JP2003535589A - プラスミド含有液のプロセシング - Google Patents

プラスミド含有液のプロセシング

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    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1003Extracting or separating nucleic acids from biological samples, e.g. pure separation or isolation methods; Conditions, buffers or apparatuses therefor
    • C12N15/1017Extracting or separating nucleic acids from biological samples, e.g. pure separation or isolation methods; Conditions, buffers or apparatuses therefor by filtration, e.g. using filters, frits, membranes

Abstract

(57)【要約】 プラスミド含有液をプロセスする方法であって、該プラスミド含有液を2種の荷電した膜と接触させることと、精製されたプラスミドなどのプラスミド濃縮液を得ることとを含む方法を開示する。一つの態様において、前記第一の荷電した膜は、正に荷電されており、前記第二の荷電した膜は、正または負に荷電した膜である。好ましい態様において、該第一および第二の荷電した膜は、どちらも正に荷電されている。もう一つの態様において、該プラスミド含有液を、2種の正に荷電した膜および第三の荷電した膜と接触する。さらに、本発明は、プラスミド含有液をプロセスするためのシステムおよびキットを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願の相互参照 本出願は、2000年6月2日に出願された合衆国仮出願番号60/208,561の利益を主
張し、該仮出願の開示を本明細書の一部として本願に援用する。
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般にプラスミド含有液をプロセシングすること、並びに、特にプ
ラスミドおよびエンドトキシンを含有する液からプラスミドを精製または分離し
て、精製されたプラスミドを得ることに関する。
【0003】
【従来の技術】
(発明の背景) 高度に精製されたプラスミドは、たとえば分子生物学および医学においてます
ます重要になってきており、近年では、プラスミド含有液のプロセシングに大き
な関心が持たれている。高度に精製されたプラスミドは、分子生物学において、
たとえばシーケンシング、クローニングおよびハイブリダイゼーション(たとえ
ばPCRによる)、並びに医学、たとえば遺伝子治療および遺伝子免疫化における
様々な用途に有用である。これらの用途において、特に医学においてプラスミド
の純度は、重要な意味を持つ。患者にプラスミドが投与されるかもしれないので
、プラスミドは、医薬品グレードであるべきである。プラスミドは、薬物品質安
全基準に適合しているべきである。したがって、プラスミドからは、エンドトキ
シンなどの毒性応答を引き起こすであろう物質が取り除かれているべきである。
【0004】 染色体外DNAsであるプラスミドは、一般に細菌細胞可溶化液などのプラスミド
含有液から単離される。細胞可溶化液は、種々の混入物(たとえば細胞片、タン
パク質、RNA、染色体DNAおよびエンドトキシン)を含んでいる。細菌細胞可溶化
液などのプラスミド含有液をプロセシングするために、たとえばプラスミドの単
離および精製のために、複数の方法が提案されているが、このような方法の多く
は弱点を有する。未精製細菌細胞可溶化液をプロセシングするための通常の方法
では、未精製可溶化液を遠心して細胞片を除去する。次いで、該可溶化液を、フ
ェノールまたはクロロホルムなどの有機溶媒で抽出してタンパク質混入物を除去
する。該可溶化液に含まれるRNAは、RNaseなどの酵素で処理することによって減
少させる。
【0005】 プラスミド含有液をプロセスするために、浮遊密度に基づいた分離方法も提案
されている。この方法は、プラスミドを含む未精製の試料または標品をインター
カレート色素と混合し、次いで該試料をより高い浮遊密度の塩化セシウム(CsCl
)溶液の上に重ねることを含む。生じたオーバーレイを高速で遠心分離して、Cs
Clの浮遊密度増加勾配を形成する。色素/プラスミドの複合体が、独立したバン
ドとして分離され、該複合体を分離し、プラスミドを複合体から回収する。
【0006】 また、プラスミド含有液をプロセシングするために、多孔質ビーズ、イオン交
換樹脂およびゲルろ過媒体の使用を含むプロセスも提案されている。
【0007】 前述の方法の多くは、一以上の欠点を有する。たとえば、プロセスされたプラ
スミドは、依然としてエンドトキシンなどの混入物を含んでいる。いくつかの方
法では、多数の工程を含み、多大な労力を要するかまたは時間がかかる。その結
果、プラスミド、特に貴重なスーパーコイル形態のプラスミドは、プロセシング
の間に分解しがちである。ある方法では、有害もしくは強烈な化学物質または溶
媒の使用を必要とする。たとえば、エチジウムブロマイドは変異原物質であるこ
とが知られている。一部の方法では、分離に使用する媒体による、興味対象の巨
大分子に対する結合親和性および/または容量が限られている。一部の方法では
、容易にスケールアップすることができない。ある種の方法では、プロセスに使
用される物質を再利用することができない。
【0008】 その他のいくつかの方法では、RNA混入物を分解および除去するために酵素の
使用が必要であるため、これらの方法では、酵素が混入したプラスミドが生じる
。残留する酵素により、RNaseなどの望ましくない物質がプラスミドに混入する
危険性が増加する。動物などの外来性供与源から酵素を得るときもあるため、プ
ラスミドが患者に投与される場合、残留する酵素によって異種間汚染が生じるこ
ともある。加えて、酵素はプラスミドを消化することもできるので、DNA分解酵
素などの混入酵素が存在する場合、プラスミドの質は時間と共に悪化するであろ
う。また、酵素により、プラスミド精製のコストは高くなり、押し上げられるで
あろう。
【0009】 したがって、プラスミド含有液をプロセシングして、エンドトキシンが取り除
かれ、または実質的に取り除かれたプラスミドを得るための方法(並びにシステ
ムおよびキット)の必要性が存在する。さらに、有害または強烈な化学物質の使
用を含まず、または必要としない、プラスミド含有液プロセシング方法の必要性
が存在する。さらに、酵素の使用を必要としないプラスミド含有液プロセシング
方法の必要性も存在する。
【0010】 本発明は、従来技術の方法における不都合な点の少なくともいくつかを改善す
ることを提供する。本発明によるこれらのおよびその他の効果は、後述の記載か
ら明らかであろう。
【0011】 (発明の要旨) 本発明は、プラスミド含有液をプロセシングするための方法を提供する。一つ
の態様において、本発明は、プラスミドおよびエンドトキシンの含有液をプロセ
シングするための方法であって、該プラスミドの少なくとも一部で結合する第一
の膜と、該エンドトキシンの少なくとも一部で結合する第二の膜と、該液とを接
触させることと、およびプラスミドが濃縮され、かつエンドトキシンが除去され
た液、たとえば精製されたプラスミドを含む液を得ることとを含む方法を提供す
る。
【0012】 もう一つの態様において、本発明は、プラスミドおよびエンドトキシンの含有
液をプロセシングするための方法であって、少なくとも三つの膜において該膜の
うち二つはプラスミドの少なくとも一部で結合し、かつ該膜のうち一つはエンド
トキシンの少なくとも一部で結合する膜と前記液を接触させることと、プラスミ
ドが濃縮され、かつエンドトキシンが除去された液を得ることとを含む方法を提
供する。
【0013】 好ましい態様において、プラスミドおよびエンドトキシンが結合する膜は、荷
電した膜である。該荷電した膜には、電荷供給基を含む。電荷供給基の例には、
イオン交換基を含む。
【0014】 本発明は、さらにプラスミド含有液をプロセシングするためのシステム並びに
キットを提供する。また、本発明は、スーパーコイル形態および開環状形態のプ
ラスミドの混合物をプロセシングするための方法であって、該混合物を正に荷電
した膜と接触することを含む方法を提供する。
【0015】 本発明は、一以上の以下の利点を提供する。該方法、システムまたはキットは
、エンドトキシンが除去され、または実質的に除去された高度に精製されたプラ
スミドを提供する。得られたプラスミドには、酵素が混入していない。得られた
プラスミドは、タンパク質、染色体DNAおよび/またはRNAが除去され、または実
質的に除去されている。該プラスミドは、貴重なスーパーコイル形態を高率で有
する。
【0016】 本発明の方法は、有害または強烈な化学物質の使用を必要としない。本方法は
、酵素の使用を必要としない。本方法は、スケーラブルである。本方法は、高度
に精製されたプラスミドを小量で並びに大量に製造することができる。本方法に
おいて使用した膜は、再使用可能である。本方法は、今までの既知の多くの方法
と比較して、より迅速で、より時間がかからず、多大な労力を要しない。本発明
の方法は、プラスミド、特にスーパーコイル形態のプラスミドの分解をほとんど
または全く伴わずに、プラスミド含有液をプロセスする。
【0017】 本発明は、以下に、いくつかの態様および手順と関連して記載および開示され
ているが、本発明がこれらの特定の態様に限定することを意図するものではない
。むしろ、本発明の精神と範囲の範囲に該当するすべてのこのような別の態様お
よび改変をカバーすることを目的とする。
【0018】 (発明の具体的な記載) 本発明は、プラスミド含有液をプロセシングするための方法を提供する。本方
法は、迅速であり、高純度に精製されたプラスミドが得られる。該プラスミドは
、分解されず、かつ得られたプラスミドは、エンドトキシンが除去されているか
、または実質的に除去されている。
【0019】 一つの態様において、本発明は、プラスミドおよびエンドトキシンの含有液を
プロセシングするための方法であって、前記液を前記プラスミドの少なくとも一
部を結合する第一の膜および第二の膜と、前記エンドトキシンの少なくとも一部
を結合する第三の膜とを接触させることと、およびプラスミドが濃縮され、かつ
エンドトキシンが除去された液を得ることとを含む方法を提供する。
【0020】 特別な態様において、本発明は、プラスミド、タンパク質およびエンドトキシ
ンの含有液をプロセシングするための方法であって、(a)前記液を第一の膜と
接触して、前記プラスミドおよび前記エンドトキシンの少なくとも一部を結合す
ることと;(b)(a)に由来する前記第一の膜を溶出液と接触して、プラスミド
およびエンドトキシンを含む溶出液を得ることと;(c)(b)に由来する前記溶
出液を前記エンドトキシンの少なくとも一部を結合する第二の膜と接触すること
と;並びに(d)プラスミドが濃縮され、かつエンドトキシンが除去された液を
得ることとを含む方法を提供する。
【0021】 本発明は、もう一つの態様において、プラスミド、タンパク質およびエンドト
キシンの含有液をプロセシングするための方法であって、(a)前記液を第一の
膜と接触して、前記プラスミドおよび前記エンドトキシンの少なくとも一部を結
合することと;(b)(a)に由来する前記第一の膜を溶出液と接触して、プラス
ミドおよびエンドトキシンを含む第一の溶出液を得ることと、任意に(b')前記
溶出液を第二の膜と接触して、前記プラスミドおよび前記エンドトキシンの少な
くとも一部を結合することと、並びに(b'')(b')の前記第二の膜を溶出液と
接触して、プラスミドおよびエンドトキシンを含む第二の溶出液を得ることと;
(c)前記第一のまたは前記第二の溶出液を第三の膜と接触して、前記エンドト
キシンの少なくとも一部を結合することと;並びに(d)プラスミドが濃縮され
、かつエンドトキシンが除去された液を得ることとを含む方法を提供する。
【0022】 さらにもう一つの態様において、本発明は、プラスミド、エンドトキシン、並
びに染色体DNA、RNAおよびタンパク質からなる群から選択される少なくとも一以
上の混入物を含む第一の液をプロセシングするための方法であって、前記方法は
、(a)前記第一の液を第一の膜で処理して、前記第一の液と比較して前記プラ
スミドが濃縮された第二の液を得ることと、(b)前記第二の液を第二の膜で処
理して、プラスミドおよびエンドトキシンを含む第三の液を得ることと、(c)
前記第三の液を第三の膜で処理して前記エンドトキシンの少なくとも一部を結合
することと、並びに(d)プラスミドが濃縮され、かつエンドトキシンが除去さ
れた液を得ることとを含む方法を提供する。
【0023】 好ましい態様において、本発明の方法において使用される膜は、荷電されてお
り、たとえばイオン交換基である。したがって、本発明はプラスミド含有液をプ
ロセシングするための方法であって、プラスミド含有液を第一の正に荷電した膜
と第二の荷電した膜とに接触することと、並びに精製されたプラスミドを得るこ
ととを含む方法を提供する。好ましくは、第二の荷電した膜も正に荷電されてい
る。
【0024】 もう一つの態様において、本発明は、プラスミド含有液をプロセシングするた
めの方法であって、プラスミド含有液を第一の正に荷電した膜と、第二の正に荷
電した膜と、および第三の荷電した膜とに接触することと、並びに精製されたプ
ラスミドを得ることとを含む方法を提供する。好ましくは、第三の荷電した膜も
正に荷電されている。
【0025】 特別な態様において、本発明は、プラスミド、タンパク質およびエンドトキシ
ンの含有液をプロセシングするための方法であって、(a)前記液を、第一の正
に荷電した膜と接触して、前記プラスミドおよび前記エンドトキシンに結合する
ことと;(b)(a)に由来する前記第一の正に荷電した膜を溶出液と接触して、
前記プラスミドおよび前記エンドトキシンを含む溶出液を得ることと;(c)(b
)に由来する前記溶出液を、第二の荷電した膜と接触して、前記エンドトキシン
に結合することと;並びに(d)精製されたプラスミドを得ることとを含む方法
を提供する。
【0026】 もう一つの態様において、本発明は、プラスミド、タンパク質およびエンドト
キシンを含む液をプロセシングするための方法であって、(a)前記液を第一の
正に荷電した膜と接触して、前記プラスミドおよび前記エンドトキシンに結合す
ることと;(b)(a)に由来する前記第一の正に荷電した膜を溶出液と接触して
、前記プラスミドおよび前記エンドトキシンを含む溶出液を得ることと、任意に
(b')前記溶出液を第二の正に荷電した膜と接触して、前記プラスミドおよび前
記エンドトキシンに結合することと、並びに(b'')(b')の前記第二の正に荷
電した膜を溶出液と接触して、プラスミドおよび前記エンドトキシンを含む溶出
液を得ることと;(c)(b)または(b'')に由来する溶出液を第三の荷電した
膜と接触して、前記エンドトキシンに結合することと;並びに(d)精製された
プラスミドを得ることとを含む方法を提供する。
【0027】 さらにもう一つの態様において、本発明は、プラスミド、エンドトキシン、並
びに染色体DNA、RNAおよびタンパク質からなる群から選択される少なくとも一以
上の混入物を含む第一の液をプロセシングするための方法であって、前記方法は
、(a)前記第一の液を第一の正に荷電した膜で処理して、前記第一の液と比較
して前記プラスミドが濃縮され、かつ一以上の混入物が除去された第二の液を得
ることと、(b)前記第二の液を第二の正に荷電した膜で処理して、前記プラス
ミドおよびエンドトキシンを含む第三の液を得ることと、(c)前記第三の液を
第三の荷電した膜で処理して前記エンドトキシンに結合することと、並びに(d
)精製されたプラスミドを得ることとを含む方法を提供する。
【0028】 本発明にしたがってプロセスされるべきプラスミド含有液には、いずれの適切
なプラスミドも含むことができる。たとえば、該液は、原核生物または真核生物
(たとえば細菌または酵母)などのいずれの適切な供給源から調製されても、由
来してもまたは得られてもよい。好ましいプラスミド供給源は、大腸菌である。
プラスミドの例には、pGEM、pCAT、pUCl9およびpBR322を含む。その他の例とし
ては、F、Rl、Col、Col El、R6、Ent、CamおよびTlを含む。プラスミドは、開環
状、リニア、ニック入り、リラックス形態または好ましくはスーパーコイル形態
であってもよい。プラスミドは、高コピー数、低コピー数またはランナウェイ(
runaway)プラスミドであってもよい。それらは、選択可能遺伝子、ポリリンカ
ー、複製開始点、プロモーター、エンハンサー、リーダー配列、ポリアデニル化
部位および/または終止配列を含む遺伝的エレメントの範囲を含むことができる
【0029】 プラスミド含有液、たとえばプラスミドおよびエンドトキシンの含有液は、細
菌細胞から、たとえば次のように調製することができる。細菌細胞を、アルカリ
溶液、たとえば1% SDSを含む0.2M NaOHで溶解して、プラスミド、染色体DNA、RN
Aおよびタンパク質を含む可溶化液を得る。タンパク質および染色体DNAの大部分
は、塩溶液、たとえば3-4M 酢酸カリウム pH 5.5などの酸性化された酢酸カリウ
ムを添加することよって沈殿させることができる。沈降物は、布または紙フィル
ターなどのフィルターを介して、および任意に、0.2μmポリエーテルスルホン膜
などの微細孔膜(たとえばSUPORTM膜 (Pall Corp., East Hills, NY))を介して
フィルタリングすることによって除去することができる。一つの態様において、
該可溶化液は、20μmフィルター、0.7μmフィルターおよび0.2〜0.8μmフィルタ
ーを含むフィルタートレイン(filter train)で浄化することができる。
【0030】 本発明の態様にしたがって、浄化された可溶化液のろ液を、第一の膜、たとえ
ば第一の正に荷電した膜と接触させる。ろ液は、第一の膜と接触させる前に、た
とえば水で任意に希釈することができる。第一の膜は、プラスミドおよび態様に
より、エンドトキシンを結合する。好ましくは、第一の膜は、プラスミドと比較
して、タンパク質、染色体DNAおよび/またはRNAなどの混入物を弱く結合し、あ
るいはより好ましくは、膜は混入物を結合しない。
【0031】 典型的には、結合したプラスミドは膜から除去されないが、混入物は除去され
るような低イオン(または塩)濃度のバッファーで洗浄することによって、結合
したいずれのタンパク質、染色体のDNAまたはRNAをも第一の膜から除去すること
ができる。選択的に混入物を除去するために、たとえば約0.5M〜約0.6Mおよび好
ましくは約0.6MのNaCl溶液などの塩溶液の適切なバッファー溶液(たとえばTris
-HC)を使用することができる。本明細書において「溶出」の用語は、洗浄、除
去、脱離および/または抽出を含む当業者に既知のプロセスをいう。
【0032】 混入物を除去した後、結合したプラスミドをより高いイオン濃度、たとえば約
0.7〜約1.0Mまで、および好ましくは約0.8Mの塩溶液(たとえばNaCl溶液)の適
切なバッファー溶液で溶出することができる。適切なバッファーの例としては、
pH 8.0のTris-HClなどのTris緩衝液である。該バッファーは、pHが約7〜約9、お
よび好ましくは約9.0であってもよい。該バッファーは、約1mM〜約50mMのイオン
濃度を有することもできる。該バッファーは、たとえば約70ms/cmの伝導度を有
することもできる。
【0033】 図1は、ろ過した細菌(大腸菌)可溶化液と接触した第一の正に荷電した膜か
らの溶出液の組成物を例示する。膜(10mlの容量モジュールにおいて構成されて
いる)を可溶化液と接触する。該膜を、約300mlの保持容量までの0.5M NaClのTr
is緩衝液で溶出する。その後、0.5M〜1.0MのNaCl勾配のTris緩衝液を溶出のため
に使用する。401.94mlのピークは、プラスミドpGEMに対応する。より低い保持容
量の343.65、352.41、365.85および394.06mlのピークは、タンパク質、RNAおよ
び染色体DNAを含む混入物に対応する。約220mlまでの保持容量で溶出される混入
物には、オリゴヌクレオチドが含まれると考えられる。
【0034】 任意に、第一の膜(これは、プラスミドを結合する)を非イオン性界面活性剤
と接触させる。該膜を非イオン性界面活性剤と接触する前にまたは同時にプラス
ミド含有液に接触させることもできる。あるいは、該膜をプラスミド含有液中に
入れることによって、これを非イオン性界面活性剤と接触することもできる。
【0035】 いずれの適切な非イオン性界面活性剤を、たとえばエトキシル化されたアルキル
フェニルエーテルを使用することもできる。エトキシル化されたアルキルフェニ
ルエーテルの詳細な例には、TRITON X-100として利用可能なポリオキシエチレン
(10)イソオクチルフェニルエーテルがある。たとえば、プラスミド含有液は、非
イオン性界面活性剤溶液で、たとえば5% TRITON X-100溶液で、終濃度約1%の非
イオン性界面活性剤に稀釈した後、プラスミド含有液を膜に添加する。非イオン
性界面活性剤の使用により、プラスミドの純度が増加する。非イオン性界面活性
剤は、プラスミドを結合させる膜にエンドトキシンが結合するのを防止または減
少すると考えられる。
【0036】 さらなる選択として、特に混入物が過剰のときは、第一の膜から得られる溶出
液を第二の膜(これはプラスミドを結合する)によってプロセスすること、たと
えば、接触するように配置することもでき、精製が繰り返される。たとえば、40
1.94mLまたは約401.94mLで溶出される画分(図1)を集めて、第二の膜と接触す
ることもできる。
【0037】 本方法の好ましい態様において、プロセスすべきプラスミド含有液を第一の膜
と接触し、その結果相当量たとえば50%以上の混入物が、本プロセスのこの側面
の間に容易に除去される。第一の膜から得られる溶出液には、プラスミド、エン
ドトキシンが含まれ、かつタンパク質、染色体DNAおよび/またはRNAなどの混入
物量が減少している。第一の膜からの溶出液をさらに精製するために、任意の第
二の膜が使用される。タンパク質、染色体DNAおよびRNAなどの残留混入物は、膜
に強く結合しないか、または容易に洗い落とすことができるので、これらの混入
物は、この任意のプロセシングの間に第二の膜によって除去される。結合したプ
ラスミドおよびエンドトキシンを、適切な溶出液で第二の膜から溶出する。
【0038】 生じた溶出液は、プラスミドが濃縮されており、タンパク質、並びに染色体DN
A、RNAおよびエンドトキシンなどのその他の混入物が減少している。プラスミド
に富む溶出液を、本発明の方法にしたがって第二の膜(これは、エンドトキシン
を結合する)と接触する。任意の第二の膜を使用してプラスミドを結合する場合
、エンドトキシンを結合させるために使用した膜を、第三の膜として適用するべ
きである。
【0039】 エンドトキシンを結合する第二の膜(または場合により第三の膜)は、好まし
くは荷電されている。第二の膜は、正に荷電されていてもよく、または負に荷電
させることもできる。正に荷電した膜が好ましい。第二の荷電した膜は、プラス
ミドよりも高い親和性および/または容量でエンドトキシンを結合する。プラス
ミド、エンドトキシンおよびその他のあらゆる混入物が付加した第二の荷電した
膜を、約0.5M〜約0.6Mまで、好ましくは0.6Mの濃度のNaCI溶液などの塩溶液で洗
浄し、タンパク質、RNAおよび/または染色体DNAを除去する。続いてこれを勾配
溶出する。ここで、塩濃度は、段階的に(たとえば約0.5M〜約0.8Mまで)増加さ
せる。プラスミドは、勾配溶出の間に溶出される。このプロセスよって得られた
プラスミドは、エンドトキシン(たとえば一以上のリポポリサッカリド)が除去
されたか、または実質的に除去されている。
【0040】 プラスミドは、当業者に周知の方法により、たとえば限外ろ過/ダイアフィル
トレーションにより溶出液から回収することができる。これは、たとえば接線方
向流ろ過型式で行われてもよい。好ましくは、上で得られたプラスミドに存在す
る塩を除去するために、ダイアフィルトレーションが使用される。適切なダイア
フィルトレーション膜、たとえば約30,000〜約300,000、および好ましくは約70,
000〜約100,000のMWCOを有するものなどの限外ろ過膜のいずれを使用することも
できる。適切なダイアフィルトレーション溶液、たとえば10mM Tris-HCl pH 8.0
;1mm EDTAを使用することもできる。生じたプラスミド溶液を濃縮してプラスミ
ド濃縮物を得ることもできる。
【0041】 プラスミド溶液は、当業者に周知の方法により、たとえば接線方向流ろ過によ
り、ナノろ過膜(nanofiltration)または逆浸透膜を通して濃縮することもでき
る。プラスミドは、たとえば、約0.1〜約0.2μmおよび好ましくは、0.2μmの細
孔規格を有する膜などの微細孔膜を通してろ過滅菌して、滅菌することもできる
。したがって、単離されたプラスミドは、高純度であり(かつ高収率で生産する
ことができる)、遺伝子治療を含む多くのクリティカルな用途に適している。
【0042】 本発明の方法は、一つの態様において、スーパーコイル型プラスミドの含有液
をプロセスするために特に適しており;もう一つの態様において、リラックス型
プラスミドの含有液をプロセスするために適している。
【0043】 第一の膜は、プラスミドの結合能を有すいずれの適切な膜であってもよい。こ
のような膜の例が、2000年8月31日に公開された国際公開番号WO00/50161に開示
されている。好ましい態様において、第一の膜は正に荷電され、さらに好ましい
態様において、第一の正に荷電した膜は、親水性である。一つの態様において、
第一の正に荷電した親水性膜は、多孔性の基質および架カチオン性基を含む架橋
コーテングを含む。好ましくは、架橋コーテングは、架橋ポリアミン、たとえば
ポリエチレンイミン(PEI)などのポリアルキレンイミンを含む。
【0044】 第一の正に荷電した膜のカチオン性基は、アンモニウム、スルホニウム、ホス
ホニウムまたはその他の基、好ましくはアンモニウム基であることができる。好
適なアンモニウム基は、テトラアルキルアンモニウム基などの四級アンモニウム
基である。カチオン性基は、好ましくはペンダント基として存在する。カチオン
性基は、バックボーンの一部としてではなくペンダント基として存在するときの
ほうが、強い結合能および/または選択性を与えると考えられる。
【0045】 カチオン性基は、架橋されたコーテングポリマーのバックボーンに直接(すな
わちスペーサなしで)またはスペーサ基を介して連結することができる。好まし
くは、該結合は、スペーサ基を介している。スペーサ基の例には、ヒドロキシ、
ヒドロキシアルキル、アミノ、アミノアルキル、アミド、アルキルアミド、エス
テルおよびアルコキシアルキルからなる群から選択される一以上の部分を含む。
スペーサ基のさらなる例には、ヒドロキシアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキ
シアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキルヒドロキシアル
キル、アルキルアミノアルキルおよびアルキルアミドからなる基から選択される
一以上の部分を含む。好適なスペーサ基は、ヒドロキシアルキルである。スペー
サ基により、空間的な電荷分離および処理された物質(特にプラスミド)と固定
された電荷が相互作用する機会の増加を提供すると考えられる。スペーサ基は、
強い結合能および/または選択作用を提供する。
【0046】 スペーサ基は、いずれの適切な長さであることもでき、たとえばスペーサ基は
、1〜約10原子(たとえば炭素原子)を有する基であることもできる。したがっ
て、スペーサ基は、長さ1〜約10の炭素原子、好ましくは長さ2〜約6の炭素原子
、より好ましくは、長さ3の炭素原子であることができる。
【0047】 カチオン性基は、どのような適切な方法よって提供されてもよい。たとえば、
ポリアミンを、カチオン性基を有するグリシジル化合物と接触させて、その結果
ポリアルキルアミンなどのポリアミンの一級または二級アミノ基でエポキシ環を
開裂することもできる。さらに、PEIなどのポリアミン溶液を、たとえばグリシ
ジルトリメチル塩化アンモニウム(glycidyl trimethylammonium chroride)と
結合または反応することもでき、ヒドロキシアルキル基を介して連結されたトリ
メチル塩化アンモニウムペンダント基を有するポリアミンを得ることもできる。
【0048】 ある態様において、カチオン性基は、カチオン性基を有するポリグリシジル化
合物などのグリシジル化合物との反応を介してPEIに結合される。ポリグリシジ
ル化合物の例には、エチレングリコールジグリシジルエーテルまたはブチレング
リコールジグリシジルエーテルなどのポリアルキレングリコールポリグリシジル
エーテルがある。
【0049】 好ましい態様において、第一の正に荷電した膜には、親水性多孔質ポリエーテ
ルスルホン基質と、ペンダント四級アンモニウム基を有するPEIおよびポリアル
キレングリコールポリグリシジルエーテルの反応生成物を含む架橋されたコーテ
ングとを含む。
【0050】 第一の正に荷電した膜の一態様では、次のように調製することができる。多孔
性基質、好ましくは親水性多孔質基質にコーテング組成物を供給し、コートされ
た基質を硬化させることよって膜を調製することができる。コーテング組成物は
、たとえば適切な溶媒中にポリアミンを溶解して調製することができる。好適な
溶媒には、水、メタノール、エタノールおよびプロパノールなどの低沸点アルコ
ール、並びにそれらの併用を含む。溶媒は、コーテング組成物の重量の約40%〜
約99%の量および好ましくは、約90%〜約99%の量で存在していてもよい。ポリア
ミンは、コーテング組成物の重量の約1%〜約5%の量および好ましくは、約2.5%の
量で存在していてもよい。
【0051】 親水性多孔質基質は、いずれの適切な物質から作製することもでき;好ましく
は、該基質にはポリマーを含む。適切なポリマーの例には、ポリ芳香族、ポリス
ルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、酢酸セルロースおよび硝酸セルロースなどのセルロース誘導体ポリマー
、フルオロポリマー、並びにPEEKを含む。芳香族ポリスルホンが好ましい。芳香
族ポリスルホンの例には、ポリエーテルスルホン、ビスフェノールAポリスルホ
ンおよびポリフェニルスルホンを含む。ポリエーテルスルホンが、特に好ましい
。親水多孔質基質は、いずれの適切な細孔径を有することもできる、たとえば約
0.01または約0.03μm〜約10μm、好ましくは約0.1μm〜約5μmおよびより好まし
くは、約0.2μm〜約5μmである。親水性多孔質基質は、非対称または対称である
こともできる。
【0052】 親水性多孔質基質は、当業者に既知の方法よって調製することができる。たと
えば、転相プロセスよって調製することができる。したがって、ポリマー、溶媒
、ポア形成剤、湿潤剤および任意に少量の非溶媒を含む溶液を、好ましくは高温
で成分を合わせて混合することよって調製される。生じた溶液をろ過して、あら
ゆる不純物を除去する。ろ過した溶液を、シートまたはホローファイバー形態に
鋳造または押出し成形する。生じたシートまたはファイバーを転相膜としてセッ
トするか、またはゲル化させる。このようにセットした膜は、浸出されて溶媒お
よびその他の可溶性成分が除去される。
【0053】 多孔性基質は、当業者に既知の方法によって、たとえば浸漬塗装、スプレー塗
装、メニスカスコーテング、その他によって、コーテング組成物でコーテングす
ることができる。浸漬塗装は、たとえば次のように行うことができる。基質を、
所与の十分な期間組成物に浸漬し、確実に細孔壁をコーテングする。液浸時間は
、約1秒〜約5.0分、好ましくは約1秒〜約1.0分およびより好ましくは、約0.1分
〜約0.3分であればよい。液浸に続いて、重力下で基質を流し出すことよってま
たはスキージもしくはエアナイフを使用することによって、過剰なコーテング組
成物を除去する。コーテング組成物の硬化または架橋を生じさせるために、生じ
たコート済みの基質を硬化する。したがって、たとえば膜を130℃以下、たとえ
ば約50℃〜約130℃の温度で、好ましくは約70℃〜約130℃の温度で適切な期間(
この期間は、約5分〜約60分、好ましくは約10分〜約30分の範囲で変動すること
ができる)硬化することができる。生じた膜を洗浄して膜の中のあらゆる抽出物
を浸出することもできる。実例として、膜を熱水中で(たとえば73℃以上に保た
れた脱イオン水中で)浸出することができる。生じた膜を空気中またはオーブン
内で乾燥して水を除去する。したがって、調製した第一の正に荷電した膜は、プ
ラスミドを結合することができる。複数の態様において、第一の正に荷電した膜
は、約15mg/mL〜約25mg/mLのプラスミドを膜に結合する能力を有する。
【0054】 本発明の態様に従って、選択的にエンドトキシンを結合する第二の膜は、荷電
されており、正に荷電させまたは負に荷電さえることもできる。正に荷電した膜
が好ましい。このような膜の例が、2000年11月23日公開された国際公開番号WO00
/69549に開示されている。膜は、好ましくは親水性膜であり、およびより好まし
くは、親水性の正に荷電した微細孔膜である。
【0055】 ある態様において、第二の膜は、多孔質疎水性基質および電荷供給剤を含有す
るコーテングを含む。電荷供給剤は、ポリマー、たとえば四級アンモニウム基を
含む正に荷電したポリマーであることもできる。このようなポリマーの例には、
四級アンモニウム基を含むポリアミンがある。ポリアミンは、たとえばエポキシ
基の環開裂反応を介して架橋されていることが、さらに好ましい。
【0056】 好適な正に荷電したポリマーの例には、PEI、より好ましくは四級アンモニウ
ム基を含有するように修飾されたPEIを含む。実例として、修飾されたPEIは、PE
Iをエピクロロヒドリンと反応させて、その結果PEIの三級アミノ基の一部または
全てを四級アンモニウム基に転換することによって調製することができる。また
、このようなエピクロロヒドリン修飾されたPEIsは、商業的に得ることができる
。たとえば、LUPASOLTM SC-86Xは、エピクロロヒドリン修飾されたPEIであり、M
ount Olive, NJのBASF社から入手可能である。好ましくは、正に荷電したポリマ
ーには、さらに四級ポリアミン、たとえばポリジメチルアミンなどのポリジアル
キルアミンを含む。四級化されたポリアミンの例として、ポリ(ジメチルアミン
-コ-エピクロロヒドリン)があり、Ontario, NYのScientific Polymer Products
, Inc.のカタログ番号652として入手可能である。
【0057】 疎水性基質は、いずれの適切な物質を含んでいてもよく;好ましくは、該基質
は、疎水性ポリマーを含む。疎水性ポリマーの例には、ポリスルホン、ポリオレ
フィン、ポリスチレン、ポリ芳香族、セルロース誘導体、ポリエステル、並びに
芳香族ポリアミドおよび長いアルキルセグメント(たとえばC8-C16セグメント)
を有する脂肪族ポリアミドなどのポリアミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリカーボネート、並びにPEEKを含む。芳香族ポリスルホンが好まし
い。芳香族ポリスルホンの例には、ポリエーテルスルホン、ビスフェノールAポ
リスルホンおよびポリフェニルスルホンを含む。ポリエーテルスルホンが特に好
ましい。疎水性多孔質基質は、非対称または対称であることができる。
【0058】 多孔質疎水性基質は、いずれの適切な細孔径を有していてもよく、たとえば約
10μm以下の細孔径(たとえば約0.1μm〜約10μm、好ましくは約0.1μm〜約5μm
、およびより好ましくは、約0.2μmから約1μmである。
【0059】 多孔質疎水性基質は、当業者に既知の方法よって調製することができる。たと
えば、転相プロセスよって調製することができる。したがって、疎水性ポリマー
、溶媒、ポア形成剤および任意に少量の非溶媒を含むキャスティング溶液を、合
わせて成分を混合することより、好ましくは高温において調製される。生じた溶
液をろ過して、あらゆる不溶物または不純物を除去する。キャスティング溶液を
シートまたはホローファイバー630の形態に鋳造または押出し成形する。生じた
シートまたはファイバーを転相膜としてセットさせ、またはゲル化させる。膜を
浸出して、溶媒およびその他の可溶性成分を除去する。
【0060】 第二の膜(この膜は、選択的にエンドトキシンを結合する)の態様は、次のよ
うに調製することができる。多孔質疎水性基質を電荷供給剤またはその前駆体を
含むコーテング組成物と接触させる。接触は、好ましくは電荷供給剤またはその
前駆体が疎水性基質の細孔壁をコートするように行われる。したがって、たとえ
ば電荷供給剤またはその前駆体を疎水性基質と相溶性の適切な溶媒に溶解して、
その後に溶液が該基質と接触して配置されるように提供することもできる。好適
な溶媒には、水、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどの低沸点
アルコール、並びにこれらの組合せを含む。溶媒は、コーテング組成物の重量の
約80%〜約99%の量、および好ましくは約88%〜約97%の量で存在していてもよい。
【0061】 正に荷電した膜を調製するためには、ポリアミンまたはポリアミン前駆体の混
合液は、典型的にはコーテング組成物の重量の約0.5%〜約20%の量、好ましくは
約1%〜約9%の量で存在する。加えて、コーテング組成物は、たとえばpHレベルを
約9.5〜約11.5および好ましくは、約10.5〜約11.0で提供するために、pH長製剤
を含んでいてもよい。pHは、塩基(たとえば水酸化カリウムなどのアルカリ)を
使用して調整することができる。
【0062】 多孔性基質は、当業者に既知の方法によって、たとえば浸漬塗装、スプレー塗
装、メニスカスコーテング、その他によって、コーテング組成物でコーテングす
ることができる。浸漬塗装は、たとえば次のように行うことができる。基質を適
切な期間組成物中に浸漬する。たとえば、液浸時間は、約1秒〜約15分、好まし
くは約2秒から約15秒、およびより好ましくは、約3秒〜約5秒である。
【0063】 液浸に続いて、過剰なコーテング組成物を、たとえばスキージもしくはエアナ
イフを使用することによって排出または除去することができる。生じたコート済
み基質を加熱して溶媒を除去し、ある態様においては、電荷供給重合剤中で前駆
体を硬化することができる。したがって、たとえば前駆体の水/エタノール溶液
(たとえばPEI修飾エピクロロヒドリンおよび四級化ポリ(ジメチルアミン-コ-
エピクロロヒドリン))、並びに塩基(たとえば水酸化カリウム)を準備する。
【0064】 疎水性基質(たとえば多孔性ポリエーテルスルホンシート)を約3秒間コーテ
ング組成物中に浸漬する。過剰なコーテング組成物を排出または除去して、次い
で基質を硬化させる。たとえばオーブン内で約90℃〜約150℃の温度で、好まし
くは約130℃〜約140℃の温度で適切な期間硬化させる。したがって、たとえば膜
を130℃において約5分〜約30分間硬化することができる。基質は、約15分〜約30
分間、135℃において硬化させることができる。生じた膜を洗浄して膜の中のあ
らゆる抽出物を洗浄して浸出させることもできる。実例として、膜は沸騰した脱
イオン水中で浸出することもできる。生じた膜を空気中またはオーブン内で乾燥
して水を除去する。
【0065】 議論したように、第二の膜は、エンドトキシンを結合する。第二の膜のエンド
トキシン結合能は、いずれの適切な方法よって示されてもよい。実例として、以
下の方法が提供される。プラスミド(たとえば23g/mlの濃度のpGEM)および1.2
×103EU/mLの濃度のエンドトキシンを含む0.75M NaCl-50mM Tris−buffer pH8
の試料溶液を、25mmの正に荷電した膜盤(ろ過面積推定値= 3.7cm2)と接触する
ように配置することもできる。試料溶液の流速は、1mL/分(線流速=0.27cm/分)
に保持することができる。1mlの溶出液画分を回収して、エンドトキシン濃度を
、たとえばパイロージェンフリー水で1:10に稀釈した後に、標準リムルス変形
細胞可溶化液(LAL)アッセイによって測定することができる。LALアッセイの検
出限界は、0.5EU/mLである。
【0066】 エンドトキシンは、最初の数画分(たとえば最初の10画分)では、検出されな
い。次の10画分では、エンドトキシンの濃度は、2EU/mL未満であり、さらなる10
画分では、4EU/mL未満であり、その次の10画分では、10EU/mL未満である。
【0067】 好ましい態様において、第二の(または第三の)膜は、水中並びに0.9%塩類溶
液において、少なくとも約100,000Eu/cm2、たとえば約120,000Eu/cm2〜約200,00
0Eu/cm2、好ましくは約130,000Eu/cm2を超えるエンドトキシン結合能を有する。
さらなる好ましい態様において、膜は、0.15M NaClを含む10mM Tris−buffer pH
8中において、少なくとも約50,000Eu/cm2、たとえば約50,000Eu/cm2〜約150,000
Eu/cm2またはこれ以上、および好ましくは、約100,000Eu/cm2を超えるエンドト
キシン結合能を有する。
【0068】 第二の膜(これはエンドトキシンを結合する)は、プラスミドおよびエンドト
キシンを含むサンプルからエンドトキシン濃度を減少させるのに適している。該
膜の態様としては、核酸(たとえばプラスミドDNA)サンプルに存在するエンド
トキシンを、1000EU/mL以上の液から10EU/mL未満(>2logs)に減らすことができ
る。エンドトキシン濃度は、52,000EU/mg以上のプラスミドDNAから500EU/mg未満
のプラスミドDNAに減少することができる。
【0069】 タンパク質、染色体DNAなど、その他の混入物を含む生体試料では、第二の膜
のある態様では、プラスミドmgあたりのエンドトキシン濃度を20分の一に減少さ
せる。プロセスのまたは膜のパラメータを適切に選択することによって(たとえ
ば膜面積の増加、非イオン性界面活性剤と第一の膜との接触、および/または細
菌可溶化液の希釈によって)、さらに減少されることが予期される。
【0070】 本発明の方法は、広範な量のプラスミドを精製することのために適切な方法で
ある。たとえば、ナノグラム〜キログラムの量のプラスミドを精製することがで
きる。ある態様において、約1グラム〜約20グラムの量でプラスミドを得られ、
またはプロセスすることができる。プラスミド収率は高く、たとえばある態様に
おいて、収率は重量の約70%より高く、および好ましくは約99%より高い。
【0071】 精製されたプラスミドは、スーパーコイル形態を高含量で有する。たとえば、
スーパーコイル形態は、重量の約90%および好ましくは約95%より多い。リラック
ス形態または開環形態のものは、重量の約10%未満および好ましくは約5%未満で
ある。
【0072】 本発明の方法により、混入物を非常に低含量で含有する精製プラスミドが生産
される。たとえば、エンドトキシンは、約50EU/mgプラスミド未満しか存在せず
、いくつかの態様では、約10、2または0.4EU/mgプラスミド未満の量である。染
色体DNA含量は、重量の約1%未満および好ましくは約0.5%未満である。RNA含量は
、重量の約1%未満および好ましくは約0.2%未満である。タンパク含有量は、重量
の約1%未満および好ましくは約0.1%未満である。
【0073】 本発明の態様において使用される膜は、プラスミドまたはエンドトキシンを結
合するように広い表面領域に接触可能であるため、特に有用である。多孔性構造
は、膜の結合部に対し、比較的制限なくまたは自由にアクセスすることが可能で
ある。第一の正に荷電した膜の多孔性基質のペンダントイオン交換基並びに親水
性の性質により、プラスミドの選択的結合が容易にまたは強化される。第二の荷
電した膜の多孔性基質におけるイオン交換基並びに疎水性の性質により、エンド
トキシンの結合が容易にまたは強化される。
【0074】 膜は、いずれの適切な形態に形成することもでき、たとえば装置を提供するこ
ともできる。たとえば、該装置は、複数の膜、たとえば多層のフィルターエレメ
ントを提供するための膜を、またはクロマトグラフィーに使用するための膜モジ
ュールなどの膜モジュールを提供するために積み重なったものを含んでいてもよ
い。
【0075】 一つの態様において、該装置は、2以上のタイプの膜、たとえばプラスミドを
結合する膜とエンドトキシンを結合する膜;第一の正に荷電した膜と第二の荷電
した膜;または第一の正に荷電した膜と、第二の正に荷電した膜と、および第三
の荷電した膜;を含むことができる。
【0076】 膜は、小さい容積または大きい容積の装置として構成することができる。たと
えば、第一の正に荷電した膜は、好ましくは約1L〜約10L未満、またはそれ以
上の容積容量を有する膜カートリッジなど、大きい容積の装置として構成される
。適切なカートリッジ形状の例には、一般に膜がひだ状形態の円柱形媒体などの
、英国特許出願GB2275626Aに開示されたものを含む。膜のオーバーラップ層を含
む多層構造を提供することもできる。
【0077】 実例として、該装置は、実質的に平らなまたはひだ状形の第一のまたは第二の
膜を含有するフィルターエレメントを含むこともできる。一つの態様において、
該フィルターエレメントは、くぼんだ一般に円柱形態を有することもできる。必
要に応じて、該装置は、さらに上層よび/または下層の支持体層またはドレナー
ジ層を含むこともできる。該装置は、複数の膜の層を含むこともできる。チュー
ブ状または繊維状の膜の態様としては、チューブまたは繊維の束状構造を、それ
らの端をたとえば接着剤を使用してビン詰めにすることよってモジュールに転換
することができる。膜カートリッジは、筐体およびエンドキャップを含むことに
よって、液のシールおよび少なくとも一つの入口と少なくとも一つの出口とを提
供するように構成することもできる。
【0078】 第二の膜は、好ましくは約1ml以上〜約100ml以上の容積容量のモジュールなど
の小容量の装置として構成される。適切な構成例が、国際公開番号WO00/50888お
よびWO00/50144(いずれも2000年8月31日に公開された)に開示されている。た
とえば、モジュールには、くぼんだ筐体構成メンバと、くぼんだ筐体の構成メン
バに積み重ねられた複数の膜と、および積み重ねられた膜とくぼんだ筐体構成メ
ンバ間を配置して、かつ積み重ねられた膜の外周を封止するシーラントとを含む
こともできる。
【0079】 第二の膜または第三の膜(たとえば、プラスミドよりもエンドトキシンに対し
て高い親和性を有する膜)は、いずれの適切な形態に構成することもでき、好ま
しくは、上述したモジュールなどの小容量の装置として構成することもできる。
【0080】 また、本発明の方法に使用される膜は、マイクロタイタープレートに、たとえ
ばハイスループットマイクロタイタープレートとして使用するために構成するこ
ともできる。一つの態様において、該膜は、スピンカラムとして使用するために
構成することもできる。
【0081】 本発明に従って膜を使用することにより、吸着剤として従来の樹脂またはビー
ズを使用する多くの方法と比較して、大量のプラスミドを精製することができる
。本発明によれば、膜を通過する液の流速は比較的速く、かつ圧力損失は比較的
低くすることができる。第一の正に荷電した膜に対するプラスミドの結合は、ほ
とんど瞬時に起こる。第二の荷電した膜は、ほとんど瞬時にエンドトキシンを結
合する。本方法は、比較的短時間で実施することができるので、プロセシングの
間にプラスミドがほとんど分解しない。たとえば、スーパーコイル形態のプラス
ミドが、ニックを受けない。
【0082】 本発明の態様よって得られたプラスミドは、高純度であり、制限酵素消化、ク
ローニング、PCR、ライゲーションおよびシークエンシングに、並びに遺伝子治
療を含む多くの用途に使用することができる。
【0083】 本発明は、さらに、上記した通りの少なくとも2枚の膜(たとえば第一の正に
荷電した膜と第二の荷電した膜などの第一の膜と第二の膜)を含むプラスミド含
有液をプロセシングするためのシステムを提供する。一つの態様において、該シ
ステムは、多孔性基質およびペンダントカチオン性基を有する架橋コーテングを
含む第一の正に荷電した膜と、並びに第二の荷電した膜とを含む。もう一つの態
様において、該プラスミド含有液をプロセシングするためのシステムは、第一の
正に荷電した膜と、親水性でかつ多孔質疎水性基質および電荷供与剤を含有する
コーテングを含む第二の荷電した微細孔膜とを含む。さらなる態様において、該
システムは多孔性基質およびペンダントカチオン性基を有する架橋コーテングを
含む第一の正に荷電した膜と、親水性でかつ多孔質疎水性基質および電荷供与剤
を含有するコーテングを含む第二の荷電した微細孔膜とを含む。
【0084】 加えて、該システムは、第一の膜にプラスミド含有液を提供することのための
装置;第二の膜とプラスミド含有溶出液を接触させるための装置;並びに第一の
膜および第二の膜を溶出させるための装置を含むこともできる。
【0085】 さらに、本発明は、膜装置、たとえば第一の正に荷電した膜と第二の荷電した
膜などのプラスミドを結合する膜とエンドトキシンに結合する膜とを含む膜ベー
スのクロマトグラフィー装置を含むシステムを提供する。該装置は、いずれの適
切な形態であってもよい。たとえば、該装置は、入口と出口間の液流路を規定す
る少なくとも一つの入口および少なくとも一つの出口を含む筐体と、液流路を横
切って配置(十字流)されるか、または液流路の接線方向に配置(接線方向流)
された膜を含む。たとえば、処理すべき液を表面膜の接線方向に(たとえば、一
部の液は、第一の表面から第二の表面へ、第一の出口を通過することができ、他
の一部が、第一の表面を第二の出口に横切ることができる)通過するか、または
膜表面に垂直に通過することもできる。
【0086】 本発明は、さらにプラスミド含有液をプロセスするためのキットを提供する。
該キットは、プラスミドを結合する膜およびエンドトキシンを結合する膜、たと
えば第一の正に荷電した膜および第二の荷電した膜、並びに一以上のバッファー
および塩溶液を含む。該膜は、小さく、使いやすいクロマトグラフィー装置とし
て提供することもできる。
【0087】 また、本発明は、種々の形態のプラスミド混合物、たとえばスーパーコイル形
態および開環状形態のプラスミドを含む液をプロセスするための方法を提供する
。該方法は、プロセスするための液を第一の正に荷電した膜と接触させることを
含む。結合したプラスミドは、溶出させること、すなわち適切な溶出液たとえば
適切なバッファー(たとえばTris)のNaCI溶液を使用して膜から除去または洗い
出すこともできる。種々の形態のプラスミドを、たとえばリラックス形態または
開環状形態からスーパーコイル形態を、たとえば結合および溶出の条件、たとえ
ば使用する溶出液の塩のタイプと濃度を調整することよって、互いに分離するこ
ともできる。リラックス型開環状形態と比較してスーパーコイル形態を結合する
ために好ましい条件または環境は、10mM Tris-HClバッファー pH 8.0の約0.62M
NaCI溶液などの塩/緩衝液を提供することを含む。あるいは、または加えて、塩/
緩衝液の導電率は、約60〜約64ms/cmである。
【0088】 図2は、溶出液の組成物を、スーパーコイル形態および開環状形態のβ-ガラク
トシダーゼレポータープラスミドを含むサンプルと接触した第一の正に荷電した
膜の保持容量の関数として表す。該膜は、ポリエーテルスルホンの支持体および
四級アンモニウム基を有するPEIの架橋コーテングを含み、該コーテングは、エ
チレングリコールジグリシジルエーテルの使用することによって架橋される。
【0089】 サンプルには、スーパーコイル形態を重量の約95%、および開環状形態を重量
の約5%含む。
【0090】 図2から分かるように、膜により、スーパーコイル形態プラスミド(大きいピ
ーク)から、開環状形態プラスミド(小さいピーク)を分離される。分解能は、
優れている。該方法は、小規模、たとえば分取規模から大規模まで変更可能であ
る。
【0091】 以下の実施例は、さらに本発明を例示するが、いかなる点においてもその範囲
を限定するものと解釈されるべきでない。
【0092】
【実施例】
本実施例は、発明の態様にしたがってプラスミド含有液をプロセスする方法を
例示する。
【0093】 pGEMプラスミドを含む20グラムの大腸菌細胞を、細胞1グラムにつき10mM EDTA
を含む50mM Trisバッファー pH 8.0 150mlに懸濁する。細胞を、同体積の、1% S
DSを含む0.2M NaOH溶液に添加し、約3-5分間ゆっくりと混合することによって溶
解する。300mlの4M酢酸カリウム溶液を添加して、タンパク質、染色体DNAおよび
RNA混入物の主要画分を沈殿させる。生じた未精製の可溶化液を、DACRONTMfabri
cを通して、0.2μm SUPOR CAPTM (Pall Corp., East Hills, NY)フィルターカー
トリッジを通してろ過する。
【0094】 上で得られたろ液を、水で約90 ms/cmの伝導度に希釈する。希釈したろ液を、
ポリエーテルスルホンの支持体および四級アンモニウム基を有するPEIの架橋コ
ーテングを含有する第一の正に荷電した膜を含むカートリッジに添加して、エチ
レングリコールジグリシジルエーテルすることを使用することによって架橋コー
テングをする。第一の正に荷電した膜は、20mg/mlのプラスミド結合能を有する
【0095】 膜に結合した混入物を、pH 8.0の10mM Trisバッファーの0.60M NaCl溶液で洗
い流す。結合したプラスミドをpH 8.0の10mM Trisバッファーの1.0M NaCl溶液で
溶出させ、さらなるプロセシングのためのプラスミドプールとして回収する。
【0096】 上で得られたプラスミドプールを、任意に50 ms/cmの伝導度に水で希釈して、
上記の第一の正に荷電した膜を含む10ml容量のクロマトグラフィーモジュールに
添加する。該モジュールを0.5M NaCl溶液で洗浄して、タンパク質、RNAおよび染
色体DNAを除去し、続いて勾配溶出を行う。勾配溶出の間に、スーパーコイル形
態プラスミドは、約67〜約70mS/cmの伝導度の溶出液で溶出する。
【0097】 勾配溶出液から得られたプラスミドプールを同量の水で希釈して、多孔質疎水
性ポリエーテルスルホン基質と、エピクロロヒドリン修飾PEIおよび四級化ポリ
(ジメチルアミン-コ-エピクロロヒドリン)含有する架橋コーテングを含む第三
の荷電した膜を通す。この膜は、エンドトキシンを結合する。ろ液には、高度に
精製されたプラスミドが含まれる。プラスミドは、RNAフリーまたは実質的にRNA
フリーであるが、該プロセスにおいてRNaseは、使用されていない。また、プラ
スミドは、タンパク質フリーまたは実質的にタンパク質フリーである。
【0098】 ろ液を含むプラスミドを、約100,000のMWCOを有する膜を通してダイアフィル
トレーションにかける。生じたプラスミド溶液を、接線方向流ろ過によって回収
する。濃縮物を滅菌ろ過にかける。生じたプラスミドは、多くの医薬用途に適し
ている。
【0099】 本願明細書において引用した、刊行物、特許および特許出願を含む引例の全て
は、参照よってその全体が本明細書に援用される。
【0100】 本発明は、図と例をあげて、一部が詳細に記載されているが、本発明は種々の
変更形態および他の形態の影響を受けやすいこと、および記載された特定の態様
に制限されないことが理解されるべきであり。これらの特定の態様が、発明を限
定することを目的としないことは理解されるべきであるが、これに反して本目的
は、全ての変更形態、均等物および本発明の精神および範囲内に該当する変形例
を包含する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、細菌可溶化液と接触したプラスミド結合膜からの溶出液の組成物を、
保持容量の関数として表す。x軸は、保持容量をmLで表す。曲線1-3において、左
のy軸は、260nm(曲線2)および280nm(曲線3)の溶出液の吸光度(milli吸光度
ユニットまたは"mAU")を、および260nm(曲線1)の基線を表す。曲線4において
、右のy軸は、溶出液の伝導度(milli Siemens/cmまたは"mS/cm")を表す。401.
94mlのピークは、プラスミドに対応する。
【図2】 図2は、β-ガラクトシダーゼ・レポーター・プラスミドのスーパーコイル形態
および開環状形態を含む試料と接触した第一の正に荷電した膜からの溶出液の組
成物を、保持容量の関数として表す。x軸は、保持容量をmLで表す。y軸は、曲線
1が吸光度(mAUとして)を、および曲線2が伝導度(mS/cmとして)を表す。膜に
より、スーパーコイル形態のプラスミド(大きいピーク)から開環状形態のプラ
スミド(小さいピーク)を分離することが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 キンゼー、ジョー・エル・ジュニア アメリカ合衆国、アリゾナ州 36544− 0934 アービントン、ビバリー・ロード 9776 Fターム(参考) 4B024 AA20 CA01 HA20

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスミドおよびエンドトキシンの含有液をプロセシングす
    るための方法であって、前記液を、前記プラスミドの少なくとも一部を結合する
    第一の膜と、前記エンドトキシンの少なくとも一部を結合する第二の膜とに接触
    させることと、およびプラスミドが濃縮され、かつエンドトキシンが除去された
    液を得ることとを含む方法。
  2. 【請求項2】 プラスミドおよびエンドトキシンの含有液をプロセシングす
    るための方法であって、前記液を、前記プラスミドの少なくとも一部を結合する
    第一の膜および第二の膜と、前記エンドトキシンの少なくとも一部を結合する第
    三の膜とに接触させることと、プラスミドが濃縮され、かつエンドトキシンが除
    去された液を得ることとを含む方法。
  3. 【請求項3】 プラスミド、タンパク質およびエンドトキシンの含有液をプ
    ロセシングするための方法であって、(a)前記液を第一の膜と接触して、前記
    プラスミドおよび前記エンドトキシンの少なくとも一部を結合することと;(b
    )(a)に由来する前記第一の膜を溶出液と接触して、プラスミドおよびエンド
    トキシンを含む溶出液を得ることと;(c)(b)に由来する前記溶出液を前記エ
    ンドトキシンの少なくとも一部を結合する第二の膜と接触することと;並びに(
    d)プラスミドが濃縮され、かつエンドトキシンが除去された液を得ることとを
    含む方法。
  4. 【請求項4】 プラスミド、タンパク質およびエンドトキシンの含有液をプ
    ロセシングするための方法であって、(a)前記液を第一の膜と接触して、前記
    プラスミドおよび前記エンドトキシンの少なくとも一部を結合することと;(b
    )(a)に由来する前記第一の膜を溶出液と接触して、プラスミドおよびエンド
    トキシンを含む第一の溶出液を得ることと、任意に(b')前記溶出液を第二の膜
    と接触して、前記プラスミドおよび前記エンドトキシンの少なくとも一部を結合
    することと、並びに(b'')(b')の前記第二の膜を溶出液と接触して、プラス
    ミドおよびエンドトキシンを含む第二の溶出液を得ることと;(c)前記第一の
    または前記第二の溶出液を第三の膜と接触して、前記エンドトキシンの少なくと
    も一部を結合することと;並びに(d)プラスミドが濃縮され、かつエンドトキ
    シンが除去された液を得ることとを含む方法。
  5. 【請求項5】 プラスミドと、エンドトキシンと、並びに染色体DNA、RNAお
    よびタンパク質からなる群から選択される少なくとも一以上の混入物とを含む第
    一の液をプロセシングするための方法であって、前記方法は、(a)前記第一の
    液を第一の膜で処理して、前記第一の液と比較して前記プラスミドが濃縮された
    第二の液を得ることと、(b)前記第二の液を第二の膜で処理して、プラスミド
    およびエンドトキシンを含む第三の液を得ることと、(c)前記第三の液を第三
    の膜で処理して、前記エンドトキシンの少なくとも一部を結合することと、並び
    に(d)プラスミドが濃縮され、かつエンドトキシンが除去された液を得ること
    とを含む方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法であって、プロセシ
    ングのための前記液は、染色体デオキシリボ核酸、リボ核酸、タンパク質および
    これらの組合せのうち少なくとも一つを含む方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、2および5のいずれか一項に記載の方法であって、
    プロセシングのための前記液と接触した前記第一の膜を、溶出液と接触して、プ
    ラスミドおよびエンドトキシンを含む溶出液を得ることを含む方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法であって、精製され
    たプラスミドを回収することを含む方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の方法であって、前記精製されたプラスミド
    は、スーパーコイル型プラスミドを含む方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法であって、プロセ
    シングのための前記液は、細菌可溶化液を含む方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法であって、前記
    プラスミドの少なくとも一部を結合した前記膜は、正に荷電した膜である方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の方法であって、前記正に荷電した膜は、
    多孔性基質と、カチオン性基を有する架橋されたコーテングとを含む方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の方法であって、前記架橋されたコーテン
    グは、架橋されたポリアミンを含む方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の方法であって、前記架橋されたポリアミ
    ンは、ポリアルキレンイミンを含む方法。
  15. 【請求項15】 請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法であって、前記
    カチオン性基は、四級アンモニウム基を含む方法。
  16. 【請求項16】 請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法であって、前記
    カチオン性基は、スペーサ基に結合されている方法。
  17. 【請求項17】 請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法であって、前記
    カチオン性基は、グリシジル化合物との反応によってポリアルキレンイミンに結
    合されている方法。
  18. 【請求項18】 請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法であって、前記
    コーテングは、ポリグリシジル化合物を使用することによって架橋されている方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法であって、前記プ
    ラスミドの少なくとも一部を結合する前記膜は、親水性多孔質ポリエーテルスル
    ホン基質を含み、かつ架橋されたコーテングは、四級アンモニウム基を有するポ
    リエチレンイミンとポリアルキレングリコールポリグリシジルエーテルとの反応
    生成物を含む方法。
  20. 【請求項20】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法であって、前記エ
    ンドトキシンの少なくとも一部を結合する前記膜は、親水性の荷電した膜を含む
    方法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の方法であって、前記親水性の荷電した膜
    は、多孔質疎水性基質と、電荷供給剤を含有するコーテングとを含む方法。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の方法であって、前記電荷供給剤は、正電
    荷供給剤を含む方法。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の方法であって、前記正電荷供給剤は、正
    に荷電したポリマーを含む方法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の方法であって、前記正に荷電したポリマ
    ーは、四級アンモニウム基を含む方法。
  25. 【請求項25】 請求項23または24に記載の方法であって、前記正に荷電し
    たポリマーは、四級アンモニウム基を含有するポリアミンを含む方法。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載の方法であって、前記ポリアミンは、架橋
    されている方法。
  27. 【請求項27】 請求項12〜18および20〜26のいずれか一項に記載の方法で
    あって、前記プラスミドまたは前記エンドトキシンの少なくとも一部を結合する
    前記膜の前記多孔性基質は、基質ポリマーを含む方法。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の方法であって、前記前記基質ポリマーは
    、ポリ芳香族、ポリスルホン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポ
    リイミド、フルオロポリマー、ポリカーボネート、ポリエステル、酢酸セルロー
    スおよび硝酸セルロースからなる群から選択される方法。
  29. 【請求項29】 請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法であって、前記
    プラスミドの少なくとも一部を結合する前記膜を非イオン性界面活性物質と接触
    することを含む方法。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の方法であって、前記非イオン性界面活性
    物質は、エトキシル化されたアルキルフェニルエーテルである方法。
  31. 【請求項31】 請求項30に記載の方法であって、前記エトキシル化された
    アルキルフェニルエーテルは、ポリオキシエチレン(10)イソオクチルフェニル
    エーテルである方法。
  32. 【請求項32】 請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法によって得られ
    る精製されたプラスミド。
  33. 【請求項33】 プラスミドおよびエンドトキシンの含有液をプロセシング
    するためのシステムであって、第一の膜および第二の膜を含み、前記第一の膜は
    前記プラスミドの少なくとも一部を結合し、前記第二の膜は前記エンドトキシン
    の少なくとも一部を結合するシステム。
  34. 【請求項34】 請求項33に記載のシステムであって、前記プラスミドの少
    なくとも一部を結合するもう一つの膜を含むシステム。
  35. 【請求項35】 請求項33に記載のシステムであって、前記第一の膜は、多
    孔性基質と、カチオン性基を有する架橋されたコーテングとを含むシステム。
  36. 【請求項36】 請求項33に記載のシステムであって、前記第二の膜は、親
    水性であり、かつ多孔質疎水性基質と、電荷供給剤を含有するコーテングとを含
    むシステム。
  37. 【請求項37】 請求項33に記載のシステムであって、前記第一の膜は、多
    孔性基質およびカチオン性基を有する架橋されたコーテングを含み、並びに前記
    第二の膜は、親水性であり、かつ多孔質疎水性基質と、電荷供給剤を含有するコ
    ーテングとを含むシステム。
  38. 【請求項38】 プラスミドおよびエンドトキシンの含有液をプロセシング
    するためのシステムであって、第一の膜および第二の膜を含み、これらのそれぞ
    れが、前記プラスミドの少なくとも一部を結合し、かつ多孔性基質と、カチオン
    性基を有する架橋されたコーテングとを含み、並びに前記エンドトキシンの少な
    くとも一部を結合する第三の膜は、親水性であり、かつ多孔質疎水性基質と、電
    荷供給剤を含有するコーテングとを含むシステム。
  39. 【請求項39】 請求項33〜38のいずれか一項に記載のシステムであって、
    一以上のバッファー、および/または一以上の塩溶液を含むシステム。
  40. 【請求項40】 スーパーコイル形態および開環状形態のプラスミドを含む
    液をプロセシングするための方法であって、前記液を正に荷電した膜と接触する
    ことを含む方法。
  41. 【請求項41】 請求項40に記載の方法であって、前記プラスミドの前記開
    環状形態から前記スーパーコイル形態を分離することを含む方法。
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