JP2004008741A - 薬液充填容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】流量が最後まで安定し、薬液を事前に充填して置くことができ、経済的負担が少なく、使用勝手の良い薬液供給具を提供する。
【解決手段】薬液供給具は加圧部、薬液充填部および流量制御部の3要素から構成されている。本発明の薬液充填容器は、3要素を使用時に組立てて使用する薬液供給具の薬液充填部である。加圧ガスを一定圧に調整する加圧部を利用し、流量を最後まで安定させ、薬液充填容器は細菌進入を防止するフィルタで閉塞され清潔に保持されているので追加充填が可能である。薬液に触れる部分のみを使い捨てにし、加圧部を再利用するため、経済的である。加圧部を接続しない状態では薬液充填容器に押圧力がかからず、予め薬液を充填して準備できる。外筒に目盛が記載されているので微量な流量を確認できる。
【選択図】 図4
【解決手段】薬液供給具は加圧部、薬液充填部および流量制御部の3要素から構成されている。本発明の薬液充填容器は、3要素を使用時に組立てて使用する薬液供給具の薬液充填部である。加圧ガスを一定圧に調整する加圧部を利用し、流量を最後まで安定させ、薬液充填容器は細菌進入を防止するフィルタで閉塞され清潔に保持されているので追加充填が可能である。薬液に触れる部分のみを使い捨てにし、加圧部を再利用するため、経済的である。加圧部を接続しない状態では薬液充填容器に押圧力がかからず、予め薬液を充填して準備できる。外筒に目盛が記載されているので微量な流量を確認できる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薬液供給具に関する。さらに詳しくは、所定量の薬液を血管、皮下、硬膜外に持続的に微量供給する薬液供給具に使用する薬液充填容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
抗がん剤、抗生物質や鎮痛剤などの薬剤を血管、皮下、硬膜外などに持続的に微量投与することは日常的に医療でおこなわれている。これに使用される薬液供給具としては、シリンジポンプが高精度で信頼性が高いが、高価であるため、使い捨ての薬液供給具の使用頻度も高い。
【0003】
なお、本明細書では、薬液供給具を構成する3要素、充填される薬液を収納する部分を「薬液充填部」、薬液充填部を押圧する力を供給する部分を「加圧部」、薬液充填部から押し出される薬液を所定流量に制御する部分を「流量制御部」として説明する。
【0004】
例えば、バネを利用する使い捨て薬液供給具の構造は、注入する薬液を収容する薬液充填部、薬液充填部をバネの弾性で押圧する加圧部と、薬液充填部から押し出される薬液を所定流量にする流量制御部から構成されている。
【0005】
バルーンを利用する使い捨て薬液供給具の場合、弾性材料で作られたバルーン内に薬液を充填し、バルーン自体の収縮力でバルーン内の薬液を押圧してバルーン出口から持続的に押し出し、薬液出口に流量制御部となる微小内径のチューブを接続して流量を所定量に調節する構成で、バルーン自体が薬液充填部と加圧部を兼ねる構成である。簡単な構造で、軽量であるため、比較的多く使われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バルーンを利用する方法は、バルーン自体の収縮力、すなわち押圧力が一定でなく、また終了に近くなると急激に低下するという問題がある。このため、動脈への使用は、動脈圧で血液が逆流してカテーテルが閉塞するという危険性も指摘され、使用用途が制限されるという問題がある。つまり加圧部の押圧力が安定しない或いは低下するという問題がある。
【0007】
バルーンの収縮力を利用する薬液供給具では、バルーン内に薬液を充填した状態で長時間放置するとバルーンの収縮力が変化し、正確な薬液供給がおこなわれなくなる恐れがある。必要時に直ちに使用できるように、予め薬液を充填して準備しておくことができないという問題がある。
【0008】
使い捨ての薬液供給具の大半は、加圧部、薬液充填部および流量制御部の3要素が一体に作成され滅菌して提供されるため、全てを使い捨てにせざるを得ない。使い捨ての薬液供給具は高価であり、経済的な負担が大きいという問題がある。
【0009】
夕暮れ、夜間に、薬液供給具の位置を見つけにくい、或いは、薬液充填部の印字や目盛がよく見えないため、薬液残量が分かりにくいという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、最初から最後まで安定した流量で薬液を供給でき、事前に薬液の充填が可能で、経済的に負担が少なく、使用勝手のよい薬液供給具を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
医療施設の各所には酸素、圧縮空気等の加圧ガスが配管或いはボンベで供給され、その圧力を減圧弁等で調整し、医療機器の作動源に利用されている。一方、これを利用した薬液供給具は見かけない。加圧ガスを一定圧する減圧弁を組み込んだ加圧部を薬液供給具の加圧部として利用すると、押圧力は最後まで一定となり、即ち流量は最後まで降下することなく安定する。
【0012】
使い捨て薬液供給具は一体で作成され滅菌されているため、使用後は全てが廃棄されている。薬液に触れる薬液充填部と流量制御部は使い捨てにし、加圧ガスおよびその圧力を調整する加圧部を分離作成し再利用する構成とし、使用時に組立てる薬液供給具とすると、経済的負担を軽減することができる。
【0013】
使い捨て薬液供給具は一体に作成されているため、必要な流量の種類の在庫を持たなければならない。一方、薬液充填容器と流量の異なる流量制御部を別々に提供すると、使用時に希望流量を接続して使用できる。一体となったものに比べ保管場所をセーブでき、在庫経費も小さくできる。希望に応じ、薬液充填容器に流量制御部を接続して作成し滅菌して提供してもよい。
【0014】
本発明は、組立てて使用する薬液供給具の薬液充填部に関するもので、以下「薬液充填容器」として説明する。本発明の薬液充填容器は、充填薬液を収納する部分と、その薬液を加圧ガス利用して押圧する部分から構成される。押圧する部分の構造に関し、二つの異なる構成で作成される。
【0015】
第一の構成となる本発明の薬液充填容器は、内部に薬液を収容する空間を有し先端側に薬液の入口と薬液の出口が設けられた円筒状の外筒と、外筒内を液密に摺動するガスケットと、前記外筒の後端に固着される蓋体とで構成される。前記蓋体には加圧ガスが流入する開口部形成され、前記開口部の前記外筒内への通路には細菌が進入するのを防止するフィルタで閉塞されて構成されている。
【0016】
前記出口を閉塞して前記入口から薬液を注入すると、前記ガスケットが前記外筒内を前記蓋体方向に移動して薬液が充填され、前記開口部から加圧ガスを流入すると前記ガスケットが前記外筒先端側に押圧されるため、前記出口を開放すると薬液が前記出口から流出する薬液充填容器となる。
【0017】
第二の構成となる本発明の薬液充填容器は、加圧ガスを密閉する加圧チャンバーを外筒内に設けて二重構造とし、加圧ガスが外筒内に直接触れない構造とすることを特徴としている。すなわち、内部に薬液を収容する空間を有し先端側に薬液の入口と薬液の出口が設けられた円筒状の外筒と、前記外筒内を液密に摺動するガスケットと、前記外筒の後端に固着される蓋体と、前記ガスケット背面と前記蓋体の間に収納され前記外筒の軸方向に伸縮する筒状の加圧チャンバーとで構成される。前記加圧チャンバーは前記ガスケット背面に接する一端は密閉され反対端にガス流入口が形成されている。前記蓋体には、前記加圧チャンバーの前記ガス流入口を気密に固着する開口部と、前記外筒内と大気とを連通する通気孔が形成されて構成されている。
【0018】
前記出口を閉塞して前記入口から薬液を注入すると、前記ガスケットが前記外筒内を前記蓋体方向に移動して前記加圧チャンバーは押圧されて退縮するため薬液が充填され、前記開口部から加圧ガスを流入すると前記加圧チャンバーはガス圧で伸張されて前記ガスケットを前記外筒先端側に押圧するため、前記出口を開放すると薬液が前記出口から流出する薬液充填容器となる。
【0019】
上記の薬液充填容器の蓋体の通気孔を、細菌の通過を防ぐ撥水性のフィルタで閉塞すると、外筒内に細菌の進入が防止でき、薬液の追加投与が必要な場合などに追加充填が可能な薬液充填容器となる。
【0020】
本発明の薬液充填容器は、前記外筒の前記入口と前記出口を別々に設けると、薬液を供給しながら薬液を追加充填できる構造となる。
【0021】
本発明の薬液充填容器は、加圧部を接続しない状態では、押圧力が掛らない。薬液充填に大きな力を必要とせず、また前記入口および前記出口に逆流防止弁を設けると、薬液を予め充填しておくことができる薬液充填容器となる。
【0022】
また、前記外筒の前記入口に前記出口を兼ねさせて薬液の出入口し、前記出入口に逆流防止弁を設けると、薬液を予め充填準備できだけでなく、さらに部品点数をできるため製造コストを低減できる薬液充填容器となる。
【0023】
薬液充填容器、加圧部、接続チューブ、流量制御部等の体内に注入する薬液が接触しない箇所に付される文字、数字、記号或いは図等の印刷、或いはラベルの印刷に、発光塗料等を使用すると、夕暮れ、夜間時に、薬液供給具を見つけにくい、或いは印字や目盛がよく見えない問題を解決できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。なお、各図面に共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0025】
図1は、本発明の薬液充填容器1を組合せて使用する薬液供給具の例として、加圧ガス源4aから流量制御部3迄の組合せを示している。図2は、薬液充填容器1の実施例の外観を示す平面図である。図3は、図2の薬液充填容器1の断面図である。図4は、加圧チャンバー30を組み込んだ薬液充填容器1の断面図である。
【0026】
なお、本明細書では、図2〜図4の左右方向(外筒の長手方向)を「軸方向」、右側を「先端」、左側を「後端」として説明する。
【0027】
図1は、本発明の薬液充填容器1を組合せた薬液供給具の例を示す概略図である。加圧ガス源4aは、院内配管、ボンベ或いは内容積100ミリリットル未満のカートリッジで供給される圧縮空気、酸素或いは二酸化炭素等の加圧ガスのいずれでもよく、利用者の事情に合わせて選択することができる。特に具体的な構造、形状は図示しない。
【0028】
圧力調整部4bは、加圧ガスを減圧弁等で所定圧に減圧、調整するものである。特に具体的な構造、形状は図示しない。加圧ガスは、例えば、手術室で術野確保の目的で出血を押さえるターニケットに使用される。ターニケットの圧迫は、通常300〜400ミリメーター水銀柱圧に調整されて使用されるが、これにも加圧ガスを減圧弁で一定圧にする方法が採用されている。加圧ガスは院内で色々な機器に減圧,調整されて使用されている。本明細書では、加圧ガス源4aと圧力調整部4bの二つを合わせて「加圧部」4として説明する。ターニケットに使用されている減圧調整部分も、加圧部4に使用可能であり、繰り返し使えるものが経済的である。
【0029】
加圧部4で所定圧に調整された加圧ガスは、接続チューブ2を通して薬液充填容器1に供給される。接続チューブ2の薬液充填容器1への接続端は、雌ルアー形状コネクタ(図示せず)で、コネクタに逆流防止弁(図示せず)を設けられている。この逆流防止弁は、通常時は閉じて加圧ガスの流出を防止し、接続すると開放される構造が好ましい。このように作成すると、薬液充填容器1を接続チューブ2から取り外したときには、自動的に加圧ガスの流出が停止し、加圧ガスの無駄がなくなる。
【0030】
流量制御部3は、薬液充填容器1の薬液の出口13または出入口14に接続される。流量制御部3には、微小細管(図示せず)が組み込まれた細管部3aが構成され,薬液充填容器1から一定圧で吐出される薬液を、所定流量に制御する。
【0031】
図2は、本発明の薬液充填容器1の実施例の外観を示している。外筒10は、ポリプロピレン等の樹脂材料よりなる略円筒状の部材で構成されている。外筒10は、充填薬液量を視認できる透明または半透明性な樹脂材料で構成されているのが好ましい。そして外筒10の外周面には、外筒10内の薬液残量を表示す目盛11が付されている。薬液の微量注入は1時間数ミリリットルの流量で使用されることが多いが、何かの原因で流量が変化、停止した場合、大まかな目盛では発見しにくいという問題がある。正確な細かい目盛があれば、一目でこれを確認できる。外筒10の先端には、薬液を流入させる入口12と流出させる出口13が突出形成されている。外筒10後端には、合成樹脂で円形のキャップ形状に構成されて中央に加圧ガスが流入する開口部42が突出形成された蓋体40が、固着される。開口部42に、接続を固定する回転部43が構成されている。
【0032】
図3は、図2の断面図である。外筒10の先端には薬液を流入させる入口12と流出させる出口13が突出形成され、それぞれ逆流防止弁15が設置、固定されている。入口12と出口13の先端部はルアーテーパーの各種コネクタ接続可能な形状に作成されている。出口13には、流量制御部3が接続される。
【0033】
入口12と出口13を別々に設けると、出口13から薬液を供給しながら、入口12から薬液の充填補充ができる。また入口12と出口13をそれぞれ逆流防止弁15で閉塞することで、外筒10内とガスケット20の間に薬液を充填収納することが可能となる。
【0034】
出口13を作成せず、入口12に薬液の出口を兼ねさせて作成してもよい。部品点数を少なくでき、製造コストを低減できる。
【0035】
逆流防止弁15は、通常は閉鎖しており注射器などのルアー先端を押しつけると開放される構造のもが良い。このような逆流防止弁15は、例えばバルーン付膀胱留置カテーテルのバルーン膨縮に使用される弁等、多くの医療用途に使用されている。
【0036】
ガスケット20は、弾性材料で構成されたガスケット本体21と、ガスケット本体21の中心部に嵌入されて固定される硬質材料よりなるヘッド23とで構成されている。ガスケット本体21を構成する弾性材料としては、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の各種ゴム材料や、ポリウレタン系等の各種熱可塑性エラストマー等があげられる。ガスケット本体21の外周部には、全周に渡って、一対のリング状の突部24が軸方向に所定間隔で形成され、ガスケット20が軸方向に移動する際、両突部24が外筒10の内収面に密着しつつ摺動する。これにより、外筒10とガスケット20とで囲まれる空間(薬液収納空間)の液密性が良好に保たれる。適度な摺動性が得られるようにシリコーンオイル等の潤滑材がガスケット本体21に塗布される。ガスケット20の背面中心部には円筒状空洞となる収納凹部25が形成されている。収納凹部25には後述する加圧チャンバー30の凸部32を収容する。
【0037】
蓋体40は、ポリプロピレン等の合成樹脂で円形のキャップ形状に形成され、筒部41は外筒10後端に固着される。蓋体40の中央に開口部42が突出形成され、開口部42内通路44は、細菌が外筒10内に進入するのを防止す撥水性のフィルタ45で閉塞される。フィルタ45は、開口基部46にリング板46aで固定される。このように構成することで、外筒10内を常に清潔に保持でき、薬液の補充充填が可能となる。開口部42の先端はルアーテーパーの雌コネクタが接続可能な形状とされ、接続チューブ2の接続端(図示せず)と螺合する回転部43が設けられている。
【0038】
図4は、加圧チャンバー30が構成された薬液充填容器1の断面図である。外筒10の先端中央に薬液の出入口14が突出形成され、逆流防止弁15が設置、固定されている。ガスケット20は、図2と共通であるため説明を割愛する。
【0039】
加圧チャンバー30は、軸方向に伸縮する円筒容器で蛇腹形状に構成され、ガスケット20の背面と接する先端部31は、密閉されて平底に形成され、その中心に凸部32が形成され、後端部33は平底に形成されて中心部には、加圧ガスを導くガス流入口34が突出形成されている。ガス流入口34は蓋体60の開口基部66に気密に固定される。加圧チャンバー30は、ポリエチレン・ナフタレートやポリエチレン・テレフタレート等のガスバリヤー性の高い合成樹脂を使用して構成される。
【0040】
蓋体60は、ポリプロピレンなどの合成樹脂で円形のキャップ形状に形成され、筒部61は外筒10後端に固定する。蓋体60の中央に開口部62が突出形成され、開口部62の先端はルアーテーパーの雌コネクタ(図示せず)が接続可能な形状とされ、接続チューブ2の接続端(図示せず)と螺合する回転部43が設けられている。開口基部66に加圧チャンバー30のガス流入口34が気密に固定される。
【0041】
加圧チャンバー30の先端の凸部32は、ガスケット20の背面にある凹部25に嵌合するように構成される。外筒10の薬液の出入口14より薬液が注入されると、ガスケット20は外筒10内を後端方向に移動するため、加圧チャンバー30は、ガスケット20に押されて軸方向に退縮する。蓋体60の開口部62から加圧ガスが流入すると、加圧チャンバー30は伸張してガスケット20を先端方向に押圧する。加圧チャンバーの形状は円筒状の蛇腹形状に限定されるものではなく、袋状で、加圧ガスで軸方向に伸縮するものであればよい。
【0042】
蓋体60の外縁近くに通気孔64が形成され、この通気孔64は、外筒10内と大気と連通させ、ガスケット20の軸方向の移動を許容させるものである。通気孔64は、大気の流通は許容するが細菌の進入を規制する撥水性のフィルタ65によって閉塞されている。このフィルタ65により、外筒10内は清潔に保持されるため、薬液の充填追加が可能となる。
【0043】
薬液充填容器1の目盛11等の表示は、発光塗料等を使用して直接印刷或いはラベルに印刷したものを貼る。加圧部4、接続チューブ2、流量制御部3の注意書き或いは目印等の表示にも、発光塗料等を使用すると、夕暮れ、夜間に、薬液供給具を見つけにくい、或いは印字や目盛がよく見えない問題を解決できる。
【0044】
その他、本発明はその要旨範囲を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0045】
【発明の効果】
薬液供給具は加圧部、薬液充填部および流量制御部の3要素から構成されている。本発明の薬液充填容器1は、3要素を使用時に組立てて使用する薬液供給具の薬液充填部として使用される。加圧ガスを一定圧で調整する加圧部を利用することで、最初から最後まで安定した流量を得ることができる薬液供給具となる。本発明の薬液充填容器1は、外筒内に細菌進入を防止するフィルタで閉塞されているので追加充填が可能である。使い捨て薬液供給具は一般に3要素が一体で作成されているため、使用後は全てが廃棄されている。薬液に触れる本発明の薬液充填容器1と流量制御部のみを使い捨てにし、加圧部を再利用する構成とすることで、使い捨て部分が少なくなり、経済的負担を軽減することができる。加圧部を接続しない状態では薬液充填容器1に押圧力がかからず、また外筒の薬液の入口と出口に逆流防止弁が設けられているため、予め薬液を充填して準備できる。また、円筒形状の外筒に目盛が記載されているので微量な流量を確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬液充填容器1を使用する薬液供給具の組合せ例の概略を示す。
【図2】本発明の薬液充填容器1の実施例の外観を示す。
【図3】図2に示した実施例の断面図である。
【図4】本発明の薬液充填容器1に加圧チャンバー30を組み込んだ薬液充填容器1の断面図である。
【符号の説明】
1 薬液充填容器
2 接続チューブ
3 流量制御部
4 加圧部
4a 圧力調整部
4b 加圧ガス源
10 外筒
20 ガスケット
30 加圧チャンバー
40 蓋体
60 蓋体
【発明の属する技術分野】
本発明は薬液供給具に関する。さらに詳しくは、所定量の薬液を血管、皮下、硬膜外に持続的に微量供給する薬液供給具に使用する薬液充填容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
抗がん剤、抗生物質や鎮痛剤などの薬剤を血管、皮下、硬膜外などに持続的に微量投与することは日常的に医療でおこなわれている。これに使用される薬液供給具としては、シリンジポンプが高精度で信頼性が高いが、高価であるため、使い捨ての薬液供給具の使用頻度も高い。
【0003】
なお、本明細書では、薬液供給具を構成する3要素、充填される薬液を収納する部分を「薬液充填部」、薬液充填部を押圧する力を供給する部分を「加圧部」、薬液充填部から押し出される薬液を所定流量に制御する部分を「流量制御部」として説明する。
【0004】
例えば、バネを利用する使い捨て薬液供給具の構造は、注入する薬液を収容する薬液充填部、薬液充填部をバネの弾性で押圧する加圧部と、薬液充填部から押し出される薬液を所定流量にする流量制御部から構成されている。
【0005】
バルーンを利用する使い捨て薬液供給具の場合、弾性材料で作られたバルーン内に薬液を充填し、バルーン自体の収縮力でバルーン内の薬液を押圧してバルーン出口から持続的に押し出し、薬液出口に流量制御部となる微小内径のチューブを接続して流量を所定量に調節する構成で、バルーン自体が薬液充填部と加圧部を兼ねる構成である。簡単な構造で、軽量であるため、比較的多く使われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バルーンを利用する方法は、バルーン自体の収縮力、すなわち押圧力が一定でなく、また終了に近くなると急激に低下するという問題がある。このため、動脈への使用は、動脈圧で血液が逆流してカテーテルが閉塞するという危険性も指摘され、使用用途が制限されるという問題がある。つまり加圧部の押圧力が安定しない或いは低下するという問題がある。
【0007】
バルーンの収縮力を利用する薬液供給具では、バルーン内に薬液を充填した状態で長時間放置するとバルーンの収縮力が変化し、正確な薬液供給がおこなわれなくなる恐れがある。必要時に直ちに使用できるように、予め薬液を充填して準備しておくことができないという問題がある。
【0008】
使い捨ての薬液供給具の大半は、加圧部、薬液充填部および流量制御部の3要素が一体に作成され滅菌して提供されるため、全てを使い捨てにせざるを得ない。使い捨ての薬液供給具は高価であり、経済的な負担が大きいという問題がある。
【0009】
夕暮れ、夜間に、薬液供給具の位置を見つけにくい、或いは、薬液充填部の印字や目盛がよく見えないため、薬液残量が分かりにくいという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、最初から最後まで安定した流量で薬液を供給でき、事前に薬液の充填が可能で、経済的に負担が少なく、使用勝手のよい薬液供給具を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
医療施設の各所には酸素、圧縮空気等の加圧ガスが配管或いはボンベで供給され、その圧力を減圧弁等で調整し、医療機器の作動源に利用されている。一方、これを利用した薬液供給具は見かけない。加圧ガスを一定圧する減圧弁を組み込んだ加圧部を薬液供給具の加圧部として利用すると、押圧力は最後まで一定となり、即ち流量は最後まで降下することなく安定する。
【0012】
使い捨て薬液供給具は一体で作成され滅菌されているため、使用後は全てが廃棄されている。薬液に触れる薬液充填部と流量制御部は使い捨てにし、加圧ガスおよびその圧力を調整する加圧部を分離作成し再利用する構成とし、使用時に組立てる薬液供給具とすると、経済的負担を軽減することができる。
【0013】
使い捨て薬液供給具は一体に作成されているため、必要な流量の種類の在庫を持たなければならない。一方、薬液充填容器と流量の異なる流量制御部を別々に提供すると、使用時に希望流量を接続して使用できる。一体となったものに比べ保管場所をセーブでき、在庫経費も小さくできる。希望に応じ、薬液充填容器に流量制御部を接続して作成し滅菌して提供してもよい。
【0014】
本発明は、組立てて使用する薬液供給具の薬液充填部に関するもので、以下「薬液充填容器」として説明する。本発明の薬液充填容器は、充填薬液を収納する部分と、その薬液を加圧ガス利用して押圧する部分から構成される。押圧する部分の構造に関し、二つの異なる構成で作成される。
【0015】
第一の構成となる本発明の薬液充填容器は、内部に薬液を収容する空間を有し先端側に薬液の入口と薬液の出口が設けられた円筒状の外筒と、外筒内を液密に摺動するガスケットと、前記外筒の後端に固着される蓋体とで構成される。前記蓋体には加圧ガスが流入する開口部形成され、前記開口部の前記外筒内への通路には細菌が進入するのを防止するフィルタで閉塞されて構成されている。
【0016】
前記出口を閉塞して前記入口から薬液を注入すると、前記ガスケットが前記外筒内を前記蓋体方向に移動して薬液が充填され、前記開口部から加圧ガスを流入すると前記ガスケットが前記外筒先端側に押圧されるため、前記出口を開放すると薬液が前記出口から流出する薬液充填容器となる。
【0017】
第二の構成となる本発明の薬液充填容器は、加圧ガスを密閉する加圧チャンバーを外筒内に設けて二重構造とし、加圧ガスが外筒内に直接触れない構造とすることを特徴としている。すなわち、内部に薬液を収容する空間を有し先端側に薬液の入口と薬液の出口が設けられた円筒状の外筒と、前記外筒内を液密に摺動するガスケットと、前記外筒の後端に固着される蓋体と、前記ガスケット背面と前記蓋体の間に収納され前記外筒の軸方向に伸縮する筒状の加圧チャンバーとで構成される。前記加圧チャンバーは前記ガスケット背面に接する一端は密閉され反対端にガス流入口が形成されている。前記蓋体には、前記加圧チャンバーの前記ガス流入口を気密に固着する開口部と、前記外筒内と大気とを連通する通気孔が形成されて構成されている。
【0018】
前記出口を閉塞して前記入口から薬液を注入すると、前記ガスケットが前記外筒内を前記蓋体方向に移動して前記加圧チャンバーは押圧されて退縮するため薬液が充填され、前記開口部から加圧ガスを流入すると前記加圧チャンバーはガス圧で伸張されて前記ガスケットを前記外筒先端側に押圧するため、前記出口を開放すると薬液が前記出口から流出する薬液充填容器となる。
【0019】
上記の薬液充填容器の蓋体の通気孔を、細菌の通過を防ぐ撥水性のフィルタで閉塞すると、外筒内に細菌の進入が防止でき、薬液の追加投与が必要な場合などに追加充填が可能な薬液充填容器となる。
【0020】
本発明の薬液充填容器は、前記外筒の前記入口と前記出口を別々に設けると、薬液を供給しながら薬液を追加充填できる構造となる。
【0021】
本発明の薬液充填容器は、加圧部を接続しない状態では、押圧力が掛らない。薬液充填に大きな力を必要とせず、また前記入口および前記出口に逆流防止弁を設けると、薬液を予め充填しておくことができる薬液充填容器となる。
【0022】
また、前記外筒の前記入口に前記出口を兼ねさせて薬液の出入口し、前記出入口に逆流防止弁を設けると、薬液を予め充填準備できだけでなく、さらに部品点数をできるため製造コストを低減できる薬液充填容器となる。
【0023】
薬液充填容器、加圧部、接続チューブ、流量制御部等の体内に注入する薬液が接触しない箇所に付される文字、数字、記号或いは図等の印刷、或いはラベルの印刷に、発光塗料等を使用すると、夕暮れ、夜間時に、薬液供給具を見つけにくい、或いは印字や目盛がよく見えない問題を解決できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。なお、各図面に共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0025】
図1は、本発明の薬液充填容器1を組合せて使用する薬液供給具の例として、加圧ガス源4aから流量制御部3迄の組合せを示している。図2は、薬液充填容器1の実施例の外観を示す平面図である。図3は、図2の薬液充填容器1の断面図である。図4は、加圧チャンバー30を組み込んだ薬液充填容器1の断面図である。
【0026】
なお、本明細書では、図2〜図4の左右方向(外筒の長手方向)を「軸方向」、右側を「先端」、左側を「後端」として説明する。
【0027】
図1は、本発明の薬液充填容器1を組合せた薬液供給具の例を示す概略図である。加圧ガス源4aは、院内配管、ボンベ或いは内容積100ミリリットル未満のカートリッジで供給される圧縮空気、酸素或いは二酸化炭素等の加圧ガスのいずれでもよく、利用者の事情に合わせて選択することができる。特に具体的な構造、形状は図示しない。
【0028】
圧力調整部4bは、加圧ガスを減圧弁等で所定圧に減圧、調整するものである。特に具体的な構造、形状は図示しない。加圧ガスは、例えば、手術室で術野確保の目的で出血を押さえるターニケットに使用される。ターニケットの圧迫は、通常300〜400ミリメーター水銀柱圧に調整されて使用されるが、これにも加圧ガスを減圧弁で一定圧にする方法が採用されている。加圧ガスは院内で色々な機器に減圧,調整されて使用されている。本明細書では、加圧ガス源4aと圧力調整部4bの二つを合わせて「加圧部」4として説明する。ターニケットに使用されている減圧調整部分も、加圧部4に使用可能であり、繰り返し使えるものが経済的である。
【0029】
加圧部4で所定圧に調整された加圧ガスは、接続チューブ2を通して薬液充填容器1に供給される。接続チューブ2の薬液充填容器1への接続端は、雌ルアー形状コネクタ(図示せず)で、コネクタに逆流防止弁(図示せず)を設けられている。この逆流防止弁は、通常時は閉じて加圧ガスの流出を防止し、接続すると開放される構造が好ましい。このように作成すると、薬液充填容器1を接続チューブ2から取り外したときには、自動的に加圧ガスの流出が停止し、加圧ガスの無駄がなくなる。
【0030】
流量制御部3は、薬液充填容器1の薬液の出口13または出入口14に接続される。流量制御部3には、微小細管(図示せず)が組み込まれた細管部3aが構成され,薬液充填容器1から一定圧で吐出される薬液を、所定流量に制御する。
【0031】
図2は、本発明の薬液充填容器1の実施例の外観を示している。外筒10は、ポリプロピレン等の樹脂材料よりなる略円筒状の部材で構成されている。外筒10は、充填薬液量を視認できる透明または半透明性な樹脂材料で構成されているのが好ましい。そして外筒10の外周面には、外筒10内の薬液残量を表示す目盛11が付されている。薬液の微量注入は1時間数ミリリットルの流量で使用されることが多いが、何かの原因で流量が変化、停止した場合、大まかな目盛では発見しにくいという問題がある。正確な細かい目盛があれば、一目でこれを確認できる。外筒10の先端には、薬液を流入させる入口12と流出させる出口13が突出形成されている。外筒10後端には、合成樹脂で円形のキャップ形状に構成されて中央に加圧ガスが流入する開口部42が突出形成された蓋体40が、固着される。開口部42に、接続を固定する回転部43が構成されている。
【0032】
図3は、図2の断面図である。外筒10の先端には薬液を流入させる入口12と流出させる出口13が突出形成され、それぞれ逆流防止弁15が設置、固定されている。入口12と出口13の先端部はルアーテーパーの各種コネクタ接続可能な形状に作成されている。出口13には、流量制御部3が接続される。
【0033】
入口12と出口13を別々に設けると、出口13から薬液を供給しながら、入口12から薬液の充填補充ができる。また入口12と出口13をそれぞれ逆流防止弁15で閉塞することで、外筒10内とガスケット20の間に薬液を充填収納することが可能となる。
【0034】
出口13を作成せず、入口12に薬液の出口を兼ねさせて作成してもよい。部品点数を少なくでき、製造コストを低減できる。
【0035】
逆流防止弁15は、通常は閉鎖しており注射器などのルアー先端を押しつけると開放される構造のもが良い。このような逆流防止弁15は、例えばバルーン付膀胱留置カテーテルのバルーン膨縮に使用される弁等、多くの医療用途に使用されている。
【0036】
ガスケット20は、弾性材料で構成されたガスケット本体21と、ガスケット本体21の中心部に嵌入されて固定される硬質材料よりなるヘッド23とで構成されている。ガスケット本体21を構成する弾性材料としては、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の各種ゴム材料や、ポリウレタン系等の各種熱可塑性エラストマー等があげられる。ガスケット本体21の外周部には、全周に渡って、一対のリング状の突部24が軸方向に所定間隔で形成され、ガスケット20が軸方向に移動する際、両突部24が外筒10の内収面に密着しつつ摺動する。これにより、外筒10とガスケット20とで囲まれる空間(薬液収納空間)の液密性が良好に保たれる。適度な摺動性が得られるようにシリコーンオイル等の潤滑材がガスケット本体21に塗布される。ガスケット20の背面中心部には円筒状空洞となる収納凹部25が形成されている。収納凹部25には後述する加圧チャンバー30の凸部32を収容する。
【0037】
蓋体40は、ポリプロピレン等の合成樹脂で円形のキャップ形状に形成され、筒部41は外筒10後端に固着される。蓋体40の中央に開口部42が突出形成され、開口部42内通路44は、細菌が外筒10内に進入するのを防止す撥水性のフィルタ45で閉塞される。フィルタ45は、開口基部46にリング板46aで固定される。このように構成することで、外筒10内を常に清潔に保持でき、薬液の補充充填が可能となる。開口部42の先端はルアーテーパーの雌コネクタが接続可能な形状とされ、接続チューブ2の接続端(図示せず)と螺合する回転部43が設けられている。
【0038】
図4は、加圧チャンバー30が構成された薬液充填容器1の断面図である。外筒10の先端中央に薬液の出入口14が突出形成され、逆流防止弁15が設置、固定されている。ガスケット20は、図2と共通であるため説明を割愛する。
【0039】
加圧チャンバー30は、軸方向に伸縮する円筒容器で蛇腹形状に構成され、ガスケット20の背面と接する先端部31は、密閉されて平底に形成され、その中心に凸部32が形成され、後端部33は平底に形成されて中心部には、加圧ガスを導くガス流入口34が突出形成されている。ガス流入口34は蓋体60の開口基部66に気密に固定される。加圧チャンバー30は、ポリエチレン・ナフタレートやポリエチレン・テレフタレート等のガスバリヤー性の高い合成樹脂を使用して構成される。
【0040】
蓋体60は、ポリプロピレンなどの合成樹脂で円形のキャップ形状に形成され、筒部61は外筒10後端に固定する。蓋体60の中央に開口部62が突出形成され、開口部62の先端はルアーテーパーの雌コネクタ(図示せず)が接続可能な形状とされ、接続チューブ2の接続端(図示せず)と螺合する回転部43が設けられている。開口基部66に加圧チャンバー30のガス流入口34が気密に固定される。
【0041】
加圧チャンバー30の先端の凸部32は、ガスケット20の背面にある凹部25に嵌合するように構成される。外筒10の薬液の出入口14より薬液が注入されると、ガスケット20は外筒10内を後端方向に移動するため、加圧チャンバー30は、ガスケット20に押されて軸方向に退縮する。蓋体60の開口部62から加圧ガスが流入すると、加圧チャンバー30は伸張してガスケット20を先端方向に押圧する。加圧チャンバーの形状は円筒状の蛇腹形状に限定されるものではなく、袋状で、加圧ガスで軸方向に伸縮するものであればよい。
【0042】
蓋体60の外縁近くに通気孔64が形成され、この通気孔64は、外筒10内と大気と連通させ、ガスケット20の軸方向の移動を許容させるものである。通気孔64は、大気の流通は許容するが細菌の進入を規制する撥水性のフィルタ65によって閉塞されている。このフィルタ65により、外筒10内は清潔に保持されるため、薬液の充填追加が可能となる。
【0043】
薬液充填容器1の目盛11等の表示は、発光塗料等を使用して直接印刷或いはラベルに印刷したものを貼る。加圧部4、接続チューブ2、流量制御部3の注意書き或いは目印等の表示にも、発光塗料等を使用すると、夕暮れ、夜間に、薬液供給具を見つけにくい、或いは印字や目盛がよく見えない問題を解決できる。
【0044】
その他、本発明はその要旨範囲を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0045】
【発明の効果】
薬液供給具は加圧部、薬液充填部および流量制御部の3要素から構成されている。本発明の薬液充填容器1は、3要素を使用時に組立てて使用する薬液供給具の薬液充填部として使用される。加圧ガスを一定圧で調整する加圧部を利用することで、最初から最後まで安定した流量を得ることができる薬液供給具となる。本発明の薬液充填容器1は、外筒内に細菌進入を防止するフィルタで閉塞されているので追加充填が可能である。使い捨て薬液供給具は一般に3要素が一体で作成されているため、使用後は全てが廃棄されている。薬液に触れる本発明の薬液充填容器1と流量制御部のみを使い捨てにし、加圧部を再利用する構成とすることで、使い捨て部分が少なくなり、経済的負担を軽減することができる。加圧部を接続しない状態では薬液充填容器1に押圧力がかからず、また外筒の薬液の入口と出口に逆流防止弁が設けられているため、予め薬液を充填して準備できる。また、円筒形状の外筒に目盛が記載されているので微量な流量を確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬液充填容器1を使用する薬液供給具の組合せ例の概略を示す。
【図2】本発明の薬液充填容器1の実施例の外観を示す。
【図3】図2に示した実施例の断面図である。
【図4】本発明の薬液充填容器1に加圧チャンバー30を組み込んだ薬液充填容器1の断面図である。
【符号の説明】
1 薬液充填容器
2 接続チューブ
3 流量制御部
4 加圧部
4a 圧力調整部
4b 加圧ガス源
10 外筒
20 ガスケット
30 加圧チャンバー
40 蓋体
60 蓋体
Claims (7)
- 内部に薬液を収容する空間を有し先端側に薬液の入口と薬液の出口が設けられた円筒状の外筒と、前記外筒内を液密に摺動するガスケットと、前記外筒の後端に気密に固着される蓋体と、前記蓋体には加圧ガスが流入する開口部が形成され、前記開口部の前記外筒内への通路は細菌が進入するのを防止するフィルタで閉塞されて構成され、前記出口を閉塞し前記入口から薬液を注入すると前記ガスケットが前記外筒内を前記蓋体方向に移動して薬液が充填され、前記開口部から加圧ガスを流入すると前記ガスケットがガス圧で前記外筒先端側に押圧されるため、前記出口を開放すると薬液が前記出口から流出することを特徴とする薬液充填容器。
- 内部に薬液を収容する空間を有し先端側に薬液の入口と薬液の出口が設けられた円筒状の外筒と、前記外筒内を液密に摺動するガスケットと、前記外筒の後端に気密に固着される蓋体と、前記ガスケット背面と前記蓋体の間に収納され前記外筒の軸方向に伸縮する筒状の加圧チャンバーとから構成され、前記加圧チャンバーは前記ガスケット背面に接する一端は密閉され反対端にガス流入口が形成されており、前記蓋体には前記加圧チャンバーの前記ガス流入口を気密に固着する開口部と前記外筒内と大気とを連通する通気孔が形成されて構成され、前記出口を閉塞して前記入口から薬液を注入すると、前記ガスケットが前記外筒内を前記蓋体方向に移動して前記加圧チャンバーは押圧されて退縮するため薬液が充填され、前記開口部から加圧ガスを流入すると前記加圧チャンバーはガス圧で伸張されて前記ガスケットを前記外筒先端側に押圧するため、前記出口を開放すると薬液が前記出口から流出することを特徴とする薬液充填容器。
- 前記通気孔が、細菌の通過を防ぐフィルタで閉塞されていることを特徴とする請求項2に記載の薬液充填容器。
- 前記外筒の前記入口と前記出口に、逆流防止弁を内蔵したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の薬液充填容器。
- 前記外筒の前記入口が前記出口を兼ねて出入口となり、前記出入口に逆流防止弁を内蔵していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の薬液充填容器。
- 前記外筒に付される文字、数字、記号、図形等の一部または全てが、発光塗料で印刷されている、または発光塗料で印刷されたラベル等が貼られていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の薬液充填容器。
- 加圧ガスを一定圧に調整して供給する加圧部を前記蓋体の前記開口部に接続し、流量を調節する流量制御部を前記外筒の前記出口または前記出入口に接続すると、加圧ガスを押圧力に利用する薬液供給具となることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の薬液充填容器。
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-
2002
- 2002-06-07 JP JP2002201921A patent/JP2004008741A/ja active Pending
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