JP2004007549A - 信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】それぞれフィルタ回路が接続される複数の信号処理装置が並列された場合でも信号減衰を生じない信号処理装置を提供する。
【解決手段】信号処理回路2aでは、スプリッタ21aに接続された電話機12aがオンフックの場合にスプリッタポート81の接続部S_P1とS_P2とが切断状態になり、接続回路18のインピーダンスが高くなり、LINEポート80とスプリッタポート81とを切断状態にする。コンデンサC1,C2は、LINEポート80を介して入力した信号からデータ信号を抽出してモデムポート82に出力する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、xDSL(Digital Subscriber Line) において使用される、音声信号とデジタルデータ信号とを分離・合成する場合などに用いられる信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電話回線を利用して、加入者が電話サービスをそのまま使用しながら、データ通信サービスの提供を受けることを可能にするxDSL通信が知られている。
例えば、ADSL通信では、電話サービスとして用いられる音声周波数帯域である0〜4KHzよりも高い周波数帯域である25KHz〜1104KHzが、データ通信サービスに用いられる。
このようなサービスを受ける加入者宅では、電話回線の通信ポートに、例えば、ツイストペアなどの2つの電線からなる2軸ケーブルを介してスプリッタのLINEポートが接続される。
また、スプリッタのPHONEポートに電話機が接続され、モデムポートにxDSLモデムが接続される。
これらのポートの各々は、上記通信ケーブルに対応する2つの電線がそれぞれ接続される2つの接続部を有している。
スプリッタは、電話回線を介して伝送されるアナログ信号から、0〜4KHzの音声信号を抽出するフィルタ回路を内蔵している。
このフィルタ回路としては、例えば、ラダー型のものが用いられ、第1の電線および第2の電線上でそれぞれ直列に接続された複数のコイルと、当該複数の第1のコイルの接合部と当該複数の第2のコイルの接合部との間に介在するコンデンサとを用いて構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、加入者宅では、電話回線の通信ポートに、複数のスプリッタが並列接続される場合がある。
この場合に、例えば、第1のスプリッタのPHONEポートに接続された第1の電話機がオンフック状態(非通話状態)の場合に、第1のスプリッタのPHONEポートの第1の電線および第2の電線が切断状態となっているため、第1のスプリッタのフィルタ回路を構成するコイル(L)とコンデンサ(C)とを直列接続した回路が、上記電話回線の通信ポートに接続される通信ケーブルの第1の電線と第2の電線との間に接続されることとなる。
その結果、第1の電線と第2の電線とを介して伝送される信号に減衰極が生じてしまい、第2のスプリッタのPHONEポートに接続された第2の電話機がオフフック状態(通話状態)のときに、当該第2の電話機を用いた通信で、ダイヤル信号の誤発信や、ファクシミリ、ナンバーディスプレイおよび情報提供サービスの動作不良が生じるという問題がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、第2のインタフェースに接続された外部装置の動作状態によって第1のインタフェースに生じる信号が減衰することを回避できる信号処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の信号処理装置は、信号を入力または出力する第1のインタフェースと、信号を入力または出力する第2のインタフェースと、前記第1のインタフェースと前記第2のインタフェースとの間に介在し、前記第2のインタフェースに接続される機器の状態に応じて、前記第1のインタフェースと前記第2のインタフェースとを接続状態および切断状態のいずれかにする接続回路と、前記第1のインタフェースと前記第2のインタフェースとの間で前記接続回路に対して並列に接続されたハイパスフィルタ回路とを有する。
【0006】
また、本発明の信号処理装置は、好ましくは、前記接続回路は、前記第1のインタフェースから前記第2のインタフェースに向けて順方向となる第1のダイオードと、前記第1のダイオードに並列に設けられ、前記第2のインタフェースから前記第1のインタフェースに向けて順方向となる第2のダイオードと、前記第1ダイオードおよび前記第2のダイオードと直列に接続され、前記第1の状態と前記第2の状態との間におけるインピーダンス変動を抑制するための変動抑制手段とを有する。
【0007】
また、本発明の信号処理装置は、好ましくは、前記接続回路は、前記第1のインタフェースから前記第2のインタフェースに向けて順方向となる第1のダイオードと、前記第1のダイオードに並列に設けられ、前記第2のインタフェースから前記第1のインタフェースに向けて順方向となる第2のダイオードと、前記第1ダイオードおよび前記第2のダイオードと直列に接続され、前記接続手段を介して伝送される信号の周波数に比例したインピーダンスを有するインピーダンス調整回路とを有する。
【0008】
また、本発明の信号処理装置は、好ましくは、前記第1の信号および前記第2の信号を伝送する第1の電線および第2の電線のそれぞれに設けられ、前記第1のインタフェースと前記第2のインタフェースとの間に介在する第1の前記接続回路および第2の前記接続回路を有し、前記第1の接続回路および前記第1の接続回路の前記インピーダンス調整回路は、それぞれリアクタである。
【0009】
また、本発明の信号処理装置は、好ましくは、前記第1の接続回路の前記インピーダンス調整回路である第1の前記リアクタと、前記第2の接続回路の前記インピーダンス調整回路である第2の前記リアクタとが相互誘導を生じるように配設されている。
【0010】
また、本発明の信号処理装置は、好ましくは、前記ハイパスフィルタ回路は、データ信号を透過し、音声信号を透過しない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係わる通信システムについて説明する。
本発明の関連技術
まず、本発明の関連技術について説明する。
図1は、本関連技術の通信システム1の全体構成図である。
図1に示すように、通信システム1は、例えば、信号処理装置2a,2b、スプリッタ21a,21b、電話機12a,12b、ADSLモデム13およびパーソナルコンピュータ14を有する。
通信システム1では、電話回線の通信ポート3に対して、信号処理装置2aおよびスプリッタ21aと、信号処理装置2bおよびスプリッタ21bとが並列に接続されている。
通信ポート3では、音声周波数帯域である0〜4KHzの音声信号と、周波数帯25KHz〜1104KHzのデータ信号とを重畳した信号が入出力される。
ここで、音声信号は、電話機12a,12bの通話に用いられる信号である。
また、データ信号は、ADSLモデム13で変復調され、パーソナルコンピュータ14を用いた通信で用いられる信号である。
通信システム1は、例えば、加入者の家庭内などに構築され、信号処理装置2aおよびスプリッタ21aと、信号処理装置2bおよびスプリッタ21bとが異なる部屋に配設されている。
【0012】
以下、図1に示す通信システム1の各構成要素について説明する。
〔信号処理装置2a,2b〕
信号処理装置2aと2bとは、例えば、同じ構成を有している。
以下、信号処理装置2aの構成を説明する。
図1に示すように、信号処理装置2aは、例えば、LINEポート80、スプリッタポート81、モデムポート82、接続回路18、ハイパスフィルタ回路を構成するコンデンサC1,C2を有する。
【0013】
LINEポート80は、接続部L_P1,L_P2を有する。
接続部L_P1には、ツイストペアなどの通信ケーブル5の電線5_1の一端が接続される。電線5_1の他端は、電話回線の通信ポート3の接続部L0_P1に接続される。
接続部L_P2には、通信ケーブル5の電線5_2の一端が接続される。電線5_2の他端は、電話回線の通信ポート3の接続部L0_P2に接続される。
【0014】
スプリッタポート81は、接続部S_P1,S_P2を有する。
接続部S_P1には、ツイストペアなどの通信ケーブル6の第1の電線の一端が接続される。通信ケーブル6の第1の電線の他端は、スプリッタ21aに接続される。
接続部S_P2には、通信ケーブル6の第2の電線の一端が接続される。通信ケーブル6の第2の電線の他端は、スプリッタ21aに接続される。
【0015】
モデムポート82は、接続部M_P1,M_P2を有する。
接続部M_P1には、ツイストペアなどの通信ケーブル7の第1の電線の一端が接続される。通信ケーブル7の第1の電線の他端は、ADSLモデム13に接続される。
接続部M_P2には、通信ケーブル7の第2の電線の一端が接続される。通信ケーブル7の第2の電線の他端は、ADSLモデム13に接続される。
【0016】
接続回路18では、LINEポート80の接続部L_P1とスプリッタポート81の接続部S_P1との間の第1の電線上に、接続部L_P1から接続部S_P1に向けて順方向となるダイオードD1と、接続部S_P1から接続部L_P1に向けて順方向となるダイオードD2とが相互に並列に配設している。
ダイオードD1は、電話機12aがオフフック状態(通信ケーブル6の第1の電線と第2の電線とが接続状態となり、スプリッタポート81で有効な信号が入力および出力される状態)となり、通信ポート3からスプリッタ21aに向けて電話回線電流が流れ、当該電話回線電流が順方向のバイアス電流となる場合に、インピーダンスが音声信号伝送可能な程度に小さくなる。
ダイオードD2は、電話機12aがオフフック状態となり、電話機12aから通信ポート3に向けて電話回線電流が流れ、これが順方向のバイアス電流となる場合に、インピーダンスが音声信号伝送可能な程度に小さくなる。
また、ダイオードD1,D2は、電話機12aがオンフック状態(通信ケーブル6の第1の電線と第2の電線とが切断状態となり、スプリッタポート81で有効な信号が入力および出力されない状態)の場合に、電話回線電流が流れないため、LINEポート80の接続部L_P1とスプリッタポート81の接続部S_P1とが実質的に切断状態になる程度にインピーダンスが大きくなる。
【0017】
また、接続回路18では、LINEポート80の接続部L_P2とスプリッタポート81の接続部S_P1との間の第2の電線上に、接続部L_P2から接続部S_P2に向けて順方向となるダイオードD3と、接続部S_P2から接続部L_P2に向けて順方向となるダイオードD4とが相互に並列に配設されている。
ダイオードD3は、電話機12aがオフフック状態(通信ケーブル6の第1の電線と第2の電線とが接続状態)となり、通信ポート3から電話機12aに向けて電話回線電流が流れ、これが順方向のバイアス電流となる場合に、インピーダンスが音声信号伝送可能な程度に小さくなる。
ダイオードD4は、電話機12aがオフフック状態となり、電話機12aから通信ポート3に向けて電話回線電流が流れ、これが順方向のバイアス電流となる場合に、インピーダンスが音声信号伝送可能な程度に小さくなる。
また、ダイオードD3,D4は、電話機12aがオンフック状態(通信ケーブル6の第1の電線と第2の電線とが切断状態)の場合に、電話回線電流が流れないため、LINEポート80の接続部L_P2とスプリッタポート81の接続部S_P2とが実質的に切断状態になる程度にインピーダンスが大きくなる。
また、R2は、ダイオードに電話回線電流が、流れているときと、流れていないときのLINEポートとスプリッタポートの間にデータ信号における損失を均一に保つため設けられている。
【0018】
本関連技術では、このような接続回路18をLINEポート80とスプリッタポート81との間に設けたことで、電話機12aがオンフック状態で、後述するスプリッタ21a内のローパスフィルタ回路を通信ケーブル5から切断することができる。
【0019】
また、信号処理装置2aでは、コンデンサC1とC2によってハイパスフィルタ回路が構成される。
コンデンサC1は、LINEポート80の接続部L_P1と、モデムポート82の接続部M_P1との間に介在する。
コンデンサC2は、LINEポート80の接続部L_P2と、モデムポート82の接続部M_P2との間に介在する。
コンデンサC1,C2によって構成されるハイパスフィルタ回路は、LINEポート80を介して入力した信号から、音声周波数帯域である0〜4KHzの音声信号を減衰し(透過せず)、周波数帯25KHz〜1104KHzのデータ信号を透過してモデムポート82に出力する。
【0020】
〔スプリッタ21a,21b〕
スプリッタ21aと21bとは、例えば、同じ構成を有している。
以下、スプリッタ21aの構成を説明する。
図2は、図1に示すスプリッタ21aの構成図である。
図2に示すように、スプリッタ21aは、例えば、LINEポート15、PHONEポート16、モデムポート17、ローパスフィルタ回路20およびハイパスフィルタ回路51を有する。
【0021】
LINEポート15は、接続部L_P11,L_P12を有する。
接続部L_P11には、図1に示す通信ケーブル6の第1の電線の一端が接続される。当該第1の電線の他端は、信号処理装置2aの接続部S_P1に接続される。
接続部L_P12には、図1に示す通信ケーブル6の第2の電線の一端が接続される。当該第2の電線の他端は、信号処理装置2aの接続部S_P2に接続される。
【0022】
PHONEポート16は、接続部P_P1,P_P2を有する。
接続部P_P1には、図1に示すツイストペアなどの通信ケーブル8の第1の電線の一端が接続される。通信ケーブル8の第1の電線の他端は、電話機12aに接続される。
接続部P_P2には、通信ケーブル7の第2の電線の一端が接続される。通信ケーブル8の第2の電線の他端は、電話機12aに接続される。
【0023】
モデムポート17は、接続部M_P11,M_P12を有する。本関連技術では、モデムポート17は使用されていない。
ハイパスフィルタ回路51は、コンデンサC11,C12を有し、データ信号を透過し、音声信号を透過しない。
【0024】
ローパスフィルタ回路20は、LINEポート15を介して入力した信号から、周波数帯25KHz〜1104KHzのデータ信号を減衰し(透過せず)、音声周波数帯域である0〜4KHzの音声信号を透過してPHONEポート16に出力する。
図3は、ラダー型のローパスフィルタ回路20の構成の一例を説明するための図である。
図3に示すように、端子30_1,30_2,31_1,31_2を有する。
端子30_1は、接続部L_P11に接続されている。
端子30_2は、接続部L_P12に接続されている。
端子31_1は、接続部P_P1に接続されている。
端子31_2は、接続部P_P2に接続されている。
端子30_1と端子31_1との間には、コイルL1,L2が直列に接続されている。
端子30_2と端子31_2との間には、コイルL3,L4が直列に接続されている。
コイルL1とL2の接合部と、コイルL3とL4の接合部との間には、コンデンサC21が設けられている。
端子31_1と端子31_2との間には、コンデンサC22が設けられている。
ローパスフィルタ回路20は、入力された信号の周波数が高くなるに従い、コイルL1〜L4のリアクタンスが大きくなり、一方、コンデンサC21,C22のリアクタンスが小さくなるため、減衰量が大きくなり、フィルタの出力信号が小さくなる。本関連技術では、周波数帯25KHz〜1104KHzのデータ信号が入力された場合に、減衰量が大きくなるように(当該データ信号を除去するように)、コイルL1〜L4およびコンデンサC21,C22の定数が決められている。
【0025】
〔電話機12a,12b〕
電話機12aと12bとは、例えば、同じ構成を有している。
電話機12aは、通話時にオフフック状態となり、通信ケーブル8の第1の電線と第2の電線とを接続状態にする。
また、電話機12aは、非通話時にオンフック状態となり、通信ケーブル8の第1の電線と第2の電線とを切断状態にする。
【0026】
〔ADSLモデム13〕
ADSLモデム13は、通信ケーブル7を介して信号処理装置2aのモデムポート82から入力したデータ信号を誤り訂正および復調してパーソナルコンピュータ14に出力する。
また、ADSLモデム13は、通信ケーブル9の第1の電線および第2の電線を介してPC14から入力したデータ信号を変調して通信ケーブル7を介して信号処理装置2aのモデムポート82に出力する。
ADSLモデム13におけるデータ信号の変復調には、たとえば、DMT(Discrete Multi Tone Moduration)方式が用いられる。DMT方式は、データ信号の伝送効率を高めるために、多重搬送波を用いており、各多重搬送波の伝送信号はそれぞれ帯域幅が同一で、その中心周波数が異なるQAM(Quadrature Amplitude/Phase Modulation) 変調された多数個のサブチャネルの和で構成される。
【0027】
〔パーソナルコンピュータ14〕
パーソナルコンピュータ14は、CPU、メモリおよびI/Fを備え、ADSLモデム13、スプリッタ21a、並びに通信ポート3に接続された電話回線を介して他のサーバ装置などとの間で、データ信号の送受信を行う。
【0028】
以下、上述した通信システム1の動作例を説明する。
当該動作例では、電話機12aがオンフック状態、電話機12bがオフフック状態の場合を説明する。
この場合には、電話機12aによって、スプリッタ21aのPHONEポート16の接続部P_P1とP_P2とが切断状態になっている。
これにより、信号処理装置2aの接続回路18のダイオードD1,D2,D3,D4には電話回線電流は流れず、接続回路18は大きなインピーダンスを有し、LINEポート80とスプリッタポート81とが実質的に切断状態になる。すなわち、ケーブル5とスプリッタ21aのローパスフィルタ回路20とが切断状態になる。
【0029】
また、電話機12bによって、スプリッタ21bのPHONEポート16の接続部P_P1とP_P2とが接続状態になっている。
そのため、信号処理装置2bの接続回路18のダイオードD1,D2,D3,D4には電話回線電流が流れ、接続回路18は通信可能な程度に十分に小さなインピーダンスを有し、LINEポート80とスプリッタポート81とが接続状態になる。すなわち、ケーブル5とスプリッタ21bのローパスフィルタ回路20とが接続状態になる。
信号処理装置2bでは、通信ポート3からの信号が通信ケーブル5を介してLINEポート80で受信され、当該受信した信号が接続回路18、スプリッタポート81、LINEポート15を介してスプリッタ21b内のローパスフィルタ回路20に出力される。
そして、ローパスフィルタ回路20では、LINEポート15から入力した信号から、周波数帯25KHz〜1104KHzのデータ信号を減衰し(透過せず)、音声周波数帯域である0〜4KHzの音声信号を透過してPHONEポート16に出力する。
【0030】
電話機12bは、スプリッタ21bのPHONEポート16から入力した音声信号に応じた音声出力を行う。
また、電話機12bからの音声信号が、スプリッタ21bのPHONEポート16を介してローパスフィルタ回路20に入力され、ローパスフィルタ回路20、LINEポート15、並びに信号処理装置2bを介して通信ポート3に出力される。
一方、信号処理装置2aでは、通信ポート3からの信号が通信ケーブル5およびLINEポート80を介して、ハイパスフィルタ回路を構成するコンデンサC1,C2に入力される。
そして、コンデンサC1,C2において、LINEポート80を介して入力した信号から、音声周波数帯域である0〜4KHzの音声信号が減衰され、周波数帯25KHz〜1104KHzのデータ信号を透過してモデムポート82に出力される。
そして、当該データ信号が、モデムポート82から通信ケーブル7を介してADSLモデム13に出力され、ADSLモデム13で復調された後に、通信ケ−ブル9を介してパーソナルコンピュータ14に出力される。
また、パーソナルコンピュータ14からのデータ信号が、通信ケーブル9を介してADSLモデム13に出力され、ADSLモデム13で変調された後に、信号処理装置2aのモデムポート82、ハイパスフィルタ回路を構成するコンデンサC1,C2、LINEポート80、並びに通信ケーブル5を介して通信ポート3に出力される。
【0031】
以上説明したように、通信システム1では、上述した構成の信号処理装置2a,2bをそれぞれスプリッタ21a,21bの前段に設け、電話機12aがオンフック状態でケーブル5とスプリッタ21a内のローパスフィルタ回路20とが切断状態になる。
そのため、従来のように、図3に示すスプリッタ21aのローパスフィルタ回路20のコイルL1、コンデンサC21およびコイルL3を直列接続し、コイルL2、コンデンサC22およびコイルL4を直列に接続した回路をコンデンサ21に対して並列に接続した回路が、通信ケーブル5の電線5_1と5_2との間に挿入されることはなく、電線5_1と5_2を伝送する信号に減衰極が生じることを回避でき、高い通信品質を得ることができる。
【0032】
関連技術の変形例
上述した関連技術では、信号処理装置2a,2bの構成としてコンデンサC1,C2から構成されるハイパスフィルタ回路を備えた場合を例示したが、図4に示すように、LINEポート80、接続回路18およびスプリッタポート81を備え、ハイパスフィルタ回路を備えていない信号処理装置202bを用いてもよい。
【0033】
以下、本発明の実施形態について説明する。
第1実施形態
第1実施形態は、本発明に対応した実施形態である。
図5は、本実施形態の通信システム101の全体構成図である。
図5に示すように、通信システム101は、例えば、信号処理装置302a,302b、スプリッタ21a,21b、電話機12a,12b、ADSLモデム13およびパーソナルコンピュータ14を有する。
図5において、図1と同じ符号を付した構成要素は、第1実施形態で説明したものと同じである。
すなわち、通信システム101は、信号処理装置302a,302bに特徴を有している。
通信システム101では、電話回線の通信ポート3に対して、信号処理装置302aおよびスプリッタ21aと、信号処理装置302bおよびスプリッタ21bとが並列に接続されている。
なお、信号処理装置302a,302bが本発明の信号処理装置に対応している。
【0034】
以下、信号処理装置302a,302bについて説明する。
信号処理装置302aと302bとは、例えば、同じ構成を有している。
以下、信号処理装置302aの構成を説明する。
図5に示すように、信号処理装置302aは、例えば、LINEポート80、スプリッタポート81、接続回路218,219およびハイパスフィルタ回路40を有する。
ここで、LINEポート80が本発明の第1のインタフェースに対応し、スプリッタポート81が本発明の第2のインタフェースに対応し、接続回路218,219が本発明の接続回路に対応し、ハイパスフィルタ回路40が本発明のハイパスフィルタ回路に対応している。
また、抵抗R1,R2が本発明の変動抑制手段に対応している。
【0035】
LINEポート80は、接続部L_P1,L_P2を有する。
接続部L_P1には、ツイストペアなどの通信ケーブル5の電線5_1の一端が接続される。電線5_1の他端は、電話回線の通信ポート3の接続部L0_P1に接続される。
接続部L_P2には、通信ケーブル5の電線5_2の一端が接続される。電線5_2の他端は、電話回線の通信ポート3の接続部L0_P2に接続される。
【0036】
スプリッタポート81は、接続部S_P1,S_P2を有する。
接続部S_P1には、ツイストペアなどの通信ケーブル6の第1の電線の一端が接続される。通信ケーブル6の第1の電線の他端は、スプリッタ21aに接続される。
接続部S_P2には、通信ケーブル6の第2の電線の一端が接続される。通信ケーブル6の第2の電線の他端は、スプリッタ21a接続される。
【0037】
ハイパスフィルタ回路40は、LINEポート80の接続部L_P1とスプリッタポート81の接続部S_P1とを結ぶ第1の電線上に設けられたコンデンサと、LINEポート80の接続部L_P2とスプリッタポート81の接続部S_P2とを結ぶ第2の電線上に設けられたコンデンサとを有する。
ハイパスフィルタ回路40は、上述したデータ信号を透過するが、音声信号は透過しない。すなわち、ハイパスフィルタ回路40は、音声信号の周波数帯域では、LINEポート80とスプリッタポート81とを切断する程度に大きなインピーダンスを有する。
図6は、図5に示すハイパスフィルタ回路40の構成図である。
図6に示すように、ハイパスフィルタ回路40は、図5に示す接続部L_P1,L_P2,S_P1,S_P2にそれぞれ接続される接続部50_1,50_2,51_1,51_2を有する。
接続部50_1と51_1との間には、コンデンサC31,C32が直列に接続されている。
接続部50_2と51_2との間には、コンデンサC33,C34が直列に接続されている。
また、コンデンサC31とC32の接合部と、コンデンサC33とC34の接合部との間に、コイルL31が介在している。
【0038】
接続回路218は、上記第1の電線上に、ハイパスフィルタ回路40と並列に設けられている。
接続回路218では、LINEポート80の接続部L_P1とスプリッタポート81の接続部S_P1との間の第1の電線上に、接続部L_P1から接続部S_P1に向けて順方向となるダイオードD1と、接続部S_P1から接続部L_P1に向けて順方向となるダイオードD2とが相互に並列に配設している。
ダイオードD1は、電話機12aがオフフック状態(通信ケーブル6の第1の電線と第2の電線とが接続状態)となり、通信ポート3からスプリッタ21aに向けて電話回線電流が流れている場合に、インピーダンスが音声信号伝送可能な程度に小さくなる。
ダイオードD2は、電話機12aがオフフック状態となり、電話機12aから通信ポート3に向けて電話回線電流が流れている場合に、インピーダンスが音声信号伝送可能な程度に小さくなる。
また、ダイオードD1,D2は、電話機12aがオンフック状態(通信ケーブル6の第1の電線と第2の電線とが切断状態)の場合に、電話回線電流が流れないため、LINEポート80の接続部L_P1とスプリッタポート81の接続部S_P1とが実質的に切断状態になる程度にインピーダンスが大きくなる。
【0039】
接続回路219は、上記第2の電線上に、ハイパスフィルタ回路40と並列に設けられている。
接続回路219では、LINEポート80の接続部L_P2とスプリッタポート81の接続部S_P2との間の第2の電線上に、接続部L_P2から接続部S_P2に向けて順方向となるダイオードD3と、接続部S_P2から接続部L_P2に向けて順方向となるダイオードD4とが相互に並列に配設されている。
ダイオードD3は、電話機12aがオフフック状態(通信ケーブル6の第1の電線と第2の電線とが接続状態)となり、通信ポート3から電話機12aに向けて電話回線電流が流れている場合に、インピーダンスが音声信号伝送可能な程度に小さくなる。
ダイオードD4は、電話機12aがオフフック状態となり、電話機12aから通信ポート3に向けて電話回線電流が流れている場合に、インピーダンスが音声信号伝送可能な程度に小さくなる。
また、ダイオードD3,D4は、電話機12aがオンフック状態(通信ケーブル6の第1の電線と第2の電線とが切断状態)の場合に、電話回線電流が流れないため、インピーダンスが、LINEポート80の接続部L_P2とスプリッタポート81の接続部S_P2とが実質的に切断状態になる程度に大きくなる。
ダイオードD1のカソードおよびダイオードD2のアノードと、第1の電線との間には抵抗R1が設けられている。
ダイオードD3のカソードおよびダイオードD4のアノードと、第2の電線との間には抵抗R2が設けられている。
抵抗R1,R2は、本発明の変動抑制手段に対応し、ダイオードD1,D2に電話回線電流が、流れているときと、流れていないときのLINEポートとスプリッタポートの間のインピーダンスの変動を抑制し、データ信号によるエネルギ損失を均一に保つ機能を有している。
【0040】
信号処理装置302aでは、このような接続回路218,219をLINEポート80とスプリッタポート81との間に設けたことで、電話機12aがオンフック状態で、後述するスプリッタ21a内のローパスフィルタ回路を通信ケーブル5から切断することができる。
また、信号処理装置302aでは、LINEポート80とスプリッタポート81との間に、接続回路218および接続回路219と並列にハイパスフィルタを設けたことで、LINEポート80とスプリッタポート81との間では、データ信号を常時伝送することができる。
【0041】
以下、上述した通信システム101の動作例を説明する。
当該動作例では、電話機12aがオンフック状態、電話機12bがオフフック状態の場合を説明する。
この場合には、電話機12aによって、スプリッタ21aのPHONEポート16の接続部P_P1とP_P2とが切断状態になっている。
これにより、信号処理装置302aの接続回路218のダイオードD1,D2および接続回路219のダイオードD3,D4には電話回線電流は流れず、接続回路218,219は大きなインピーダンスを有し、接続回路218,219を介した経路では、LINEポート80とスプリッタポート81とが実質的に切断状態になる。これにより、音声信号は、接続回路218,219を介した経路を通過しない。また、音声信号は、上述したようにハイパスフィルタ回路40を透過しないため、音声信号の周波数帯域では、ケーブル5とスプリッタ21a内のローパスフィルタ回路20とが切断状態になる。
【0042】
また、電話機12bによって、スプリッタ21bのPHONEポート16の接続部P_P1とP_P2とが接続状態になっている。
そのため、信号処理装置302bの接続回路218のダイオードD1,D2および接続回路219のダイオードD3,D4には電話回線電流が流れ、接続回路218,219は通信可能な程度に十分に小さなインピーダンスを有し、LINEポート80とスプリッタポート81とが接続状態になる。すなわち、ケーブル5とスプリッタ21bのローパスフィルタ回路20とが接続状態になる。
信号処理装置302bでは、通信ポート3からの信号が通信ケーブル5を介してLINEポート80で受信され、当該受信した信号が接続回路218,219、スプリッタポート81、LINEポート15を介してスプリッタ21b内のローパスフィルタ回路20に出力される。
そして、ローパスフィルタ回路20では、LINEポート15から入力した信号から、周波数帯25KHz〜1104KHzのデータ信号を減衰し(透過せず)、音声周波数帯域である0〜4KHzの音声信号を透過してPHONEポート16に出力する。
【0043】
電話機12bは、スプリッタ21bのPHONEポート16から入力した音声信号に応じた音声出力を行う。
また、電話機12bからの音声信号が、スプリッタ21bのPHONEポート16を介してローパスフィルタ回路20に入力され、ローパスフィルタ回路20、LINEポート15、信号処理装置302b、並びに通信ケーブル5を介して通信ポート3に出力される。
【0044】
一方、信号処理装置302aのハイパスフィルタ回路40は、上述したように、データ信号を常時透過し、音声信号は常時透過しない。
そのため、信号処理装置302aのハイパスフィルタ回路40において、LINEポート80を介して入力した信号から、音声周波数帯域である0〜4KHzの音声信号が減衰され、周波数帯25KHz〜1104KHzのデータ信号を透過してスプリッタポート81に出力される。
そして、当該データ信号が、スプリッタポート81から、図2に示すスプリッタ21aのLINEポート15、ハイパスフィルタ回路51およびモデムポート17から通信ケーブル7を介してADSLモデム13に出力され、ADSLモデム13で復調された後に、通信ケーブル9を介してパーソナルコンピュータ14に出力される。
また、パーソナルコンピュータ14からのデータ信号が、通信ケーブル9を介してADSLモデム13に出力され、ADSLモデム13で変調された後に、スプリッタ21a内のモデムポート17およびハイパスフィルタ回路51、LINEポート15、通信ケーブル6、信号処理装置302a内のスプリッタポート81、ハイパスフィルタ回路40、LINEポート80、並びに通信ケーブル5を介して通信ポート3に出力される。
【0045】
以上説明したように、通信システム101によっても第1実施形態の通信システム1と同様の効果が得られる。
さらに、通信システム101によれば、図5に示すように、信号処理装置302a,302bの各々に抵抗R1,R2を設けたことで、ダイオードD1,D2,D3,D4に電話回線電流が、流れているときと、流れていないときのLINEポートとスプリッタポートの間のインピーダンスの変動を抑制し、データ信号によるエネルギ損失を均一に保つことができる。
【0046】
第2実施形態
図7は、本実施形態の通信システム201の全体構成図である。
図7に示すように、通信システム201は、例えば、信号処理装置402a,402b、スプリッタ21a,21b、電話機12a,12b、ADSLモデム13およびパーソナルコンピュータ14を有する。
図7において、図1と同じ符号を付した構成要素は、第1実施形態で説明したものと同じである。
すなわち、通信システム201は、信号処理装置402a,402bに特徴を有している。
通信システム201では、電話回線の通信ポート3に対して、信号処理装置402aおよびスプリッタ21aと、信号処理装置402bおよびスプリッタ21bとが並列に接続されている。
なお、信号処理装置402a,402bが本発明の信号処理装置に対応している。
【0047】
以下、信号処理装置402a,402bについて説明する。
信号処理装置402aと402bとは、例えば、同じ構成を有している。
以下、信号処理装置402aの構成を説明する。
図7に示すように、信号処理装置402aは、例えば、LINEポート80、スプリッタポート81、接続回路418,419およびハイパスフィルタ回路40を有する。
ここで、LINEポート80が本発明の第1のインタフェースに対応し、スプリッタポート81が本発明の第2のインタフェースに対応し、接続回路418,419が本発明の接続回路に対応し、ハイパスフィルタ回路40が本発明のフィルタ回路に対応している。
また、コイルLaが本発明のインピーダンス調整回路または第1のリアクタに対応し、コイルLbが本発明のインピーダンス調整回路または第2のリアクタに対応している。
【0048】
LINEポート80は、接続部L_P1,L_P2を有する。
接続部L_P1には、ツイストペアなどの通信ケーブル5の電線5_1の一端が接続される。電線5_1の他端は、電話回線の通信ポート3の接続部L0_P1に接続される。
接続部L_P2には、通信ケーブル5の電線5_2の一端が接続される。電線5_2の他端は、電話回線の通信ポート3の接続部L0_P2に接続される。
【0049】
スプリッタポート81は、接続部S_P1,S_P2を有する。
接続部S_P1には、ツイストペアなどの通信ケーブル6の第1の電線の一端が接続される。通信ケーブル6の第1の電線の他端は、スプリッタ21aに接続される。
接続部S_P2には、通信ケーブル6の第2の電線の一端が接続される。通信ケーブル6の第2の電線の他端は、スプリッタ21a接続される。
【0050】
ハイパスフィルタ回路40は、LINEポート80の接続部L_P1とスプリッタポート81の接続部S_P1とを結ぶ第1の電線上に設けられたコンデンサと、LINEポート80の接続部L_P2とスプリッタポート81の接続部S_P2とを結ぶ第2の電線上に設けられたコンデンサとを有する。
ハイパスフィルタ回路40は、上述したデータ信号を透過するが、音声信号は透過しない。すなわち、ハイパスフィルタ回路40は、音声信号の周波数帯域では、LINEポート80とスプリッタポート81とを切断する程度に大きなインピーダンスを有する。
【0051】
接続回路418は、上記第1の電線上に、ハイパスフィルタ回路40と並列に設けられている。
接続回路418では、LINEポート80の接続部L_P1とスプリッタポート81の接続部S_P1との間の第1の電線上に、接続部L_P1から接続部S_P1に向けて順方向となるダイオードD1と、接続部S_P1から接続部L_P1に向けて順方向となるダイオードD2とが相互に並列に配設している。
ダイオードD1は、電話機12aがオフフック状態(通信ケーブル6の第1の電線と第2の電線とが接続状態)となり、通信ポート3からスプリッタ21aに向けて電話回線電流が流れている場合に、インピーダンスが音声信号伝送可能な程度に小さくなる。
ダイオードD2は、電話機12aがオフフック状態となり、電話機12aから通信ポート3に向けて電話回線電流が流れている場合に、インピーダンスが音声信号伝送可能な程度に小さくなる。
また、ダイオードD1,D2は、電話機12aがオンフック状態(通信ケーブル6の第1の電線と第2の電線とが切断状態)の場合に、電話回線電流が流れないため、LINEポート80の接続部L_P1とスプリッタポート81の接続部S_P1とが実質的に切断状態になる程度にインピーダンスが大きくなる。
【0052】
接続回路419は、上記第2の電線上に、ハイパスフィルタ回路40と並列に設けられている。
接続回路419では、LINEポート80の接続部L_P2とスプリッタポート81の接続部S_P2との間の第2の電線上に、接続部L_P2から接続部S_P2に向けて順方向となるダイオードD3と、接続部S_P2から接続部L_P2に向けて順方向となるダイオードD4とが相互に並列に配設されている。
ダイオードD3は、電話機12aがオフフック状態(通信ケーブル6の第1の電線と第2の電線とが接続状態)となり、通信ポート3から電話機12aに向けて電話回線電流が流れている場合に、インピーダンスが音声信号伝送可能な程度に小さくなる。
ダイオードD4は、電話機12aがオフフック状態となり、電話機12aから通信ポート3に向けて電話回線電流が流れている場合に、インピーダンスが音声信号伝送可能な程度に小さくなる。
また、ダイオードD3,D4は、電話機12aがオンフック状態(通信ケーブル6の第1の電線と第2の電線とが切断状態)の場合に、電話回線電流が流れないため、インピーダンスが、LINEポート80の接続部L_P2とスプリッタポート81の接続部S_P2とが実質的に切断状態になる程度に大きくなる。
ダイオードD1のカソードおよびダイオードD2のアノードと、第1の電線との間にはコイルLaが設けられている。
ダイオードD3のカソードおよびダイオードD4のアノードと、第2の電線との間にはコイルLbが設けられている。
コイルLa,Lbは、本発明のインピーダンス調整手段に対応し、流れる信号(電流)の周波数に比例したインピーダンスを持つ。
これにより、データ信号の周波数帯に比べて低い音声周波数帯域における減衰を第2実施形態に比べて小さくでき、第2実施形態に比べて電話機12a,12bに供給する音声信号の振幅レベルを高めることができる。
【0053】
信号処理装置402aでは、このような接続回路418,419をLINEポート80とスプリッタポート81との間に設けたことで、電話機12aがオンフック状態で、後述するスプリッタ21a内のローパスフィルタ回路を通信ケーブル5から切断することができる。
また、信号処理装置402aでは、LINEポート80とスプリッタポート81との間に、接続回路418および接続回路419と並列にハイパスフィルタを設けたことで、LINEポート80とスプリッタポート81との間では、データ信号を常時伝送することができる。
【0054】
以下、上述した通信システム201の動作例を説明する。
当該動作例では、電話機12aがオンフック状態、電話機12bがオフフック状態の場合を説明する。
この場合には、電話機12aによって、スプリッタ21aのPHONEポート16の接続部P_P1とP_P2とが切断状態になっている。
これにより、信号処理装置402aの接続回路418のダイオードD1,D2および接続回路419のダイオードD3,D4には電話回線電流は流れず、接続回路418,419は大きなインピーダンスを有し、接続回路418,419を介した経路では、LINEポート80とスプリッタポート81とが実質的に切断状態になる。これにより、音声信号は、接続回路418,419を介した経路を通過しない。また、音声信号は、上述したようにハイパスフィルタ回路40を透過しないため、音声信号の周波数帯域では、ケーブル5とスプリッタ21a内のローパスフィルタ回路20とが切断状態になる。
【0055】
また、電話機12bによって、スプリッタ21bのPHONEポート16の接続部P_P1とP_P2とが接続状態になっている。
そのため、信号処理装置402bの接続回路418のダイオードD1,D2および接続回路419のダイオードD3,D4には電話回線電流が流れ、接続回路418,419、並びにコイルLa,Lbは通信可能な程度に十分に小さなインピーダンスを有し、LINEポート80とスプリッタポート81とが接続状態になる。すなわち、ケーブル5とスプリッタ21bのローパスフィルタ回路20とが接続状態になる。
信号処理装置402bでは、通信ポート3からの信号が通信ケーブル5を介してLINEポート80で受信され、当該受信した信号が接続回路418,419、スプリッタポート81、LINEポート15を介してスプリッタ21b内のローパスフィルタ回路20に出力される。
そして、ローパスフィルタ回路20では、LINEポート15から入力した信号から、周波数帯25KHz〜1104KHzのデータ信号を減衰し(透過せず)、音声周波数帯域である0〜4KHzの音声信号を透過してPHONEポート16に出力する。
【0056】
電話機12bは、スプリッタ21bのPHONEポート16から入力した音声信号に応じた音声出力を行う。
また、電話機12bからの音声信号が、スプリッタ21bのPHONEポート16を介してローパスフィルタ回路20に入力され、ローパスフィルタ回路20、LINEポート15、信号処理装置402b、並びに通信ケーブル5を介して通信ポート3に出力される。
【0057】
一方、信号処理装置402aのハイパスフィルタ回路40は、上述したように、データ信号を常時透過し、音声信号は常時透過しない。
そのため、信号処理装置402aのハイパスフィルタ回路40において、LINEポート80を介して入力した信号から、音声周波数帯域である0〜4KHzの音声信号が減衰され、周波数帯25KHz〜1104KHzのデータ信号を透過してスプリッタポート81に出力される。
そして、当該データ信号が、スプリッタポート81から、図2に示すスプリッタ21aのLINEポート15、ハイパスフィルタ回路51およびモデムポート17から通信ケーブル7を介してADSLモデム13に出力され、ADSLモデム13で復調された後に、通信ケーブル9を介してパーソナルコンピュータ14に出力される。
また、パーソナルコンピュータ14からのデータ信号が、通信ケーブル9を介してADSLモデム13に出力され、ADSLモデム13で変調された後に、スプリッタ21a内のモデムポート17およびハイパスフィルタ回路51、LINEポート15、通信ケーブル6、信号処理装置402a内のスプリッタポート81、ハイパスフィルタ回路40、LINEポート80、並びに通信ケーブル5を介して通信ポート3に出力される。
【0058】
以上説明したように、通信システム201によっても第1実施形態の通信システム1と同様の効果が得られる。
また、通信システム201によれば、接続回路418,419にコイルLa,Lbを設けたことで、データ信号の周波数帯に比べて低い音声周波数帯域における減衰を第2実施形態に比べて小さくでき、第2実施形態に比べて電話機12a,12bに供給する音声信号の振幅レベルを高めることができる。
例えば、図7および図6に示すハイパスフィルタ回路40として、150nFのコンデンサC31,C32,C33,C34を用い、680μHのコイルL31を用い、21.2mHのコイルLa,Lbを用いた場合の図7に示す信号処理装置402a,402bの周波数(Hz)−利得(dB)の特性は例えば図8に示すようになる。これに対して、例えば、図5に示す信号処理装置302a,302bの周波数(Hz)−利得(dB)の特性は例えば図9に示すようになる。図8と図9とを対比して分かるように、音声周波数帯域である0〜4KHzにおいて、本実施形態の信号処理装置402a,402bは、第2実施形態の信号処理装置302a,302bに比べて高い利得を実現できる。
【0059】
第3実施形態の変形例
図10は、前述した第3実施形態の変形例に係わる信号処理装置502の構成図である。
本実施形態では、図7に示す信号処理装置402a,402bの代わりに、図10に示す信号処理装置502を用いる。
図10に示すように、信号処理装置502は、信号処理装置402a,402bと同じ構成要素を有しているが、接続回路519においてコイルLaとコイルLbとが相互誘導を生じるように配設されている。
信号処理装置502によっても、第3実施形態の信号処理装置402a,402bと同様の効果が得られる。
【0060】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
例えば、上述した実施形態では、それぞれ2系列の信号処理装置2a,2b,302a,302bおよびスプリッタ21a,21bが並列に接続された場合を例示したが、3系列以上の信号処理装置およびスプリッタを並列に接続してもよい。
また、上述した実施形態では、xDSLの一例としてADSLを例示したが、VDSL(Very high speed Digital Subscriber Line) などのその他の通信方式を用いた場合にも本発明は適用可能である。
また、上述した実施形態では、本発明の信号処理装置をスプリッタの前段に設けた場合を適用した場合を例示したが、本発明の信号処理装置をスプリッタ以外にも上述したフィルタを備え、並列接続される信号処理装置の前段に設けてもよい。
【0061】
また、図1に示す信号処理装置2bとして、例えば、図11に示すように、LINEポート80、スプリッタポート81、モデムポート82、接続回路18を有し、ハイパスフィルタを備えない信号処理装置502bを用いてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第2のインタフェースに接続された外部装置の動作状態によって第1のインタフェースに生じる信号が減衰することを回避できる信号処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の関連技術の通信システムの全体構成図である。
【図2】図2は、図1に示すスプリッタの構成図である。
【図3】図3は、図2に示すローパスフィルタ回路の構成の一例を説明するための図である。
【図4】図4は、図1に示す通信システムの変形例を説明するための図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態の通信システムの全体構成図である。
【図6】図6は、図5に示すハイパスフィルタ回路の構成図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態の通信システムの全体構成図である。
【図8】図8は、図7に示す第2実施形態の通信システムの効果を説明するための図である。
【図9】図9は、図5に示す第1実施形態の通信システムの特性を説明するための図である。
【図10】図10は、図7に示す第2実施形態の通信システムの変形例を説明するための図である。
【図11】図11は、図1に示す信号処理装置の変形例の構成図である。である。
【符号の説明】
2a,2b,101a,101b,301a,301b,402a,402b…信号処理装置、3…通信ポート、5,6,7,8,9,10,11…通信ケーブル、21a,21b…スプリッタ、12a,12b…電話機、13…ADSLモデム、14…パーソナルコンピュータ、18,218,219,418,419…接続回路、20…ローパスフィルタ回路、40…ハイパスフィルタ回路、

Claims (6)

  1. 信号を入力または出力する第1のインタフェースと、
    信号を入力または出力する第2のインタフェースと、
    前記第1のインタフェースと前記第2のインタフェースとの間に介在し、前記第2のインタフェースに接続される機器の状態に応じて、前記第1のインタフェースと前記第2のインタフェースとを接続状態および切断状態のいずれかにする接続回路と、
    前記第1のインタフェースと前記第2のインタフェースとの間で前記接続回路に対して並列に接続されたハイパスフィルタ回路と
    を有する信号処理装置。
  2. 前記接続回路は、
    前記第1のインタフェースから前記第2のインタフェースに向けて順方向となる第1のダイオードと、
    前記第1のダイオードに並列に設けられ、前記第2のインタフェースから前記第1のインタフェースに向けて順方向となる第2のダイオードと、
    前記第1ダイオードおよび前記第2のダイオードと直列に接続され、前記第1の状態と前記第2の状態との間におけるインピーダンス変動を抑制するための変動抑制手段と
    を有する
    請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記接続回路は、
    前記第1のインタフェースから前記第2のインタフェースに向けて順方向となる第1のダイオードと、
    前記第1のダイオードに並列に設けられ、前記第2のインタフェースから前記第1のインタフェースに向けて順方向となる第2のダイオードと、
    前記第1ダイオードおよび前記第2のダイオードと直列に接続され、前記接続手段を介して伝送される信号の周波数に比例したインピーダンスを有するインピーダンス調整回路と
    を有する
    請求項1に記載の信号処理装置。
  4. 前記第1の信号および前記第2の信号を伝送する第1の電線および第2の電線のそれぞれに設けられ、前記第1のインタフェースと前記第2のインタフェースとの間に介在する第1の前記接続回路および第2の前記接続回路
    を有し、
    前記第1の接続回路および前記第1の接続回路の前記インピーダンス調整回路は、それぞれリアクタである
    請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 前記第1の接続回路の前記インピーダンス調整回路である第1の前記リアクタと、前記第2の接続回路の前記インピーダンス調整回路である第2の前記リアクタとが相互誘導を生じるように配設されている
    請求項4に記載の信号処理装置。
  6. 前記ハイパスフィルタ回路は、データ信号を透過し、音声信号を透過しない
    請求項1〜5のいずれかに記載の信号処理装置。
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JP2007074236A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 統合機能付通信装置、メディア間結合器、端末用通信装置及び配線形態

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