JP2004006318A - 手持ち器具 - Google Patents

手持ち器具 Download PDF

Info

Publication number
JP2004006318A
JP2004006318A JP2003112783A JP2003112783A JP2004006318A JP 2004006318 A JP2004006318 A JP 2004006318A JP 2003112783 A JP2003112783 A JP 2003112783A JP 2003112783 A JP2003112783 A JP 2003112783A JP 2004006318 A JP2004006318 A JP 2004006318A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical medium
light
led
hand
pen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003112783A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4107493B2 (ja
Inventor
Satoshi Tamaoki
玉置 智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
LAB Sphere Corp
Original Assignee
LAB Sphere Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by LAB Sphere Corp filed Critical LAB Sphere Corp
Priority to JP2003112783A priority Critical patent/JP4107493B2/ja
Publication of JP2004006318A publication Critical patent/JP2004006318A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4107493B2 publication Critical patent/JP4107493B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Abstract

【課題】電池の寿命を長くすることが出来、且つ充分な照度の局所照明が可能な照明装置付き手持ち器具を提供する。
【解決手段】第1の光学媒体212によりモールドされ、この第1の光学媒体212の頂部より、所定の波長の光を出力する半導体発光素子(可視光LED)20と、この可視光LED20を駆動する電源部24と、第1の光学媒体212を収納する第1の空洞部を内部に有し、可視光LED20の光を外部に出射するための湾曲面を有する第2の光学媒体21と、この第2の光学媒体21を収納する第2の空洞部17を有する第3の光学媒体11からなる手持ち軸部(ペン軸)とを備えている。第3の光学媒体11は、更に、円筒形の第3の空洞部を有し、この第3の空洞部に筆記用カートリッジ15を収納している。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明装置の付いたドライバ等の手工具や筆記具等の手持ち器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
研究発表会や講演会等においては、しばしば、スライド上映やビデオ上映がなされ机上は暗闇と化す。このような暗闇の中でメモを取りたい場合には何らかの照明器具があると便利である。又、夜間にかかってきた電話の内容を暗闇の中で手帳にメモをしておきたい場合、或いは夜間の屋外作業中や運動選手の夜間練習中に記録をしたい場合等には、それらの作業に際し、何らかの照明器具が必要である。更に、空調機や船舶のエンジン部等の大きな機械装置等の点検・修理等に際しては昼間の作業であっても、奥部は暗く、何らかの照明器具が必要な場合がある。
【0003】
しかし、補助者がいない場合には、一方の片手に照明器具、他方の片手に手工具や筆記具を持ち、これら手持ち器具の使用中に常時該当個所を局所照明する方法では極めて作業性に劣る。又常時、手持ち器具と併せて照明器具を携帯するのは、状況や用途によっては不便である。
【0004】
最近、筆記具の分野においては、筆記具と照明器具とを一体化した照明装置付き筆記具が商品化されている。しかし、この照明装置付き筆記具は、白熱電球を用いおり、この白熱電球の消費電力が大きいので、電池の寿命が短いという欠点を有している。更に、白熱電球自身の寿命も短いという欠点を有している。長時間或いは数日間にわたって継続して研究発表会や講演会が開催されるような場合、長時間の局所照明が必要になり、電池の交換回数が増えるばかりか、電池の購入のための費用や予備の白熱電球(替え玉)の用意等の心配が増えるので、経済的には好ましくない。
【0005】
この点から、ペン先近傍の極小面積に発光ダイオード(LED)を取り付けた筆記具も市場に出現し始めている。ペン先近傍のLEDから発せられる光で、紙面を局所照明するように工夫されたものである。LEDは白熱電球に比べて数十分の1から数百分の1の範囲の消費電力で済むので、充分な電池の寿命を得ることが出来る。残念ながら、このLEDを取り付けた筆記具は、あまり明るくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
LEDは、電気エネルギーを直接光エネルギーに変換するため、白熱球に比し、遙かに高効率である。白熱球においては、電気エネルギーを一旦熱エネルギーに変換し、その発熱に伴う輻射を利用している。このため、その変換効率は原理的に低く、1%を越えることはない。一方、LEDにおいては、変換効率が20%以上程度が可能で、白熱球に比し約100倍以上の変換効率が容易に達成出来る。更に、LEDは半永久的とも考え得る長寿命である。
【0007】
かかる優れた特徴をLEDは有するものの、現状では、LEDの応用は各種機器のコントロールパネルの表示ランプや、電光掲示板等の表示装置等の極く限られた範囲に限定されており、LEDが照明装置に使用された例は少ない。最近、鍵穴の照明器具や上述した照明装置付き筆記具等が登場しつつあるが、いずれにしろ、小さな面積しか照明出来ないものである。これはLEDの輝度は極めて高いにもかかわらず、LED1個の光の出射面積が1mm程度の小さな面積であるため、照明器具としての充分な光束が得られないという事情に起因している。
【0008】
前述の照明装置付き筆記具においては、照明持続時間を長くすることが出来るものの、照度を充分に高くすることが出来ないので、ペン先程度の極く限られた領域しか明るくすることが出来ず、又全体としても充分な明るさとは言えるものではなかった。したがって、暗闇で筆記することや、研究発表会で配布された論文抄録等の書類を閲読するには、しばしば支障が生じていた。
【0009】
照明装置の観点からは、LEDの個数を増やして輝度を高めることが考えられるが、部品点数が増え、手持ち器具の構造が複雑になり、小型軽量化を図るためには極めて製作が複雑になる。
【0010】
LEDの主材料は、高価な化合物半導体が用いられており、なおかつ、エピタキシャル成長や不純物拡散等の高度の製造技術が要求されるため、LEDの製造単価(コスト)の低減には一定の限界がある。更に、青(B)色LEDの材料である窒化ガリウム(GaN)のエピタキシャル成長の基板には、高価なサファイア基板が用いられている等各半導体材料特有の事情もある。又、LEDの材料である化合物半導体のエピタキシャル成長用基板としては、大口径ウェハは現状では入手出来ないことや、エピタキシャル成長の均一性等の製造技術上の問題もあり、基本的に大面積の発光領域を有したLEDを製造するのは困難である。
【0011】
いずれにしても、LEDの個数やチップ面積を増大させることは、製品の単価(コスト)を増大させることになり、好ましくない。
【0012】
このような事情から、従来は、充分な照度が確保出来、しかも、暗闇での作業性や携帯性に優れた手工具や筆記具等の手持ち器具は、長く待望されているにもかかわらず、現実には実現出来ないでいた。
【0013】
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。したがって、本発明の目的は、電池の持続時間が長く、しかも目が疲れない適度な照度の照明が可能な照明装置付き手持ち器具を提供することである。そして、これにより、比較的広範囲における充分な照度の局所照明を、補助者無しに実現しながら、長時間の暗闇作業を可能にすることである。
【0014】
本発明の他の目的は、部品点数が少なく簡易な構造の照明装置付き手持ち器具を提供することである。そして、これにより、製作が容易で、且つ製作コストや製品コストの低減が容易な照明装置付き手持ち器具を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の特徴は、第1の光学媒体によりモールドされ、この第1の光学媒体の頂部より、所定の波長の光を出力する半導体発光素子と、この半導体発光素子を駆動する電源部と、第1の光学媒体を収納する第1の空洞部を内部に有し、半導体発光素子の光を外部に出射するための湾曲面からなる頂部を有する第2の光学媒体と、この第2の光学媒体を収納する第2の空洞部を有する第3の光学媒体からなる手持ち軸部とを備えた手持ち器具において、第2の光学媒体と第3の光学媒体とを同一材料で一体として構成し、第1の光学媒体と第2の光学媒体との間を着脱可能なようにしたことである。ここで、「手持ち器具」とは、ドライバ、スパナ、レンチ等の手工具、ボールペン、シャープペンシル、万年筆、マジックペン、毛筆ペン等の筆記具、或いは棒口紅等の化粧器具等の、人間が手にして作業を行う器具である。更に、電動ドライバ等の電池式、充電式の電動工具も本発明の「手持ち器具」である。したがって、「電源部」はモータ等の他の装置の電源を兼ねていてもかまわない。又、「半導体発光素子」としては、発光ダイオード(LED)や半導体レーザ等が該当する。「所定の波長」とは、半導体レーザではほぼ単一波長と見なせるであろうが、LEDでは一定のスペクトル幅を有するので、このスペクトル幅を考慮すべきであることは勿論である。例えば、スペクトルのピーク波長の意と定義しても良い。又、「手持ち軸部」とは、ペン軸やドライバの柄のように作業する際に、作業者が握る部位の意である。
【0016】
一般のLED(樹脂モールドされたLED)においては、樹脂モールド部が、本発明の第1の光学媒体に相当する。この樹脂モールド部(第1の光学媒体)の頂部の凸形状湾曲面以外の所から出る光は、いわゆる迷光成分となり、照明には寄与しない。しかし、本発明の特徴においては、半導体発光素子が第1の空洞部にほぼ完全に閉じこめられているので、これらの迷光成分が有効に照明に寄与出来るようになる。即ち、第1の空洞部の入射面(底部)以外の内壁面も、有効な光の入射部として機能し得るのである。又、半導体発光素子と第1の空洞部との間にはそれぞれの界面で反射した光の成分が多重反射し、迷光成分となっている。従来公知のレンズ等の光学系では、これらの迷光成分は、照明に寄与出来るように取り出すことは出来ない。しかし、本発明では、これらの迷光成分も、第1の空洞部の内部に閉じこめられているので、最終的には、照明に寄与出来る成分となり得る。この結果、樹脂モールド(第1の光学媒体)の形状等に起因した光の取り出し効率や、光学系相互の反射成分が迷光成分になることによる光学的損失等に依存せず、ほぼ、内部量子効率とほぼ等しい効率で、潜在的な半導体発光素子チップの光エネルギーを有効に外部に取り出すことが可能となる。このように第2の光学媒体で第1の光学媒体を覆うことにより(半導体発光素子の数を多数必要とすることなく)、照明に寄与する光ビームとして所望の照射面積の光束を確保し、且つ所望の照度を簡単に得ることが出来る。この照度は従来公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照度である。驚くことに、現在市販されているハロゲンランプを用いた細身の懐中電灯と同程度の照度がたった1個の半導体発光素子(LED)で実現出来る。そして、この第2の光学媒体からの光を、「手持ち軸部」として機能する第3の光学媒体に導き、被照明対象を局所照明することにより、極めて高い照度を得ることが出来る。これは、従来の半導体発光素子を用いた技術常識では全く予測出来ない照度である。このため、第1の光学媒体と第2の光学媒体との間をスペーサや接着剤で固定し、第2の光学媒体と第3の空洞部(第3の光学媒体)との間を着脱可能なように構成すれば、第2の光学媒体を露出することにより、第2の光学媒体からの出力光を懐中電灯や信号送信機の出力光として使用可能である。
【0017】
第2の光学媒体と第3の光学媒体との間を固定し、第1の光学媒体と第2の光学媒体との間を着脱可能なようにし、第1の光学媒体の頂部から出る光を照明光源として使用可能である。
【0018】
この本発明の特徴に係る手持ち器具は、半導体発光素子を使用しているので、電力消費が少なく、照明持続時間を長くすることが出来る。更に、この手持ち器具は、簡易な構造で構成出来る。
【0019】
更に、第3の光学媒体は、円筒形の第3の空洞部を有し、この第3の空洞部に中心軸部を収納しても良い。「中心軸部」とは、例えば、ドライバにおいては、実際にネジ等に接して、このネジ等を廻す金属棒等からなる中心軸であり、筆記具においては、ボールペン、万年筆、マジックペン、毛筆ペン等の、インクカートリッジや墨汁カートリッジ等の意である。シャープペンシルにおいては替芯カートリッジ等が「中心軸部」に該当する。このように、第3の光学媒体の一部に中心軸部を収納する構造を採用することにより、手持ち器具に使用される部品点数を削減することが出来る。部品点数の削減により、製作が容易となり、製作コストが削減出来る。
【0020】
本発明の特徴においては、第2の光学媒体と第3の光学媒体とを同一材料で一体として構成し、第1の光学媒体と第2の光学媒体との間を着脱可能なようにしているので、部品点数が実質的に減少し、より構造が簡単になる。
【0021】
本発明の特徴に係る手持ち器具において、半導体発光素子は、複数の波長の光を出力することが好ましい。特に、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3色の波長を有するようにすれば、この赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の各波長の光の強度比を変えることにより、中間色を含めた可視光領域のすべての色が実現出来、この色合いの変化を楽しむことが出来る。又、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の各波長の光の強度比を特定の信号として使用することも可能である。
【0022】
又、本発明の特徴に係る手持ち器具において、第3の光学媒体の作業用先端部近傍に光分散部や光集光部を更に備えるようにすれば、所望の被照明領域に於ける比較的広い範囲の局所照明が可能となる。特に、第2の光学媒体で第1の光学媒体を覆うことにより、半導体発光素子の光を極めて有効に集光しているので、比較的広い範囲の局所照明をしても、充分な照度が得られる。
【0023】
本発明の特徴に係る手持ち器具において、半導体発光素子は、白色光を出力するLEDであることが好ましい。これは、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の各波長の光を所定の強度比で混合することにより、実現出来る。白色光は、目に自然で、やさしい。このため、長時間の暗闇作業においても、疲労が少ないという利点を有する。
【0024】
更に、本発明の特徴に係る手持ち器具において、第3の光学媒体の屈折率の分布を不均一に構成しても良い。例えば光ファイバーは屈折率の高い芯(コア)部と屈折率の低い外被(クラッド)部から構成されているが、樹脂製光ファイバーの複数本を集合し、互いのクラッド部を融合し、一体化しこれを第3の光学媒体として用いれば、第3の光学媒体の屈折率の分布は、不均一になる。第3の光学媒体を構成する各ファイバーの端部を第2の光学媒体に対して所定の角度に配向することにより、半導体発光素子の光を有効に第3の光学媒体に導くことが出来る。そして、光ファイバーは光の伝送効率が高いので、手持ち軸部(第3の光学媒体)が長くなるような構造の手持ち器具には有効である。樹脂製光ファイバーは安価で、熱による加工も容易であるので、樹脂製光ファイバーを用いることにより、簡単且つ低コストで、手持ち器具を製造することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、外径と長さとの関係、各部の寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な構造は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0026】
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態に係る手持ち器具は、第1の光学媒体212によりモールドされ、この第1の光学媒体212の頂部より、所定の波長の光を出力する半導体発光素子としての可視光LED20と、この半導体発光素子(可視光LED)20を駆動する電源部24と、第1の光学媒体212を収納する第1の空洞部を内部に有し、半導体発光素子(可視光LED)20の光を外部に出射するための湾曲面からなる頂部を有する第2の光学媒体21と、この第2の光学媒体21を収納する第2の空洞部17を有する第3の光学媒体11からなる手持ち軸部(ペン軸)10とを備えたボールペンにおいて、第2の光学媒体21と第3の光学媒体11とを同一材料で一体として構成し、第1の光学媒体212と第2の光学媒体21との間を着脱可能なようにしている。即ち、第2の光学媒体21と第3の光学媒体11との間を固定し、第1の光学媒体212と第2の光学媒体21との間を着脱可能なようにし、第1の光学媒体212の頂部から出る光を照明光源として使用している。そして、この第3の光学媒体11は、円筒形の第3の空洞部を有し、この第3の空洞部には、中心軸部(インクカートリッジ)15が収納されている。更に、本発明の実施の形態に係る手持ち器具は、半導体発光素子(可視光LED)20を駆動する電源部24と、電源部24の電源供給を制御するスイッチ部26とを備えている。このボールペンのペン先(作業用先端部)14の最先端部分には自在に回転し紙面に適度にインクを供給するための鋼鉄性ボールが配設されている。鋼鉄製ボールは、直径0.2mmφ乃至0.8mmφ等の現在市販されている種々の大きさのものが使用可能である。
【0027】
そして、図2に示すように、この手持ち器具(ボールペン)は、筆記具本体1とライト部本体2とに分解して、ライト部本体2を単独使用可能なように構成されている。即ち、この手持ち器具(ボールペン)は、筆記具本体1をライト部本体2に着脱自在に装着出来るようになっている。
【0028】
インクカートリッジ15は、ペン軸10の中心軸部分に配設されたカートリッジ取り付け穴15Aに、図1中及び図2中、右側のペン先方向から左側に向かって取り付けられ、又インクがなくなり交換する際には左側から右側に向かってカートリッジ取り付け穴15Aから取り外すようになっている。
【0029】
第3の光学媒体11には、LED光の波長に対する透過率が高く、その製作が容易で、しかも比較的軽量な透明なアクリル樹脂、透明なプラスチック材料を使用することが出来る。好みによって筆記具本体1に重量感を持たせ、筆記し易くすることが要求される場合には、第3の光学媒体11は透明なガラス材料で形成しても良い。透明なガラス材料としては、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス等の種々の材料が使用可能である。或いは、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、炭化珪素(SiC)等の結晶性材料を用いてもかまわない。ペン軸10は、例えば直径約12mm、全長約150mmの寸法で形成されている。
【0030】
コーティング層12は、後述する光分散部19の領域を除き、第3の光学媒体11の表面の大半に配設されているが、場合によりこのコーティング層12を省略しても良い。ペン先部に光を集中したいときはこのコーティング層12を用いれば良く、ペン軸10からの光を局所照明に用いたければ、コーティング層12を設ければ良い。後者の目的のコーティング層12には、第3の光学媒体11の表面を保護し、且つ、LED光の波長に対する第3の光学媒体11の光の伝送効率を高めるために、反射率が高い金属性コーティング層を使用することが出来る。又、コーティング層12には、ファッション性を高め、或いはデザイン性を高めるために、適度な透明性を有しかつ着色されたスケルトンタイプの(半透明な)樹脂コーティング層や、不透明の着色された樹脂コーティング層を使用することが出来る。又、コーティング層12は、ある程度の光の透過率が得られれば、ラバーコーティング層や、塗装コーティング層であっても良い。例えば、コーティング層12からの透過光を有効に使うことにより、夜間歩行の安全用手持ち器具や、コンサート会場に於ける遊技用手持ち器具としてのペンライトとして、使用可能である。
【0031】
光分散部19は、第3の光学媒体11の端部表面を加工して形成すれば良い。例えば、複数のV字形状、U字形状、或いは扁平な凹部を、第3の光学媒体11の端部設ける方法や、細かな凹凸を設ける方法、或いは比較的透明度の高い磨りガラス状に曇らせる方法等が可能である。更に、ガラス等の透明材料の微粒子を第3の光学媒体11の端部に塗布や付着しても良い。いずれにしても、光分散部19は第3の光学媒体11により集光され伝達されてきた光を適度に分散させて暗闇筆記に必要な範囲の紙面を明るく局所照明することが出来るような光学設計をすれば良い。
【0032】
図1及び図2に示すように、筆記具本体1の左端には、本発明の第2の光学媒体21を収納する第2の空洞部としての光学媒体結合部17が配設されている。この光学媒体結合部17は、いわば、第2の光学媒体21を収納するソケット部(メス体)である。つまり、光学媒体結合部17にはライト部本体2の第2の光学媒体(プラグ部:オス体)21を挿入して結合するようになっている。この第2の空洞部の底部は、第2の光学媒体(プラグ部:オス体)21の頂部の曲率半径とほぼ等しい曲率半径の凹面をなしており、第2の光学媒体21からの光が有効に、第3の光学媒体11に導くことが可能なように構成されている。又、この空洞部の内径は、第2の光学媒体(プラグ部:オス体)21の外径(頂部以外の部分)の外径より、極く僅か、例えば、0.05mm乃至0.2mm程度大きく形成されている。そして、光学媒体結合部(ソケット部)17の端部(図2において、左側)には、筆記具側結合部18としての雌ネジが設けられている。一方、ライト部筐体23の一端には、筆記具本体1の筆記具側結合部18と連結される雄ネジで形成されたライト側結合部28が配設されている。なお、ここでは、筆記具本体1とライト部本体2とを、雄ネジ・雌ネジを用いて着脱する方式を例示したが、はめ込み方式やクランプ形式等他の方式でもかまわない。
【0033】
更に、第3の光学媒体11の内部において、カートリッジ取り付け穴15Aの底面には反射ミラー11Aが装着されている。この反射ミラー11Aは可視光LED20から発せられる光を反射させて照明効率を高めるようになっている。
【0034】
更に、図示を省略しているが、インクカートリッジ15を挿入する部分となる第3の光学媒体11の第3の空洞部の内壁、若しくはカートリッジの外壁にも反射ミラーを設けても良い。又、第3の空洞部の内壁に、乱反射面となる細かな凹凸を設ければ、暗闇において、インクカートリッジ15の挿入された部分が視認出来ると同時に、この乱反射面からの光により、筆記具本体1のまわりが、かすかに明るくなる効果も期待出来る。前述したペンライトとしての使用目的のときは、第3の空洞部の内壁に乱反射面を設けることは有効である。
【0035】
一方、ライト部本体2は、ライト部筐体23と、ライト部筐体23の図1中及び図2中右側に装着された半導体発光素子(可視光LED)20と、ライト部筐体23の中央部分に配設された電源部24と、ライト部筐体23の左端に配設されたスイッチ部26とを備えている。第1の光学媒体212の頂部は、市販の樹脂モールドされたLED20の頂部の形状であり、所定の曲率半径を有した凸面形状で形成されている。凸面形状の頂部を除けば、樹脂モールドされたLED20は、例えば、直径(外径)2〜3mmφの円柱形状である。又、第2の光学媒体21は、第1の光学媒体212を収納出来るように、第1の空洞部を有している。第1の空洞部の側壁部は、樹脂モールドされたLED20を収納出来るように、直径(内径)2.5〜4mmφの円筒形状となっている。図示を省略しているが、LED20と第2の光学媒体21とを固定するために、LED20と第2の光学媒体21の収納部との間には、厚さ0.25〜0.5mm程度のスペーサ若しくは接着剤が挿入されている。このスペーサ若しくは接着剤は、LED20の主発光部を除く位置に配置すれば良い。第2の光学媒体21は、凸形状の出射面となる頂部近傍を除けば、ほぼLED20と同様な円柱形状である。この第2の光学媒体21の円柱形状部分の直径(外径)は、ライト部筐体23の外径より小さな所定の値に選べば良い。例えば、6〜11mmφ程度に選べば良い。第2の光学媒体21の頂部は、所定の曲率半径を有した凸面形状で形成されており、この第2の光学媒体21は可視光LED20から発せられる光を効率良く集光して、外部に出射可能なようになっている。
【0036】
一般の可視光LED(樹脂モールドされたLED)においては、樹脂モールド(第1の光学媒体)212の頂部の凸形状湾曲面以外の所から出る光は、いわゆる迷光成分となり、照明には寄与しない。しかし、本発明の実施の形態においては、可視光LED20が第2の光学媒体21の第1の空洞部にほぼ完全に閉じこめられているので、これらの迷光成分が有効に照明に寄与出来るようになる。即ち、第1の空洞部の入射面(底部)以外の内壁面も、有効な光の入射部として機能し得るのである。又、可視光LED20と第1の空洞部との間にはそれぞれの界面で反射した光の成分が多重反射し、迷光成分となっている。従来公知のレンズ等の光学系では、これらの迷光成分は、照明に寄与出来るように取り出すことは出来ない。しかし、これらの迷光成分も、本発明の実施の形態においては、第1の空洞部の内部に閉じこめられているので、最終的には、照明に寄与出来る成分となり得る。この結果、樹脂モールド(第1の光学媒体)212の形状等の光の取り出し効率や、光学系相互の反射成分等に依存せず、ほぼ、内部量子効率とほぼ等しい効率で、潜在的なLEDチップの光エネルギーを有効に取り出すことが可能となる。このようにして、本発明の実施の形態に係る光学的構造によれば、市販されている樹脂モールドされたLED20の数を多数必要とすることなく、局所照明に寄与する光ビームとして所望の照射面積の光束を確保し、且つ所望の照度を簡単に得ることが出来る。この照度は従来公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照度である。驚くことに、現在市販されているハロゲンランプを用いた細身の懐中電灯と同程度の照度がたった1個のLEDで実現出来るのである。このように、本発明の実施の形態に係る光学的構造によれば、従来の技術常識では全く予測出来ない照度を、図1及び図2に示すような簡単な構造で、実現出来る。
【0037】
ライト部筐体23は、内部に電源部24を収納出来る筒状の中空円柱体、若しくはこれに類似な形状で形成されている。ライト部筐体23には、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の材料や、アクリル樹脂やプラスチック材料等で形成することが出来る。ペン軸10と同様に、ライト部筐体23は、例えば透明なアクリル樹脂やプラスチック材料、又は適度に着色された半透明か不透明のアクリル樹脂やプラスチック材料で形成しても良い。ライト部筐体23は、筆記具本体1のペン軸10と例えば同等の外径寸法で構成されている。
【0038】
図3に示すように、LEDチップ210は、ベース基台(ステム)201に設けられた支持台(ダイパッド)202の上にマウントされている。そして、このLEDチップ210は、第1の光学媒体212により樹脂モールドされている。第1のリード配線203は、LEDチップ210の一方の電極(下部電極)に、支持台(ダイパッド)202を介して、その一端が接続され、他端は、ベース基台201を貫通して、その裏面まで導出されている。同様に、第2のリード配線204は、LEDチップ210の他方の電極(上部電極)に、その一端が接続され、他端は、ベース基台201を貫通して、その裏面まで導出されている。符号は付けないが、LEDチップ210の他方の電極(上部電極)と第2のリード配線204との間はボンディングワイヤにより電気的に接続されている。このようにして、可視光LED20は、ベース基台(ステム)201、支持台(ダイパッド)202、LEDチップ210、第1のリード配線203、第2のリード配線204及び第1の光学媒体212等から構成されている。ベース基台(ステム)201は、外周部をステンレス、真鍮や銅等の金属で覆われたセラミックス等の絶縁体で構成しても良く、第1の光学媒体212の一部として、第1の光学媒体212と同一の材料で構成しても良い。又、図3では、第1の光学媒体212とベース基台(ステム)20との間に、段差がある構造を示しているが、第1の光学媒体212とベース基台(ステム)20とを同一の外径で構成し、両者の間の段差を無くしても良い。
【0039】
なお、本発明の実施の形態に係る手持ち器具に用いる可視光LED20としては、種々の色(波長)のLEDが使用可能である。但し、暗闇筆記の際の局所照明のためには、白色LEDが人間の目には自然であるので好ましい。白色LEDは種々の構造のものが使用出来る。例えば、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3枚のLEDチップを縦に積層して構成しても良い。この場合、ベース基台(ステム)201から、それぞれの色のLEDチップに対応し、合計6本のピンが導出されても良い。又、第1の光学媒体212及びベース基台(ステム)201の内部配線として、6本のピンを2本にまとめ、外部ピンとしては2本設けられた構造としてもかまわない。又、一方の電極(接地電極)を共通とすれば、外部ピンは4本で良い。又、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3枚のLEDチップの駆動電圧を互いに独立に制御出来るようにしておけば、あらゆる色の混合が可能であるので、色合いの変化を楽しむことが可能である。
【0040】
第1の光学媒体212は、レンズ作用と同時に、LEDチップ210を保護する機能を有するモールド体である。この第1の光学媒体212には、例えば透明な熱硬化性エポキシ樹脂やアクリル樹脂を使用することが出来る。第1の光学媒体212の図3中右側の部分は、所定の曲率半径を有した凸面形状で形成されており、この第1の光学媒体212はLEDチップ210から発せられる光(白色光)を効率良く集光して第2の光学媒体21に出射するようになっている。
【0041】
図1及び図3に示すように、電源部24は、手持ち器具の携帯性を高め、且つ適度な照度を得るために、2個の直列に接続された単3形〜単5形の乾電池241及び242により構成することが可能である。或いはディスクタイプのリチウム電池やマンガンリチウム電池等も使用可能である。なお、電源部24は、必ずしも上記の乾電池に限定されるものではなく、充電可能な小型の他の種類のバッテリーで構成しても良い。
【0042】
スイッチ部26は、その詳細な構成は省略するが、基本的には回転式やプッシュ式等の簡単な構造で良い。又、色合いの変化を楽しむ機能を付加したい場合は、スイッチ部26に、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3枚のLEDチップの駆動電圧を互いに独立に制御出来る電圧調整器を内蔵させておけば良い。スイッチ部26の一方の端子は、ライト部筐体23の内側に配設された図示しない配線を通して可視光LED20の第2のリード配線204に接続されている。スイッチ部26の他方の端子は、図1に示すように、乾電池241及び242を保持しつつ配線としても兼用される導電性弾性体25、乾電池242、241のそれぞれを通して、可視光LED20の第1のリード配線203に接続されている。
【0043】
スイッチ部26は、その構成を示していないが、ネジ等によりライト部筐体23の他端に着脱自在に取り付け取り外しが出来るようになっており、このスイッチ部26をライト部筐体23から取り外した状態において乾電池241及び242の交換が行われるようになっている。本発明の実施の形態おいて、導電性弾性体25は、例えば鉄、銅等の金属のコイルスプリングで形成されている。なお、導電性弾性体25は、金属板を折り返した板ばねのようなものであっても良い。
【0044】
更に、ライト部筐体23の他端側の外周には、手持ち器具を例えば背広のポケットに携帯しておくためのクリップ30が取り付けられている。
【0045】
この照明装置付き手持ち器具は、筆箱に入れて或いは背広のポケットにクリップ30を利用して携帯することが出来る。そして、例えば研究発表会や講演会のスライド上映中にメモを取りたい場合、夜の暗闇の中で手帳にメモを取りたい場合等には、手持ち器具のスイッチ部26を操作することにより、図3に示すように電源部24から可視光LED20のLEDチップ210に直流電流が流れ、LEDチップ210から白色光等の可視光が発せられる。LEDチップ210から発せられた可視光は、図3中、矢印で示すように、第1の光学媒体212でまず効率良く集光され、引き続き第2の光学媒体21、第3の光学媒体11のそれぞれでも効率良く集光され、第3の光学媒体11を通してペン軸10の内部をペン先14の方向に向かって伝播される。LEDチップ210から発せられた可視光のうち、筆記具本体1の軸心に沿ってペン先14に向かう可視光はカートリッジ取り付け穴15Aの底面の反射ミラー11Aで反射され、この反射された可視光は、第2の光学媒体21の表面や第1の光学媒体212の表面で再度反射されて漏れなくペン先14に向って伝播されるようになっている。
【0046】
第3の光学媒体11を伝播してきた可視光は最終的には光分散部19を通して分散され、暗闇筆記に必要な適度な紙面の照度を得ることが出来る。この状態で、ペン先14の鋼鉄製ボールを紙面に対して回転させることにより、このボールの回転に応じてインクカートリッジ15から適度なインクを紙面に供給することが出来る。
【0047】
このように構成される本発明の実施の形態に係る照明装置付き手持ち器具によれば、LEDチップ210からの光を効率良く集光する第1の光学媒体212、第2の光学媒体21及び第3の光学媒体11を備え、照明効率を向上させることが出来るので、白熱電球と同等の実用上充分な照度を得ることが出来る。更に、この手持ち器具は、可視光LED20を使用しているので、電力消費が少なく、照明持続時間を長くすることが出来る。例えば、白熱電球を使用する場合に比べて、数十倍から数百倍も長い照明持続時間を得ることが出来る。更に、この手持ち器具は、可視光LED20に光を集光させる第1の光学媒体212、第2の光学媒体21及び第3の光学媒体11を備えただけの簡易な構造で構成することが出来る。又、この手持ち器具は、簡易な構造なので、製作が容易で、製作コストも削減することが出来る。
【0048】
更に、第3の光学媒体11を利用してペン軸10を形成しているので、筆記具本体1に使用される部品点数を削減することが出来る。部品点数の削減により、より一層簡易な構造の手持ち器具を実現することが出来る。この結果、更に、製作が容易で、且つ製作コストが削減出来る照明装置付き手持ち器具を実現することが出来る。特に、第2の光学媒体21と第3の光学媒体11とを同一材料で一体として構成し、第1の光学媒体212と第2の光学媒体21との間を着脱可能なようにしているので、部品点数が実質的に減少し、より構造が簡単になる。
【0049】
なお、本発明の実施の形態に係る手持ち器具は、第1の光学媒体212、第2の光学媒体21、第3の光学媒体11、光分散部19の少なくともいずれか1つに着色を施し、研究発表会や講演会などでメモを取る際に周囲の人に迷惑がかからない程度に、又デザイン性を高めるために、白色光ではなく、赤(R)色、黄色、紫色等の色を帯びた光を照射出来るように構成しても良い。
【0050】
以下に、本発明の実施の形態の照明装置付き手持ち器具の変形例(第1乃至第5の変形例)について説明する。これらの第1乃至第5の変形例によっても、図1乃至図3に示す手持ち器具で得られる効果と同様の効果を得ることが出来る。
【0051】
第1の変形例:
図4(A)に示す手持ち器具(筆記具)は、図1乃至図3に示す手持ち器具(筆記具)と基本的な構成は同一であるが、筆記具本体1のペン先14を保護し、ペン軸10に着脱自在に取り付け取り外しが出来るアウターキャップ31を備えている。そして、このアウターキャップ31にはクリップ32が取り付けられている。
【0052】
又、アウターキャップ31の少なくとも、ペン先14近傍を透明材料で形成し、このペン先14近傍の幾何学的形状を所定の形状に選んでおけば、アウターキャップ31を付けたままでも懐中電灯として機能させることが可能である。
【0053】
第2の変形例:
図4(B)に示す手持ち器具は、図4(A)に示す筆記具(手持ち器具)と基本的な構成は同一であるが、筆記具本体1を万年筆として構成している。即ち、筆記具本体1は、万年筆のペン先140と、このペン先140にインクを供給するインクカートリッジ150とを備えて構成されている。
【0054】
この図4(B)に示す筆記具(手持ち器具)においては、筆記具本体1を万年筆として構成しているが、図4(A)に示す筆記具で得られる効果と同様の効果を得ることが出来る。
【0055】
第3の変形例:
図5(A)に示す手持ち器具は、図4(A)に示す筆記具と基本的な構成は同一であるが、筆記具本体1を筆型ペン(毛筆ペン)として構成している。即ち、筆記具本体1は、筆型ペンの毛筆ペン先141と、この毛筆ペン先141に墨汁を供給する墨汁カートリッジ151とを備えて構成されている。
【0056】
この図5(A)に示す筆記具においても、図4(A)に示す筆記具で得られる効果と同様の効果を得ることが出来る。
【0057】
第4の変形例:
図5(B)に示す手持ち器具は、図4(A)に示す筆記具と基本的な構成は同一であるが、筆記具本体1をマジックペンシルとして構成している。即ち、筆記具本体1は、マジックペンシルのペン先142と、このペン先142にマジックインクを供給するマジックインクカートリッジ152とを備えて構成されている。
【0058】
この図5(B)に示す筆記具においても、図4(A)に示す筆記具で得られる効果と同様の効果を得ることが出来る。
【0059】
第5の変形例:
図6に示す手持ち器具は、図1乃至図3に示す筆記具と基本的な構成は同一であるが、筆記具本体1をシャープペンシルとして構成している。即ち、筆記具本体1は、芯180をガイドする芯先ガイド161及びチャックスリーブストッパ162を含むペン先160と、複数本の替芯181を収納しておく替芯カートリッジ170と、この替芯カートリッジ170に替芯181を補給するために着脱自在に装着されたカートリッジ蓋176と、芯180を芯先ガイド161から適量送り出すためのノック機構とを備えている。
【0060】
ノック機構は、芯180を保持するとともに軸心方向に移動可能なチャック173と、このチャック173の開閉動作を制御するチャックスリーブ172と、チャック173と替芯カートリッジ170との間を連結する連結管171と、チャックスリーブストッパ162で軸心方向の動きが止められたチャックスリーブ172内部にチャック173が配設されるように作用するコイルスプリング174と、替芯カートリッジ170に取り付けられ連結管171を介してチャック173を軸心方向にスライドさせるためのスライダー175とを備えて構成されている。
【0061】
つまり、ノック機構は、スライダー175をペン先160の方向にスライドさせることによって、連結管171を介してチャック173をチャックスリーブ172から抜け出るように押し出し、チャックスリーブ172から抜け出ることでチャック173を開き、この状態でチャック173の移動とともに芯180を適量送り出すようになっている。そして、ノック機構は、スライダー175に加えていた力を解除することによって、コイルスプリング174が元の位置に戻るように作用するので、チャックスリーブ172の内部にチャック173を収納してチャック173を閉じ、このチャック173で芯180を保持するようになっている。
【0062】
(その他の実施の形態)
以上、本発明を上記の実施の形態よって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0063】
例えば、本発明の実施の形態に係る手持ち器具において、第3の光学媒体の屈折率の分布が一様な場合を示した。しかし、第3の光学媒体の屈折率の分布は必ずしも一様である必要はない。図7に示すように構成して、第3の光学媒体の屈折率の分布を不均一にしても良い。図7においては、樹脂製光ファイバー111の複数本を集合し、これを本発明の第3の光学媒体として用いている。周知のように、光ファイバー111は屈折率の高いコア部と屈折率の低いクラッド部から構成されているので、複数本の樹脂製光ファイバーの互いのクラッド部を融合すれば、一体化した第3の光学媒体が構成出来る。図7(A)に示すように、第3の光学媒体を構成する各ファイバー111の端部を第2の光学媒体21に対して所定の角度に配向することにより、半導体発光素子(可視光LED)20の光を有効に第3の光学媒体に導くことが出来る。図7(B)に示すように、この例では、8本の樹脂製光ファイバーのクラッド部111が示されているが、この各クラッド部はそれぞれ8個の光分散部19に導かれている。そして、この互いに融合した8本の樹脂製光ファイバー111は、ペン軸筐体110の内部に収納されている。或いは、透明の光学材料中に8本の貫通孔を形成し、それぞれの貫通孔の中に、コア部とそれを覆うクラッド部からなる光ファイバー111を挿入しても良い。いずれにしても、光ファイバー111は光の伝送効率が高いので、手持ち軸部(第3の光学媒体)10が長くなるような構造の手持ち器具には有効である。又、樹脂製光ファイバー111は安価で、熱による加工も容易であるので、樹脂製光ファイバー111を用いることにより、簡単且つ低コストで、手持ち器具を製造することが可能となる。
【0064】
又、筆記具は前述したボールペン、万年筆、毛筆ペン、マジックペンシル、シャープペンシルに限られるものではない。更に、蛍光インクペン、修正インクペン等の様々な筆記具に応用出来ることは上記の説明により、本発明の趣旨を理解すれば、自明であろう。又、構造は若干複雑になるが、ボールペンとシャープペンシル等2つ以上の機能を有した筆記具や多色のボールペンでもかまわない。又、電子手帳やパーソナルコンピュータ等に入力するための電子ペンでもかまわない。
【0065】
更に、筆記具は本発明の手持ち器具の例の一部に過ぎず、本発明を限定するものではない。図1に示した構造において、インクカートリッジ15の位置に、押し出し運動若しくはねじれ運動をする固形状物(棒紅)を配置すれば、化粧器具(棒口紅)を構成することも可能である。本発明によれば、図1と同様に、光分散部を設けることにより、口だけでなく、顔全体の広い範囲を照明出来るので、非常に便利である。更に、図5(A)の構造を変形すれば、化粧筆を構成することも可能である。航空機の客室乗務員等の、特定の状況においては、暗闇で化粧を直したい場合もあり、かかる場合には本発明の照明装置付き化粧器具は便利である。特に、本発明の照明装置付き化粧器具は白色光が使用出来るので、昼間と同じ自然な感じの化粧が暗闇で可能である。
【0066】
更に、本発明の手持ち器具は、図8に示すドライバ、図9に示すスパナ、図示を省略したレンチ等種々の手工具にも適用可能である。図8に示すドライバは、工具本体1Tとライト部本体2とに着脱自在になっている。第3の光学媒体11からなる手持ち軸部(柄)10Dは、円筒形の第3の空洞部を有し、この第3の空洞部には、金属棒からなるドライバ軸(中心軸部)115が収納され、第3の光学媒体11とドライバ軸115とは、軸ストッパ116により互いに強固に固定されている。又、第3の光学媒体11の先端部は凸形状になり、光集光部11Bを構成し、作業時にドライバ軸115の先端部(ヘッド)が効率良く局所照明出来るようになっている。図8においては、力を加え易くするために、ライト部本体2の頭が大きくなっているが、図1と同様に、ライト部筐体23の他端側の外周にクリップを取り付けておけば、ライト部本体2を例えば作業服のポケットに常時携帯するのに便利である。
【0067】
図9に示すスパナも同様に、工具本体1Dとライト部本体2とに分離可能なように構成されている。図9の工具本体1Dは強固な肉厚金属製の外装スリーブ12Sで、所定の力学的強度を保証し、外装スリーブ12Sの内部に第3の光学媒体11が設けられている。外装スリーブ12Sと第3の光学媒体11とで柄(手持ち軸部)10Sを構成している。長手方向に垂直な断面図を省略しているが、外装スリーブ12S及び第3の光学媒体11の垂直な断面は、扁平な矩形断面である。第3の光学媒体11の先端部は凸形状になり、ボルト・ナット回転部126の切り欠いた奥部に頂部を露出し、この頂部からの光で、被作業対象であるボルト・ナットを効率良く局所照明出来るようになっている。
【0068】
又、本発明の手持ち器具において、第3の光学媒体11の中間部分にハーフミラーを装着し、手持ち軸部10の中間部分から光を照射出来るように構成しても良い。
【0069】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、電池の寿命(持続時間)が長く、しかも従来の半導体発光素子では予測出来なかった充分な照度の照明が可能な照明装置付き手持ち器具を提供することが出来る。このため、適度な広範囲における充分な照度の局所照明を補助者無しに実現しつつ、長時間の暗闇作業が可能である。しかも、自然光に近い光で、ちらつきもないので、目の疲労も少ない。
【0071】
更に、本発明の照明装置付き手持ち器具は、部品点数が少なく簡易な構造である。このため、製作が容易で、且つ製作コストや製品コストの低減が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る手持ち器具(筆記具)の断面構造図である。
【図2】図1の手持ち器具(筆記具)の一部を断面にして説明する分解構造図である。
【図3】図1の手持ち器具(筆記具)の光路に着目した模式図である。
【図4】図4(A)は本発明の実施の形態の第1の変形例に係る手持ち器具(筆記具)の断面構成図、図4(B)は本発明の実施の形態の第2の変形例に係る手持ち器具(筆記具)の断面構成図である。
【図5】図5(A)は本発明の実施の形態の第3の変形例に係る手持ち器具(筆記具)の断面構成図、図5(B)は本発明の実施の形態の第4の変形例に係る手持ち器具(筆記具)の断面構成図である。
【図6】本発明の実施の形態の第5の変形例に係る手持ち器具(筆記具)の断面構成図である。
【図7】図7(A)は、本発明の他の実施の形態に係る手持ち器具(筆記具)の長手方向に沿った断面構造図で、図7(B)は、図7(A)のB−B方向に沿った断面図である。
【図8】本発明の更に他の実施の形態に係る手持ち器具(手工具)の断面構造図である。
【図9】本発明の更に他の実施の形態に係る手持ち器具(手工具)の断面構造図である。
【符号の説明】
1…筆記具本体,1D…工具本体,1T…工具本体,1T…手工具本体,2…ライト部本体,10…手持ち軸部(ペン軸),11…第3の光学媒体,11A…反射ミラー,11B…光集光部,12…コーティング層,12S…外装スリーブ,14…ペン先,15…インクカートリッジ,15…筆記用カートリッジ,15A…穴,17…光学媒体結合部,17…第2の空洞部,18…筆記具側結合部,19…光分散部,20…LED,21…第2の光学媒体,23…ライト部筐体,24…電源部,25…導電性弾性体,26…スイッチ部,28…ライト側結合部,30…クリップ,31…アウターキャップ,32…クリップ,110…ペン軸筐体,111…クラッド部,111…ファイバー,111…光ファイバー,111…樹脂製光ファイバー,115…ドライバ軸,116…軸ストッパ,126…ナット回転部,140…ペン先,141…毛筆ペン先,142…ペン先,150…インクカートリッジ,151…墨汁カートリッジ,152…マジックインクカートリッジ,160…ペン先,161…芯先ガイド,162…チャックスリーブストッパ,170…替芯カートリッジ,171…連結管,172…チャックスリーブ,173…チャック,174…コイルスプリング,175…スライダー,176…カートリッジ蓋,180…芯,181…替芯,201…ベース基台,203…第1のリード配線,204…第2のリード配線,210…LEDチップ,212…第1の光学媒体,241,242…乾電池

Claims (1)

  1. 第1の光学媒体によりモールドされ、該第1の光学媒体の頂部より、所定の波長の光を出力する半導体発光素子と、該半導体発光素子を駆動する電源部と、前記第1の光学媒体を収納する第1の空洞部を内部に有し、前記半導体発光素子の光を外部に出射するための湾曲面からなる頂部を有する第2の光学媒体と、該第2の光学媒体を収納する第2の空洞部を有する第3の光学媒体からなる手持ち軸部とを備えた手持ち器具において、
    前記第2の光学媒体と前記第3の光学媒体とを同一材料で一体として構成し、前記第1の光学媒体と前記第2の光学媒体との間を着脱可能なようにしたことを特徴とする手持ち器具。
JP2003112783A 2003-04-17 2003-04-17 手持ち器具 Expired - Fee Related JP4107493B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003112783A JP4107493B2 (ja) 2003-04-17 2003-04-17 手持ち器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003112783A JP4107493B2 (ja) 2003-04-17 2003-04-17 手持ち器具

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002052051A Division JP4262924B2 (ja) 2002-02-27 2002-02-27 施錠解錠システム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004360182A Division JP2005125797A (ja) 2004-12-13 2004-12-13 局所照明装置付筆記具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004006318A true JP2004006318A (ja) 2004-01-08
JP4107493B2 JP4107493B2 (ja) 2008-06-25

Family

ID=30437978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003112783A Expired - Fee Related JP4107493B2 (ja) 2003-04-17 2003-04-17 手持ち器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4107493B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009172700A (ja) * 2008-01-23 2009-08-06 Chugoku Electric Power Co Inc:The ドライバ
JP2018202537A (ja) * 2017-06-02 2018-12-27 マックス株式会社 可搬型動力駆動工具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009172700A (ja) * 2008-01-23 2009-08-06 Chugoku Electric Power Co Inc:The ドライバ
JP2018202537A (ja) * 2017-06-02 2018-12-27 マックス株式会社 可搬型動力駆動工具

Also Published As

Publication number Publication date
JP4107493B2 (ja) 2008-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1213773B1 (en) Bulk lens, light emitting body, lighting device and optical information system
US7712914B2 (en) Make-up applicator with LED light source
US7178930B2 (en) Illuminating necklace
CN105444023A (zh) 一种手电筒的照明和漫射装置
JP2010027432A (ja) 発光装置
TWM319129U (en) Structure of tool capable of lighting
US7270440B2 (en) Make-up applicator with LED light source
JP2002228921A (ja) バルク型レンズ及びそれを用いた発光体、照明器具及び光情報システム
JP4107493B2 (ja) 手持ち器具
TWI279506B (en) High power LED full color flashlight
JP2005125797A (ja) 局所照明装置付筆記具
JP3388471B2 (ja) 手持ち器具及び施錠解錠システム
EP2390553A2 (en) LED illuminating apparatus
CN201069153Y (zh) 手工具照明结构
JPH117802A (ja) 携帯照明具
CN216210229U (zh) 一种无荧光粉型led放大镜
CN210740025U (zh) 一种多功能万象手电筒
CN211833259U (zh) 一种带灯的旋转化妆笔
CN204005300U (zh) 一体式触控调焦手电筒
CN209540571U (zh) 一种水转印导光手电筒
CN218672104U (zh) 一种功能可换的手电筒
JP4262924B2 (ja) 施錠解錠システム
CN202088728U (zh) 一种带有led发光的笔
CN210612274U (zh) 一种电动牙刷及其电动牙刷手柄
CN201053581Y (zh) 便携式照明装置

Legal Events

Date Code Title Description
A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20040601

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20040628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040906

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041213

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20041224

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20050121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080327

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees