JP2003534814A - 熱帯熱マラリア原虫環状体期感染赤血球の細胞接着に関与しているタンパク質、該タンパク質と結合する抗体、及び感染、感染期を検出する方法、並びに感染から防御するためのワクチン - Google Patents

熱帯熱マラリア原虫環状体期感染赤血球の細胞接着に関与しているタンパク質、該タンパク質と結合する抗体、及び感染、感染期を検出する方法、並びに感染から防御するためのワクチン

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、赤血球の環状体期感染中の熱帯熱マラリア原虫の細胞接着に関与しているRSP−1タンパク質及びRSP−2タンパク質、該タンパク質と結合する抗体、熱帯熱マラリア原虫感染のスクリーニング法、熱帯熱マラリア原虫の感染期を決定する方法、及びマラリア原虫種感染から個体を防御するためのワクチンを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 発明の分野 本発明は、赤血球の環状体期感染における熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium f
alciparum)の細胞接着に関与しているRSP−1タンパク質及びRSP−2タ
ンパク質、該タンパク質と結合する抗体、熱帯熱マラリア原虫感染のスクリーニ
ング法、熱帯熱マラリア原虫の感染期を決定する方法、並びにマラリア原虫種感
染から個体を防御するためのワクチンを提供する。
【0002】 背景の説明 熱帯熱マラリア原虫感染に特徴的な一般的な病理学的特徴は、成熟期感染赤血
球(IE)の、宿主の内皮及び栄養膜合胞体層への細胞接着である。脳微小血管
又は胎盤におけるIEの大量蓄積は、重症型マラリアと強く相関している1。I
Eの胎盤CSAとの広範囲の結合は、妊娠中の生理病理学と関連している2,3
IEの接着表現型は、赤血球表面のPOEMP1の出現と相関しており(メロゾ
イト侵入のおよそ16時間後)、従って末梢血中には、初期血中期(環状体期)
IEのみが見られる。ここで、本発明者らは、血中期IE生物学の既存の見解を
覆す結果を記載する。本発明者らは、初期環状体期における、脳及び肺に由来す
る内皮細胞系、並びに胎盤栄養膜合胞体層へのIEの特異的接着を証明する。こ
れらIEの血中期発達の後期には、栄養体が、排他的なコンドロイチン硫酸A(
CSA)細胞接着表現型へと転換する。従って、個々の内皮細胞又は栄養膜合胞
体層への接着は、血中期サイクルの間中起こることができ、このことは、マラリ
ア患者には非循環(潜在性)寄生体亜集団が存在することを示唆している。本発
明者らは、環状体期IE表面上の2つの新規な寄生体タンパク質を検出した。こ
れらのタンパク質は、PfEMP1により媒介される接着の開始直後に消失する
。これらのデータは、疫学研究、寄生体組織親和性、及びマラリア疾患の結果に
とって重要な意義を有している。
【0003】 発明の概要 従って、本発明の目的は、内皮細胞への熱帯熱マラリア原虫環状体期接着を媒
介し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって決定されるサイズがお
よそ200キロダルトンである、単離されたRSP−1タンパク質である。
【0004】 本発明のもう一つの目的は、内皮細胞への熱帯熱マラリア原虫環状体期接着を
媒介し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって決定されるサイズが
およそ40キロダルトンである、単離されたRSP−2タンパク質である。
【0005】 本発明のもう一つの目的は、RSP−1又はRSP−2と結合する抗体である
【0006】 本発明のもう一つの目的は、試料をRSP−1抗体又はRSP−2抗体と接触
させること、及び抗体と試料中のマラリア原虫種との間の相互作用を同定し、該
相互作用をマラリア原虫種の存在の指標とすることを含む、試料中のマラリア原
虫種の存在を検出する方法(ここで、好ましくは、マラリア原虫種は熱帯熱マラ
リア原虫である)である。
【0007】 本発明のもう一つの目的は、試料を単離されたRSP−1タンパク質又はRS
P−2タンパク質と接触させること;及びタンパク質と試料中のマラリア原虫抗
体との間の相互作用を同定し、該相互作用をマラリア原虫の存在の指標とするこ
とを含む、試料中のマラリア原虫抗体の存在を検出する方法(ここで、好ましく
は、マラリア原虫種は熱帯熱マラリア原虫である)である。
【0008】 本発明のもう一つの目的は、個体から生物学的試料を得ること;該試料をRS
P−1抗体及び/又はRSP−2抗体と接触させること;並びに抗体と該試料中
の抗原との間の相互作用を同定し、該相互作用を環状体期感染の指標とすること
を含む、熱帯熱マラリア原虫に感染していると推測される個体において熱帯熱マ
ラリア原虫血中期サイクルを診断する方法である。
【0009】 本発明のもう一つの目的は、個体から生物学的試料を得ること;該試料をRS
P−1タンパク質又はRSP−2タンパク質と接触させること;並びにタンパク
質と該試料中の抗体との間の相互作用を同定し、該相互作用を環状体期感染の指
標とすることを含む、熱帯熱マラリア原虫に感染していると推測される個体にお
いて熱帯熱マラリア原虫血中期サイクルを診断する方法である。
【0010】 本発明のもう一つの目的は、単離されたRSP−1タンパク質及び/又はRS
P−2タンパク質と、医薬的に許容される担体とを含む免疫原性組成物であり、
さらなる目的は、ワクチンであるそのような免疫原性組成物である。
【0011】 本発明のもう一つの目的は、個体において免疫応答を誘導するのに十分な量の
RSP−1及び/又はRSP−2を個体へ投与することを含む、熱帯熱マラリア
原虫から個体を防御する方法である。
【0012】 発明の詳細な説明 本明細書において言及された特許及び出版物は、全て、本発明と共に使用され
うる、その中に報告されたタンパク質、酵素、ベクター、宿主細胞、及び方法論
の記載及び開示の目的のため、法律的に可能な程度に、参照として本明細書に組
み込まれる。しかしながら、それらは、本発明が、先行発明のため、そのような
開示に先行している権利を有しないことの承認として解釈されるべきではない。
【0013】 本発明のRSP−1タンパク質及びRSP−2タンパク質は、硫安のような物
質による選択的な沈殿、カラムクロマトグラフィー、免疫精製法等を含む、当分
野において周知の標準的な技術によって実質的な純度にまで精製されうる。例え
ば、R.Scopes, Protein Purification: Principles and Practice, Springer-Ve
rlag: New York(1982) を参照のこと。
【0014】 さらに、本発明の精製されたタンパク質が与えられれば、当業者は、アミノ酸
配列を得、それからRSP−1タンパク質及びRSP−2タンパク質をコードす
るポリヌクレオチド配列を得ることができるであろう。タンパク質配列決定及び
ポリヌクレオチド配列単離のための方法は、当分野において既知であり、精製さ
れたタンパク質のアミノ酸配列に由来するプライマーを使用したポリヌクレオチ
ド増幅を含む。これら及びその他の方法は、Greene Publishing Associates, In
c.とJohn Wiley&Sons, Incとの共同出版である、Current Protocols in Molecula
r Biology, F.M.Ausebel et al.編, Current Protocols(2000)、及びManiatis et
al.Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, 19
88に開示されている。
【0015】 RSP−1タンパク質及びRSP−2タンパク質をコードするポリヌクレオチ
ド配列が得られた後は、トランスフェクトされた細胞における遺伝子の発現のた
めの組換え発現ベクター中にポリヌクレオチド配列が構築されうる。これらの目
標を達成するための分子クローニング技術は、当分野において既知である。組換
え核酸の構築に適した極めて多様なクローニング及びin vitro増幅の方法が、当
業者に周知である。多くのクローニング演習を通して当業者を指導するために十
分なこれらの技術及び説明の例は、Berger and Kimmel, Guide to Molecular Cl
oning Techniques, Methods in Enzymology, 第152巻, Academic Press, inc.,
San Diego, Calif.(Berger);及びGreene Publishing Associates, Inc.とJohn W
iley&Sons, Incとの共同出版である、Current Protocols in Molecular Biology,
F.M.Ausebel et al.編, Current Protocols(2000)に見出される。
【0016】 本発明において使用されうる細胞培養物は、細胞系を含み、組織又は血液試料
に由来する培養細胞は当分野において周知である。Freshney(Culture of Animal
Cells, a Manual of Basic Technique, 第3版, Wiley-Liss, New York(1994))
及びその中に引用された参照は、細胞の培養に関する一般的な指針を与える。
【0017】 組換えDNA技術によって作製されたタンパク質は、当業者に周知の標準的な
技術によって精製されうる。これらのタンパク質は、直接発現させられてもよい
し、又は融合タンパク質として発現されられてもよい。次いで、細胞溶解(例え
ば、超音波処理)とアフィニティクロマトグラフィとの組み合わせにより、タン
パク質が精製されうる。融合産物の場合、その後の適当なタンパク分解酵素によ
る融合タンパク質の消化が、RSP−1タンパク質配列又はRSP−2タンパク
質配列を放出する。
【0018】 本発明のタンパク質は、RSP−1又はRSP−2に特異的なモノクローナル
抗体を作製するために使用されうる。抗体は、マラリア感染の診断のため、又は
メロゾイトの赤血球との結合を阻害する治療剤として、使用されうる。所望の抗
原に対するモノクローナル抗体の作製は、当業者に周知である。従って、様々な
免疫グロブリン分子の作製及び操作のための当業者に利用可能な多数の技術が、
結合を阻害するために容易に適用されうる。本明細書において使用されるように
、「免疫グロブリン」及び「抗体」という用語は、免疫グロブリン遺伝子によっ
て実質的にコードされた1つ以上のポリペプチドからなるタンパク質をさす。免
疫グロブリンは、抗体に加えて、例えばFv、Fab、及びF(ab)2を含む
様々な形態で、そして単鎖として存在してもよい。
【0019】 本発明のタンパク質と結合する抗体は、多様な手段によって作製されうる。非
ヒト、例えば、マウス、ウサギ、ウマ等のモノクローナル抗体の作製は周知であ
り、例えば、ポリペプチドを含有している調製物で動物を免疫感作することによ
り達成されうる。免疫感作された動物から得られた抗体産生細胞が、不死化され
スクリーニングされる。ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を作製する
方法は、当業者に既知である。例えば、Coligan(1991)Current Protocols in Im
munology Wiley/Greene, N.Y.; 及びHarlow and Lane(1989)Antibodies: A Labo
ratory Manual Cold Spring Harbor Press, N.Y.を参照のこと。特異的なモノク
ローナル抗体及びポリクローナル抗体は、通常、少なくとも約0.1mM、より一
般的には少なくとも約1μM、より好ましくは少なくとも約0.1μM、又はそれ
未満のKdで結合するであろう。
【0020】 本発明は、ハイブリドーマ、特に2001年2月23日に受託番号I−263
5の下でCNCM(Paris, France)に寄託されたPf26G1/B4という名
称のハイブリドーマにも関する。
【0021】 このハイブリドーマは、コンドロイチン硫酸A(CSA)細胞接着表現型に特
異的である。それは、環状体感染赤血球表面の天然熱帯熱マラリア原虫タンパク
質とは反応するが、成熟した栄養体及び分裂体に感染した赤血球とは反応しない
モノクローナル抗体B4を分泌する。B4は、環状体感染赤血球の接着を阻害し
、メロゾイトによる赤血球の再侵入も阻害する。
【0022】 本発明のタンパク質及びポリヌクレオチドは、生物学的試料中のマラリア原虫
寄生体又は核酸の検出のための診断的適用において使用されうる。寄生体の存在
は、免疫学的結果に基づく、いくつかのよく認識されている特異的結合アッセイ
を使用して検出されうる。例えば、発明のポリペプチドに対する標識された抗体
は、生物学的試料中のマラリア原虫を検出するために使用されうる。又は、本発
明の標識されたポリペプチドが、生物学的試料中のRSP−1又はRSP−2に
対する抗体の存在を検出するために使用されうる。診断イムノアッセイの一般的
な手法の概説については、Basic and Clinical Immunology, 第7版(D.Stites an
d A.Terr編)1991を参照のこと。
【0023】 さらに、RSP−1及びRSP−2と赤血球との間の相互作用を阻害すること
ができる修飾されたポリペプチド、抗体、又はその他の化合物が、生物学的活性
に関してアッセイされうる。例えば、下記のようにして、ポリペプチドを細胞表
面上に組換え発現させ、細胞の赤血球との結合能を測定することができる。又は
、ペプチド又は抗体が、赤血球とマラリア原虫及び/又はRSP−1及び/又は
RSP−2との間の結合を阻害する能力に関して試験されうる。
【0024】 無細胞アッセイを、RSP−1ポリペプチド又はRSP−2ポリペプチドの結
合を測定するために使用することもでき、例えば、試料を固体表面上に固定化し
、標識されたRSP−1又はRSP−2の結合を決定することができる。多くの
アッセイ形式が、標識されたアッセイ成分を利用する。標識システムは、多様な
形態であり得る。標識(検出可能部)は、当分野において周知の方法に従い、所
望のアッセイ成分に直接的又は間接的にカップリングされうる。極めて多様な標
識が使用されうる。成分は、いくつかの方法のうちの任意のものによって標識さ
れうる。最も一般的な検出法は、3H、125I、35S、14C、又は32Pで標識され
た化合物等を用いたオートラジオグラフィーの使用である。非放射性標識は、標
識された抗体と結合するリガンド、フルオロフォア、化学発光剤、酵素、及び標
識されたリガンドに対する特異的な結合対メンバーとして機能しうる抗体を含む
。標識の選択は、必要とされる感度、化合物との接合の容易さ、安定性要件、及
び利用可能な機器に依存する。
【0025】 診断目的のため核酸を使用する場合には、標準的な核酸ハイブリダイゼーショ
ン技術が、ここで同定された遺伝子RSP−1及び/又はRSP−2の存在を検
出するために使用されうる。所望により、試料中の核酸は、まず、PCRのよう
な標準的な手法を使用して増幅されうる。適当なプライマー及びプローブを含む
診断キットも、調製されうる。
【0026】 RSP−1及びRSP−2は、マラリア治療のための治療的適用及び予防的適
用において有用である。本発明の医薬組成物は、多様な薬物送達系での使用に適
している。本発明における使用に適した製剤は、Remington' Pharmaceutical Sc
iences, Mack Publishing Company, Philadelphia, Pa.,第17版(1985)に見出さ
れる。薬物送達法の簡単な概説については、Langer, Science 249:1527-1533(1990
)を参照のこと。組成物は、単回投与又は複数回投与に適している。複数回投与
される場合、初回投与後の接種は、免疫応答を増強するために与えられ、典型的
にはブースター接種と呼ばれる。
【0027】 本発明の医薬組成物は、非経口投与用、局所投与用、経口投与用、又は局部投
与用でありうる。好ましくは、医薬組成物は、非経口的に、例えば静脈内、皮下
、皮内、又は筋肉内に投与される。従って、本発明は、許容される担体、好まし
くは水性担体の中に溶解又は懸濁させられた、前記の薬剤の溶液を含む、非経口
投与用組成物を提供する。多様な水性担体、例えば水、緩衝された水、0.4%
生理食塩水、0.3%グリシン、ヒアルロン酸等が使用されうる。これらの組成
物は、従来の周知の滅菌技術によって殺菌されるか、又は滅菌ろ過されうる。得
られた水性溶液は、そのまま使用するためにパッケージングされるか、又は凍結
乾燥させられ、凍結乾燥調製物が、投与前に無菌溶液と組み合わされうる。組成
物は、pH調整剤及び緩衝液、浸透圧調整剤、湿潤剤等、例えば酢酸ナトリウム
、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、モノラウ
リン酸ソルビタン、トリエタノールアミンオレアート(triethanolamine oleate
)等のような生理学的条件に近似させるために必要とされる医薬的に許容される
補助物質を含有していてもよい。
【0028】 固体組成物の場合、例えば医薬的等級のマンニトール、乳糖、デンプン、ステ
アリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコー
ス、ショ糖、炭酸マグネシウム等を含む、従来の非毒性固体担体が使用されうる
。経口投与の場合、前掲の担体のような通常利用されている賦形剤のうちの任意
のものと、一般的には10〜95%、より好ましくは25〜75%の濃度の活性
要素とを組み込むことにより、医薬的に許容される非毒性の組成物が形成される
【0029】 エアロゾル投与の場合、ポリペプチドは、好ましくは、界面活性剤及び噴霧剤
と共に微細に粉砕された形態で供給される。界面活性剤は、当然、非毒性でなけ
ればならず、好ましくは噴霧剤中に可溶性である。そのような薬剤の代表は、カ
プロン酸、オクタン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸
、リノレン酸、オレステリン(olesteric)酸、及びオレイン酸ような6〜22
個の炭素原子を含有している脂肪酸の、脂肪族多価アルコール又はその環式無水
物とのエステル又は部分エステルである。混合グリセリド又は天然グリセリドの
ような混合エステルも、利用されうる。所望により、例えば鼻腔内送達のための
レシチンのように、担体が含まれていてもよい。
【0030】 患者へ投与される量は、投与されるもの、患者の状態、及び投与の様式に依っ
て変動するであろう。治療的適用においては、組成物は、赤血球を介した寄生体
の蔓延を阻害し、従って疾患もしくびその合併症の症状を治癒させるか、又は少
なくとも部分的に阻止するのに十分な量で、既にマラリアに罹患している患者に
投与される。これを達成するために充分な量が、「治療的に有効な用量」として
定義される。この使用のために有効な量は、疾患の重度、特定の組成物、並びに
患者の体重及び全身状態に依存するであろう。
【0031】 又は、本発明のポリペプチドは、ワクチンとして予防的に使用されうる。本発
明のワクチンは、活性要素として、免疫学的に有効な量の、本明細書に記載され
た結合ドメインポリペプチド又は組換えウイルスを含有している。免疫応答は、
抗体の生成;RSP−1及び/又はRSP−2に由来するペプチドを提示する細
胞に対する細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の活性化、又は当分野において周知
のその他のメカニズムを含みうる。例えば、免疫応答の説明については、Raven
press New Yorkにより出版されたPaul Fundamental Immunology第2版(参照とし
て本明細書に組み込まれる)を参照のこと。有用な担体は、当分野において周知
であり、例えばチログロブリン、ヒト血清アルブミンのようなアルブミン、破傷
風トキソイド、ポリ(D−リジン:D−グルタミン酸)のようなポリアミノ酸、
インフルエンザ、B型肝炎ウイルスコアタンパク質、B型肝炎ウイルス組換えワ
クチンを含む。ワクチンは、水、リン酸緩衝生理食塩水、又は生理食塩水のよう
な生理学的に容認される(許容される)希釈剤を含有していてもよく、典型的に
は、さらにアジュバントを含む。不完全フロイントアジュバント、リン酸アルミ
ニウム、水酸化アルミニウム、又はミョウバンのようなアジュバントが、当分野
において周知の材料である。ポリヌクレオチドがコードするポリペプチドに対す
る免疫応答を得るため、RSP−1又はRSP−2をコードするDNA又はRN
Aが患者へ導入されてもよい。
【0032】 本発明のタンパク質、核酸、又はウイルスを含有しているワクチン組成物は、
ポリペプチドに対する防御免疫応答を誘発するために、患者に投与される。「防
御免疫応答」とは、赤血球を介した寄生体の蔓延を防止又は阻害し、従って、疾
患及びその合併症の症状を少なくとも部分的に防止するものである。これを達成
するために十分な量は、「免疫学的に有効な用量」として定義される。この使用
のために有効な量は、組成物、投与の様式、患者の体重及び全身健康状態に依存
するであろう。
【0033】 免疫感作後、特異的溶解活性又は特異的サイトカイン産生によって、又は腫瘍
退行によって評価されるような、抗原を認識する抗体又は免疫細胞の産生によっ
て、ワクチンの効力が評価されうる。当業者は、前述のパラメーターを評価する
ための従来の方法を承知しているであろう。
【0034】 本発明を一般的に説明したが、例示のみの目的のため本明細書に提供され、特
記しない限り、本発明を制限するものではない、いくつかの具体例を参照するこ
とにより、さらなる理解が得られよう。
【0035】 実施例 寄生体 この研究においては、以下の寄生体単離物を使用した:Palo−Alto(
FUP)113、IPL/BRE114、CSA、CD36、及びICAM−115
関してパニングされたFCR3亜集団、感染ヒト胎盤(42CSA及び939CSA3
)から可溶性CSAを使用してデシーケスター(desequester)された2つの単
離物、並びに末梢血流から収集されたフィールド単離物(field isolate)のC
SA選択された集団(A53CSA)。IEを、5%02、5%CO2、及び90%
2を含有している湿潤雰囲気中、37℃で、重炭酸塩、グルタミン、0.2%
グルコース、50μMヒポキサンチン、10g/mlゲンタマイシン、及びO赤血
球を含有している10%ヒトAB血清を含有しているRPMI1640の中で
培養した。寄生体が赤血球に再侵入するまで(4時間未満)、複数回の5%ソル
ビトール処理を使用して環状体期寄生体を選択することにより、IE培養物を同
期化した。
【0036】 パニング選択 Palo−Alto(FUP)1、(PA)、IPL/BRE1(BRE1)
、FCR3株、及びA53単離物の亜集団を、SBEC 1716を使用して、以
前に記載されたような15、細胞CSAに関する成熟期IEの3回の連続的なパニ
ングによって選択した。さらに、PA及びFCR3の亜集団を、コンドロイチン
化されたSBEC C2及び3A15を使用して、細胞CD36又はICAM−1
に関する成熟期IEの3回の連続的なパニングによって選択した。高度に同期化
された環状体期IE培養物を、以前に記載されたようにして、CSA、CD36
、及びICAM−1を発現しているSBEC 1Dにおいてパニングした。非細
胞接着性IEを除去するために細胞を徹底的に洗浄し、次いで環状体期IEが成
熟することを可能にするため、培養培地中で24時間インキュベートした。以前
に記載されたようにして、RBCを添加し、培養物を増殖させた。
【0037】 細胞接着及び細胞接着阻害アッセイ 成熟期IEのゼラチン濃化調製物を、pH6.8の細胞接着培地の中に5×1
6IE/mlの濃度で再懸濁させた。次いで、以前に記載されたようにしてl5
細胞接着マイクロアッセイを、12穴IFAスライド(Institut Pasteur, Pari
s)上で実施した。
【0038】 前記のような内皮細胞、以前に記載されたような胎盤凍結切片11、1〜10%
の寄生虫血(1×107IE/mlの懸濁液)を用いて、環状体期細胞接着アッセイ
を実施した。
【0039】 細胞接着阻害アッセイのため、IEを、2.5μg/mlトロンボスポンジン、0
.1mg/ml可溶性CSA、デルマタン硫酸(CSB)、コンドロイチン−6−硫
酸(CSC)、ケラチン硫酸(Ker)、ヒアルロン酸(HA)、ヘパリン(H
ep)(Fluka, France)の存在下でSBECと共にインキュベートするか、又
は1U/ml Case ABC(Fluka, France)、1〜10U/mlへパリナーゼIII
(HepaseIII)(Sigma, France)、又は5μg/ml抗CD36 FA6−152M
ab(Edelman博士より譲り受けた)と共に37℃で1時間予めインキュベート
されたSBECと共にインキュベートした。地方性マラリアの区域に住むセネガ
ル及びカメルーンの患者から得られた血清の存在下でも、阻害アッセイを実施し
た。初妊婦及び経妊婦、男性の成人及び小児から血清を得、Oヒト血液及びS
BEC IDへと吸収させ、1/20の希釈率で試験した。結果を、マラリアと
接触した経験のない有志者に由来する対照血清プールの1/20希釈物の存在下
での細胞接着の結果と比較した。
【0040】 環状体期IE細胞接着のプロテアーゼ感受性を、濃縮PACSAIE(侵入8時
間後)5μlを使用して分析した。IEを、10もしくは100μg/mlのトリプ
シンTPCK(Signa)、又は100g/mlの −キモトリプシンTLCK(Sigma
)と共に、37℃で30分間インキュベートした。10%ヒト血清を含有してい
る培養培地を添加することにより、消化を停止させた。次いで、未処理のPACS A を対照として使用して、以前に記載されたようにして、細胞を細胞接着培地で
洗浄し、SBEC IDへと細胞接着させた。
【0041】 IEの表面免疫標識 地方性マラリアの区域に住むセネガル及びカメルーンの患者に由来する5つの
血清のプール100μlを、37℃で1回、室温で1回、Oヒト血液30lへと
吸着させた。高度に同期化された環状体期又は栄養体期のPACSAIE5μmを、
細胞接着培地で1/10に希釈された血清プール100μlと共に氷上で45分
間インキュベートした。IEを、細胞接着培地で3回洗浄し、FITC結合抗ヒ
ト免疫IgG(Sigma, F-6380)と共に氷上で45分間インキュベートした。最
終洗浄の後、IEを、EPR顕微鏡検(CELLscan, Scanalytics, Billerica, MA17 )によって観察した。
【0042】 IEの表面ヨウ素化及び代謝的標識 受容体パニング法18によってCSA及びCD36に関して予め選択された同期化
された成熟期IEを、ゼラチン技術によって>75%にまで濃化し、次いで次の
サイクルでおよそ20%の環状体期形態を得るために新鮮な赤血球で希釈した。
表面ヨウ素化は、再侵入から7、14、21、及び32時間後に、ラクトペルオ
キシダーゼ法7を使用して実施した。代謝的標識は、分裂体期後期に、2mCi 35 S−メチオニンを5ml培養フラスコへ添加することにより実施した。再侵入か
ら14時間後に培養を停止させた。1%トリトンX−100、次いで2%SDS
による連続的な抽出を実施し、続いてプロテアーゼ処理(以前に記載されたよう
なTPCKで処理されたトリプシン、及び−キモトリプシンTLCK(Sigma, L
t.Louis))を実施した。ヨウ素化又は代謝的標識された試料を、5〜17.5%
勾配アクリルアミドゲルで分離し、次いでそれを乾燥させ、Kodak Bio Max MS1
フィルムに対して置いた。予備染色されたタンパク質マーカーは、Life Technol
ogies, Gaithersburg, Maryland及びNew England BioLabs Inc., Beverly, MAよ
り購入した。
【0043】 統計分析 IE接着アッセイ、細胞接着アッセイ、及び細胞接着阻害アッセイの結果は、
平均±SEとして表される。細胞接着阻害アッセイからのデータの統計的有意性
の評価、及び細胞接着レベルの比較には、マンホイトニー(Mann-Whitney)検定
を使用した。
【0044】
【表1】
【0045】 データは、SBE ID単層1mm2当たりの細胞接着性IEの平均数(±SD
)である(4連スポットの平均)。Nd:未実施。影付きの値は、PfEMP1
により媒介された細胞接着に相当する。
【0046】 結果 熱帯熱マラリア原虫に感染した妊婦の末梢血は、IEの胎盤CSAへの大量の
結合にも関わらず、循環する環状体期IEを欠いているか4,5、又はCSA結合
表現型をほとんど、もしくは全く有しないIEを含有している可能性がある2,3
。このことから、本発明者らは、妊婦に由来する環状体期IEが、末梢血中の循
環を回避することができるか否かを調査することとした。本発明者らは、胎盤及
び様々な細胞型への環状体期接着を試験した。in vitroで調製され、CSAとの
結合に関して選択された、熱帯熱マラリア原虫単離物Palo-Alto(FUP)1の高
度に同期化された若い環状体期IE(PACSA)は、胎盤凍結切片の栄養膜合胞
体層及び培養リスザル脳内皮細胞(SBEC)の単層へと接着した(図1A、B
、及びC)。結合は、メロゾイト再侵入直後に観察され、環状体期サイクルの間
中、継続された(表1)。環状体期IEのSBEC ID及び黒色腫C32細胞
(およそ70IE/mm2)への高度の特異的結合が存在した。ヒト脳内皮細胞(H
BEC)、ヒト肺内皮細胞(HLEC)、及びCHO細胞との結合のレベルは、
低かったが、有意であった(細胞単層1mm2当たり5個以上のIE)(図1C)
。最後に、環状体期IEのヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC、第一(primo
)外植片)及びヒト皮膚内皮細胞(HMEC−1)との細胞接着は検出されなか
った。本発明者らは、遺伝学的に異なるさらなるCSA結合単離物を調査した。
小児末梢血に由来するもの(A53CSA)、2つの胎盤単離物939CSA及び42CSA 、並びにin vitro培養された2つの単離物(FCR3CSA及びBre1CSA
。得られた結果は、内皮細胞と結合した環状体期IEを確認した(表1)。
【0047】 環状体期接着は、栄養体期におけるCD36又はICAM−1との結合に関し
て選択されたPA寄生体及びFCR3寄生体においては検出されなかった(SB
EC 1D1mm2当たり1個未満の結合IE)。これらのデータは、CSA結合
表現型が、未知のメカニズムによって環状体期接着と関係していることを示唆し
ている。本発明者らは、CSA及びCD36との結合に関して選択された、高度
に同期させられた環状体期IE(再侵入から8時間後)を等しい数、混合し、こ
れらをSBEC 1Dの単層と結合させることにより、これを調査した。結合し
た環状体期IEを培養し、栄養体期に、表現型特異的な接着阻害剤(可溶性CS
A、CD36に対するmAb)に対する感受性を測定することにより、それらの
表現型を評価した。栄養体結合はほぼ全てCSA依存性であり、未選択のIEの
組み合わせは、両阻害剤によって類似の阻害を受けた(図1D)。CSA及びI
CAM−1と結合するIE亜集団の混合物を試験した場合には、CSAへの成熟
IEの結合に関して、類似の選択が観察された(データは示していない)。従っ
て、試験された3つの表現型について、栄養体期より前の細胞接着能は、成熟I
EのCSA結合表現型と厳密に連動していた。
【0048】 環状体期接着に関与している宿主受容体を同定するため、本発明者らは、サイ
クルの間中のCSAの阻害活性を試験した。本発明者らは、環状体期IECSA
胞接着が、侵入から16時間後までは、0.1mg. mlのCSAに対して非感受性
であり、1U/mlのコンドロイチナーゼABC(Case ABC)による標的細
胞の前処理に対して非感受性であることを観察した(図2A)。この時点で、突
起(knob)形成及びvarCSA遺伝子の表面発現の開始と共に、CSA及びCa
se ABCの結合に対する阻害効果が最初に見られた。阻害は24時間目に最
大となった。従って、全てのIECSAが、血中期サイクルの間中、細胞接着し、
侵入から16時間後に、CSA非依存性受容体相互作用からCSA依存性表現型
へと転換した。本発明者らは、様々な成熟期IE接着受容体の可能性のある関与
を試験した。トロンボスポンジンは、IEのSBEC 1Dとの結合に対する効
果を有していなかった(データは示していない)。表面にCD36、ICAM−
l、VCAM、又はE−セレクチンを発現しているトランスフェクトされたCH
O745(CSA-)は、CHO−745対照細胞と類似している環状体期IE
の非特異的細胞接着を示した(1mm2当たり2個以下の結合IE)。本発明者ら
は、様々なグリコサミノグリカン、及びそれらの対応する酵素の可能性のある阻
害効果も調査した(図2B)。Case ABC及びCase Bは有意な阻害
活性を有していなかったため、デルマタン硫酸(CSB)で得られた阻害は特異
的ではなかった。ヒアルロン酸は活性を有していなかったが、ヒアルロン酸リア
ーゼは、おそらくはヘパリン及びヘパラン硫酸を消化するその第2の能力により
、低レベルの阻害活性を有していた。ヘパリン(100m/ml)及びへパリナーゼ
は、約50%の阻害を与え、SBEC IDは、表面にヘパリンを発現していな
い。その代わり、それらはヘパラン硫酸プロテオグリカンを発現しており6、ヘ
パリン及びへパリナーゼIIが部分的に環状体期細胞接着を阻害するのは、おそら
くは、SBEC 1Dヘパラン硫酸による完成又はその消化による。本発明者ら
は、環状体期IECSA細胞接着の阻害を試験するため、現在、SBEC 1Dヘ
パラン硫酸を精製中である。
【0049】 環状体期IECSA接着はCSAによって媒介されないため、本発明者らは、初
期血中期寄生体においては、新規な寄生体表面分子が、内皮細胞及び栄養膜合胞
体層との結合を媒介している可能性が高いと考えた。FCR3CSA環状体期IE
の表面ヨウ素化は、対照赤血球には存在しない、本明細書において「環状体表面
タンパク質−1」(RSP−1)と呼ばれるおよそ200kDaの分子を同定した
(図3)。本発明者らは、カメルーンの経妊婦に由来する血清プールを使用して
、表面ヨウ素化された環状体期IE抽出物を免疫沈降させた。使用された血清は
、200kDaの分子、及びRSP−2と名付けられた、およそ40kDaの第二の分
子を認識した。未感染赤血球においては強く標識されたバンドと共移動するため
、RSP−2は全寄生体抽出物中に検出不可であった。RSP−1及びRSP−
2とサイズが同一の寄生体タンパク質は、S−メチオニンで標識された環状体期
IEに由来するタンパク質抽出物中に見い出された。RSP−1及びRSP−2
は、2%SDSで効率的に抽出され、トリプシン(100μm/ml)又は −キモ
トリプシン(100g/ml)による処理によって分解された(図3A及びB、デー
タは示していない)。環状体期1E接着は、100μg/mlのプロテアーゼ濃度で
実質的に阻害され(図3C)、これは、接着過程へのRSP−1及びRSP−2
の関与と一致している。両分子は、若い環状体期IEの表面に検出されたが、い
ずれも成熟栄養体には存在しなかった。栄養体IEにおいては、およそ400kD
aというサイズの大きな分子が、接着表現型の転換と一致した時点で、IE表面
に検出された(侵入から14〜21時間後、図3A及びB)。FCR3CSA
Eの400kDaの分子は、以前の研究において、成熟型のCSAへの接着を媒介
するvar遺伝子産物として同定されていた。RPS−1、RPS−2、及びV
ARCSA分子は、天然に、免疫原性を有しており、妊婦に由来する8つの血清に
よって効率的に免疫沈降した(図3B、データは示していない)。これらの血清
は、環状体期IE及び栄養体期IEの表面と反応する(図3E)。カメルーン/
セネガルのマラリア患者(妊婦、男性の成人及び小児)に由来する血清は、環状
体期IEの内皮細胞への細胞接着を遮断した(図3F)。
【0050】 本発明者らの成果は、熱帯熱マラリア原虫の血中期生物学に関する現在の見解
を覆すものである。一般的に、環状体期IEは血中を循環しており、接着特性は
、侵入からおよそ14〜16時間後のIE表面のPfEMP1分子の発現により
出現すると認識されている。ここで、本発明者らは、脳及び肺のような重大な標
的器官に由来する内皮細胞及び栄養膜合胞体層への、若い環状体IEの特異的接
着を初めて記載する。胎盤寄生虫血と末梢血寄生虫血との間の差違、感染した妊
婦において観察された表現型分布は、本発明者らの所見によって説明されうる。
本発明者らは、胎盤栄養膜合胞体層への環状体期IEの接着が、成熟期IEのC
SA結合に先行し、この接着表現型を有する寄生体の潜在性、又は少なくとも部
分的に潜在性の生活環をもたらすことを提唱する。環状体期IEが妊婦以外の患
者において細胞接着しうるという証拠は、ヒト脳における熱帯熱マラリア原虫の
分離に関する最近の研究から得られる8。脳性マラリアによって死亡した患者の
脳血管には、全ての発達期が観察された。いくつかの血管は、明らかに、多数の
環状体期IEを含有してたが、相互作用の性質は未知である。CSAは脳微小血
管系に存在しているため9-11、IE亜集団は、血中期サイクルの間中、同じ宿主
細胞に接着しうる。明らかに、血流中の特異的な侵襲性の接着表現型の欠如又は
過少表現は、末梢血中期寄生体に基づく臨床的研究に対する多大の影響を有する
。組織親和性における環状体期接着の役割も調査されるべきである。胎盤におい
て観察されたCSA結合寄生体の大量蓄積は、例えば、初期の環状体結合による
と推測することができよう。
【0051】 内皮細胞への環状体期接着のレベルは、栄養体結合のそれより著しく低い。こ
れは、リガンド受容体ペア間の相互作用の強さが異なること、又は環状体期接着
受容体がCSA分子より少ないことによるのかもしれない。血流に基づくアッセ
イにおいて得られた予備データは、環状体期と成熟期との間の相互作用強度の大
きな違いを示している。環状体期接着は、おそらく、血流がその他の血管床より
もはるかに低い胎盤において最大である。
【0052】 48時間血中期サイクル中の2つの異なる接着表現型間の転換は、熱帯熱マラリ
ア原虫の生物学における全く新しい現象である。血中期サイクルの間中のIE表
面分子の発現パターンは、接着表現型の観察された変化と一致しており、従って
、このことは、環状体期IE接着におけるRSP−1及び/又はRSP−2の役
割を示唆している。環状体期接着を示さない寄生体(CD36表現型)において
、RSP−1及びRSP−2の分子量と類似している分子量を有する表面分子が
検出された(データは示していない)。RSP−1及びRSP−2が一つのファ
ミリーのメンバーであるか否か、又はIE表面分子の表現型特異的な翻訳後修飾12 が、環状体の接着特質の差違の原因であるか否かは不明である。
【0053】 最後に、新規な環状体期IE表面分子RSP−1及びRSP−2は、環状体期接
着を遮断することができる、抗体により媒介される免疫応答の天然の標的である
。従って、これらの抗原は、この主要な疾患の重度を低下させうる潜在的なワク
チン候補である。
【0054】 明らかに、上記の教示を考慮することにより、本発明に対する多数の修飾及び改
変が可能である。従って、添付の特許請求の範囲の範囲内で、本明細書に具体的
に記載されたもの以外にも、本発明が実施されうることを理解されたい。
【0055】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1a】 様々な細胞及び組織への環状体期IECSA細胞接着。高度に同期化された培養
物に由来するIECSAは、(A)液体窒素で急速凍結させた未感染ヒト胎盤生検
試料の凍結切片(R、環状体期、T、栄養体期)、又は(B)SBEC ID単
層(Nikon E800、×1000)へ細胞接着した。(C)SBEC I
D、HUVEC、HLEC第一外植片、HMEC、C32、及びCHO細胞の単
層、並びに液体窒素で急速凍結させた未感染ヒト胎盤生検試料への、侵入から8
時間後の、同期化されたPACSA IEの細胞接着。徹底的な洗浄の後、各試料
の表面全体の、4つのランダムな視野(0.25mm2の面積、×300倍率、O
lympus CK2)で計数された、胎盤凍結切片の高倍率視野1個当たりの
、又は細胞単層1mm2当たりの細胞接着性IEの数を決定した。各実験の値を、
5%寄生虫血に対して規準化し、結果を細胞接着の平均値±SDとして表した。
(D)PACSA及びPACD36 IEの高度に同期化された集団を、サイクルの
8時間目に混合して、初期集団を得、その表現型分布を、細胞接着阻害マイクロ
アッセイにより24時間後に決定した。混合物の残りは、SBEC IDの細胞
接着による選択に直ちに供した。細胞接着性IEを培養し、得られた集団の表現
型分布を決定した。各阻害剤について、細胞接着率(%)を得た。CSA(黒四
角)及び抗CD36 FA6−152モノクローナル抗体()は、IE集団中の
各表現型の反比例を与える。
【図1b】 様々な細胞及び組織への環状体期IECSA細胞接着。高度に同期化された培養
物に由来するIECSAは、(A)液体窒素で急速凍結させた未感染ヒト胎盤生検
試料の凍結切片(R、環状体期、T、栄養体期)、又は(B)SBEC ID単
層(Nikon E800、×1000)へ細胞接着した。(C)SBEC I
D、HUVEC、HLEC第一外植片、HMEC、C32、及びCHO細胞の単
層、並びに液体窒素で急速凍結させた未感染ヒト胎盤生検試料への、侵入から8
時間後の、同期化されたPACSA IEの細胞接着。徹底的な洗浄の後、各試料
の表面全体の、4つのランダムな視野(0.25mm2の面積、×300倍率、O
lympus CK2)で計数された、胎盤凍結切片の高倍率視野1個当たりの
、又は細胞単層1mm2当たりの細胞接着性IEの数を決定した。各実験の値を、
5%寄生虫血に対して規準化し、結果を細胞接着の平均値±SDとして表した。
(D)PACSA及びPACD36 IEの高度に同期化された集団を、サイクルの
8時間目に混合して、初期集団を得、その表現型分布を、細胞接着阻害マイクロ
アッセイにより24時間後に決定した。混合物の残りは、SBEC IDの細胞
接着による選択に直ちに供した。細胞接着性IEを培養し、得られた集団の表現
型分布を決定した。各阻害剤について、細胞接着率(%)を得た。CSA(黒四
角)及び抗CD36 FA6−152モノクローナル抗体()は、IE集団中の
各表現型の反比例を与える。
【図1c】 様々な細胞及び組織への環状体期IECSA細胞接着。高度に同期化された培養
物に由来するIECSAは、(A)液体窒素で急速凍結させた未感染ヒト胎盤生検
試料の凍結切片(R、環状体期、T、栄養体期)、又は(B)SBEC ID単
層(Nikon E800、×1000)へ細胞接着した。(C)SBEC I
D、HUVEC、HLEC第一外植片、HMEC、C32、及びCHO細胞の単
層、並びに液体窒素で急速凍結させた未感染ヒト胎盤生検試料への、侵入から8
時間後の、同期化されたPACSA IEの細胞接着。徹底的な洗浄の後、各試料
の表面全体の、4つのランダムな視野(0.25mm2の面積、×300倍率、O
lympus CK2)で計数された、胎盤凍結切片の高倍率視野1個当たりの
、又は細胞単層1mm2当たりの細胞接着性IEの数を決定した。各実験の値を、
5%寄生虫血に対して規準化し、結果を細胞接着の平均値±SDとして表した。
(D)PACSA及びPACD36 IEの高度に同期化された集団を、サイクルの
8時間目に混合して、初期集団を得、その表現型分布を、細胞接着阻害マイクロ
アッセイにより24時間後に決定した。混合物の残りは、SBEC IDの細胞
接着による選択に直ちに供した。細胞接着性IEを培養し、得られた集団の表現
型分布を決定した。各阻害剤について、細胞接着率(%)を得た。CSA(黒四
角)及び抗CD36 FA6−152モノクローナル抗体()は、IE集団中の
各表現型の反比例を与える。
【図1d】 様々な細胞及び組織への環状体期IECSA細胞接着。高度に同期化された培養
物に由来するIECSAは、(A)液体窒素で急速凍結させた未感染ヒト胎盤生検
試料の凍結切片(R、環状体期、T、栄養体期)、又は(B)SBEC ID単
層(Nikon E800、×1000)へ細胞接着した。(C)SBEC I
D、HUVEC、HLEC第一外植片、HMEC、C32、及びCHO細胞の単
層、並びに液体窒素で急速凍結させた未感染ヒト胎盤生検試料への、侵入から8
時間後の、同期化されたPACSA IEの細胞接着。徹底的な洗浄の後、各試料
の表面全体の、4つのランダムな視野(0.25mm2の面積、×300倍率、O
lympus CK2)で計数された、胎盤凍結切片の高倍率視野1個当たりの
、又は細胞単層1mm2当たりの細胞接着性IEの数を決定した。各実験の値を、
5%寄生虫血に対して規準化し、結果を細胞接着の平均値±SDとして表した。
(D)PACSA及びPACD36 IEの高度に同期化された集団を、サイクルの
8時間目に混合して、初期集団を得、その表現型分布を、細胞接着阻害マイクロ
アッセイにより24時間後に決定した。混合物の残りは、SBEC IDの細胞
接着による選択に直ちに供した。細胞接着性IEを培養し、得られた集団の表現
型分布を決定した。各阻害剤について、細胞接着率(%)を得た。CSA(黒四
角)及び抗CD36 FA6−152モノクローナル抗体()は、IE集団中の
各表現型の反比例を与える。
【図2a】 血中期サイクルの間中の細胞接着は接着表現型の転換によって媒介される。(
A)サイクルの間中の4時間毎の、高度に同期化されたPACSA IEのSBE
C 1Dの細胞接着に対するCSA(黒四角)及びコンドロイチナーゼABC(
白四角)の阻害活性の決定。(B)デルマタン硫酸(CSB)、コンドロイチン
−6−硫酸(CSC)、ケラタン硫酸(Ker)、ヒアルロン酸(HA)、ヘパ
リン(Hep)の存在下、又はコンドロイチナーゼABC(Case ABC)及びBコ
ンドロイチナーゼ(Case B)、ヒアルロン酸リアーゼ(H Lyase)、並びにへパ
リナーゼII(Hepase)による標的細胞の処理の後の、侵入から8時間後の、SB
EC IDへの環状体期PACSA IEの細胞接着。
【図2b】 血中期サイクルの間中の細胞接着は接着表現型の転換によって媒介される。(
A)サイクルの間中の4時間毎の、高度に同期化されたPACSA IEのSBE
C 1Dの細胞接着に対するCSA(黒四角)及びコンドロイチナーゼABC(
白四角)の阻害活性の決定。(B)デルマタン硫酸(CSB)、コンドロイチン
−6−硫酸(CSC)、ケラタン硫酸(Ker)、ヒアルロン酸(HA)、ヘパ
リン(Hep)の存在下、又はコンドロイチナーゼABC(Case ABC)及びBコ
ンドロイチナーゼ(Case B)、ヒアルロン酸リアーゼ(H Lyase)、並びにへパ
リナーゼII(Hepase)による標的細胞の処理の後の、侵入から8時間後の、SB
EC IDへの環状体期PACSA IEの細胞接着。
【図3a】 接着性環状体期IEは、免疫応答の標的である新規な環状体期特異的表面分子
を発現する。(A)環状体期IE上の高分子量125I標識表面抗原の同定。メロ
ゾイト侵入後の様々な時点(7、14、21、及び32時間後)の、ヨウ素化表
面FCR3CSAのSDS抽出物の分離が示されている。およそ200kDaの単一の
標識されたバンド(RSP−1)は、環状体期初期(7時間後)から栄養体期初
期(21時間後)にかけて検出される。およそ400kDaの第二の標識されたバ
ンドは、14時間後に出現し、サイクルの最後まで検出される。35Sで標識され
た環状体期IE抽出物は、RSP−1と共移動する200kDaのバンドを示す。
200kDa及び400kDaのバンドは対照赤血球には見られない(データは示して
いない)。(B)妊婦(カメルーン)に由来する免疫血清プールは、およそ20
0kDa及び40kDaの2つの主要なプロテアーゼ感受性タンパク質を免疫沈殿させ
た。生活環後期に、varCSA分子(400kDa)が免疫精製される。レーン1:
感染から32時間後の栄養体期。レーン2:125I標識された若い環状体期。レ
ーン3:10μg/mlトリプシン(tryp)処理後の免疫沈降。レーン4:10
0μg/mlトリプシン(tryp)処理後の免疫沈降。レーン5:100μg/mlα
−キモトリプシン(chymo)処理後の免疫沈降。レーン6:血清プールで免
疫沈降させられた35Sメチオニンで標識された環状体期IE SDS抽出物。(
C)異なる濃度のトリプシン又はα−キモトリプシンによる環状体期IEの処理
に対する細胞接着の感受性。(D)地方性マラリアの区域に住むセネガル及びカ
メルーンの患者に由来する5つの血清のプールによる、環状体期(R)及び栄養
体期(T)のPACSA IEの免疫標識。IE表面の抗体をFITC結合抗ヒト
IgGで検出し、EPR顕微鏡検(CELLscan)により観察した。(E)
初妊婦(1)、経妊婦(25及び46)、小児(61)、及び男性成人(161
3)から得られた血清による細胞接着阻害。マラリアと接触した経験のない有志
者に由来する血清プールを用いて実施された対照と、各血清の存在下で得られた
結合を比較することにより細胞接着率(%)を得た。
【図3b】 接着性環状体期IEは、免疫応答の標的である新規な環状体期特異的表面分子
を発現する。(A)環状体期IE上の高分子量125I標識表面抗原の同定。メロ
ゾイト侵入後の様々な時点(7、14、21、及び32時間後)の、ヨウ素化表
面FCR3CSAのSDS抽出物の分離が示されている。およそ200kDaの単一の
標識されたバンド(RSP−1)は、環状体期初期(7時間後)から栄養体期初
期(21時間後)にかけて検出される。およそ400kDaの第二の標識されたバ
ンドは、14時間後に出現し、サイクルの最後まで検出される。35Sで標識され
た環状体期IE抽出物は、RSP−1と共移動する200kDaのバンドを示す。
200kDa及び400kDaのバンドは対照赤血球には見られない(データは示して
いない)。(B)妊婦(カメルーン)に由来する免疫血清プールは、およそ20
0kDa及び40kDaの2つの主要なプロテアーゼ感受性タンパク質を免疫沈殿させ
た。生活環後期に、varCSA分子(400kDa)が免疫精製される。レーン1:
感染から32時間後の栄養体期。レーン2:125I標識された若い環状体期。レ
ーン3:10μg/mlトリプシン(tryp)処理後の免疫沈降。レーン4:10
0μg/mlトリプシン(tryp)処理後の免疫沈降。レーン5:100μg/mlα
−キモトリプシン(chymo)処理後の免疫沈降。レーン6:血清プールで免
疫沈降させられた35Sメチオニンで標識された環状体期IE SDS抽出物。(
C)異なる濃度のトリプシン又はα−キモトリプシンによる環状体期IEの処理
に対する細胞接着の感受性。(D)地方性マラリアの区域に住むセネガル及びカ
メルーンの患者に由来する5つの血清のプールによる、環状体期(R)及び栄養
体期(T)のPACSA IEの免疫標識。IE表面の抗体をFITC結合抗ヒト
IgGで検出し、EPR顕微鏡検(CELLscan)により観察した。(E)
初妊婦(1)、経妊婦(25及び46)、小児(61)、及び男性成人(161
3)から得られた血清による細胞接着阻害。マラリアと接触した経験のない有志
者に由来する血清プールを用いて実施された対照と、各血清の存在下で得られた
結合を比較することにより細胞接着率(%)を得た。
【図3c】 接着性環状体期IEは、免疫応答の標的である新規な環状体期特異的表面分子
を発現する。(A)環状体期IE上の高分子量125I標識表面抗原の同定。メロ
ゾイト侵入後の様々な時点(7、14、21、及び32時間後)の、ヨウ素化表
面FCR3CSAのSDS抽出物の分離が示されている。およそ200kDaの単一の
標識されたバンド(RSP−1)は、環状体期初期(7時間後)から栄養体期初
期(21時間後)にかけて検出される。およそ400kDaの第二の標識されたバ
ンドは、14時間後に出現し、サイクルの最後まで検出される。35Sで標識され
た環状体期IE抽出物は、RSP−1と共移動する200kDaのバンドを示す。
200kDa及び400kDaのバンドは対照赤血球には見られない(データは示して
いない)。(B)妊婦(カメルーン)に由来する免疫血清プールは、およそ20
0kDa及び40kDaの2つの主要なプロテアーゼ感受性タンパク質を免疫沈殿させ
た。生活環後期に、varCSA分子(400kDa)が免疫精製される。レーン1:
感染から32時間後の栄養体期。レーン2:125I標識された若い環状体期。レ
ーン3:10μg/mlトリプシン(tryp)処理後の免疫沈降。レーン4:10
0μg/mlトリプシン(tryp)処理後の免疫沈降。レーン5:100μg/mlα
−キモトリプシン(chymo)処理後の免疫沈降。レーン6:血清プールで免
疫沈降させられた35Sメチオニンで標識された環状体期IE SDS抽出物。(
C)異なる濃度のトリプシン又はα−キモトリプシンによる環状体期IEの処理
に対する細胞接着の感受性。(D)地方性マラリアの区域に住むセネガル及びカ
メルーンの患者に由来する5つの血清のプールによる、環状体期(R)及び栄養
体期(T)のPACSA IEの免疫標識。IE表面の抗体をFITC結合抗ヒト
IgGで検出し、EPR顕微鏡検(CELLscan)により観察した。(E)
初妊婦(1)、経妊婦(25及び46)、小児(61)、及び男性成人(161
3)から得られた血清による細胞接着阻害。マラリアと接触した経験のない有志
者に由来する血清プールを用いて実施された対照と、各血清の存在下で得られた
結合を比較することにより細胞接着率(%)を得た。
【図3d】 接着性環状体期IEは、免疫応答の標的である新規な環状体期特異的表面分子
を発現する。(A)環状体期IE上の高分子量125I標識表面抗原の同定。メロ
ゾイト侵入後の様々な時点(7、14、21、及び32時間後)の、ヨウ素化表
面FCR3CSAのSDS抽出物の分離が示されている。およそ200kDaの単一の
標識されたバンド(RSP−1)は、環状体期初期(7時間後)から栄養体期初
期(21時間後)にかけて検出される。およそ400kDaの第二の標識されたバ
ンドは、14時間後に出現し、サイクルの最後まで検出される。35Sで標識され
た環状体期IE抽出物は、RSP−1と共移動する200kDaのバンドを示す。
200kDa及び400kDaのバンドは対照赤血球には見られない(データは示して
いない)。(B)妊婦(カメルーン)に由来する免疫血清プールは、およそ20
0kDa及び40kDaの2つの主要なプロテアーゼ感受性タンパク質を免疫沈殿させ
た。生活環後期に、varCSA分子(400kDa)が免疫精製される。レーン1:
感染から32時間後の栄養体期。レーン2:125I標識された若い環状体期。レ
ーン3:10μg/mlトリプシン(tryp)処理後の免疫沈降。レーン4:10
0μg/mlトリプシン(tryp)処理後の免疫沈降。レーン5:100μg/mlα
−キモトリプシン(chymo)処理後の免疫沈降。レーン6:血清プールで免
疫沈降させられた35Sメチオニンで標識された環状体期IE SDS抽出物。(
C)異なる濃度のトリプシン又はα−キモトリプシンによる環状体期IEの処理
に対する細胞接着の感受性。(D)地方性マラリアの区域に住むセネガル及びカ
メルーンの患者に由来する5つの血清のプールによる、環状体期(R)及び栄養
体期(T)のPACSA IEの免疫標識。IE表面の抗体をFITC結合抗ヒト
IgGで検出し、EPR顕微鏡検(CELLscan)により観察した。(E)
初妊婦(1)、経妊婦(25及び46)、小児(61)、及び男性成人(161
3)から得られた血清による細胞接着阻害。マラリアと接触した経験のない有志
者に由来する血清プールを用いて実施された対照と、各血清の存在下で得られた
結合を比較することにより細胞接着率(%)を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/20 C12P 21/08 C12N 5/10 C12N 15/00 C // C12P 21/08 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ギシン,ユルク フランス国、エフ−83640 サン−ザシャ リ、ル・デギエール (72)発明者 プーヴェル,ブルーノ フランス国、エフ−83470 サン−マキシ マン、ラ・ヴィロンヌ、シュマン・ジ・ド ゥ・ピエール・ヴィエイユ (72)発明者 シェルフ,アルトゥール フランス国、エフ−75015 パリ、リュ・ マチュラン・レニエ 42 (72)発明者 ビュフェ,ピエール フランス国、エフ−75020 パリ、ブルヴ ァール・ダブ 157 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA53 DA02 GA03 HA15 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA15 4B065 AA91X AA93X AB05 AC14 4C085 AA03 BA02 BB11 CC21 DD32 DD38 DD86 FF01 FF02 FF03 4H045 AA11 CA20 DA75 DA76 DA86 FA72

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内皮細胞への熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum
    )環状体期接着を媒介し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって決
    定されるサイズがおよそ200キロダルトンである、単離されたタンパク質。
  2. 【請求項2】 内皮細胞への熱帯熱マラリア原虫環状体期接着を媒介し、S
    DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって決定されるサイズがおよそ40
    キロダルトンである、単離されたタンパク質。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の単離されたタンパク質と結合する抗体。
  4. 【請求項4】 モノクローナル抗体である、請求項3の抗体。
  5. 【請求項5】 ポリクローナル抗体である、請求項4の抗体。
  6. 【請求項6】 試料中のマラリア原虫種の存在を検出する方法であって、 該試料を請求項3〜5のいずれかに記載の抗体と接触させること;及び 該試料中の抗体とマラリア原虫種との間の、マラリア原虫種の存在を示す相互作
    用を同定することを含む方法。
  7. 【請求項7】 マラリア原虫種が熱帯熱マラリア原虫である、請求項6の方
    法。
  8. 【請求項8】 抗体が検出可能部と結合している、請求項6の方法。
  9. 【請求項9】 試料が、マラリアを有すると推測されるヒト患者から得られ
    る、請求項6の方法。
  10. 【請求項10】 試料中のマラリア原虫抗体の存在を検出する方法であって
    、 該試料を請求項1又は請求項2の単離されたタンパク質と接触させること;及び
    該試料中のタンパク質とマラリア原虫抗体との間の、マラリア原虫の存在を示す
    相互作用を同定することを含む方法。
  11. 【請求項11】 マラリア原虫が熱帯熱マラリア原虫である、請求項10の
    方法。
  12. 【請求項12】 タンパク質が検出可能部と結合している、請求項10の方
    法。
  13. 【請求項13】 試料が、マラリアを有すると推測されるヒト患者から得ら
    れる、請求項10の方法。
  14. 【請求項14】 熱帯熱マラリア原虫に感染していると推測される個体にお
    いて熱帯熱マラリア原虫血中期サイクルを診断する方法であって、 該個体から生物学的試料を得ること; 該試料を請求項3〜5のいずれかに記載の抗体と接触させること;及び 抗体と該試料中の抗原との間の、環状体期感染を示す相互作用を同定することを
    含む方法。
  15. 【請求項15】 熱帯熱マラリア原虫に感染していると推測される個体にお
    いて熱帯熱マラリア原虫血中期サイクルを診断する方法であって、 該個体から生物学的試料を得ること; 該試料を請求項1又は2のタンパク質と接触させること;及び タンパク質と該試料中の抗体との間の、環状体期感染を示す相互作用を同定する
    ことを含む方法。
  16. 【請求項16】 単離されたタンパク質RSP−1及びRSP−2のうちの
    少なくとも1つと、医薬的に許容される担体とを含む組成物。
  17. 【請求項17】 免疫原性組成物である、請求項16の組成物。
  18. 【請求項18】 ワクチンである、請求項16の組成物。
  19. 【請求項19】 個体において熱帯熱マラリア原虫感染から個体を防御する
    ための免疫応答を誘導するのに十分な量の、単離されたタンパク質RSP−1及
    びRSP−2のうちの少なくとも1つを含む組成物。
  20. 【請求項20】 アジュバントをさらに含む、請求項19の組成物。
  21. 【請求項21】 投与が1回以上実施される、請求項19の組成物。
  22. 【請求項22】 2001年2月23日に受託番号I−2635の下でCN
    CMに寄託されたPf 26G1/B4なる名称のハイブリドーマ細胞。
JP2002500932A 2000-05-31 2001-05-30 熱帯熱マラリア原虫環状体期感染赤血球の細胞接着に関与しているタンパク質、該タンパク質と結合する抗体、及び感染、感染期を検出する方法、並びに感染から防御するためのワクチン Pending JP2003534814A (ja)

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