JP2004008978A - 濾過装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便かつ効率的な濾過装置を提供すること。
【解決手段】濾過装置100は、濾過筒101と、濾過すべき原水を濾過筒101へ供給する原水供給バルブ102および原水供給路103と、濾過処理水を排出する分離部105、濾過処理水排出路106、および、濾過処理水排出バルブ107と、を有し、伸縮性のあるチップ状の多孔体濾過材Fを多数充填して濾過層104を形成した濾過装置であって、濾過筒101内径と略同径であり濾過層104の原水供給側に接触させる部材であって、原水の水圧を濾過層104に伝達するとともに水圧により拡径して濾過筒101内壁に密接するボール108を具備した。
【選択図】 図1
【解決手段】濾過装置100は、濾過筒101と、濾過すべき原水を濾過筒101へ供給する原水供給バルブ102および原水供給路103と、濾過処理水を排出する分離部105、濾過処理水排出路106、および、濾過処理水排出バルブ107と、を有し、伸縮性のあるチップ状の多孔体濾過材Fを多数充填して濾過層104を形成した濾過装置であって、濾過筒101内径と略同径であり濾過層104の原水供給側に接触させる部材であって、原水の水圧を濾過層104に伝達するとともに水圧により拡径して濾過筒101内壁に密接するボール108を具備した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、濾過装置に関し、特に、濾過材に圧力をかけ、濾の目を細かくする濾過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、濾過装置としては濾過層の目を利用して物理的に汚れを濾過する方式が知られていた。このような濾過例として、繊維フィルターなどを用いるフィルター濾過、凝集剤を添加し汚れを沈殿分離させた後濾過する凝集砂濾過、精密濾過のMF膜濾過、限外濾過のUF膜濾過、小さな発泡材を濾過時に圧縮し発泡材自体の目もしくは発泡材間に形成される目により濾過する発泡材圧縮濾過、細かな糸を多数束ね濾過時に圧縮しその隙間により濾過する糸濾過などが挙げられる。
【0003】
このような、従来技術として、例えば、特開平10−128013号公報「濾過装置」、特開平9−234309号公報「濾層圧縮方法、濾過方法および濾過装置」、特開平11−156343号公報「濾過装置」、特開平7−721号公報「液体濾過装置」、特開平11−179114号公報「可変フィルター層を有する濾過装置」、特開平9−840「浮遊濾材及びそれを用いる濾過装置」、特開2002−058916号公報「繊維チップ濾過材を使用した濾過装置及び濾過方法」、特開2000−176214号公報「濾過装置および濾過方法」、特開2000−15009号公報「濾過装置及びその方法」などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
すなわち、1μm程度の汚れを濾過する場合は、凝集砂濾過方式が採用されるが、まず、薬品を用いて汚れを凝集させるので、必ずしも環境に良いとは限らないという問題点があった。また、濾過速度もより高速にしたいという要請もあった。換言すると、凝集砂濾過方式では濾過効率が悪いという問題点があった。
【0005】
同様に、スポンジ材などを用いた発泡材圧縮濾過により1μm程度の汚れも濾過できるが、濾過材が多孔体であるため、物理的な外力により濾過層を圧縮しないと、濾の目が小さくならず、効率的な濾過ができないという問題点があった。このとき、圧縮機構により濾過装置が複雑になるという問題点もあった。更に、シーリングを十分におこなわないと、濾過材が微小であるため圧縮機構と濾過層との隙間から漏れてしまい、この点からも効率的な濾過が達成されにくいという問題点があった。
【0006】
なお、濾過材の種類として、内部に原水が入らない濾過材は、圧縮機構が無くても水圧だけで圧縮されるが、濾過材の中に汚水が通過しないため、濾過材間の隙間でしか濾過されず濾過効率が悪くなるという問題点を内在している。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、簡便かつ効率的な濾過装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の濾過装置は、濾過筒と、濾過すべき原水を濾過筒へ供給する原水供給手段と、濾過処理水を排出する濾過処理水排出手段と、を有し、伸縮性のあるチップ状の多孔体濾過材を多数充填して濾過層を形成した濾過装置であって、濾過筒内径と略同径であり濾過層の原水供給側に接触させる部材であって、原水の水圧を濾過層に伝達するとともに水圧により拡径して濾過筒内壁に密接する伸縮部材を具備したことを特徴とする。
【0009】
すなわち、請求項1にかかる発明は、伸縮部材の伸縮性と水圧を利用して、濾過材をより緻密に充填し濾の目を細かくするとともに、濾材の原水供給側への漏出を防止する。これにより、簡便な構成で濾過効率を上昇させることができる。ここで、伸縮部材としては、ビーチボールのような弾性球体を採用することができる。また、弾性体外周部に濾過筒内径に当接させるOリングを備える構成としてもよい。なお、ここでいう多孔体濾過材と伸縮部材はともに伸縮性を有するが、異なるものであることは言うまでもなく、伸縮部材は濾過材を圧縮する圧縮部材と表現することもできる。
【0010】
また、請求項2に記載の濾過装置は、請求項1に記載の濾過装置において、濾過層を形成する濾過筒部位の内径を、原水の流路方向にしたがって縮径させたことを特徴とする。
【0011】
すなわち、請求項2にかかる発明は、濾過筒が先細りになっているため、水圧および濾過材の自重を流路方向に沿って高めることができ、粗い(大きな)汚れから順次細かな汚れを濾すことが可能となる。また、逆洗、すなわち、水を濾過層側から流して濾過材の汚れを洗浄する際に、濾過材をほぐれ易くすることが可能となる。すなわち、装置のメンテナンス性が向上する。
【0012】
また、請求項3に記載の濾過装置は、請求項1または2に記載の濾過装置において、原水供給側に設けられ、多孔体濾過材に付着した汚れを洗浄した洗浄水を排出する逆洗排出手段と、濾過処理水排出側に設けられ、洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、を具備したことを特徴とする。
【0013】
すなわち、請求項3にかかる発明は、洗浄水を緩やかに流すことにより伸縮部材を原水供給側に移動させた後、水圧をかけることにより、濾過筒上部内側に密着させることができ、濾過筒を広く使って、効率的に濾過材の洗浄が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明を適用した濾過装置の概略構成を示した図である。図2は、本発明の伸縮部材の一例を示した断面図である。図3は、本発明の伸縮部材の他の一例を示した説明図である。図4は、本発明を適用した濾過装置の濾材洗浄の様子を示した説明図である。
【0015】
図示したように、濾過装置100は、濾過筒101と、濾過すべき原水を濾過筒へ供給する原水供給バルブ102と、原水を濾過筒へ導く原水供給路103と、伸縮性のあるチップ状の多孔体濾過材Fを多数充填して形成した濾過層104と、濾過処理水を通過させ濾過材を通過させない分離部105と、濾過筒101から濾過処理水を導く濾過処理水排出路106と、濾過処理水の排水をせき止める濾過処理水排出バルブ107と、濾過筒101内径と略同径であり濾過層104の原水供給側に接触させる部材であって、原水の水圧を濾過層に伝達するとともに水圧により拡径して濾過筒内壁に密接するゴムボール108と、を具備する。
【0016】
濾過材Fは、例えば、5mmから10mm角の耐薬品・耐熱性のウレタンスポンジを採用することができる。
【0017】
また、濾過装置100は、原水供給路103側に設けられ、多孔体濾過材Fに付着した汚れを洗浄した洗浄水を排出する逆洗排出路109と、洗浄水の流路を開閉する洗浄水排出バルブ110と、濾過処理水排出路106側に設けられ、洗浄水を供給する洗浄水供給路111と、洗浄水の供給を開始しまた停止する洗浄水供給バルブ112と、逆洗の際に泡(もしくは泡の通過により形成される洗浄水の流れ)により濾過材Fと汚れとを分離させるために供給する空気供給管113と、空気の供給の開始と停止をおこなうエアバルブ114と、具備する。なお、濾過装置100では、構成を簡便化するため、濾過処理水排出路106と洗浄水供給路111とは、同一の導水パイプで形成されている。
【0018】
また、濾過筒101には、原水を濾過層104に供給する水路バイパス115が設けられている。水路バイパス115は、濾過層104の境界付近に設けられている。また、濾過筒101はこの境界付近から、分離部105へ向けて、円すい形状に径が絞り込んであり先細りに形成されている。
【0019】
次に、濾過装置100による濾過処理を説明する。濾過装置100には、原液流入前に予め、濾過材Fを充填する。充填後、その上に、ボール108をかぶせる。図2に示したように、このボール108は、ビーチボール状であり内部には空気が充填されている。なお、ボール108は、浮力がかかるが、適宜空気量を調整することにより浮き上がらずに、濾過層104を圧迫することが可能となる。
【0020】
なお、ボール108径を濾過筒内径と実質的に同じにすることにより、水圧により押さえつけられ上昇を防ぐことができる。なお、ボール108の素材は、耐水、耐薬品、耐圧、または、耐油とする。勿論これらの性質が複数実現された素材を用いることができる。例えば、シリコンゴム素材を用いてもよい。なお、ボール108は濾過筒101内をある程度円滑に移動可能にする必要があるので、円滑性や弾力性を備えることが必要である。また、濾過筒101に接触する際の姿勢制御ができる場合は、図示したように、適宜ボール側周部に厚みをもたせても良い。
【0021】
本実施の形態ではボール108を用いるが、伸縮部材としては、図3に示したように、Oリング181と伸縮側周部材182と、上下の弾性膜体183により形成しても良い。なお、伸縮側周部材182は、使用時に上下に膨らむ弾性膜体183により拡径するように構成されている。したがって、弾性膜体183は、ボール108の濾過材Fに対する圧縮機能を代替するといえ、Oリング181は、ボール108の拡径機能を代替するといえる。素材としては、伸縮側周部材182は例えば、ドーナツ型にした塩ビ材といった硬質のものとし、弾性膜体183は上下ともに伸縮性ゴムまたはビニールとすることができ、Oリング181は、規格品のゴム製Оリングとすることができる。
【0022】
濾過に際して、ボール108をかぶせた後、洗浄水供給バルブ112と洗浄水排出バルブ110とエアバルブ114が閉じていることを確認し、原水供給バルブ102を開放する。原水は原水供給路103を経て濾過筒101内に供給される。原水はボール108上にたまり、ボール108は、水圧により次第に濾過層104を締め、濾過材Fの目を細かくする。同時に、ボール108は、拡径し、濾過材Fの原水側への漏れを防止する。
【0023】
水圧によりボール108の接触面が下に下がり、これにより、水路バイパス115へ原水が流れ込み、濾過が開始される。ここで、水圧が若干下がるので、ボール108の浮力により接触面が上に上がり、水路バイパス115へ原水が流れなくなる。このように、接触面の上下が一種の弁として働き、原水の過供給を防ぎ、一定の品質の濾過が可能となる。
【0024】
次に、逆洗について説明する。濾過を繰り返すことにより、濾過材Fに汚れが付着するので、この汚れを除去する必要がある。濾過装置100は、汚れの除去も、洗浄水を濾過とは逆方向に流すことにより濾過筒101内でおこなう。逆洗に際しては、原水供給バルブ102と濾過処理水排出バルブ107が閉じていることを確認したのち、洗浄水排出バルブ110と洗浄水供給バルブ112とエアバルブ114を開放する。洗浄水とエア(泡)が濾過層104とボール108を上昇させ、ボール108は浮力により、濾過筒101最上部に移動し、濾過材Fの洗浄を妨げない。
【0025】
濾過材Fと汚れは単に物理的に付着しているだけであるので汚れは水流により撹拌され分離する。なお、濾過材Fはその伸縮性により洗浄時には圧力から開放され大きくなるのでこの点からも汚れを分離しやすい状態となる。更に、ボール108は、エア(ブロー効果)と水流により表面が脈打つのでこれにより水流を複雑化し、濾過材Fの洗浄をより効率的におこなわしむる。
【0026】
以上により、本実施の形態の濾過装置の濾過原理および洗浄原理を説明した。この濾過装置100は、従来の凝集砂濾過方式が目的とする1μm以上の汚れ濾過と同等の濾過を主たる目的とする。ここで、同種の濾過材を用い同じ厚みの濾過層を構成した同規模の濾過筒を備える場合の両方式の濾過速度の比較例を挙げると、凝集砂濾過方式では5m/hr〜7m/hrであるのに対して、濾過装置100の方式によれば、30m/hr〜80m/hrの濾過が可能であることが確認された。ここで、赤潮は20μm、アオコは10μm、ブドウ球菌7μm、クリプトスポリジウム5μm、大腸菌2μmであるので、これらの大量に発生しうるものを効率的に濾過できる。
【0027】
なお、圧縮機構が簡便な構成なので、装置価格も低く、かつ、濾過材洗浄も効率的に行え濾過材の再生率も高いので、寿命が長く、本実施の形態の濾過装置は極めて経済的である。
【0028】
なお、以上の説明では、濾過層104を下方に設けたが、浮遊濾過材(密度が水より小さいもの)を用いる場合は濾過層104を上方に設けても良い。また、水路バイパス115は、一例であり、次に図示するように、内部に水流溝を設ける方式を採用しても良い。
【0029】
なお、図5および図6は、図3に示した伸縮部材の応用した濾過装置例である。圧縮部材の上下を伸縮性素材(例ゴム・ビニール)を使用することによって、圧縮濾過時は上部からの水圧によって上部伸縮性素材がすり鉢状に窪み、より水圧を受けやすくなる。なお、その時下側圧縮素材は水流方向に膨らみ進行方向への抵抗が減少する。逆洗洗浄時は前記と伸縮性素材は反対となり浮上しやすくなる(ボール状も同じ形状になる)。
【0030】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、簡便かつ効率的な濾過装置を提供することが可能となった。なお、装置構成のみならず、濾過材の再生率や洗浄効率の観点からも極めて経済的な濾過装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した濾過装置の概略構成を示した図である。
【図2】本発明の伸縮部材の一例を示した断面図である。
【図3】本発明の伸縮部材の他の一例を示した説明図である。
【図4】本発明を適用した濾過装置の濾材洗浄の様子を示した説明図である。
【図5】図3に示した伸縮部材の応用した濾過装置例の構成図である。
【図6】図3に示した伸縮部材の応用した濾過装置例の構成図である。
【符号の説明】
100 濾過装置
101 濾過筒
104 濾過層
105 分離部
108 ボール
114 エアバルブ
115 水路バイパス
181 Oリング
182 伸縮側周部材
183 弾性膜体
【発明の属する技術分野】
本発明は、濾過装置に関し、特に、濾過材に圧力をかけ、濾の目を細かくする濾過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、濾過装置としては濾過層の目を利用して物理的に汚れを濾過する方式が知られていた。このような濾過例として、繊維フィルターなどを用いるフィルター濾過、凝集剤を添加し汚れを沈殿分離させた後濾過する凝集砂濾過、精密濾過のMF膜濾過、限外濾過のUF膜濾過、小さな発泡材を濾過時に圧縮し発泡材自体の目もしくは発泡材間に形成される目により濾過する発泡材圧縮濾過、細かな糸を多数束ね濾過時に圧縮しその隙間により濾過する糸濾過などが挙げられる。
【0003】
このような、従来技術として、例えば、特開平10−128013号公報「濾過装置」、特開平9−234309号公報「濾層圧縮方法、濾過方法および濾過装置」、特開平11−156343号公報「濾過装置」、特開平7−721号公報「液体濾過装置」、特開平11−179114号公報「可変フィルター層を有する濾過装置」、特開平9−840「浮遊濾材及びそれを用いる濾過装置」、特開2002−058916号公報「繊維チップ濾過材を使用した濾過装置及び濾過方法」、特開2000−176214号公報「濾過装置および濾過方法」、特開2000−15009号公報「濾過装置及びその方法」などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
すなわち、1μm程度の汚れを濾過する場合は、凝集砂濾過方式が採用されるが、まず、薬品を用いて汚れを凝集させるので、必ずしも環境に良いとは限らないという問題点があった。また、濾過速度もより高速にしたいという要請もあった。換言すると、凝集砂濾過方式では濾過効率が悪いという問題点があった。
【0005】
同様に、スポンジ材などを用いた発泡材圧縮濾過により1μm程度の汚れも濾過できるが、濾過材が多孔体であるため、物理的な外力により濾過層を圧縮しないと、濾の目が小さくならず、効率的な濾過ができないという問題点があった。このとき、圧縮機構により濾過装置が複雑になるという問題点もあった。更に、シーリングを十分におこなわないと、濾過材が微小であるため圧縮機構と濾過層との隙間から漏れてしまい、この点からも効率的な濾過が達成されにくいという問題点があった。
【0006】
なお、濾過材の種類として、内部に原水が入らない濾過材は、圧縮機構が無くても水圧だけで圧縮されるが、濾過材の中に汚水が通過しないため、濾過材間の隙間でしか濾過されず濾過効率が悪くなるという問題点を内在している。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、簡便かつ効率的な濾過装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の濾過装置は、濾過筒と、濾過すべき原水を濾過筒へ供給する原水供給手段と、濾過処理水を排出する濾過処理水排出手段と、を有し、伸縮性のあるチップ状の多孔体濾過材を多数充填して濾過層を形成した濾過装置であって、濾過筒内径と略同径であり濾過層の原水供給側に接触させる部材であって、原水の水圧を濾過層に伝達するとともに水圧により拡径して濾過筒内壁に密接する伸縮部材を具備したことを特徴とする。
【0009】
すなわち、請求項1にかかる発明は、伸縮部材の伸縮性と水圧を利用して、濾過材をより緻密に充填し濾の目を細かくするとともに、濾材の原水供給側への漏出を防止する。これにより、簡便な構成で濾過効率を上昇させることができる。ここで、伸縮部材としては、ビーチボールのような弾性球体を採用することができる。また、弾性体外周部に濾過筒内径に当接させるOリングを備える構成としてもよい。なお、ここでいう多孔体濾過材と伸縮部材はともに伸縮性を有するが、異なるものであることは言うまでもなく、伸縮部材は濾過材を圧縮する圧縮部材と表現することもできる。
【0010】
また、請求項2に記載の濾過装置は、請求項1に記載の濾過装置において、濾過層を形成する濾過筒部位の内径を、原水の流路方向にしたがって縮径させたことを特徴とする。
【0011】
すなわち、請求項2にかかる発明は、濾過筒が先細りになっているため、水圧および濾過材の自重を流路方向に沿って高めることができ、粗い(大きな)汚れから順次細かな汚れを濾すことが可能となる。また、逆洗、すなわち、水を濾過層側から流して濾過材の汚れを洗浄する際に、濾過材をほぐれ易くすることが可能となる。すなわち、装置のメンテナンス性が向上する。
【0012】
また、請求項3に記載の濾過装置は、請求項1または2に記載の濾過装置において、原水供給側に設けられ、多孔体濾過材に付着した汚れを洗浄した洗浄水を排出する逆洗排出手段と、濾過処理水排出側に設けられ、洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、を具備したことを特徴とする。
【0013】
すなわち、請求項3にかかる発明は、洗浄水を緩やかに流すことにより伸縮部材を原水供給側に移動させた後、水圧をかけることにより、濾過筒上部内側に密着させることができ、濾過筒を広く使って、効率的に濾過材の洗浄が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明を適用した濾過装置の概略構成を示した図である。図2は、本発明の伸縮部材の一例を示した断面図である。図3は、本発明の伸縮部材の他の一例を示した説明図である。図4は、本発明を適用した濾過装置の濾材洗浄の様子を示した説明図である。
【0015】
図示したように、濾過装置100は、濾過筒101と、濾過すべき原水を濾過筒へ供給する原水供給バルブ102と、原水を濾過筒へ導く原水供給路103と、伸縮性のあるチップ状の多孔体濾過材Fを多数充填して形成した濾過層104と、濾過処理水を通過させ濾過材を通過させない分離部105と、濾過筒101から濾過処理水を導く濾過処理水排出路106と、濾過処理水の排水をせき止める濾過処理水排出バルブ107と、濾過筒101内径と略同径であり濾過層104の原水供給側に接触させる部材であって、原水の水圧を濾過層に伝達するとともに水圧により拡径して濾過筒内壁に密接するゴムボール108と、を具備する。
【0016】
濾過材Fは、例えば、5mmから10mm角の耐薬品・耐熱性のウレタンスポンジを採用することができる。
【0017】
また、濾過装置100は、原水供給路103側に設けられ、多孔体濾過材Fに付着した汚れを洗浄した洗浄水を排出する逆洗排出路109と、洗浄水の流路を開閉する洗浄水排出バルブ110と、濾過処理水排出路106側に設けられ、洗浄水を供給する洗浄水供給路111と、洗浄水の供給を開始しまた停止する洗浄水供給バルブ112と、逆洗の際に泡(もしくは泡の通過により形成される洗浄水の流れ)により濾過材Fと汚れとを分離させるために供給する空気供給管113と、空気の供給の開始と停止をおこなうエアバルブ114と、具備する。なお、濾過装置100では、構成を簡便化するため、濾過処理水排出路106と洗浄水供給路111とは、同一の導水パイプで形成されている。
【0018】
また、濾過筒101には、原水を濾過層104に供給する水路バイパス115が設けられている。水路バイパス115は、濾過層104の境界付近に設けられている。また、濾過筒101はこの境界付近から、分離部105へ向けて、円すい形状に径が絞り込んであり先細りに形成されている。
【0019】
次に、濾過装置100による濾過処理を説明する。濾過装置100には、原液流入前に予め、濾過材Fを充填する。充填後、その上に、ボール108をかぶせる。図2に示したように、このボール108は、ビーチボール状であり内部には空気が充填されている。なお、ボール108は、浮力がかかるが、適宜空気量を調整することにより浮き上がらずに、濾過層104を圧迫することが可能となる。
【0020】
なお、ボール108径を濾過筒内径と実質的に同じにすることにより、水圧により押さえつけられ上昇を防ぐことができる。なお、ボール108の素材は、耐水、耐薬品、耐圧、または、耐油とする。勿論これらの性質が複数実現された素材を用いることができる。例えば、シリコンゴム素材を用いてもよい。なお、ボール108は濾過筒101内をある程度円滑に移動可能にする必要があるので、円滑性や弾力性を備えることが必要である。また、濾過筒101に接触する際の姿勢制御ができる場合は、図示したように、適宜ボール側周部に厚みをもたせても良い。
【0021】
本実施の形態ではボール108を用いるが、伸縮部材としては、図3に示したように、Oリング181と伸縮側周部材182と、上下の弾性膜体183により形成しても良い。なお、伸縮側周部材182は、使用時に上下に膨らむ弾性膜体183により拡径するように構成されている。したがって、弾性膜体183は、ボール108の濾過材Fに対する圧縮機能を代替するといえ、Oリング181は、ボール108の拡径機能を代替するといえる。素材としては、伸縮側周部材182は例えば、ドーナツ型にした塩ビ材といった硬質のものとし、弾性膜体183は上下ともに伸縮性ゴムまたはビニールとすることができ、Oリング181は、規格品のゴム製Оリングとすることができる。
【0022】
濾過に際して、ボール108をかぶせた後、洗浄水供給バルブ112と洗浄水排出バルブ110とエアバルブ114が閉じていることを確認し、原水供給バルブ102を開放する。原水は原水供給路103を経て濾過筒101内に供給される。原水はボール108上にたまり、ボール108は、水圧により次第に濾過層104を締め、濾過材Fの目を細かくする。同時に、ボール108は、拡径し、濾過材Fの原水側への漏れを防止する。
【0023】
水圧によりボール108の接触面が下に下がり、これにより、水路バイパス115へ原水が流れ込み、濾過が開始される。ここで、水圧が若干下がるので、ボール108の浮力により接触面が上に上がり、水路バイパス115へ原水が流れなくなる。このように、接触面の上下が一種の弁として働き、原水の過供給を防ぎ、一定の品質の濾過が可能となる。
【0024】
次に、逆洗について説明する。濾過を繰り返すことにより、濾過材Fに汚れが付着するので、この汚れを除去する必要がある。濾過装置100は、汚れの除去も、洗浄水を濾過とは逆方向に流すことにより濾過筒101内でおこなう。逆洗に際しては、原水供給バルブ102と濾過処理水排出バルブ107が閉じていることを確認したのち、洗浄水排出バルブ110と洗浄水供給バルブ112とエアバルブ114を開放する。洗浄水とエア(泡)が濾過層104とボール108を上昇させ、ボール108は浮力により、濾過筒101最上部に移動し、濾過材Fの洗浄を妨げない。
【0025】
濾過材Fと汚れは単に物理的に付着しているだけであるので汚れは水流により撹拌され分離する。なお、濾過材Fはその伸縮性により洗浄時には圧力から開放され大きくなるのでこの点からも汚れを分離しやすい状態となる。更に、ボール108は、エア(ブロー効果)と水流により表面が脈打つのでこれにより水流を複雑化し、濾過材Fの洗浄をより効率的におこなわしむる。
【0026】
以上により、本実施の形態の濾過装置の濾過原理および洗浄原理を説明した。この濾過装置100は、従来の凝集砂濾過方式が目的とする1μm以上の汚れ濾過と同等の濾過を主たる目的とする。ここで、同種の濾過材を用い同じ厚みの濾過層を構成した同規模の濾過筒を備える場合の両方式の濾過速度の比較例を挙げると、凝集砂濾過方式では5m/hr〜7m/hrであるのに対して、濾過装置100の方式によれば、30m/hr〜80m/hrの濾過が可能であることが確認された。ここで、赤潮は20μm、アオコは10μm、ブドウ球菌7μm、クリプトスポリジウム5μm、大腸菌2μmであるので、これらの大量に発生しうるものを効率的に濾過できる。
【0027】
なお、圧縮機構が簡便な構成なので、装置価格も低く、かつ、濾過材洗浄も効率的に行え濾過材の再生率も高いので、寿命が長く、本実施の形態の濾過装置は極めて経済的である。
【0028】
なお、以上の説明では、濾過層104を下方に設けたが、浮遊濾過材(密度が水より小さいもの)を用いる場合は濾過層104を上方に設けても良い。また、水路バイパス115は、一例であり、次に図示するように、内部に水流溝を設ける方式を採用しても良い。
【0029】
なお、図5および図6は、図3に示した伸縮部材の応用した濾過装置例である。圧縮部材の上下を伸縮性素材(例ゴム・ビニール)を使用することによって、圧縮濾過時は上部からの水圧によって上部伸縮性素材がすり鉢状に窪み、より水圧を受けやすくなる。なお、その時下側圧縮素材は水流方向に膨らみ進行方向への抵抗が減少する。逆洗洗浄時は前記と伸縮性素材は反対となり浮上しやすくなる(ボール状も同じ形状になる)。
【0030】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、簡便かつ効率的な濾過装置を提供することが可能となった。なお、装置構成のみならず、濾過材の再生率や洗浄効率の観点からも極めて経済的な濾過装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した濾過装置の概略構成を示した図である。
【図2】本発明の伸縮部材の一例を示した断面図である。
【図3】本発明の伸縮部材の他の一例を示した説明図である。
【図4】本発明を適用した濾過装置の濾材洗浄の様子を示した説明図である。
【図5】図3に示した伸縮部材の応用した濾過装置例の構成図である。
【図6】図3に示した伸縮部材の応用した濾過装置例の構成図である。
【符号の説明】
100 濾過装置
101 濾過筒
104 濾過層
105 分離部
108 ボール
114 エアバルブ
115 水路バイパス
181 Oリング
182 伸縮側周部材
183 弾性膜体
Claims (3)
- 濾過筒と、
濾過すべき原水を濾過筒へ供給する原水供給手段と、
濾過処理水を排出する濾過処理水排出手段と、
を有し、伸縮性のあるチップ状の多孔体濾過材を多数充填して濾過層を形成した濾過装置であって、
濾過筒内径と略同径であり濾過層の原水供給側に接触させる部材であって、原水の水圧を濾過層に伝達するとともに水圧により拡径して濾過筒内壁に密接する伸縮部材を具備したことを特徴とする濾過装置。 - 濾過層を形成する濾過筒部位の内径を、原水の流路方向にしたがって縮径させたことを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
- 原水供給側に設けられ、多孔体濾過材に付着した汚れを洗浄した洗浄水を排出する逆洗排出手段と、
濾過処理水排出側に設けられ、洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、
を具備したことを特徴とする請求項1または2に記載の濾過装置。
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JP2002167975A JP2004008978A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | 濾過装置 |
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JP (1) | JP2004008978A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011052938A3 (ko) * | 2009-10-26 | 2011-09-15 | 미라클워터 주식회사 | 다공성 여재를 이용한 고속 여과처리장치와 이의 역세척 방법 |
-
2002
- 2002-06-10 JP JP2002167975A patent/JP2004008978A/ja active Pending
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