JP2004007566A - 立体画像表示装置および立体画像表示システム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の立体画像表示装置において、画像表示ユニットとして透過型ディスプレイを使用しなければならず、ディスプレイ選定の自由度がない。
【解決手段】水平方向に複数の画素D1〜D9を配置してなる画素水平列ld1〜ld3が垂直方向に複数列設けられ、複数の観察位置E1〜E9にそれぞれ対応した複数の画像を画像ごとに異なる画素群を用いて表示する画像表示ユニット1と、水平方向に開口部を所定パターンで配置してなる開口水平列lm1〜lm3が垂直方向に複数列設けられ、上記複数の画素水平列のそれぞれからの光をその画素水平列に対応する開口水平列を通じて各観察位置に到達させるマスク部材3と、上記複数の画素水平列のそれぞれからの光が、複数の開口水平列のうちその画素水平列又はその画素水平列と同等の画素水平列に対応する開口水平列以外の開口水平列に入射するのを制限する制限部材2とを設ける。
【選択図】 図4
【解決手段】水平方向に複数の画素D1〜D9を配置してなる画素水平列ld1〜ld3が垂直方向に複数列設けられ、複数の観察位置E1〜E9にそれぞれ対応した複数の画像を画像ごとに異なる画素群を用いて表示する画像表示ユニット1と、水平方向に開口部を所定パターンで配置してなる開口水平列lm1〜lm3が垂直方向に複数列設けられ、上記複数の画素水平列のそれぞれからの光をその画素水平列に対応する開口水平列を通じて各観察位置に到達させるマスク部材3と、上記複数の画素水平列のそれぞれからの光が、複数の開口水平列のうちその画素水平列又はその画素水平列と同等の画素水平列に対応する開口水平列以外の開口水平列に入射するのを制限する制限部材2とを設ける。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、立体画像表示装置に関し、特にテレビ、ビデオ、コンピューターモニタ、ゲームマシンなどにおいて立体表示を行うのに好適な立体画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
立体画像表示装置としては、例えば特開2001−211465号公報にて提案されている、いわゆる多眼方式のものがある。
【0003】
この立体画像表示装置は、画像表示ユニットに立体視される原画像を多数表示し、これら多数の原画像をそれぞれ異なる観察位置(視点)から観察できるように画像表示ユニットからの光を導き、ある観察対象物の観察位置に応じた画像が見えるようにすることで立体感を表現するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の立体画像表示装置は、以下に説明するような問題点を有する。
【0005】
問題点の一つとして、立体視される原画像を表示する画像表示ユニットとして、透過型のディスプレイを使用しなければならず、ディスプレイ選定の自由度が損なわれるという問題点を有する。
【0006】
また、透過型ディスプレイとしては、現在LCDが多く用いられているが、近年のLCDは、視野角特性を改善するために画素構造が微細化し、照明光がLCDを透過する際に大きく散乱される傾向にある。このため、多視点の立体画像表示装置にこのようなLCDを用いるためには、各画素からの表示光が所望の観察距離だけ離れた位置で各画素に対応する観察位置だけに達するように表示光の方向を規定する必要がある。
【0007】
この点、上記従来の立体画像表示装置は、透過型ディスプレイの画素を照明する照明光に方向性を与える構成となっている。しかしながら、LCDの拡散性が高まると、せっかく照明光に方向性を与えてもLCDで散乱されてしまい、観察面での表示光の到達位置がずれ、いわゆるクロストークが生じて適正な立体画像観察が行えないという問題がある。
【0008】
他の問題点として、従来の立体画像表示装置の構成では、カラー表示を行う際、LCDのカラーフィルター配列により観察面で色が分離してしまい、カラーで観察できる位置が存在しなくなるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、透過型の画像表示ユニットに限らず自由に画像表示ユニットを選定でき、また散乱性の強い透過型画像表示ユニットを使用してもクロストークが生じない多視点タイプの立体画像表示装置を提供することを目的としている。さらに、本発明は、カラー表示を行う際の色分離を防止できるようにした多視点タイプの立体画像表示装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の立体画像表示装置は、複数の水平画素列が垂直方向に設けられた画像表示ユニットであって、複数の観察位置に対応した画像をそれぞれ表示する画素を含む画素群が周期的に配置された画像表示ユニットと、前記画素からの光線のうちで所定の方向性を有する光線のみを通過させる開口部が設けられたマスク部材であって、前記開口が前記画素群に対応して水平方向に所定の周期をもって配置された水平開口列が設けられたマスク部材と、前記水平画素列のうちの所定の水平画素列からの光線が、それぞれ同一の周期性を持つ前記水平開口列にのみ到達するように光線を制限する制限部材とを有することを特徴とする立体画像表示装置であって、前記各観察位置に対応した画像を表示する画素からの光線は、前記マスク部材と前記制限部材を介して、所定の観察位置に到達することを特徴とする立体画像表示装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施形態1)
本実施形態は、視点数(観察位置数)rの立体画像表示装置に関し、さらに詳しくは、r=p個(行)・q個(列)のマトリクス状に配置した画素群をディスプレイ上に配置することによって垂直方向および水平方向の解像度の劣化をどちらかの方向に偏らないようにした立体画像表示装置に関するものである。
【0013】
ここでp及びqは1以上の整数である。特にp=1の場合には、上記マトリックスは各観察位置に対応した画像を表示する画素が横一列に配列されてなる。また、q=1の場合には、上記マトリックスは各観察位置に対応した画像を表示する画素が縦一列に配列されてなる。視点数rによっては、同一の画素配置であっても上記マトリックスのサイズとして異なるp及びqを有するものと見なすことが可能である。例えば、r=12の場合には、(p,q)=(1,12)、(2,6)、(3,4)、(4,3)、(6,2)、(12,1)などのように見なすことが可能な場合があり、それぞれに応じて、後に説明する立体画像表示装置を構成する各部分の構成が定められる。
【0014】
なお、本実施形態では、p=3、q=3、r=9の9視点の立体画像表示装置について説明する。但し、本発明におけるp,q,rの数は上記のものに限られるわけではなく、他の数を任意に選択することができる。
【0015】
図1には、本発明の第1実施形態である立体画像表示装置の構成を示している。この立体画像表示装置は、画像表示ユニットとしてのモノクロタイプのディスプレイ1と、このディスプレイ1の前面に配置された横レンチキュラーレンズ(制限部材)2と、この横レンチキュラーレンズ2の前面に配置されたマスク3とが、ディスプレイ1から観察位置(視点)E1〜E9が並ぶ観察面に向かってこの順番で配置されて構成されている。
【0016】
本実施形態は、9視点からそれぞれ異なる画像を観察可能とする立体画像表示装置であり、観察面上の9個の観察位置E1〜E9は、例えばE1からE9がこの順で右から左に並ぶものとする。なお、ここにいう観察位置は、一点を意味するものではなく、ある程度の水平方向幅を有する領域をいう。
【0017】
ディスプレイ1としては、反射型および透過型のLCDや自発光型の表示素子等、透過型のディスプレイに限らず用いることができる。
【0018】
図2には、ディスプレイ1の各画素に、9視点からそれぞれ観察される原画像をどのように表示するかを示している。D1からD9までの画素は、E1からE9までの観察位置に対応した原画像をそれぞれ表示する。
【0019】
ここで、上記原画像をディスプレイ1に表示させるための画像情報は、パーソナルコンピュータ、ビデオ、DVD等の画像情報供給装置50から立体画像表示装置のディスプレイ駆動回路51に供給され、ディスプレイ駆動回路51が入力された画像情報に基づいてディスプレイ1を駆動することによって上記原画像が表示される。
【0020】
画素の配列方法は、画素の各水平列(以下、画素水平列という)に9(=r)視点に対応するD1からD9までの画素をこの順で循環的に繰り返し配置し、画素水平列が垂直方向に1列異なるごとに3(=q)画素分だけD1からD9までの画素の水平方向位置がずれ、かつ垂直方向に3(=p)列異なるごとに同じ画素配列となるようにしている。
【0021】
これにより、図中に点線で囲んだ、D1からD9までの9個の画素を3個(行)×3個(列)のマトリクス状に配置した画素ブロックが形成され、この画素ブロックを垂直方向および水平方向に複数配置したかたちにディスプレイ1が形成されている。
【0022】
但し、各画素ブロックにおける上記9個の画素の配置は、D1〜D3の画素が最も上部に配置されるもの、D4〜D6の画素が最も上部に配置されるものおよびD7〜D9の画素が最も上部に配置されるものがある。
【0023】
そして、これら複数の画素ブロックのそれぞれにおける1つずつの画素(つまりは、D1の画素群、D2の画素群、D3の画素群、D4の画素群、D5の画素群、D6の画素群、D7の画素群、D8の画素群およびD9の画素群)を用いて上記9視点に対応する9個の画像が表示される。
【0024】
ここで、上記9個の画像は、ある観察対象物を方向(観察位置)を変えて見たときに対応する9個の画像であってもよいし、例えば、ディスプレイ1を左側から見たときに見える画像群と右側から見たときの画像群とを異なる観察対象物の画像としてもよい。
【0025】
次に、図3および図4を用いて、マスク3の開口パターンおよび9視点の立体画像表示の原理について説明する。
【0026】
横レンチキュラーレンズ2を構成するシリンドリカルレンズ部はそれぞれ、ディスプレイ1上のp(=3)行分の画素水平列に対応し、図4では、この3行の画素水平列に対応するシリンドリカルレンズ部のみを表示している。垂直方向に関しては、ld1、ld2、ld3の3つの画素水平列からの表示光はそれぞれ、横シリンドリカルレンズ2によりマスク3上のlm1、lm2、lm3の開口部(図3では、3aとして示す)の水平列(以下、開口水平列という)上に結像される。
【0027】
画素水平列ld1におけるD1からD9までの画素から発せられた表示光は、横レンチキュラーレンズ2により、マスク3上の開口水平列lm1に集められ、開口水平列lm1上にある開口部31を通る表示光のみが観察面に到達する。この際、D1からD9までの画素から発せられた表示光は観察面の観察位置E1からE9にそれぞれ到達し、それ以外の観察位置には、マスク3における開口部以外の部分である遮光部によって遮られて到達することはない。
【0028】
画素水平列ld2上のD1からD9までの画素は、図2および図4に示すように、3(=q)画素分、画素水平列ld1上のD1からD9までの画素に対して水平方向にずれている。そして、画素水平列ld2上のD1からD9までの画素から発せられた表示光は、横レンチキュラーレンズ2により、マスク3上の開口水平列lm2に集められ、この開口水平列lm2上にある開口部32を通る表示光のみが観察面に到達する。開口部32の水平方向の位置は、後で詳しく説明するように、所定量だけ開口部31に対してずれており、画素水平列ld2上のD1からD9までの画素から発せられた表示光は、開口部32を通ってそれぞれ観察面の観察位置E1からE9に到達し、それ以外の観察位置にはマスク3の遮光部によって遮られて到達することはない。
【0029】
同様に、画素水平列ld3上のD1からD9までの画素も、3(=q)画素分、画素水平列ld2上のD1からD9までの画素に対して水平方向にずれている。そして、画素水平列ld3上のD1からD9までの画素から発せられた表示光は、横レンチキュラーレンズ2によりマスク3上の開口水平列lm3に集められ、開口水平列lm3上にある開口部33を通る表示光のみが観察面に到達する。開口部33の水平方向位置は所定量だけ開口部32に対してずれており(これにより開口部31,32,33は互いに水平方向にずれて配置されていることになる)、画素水平列ld3上のD1からD9までの画素から発せられた表示光は、開口部33を通ってそれぞれ観察面の観察位置E1からE9に到達し、それ以外の観察位置には、マスク3の遮光部によって遮られて到達することはない。
【0030】
図5から図7には、本実施形態の立体画像表示装置における水平方向の光束に対する作用をさらに詳しく示している。図5、図6および図7はそれぞれ、図4における画素水平列ld1と開口水平列lm1、画素水平列ld2と開口水平列lm2および画素水平列ld3と開口水平列lm3を通る平面によって切断した切断面を表しており、共通する構成要素には図4と共通の符号を付している。
【0031】
本実施形態は、この切断面内では、通常の9視点のパララクスバリア方式と同様な作用をする。
【0032】
図5において、ディスプレイ1上の画素水平列ld1における一連の領域111に配置されたD1からD9までの画素からの表示光は、マスク3の開口部31−1を通り、観察面4上の一連の領域41−1内において対応するE1からE9までの観察位置に到達し、対応しない観察位置にはマスク3の遮光部によって遮られて到達できない。
【0033】
同様に、画素水平列ld1における一連の領域112に配置されたD1からD9までの画素からの表示光は、マスク3の開口部31−2を通り、観察面4上の一連の領域41−2内において対応するE1からE9までの観察位置に到達し、対応しない観察位置にはマスク3の遮光部によって遮られて到達できない。
【0034】
ディスプレイ1上の領域111の各画素から発してマスク3の開口部31−1以外の開口部、例えば開口部31−2を通った光は、観察面上における領域41−1とは異なる(つまりは、本来対応しない)領域41−2で、領域41−1での視点位置E1からE9と同じ配列となっている一連の領域41−2内の観察位置E1からE9に到達する。なお、開口部31−1および開口部31−2以外の開口部を通った表示光も観察面4上の他の領域内の同様な観察位置に到達する。
【0035】
こうしてディスプレイ1上の9視点に対応するD1からD9の各画素からの光束は、観察面4における領域41−1内のE1からE9の観察位置にそれぞれ到達すると同時に、観察面4における領域41−1以外の領域内のE1からE9の観察位置にそれぞれ到達する。
【0036】
すなわち、結果として観察面4上には、ディスプレイ1の画素水平列lm1におけるD1からD9の各画素からの光束がそれぞれ到達する、E1からE9までの9つの観察位置(9視点)が水平方向に繰り返し形成される。
【0037】
図6および図7に示したディスプレイ1上の画素水平列ld2、ld3およびマスク3上開口水平列lm2、lm3を通る面での切断面においても、ディスプレイ1のD1からD9の各画素からの光束は、観察面4上のE1からE9の観察位置にそれぞれ到達し、図5で説明した切断面における状態と同じように観察面4上にはE1からE9までの9つの観察位置が水平方向に繰り返し形成される。
【0038】
図8には、図5から図7までの切断面を相互に重ねて表示しており、ディスプレイ1の3つの画素水平列ld1,ld2,ld3は、互いに前後方向にずらして示している。
【0039】
ここで、図5から図7および図8を用いて、立体画像表示に関する水平方向のパラメータ間の関係式について説明する。なお、この関係式では、視点数をr=p・qと一般化した関係式とする。また、図8において、横レンチキュラーレンズ2の図示は省略している。
【0040】
ディスプレイ1の水平画素ピッチをHd、マスク3における同じ開口水平列の開口部と開口部の間隔をHm、開口部の水平方向の幅をHm_open、開口水平列が垂直方向に1つ異なるごとの開口部の水平方向ずれ量をHm_dis、ディスプレイ1とマスク3間の空気換算距離をL1、マスク3と観察面4間の空気換算距離をL0、D1とDr(本実施例ではr=9)の画素に対応する観察位置E1とErの分離幅をE、各観察位置E1〜Erの水平幅をHeとすると、基礎的な幾何学の関係を用いることにより、
(r−1)・Hd:(r−1)・He=L1:L0 ・・・(h1)
r・Hd:Hm=L1+L0:L0 ・・・(h2)
He・(r―1)=E ・・・(h3)
Hm_dis:Hd・q=L0:L1+L0 ・・・(h4)
の4つの関係式h1〜h4が成り立つ。
【0041】
さらに、D1〜Drの画素からの表示光がそれぞれ、観察面4において観察位置E1〜Er内に収まり、隣の観察位置に漏れないための条件は、上記h1〜h4に加え、
kd・Hd:He=L11:L12+L0 ・・・(h5)
kd・Hd:Hm_open=L11:L12 ・・・(h6)
L11+L12=L1 ・・・(h7)
を満足することが必要である。
【0042】
ここで、L11,L12は、ディスプレイ1上の各画素の有効部(画素の水平方向開口率をkdとすると幅kd・Hd)の両端と、観察面4上の1つの視点に対応する観察位置の両端(幅He)とを結んだ直線が交わる点までのディスプレイ1からの光学換算距離とマスク3からの光学換算距離である。
【0043】
この関係式を、独立変数をL0,Hd,E,kdおよびp,q,r(=p・q)として解くと、
L1=Hd・L0・(r−1)/E
He=E/(r−1)
Hm=r・Hd・E/((r−1)・Hd+E)
Hm_dis=E・Hd・q/((r−1)・Hd+E)
Hm_open=(1−kd)・Hd・E/((r−1)・Hd+E)
となる。
【0044】
例えば、Hd=0.3mm、kd=0.7、L0=600mm、p=3、q=3、r=9、E=200mmとすれば、
L1=7.2mm
He=25mm
Hm=2.668mm
Hm_dis=0.889mm
Hm_open=0.0889mm
となる。
【0045】
次に、本実施形態における横レンチキュラーレンズ2の働きを説明する。本実施例は、ディスプレイ1の各画素水平列からの表示光をマスク3における対応する開口水平列に導き、列ごとに開口部の水平方向位置がずれた開口水平列によって、画素ブロック内にマトリクス状に配置されたD1からD9の画素からの光を、観察面4上に水平方向に並んだ縦ストライプ状の9個の領域(9個の観察位置)を形成するように導くものである。
【0046】
各画素水平列から発した表示光がマスク3上の対応しない開口水平列に漏れ込むとクロストークが発生する。横レンチキュラーレンズ2は、このクロストークの発生を防ぐための制限部材としての働きをする。
【0047】
図9は、本実施形態の立体画像表示装置の垂直断面図であり、これまでの図に示した構成要素と共通する構成要素には同一の符号を付している。
【0048】
横レンチキュラーレンズ2は、垂直方向にのみパワーを有し、水平方向にはパワーを有しないシリンドリカルレンズ部を複数垂直方向に並べて構成されている。本実施形態では、水平方向にq=3、垂直方向にp=3のサイズを有する画素群がディスプレイ1上に表示されるため、1つのシリンドリカルレンズ部は、垂直方向に関し、ディスプレイ1上にて垂直方向に並んだ3(=p)列の画素水平列に対応して設けられる。これにより当該3列の画素水平列から発せられた光をマスク3上において対応する3列の開口水平列上に、垂直方向に関して結像させる働きを有する。
【0049】
これにより、ディスプレイ1上の各画素水平列から発せられた表示光は、マスク3上においてそれぞれ対応する開口水平列に導かれる。
【0050】
図9に示した画素水平列101(ld1),102(ld2),103(ld3)から発せられて、横レンチキュラーレンズ2の対応するシリンドリカルレンズ部201に入射した光束は、マスク3にて対応する開口水平列301(lm1),302(lm2),303(lm3)上に結像される。
【0051】
その他の画素水平列から発せられた光も同様に、それぞれマスク3上にて対応する開口水平列上に結像される。
【0052】
また、後で説明するディスプレイ1、横レンチキュラーレンズ2およびマスク3の間隔とこれら3つの構成要素の水平方向ピッチとの間の条件を満足すれば、例えば、画素水平列111(ld1)から発せられて横レンチキュラーレンズ2においてその画素水平列111に対応しないシリンドリカルレンズ部203に入射した光束も、マスク3上における、画素水平列111には対応しないが画素水平列ld1(画素水平列111と同一の画素配置を持つの画素水平列)には対応するように、同一の開口配置をもつ開口水平列311上に集光され、立体画像表示に問題が生じることがない。つまり、画素水平列111から発せられた表示光が、画素水平列ld1に対応しない開口水平列312,313などに入射して、本来到達すべき観察位置以外の観察位置に達することはない。
【0053】
次に、図9を用いて、立体画像表示に関する垂直方向のパラメータ間の関係式について説明する。なお、この関係式では、視点数をr=p・qと一般化した関係式とする。
【0054】
ディスプレイ1と横レンチキュラーレンズ2の間の空気換算距離をLv1、横レンチキュラーレンズ2とマスク3の間の空気換算距離をLv2とすると、
Vd:Vm=Lv1:Lv2 ・・・(v1)
2・p・Vm:VL=Lv1+Lv2:Lv1 ・・・(v2)
1/fv=1/Lv1+1/Lv2 ・・・(v3)
が成り立つ。
【0055】
また、既に述べた立体画像表示に関する水平方向のパラメータと垂直方向のパラメータを結ぶ関係式としては、ディスプレイ1とマスク3の位置に関して、
Lv1+Lv2=L1 ・・・(v1)
の関係がある。
【0056】
なお、横レンチキュラーレンズ2を構成するシリンドリカルレンズ部は通常、収差を持っているため、各画素水平列から発せられて開口水平列上で結像する像がぼけて、上下の開口水平列に漏れ込み、クロストークを起こすおそれがある。これに関しては、マスク3の開口部の垂直方向の開口率をやや小さくして、上下の開口水平列への光の漏れ込みを防ぐことが可能である。
【0057】
(実施形態2)
上記実施形態1では、モノクロタイプのディスプレイ1を用いた方式について説明したが、本発明は、1画素をRGBの3色のサブ画素(sub pixel)により構成したカラータイプのディスプレイを用いる場合にも適用することができる。但し、RGBのサブ画素を第1実施形態のディスプレイのようにそのまま縦ストライプ状に配列すると、観察面でいわゆる色割れ(色分離)を生じる可能性がある。
【0058】
色割れを防ぐためには以下のように構成に変更を加えればよい。すなわち、ディスプレイ上の各画素ブロックにおいて、視点数(画素ブロック中の異なる視点に対応する画素)r=p・qの行数pを色分割数c(多くの場合は、RGBに対応する3である)の整数倍とし、かつ列数qを色分割数cの整数倍でないように設定する。
【0059】
また、視点の割り当ては、第1実施形態のような画素単位ではなく、色表示の分割を含めたサブ画素単位で行う。
【0060】
図10は、p=6、q=2、r=12である12視点の立体画像表示を、RGBのサブ画素を縦ストライプ状に配列したカラーディスプレイに関して行う際、各サブ画素に、12視点に対応する原画像をどのように表示するかを示す図である。
【0061】
本実施形態では、前述したように、視点の割り当ては、画素単位ではなく、色表示の分割を含めたサブ画素単位で行い、視点(観察位置)数が6・2=12とした以外は、原画像の画素への割り当ておよびそれに対応するマスクの開口位置については第1実施形態と同様である。
【0062】
つまり、ディスプレイ1’において、各画素水平列にはD1からD12までのサブ画素をこの順で循環的に繰り返し配置し、画素水平列が垂直方向に1列異なるごとに2(=q)個のサブ画素分、D1からD12までのサブ画素が水平方向にずれ、かつ垂直方向に6(=p)列異なるごとに同じサブ画素配列となるようにしている。
【0063】
これにより、図中に点線で囲んだ、D1からD12までの12個のサブ画素を6個(行)×2個(列)のマトリクス状に配置した画素ブロックが形成され、この画素ブロックを垂直方向および水平方向に複数配置したかたちにディスプレイ1’が形成されている。
【0064】
但し、各画素ブロックにおける上記12個のサブ画素の配置は、D1,D2のサブ画素とD3,D4のサブ画素とD5,D6のサブ画素とD7,D8のサブ画素とD9,D10のサブ画素とD11,D12のサブ画素のうち、D1,D2のサブ画素が最上行となるもの、D3,D4のサブ画素が最上行となるもの、D5,D6のサブ画素が最上行となるもの、D7,D8のサブ画素が最上行となるもの、D9,D10のサブ画素が最上行となるもの、およびD11,D12のサブ画素が最上行となるものがある。
【0065】
そして、これら複数の画素ブロックのそれぞれにおける1つずつのサブ画素(つまりは、D1のサブ画素群、D2のサブ画素群、D3のサブ画素群、D4のサブ画素群、D5のサブ画素群、D6のサブ画素群、D7のサブ画素群、D8のサブ画素群、D9のサブ画素群、D10のサブ画素群、D11のサブ画素群およびD12のサブ画素群)を用いて上記12視点に対応する12個の画像が表示される。
【0066】
ここで、上記各サブ画素群には、RGBの3色用のサブ画素(例えば、D1r,D1g,D1b)が含まれており、上記複数の画素水平列のうち最も上の行の画素水平列および上から4番目の画素水平列に含まれるD1,D2のサブ画素がそれぞれ赤色用サブ画素D1r,緑色用のサブ画素D2gであれば、2番目および5番目の画素水平列に含まれるD1,D2のサブ画素がそれぞれ青色用サブ画素D1b,赤色用サブ画素D2rであり、3番目および6番目の画素水平列に含まれるD1,D2のサブ画素がそれぞれ緑色用のサブ画素D1g,青色用サブ画素D2bであるというように、画素水平列が1列異なるごとにサブ画素が発する光の色が異なっている。
【0067】
これにより、図10に示すように、例えば、観察位置E1に対応するRGBの各色を表示するD1のサブ画素D1r,D1g,D1bは互いに近接して配置され、1つのカラー画像が表示可能となるとともに、これらのサブ画素からの表示光が観察面の同一の観察位置E1に到達することより色分離が観察面で生じないようになる。なお、他の観察位置に到達する光を発する画素についても同様である。
【0068】
また、横レンチキュラーレンズ(図示せず)を構成するシリンドリカルレンズ部は、ディスプレイ1’の上記6(=p)つの画素水平列からの表示光をマスク(図示せず)上にて対応する6つの開口水平列上に結像させるように構成する。
【0069】
なお、第1実施形態にて説明した関係式はすべてp=6、q=2、r=12とした場合でも成り立っている。
【0070】
(実施形態3)
本発明は、画像表示ユニット(ディスプレイ)において画素配列の順番を互いにずらした各画素水平列に対してマスクにおける開口部の配置パターンを対応させ、各画素水平列の画素の水平方向位置が同じでも水平列が異なれば、観察面上の異なった観察位置に表示光を導くものである。そして、画像表示ユニットにおいてマトリクス状に配置した画素ブロックの各画素からの表示光の各観察位置への振り分けをマトリクス状に行って、水平方向および垂直方向のどちらか一方の解像度の劣化を他の方向にも振り分けて緩和するものである。
【0071】
従って、実施形態1で説明した画素からの表示光の観察位置への振り分けは、幾つかの異なった方法で行うことが可能であり、本実施形態および次の実施形態4で実施形態1とは異なる表示光の振り分け方法について説明する。
【0072】
本実施形態では、実施形態1と異なる点について重点的に説明する。本実施形態の立体画像表示装置は、図11に示すように、実施形態1とは異なる画素配列がなされたディスプレイ11と、実施形態1と同様の横レンチキュラーレンズおよび実施形態1とは開口部の配置パターンが異なる、図12に示すマスク13により構成されている。
【0073】
図11には、p=3、q=3、r=9の場合のディスプレイ11上での画素配置を示している。
【0074】
実施形態1では、図2に示したように、画素水平列が異なるごとに列の数qである3画素ずつ水平方向位置をずらした場合について説明したが、本実施形態では、1番目の画素水平列(ld1)と2番目の画素水平列(ld2)とは2画素分、2番目と3番目の画素水平列(ld2,ld3)は4画素、さらに3番目と1番目の画素水平列(ld3,ld1)は3画素ずれるようにD1からD9の画素を配置し、以後このパターンを繰り返すようにしている。
【0075】
これにより、図中に点線で囲んだ、D1からD9までの9(=3×3)個の画素を含む画素ブロックが形成され、この画素ブロックを垂直方向および水平方向に複数配置したかたちにディスプレイ11が形成されている。
【0076】
このような画素の水平方向位置のずらし方をしても、マスク3上の開口部の配置パターンを第1実施形態とは異ならせることにより、各画素からの表示光をそれぞれ対応する観察位置に導くことができる。
【0077】
図12は、本実施形態におけるマスク13の開口部の配置パターンを表す正面図である。画素水平列ld1に対応するマスク13の開口水平列lm1と、画素水平列ld2に対応する開口水平列lm2との水平方向のずれ量dis1は、1つの開口水平列における開口部間の水平間隔Hmに対して、Hm/9×2、同様に開口水平列lm2の開口部と開口水平列lm3の開口部とのずれ量dis2は、Hm/9×4、開口水平列lm3の開口部と開口水平列lm1の開口部とのずれ量dis3は、Hm/9×3であり、以後このパターンが繰り返される。ここで9=r=p・qである。
【0078】
このように立体画像表示装置を構成した場合、画面全体として同一観察位置に対応する画素配列が非対称的になり、解像度の低下をさらに目立たせなくする可能性がある。
【0079】
なお、本実施形態においては、第1実施形態にて説明した関係式のうち、開口部の水平方向ずらし量に関するh4式以外の関係式はすべて成り立っている。
【0080】
(実施形態4)
上記実施形態1〜3では、r=p・q個の視点(観察位置)に対する原画像を水平方向に並んだr個の画素により表示する場合について説明したが、これらとは異なる構成も可能である。なお、本実施形態でも、実施形態1〜3と異なる点について重点的に行う。
【0081】
図13には、本実施形態の立体画像表示装置の構成を示しており、他の実施形態と共通する構成要素には同一の符号を付す。
【0082】
本実施形態の立体画像表示装置も、ディスプレイ21と、横レンチキュラーレンズ2と、マスク23とを用いて構成されている。
【0083】
本実施形態においても、ディスプレイ21上の画素水平列ld1,ld2,ld3は、横レンチキュラーレンズ2により、マスク23上のそれぞれ対応する開口水平列lm1,lm2,lm3上に結像される。
【0084】
図14には、本実施形態のディスプレイ21における、p=3、q=3、r=9の場合の画素配列を示している。
【0085】
本実施形態では、画素水平列ld1上では、D1〜D9の画素のうちD1の画素を含む3(=p)画素おきの3(=q)個の画素、すなわちD1,D4,D7をこの順番で循環的に繰り返し配置し、画素水平列ld2は、D1〜D9の画素のうちD2の画素を含む3画素おきの3個の画素、すなわちD2,D5,D8をこの順番で循環的に繰り返し配置している。さらに、画素水平列ld3では、D1〜D9の画素のうちD3の画素を含む3画素おきの3個の画素、すなわちD3,D6,D9をこの順番で循環的に繰り返し配置している。
【0086】
つまり、観察位置の数をr(整数)としたときに、垂直方向におけるp(整数)列の単位で、第1から第rの画像を表示する第1から第rの画素のうち互いに異なるq(整数)個の画素が所定の順番で循環的に配置されている。
【0087】
これにより、図中に点線で囲んだ、D1からD9までの9個の画素を3個(行)×3個(列)のマトリクス状に配置した画素ブロックが形成され、この画素ブロックを垂直方向および水平方向に複数配置したかたちにディスプレイ21が形成されている。
【0088】
図15、図16および図17はそれぞれ、本実施形態の立体画像表示装置の、画素水平列ld1と開口水平列lm1、画素水平列ld2と開口水平列lm2および画素水平列ld3と開口水平列lm3を含む面で切断した構成および立体画像表示の原理を示している。なお、これらの図において、横レンチキュラーレンズ2の図示は省略している。
【0089】
図15において、画素水平列ld1上の領域211内の画素D1,D4,D7からの表示光は、マスク23の開口部31−1を通り、観察面4上にてそれぞれ対応する領域41−1におけるE1,E4,E7の観察位置に到達する。
【0090】
後で詳しく説明するように、ディスプレイ21の画素の開口率kdおよびマスク23の開口幅Hm_openを適正に選ぶことにより、画素D1,D4,D7からの表示光は観察面4上にて対応する観察位置E1,E4,E7以外の観察位置にはマスク23の遮光部に遮られて到達できない。
【0091】
画素水平列ld1上の領域211以外の領域内の画素D1,D4,D7からの表示光も、マスク23の開口部を通って、それぞれ対応する観察位置E1,E4,E7に到達し、それ以外の観察位置には到達しない。
【0092】
図16および図17に示すように、画素水平列ld2,ld3上においてそれぞれ観察位置E2,E5,E8およびE3,E6,E9に対応する画素D2,D5,D8および画素D3,D6,D9は、それぞれマスク23において対応する開口水平列lm2,lm3内の水平方向位置が互いにずれた開口部を通って観察位置E2,E5,E8およびE3,E6,E9に到達し、それ以外の観察位置には到達することはない。
【0093】
ここで、図15を用いて更に詳しく説明する。画素D1と画素D7の画素中心間の距離は、(q−1)・Hdに対応する2・Hdであり、これによる観察面4での両画素D1,D7からの分離幅Eは、各観察位置の幅をHeとしたとき(r−p)・Heに相当する6・Heである。
【0094】
Heは、r視点の分離幅Eと、
E=(r−1)・He ・・・(h100)
によって関係づけられており、本実施形態の場合、E=8・Heである。
【0095】
このとき、
(q−1)・Hd:(r−p)・He=L1:L0 ・・・(h101)
が成立しており、マスク23の開口部間の間隔Hmは、
q・Hd:Hm=L1+L0:L0 ・・・(h102)
の関係を満たす。
【0096】
さらに、画素D1からの表示光が観察面4において、観察位置E1内に収まり、隣の観察位置に漏れないための条件は、
kd・Hd:He=L11:L12+L0 ・・・(h103)
kd・Hd:Hm_open=L11:L12 ・・・(h104)
L11+L12=L1 ・・・(h105)
である。
【0097】
ここでL11,L12は、ディスプレイ21上の各画素の有効部(画素の水平方向開口率をkdとすると幅kd・Hd)の両端と、観察面4上での1つの観察位置の両端(幅He)とを結んだ直線が交わる点までのディスプレイ21からの光学換算距離とマスク23からの光学換算距離である。
【0098】
式h100から式h105を解くと、
L1=Hd・L0・(r−1)/(p・E)
He=E/(r−1)
Hm=Hd・E・r/(Hd・(r−1)+p・E)
Hm_open=Hd・E・(1−kd・p)/(Hd・(r−1)+p・E)
となる。
【0099】
これらの式を満足していれば、図15に示した画素D1,D4,D7からの表示光は、9視点に対応するE1からE9の観察位置のうち、観察位置E1,E4,E7にだけそれぞれ到達し、それ以外の観察位置に到達することはない。
【0100】
また、図16,図17に示した切断面においても同様に、画素D2,D5,D8および画素D3,D6,D9からの表示光はそれぞれ、9視点に対応するE1からE9の観察位置のうちそれぞれ対応する観察位置E2,E5,E8および観察位置E3,E6,E9にだけ到達し、それ以外の観察位置に達することはない。
【0101】
図18には、図15〜図17までの切断面を重ねて表示している。但し、ディスプレイ11における3つの画素水平列ld1,ld2,ld3は、前後方向にずらして表示している。
【0102】
図18を用いてマスク23の開口部の位置の、開口水平列lm1,lm2,lm3間でのずれ量Hm_disについて説明する。なお、図18において、横レンチキュラーレンズ2の図示は省略している。
【0103】
本実施形態においては、ディスプレイ21の画素水平列ld1における各画素に対して画素水平列ld2において水平方向位置が同じ画素は、観察位置が1つずれている。
【0104】
従って、図18における画素の1点、例えば点Bから発した光線は、その画素が画素水平列ld1上の画素であれば、観察面4では観察位置E1に到達し、それが画素水平列ld2上の画素であれば観察位置E2に達する。この2本の光線に注目すると、幾何学的に、
Hm_dis:He=L1+L0:L1 ・・・(h106)
の関係を得る。
【0105】
上記式h106を式h100からh105に加えて解くと、
Hm_dis=Hd・E/(Hd・(r−1)+p・E)=Hm/rを得る。
【0106】
図19には、本実施形態におけるマスク23の開口部の配置パターンを示している。
【0107】
(実施形態5)
図20には、本発明の第5実施形態である立体画像表示装置の構成を示している。本実施形態は、横レンチキュラーレンズを用いずに垂直方向において光束の広がる範囲を制限する水平スリット状の第2のマスクを用いる点で上記実施形態1〜4と異なる。なお、本実施形態において、上記実施形態1〜4と共通する構成要素には、同一の符号を付す。
【0108】
本実施形態の立体画像表示装置では、ディスプレイ1とマスク33の間に水平スリット状の開口部を有する第2のマスク5を設けている。本実施形態はp=3、q=3、r=9の9視点の立体画像表示装置である。
【0109】
図21は、本実施形態における垂直方向の光学作用を説明するための垂直断面図である。9視点への画素の割り当ては、実施形態1〜4にて説明した方法のどれを用いてもよい。
【0110】
第2のマスク5の水平スリット状の開口部は、ディスプレイ1の各画素水平列に対応して設けられ、各画素水平列から発せられて垂直方向にも広がる表示光の垂直方向での拡散を抑えて、各画素水平列に対応するマスク3’上の開口水平列の上下の開口水平列に表示光が入射しないようにする。
【0111】
すなわち、図21に示すように、ディスプレイ1上の一連の3つの画素水平列ld1,ld2,ld3にそれぞれ対応するマスク3’上の一連の開口水平列lm1,lm2,lm3には画素水平列ld1,ld2,ld3からの表示光がそれぞれ入射するが、上記対応する開口水平列に対して上下にて隣り合う開口水平列にはそれら表示光が入射しないように、各画素水平列および各開口水平列に対応した水平スリット状の開口部ls1,ls2,ls3を第2のマスク5に設ける。
【0112】
ここで、先に説明した実施形態1〜4では、横レンチキュラーレンズによりディスプレイ上の画素水平列をマスク上に結像させることにより、各画素水平列からの表示光がマスクにおける対応する開口水平列以外の開口水平列に到達するのを防いでいたために、一連の画素水平列、例えば、p=3であれば画素水平列ld1,ld2,ld3とそれらに対応するマスク上の開口水平列lm1,lm2,lm3の上下方向の順番が横レンチキュラーレンズを構成するシリンドリカルレンズ部の作用により逆転している。
【0113】
これに対し、本実施形態では、第2のマスク5を用いることにより、一連の画素水平列(例えば、ld1,ld2,ld3)の上下方向の並び順と、これら各画素水平列に対応するマスク3’上の開口水平列(例えばlm1,lm2,lm3)の上下方向の並び順とが一致する。
【0114】
これにより、垂直方向に関して、マスク3’の開口水平列lm1,lm2,lm3の配列順が実施形態1〜4でのマスクとは異なるが、これは単に実施形態1〜4でのマスクの開口水平列を上下方向に並べ替えたものに過ぎず、マスク3’の開口部の配置パターンについての水平方向の関係式は、実施形態1〜4にて説明したものがすべて成り立つ。
【0115】
(実施形態6)
図22には、本発明の実施形態6である立体画像表示装置の構成を示している。本実施形態は、実施形態3と類似する点が多く、ここでの説明は実施形態3と異なる点を重点的に行う。
【0116】
本実施形態では、ディスプレイ11’として透過型の画像表示ユニット、例えば透過型LCDを用いている。バックライトパネル6とLCD11’との間には、LCD11’上の画素水平列に入射するバックライトパネル6からの照明光の上下方向の拡散を抑えるための2枚の水平スリット状の開口部を持つ第2のマスク(制限部材)5−1,5−2が配置されている。
【0117】
LCD11’の前面には、第3実施形態と同様なマスク13’が設けられ、このマスク13’は、LCD11’上の各画素水平列での画素の配置に対応する開口部の配置パターンを持った開口水平列を有する。
【0118】
バックライトパネル6からの照明光は、水平スリット状の開口部を持つ第2および第3のマスク5−1,5−2によって上下方向の広がり制限を受けてLCD11’に入射するが、この入射した照明光はLCD11’を透過する際にLCD11’の画素構造によって若干拡散する。
【0119】
しかし、本実施形態では、LCD11’とマスク13’との間隔が十分短いため、マスク13’において、各画素水平列からその画素水平列に対応する開口水平列以外の開口水平列に入射する光束は少なく、クロストークなどの問題は生じない。
【0120】
なお、本発明が解決せんとするLCDの画素構造による拡散に起因する観察面でのクロストークは、立体画像表示のための水平方向の表示光の方向づけを透過型ディスプレイに入射する照明光の方向づけによって行う場合に、方向づけられた照明光が透過型ディスプレイの画素構造により散乱を受けた後、ディスプレイ面から観察面までの比較的長い距離、例えば600mm程度を進むうちに散乱による光線の角度の変化が観察面において大きな水平方向の位置ずれとなり、設定された観察位置からずれるために生ずるものであるが、本実施形態はこの場合と異なるものである。
【0121】
また、図22中の第2のマスク5−1,5−2を、図1等に示した横レンチキュラーレンズ2に置き換えても良好な観察が可能であり、更に光の利用効率を利用効率を高めることができる。
【0122】
第2のマスク5−1,5−2又は、上記横レンチキュラーレンズ等の、光の上下方向の広がりを制限する部材を光源と表示装置間に設置することで、透過型表示装置を用いた場合であっても、当該表示装置における光の散乱に起因するクロストークの発生を有効に抑制することが出来る。
【0123】
(第7実施形態)
本実施形態では、特に横レンチキュラーレンズを構成する1つのシリンドリカルレンズが1行の画素水平列に対応し,該画素水平列からの表示光をマスクの1水平列の上に、垂直方向に結像する構成について説明する。
【0124】
第1実施形態等においては,視点数がrであって、表示装置上に配置される各視点に対応する画素配置のマトリックスをr=p(行)・q(列)と見なした場合,横レンチキュラーレンズを構成する1つのシリンドリカルレンズの幅はp行の画素水平列に対応する構成について説明した。この場合には、1つのシリンドリカルレンズに対応したp行の画素水平列からの表示光は、当該シリンドリカルレンズにより、それぞれ対応するp行のマスクの水平開口列上に垂直方向に結像していた。これに対し、本実施例では,1行の画素水平列に対応したシリンドリカルレンズを設け,該画素水平列からの表示光をマスクの1水平列の上に垂直方向に結像する構成について説明する。
【0125】
本実施形態では、第1実施形態と異なる点について重点的に説明する。本実施形態に係る立体画像表示装置についても、図1に示した立体画像表示装置と同様に、所定の画素配列がなされたディスプレイ1と、当該ディスプレイの画素水平列に対応したシリンドリカルレンズが垂直方向に配置された横レンチキュラーレンズ2、及び前記ディスプレイ上の画素配置などを考慮して決定される開口部の配置パターンを有するマスク3により構成される。ここで本実施形態においては横レンチキュラーレンズ2を構成する各シリンドリカルレンズが、各画素水平列に対してそれぞれ個別に設けられる点で特徴を有する。
【0126】
図23は、本実施形態で用いるディスプレイに表示される、各視点に対応する画像を表示する画素の配列の一例を示す図である。本実施形態においては、横レンチキュラーレンズの各シリンドリカルレンズは1画素水平列に対応するため、各シリンドリカルレンズの垂直方向の幅は各マトリックスに含まれる行数(p)には関係しない。しかし、後に説明するように、各観察位置に対応する画像の混合を防ぐために、本発明に係る立体画像表示装置の各構成要素の位置関係によって決定されるマトリックス形状に各視点に対応する画素を配置することが好ましい。
【0127】
図23では、視点数r=8に対して、p=2、q=4と見なされるマトリックス配置が成されている。つまり、画素水平列が異なるごとに4(=q)画素ずつ水平方向に位置をずらし、垂直方向には2(=p)画素水平列を1つのユニットとしてマトリックス配置が成されている。言い換えれば、図23内のld1とld2のように、1水平列おきに同じ画素配列を持った画素水平列が繰り返し配置されている。
【0128】
図24は,本実施例におけるマスクの開口パターンを示す図である。マスク上の水平列の内、lm1上の開口は,図23内の画素水平列ld1の画素からの表示光を画素の視点に対応する観察面での観察位置に導く位置に配置される。また、lm2上の開口は,画素水平列ld2の画素からの表示光を画素の視点に対応する観察面での観察位置に導く位置に配置される。図23に示したように、ディスプレイ上の画素水平列ld1とld2は交互に配置されるため、それぞれに対応する開口パターンを持つ水平開口列lm1とlm2が交互に繰り返されている。また、画素水平列ld1とld2では対応する画素が水平方向にずれて配置されるため、水平開口列lm1上の開口の位置とlm2上の開口の位置は,水平方向にずれている。
【0129】
図25〜図27は、ディスプレイ上の各画素とマスク上の開口、及び観察位置の関係をそれぞれ示す図である。図25は、図23中の画素水平列ld1と図24中の水平開口列lm1に対応する水平断面図である。また、同様に図26は,画素水平列ld2と水平開口列lm2に対応する水平断面図である。図27は,図25と図26を重ねて示した図である。
【0130】
画素水平列ld1,ld2とそれぞれに対応するマスクの画素水平列lm1,lm2を各図に示したように配置することにより,どちらの画素水平列と画素水平列の組においても観察位置E1からE8に対応する視差画像を示す画素からの表示光がそれぞれ観察位置E1からE8にのみ到達し,8視点の立体画像観察が可能なことが分かる。
【0131】
図28は,本実施形態における横レンチキュラーレンズの作用を説明する垂直断面図である。横レンチキュラーレンズを構成する個々のシリンドリカルレンズは各々1つの画素水平列に対応し,該画素水平列を対応する開口水平列に垂直方向に結像する。図28において,横レンチキュラーレンズを構成するシリンドリカルレンズ203には,画素水平列111とマスクの水平開口列311が対応し,シリンドリカルレンズ203は,画素水平列111をマスクの水平開口列311に垂直方向に結像している。また画素水平列111は,画素水平列ld1の画素配列を持ち,マスクの水平開口列311は水平開口列lm1の開口パターンを持つ。
【0132】
図28においては、先に説明したように画像水平列と開口水平列は一つおきに同じ配列のものが配置され、また第1実施形態で説明した関係と同様に、ディスプレイ上に画素が配置される面と横レンチキュラーレンズの距離(Lv1)と横レンチキュラーレンズとマスク間の距離(Lv2)の比と、画像水平列と開口水平列の幅の比率が関連づけて配置されている。このため、画像水平列111から、本来対応しないシリンドリカルレンズであるシリンドリカルレンズ201に入射した光は、当該シリンドリカルレンズ201の作用によりマスクの水平開口列301に垂直方向に結像する。この時、開口水平列301もlm1の開口パターンを持つため、結果的にシリンドリカルレンズ201及び203のいずれに入射した光線も画像水平列ld1に対応したマスクの水平開口列lm1に入射し,所定の観察位置に到達する。同様に各画素水平列からの光は横レンチキュラーレンズを構成するどのシリンドリカルレンズに入射しても該各画素水平列の視差画像の配列のパターン(ld1,ld2)に対応したマスクの開口水平列(lm1,lm2)に垂直方向に結像し,各観察位置に対応した画像同士の混合が生じることが無く、立体画像表示が正常に行われる。
【0133】
以上のように、横レンチキュラーレンズを構成するシリンドリカルレンズを一つの画像水平列に対応させることで、各画素水平列から対応する水平開口列への光路の対応付けを精密に行うことにより、各観察位置に対応した画像間の混合が効果的に防止可能となり、またカラー表示を行う際に発生する色分離を軽減することができる。
【0134】
また、以上説明した各実施形態では、ディスプレイの画素配列が所謂縦ストライプ状のものを用いているが、本発明は、このような縦ストライプ状の画素配列以外の画素配列を持つディスプレイを用いる場合にも適用することができる。
【0135】
例えば、図29に示すような画素配列を持つディスプレイ41を用いることもできる。すなわち、各画素水平列を構成する画素の水平方向位置が、上下にて隣り合う画素水平列を構成する画素の水平方向位置に対して1画素の半分に相当する量ずれている、いわゆるデルタ状の画素配列を持つディスプレイである。
【0136】
さらに、上記各実施形態では、画像表示ユニット(ディスプレイ)の各画素水平列に対してマスクの開口水平列を対応させることにより、各画素水平列の画素の水平方向位置が同じでも垂直方向の位置が異なれば、観察面上における異なる観察位置に表示光を導き、結果として各画素からの表示光の各観察位置への振り分けをマトリクス状に行って、水平方向および垂直方向のどちらか一方の解像度の劣化を他の方向にも振り分けて緩和するものである。
【0137】
つまり、各画素水平列での画素配列に対応するように開口部の配置パターンを変えたマスクの開口水平列を垂直方向に配置することにより、画像表示ユニットの画素配列が水平方向にずれていても、上記各実施形態で説明したすべての方法は若干の開口部のパターンの変更で成り立つ。
【0138】
【発明の効果】
以上説明したように、上記各実施形態によれば、透過型画像表示ユニットに限らず自由に画像表示ユニットを選定でき、また、散乱性の強い透過型画像表示ユニットを用いる場合でも、観察面でのクロストークが生じない多視点タイプの立体画像表示装置を実現することができる。
【0139】
さらに、カラー表示を行う際に、観察面での色分離を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1である立体画像表示装置の構成を示す斜視図。
【図2】上記実施形態1の立体画像表示装置に用いられるディスプレイの画素配置を示す正面図。
【図3】上記実施形態1の立体画像表示装置に用いられるマスクの開口部配置を示す正面図。
【図4】上記実施形態1の立体画像表示装置における画素からの表示光が観察位置に到達するまでの光路を示す斜視図。
【図5】図4の立体画像表示装置の画素水平列ld1と開口水平列lm1とを通る面での断面図。
【図6】図4の立体画像表示装置の画素水平列ld2と開口水平列lm2とを通る面での断面図。
【図7】図4の立体画像表示装置の画素水平列ld3と開口水平列lm3とを通る面での断面図。
【図8】上記実施形態1の立体画像表示装置における画素水平列ld1,ld2,ld3からの表示光が観察位置に到達する様子を示す平面図。
【図9】上記実施形態1の立体画像表示装置の垂直断面図。
【図10】本発明の実施形態2である立体画像表示装置に用いられるカラーディスプレイのサブ画素配置を示す正面図。
【図11】本発明の実施形態3である立体画像表示装置に用いられるディスプレイの画素配置を示す正面図。
【図12】上記第3実施形態の立体画像表示装置に用いられるマスクの開口部の配置を示す正面図。
【図13】本発明の第4実施形態である立体画像表示装置の構成を示す斜視図。
【図14】上記実施形態4の立体画像表示装置に用いられるディスプレイの画素配置を示す正面図。
【図15】図14の立体画像表示装置の画素水平列ld1と開口水平列lm1とを通る面での断面図。
【図16】図14の立体画像表示装置の画素水平列ld2と開口水平列lm2とを通る面での断面図。
【図17】図14の立体画像表示装置の画素水平列ld3と開口水平列lm3とを通る面での断面図。
【図18】上記実施形態4の立体画像表示装置における画素水平列ld1,ld2,ld3からの表示光が観察位置に到達する様子を示す平面図。
【図19】上記実施形態4の立体画像表示装置に用いられるマスクの開口部の配置を示す正面図。
【図20】本発明の実施形態5である立体画像表示装置の構成を示す斜視図。
【図21】上記実施形態5の立体画像表示装置の垂直断面図。
【図22】本発明の実施形態6である立体画像表示装置の構成を示す斜視図。
【図23】本発明の実施形態7の立体画像表示装置に用いられるディスプレイの画像配置を示す正面図
【図24】上記実施形態7の立体画像表示装置に用いられるマスクの開口部配置を示す正面図
【図25】上記実施形態7の立体画像表示装置におけるディスプレイの水平画素列ld1とマスクの水平開口列lm1とを通る面での断面図
【図26】上記実施形態7の立体画像表示装置におけるディスプレイの水平画素列ld2とマスクの水平開口列lm2とを通る面での断面図
【図27】上記実施形態7の立体画像表示装置におけるディスプレイの水平画素列ld1、ld2からの表示光が観察位置に到達する様子を示す平面図
【図28】上記実施形態7の立体画像表示装置の垂直断面図
【図29】上記各実施形態に用いることが可能なデルタ型画素配列を有するディスプレイの正面図。
【符号の説明】
1,1’,11,11’,21,31,41 ディスプレイ
2 横レンチキュラーレンズ
3,3’,13,23,33 マスク
4 観察面
E1〜E12 観察位置
ld1,ld2,ld3 画素水平列
lm1,lm2,lm3 開口水平列
【発明の属する技術分野】
本発明は、立体画像表示装置に関し、特にテレビ、ビデオ、コンピューターモニタ、ゲームマシンなどにおいて立体表示を行うのに好適な立体画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
立体画像表示装置としては、例えば特開2001−211465号公報にて提案されている、いわゆる多眼方式のものがある。
【0003】
この立体画像表示装置は、画像表示ユニットに立体視される原画像を多数表示し、これら多数の原画像をそれぞれ異なる観察位置(視点)から観察できるように画像表示ユニットからの光を導き、ある観察対象物の観察位置に応じた画像が見えるようにすることで立体感を表現するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の立体画像表示装置は、以下に説明するような問題点を有する。
【0005】
問題点の一つとして、立体視される原画像を表示する画像表示ユニットとして、透過型のディスプレイを使用しなければならず、ディスプレイ選定の自由度が損なわれるという問題点を有する。
【0006】
また、透過型ディスプレイとしては、現在LCDが多く用いられているが、近年のLCDは、視野角特性を改善するために画素構造が微細化し、照明光がLCDを透過する際に大きく散乱される傾向にある。このため、多視点の立体画像表示装置にこのようなLCDを用いるためには、各画素からの表示光が所望の観察距離だけ離れた位置で各画素に対応する観察位置だけに達するように表示光の方向を規定する必要がある。
【0007】
この点、上記従来の立体画像表示装置は、透過型ディスプレイの画素を照明する照明光に方向性を与える構成となっている。しかしながら、LCDの拡散性が高まると、せっかく照明光に方向性を与えてもLCDで散乱されてしまい、観察面での表示光の到達位置がずれ、いわゆるクロストークが生じて適正な立体画像観察が行えないという問題がある。
【0008】
他の問題点として、従来の立体画像表示装置の構成では、カラー表示を行う際、LCDのカラーフィルター配列により観察面で色が分離してしまい、カラーで観察できる位置が存在しなくなるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、透過型の画像表示ユニットに限らず自由に画像表示ユニットを選定でき、また散乱性の強い透過型画像表示ユニットを使用してもクロストークが生じない多視点タイプの立体画像表示装置を提供することを目的としている。さらに、本発明は、カラー表示を行う際の色分離を防止できるようにした多視点タイプの立体画像表示装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の立体画像表示装置は、複数の水平画素列が垂直方向に設けられた画像表示ユニットであって、複数の観察位置に対応した画像をそれぞれ表示する画素を含む画素群が周期的に配置された画像表示ユニットと、前記画素からの光線のうちで所定の方向性を有する光線のみを通過させる開口部が設けられたマスク部材であって、前記開口が前記画素群に対応して水平方向に所定の周期をもって配置された水平開口列が設けられたマスク部材と、前記水平画素列のうちの所定の水平画素列からの光線が、それぞれ同一の周期性を持つ前記水平開口列にのみ到達するように光線を制限する制限部材とを有することを特徴とする立体画像表示装置であって、前記各観察位置に対応した画像を表示する画素からの光線は、前記マスク部材と前記制限部材を介して、所定の観察位置に到達することを特徴とする立体画像表示装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施形態1)
本実施形態は、視点数(観察位置数)rの立体画像表示装置に関し、さらに詳しくは、r=p個(行)・q個(列)のマトリクス状に配置した画素群をディスプレイ上に配置することによって垂直方向および水平方向の解像度の劣化をどちらかの方向に偏らないようにした立体画像表示装置に関するものである。
【0013】
ここでp及びqは1以上の整数である。特にp=1の場合には、上記マトリックスは各観察位置に対応した画像を表示する画素が横一列に配列されてなる。また、q=1の場合には、上記マトリックスは各観察位置に対応した画像を表示する画素が縦一列に配列されてなる。視点数rによっては、同一の画素配置であっても上記マトリックスのサイズとして異なるp及びqを有するものと見なすことが可能である。例えば、r=12の場合には、(p,q)=(1,12)、(2,6)、(3,4)、(4,3)、(6,2)、(12,1)などのように見なすことが可能な場合があり、それぞれに応じて、後に説明する立体画像表示装置を構成する各部分の構成が定められる。
【0014】
なお、本実施形態では、p=3、q=3、r=9の9視点の立体画像表示装置について説明する。但し、本発明におけるp,q,rの数は上記のものに限られるわけではなく、他の数を任意に選択することができる。
【0015】
図1には、本発明の第1実施形態である立体画像表示装置の構成を示している。この立体画像表示装置は、画像表示ユニットとしてのモノクロタイプのディスプレイ1と、このディスプレイ1の前面に配置された横レンチキュラーレンズ(制限部材)2と、この横レンチキュラーレンズ2の前面に配置されたマスク3とが、ディスプレイ1から観察位置(視点)E1〜E9が並ぶ観察面に向かってこの順番で配置されて構成されている。
【0016】
本実施形態は、9視点からそれぞれ異なる画像を観察可能とする立体画像表示装置であり、観察面上の9個の観察位置E1〜E9は、例えばE1からE9がこの順で右から左に並ぶものとする。なお、ここにいう観察位置は、一点を意味するものではなく、ある程度の水平方向幅を有する領域をいう。
【0017】
ディスプレイ1としては、反射型および透過型のLCDや自発光型の表示素子等、透過型のディスプレイに限らず用いることができる。
【0018】
図2には、ディスプレイ1の各画素に、9視点からそれぞれ観察される原画像をどのように表示するかを示している。D1からD9までの画素は、E1からE9までの観察位置に対応した原画像をそれぞれ表示する。
【0019】
ここで、上記原画像をディスプレイ1に表示させるための画像情報は、パーソナルコンピュータ、ビデオ、DVD等の画像情報供給装置50から立体画像表示装置のディスプレイ駆動回路51に供給され、ディスプレイ駆動回路51が入力された画像情報に基づいてディスプレイ1を駆動することによって上記原画像が表示される。
【0020】
画素の配列方法は、画素の各水平列(以下、画素水平列という)に9(=r)視点に対応するD1からD9までの画素をこの順で循環的に繰り返し配置し、画素水平列が垂直方向に1列異なるごとに3(=q)画素分だけD1からD9までの画素の水平方向位置がずれ、かつ垂直方向に3(=p)列異なるごとに同じ画素配列となるようにしている。
【0021】
これにより、図中に点線で囲んだ、D1からD9までの9個の画素を3個(行)×3個(列)のマトリクス状に配置した画素ブロックが形成され、この画素ブロックを垂直方向および水平方向に複数配置したかたちにディスプレイ1が形成されている。
【0022】
但し、各画素ブロックにおける上記9個の画素の配置は、D1〜D3の画素が最も上部に配置されるもの、D4〜D6の画素が最も上部に配置されるものおよびD7〜D9の画素が最も上部に配置されるものがある。
【0023】
そして、これら複数の画素ブロックのそれぞれにおける1つずつの画素(つまりは、D1の画素群、D2の画素群、D3の画素群、D4の画素群、D5の画素群、D6の画素群、D7の画素群、D8の画素群およびD9の画素群)を用いて上記9視点に対応する9個の画像が表示される。
【0024】
ここで、上記9個の画像は、ある観察対象物を方向(観察位置)を変えて見たときに対応する9個の画像であってもよいし、例えば、ディスプレイ1を左側から見たときに見える画像群と右側から見たときの画像群とを異なる観察対象物の画像としてもよい。
【0025】
次に、図3および図4を用いて、マスク3の開口パターンおよび9視点の立体画像表示の原理について説明する。
【0026】
横レンチキュラーレンズ2を構成するシリンドリカルレンズ部はそれぞれ、ディスプレイ1上のp(=3)行分の画素水平列に対応し、図4では、この3行の画素水平列に対応するシリンドリカルレンズ部のみを表示している。垂直方向に関しては、ld1、ld2、ld3の3つの画素水平列からの表示光はそれぞれ、横シリンドリカルレンズ2によりマスク3上のlm1、lm2、lm3の開口部(図3では、3aとして示す)の水平列(以下、開口水平列という)上に結像される。
【0027】
画素水平列ld1におけるD1からD9までの画素から発せられた表示光は、横レンチキュラーレンズ2により、マスク3上の開口水平列lm1に集められ、開口水平列lm1上にある開口部31を通る表示光のみが観察面に到達する。この際、D1からD9までの画素から発せられた表示光は観察面の観察位置E1からE9にそれぞれ到達し、それ以外の観察位置には、マスク3における開口部以外の部分である遮光部によって遮られて到達することはない。
【0028】
画素水平列ld2上のD1からD9までの画素は、図2および図4に示すように、3(=q)画素分、画素水平列ld1上のD1からD9までの画素に対して水平方向にずれている。そして、画素水平列ld2上のD1からD9までの画素から発せられた表示光は、横レンチキュラーレンズ2により、マスク3上の開口水平列lm2に集められ、この開口水平列lm2上にある開口部32を通る表示光のみが観察面に到達する。開口部32の水平方向の位置は、後で詳しく説明するように、所定量だけ開口部31に対してずれており、画素水平列ld2上のD1からD9までの画素から発せられた表示光は、開口部32を通ってそれぞれ観察面の観察位置E1からE9に到達し、それ以外の観察位置にはマスク3の遮光部によって遮られて到達することはない。
【0029】
同様に、画素水平列ld3上のD1からD9までの画素も、3(=q)画素分、画素水平列ld2上のD1からD9までの画素に対して水平方向にずれている。そして、画素水平列ld3上のD1からD9までの画素から発せられた表示光は、横レンチキュラーレンズ2によりマスク3上の開口水平列lm3に集められ、開口水平列lm3上にある開口部33を通る表示光のみが観察面に到達する。開口部33の水平方向位置は所定量だけ開口部32に対してずれており(これにより開口部31,32,33は互いに水平方向にずれて配置されていることになる)、画素水平列ld3上のD1からD9までの画素から発せられた表示光は、開口部33を通ってそれぞれ観察面の観察位置E1からE9に到達し、それ以外の観察位置には、マスク3の遮光部によって遮られて到達することはない。
【0030】
図5から図7には、本実施形態の立体画像表示装置における水平方向の光束に対する作用をさらに詳しく示している。図5、図6および図7はそれぞれ、図4における画素水平列ld1と開口水平列lm1、画素水平列ld2と開口水平列lm2および画素水平列ld3と開口水平列lm3を通る平面によって切断した切断面を表しており、共通する構成要素には図4と共通の符号を付している。
【0031】
本実施形態は、この切断面内では、通常の9視点のパララクスバリア方式と同様な作用をする。
【0032】
図5において、ディスプレイ1上の画素水平列ld1における一連の領域111に配置されたD1からD9までの画素からの表示光は、マスク3の開口部31−1を通り、観察面4上の一連の領域41−1内において対応するE1からE9までの観察位置に到達し、対応しない観察位置にはマスク3の遮光部によって遮られて到達できない。
【0033】
同様に、画素水平列ld1における一連の領域112に配置されたD1からD9までの画素からの表示光は、マスク3の開口部31−2を通り、観察面4上の一連の領域41−2内において対応するE1からE9までの観察位置に到達し、対応しない観察位置にはマスク3の遮光部によって遮られて到達できない。
【0034】
ディスプレイ1上の領域111の各画素から発してマスク3の開口部31−1以外の開口部、例えば開口部31−2を通った光は、観察面上における領域41−1とは異なる(つまりは、本来対応しない)領域41−2で、領域41−1での視点位置E1からE9と同じ配列となっている一連の領域41−2内の観察位置E1からE9に到達する。なお、開口部31−1および開口部31−2以外の開口部を通った表示光も観察面4上の他の領域内の同様な観察位置に到達する。
【0035】
こうしてディスプレイ1上の9視点に対応するD1からD9の各画素からの光束は、観察面4における領域41−1内のE1からE9の観察位置にそれぞれ到達すると同時に、観察面4における領域41−1以外の領域内のE1からE9の観察位置にそれぞれ到達する。
【0036】
すなわち、結果として観察面4上には、ディスプレイ1の画素水平列lm1におけるD1からD9の各画素からの光束がそれぞれ到達する、E1からE9までの9つの観察位置(9視点)が水平方向に繰り返し形成される。
【0037】
図6および図7に示したディスプレイ1上の画素水平列ld2、ld3およびマスク3上開口水平列lm2、lm3を通る面での切断面においても、ディスプレイ1のD1からD9の各画素からの光束は、観察面4上のE1からE9の観察位置にそれぞれ到達し、図5で説明した切断面における状態と同じように観察面4上にはE1からE9までの9つの観察位置が水平方向に繰り返し形成される。
【0038】
図8には、図5から図7までの切断面を相互に重ねて表示しており、ディスプレイ1の3つの画素水平列ld1,ld2,ld3は、互いに前後方向にずらして示している。
【0039】
ここで、図5から図7および図8を用いて、立体画像表示に関する水平方向のパラメータ間の関係式について説明する。なお、この関係式では、視点数をr=p・qと一般化した関係式とする。また、図8において、横レンチキュラーレンズ2の図示は省略している。
【0040】
ディスプレイ1の水平画素ピッチをHd、マスク3における同じ開口水平列の開口部と開口部の間隔をHm、開口部の水平方向の幅をHm_open、開口水平列が垂直方向に1つ異なるごとの開口部の水平方向ずれ量をHm_dis、ディスプレイ1とマスク3間の空気換算距離をL1、マスク3と観察面4間の空気換算距離をL0、D1とDr(本実施例ではr=9)の画素に対応する観察位置E1とErの分離幅をE、各観察位置E1〜Erの水平幅をHeとすると、基礎的な幾何学の関係を用いることにより、
(r−1)・Hd:(r−1)・He=L1:L0 ・・・(h1)
r・Hd:Hm=L1+L0:L0 ・・・(h2)
He・(r―1)=E ・・・(h3)
Hm_dis:Hd・q=L0:L1+L0 ・・・(h4)
の4つの関係式h1〜h4が成り立つ。
【0041】
さらに、D1〜Drの画素からの表示光がそれぞれ、観察面4において観察位置E1〜Er内に収まり、隣の観察位置に漏れないための条件は、上記h1〜h4に加え、
kd・Hd:He=L11:L12+L0 ・・・(h5)
kd・Hd:Hm_open=L11:L12 ・・・(h6)
L11+L12=L1 ・・・(h7)
を満足することが必要である。
【0042】
ここで、L11,L12は、ディスプレイ1上の各画素の有効部(画素の水平方向開口率をkdとすると幅kd・Hd)の両端と、観察面4上の1つの視点に対応する観察位置の両端(幅He)とを結んだ直線が交わる点までのディスプレイ1からの光学換算距離とマスク3からの光学換算距離である。
【0043】
この関係式を、独立変数をL0,Hd,E,kdおよびp,q,r(=p・q)として解くと、
L1=Hd・L0・(r−1)/E
He=E/(r−1)
Hm=r・Hd・E/((r−1)・Hd+E)
Hm_dis=E・Hd・q/((r−1)・Hd+E)
Hm_open=(1−kd)・Hd・E/((r−1)・Hd+E)
となる。
【0044】
例えば、Hd=0.3mm、kd=0.7、L0=600mm、p=3、q=3、r=9、E=200mmとすれば、
L1=7.2mm
He=25mm
Hm=2.668mm
Hm_dis=0.889mm
Hm_open=0.0889mm
となる。
【0045】
次に、本実施形態における横レンチキュラーレンズ2の働きを説明する。本実施例は、ディスプレイ1の各画素水平列からの表示光をマスク3における対応する開口水平列に導き、列ごとに開口部の水平方向位置がずれた開口水平列によって、画素ブロック内にマトリクス状に配置されたD1からD9の画素からの光を、観察面4上に水平方向に並んだ縦ストライプ状の9個の領域(9個の観察位置)を形成するように導くものである。
【0046】
各画素水平列から発した表示光がマスク3上の対応しない開口水平列に漏れ込むとクロストークが発生する。横レンチキュラーレンズ2は、このクロストークの発生を防ぐための制限部材としての働きをする。
【0047】
図9は、本実施形態の立体画像表示装置の垂直断面図であり、これまでの図に示した構成要素と共通する構成要素には同一の符号を付している。
【0048】
横レンチキュラーレンズ2は、垂直方向にのみパワーを有し、水平方向にはパワーを有しないシリンドリカルレンズ部を複数垂直方向に並べて構成されている。本実施形態では、水平方向にq=3、垂直方向にp=3のサイズを有する画素群がディスプレイ1上に表示されるため、1つのシリンドリカルレンズ部は、垂直方向に関し、ディスプレイ1上にて垂直方向に並んだ3(=p)列の画素水平列に対応して設けられる。これにより当該3列の画素水平列から発せられた光をマスク3上において対応する3列の開口水平列上に、垂直方向に関して結像させる働きを有する。
【0049】
これにより、ディスプレイ1上の各画素水平列から発せられた表示光は、マスク3上においてそれぞれ対応する開口水平列に導かれる。
【0050】
図9に示した画素水平列101(ld1),102(ld2),103(ld3)から発せられて、横レンチキュラーレンズ2の対応するシリンドリカルレンズ部201に入射した光束は、マスク3にて対応する開口水平列301(lm1),302(lm2),303(lm3)上に結像される。
【0051】
その他の画素水平列から発せられた光も同様に、それぞれマスク3上にて対応する開口水平列上に結像される。
【0052】
また、後で説明するディスプレイ1、横レンチキュラーレンズ2およびマスク3の間隔とこれら3つの構成要素の水平方向ピッチとの間の条件を満足すれば、例えば、画素水平列111(ld1)から発せられて横レンチキュラーレンズ2においてその画素水平列111に対応しないシリンドリカルレンズ部203に入射した光束も、マスク3上における、画素水平列111には対応しないが画素水平列ld1(画素水平列111と同一の画素配置を持つの画素水平列)には対応するように、同一の開口配置をもつ開口水平列311上に集光され、立体画像表示に問題が生じることがない。つまり、画素水平列111から発せられた表示光が、画素水平列ld1に対応しない開口水平列312,313などに入射して、本来到達すべき観察位置以外の観察位置に達することはない。
【0053】
次に、図9を用いて、立体画像表示に関する垂直方向のパラメータ間の関係式について説明する。なお、この関係式では、視点数をr=p・qと一般化した関係式とする。
【0054】
ディスプレイ1と横レンチキュラーレンズ2の間の空気換算距離をLv1、横レンチキュラーレンズ2とマスク3の間の空気換算距離をLv2とすると、
Vd:Vm=Lv1:Lv2 ・・・(v1)
2・p・Vm:VL=Lv1+Lv2:Lv1 ・・・(v2)
1/fv=1/Lv1+1/Lv2 ・・・(v3)
が成り立つ。
【0055】
また、既に述べた立体画像表示に関する水平方向のパラメータと垂直方向のパラメータを結ぶ関係式としては、ディスプレイ1とマスク3の位置に関して、
Lv1+Lv2=L1 ・・・(v1)
の関係がある。
【0056】
なお、横レンチキュラーレンズ2を構成するシリンドリカルレンズ部は通常、収差を持っているため、各画素水平列から発せられて開口水平列上で結像する像がぼけて、上下の開口水平列に漏れ込み、クロストークを起こすおそれがある。これに関しては、マスク3の開口部の垂直方向の開口率をやや小さくして、上下の開口水平列への光の漏れ込みを防ぐことが可能である。
【0057】
(実施形態2)
上記実施形態1では、モノクロタイプのディスプレイ1を用いた方式について説明したが、本発明は、1画素をRGBの3色のサブ画素(sub pixel)により構成したカラータイプのディスプレイを用いる場合にも適用することができる。但し、RGBのサブ画素を第1実施形態のディスプレイのようにそのまま縦ストライプ状に配列すると、観察面でいわゆる色割れ(色分離)を生じる可能性がある。
【0058】
色割れを防ぐためには以下のように構成に変更を加えればよい。すなわち、ディスプレイ上の各画素ブロックにおいて、視点数(画素ブロック中の異なる視点に対応する画素)r=p・qの行数pを色分割数c(多くの場合は、RGBに対応する3である)の整数倍とし、かつ列数qを色分割数cの整数倍でないように設定する。
【0059】
また、視点の割り当ては、第1実施形態のような画素単位ではなく、色表示の分割を含めたサブ画素単位で行う。
【0060】
図10は、p=6、q=2、r=12である12視点の立体画像表示を、RGBのサブ画素を縦ストライプ状に配列したカラーディスプレイに関して行う際、各サブ画素に、12視点に対応する原画像をどのように表示するかを示す図である。
【0061】
本実施形態では、前述したように、視点の割り当ては、画素単位ではなく、色表示の分割を含めたサブ画素単位で行い、視点(観察位置)数が6・2=12とした以外は、原画像の画素への割り当ておよびそれに対応するマスクの開口位置については第1実施形態と同様である。
【0062】
つまり、ディスプレイ1’において、各画素水平列にはD1からD12までのサブ画素をこの順で循環的に繰り返し配置し、画素水平列が垂直方向に1列異なるごとに2(=q)個のサブ画素分、D1からD12までのサブ画素が水平方向にずれ、かつ垂直方向に6(=p)列異なるごとに同じサブ画素配列となるようにしている。
【0063】
これにより、図中に点線で囲んだ、D1からD12までの12個のサブ画素を6個(行)×2個(列)のマトリクス状に配置した画素ブロックが形成され、この画素ブロックを垂直方向および水平方向に複数配置したかたちにディスプレイ1’が形成されている。
【0064】
但し、各画素ブロックにおける上記12個のサブ画素の配置は、D1,D2のサブ画素とD3,D4のサブ画素とD5,D6のサブ画素とD7,D8のサブ画素とD9,D10のサブ画素とD11,D12のサブ画素のうち、D1,D2のサブ画素が最上行となるもの、D3,D4のサブ画素が最上行となるもの、D5,D6のサブ画素が最上行となるもの、D7,D8のサブ画素が最上行となるもの、D9,D10のサブ画素が最上行となるもの、およびD11,D12のサブ画素が最上行となるものがある。
【0065】
そして、これら複数の画素ブロックのそれぞれにおける1つずつのサブ画素(つまりは、D1のサブ画素群、D2のサブ画素群、D3のサブ画素群、D4のサブ画素群、D5のサブ画素群、D6のサブ画素群、D7のサブ画素群、D8のサブ画素群、D9のサブ画素群、D10のサブ画素群、D11のサブ画素群およびD12のサブ画素群)を用いて上記12視点に対応する12個の画像が表示される。
【0066】
ここで、上記各サブ画素群には、RGBの3色用のサブ画素(例えば、D1r,D1g,D1b)が含まれており、上記複数の画素水平列のうち最も上の行の画素水平列および上から4番目の画素水平列に含まれるD1,D2のサブ画素がそれぞれ赤色用サブ画素D1r,緑色用のサブ画素D2gであれば、2番目および5番目の画素水平列に含まれるD1,D2のサブ画素がそれぞれ青色用サブ画素D1b,赤色用サブ画素D2rであり、3番目および6番目の画素水平列に含まれるD1,D2のサブ画素がそれぞれ緑色用のサブ画素D1g,青色用サブ画素D2bであるというように、画素水平列が1列異なるごとにサブ画素が発する光の色が異なっている。
【0067】
これにより、図10に示すように、例えば、観察位置E1に対応するRGBの各色を表示するD1のサブ画素D1r,D1g,D1bは互いに近接して配置され、1つのカラー画像が表示可能となるとともに、これらのサブ画素からの表示光が観察面の同一の観察位置E1に到達することより色分離が観察面で生じないようになる。なお、他の観察位置に到達する光を発する画素についても同様である。
【0068】
また、横レンチキュラーレンズ(図示せず)を構成するシリンドリカルレンズ部は、ディスプレイ1’の上記6(=p)つの画素水平列からの表示光をマスク(図示せず)上にて対応する6つの開口水平列上に結像させるように構成する。
【0069】
なお、第1実施形態にて説明した関係式はすべてp=6、q=2、r=12とした場合でも成り立っている。
【0070】
(実施形態3)
本発明は、画像表示ユニット(ディスプレイ)において画素配列の順番を互いにずらした各画素水平列に対してマスクにおける開口部の配置パターンを対応させ、各画素水平列の画素の水平方向位置が同じでも水平列が異なれば、観察面上の異なった観察位置に表示光を導くものである。そして、画像表示ユニットにおいてマトリクス状に配置した画素ブロックの各画素からの表示光の各観察位置への振り分けをマトリクス状に行って、水平方向および垂直方向のどちらか一方の解像度の劣化を他の方向にも振り分けて緩和するものである。
【0071】
従って、実施形態1で説明した画素からの表示光の観察位置への振り分けは、幾つかの異なった方法で行うことが可能であり、本実施形態および次の実施形態4で実施形態1とは異なる表示光の振り分け方法について説明する。
【0072】
本実施形態では、実施形態1と異なる点について重点的に説明する。本実施形態の立体画像表示装置は、図11に示すように、実施形態1とは異なる画素配列がなされたディスプレイ11と、実施形態1と同様の横レンチキュラーレンズおよび実施形態1とは開口部の配置パターンが異なる、図12に示すマスク13により構成されている。
【0073】
図11には、p=3、q=3、r=9の場合のディスプレイ11上での画素配置を示している。
【0074】
実施形態1では、図2に示したように、画素水平列が異なるごとに列の数qである3画素ずつ水平方向位置をずらした場合について説明したが、本実施形態では、1番目の画素水平列(ld1)と2番目の画素水平列(ld2)とは2画素分、2番目と3番目の画素水平列(ld2,ld3)は4画素、さらに3番目と1番目の画素水平列(ld3,ld1)は3画素ずれるようにD1からD9の画素を配置し、以後このパターンを繰り返すようにしている。
【0075】
これにより、図中に点線で囲んだ、D1からD9までの9(=3×3)個の画素を含む画素ブロックが形成され、この画素ブロックを垂直方向および水平方向に複数配置したかたちにディスプレイ11が形成されている。
【0076】
このような画素の水平方向位置のずらし方をしても、マスク3上の開口部の配置パターンを第1実施形態とは異ならせることにより、各画素からの表示光をそれぞれ対応する観察位置に導くことができる。
【0077】
図12は、本実施形態におけるマスク13の開口部の配置パターンを表す正面図である。画素水平列ld1に対応するマスク13の開口水平列lm1と、画素水平列ld2に対応する開口水平列lm2との水平方向のずれ量dis1は、1つの開口水平列における開口部間の水平間隔Hmに対して、Hm/9×2、同様に開口水平列lm2の開口部と開口水平列lm3の開口部とのずれ量dis2は、Hm/9×4、開口水平列lm3の開口部と開口水平列lm1の開口部とのずれ量dis3は、Hm/9×3であり、以後このパターンが繰り返される。ここで9=r=p・qである。
【0078】
このように立体画像表示装置を構成した場合、画面全体として同一観察位置に対応する画素配列が非対称的になり、解像度の低下をさらに目立たせなくする可能性がある。
【0079】
なお、本実施形態においては、第1実施形態にて説明した関係式のうち、開口部の水平方向ずらし量に関するh4式以外の関係式はすべて成り立っている。
【0080】
(実施形態4)
上記実施形態1〜3では、r=p・q個の視点(観察位置)に対する原画像を水平方向に並んだr個の画素により表示する場合について説明したが、これらとは異なる構成も可能である。なお、本実施形態でも、実施形態1〜3と異なる点について重点的に行う。
【0081】
図13には、本実施形態の立体画像表示装置の構成を示しており、他の実施形態と共通する構成要素には同一の符号を付す。
【0082】
本実施形態の立体画像表示装置も、ディスプレイ21と、横レンチキュラーレンズ2と、マスク23とを用いて構成されている。
【0083】
本実施形態においても、ディスプレイ21上の画素水平列ld1,ld2,ld3は、横レンチキュラーレンズ2により、マスク23上のそれぞれ対応する開口水平列lm1,lm2,lm3上に結像される。
【0084】
図14には、本実施形態のディスプレイ21における、p=3、q=3、r=9の場合の画素配列を示している。
【0085】
本実施形態では、画素水平列ld1上では、D1〜D9の画素のうちD1の画素を含む3(=p)画素おきの3(=q)個の画素、すなわちD1,D4,D7をこの順番で循環的に繰り返し配置し、画素水平列ld2は、D1〜D9の画素のうちD2の画素を含む3画素おきの3個の画素、すなわちD2,D5,D8をこの順番で循環的に繰り返し配置している。さらに、画素水平列ld3では、D1〜D9の画素のうちD3の画素を含む3画素おきの3個の画素、すなわちD3,D6,D9をこの順番で循環的に繰り返し配置している。
【0086】
つまり、観察位置の数をr(整数)としたときに、垂直方向におけるp(整数)列の単位で、第1から第rの画像を表示する第1から第rの画素のうち互いに異なるq(整数)個の画素が所定の順番で循環的に配置されている。
【0087】
これにより、図中に点線で囲んだ、D1からD9までの9個の画素を3個(行)×3個(列)のマトリクス状に配置した画素ブロックが形成され、この画素ブロックを垂直方向および水平方向に複数配置したかたちにディスプレイ21が形成されている。
【0088】
図15、図16および図17はそれぞれ、本実施形態の立体画像表示装置の、画素水平列ld1と開口水平列lm1、画素水平列ld2と開口水平列lm2および画素水平列ld3と開口水平列lm3を含む面で切断した構成および立体画像表示の原理を示している。なお、これらの図において、横レンチキュラーレンズ2の図示は省略している。
【0089】
図15において、画素水平列ld1上の領域211内の画素D1,D4,D7からの表示光は、マスク23の開口部31−1を通り、観察面4上にてそれぞれ対応する領域41−1におけるE1,E4,E7の観察位置に到達する。
【0090】
後で詳しく説明するように、ディスプレイ21の画素の開口率kdおよびマスク23の開口幅Hm_openを適正に選ぶことにより、画素D1,D4,D7からの表示光は観察面4上にて対応する観察位置E1,E4,E7以外の観察位置にはマスク23の遮光部に遮られて到達できない。
【0091】
画素水平列ld1上の領域211以外の領域内の画素D1,D4,D7からの表示光も、マスク23の開口部を通って、それぞれ対応する観察位置E1,E4,E7に到達し、それ以外の観察位置には到達しない。
【0092】
図16および図17に示すように、画素水平列ld2,ld3上においてそれぞれ観察位置E2,E5,E8およびE3,E6,E9に対応する画素D2,D5,D8および画素D3,D6,D9は、それぞれマスク23において対応する開口水平列lm2,lm3内の水平方向位置が互いにずれた開口部を通って観察位置E2,E5,E8およびE3,E6,E9に到達し、それ以外の観察位置には到達することはない。
【0093】
ここで、図15を用いて更に詳しく説明する。画素D1と画素D7の画素中心間の距離は、(q−1)・Hdに対応する2・Hdであり、これによる観察面4での両画素D1,D7からの分離幅Eは、各観察位置の幅をHeとしたとき(r−p)・Heに相当する6・Heである。
【0094】
Heは、r視点の分離幅Eと、
E=(r−1)・He ・・・(h100)
によって関係づけられており、本実施形態の場合、E=8・Heである。
【0095】
このとき、
(q−1)・Hd:(r−p)・He=L1:L0 ・・・(h101)
が成立しており、マスク23の開口部間の間隔Hmは、
q・Hd:Hm=L1+L0:L0 ・・・(h102)
の関係を満たす。
【0096】
さらに、画素D1からの表示光が観察面4において、観察位置E1内に収まり、隣の観察位置に漏れないための条件は、
kd・Hd:He=L11:L12+L0 ・・・(h103)
kd・Hd:Hm_open=L11:L12 ・・・(h104)
L11+L12=L1 ・・・(h105)
である。
【0097】
ここでL11,L12は、ディスプレイ21上の各画素の有効部(画素の水平方向開口率をkdとすると幅kd・Hd)の両端と、観察面4上での1つの観察位置の両端(幅He)とを結んだ直線が交わる点までのディスプレイ21からの光学換算距離とマスク23からの光学換算距離である。
【0098】
式h100から式h105を解くと、
L1=Hd・L0・(r−1)/(p・E)
He=E/(r−1)
Hm=Hd・E・r/(Hd・(r−1)+p・E)
Hm_open=Hd・E・(1−kd・p)/(Hd・(r−1)+p・E)
となる。
【0099】
これらの式を満足していれば、図15に示した画素D1,D4,D7からの表示光は、9視点に対応するE1からE9の観察位置のうち、観察位置E1,E4,E7にだけそれぞれ到達し、それ以外の観察位置に到達することはない。
【0100】
また、図16,図17に示した切断面においても同様に、画素D2,D5,D8および画素D3,D6,D9からの表示光はそれぞれ、9視点に対応するE1からE9の観察位置のうちそれぞれ対応する観察位置E2,E5,E8および観察位置E3,E6,E9にだけ到達し、それ以外の観察位置に達することはない。
【0101】
図18には、図15〜図17までの切断面を重ねて表示している。但し、ディスプレイ11における3つの画素水平列ld1,ld2,ld3は、前後方向にずらして表示している。
【0102】
図18を用いてマスク23の開口部の位置の、開口水平列lm1,lm2,lm3間でのずれ量Hm_disについて説明する。なお、図18において、横レンチキュラーレンズ2の図示は省略している。
【0103】
本実施形態においては、ディスプレイ21の画素水平列ld1における各画素に対して画素水平列ld2において水平方向位置が同じ画素は、観察位置が1つずれている。
【0104】
従って、図18における画素の1点、例えば点Bから発した光線は、その画素が画素水平列ld1上の画素であれば、観察面4では観察位置E1に到達し、それが画素水平列ld2上の画素であれば観察位置E2に達する。この2本の光線に注目すると、幾何学的に、
Hm_dis:He=L1+L0:L1 ・・・(h106)
の関係を得る。
【0105】
上記式h106を式h100からh105に加えて解くと、
Hm_dis=Hd・E/(Hd・(r−1)+p・E)=Hm/rを得る。
【0106】
図19には、本実施形態におけるマスク23の開口部の配置パターンを示している。
【0107】
(実施形態5)
図20には、本発明の第5実施形態である立体画像表示装置の構成を示している。本実施形態は、横レンチキュラーレンズを用いずに垂直方向において光束の広がる範囲を制限する水平スリット状の第2のマスクを用いる点で上記実施形態1〜4と異なる。なお、本実施形態において、上記実施形態1〜4と共通する構成要素には、同一の符号を付す。
【0108】
本実施形態の立体画像表示装置では、ディスプレイ1とマスク33の間に水平スリット状の開口部を有する第2のマスク5を設けている。本実施形態はp=3、q=3、r=9の9視点の立体画像表示装置である。
【0109】
図21は、本実施形態における垂直方向の光学作用を説明するための垂直断面図である。9視点への画素の割り当ては、実施形態1〜4にて説明した方法のどれを用いてもよい。
【0110】
第2のマスク5の水平スリット状の開口部は、ディスプレイ1の各画素水平列に対応して設けられ、各画素水平列から発せられて垂直方向にも広がる表示光の垂直方向での拡散を抑えて、各画素水平列に対応するマスク3’上の開口水平列の上下の開口水平列に表示光が入射しないようにする。
【0111】
すなわち、図21に示すように、ディスプレイ1上の一連の3つの画素水平列ld1,ld2,ld3にそれぞれ対応するマスク3’上の一連の開口水平列lm1,lm2,lm3には画素水平列ld1,ld2,ld3からの表示光がそれぞれ入射するが、上記対応する開口水平列に対して上下にて隣り合う開口水平列にはそれら表示光が入射しないように、各画素水平列および各開口水平列に対応した水平スリット状の開口部ls1,ls2,ls3を第2のマスク5に設ける。
【0112】
ここで、先に説明した実施形態1〜4では、横レンチキュラーレンズによりディスプレイ上の画素水平列をマスク上に結像させることにより、各画素水平列からの表示光がマスクにおける対応する開口水平列以外の開口水平列に到達するのを防いでいたために、一連の画素水平列、例えば、p=3であれば画素水平列ld1,ld2,ld3とそれらに対応するマスク上の開口水平列lm1,lm2,lm3の上下方向の順番が横レンチキュラーレンズを構成するシリンドリカルレンズ部の作用により逆転している。
【0113】
これに対し、本実施形態では、第2のマスク5を用いることにより、一連の画素水平列(例えば、ld1,ld2,ld3)の上下方向の並び順と、これら各画素水平列に対応するマスク3’上の開口水平列(例えばlm1,lm2,lm3)の上下方向の並び順とが一致する。
【0114】
これにより、垂直方向に関して、マスク3’の開口水平列lm1,lm2,lm3の配列順が実施形態1〜4でのマスクとは異なるが、これは単に実施形態1〜4でのマスクの開口水平列を上下方向に並べ替えたものに過ぎず、マスク3’の開口部の配置パターンについての水平方向の関係式は、実施形態1〜4にて説明したものがすべて成り立つ。
【0115】
(実施形態6)
図22には、本発明の実施形態6である立体画像表示装置の構成を示している。本実施形態は、実施形態3と類似する点が多く、ここでの説明は実施形態3と異なる点を重点的に行う。
【0116】
本実施形態では、ディスプレイ11’として透過型の画像表示ユニット、例えば透過型LCDを用いている。バックライトパネル6とLCD11’との間には、LCD11’上の画素水平列に入射するバックライトパネル6からの照明光の上下方向の拡散を抑えるための2枚の水平スリット状の開口部を持つ第2のマスク(制限部材)5−1,5−2が配置されている。
【0117】
LCD11’の前面には、第3実施形態と同様なマスク13’が設けられ、このマスク13’は、LCD11’上の各画素水平列での画素の配置に対応する開口部の配置パターンを持った開口水平列を有する。
【0118】
バックライトパネル6からの照明光は、水平スリット状の開口部を持つ第2および第3のマスク5−1,5−2によって上下方向の広がり制限を受けてLCD11’に入射するが、この入射した照明光はLCD11’を透過する際にLCD11’の画素構造によって若干拡散する。
【0119】
しかし、本実施形態では、LCD11’とマスク13’との間隔が十分短いため、マスク13’において、各画素水平列からその画素水平列に対応する開口水平列以外の開口水平列に入射する光束は少なく、クロストークなどの問題は生じない。
【0120】
なお、本発明が解決せんとするLCDの画素構造による拡散に起因する観察面でのクロストークは、立体画像表示のための水平方向の表示光の方向づけを透過型ディスプレイに入射する照明光の方向づけによって行う場合に、方向づけられた照明光が透過型ディスプレイの画素構造により散乱を受けた後、ディスプレイ面から観察面までの比較的長い距離、例えば600mm程度を進むうちに散乱による光線の角度の変化が観察面において大きな水平方向の位置ずれとなり、設定された観察位置からずれるために生ずるものであるが、本実施形態はこの場合と異なるものである。
【0121】
また、図22中の第2のマスク5−1,5−2を、図1等に示した横レンチキュラーレンズ2に置き換えても良好な観察が可能であり、更に光の利用効率を利用効率を高めることができる。
【0122】
第2のマスク5−1,5−2又は、上記横レンチキュラーレンズ等の、光の上下方向の広がりを制限する部材を光源と表示装置間に設置することで、透過型表示装置を用いた場合であっても、当該表示装置における光の散乱に起因するクロストークの発生を有効に抑制することが出来る。
【0123】
(第7実施形態)
本実施形態では、特に横レンチキュラーレンズを構成する1つのシリンドリカルレンズが1行の画素水平列に対応し,該画素水平列からの表示光をマスクの1水平列の上に、垂直方向に結像する構成について説明する。
【0124】
第1実施形態等においては,視点数がrであって、表示装置上に配置される各視点に対応する画素配置のマトリックスをr=p(行)・q(列)と見なした場合,横レンチキュラーレンズを構成する1つのシリンドリカルレンズの幅はp行の画素水平列に対応する構成について説明した。この場合には、1つのシリンドリカルレンズに対応したp行の画素水平列からの表示光は、当該シリンドリカルレンズにより、それぞれ対応するp行のマスクの水平開口列上に垂直方向に結像していた。これに対し、本実施例では,1行の画素水平列に対応したシリンドリカルレンズを設け,該画素水平列からの表示光をマスクの1水平列の上に垂直方向に結像する構成について説明する。
【0125】
本実施形態では、第1実施形態と異なる点について重点的に説明する。本実施形態に係る立体画像表示装置についても、図1に示した立体画像表示装置と同様に、所定の画素配列がなされたディスプレイ1と、当該ディスプレイの画素水平列に対応したシリンドリカルレンズが垂直方向に配置された横レンチキュラーレンズ2、及び前記ディスプレイ上の画素配置などを考慮して決定される開口部の配置パターンを有するマスク3により構成される。ここで本実施形態においては横レンチキュラーレンズ2を構成する各シリンドリカルレンズが、各画素水平列に対してそれぞれ個別に設けられる点で特徴を有する。
【0126】
図23は、本実施形態で用いるディスプレイに表示される、各視点に対応する画像を表示する画素の配列の一例を示す図である。本実施形態においては、横レンチキュラーレンズの各シリンドリカルレンズは1画素水平列に対応するため、各シリンドリカルレンズの垂直方向の幅は各マトリックスに含まれる行数(p)には関係しない。しかし、後に説明するように、各観察位置に対応する画像の混合を防ぐために、本発明に係る立体画像表示装置の各構成要素の位置関係によって決定されるマトリックス形状に各視点に対応する画素を配置することが好ましい。
【0127】
図23では、視点数r=8に対して、p=2、q=4と見なされるマトリックス配置が成されている。つまり、画素水平列が異なるごとに4(=q)画素ずつ水平方向に位置をずらし、垂直方向には2(=p)画素水平列を1つのユニットとしてマトリックス配置が成されている。言い換えれば、図23内のld1とld2のように、1水平列おきに同じ画素配列を持った画素水平列が繰り返し配置されている。
【0128】
図24は,本実施例におけるマスクの開口パターンを示す図である。マスク上の水平列の内、lm1上の開口は,図23内の画素水平列ld1の画素からの表示光を画素の視点に対応する観察面での観察位置に導く位置に配置される。また、lm2上の開口は,画素水平列ld2の画素からの表示光を画素の視点に対応する観察面での観察位置に導く位置に配置される。図23に示したように、ディスプレイ上の画素水平列ld1とld2は交互に配置されるため、それぞれに対応する開口パターンを持つ水平開口列lm1とlm2が交互に繰り返されている。また、画素水平列ld1とld2では対応する画素が水平方向にずれて配置されるため、水平開口列lm1上の開口の位置とlm2上の開口の位置は,水平方向にずれている。
【0129】
図25〜図27は、ディスプレイ上の各画素とマスク上の開口、及び観察位置の関係をそれぞれ示す図である。図25は、図23中の画素水平列ld1と図24中の水平開口列lm1に対応する水平断面図である。また、同様に図26は,画素水平列ld2と水平開口列lm2に対応する水平断面図である。図27は,図25と図26を重ねて示した図である。
【0130】
画素水平列ld1,ld2とそれぞれに対応するマスクの画素水平列lm1,lm2を各図に示したように配置することにより,どちらの画素水平列と画素水平列の組においても観察位置E1からE8に対応する視差画像を示す画素からの表示光がそれぞれ観察位置E1からE8にのみ到達し,8視点の立体画像観察が可能なことが分かる。
【0131】
図28は,本実施形態における横レンチキュラーレンズの作用を説明する垂直断面図である。横レンチキュラーレンズを構成する個々のシリンドリカルレンズは各々1つの画素水平列に対応し,該画素水平列を対応する開口水平列に垂直方向に結像する。図28において,横レンチキュラーレンズを構成するシリンドリカルレンズ203には,画素水平列111とマスクの水平開口列311が対応し,シリンドリカルレンズ203は,画素水平列111をマスクの水平開口列311に垂直方向に結像している。また画素水平列111は,画素水平列ld1の画素配列を持ち,マスクの水平開口列311は水平開口列lm1の開口パターンを持つ。
【0132】
図28においては、先に説明したように画像水平列と開口水平列は一つおきに同じ配列のものが配置され、また第1実施形態で説明した関係と同様に、ディスプレイ上に画素が配置される面と横レンチキュラーレンズの距離(Lv1)と横レンチキュラーレンズとマスク間の距離(Lv2)の比と、画像水平列と開口水平列の幅の比率が関連づけて配置されている。このため、画像水平列111から、本来対応しないシリンドリカルレンズであるシリンドリカルレンズ201に入射した光は、当該シリンドリカルレンズ201の作用によりマスクの水平開口列301に垂直方向に結像する。この時、開口水平列301もlm1の開口パターンを持つため、結果的にシリンドリカルレンズ201及び203のいずれに入射した光線も画像水平列ld1に対応したマスクの水平開口列lm1に入射し,所定の観察位置に到達する。同様に各画素水平列からの光は横レンチキュラーレンズを構成するどのシリンドリカルレンズに入射しても該各画素水平列の視差画像の配列のパターン(ld1,ld2)に対応したマスクの開口水平列(lm1,lm2)に垂直方向に結像し,各観察位置に対応した画像同士の混合が生じることが無く、立体画像表示が正常に行われる。
【0133】
以上のように、横レンチキュラーレンズを構成するシリンドリカルレンズを一つの画像水平列に対応させることで、各画素水平列から対応する水平開口列への光路の対応付けを精密に行うことにより、各観察位置に対応した画像間の混合が効果的に防止可能となり、またカラー表示を行う際に発生する色分離を軽減することができる。
【0134】
また、以上説明した各実施形態では、ディスプレイの画素配列が所謂縦ストライプ状のものを用いているが、本発明は、このような縦ストライプ状の画素配列以外の画素配列を持つディスプレイを用いる場合にも適用することができる。
【0135】
例えば、図29に示すような画素配列を持つディスプレイ41を用いることもできる。すなわち、各画素水平列を構成する画素の水平方向位置が、上下にて隣り合う画素水平列を構成する画素の水平方向位置に対して1画素の半分に相当する量ずれている、いわゆるデルタ状の画素配列を持つディスプレイである。
【0136】
さらに、上記各実施形態では、画像表示ユニット(ディスプレイ)の各画素水平列に対してマスクの開口水平列を対応させることにより、各画素水平列の画素の水平方向位置が同じでも垂直方向の位置が異なれば、観察面上における異なる観察位置に表示光を導き、結果として各画素からの表示光の各観察位置への振り分けをマトリクス状に行って、水平方向および垂直方向のどちらか一方の解像度の劣化を他の方向にも振り分けて緩和するものである。
【0137】
つまり、各画素水平列での画素配列に対応するように開口部の配置パターンを変えたマスクの開口水平列を垂直方向に配置することにより、画像表示ユニットの画素配列が水平方向にずれていても、上記各実施形態で説明したすべての方法は若干の開口部のパターンの変更で成り立つ。
【0138】
【発明の効果】
以上説明したように、上記各実施形態によれば、透過型画像表示ユニットに限らず自由に画像表示ユニットを選定でき、また、散乱性の強い透過型画像表示ユニットを用いる場合でも、観察面でのクロストークが生じない多視点タイプの立体画像表示装置を実現することができる。
【0139】
さらに、カラー表示を行う際に、観察面での色分離を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1である立体画像表示装置の構成を示す斜視図。
【図2】上記実施形態1の立体画像表示装置に用いられるディスプレイの画素配置を示す正面図。
【図3】上記実施形態1の立体画像表示装置に用いられるマスクの開口部配置を示す正面図。
【図4】上記実施形態1の立体画像表示装置における画素からの表示光が観察位置に到達するまでの光路を示す斜視図。
【図5】図4の立体画像表示装置の画素水平列ld1と開口水平列lm1とを通る面での断面図。
【図6】図4の立体画像表示装置の画素水平列ld2と開口水平列lm2とを通る面での断面図。
【図7】図4の立体画像表示装置の画素水平列ld3と開口水平列lm3とを通る面での断面図。
【図8】上記実施形態1の立体画像表示装置における画素水平列ld1,ld2,ld3からの表示光が観察位置に到達する様子を示す平面図。
【図9】上記実施形態1の立体画像表示装置の垂直断面図。
【図10】本発明の実施形態2である立体画像表示装置に用いられるカラーディスプレイのサブ画素配置を示す正面図。
【図11】本発明の実施形態3である立体画像表示装置に用いられるディスプレイの画素配置を示す正面図。
【図12】上記第3実施形態の立体画像表示装置に用いられるマスクの開口部の配置を示す正面図。
【図13】本発明の第4実施形態である立体画像表示装置の構成を示す斜視図。
【図14】上記実施形態4の立体画像表示装置に用いられるディスプレイの画素配置を示す正面図。
【図15】図14の立体画像表示装置の画素水平列ld1と開口水平列lm1とを通る面での断面図。
【図16】図14の立体画像表示装置の画素水平列ld2と開口水平列lm2とを通る面での断面図。
【図17】図14の立体画像表示装置の画素水平列ld3と開口水平列lm3とを通る面での断面図。
【図18】上記実施形態4の立体画像表示装置における画素水平列ld1,ld2,ld3からの表示光が観察位置に到達する様子を示す平面図。
【図19】上記実施形態4の立体画像表示装置に用いられるマスクの開口部の配置を示す正面図。
【図20】本発明の実施形態5である立体画像表示装置の構成を示す斜視図。
【図21】上記実施形態5の立体画像表示装置の垂直断面図。
【図22】本発明の実施形態6である立体画像表示装置の構成を示す斜視図。
【図23】本発明の実施形態7の立体画像表示装置に用いられるディスプレイの画像配置を示す正面図
【図24】上記実施形態7の立体画像表示装置に用いられるマスクの開口部配置を示す正面図
【図25】上記実施形態7の立体画像表示装置におけるディスプレイの水平画素列ld1とマスクの水平開口列lm1とを通る面での断面図
【図26】上記実施形態7の立体画像表示装置におけるディスプレイの水平画素列ld2とマスクの水平開口列lm2とを通る面での断面図
【図27】上記実施形態7の立体画像表示装置におけるディスプレイの水平画素列ld1、ld2からの表示光が観察位置に到達する様子を示す平面図
【図28】上記実施形態7の立体画像表示装置の垂直断面図
【図29】上記各実施形態に用いることが可能なデルタ型画素配列を有するディスプレイの正面図。
【符号の説明】
1,1’,11,11’,21,31,41 ディスプレイ
2 横レンチキュラーレンズ
3,3’,13,23,33 マスク
4 観察面
E1〜E12 観察位置
ld1,ld2,ld3 画素水平列
lm1,lm2,lm3 開口水平列
Claims (8)
- 複数の水平画素列が垂直方向に設けられた画像表示ユニットであって、複数の観察位置に対応した画像をそれぞれ表示する画素を含む画素群が周期的に配置された画像表示ユニットと、
前記画素からの光線のうちで所定の方向性を有する光線のみを通過させる開口部が設けられたマスク部材であって、前記開口が前記画素群に対応して水平方向に所定の周期をもって配置された水平開口列が設けられたマスク部材と、
前記水平画素列のうちの所定の水平画素列からの光線が、それぞれ同一の周期性を持つ前記水平開口列にのみ到達するように光線を制限する制限部材とを有する立体画像表示装置であって、
前記各観察位置に対応した画像を表示する画素からの光線は、前記マスク部材と前記制限部材を介して、所定の観察位置に到達することを特徴とする立体画像表示装置。 - 前記画像表示ユニットにおいては、複数の観察位置に対応した画像をそれぞれ表示する画素が水平方向に配列することで前記画素群を形成し、前記水平画素列は複数の当該画素群を有し、更に当該水平画素列は当該画素群が水平方向にずれるように垂直方向に複数設けられ、
且つ、前記マスク部材はひとつの前記画素群に対応してひとつの開口を有することを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示装置。 - 前記画像表示ユニットにおいては、複数の観察位置に対応した画像をそれぞれ表示する画素が水平方向にはq画素、垂直方向にはp画素が配列することでq・pのマトリックス状の前記画素群が形成され、更に当該画素群が水平方向及び垂直方向にマトリックス状に設けられ、
且つ、前記マスク部材はひとつの前記画素群に対して、垂直方向にp個の開口を有することを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示装置。 - 前記画像表示ユニットにおいては、互いに異なるc色の光をそれぞれ射出するc種類の画素が水平方向に配されてあり、前記観察位置の数が前記cの整数倍ではないことを特徴とする請求項2に記載の立体画像表示装置。
- 前記画像表示ユニットにおいては、互いに異なるc色の光をそれぞれ射出するc種類の画素が水平方向に配されてあり、前記水平方向の画素数qが前記cの整数倍ではないことを特徴とする請求項3に記載の立体画像表示装置。
- 前記制限部材が、垂直方向にパワーを有し、水平方向にパワーを有さない光学作用部を垂直方向に複数配置した光学部材であることを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示装置。
- 前記制限部材が、水平方向に延びるスリット状の開口部を垂直方向に複数有する第二のマスク部材であることを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の立体画像表示装置と、前記画像表示ユニットに表示される画像情報を前記立体画像表示装置に供給する画像情報供給装置とを有することを特徴とする立体画像表示システム。
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