JP2004011465A - 内燃機関用火花点火装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】点火用電源のコストアップや大型化を回避しつつ、1気筒複数点火を実施可能にする。
【解決手段】一対の放電ギャップG1、G2を有する点火プラグ1と、交流電圧を発生して点火プラグ1に高電圧を印加する点火用電源2との間に、電気的に反対向きに接続された一対のダイオード108、109を設ける。これによると、点火用電源2の電圧が正の時に一方の放電ギャップに高電圧が印加され、点火用電源2の電圧が負の時には他方の放電ギャップに高電圧が印加される。従って、1つの点火用電源2で一対の放電ギャップG1、G2に高電圧を印加することができるため、点火用電源の数を従来の半分にすることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】一対の放電ギャップG1、G2を有する点火プラグ1と、交流電圧を発生して点火プラグ1に高電圧を印加する点火用電源2との間に、電気的に反対向きに接続された一対のダイオード108、109を設ける。これによると、点火用電源2の電圧が正の時に一方の放電ギャップに高電圧が印加され、点火用電源2の電圧が負の時には他方の放電ギャップに高電圧が印加される。従って、1つの点火用電源2で一対の放電ギャップG1、G2に高電圧を印加することができるため、点火用電源の数を従来の半分にすることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、点火プラグにより燃焼室内の混合気を着火させる内燃機関用火花点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、1気筒複数点火、すなわち燃焼室内の複数の場所で放電を行うことにより、希薄燃焼限界を広げることができ、燃費低減に有効であることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放電個所と同じ数の点火用電源を装着するとその分コストアップとなってしまう。
【0004】
これを解決するために、複数の放電ギャップと点火用電源とを直列に接続することが考えられるが、この場合、点火用電源には、単独の放電ギャップでの放電電圧より大きい電圧を発生させることが要求され、点火用電源のコイルが大型化するという問題がある。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、点火用電源のコストアップや大型化を回避しつつ、1気筒複数点火を実施可能にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、一対の放電ギャップ(G1、G2)を有する点火プラグ(1、1a、1b)と、交流電圧を発生して点火プラグ(1、1a、1b)に高電圧を印加する点火用電源(2)と、一対の放電ギャップ(G1、G2)と点火用電源(2)との間に配置されると共に、電気的に反対向きに接続された一対のダイオード(108、109)とを備えることを特徴とする。
【0007】
これによると、点火用電源の電圧が正の時に一方の放電ギャップに高電圧が印加され、点火用電源の電圧が負の時には他方の放電ギャップに高電圧が印加される。従って、1つの点火用電源で一対の放電ギャップに高電圧を印加することができるため、点火用電源の数を従来の半分にすることができる。
【0008】
また、一対の放電ギャップには点火用電源から交互に高電圧が印加されるため、点火用電源は、1つの放電ギャップでの放電電圧に相当する電圧を発生させればよく、従って、点火用電源のコイルの大型化を回避することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明のように、一対のダイオード(108、109)のうちの一方のダイオードは、一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの一方の放電ギャップと点火用電源(2)との間に配置されると共に、点火用電源(2)の電圧が正の時に点火用電源(2)から一方の放電ギャップへの電流の流れを許容し、一対のダイオード(108、109)のうちの他方のダイオードは、一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの他方の放電ギャップと点火用電源(2)との間に配置されると共に、点火用電源(2)の電圧が負の時に点火用電源(2)から他方の放電ギャップへの電流の流れを許容することにより、請求項1の発明を実施することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明のように、一方の放電ギャップを、一方の高圧電極と一方の接地電極との間に形成し、一方のダイオードを、一方の高圧電極と点火用電源(2)との間に配置し、他方の放電ギャップを、他方の高圧電極と他方の接地電極との間に形成し、他方のダイオードを、他方の高圧電極と点火用電源(2)との間に配置することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、一対の放電ギャップ(G1、G2)を有する点火プラグ(1、1a、1b)と、交流電圧を発生して点火プラグ(1、1a、1b)に高電圧を印加する点火用電源(2)と、一対の放電ギャップ(G1、G2)の少なくとも一方の放電ギャップと点火用電源(2)との間に配置されたダイオード(108)とを備えることを特徴とする。
【0012】
これによると、一対の放電ギャップで交互に放電させて、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明のように、一対の放電ギャップ(G1、G2)と点火用電源(2)との間に一対のダイオード(108、109)が配置されており、一対のダイオード(108、109)のうちの一方のダイオードは、一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの一方の放電ギャップと点火用電源(2)との間に配置されると共に、点火用電源(2)の電圧が正の時に点火用電源(2)から一方の放電ギャップへの電流の流れを許容し、一対のダイオード(108、109)のうちの他方のダイオードは、一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの他方の放電ギャップと点火用電源(2)との間に配置されると共に、点火用電源(2)の電圧が負の時に点火用電源(2)から他方の放電ギャップへの電流の流れを許容するようにしてもよい。
【0014】
請求項6に記載の発明では、一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの一方の放電ギャップの長さは他方の放電ギャップの長さよりも短く、ダイオード(108)は、ギャップ長の短い方の放電ギャップ(G1)と点火用電源(2)との間に設置されていることを特徴とする。
【0015】
これによると、一対の放電ギャップのうちの一方の放電ギャップと点火用電源との間にのみダイオードを配置する構成でも、一対の放電ギャップで交互に放電させることができる。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る火花点火装置を示す構成図で、放電ギャップで放電して燃焼室内の混合気を着火させる点火プラグ1、交流電圧を発生して点火プラグ1に高電圧を印加する点火用電源2、点火用電源2の作動を制御する電子制御装置(以下、ECUという)3を備えている。
【0018】
点火プラグ1は、1気筒2点点火を行うために、一対の点火プラグを一体化したもので、一対の放電ギャップG1、G2を有する。そして、それらの放電ギャップG1、G2を内燃機関の1つの燃焼室4に共に臨ませた状態でシリンダヘッド5に装着され、放電ギャップG1、G2で放電して燃焼室4内の混合気を着火させるものである。
【0019】
点火プラグ1は、導電性の鉄鋼材料よりなる略円筒形状の取付金具101を有しており、この取付金具101は、シリンダヘッド5の図示しない雌ネジに螺合される雄ネジ102を備えている。取付金具101の内部には、アルミナセラミックからなる略円筒形状の碍子103が固定されており、この碍子103の両端は取付金具101から突出している。
【0020】
碍子103の内部には、燃焼室4側から反燃焼室側に向かって順に、一対の高圧電極104、105、一対の抵抗体106、107、一対のダイオード108、109、および、1つのステム110が配置されている。また、それらの構成部品の間には、複数の銅ガラス層111〜115が配置されている。
【0021】
高圧電極104、105は、内材がCu等の熱伝導性に優れた金属材料、外材がNi基合金等の耐熱性および耐食性に優れた金属材料により構成された円柱体で、その先端面は碍子103から突出している。そして、高圧電極104、105の先端面に、貴金属もしくはその合金よりなる放電部材としてのチップ116、117がレーザ溶接によって接合されている。
【0022】
抵抗体106、107は、炭素粉末とガラス粉末を混合した粉末状の抵抗材を焼き固めて円柱状に形成したもので、所定の電気抵抗値を有する。一対のダイオード108、109は、一方向への電流の流れのみを許容するものである。
【0023】
ステム110は、導電性の鉄鋼材料よりなる円柱体であり、高電圧線6を介して点火用電源2と接続されている。銅ガラス層111〜115は、銅とガラスを主成分とするもので、電気良導体であると共に、燃焼ガスの洩れを防止するものである。
【0024】
そして、第1高圧電極104とステム110間は、第1抵抗体106、第1ダイオード108、および、銅ガラス層111〜113を介して、電気的に接続され、第2高圧電極105とステム110間は、第2抵抗体107、第2ダイオード109、および、銅ガラス層113〜115を介して、電気的に接続されている。
【0025】
ここで、第1ダイオード108は、第1高圧電極104側からステム110側への電流の流れのみを許容し、第2ダイオード109は、ステム110側から第2高圧電極105側への電流の流れのみを許容するようになっている。
【0026】
一方、取付金具101における燃焼室4側の端部には、一対の接地電極118、119が溶接により固定されている。この接地電極118、119は、Ni基合金からなる角柱より構成されている。そして、第1高圧電極104のチップ116と第1接地電極118の端部が、第1放電ギャップG1を隔てて対向し、第2高圧電極105のチップ117と第2接地電極119の端部が、第2放電ギャップG2を隔てて対向している。
【0027】
点火用電源2は点火プラグ1に高電圧を印加するもので、一対の1次巻線21、22、1つの2次巻線23、直流電源24、および一対のトランジスタ25、26を備えている。
【0028】
第1の1次巻線21は、一端が直流電源24に接続され、他端が第1のトランジスタ25のコレクタ側に接続されている。第2の1次巻線22は、一端が直流電源24に接続され、他端が第2のトランジスタ26のコレクタ側に接続されている。また、2次巻線23の一端は、高電圧線6を介してステム110と接続されている。
【0029】
そして、第1のトランジスタ25がオン/オフされることにより直流電源24から第1の1次巻線21に流れる1次電流が通電/遮断され、その1次電流が遮断されると電磁誘導作用により2次巻線23に2次電流が流れて、点火プラグ1に高電圧が印加される。
【0030】
また、第2のトランジスタ26がオン/オフされることにより直流電源24から第2の1次巻線22に流れる1次電流が通電/遮断され、その1次電流が遮断されると電磁誘導作用により2次巻線23に2次電流が流れて、点火プラグ1に高電圧が印加される。
【0031】
ECU3は、トランジスタ25、26のベース側に点火信号を出力してトランジスタ25、26をオン/オフさせるもので、0.5ms周期で、一対のトランジスタ25、26が交互にオン/オフするように、点火信号を出力するものである。
【0032】
次に、上記構成になる火花点火装置の作動を説明する。まず、ECU3は、図示しないクランクシャフトの回転位置信号等に基づいて、所定のタイミングでトランジスタ25、26のベース側に点火信号を出力する。そして、ECU3からの点火信号を受けて、点火用電源2が高電圧を発生する。
【0033】
ここで、第1の1次巻線21を流れる電流の向きと、第2の1次巻線22を流れる電流の向きとが異なっており、また、ECU3は一対のトランジスタ25、26を交互にオン/オフさせるため、点火用電源2は交流電圧を発生する。
【0034】
そして、第1ダイオード108と第2ダイオード109は、電流の流れを許容する向きが反対向きになるように接続されているため、交流電圧が印加される点火プラグ1は一対の放電ギャップG1、G2で交互に放電することになる。
【0035】
すなわち、点火用電源2が発生した電圧が負の時には、その電圧は、第1抵抗体106、第1ダイオード108、および、銅ガラス層111〜113を介して、第1高圧電極104に加わり、第1放電ギャップG1で放電する。一方、点火用電源2が発生した電圧が正の時には、その電圧は、第2抵抗体107、第2ダイオード109、および、銅ガラス層113〜115を介して、第2高圧電極105に加わり、第2放電ギャップG2で放電する。
【0036】
このようにして、一対の放電ギャップG1、G2において交互に放電を行って、燃焼室4内の混合気に着火させる。この交互に放電する周期0.5msは、内燃機関回転速度や燃焼速度に比べて十分短いので、一対の放電ギャップG1、G2で同時に放電する場合と同等の着火性が得られる。
【0037】
本実施形態では、点火用電源2の電圧が正の時に一方の放電ギャップに高電圧が印加され、点火用電源2の電圧が負の時には他方の放電ギャップに高電圧が印加される。従って、1つの点火用電源2で一対の放電ギャップG1、G2に高電圧を印加することができるため、点火用電源2の数を従来の半分にすることができる。
【0038】
また、一対の放電ギャップG1、G2には点火用電源2から交互に高電圧が印加されるため、点火用電源2は、1つの放電ギャップでの放電電圧に相当する電圧を発生させればよく、従って、点火用電源2のコイルの大型化を回避することができる。
【0039】
(第2実施形態)
第1実施形態では、燃焼室4の形状を変えないですむように、一対の放電ギャップG1、G2を有する1つの点火プラグ1により1気筒2点点火を行ったのに対し、図2に示す第2実施形態は、1つの放電ギャップを有する一対の点火プラグ1a、1bを各気筒に装着して、1気筒2点点火を行うようにしたものである。なお、第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
2つの点火プラグ1a、1bは、それぞれ1つの放電ギャップG1、G2を有する周知のもので、2つの点火プラグ1a、1bにより、本発明における一対の放電ギャップG1、G2を有する点火プラグを構成している。
【0041】
これらの点火プラグ1a、1bには、高電圧線6を介して点火用電源2から高電圧が印加されるようになっている。高電圧線6のコネクタ部61、62内に第1ダイオード108と第2ダイオード109が内蔵されており、この第1ダイオード108と第2ダイオード109は、電流の流れを許容する向きが反対向きになるように配置されている。
【0042】
ところで、1気筒2点点火による着火性向上効果を得るためには、2つの放電ギャップG1、G2を十分離した方が望ましい。そして、本実施形態によれば、第1放電ギャップG1と第2放電ギャップG2との距離を十分とることができるため、1気筒2点点火による着火性向上効果を確実に得ることができる。
【0043】
(第3実施形態)
第1実施形態では、一対の放電ギャップG1、G2の燃焼室4への突き出し長さを同じにしたが、図3に示す第3実施形態は、一対の放電ギャップG1、G2の燃焼室4への突き出し長さL1、L2を異ならせたものである。なお、第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0044】
本実施形態によれば、突き出し長さL1、L2の違いの分だけ第1放電ギャップG1と第2放電ギャップG2を離すことができ、1気筒2点点火による着火性向上効果を確実に得ることができる。
【0045】
(第4実施形態)
図4に示す第4実施形態は、第3実施形態と同様に、一対の放電ギャップG1、G2の突き出し長さL1、L2を異ならせたものである。なお、第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0046】
ところで、突き出し長さL2(図3参照)が長すぎると、第2高圧電極105や第2接地電極119の温度が過剰に上昇して耐久性が損なわれる恐れがある。
【0047】
そこで、本実施形態では、第1接地電極118を廃止し、一方、第1高圧電極104の端面および取付金具101の端面の、燃焼室4への突き出し長さをほぼ同じにすることにより、第1高圧電極104の端面と取付金具101との間に、碍子103の端面を介した第1放電ギャップG1を形成している。
【0048】
本実施形態によれば、第2放電ギャップG2の突き出し長さL2を長くしなくても、第1放電ギャップG1と第2放電ギャップG2を離すことができるため、第2高圧電極105や第2接地電極119の耐久性低下を防止しつつ、1気筒2点点火による着火性向上効果を確実に得ることができる。
【0049】
(第5実施形態)
第1実施形態では、接地電極118、119を高圧電極104、105側に折り曲げることにより、放電ギャップG1、G2を形成したが、図5に示す第5実施形態は、高圧電極104、105を接地電極118、119側に折り曲げることにより、放電ギャップG1、G2を形成したものである。なお、第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
2つの接地電極118、119は、点火プラグ1の軸線を挟んで対向する位置に配置されており、第1高圧電極104は第1接地電極118側に曲げられ、第2高圧電極105は第2接地電極119側に曲げられている。換言すると、高圧電極104、105は、点火プラグ1の軸線から遠ざかる向き、すなわち、点火プラグ1の外周側に向かって曲げられている。また、高圧電極104、105は、180°異なる向きに向かって曲げられている。
【0051】
本実施形態によれば、2つの放電ギャップG1、G2は、点火プラグ1の軸線から遠ざかる位置に形成されるため、第1放電ギャップG1と第2放電ギャップG2を離すことができ、1気筒2点点火による着火性向上効果を確実に得ることができる。
【0052】
(第6実施形態)
第5実施形態では、一対の放電ギャップG1、G2の燃焼室4への突き出し長さを同じにしたが、図6に示す第6実施形態は、一対の放電ギャップG1、G2の燃焼室4への突き出し長さL1、L2を異ならせたものである。なお、第5実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
本実施形態によれば、突き出し長さL1、L2の違いの分だけさらに第1放電ギャップG1と第2放電ギャップG2を離すことができ、1気筒2点点火による着火性向上効果をより確実に得ることができる。
【0054】
(第7実施形態)
上記各実施形態では、2組の電極に対して直列にそれぞれダイオードを接続しているため、ダイオ−ドが2個必要であった。本実施形態では、2組の電極によって形成される一対の放電ギャップのギャップ長を異ならせ、ギャップ長の短い方にのみダイオードを接続することで、1個のダイオードで第1実施形態と同様の効果が得られるようにしたものである。なお、第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
図7において、第1高圧電極104のチップ116と第1接地電極118との間に形成された第1放電ギャップG1のギャップ長は、第2高圧電極105のチップ117と第2接地電極119との間に形成された第2放電ギャップG2のギャップ長よりも短くしてある。
【0056】
そして、ギャップ長が短い第1放電ギャップG1と点火用電源2との間に、ダイオード108が配置されている。より詳細には、第1高圧電極104がダイオード108を介してステム110に電気的に接続されている。このときのダイオード108の向きは、カソードがステム110側に、アノードが第1高圧電極104となっている。
【0057】
一方、第2高圧電極105はダイオード108を介さずにステム110に電気的に接続されている。
【0058】
上記構成において、ステム110に正電圧が印加された時にはダイオード108が電流を流さないので、この電圧は2つの高圧電極104、105のうち第2高圧電極105のみに印加され、第2高圧電極105のチップ117と第2接地電極119との間の第2放電ギャップG2で放電する。
【0059】
一方、ステム110に負電圧が印加された時には、この電圧は2つの高圧電極104、105に共に印加される。但し、この時には、ギャップ長が短い第1放電ギャップG1で放電する。
【0060】
このようにして、ステム110に交流高電圧を加えた時に一対の放電ギャップG1、G2で交互に放電する。従って、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0061】
(他の実施形態)
上記実施形態では、ダイオード108、109を、点火プラグ1あるいは高電圧線6のコネクタ部61、62に内蔵したが、ダイオード108、109は、点火用電源2の2次巻線23と点火プラグ1の放電ギャップG1、G2との間に設けてあれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る火花点火装置を示す構成図である。
【図2】第2実施形態の要部を示す断面図である。
【図3】第3実施形態の要部を示す断面図である。
【図4】第4実施形態の要部を示す断面図である。
【図5】第5実施形態の要部を示す断面図である。
【図6】第6実施形態の要部を示す断面図である。
【図7】第7実施形態の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1、1a、1b…点火プラグ、2…点火用電源、
108、109…ダイオード、G1、G2…放電ギャップ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、点火プラグにより燃焼室内の混合気を着火させる内燃機関用火花点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、1気筒複数点火、すなわち燃焼室内の複数の場所で放電を行うことにより、希薄燃焼限界を広げることができ、燃費低減に有効であることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放電個所と同じ数の点火用電源を装着するとその分コストアップとなってしまう。
【0004】
これを解決するために、複数の放電ギャップと点火用電源とを直列に接続することが考えられるが、この場合、点火用電源には、単独の放電ギャップでの放電電圧より大きい電圧を発生させることが要求され、点火用電源のコイルが大型化するという問題がある。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、点火用電源のコストアップや大型化を回避しつつ、1気筒複数点火を実施可能にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、一対の放電ギャップ(G1、G2)を有する点火プラグ(1、1a、1b)と、交流電圧を発生して点火プラグ(1、1a、1b)に高電圧を印加する点火用電源(2)と、一対の放電ギャップ(G1、G2)と点火用電源(2)との間に配置されると共に、電気的に反対向きに接続された一対のダイオード(108、109)とを備えることを特徴とする。
【0007】
これによると、点火用電源の電圧が正の時に一方の放電ギャップに高電圧が印加され、点火用電源の電圧が負の時には他方の放電ギャップに高電圧が印加される。従って、1つの点火用電源で一対の放電ギャップに高電圧を印加することができるため、点火用電源の数を従来の半分にすることができる。
【0008】
また、一対の放電ギャップには点火用電源から交互に高電圧が印加されるため、点火用電源は、1つの放電ギャップでの放電電圧に相当する電圧を発生させればよく、従って、点火用電源のコイルの大型化を回避することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明のように、一対のダイオード(108、109)のうちの一方のダイオードは、一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの一方の放電ギャップと点火用電源(2)との間に配置されると共に、点火用電源(2)の電圧が正の時に点火用電源(2)から一方の放電ギャップへの電流の流れを許容し、一対のダイオード(108、109)のうちの他方のダイオードは、一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの他方の放電ギャップと点火用電源(2)との間に配置されると共に、点火用電源(2)の電圧が負の時に点火用電源(2)から他方の放電ギャップへの電流の流れを許容することにより、請求項1の発明を実施することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明のように、一方の放電ギャップを、一方の高圧電極と一方の接地電極との間に形成し、一方のダイオードを、一方の高圧電極と点火用電源(2)との間に配置し、他方の放電ギャップを、他方の高圧電極と他方の接地電極との間に形成し、他方のダイオードを、他方の高圧電極と点火用電源(2)との間に配置することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、一対の放電ギャップ(G1、G2)を有する点火プラグ(1、1a、1b)と、交流電圧を発生して点火プラグ(1、1a、1b)に高電圧を印加する点火用電源(2)と、一対の放電ギャップ(G1、G2)の少なくとも一方の放電ギャップと点火用電源(2)との間に配置されたダイオード(108)とを備えることを特徴とする。
【0012】
これによると、一対の放電ギャップで交互に放電させて、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明のように、一対の放電ギャップ(G1、G2)と点火用電源(2)との間に一対のダイオード(108、109)が配置されており、一対のダイオード(108、109)のうちの一方のダイオードは、一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの一方の放電ギャップと点火用電源(2)との間に配置されると共に、点火用電源(2)の電圧が正の時に点火用電源(2)から一方の放電ギャップへの電流の流れを許容し、一対のダイオード(108、109)のうちの他方のダイオードは、一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの他方の放電ギャップと点火用電源(2)との間に配置されると共に、点火用電源(2)の電圧が負の時に点火用電源(2)から他方の放電ギャップへの電流の流れを許容するようにしてもよい。
【0014】
請求項6に記載の発明では、一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの一方の放電ギャップの長さは他方の放電ギャップの長さよりも短く、ダイオード(108)は、ギャップ長の短い方の放電ギャップ(G1)と点火用電源(2)との間に設置されていることを特徴とする。
【0015】
これによると、一対の放電ギャップのうちの一方の放電ギャップと点火用電源との間にのみダイオードを配置する構成でも、一対の放電ギャップで交互に放電させることができる。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る火花点火装置を示す構成図で、放電ギャップで放電して燃焼室内の混合気を着火させる点火プラグ1、交流電圧を発生して点火プラグ1に高電圧を印加する点火用電源2、点火用電源2の作動を制御する電子制御装置(以下、ECUという)3を備えている。
【0018】
点火プラグ1は、1気筒2点点火を行うために、一対の点火プラグを一体化したもので、一対の放電ギャップG1、G2を有する。そして、それらの放電ギャップG1、G2を内燃機関の1つの燃焼室4に共に臨ませた状態でシリンダヘッド5に装着され、放電ギャップG1、G2で放電して燃焼室4内の混合気を着火させるものである。
【0019】
点火プラグ1は、導電性の鉄鋼材料よりなる略円筒形状の取付金具101を有しており、この取付金具101は、シリンダヘッド5の図示しない雌ネジに螺合される雄ネジ102を備えている。取付金具101の内部には、アルミナセラミックからなる略円筒形状の碍子103が固定されており、この碍子103の両端は取付金具101から突出している。
【0020】
碍子103の内部には、燃焼室4側から反燃焼室側に向かって順に、一対の高圧電極104、105、一対の抵抗体106、107、一対のダイオード108、109、および、1つのステム110が配置されている。また、それらの構成部品の間には、複数の銅ガラス層111〜115が配置されている。
【0021】
高圧電極104、105は、内材がCu等の熱伝導性に優れた金属材料、外材がNi基合金等の耐熱性および耐食性に優れた金属材料により構成された円柱体で、その先端面は碍子103から突出している。そして、高圧電極104、105の先端面に、貴金属もしくはその合金よりなる放電部材としてのチップ116、117がレーザ溶接によって接合されている。
【0022】
抵抗体106、107は、炭素粉末とガラス粉末を混合した粉末状の抵抗材を焼き固めて円柱状に形成したもので、所定の電気抵抗値を有する。一対のダイオード108、109は、一方向への電流の流れのみを許容するものである。
【0023】
ステム110は、導電性の鉄鋼材料よりなる円柱体であり、高電圧線6を介して点火用電源2と接続されている。銅ガラス層111〜115は、銅とガラスを主成分とするもので、電気良導体であると共に、燃焼ガスの洩れを防止するものである。
【0024】
そして、第1高圧電極104とステム110間は、第1抵抗体106、第1ダイオード108、および、銅ガラス層111〜113を介して、電気的に接続され、第2高圧電極105とステム110間は、第2抵抗体107、第2ダイオード109、および、銅ガラス層113〜115を介して、電気的に接続されている。
【0025】
ここで、第1ダイオード108は、第1高圧電極104側からステム110側への電流の流れのみを許容し、第2ダイオード109は、ステム110側から第2高圧電極105側への電流の流れのみを許容するようになっている。
【0026】
一方、取付金具101における燃焼室4側の端部には、一対の接地電極118、119が溶接により固定されている。この接地電極118、119は、Ni基合金からなる角柱より構成されている。そして、第1高圧電極104のチップ116と第1接地電極118の端部が、第1放電ギャップG1を隔てて対向し、第2高圧電極105のチップ117と第2接地電極119の端部が、第2放電ギャップG2を隔てて対向している。
【0027】
点火用電源2は点火プラグ1に高電圧を印加するもので、一対の1次巻線21、22、1つの2次巻線23、直流電源24、および一対のトランジスタ25、26を備えている。
【0028】
第1の1次巻線21は、一端が直流電源24に接続され、他端が第1のトランジスタ25のコレクタ側に接続されている。第2の1次巻線22は、一端が直流電源24に接続され、他端が第2のトランジスタ26のコレクタ側に接続されている。また、2次巻線23の一端は、高電圧線6を介してステム110と接続されている。
【0029】
そして、第1のトランジスタ25がオン/オフされることにより直流電源24から第1の1次巻線21に流れる1次電流が通電/遮断され、その1次電流が遮断されると電磁誘導作用により2次巻線23に2次電流が流れて、点火プラグ1に高電圧が印加される。
【0030】
また、第2のトランジスタ26がオン/オフされることにより直流電源24から第2の1次巻線22に流れる1次電流が通電/遮断され、その1次電流が遮断されると電磁誘導作用により2次巻線23に2次電流が流れて、点火プラグ1に高電圧が印加される。
【0031】
ECU3は、トランジスタ25、26のベース側に点火信号を出力してトランジスタ25、26をオン/オフさせるもので、0.5ms周期で、一対のトランジスタ25、26が交互にオン/オフするように、点火信号を出力するものである。
【0032】
次に、上記構成になる火花点火装置の作動を説明する。まず、ECU3は、図示しないクランクシャフトの回転位置信号等に基づいて、所定のタイミングでトランジスタ25、26のベース側に点火信号を出力する。そして、ECU3からの点火信号を受けて、点火用電源2が高電圧を発生する。
【0033】
ここで、第1の1次巻線21を流れる電流の向きと、第2の1次巻線22を流れる電流の向きとが異なっており、また、ECU3は一対のトランジスタ25、26を交互にオン/オフさせるため、点火用電源2は交流電圧を発生する。
【0034】
そして、第1ダイオード108と第2ダイオード109は、電流の流れを許容する向きが反対向きになるように接続されているため、交流電圧が印加される点火プラグ1は一対の放電ギャップG1、G2で交互に放電することになる。
【0035】
すなわち、点火用電源2が発生した電圧が負の時には、その電圧は、第1抵抗体106、第1ダイオード108、および、銅ガラス層111〜113を介して、第1高圧電極104に加わり、第1放電ギャップG1で放電する。一方、点火用電源2が発生した電圧が正の時には、その電圧は、第2抵抗体107、第2ダイオード109、および、銅ガラス層113〜115を介して、第2高圧電極105に加わり、第2放電ギャップG2で放電する。
【0036】
このようにして、一対の放電ギャップG1、G2において交互に放電を行って、燃焼室4内の混合気に着火させる。この交互に放電する周期0.5msは、内燃機関回転速度や燃焼速度に比べて十分短いので、一対の放電ギャップG1、G2で同時に放電する場合と同等の着火性が得られる。
【0037】
本実施形態では、点火用電源2の電圧が正の時に一方の放電ギャップに高電圧が印加され、点火用電源2の電圧が負の時には他方の放電ギャップに高電圧が印加される。従って、1つの点火用電源2で一対の放電ギャップG1、G2に高電圧を印加することができるため、点火用電源2の数を従来の半分にすることができる。
【0038】
また、一対の放電ギャップG1、G2には点火用電源2から交互に高電圧が印加されるため、点火用電源2は、1つの放電ギャップでの放電電圧に相当する電圧を発生させればよく、従って、点火用電源2のコイルの大型化を回避することができる。
【0039】
(第2実施形態)
第1実施形態では、燃焼室4の形状を変えないですむように、一対の放電ギャップG1、G2を有する1つの点火プラグ1により1気筒2点点火を行ったのに対し、図2に示す第2実施形態は、1つの放電ギャップを有する一対の点火プラグ1a、1bを各気筒に装着して、1気筒2点点火を行うようにしたものである。なお、第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
2つの点火プラグ1a、1bは、それぞれ1つの放電ギャップG1、G2を有する周知のもので、2つの点火プラグ1a、1bにより、本発明における一対の放電ギャップG1、G2を有する点火プラグを構成している。
【0041】
これらの点火プラグ1a、1bには、高電圧線6を介して点火用電源2から高電圧が印加されるようになっている。高電圧線6のコネクタ部61、62内に第1ダイオード108と第2ダイオード109が内蔵されており、この第1ダイオード108と第2ダイオード109は、電流の流れを許容する向きが反対向きになるように配置されている。
【0042】
ところで、1気筒2点点火による着火性向上効果を得るためには、2つの放電ギャップG1、G2を十分離した方が望ましい。そして、本実施形態によれば、第1放電ギャップG1と第2放電ギャップG2との距離を十分とることができるため、1気筒2点点火による着火性向上効果を確実に得ることができる。
【0043】
(第3実施形態)
第1実施形態では、一対の放電ギャップG1、G2の燃焼室4への突き出し長さを同じにしたが、図3に示す第3実施形態は、一対の放電ギャップG1、G2の燃焼室4への突き出し長さL1、L2を異ならせたものである。なお、第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0044】
本実施形態によれば、突き出し長さL1、L2の違いの分だけ第1放電ギャップG1と第2放電ギャップG2を離すことができ、1気筒2点点火による着火性向上効果を確実に得ることができる。
【0045】
(第4実施形態)
図4に示す第4実施形態は、第3実施形態と同様に、一対の放電ギャップG1、G2の突き出し長さL1、L2を異ならせたものである。なお、第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0046】
ところで、突き出し長さL2(図3参照)が長すぎると、第2高圧電極105や第2接地電極119の温度が過剰に上昇して耐久性が損なわれる恐れがある。
【0047】
そこで、本実施形態では、第1接地電極118を廃止し、一方、第1高圧電極104の端面および取付金具101の端面の、燃焼室4への突き出し長さをほぼ同じにすることにより、第1高圧電極104の端面と取付金具101との間に、碍子103の端面を介した第1放電ギャップG1を形成している。
【0048】
本実施形態によれば、第2放電ギャップG2の突き出し長さL2を長くしなくても、第1放電ギャップG1と第2放電ギャップG2を離すことができるため、第2高圧電極105や第2接地電極119の耐久性低下を防止しつつ、1気筒2点点火による着火性向上効果を確実に得ることができる。
【0049】
(第5実施形態)
第1実施形態では、接地電極118、119を高圧電極104、105側に折り曲げることにより、放電ギャップG1、G2を形成したが、図5に示す第5実施形態は、高圧電極104、105を接地電極118、119側に折り曲げることにより、放電ギャップG1、G2を形成したものである。なお、第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
2つの接地電極118、119は、点火プラグ1の軸線を挟んで対向する位置に配置されており、第1高圧電極104は第1接地電極118側に曲げられ、第2高圧電極105は第2接地電極119側に曲げられている。換言すると、高圧電極104、105は、点火プラグ1の軸線から遠ざかる向き、すなわち、点火プラグ1の外周側に向かって曲げられている。また、高圧電極104、105は、180°異なる向きに向かって曲げられている。
【0051】
本実施形態によれば、2つの放電ギャップG1、G2は、点火プラグ1の軸線から遠ざかる位置に形成されるため、第1放電ギャップG1と第2放電ギャップG2を離すことができ、1気筒2点点火による着火性向上効果を確実に得ることができる。
【0052】
(第6実施形態)
第5実施形態では、一対の放電ギャップG1、G2の燃焼室4への突き出し長さを同じにしたが、図6に示す第6実施形態は、一対の放電ギャップG1、G2の燃焼室4への突き出し長さL1、L2を異ならせたものである。なお、第5実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
本実施形態によれば、突き出し長さL1、L2の違いの分だけさらに第1放電ギャップG1と第2放電ギャップG2を離すことができ、1気筒2点点火による着火性向上効果をより確実に得ることができる。
【0054】
(第7実施形態)
上記各実施形態では、2組の電極に対して直列にそれぞれダイオードを接続しているため、ダイオ−ドが2個必要であった。本実施形態では、2組の電極によって形成される一対の放電ギャップのギャップ長を異ならせ、ギャップ長の短い方にのみダイオードを接続することで、1個のダイオードで第1実施形態と同様の効果が得られるようにしたものである。なお、第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
図7において、第1高圧電極104のチップ116と第1接地電極118との間に形成された第1放電ギャップG1のギャップ長は、第2高圧電極105のチップ117と第2接地電極119との間に形成された第2放電ギャップG2のギャップ長よりも短くしてある。
【0056】
そして、ギャップ長が短い第1放電ギャップG1と点火用電源2との間に、ダイオード108が配置されている。より詳細には、第1高圧電極104がダイオード108を介してステム110に電気的に接続されている。このときのダイオード108の向きは、カソードがステム110側に、アノードが第1高圧電極104となっている。
【0057】
一方、第2高圧電極105はダイオード108を介さずにステム110に電気的に接続されている。
【0058】
上記構成において、ステム110に正電圧が印加された時にはダイオード108が電流を流さないので、この電圧は2つの高圧電極104、105のうち第2高圧電極105のみに印加され、第2高圧電極105のチップ117と第2接地電極119との間の第2放電ギャップG2で放電する。
【0059】
一方、ステム110に負電圧が印加された時には、この電圧は2つの高圧電極104、105に共に印加される。但し、この時には、ギャップ長が短い第1放電ギャップG1で放電する。
【0060】
このようにして、ステム110に交流高電圧を加えた時に一対の放電ギャップG1、G2で交互に放電する。従って、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0061】
(他の実施形態)
上記実施形態では、ダイオード108、109を、点火プラグ1あるいは高電圧線6のコネクタ部61、62に内蔵したが、ダイオード108、109は、点火用電源2の2次巻線23と点火プラグ1の放電ギャップG1、G2との間に設けてあれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る火花点火装置を示す構成図である。
【図2】第2実施形態の要部を示す断面図である。
【図3】第3実施形態の要部を示す断面図である。
【図4】第4実施形態の要部を示す断面図である。
【図5】第5実施形態の要部を示す断面図である。
【図6】第6実施形態の要部を示す断面図である。
【図7】第7実施形態の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1、1a、1b…点火プラグ、2…点火用電源、
108、109…ダイオード、G1、G2…放電ギャップ。
Claims (6)
- 一対の放電ギャップ(G1、G2)を有する点火プラグ(1、1a、1b)と、交流電圧を発生して前記点火プラグ(1、1a、1b)に高電圧を印加する点火用電源(2)と、前記一対の放電ギャップ(G1、G2)と前記点火用電源(2)との間に配置されると共に、電気的に反対向きに接続された一対のダイオード(108、109)とを備えることを特徴とする内燃機関用火花点火装置。
- 前記一対のダイオード(108、109)のうちの一方のダイオードは、前記一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの一方の放電ギャップと前記点火用電源(2)との間に配置されると共に、前記点火用電源(2)の電圧が正の時に前記点火用電源(2)から前記一方の放電ギャップへの電流の流れを許容し、
前記一対のダイオード(108、109)のうちの他方のダイオードは、前記一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの他方の放電ギャップと前記点火用電源(2)との間に配置されると共に、前記点火用電源(2)の電圧が負の時に前記点火用電源(2)から前記他方の放電ギャップへの電流の流れを許容することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用火花点火装置。 - 前記一方の放電ギャップは、一方の高圧電極と一方の接地電極との間に形成され、前記一方のダイオードは、前記一方の高圧電極と前記点火用電源(2)との間に配置され、
前記他方の放電ギャップは、他方の高圧電極と他方の接地電極との間に形成され、前記他方のダイオードは、前記他方の高圧電極と前記点火用電源(2)との間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用火花点火装置。 - 一対の放電ギャップ(G1、G2)を有する点火プラグ(1、1a、1b)と、交流電圧を発生して前記点火プラグ(1、1a、1b)に高電圧を印加する点火用電源(2)と、前記一対の放電ギャップ(G1、G2)の少なくとも一方の放電ギャップと前記点火用電源(2)との間に配置されたダイオード(108)とを備えることを特徴とする内燃機関用火花点火装置。
- 前記一対の放電ギャップ(G1、G2)と前記点火用電源(2)との間に一対のダイオード(108、109)が配置されており、
前記一対のダイオード(108、109)のうちの一方のダイオードは、前記一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの一方の放電ギャップと前記点火用電源(2)との間に配置されると共に、前記点火用電源(2)の電圧が正の時に前記点火用電源(2)から前記一方の放電ギャップへの電流の流れを許容し、
前記一対のダイオード(108、109)のうちの他方のダイオードは、前記一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの他方の放電ギャップと前記点火用電源(2)との間に配置されると共に、前記点火用電源(2)の電圧が負の時に前記点火用電源(2)から前記他方の放電ギャップへの電流の流れを許容することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関用火花点火装置。 - 前記一対の放電ギャップ(G1、G2)のうちの一方の放電ギャップの長さは他方の放電ギャップの長さよりも短く、
前記ダイオード(108)は、前記ギャップ長の短い方の放電ギャップ(G1)と前記点火用電源(2)との間に設置されていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関用火花点火装置。
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