JP2004012020A - ステーブクーラおよびこれを用いた金属精錬方法 - Google Patents

ステーブクーラおよびこれを用いた金属精錬方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価でしかも圧力損失が少ない、銅または銅合金製のステーブクーラと、これを用いた金属精錬方法とを提供する。
【解決手段】銅または銅合金製の鋳造体により構成されるとともに内部に冷媒用流路3a〜3dを有する本体2を備えるステーブクーラ1である。冷媒用流路3a〜3dが、本体2の鋳造により形成される第1の部分4−1、4−2と、鋳造を行われた後の本体2に対する穿孔により第1の部分4−1、4−2に接続して形成される第2の部分5とを有するステーブクーラである。第1の部分4−1、4−2が曲線状に形成されるとともに、第2の部分5が直線状に形成される。さらに、第1の部分4−1、4−2は、第2の部分5の両端部にそれぞれ接続して、二つ形成される。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステーブクーラおよびこれを用いた金属精錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、冶金炉(以下、「高炉」を例にとる)の炉体を構成する炉壁は、一般的に、鉄皮と、炉体を冷却および保護するために例えば冷却流路等の冷却機構を内蔵し鉄皮の内面側に配置されるステーブクーラと、ステーブクーラの内面側に配置された耐火物とにより構成される。
【0003】
この種のステーブクーラとして鋳鉄製のステーブクーラが知られている(例えば特開平8−85808号公報参照)。しかし、鋳鉄製ステーブクーラは、一般的に、高炉の炉内における熱負荷によって摩耗、損耗さらには本体の熱膨張や反り等を生じ易く、冷却パイプの破損等により比較的早期に寿命をきたしてしまう。
【0004】
そこで、材質の変更や冷却配管の高密度化などの改良を図ったステーブクーラが既に開示されている。
しかしながら、このように、冷却配管の高密度化を図ると炉外配管の引回しが複雑化し、またステーブクーラ自体の大型化や給水設備の大容量化を図る必要も生じる。このため、このステーブクーラは、操業の途中で短時間で取替を行う必要がある補修用のステーブクーラとしては適当でない。
【0005】
近年、冶金炉の新規建設時にステーブクーラを設置する場合や、長期間の操業中断時にステーブクーラを交換する場合等にも対応するため、冶金炉の稼働年数の延長に伴うステーブクーラ自体のよりいっそうの長寿命化や、設置コストのよりいっそうの低下等に対する要請が高まっている。そこで、鋳鉄製ステーブクーラよりもさらに長寿命であって、構造が簡素でかつ安価なステーブクーラが要望されている。
【0006】
そこで、本体の摩耗、損耗、熱膨張さらには反りが少なく、長寿命であり、さらに構造が簡素なステーブクーラとして、銅または銅合金製のステーブクーラが開発され、既に実用化されている。
【0007】
例えば特開昭55−122810号公報には、銅または銅合金製の圧延材または鍛造材を機械的に穿孔して直線状の冷媒用流路を設けたステーブクーラが提案されている。また、特開平11−293312号公報には、本体を銅または銅合金により一体的に鋳造したステーブクーラが提案されており、この公報には鋳造用中子を用いて冷媒用流路を直線状かつ曲線状に設けることが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開昭55−122810号公報により提案されたステーブクーラは、圧延材または鍛造材を機械的に穿孔して冷媒用流路を形成するものである。このため、このステーブクーラには、(i)冷媒用流路を曲線状に形成することが難しく、流路の方向転換を行なうには冷媒用流路をクランク状に形成せざるを得ず、供給する冷媒の圧力損失が大きくなってエネルギ損失が大きくなり、大規模な冷媒供給装置を用いる必要があること、および(ii)クランク状に形成された部分では冷媒がよどみ易く、冷媒用流路の内面に付着物が生じ易くなり、この付着物が成長するとさらに圧力損失の増大や伝熱効率の低下を招き、ステーブクーラの性能低下を伴うことといった課題があった。
【0009】
また、特開平11−293312号公報により提案されたステーブクーラには、(iii)鋳造により形成された冷媒用流路の内面は、当然のことながら粗い鋳肌となるため、圧力損失が大きくなること、および(iv)砂型を用いて一体的に鋳造された鋳造体は砂抜き部分が多く、作業工数が増加して製造コストが嵩んでしまうことという課題があった。
【0010】
このように、従来の技術では、圧力損失が少なく、しかも安価な、銅または銅合金製のステーブクーラを提供することは事実上不可能であった。このため、本体に生じる摩耗、損耗、熱膨張さらには反りを抑制でき、長寿命であって、しかも構造を簡素化できるという、銅または銅合金製のステーブクーラが本来有する性能を十分に享受することはできなかった。
【0011】
本発明の目的は、従来の技術が有するかかる課題に鑑みてなされたものであり、安価でしかも圧力損失が少ない、銅または銅合金製のステーブクーラと、これを用いた金属精錬方法とを提供することであり、かかるステーブクーラを用いることにより、銅または銅合金製のステーブクーラが本来有する性能を十分に享受することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、銅または銅合金製の鋳造体により構成されるとともに内部に冷媒用流路を有する本体を備えるステーブクーラであって、冷媒用流路が、本体の鋳造により形成される第1の部分と、鋳造を行われた後の本体に対する機械加工により第1の部分に接続して形成される第2の部分とを有することを特徴とするステーブクーラである。この本発明にかかるステーブクーラにより、安価でしかも圧力損失が少ない、銅または銅合金製のステーブクーラが提供される。
【0013】
この本発明にかかるステーブクーラでは、第1の部分が曲線状に形成されるとともに、第2の部分が直線状に形成されることが例示される。これにより、さらに圧力損失を低減することができる。
【0014】
これらの本発明にかかるステーブクーラでは、第1の部分が、第2の部分の両端部にそれぞれ接続して、二つ形成されることが例示される。
これらの本発明にかかるステーブクーラでは、第1の部分の径が、第2の部分の径よりも大きく設定されることが望ましい。これにより、第1の部分と第2の部分との接続部に段差部が形成されることを防止できる。
【0015】
これらの本発明にかかるステーブクーラでは、第1の部分の径が、第2の部分に接近するにつれて徐々に小さくなるように設定されることが望ましい。これにより、第1の部分と第2の部分との軸ずれを解消または抑制できる。
【0016】
別の観点からは、本発明は、上述したステーブクーラを装着された冶金炉を用いて精錬を行なうことを特徴とする金属精錬方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるステーブクーラおよびこれを用いた金属精錬方法の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明では、本実施の形態のステーブクーラを、冶金炉の一例である高炉に用いた場合を例にとる。
【0018】
図1は、本実施の形態のステーブクーラを簡略化するとともに透視状態で示す説明図である。また、図2は図1における本体2の上面図であり、図3は図2におけるA−A断面図である。
【0019】
図1〜図3に示すように、本実施の形態のステーブクーラ1は、本体2を有するとともに、この本体2には4つの冷媒用流路3a〜3dが設けられている。そこで、まず、ステーブクーラ1のこれらの構成要素について説明する。
【0020】
本実施の形態におけるステーブクーラ1の本体2は、銅合金製 (JIS H 5100銅鋳物で規定されるCuCl合金)の鋳造体として、略直方体型に構成される。なお、本体2は、本実施の形態のように銅合金製ではなく、銅製としてもよい。
【0021】
本体2の内部には、本実施の形態では4本の冷媒用流路3a〜3dが設けられる。なお、これら4本の冷媒用流路3a〜3dは、いずれも、例えば冷却水等の冷媒を流すための流路であり、さらに、冷媒用流路3a、3cと冷媒用流路3b、3dとは同一の形状に構成される。そこで、以降の説明では、これらの冷媒用流路3a〜3dのうち冷媒用流路3bを例にとることとし、冷媒用流路3b以外の他の冷媒用流路3a、3dおよび3dについては重複する説明を省略する。
【0022】
図1〜図3に示すように、冷媒用流路3bは、第1の部分4−1、4−2と、第2の部分5とを有しており、これが本実施の形態のステーブクーラ1の大きな特徴となっている。そこで、以降の説明では、この第1の部分4−1、4−2および第2の部分5を順次詳細に説明することとする。
【0023】
(第1の部分4)
第1の部分4−1、4−2は、本実施の形態では、本体2の鋳造の際に砂中子を用いて鋳造に伴って形成される部分であり、図1に示すように、円弧状に屈曲させて形成される。鋳造完了後に形成された第1の部分4−1、4−2の内部に残存する砂中子は、冷却媒体の出入り口となる口6、7から排出される。
【0024】
このように、本実施の形態では、鋳造により形成される第1の部分4−1、4−2が、第2の部分5の両端部にそれぞれ接続して二つ形成される。したがって、冷媒用流路を方向転換させる場合にも、冷媒用流路3bはクランク状に屈曲して形成されることはなく、直線状および曲線状に形成される。このため、この第1の部分4−1、4−2を有する冷媒用流路は、供給される冷媒に生じる圧力損失をできる限り抑制することができ、冷媒供給時のエネルギ損失を小さくすることができる。このため、大規模な冷媒供給装置を用いることなく、冷媒を冷媒用流路に供給することができる。
【0025】
また、冷媒用流路3bがクランク状に屈曲して形成された部分を有さないため、冷媒用流路の内面に付着物を生じ難くなり、この付着物の成長に伴う圧力損失の増大や伝熱効率の低下をできる限り防止できる。このため、このステーブクーラ1は、その当初の性能を長期間にわたって維持することもできる。
【0026】
(第2の部分5)
第2の部分5は、鋳造を行われた後の本体2に対する機械加工 (穿孔)によって、上述した二つの第1の部分4−1、4−2に接続して形成される部分である。
【0027】
図4(a)〜図4(c)は、本実施の形態における冷媒用流路3bの形成工程の一例を経時的に示す説明図である。
図4(a)に示すように、本体2の鋳造の際に砂中子を用いることにより、上述したように、第1の部分4−1、4−2が形成される。
【0028】
次に、図4(b)に示すように、穿孔加工機8の先端に装着された穿孔工具を第1の部分4−1、4−2を介して挿入し、第1の部分4−1、4−2を形成された本体2に機械的な穿孔を行なう。これにより、第2の部分5を第1の部分4−1、4−2に連通させて、形成する。ここで、用いる穿孔加工機8としては、ソリッドカッタが取り付けられたボーリングマシン(深孔加工機)を用い、本体2を掘削することにより、直線状に第2の部分5を穿孔することが例示される。
【0029】
また、本実施の形態では、図4(c)に示すように、上述した第1の部分4−1、4−2の径は、第2の部分5の径よりも大きくなるように設定される。これにより、第2の部分5の穿孔時に第1の部分4−1、4−2と第2の部分5との接続部に段差が生じても、この段差部を平滑にならす研削補正作業を確実に行い、発生した段差を解消することができる。
【0030】
ここで、具体的には、第2の部分5の内径D1と、第1の部分4−1、4−2の内径D2との関係は、(1)式および(2)式の関係、すなわち
D2−D1≧2×L/1000 ・・・・・(1)
D1/D2≧0.5  ・・・・・(2)
にあることが望ましい。
【0031】
すなわち、(1)式は、第2の部分5の穿孔加工を行なう穿孔加工機の機械的な芯ズレの誤差により決定される式である。D2−D1<2×L/1000であると、第2の部分5と第1の部分4−1、4−2との間に切り欠き状の目違いが発生するおそれがあるからである。図5は、第2の部分5と第1の部分4−1との接続部に発生した切り欠き状の目違いの状況を示す説明図である。このような切り欠き状の目違いが発生すると、冷媒供給時に応力集中源となり、本体2の早期の破壊の起点となる恐れがある。
【0032】
一方、(2)式は、冷媒供給時の圧力損失により規定される式である。すなわち、第2の部分5の内径D1に比較して、第1の部分4−1、4−2の第2の部分5側の端部の径D2を小さくし過ぎると、第2の部分5における冷媒の流速が極めて高くなり、これにより、圧力損失が増大する。
【0033】
また、図6には、ベルヌーイの定理から計算により求めたD1/D2と圧力損失との関係の一例をグラフで示す。なお、冷媒の流速が低い第1の部分4−1、4−2では、溶損防止の観点から流速1m/sec以上を確保することが望ましいため、図6に示す関係を求める計算では、流速を前提とした。
【0034】
図6にグラフで示すように、径D1と径D2の比(D1/D2)が0.5を下回ると、圧力損失が如実に増加し始め、経済性を損なわれることがわかる。
さらに、本実施の形態では、第1の部分4−1、4−2の径が、第2の部分5に接近するにつれて徐々に小さくなるように設定される。図7は、第1の部分4−1、4−2の径が、第2の部分5に接近するにつれて徐々に小さくなるように、換言すれば、第1の部分4−1、4−2の第2の部分5側の末端における外径が、第1の部分4−1、4−2の長手方向の平均外径よりも小さくなるように設定された状況を示す説明図であって、図7(a)は第2の部分5を穿孔する前の状態を示し、図7(b)は、第2の部分5を穿孔した後に、第1の部分4−1、4−2と第2の部分とが芯ズレしない状態を示し、さらに図7(c)は、第2の部分5を穿孔された後に芯ズレが生じていても切り欠き状の目違いは発生していない状態を示す。
【0035】
図7(a)および図7(b)に示すように、本実施の形態では、第1の部分4−1、4−2の先端の径dは、第2の部分5の内径D1より小さく設定されており、また、第1の部分4−1、4−2のコーナ部の径D2は、第2の部分5の内径D1よりも大きく設定されている。同じ外径の曲率があるコーナー部を鋳造時に一体形成し、直線部を穿孔加工すると穿孔加工の芯ズレが生じ、上述した図5や図7(c)に示すように、流路に目違いを生じる。このような芯ズレが生じると、圧力損失や亀裂発生の原因となるおそれがあるため、図7(a)および図7(b)に示すように、本実施の形態では、第1の部分4−1、4−2の先端の径dは、第2の部分5の内径D1より小さく設定している。
【0036】
本実施の形態では、このようにして、図5や図7(c)に示すような穿孔過程での穿孔加工機の芯ズレが生じることが防止される。
このように、本実施の形態によれば、第1の部分4−1、4−2の径が、第2の部分5に接近するにつれて徐々に小さくなるように設定されるため、第1の部分4−1、4−2に穿孔加工機8の先端に装着された穿孔工具を挿入して第2の部分5を穿孔する際に、第1の部分4−1、4−2と第2の部分5との軸ずれを解消または抑制できる。
【0037】
このようにして、第2の部分5を穿孔した後に、穿孔工具を挿入するために穿孔した作業穴は、閉塞プラグ9等を挿設および溶接することによって閉塞される。閉塞プラグ9としては、本体2の鋳造材と同材質のもの、さらに同純度の高い材質のもの等を用いることができる。具体的には、本実施の形態では、プラグとしては、JIS H 3250銅及び銅合金棒で規定されるC1020BDの銅棒を、第2の部分5の内径に合わせて機械加工して用いることが、例示される。
【0038】
そして、このようにして製造された本体2の冷却媒体の出入り口となる口6、7に、冷却媒体の供給及び排出用のパイプ10を溶接により取り付ける。この冷却媒体の供給及び排出用のパイプ10としては、JIS H 1220銅及び銅合金継ぎ目無し管に規定されるC1220Tの銅管が例示される。
【0039】
このように、本実施の形態では、第2の部分5が機械加工により直線状に形成されるため、この部分を鋳造により製造した場合に比較すると、流れる冷媒の圧力損失を顕著に低減することができる。
【0040】
すなわち、本実施の形態では、冷媒用流路3bの全てを本体2の鋳造に伴って形成するのではなく、直線状の部分は機械加工により第2の部分5として形成する。このため、本実施の形態のステーブクーラ1では、この第2の部分5の内面が鋳肌に比べて極めて平滑に形成されるため、第2の部分5を冷媒が流れる際の圧力損失を低減することができる。
【0041】
また、本実施の形態では、冷媒用流路3bの全てを本体2の鋳造の際にこれに伴って形成するのではなく、端部に位置する第1の部分4−1、4−2だけを鋳造により形成するため、砂を抜く部分が局部的に限定されて砂抜き作業が容易となるため、鋳造コストを低減することができる。
【0042】
さらに、本実施の形態では、冷媒用流路3bの全てを本体2の鋳造の際にこれに伴って形成するのではなく、端部に位置する第1の部分4−1、4−2の流路曲がり部を鋳造により曲線状になめらかに形成することができるため、冷媒の圧力損失をできるだけ抑制することができる。
【0043】
このため、本実施の形態によれば、安価でしかも圧力損失が少ない、銅または銅合金製のステーブクーラ1を提供することができる。
以上のように構成された本実施の形態のステーブクーラ1は、高炉の炉体を構成する鉄皮の内面側に装着され、このステーブクーラの内面側に耐火物を装着されることにより、炉壁を構成する。そして、かかる高炉の操業を行なうことにより、精錬が行なわれる。
【0044】
このようにして、本実施の形態によれば、安価でしかも圧力損失が少ない、銅または銅合金製のステーブクーラと、これを用いた金属精錬方法とが提供される。このため、本実施の形態によれば、本体に生じる摩耗、損耗、熱膨張さらには反りを抑制でき、長寿命であって、しかも構造を簡素化できるという、銅または銅合金製のステーブクーラが本来有する性能を十分に享受することができる。
【0045】
【実施例】
さらに、本発明を実施例を参照しながらより詳細に説明する。
▲1▼上述した図1〜図7に示す実施例1と、▲2▼第1の部分4−1、4−2および第2の部分5それぞれの径が同じであること以外は実施例1と同じ条件である実施例2と、▲3▼第1の部分4−1、4−2のみならず第2の部分5も本体の鋳造時に砂中子を用いて一体的に形成したこと以外は実施例1と同じ条件である比較例1と、▲4▼JIS H 3100銅及び銅合金の板及び条で規定されるC1020P銅板に本実施例で用いたボーリングマシン(深孔加工機)により冷却流路1系統当たり直交する2方向から穿孔した本体を用いた比較例2とにより、ステーブクーラの本体を製造し、砂抜き口に棒状プラグを差込んで溶接固定してから、冷却媒体の供給及び排出用パイプを取り付けことにより、最終的にステーブクーラを組立てた。
【0046】
なお、比較例1では、形成された冷媒用流路の内部に残存する砂中子は、冷却媒体の出入り口となる口(図1における6、7に相当する口)だけでは、砂抜きできなかったため、ステーブの背面側から冷媒用流路に連通する口を300mmピッチで穿孔し、この開口から砂抜きを行った。また、比較例2では、冷却媒体の出入り口となる口は、本体の背面からドリルにより穿孔した。
【0047】
これら4種のステーブクーラを用いて、以下に列記する(i)冷却媒体の圧力損失確認試験と、(ii)流路の加工状況を確認するための割断調査とを行なった。
(i)圧力損失確認試験
冷却媒体圧力損失の測定試験では冷却媒体として水を用い、冷却媒体の入口圧力と出口圧力との差により圧力損失を測定した。なお、冷却媒体の入側流路内流速は全て2m/sec一定という条件とした。
【0048】
製造コストは、本発明例1の製造コストを基に製造コスト比(本発明例1、比較例1または比較例2の製造コスト/本発明例1の製造コスト)により比較した。表1に、本発明例1、本発明例2、比較例1および比較例2の試験方法の要旨とその試験結果を示す。なお、表1における「特徴」の欄の符合は上述した図7(a)および図7(b)における符合と同じである。
【0049】
【表1】
Figure 2004012020
【0050】
表1に示すように、本発明例1および本発明例2は、いずれも、比較例1および比較例2に比較して、圧力損失が小さくなった。
また、比較例1では、鋳造の際における砂抜き作業の工数が多くなり、本発明例1、本発明例2および比較例2と比較して、製造コストが高くなった。
【0051】
また、比較例1では、流路内面が穿孔加工したものに比較して平滑では無いため、本発明例1および本発明例2と比較して圧力損失が大きくなった。
さらに、比較例2は、曲率部分が無くクランク状に形成されたため、本発明例1および本発明例2に比較して圧力損失が大幅に増大した。
【0052】
(変形形態)
以上の説明では、本発明にかかるステーブクーラを高炉に用いた場合を例にとったが、本発明は高炉に限定されるものではなく、例えば電気炉や金属精錬炉等の高炉以外の冶金炉においても冷却装置としても同様に好適に使用することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明により、安価でしかも圧力損失が少ない、銅または銅合金製のステーブクーラと、これを用いた金属精錬方法とを提供することができた。このため、本発明によれば、かかるステーブクーラを用いることにより、銅または銅合金製のステーブクーラが本来有する性能を十分に享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のステーブクーラを簡略化するとともに透視状態で示す説明図である。
【図2】図1における本体の上面図である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】図4(a)〜図4(c)は、実施の形態における冷媒用流路の形成工程の一例を経時的に示す説明図である。
【図5】第2の部分と第1の部分との接続部に発生した切り欠き状の目違いの状況を示す説明図である。
【図6】ベルヌーイの定理から計算により求めたD1/D2と圧力損失との関係の一例を示すグラフである。
【図7】第1の部分の径が、第2の部分に接近するにつれて徐々に小さくなるように設定された状況を示す説明図であって、図7(a)は第2の部分を穿孔する前の状態を示し、図7(b)は、第2の部分を穿孔した後に、第1の部分と第2の部分とが芯ズレしない状態を示し、さらに図7(c)は、第2の部分を穿孔された後に芯ズレが生じていても切り欠き状の目違いは発生していない状態を示す。
【符号の説明】
1 ステーブクーラ
2 本体
3a〜3d 冷媒用流路
4−1 、4−2  第1の部分
5 第2の部分

Claims (6)

  1. 銅または銅合金製の鋳造体により構成されるとともに内部に冷媒用流路を有する本体を備えるステーブクーラであって、
    前記冷媒用流路は、前記本体の鋳造により形成される第1の部分と、該鋳造を行われた後の前記本体に対する機械加工により前記第1の部分に接続して形成される第2の部分とを有することを特徴とするステーブクーラ。
  2. 前記第1の部分は曲線状に形成されるとともに、前記第2の部分は直線状に形成される請求項1に記載されたステーブクーラ。
  3. 前記第1の部分は、前記第2の部分の両端部にそれぞれ接続して、二つ形成される請求項1または請求項2に記載されたステーブクーラ。
  4. 前記第1の部分の径は、前記第2の部分の径よりも大きく設定される請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載されたステーブクーラ。
  5. 前記第1の部分の径は、前記第2の部分に接近するにつれて徐々に小さくなるように設定される請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載されたステーブクーラ。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載されたステーブクーラを装着された冶金炉を用いて精錬を行なうことを特徴とする金属精錬方法。
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JP2009221548A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Jfe Steel Corp 高炉操業方法

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