JP2004012736A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱ローラ1と、該加熱ローラ1にベルト3を介して押圧する加圧ローラ2とを備えた定着装置及び該定着装置を搭載した画像形成装置において、ベルト3は、摺動する張架部材4と加圧ローラ2との間に張架し、張架部材4は、加熱ローラ1と加圧ローラ2との押圧部の接線Lよりベルト3が加熱ローラ1側に巻き付く位置に配置する。張架部材4は、押圧部よりベルト3の移動方向上流側または移動方向下流側に配置し、加熱ローラ1に非接触となる位置または押圧する位置に配置し、加熱ローラ1に押圧する張架部材4の押圧力を加圧ローラ2の押圧力より小さくする。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、表面に弾性体を被覆して加熱源を内蔵した加熱ローラと、該加熱ローラに押圧する加圧ローラと、該加圧ローラの外周に捲着され前記加熱ローラとの間に挟持されて移動するベルトと、該ベルトを張架する張架部材とを備え、シート材上に形成した未定着トナー像を定着する定着装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において、転写材上に未定着のトナー像を接触加熱定着する加熱ローラ型定着装置として、表面に弾性体が被覆され加熱源を内蔵して回転可能な熱定着ローラと、複数の支持ローラによって張架された耐熱ベルトと、耐熱ベルトを熱定着ローラの廻りに所定角度だけ巻き付けてニップ領域を形成させると共にそのニップ領域の出口に他の部分よりも大きな圧力を局部的に加えて熱定着ローラ表面の弾性体に歪みを生じさせる圧力手段とを設け、ニップ部からのシート材の排出を容易にした定着装置が提案(特許第3084692号参照)されている。
【0003】
この従来の定着装置では、圧力手段が存在することにより、予め熱定着ローラの表面に歪みを有しているので、ニップ領域の出口で、熱定着ローラの表面上にトナーが接触している状態からその表面歪みを瞬間的に開放する。そのため、シート材がニップ部から排出される時に、トナーと熱定着ローラとの付着力を減少させてシート材が熱定着ローラに巻き付くことを抑制し、腰の弱い記録紙でもベルトニップの出口において容易に剥離できる。上記装置は、このことによって、従来必要とされてきた剥離爪を不要にしている。
【0004】
また、ローラ間に設定した圧力によってローラを撓ませてローラに接するニップ長を形成し、このニップ間に未定着トナー像を担持したシート材を通過させて定着させ、シート材の特性に合わせローラの駆動速度として、第1の速度か第2の速度かを選択して駆動する定着装置(特公平6−40235号公報参照)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の定着装置の構造では、複数の支持ローラに張架されて移動可能な耐熱ベルトを圧力手段でニップ形成可能な角度だけ熱定着ローラに巻き付けると共に、ニップ領域の出口に局部的に大きな圧力を加えて駆動するので、複数の支持ローラとその回転軸受が必要である。さらに、耐熱ベルトの周長が長くなり、定着装置が複雑で大型化するだけでなく、高価にする。定着装置の複雑、大型化、高価な構成は、必然的に当該定着装置を搭載した画像形成装置を複雑、大型化、高価にする。
【0006】
しかも、耐熱ベルトは、加熱源を内蔵して回転可能な熱定着ローラとのニップ部で加熱されるが、複数の支持ローラで張架し周長が長くなるという構成では、所定の経路で移動する時に、複数の支持ローラによって熱エネルギーが奪われ、また、周長の長さに応じて自然放熱が増える。そのため、所定の温度に到達するまでの時間が多く必要になり、電源オン時から定着可能になるまでの所謂ウォーミングアップ時間を長く要することになり、好ましくない。
【0007】
さらに、熱定着ローラに対して耐熱ベルトをニップ形成可能な角度だけ巻き付けてニップ部出口で他の部分より大きな圧力を局部的に加え熱定着ローラの弾性層に歪みを形成させる構成では、シート材が熱定着ローラに巻き付くのを抑制するには好適であるが、弾性層の歪みに沿って排出されるシート材は、この歪みに倣ってカールしたり、局部的な高圧力のために皺発生などの変形をもたらす。
【0008】
また、シート材特性に合わせてローラの駆動速度を第1の速度か第2の速度に選択する装置では、ローラの熱容量が大きくてウォーミングアップ時間を長く要して好ましくないばかりでなく、圧力によってローラを撓ませて形成した長ニップ間を通過するシート材は、前者の装置と同様、この圧力によるストレスが大きくてカールや皺などのシート材変形を引き起こす。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、熱ローラ型定着装置の構造の単純化、小型化、コスト低減を可能にし、ウォーミングアップ時間を短縮でき、シート材へのストレスを小さくしてカールや皺発生など排出されるシート材の変形を抑制できるようにするものである。
【0010】
そのために本発明は、加熱ローラと、該加熱ローラにベルトを介して押圧する加圧ローラとを備えた定着装置において、前記ベルトは、摺動する張架部材と前記加圧ローラとの間に張架し、前記張架部材は、前記加熱ローラと前記加圧ローラとの押圧部の接線より前記ベルトが前記加熱ローラ側に巻き付く位置に配置したことを特徴とする。
【0011】
前記張架部材は、前記押圧部より前記ベルトの移動方向上流側または移動方向下流側に配置し、前記加熱ローラに非接触となる位置または前記加熱ローラに押圧する位置に配置し、前記加熱ローラに押圧する前記張架部材の押圧力を前記加圧ローラの押圧力より小さくしたことを特徴とし、前記張架部材は、半月状部材であることを特徴とする。
【0012】
前記加圧ローラと前記ベルトとの摩擦係数を前記張架部材と前記ベルトとの摩擦係数より大きくし、前記加圧ローラに前記ベルトが巻き付く角を前記張架部材に前記ベルトが巻き付く角より大きくし、前記加圧ローラの径を前記張架部材の径より大きくしたことを特徴とする。
【0013】
前記張架部材を駆動する駆動手段として、複数の回転速度を有し、シート材特性に応じて前記回転速度を選択して駆動し、前記シート材特性を検知する検知手段を有し、前記未定着トナー像を担持したシート材の進行過程でシート材特性を検知して、前記シート材特性に応じて選択駆動し、シート材特性に応じて選択情報が設定される設定手段を有し、前記未定着トナー像を担持したシート材の定着指令過程で前記シート材特性に応じた設定を行い、該設定内容に基づいて選択駆動することを特徴とする。
【0014】
前記張架部材は、一端または両端に前記ベルトが当接して位置規制する凸部を有し、前記加圧ローラを駆動し、前記加熱ローラは前記ベルトを介して従動し、前記加圧ローラは、前記加熱ローラの表面に被覆した弾性体より硬質な表面を有し、前記加熱ローラは、外径60mm以下、肉厚2mm以下のパイプ材の外周に2mm以下の弾性体を被覆して形成し、加圧ローラは、外径60mm以下、肉厚2mm以下のパイプ材で形成したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る定着装置の実施の形態を示す図、図2は張架部材の位置とニップ領域との関係を説明するための図、図3はニップ通過位置と定着圧力の変化を示す図である。図中、1は加熱ローラ、1aはハロゲンランプ、1bはローラ基材、1cは弾性体、2は加圧ローラ、2aは回転軸、3はベルト、4は張架部材、4aは凸部、4bはガイド部、4cは張力付与部、5はシート材、5aは未定着トナー像、6はクリーニング部材、7はフレーム、7aはガイト孔、7bは軸受、8は張架支持部材、8aは張力付与バネ、Lは押圧部接線を示す。
【0016】
図1において、加熱ローラ1は、外径60mm以下、肉厚2mm以下のパイプ材をローラ基材1bとして、その外周に2mm以下の弾性体1cを被覆して形成し、ローラ基材1bの内部に加熱源としてハロゲンランプ1aを内蔵して回転可能にした熱定着ローラである。加圧ローラ2は、外径60mm以下、肉厚2mm以下のパイプ材で形成し、加熱ローラ1に対向して配置しその回転軸2aをフレーム7の軸受7bに回転可能に支持したものであり、ベルト3を介して加熱ローラ1に所定の圧力Fで押圧している。
【0017】
ベルト3は、例えば0.03mm以上の厚みを有するステンレス管やニッケル電鋳管等の金属管、ポリイミドやシリコン等の耐熱樹脂管等で構成されたエンドレスの耐熱ベルトであり、加圧ローラ2の外周に移動可能に捲着されて加圧ローラ2と張架部材4との間に張架される。そして、ベルト3は、加熱ローラ1と加圧ローラ2との間に挟持されて加熱ローラ1との間にニップを形成する。
【0018】
張架部材4は、例えば半月状のベルト摺動部材であり、ベルト3の内周に嵌挿して加圧ローラ2と協働してベルト3を張架しベルト3に張力fを付与すると共に、ベルト3を加熱ローラ1に巻き付けてニップを形成する位置に配置される。つまり、張架部材4は、ベルト3が加熱ローラ1と加圧ローラ2の押圧部接線Lより加熱ローラ1側に巻き付く位置に配置される。張架部材4は、ベルト3が一方に寄った場合に当接して寄り規制を行うため、その一端または両端に凸部4aを設けている。また、張架部材4は、ベルト3の内周に嵌挿してベルト3に張力を付与するため、その両端にガイド部4b、張力付与部4cを設けている。ガイド部4bは、例えばピン状に回転軸2aと平行な方向に突出してフレーム7のガイト孔7aとスライド可能な状態に嵌合するものであり、張力付与部4cは、ベルト3を張架する内側、つまり加圧ローラ2側に延設して張力付与バネ8aにより加圧ローラ2から離れる方向に付勢されるものである。
【0019】
フレーム7は、軸受7bやガイト孔7aを有し定着装置を取り付け支持する部材であり、その軸受7bで加圧ローラ2の回転軸2aを回転可能に支持し、ガイト孔7aで張架部材4をガイドしている。張架支持部材8は、加圧ローラ2の回転軸2aが貫通してその回転軸2aに摺動回転自在に支持され、穴部に張力付与バネ8aを収容している。張架部材4は、ベルト3の内周に嵌挿された状態で、ガイド部4bがフレーム7のガイト孔7aでガイドされ、張力付与部4cが張架支持部材8の穴部に嵌挿されて張力付与バネ8aにより加圧ローラ2の回転軸2aから離れる方向に付勢され張力fが付与される。
【0020】
クリーニング部材6は、加圧ローラ2と張架部材4との間に配置され、ベルト3の内周面に摺接してベルト3の内周面の異物や摩耗粉等をクリーニングするものであり、異物や摩耗粉等をクリーニングすることでベルト3をリフレッシュして不安定要因を除去している。半月状の張架部材4では、図示のように凹部を設けることができ、クリーニング部材6により除去した異物や摩耗粉等をこの凹部に収納させるようにしてもよい。
【0021】
シート材5は、ベルト3と加熱ローラ1との間を通過することで未定着トナー像5aが定着され、加熱ローラ1に加圧ローラ2が押圧する位置をニップ終了位置として押圧部接線Lの方向に排出される。このようにニップは、加熱ローラ1の接線状態で開始位置及び終了位置が形成され、しかも加熱ローラ1と加圧ローラ2との押圧部接線Lよりベルト3が加熱ローラ1側に巻き付く位置に張架部材4を配置することによりニップ領域を長くしているので、大きな圧力をかけなくてもニップをかせぎ未定着トナー像5aを充分に加熱溶融させ定着させることができる。
【0022】
図示のように加熱ローラ1にベルト3を介して所定の圧力Fで押圧する加圧ローラ2に対し、本発明に係る定着装置では、ベルト3を張架する張架部材4の配置を、加熱ローラ1と加圧ローラ2との押圧部接線Lよりベルト3が加熱ローラ1側に巻き付く位置になっている。その位置を決めているのがフレーム7のガイト孔7aであり、ガイト孔7aは、張架部材4のスライドを許容する方向、加圧ローラ2の回転軸2aを支持する軸受7bから外方向に長円形状を有し、加熱ローラ1に接近・離間する方向には移動しないように規制している。これに対応して、張力付与部4cは、張架支持部材8の溝部に嵌挿してその中に収容された張力付与バネ8aにより加圧ローラ2の回転軸2aを中心として外方向に付勢される。張力fの付与方向は、長円の向きにより加圧ローラ2と張架部材4の軸を結ぶ図示A−A線上に規制されているが、長円の軸をこのA−A線に対して、加熱ローラ1に接近する方向に、あるいは離れる方向に傾けるようにしてもよい。
【0023】
ベルト3を加圧ローラ2と張架部材4により張架して加圧ローラ2で安定して駆動するには、加圧ローラ2とベルト3との摩擦係数を張架部材4とベルト3との摩擦係数より大きく設定するとよいが、摩擦係数に関しては異物の侵入や摩耗などによって不安定になる場合がある。これに対し、加圧ローラ2にベルト3が巻き付く角より張架部材4にベルト3が巻き付く角が小さくなるように、また、加圧ローラ2の径より張架部材4の径が小さくなるように設定すると、ベルト3が張架部材4を摺動する長さが短くなり、経時変化や外乱などに対する不安定要因から回避できベルト3を加圧ローラ2で安定して駆動することができる。
【0024】
本発明に係る定着装置では、上記のようにベルト3を張架する張架部材4の配置する位置の設定により、加熱ローラ1と加圧ローラ2との押圧部接線Lよりベルト3が加熱ローラ1側に巻き付くようにしているので、図2に示すようにその配置する位置を変えることによりニップの長さを自由に変えることができる。例えば図2に示す実線から、張架部材4を加熱ローラ1から離し、L上で点線の位置に張架部材4を配置すると、ベルト3が加熱ローラ1に巻き付く角度が小さくなってニップ長が短くなり、逆に張架部材4を加熱ローラ1に近づけて、H上で2点鎖線の位置、張架部材4を加熱ローラ1に軽押圧する位置に配置すると、ベルト3が加熱ローラ1に巻き付く角度が大きくなってニップ長が長くなる。
【0025】
シート材5は、張架部材4が加熱ローラ1に軽押圧する位置をニップ初期位置としてベルト3と加熱ローラ1との間を通過することで未定着トナー像5aが定着され、加熱ローラ1に加圧ローラ2が押圧する位置をニップ終了位置として押圧部接線Lの方向に排出される。このようにニップは、加熱ローラ1の接線状態で初期位置及び終了位置が形成され、所望のニップ長さを確保することにより、ニップの初期位置から一定の定着圧力で定着を開始し、プロセス速度を落とすことなくニップをかせぎトナーを溶かす時間を長くすることができる。そして、ニップの終了位置で加圧ローラ2によりベルト3を介して加熱ローラ1との間に所望の圧力をかけてトナー表面を平滑にすることで、シート材変形をなくしながらより良好な定着を実現することができる。
【0026】
また、加圧ローラ2で駆動して張架部材4を摺動させる場合、張架部材4を加熱ローラ1に対して接近、離間する方向に自由揺動可能に支持してもよい。張架部材4を揺動可能に構成すると、加圧ローラ2の回転駆動によって駆動されるベルト3と張架部材4との摩擦力によって、ベルト3と張架部材4は、加熱ローラ1の方向に揺動して上記摩擦力から生じる揺動力とベルト3が加熱ローラ1に圧接する圧接力のバランス状態で停止する。
【0027】
即ち、揺動機構を付与することで、未定着トナー像5aを担持したシート材5が加熱ローラ1とベルト3との間を通過する状態であっても、またはシート材5が通過しない状態であっても、さらには、シート材の厚みが厚くてもまたは薄くてもベルト3と加熱ローラ1の圧接する圧接力は均一になり、通過するシート材5へのストレスが均一になる。そのため、未定着トナー像5aの定着後に排出されるシート材に皺発生などのシート材変形をなくすことができる。しかも、張架部材4の配置によりベルト3を加熱ローラ1に巻き付けるようにするので、ベルト3と加熱ローラ1との間では、ベルト1と張架部材4との摩擦力により圧接力が変わり、摩擦力の設定によって適正な圧接力を得ることができる。
【0028】
例えばシート材の種類に応じて定着圧力に差が生じるが、張架部材4の位置を切り換えてニップ長を変えることにより定着圧力を調整することができる。例えば図2において、張架部材4の位置を加熱ローラ1から離した、非接触となる位置に配置を変えると、ベルト3が加熱ローラ1に巻き付く角度は小さくなって、ニップの長さは短くなり、張架部材4の位置を加圧ローラ2からさらに離し(図示下方にずらし)加熱ローラ1寄りの位置にかえると、ベルト3が加熱ローラ1に巻き付く角度は小さくなって、ニップの長さは短くなる。図示の状態では、張架部材4を加熱ローラ1に軽く押し当てた(軽押圧した)状態でもある。
【0029】
特に、厚めのシート材、例えばOHPシートにカラー画像のトナー像を定着するような場合には、各色のトナーが充分に溶融定着されていないと、シート上で直接見たときには所望のカラー画像であっても、それを透過投影したカラー画像は、OHPシート上で直接見たときと異なり、所望のカラー画像が再現されなくなる。そのため、カラー画像をこのような不具合のないように定着させるには、定着時の圧力を大きくしたり、トナーを加熱、溶融する時間を長くするなどの対応が必要である。しかし、定着圧力を大きくしすぎると、シートに皺やカールができるなどのシート材変形が生じやすくなる。また、トナーを加熱、溶融するための時間を長くするために定着プロセスの速度を落とすと、画像形成のスループットが落ちてしまう。これは、定着プロセスは、最終プロセスであるため、その速度を落とすと、それ以前の現像プロセスから全てのプロセススピードも落とさなければならなくなるからである。
【0030】
本実施の形態では、いずれにしても、ベルト3が加熱ローラ1に巻き付く位置に張架部材4を配置するので、その配置する位置により、プロセス速度を落とすことなく所望のニップをかせぎトナーを加熱し溶かす充分な時間を確保することができ、簡単な構造で小型化した定着装置が実現できる。しかも、加熱ローラ1に押圧する加圧ローラ2において、シート上のトナー表面を平滑にするのに必要な適度な押圧力を加えるだけで、従来装置のように大きな押圧力により押圧部での変形を大きくしてニップを確保しなくてもよいので、定着プロセスでの皺発生などシート変形を防ぐことができる。
【0031】
図3(a)は張架部材4を固定にした場合の厚めのシート材(点線)、標準厚のシート材(実線)、薄めのシート材(2点鎖線)の定着圧力の変化の様子を示している。厚めのシート材では、張架部材4を軽押圧することによりニップ初期位置での定着圧力がアップし、全体としてシート材厚によって定着圧力に差が生じている。張架部材4を加熱ローラ1とは非接触となる位置、つまり加熱ローラ1から離間して配置した構成の場合には、ニップ領域において、ニップ初期位置から一定の定着圧力になり、ニップ終了位置で加圧ローラ2による押圧で定着圧力が高くなる。図3(b)は張架部材4を揺動可能にした場合の厚めのシート材(点線)、標準厚のシート材(実線)、薄めのシート材(2点鎖線)の定着圧力の変化を示している。この場合にはシート材厚にかかわらず所定の定着圧力になっている。図3(c)は張架部材4の位置を切り換えベルトが加熱ローラに巻き付く角度(ニップ領域)を変えるようにした場合の厚めのシート材(点線)、標準厚のシート材(実線)、薄めのシート材(2点鎖線)の定着圧力の変化を示している。この場合には、ニップ開始位置が切り替わるので、圧力差は生じるがその差は小さくなっている。
【0032】
図4は張架部材をベルトの移動方向下流側に設けた本発明に係る定着装置の他の実施の形態を示す図、図5は張架部材をベルトの移動方向下流側に配置した定着装置のニップ通過位置と定着圧力の変化を示す図、図6は張架部材の下流側位置とニップ領域との関係を説明するための図である。
【0033】
上記実施の形態では、張架部材4をベルト3の移動方向上流側に配置したが、逆にベルト3の移動方向下流側に配置した他の実施の形態を示したのが図4である。加熱ローラ1の弾性体1cの表面とベルト3の表面は、同一の周速度で移動してシート材5の上に形成した未定着トナー像5aを定着するものであるが、ベルト3の表面やシート材5の先端部がウェーブ状になっていると、定着開始状態が不安定になる場合がある。本実施の形態では、ニップの初期位置で加熱ローラ1にベルトを介して加圧ローラ2が押圧するので、ベルト3の表面やシート材5の先端部がウェーブ状になっていても双方の合流状態が安定し、極めて安定した未定着トナー像の定着が可能になる。
【0034】
本実施の形態におけるニップ通過位置と定着圧力の変化の様子を示したのが図5であり、図5(a)は張架部材4を固定にした場合の厚めのシート材(点線)、標準厚のシート材(実線)、薄めのシート材(2点鎖線)の定着圧力の変化の様子を示している。この場合には、全体としてシート材厚によって定着圧力に差が生じるが小さく、張架部材4を軽押圧している場合には、厚めのシート材の場合ニップ終了位置で定着圧力がややアップするが、張架部材4を離間させ接線ニップにすると、図示のようにニップ終了位置でのアップ部はない。図5(b)は張架部材の位置を切り換えるようにした場合のニップ通過位置での定着圧力の変化を示し、例えば厚めのシート材(点線)、標準厚のシート材(実線)、薄めのシート材(2点鎖線)に対応して図6に示すように張架部材4の位置を切り換えている。この場合には、ニップ終了位置が切り替わるので、圧力差は生じるがその差は小さくなっている。
【0035】
上記各実施の形態においては、張架部材4として、ベルト摺動部材を使用したので、回転部材ではなく軸受等が不要であり、支持構造が簡単になる。加えて張架部材4を半月状とすることにより、加圧ローラ2側にその半月欠方向を向けて配置し、加圧ローラ2に対して極限まで接近した配置が可能になる。このことによりまた、ベルト3の周長を短縮して構成することが可能になる。したがって、熱ローラ型定着装置を簡単な構造にして小型で安価にすることができる。
【0036】
さらに、ベルト3が必要最小限の経路で移動するので、ベルト3は、加熱源を内蔵して回転可能な加熱ローラ1とのニップ部で加熱され、所定の経路で移動する時に奪われる熱エネルギーを最小限に抑えることができると共に、周長が短いので、自然放熱による温度低下も少なく、電源オン時から所望の温度に到達して定着可能になるまでの所謂ウォーミング時間の短縮が可能である。
【0037】
図7は張架部材としてロール部材を用いてベルトの移動方向上流側に配置した本発明に係る定着装置の他の実施の形態を示す図、図8は張架部材を加圧ローラの両側に配置した本発明に係る定着装置の他の実施の形態を示す図である。
【0038】
図7において、張架部材4′は、上記実施の形態のように半月状の張架部材4ではなく、ローラ部材を使用してベルト3の移動方向上流側に配置したものである。また、逆にベルト3の移動方向下流側にローラ部材からなる張架部材4′を配置してもよい。張架部材4′は、回転自在に支持することもでき、回転自在に支持することにより、加張架部材4′とベルト3との摩擦係数を圧ローラ2とベルト3との摩擦係数より小さくすることができ、ベルト3を加圧ローラ2で安定して駆動することができる。
【0039】
また、上記各実施の形態は、張架部材4、4′を加圧ローラ2に対して、ベルト3の移動方向上流側又は下流側のいずれかに配置する構成を示したが、図8に示すように上下流の両側に配置する構成としてもよい。このように構成することにより、張架部材4、4′のいずれか又は双方を加熱ローラ1に軽押圧し、加圧ローラ2で加熱ローラ1に適宜所望の押圧力を与えながら、他のニップ領域では均一な定着圧力を与えることができる。また、張架部材4、4′の一方を加熱ローラ1に軽押圧し、他方を加熱ローラ1から離して非接触となるように配置することにより、実線、2点鎖線で示すように非接触側で加熱ローラ1からの距離を切り換えてニップ長さを変えられるようにすることもできる。
【0040】
シート材5の上に形成した未定着トナー像5aを安定して定着するには、未定着トナー像5aを十分に加熱、溶融して定着することが必須であり、所望の温度と溶融時間を必要とするが、本実施の形態では、ニップ長を長く構成することができるために加熱ローラ1の表面に被覆した弾性体1cを大きく歪ませてニップ長を長くするような手段は必要ないので、弾性体1cの厚みは薄く構成可能である。しかも、加圧ローラ2の押圧力を大きく設定して弾性体1cを歪ませなくても、充分にニップをかせぐことができ、未定着トナー像5aを担持したシート材5が加熱ローラ1とベルト3の間を通過するときに通過するシート材5へのストレスが小さいので、未定着トナー像5aの定着後に排出されるシート材5にカールや皺発生などのシート材変形を抑制することができる。
【0041】
したがって、熱ローラ型定着装置の機械的剛性アップは不要であるばかりでなく、加熱ローラ1の薄肉厚化が可能であり、加熱源からベルト3を加熱する加熱速度が向上する。また、加圧ローラ2も同様に薄肉厚化が可能であり、熱容量を小さく構成できるので、ベルト3からの熱エネルギー吸収が小さく、電源オン時から所望の温度に到達して定着可能になるまでの所謂ウォーミングアップ時間の短縮が可能である。
【0042】
ベルト3の周長を短縮し、ベルト3が奪われる熱エネルギーを最小限に抑え、自然放熱による温度低下も少なくするための構成は、ベルト3が加圧ローラ2に巻き付く長さよりベルト3が張架部材4、4′に巻き付く長さを短くすることである。このことはまた、ベルト3が加圧ローラ2に巻き付く角よりベルト3が張架部材4、4′に巻き付く角を小さくすることであり、また、加圧ローラ2の径より張架部材4、4′の径を小さくすることである。先に述べたようにベルト3の周長を短縮して構成し、ベルト3を必要最小限の経路で移動する構成にすると、熱ローラ型定着装置を簡単な構造にして小型で安価にし、加熱ローラ1とのニップ部で加熱されたベルト3が所定の経路で移動する時に奪われる熱エネルギーを最小限に抑えることができ、自然放熱による温度低下も少なく、電源オン時から所望の温度に到達して定着可能になるまでの所謂ウォーミング時間の短縮が可能になるなど、多くの効果が期待できる。
【0043】
次に、駆動手段として、加熱ローラ1及び加圧ローラ2を駆動するために複数の回転速度、少なくとも2つの回転速度を有し、シート材特性に応じて加熱ローラ1及び加圧ローラ2を第1の回転速度とそれより遅い第2の回転速度で選択駆動する定着装置の制御について説明する。この回転速度は、シート材特性を検知する検知手段を配置すると共に、予めシート材特性に応じた回転速度などの選択情報を設定する設定手段を設け、未定着トナー像5aを担持したシート材5の進行過程でシート材特性を検知すると、未定着トナー像5aを担持したシート材5の定着指令過程でシート材特性に応じた設定をして、その設定内容に応じ回転速度が選択され駆動される。設定手段としては、定着指令に先立って熱ローラ型定着装置に連動する部位をマニュアル操作したり、電気的な信号等によって遠隔操作してもよい。同様にして、シート材の種類に応じ先に図2、図5で説明した張架部材の位置の切り換えを行うようにしてもよい。
【0044】
未定着トナー像5aを担持したシート材5は、紙等の一般的なシート材、熱容量の大きな厚めのシート材、透明なシート材(OHPシート材)等の多様な用途への適用が必須である。一般的なシート材に比べて、特に、熱容量の大きな厚めのシート材や封筒等の積層されたシート材、透明なシート材(OHPシート材)等においては、未定着トナー像5aを十分溶融してシート材に定着するために、所望の溶融時間を要する。このような場合、シート材特性に応じて加熱ローラ1及び加圧ローラ2を第1の回転速度とそれより遅い第2の回転速度で選択駆動することにより、未定着トナー像5aの溶融が適正化され、所望の定着が達成できる。
【0045】
そして、第1の回転速度または第2の回転速度で選択的に駆動しても、未定着トナー像5aを担持したシート材5が加熱ローラ1とベルト3の間を通過するときに通過するシート材5へのストレスには変化がなくて小さいので、未定着トナー像5aの定着後に排出されるシート材5に対し皺発生などのシート材変形が抑制される。したがって、熱ローラ型定着装置の機械的剛性アップは不要であるばかりでなく、加熱ローラ薄肉厚化が可能であり、加熱源からベルトを加熱する加熱速度が向上する。また、加圧ローラ2も同様に薄肉厚化が可能であり、熱容量が小さく達成できるので、ベルト3からの熱エネルギー吸収が小さく、電源オン時から所望の温度に到達して定着可能になるまでの所謂ウォーミングアップ時間の短縮が可能である。なお、回転速度を選択的に変えて駆動する手段としては、例えば駆動モータの回転数を選択的に可変する等の手段が好適である。
【0046】
本実施の形態では、加熱ローラ1の外形φ25、肉厚0.7mm、弾性体1cの厚み0.5mm、加圧ローラ2の外形φ25、肉厚0.7mm、加熱ローラ1と加圧ローラ2の圧接力を10kg以下の構成でニップ長を10mm構成し、加熱源として1000Wの柱状ハロゲンランプ1aを内蔵してウォーミングアップ時間は30secを達成した。
【0047】
加熱ローラ及び加圧ローラの外形をφ25の小径に構成したが、通常のトナー像を定着した後のシート材が加熱ローラまたはベルトに巻き付くこともなく、強制的にシート材を剥がすための剥離手段を不要にしている。また、カラーの画像形成では、4色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するので、写真画像等の場合には、トナー層が厚い未定着トナー像になり、定着後のシート材が加熱ローラに巻き付き易くなる。しかし、本実施例では、定着後のシート材が加熱ローラに巻き付きが生じた場合、シート材を介してベルトを加熱ローラ側に引き寄せるように作用するが、ベルトは、加圧ローラと張架部材によりニップ終了位置で加熱ローラから離れる方向に張架されているので、この相反する挙動によって定着後のシート材が加熱ローラに巻き付くことを防止している。
【0048】
上記実施の形態による構成の定着装置では、加熱ローラまたは加圧ローラが駆動ローラとなるが、この場合、安定な駆動を実現するには、硬い方のローラを駆動側とし、柔らかい方のローラを従動側とするのが好適である。加圧ローラ2は、その外周にベルト3を捲着して加熱ローラ1の表面に被覆した弾性体1cに対してベルト3を圧接して駆動し、加熱ローラ1は従動する構成となる。加圧ローラ2は、ベルト3、即ち、未定着トナー像5aを担持したシート材5の搬送スピードを決定付けるので、少なくとも加熱ローラ1の表面に被覆した弾性体1cより硬質な表面を有した構成とする。このことにより変形することなく搬送スピードを安定して駆動することができる。
【0049】
加圧ローラ2と張架部材4によって張架されて駆動されるベルト3は、加圧ローラ2と張架部材4の平行度やベルト3の軸方向周長差などの誤差要因によって蛇行しながら駆動される場合が多い。張架部材4の端部に設けた凸部4aは、ベルト3を当接させてこの寄り規制を行うものであるので、ベルト3の端面にストレスが発生する。ベルト3を例えばステンレス管やニッケル電鋳管等の金属管で構成すると、その厚みは0.03mm以上、ポリイミドやシリコン等の耐熱樹脂管で構成すると、その厚みは0.05mm以上で構成すると十分な耐力が得られる。
【0050】
凸部4aを張架部材4の一端部に設ける場合には、加圧ローラ2と張架部材4の関係をベルト3が一方側へ寄る配置にしてもよいし、ベルト3の他方側にベルト3を一方側へアシストする手段を設けてもよい。また、凸部4aを張架部材4の両端部に設ける場合には、両端部の凸部間隔の中でベルト3の蛇行が生じるが、両端部の凸部間隔とベルト3の幅を適正な関係に構成すれば実用上問題はない。
【0051】
図9は本発明に係る画像形成装置の1実施の形態を示す全体構成の模式的断面図である。図中、10は画像形成装置、10aはハウジング、10bは扉体、11は紙搬送ユニット、15はクリーニング手段、17は像担持体、18は画像転写搬送手段、20は現像手段、21はスキャナ手段、21bは回転多面鏡、29は転写ベルトユニット、30は給紙ユニット、40は定着手段、Wは露光ユニット、Dは画像形成ユニットを示す。
【0052】
図9において、本実施形態の画像形成装置10は、ハウジング10aと、ハウジング10aの上部に形成された排紙トレイ10cと、ハウジング10aの前面に開閉自在に装着された扉体10bを有し、ハウジング10a内には、露光ユニット(露光手段)W、画像形成ユニットD、画像転写搬送手段を有する転写ベルトユニット29、給紙ユニット30が配設され、扉体10b内には紙搬送ユニット11が配設されている。各ユニットは、本体に対して着脱可能な構成であり、メンテナンス時等には一体的に取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
【0053】
画像形成ユニットDは、複数(本実施形態では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イェロー用),M(マゼンタ用),C(シアン用),K(ブラック用)を備えている。そして、各画像形成ステーションY,M,C,Kには、それぞれ、感光ドラムからなる像担持体17と、像担持体17の周囲に配設された、コロナ帯電手段からなる帯電手段19および現像手段20を有する。これら各画像形成ステーションY,M,C,Kは、転写ベルトユニット29の下側に斜めアーチ状のラインに沿って像担持体17が上向きになるように並列配置されている。なお、各画像形成ステーションY,M,C,Kの配置順序は任意である。
【0054】
転写ベルトユニット29は、ハウジング10aの下側に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ12と、駆動ローラ12の斜め上方に配設される従動ローラ13と、バックアップローラ(テンションローラ)14と、これら3本、少なくとも2本のローラ間に張架されて図示矢印方向(反時計方向X)へ循環駆動される中間転写ベルトからなる画像転写搬送手段18と、画像転写搬送手段18の表面に当接するクリーニング手段15とを備えている。従動ローラ13、バックアップローラ14および画像転写搬送手段18は、駆動ローラ12に対して図で左側に傾斜する方向に配設され、これにより画像転写搬送手段18駆動時のベルト搬送方向Xが下向きになるベルト面18aが下方に位置し、搬送方向が上向きになるベルト面18bが上方に位置するようにされている。
【0055】
したがって、各画像形成ステーションY,M,C,Kも駆動ローラ12に対して図で左側に傾斜する方向に配設されることになる。そして、像担持体17は、アーチ状のラインに沿って画像転写搬送手段18の搬送方向下向きのベルト面18aに接触し、図示矢印に示すように画像転写搬送手段18の搬送方向に回転駆動される。可撓性を有する無端スリーブ状の画像転写搬送手段18は、像担持体17に対して上側から被せるように略同一の巻き付け角度で接触させるため、像担持体17と画像転写搬送手段18との間の接触圧やニップ幅は、テンションローラ14により画像転写搬送手段18に付与される張力、像担持体17の配置間隔、巻き付け角度(アーチの曲率)などを制御することにより調整することができる。
【0056】
駆動ローラ12は、2次転写ローラ39のバックアップローラを兼ねている。駆動ローラ12の周面には、例えば厚さ3mm程度、体積抵抗率が105Ω・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、2次転写ローラ39を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ12に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、2次転写部へ記録媒体が進入する際の衝撃が画像転写搬送手段18に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。また、駆動ローラ12は、その径を従動ローラ13、バックアップローラ14の径より小さくすることにより、2次転写後の記録紙が記録紙自身の弾性力で剥離し易くすることができる。また、従動ローラ13を後述するクリーニング手段15のバックアップローラとして兼用させている。
【0057】
なお、画像転写搬送手段18を駆動ローラ12に対して図で右側に傾斜する方向に配設し、これに対応して各画像形成ステーションY,M,C,Kも駆動ローラ12に対して図で右側に傾斜する方向に斜めアーチ状に沿って、つまり、図9と左右対象に配設してもよい。
【0058】
画像転写搬送手段の好適な素材としては、PC樹脂、PET樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等があり、当然のことながら、導電性や剛性等、または表面粗度、摩擦係数等を所望の特性に設定する目的で、対応する添加剤などを添加することもよい、また、剛性に関しては、厚さの設定によって所望の剛性に設定することもできる。
【0059】
実施例では、比較的剛性が小さくて永久歪み、クリープを残さないウレタン樹脂及びポリエーテル樹脂によって画像転写搬送手段を形成し、ローラの付勢力Fにより張力Pを40N、像担持体の巻き付け角度αを4°に設定してニップ部に作用する接触圧fを約2.8N(=40N×sin4°)として安定した転写条件を設定した。しかし、上記の素材を勘案すると、ローラの付勢力Fにより張力Pを10N〜100N、像担持体の巻き付け角度αを0.5°〜15°のそれぞれの組み合わせを設定すれば、所望の転写条件の設定が可能であることが確認された。
【0060】
1次転写部材16は、トナー像を順次重ねて転写して画像を形成する転写バイアス印加手段として、画像転写搬送手段の内側に接する位置に配置しているが、上記のような接触圧fの付与により、転写ニップを形成するための押圧力の付与は必要ない。単に画像転写搬送手段への通電を確保可能な手段として接すればよいので、例えば画像転写搬送手段に接して従動回転する導電性ローラやリジッドな接触子、あるいは板バネ等の導電性弾性部材、樹脂等の繊維群によって形成した導電性ブラシ等でも構成可能になる。したがって、画像転写搬送手段との摺動抵抗が少なく、互いの寿命が向上できるばかりでなく、安価に構成できる。
【0061】
上記のように本実施形態の画像形成装置では、複数の像担持体17を並列配置し、各像担持体17に対して略同一の巻き付け角度を有する姿勢で可撓性を有する無端スリーブ状の画像転写搬送手段18を接触配置して少なくとも2本のローラ12、13に張架して回転駆動し、画像転写搬送手段18には、いずれかのローラ12、13によって張力を付与して像担持体17のトナー像を順次重ねて転写する構造に構成する。このようにすると、略同一の巻き付け角度に応じて像担持体17と画像転写搬送手段18との接触部には、容易に略同一のニップが形成され、その接触部の接触圧力も略同一に構成される。
【0062】
一方、像担持体17とそれに接触して駆動される画像転写搬送手段18において、接触部の移動周速度は双方一致しているのが好ましい状態であるが、量産形態の中では、像担持体17の外径や偏心または駆動手段の偏心等のバラツキ、画像転写搬送手段18の駆動ローラ12径、あるいは駆動手段等のバラツキによって完全に等速に設定することは現実的ではない。
【0063】
そこで、これらのバラツキを勘案したとき、像担持体17の移動速度に対して画像転写搬送手段18の移動速度が相対的に速くなったり遅くなったりしてバラツクことになり、転写諸条件を設定する上で好ましくない。むしろ、相対速度は、像担持体17に対していずれか一方にシフトした相対速度差を設けることが好ましい。しかしながら、極端な速度差を設けると、像担持体17によって搬送されるトナー像が画像転写搬送手段18に転写される時にこのトナー像の位置にズレが生じて画像乱れが発生するので、極力小さな速度差を設けることが好ましい。
【0064】
上記の内容によって生じる速度差を、複数の像担持体17に対していずれか一方にシフトした相対速度差に設定する場合に量産上からの実力及び画像乱れの限界を勘案すると、その速度差は、像担持体17の移動速度に対する画像転写搬送手段18の速度は、±(方向)3±(バラツキ)2%程度に構成することが好ましい。
【0065】
また、像担持体17の移動速度と画像転写搬送手段18の移動速度が等速の場合は、トナー像は転写バイアスの電気エネルギー作用によって転写されるが、上記の速度差を設けた場合には、電気エネルギー作用に加えて機械的なかきとり作用も付加されて転写効率が向上するので、像担持体17の転写残りトナーをクリーニングする工程を廃止または簡略化することが可能となる。
【0066】
さらに、像担持体17の移動速度と画像転写搬送手段18の移動速度に相対的な速度差を設けると、可撓性を有する画像転写搬送手段18の駆動ローラ12間または像担持体17への当接ニップ間に弛みが発生して好ましくない。そこで、像担持体17に対して画像転写搬送手段18の速度を速い方向にシフトする場合には、画像転写搬送手段18の駆動ローラ12を下流側に配置し、像担持体17に対して画像転写搬送手段18の速度を遅い方向にシフトする場合には画像転写搬送手段18の駆動ローラ12を上流側に配置して構成すると、上記弛み発生が防止可能になり、好ましい転写条件設定ができる。
【0067】
クリーニング手段15は、搬送方向下向きのベルト面18a側に設けられ、二次転写後に画像転写搬送手段18の表面に残留しているトナーを除去するクリーニングブレード15aと、回収したトナーを搬送するトナー搬送部材15bを備えている。クリーニングブレード15aは、従動ローラ13への画像転写搬送手段18の巻きかけ部において画像転写搬送手段18に当接されている。また、画像転写搬送手段18の裏面には、後述する各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体17に対向して1次転写部材16が当接され、1次転写部材16には転写バイアスが印加されている。
【0068】
露光手段Wは、斜め方向に配設された画像形成ユニットDの斜め下方に形成された空間に配設されている。また、露光手段Wの下部でハウジング10aの底部には給紙ユニット30が配設されている。露光手段Wは、全体がケースに収納され、ケースは、搬送方向下向きのベルト面の斜め下方に形成される空間に配設されている。ケースの底部には、ポリゴンミラーモータ21a、ポリゴンミラー(回転多面鏡)21bからなる単一のスキャナ手段21を水平に配設されるとともに、各色の画像信号により変調される複数のレーザ光源23からのレーザビームをポリゴンミラー21bで反射させ各像担持体上に偏向走査する光学系Bには、単一のf−θレンズ22および各色の走査光路が像担持体17にそれぞれ非平行になって折り返すように複数の反射ミラー24が配設されている。
【0069】
上記構成からなる露光手段Wにおいては、ポリゴンミラー21bから各色に対応した画像信号が、共通のデータクロック周波数に基づいて変調形成されたレーザビームで射出され、f−θレンズ22、反射ミラー24を経て、各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体17に照射され、潜像が形成される。反射ミラー24を設けることにより走査光路を屈曲させ、ケースの高さを低くすることが可能となり光学系Bのコンパクト化が可能となる。しかも、各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体17への走査光路長は同一の長さになるように反射ミラー24が配置されている。このように各画像形成ユニットDに対する露光手段Wのポリゴンミラー21bから像担持体17までの光路の長さ(光路長)が略同一の長さになるように構成することにより、各光路で走査された光ビームの走査幅も略同一になり、画像信号の形成にも特別な構成を必要としない。したがって、レーザ光源23は、それぞれ異なる画像信号によってそれぞれ異なった色の画像に対応して変調されるにも関わらず、共通のデータクロック周波数に基づいて変調形成可能であり、共通の反射面を用いるため副走査方向の相対差から生じる色ずれを防止し、構造が簡単で安価なカラー画像形成装置を構成できる。
【0070】
また、本実施形態においては、装置下方に走査光学系Bを配置することにより、画像形成手段の駆動系が装置を支持するフレームへ与える振動による走査光学系Bの振動を最小限にすることができ、画質の劣化を防止することができる。とくに、スキャナ手段21をケースの底部に配置することにより、ポリゴンモータ21a自身がケース全体に与える振動を最小限にすることができ、画質の劣化を防止することができる。また、振動源であるポリゴンモータ21aの数を一つにすることによりケース全体に与える振動を最小限にすることができる。
【0071】
本実施形態においては、各画像ステーションY,M,C,Kが斜め方向に配設され、かつ像担持体17が斜めアーチ状のラインに沿って上向きに並列配置されて、画像転写搬送手段18の搬送方向下向きのベルト面18aに接触される関係上、トナー貯留容器26を斜め下方に傾斜して配置している。
【0072】
給紙ユニット30は、記録媒体が積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体を一枚ずつ給送するピックアップローラ36を備えている。紙搬送ユニット11は、二次転写部への記録媒体の給紙タイミングを規定するゲートローラ対37(一方のローラはハウジング10a側に設けられている)と、駆動ローラ12および画像転写搬送手段18に圧接される二次転写手段としての二次転写ローラ39と、主記録媒体搬送路38と、定着手段40と、排紙ローラ対41と、両面プリント用搬送路42を備えている。
【0073】
シート材に2次転写された2次画像(未定着トナー像)は、定着手段40の形成するニップ部で所定の温度で定着される。本実施形態においては、転写ベルトの搬送方向上向きのベルト面18bの斜め上方に形成される空間、換言すれば、転写ベルトに対して画像形成ステーションと反対側の空間に定着手段40を配設することが可能になり、露光手段W、画像転写搬送手段18、画像形成手段への熱伝達を低減することができ、各色の色ずれ補正動作を行う頻度を少なくすることができる。特に、露光手段Wは、定着手段40から最も離れた位置にあり、走査光学系部品の熱による変位を最小限にすることができ、色ズレを防ぐことができる。
【0074】
本実施形態においては、画像転写搬送手段18を駆動ローラ12に対して傾斜する方向に配設しているため、図で右側空間に広いスペースが生じその空間に定着手段40を配設することができ、コンパクト化を実現することができると共に、定着手段40で発生する熱が、左側に位置する露光ユニットW、画像転写搬送手段18および各画像形成ステーションY,M,C,Kへ伝達されるのを防止することができる。また、画像形成ユニットDの左側下部の空間に露光ユニットWを配置することができるため、画像形成手段の駆動系がハウジング10aへ与える振動による、露光ユニットWの走査光学系Bの振動を最小限に抑えることができ、画質の劣化を防止することができる。
【0075】
また、本実施形態においては、球形化されたトナーを用いることにより、1次転写効率を高め(略100%)、各像担持体17には、1次転写残りトナーを回収するクリーニング手段を設置していない。これにより、30mm径以下の感光体ドラムからなる各像担持体17を近接して配置することが可能となり、装置を小型化することができる。
【0076】
また、クリーニング手段を設置しないことに伴い、帯電手段としてはコロナ帯電手段19を採用している。帯電手段がローラである場合は、微量ではあるが像担持体17上に存在する1次転写残りトナーがローラ上に堆積して帯電不良が発生するが、非接触帯電手段であるコロナ帯電手段19はトナーが付着しにくく、帯電不良の発生を防ぐことができる。
【0077】
また、上記実施形態では、中間転写ベルトを画像転写搬送手段18として像担持体17に接触させる構成としたが、表面にシート材を吸着して搬送移動し、該シート材の表面にトナー像を順次重ねて転写して画像を形成搬送するシート材搬送ベルトを画像転写搬送手段18として像担持体17に接触させる構成としてもよい。この場合、上記各実施形態と異なるのは、画像転写搬送手段18であるシート材搬送ベルトのベルト搬送方向が像担持体17に接触する下面で逆方向の上向きになることである。
【0078】
以上のような画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
(1)図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が画像形成装置10の制御ユニットに入力されると、各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体17、現像手段20の各ローラ、および画像転写搬送手段18が回転駆動される。
(2)像担持体17の外周面が帯電手段19によって一様に帯電される。
(3)各画像形成ステーションY,M,C,Kにおいて一様に帯電した像担持体17の外周面に、露光ユニットWによって各色の画像情報に応じた選択的な露光がなされ、各色用の静電潜像が形成される。
(4)それぞれの像担持体17に形成された静電潜像が現像手段20によりトナー像が現像される。
(5)画像転写搬送手段18の1次転写部材16には、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、像担持体17上に形成されたトナー像が一次転写部において画像転写搬送手段18の移動に伴って順次、画像転写搬送手段18上に重ねて転写される。
(7)この1次画像を1次転写した画像転写搬送手段18の移動に同期して、給紙カセット35に収納された記録媒体が、レジストローラ対37を経て2次転写ローラ39に給送される。
(8)1次転写画像は、2次転写部位で記録媒体と同期合流し、図示省略した押圧機構によって画像転写搬送手段18の駆動ローラ12に向かって押圧された2次転写ローラ39で、1次転写画像とは逆極性のバイアスが印加され、画像転写搬送手段18上に形成された1次転写画像は、同期給送された記録媒体に2次転写される。
(9)2次転写に於ける転写残りのトナーは、従動ローラ13方向へと搬送されて、このローラ13に対向して配置したクリーニング手段15によって掻き取られ、そして、画像転写搬送手段18はリフレッシュされて再び上記サイクルの繰り返しを可能にされる。
(10)記録媒体が定着手段40を通過することによって記録媒体上のトナー像が定着し、その後、記録媒体が所定の位置に向け(両面印刷でない場合には排紙トレイ10cに向け、両面印刷の場合には両面プリント用搬送路42に向け)搬送される。
【0079】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、従来公知または周知の技術を必要に応じて置換または付加することが可能である。
【0080】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ベルトは、加圧ローラと張架部材の協働によって張力が付与されて加熱ローラに巻き付けてニップを形成しているので、容易にニップ長を長く構成することができ、構造が簡単になり小型で安価にすることができる。また、張架部材として、ベルト摺動部材を使用することにより軸受等が不要になり、支持構造が簡単になる。加えて張架部材を半月状とすることにより、加圧ローラ側にその半月欠方向を向けて配置し、加圧ローラに対して極限まで接近した配置が可能になる。このことによりまた、ベルトの周長を短縮して構成することが可能になる。したがって、熱ローラ型定着装置を簡単な構造にして小型で安価にすることができる。さらに、ベルトが必要最小限の経路で移動するので、加熱源を内蔵して回転可能な加熱ローラとのニップ部で加熱されたベルトは、所定の経路で移動する時に奪われる熱エネルギーを最小限に抑えることができると共に、周長が短いので、自然放熱による温度低下も少なく、電源オン時から所望の温度に到達して定着可能になるまでの所謂ウォーミング時間の短縮が可能である。
【0081】
また、シート材の上に形成した未定着トナー像を安定して定着するには、未定着トナー像を十分に溶融して定着することが必須であり、所望の温度と溶融時間を必要とするが、本発明による構成では、ニップ長を長く構成するために加熱ローラの表面に被覆した弾性体を大きく歪ませてニップ長を長くするような手段は必要ないので、弾性体の厚みは薄く構成可能である。しかも、弾性体を歪ませるために加圧ローラの圧接圧力を大きく設定する必要もなく、未定着トナー像を担持したシート材が加熱ローラとベルトの間を通過するときに通過するシート材へのストレスが小さいので、未定着トナー像の定着後に排出されるシート材に皺発生などのシート材変形が抑制される。
【0082】
したがって、熱ローラ型定着装置の機械的剛性アップは不要であるばかりでなく、加熱ローラの薄肉厚化が可能であり、加熱源からベルトを加熱する加熱速度が向上する。また、加圧ローラも同様に薄肉厚化が可能であり、熱容量を小さく構成できるので、ベルトからの熱エネルギー吸収が小さく、電源オン時から所望の温度に到達して定着可能になるまでの所謂ウォーミングアップ時間の短縮が可能である。
【0083】
ベルトが加圧ローラに巻き付く角よりベルトが張架部材に巻き付く角を小さくし、また、加圧ローラの径より張架部材の径を小さくすることにより、ベルトが加圧ローラに巻き付く長さよりベルトが張架部材に巻き付く長さを短くし、ベルトの周長を短縮して構成し、ベルトを必要最小限の経路で移動する構成にするので、熱ローラ型定着装置を簡単な構造にして小型で安価にし、加熱ローラとのニップ部で加熱されたベルトが所定の経路で移動する時に奪われる熱エネルギーを最小限に抑えることができ、自然放熱による温度低下も少なく、電源オン時から所望の温度に到達して定着可能になるまでの所謂ウォーミング時間の短縮が可能になるなど、多くの効果が期待できる。
【0084】
また、シート材特性に応じて加熱ローラ及び加圧ローラを第1の回転速度とそれより遅い第2の回転速度で選択駆動することにより、未定着トナー像の溶融が適正化され、所望の定着が達成できる。そして、第1の回転速度または第2の回転速度で選択的に駆動しても、未定着トナー像を担持したシート材が加熱ローラとベルトの間を通過するときに通過するシート材へのストレスには変化がなくて小さいので、未定着トナー像の定着後に排出されるシート材に皺発生などのシート材変形が抑制される。したがって、熱ローラ型定着装置の機械的剛性アップは不要であるばかりでなく、加熱ローラ薄肉厚化が可能であり、加熱源からベルトを加熱する加熱速度が向上する。また、加圧ローラも同様に薄肉厚化が可能であり、熱容量が小さく達成できるので、ベルトからの熱エネルギー吸収が小さく、電源オン時から所望の温度に到達して定着可能になるまでの所謂ウォーミングアップ時間の短縮が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定着装置の実施の形態を示す図である。
【図2】張架部材の位置とニップ領域との関係を説明するための図である。
【図3】ニップ通過位置と定着圧力の変化を示す図である。
【図4】張架部材をベルトの移動方向下流側に設けた本発明に係る定着装置の他の実施の形態を示す図である。
【図5】張架部材をベルトの移動方向下流側に配置した定着装置のニップ通過位置と定着圧力の変化を示す図である。
【図6】張架部材の下流側位置とニップ領域との関係を説明するための図である。
【図7】張架部材としてロール部材を用いてベルトの移動方向上流側に配置した本発明に係る定着装置の他の実施の形態を示す図である。
【図8】張架部材としてロール部材を用いてベルトの移動方向下流側に配置した本発明に係る定着装置の他の実施の形態を示す図である。
【図9】本発明に係る画像形成装置の1実施の形態を示す全体構成の模式的断面図である。
【符号の説明】
1…加熱ローラ、1a…ハロゲンランプ、1b…ローラ基材、1c…弾性体、2…加圧ローラ、2a…回転軸、3…ベルト、4…張架部材、4a…凸部、4b…ガイド部、4c…張力付与部、5…シート材、5a…未定着トナー像、6…クリーニング部材、7…フレーム、7a…ガイト孔、7b…軸受、8…張架支持部材、8a…張力付与バネ、L…押圧部接線
Claims (17)
- 加熱ローラと、該加熱ローラにベルトを介して押圧する加圧ローラとを備えた定着装置において、前記ベルトは、摺動する張架部材と前記加圧ローラとの間に張架し、前記張架部材は、前記加熱ローラと前記加圧ローラとの押圧部の接線より前記ベルトが前記加熱ローラ側に巻き付く位置に配置したことを特徴とする定着装置。
- 前記張架部材は、半月状部材であることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記張架部材は、前記加熱ローラに非接触となる位置に配置したことを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の定着装置。
- 前記張架部材は、前記加熱ローラに押圧する位置に配置したことを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加熱ローラに押圧する前記張架部材の押圧力を前記加圧ローラの押圧力より小さくしたことを特徴とする請求項4記載の定着装置。
- 前記加圧ローラと前記ベルトとの摩擦係数を前記張架部材と前記ベルトとの摩擦係数より大きくしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加圧ローラに前記ベルトが巻き付く角を前記張架部材に前記ベルトが巻き付く角より大きくしたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加圧ローラの径を前記張架部材の径より大きくしたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置。
- 前記張架部材を駆動する駆動手段として、複数の回転速度を有し、シート材特性に応じて前記回転速度を選択して駆動することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の定着装置。
- 前記シート材特性を検知する検知手段を有し、前記未定着トナー像を担持したシート材の進行過程でシート材特性を検知して、前記シート材特性に応じて選択駆動することを特徴とする請求項9記載の定着装置。
- シート材特性に応じて選択情報が設定される設定手段を有し、前記未定着トナー像を担持したシート材の定着指令過程で前記シート材特性に応じた設定を行い、該設定内容に基づいて選択駆動することを特徴とする請求項9記載の定着装置。
- 前記張架部材は、一端または両端に前記ベルトが当接して位置規制する凸部を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加圧ローラを駆動し、前記加熱ローラは前記ベルトを介して従動される請求項1乃至12のいずれかに記載の定着装置。
- 前記ベルトの内周面に摺接して前記加圧ローラと前記張架ローラとの間にクリーニング部材を配置したことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加圧ローラは、前記加熱ローラの表面に被覆した弾性体より硬質な表面を有していることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加熱ローラは、外径60mm以下、肉厚2mm以下のパイプ材の外周に2mm以下の弾性体を被覆して形成し、加圧ローラは、外径60mm以下、肉厚2mm以下のパイプ材で形成したことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の定着装置。
- 請求項1乃至16のいずれかに記載の定着装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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