JP2004004237A - 導光部材の接続構造及び接続方法 - Google Patents

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笹岡 誠
Tatsuo Fujisaki
藤崎 達雄
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Abstract

【課題】接続損失が少なく、かつ安価な導光部材の接続構造及び接続方法を提供する。
【解決手段】複数の導光部材がコーナ部で接続された導光部材の接続構造であって、コーナ最外部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さL2が、コーナ最内部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さL1よりも短いことを特徴とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の導光部材をコーナ部で接続した導光部材の接続構造及び接続方法に関し、特に接続損失が少ない接続構造及び接続方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光を伝送する光学部品の一つに導光部材がある。
導光部材とは、
(1)単一屈折率の媒質からなり、媒質と空気との屈折率差による全反射を利用して光を伝送するもの
(2)光ファイバの様に、複数の屈折率の媒質からなり、媒質間の屈折率差による全反射を利用して光を伝送するもの
等であり、入射面から入射した光を射出面へ高効率に伝送する手段として用いられている。
【0003】
導光部材の形状としては単純なロッド状や複雑な形状のものもある。また、それらの導光部材の量産性を考慮すると、複数の導光部材を成形後、それらを接続して一つの導光部材として用いるケースも多々ある。
【0004】
複数の導光部材同士を接続する方法としては、図8の様に、ストレート部において透光性を有する接着剤105等で導光部材101同士を接続する方法が一般的である。
【0005】
しかしながら、この様な接着剤等を用いた接続方法は、接着剤等の量をディスペンサ等で適宜設定した場合であっても、接着剤の粘度に起因する接着剤の表面張力により、導光部材101間に接着剤105による凹部(図8(a)参照)あるいは凸部(図8(b)参照)が生じる。
【0006】
そして、この接着剤により生じる凹部あるいは凸部は、導光部材内部を全反射をしながら伝送する光の全反射を妨げ、当部での接続損失を招いた。
【0007】
即ち、導光部材の内部を伝送する光は、導光部材内部の反射面に対し臨界角以上の角度を保つ様に設計されているため、ほぼ100%の効率で伝送される。しかし、導光部材間に接着剤による凹部あるいは凸部が生じると、導光部材の内部を伝送する光は、凹部あるいは凸部において臨界角より浅い角度で入射するケースが発生し、光は導光部材の外部へ漏れ出し、接続損失となる。
【0008】
またこれらの問題を解決するため、はみ出した硬化後の接着剤を切削や研磨、あるいは溶剤により除去する方法も採りうるが工程が複雑となり、コスト的に難しかった。
【0009】
また、以上の何れの接続構造も、安価でかつ接続損失が少ない導光部材間の接続構造を提供するには至っていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、導光部材同士を接着剤等の透光性部材を用いて接続するに際し、この透光性部材によって接続部に凹部あるいは凸部が生じる状態においても、接続損失が少なく、かつ安価な導光部材の接続構造及び接続方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく成された本発明は、複数の導光部材がコーナ部で接続された導光部材の接続構造であって、該コーナの最外部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さが、該コーナの最内部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さよりも短いことを特徴とする導光部材の接続構造に関する。
【0012】
上記本発明の導光部材の接続構造は、更なる特徴として、
「前記導光部材の接続面に透光性部材を有すること」、
「前記透光性部材が接着剤であること」、
「前記導光部材が、透過性を有した中実かつ単一屈折率の媒質からなり、該導光部材の表面が平滑性を有していること」、
「前記透光性部材が前記導光部材と同一屈折率を有すること」、
「前記導光部材の中心部の屈折率が、周辺部の屈折率より高いこと」、
「前記コーナの最外部において、前記導光部材同士が当接していること」、
「前記コーナの最内部近傍に、前記導光部材同士を機械的に固定する係止構造を有すること」、
を含む。
【0013】
また本発明は、複数の導光部材をコーナ部で接続する方法であって、導光部材間の接合面に透光性部材を配し、該透光性部材に対しコーナの内側方向に外力を加えることで、該透光性部材をコーナの内側方向により多く偏在させることを特徴とする導光部材の接続方法に関する。
【0014】
前述したように、透光性を有する接着剤等の透光性部材を用いて導光部材同士を接続した場合、この接続部には透光性部材の表面張力よる凹部あるいは凸部(以下、まとめて凹凸部という)が必ず生じる。
【0015】
この凹凸部は、図8(c)に示すように導光部材101の最外部の線に沿った導光部材端部線108が反射想定線106から外れている領域となり、当部においては予期せぬ光の屈折あるいは反射が生じ、接続損失を招く。かかる接続損失は、導光部材端部線108が反射想定線106から外れている領域の長さに依存する。
【0016】
そのため、本発明は、複数の導光部材を湾曲したコーナ部で接続することにより導光部材内の放射光束の密度に偏りを与え、放射光束の密度が高い箇所において接続損失の要因となる凹凸部が相対的に少なくなるように構成することにより、簡易で安価な接続構造において接続損失の効果的な低減を図ったものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1は、導光部材の接続構造を示す正面図であり、図2は、導光部材の接続構造を示す外観斜視図である。
【0019】
図1及び図2の様に、導光部材A(102)と導光部材B(103)とを透光性を有する接着剤105(図1(a))あるいは透光性部材302(図1(b))を介して接続することで導光部材C(104)が形成されている。
【0020】
導光部材同士を接続する際は、図1の様に、コーナの最外部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さL2が、該コーナの最内部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さL1よりも短くなる様に接続した。
【0021】
また、この際、導光部材A(102)の反射想定線の延長上に導光部材B(103)の反射想定線が一致するように導光部材同士を接続した。
【0022】
この時、接着剤105あるいは透光性部材302の量は、導光部材同士を接続した際の接着剤あるいは透光性部材のはみ出し量もしくは不足量が極力少なくなる様に決定し、具体的には、図3の様に、導光部材101同士の端部309と、コーナの最外部における反射想定線106aと、コーナの最内部における反射想定線106bからなる空間107内に接着剤あるいは透光性部材をほぼ過不足なく充填できる量とした。
【0023】
ここでいう反射想定線とは、図13の様に導光部材101の反射面109の延長線上にあり、導光部材内を伝送する光の全反射を妨げない設計上の線を言う。光ファイバの場合は、コア206とクラッド207の界面(反射面109)の延長上に存在する(図13(b)参照)。
【0024】
以下に、コーナの最外部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さL2が、該コーナの最内部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さL1よりも短くなる様な導光部材の接続構造及び接続方法について具体的に記載するが、本発明は以下に限定されるものではない。
【0025】
(接続構造及び接続方法▲1▼)
本接続方法は、導光部材同士を透光性を有する接着剤を用いて機械的に接続する方法であり、接着力をより強固にする目的で、導光部材間の隙間を大きく採り、かつ粘度が高く流動性の低い接着剤を用いる場合に有効な接続方法である。
【0026】
本接続方法で用いる接着剤の粘度としては、数千mPa・s以上の粘度を有していることが好ましい。
【0027】
導光部材は図1(a)の様に、導光部材同士を接続した際の、コーナの最外部に生じる導光部材間の隙間S2と、コーナの最内部に生じる導光部材間の隙間S1との関係が「S1>S2」となるように設計する。
【0028】
上記のように設計された導光部材を用いることにより、これらの導光部材同士を接着する際、導光部材間に配された接着剤105には、コーナの内側方向に外力が加わることでコーナの最内部側により多く流動し、コーナの最外部側に対してコーナの最内部側に接着剤105が多くはみ出した状態となる。
【0029】
以下、導光部材の接続方法について記載する。
【0030】
まず、図4(a)の様に、導光部材の端面の少なくとも一方に、接着剤105を塗布する。
【0031】
次に、導光部材の反射想定線の延長上にもう一方の導光部材の反射想定線が一致するように導光部材同士を図4(b)の矢印方向に押し付け、接着剤105を押し広げることで導光部材間の隙間を接着剤105により充填し接続する(図4(c))。
【0032】
最後に現形状を維持した状態で固定して放置し、接着剤105の硬化を行う。
【0033】
本接続構造及び接続方法により、コーナの最外部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さL2が、コーナの最内部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さL1よりも短くなり、かつ、コーナの最外部においてはS2の寸法を極力短くできるため、当部での接着剤はみ出しを最低限に抑えることができ、接続損失が低い状態で導光部材同士を接続することができる。ここで、S2の寸法は極力短いことが好ましく、コーナの最外部側においては導光部材同士が当接している形態が最も好ましい。
【0034】
(接続構造及び接続方法▲2▼)
本接続方法は、導光部材同士を透光性を有する接着剤を用いて機械的に接続する方法であり、接着剤に粘度が低く流動性の高いものを用いる場合、特に接着剤を塗布した際に接着剤が自然に重力方向へ流れ出す様な低粘度の接着剤を用いる際に有効な方法である。即ち、重力方向を考慮しない状態で導光部材同士を接着した場合、コーナの最外部に接着剤のはみ出しが多く出来る場合もあり、この場合接続損失の大きな接続構造となってしまう。
【0035】
本接続方法で用いる接着剤の粘度としては、数十〜数千mPa・sの粘度を有していることが好ましい。
【0036】
以下、導光部材の接続方法について記載する。
【0037】
まず、図20(a)の様に、導光部材101の端面の少なくとも一方に、接着剤105を塗布する。次に、図20(b),(c)の様に、導光部材同士を接着剤105を介して接続する。最後にコーナの最内部側を下側に向けた状態で、接着剤の硬化を行う(図20(d))。
【0038】
本接続構造及び接続方法により、未硬化時の接着剤には、コーナの内側方向に外力(重力)が加わることでコーナの最内部側により多く流動し、コーナの最外部側に対してコーナの最内部側に接着剤が多くはみ出した状態となる。
【0039】
その結果、コーナの最外部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さが、該コーナの最内部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さよりも短い状態となる。
【0040】
この時、導光部材間の距離は、極力短くすることで接続損失を低減することができる。
【0041】
また、導光部材の反射想定線の延長上にもう一方の導光部材の反射想定線が一致するように接続した際の、コーナの最外部に生じる導光部材間の隙間S2と、コーナの最内部に生じる導光部材間の隙間S1との関係は「S1≒S2」が好ましいが「S1<S2」「S1>S2」でも良い。
【0042】
(接続構造及び接続方法▲3▼)
本接続方法は、導光部材同士を透光性を有する接着剤を用いて機械的に接続する方法であり、接着剤の粘度が高く流動性の低いものを用いる場合に有効な接続方法であり、また『接続構造及び接続方法▲1▼』よりコーナの最外部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さが短くなるため、より接続損失を小さくすることができる。
【0043】
本接続方法で用いる接着剤の粘度としては、数千mPa・s以上の粘度を有していることが好ましい。
【0044】
以下、導光部材の接続方法について記載する。
【0045】
まず、図15(a)の様に、導光部材101の端面の少なくとも一方に接着剤105を塗布し、導光部材同士のコーナの最外部側(図中の点A)を当接する。次に、図15(b),(c)の様に、導光部材同士のコーナの最外部側を当接した状態で、点Aを中心にして、コーナの最内部に生じる導光部材間の隙間S1の長さが任意の長さ(例えば1mm)となるように導光部材同士を回転させ、導光部材の反射想定線の延長上にもう一方の導光部材の反射想定線が一致するような状態で保持し、接着剤の硬化を行う。
【0046】
本接続構造及び接続方法により、導光部材同士を接着する際に導光部材間の接着剤には、コーナの内側方向に外力が加わる。これにより接着剤はコーナの最内部側により多く流動し、コーナの最外部側に対してコーナの最内部側に接着剤が多くはみ出した状態となり、導光部材間の隙間を接着剤で容易に充填しえる。
【0047】
また、導光部材の反射想定線の延長上にもう一方の導光部材の反射想定線が一致するように導光部材同士を接続した際の、コーナの最外部に生じる導光部材間の隙間S2と、コーナの最内部に生じる導光部材間の隙間S1との関係は「S1>S2≒0」となる。
【0048】
(接続構造及び接続方法▲4▼)
本接続方法は、導光部材同士を透光性を有する接着剤を用いて機械的に接続する方法であり、粘度が低く流動性の高い接着剤、特に液状の接着剤を用いる場合に有効であり、予め導光部材同士を接続した状態で接着剤を充填できるため、工程上も容易に作業することができる方法である。
【0049】
本接続方法で用いる接着剤の粘度としては、数十〜数百mPa・sの粘度を有していることが好ましい。
【0050】
図21(a)の様に、導光部材の反射想定線の延長上にもう一方の導光部材の反射想定線が一致するように導光部材101同士を保持した際の、コーナの最外部に生じる導光部材間の隙間S2と、コーナの最内部に生じる導光部材間の隙間S1を、「S1>0」「S2≒0」となるように設計する。
【0051】
以下、導光部材の接続方法について記載する。
【0052】
まず、図21(a)の様に、コーナの最内部側が上側を向く状態で、導光部材の反射想定線の延長上にもう一方の導光部材の反射想定線が一致するような配置をとりつつ、導光部材101同士のコーナの最外部側を当接する。次に、図21(b)の様に、コーナの最内部に生じる導光部材間の隙間に接着剤105を滴下し、現形状を維持した状態で、接着剤の硬化を行う。
【0053】
本接続構造及び接続方法により、コーナの最外部側に対してコーナの最内部側に接着剤が多くはみ出した状態となる。
【0054】
(接続構造及び接続方法▲5▼)
本接続方法は、導光部材の双方に嵌合構造を設け該嵌合構造を利用して互いを機械的に接続する方法である。また、導光部材間に生じる空気層は接続損失を招くため、当部を透光性部材で充填した接続方法である。
【0055】
本接続方法で用いる透光性部材の粘度としては、数十万mPa・s以上の粘度を有していることが好ましく、充填後に硬化する材料であることがより好ましい。
【0056】
導光部材は図29(c)の様に、導光部材の反射想定線の延長上にもう一方の導光部材の反射想定線が一致するように導光部材101同士を保持した際の、コーナの最外部に生じる導光部材間の隙間S2と、コーナの最内部に生じる導光部材間の隙間S1との関係が「S1>S2」となるように設計する。
【0057】
上記のように設計された導光部材を用いることにより、これらの導光部材同士を接続する際、導光部材101間に配された透光性部材302には、コーナの内側方向に外力が加わることでコーナの最内部側により多く流動し、コーナの最外部側に対してコーナの最内部側に透光性部材302が多くはみ出した状態となる。
【0058】
また、図29(a)の様に、嵌合構造として、導光部材の一方には係止部208、もう一方には該係止部208と嵌合する被係止部209を予め設けておいた。
【0059】
以下、導光部材の接続方法について記載する。
【0060】
まず、図29(a)の様に、導光部材101の端面の少なくとも一方に、透光性部材302を塗布する。次に、図29(b),(c)の様に、導光部材101に設けられた係止部208と被係止部209を嵌合することで導光部材同士を機械的に接続する。この時、係止部208と被係止部209の隙間にも透光性部材302が充填される様に配慮することで、接続損失をより抑えることができる。
【0061】
また、導光部材内の放射光束の密度が低くなる箇所に嵌合構造を設けることで接続損失をより抑えることができる。
【0062】
この様に嵌合構造を設けることで、導光部材同士を接続した際の、導光部材の反射想定線の延長上にもう一方の導光部材の反射想定線を一致させるための位置決めが容易になるメリットがある。
【0063】
また、本接続構造及び接続方法により、コーナの最外部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さL2が、コーナの最内部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さL1よりも短くなり、かつ、コーナの最外部においてはS2の寸法を極力短くできるため、当部での透光性部材はみ出しを最低限に抑えることができ、接続損失が低い状態で導光部材同士を接続することができる。ここで、S2の寸法は極力短いことが好ましく、コーナの最外部側においては導光部材同士が当接している形態が最も好ましい。
【0064】
また、透光性部材に未硬化性の材料を用いれば、導光部材同士は着脱自在な接続構造となり、部品の交換性やメンテナンス性が向上する。
【0065】
(接続構造及び接続方法▲6▼)
本接続方法は、導光部材の双方に嵌合構造を設け該嵌合構造を利用して互いを機械的に接続する方法である。また、導光部材間に生じる空気層は接続損失を招くため、当部を透光性部材で充填した接続方法である。
【0066】
本接続方法で用いる透光性部材の粘度としては、充填時に数十〜数千mPa・sの粘度を有していることが好ましく、充填後に硬化する材料であることが好ましい。
【0067】
また、嵌合構造として、導光部材の一方には係止部、もう一方には該係止部と嵌合する被係止部を予め設けておいた。
【0068】
本構造においても、導光部材同士を接続した際の、導光部材の反射想定線の延長上にもう一方の導光部材の反射想定線が一致するための位置決めが容易になるメリットがある。
【0069】
以下、導光部材の接続方法について記載する。
【0070】
まず、図30(a)の様に、導光部材101の端面の少なくとも一方に、透光性部材302を塗布する。次に、図30(b),(c)の様に、導光部材101に設けられた係止部208と被係止部209を嵌合することで導光部材同士を機械的に接続する。最後にコーナの最内部側を下側に向けた状態で、透光性部材302の硬化を行う(図30(d))。それによって、未硬化時の透光性部材には、コーナの内側方向に外力(重力)が加わることでコーナの最内部側により多く流動し、コーナの最外部側に対してコーナの最内部側に透光性部材が多くはみ出した状態となる。
【0071】
この時、導光部材間の距離は、極力短くすることで接続損失を低減することができる。
【0072】
また、係止部と被係止部の隙間にも透光性部材が充填される様に配慮することで、接続損失をより抑えることができる。
【0073】
また、導光部材内の放射光束の密度が低くなる箇所に嵌合構造を設けることで接続損失をより抑えることができる。
【0074】
また、導光部材の反射想定線の延長上にもう一方の導光部材の反射想定線が一致するように導光部材同士を接続した際の、コーナの最外部に生じる導光部材間の隙間S2と、コーナの最内部に生じる導光部材間の隙間S1との関係は「S1≒S2」が好ましいが、「S1<S2」「S1>S2」でも良い。
【0075】
(接続構造及び接続方法▲7▼)
本接続方法は、導光部材の双方に嵌合構造を設け該嵌合構造を利用して互いを機械的に接続する方法であり、『接続構造及び接続方法▲5▼』よりコーナの最外部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さが短くなるため、より接続損失を小さくすることができる。
【0076】
本接続方法で用いる透光性部材の粘度としては、数十万mPa・s以上の粘度を有していることが好ましく、充填後に硬化する材料であることがより好ましい。
【0077】
また、図11(a)の様に、嵌合構造として、導光部材の一方には係止部208、もう一方には該係止部208と嵌合する被係止部209を予め設けておいた。尚、この係止部208及び被係止部209は、所定の方向でのみ嵌合する構造となっている。
【0078】
以下、導光部材の接続方法について記載する。
【0079】
まず、図11(b)の様に、導光部材101の端面の少なくとも一方に、透光性部材302を塗布し、導光部材同士のコーナの最外部側(図中の点A)を当接する。次に、図11(c),(d)の様に、導光部材同士のコーナの最外部側を当接した状態で、点Aを中心にして、コーナの最内部に生じる導光部材間の隙間S1の長さが任意の長さ(例えば1mm)となるように導光部材同士を回転させ、導光部材に設けられた係止部208と被係止部209を嵌合することで導光部材101同士を機械的に接続する。この時、係止部208と被係止部209の隙間にも透光性部材302が充填される様に配慮することで、接続損失をより抑えることができる。
【0080】
また、導光部材内の放射光束の密度が低くなる箇所に嵌合構造を設けることで接続損失をより抑えることができる。
【0081】
本接続構造及び接続方法により、導光部材同士を接続する際、導光部材間の透光性部材には、コーナの内側方向に外力が加わることでコーナの最内部側により多く流動し、コーナの最外部側に対してコーナの最内部側に透光性部材が多くはみ出した状態となる。
【0082】
また、導光部材の反射想定線の延長上にもう一方の導光部材の反射想定線が一致するように導光部材同士を接続した際の、コーナの最外部に生じる導光部材間の隙間S2と、コーナの最内部に生じる導光部材間の隙間S1との関係は「S1>S2≒0」となる。
【0083】
(接続構造及び接続方法▲8▼)
本接続方法は、導光部材の双方に嵌合構造を設け該嵌合構造を利用して互いを機械的に接続する方法であり、予め導光部材同士を接続した状態で透光性部材を充填できるため、工程上も容易に作業することができる方法である。
【0084】
本接続方法で用いる接着剤の粘度としては、数十〜数百mPa・sの粘度を有していることが好ましく、充填後に硬化する材料であることが好ましい。
【0085】
図10(a)の様に、嵌合構造として、導光部材の一方には係止部208、もう一方には該係止部208と嵌合する被係止部209を予め設けておいた。
【0086】
また、図10(b)の様に、導光部材の反射想定線の延長上にもう一方の導光部材の反射想定線が一致するように導光部材101同士を保持した際、コーナの最外部に生じる導光部材間の隙間S2と、コーナの最内部に生じる導光部材間の隙間S1を、「S1>0」「S2≒0」となるように設計する。
【0087】
本構造においても、導光部材同士を接続した際の、導光部材の反射想定線の延長上にもう一方の導光部材の反射想定線が一致するための位置決めが容易になるメリットがある。
【0088】
以下、導光部材の接続方法について記載する。
【0089】
まず、図10(b)の様に、コーナの最内部側が上側を向く状態で、導光部材101に設けられた係止部208と被係止部209を嵌合することで導光部材同士を機械的に接続した。この時、導光部材同士のコーナの最外部側を当接した状態とする。次に、図10(c)の様に、コーナの最内部に生じる導光部材間の隙間に、透光性部材302を滴下し、現形状を維持した状態で、透光性部材の硬化を行う。この時、係止部208と被係止部209の隙間にも透光性部材302が充填される様に配慮することで、接続損失をより抑えることができる。
【0090】
また、導光部材内の放射光束の密度が低くなる箇所に嵌合構造を設けることで接続損失をより抑えることができる。
【0091】
本接続構造及び接続方法により、コーナの最外部側に対してコーナの最内部側に透光性部材が多くはみ出した状態となる。
【0092】
以上説明した接続構造及び接続方法においては、何れも接着剤あるいは透光性部材の量に応じて、図5の様に導光部材101間から接着剤105あるいは透光性部材が凸状にはみ出した状態や、図6の様に導光部材101間の接着剤105あるいは透光性部材が凹状にへこんだ状態となる。
【0093】
また、以上の様な方法を用いて、導光部材同士を接続することで、導光部材の最外部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域(導光部材間の接着剤あるいは透光性部材の表面張力により生じる。以下、損失エリアと言う)は、コーナの最内部が最も大きくなり、コーナの最外部が最も小さくなる。
【0094】
図7(a)〜(d)は、以上のようにして作成される本発明の導光部材の接続構造において、導光部材101の片側端面より様々な角度で光204を入射した状態を模式的に表した図である。
【0095】
導光部材101に入射した光204は、導光部材の内部側面において全反射を繰り返し、反対側の端面に導かれる。この時、導光部材がストレートであれば、導光部材の内部の放射光束の密度はほぼ一様であるが、導光部材に湾曲したコーナ形状部を設けることで導光部材の内部の放射光束の密度には偏りが生じる。具体的には、コーナの最外部側が高くなり、コーナの最内部側が低くなる。
【0096】
なお、ここでいう放射光束とは、単位時間にある面を通過する放射エネルギー量をいう。
【0097】
よって、前述のように導光部材内の放射光束の密度が高い側(=コーナの最外部側)の損失エリアを最も小さくすることにより、接着剤あるいは透光性部材のはみ出しがあってもそれによる影響が少なく、接続損失の少ない導光部材の接続構造が実現される。
【0098】
本明細書でいう「導光部材端部線」とは、図14(a),(b)の様に導光部材101の最も外周を構成する線をいい、導光部材101の接続部分においては接着剤105あるいは透光性部材の有する最も外側を構成する線をいう。
【0099】
また本明細書でいう「コーナ部」とは、図1の様に曲線部(3次元的には曲面)で構成された形状のみならず、例えば図24の様に曲線部305と直線部306(3次元的には曲面と平面)との複合形状までも含み、内部を伝送する光の全反射を妨げない程度に、滑らかな曲線あるいは直線(3次元的には曲面あるいは平面)で構成されていることが好ましい。また、図1の様に直角に曲がった形状のみならず、図22の様に鈍角に曲がった形状、図23の様に鋭角に曲がった形状等もとりうる。
【0100】
また、コーナ部の曲率半径R(コーナ部が曲線部と直線部から構成される場合は、それを近似する曲率半径)は、導光部材の内部を伝送する光が、導光部材の反射面に対し臨界角以上の角度を保つ様に設計することが好ましい。
【0101】
本発明においてストレート状の導光部材をあえてコーナ形状とする目的は、ストレート状の導光部材においては略均一である導光部材の内部の放射光束の密度に偏りを生じさせることである。
【0102】
以下に本発明に係る各構成要素の備えるべき要件を詳述する。
【0103】
《導光部材》
導光部材とは、中実体からなり、入射面と射出面と側面を有し、入射面より導光部材内部に入射した光を、導光部材内部で全反射し、射出面へと高効率に導くためのものである。また、屈折率が一様なものから、屈折率に分布を有したものまで用いることができる。
【0104】
〈導光部材の材料〉
導光部材を構成する材料としては、光透過率が高く、伝送損失が小さく、また導光部材の内部を伝送する光の波長や、放射光束の密度、あるいは使用環境に応じた耐熱性、耐光性、耐候性、耐湿性を有することが好ましい。
【0105】
具体的には、光学レンズや光ファイバーや光導波路の材料として使用されている樹脂材料やガラス材料が好ましく、成形性やコストを考慮すると樹脂材料がより好ましい。
【0106】
ガラス材料としては石英ガラス、光学ガラス、白板ガラス、青板ガラス、耐熱ガラス、等がある。樹脂材料としてはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、等がある。また、上記の材料を組み合わせた光ファイバ等も用いることができる。
【0107】
また、光透過率や伝送損失は、使用用途に応じた波長での特性が優れていることが好ましい。
【0108】
また、光透過率は主に入射面及び射出面の反射による損失に起因するため、入射面や射出面の平滑性が優れていることが好ましい。また、入射面や射出面の表面に反射防止膜を形成することで光透過率は向上する。
【0109】
また、接続される導光部材同士は屈折率が同一であることが好ましい。
【0110】
また、導光部材内の放射光束の密度が高い側と低い側とを定常化するうえでは、導光部材は適度な剛性を有している材料あるいは形状であることが好ましく、特に導光部材の接続部近傍において放射光束の密度が容易に変化する様な柔軟性を有している材料あるいは形状は好ましくない。
【0111】
また、導光部材が光ファイバの場合、導光部材の側面に他部材が接触した際も伝送損失が低下しないため、導光部材が、導光部材の接続部近傍において放射光束の密度が容易に変化する様な柔軟性を有している材料あるいは形状の場合、図9の様に、導光部材(光ファイバ201)の近傍を光ファイバ固定治具202(光ファイバの端部がコーナ形状に保持されるように固定ピン203が設けてある)により機械的に保持し、接続部近傍における放射光束の密度が容易に変化しないようにすることで、柔軟性を有している材料あるいは形状の導光部材も用いることができる。
【0112】
また、導光部材の入射面から射出面に至る光路長(光が反射を繰り返し進む道のり。導光部材の全長より長い。)当りの伝送損失は20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
【0113】
また、透過波長に選択性のある材料を利用したり、同機能を有する添加剤を材料内に混ぜることで、材料劣化の原因となる短波長域をカットすることもできる。例えば、導光部材に樹脂材料を用いる場合は、紫外線吸収剤を材料内に添加することで、材料が紫外線により劣化することを抑えることができる。
【0114】
また、導光部材の内部を伝送する光は光路長に比例して少なからず伝送損失が発生するため、上記材料面での配慮に加え導光部材の形状面での配慮も必要となる。すなわち、光が同じ長さの導光部材の内部を進む際も、導光部材の側面に対して反射する角度によって光路長が大きく異なるため、導光部材の側面に対して光が浅い角度で入射するように設計することで、光路長が短くなり伝送損失を抑えることができる。
【0115】
〈導光部材の反射方式〉
導光部材がその内部において光を反射する方式としては、
(1)単一屈折率の媒質からなり、媒質と空気との屈折率差による全反射を利用して光を伝送する方式。
(2)光ファイバの様に、複数の屈折率の媒質からなり、媒質間の屈折率差による全反射を利用して光を伝送する方式。
等の光を高効率で伝送できる方式を用いることができる。
【0116】
(1)の場合、導光部材の側面が平滑性を有していることが必須となる。また、側面が油分や埃等で汚れている場合、全反射率は低下するため油分や埃等の除去、またそれらが再度付着しないための防汚対策や静電対策等が必要となる。
【0117】
上記平滑性等、及び、全反射条件(導光部材の屈折率、及び導光部材の側面への光の入射角度による)を満たした場合、光はほぼ100%の効率で全反射し、最も効率良く光を伝送することができる。
【0118】
また、側面に保持部材等が接触した場合、当部での全反射率が低下するため、予め放射光束の密度が低い箇所を保持するか、保持部材等が接触する箇所のみに反射膜を形成する等の対応策が必要である。
【0119】
(2)の場合、光ファイバは、光を伝搬するコアと、その周りを覆うクラッドから構成されており、クラッドの屈折率をコアの屈折率より小さくすることで、コアとクラッドの屈折率差による全反射で光を伝送する。
【0120】
光ファイバには、ステップインデックス型、グレーテッドインデックス型等があるが、本発明による接続構造はステップインデックス型の光ファイバ(特にプラスチック光ファイバ)の様に、導光部材の側面近傍で光を全反射する方式のものに特に有効である。
【0121】
光ファイバの特長としては、側面がクラッドで覆われており、側面に汚れが付着することによる伝送損失の低下が少ない。
【0122】
しかし、媒質間の屈折率差を大きく取れないため臨界角が大きくなり、(1)の方式に対して入射面の許容入射角が狭くなる。また、製造コストも(1)に対して高価になる。
【0123】
〈導光部材の形状〉
導光部材の形状としては、単純なロッド状のものから、図19の様に二股あるいは三股等の複雑な物まである。
【0124】
また、導光部材の断面形状としては、円形や矩形や多角形等、採りうることができる。
【0125】
また、導光部材の分割点としては、導光部材の断面における放射光束の密度に偏りがある箇所が好ましい。具体的には、導光部材にコーナ形状部を設けることで、導光部材の内部の放射光束の密度に偏りが生じるため、当部を分割点とすることが好ましい。
【0126】
〈導光部材の製造方法〉
導光部材がガラス材料の場合、ダイレクトプレス成形、ガラスモールド成形等の既存の製造方法で成形することができる。
【0127】
導光部材が樹脂材料の場合、射出成形、押出し成形、圧縮成形等の既存の製造方法で成形することができる。
【0128】
また、押出し成形等により棒状に成形した後、加熱によりコーナ形状に加工することもできる。
【0129】
また、先の説明では導光部材Aと導光部材Bを接続して導光部材Cを形成することを前提で述べたが、図12の様に予め導光部材C(104)を形成した後、コーナ部において切断、端面の研磨、再度接続、といった形成方法も採りうる。
【0130】
また、導光部材が光ファイバの場合、既存の光ファイバ製造方法で成形した後、所定の長さに切断し、端部を加工することで用いることができる。
【0131】
《透光性部材》
本発明における透光性部材とは、透光性を有する接着剤を含み、例えば嵌合による接続時に導光部材間に空気層が生じ、当部において反射による損失が大きくなるため、導光部材間および嵌合部を充填し、接続損失を軽減する為のものである。
【0132】
透光性部材としては、光透過率が高く、伝送損失が小さく、また透光性部材の内部を通過する光の波長や、放射光束の密度、あるいは使用環境に応じた耐熱性、耐光性、耐候性、耐湿性を有することが好ましい。
【0133】
また、導光部材の屈折率と透光性部材の屈折率とに差が生じた場合は反射による損失を招くため、透光性部材の屈折率は導光部材と同一とすることが好ましい。
【0134】
また、接続される導光部材同士の屈折率が異なる場合は、透光性部材の屈折率を導光部材の屈折率の略平均値とすることで反射による損失を抑えることができる。
【0135】
また、硬化性を有する透光性部材を用いることで、導光部材同士を接続した後に、透光性部材が流れ出すことによる接続損失の低下を防ぐことができる。
【0136】
透光性部材としては、オイル状の材料、グリース状の材料、ゲル状の材料、ゴム状の材料等があり、具体的にはシリコーンオイル、シリコーングリス、シリコーンゲル、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、EVA等を用いることができる。
【0137】
また、透光性部材として以下に示す接着剤を用いることで、導光部材同士を接着と嵌合の2つの機械的接続手段で接続することが可能となり、より強固に導光部材同士を接続することができる。
【0138】
《接着剤》
透光性部材として用いられる接着剤は、光透過率が高く、伝送損失が小さく、また接着剤の内部を通過する光の波長や、放射束の密度、あるいは使用環境に応じた耐熱性、耐光性、耐候性、耐湿性を有することが好ましい。
【0139】
また、導光部材同士を接着剤により機械的に保持するため、必要に応じた接着力を有している必要がある。
【0140】
また、導光部材の屈折率と接着剤の屈折率とに差が生じた場合は反射による損失を招くため、接着剤の屈折率は導光部材と同一とすることが好ましい。
【0141】
また、接続される導光部材同士の屈折率が異なる場合は、接着剤の屈折率を導光部材の屈折率の略平均値とすることで反射による損失を抑えることができる。
【0142】
接着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤等の接着剤を用いることができる。また、硬化方式別では、UV硬化型接着剤や可視光硬化型接着剤や熱硬化型接着剤等を用いることができる。
【0143】
また、導光部材にアクリル樹脂等の重合接着が可能な材料を用いた場合には、導光部材同士を重合接着剤により接着することで接着剤も同一材料で形成でき、屈折率が一律の導光部材を形成することができる。
【0144】
また、これらの接着剤を使用する上では、接着剤の混合時、あるいは接着剤の硬化時に、接着剤の脱泡を行い、接着剤中の気泡を除去することが接続損失を増加させないためにも好ましい。
【0145】
《接続損失とは》
本発明における接続損失とは、導光部材内を伝送してきた光が、導光部材間の接続部を通過する際にどのくらいのエネルギー減損があるかを示す値である。その要因として以下が挙げられる。
【0146】
(1)界面での反射によるロス
導光部材と、導光部材間に存在する接着剤あるいは透光性部材との屈折率が異なる際、その界面において反射によるロスが発生する。また、導光部材間に空気を有する際は反射によるロスが最も大きくなる。対策としては、接着剤あるいは透光性部材を導光部材と同屈折率とすることあるいは近い屈折率とすることで改善できる。また、接着剤あるいは透光性部材中の気泡もロス要因となるため、脱泡も必要である。
【0147】
(2)導光部材間の接着剤あるいは透光性部材の粘度に起因する表面張力により、導光部材101間に接着剤あるいは透光性部材による凹部あるいは凸部が生じる。当部において予期せぬ光の屈折あるいは反射が生じ、接続損失を招く。
【0148】
《伝送損失とは》
本発明における伝送損失とは、一定長さの導光部材において、導光部材の入射面に入射した光が射出面に到達する際にどのくらいのエネルギー減損があるかを示す値である。
【0149】
伝送損失の主な要因としては、導光部材の内部の吸収による損失や、散乱による損失、反射面(=側面。但し、光ファイバの場合、コアとクラッドの界面をさす。)における損失等がある。
【0150】
【実施例】
以下に上記請求項に沿った実施例について記載するが、本発明の実質的内容は下記実施例の具備する具体的な記述に限定されるものではない。
【0151】
(実施例1)
本実施例は、集光型太陽電池モジュールに、本発明の導光部材の接続構造及び接続方法を用いた例である。
【0152】
図25乃至図27に本実施例を示す。図25は組立て前の集光型太陽電池モジュールの構成を示す図、図26は組立て後の集光型太陽電池モジュール403を示す図、図27は図26中のA部の拡大図である。
【0153】
図25において、401は太陽からの太陽光線404を集光する集光レンズ群401であり、102は該集光レンズ401において集光した太陽光線404を導光部材Aに導くための凸レンズ402を備えた導光部材A、103は導光部材A内を伝送してきた太陽光線404を光起電力素子405へ導くための導光部材B、405は導光部材B(103)の射出面に位置する光起電力素子である。また、光起電力素子は、外部へ電気を出力するためのリード線406を備えている。
【0154】
導光部材A(102)及び導光部材B(103)は、中実かつ単一屈折率のアクリル樹脂からなり、表面は平滑性を有している。
【0155】
そのため、図26にあるように、導光部材内に入射した太陽光線404は、導光部材内を全反射を繰り返しながら光起電力素子405へ高効率で伝送される構造となっている。
【0156】
また、個々の導光部材A(102)内を伝送してきた太陽光線404は、導光部材B(103)内において、混和され、光起電力素子405上に光量のむらが少ない状態で照射される構造となっている。
【0157】
これらの導光部材A(102)及び導光部材B(103)は、形状が複雑であるため、個々に射出成形により形成し、コーナ部において接着する構造とした。
【0158】
接着剤105にはアクリル重合接着剤(1700mPa・s)を用い、図27の様に、実施の形態に記載の「接続構造及び接続方法▲1▼」を用いて、導光部材A(102)と導光部材B(103)とを接着することで導光部材C(104)を形成した。
【0159】
本実施例によれば、コーナ内側部において接着剤105の表面張力による凹部304が形成されるが、当部での放射光束の密度は低いため、損失は少ない。
【0160】
また、本接続方法は接着剤の厚みを多く取れるため、強固に導光部材Aと導光部材Bとを接着することができる。
【0161】
また、本構成により、複雑な導光部材の形状を有する集光型太陽電池モジュールにおいても、コーナ部に接続構造を設けることで、安価でかつ容易に導光部材を形成することができ、また導光部材同士の接続箇所における接続損失も少ないため、効率良く太陽光線を光起電力素子へ導くことができる。
【0162】
(実施例2)
本実施例は、実施例1と同様、図25及び図26に示した様な集光型太陽電池モジュールに本発明の導光部材の接続構造及び接続方法を用いた例である。
【0163】
図28に本実施例を示す。図28は図26中のA部の拡大図である。
【0164】
本実施例においては、接着剤105には可視光硬化型樹脂(22mPa・s)を用い、実施の形態に記載の「接続構造及び接続方法▲2▼」を用いて、導光部材A(102)と導光部材B(103)とを接着した。
【0165】
本実施例によれば、コーナ内側部において接着剤105のはみ出しによる凸部が形成されるが、当部での放射光束の密度は低いため、損失は少ない。
【0166】
また、実施例1に対し接着剤の厚みを薄くすることで、厚みに応じた接着剤硬化時間を必要とする接着剤を用いた際なども、接着剤の硬化に要する時間を短縮することができる。
【0167】
また、高価な接着剤を用いた際も、接着剤の使用量の総量が、実施例1の接続方法に対して少なく出来るため、コスト削減を達成できる。
【0168】
(実施例3)
図16乃至図17に本実施例を示す。本図は導光部材の接続構造を模式的に表示したものであり、図16は接続前の状態、図17は接続後の状態を示している。
【0169】
導光部材101の材料としてはアクリル樹脂を用い、個々の導光部材を射出成形により作成した。
【0170】
導光部材同士の機械的な接続には接着剤を用いず、各導光部材の接続面に設けられた被係止部209と、導光部材を機械的に保持する導光部材保持部材301の先端に形成された係止部208とを嵌合させることで、導光部材101同士が機械的に接続される構造とした。
【0171】
この時、被係止部209を設ける位置は導光部材の中心よりコーナ最内部側、即ち導光部材内の放射束の密度が低くなる側に設け、当部での接続損失を抑える構造とした。
【0172】
また、導光部材保持部材301は導光部材101と同材料を用い、射出成形により作成した。
【0173】
また、導光部材101〜導光部材保持部材301〜導光部材101と接続しただけでは、導光部材間に空気層が存在し、当部での反射による損失が発生するため、導光部材間の隙間は透光性部材302で充填した。この透光性部材としては、アクリル系のオリゴマー(半流動体)を用いた。
【0174】
導光部材の接続は、まず、導光部材101の接続面に設けられている被係止部209に、導光部材保持部材301の先端に形成されている係止部208を嵌合させ、導光部材〜導光部材保持部材〜導光部材を機械的に接続した。次に、導光部材間の隙間に透光性部材302を充填した。また、係止部と被係止部間の界面にも透光性部材302が充填されるよう配慮した。
【0175】
本実施例によれば、接着剤に頼ることなく導光部材同士を機械的に接続できるため、強度の強い接続構造となる。
【0176】
また、透光性部材が接着力を有さないため、再度導光部材同士を分離することができるため、メンテナンス性やリサイクル性に優れる。
【0177】
また、導光部材内の放射光束の密度が低い側に嵌合構造を有しているため、接続損失も少ない。
【0178】
また、導光部材内の放射光束の密度が低い側で導光部材を保持しているため、接続損失が少ない状態で導光部材を保持することができる。
【0179】
また、接着剤を用いないため、硬化工程等が不要となる。
【0180】
(実施例4)
図18に本実施例を示す。本図は導光部材の接続構造を模式的に表示したものである。
【0181】
本実施例では、導光部材として光ファイバ201を用いた。この光ファイバ201として、コア材206がアクリル樹脂、クラッド材207がフッ素含有重合体から構成されているプラスチック光ファイバを用いた。
【0182】
また、本実施例で使用した光ファイバは柔軟性を有するため、その接続部付近は、外観形状がコーナ形状のアルミニウム製のスリーブ303(接着剤を充填する穴あり)によりコーナ形状に形付けられる構造とした。
【0183】
接着剤105としては、アクリル重合接着剤(500mPa・s)を用いた。
【0184】
光ファイバ201の接続は、まず、スリーブ303の両端から2つの光ファイバ201を挿入し、スリーブ303内で光ファイバ201同士のコーナの最外部側を当接した。次に、スリーブ303の穴から、光ファイバ201間に接着剤105を充填した。最後に、接着剤の脱泡及び硬化を行った。
【0185】
本実施例によれば、導光部材として柔軟性を有する光ファイバを用いた場合も、導光部材の接続部付近は剛性を有するスリーブによりコーナ形状に形付けられ、接続部近傍における放射光束の密度が容易に変化しない構成となった。
【0186】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の導光部材を湾曲したコーナ部で接続することにより導光部材内の放射光束の密度に偏りを与え、放射光束の密度が高い箇所において接続損失の要因となる凹凸部が相対的に少なくなるように構成することにより、簡易で安価な接続構造において接続損失を効果的に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導光部材の接続構造の一実施形態を示す正面図である。
【図2】本発明の導光部材の接続構造の一実施形態を示す外観斜視図である。
【図3】本発明の導光部材の接続方法の説明図である。
【図4】本発明の導光部材の接続構造及び接続方法の一例を説明する図である。
【図5】導光部材の接続部における形状を説明する図である。
【図6】導光部材の接続部における形状を説明する図である。
【図7】本発明の導光部材の接続構造に光が入射した状態を模式的に表した図である。
【図8】従来例を説明する図である。
【図9】本発明の導光部材の接続構造に光が入射した状態を模式的に表した図である。
【図10】本発明の導光部材の接続構造及び接続方法の別の例を説明する図である。
【図11】本発明の導光部材の接続構造及び接続方法の別の例を説明する図である。
【図12】本発明の導光部材の接続方法の別の例を説明する図である。
【図13】反射想定線の説明図である。
【図14】導光部材端部線の説明図である。
【図15】本発明の導光部材の接続構造及び接続方法の別の例を説明する図である。
【図16】本発明の第3の実施例を説明する図である。
【図17】本発明の第3の実施例を説明する図である。
【図18】本発明の第4の実施例を説明する図である。
【図19】導光部材の一例を説明する図である。
【図20】本発明の導光部材の接続構造及び接続方法の別の例を説明する図である。
【図21】本発明の導光部材の接続構造及び接続方法の別の例を説明する図である。
【図22】本発明の導光部材の接続構造におけるコーナ部の一例を説明する図である。
【図23】本発明の導光部材の接続構造におけるコーナ部の一例を説明する図である。
【図24】本発明の導光部材の接続構造におけるコーナ部の一例を説明する図である。
【図25】本発明の第1の実施例を説明する図である。
【図26】本発明の第1の実施例を説明する図である。
【図27】本発明の第1の実施例を説明する図である。
【図28】本発明の第2の実施例を説明する図である。
【図29】本発明の導光部材の接続構造及び接続方法の別の例を説明する図である。
【図30】本発明の導光部材の接続構造及び接続方法の別の例を説明する図である。
【符号の説明】
101 導光部材
102 導光部材A
103 導光部材B
104 導光部材C
105 接着剤
106 反射想定線
107 空間
108 導光部材端部線
109 反射面
201 光ファイバ
202 光ファイバ固定治具
203 固定ピン
204 光
206 コア
207 クラッド
208 係止部
209 被係止部
301 導光部材保持部材
302 透光性部材
303 スリーブ
304 凹部
305 曲線部
306 直線部
309 端部
401 集光レンズ群
402 凸レンズ
403 集光型太陽電池モジュール
404 太陽光線
405 光起電力素子
406 リード線

Claims (9)

  1. 複数の導光部材がコーナ部で接続された導光部材の接続構造であって、該コーナの最外部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さが、該コーナの最内部の線に沿った導光部材端部線が反射想定線から外れている領域の長さよりも短いことを特徴とする導光部材の接続構造。
  2. 前記導光部材の接続面に透光性部材を有することを特徴とする請求項1に記載の導光部材の接続構造。
  3. 前記透光性部材が接着剤であることを特徴とする請求項2に記載の導光部材の接続構造。
  4. 前記導光部材が、透過性を有した中実かつ単一屈折率の媒質からなり、該導光部材の表面が平滑性を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の導光部材の接続構造。
  5. 前記透光性部材が前記導光部材と同一屈折率を有することを特徴とする請求項4に記載の導光部材の接続構造。
  6. 前記導光部材の中心部の屈折率が、周辺部の屈折率より高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の導光部材の接続構造。
  7. 前記コーナの最外部において、前記導光部材同士が当接していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の導光部材の接続構造。
  8. 前記コーナの最内部近傍に、前記導光部材同士を機械的に固定する係止構造を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の導光部材の接続構造。
  9. 複数の導光部材をコーナ部で接続する方法であって、導光部材間の接合面に透光性部材を配し、該透光性部材に対しコーナの内側方向に外力を加えることで、該透光性部材をコーナの内側方向により多く偏在させることを特徴とする導光部材の接続方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005354752A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Taiyoko Kenkyusho:Kk 太陽光熱を利用した熱電子発電システム
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JP2011237665A (ja) * 2010-05-12 2011-11-24 Sharp Corp 導光部材、レーザ導光構造体、レーザ照射装置および光源装置

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