JP2004001111A - 回転切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的硬質な被加工板材に対して予定する形状の穴を簡単にきれいにくり抜くことのできる回転切削工具を提供する。
【解決手段】ストレート径の工具本体1と、工具本体下端に着脱自在に結合した刃先体2からなり、工具本体1は、その上部にシャンク部3を残して外周面に、ダンヤモンド粒片を固着した螺旋帯状の切削加工部4を形成し、刃先体2は、その下端面2aから外周面2bに掛けてダンヤモンド粒片を固着した。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート系及び窯業系のサイディング板等の比較的硬質な被加工板材に対し、予定する形状の穴のくり抜き加工に使用する回転切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンクリート系及び窯業系のサイディング板等の比較的硬質な被加工板材に対する加工において、円形穴以外で、予定する形状の穴をくり抜くには、一般に、被加工板材面に、予定する形状の穴の輪郭線を描き、この輪郭線沿いに小間隔をおきに多数のドリル孔を穿設して後、隣接するドリル孔間を切り離して大略予定する形状の穴をくり抜き、この後で穴の縁部をきれいに仕上げて予定する形状のくり抜き穴を得る手法等が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記するような手法によりれば、被加工板材面に描いた予定する形状の穴の輪郭線沿いに、多数のドリル孔を小間隔をおいて穿設するのに、長時間を要するばかりでなく、多数のドリル孔を穿設した後に、隣接するドリル孔間を切り離すには、小さなドリル孔の中に、切り離しのための工具を挿入しての作業となるため、作業がし難く、この作業も、多数のドリル孔を穿設する以上に時間が掛かる。さらに、隣接する各ドリル孔間が切り離されて大略予定する形状にくり抜きかれた穴の縁部は、凹凸が大きく、これを均して予定する形状の穴縁に仕上げるにも、切削量が多くてきれいに仕上げるには、長時間を要するものである。
【0004】
従って、コンクリート系及び窯業系のサイディング板等の比較的硬質の被加工板材に対し、予定する形状の穴をくり抜くに当たっては、長時間を要する甚だ面倒な作業とされている。
【0005】
そこで、本発明は、汎用の穿孔機等を使用し、比較的硬質な被加工板材に対して予定する形状の穴を簡単にきれいにくり抜くことのできる回転切削工具を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するための本発明の回転切削工具は、ストレート径の工具本体と、工具本体下端に着脱自在に結合した刃先体からなり、工具本体は、その上部にシャンク部を残して外周面に、ダンヤモンド粒片を固着した螺旋帯状の切削加工部を形成し、刃先体は、下端面から外周面に掛けてダンヤモンド粒片を固着したたことを特徴とする。
【0007】
このように構成した本発明によれば、比較的硬質な被加工板材に対し、予定する形状の穴をくり抜くには、被加工板材面に予定する形状の穴の輪郭線を描き、その内側で、輪郭線に刃先体の下端面周縁を合わせて貫通孔を穿設し、引き続き、貫通孔の中から、輪郭線に工具本体の切削加工部を当てがって輪郭線沿いに切削を継続していって元の貫通孔に達すると、予定する形状の穴がほとんど一工程できれいにくり抜くことができる。
【0008】
従って、本発明によれば、比較的硬質な被加工板材に対して予定する形状の穴をくり抜くにのに、従来のように、長時間を要する面倒な作業とならず、作業の巧拙がなく、思い通りに短時間で簡単にできる。
【0009】
また、工具本体又は刃先体のダンヤモンド粒片の切削機能が低下すると、この切削機能の低下した方だけを交換し、もう一方は繰り返し使用できるので、資源の無駄が少ない。
【0010】
また、被加工板材に予定する形状の穴をくり抜く際に、工具本体は被加工板材面に対して直角をなし、被加工板材の切削部で工具本体の切削加工部は、周方向に回転しての切削となる。そこで、工具本体の外周面に形成する螺旋帯状の切削加工部を、外周面周方向に複数を等配的に形成した構成を採用すると、被加工板材の切削部には、螺旋帯状の各切削加工部は傾斜して当てられ、しかも、複数の切削加工部は、その回転方向に間隔をおいて形成しているので、各切削加工部が被加工板材の切削部を切削する上で発生する切り屑が、各切削加工部の隙間から効果的に排出される最適な実施の形態となり、効率のよい切削加工部の切削性と、工具本体の安定性を向上できる。
【0011】
また、工具本体の切削加工部の外径に比べ、刃先体の外径を大径にした構成にすると、被加工板材に対して最初に穿設される貫通孔内にあって、工具本体の切削加工部は、ある程度の遊びができるので、貫通孔の中から切削加工部を、予定する形状を描いた輪郭線に合わせて最初に切り込ませる作業をし易く、作業性を向上できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を、図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明の実施の形態を示す回転切削工具の全体正面図、図2は本発明の実施の形態を示す回転切削工具の下端面図、図3は本発明の実施の形態を示す回転切削工具を分解した正面図である。
【0014】
図面において、1は工具本体、2は工具本体1の下端に着脱自在に結合した刃先体を示す。
【0015】
工具本体1は鋼製のストレート形状をなすもので、その上部にシャンク部3を残して外周面に、ダンヤモンド粒片を固着した螺旋帯状の切削加工部4を形成している。
【0016】
実施の形態では、螺旋帯状の切削加工部を、工具本体の外周面周方向に複数を等配的に形成している。
【0017】
刃先体2は、その下端面2aから外周面2bに掛けて刃先体2の中央部に達する切り込み凹部5を設け、この凹部5以外の下端面2aと外周面2bにダンヤモンド粒片を固着している。
【0018】
また、実施の形態では、工具本体1の切削加工部4の外径に比べ、刃先体2の外径を若干大きくし、工具本体1と刃先体2の結合には、工具本体1の下端部に凹孔6を形成して雌ねじ7を設け、刃先体2の上端にはねじ部8を突設して雄ねじ9を設けて着脱自在に螺合している。
【0019】
前記構成からなる本発明に係る回転切削工具は、汎用の穿孔機等の駆動軸に取着したチャックに、工具本体1のシャンク部3を直接に把持(連結)して使用に供される。
【0020】
図4(a)、(b)を参照しながら、コンクリート系及び窯業系のサイディング板等の比較的硬質な被加工板材Aに対し、予定する形状の穴Dをくり抜く要領を説明する。
【0021】
図4(a) 予め、被加工板材A面には、予定する形状の穴Dをくり抜くために、予定するくり抜き穴Dの輪郭線Bを描いておく。そして、輪郭線Bの内側で、輪郭線Bに刃先体2の下端面周縁を合わせて先ず貫通孔Cを穿設する。ここで、貫通孔支Cは刃先体2の外径とほぼ同じ大きさに明けられる。
【0022】
図4(b) 貫通孔Cの中から工具本体1の切削加工部4を輪郭線に合わせて切り込ませる。この時、貫通孔Cの中で、工具本体1の切削加工部4との間では、ある程度の遊びができるので、予定する形状の穴Dを描いた輪郭線Bに合わせて最初に切削加工部4を切り込ませる作業をし易くする。引き続き、貫通孔の中から、輪郭線に会わせて切削加工部を当てがい、輪郭線B沿いに切削を継続していって元の貫通孔Cのところに達すると、予定する形状の穴Dがきれいにくり抜かれる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、本発明の回転切削工具によれば、コンクリート系及び窯業系のサイディング板等の比較的硬質な被加工板材に対し、先に貫通孔を穿設し、この孔の中から工具本体の外周面に形成した切削加工部による切削を継続するだけで、予定する形状の穴をくり抜くこのができるので、作業の巧拙がなく、短時間で簡単にきれいにくり抜くことのできる。また、工具本体又は刃先体のダンヤモンド粒片の切削機能が低下すると、この切削機能の低下した方だけを交換してもう一方は繰り返し使用できるので、資源の無駄が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す回転切削工具の全体正面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す回転切削工具の下端面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す回転切削工具を分解した正面図である。
【図4】(a)、(b)は本発明に係る回転切削工具により予定する形状の穴をくり抜く要領を説明するための図である。
【符号の説明】
1 工具本体
2 刃先体
2a 刃先体の下端面
2b 刃先体の外周面
3 シャンク部
4 切削加工部
5 凹部
6 凹孔
7 雌ねじ
8 ねじ部
9 雄ねじ
A 被加工板材
B 輪郭線
C 貫通孔
D 予定する形状の穴

Claims (3)

  1. ストレート径の工具本体と、工具本体下端に着脱自在に結合した刃先体からなり、工具本体は、その上部にシャンク部を残して外周面に、ダンヤモンド粒片を固着した螺旋帯状の切削加工部を形成し、刃先体は、下端面から外周面に掛けてダンヤモンド粒片を固着したことを特徴とする回転切削工具。
  2. 工具本体の外周面に形成する螺旋帯状の切削加工部を、外周面周方向に複数を等配的に形成したことを特徴とする請求項1記載の回転切削工具。
  3. 工具本体の切削加工部の外径に比べ、刃先体の外径を大径にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の回転切削工具。
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