JP2004003982A - 改良型グリッドを備えた原子炉 - Google Patents

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レヴィー・デイヴィッド・スミス・ザ・サード
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ヨンファン・キム
Yu Chung Lee
ユ・チュン・リ
David Lee Stucker
デイヴィッド・リー・スタッカー
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Abstract

【課題】グリッド−燃料棒間のフレッティング摩耗を最小限に抑えるばね及びディンプルを有する改良型グリッドを提供する。
【解決手段】改良型グリッドは、格子状に連結された複数のストラップ42、42’を有し、ストラップ42、42’に複数のミキシングベーン104が設けられ、ミキシングベーン104に加わる水圧力が互いに打ち消し合うように配置されている。各ストラップは、ばね138と、一対のディンプル162、166とを備えている。ばね138は、弛緩状態での曲率半径が燃料棒の半径より大きい輪郭のばね突起部150を有する。上記各ディンプルは、同様の形状の輪郭のディンプル突起部180を有する。ばね突起部150は、コンプライアンスを高めるために第1プレート94および第2プレート98間に非線形に延在する一対の脚部に取り付けられている。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包括的には原子炉に、特に改良型グリッドを有する加圧水型原子炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
ほとんどの加圧水型原子炉では、炉心が多数の細長い燃料集合体で構成されている。これらの燃料集合体は一般的に、燃料集合体の長さに沿って軸方向に間隔を置いた位置で燃料集合体の複数の細長いシンブル管に取り付けられた複数のグリッドによって系統的配列に保持された複数の燃料棒を有する。シンブル管は通常、制御棒、施栓装置または計装を内部に収容している。燃料集合体の両端部の上部および下部ノズルが、燃料棒の端部のわずかに上方および下方に延出したシンブル管の端部に取り付けられている。
【0003】
当該技術分野では既知のように、グリッドは、炉心内で燃料棒間の間隔を正確に維持し、ロッドの振動を阻止し、燃料棒の側方支持を行い、ある程度は燃料棒の長手方向移動を抑制するために使用される。1つの従来型グリッド構造形式は、個別に燃料棒を受け取る複数のほぼ正方形のセルを有する卵枠状構造を形成するように協働する複数の交互配置されたストラップを設けている。シンブル管の構造に応じて、シンブル管は、燃料棒を受け取るセルと同一寸法のセルにはめ込むことも、交互配置されたストラップ内に比較的大きく形成されたシンブルセルにはめ込むこともできる。
【0004】
ストラップは、各セルが、比較的コンプライアンスが大きい一対のばねと比較的剛直な複数のディンプルとを有するように構成され、ばねおよびディンプルは、交互配置されたストラップの金属に形成されて、それから外向きに突出している。各セルのばねおよびディンプルは、セルに挿通されたそれぞれの燃料棒に係合する。グリッドの外ストラップが接合されて、グリッドの内ストラップの周囲を取り囲んで、グリッドに強度および剛度を与えている。
【0005】
グリッドおよびストラップの個々の構造に応じて、原子炉内の水の混合を容易にし、したがって燃料棒と水との間の対流熱交換を促進する1つまたは複数のミキシングベーンを各ストラップに形成してもよい。原子炉は、水が各燃料集合体内を通ってほぼ垂直方向上向きに移動するように構成されているので、ミキシングベーンは、水の混合を促進しながらも、ベーンに水が衝突する結果として、グリッドに力およびトルクを与える。グリッドに加えられるそのような力およびトルクの結果として、総合力すなわち合応力、曲げモーメントまたはトルクがグリッドによって燃料棒およびシンブル管に加えられ、結果的にその間に応力および振動が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、シンブル管に長手方向に加えられる力や、燃料棒をセル内に保持するために加えられる圧縮および摩擦力以外にグリッドから燃料棒およびシンブル管に加えられる不釣り合い力、モーメントまたはトルクがせいぜい無視できる程度になるように好都合に配置されたミキシングベーンを有する改良型グリッド構造を提供することが望ましい。
【0007】
当該技術では、原子炉の運転中に、原子炉内での温度、圧力および流速の上昇が、グリッドおよび燃料棒間の振動を発生しやすいことも知られている。グリッドは燃料棒を燃料セル内に支持しているので、それらの間のそのような振動は、燃料棒のフレッティングを生じる可能性がある。そのようなフレッティングは、激しい場合、燃料棒クラッドの破損を生じ、その結果として、原子炉内の水が核汚染されるであろう。したがって、グリッドおよび燃料棒間のフレッティング摩耗を最小限に抑えるように構成されたばねおよびディンプルを有する改良型グリッドを提供することが望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上に従って、複数のシンブル管を有する原子炉の燃料集合体に使用される改良型グリッドは、格子状に互いに連結されて複数のセルを形成する複数の第1および第2ストラップを有し、第1および第2ストラップに複数のミキシングベーンが設けられており、ミキシングベーンは、グリッドのミキシングベーンに加わる水圧力が互いに打ち消し合うことによって、せいぜいわずかな不釣り合い力、モーメントおよびトルクがシンブル管に加えられるだけであるように好都合に配置されている。グリッドの対角線方向の象限のミキシングベーンは、グリッド上に対角線方向に配置された仮想位置合わせ面にほぼ整列している。グリッドはまた、複数のストラップ部材を有し、各ストラップ部材は、ばねと、一対のディンプルとを有している。ばねは、弛緩状態での曲率半径が燃料棒の半径より大きい輪郭の表面形状を有し、さらに、ばね突起部を有することができる。各ディンプルは、同様に構成された輪郭の表面形状を有し、同様にディンプル突起部を有することができる。ばね突起部は、脚部のコンプライアンスを高めるために各ストラップ部材の第1プレートおよび第2プレート間に非線形に延在する一対の脚部に取り付けられている。
【0009】
本発明の態様は、自励振動の可能性を最小限に抑えるために、グリッドと燃料セルの燃料棒およびシンブル管との間に加えられる不釣り合い力、モーメントおよびトルクを最小限に抑えるように好都合に構成されたミキシングベーンを有する、原子炉の燃料集合体用のグリッドを提供することである。
【0010】
本発明の別の態様は、各々がばねおよび少なくとも1つの第1ディンプルを有し、ばねおよびディンプルの各々が、グリッドおよび燃料棒間のフレッティング摩耗を減少させるための突起部を有することができる輪郭表面形状を有する複数のストラップ部材を有するグリッドを提供することである。
【0011】
本発明の別の態様は、ばね部材および一対の脚部を備えたばね装置を有し、ばね装置のコンプライアンスを高めるために、脚部が一対のプレート間に非線形に延在している、原子炉の燃料集合体のグリッドのストラップ部材を提供することである。
【0012】
以上に従って、本発明の態様は、原子炉の燃料集合体に使用されるグリッドであって、その全体的性質として、互いに整列させた複数の第1ストラップと、互いに整列させた複数の第2ストラップとを有し、第1および第2ストラップが格子状に互いに連結されて、複数のセルを形成していると言うことができるグリッドを提供することである。複数のミキシングベーンが、第1および第2ストラップ上に配置されており、各ミキシングベーンは、自由端部および連結端部を有し、連結端部が、第1および第2ストラップの一方との連結部を形成している。各ミキシングベーンには、連結端部および自由端部間に延在する長手方向軸が定められている。仮想第1グリッド軸および仮想第2グリッド軸が、グリッドを横断して延在しており、第1および第2グリッド軸は、交点で互いに交差して、第1および第2軸によって互いに分割された第1グリッド象限、第2グリッド象限、第3グリッド象限および第4グリッド象限をグリッド上に画成している。セルの各々は、第2ストラップにほぼ平行な方向に測定されたセル幅と、第1ストラップにほぼ平行な方向に測定されたセル高さとを有する。第1、第2、第3および第4グリッド象限のうちの対角線方向に配置された一方の対内の、第1グリッド軸から少なくともセル幅の半分、および第2グリッド軸から少なくともセル高さの半分の間隔を置いたミキシングベーンのほぼすべての長手方向軸は、それぞれ第1および第2グリッド軸を含む平面にほぼ垂直に延在する仮想第1位置合わせ面および仮想第2位置合わせ面のうちの一方にほぼ平行な方向に延在している。第1、第2、第3および第4グリッド象限の他方対内の、第1グリッド軸から少なくともセル幅の半分、および第2グリッド軸から少なくともセル高さの半分の間隔を置いたミキシングベーンのほぼすべての長手方向軸は、第1および第2位置合わせ面のうちの他方にほぼ平行な方向に延在している。
【0013】
本発明の別の態様は、原子炉用の燃料集合体であって、その全体的性質として、少なくとも1つの第1グリッドと、グリッドに係合した少なくとも1つの燃料棒とを有すると言うことができ、また、その少なくとも第1グリッドの全体的性質として、互いに整列させた複数の第1ストラップと、互いに整列させた複数の第2ストラップとを有し、第1および第2ストラップが格子状に互いに連結されて、複数のセルを形成していると言うことができる燃料集合体を提供することである。複数のミキシングベーンが、第1および第2ストラップ上に配置されており、各ミキシングベーンは、自由端部および連結端部を有し、連結端部が、第1および第2ストラップの一方との連結部を形成している。各ミキシングベーンには、連結端部および自由端部間に延在する長手方向軸が定められている。仮想第1グリッド軸および仮想第2グリッド軸が、グリッドを横断して延在しており、第1および第2グリッド軸は、交点で互いに交差して、第1および第2軸によって互いに分割された第1グリッド象限、第2グリッド象限、第3グリッド象限および第4グリッド象限をグリッド上に画成している。セルの各々は、第2ストラップにほぼ平行な方向に測定されたセル幅と、第1ストラップにほぼ平行な方向に測定されたセル高さとを有する。第1、第2、第3および第4グリッド象限のうちの対角線方向に配置された一方の対内の、第1グリッド軸から少なくともセル幅の半分、および第2グリッド軸から少なくともセル高さの半分の間隔を置いたミキシングベーンのほぼすべての長手方向軸は、それぞれ第1および第2グリッド軸を含む平面にほぼ垂直に延在する仮想第1位置合わせ面および仮想第2位置合わせ面のうちの一方にほぼ平行な方向に延在している。第1、第2、第3および第4グリッド象限の他方対内の、第1グリッド軸から少なくともセル幅の半分、および第2グリッド軸から少なくともセル高さの半分の間隔を置いたミキシングベーンのほぼすべての長手方向軸は、第1および第2位置合わせ面のうちの他方にほぼ平行な方向に延在している。
【0014】
本発明の別の態様は、少なくとも1つの第1燃料棒を含む原子炉の燃料集合体のグリッドのストラップ部材であって、その全体的性質として、第1プレートを有し、第1プレートに第1ディンプルが設けられており、さらに、第2プレートを有し、第2プレートに第2ディンプルが設けられており、さらに、ばね部材、第1脚部および第2脚部を備えたばね装置を有しており、第1および第2脚部の各々は、第1および第2プレート間に非線形に延在しており、ばね部材は、第1および第2脚部間に延在しており、ばね部材は、ばね板および一対のばね帯材を備えており、ばね板は、ばね帯材間に位置し、ばね帯材の一方が第1脚部に連結され、ばね帯材の他方が第2脚部に連結されていると言うことができるストラップ部材を提供することである。
【0015】
本発明の別の態様は、原子炉用の燃料集合体であって、その全体的性質として、少なくとも1つの第1燃料棒と、少なくとも1つの第1グリッドとを有しており、少なくとも第1グリッドは、 互いに整列させた複数の第1ストラップと、互いに整列させた複数の第2ストラップとを有しており、第1および第2ストラップは、格子状に互いに連結されて、複数のセルを形成しており、少なくとも第1燃料棒が、セルの1つにはめ込まれており、第1および第2ストラップの少なくとも一方が、第1プレート、第2プレートおよびばね装置を有するストラップ部材を備えており、第1プレートに第1ディンプルが設けられており、第2プレートに第2ディンプルが設けられており、ばね装置は、ばね部材、第1脚部および第2脚部を有し、第1および第2脚部の各々は、第1および第2プレート間に非線形に延在しており、ばね部材は、第1および第2脚部間に延在しており、ばね部材は、ばね板および一対のばね帯材を備えており、ばね板は、ばね帯材間に位置し、ばね帯材の一方が第1脚部に連結され、ばね帯材の他方が第2脚部に連結されていると言うことができる燃料集合体を提供することである。
【0016】
好適な実施形態の以下の説明を添付の図面と組み合わせて読めば、本発明をさらに理解できるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】
概略的に示された原子炉4内に取り付けられた燃料集合体10全体が、図1に概略的に示されている。燃料集合体10は、図2〜図10に全体的または部分的に示されている複数のグリッド20を有する。さらに十分に後述するように、グリッド20は、燃料集合体10の他の構成部材に加えられる不釣り合い力、モーメントおよびトルクを最小限に抑えると共に、グリッド20と燃料集合体10の他の構成部材との間のフレッティング摩耗を減少させるのに好都合に構成されている。
【0018】
下部ノズル12が、原子炉4の炉心領域で下部炉心支持板14上に燃料集合体10を支持している。原子炉4は、炉心支持板14上に配置された複数の燃料集合体10を有する加圧水型原子炉である。下部ノズル12に加えて、燃料集合体10の構造骨組みはまた、上端部の上部ノズル16と、下部および上部ノズル12および16間に長手方向に延在して両端部でそれらに連結された複数の細長い案内管すなわちシンブル管18とを有する。
【0019】
燃料集合体10はさらに、シンブル管18に沿って軸方向に間隔を置いてそれらに取り付けられた複数の横方向グリッド20と、グリッド20によって横方向に間隔を置いて支持された系統的配列の細長い燃料棒22とを有する。また、燃料集合体10の中央に、下部および上部ノズル12および16間に延在する計測管(instrumentation tube)24が配置されている。そのような部品配置の燃料集合体10は、集合体部材に損傷を与えることなく容易に取り扱うことができる一体型ユニットを形成している。
【0020】
前述したように、燃料集合体10内に配列された燃料棒22は、燃料集合体10の長さ方向に間隔を置いたグリッド20によって、互いに間隔を置いた状態で保持されている。各燃料棒22は、複数の核燃料ペレットを含み、両端部が上下端部プラグ28および30によって閉鎖されている。燃料ペレットは、核分裂性物質からなり、原子炉4の熱エネルギを発生する役目を果たす。
【0021】
水やホウ素含有水などの液体減速材/冷却材が、下部炉心板14の複数の流通開口を通って上向きに燃料集合体10へ汲み上げられる。燃料集合体10の下部ノズル12は、冷却材がシンブル管18内を集合体の燃料棒22に沿って上向きに流れて、有用な仕事の生産のためにその内部に発生した熱を抜き出すことができるようにする。
【0022】
核分裂処理を制御するために、多くの制御棒34が、燃料集合体10内の所定位置に配置されたシンブル管18内を往復移動可能である。具体的に言うと、上部ノズル16の上方に配置された制御棒クラスタ制御機構36が、制御棒34を支持している。制御機構36は、複数の半径方向延出アーム38を有する雌ねじ付き円筒部材37を有する。各アーム38が制御棒34に相互連結されており、制御機構36は、制御棒34をシンブル管18内で上下移動させ、それによって燃料集合体10内での核分裂処理を制御できるように作動可能であり、これらはすべて、既知の通りである。
【0023】
図2からわかるように、各グリッド20は、互いに整列した複数の第1ストラップ42と、互いに整列すると共に、第1ストラップ42にほぼ垂直に配置された第2ストラップ42’とを有する。第1および第2ストラップ40および42’は、既知のようにして、また、さらに十分に後述するように、格子状に互いに連結されて、複数のセル46を形成している。セル46の各々は、燃料棒22を内部に受け取って、燃料棒22を燃料集合体10内に支持するように構成されている。第1および第2ストラップ42および42’はまた、シンブル管18および計測管24が配置される比較的大きいセルを形成するように配置されている。
【0024】
グリッド20はまた、第1ストラップ42にほぼ平行に延在する仮想第1グリッド軸58と、第2ストラップ42’にほぼ平行に延在する仮想第2グリッド軸62とを有する。第1および第2グリッド軸58および62は、交点66で互いに交差し、互いにほぼ直交する向きであるが、他の実施形態では、第1および第2グリッド軸58および62が互いに斜めの向きでもよい。
【0025】
第1および第2グリッド軸58および62は、第1、第2、第3および第4グリッド象限70A、70B、70Cおよび70Dを画成する。図2に全体的に示された例示のグリッド20では、第1および第3グリッド象限70Aおよび70Cが互いに対角線方向に配置され、第2および第4グリッド象限70Bおよび70Dも同様である。
【0026】
仮想第1位置合わせ面74および仮想第2位置合わせ面78が、グリッド20を通り、図2の紙面から飛び出している。図2に示された実施形態では、第1および第2位置合わせ面74および78が互いに直交する向きであり、交点66を通っている。第1および第2位置合わせ面74および78はまた、第1および第2グリッド軸58および62の両方を含む、図2の紙面にほぼ平行な仮想グリッド面にほぼ直交する向きにある。言い換えると、第1および第2位置合わせ面74および78は、グリッド20によって定められる平面にほぼ直交する向きにある。第1および第2位置合わせ面74および78は、グリッド20を対角線方向に横切り、第1位置合わせ面74が第1および第3グリッド象限70Aおよび70Cを横切り、第2位置合わせ面78が第2および第4グリッド象限70Bおよび70Dを横切っている。
【0027】
図2から、第1グリッド軸58が第1ストラップ42の1つと整合している、すなわち、それがその第1ストラップ42に重なっていることがわかる。同様に、第2グリッド軸62が第2ストラップ42’の1つと整合している、すなわち、それがその第2ストラップ42’に重なっていることがわかる。他の原子炉では、シンブル管、計測管および燃料棒の形状が異なることから、グリッド20と全体的に異なった構造のグリッドが必要になり得ることは理解されるであろう。そのため、グリッドが、第1および第2グリッド軸58および62のいずれか一方または両方に沿って奇数のセルを有するように構成されている場合、第1および第2グリッド軸58および62のいずれか一方または両方が、第1および第2ストラップ42および42’のいずれとも整合しないであろうが、それぞれ、それらとほぼ平行な向きになるであろう。
【0028】
図3は、図2に示された部分の拡大図であり、図3に示されたセル46内に配置された燃料棒22が追加して示されている。セル46の各々は一般的に、第1ストラップ42にほぼ平行な方向に測定したセル高さ52を有する。同様に、セル46の各々は一般的に、第2ストラップ42’にほぼ平行な方向に測定したセル幅54を有する。セル46の寸法をここでは「高さ」および「幅」と表現しているが、グリッド20を原子炉4内に設置した時、セル高さおよび幅52および54はほぼ水平面上に測定されることがわかるであろう。そのため、「高さ」および「幅」の表現は、いずれの意味でも制限するものではない。
【0029】
第1および第2ストラップ42および42’はすべて、ジルコニウム合金などの適当な金属か、または燃料集合体10内の環境に適合した他の適当な物質の比較的薄く細長いシート材で形成されている。図4に最もわかりやすく示されているように、第1ストラップ42は、第1ストラップ42の一方側に沿ってそのほぼ半分まで横切って延びた複数の平行スロット80を有する。各第1ストラップ42は、スロット80によってほぼ画成されるが、さらに具体的には、第1ストラップ42に沿って横方向に延在してスロット80に重なる複数の仮想分割線86によって画成された複数のストラップ部材82を有する。各ストラップ部材82は、ストラップ部材82を画成する分割線86に平行でその中間に位置する中心軸90を有する。
【0030】
図4Aに最もわかりやすく示されているように、各ストラップ部材82は、第1プレート94と、第2プレート98と、ばね装置100とを有する。ばね装置100は一般的に、第1および第2プレート94および98の中間に位置している。グリッド20を原子炉4内に設置した時、第1プレート94が第2プレート98のほぼ垂直方向上方に位置するであろう。第2プレート98は、ほぼスロット80によって画成され、第1プレート94は、ほぼ分割線86によって画成されていることがわかるであろう。
【0031】
図5からわかるように、第2ストラップ42’は、スロット80’が第2ストラップ42’の反対側に形成されている点を除いて、第1ストラップ42と同様である。さらに具体的に言うと、各第2ストラップ42’は、複数のストラップ部材82’を有しており、第1プレート94’は、ほぼスロット80’によって画成され、第2プレート98’は、ほぼ分割線86’によって画成されている。
【0032】
グリッド20を組み立てるために、第1ストラップ42のスロット80を第2ストラップ42’のスロット80’にはめ込んで、第1および第2ストラップ42および42’を格子状に互いに係合させることによって、セル46を形成する。第1および第2ストラップ42および42’は、適当な構造の固定具(図示せず)によってそのような位置に一時的に保持される。次に、第1ストラップ42上の複数の溶接タブ102を第2ストラップ42’上の対応位置の複数の溶接タブ102’にレーザ溶接か、他の方法で連結することによって、第1および第2ストラップ42および42’を互いに固定的に連結する。スロット80および80’の位置が逆である点を除いて、第2ストラップ42’は第1ストラップ42とほぼ同じであるので、第2ストラップ42’の具体的な構造についてはここではさらには説明しないが、第1ストラップ42に関する以下の詳細が第2ストラップ42’にも等しく当てはまることは理解されるであろう。
【0033】
ほとんどすべての第1プレート94には、第2プレート98によって定められる平面から斜めに延出する(図4B)ミキシングベーン104が設けられている。これに関して言うと、外周ストラップ付近か、計測管24またはシンブル管18をはめ込んだセル付近の多数の第1プレート94が、一部の他の第1プレート94と共に、ミキシングベーン104を備えていないことがわかるであろう。
【0034】
各ミキシングベーン104は、第1プレート94につながった連結端部110と、連結端部110と反対の自由端部106とを有する。各ミキシングベーン104はまた、自由端部106および連結端部110間に延在する仮想長手方向軸114(図7)を有する。図3から理解できるように、各長手方向軸114は好都合に、第1および第2位置合わせ面74および78の一方にほぼ平行な向きになっている。
【0035】
図2から最もわかりやすいように、第1、第2、第3および第4象限70A、70B、70Cおよび70Dの各々は、ほぼ同数のミキシングベーン104を有する。前述したように、図2に示された例示のグリッド20では、第1グリッド軸58が第1ストラップ42の1つに整合し、第2グリッド軸62が第2ストラップ42’の1つに整合している。したがって、図2に示された例示のグリッド20の場合、第1、第2、第3および第4象限70A、70B、70Cおよび70Dのいずれかに入っている特定数のミキシングベーン104も、第1グリッド軸58から少なくともセル幅54の半分、および第2グリッド軸62から少なくともセル高さ52の半分の間隔を置いて配置されたミキシングベーン104であると考えられる。
【0036】
したがって、このように定義された上記第1、第2、第3および第4象限70A、70B、70Cおよび70Dの1つに入っているミキシングベーン104は、その象限を通る第1および第2位置合わせ面74および78のいずれかにほぼ平行な向きであることがわかるであろう。たとえば、第1および第3象限70Aおよび70C内のミキシングベーン104は、互いに、また第1位置合わせ面74にほぼ平行な方向に並んでいる。第1および第3グリッド象限70Aおよび70Cはまた、グリッド20上で互いに対して対角線方向に配置されている。同様に、第2および第4グリッド象限70Bおよび70D内のミキシングベーン104はすべて、互いに、また第2位置合わせ面78にほぼ平行な方向に並んでいる。同様に、第2およびだ4グリッド象限70Bおよび70Dは、グリッド20上で互いに対して対角線方向に配置されている。
【0037】
厳密には第1、第2、第3および第4象限70A、70B、70Cおよび70Dの1つに「入っていない」ミキシングベーン104、すなわち、それぞれ第1グリッド軸58および第2グリッド軸62に整合している第1ストラップ42および第2ストラップ42’上に配置されたミキシングベーン104はすべて、互いに、また第1位置合わせ面74にほぼ平行に並んでいる。グリッド20の別の実施形態では、上記第1および第2ストラップ42および42’上に配置されたミキシングベーン104が、互いに、また第2位置合わせ面78にほぼ平行な方向に並ぶ可能性もある。
【0038】
第1および第2ストラップ42および42’のほとんどが、第1グリッド軸58または第2グリッド軸62の両側に定められた第1部分116および第2部分118(図2に限定的に付けた番号である)を有しており、個々のストラップの位置合わせに応じていずれかが適当である(whichever is appropriate depending upon the alignment of the specific strap)ことがわかるであろう。ある第1および第2ストラップ42および42’の第1部分116に設けられたミキシングベーン104は、互いに、また第1および第2位置合わせ面74および78の一方にほぼ平行に並んでいることがわかるであろう。同様に、あるストラップの第2部分118に設けられたミキシングベーン104は、互いに、また第1および第2位置合わせ面74および78の他方にほぼ平行な向きになっている。
【0039】
図2および図4から、隣接したストラップ部材82のミキシングベーン104が互いに向き合う、すなわち、互いに鏡像関係にあることがわかるであろう。図2から、一般的に、そのような向き合った、すなわち鏡像関係にあるミキシングベーン104は、第2プレート98によって定められた第1ストラップ42の平面から両方向の外向きに延出していることがわかるであろう。これに関して言うと、あるストラップの第1部分116に配置されたミキシングベーン104が、第2プレート98に対して両方向の外向きに交互に延出し、あるストラップの第2部分118に配置されたミキシングベーン104も同様に、第2プレート98によって定められたストラップ42の平面から両方向の外向きに交互に延出していることがわかるであろう。
【0040】
図3に最もわかりやすく示されているように、各セル46は、互いに垂直に配列された仮想第1セル軸120および仮想第2セル軸122を有し、これらによって第1、第2、第3および第4セル象限126A、126B、126Cおよび126Dが画成されている。図2の例示のグリッド20および図3に示された例示のセル46では、第1および第3セル象限126Aおよび126Cが、セル46内で互いに対角線方向に配置され、第2および第3セル象限126Bおよび126Dが、互いに対角線方向に配置されている。図2および図3からわかるように、第1および第2グリッド軸58および62の1つに隣接するか、グリッド20の外周部に隣接したものを除いたすべてのセル46は、対角線方向に向き合ったセル象限内に一対のミキシングベーン104を有する。
【0041】
グリッド20を上記のように構成することによって、原子炉4の運転中に衝突した水によってミキシングベーン104に生じる水圧反力は、シンブル管18、計測管24または燃料棒22に加えられる正味トルク、モーメントまたは横方向力をグリッド20上に生じない。そのような反力は、せいぜい、シンブル管18および燃料棒22に長手方向に加えられる一般力(general force)を与えるだけである。しかし、ミキシングベーン104間の相互関係に関する上記教示のすべてが、本発明の好都合な態様を達成するためにすべての環境で常に適用される必要はないことを理解されたい。むしろ、シンブル管18、計測管24および燃料棒22に外部力またはトルクが加えられないようにする本発明の好都合な態様を、上記教示のすべてより少ないものを用いて達成できる可能性がある。ミキシングベーン104間のそのような相互関係のそのような教示のさまざまな組み合わせは、グリッドの個別形状、燃料棒22のレイアウトおよび数や、他の要因によって変化する可能性がある。
【0042】
図4Aおよび図6〜図8に最もわかりやすく示されているように、各ばね装置100は、第1脚部130と、第2脚部134と、ばね部材138とを有する。第1および第2脚部130および134の各々は、第1および第2プレート94および98間に非線形に延在している。ばね部材138は、第1および第2脚部130および134間でそれぞれのほぼ中央に位置している。第1および第2脚部130および134が「非線形に」延在しているとは、第1および第2プレート94および98間に延在する際に、第1および第2脚部130および134が、少なくとも部分的に中心軸90から離れる方向に、かつ/または少なくとも部分的に中心軸90に向かう方向に延在することを表すものである。第1および第2脚部130および134のそのような非線形性によって、さらに十分に後述するように、それのコンプライアンスが増加する。
【0043】
また、第1プレート94が、第1および第2脚部130および134間に配置された第1ラグ140を有することがわかるであろう。同様に、第2プレートは、第1および第2脚部130および134間に配置された第2ラグ142を有する。グリッド20の個々の構造によって、第1および第2脚部130および134間に水をどの程度に流したいかに応じて、第1および第2ラグ140および142を短くするか、除くこともできる。
【0044】
ばね部材138は、一対のばね帯材146間に配置されたばね板144を有する。ばね帯材146の各々は、ばね板144につながっており、ばね帯材146の一方は第1脚部130に連結され、ばね帯材146の他方は第2脚部134に連結されている。
【0045】
ばね板144は、ばね外周フレーム154から外向きに突出したばね突起部150を有している。ばね突起部150は、ばね突起部150に沿って延びるように定められたばね輪郭(spring contour)158を有するように好都合に構成され、それによって、ばね突起部150は一般的に、輪郭が定められていると言うことができる。また、燃料棒22のフレッティング摩耗を防止するために、好ましくは、ばね突起部150の縁部を面取りするか、他の方法で丸みが付けられている。
【0046】
第1プレート94は、第1ディンプル162を有するように形成され、第2プレート98は、第2ディンプル166を有するように形成されていることがわかるであろう。第1および第2ディンプル162および166はほぼ同一であるので、第2ディンプル166についてはさらには詳細に説明しないが、以下の説明が第1および第2ディンプル162および166の両方に等しく当てはまることは理解されるであろう。
【0047】
第1ディンプル162は、一対のディンプル帯材176間に配置されたディンプル板172を有する。ディンプル板172およびディンプル帯材176は一般的に、第1プレート94のその他の部分に対してほぼ非共平面関係にある。ディンプル板172は、ディンプル外周フレーム184から外向きに突出したディンプル突起部180を有する。ディンプル突起部180は、全体的にディンプル突起部180に沿って延びたディンプル輪郭188を有するように好都合に構成され、それによって、ディンプル突起部180は一般的に、輪郭が定められていると言うことができる。燃料棒22でのフレッティング摩耗を減少させるために、ディンプル突起部180の縁部を面取りするか、他の方法で湾曲させている。
【0048】
グリッド20を原子炉4内に設置した時、ばね帯材146およびディンプル帯材176はすべて、燃料棒22の長手方向範囲をほぼ横切る方向に延出し、前述したようにばね板144およびディンプル板172の輪郭が定められている。そのため、原子炉4の運転中に燃料棒22が振動し、ばね板144およびディンプル板172とのオフノーマル衝突を受けると、オフノーマル衝突に最も近いばね帯材146およびディンプル帯材176が、オフノーマル衝突から比較的遠く離れたばね帯材146およびディンプル帯材176より大きくたわむであろう。そのため、ばね帯材146およびディンプル帯材176が燃料棒22に対して横方向の取り付け向きであることと、ばね板144およびディンプル板172の輪郭が定められていること(contoured nature)とによって、個々のばね帯材146およびディンプル帯材176は、ばね装置100および第1および第2ディンプル162および166全体より比較的大きいコンプライアンスを有し、これによって、オフノーマル衝突の際の燃料棒22の摩耗が減少する。
【0049】
また、ばね板144およびディンプル板172を燃料棒22の外面と一致するような輪郭に構成することによって、ばね装置100および第1および第2ディンプル162および166上の異なった位置でオフノーマル衝突が繰り返される結果、ばね装置100および第1および第2ディンプル162および166が平面的な形状であった場合にありがちである、燃料棒の一カ所で衝突および摩耗が生じるのではなく、燃料棒22の多くの横方向位置でそのような衝突および摩耗が生じるため、好都合である。オフノーマル衝突による燃料棒22の摩耗がそのように拡散することによって、燃料棒22の耐摩耗寿命が延びる。
【0050】
図4Bから理解されるように、あるストラップ部材82の第1および第2ディンプル162および166は、第1および第2プレート94および98によってほぼ定められる平面から外向きに、ばね装置100と反対の方向に突出している。そのため、図3から理解されるように、各セル46は、一対のばね装置100と、第1および第2ディンプル162および166の両方の対とを有する。燃料棒22は、上記対のばね装置100、第1ディンプル162および第2ディンプル166に当接した状態で受け取られる。
【0051】
燃料棒22をセル46に挿入すると、ばね装置100が弛緩状態から非弛緩状態に変化する。一般的に、ばね装置100は、第1および第2ディンプル162および166より大きいコンプライアンスを有する。ばね装置100のコンプライアンスは、それの第1および第2脚部130および134の非線形性によって高められ、第1および第2脚部130および134の長さおよび幅を特別に設定することによって最適化することができる。第1および第2脚部130および134の、ばね帯材146に連結された部分が、第1および第2脚部130および134の、第1および第2プレート94および98に連結された部分より中心軸90から遠くへ離れていることがわかるであろう。
【0052】
ばね装置100が弛緩状態にある時、第1および第2脚部130および134が、第1および第2プレート94および98とほぼ共平面関係にあることがわかるであろう。しかし、ばね装置100が弛緩状態にある時、ばね板144およびばね帯材146は、第1および第2プレート94および98に対してほぼ非共平面関係にあることがわかるであろう。
【0053】
図10には、ばね装置がほぼ弛緩状態に示されている。図10はまた、ばね装置100から間隔を置いた、したがってそれと接触していない燃料棒22も示している。弛緩状態のばね突起部150のばね輪郭158は、燃料棒22の半径より大きい曲率半径を有する。そのような好都合な形状のため、燃料棒22をセル46に入れ、したがってばね突起部150に係合させて、ばね装置100が非弛緩状態になった時、ばね輪郭158が燃料棒22によって撓むため、ばね輪郭158の曲率半径が燃料棒22の半径と一致し、それによって、ばね突起部150が燃料棒22に相補的に係合する。弛緩状態の曲率半径が燃料棒22の半径より大きいようにばね輪郭158を設定することによって、燃料棒22をセル46にはめ込んだ時に得られるばね輪郭158および燃料棒22の相補的係合のため、ばね突起部150および燃料棒22間の接触面積が最大になる。ばね突起部150および燃料棒22間の接触面積がそのように最大になることによって、その間の応力が、したがって、フレッティング摩耗の可能性が減少する。さらに、グリッド20および燃料棒22間の接触面積が減少する領域でフレッティング摩耗が発生するので、ばね輪郭158の一致形状により、グリッド20および燃料棒22間の面接触面積が増加することによって、そのようなフレッティングが迅速に減少する。
【0054】
ディンプル突起部180は、それぞれディンプル輪郭188を有するように構成されており、同様に、弛緩状態での曲率半径が燃料棒22の半径より大きいように構成されている。燃料棒22をセル46にはめ込んだ時、非弛緩状態のディンプル突起部180が燃料棒22に相補的に係合し、その間の面接触面積が好都合に最大になり、その間の応力およびフレッティング摩耗の可能性が最小限に抑えられる。
【0055】
したがって、ばね突起部150およびディンプル突起部180を上記のような輪郭に構成し、弛緩状態でのそれらの曲率半径を燃料棒22の半径より大きくすることによって、非弛緩状態ではばね突起部150およびディンプル突起部180が燃料棒22に相補的に係合して、その間の面接触面積が最大になることがわかるであろう。上記のようにその間の面接触面積を最大化することによって、それに対応して、その間の応力の大きさが、燃料棒22のフレッティング摩耗の可能性と共に、減少する。
【0056】
しかし、ばね板144がばね突起部150を備えずに、ばね板144がばね輪郭158を含むような輪郭を有するように、グリッドを構成することもできることを理解されたい。そのような構造では、ディンプル板172も同様に、ディンプル突起部180をなくした構造にして、ディンプル板172がディンプル輪郭188を含むような輪郭を有するように構成することができるであろう。そのような構造は、本発明の概念から逸脱するものではないであろう。あるいは、本発明の概念から逸脱することなく、ミキシングベーン104をなくしたグリッドも構成することができる。
【0057】
以上に本発明の特定の実施形態を詳細に説明してきたが、当該技術分野の専門家には、開示の全体的教示に照らして、これらの詳細にさまざまな変更または代替を考えることができることが明らかであろう。したがって、開示された特定の構造は、説明的にすぎず、添付の請求項およびその同等物で定められる本発明の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った原子炉の概略正面図である。
【図2】本発明に従った原子炉のグリッドの上面図である。
【図3】図2の一部分の拡大図である。
【図4】原子炉のグリッドの第1ストラップの一部分の正面図である。
【図4A】上記第1ストラップの1つのストラップ部材の正面図である。
【図4B】図4Aの4B−4B線に沿った断面図である。
【図5】原子炉のグリッドの第2ストラップの一部分の正面図である。
【図6】図4Aおよび図4Bに全体的に示されたストラップ部材の前面の斜視図である。
【図7】図6のストラップ部材の背面の斜視図である。
【図8】図6の一部分の拡大図である。
【図9】図7の一部分の拡大図である。
【図10】ストラップ部材の一部分の拡大断面図である。

Claims (31)

  1. 原子炉の燃料集合体に使用されるグリッドであって、
    互いに整列させた複数の第1ストラップと、
    互いに整列させた複数の第2ストラップとを備え、
    該第1および第2ストラップは、格子状に互いに連結されて、複数のセルを形成しており、さらに、
    前記第1および第2ストラップ上に配置された複数のミキシングベーンを備え、
    各ミキシングベーンは、自由端部および連結端部を有し、該連結端部が、前記第1および第2ストラップの一方との連結部を形成しており、
    各ミキシングベーンには、前記連結端部および前記自由端部間に延在する長手方向軸が定められており、さらに、
    グリッドを横切って延在する仮想第1グリッド軸および仮想第2グリッド軸を備え、
    該第1および第2グリッド軸は、交点で互いに交差して、前記第1および第2軸によって互いに分割されている、第1グリッド象限、第2グリッド象限、第3グリッド象限および第4グリッド象限をグリッド上に画定しており、
    前記セルの各々は、前記第2ストラップにほぼ平行な方向に測定されたセル幅を有し、また、前記第1ストラップにほぼ平行な方向に測定されたセル高さを有しており、
    前記第1、第2、第3および第4グリッド象限のうちの対角線方向に配置された一方の対内の、前記第1グリッド軸から少なくともセル幅の半分、および前記第2グリッド軸から少なくともセル高さの半分の間隔を置いたミキシングベーンのほぼすべての前記長手方向軸は、前記第1および第2グリッド軸を含む平面にそれぞれがほぼ垂直に延在する仮想第1位置合わせ面および仮想第2位置合わせ面のうちの一方にほぼ平行な方向に延在しており、
    前記第1、第2、第3および第4グリッド象限の他方の対内の、前記第1グリッド軸から少なくともセル幅の半分、および前記第2グリッド軸から少なくともセル高さの半分の間隔を置いたミキシングベーンのほぼすべての前記長手方向軸は、前記仮想第1位置合わせ面および仮想第2位置合わせ面のうちの他方にほぼ平行な方向に延在しているグリッド。
  2. 前記第1グリッド軸は、前記第1ストラップの1つと整合状態に延在し、前記第2グリッド軸は、前記第2ストラップの1つと整合状態に延在している請求項1記載のグリッド。
  3. 前記第1および第2グリッド軸が整合している前記第1および第2ストラップ上に配置された前記ミキシングベーンは、ほぼすべてが互いに、かつ前記第1および第2位置合わせ面の一方に、ほぼ平行に並んでいる請求項2記載のグリッド。
  4. 前記第1および第2グリッド軸は、互いにほぼ垂直である請求項1記載のグリッド。
  5. 前記第1および第2位置合わせ面は、互いにほぼ垂直である請求項1記載のグリッド。
  6. 前記第1および第2位置合わせ面の各々は、交点を通っている請求項5記載のグリッド。
  7. 前記第1、第2、第3および第4グリッド象限はすべて、ほぼ同数のミキシングベーンを有する請求項1記載のグリッド。
  8. 前記第1および第2ストラップの少なくとも一方が、第1部分および第2部分を有し、
    該第1部分上に配置された前記ミキシングベーンのほぼすべての前記長手方向軸は、互いに、かつ前記第1および第2位置合わせ面の一方に、ほぼ平行な方向に延在しており、
    前記第2部分上に配置された前記ミキシングベーンのほぼすべての前記長手方向軸は、互いに、かつ前記第1および第2位置合わせ面の他方に、ほぼ平行な方向に延在している請求項1記載のグリッド。
  9. 各セルは、互いに交差してセルを第1セル象限、第2セル象限、第3セル象限および第4セル象限に分割する第1セル軸および第2セル軸を有し、前記第1、第2、第3および第4グリッド象限のいずれにおいても、前記第1グリッド軸から少なくともセル幅の半分、および前記第2グリッド軸から少なくともセル高さの半分の間隔を置いたほぼすべてのセルの各々が、対角線方向に向き合った前記第1、第2、第3および第4セル象限のうちの一対の各々に配置されたミキシングベーンを有する請求項1記載のグリッド。
  10. 原子炉用の燃料集合体であって、
    少なくとも1つの第1グリッドと、
    該グリッドに係合した少なくとも1つの燃料棒とを備え、
    前記少なくとも第1グリッドは、
    互いに整列させた複数の第1ストラップと、
    互いに整列させた複数の第2ストラップとを備えており、
    該第1および第2ストラップは、格子状に互いに連結されて、複数のセルを形成しており、さらに、
    前記第1および第2ストラップ上に配置された複数のミキシングベーンを備え、
    各ミキシングベーンは、自由端部および連結端部を有し、該連結端部が、前記第1および第2ストラップの一方との連結部を形成しており、
    各ミキシングベーンには、前記連結端部および前記自由端部間に延在する長手方向軸が定められており、さらに、
    グリッドを横切って延在する仮想第1グリッド軸および仮想第2グリッド軸を備え、
    該第1および第2グリッド軸は、交点で互いに交差して、前記第1および第2軸によって互いに分割されている、第1グリッド象限、第2グリッド象限、第3グリッド象限および第4グリッド象限をグリッド上に画定しており、
    前記セルの各々は、前記第2ストラップにほぼ平行な方向に測定されたセル幅を有し、かつ前記第1ストラップにほぼ平行な方向に測定されたセル高さを有しており、
    前記第1、第2、第3および第4グリッド象限のうちの対角線方向に配置された一方の対内の、前記第1グリッド軸から少なくともセル幅の半分、および前記第2グリッド軸から少なくともセル高さの半分の間隔を置いた前記ミキシングベーンのほぼすべての前記長手方向軸は、前記第1および第2グリッド軸を含む平面にそれぞれがほぼ垂直に延在する仮想第1位置合わせ面および仮想第2位置合わせ面のうちの一方にほぼ平行な方向に延在しており、
    前記第1、第2、第3および第4グリッド象限の他方の対内の、前記第1グリッド軸から少なくともセル幅の半分、および前記第2グリッド軸から少なくともセル高さの半分の間隔を置いた前記ミキシングベーンのほぼすべての前記長手方向軸は、前記仮想第1位置合わせ面および仮想第2位置合わせ面のうちの他方にほぼ平行な方向に延在している燃料集合体。
  11. 前記第1グリッド軸は、前記第1ストラップの1つと整合状態に延在し、前記第2グリッド軸は、前記第2ストラップの1つと整合状態に延在している請求項10記載のグリッド。
  12. 前記第1および第2グリッド軸が整合している前記第1および第2ストラップ上に配置された前記ミキシングベーンは、ほぼすべてが互いに、かつ前記第1および第2位置合わせ面の一方に、ほぼ平行に並んでいる請求項11記載の燃料集合体。
  13. 前記第1および第2ストラップの少なくとも一方が、第1部分および第2部分を有し、
    該第1部分上に配置された前記ミキシングベーンのほぼすべての前記長手方向軸は、互いに、かつ前記第1および第2位置合わせ面の一方に、ほぼ平行な方向に延在しており、
    前記第2部分上に配置された前記ミキシングベーンのほぼすべての前記長手方向軸は、互いに、かつ前記第1および第2位置合わせ面の他方に、ほぼ平行な方向に延在している請求項10記載の燃料集合体。
  14. 少なくとも1つの第1燃料棒を含む原子炉の燃料集合体のグリッドのストラップ部材であって、
    第1プレートを備え、
    該第1プレートは第1ディンプルを有しており、さらに、
    第2プレートを備え、
    該第2プレートは第2ディンプル有しており、さらに、
    ばね部材、第1脚部および第2脚部を備えたばね装置を有し、
    該第1および第2脚部の各々は、前記第1および第2プレート間に非線形に延在しており、
    前記ばね部材は、前記第1および第2脚部間に延在しており、
    前記ばね部材は、ばね板および一対のばね帯材を有しており、該ばね板は、前記ばね帯材間に位置し、前記ばね帯材の一方が前記第1脚部に連結され、前記ばね帯材の他方が前記第2脚部に連結されているストラップ部材。
  15. 前記ばね板は、ばね輪郭を含む形状を有し、該ばね輪郭は、燃料棒にほぼ相補的に係合するように構成されている請求項14記載のストラップ部材。
  16. 前記ばね板は、ばね突起部およびばね外周フレームを有し、該ばね突起部は、前記ばね外周フレームから突出しており、前記ばね輪郭は、前記ばね突起部に沿って延在しており、該ばね突起部は、前記燃料棒にほぼ相補的に係合するように構成されている請求項15記載のストラップ部材。
  17. 前記第1および第2ディンプルの各々は、ディンプル板および一対のディンプル帯材を有しており、該ディンプル板の各々は、ディンプル輪郭を含む形状を有し、該ディンプル輪郭は、前記燃料棒にほぼ相補的に係合するように構成されている請求項15記載のストラップ部材。
  18. 前記ばね板は、ばね突起部およびばね外周フレームを有し、該ばね突起部は、前記ばね外周フレームから突出しており、前記ばね輪郭は、前記ばね突起部に沿って延在しており、該ばね突起部は、前記燃料棒にほぼ相補的に係合するように構成されており、
    前記ディンプル板の各々は、ディンプル突起部およびディンプル外周フレームを有し、該ディンプル突起部は、前記ディンプル外周フレームから突出しており、前記ディンプル輪郭は、前記ディンプル突起部に沿って延在しており、該ディンプル突起部は、前記燃料棒にほぼ相補的に係合するように構成されている請求項17記載のストラップ部材。
  19. 前記ばね装置が弛緩状態にある時、前記第1および第2脚部は、前記第1および第2プレートとほぼ共平面関係にある請求項14記載のストラップ部材。
  20. 前記ばね装置が弛緩状態にある時、前記ばね板および前記対のばね帯材は、前記第1および第2プレートに対してほぼ非共平面関係にある請求項19記載のストラップ部材。
  21. 前記ばね装置および前記第1および第2プレートに沿って延在する中心軸を有しており、
    前記第1および第2脚部の、前記ばね帯材と連結された部分は、前記第1および第2脚部の、前記第1および第2プレートと連結された部分より前記中心軸から遠く離れている請求項14記載のストラップ部材。
  22. 原子炉用の燃料集合体であって、
    少なくとも1つの第1燃料棒と、
    少なくとも1つの第1グリッドとを備え、
    該少なくとも第1グリッドは、 互いに整列させた複数の第1ストラップと、互いに整列させた複数の第2ストラップとを有しており、該第1および第2ストラップは、格子状に互いに連結されて、複数のセルを形成しており、
    前記少なくとも第1燃料棒は、該セルの1つにはめ込まれており、
    前記第1および第2ストラップの少なくとも一方が、第1プレート、第2プレートおよびばね装置を有するストラップ部材を有しており、
    前記第1プレートは第1ディンプルを有しており、
    前記第2プレートは第2ディンプルを有しており、
    前記ばね装置は、ばね部材、第1脚部および第2脚部を有し、
    該第1および第2脚部の各々は、前記第1および第2プレート間に非線形に延在しており、
    前記ばね部材は、前記第1および第2脚部間に延在しており、
    前記ばね部材は、ばね板および一対のばね帯材を有しており、該ばね板は、該ばね帯材間に位置し、前記ばね帯材の一方が前記第1脚部に連結され、前記ばね帯材の他方が前記第2脚部に連結されている燃料集合体。
  23. 前記ばね板は、前記燃料棒にほぼ相補的に係合するばね輪郭を含む形状を有する請求項22記載の燃料集合体。
  24. 前記ばね装置が弛緩状態にある時、前記ばね輪郭は、ほぼばね半径を有するとともに、
    前記少なくとも第1燃料棒は、燃料棒半径を有し、前記ばね半径は前記燃料棒半径より大きい請求項23記載の燃料集合体。
  25. 前記ばね板は、ばね突起部およびばね外周フレームを有し、該ばね突起部は、前記ばね外周フレームから突出しており、前記ばね輪郭は、前記ばね突起部に沿って延在しており、該ばね突起部は、前記燃料棒にほぼ相補的に係合する請求項23記載の燃料集合体。
  26. 前記第1および第2ディンプルの各々は、ディンプル板および一対のディンプル帯材を有しており、該ディンプル板の各々は、ディンプル輪郭を含む形状を有し、該ディンプル輪郭は、前記燃料棒にほぼ相補的に係合する請求項23記載の燃料集合体。
  27. 前記ばね装置が弛緩状態にある時、前記ばね輪郭は、ほぼばね半径を有しており、前記ディンプル輪郭は、ほぼディンプル半径を有するとともに、
    前記少なくとも第1燃料棒は、燃料棒半径を有し、前記ばね半径および前記ディンプル半径の各々は、前記燃料棒半径より大きい請求項26記載の燃料集合体。
  28. 前記ばね板は、ばね突起部およびばね外周フレームを有し、該ばね突起部は、前記ばね外周フレームから突出しており、前記ばね輪郭は、前記ばね突起部に沿って延在しており、該ばね突起部は、前記燃料棒にほぼ相補的に係合するとともに、
    前記ディンプル板の各々は、ディンプル突起部およびディンプル外周フレームを有し、該ディンプル突起部は、前記ディンプル外周フレームから突出しており、前記ディンプル輪郭は、前記ディンプル突起部に沿って延在しており、該ディンプル突起部は、前記燃料棒にほぼ相補的に係合する請求項26記載の燃料集合体。
  29. 前記ばね装置が弛緩状態にある時、前記第1および第2脚部は、前記第1および第2プレートとほぼ共平面関係にある請求項22記載の燃料集合体。
  30. 前記ばね装置が弛緩状態にある時、前記ばね板および前記対のばね帯材は、前記第1および第2プレートに対してほぼ非共平面関係にある請求項29記載の燃料集合体。
  31. 前記ストラップ部材は、前記ばね装置および前記第1および第2プレートに沿って延在する中心軸を有するとともに、
    前記第1および第2脚部の、前記ばね帯材と連結された部分は、前記第1および第2脚部の、前記第1および第2プレートと連結された部分より前記中心軸から遠く離れている請求項22記載の燃料集合体。
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