す。
【図11】従来の調節距離及び輻射角と、調節距離調整レンズ設置時の調節距離及び輻射角との関係を示す、概略の平面図である。
【図12】調節距離調整レンズの位置と調整後調節距離の関係を示すグラフである。
【図13】図12(1)、(2)、及び(3)のように調節距離調整レンズを移動させた場合に、表示される虚像の見かけの大きさの変化を示すグラフである。
【図14】図12(1)、(2)、及び(3)のように調節距離調整レンズを移動させた場合の、見かけの輻輳角の減少割合を示すグラフである。
【符号の説明】
2・・・ステレオ画像表示装置、4、4R、4L・・・液晶ディスプレイ装置、6、6R、6L・・・液晶パネル、8、8R、8L・・・第1の偏光板、10、10R、10L・・・第2の偏光板、14・・・コンピュータ、16、16R、16L・・・表示画像、18−1、18−2・・・四分の一波長板、20R、20L・・・偏光メガネ、26R、26L・・・光路変換ミラー、28・・・調節距離調整レンズ、30・・・外光反射防止スクリーン、32・・・ハーフミラー、34R、34L・・・画像(虚像)。
Claims (12)
- 液晶ディスプレイ装置と、
少なくとも2枚の光路変更ミラーと、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記液晶ディスプレイ装置に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記液晶ディスプレイ装置の表示画像の偏光方向が、垂直偏光又は水平偏光である、
ステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうちの、片方の画像の光路に、偏光方向を90°変化させる位相板が設置され、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
もう一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る、
ステレオ画像表示装置。 - 液晶ディスプレイ装置と、
少なくとも2枚の光路変更ミラーと、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記液晶ディスプレイ装置に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記液晶ディスプレイ装置の表示画像の偏光方向が、+45°偏光又は−45°偏光である、
ステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
もう一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る、
ステレオ画像表示装置。 - 2台の液晶ディスプレイ装置と、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記2台の液晶ディスプレイ装置の夫々に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記2台の液晶ディスプレイ装置の表示画像の偏光方向が、ともに垂直偏光又は水平偏光である、
ステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうちの、片方の画像の光路に、偏光方向を90°変化させる位相板が設置され、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
もう一方の画像が、上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る、
ステレオ画像表示装置。 - 2台の液晶ディスプレイ装置と、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記2台の液晶ディスプレイ装置の夫々に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記2台の液晶ディスプレイ装置の表示画像の偏光方向が、ともに+45°偏光又は−45°偏光である、
ステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
もう一方の画像が、上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る、
ステレオ画像表示装置。 - 表示画面が偏光方向を備えないディスプレイ装置と、
少なくとも2枚の光路変更ミラーと、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記ディスプレイ装置に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記ディスプレイ装置の表示画面の前に、偏光方向が垂直偏光又は水平偏光である第3の偏光板が設置される、
ステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうちの、片方の画像の光路に、偏光方向を90°変化させる位相板が設置され、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
もう一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで反射して進み、又は、上記ハーフミラーを透過して進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る、
ステレオ画像表示装置。 - 表示画面が偏光方向を備えないディスプレイ装置と、
少なくとも2枚の光路変更ミラーと、
少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記ディスプレイ装置に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記ディスプレイ装置の表示画面の前に、偏光方向が+45°偏光又は−45°偏光である第3の偏光板が設置される、
ステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
もう一方の画像が、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記光路変更ミラーと上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る、
ステレオ画像表示装置。 - 表示画面が偏光方向を備えない2台のディスプレイ装置と、少なくとも1枚のハーフミラーと、
観察者の右目の前に置かれる第1の偏光板と、
観察者の左目の前に置かれ、上記第1の偏光板の偏光方向と垂直な偏光方向が与えられた第2の偏光板とを有し、
上記2台のディスプレイ装置の夫々に、右目用の画像と左目用の画像とが表示され、
上記ディスプレイ装置の表示画面の前に、偏光方向がともに+45°偏光又は−45°偏光である第3の偏光板が設置される、
ステレオ画像表示装置において、
上記右目用の画像と上記左目用の画像のうち、一方の画像が、上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記ハーフミラーで奇数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
もう一方の画像が、上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過して進み、又は、上記ハーフミラーで0回若しくは偶数回反射して進み且つ上記ハーフミラーを透過せずして進み、
上記第1の偏光板の偏光方向は、右目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
上記第2の偏光板の偏光方向は、左目用の画像として進んできた光の偏光方向に合わせて設定され、
よって、右目用の画像として進んできた光が上記第1の偏光板を経て観察者の右目に到り、左目用の画像として進んできた光が上記第2の偏光板を経て観察者の左目に到る、
ステレオ画像表示装置。 - 上記の偏光方向を90°変化させる位相板が、2枚組みの四分の一波長板である、
請求項1、請求項3、又は請求項5のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置。 - 上記の偏光方向を90°変化させる位相板が、1枚の二分の一波長板である、
請求項1、請求項3、又は請求項5のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置。 - 表示画面と、観察者の両目との間に、観察者の画像観察時の目の調節距離を調整するレンズが設置される、
請求項1乃至請求項9のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置。 - 上記第1の偏光板と上記第2の偏光板が、観察者の画像観察時の目の調節距離を調整するレンズを含む、
請求項1乃至請求項9のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置。 - 外光反射防止スクリーンが取り付けられた、
請求項1乃至請求項11のうちのいずれかに記載のステレオ画像表示装置。
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