JP2004005484A - 物体検出方法及び物体検出装置 - Google Patents

物体検出方法及び物体検出装置 Download PDF

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Wataru Ito
伊藤 渡
Shinya Ogura
小倉 慎矢
Hirotada Ueda
上田 博唯
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Abstract

【課題】撮像視野範囲内に侵入した物体などを撮像装置から入力する映像信号の中から自動的に検出する際に、撮像視野範囲内の背景画像とは異なるがしかし侵入物体として検出すべきではない領域のマスクを容易に設定することが可能な、物体検出方法および物体検出装置。
【解決手段】撮像装置からの入力画像から背景画像を差し引いて2値化した2値化画像に関連する検出画像を表示装置の表示画面上に表示し、表示された検出画像内の少なくとも1つの物体を物体検出から除外すべき領域と判断したオペレータの操作に応答して、該物体の領域を自動的にマスク領域として設定し、それ以降、各入力画像に対してマスク領域でマスクして物体検出を行う。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像装置を用いた物体検出方法および物体検出装置に関し、特に、撮像視野範囲内に侵入した物体などを撮像装置から入力する映像信号の中から自動的に検出する際に、撮像視野範囲内の背景画像とは異なるがしかし侵入物体として検出すべきではない領域のマスクを容易に設定することが可能な、物体検出方法および物体検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョンカメラ(以下TVカメラと呼ぶ)等の撮像装置を用いた映像監視装置は、従来より広く用いられている。しかし、このような映像監視装置を用いた監視システムにおいては、その監視視野内に入り込んでくる人間や自動車などの侵入物体の検出を、監視員がモニタに表示される画像を見ながら行う有人監視ではなく、カメラ等の画像入力手段から入力される画像から侵入物体を自動的に検出し、所定の報知や警報処置が得られるようにしたシステムが要求されるようになってきている。
【0003】
このようなシステムを実現するためには、まず、周知の差分法などによって、基準となる画像(例えば、基準背景画像や所定期間前の入力画像)と入力画像との違いを検出し、視野内の侵入物体を検出する。差分法とは、TVカメラより得られた入力画像と予め作成した基準背景画像、すなわち、検出すべき物体の写っていない画像とを比較し、画素毎に輝度値の差分を求め、その差分値の大きい領域を物体として検出するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下で、差分法の一例を図1、図2(a) 、図2(b) に言及して説明する。
図1は、差分法によって撮像装置の視野内に侵入した物体を検出する処理の流れを説明するための図である。図1において、S01は入力画像、S02は基準背景画像、S03は入力画像と基準背景画像の差分画像、S04は差分画像の2値化画像、S05は差分処理部、S06は2値化処理部、S07は入力画像S01中に写る人型の物体、S08は人型の物体S07に相当する差分画像S03中の人型の差分画像、S09は人型の差分画像S08に相当する2値化画像S04中の人型の物体(人型の2値化画像)を表す。
【0005】
図1において、先ず、カメラから例えば320×240画素の入力画像S01を入力する。次に、差分処理部S05において、入力画像S01と、予め作成した基準背景画像S02との画素毎の画素値の差分を計算し、差分画像S03を取得する。この結果、入力画像S01中の人型の物体S07は差分画像S03中に、人型の差分画像S08として現れる。そして、2値化処理部S06において、差分画像S03の各画素に対して差分値が所定のしきい値未満(例えば20未満)の画素の値を”0”、しきい値以上の画素の値を”255”(本明細書では1画素を8ビットとして取り扱う例で説明する)に置き換えて、2値化画像S04を得る。この時、入力画像S01に撮像された人型の物体S07は、2値化画像S04中の人型の物体S09として検出される。ここで、物体S09が所定の面積より大きいとき、例えば、侵入者がいると判定すれば良いわけである。
【0006】
図2は、上記差分法を用いた場合に発生する課題を説明するための図である。図2(a) において、入力画像601は、ドアを設けられた建物の一部および植え込みよりなる基準背景画像に、侵入物体601aが表示されている。このような場面で差分法を適用すると、侵入物体の領域601aが検出されるのは当然として、基準背景画像の植え込み部分に存在する草木は風などによって揺れるために、これらが侵入物として誤検出される可能性がある。すなわち、草木の領域、例えば、領域601b、領域601cが、風などによって揺れると、基準背景画像と異なるものとなるために、侵入物として検出されてしまう。その結果、3つの侵入物体が存在するものと判断されてしまう。
【0007】
このような問題に対して、従来から図2(b) に示すようなマスク処理が広く使用される(例えば、特許文献2参照。)。図2(b) において、入力画像602は、草木が存在する領域602bに対してマスク領域を設定した状態を示す。このマスク領域602b内では、侵入物体の検出がなされても、これを出力しない不感帯として処理する。すなわち、マスク処理の対象とされた領域では、侵入物体の検出がなされても、これを出力しない様にすることで、入力画像602内の領域では侵入物体602aだけが存在すると判定される。
【0008】
さらに、このマスク処理を行って侵入物体を検出する例を、フローチャートを使って説明する。
図29は、従来の侵入物体検出を行う処理プロセスを示すフローチャートである。図1を参照しながら説明する。
まず、初期化ステップ101では、物体検出処理で使用する画像メモリ内に確保された画像記録用の画像メモリや、ワークメモリ内に確保された変数等の初期化を設定する。画像入力ステップ102では、カメラから、例えば、幅320ピクセル(以下、pix と表記する)、高さ240 pix 、8 bit/pix の入力画像(S01)を取得する。差分ステップ103では、画像入力ステップ102で得られた入力画像(S01)と、予め画像メモリに記録しておいた基準背景画像(S02)との画素毎の差分を計算し、差分画像(S03)を得る。次に、2値化ステップ104では、差分ステップ103で得られた差分画像(S03)の各画素についてしきい値に基づく処理を行い、画素値がしきい値(例えば、20)未満の場合は画素値“0”、しきい値以上の場合は画素値を“255”に変換して2値化画像(S04)を得る。このように差分ステップ103で得られた差分画像を2値化ステップ104で2値化すると、図2Bで説明したように、侵入物体602aの他に、領域602b内で検出される風に揺れた草木などが侵入物体として検出される。従って次のマスキングステップ105では、この領域602b内で検出される風に揺れた草木などが侵入物体と御検出されないようにこの領域602bをマスキング処理する。このように領域602bをマスキングすることにより、侵入物体602aのみが検出され、領域602b内の草木などは侵入物体と誤検出されることはない。
【0009】
次に、設定移行操作ステップ106では、オペレータが操作入力器を操作してマスク設定モードに移行した場合は、マスク設定モード移行ステップ107へ分岐し、マスク設定モードに移行しなかった場合は、ワークメモリ内の処理モード変数によって管理されている処理モードを変更せずにマスク設定モード判定スッテプ108へ移行する。マスク設定モード移行ステップ107では、処理モードをマスク設定モードに設定する。マスク設定モードへの移行は、例えば、操作入力器の第1ボタンの押下によって行われ、処理モードがマスク設定モードに変更される。次に、マスク設定モード判定ステップ108では、処理モードがマスク設定モードでなかった場合は、物体検出領域表示ステップ114へ分岐する。
操作マーカ表示ステップ109では、画像出力インターフェースを介して出力モニタに操作マーカを表示する。
【0010】
次に、マスク領域設定ステップ200では、オペレータが例えば操作マーカ701aを移動させて表示された画像の内、マスク設定したい領域(例えば、図2(b) 領域602b)を多角形で囲み、マスク領域の設定を行う。そして新しいマスク領域に設定変更して通常モード移行ステップ113に移行する。次に、通常モード移行ステップ113では、処理モードを通常モードに設定する。通常モードに設定することによって、処理は、物体存在判定ステップ119に進み、ステップ102からマスキングステップ105の処理に基づいて物体が検出されたか否かを判定する。通常モードとは、オペレータによるマスク領域等の検出条件の設定、変更、更新等を行う処理をしていない、入力画像から侵入物体を検出しているモードである。
【0011】
次に、物体存在判定ステップ119では、2値化処理ステップ104、マスキングステップ105で得られたマスクされた2値化画像中から、例えば、周知のラベリングの方法によって“255”のかたまり(S09)を検出して物体が存在するか否かを判定し、存在した場合には警報・モニタ表示ステップ120に分岐し、存在しなかった場合は、画像入力ステップ102へ戻る。警報・モニタ表示ステップ120では、例えば出力モニタに対象物体の画像を表示したり、警告灯を点灯させたりして、侵入物体が存在することを表す報知を行う。この処理が終わると処理フローは画像入力ステップ102に戻り、再び、同じ処理フローを繰り返す。
【0012】
このように、マスク領域を設定することにより、誤った侵入物体の検出は防止できるが、一方、マスク領域の設定は監視視野を制限することになるから、できるだけ狭く適切に設定することが重要である。
【0013】
従来のマスク領域設定方法は、例えば、監視視野内の草木等が存在するマスク領域とする領域を多角形で指定して、図2(b) におけるマスク領域602bのような領域を予め物体検出装置に記録しておかなければならない。しかし、このマスク領域設定操作は、熟練を要し、更には、マスク領域を多角形で設定する場合には、正確に指定することは非常に困難となる。
また、草木がまばらに存在していた場合、それぞれの草木に対してマスクを指定しなければならないという問題もある。
【0014】
【特許文献1】
特開平7−79429号公報(要約)。
【特許文献2】
特開2001−175959公報(第3頁)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このようなマスク設定操作をより簡便に、且つ、適切に行うことができるようにすることが求められるとともに、さらには、基準背景画像の植え込み部分に存在する草木は風などによる揺れが無視できる時期(時間帯あるいは季節)には、マスク領域から解除できる方がより十分な監視ができることになるから、設定されたマスク領域を適切に解除できるようにすることが求められる。
本発明の目的は、オペレータが容易にマスク領域を設定できるようにした、操作性の良い物体検出方法および物体検出装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、オペレータが容易にマスク領域を設定し、かつ、必要なら、設定したマスク領域を、容易に且つ適切に解除できるようにした、操作性の良い物体検出方法および物体検出装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の一側面による物体検出方法は、撮像装置からの入力画像と記録装置に記録されている背景画像との変化分を検出するステップと、表示装置に上記検出された少なくとも上記変化分を含む画像を表示するステップと、上記変化分を含む画像の内、所定の変化分の領域をマスク領域として指定するステップと、上記マスク領域を指定して得られる画像をマスク画像として上記記録装置に登録するステップ、および上記撮像装置から入力される入力画像と上記マスク画像を比較し、上記移動物体を検出するステップを有する。
【0017】
また、本発明の一側面による物体検出方法は、上記変化分を含む画像の内、所定の変化分の領域をマスク領域として指定するステップは、上記変化分を含む領域をマスク領域候補として表示するステップおよび上記マスク領域候補の内、所定の変化分を有するマスク候補領域をマスク領域として指定するステップとからなる。
【0018】
また、本発明の一側面による物体検出方法の上記変化分を検出するステップは、複数の上記入力画像についてそれぞれ変化分を検出するステップを含み、上記所定の変化分の領域をマスク領域として指定するステップは、上記複数の入力画像についてそれぞれ上記所定の変化分の領域をマスク領域として指定するステップを含み、上記マスク画像は、上記複数の入力画像についてそれぞれ上記マスク領域を指定して得られる画像を合成した画像である。
【0019】
また、本発明の一側面による物体検出方法の上記所定の変化分の領域をマスク領域として指定するステップは、複数の上記入力画像についてそれぞれ異なるマスク領域を指定するステップを含む。
【0020】
また、本発明の一側面による物体検出方法の上記記録装置に記録されているマスク画像を上記複数の入力画像について上記マスク領域を指定して得られるそれぞれの画像で順次更新する。
【0021】
また、本発明の一側面による物体検出方法は、更に、上記記録装置に登録されているマスク画像を所定期間毎に更新するステップを含む。
【0022】
また、本発明の一側面による物体検出方法の上記所定の変化分の領域をマスク領域として指定するステップは、上記表示装置に表示される操作マーカにより指定するステップである。
【0023】
また、本発明の一側面による物体検出方法の上記複数の入力画像は、所定間隔で上記撮像装置から入力される入力画像である。
【0024】
また、本発明の一側面による物体検出方法は、上記複数の入力画像について、それぞれ変化分を検出するステップは、更に、それぞれの変化分を所定期間蓄積するステップを含み、上記それぞれ蓄積された変化分の画像を合成した画像に基いて上記マスク画像を更新する。
【0025】
また、本発明の一側面による物体検出方法は、更に、上記複数の入力画像についてそれぞれ変化分を検出するステップにおいて検出された変化分検出画像をそれぞれ複数の蓄積手段に蓄積するステップおよび上記複数の蓄積手段に蓄積される上記変化分検出画像を蓄積順序に従って順次更新するステップを含む。
【0026】
また、本発明の一側面による物体検出方法は、更に、上記入力画面を複数個の領域に分割するステップを有し、上記所定の変化分の領域をマスク領域として指定するステップは、上記複数個の領域の内、所定の領域を指定するステップである。
【0027】
また、本発明の一側面による物体検出方法は、更に、上記マスク領域として指定された領域の内、複数の上記入力画像にわたって上記所定の変化分が検出されないマスク領域が存在する場合、上記マスク領域を解除するステップを含む。
【0028】
また、本発明の一側面による物体検出方法の上記複数個の領域は、矩形あるいは上記入力画面に表示される対象物の形状に基いた形状のいずれかにより分割される。
【0029】
また、本発明の一側面による物体検出方法は、更に、上記マスク領域として指定された領域の内、所定時間の間、上記所定の変化分が検出されないマスク領域が存在する場合、上記マスク領域を解除するステップを含む。
【0030】
また、本発明の一側面による物体検出方法は、更に、上記表示装置に上記撮像装置からの入力画像と上記マスク領域候補とを同時に表示するステップを含む。
【0031】
また、本発明の一側面による物体検出方法の、上記それぞれの変化分を所定期間蓄積するステップは、上記蓄積期間を複数の期間に分割し、上記分割された期間においてそれぞれ分割蓄積画像を生成するステップおよび上記複数の分割蓄積画像から所定の分割画像を選択し、マスク画像とする画像を生成するステップからなる。
【0032】
また、本発明の一側面による物体検出方法の、上記変化分を含む画像の内、所定の変化分の領域をマスク領域として指定するステップは、更に、上記マスク領域候補内に表示されている対象物を構成する画素を所定割合だけ膨張するステップおよび上記所定割合だけ膨張した対象物を構成する画素を所定割合だけ収縮させるステップとを含む。
【0033】
また、本発明の一側面による物体検出方法の、上記対象物を構成する画素を所定割合だけ膨張するステップは、4近傍領域膨張処理、8近傍領域膨張処理およびそれらの組合せ処理のいずれか1つの処理ステップであり、上記所定割合だけ膨張した対象物を構成する画素を所定割合だけ収縮させるステップは、4近傍領域収縮処理、8近傍領域収縮処理およびそれらの組合せ処理のいずれか1つの処理ステップである。
【0034】
また、本発明の一側面による物体検出装置は、上記移動物体を撮影する撮像装置と、背景画像を記録する記録装置と、上記撮像装置からの入力画像と上記記録装置に記録されている上記背景画像との変化分を検出する変化分検出部と、上記変化分検出部により検出された少なくとも上記変化分を含む画像を表示する表示装、上記変化分を含む画像の内、所定の変化分の領域をマスク領域として指定するマスク領域指定部と、上記マスク領域を指定して得られる画像をマスク画像として上記記録装置に登録し、上記登録されたマスク画像と上記撮像装置から入力される入力画像とを比較し、上記移動物体を検出する処理装置、および上記撮像装置、上記記録装置、上記変化分検出部および上記処理装置を制御する制御部とを有する。
【0035】
また、本発明の一側面による物体検出装置の上記マスク領域指定部は、上記変化分を含む領域をマスク領域候補として表示し、上記マスク領域候補の内、所定の変化分を有するマスク候補領域をマスク領域として指定する機能を有する。
【0036】
また、本発明の一側面による物体検出装置の上記変化分検出部は、複数の上記入力画像についてそれぞれ変化分を検出する機能を含み、上記マスク領域指定部は、上記複数の入力画像についてそれぞれ上記所定の変化分の領域をマスク領域として指定する機能を含み、上記マスク画像は、上記複数の入力画像についてそれぞれ上記マスク領域を指定して得られる画像を合成した画像である。
【0037】
また、本発明の一側面による物体検出装置の上記マスク領域指定部は、複数の上記入力画像についてそれぞれ異なるマスク領域を指定する機能を有する。
【0038】
また、本発明の一側面による物体検出装置は、上記記録装置に記録されているマスク画像を上記複数の入力画像について上記マスク領域を指定して得られるそれぞれのマスク画像で順次更新する。
【0039】
また、本発明の一側面による物体検出装置は、更に、上記記録装置に登録されているマスク画像を所定期間毎に更新する。
【0040】
また、本発明の一側面による物体検出装置の上記マスク領域指定部は、上記表示装置に表示される操作マーカにより上記マスク領域を指定する機能を有する。
【0041】
また、本発明の一側面による物体検出装置の上記複数の入力画像は、所定間隔で上記撮像装置から入力される入力画像である。
【0042】
また、本発明の一側面による物体検出装置の上記変化分検出部は、更に、それぞれの変化分を所定期間蓄積する機能を有し、上記蓄積された変化分の画像に基いて上記マスク画像を更新する。
【0043】
また、本発明の一側面による物体検出装置は、更に、上記複数の入力画像について検出された変化分検出画像を蓄積する複数の蓄積手段を有し、上記複数の蓄積手段に蓄積される上記変化分検出画像を蓄積順序に従って順次更新する。
【0044】
また、本発明の一側面による物体検出装置の上記処理装置は、更に、上記入力画像を複数個の領域に分割する機能を有し、上記マスク領域指定部は、上記複数個の領域の内、所定の領域をマスク領域として指定する機能を有する。
【0045】
また、本発明の一側面による物体検出装置の上記マスク領域指定部は、更に、上記マスク領域として指定された領域の内、複数の上記入力画像にわたって上記所定の変化分が検出されないマスク領域が存在する場合、上記マスク領域を解除する機能を有する。
【0046】
また、本発明の一側面による物体検出装置は、上記表示装置に表示される上記複数個の領域は、矩形あるいは上記入力画面に表示される対象物の形状に基いた形状のいずれかの形状に表示される。
【0047】
また、本発明の一側面による物体検出装置の上記処理装置は、更に、上記マスク領域として指定された領域の内、所定時間の間、上記所定の変化分が検出されないマスク領域が存在する場合、上記マスク領域を解除する機能を有する。
【0048】
また、本発明の一側面による物体検出装置は、更に、上記表示装置は、上記撮像装置からの入力画像と上記マスク領域候補とを同時に表示する機能を有する。
【0049】
また、本発明の一側面による物体検出装置の上記変化分検出部は、上記蓄積期間を複数の期間に分割し、上記分割された期間においてそれぞれ分割蓄積画像を生成する機能および上記複数の分割蓄積画像から所定の分割画像を選択し、マスク画像とする画像を生成する機能を有する。
【0050】
また、本発明の一側面による物体検出装置の上記マスク領域指定部は、更に、上記マスク領域候補内に表示されている対象物を構成する画素を所定割合だけ膨張する機能および上記所定割合だけ膨張した対象物を構成する画素を所定割合だけ収縮させる機能を有する。
【0051】
また、本発明の一側面による物体検出装置の上記対象物を構成する画素を所定割合だけ膨張する機能は、4近傍領域膨張処理、8近傍領域膨張処理およびそれらの組合せ処理のいずれか1つの処理機能であり、上記所定割合だけ膨張した対象物を構成する画素を所定割合だけ収縮させる機能は、4近傍領域収縮処理、8近傍領域収縮処理およびそれらの組合せ処理のいずれか1つの処理機能である。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に言及して説明する。図面を通し、同様な部材には同様な参照符号を付す。
まず、本発明の第1の実施例(以下実施例1と呼ぶ)を図3と図4に言及して説明する。
図3は、実施例1の物体検出装置のハードウエア構成を示すブロック図である。なお、図3のハードウエア構成は他の実施例の説明にも使用する。
E01は撮像装置(以下、TVカメラと呼ぶ)、E02はズームレンズ、E03は電動旋回台(以下カメラ雲台と呼ぶ)、E04は操作器、E04aは操作器E04に付属する第1のボタン、E04bは操作器E04に付属する第2のボタン、E05は侵入物体監視装置、E05aは画像入力I/F(I/F:Interface )、E05bは雲台制御I/F、E05cはレンズ制御I/F、E05dは操作入力I/F、E05eは画像メモリ、E05fは画像出力I/F、E05gは警報出力I/F、E05hはCPU(CPU:Central Processing Unit )、E05iはプログラムメモリ、E05jはワークメモリ、E05kはデータバス、E06は出力モニタ、E07は警告灯である。カメラE01は画像入力I/F(E05a)に接続され、ズームレンズE02はレンズ制御I/F(E05c)に接続され、カメラ雲台E03は雲台制御I/F(E05b)に接続され、操作器E04は操作入力I/F(E05d)に接続され、出力モニタE06は画像出力I/F(E05f)に接続され、警告灯E07は警報出力I/F(E05g)に接続されている。また、画像入力I/F(E05a)、雲台制御I/F(E05b)、レンズ制御I/F(E05c)、入力I/F(E05d)、画像メモリE05e、画像出力I/F(E05f)、警報出力I/F(E05g)、CPU(E05h)、プログラムメモリE05iおよびワークメモリE05jは、データバスE05kに接続され、相互に信号の授受ができる。
【0053】
図3において、カメラ雲台E03に搭載されズームレンズE02を備えたTVカメラE01は、監視対象(視野範囲)を撮像する。撮像された映像信号は、画像入力I/F(E05a)からデータバスE05kを介して画像メモリE05eに蓄積される。CPU(E05h)は、プログラムメモリE05iに保存されているプログラムに従って、ワークメモリE05j内で画像メモリE05eに蓄積された画像の解析を行う。CPU(E05h)は、処理結果に応じてデータバスE05kから、レンズ制御I/F(E05c)を介してズームレンズE02を制御したり、雲台制御I/F(E05b)を介してカメラ雲台E03を制御してTVカメラE01の撮像視野を変えたり、警報出力I/F(E05g)を介して警告灯E07を点灯し、画像出力I/F(E05f)を介して監視モニタE06に、例えば侵入物体検出結果画像を表示する。なお、画像メモリE05eは、登録された基準背景画像を保存しておくためのテンプレート画像メモリをも備えている。
【0054】
図4は本発明の物体検出方法の実施例1による処理プロセスを示すフローチャートである。
まず、初期化ステップ101では、物体検出処理で使用する画像メモリE05e内に確保された画像記録用の画像メモリや、ワークメモリE05j内に確保された変数等の初期化、処理モード(ワークメモリE05j内の処理モード変数によって管理する)を通常モードに設定する。
画像入力ステップ102では、カメラE01から、例えば、幅320ピクセル(以下pixと表記する)、高さ240pix、8bit/pixの入力画像(S01)を取得する。差分ステップ103では、画像入力ステップ102で得られた入力画像(S01)と、予め画像メモリE05eに記録しておいた基準背景画像(S02)との画素毎の差分を計算し、差分画像(S03)を得る。次に、2値化ステップ104では、差分ステップ103で得られた差分画像(S03)の各画素についてしきい値処理を行ない、画素値がしきい値(例えば、20)未満の場合は画素値を”0”、しきい値以上の場合は画素値を”255”に変換して2値化画像(S04)を得る。マスキングステップ105は、図2(b) で説明したマスク領域602bで検出された物体に対して2値化画像S04として処理した画素値を”255”から”0”に修正する。すなわち、マスク領域602bでの検出を無効とする処理を行う。この結果、2値化画像S04で検出される物体の内、例えば、マスキングステップ105で、図2(b) の草木が存在する領域602b内で検出された領域601b、領域601c(図2(a) )が、風などによる揺れによる侵入物としての誤検出を防止する。
【0055】
次に、設定移行操作判定ステップ106では、オペレータが操作器E04を操作してマスク設定モードに移行した場合は、マスク設定モード移行ステップ107へ分岐し、マスク設定モードに移行しなかった場合は、マスクモード判定ステップ108へ分岐する。マスク設定モードへの移行は、例えば、操作器E04の第1のボタンE04aの押下によって行なわれる。マスク設定モード移行ステップ107では、処理モードをマスク設定モードに設定する。次に、マスク設定モード判定ステップ108では、ワークメモリE05j内の処理モード変数によって管理されている処理モードがマスクモードであった場合は、操作マーカ表示ステップ109へ分岐し、マスクモードでなかった場合は、物体検出領域表示ステップ114へ分岐する。
【0056】
操作マーカ表示ステップ109では、画像出力I/F(E05f)を介して出力モニタE06に操作マーカを表示する。操作マーカは、例えば、後述する図5に示すような矢印701a,702aのような形でも良いし、十字、点、矩形、等の操作マーカの位置が分かるような表示形態であれば何でもよい。表示された操作マーカは、例えば、操作入力I/F(E05d)に接続された図示しないマウスによりパソコンのカーソルと同様、表示画面の任意の位置に移動できる。次にマスク候補領域表示ステップ201では、マスキングステップ105でマスク領域に対応する領域がマスクされた2値化画像を画像出力I/F(E05f)を介して出力モニタE06に表示する。すなわち、図1で、2値化画像S04として検出される物体の内、マスク領域に該当しなかった物体がすべて表示される。
【0057】
次に、マスク設定操作判定ステップ111で、オペレータは2値化画像S04として表示された画像の内、表示領域をマスクとして設定するか否かを指定する。すなわち、オペレータは表示された画像の内、マスク領域として設定すべきであると判定した領域、例えば、図5(a) の領域701cに操作マーカ701aを移動させて、操作器E04の第2のボタンE04bの押下によってマスク設定操作を行う。この場合にはマスク画像更新ステップ112へ分岐し、マスク設定操作を行わなかった場合は、物体存在判定ステップ119へ分岐する。続く、マスク画像更新ステップ112では、マスク設定操作判定ステップ111で操作器E04の第2のボタンE04bの押下が行われて、操作マーカによって指定された表示画像がマスク領域として追加されたのに対応して、マスク領域が更新される。すなわち、画像メモリE05e内に記憶されていた現在のマスク領域と、新たに追加されたマスク領域の2値化画像との画素毎の論理和を新たなマスク領域として画像メモリE05e内に記憶したマスク領域を置き換える。次に、通常モード移行ステップ113では、処理モードを通常モードに設定する。
【0058】
次に、物体検出領域表示ステップ114では、画像出力I/F(E05f)を介して出力モニタE06に、マスキングステップ105によって、マスク領域に対応する画像を除外した2値化画像を表示する。
【0059】
次に、物体存在判定ステップ119では、2値化処理ステップ104、マスキングステップ105で得られたマスクされた2値化画像中から、例えば周知のラベリングの方法によって“255”のかたまり(S09)を検出して物体が存在するか否かを判定し、存在した場合には警報・モニタ表示ステップ120に分岐し、存在しなかった場合は、画像入力ステップ102へ戻る。警報・モニタ表示ステップ120では、例えば出力モニタE06に対象物体の画像を表示したり、警告灯E07を点灯させたりして、侵入物体が存在することを表す報知を行う。この処理が終わると処理フローは画像入力ステップ102に戻り、再び、同じ処理フローを繰り返す。
【0060】
ここで、図4のステップ109、201、111、112、113で説明したマスク領域の設定手順を図5(a) 〜(d) の例を用いて詳細に説明する。
図5は、時刻T、TおよびTの各時刻に、操作マーカ、検出物体の表示、マスク領域がどのように変化しているかの一例を説明するための図である。各図において、画像701、画像702および画像703は各時刻T、TおよびTに出力モニタE06に表示される画像を表している。操作マーカ(矢印)701a、矢印702aおよび矢印703aは、それぞれ、出力モニタE06に表示される操作マーカを表すが、時刻T、時刻Tおよび時刻Tにおいて、表示されている検出物体としての画像領域701c、702cおよび703cをオペレータが、それぞれの画像領域をマスク領域に設定するために、操作マーカをそれぞれの画像領域に移動させている状態を示す。図5(a) においては、検出物体としての画像領域としては701cと701dの2つが表れているが、本実施例では、1回の操作では、1つの画像しかマスク領域に指定できないので、この例では、操作マーカ701aを検出物体としての画像は701cに重畳して表示させている。図5(a) 〜(c) のそれぞれで操作マーカをマスク領域としたい画像上に置いた後、操作器E04の第2のボタンE04bの押下を行えば、それぞれの画像に対応する領域がマスク領域として追加される。すなわち、図5(a) で設定されたマスク領域701cに、図5(b) で設定されたマスク領域702aがマスク領域に追加され、図5(c) で設定されたマスク領域703aがマスク領域に追加される。
その結果、時刻T、時刻Tおよび時刻Tのそれぞれにおける3回のマスクモードの設定操作により、図5(d) に示す画像704のマスク領域704bが設定されることになる。なお、本実施例では、1回の操作で1つの画像をマスク領域に追加するが、例えば、第2のボタンE04bの押し下げを2回行って、2つの位置を指定し、この位置を頂点とする矩形領域内に存在する複数の画像を1度にマスク領域に追加するようにしても良い。なお、図5(d) の操作マーカ704aは、表示されているだけで、設定には使われない。
【0061】
図5(d) のマスク領域704bが、草木が存在する領域を正確に内包していることは明らかである。このように、本実施例では、検出画像自体をマスク領域として設定するかどうかを決めるだけで良いので、マスク領域設定に熟練性を要するという問題や、更には、マスク領域を多角形で設定する場合には、草木の存在する領域を正確に指定することは非常に困難であるという問題を解消できる。
【0062】
図6は本発明の実施例2による処理プロセスを示すフローチャートである。
本実施例2は、実施例1では、処理フロー中に偶然検出された領域のみをマスク領域に設定するため、断続的に検出される領域はマスク領域として設定することが難しいという問題を解決するものである。すなわち、断続的に検出される検出画像は、処理フローが一巡して次の処理フローに進んだときには、すでに、画像入力ステップ102で入力される画像が変わってしまい、すぐに消えてしまうこととなり、操作マーカの移動および操作器E04の操作が間に合わないという問題がある。本実施例2は、図6を図4と対比して分かるように、実施例1のマスク候補表示ステップ201の代わりに、蓄積2値化画像マスク候補表示ステップ110を置き換え、蓄積2値化画像更新ステップ301と、所定時間経過判定ステップ302、蓄積2値化画像クリア(蓄積2値化画像リセット)ステップ303を追加したものである。これ以外のステップは、図2で説明した実施例1のものと同様であるため、説明を省略する。
【0063】
蓄積2値化画像マスク候補表示ステップ110では、蓄積2値化画像更新ステップ301(後述する)で作成された蓄積2値化画像をマスク候補領域として画像出力I/F(E05f)を介して出力モニタE06に表示する。蓄積2値化画像更新ステップ301は、2値化処理ステップ104とマスキングステップ105とで得られたマスクされた2値化画像と、画像メモリE05eに記憶した蓄積2値化画像との画素毎の論理和を計算し、論理和で得られた2値化画像で画像メモリE05eに記憶した蓄積2値化画像と置き換える。このようにして、断続的に検出される検出物体領域を蓄積して記録するとともに、これを蓄積2値化画像マスク候補として出力モニタE06に表示する。次に、所定時間経過判定ステップ302では、所定時間(例えば30分)が経過した場合、蓄積2値化画像リセットステップ303へ分岐し、所定時間が経過していない場合は、物体存在判定ステップ119へ分岐する。ここで、所定時間経過とは、蓄積2値化画像更新ステップ301において、マスクされた2値化画像を蓄積し始めてから所定時間が経過した場合、あるいは、蓄積2値化画像リセットステップ303において、蓄積2値化画像を最後にリセット(クリア)してから所定時間が経過した場合、あるいは所定の周期ごとに、と言うことを意味する。蓄積2値化画像リセットステップ303では、画像メモリE05eに記憶した蓄積2値化画像をリセットする。すなわち、定期的に蓄積2値化画像を自動的にリセットすることができる。
【0064】
実施例2の効果を、図7を用いて説明する。図7の801、802および803は、図5(a) 〜(c) で説明した時刻T、TおよびTの画像701、702および703に対応する検出画像領域を表しており、804は図5(d) で説明した総合領域704に対応する検出画像領域を表す。図5(a) 〜(c) で説明したと同様に、各時刻での検出物体の領域801a、801b、802a、803aを論理和手段805を用いて自動的に集計すると蓄積2値化画像804aが得られる。このように、瞬間的に表れる領域も蓄積2値化画像に記録して論理和を取ることにより、実施例1の図5(d) に示す総合領域としてのマスク領域704bに対応する蓄積2値化画像804aが得られる。しかも、この処理は、実施例1の3回の操作マーカによるマスク設定操作ではなく、蓄積2値化画像の論理和を取る処理を自動的に行うことにより実現できるものとなる。
【0065】
すなわち、本実施例2では、蓄積2値化画像804aが適当な蓄積状態になったときマスク設定操作をすれば良いことを意味するから、蓄積を行わない場合に瞬間的に現れる領域の指定が困難であるという問題を解決し、さらにマスク設定回数を少なくできるため、監視者の負担を低減できる。また、実施例1では、図5(a) では、草木が揺れている領域701cと領域701dが検出物体として検出されていても、操作マーカ701aによるマスク設定操作は領域701cに対してのみ行われるにすぎないから、図5(c) の検出画像703cが図5(a) の領域701dを十分にカバーしていないようなときは、監視者は、さらなるマスク設定操作を意図して表示画面を監視する必要があるが、本実施例2では、図7の画像801では、検出物体の領域801aおよび801bが同時に選択されていることから分かるように、このことに気を使う必要は無くなる。
【0066】
なお、蓄積2値化画像リセットステップ303は、蓄積2値化画像中の“255”となる画素の数が所定の値(例えば1000画素)以上になった場合に、蓄積2値化画像をリセットするようにしても良い。本実施例2により、実施例1において、断続的に検出される領域のマスク領域として設定が困難であるという問題を回避し、所定時間内の検出領域を一度にマスク領域に設定できると言う効果を得る。
【0067】
図8は本発明の実施例3による処理プロセスを示すフローチャートである。
本実施例3は、実施例2で、蓄積2値化画像のリセットと、マスク領域設定操作のタイミングによって、蓄積時間にばらつきが出るのみならず、場合によっては、蓄積時間が短くなるという問題、すなわち、蓄積2値化画像をリセットした直後にマスク領域設定操作を行うと蓄積時間が短くなり、蓄積時間が短いと検出された領域の蓄積が不十分となって、実施例2の所定時間内の検出領域を一度にマスク領域に設定できるという効果を得ることができなくなると言う問題を解決するものである。本実施例3は、蓄積2値化画像マスク候補表示ステップ110では、蓄積2値化画像作成ステップ118(後述する)で作成された蓄積2値化画像をマスク候補領域として画像出力I/F(E05f)を介して出力モニタE06に表示する。また、実施例2の蓄積2値化画像更新ステップ301と、所定時間経過判定ステップ302、蓄積2値化画像クリアステップ303を削除し、これらに代えて、所定時間経過判定ステップ115、分割2値化画像シフトステップ116、分割2値化画像更新ステップ117および蓄積2値化画像作成ステップ118が追加されたものである。これ以外のステップは、図6で説明した実施例2のものと同様であるため、説明を省略する。
【0068】
所定時間経過判定ステップ115では、蓄積開始から所定の時間、例えば、10分が経過している場合は、分割蓄積2値化画像シフトステップ116へ分岐し、所定の時間が経過していない場合は、分割蓄積2値化画像更新ステップ117へ分岐する。分割蓄積2値化画像は、画像メモリE05eに記憶されており、実施例2で説明した蓄積2値化画像を複数の時間間隔で分割したものである。本実施例3では、例えば、トータルの蓄積時間を30分、分割蓄積2値化画像の蓄積時間を10分とする。実施例2の0分以上30分未満で蓄積する蓄積2値化画像を、0分以上10分未満、10分以上20分未満、20分以上30分未満の3つに分割して分割蓄積2値化画像としている。以下、3つに分割した例で説明する。これを、分割蓄積2値化画像B1、分割蓄積2値化画像B2および分割蓄積2値化画像B3とする。
【0069】
分割蓄積2値化画像シフトステップ116では、定時間ごと(例えば、所定時間を10分とする)に、画像メモリE05eに記憶されている分割蓄積2値化画像B2を分割蓄積2値化画像B1へコピーし、分割蓄積2値化画像B3を分割蓄積2値化画像B2へコピーし、分割蓄積2値化画像B3をリセットする。分割蓄積2値化画像更新ステップ117では、マスクされた2値化画像と画像メモリE05eに記憶されている分割蓄積2値化画像B3との画素毎の論理和を計算し、これを画像メモリE05eに記憶した分割蓄積2値化画像B3と置き換える。蓄積2値化画像作成ステップ118では、分割蓄積2値化画像B1、分割蓄積2値化画像B2、分割蓄積2値化画像B3との画素毎の論理和を計算し、これを画像メモリE05eに記憶した蓄積2値化画像と置き換える。
【0070】
このようにする効果を図9を用いて説明する。
図9(a) は、実施例2における、蓄積2値化画像の更新と、マスク設定操作のタイミング例を説明する図である。図9(a) において、一定周期の時刻t、t、t、t、‥‥‥のタイミングにおいて、蓄積2値化画像のクリアが行なわれている(実施例2では、t−ti−1=30[分])。それに対して、時刻tA、tBにおいて、マスク設定操作が行なわれている。この例では、蓄積2値化画像を蓄積してから、マスク設定操作が行われるまでの時間は、△tAおよび△tBになる。すなわち、蓄積2値化画像のリセットと、マスク領域設定操作のタイミングによって、蓄積時間にばらつきが出るという問題があることが分かる。このことは、マスク領域設定操作のためには、例えば、△tB時間しか蓄積されない時刻tBのようなタイミングでは、時刻tAのようなタイミングに比べて、候補の表示が不十分である場合があることを意味する。すなわち、十分な蓄積が行われないために、実施例2で問題となる瞬間的に現れる領域の指定が困難となる場合が発生することがある。
【0071】
次に図9(b) は、実施例2で問題となる蓄積時間にばらつきを、実施例3で解決している図を表している。図中B1、B2、B3は、それぞれ、分割蓄積2値化画像B1、分割蓄積2値化画像B2、分割蓄積2値化画像B3が蓄積されている時間範囲を表す。蓄積2値化画像作成ステップ118によって、蓄積2値化画像は分割蓄積2値化画像B1、分割蓄積2値化画像B2、分割蓄積2値化画像B3の画素毎の論理和となる。さらに、分割蓄積2値化画像シフトステップ116では、所定の時間間隔で各分割蓄積2値化画像をシフトする。したがって、時刻tA、tBにおいて、マスク設定操作が行なわれても、蓄積2値化画像の対象となる分割蓄積2値化画像の数は変わらない。よって、蓄積2値化画像を蓄積してから、マスク設定操作が行われるまでの時間(周期)は、△tAおよび△tBとなり、ほとんど差がなくなる。このようにすることで、実施例2において、蓄積2値化画像のリセットと、マスク領域設定操作のタイミングによって、蓄積時間にばらつきが出るという問題を回避し、蓄積時間を十分に確保することで、所定時間内の検出領域を一度にマスク領域に設定できると言う効果を得る。
【0072】
上述の実施例1〜3では、検出画像を利用して、より適切にマスク領域を設定する、と言う観点にポイントを置いて成されている。しかし、検出画像を利用してのマスク領域の設定と言うことは、この領域も本来の監視領域であるべきであると言う面があることは否めない。そこで、以下で説明する実施例4および5では、マスク領域の解除を可能として、より適切な監視領域にすることが可能な実施例を提案する。
【0073】
図10は本発明の実施例4の処理プロセスを説明するフローチャートである。ステップ101から105までの処理は上述の実施例1〜3と同一であり、マスク領域設定処理ステップ1000は上述の実施例1〜3における設定移行操作判定ステップ106以降物体存在判定ステップ119の前までのステップにおけるマスク領域設定処理を纏めて表記したものである。物体存在判定ステップ119および警報・モニタ表示ステップ120も上述の実施例1〜3と同一である。すなわち、本実施例4は、上述の実施例1〜3のマスク領域の設定および物体検出の処理に加えて、以下説明する領域カウンタリセットステップ401から領域カウンタ増加ステップ407を付加して、必要に応じて、マスク領域の解除を可能としたものである。
【0074】
即ち、本実施例5は、監視視野を複数のブロックに分割し、上述の実施例2〜4のマスク領域の設定および物体検出の処理に加えて、以下説明する領域カウンタクリアステップ401から領域カウンタ増加ステップ407を付加して、各々のブロック毎に必要に応じて、マスク領域の解除を可能としたものである。したがって、ステップ101から105までの処理および物体存在判定ステップ119および警報・モニタ表示ステップ120については説明を省略する。
【0075】
領域カウンタリセットステップ401では、ワークメモリE05j内に確保された領域カウンタを、例えば0にリセットする。この領域カウンタは、続くステップ402〜407を、上述の実施例1〜3で設定された各マスク領域に対して実行するために用いられる。本実施例4では、図11に示すように、監視画像領域を、例えば横4、縦3の矩形のブロックに分割する。
【0076】
すなわち、例えば画像の大きさが横320画素(画素の位置を x=0〜319 と表す)、縦240画素(画素の位置を y=0〜239 と表す)の場合、画像の横方向に関して x=0〜79 ,80〜159 ,160〜239 ,240〜319 の画素で分割し、横方向に関して y=0〜79 ,80〜159 ,160〜239 の画素で分割する。このようにすると、画像を横方向4分割、縦方向3分割の合計12個の矩形のブロックに分割することができる。この画像のブロック分けは監視視野を設定した段階で決定しておく。
【0077】
この12ブロックの内、マスク領域を含む領域は、ブロック分割によって6個に分割されている。すなわち、図11(a) の例では、図5を参照して説明したように、検出画像を利用して設定されたマスク領域は、1101a〜1101fの6ブロック内にある。これらの分割されたブロックは領域カウンタを用いてそれぞれ個別に取り扱うようにする。図11(a) の例では、1101a〜1101fの6ブロックのそれぞれに領域カウンタの値を0,1,2,3,4および5となるように割当てている。
【0078】
マスクチェック完了判定ステップ402では、領域カウンタの値と、前記分割したマスク領域の数を比較し、領域カウンタの値が分割したマスク領域の数(前記例では6)以上であれば(即ち、領域カウンタの値が分割したマスク領域の数より大きいということは、全ての分割したマスク領域についてステップ402から407までの処理(マスクチェック)、が完了したことを意味する。)、物体存在判定ステップ119へ分岐し、領域カウンタが分割したマスク領域の数未満である場合は、マスク領域内物体存在判定ステップ403へ分岐する。次にマスク領域内物体存在判定ステップ403では、ワークメモリE05j内に記憶された領域カウンタで指定される分割されたマスク領域と、画像メモリE05e内に記憶された2値化画像に基づいて、該分割されたマスク領域内に検出画像(2値化画像中で画素値“255”を持つ画素群)が存在するか否かを判定する。
【0079】
この判定の際、どの画素が対象とする分割ブロックに属するかの情報は、図11の例のように監視視野を矩形のブロックで分割した場合は対象とする画素の座標から直接計算して得ることができる。マスク領域内物体存在判定ステップ403ではこの情報を用いて現在着目しているブロック内の画素を識別し、識別した画素に対して該分割されたマスク領域内に検出画像が存在するか否かを判定する。
分割されたマスク領域内に検出画像がなければ領域解除カウンタ増加ステップ407へ分岐し、検出画像が存在すれば領域カウンタ増加ステップ404へ分岐する。
【0080】
次に、領域解除カウンタ増加ステップ404では、領域カウンタで指定されるマスク領域のワークメモリE05j内に記憶された領域解除カウンタ(即ち、領域解除カウンタはマスク領域の分割数(本実施例では“6”)だけ存在する)の値を1増加させる。さらに、領域解除カウンタ判定ステップ405では、ワークメモリE05j内に記憶された領域解除カウンタが所定の値(例えば、6000(6000フレーム数に相当する)以上であった場合にマスク領域解除ステップ406へ分岐し、所定の値未満であった場合に領域カウンタ増加ステップ407へ分岐する。次にマスク領域解除ステップ406では、ワークメモリE05j内に記憶された領域カウンタに対応するマスク領域を解除する。上述の実施例1−3では、マスク画像においてマスク領域に対応する画素を“0”、マスク領域以外の画素を“255”に設定している。したがって、マスク領域の解除は、領域カウンタに対応するマスク領域の画素を全て“255”に置き換えることによって成される。新しく作成されたマスク領域は、ワークメモリE05j内に記憶されたマスク画像と置き換えられ、マスク領域が更新される。
【0081】
すなわち、ワークメモリE05jに記憶された領域解除カウンタは、領域カウンタで指定される分割したマスク領域内で検出画像がない場合に増加し、所定の値以上になったら、すなわち、所定の数のフレームで検出画像が検出されなかったら、該分割したマスク領域はマスク対象から解除されることになる。上記所定の値を6000に設定した場合、1秒あたり10フレームの入力画像を処理すると仮定すると、連続して600秒以上検出画像が検出されなかった場合に該分割したマスク領域をマスク対象から外すことになる。
【0082】
これを、図11(b) を用いて、より具体的に説明する。図11(b) の例は、図11(a) において設定されていたマスク領域の分割された各ブロック1101a、1101b、1101c、1101d、1101e、1101fに対応するブロック1102a、1102b、1102c、1102d、1102e、1102fにおいて、ブロック1102a、1102d、1102eでは所定のフレーム数以上検出画像が検出されなかったことを表す。この場合には、図11(b) のように、分割されたマスク領域のブロック1102a、1102d、1102eはマスク領域から解除され、分割されたマスク領域1103b、1103c、1103fのみがマスク領域として残る。すなわち、風などが弱まり、検出画像が検出されなくなると(入力画像と基準背景画像の輝度値の差が小さくなると)、その領域はマスク処理の対象から自動的に解除できるようになる。
【0083】
図12の例は、図11がマスク領域を矩形のブロックに分割したのに対して、例えば、木々の上の部分の方が風に大きく揺れることに着目して、木々の揺れの度合に応じてブロック分けするようにした例である。
この場合、どの画素がどのブロックに属するかの情報を監視視野を設定した段階で決めておき(即ち、例えば、後で詳述するように、画素値がブロックの番号を表す画像を画像メモリE05e上に記録しておき)、監視処理実行時に初期化ステップ101で読み込み、マスク領域内物体存在判定ステップ403で対象とする画素が現在着目しているブロックに属しているかを領域カウンタに基づいて識別しながらマスク領域内の物体の存在を判定するようにする。
なお、木々の揺れの度合を、ある所定の風速時(例えば風速4m/秒)において、例えば、オペレータの目視による評価(画像上で木々の枝が動く画素数)に基づいて分割するようにしたり、風速2m/秒で揺れる画像、風速2m/秒では揺れないが風速4m/秒になると揺れる画像、風速4m/秒では揺れないが風速6m/秒になると揺れる画像というように分割するようにしても良い。また、どの画素がどのブロックに属するかの情報は、画像の形式だけでなく、複数の頂点からなる多角形の形式で表しても良い。
【0084】
図12(a) において、分割したブロック1201a、1201b、1201c、1201d内でブロック1201cおよび1201dにおいて所定のフレーム数だけ検出画像が検出されないと、ブロック1201cおよび1201dはマスク領域から解除され、図12(b) のように分割したマスク領域1202a、1202bのみがマスク領域として残る。
【0085】
次に、領域カウンタ増加ステップ407では、ワークメモリE05j内に記憶された領域カウンタを増加させる。すなわち、マスク領域の解除判定の対象となる分割したマスク領域が、新しく更新された領域カウンタで指定される分割したマスク領域に移る。
【0086】
物体存在判定ステップ119および警報・モニタ表示ステップ120の処理は上述の実施〜3と同じである。
次に、図12(a) の例のように、木々の揺れの度合いに応じてマスク領域をブロック分けするようにする場合、どの画素がどのブロックに属するかの情報の例として、画素値がブロックの番号を表す画像を使うことができるが、以下これについて説明する。
【0087】
先ずブロックの番号について説明する。図11(a) に示すような矩形のブロックの場合は、例えば、各ブロックを左上から順番に0、1、2、‥‥‥と番号を付けていく。これが、ブロックの番号である。図12(a) のような非矩形のブロックの場合は、例えば、各ブロックの領域を設定した順や、画素数が大きい順などで番号をつける。これは、マスク領域を含むブロックのみを対象とすることも可能である(図11(a) では、マスク領域を含むブロックのみに番号を割当てている)。要するに、少なくともマスク領域を含む各ブロックが番号で区別されていれば良い。
【0088】
次に、画像の各画素は、1画素当り8ビットを想定すると、0〜255の値を持つことができる。この特徴を利用して、各画素の画素値を、その画素が属するブロックの番号として表現すればよい。よって、画素値がブロックの番号を表す画像とは、輝度値(画素値)の代わりに番号を記録した画像となる。例えば、縦10画素、横10画素の画像を考えた場合、図12(c) に示す画素値を持つ画像を用意すれば、この画像(監視視野)には3つのブロックが存在し、各ブロックは、
ブロック番号0:ブロック番号1、ブロック番号2以外の画素
ブロック番号1:座標(3,3)〜(6,5)の画素の領域
ブロック番号2:座標(2,6)〜(7,7)の画素の領域
というものであることが分かる。
【0089】
以上のように、マスク領域を分割して、各分割したマスク領域内での検出画像を判定するようにすることで、風等が弱まってマスク処理の対象にすべき領域が小さくなった場合には、オペレータのマスク領域の切替え操作を必要とせずに自動的に適切なマスク領域を設定でき、正確な侵入物体の検出が行える。
【0090】
なお、本実施例4では、マスク領域のブロック化は、上述の実施形態に係らず、任意の形状で分割することで、実施例1〜3で説明したマスク設定操作によって、1回の設定操作でマスク領域に追加される領域で分割するようにしても良い。
【0091】
図13は本発明の実施例5の処理プロセスを説明するフローチャートである。本実施例は、実施例4で分割したマスク領域内で検出画像が検出されなかったフレーム数に基づいてマスク領域の解除を行うようにしていたものを、分割したマスク領域内で最後に検出画像が検出されてからの経過時間に基づいてマスク領域の解除を行うようにしたものである。本実施例5は、実施例4のマスク領域内物体存在判定ステップ403、領域解除カウンタ増加ステップ404および領域解除カウンタ判定ステップ405のフローに代えて、マスク領域内物体存在判定ステップ403、領域解除タイマリセットステップ421、タイマチェックステップ422および所定時間経過判定ステップ423のフローに変更したものである。これ以外のステップは、図10で説明した実施例4と同様であるため、説明を省略する。
【0092】
マスク領域内物体存在判定ステップ403では、実施例4と同様、ワークメモリE05j内に記憶された領域カウンタで指定される分割されたマスク領域と、画像メモリE05e内に記憶された2値化画像に基づいて、該分割されたマスク領域内に検出画像(2値化画像中で画素値“255”を持つ画素群)が存在するか否かを判定する。分割されたマスク領域内に検出画像が存在すれば領域解除タイマリセットステップ421へ分岐し、検出画像が存在しなければタイマチェックステップ422へ分岐する。領域解除タイマリセットステップ421では、領域カウンタで指定される分割されたマスク領域のブロックに対するマスク領域の領域解除タイマをリセットする。次に、タイマチェックステップ422では、領域カウンタで指定される分割されたマスク領域に対する領域解除タイマがリセットされてからの経過時間を算出する。この処理は、CPU(E05h)のタイマ機能によって行うのが簡便であるが、CPU(E05h)のタイマが利用できない場合は、外部のタイマを使用しても良い。次に、所定時間経過判定ステップ423では、タイマチェックステップ422で算出された領域カウンタで指定される分割されたマスク領域のブロックに対する領域解除タイマがリセットされてからの経過時間に基づいて、経過時間が所定の時間(例えば10分)経過した場合、マスク領域解除ステップ406へ分岐し、所定の時間経過していない場合は、領域カウンタ増加ステップ407へ分岐する。
【0093】
このように、マスク領域を分割して、各分割したマスク領域内での検出画像を判定するようにし、検出領域内で最後に検出画像が検出されてからの経過時間に基づいてマスク領域を解除することで、風等が弱まってマスク処理の対象にすべき領域が小さくなった場合には、風が弱くなってからの経過時間に基づいて確実に不要なマスク領域を解除できる。したがって、自動的に適切なマスク領域を設定でき、正確な侵入物体の検出が行える。
【0094】
上記実施例によれば、草木の揺れや、水たまりの光の反射などを防ぐ目的のマスク領域設定を物体検出処理で得られた検出物体領域を指定する操作に基づいてマスク領域を指定できるのでマスク設定操作が容易になるとともに適切に設定できるようになる。また、状況の変化に対応して、必要なら、検出物体の無い状況を適切に判定してマスク領域の解除ができる。
【0095】
次に、本発明の他の実施例について説明する。
図14は本発明の第7の実施例(以下、実施例7と呼ぶ)に係る物体検出装置のハードウエア構成を示す。図14の実施例のハードウエア構成は操作器または操作入力器E04′を除き、図3のハードウエア構成と同じである。
図14において、操作器E04′内のE04a′は第1のボタン、E04b′は第2のボタン、E04cは操作器E04′に付属する方向キーである。他の部材の説明は省略する。E04a′,E04b′はそれぞれ図3のE04a′、E04b′と同等の機能を有するもので良い。
【0096】
以下に説明する実施例は図14の物体検出装置のハードウエア構成を使って説明する。
図15は本発明の第8の実施例(以下実施例8)による処理プロセスを示すフローチャートである。本実施例では、オペレータがマスク設定モードを選ぶとマスク候補が定期的に繰り返し自動的に生成されモニタE06に表示されるので、好ましいと考えられるマスク候補が表示された時点でオペレータが操作入力器E04′を操作することにより該マスク候補がマスクに設定されるので、オペレータは前の実施例に比べ一層少ない操作でマスクを設定することが出来る。
本実施例8はステップ101から107までの処理は図4、6、8で説明した実施例のものと同様であるため、説明はステップ106の処理から行い、他のステップの説明は省略する。
【0097】
設定移行操作判定ステップ106では、オペレータが操作器E04′を操作してマスク設定モードに移行した場合は、マスク設定モード移行ステップ107へ分岐し、マスク設定モードに移行しなかった場合は、マスクモード判定ステップ108へ分岐する。マスク設定モードへの移行は、例えば、操作器E04′の第1のボタンE04a′の押下によって行なわれる。マスク設定モード移行ステップ107では、処理モードをマスク設定モードに設定する。次に、マスク設定モード判定ステップ108では、ワークメモリE05j内の処理モード変数によって管理されている処理モードがマスクモードであった場合は、マスク候補表示ステップ210へ分岐し、マスクモードでなかった場合は、物体検出領域表示ステップ114へ分岐する。
【0098】
次に、マスク候補表示ステップ210では、画像出力I/F(E05f)を介して出力モニタE06に蓄積2値化画像(作成方法は後述する)をマスク候補として表示する。このマスク候補の表示方法は、例えば、現在の画像に重ねてマスク候補部分を半透明で表示するなど、現在の入力画像とマスク候補部分の比較検討を行い易いようにする。オペレータ操作内容判定ステップ212では、オペレータは、表示されたマスク候補を見て設定するか、キャンセルするかを判断する。オペレータの判断による操作器E04′の操作内容に応じて、マスク候補をマスク領域に設定する場合はマスク切り換えステップ213へ分岐し、マスク領域の設定をキャンセルする場合は通常モードへ移行ステップ113へ分岐する。オペレータの操作器E04′の操作としては、マスク候補をマスク領域に設定する場合は、例えば、操作器E04′の第1のボタンE04a′の押下によって行なわれ、マスク領域の設定をキャンセルする場合は、例えば、操作器E04′の第2のボタンE04b′の押下によって行なわれる。次いで、通常モード移行ステップ113では、処理モードを通常モードに設定する。
【0099】
物体検出領域表示ステップ114では、画像出力I/F(E05f)を介して出力モニタE06に、例えばマスク領域への対応処理がなされた2値化画像を表示する。
【0100】
次に、蓄積2値化画像更新ステップ301は、2値化ステップ104、マスキングステップ105とで得られたマスクされた2値化画像と、画像メモリE05eに記憶した蓄積2値化画像との画素毎の論理和を計算し、計算結果として得られた2値化画像で、画像メモリE05eに記憶されている蓄積2値化画像と置き換える。このようにして、断続的に検出される検出物体領域を記録する。蓄積2値化画像更新ステップ202で得られた更新蓄積2値化画像はマスク候補表示ステップ110で表示されるものとなる。
【0101】
次に、所定時間経過判定ステップ302では、マスクされた2値化画像を蓄積してから所定の時間(例えば30分)が経過した場合、蓄積2値化画像リセットステップ303へ分岐し、所定の時間が経過していない場合は、物体存在判定ステップ119へ分岐する。蓄積2値化画像リセットステップ303では、画像メモリE05eに記憶した蓄積2値化画像をリセットする。蓄積2値化画像を、このように定期的にリセットする理由は、蓄積を続けていると監視の対象である人間等の物体、本来、監視対象でありマスクしてはならない物体、が監視領域内に侵入して来る場合があり、その検出結果がいつまでも蓄積2値化画像内に残ってしまうためである。
【0102】
2値化画像を蓄積する方法の効果を図7を用いて説明する。図7において、801、802および803は時刻T、TおよびTの検出物体の領域を表しており、各領域801、802、803に、各時刻での検出物体の表示領域801aと801b、802aおよび803aが表示されている。各領域の表示領域801aと801b、802aおよび803aのデータを、論理和手段805を用いて計算すると蓄積2値化画像804aが得られる。これによって、各時刻で検出された領域が蓄積され、マスク候補が生成される。このマスク候補を選択することにより、オペレータは少ない操作で容易にマスクが設定できるということになる。なお、蓄積2値化画像リセットステップ303は、蓄積2値化画像中の“255”となる画素の数が所定の値(例えば1000画素)以上になった場合に、蓄積2値化画像をリセットするようにしても良い。
【0103】
次の、物体存在判定ステップ119での処理は、既に図4、6、8他で説明したのと同様なので、繰返しての説明は省略する。
【0104】
本発明の実施例8を図16によって説明する。図16は本発明の実施例8の処理プロセスを説明するフローチャートである。
【0105】
本実施例8は、実施例7のマスク候補を複数作成するようにし、この複数のマスク候補の中からマスク設定に使用するマスク候補を選択できるようにしたものである。本実施例8、実施例7おける蓄積2値化画像更新ステップ301、所定時間経過判定ステップ302、蓄積2値化画像リセットステップ303を削除し、分割蓄積2値化画像論理和ステップ190、マスク候補切り換え判定ステップ211、所定時間経過判定ステップ115、分割蓄積2値化画像シフトステップ116および分割蓄積2値化画像更新ステップ117を追加したものである。これ以外のステップは、図15で説明した実施例7のものと同様であるため、説明を省略する。
【0106】
図17は、分割蓄積2値化画像からマスク候補画像を得るための処理を説明する図であり、(a) は第1の例の処理を、(b) は第2の例の処理をそれぞれ示し、(c) 、(d) はそれぞれの処理で得られるマスク候補画像の例を示す図である。
【0107】
本実施例では、分割蓄積2値化画像論理和ステップ190では、複数の分割蓄積2値化画像(後述する)の中から所定の分割蓄積2値化画像を選択し、その論理和を算出する。この分割蓄積2値化画像、および、複数の分割蓄積2値化画像の中から所定の分割蓄積2値化画像を選択する方法を図17(a) 、(b) を用いて説明する。
【0108】
図7(a) 、(b) は、時間の経過に対して分割蓄積2値化画像を算出する時間区間、及び、マスク候補とする分割蓄積2値化画像の選択(組合わせ)を表す。図において、D(i=1〜8)は分割蓄積2値化画像を算出する時間区間(例えば10分間隔)を表し、各区間に対して図7を用いて説明した2値化画像の蓄積方法によってそれぞれ蓄積2値化画像を算出する。これにより得られた蓄積2値化画像を分割蓄積2値化画像と呼ぶ。次に、各分割蓄積2値化画像をC(i=1〜4)の組み合わせて選択し、各組み合わせ毎に分割2値化画像の論理和を算出する。これが、マスク候補となる。図17(a) は、各マスク候補を算出する時間区間を半分ずつ重なる様に組み合わせた、すなわち、連続して得られる2つの分割蓄積2値化画像を1つずつ重ねながら、区間をずらせていくものである。例えば、マスク候補Cは分割蓄積2値化画像D及びDより得られ、マスク候補Cは分割蓄積2値化画像D及びDより得られ、マスク候補Cは分割蓄積2値化画像D及びD、マスク候補Cは分割蓄積2値化画像D及びDより得られる。また、図17(b) は、マスク候補として組み合わせる時間区間をDを基準に時間の長さを変えながら組み合わせるようにしたもので、マスク候補Cは分割蓄積2値化画像D,D,D,D,D,D,D及びDの全ての論理和より得られ、マスク候補Cは分割蓄積2値化画像D,D,D及びDの論理和より得られ、マスク候補Cは分割蓄積2値化画像D及びDの論理和より得られ、マスク候補Cは分割蓄積2値化画像Dより得られる。なお、上記組み合わせ方法以外にも、時間区間の時間幅を可変にしたり、マスク候補を作成する分割蓄積2値化画像の組合せを、総当り、ランダム等にしても良い。
【0109】
マスク候補切り換え判定ステップ211ではオペレータの判断により、マスク候補を切り換えるかどうかの判定を行い、これに対応した所定の操作でマスク候補を選択する。例えば、操作器E04′の方向キーE04cを押下する。押下した方向キーE04cの押下方向により、マスク候補を切り換える。例えば右方向に押下したときは順送り、すなわち、マスク候補をCからCi+1(i=1〜3)に切り換える。マスク候補にCが表示されている(i=4)ときに右方向に押下されたときはCに戻る。例えば左方向に押下したときは逆送り、すなわち、マスク候補をCからCi−1(i=2〜4)に切り換える。マスク候補にCが表示されている(i=1)ときに左方向に押下られたときはCに戻る。
【0110】
所定時間経過判定ステップ115では、2値化画像を分割蓄積2値化画像(後述する)に蓄積してから所定の時間(上記例では10分)が経過した場合、分割蓄積2値化画像シフトステップ116へ分岐し、所定の時間が経過していない場合は、分割蓄積2値化画像更新ステップ117へ分岐する。分割蓄積2値化画像は、画像メモリE05eに記憶されており、前記実施例7で説明した蓄積2値化画像を複数の時間間隔(時間区間)で分割したものである。分割蓄積2値化画像シフトステップ116では、画像メモリE05eに記憶されている分割蓄積2値化画像のうち最も古い分割蓄積2値化画像を破棄し、次に古い分割蓄積2値化画像を、今まで最も古い分割蓄積2値化画像が入っていた画像メモリにコピーする。
上記例ではDを破棄し、DをDi+1(i=1〜7)にコピーする。このような作業を古い分割蓄積2値化画像の順番で次々と行い、最新の分割蓄積2値化画像(D)の画像メモリをリセットすることによって分割蓄積2値化画像のシフトを行う。分割蓄積2値化画像更新ステップ117では、2値化画像と画像メモリE05eに記憶されている最新の分割蓄積2値化画像(D)との画素毎の論理和を計算し、これを画像メモリE05eに記憶した最新の分割蓄積2値化画像(D)と置き換える。
【0111】
このようにする効果を図17を用いて説明する。図7(a) 、(b)において、期間1701aあるいは1701bに人型の侵入物体が存在したと仮定する。図17(c) は、分割蓄積2値化画像の論理和ステップ190で作成されたマスク候補Cの例である。図17(d) は、分割蓄積2値化画像の論理和ステップ190で作成されたマスク候補Cの例である。図17(c) のマスク候補画像1703は、草木の揺れ等による蓄積された検出領域1703aだけでなく、人型の侵入物体が侵入した期間1701aあるいは1702aによって蓄積された検出領域1703bが存在しているためマスク領域として適さない。これらをマスク領域とすると、本来、監視対象であるべき人型の侵入物体が存在した領域もマスク領域に含まれてしまうことになる。図17(d) のマスク候補画像1704は草木の揺れ等による蓄積した検出領域1704aだけがマスク候補になっている。この領域は、図17(a) では、マスク候補Cが、図17(b) では、マスク候補CまたはCが選択されれば得られるから、オペレータはマスク候補を見ながら、操作器E04′の方向キーE04cを押下して、マスク候補を切り換えて、所望の候補を得る。
【0112】
以上のように、オペレータはマスク候補の中から操作器E04′を操作して、マスク候補画像1704のような、検出すべき侵入物体の検出領域が含まれていないマスク候補を選択することができる。したがって、実施例7で示したような一種類だけの蓄積2値化画像をマスク候補とするのに比べ、実施例8では、図17(a) 、(b) で示した例のように複数の分割蓄積2値化画像の論理和のマスク候補から、最も良いマスク候補をオペレータが選択できる。選択された最良のマスク候補をマスク領域に設定することで、人間等の侵入者が存在する場合でも少ない操作で適切なマスク領域を設定できる。
【0113】
本発明の実施例9を図18によって説明する。図18は本発明の実施例9の処理プロセスを説明するフローチャートである。
本実施例は、本発明の実施例8で、マスク領域を設定する際に選択したマスク候補をマスク領域に置き換えていたものを、マスク候補をマスク領域に追加できるようにしたものである。本実施例は、実施例8における、マスク切り換えステップ213をマスク追加ステップ213′に置き換えたものであり、他のステップは同じであるので、説明を省略する。マスク追加ステップ213′では画像メモリE05eに記憶されたマスク領域画像に、新たなマスク候補を追加するものであり、これによって、別々のタイミングに発生する検出画像をマスク領域に追加設定することができる。
【0114】
本実施例9のように、マスク候補を追加する効果をについてみると、図17(b) では、マスク候補Cを選択したのに加えて、マスク候補Cの選択を加えることができる。したがって、オペレータはマスク候補を見ながら、操作器E04′の方向キーE04cを押下して、マスク候補を切り換えて、所望の候補を得るのみならず、マスク候補の追加により充実したマスク領域が設定できる。
【0115】
上記の実施例によれば、物体検出処理で得られた検出画像を所定の時間蓄積することで得られる蓄積2値化画像をマスク候補とするとともに、マスク候補を複数用意し、オペレータがマスク候補の中から適切なマスク候補を選択操作することで、マスク領域を容易かつ正確に設定できる。
【0116】
次に、本発明の更に他の実施例について説明する。これらの実施例の物体検出方法では、従来からの、マスク領域設定に熟練性を要するという問題や、更には、マスク領域を多角形で設定する場合には、草木の存在する領域を正確に指定することは非常に困難であるという問題を解決するため、変化領域検出処理で得られた変化領域に基づいてマスク領域を指定できるようにした。
すなわち、以下の実施例では、オペレータが操作器を操作して、変化領域の部分領域を選択し、マスク領域に設定することで、マスク領域を容易かつ正確に設定できる。
以下に説明する本発明の実施例は、図3で説明した監視システムを使って説明する。
【0117】
本発明の実施例10を図19によって説明する。図19は、本発明の実施例10の処理プロセスの動作の一例を説明するフローチャートである。
まず、初期化ステップ101では、物体検出処理で使用する、画像メモリE05e内に確保された画像記録用の画像メモリや、ワークメモリE05j内に確保された変数等の初期化を実行する。
次に、画像入力ステップ102では、TVカメラE01から、例えば、幅320 pix 、高さ240 pix 、8 bit/pix の入力画像を取得する。
これらのステップ101、102は、図4その他で説明したとおりである。
【0118】
続く点線の矩形で表されたステップ134は変化領域検出ステップで、差分処理ステップ103′と二値化処理ステップ104′で構成されている。
まず、差分処理ステップ103′では、画像入力ステップ102で得られた入力画像と、予め画像メモリE05eに記録しておいた基準背景画像との画素毎の差分を計算し、差分画像を得る。
次に、二値化処理ステップ104′では、差分処理ステップ103′で得られた差分画像の各画素についてしきい値処理を行ない、画素値がしきい値(例えば、20)未満の場合は画素値を“0”、しきい値以上の場合は画素値を“255”となるようにして二値化画像を得る。得られた二値化画像は、入力画像の変化領域を表している。
【0119】
次に、マスキングステップ105は、図2で説明したマスク処理を行なう。すなわち、マスキングステップ105は、画像メモリE05e内に記憶したマスク領域(物体検出装置ではマスク領域を画像として保持している)内で二値化画像として検出した変化領域の画素値を“255”から“0”に修正する(マスクする)。
このようにして、二値化画像で検出される変化領域の内、例えば草木が存在する領域内で検出された変化領域を削除することができる。
【0120】
続く点線の矩形で表されたステップ135はマスク候補領域作成ステップで、ステップ135aからステップ135kで構成されている。以下、各ステップの動作について説明する。
初期マスク候補作成ステップ135aは、二値化画像を画像メモリE05e内に記憶されたマスク候補領域(物体検出装置ではマスク候補領域を画像として保持している)に複製し、マスク候補領域を初期化する。
次に、繰り返しステップ135bは、繰り返し終了ステップ105fの間を所定の回数繰り返す。本実施例では、ワークメモリE05jに確保されているカウンタ変数iを用いて、iが1からN(Nは正整数、例えばN=5)の間、1ずつ増加させながら繰り返す。
【0121】
奇数判定ステップ135cは、カウンタ変数iが奇数であった場合4近傍領域膨張ステップ135dへ分岐し、カウンタ変数iが偶数であった場合8近傍領域膨張ステップ135eに分岐する。
図20は、本発明の領域膨張処理の一例を説明するための図である。
4近傍領域膨張ステップ135dは、マスク候補領域を走査し、マスク候補領域の画素を4近傍で膨張させる。この処理を図20を用いて説明する。図20は、本発明の領域膨張処理の一例を説明するための図である。
【0122】
図20において、斜線で塗りつぶした画素はマスク候補領域(“255”の値を持つ画素)であることを表す(以下、後述の図21〜図25においても同様である)。
図20(a) は、領域膨張処理前のマスク候補領域を示す。ここでは、説明のため、領域膨張処理前のマスク候補領域は1画素のみとしている。
まず、4近傍領域膨張処理は、“255”の値を持つ画素(図20(a) の領域2501)の上下左右の画素(4近傍の画素)の値を“255”にする処理である。したがって、図20(a) で表されるマスク候補領域(領域2501)は、4近傍領域膨張処理によって図20(b) のマスク候補領域(領域2502)になる。
【0123】
また、8近傍領域膨張ステップ135eは、マスク候補領域を走査し、マスク候補領域の画素を8近傍で膨張させる。この処理を図20(a) と図20(c) を用いて説明する。
8近傍領域膨張処理は、“255”の値を持つ画素(領域2501)の上下左右、左上、右上、左下、右下の画素(8近傍の画素)の値を“255”にする処理である。したがって、図20(a) で表されるマスク候補領域(領域2501)は、8近傍領域膨張処理によって図20(c) のマスク候補領域(領域2503)になる。
【0124】
繰り返し終了ステップ135Fでは、カウンタ変数iが、所定の値Nになったか否かを判定し、i=Nの場合は続く繰り返しステップ135gへ分岐し、i<Nの場合はiを1増加し、奇数判定ステップ135cを繰り返す。
ここで、4近傍領域膨張ステップ135dのみを複数実行すると、図20(a) のマスク候補領域2501は、図21(a) のマスク候補領域1504のようにひし形の領域になってしまう(図21(a) はN=3の例)。この場合、領域膨張処理前のマスク候補領域2501に対して、上下左右は3画素分膨張できているが、斜め方向は1画素(正確には、21/2画素)しか膨張できていないことになる。
また、8近傍領域膨張ステップ135eのみを複数実行すると、図20(a) のマスク候補領域2501は、図21(b) のマスク候補領域2505のように矩形の領域になってしまう(図21(a) と同様にN=3の例)。この場合、領域膨張処理前のマスク候補領域2501に対して、上下左右は3画素分膨張できているが、斜め方向は4画素(正確には、3×21/2画素)も膨張されてしまう。
そこで、カウンタ変数iが奇数か否かに応じて4近傍領域膨張ステップ135dと8近傍領域膨張ステップ135eを交互に実行するようにし、図21(c) のマスク候補領域2506のように上下左右方向と斜め方向の膨張する割合の差を少なくしている(上下左右方向は3画素、斜め方向は約3画素(正確には、2×21/2画素)となる)。
【0125】
次に、繰り返しステップ135gは、繰り返し終了ステップ135kの間を所定の回数繰り返す。繰り返しステップ135b〜 繰り返し終了ステップ135fと同様に、ワークメモリE05jに確保されているカウンタ変数iを用いて、iがNから1の間、1ずつ減少させながら繰り返す。奇数判定ステップ135hは、カウンタ変数iが奇数であった場合4近傍領域収縮ステップ135iへ分岐し、カウンタ変数iが偶数であった場合8近傍領域収縮ステップ135jに分岐する。
【0126】
前述の4近傍領域膨張ステップ135d及び8近傍領域膨張ステップ135eによってマスク候補領域の面積が増加するが、4近傍領域収縮ステップ135i及び8近傍領域収縮ステップ135jによって、マスク候補領域の面積の増加分を減少する。
【0127】
4近傍領域収縮ステップ135iは、マスク候補領域を走査し、マスク候補領域の画素を4近傍で収縮させる。この処理を図22を用いて説明する。
図22において、4近傍領域膨張処理は、“255”の値を持つ画素(領域2507)の各画素の内、上下左右の画素(4近傍の画素)の値のいずれかが“0”であった場合、当該画素の値を“0”にする処理である。
したがって、図22(a) で表されるマスク候補領域(領域2507)は、4近傍領域収縮処理によって図22(b) のマスク候補領域(領域2508)になる。
【0128】
また、8近傍領域収縮ステップ135jは、マスク候補領域を走査し、マスク候補領域の画素を8近傍で収縮させる。この処理を図22(a) と図22(c) を用いて説明する。8近傍領域収縮処理は、“255”の値を持つ画素(領域2507)の各画素の内、上下左右、左上、右上、左下、右下の画素(8近傍の画素)の値のいずれかが“0”であった場合、当該画素の値を“0”にする処理である。したがって、図22(a) で表されるマスク候補領域(領域2507)は、8近傍領域収縮処理によって図22(c) のマスク候補領域(領域2509)になる。
【0129】
ここで、4近傍領域膨張ステップ135d及び4近傍領域膨張ステップ135eを所定回数実行(ステップ135bからステップ105f)し、次に4近傍領域収縮ステップ135i及び4近傍領域収縮ステップ135jを同回数実行(ステップ135gからステップ135k)する効果を図23、図24、図25を用いて説明する。
【0130】
図23は、初期マスク候補作成ステップ135a実行後のマスク候補領域を表している。この時点で、マスク候補領域は、部分領域2601aと部分領域2601bの2つに分かれている。このマスク候補領域に対して、例えばN=2として領域膨張処理(ステップ135bからステップ105f)を実行すると、図24のようなマスク候補領域2602となる。
次に領域収縮処理(ステップ135gからステップ105k)を実行すると、図25のようなマスク候補領域2603となる。したがって、図23のような分裂した領域は、領域膨張処理と領域収縮処理によって結合させることができ、1つの領域として取り扱うことができる。ここで、結合可能な領域の間隔は、2N画素である。
前述のような領域膨張処理、領域収縮処理は、画像処理の分野では従来から広く利用されており、例えば、1985年に総研出版より出版された田村秀行氏監修による『コンピュータ画像処理入門』と題する書籍のP76、77で解説されている。
【0131】
次に点線の矩形で表されたステップ136はマスク設定ステップで、ステップ136aからステップ136eで構成されている。以下、各ステップの動作について図5を用いて説明する。
ユーザ操作判定ステップ136aでは、オペレータが操作器E04を操作した場合は、操作マーカ表示ステップ移行ステップ136aへ分岐し、操作しなかった場合は、物体検出結果表示ステップ137へ分岐する。
【0132】
操作マーカ表示ステップ136bでは、画像出力I/F E05fを介して出力モニタE06に操作マーカを表示する。操作マーカは、例えば、図5(a) に示すような矢印701aのような形でも良いし、十字、点、矩形、等の操作マーカの位置が分かるような表示形態であれば何でもよい。
操作マーカは、オペレータによる操作器E04の操作に応じて、画像上を上下左右、斜め方向に移動する。
【0133】
次にマスク候補領域表示ステップ135cでは、マスク候補作成ステップ135で作成されたマスク候補領域を画像出力I/F E05fを介して出力モニタE06に表示する。表示する内容は、例えば、図5(a) に示すように、画像入力I/F E05aを介して得られた撮像装置E01の画像に、マスク候補領域(図5(a) では、領域701c及び701d)を重畳するようにしても良い。
マスク設定操作判定ステップ136dでは、オペレータが操作器E04を操作してマスク設定操作を行なった場合、マスク画像更新ステップ136eへ分岐し、マスク設定操作を行なわなかった場合、物体検出結果表示ステップ137へ分岐する。マスク設定操作は、例えば、操作器E04の第1のボタンE04aをオペレータが押すことによって行なわれる。
【0134】
続く、マスク画像更新ステップ136eは、マスク画像(マスク領域)を更新する。これは、画像メモリE05e内に記憶した現在のマスク画像と、操作マーカの位置に存在するマスク候補画像の部分領域の画素の論理和を算出し、これをあらたなマスク画像として画像メモリE05e内に記憶したマスク画像を置き換えることによって行なわれる。
この手順を図5を用いて説明する。
【0135】
図5(a) 〜図5(d) の図は、時刻T〜Tまでの各時刻に、操作マーカ、検出物体の領域、マスク領域がどのように変化しているかを説明するための図である。
図5において、画像701、画像702、画像703、画像704は出力モニタE06に表示される画像を表しており、矢印701a、矢印702a、矢印703a、矢印704aは、それぞれ、時刻T、時刻T、時刻Tおよび時刻Tにおいて出力モニタE06に表示される操作マーカを表す。
なお、図5は、入力画像に、マスク領域、マスク候補領域を重畳して表示している。
【0136】
図5(a) において、領域701cと領域701dはマスク候補領域を表している。この例では、マスク領域は設定されていない。そのため、草木が揺れている領域701cと領域701dは検出物体として検出されている。ここで、操作マーカ701aを操作し、マスク候補領域701c内でマスク設定操作(例えば、操作器E04の第1ボタンE04aを押す)を行なうと、マスク候補領域701cがマスク領域として設定される。
【0137】
図5(b) において、領域702bはマスク領域、領域702cは検出物体の領域を表している。時刻Tにおけるマスク設定操作によって、マスク候補領域701cはマスク領域701bとして設定されている。ここで、さらに操作マーカ702aを操作し、マスク候補領域702c内でマスク設定操作を行なうと、マスク候補領域702cがマスク領域として設定(追加)される。
【0138】
さらに、図5(c) において、領域703bはマスク領域、領域703cは検出物体の領域を表している。時刻Tと時刻Tにおけるマスク設定操作によってマスク候補領域701cとマスク候補領域702cはマスク領域703bとして設定されている。
ここで、さらに操作マーカ703aを操作し、マスク候補領域703c内でマスク設定操作を行なうと、マスク候補領域703cがマスク領域として設定(追加)される。
【0139】
さらに、図5(d) において、領域704bはマスク領域を表している。時刻T、時刻1、時刻Tにおけるスク設定操作によって、マスク候補領域701c、マスク候補領域702c、マスク候補領域703cはマスク領域704bとして設定されている。
【0140】
以上のように、時刻T、時刻1、時刻Tにおける合計3回のマスク設定操作によって、図5(d) に示すようなマスク領域704b(草木が存在する領域を正確に内包している)が設定される。ここで、マスク設定の操作回数は、マスク候補領域に“255”の値を持つ画素のかたまりの領域がいくつ存在するかによって決まる。
【0141】
本実施例では、マスク候補領域作成ステップ135において、領域膨張処理と領域収縮処理を実行しているため、マスク候補領域内に“255”の値を持つかたまりが複数存在していた場合でも、それらの内、近くに存在する領域を結合することができる。したがって、マスク設定の操作回数を減少させることが可能となっている。
【0142】
次に、物体検出結果表示ステップ137では、画像出力I/F E05fを介して出力モニタE06に、例えば、二値化画像を表示する。
次に、点線の矩形で表されたステップ138は物体検出ステップで、物体存在判定ステップ138aと、警報モニタ表示ステップ138bで構成される。
物体存在判定ステップ138aでは、二値化処理ステップ104′、マスキングステップ105で得られた変化領域から、例えばラベリングの方法によって“255”のかたまりを検出して物体が存在するか否かを判定し、存在した場合には警報・モニタ表示ステップ138bに分岐し、存在しなかった場合は、画像入力ステップ102へ戻る。
警報・モニタ表示ステップ138bでは、例えば、出力モニタE06に検出した物体の画像を表示したり、警告灯E07を点灯させたりして、侵入物体が存在することを表す報知を行なう。
【0143】
以上のようにすることで、草木などの検出すべき物体以外をマスク処理して撮像視野内に存在する物体を検出し、さらには、検出した変化領域に基づいてオペレータの操作によってマスク領域を少ない操作回数で設定することが可能となる。
【0144】
次に、本発明の更に他の実施例について説明する。
以下の実施例の物体検出方法では、従来からの、マスク領域設定に熟練性を要するという問題や、更には、マスク領域を多角形で設定する場合には、草木などの存在する領域を正確に指定することは非常に困難であるという問題を解決するため、物体検出処理で得られた検出物体領域をオペレータの操作による指定の期間蓄積して作成した該蓄積した検出物体の領域をマスク領域として設定するようにした。
即ち、本発明は、オペレータが操作器を操作して、誤検出のみが存在するときだけ蓄積した検出物体の領域をマスク領域として設定することで、マスク領域を容易かつ正確に設定できる。
【0145】
以下に説明する実施例は、先の図14で説明した物体検出装置のハードウエア構成を使って説明する。
本発明の実施例11を図26によって説明する。図26は実施例11の処理プロセスを説明するフローチャートである。
本実施例は、オペレータの所定の操作によって、指定した期間の誤検出の蓄積をマスク候補とし、マスク候補を所定の操作によってマスク領域に設定するものである。
ステップ101〜105は、既に他の実施例に関連して説明したとおりなので個々では簡単に説明する。
【0146】
初期化ステップ101に続くステップ102からステップ105は、図1で説明した差分法による侵入物体検出を行うプロセスである。
先ず、画像入力ステップ102では、カメラE01から、入力画像(S01)を取得する。
差分処理ステップ103では、差分画像(S03)を得る。
次に、二値化処理104では、二値化画像(S04)を得る。
【0147】
マスキングステップ105は、図2(b) で説明したマスク処理を行う。
マスキングステップ105は、画像メモリE05e内に記憶したマスク領域(物体検出装置ではマスク領域を画像として保持している)内で二値化画像S04として検出した物体の画素値を“255”から“0”に修正する(マスクする)。
【0148】
このようにして、二値化画像S04で検出される物体の内、例えば草木などが存在する領域内で検出された物体を削除することができる。次に、設定移行操作判定ステップ106では、オペレータが操作器E04′を操作してマスク設定モードに移行した場合は、蓄積二値化画像リセットステップ507へ分岐し、マスク設定モードに移行しなかった場合は、マスクモード判定ステップ508へ分岐する。
マスク設定モードへの移行は、例えば、操作操作器E04′の第1のボタンE04aの押下によって行なわれる。
【0149】
蓄積二値化画像リセットステップ507では、画像メモリE05eに記憶した蓄積二値化画像をリセット(クリア)する。蓄積二値化画像を、このようにリセットすることで、マスク設定モード移行後、新たに検出物体領域を蓄積二値化画像に蓄積させることができる。
次に、マスク設定モード移行ステップ508では、処理モードをマスク設定モードに設定する。次に、マスク設定モード判定ステップ509では、ワークメモリE05j内の処理モード変数によって管理されている処理モードがマスク設定モードであった場合は、蓄積二値化画像更新ステップ510へ分岐し、マスク設定モードでなかった場合は、物体検出結果表示ステップ114へ分岐する。
【0150】
蓄積二値化画像更新ステップ510は、二値化ステップ104で得られた二値化画像と、画像メモリE05eに記憶した蓄積二値化画像との画素毎の論理和を計算し、画像メモリE05eに記憶した蓄積二値化画像と置き換える。
このようにして、逐次的に検出される検出物体領域を記録する。
マスク候補表示ステップ511では、画像出力I/F E05fを介して出力モニタE06に蓄積二値化画像をマスク候補として表示する。
このマスク候補の表示方法は、例えば、現在の画像に重ねてマスク候補部分を半透明で表示するなど、現在の入力画像とマスク候補部分の比較検討を行い易いようにする。
オペレータは、表示されたマスク候補を見て、さらに蓄積二値化画像の更新を続けマスク候補の領域を広げるか、マスク領域に今のマスク候補を設定するか、マスク領域の設定をキャンセルするかを判断する。
【0151】
次にオペレータ操作有無判定ステップ512では、オペレータの操作が有る場合はオペレータ操作内容判定ステップ513に分岐し、オペレータの操作が無い場合は、物体存在判定ステップ119へ分岐してさらに蓄積二値化画像の更新を続ける。
オペレータ操作内容判定ステップ513では、オペレータの操作入力手段E04の操作内容に応じて、マスク候補をマスク領域に設定する場合はマスク置き換えステップ514へ分岐し、マスク領域の設定をキャンセルする場合は通常モード移行ステップ515へ分岐する。
オペレータの操作としては、マスク候補をマスク領域に設定する場合は、例えば、操作器E04′の第1のボタンE04aの押下によって行なわれ、マスク領域の設定をキャンセルする場合は、例えば、操作器E04′の第2のボタンE04bの押下によって行なわれる。
【0152】
マスク置き換えステップ514では、画像メモリE05eに記憶されているマスク領域をマスク候補で置き換え新たなマスク領域とする。
次に、通常モード移行ステップ515では、処理モードを通常モードに設定する。
物体検出結果表示ステップ114では、画像出力I/F E05fを介して出力モニタE06に、例えば、マスクされた二値化画像を表示する。
次に、物体存在判定ステップ119では、二値化ステップ104、マスキングステップ105で得られたマスクされた二値化画像中から、例えばラベリングの方法によって“255”のかたまり(S09)を検出して物体が存在するか否かを判定し、存在した場合には警報・モニタ表示ステップ120に分岐し、存在しなかった場合は、画像入力ステップ102へ戻る。
警報・モニタ表示ステップ120では、例えば出力モニタE06に対象物体の画像を表示したり、警告灯E07を点灯させたりして、侵入物体が存在することを表す報知を行なう。二値化画像を蓄積する方法の効果を、図28を用いて説明する。
【0153】
図28は、時刻T、T、‥‥‥、Tnの検出物体の領域を表しており、各時刻での検出物体の領域A01a、A01b、A02a、A03aを論理和手段A05を用いて計算すると蓄積二値化画像A04aが得られる。これによって、検出された領域が蓄積され、マスク候補が生成される。このマスク候補をマスク領域に設定することにより、オペレータは容易にマスク領域が設定できるということになる。
【0154】
さらに、オペレータが所定の第1の操作(マスク設定モードへの移行)と第2の操作(マスク候補をマスク領域に設定)を行う間、検出された物体の領域の蓄積が行われ、その間の蓄積二値化画像を出力モニタE06に表示することができるため、オペレータは、検出された物体の領域が十分に蓄積されたかを確認しながらマスク領域の設定を行うことができる。
ここで設定されるマスク領域は、差分法によって検出される物体の領域に基づいて設定されるため、従来のマスク領域設定方法の多角形による設定方法に比べ、草木などの存在する領域を正確かつ容易にマスクすることができる。
【0155】
本発明の実施例12を図27によって説明する。図27は本発明の実施例12の処理プロセスを説明するフローチャートである。
本実施例は、図26の実施例11で、マスク領域を設定する際に選択したマスク候補をマスク領域に置き換えていたものを、マスク候補をマスク領域に追加できるようにしたものである。
図27の実施例12は、図26の実施例11において、マスク置き換えステップ514の代わりにマスク追加ステップ514′に置き換えたものである(他のステップは説明を省略する)。
マスク追加ステップ514′では。画像メモリE05eに記憶されたマスク領域画像に、新たなマスク候補を追加するものであり、これによって、別々のタイミングに発生する誤検出を個別にマスク領域に追加設定することができる。
【0156】
映像監視装置では、例えば、差分法などで、監視視野内の侵入物体のみを正確に検出するために、草木の揺れや、水たまりの光の反射などを防ぐ目的でマスク処理が使われる。しかし、この従来技術には、マスク領域設定に熟練性を要するという問題や、更には、マスク領域を多角形で設定する場合には、草木などの存在する領域を正確に指定することは非常に困難であるという問題があった。
上述のように、上記実施例によれば、物体検出処理で得られた検出物体領域をオペレータの操作で指定する期間蓄積することで得られる蓄積二値化画像をマスク候補とし、それをマスク領域に設定することで、オペレータがマスク領域を容易かつ正確に設定できるようにした。
【0157】
上記記載は実施例についてなされたが、本発明はその精神と添付の特許請求範囲の請求項の記載範囲内で、種類の変更、及び修正ができることは当業者に明らかである。
例えば、実施例11を実施例1や実施例7に適用して、蓄積2値化画像の蓄積開始及び終了時刻をオペレータが指示するようにしても良い。
また、実施例1等に実施例10を適用して、草木などの、検出すべき物体以外の物体の領域間を自動的に結合してより少ない数の領域に融合することにより、オペレータは、マスク領域指定を少ない操作で設定するようにすることもできる。いちいち記載しないが、その他にも実施例間の様々な組合わせが可能であることは言うまでもない。
【0158】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、草木の揺れや、水たまりの光の反射などを防ぐ目的のマスク領域設定を物体検出処理で得られた検出物体領域を指定する操作に基づいてマスク領域を指定できるのでマスク設定操作が容易になるとともに適切に設定できるようになる。また、状況の変化に対応して、必要なら、検出物体の無い状況を適切に判定してマスク領域の解除ができる。
また本発明によれば、物体検出処理で得られた検出画像を所定の時間蓄積することで得られる蓄積2値化画像をマスク候補とするとともに、マスク候補を複数用意し、オペレータがマスク候補の中から適切なマスク候補を選択操作することで、マスク領域を容易かつ正確に設定できる。
また本発明によれば、物体検出処理で得られた検出物体領域に基づいてマスク領域を指定できるようにした。すなわち、本発明は、オペレータが操作手段を操作して、検出物体領域を選択し、マスク領域に設定することで、マスク領域を容易かつ正確に設定できる。
また本発明によれば、物体検出処理で得られた検出物体領域をオペレータの操作で指定する期間蓄積することで得られる蓄積二値化画像をマスク候補とし、それをマスク領域に設定することで、オペレータがマスク領域を容易かつ正確に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】差分法によって撮像装置の視野内に侵入した物体を検出する処理の流れを説明するための図。
【図2】差分法を用いた場合に発生する課題を説明するための図。
【図3】本発明の物体検出装置の一実施例の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の物体検出方法の処理プロセスの一実施例を示すフローチャート。
【図5】図4で説明したマスク領域の設定手順を説明するための図。
【図6】本発明の物体検出方法の処理プロセスの一実施例を示すフローチャート。
【図7】本発明の物体検出方法の一実施例の効果を説明するための図。
【図8】本発明の物体検出方法の処理プロセスの一実施例を示すフローチャート。
【図9】本発明の物体検出方法の一実施例の効果を説明する図。
【図10】本発明の物体検出方法の処理プロセスの一実施例を示すフローチャート。
【図11】本発明の物体検出方法の一実施例とその効果を説明する図。
【図12】本発明の物体検出方法の一実施例とその効果を説明する図。
【図13】本発明の物体検出方法の処理プロセスの一実施例を示すフローチャート。
【図14】本発明の物体検出装置の一実施例の構成を示すブロック図。
【図15】本発明の物体検出方法の処理プロセスの一実施例を示すフローチャート。
【図16】本発明の物体検出方法の処理プロセスの一実施例を示すフローチャート。
【図17】本発明の分割蓄積2値化画像からマスク候補画像を得るための処理の一実施例を説明する図。
【図18】本発明の物体検出方法の処理プロセスの一実施例を示すフローチャート。
【図19】本発明の物体検出方法の処理プロセスの一実施例を示すフローチャート。
【図20】本発明の領域膨張処理の一例を説明するための図。
【図21】本発明の領域膨張処理の一例を説明するための図。
【図22】本発明の領域収縮処理の一例を説明するための図。
【図23】本発明のマスク候補領域の一例を説明するための図。
【図24】本発明のマスク候補領域に領域膨張処理を施した処理結果の一例を説明するための図。
【図25】本発明のマスク候補領域に領域膨張処理と領域収縮処理を施した処理結果の一例を説明するための図。
【図26】本発明の物体検出方法の処理プロセスの一実施例を示すフローチャート。
【図27】本発明の物体検出方法の処理プロセスの一実施例を示すフローチャート。
【図28】本発明の蓄積2値化画像の作成方法の一実施例を説明するための図。
【図29】従来の物体検出方法の処理プロセスの一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
S01:入力画像、 S02:基準背景画像、 S03:差分画像、 S04:2値化画像、 S05:差分処理部、 S06:2値化処理部、 S07:人型の物体、 S08差分画像S03中の人型の差分画像、S09:2値化画像S04中の人型の物体、 601:入力画像、 601a,601b,601c:領域、 E01:TVカメラ、 E02:ズームレンズ、 E03:カメラ雲台、 E04,E04′:操作器、 E04a,E04a′:第1のボタン、 E04b,E04b′:第2のボタン、 E05:侵入物体監視装置、 E05a:画像入力I/F、 E05b:雲台制御I/F、 E05c:レンズ制御I/F、 E05d:操作入力I/F、 E05e:画像メモリ、 E05f:画像出力I/F、 E05g:警報出力I/F、 E05h:CPU、 E05i:プログラムメモリ、 E05j:ワークメモリ、 E05k:データバス、 E06:出力モニタ、 E07は警告灯、 701,702,703,704:画像、 701a,702a,703a,704a:操作マーカ、 701c,702c,703c,704c,701d,702d,703d,704d:画像領域、 1101a〜1101f:ブロック、 1102a,1102d,1102e:分割されたマスク領域のブロック 1201a,1201b,1201c,1201d:分割されたマスク領域のブロック、 1701a,1701b:期間、 1703,1704:マスク候補画像、 1703a,1704a:検出領域、 2501〜2509,2601a,2601b,2602,2603:領域。

Claims (6)

  1. 移動物体を検出する物体検出方法であって、
    撮像装置からの入力画像と記録装置に記録されている背景画像との変化分を検出するステップと、
    表示装置に上記検出された少なくとも上記変化分を含む画像を表示するステップと、
    上記変化分を含む画像の内、所定の変化分の領域をマスク領域として指定するステップと、
    上記マスク領域を指定して得られる画像をマスク画像として上記記録装置に登録するステップ、
    上記撮像装置から入力される入力画像と上記マスク画像を比較し、上記移動物体を検出するステップとを有することを特徴とする物体検出方法。
  2. 請求項1記載の物体検出方法において、上記変化分を含む画像の内、所定の変化分の領域をマスク領域として指定するステップは、上記変化分を含む領域をマスク領域候補として表示するステップおよび上記マスク領域候補の内、所定の変化分を有するマスク候補領域をマスク領域として指定するステップとからなることを特徴とする物体検出方法。
  3. 請求項1記載の物体検出方法において、上記変化分を検出するステップは、複数の上記入力画像についてそれぞれ変化分を検出するステップを含み、上記所定の変化分の領域をマスク領域として指定するステップは、上記複数の入力画像についてそれぞれ上記所定の変化分の領域をマスク領域として指定するステップを含み、上記マスク画像は、上記複数の入力画像についてそれぞれ上記マスク領域を指定して得られる画像を合成した画像であることを特徴とする物体検出方法。
  4. 請求項1記載の物体検出方法において、上記所定の変化分の領域をマスク領域として指定するステップは、上記表示装置に表示される操作マーカにより指定するステップであることを特徴とする物体検出方法。
  5. 請求項1記載の物体検出方法において、更に、上記入力画面を複数個の領域に分割するステップを有し、上記所定の変化分の領域をマスク領域として指定するステップは、上記複数個の領域の内、所定の領域を指定するステップであることを特徴とする物体検出方法。
  6. 移動物体を検出する物体検出装置であって、
    上記移動物体を撮影する撮像装置と、
    背景画像を記録する記録装置と、
    上記撮像装置からの入力画像と上記記録装置に記録されている上記背景画像との変化分を検出する変化分検出部と、
    上記変化分検出部により検出された少なくとも上記変化分を含む画像を表示する表示装置と、
    上記変化分を含む画像の内、所定の変化分の領域をマスク領域として指定するマスク領域指定部と、
    上記マスク領域を指定して得られる画像をマスク画像として上記記録装置に登録し、上記登録されたマスク画像と上記撮像装置から入力される入力画像とを比較し、上記移動物体を検出する処理装置と、
    上記撮像装置、上記記録装置、上記変化分検出部および上記処理装置を制御する制御部とを有することを特徴とする物体検出装置。
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