JP2004006810A - 銅系金属研磨液用酸、それを用いた銅系金属用研磨液及び研磨方法 - Google Patents

銅系金属研磨液用酸、それを用いた銅系金属用研磨液及び研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体デバイス上に施したCu及びCu合金を有する面を研磨するにあたり、スラリー濃度が比較的低濃度にも係わらず、実用的な加工速度200nm/minが達成でき、しかも、表面特性は、表面欠陥のない高光沢、高平滑性を発現可能な銅系金属用研磨液を提供する。
【解決手段】ピロリン酸、トリリン酸、ヘキサメタリン酸等の縮合リン酸および/またはその塩からなる銅系金属研磨液用酸を0.1重量%以上、過酸化水素、過ヨウ素酸及びその塩等の酸化剤を0.05重量%以上及び研磨砥粒を0.01重量%以上、更に必要に応じてベンゾトリアゾール等の反応抑制剤を0を超え1重量%以下含んでなり、pHが3〜8のスラリーからなる銅系金属用研磨液。
【選択図】  選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は銅系金属研磨液用酸、それを用いた銅系金属用研磨液及び研磨方法に関するものであり、更に詳しくは、半導体集積回路の銅配線工程における化学機械研磨技術によるデバイス平坦化に用いられる研磨液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報化技術の急速な発展に伴い大規模集積回路(LSI、ULSI、VLSI)の微細化、高密度化、高集積化による高速化が要求され、精度の高い配線の多層化技術の開発が鋭意行われている。配線の多層化を達成するためには、配線ピッチ幅の縮小及び配線間容量の低減等を行なうことが必要となり、現有の金属配線材料等であるアルミニウムから電気抵抗率の低い銅(Cu)への変更技術開発が精力的に行なわれている。
【0003】
Cu配線は、ドライエッチング法では生成物の蒸気圧の関係で配線形成が困難とされており、埋め込みによるダマシンプロセスが主流となりつつある。
【0004】
配線の多層化における課題の一要素は、各層の配線パターン及び配線層に段差欠陥のない高平滑化、高平坦化を確立することにあり、高精度の平坦化技術として、ダマシン法により埋め込み形成された配線を機械的研磨及び化学的研磨の相乗作用を適用した所謂、CMP(Chemical Mechanical Polishing)技術が用いられる。
【0005】
CMP加工技術は、通常、研磨、除去する金属と化学的に反応する薬剤及び研磨砥粒を含む研磨用スラリーを、研磨装置の定盤上に貼付したポリシングパッド面に一定供給しつつ、ダマシン施工した半導体基板を装着した研磨ヘッドを一定荷重でパッドに押圧し、定盤と研磨ヘッドの回転相対運動により余剰の金属層を研磨、除去して平坦化する方法である。
【0006】
Cuは柔らかく貴な金属であり、酸素の存在下で容易に酸化被膜を形成し不働態化する特性を有する。Cuの電気化学的溶出を誘起するには水素イオンより強い酸化力が必要であり、通常は酸化剤を添加することにより溶出を図る。また、酸化剤が存在しない系では、CNやNH のようなイオン含有する薬剤を添加することにより成される。
【0007】
Cu表面において溶出したCuイオンとの錯体を形成する錯体形成剤は、Cu表面での反応を助長し、表面に形成された酸化被膜を変質化させ、研磨加工を容易にすると共に研磨により溶液中に遊離、溶出するCuイオンを固定化する働きを行ない、加工特性を向上させる機能を有するものと考えられる。
【0008】
酸化剤及び錯体形成剤の相乗作用により化学反応が著しくなると、酸化被膜形成よりもCu表面の溶解が優先し、表面の凹凸性は激しくなる。また、研磨においては機械的作用が同伴することにより部分的研磨の進行が顕著となり、Cu表面上の平滑性は著しく低下する現象を生じる。
【0009】
この対処法として、Cuとの反応を制御する反応抑制剤が添加されている。
【0010】
一般的なCMPスラリーの構成としては、金属表面の酸化反応を促進することを目的とする酸化剤、Cuの溶出及び錯体化を促進し、水素イオン供与体として作用する酸、金属のオーバーエッチングを制御する反応抑制剤及び表面に形成された酸化被膜を機械的に除去し、加工特性を増大させることを目的とする砥粒で構成されている。
【0011】
ここで砥粒は、被研磨表面とスラリー構成剤との化学反応により形成された酸化被膜及び錯体被膜を機械的に除去し、加工速度を増大させることを主目的とするものであるが、一方、金属配線層の過剰研磨を誘発し、ディッシングと称する皿状欠陥、また、スクラッチと称する表面傷の発生を招く要因となる。よって、砥粒濃度は可能な限り低くし、実用的な加工速度が得られるスラリーとすることが望ましい。
【0012】
砥粒を含有せずに、或いは、低濃度の砥粒を含有させてCu又はCuを主成分とする金属膜を研磨するCMPスラリー技術の一態様としては、例えば、特許文献1に酸化性物質と、リン酸と、有機酸と、保護膜形成剤と水を含む研磨液が開示されている。特許文献2には、1重量%未満の研磨砥粒と、酸化性物質と、酸化物を水溶化する物質を含み、pH及び酸化還元電位が金属膜の腐食域となる研磨液を用い、金属表面を機械的に摩擦する方法が開示されている。また、砥粒含有の一態様としては、シリカ粒子、有機酸類、酸化剤及び水よりなる金属膜用研磨剤において、有機酸類の濃度が0.01〜0.1当量/lの範囲であり、pHが5〜8の範囲である金属膜用研磨剤と用いて研磨を行なう、特許文献3が開示されている。
【0013】
しかしながら、砥粒未含有系で高加工速度を得るには、高濃度のスラリー構成剤、特に、酸化剤の高濃度化が必要となり取り扱い上多大な支障を生じる。また、高加工速度は得られても多層配線化のリソグラフィー技術の焦点調整を反映する表面粗さ特性(Ra)を充分満足されるものでなく、これら問題点を解決しうるスラリーの開発が望まれている。
【0014】
なお、本発明の表面粗さ(Ra)とは、JIS B0601に定義される算術表面粗さを表すものである。
【0015】
【特許文献1】
特開2002−50595号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開平11−135466号公報(請求項1)
【特許文献3】
特開2001−31950号公報(請求項1)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、スラリー構成剤の濃度が比較的低濃度にも係わらず、実用的な加工速度200nm/minが達成でき、しかも、表面特性は、表面欠陥のない高光沢、高平滑性を発現可能な、これまでにない新規な銅系金属研磨液用酸、それを用いた銅系金属用研磨液及び研磨方法を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を達成するために鋭意検討を行なった結果、本発明により、高加工速度及び高表面特性(≦1.2nmRa)を両立することが可能となる新規な縮合リン酸及び/又は塩からなる銅系金属研磨液用酸、それを用いた銅系金属用研磨液及び研磨方法を完成し、上記課題を一挙に解決したものである。
【0018】
本発明の第一の発明は、縮合リン酸及び/又はその塩からなる銅系金属研磨液用酸を提供するものである。本発明の縮合リン酸及び/又はその塩からなる銅系金属研磨液用酸は、後述する本発明の構成条件とすることにより高加工速度及び高表面特性が発現することは勿論、従来提案されているスラリー液の有機酸等の代替酸として適用することも十分可能となる特性を有するものである。
【0019】
本発明の第二の発明は、縮合リン酸及び/又はその塩からなる銅系金属研磨液用酸と酸化剤及び研磨砥粒と必要に応じて反応抑制剤から構成される、pHが3〜8のスラリーからなる銅系金属用研磨液を提供するものである。
【0020】
この銅系金属用研磨液の組成割合は、縮合リン酸及び/又はその塩濃度が0.1重量%以上、酸化剤濃度が0.05重量%以上、研磨砥粒濃度が0.01重量%以上であり、反応抑制剤を用いる場合にはその濃度が0重量%を超え1重量%以下であるのが好ましい。
【0021】
本発明を更に詳述する。
【0022】
本発明の銅系金属研磨液用酸として用いられる縮合リン酸及び/又はその塩としては、オルトリン酸を脱水縮合して合成される、鎖状に結合した二量体のピロリン酸、三量体のトリリン酸、ヘキサメタリン酸及び/又はそれらの塩の少なくとも一種を用いればよい。具体的な塩の種類としては、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩等をあげることができる。
【0023】
本発明の縮合リン酸及び/又はその塩からなる銅系金属研磨用酸は、Cu用CMPスラリーとして成立する構成剤の一成分である酸の代替剤として適用することにより、少なくとも代替前のスラリー特性を発現できる有用な銅系金属研磨液用酸である。
【0024】
縮合リン酸及び/又はその塩の濃度としては、加工速度及び表面特性の低下を生じさせることなく、また、除去物の溶解を抑制、固定化し被研磨体上への再析出を阻止する効果を損なわない濃度として0.1重量%以上、10重量%以下とすることが好ましく、0.5重量%以上、5重量%以下とすることがより好ましい。
【0025】
その範囲外の低濃度側においては、表面特性は比較的満足できる特性を示すものの、実用的なレベルの加工速度が安定的に得られにくい場合があり、また、高濃度側においては、濃度の上昇に見合う加工速度が得られず、経済面において好ましくない場合がある。
【0026】
本発明に用いられる酸化剤としては、過酸化水素、ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、塩素酸、塩素酸塩、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩、過硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩及びオゾン等の少なくとも一種を用いることができるが、中でも加工速度と表面特性の両者が広範囲条件で安定した特性を発現できる過酸化水素、過ヨウ素酸及びその塩の少なくとも一種を用いることが、特に好ましい。
【0027】
酸化剤の濃度としては、加工速度及び表面特性の両者を満足できる0.05重量%以上、10重量%以下とすることが好ましく、0.1重量%以上、5重量%以下とすることがより好ましい。
【0028】
その範囲外の低濃度側においては、被研磨体表面を酸化させるに十分な作用が得られず、加工速度が低下する場合がある。また、高濃度側においては、添加量に対する性能発現勾配が小さくなり、飽和に近づくことより好ましくない場合がある。
【0029】
本発明に用いられる研磨砥粒としては、通常使用されるシリカ(SiO)、アルミナ(Al)、セリア(CeO)、ジルコニア(ZrO)、二酸化マンガン(MnO)及びマンガン酸化物等が適宜適用でき、特に限定されるものではないが、分散性及び研磨表面の欠陥制御の面より微細粒子で分散性に富んだコロイダルシリカ及びコロイダルアルミナを用いることが好ましい。
【0030】
研磨砥粒の濃度としては、加工速度及び表面特性を満足できる0.01重量%以上とすることが好ましく、0.05重量%以上とすることがより好ましい。上限としては10重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下であり、更に好ましくは1重量%以下である。
【0031】
研磨砥粒濃度が0.01重量%未満では酸化剤の適性により加工速度が不安定となることがある。
【0032】
本発明には、必要に応じて反応抑制剤を適用することができる。
【0033】
本発明に用いられる反応抑制剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、トリルトリアゾール及び/又はこれらの誘導体等を用いることができるが、Cuに対する反応性より、ベンゾトリアゾール、アジミドールまたは1−N−ベンゾイル等の誘導体を用いることが好ましい。
【0034】
反応抑制剤は、本来、Cuの溶出を抑制する、所謂、インヒビターとして作用するものであり、通常は10ppm〜100ppmの添加で効果が発揮され、過剰の添加はCuの完全防食を引き起こし、研磨作用をも大きく阻害する可能性があるため好ましくない。一方、10ppm未満では、防食性が十分とならず溶出により表面特性が制御できなくなるため望ましくない。
【0035】
しかしながら、本発明の構成剤への添加においては、通常使用される許容濃度範囲と相違し、反応抑制剤の許容濃度範囲が非常に広いことも特徴であり、加工速度及び表面特性を発現する濃度としては、0重量%をこえ、1重量%以下が好ましく、0.005重量%〜0.5重量%とすることがより好ましい。
【0036】
本発明には、必要に応じて水素イオン供与体となる有機酸、及び/又はポリリン酸以外の無機酸を添加することができる。
【0037】
水素イオン供与体を添加することにより、表面粗さ特性は維持したまま加工速度を上昇させることが可能となる場合がある。
【0038】
本発明に用いられる水素イオン供与体は、直鎖状の飽和及び不飽和カルボン酸、芳香族カルボン酸等の有機酸及び/又は塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸の少なくとも一種を用いることができる。酸化剤が過酸化水素の場合は、蓚酸を適用することが、充分な加工速度、高光沢および高平滑性を得るために特に好ましい。また、酸化剤が過ヨウ素酸及び/又はその塩を用いる場合は、コハク酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、蓚酸、マレイン酸等の有機酸及び/又は硝酸、硫酸、塩酸等の無機酸を適用することが、充分な加工速度、高光沢および高平滑性を得るために好ましく、蓚酸及びマレイン酸を用いることが特に望ましい。
【0039】
本発明に用いられる水素イオン供与体の濃度は、特に制限されるものではないが、加工特性及び経済性の観点より5重量%以下が好ましく、0.05重量%〜1.0重量%とすることがより好ましい。
【0040】
本発明の研磨液のpHは、3.0〜8.0、好ましくは、3.4〜6.0とすることが大切である。
【0041】
pHを調整する前の研磨液スラリーのpHは、構成剤である縮合リン酸及び/又はその塩により2.5以下を呈する。よって、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ性を呈する調整剤の添加によりスラリーpHを調整することが必要である。
【0042】
pH調整剤は特に限定されるものではないが、不純物の混入を抑制する意味で水酸化アンモニウム(アンモニア水)を適用すること特に望ましい。
【0043】
研磨液のpHが8.0を超えたアルカリ領域では、HCuO として溶出するため加工速度は比較的高い値を示すが、表面粗さ特性が大きく低下し、無光沢又は半光沢の状態を示す。一方、pHが3.0未満の場合、Cu2+としての溶出が著しくなり、加工速度は高い値を示すものの表面特性が低下する。
【0044】
本発明の研磨液には、更に一般的に用いられるアニオン系、カチオン系及びノニオン系の界面活性剤、粘度調整剤、pH調整剤及び消泡剤等を添加することができるが、界面活性剤においては、特にアニオン系及びノニオン系が研磨砥粒の分散性に好適に作用する。なお、本発明の研磨液における上記した以外の構成成分としては水であり、イオン交換水、蒸留水、超純水等を使用することができる。
【0045】
本発明の研磨液は、通常適用されるCMP用研磨機器の付帯設備である、プラテンに貼付するパッド上或いはウエハ上に任意の速度で滴下し、ウエハ上にダマシン法で形成された銅及び銅合金を含有する配線層を研磨する方法に適用されるものである。
【0046】
図1に、ダマシン配線/CMP加工技術法による配線の一例(断面図)を示す。
初めに、図1(A)のように半導体シリコン基板10上にシリコンの熱酸化膜である絶縁層20を形成し平坦化する。次に、図1(B)に示すように絶縁層20にリソグラフィー等によりパターン溝を形成する。その後、図1(C)に示すように、絶縁層20に形成した溝及び開口部にタンタル(Ta)、チッ化タンタル(TaN)、チタン(Ti)及びチッ化チタン(TiN)等のバリア金属層30をスパッタリング及びCVD法等により形成する。このバリア金属層30は、Cu等の配線用金属がシリコン基板10及び絶縁層20に拡散することを防御するため、また、熱酸化膜20と配線用金属層40の接触抵抗を低下させる目的で成膜されるものである。
【0047】
次に、図1(D)に示すように溝及び開口部にメッキ法、スパッタリング法及びCVD法等により配線用金属層40の埋め込み形成を行なう。このようにダマシン法により形成されたバリア金属層30及び配線用金属層40の平坦化を行なう方法としてCMP加工技術が適用される。
【0048】
CMP加工技術は、通常、研磨、除去する金属と化学的に反応する薬剤及び研磨砥粒を含む研磨用スラリーを、研磨装置の定盤上に貼付したポリシングパッド面に一定供給しつつ、ダマシン施工した半導体基板を装着した研磨ヘッドを一定荷重でパッドに押圧し、定盤と研磨ヘッドの回転相対運動により余剰の金属層を研磨、除去して平坦化する方法である。
【0049】
CMP加工技術の終了の一態様は図1(F)に示されるものであり、CMP加工により図1(D)の配線用金属層40と図1(E)のバリア金属層30を順次研磨、除去し平坦化する。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳述するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。
【0051】
(実施例1)
過酸化水素(H)濃度が5wt%、ベンゾトリアゾール(BTA)濃度が0.5wt%、コロイダルシリカ(扶桑化学工業製:グレードPL−1、平均粒径:70nm)濃度が1wt%となるように各試薬を添加、溶解させた後、ピロリン酸濃度を任意に設定し、これらの研磨液のpHをアンモニア水で約4.0に調整した。また、同時にBTAを含有しないpHが3.5の各研磨液を調整した。
【0052】
次に、電解Cuメッキを施したウエハを15mm角にダイシングした試料を、図2に示すワークプレート1に装着し、修正リング2に挿入した。
【0053】
先に調整した研磨液を図2のスラリー供給ノズル4より30ml/minの滴下速度で供給しつつ図2の定盤3の回転速度を30rpmとして研磨を行った。
【0054】
荷重量は250g/cmとし、パッドはロデール・ニッタ社製、商品名「IC1000/SUBA400」を用いた。
【0055】
加工速度は、四端子法によるシート抵抗器を用いて加工前後のシート抵抗を測定し算出した。また、表面特性は、原子間力顕微鏡(AFM)により評価した。
【0056】
結果を表1に示す。ここで、表中、表面特性の○印は、原子間力顕微鏡(セイコーインスツルメンツ製:Nanopics1000)による表面粗さが1.2nmRa以下であることを表す。
【0057】
BTAの有無に係わらず、ピロリン酸濃度が0.1wt%以上において、加工速度及び表面特性とも優れた特性を示した。
【0058】
(実施例2)
実施例1と同一の試薬を用い、ピロリン酸濃度が0.5wt%、BTA濃度が0.01wt%、コロイダルシリカ濃度が1wt%となるように各試薬を添加、溶解させた後、過ヨウ素酸カリウム(KIO)濃度を任意に設定し、各研磨液のpHをアンモニア水で約3.5に調整した。また、同時にBTAを含有しない各研磨液を調整した。
【0059】
これらの研磨液を用いて、実施例1と同様の加工条件で評価を実施した。
【0060】
結果を表1に示す。KIO濃度が、0.05wt%以上で加工速度及び表面状態とも優れた結果を示した。
【0061】
(実施例3)
実施例2のBTAを含有しない研磨液の酸化剤をHに変更した以外は、実施例2と同様の条件で加工評価を実施した。
【0062】
結果を表1に示すが、H濃度を0.5wt%〜5wt%まで変化させたが、いずれの条件下でも高加工特性を示した。
【0063】
(実施例4)
実施例1と同一の原材料を用い、ピロリン酸濃度が0.5wt%、酸化剤としてKIO濃度が0.2wt%、BTA濃度が0.01wt%となるように各試薬を添加、溶解させた後、コロイダルシリカ濃度を任意に変更し、各研磨液のpHをアンモニア水で約3.8に調整した。また、同時にBTAを含有しない各研磨液を調整した。
【0064】
これらの研磨液を用いて、実施例1と同様の加工条件で評価を実施した。
【0065】
結果を表1に示す。コロイダルシリカ濃度を、0.01wt%以上含有させる事で加工特性は十分満足できる結果を示した。
【0066】
(実施例5)
実施例4の酸化剤を5wt%Hに変更し、BTA濃度を0.5wt%研磨液のpHを4として、コロイダルシリカの濃度を変化させた検討を行った。
【0067】
結果を表1に示すが、いずれの濃度でも加工速度及び表面特性ともに、高特性を示した。
【0068】
(実施例6)
実施例1と同一の試薬を用い、ピロリン酸濃度が0.5wt%、酸化剤としてKIO濃度が0.2wt%、砥粒としてコロイダルシリカが1wt%となるように各試薬を添加、溶解、混合させた後、BTA濃度を任意に設定し、各研磨液のpHをアンモニア水を用いて約3.5に調整した。
【0069】
これらの研磨液を用いて、実施例1と同様の加工条件で評価を実施した。
【0070】
結果を表1に示す。BTA濃度の上昇により、加工速度は低下傾向を示すが、BTA濃度が、1wt%以下で優れた加工特性を示した。
【0071】
(実施例7)
実施例6のピロリン酸を、トリポリリン酸0.5wt%とし、酸化剤を5wt%H、砥粒としてコロイダルシリカを1wt%とした研磨液に、BTA未添加及び0.5wt%添加して、アンモニア水でpH4.0に調整して、実施例1と同一の評価条件で加工特性を評価した。
【0072】
結果を表1に示すが、加工速度及び表面特性ともに良結果を示した。
【0073】
(実施例8)
実施例1のスラリー構成成分のうち、ピロリン酸の濃度を1wt%、BTA濃度を0.01wt%とし、蓚酸を0.2wt%添加して、実施例1と同様の条件下で評価を実施した。
【0074】
その結果を表1に示すが、表面特性は変化せず、加工速度が向上した。
【0075】
(実施例9)
実施例8の酸化剤をKIOに変更し、濃度を0.2wt%として蓚酸、マレイン酸及び硫酸を0.2wt%加え、同様の条件下での検討を実施した。
【0076】
結果を表1に示す。表面状態は高特性を維持した状態で、且つ、加工速度は増大した特性を示した。
【0077】
(実施例10)
実施例1と同一の原材料を用い、ピロリン酸濃度が0.5wt%、酸化剤としてKIO濃度が0.2wt%、砥粒としてコロイダルシリカ濃度が1wt%及びBTA濃度が0.01wt%となるように各試薬を添加、溶解させた後、研磨液のpHをアンモニア水で任意に調整した。
【0078】
これらの研磨液を用いて、実施例1と同様の加工条件で評価を実施した。
【0079】
結果を表1に示すが、研磨液のpHが、3〜8の領域では、pHの上昇により加工速度は低下傾向を示すものの加工速度及び表面状態ともに優れた特性を示した。
【0080】
(比較例1)
実施例2を構成する組成で、酸化剤であるKIOを含有しない研磨液での評価を行った。
【0081】
得られた結果を表2に示す。ここで、表中、表面特性の評価記号において、○印は、原子間力顕微鏡(セイコーインスツルメンツ製:Nanopics1000)による表面粗さが1.2nmRa以下、△印は、1.2nmRaをこえ、2.0nmRa以下、×印は、2.0nmRaを超える特性を表す。
【0082】
酸化剤が存在しないと、加工特性は出現せず表面は初期状態の無光沢を維持していた。
【0083】
(比較例2)
実施例3の構成組成で、酸化剤であるHを含有しない研磨液での評価を行った。
【0084】
結果を表2に示すが、加工特性は出現しなかった。
【0085】
(比較例3)
実施例1と同一の試薬を用い、砥粒を含有しない研磨液での評価を実施した。組成濃度は、ピロリン酸を0.5wt%、Hを5wt%、BTAを0.5wt%とし、研磨液のpHを3.5に調整して実施例1と同一の評価条件で検討を行なった。
【0086】
結果を表2に示すが、加工特性は出現しなかった。
【0087】
(比較例4)
液のpHをアンモニア水で2.0及び9.0に調整した以外は、実施例10と同一の条件下で評価を行った。
【0088】
結果を表2に示す。加工速度は充分な特性を示すものの表面特性に問題を生じた。
【0089】
(比較例5)
試薬特級の硝酸(HNO)と実施例1の試薬を用い、硝酸の濃度を任意に設定して評価を実施した。
【0090】
最初に、コロイダルシリカ濃度が1wt%となるスラリーに、HNOを添加し任意の濃度となるように設定し、液のpHをアンモニア水により3.5に調整した研磨液を用いて、実施例1と同一の条件で評価を行なった。次に、これらの研磨液に、酸化剤のH及び反応抑制剤のBTAを任意に添加して、同一の条件下で評価を行った。
【0091】
結果を表2に示す。研磨液のpHが3.5の弱酸性では、HNO濃度を5wt%としても加工特性はほとんど出現しなかった。また、H及びBTAを添加した研磨液では、表面特性は改善され高光沢を示す場合も有るが、加工特性は著しく低い結果となった。
【0092】
(比較例6)
試薬特級のリン酸(HPO:オルトリン酸)と実施例1の試薬を用い、リン酸の濃度を任意に設定して評価を行なった。
【0093】
最初に、H濃度が3wt%、コロイダルシリカ濃度が1wt%となるように調整した液に、リン酸を任意の濃度となるよう添加し、pHをアンモニア水により3.5に調整して実施例1と同一の条件下で評価を行なった。
【0094】
次に、リン酸濃度が5wt%、H濃度が5wt%、コロイダルシリカ濃度が1wt%となるスラリー液に、任意の濃度のBTAを添加し、各研磨液のpHを3.5に調整し、同一の条件下で評価を行った。
【0095】
結果を表2に示す。リン酸濃度の上昇に伴い、加工速度は増大するが、加工表面は明かに腐食された凹凸の大きい表面を呈した。また、BTAの添加により、表面特性は改善される傾向を示すが、表面状態は陰りのある光沢面となり、高光沢の領域に達しなかった。
【0096】
(比較例7)
比較例6で用いた酸化剤を、KIOに変更して、同一の検討を行なった。
【0097】
結果を表2に示したが、加工特性は、比較例6と大きく変化せず、表面特性に問題を生じた。
【0098】
(比較例8)
比較例7の構成成分を用い、各種有機酸を0.2wt%添加して、同様の評価を実施した。
【0099】
その結果、リン酸濃度が高いと加工速度は十分な値を示すが、表面特性に問題を生じた。
【0100】
(比較例9)
実施例9のピロリン酸を亜リン酸(HPO)に変更し、0.2wt%の乳酸として同様な検討を行ったが、表面特性は比較例8と同等となり、加工速度は幾分低い値を示した。
【0101】
(比較例10)
試薬特級のリンゴ酸及び実施例1適用の試薬を用いて、同様に加工検討を行なった。
【0102】
リンゴ酸濃度が0.4wt%,コロイダルシリカ濃度が1wt%となる調整液に、Hが任意の濃度となるように試薬を添加し、これらのpHをアンモニア水で4.0に調整して、実施例1と同一の評価条件で研磨検討を行なった。
【0103】
また、H濃度を3wt%と一定とし、BTA濃度を任意に変化させて同一条件で検討を行なった。
【0104】
結果を表2に示す。BTA未添加の研磨液では、加工速度は問題ない値を示し、表面も光沢性を呈したが、表面に陰りのある光沢であり、AFMによる評価では充分な粗さ特性は得られなかった。また、BTAを添加した研磨液では、表面特性に大きな改善は確認できず、加工速度はBTA濃度と共に減少し、加工速度と表面特性の両者を満足する結果は得られなかった。
【0105】
【表1】
Figure 2004006810
【表2】
Figure 2004006810
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明の第一の態様は、縮合リン酸及び/又はその塩からなる銅系金属研磨液用酸を、第二の態様は、縮合リン酸及び/又はその塩からなる銅系金属研磨液用酸、酸化剤及び研磨砥粒と必要に応じて反応抑制剤を添加したスラリーからなる研磨液を提案するものである。本発明の研磨液を用いて半導体デバイス上に施したCu及びCu合金を有する面を研磨加工することにより、高加工速度及び高表面特性を両立する特性を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属配線(ダマシン法)/CMP加工技術法の概略断面図である。
【図2】本発明の研磨液の評価に用いた研磨装置の概略図である。
【符号の説明】
1 ワークプレート
2 修正リング
3 定盤
4 スラリー供給ノズル
10 シリコン基板
20 絶縁層
30 バリア金属層
40 配線用金属層

Claims (10)

  1. 縮合リン酸及び/又はその塩からなる銅系金属研磨液用酸。
  2. 縮合リン酸及び/又はその塩が、ピロリン酸、トリリン酸、ヘキサメタリン酸及び/又はそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1記載の銅系金属研磨液用酸。
  3. 請求項1記載の銅系金属研磨液用酸、酸化剤及び研磨砥粒を含むスラリーであって、該スラリーのpHが3〜8である銅系金属用研磨液。
  4. 銅系金属研磨液用酸濃度が0.1重量%以上、酸化剤濃度が0.05重量%以上、研磨砥粒濃度が0.01重量%以上である請求項3記載の銅系金属用研磨液。
  5. 銅系金属研磨液用酸濃度が0.1〜10重量%、酸化剤濃度が0.05〜10重量%、研磨砥粒濃度が0.01〜10重量%である請求項3記載の銅系金属用研磨液。
  6. 酸化剤が、過酸化水素、過ヨウ素酸及び/又はその塩からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項3〜5のいずれかに記載の銅系金属用研磨液。
  7. 請求項3の銅系金属用研磨液が、反応抑制剤を更に含有してなる銅系金属用研磨液。
  8. 反応抑制剤がベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体である請求項7記載の銅系金属用研磨液。
  9. 反応抑制剤濃度が、0をこえ1重量%以下である請求項7又は請求項8記載の銅系金属用研磨液。
  10. 請求項3〜9のいずれかの項に記載の銅系金属用研磨液を用いて、銅又は銅合金を含む面を研磨する方法。
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