JP2003534235A - バイオフイルムの透過性化 - Google Patents

バイオフイルムの透過性化

Info

Publication number
JP2003534235A
JP2003534235A JP2000616934A JP2000616934A JP2003534235A JP 2003534235 A JP2003534235 A JP 2003534235A JP 2000616934 A JP2000616934 A JP 2000616934A JP 2000616934 A JP2000616934 A JP 2000616934A JP 2003534235 A JP2003534235 A JP 2003534235A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biofilm
compound
target material
stress
stress waves
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000616934A
Other languages
English (en)
Inventor
ソウコス,ニコラオス・エス
リー,シュン
ドウカス,アポストロス・ジー
Original Assignee
ザ ゼネラル ホスピタル コーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ ゼネラル ホスピタル コーポレーション filed Critical ザ ゼネラル ホスピタル コーポレーション
Publication of JP2003534235A publication Critical patent/JP2003534235A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M31/00Devices for introducing or retaining media, e.g. remedies, in cavities of the body
    • A61M31/002Devices for releasing a drug at a continuous and controlled rate for a prolonged period of time
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/02Stomatological preparations, e.g. drugs for caries, aphtae, periodontitis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M37/00Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin
    • A61M2037/0007Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin having means for enhancing the permeation of substances through the epidermis, e.g. using suction or depression, electric or magnetic fields, sound waves or chemical agents

Abstract

(57)【要約】 ストレス波を用いてバイオフイルムを透過性にする方法が記載される。これらの方法は、バイオフイルムに対して、例えば装置若しくは食品商品の表面上に、または患者の組織表面上に1つまたはそれ以上のストレス波を適用し、次いでストレス波を誘発させてそのバイオフイルムの透過性に一時的な増加を生じさせることを含む。その増加した透過性は、抗菌剤または治療剤のような化合物をバイオフイルムの中にまたはバイオフイルムを通して送達するのを促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、バイオフイルム(biofilm)を透過性にする方法、例えば抗生物質
、殺菌・消毒剤または光増感剤のような化合物をストレス(stress)波または圧力
(pressure)波を用いてバイオフイルムの中にまたはバイオフイルムを通して送達
する方法に関する。
【0002】 発明の背景 体中のほとんどの微生物感染症は、単一のまたは複数の細菌種から構成される
バイオフイルム中で増殖する細菌によって引き起こされる。バイオフイルムは、
典型的には、互いにおよび固体表面と関連づけられている(associated)マトリ
ックス封入微生物集合体(matrix-enclosed microbial aggregates)である。バ
イオフイルム内の細菌は、同じ種のプランクトン様細胞の抗菌剤耐性と比較して
抗菌剤耐性を増加している。抗菌剤のような化合物に対してバイオフイルムが相
対的に不透過性であることが、バイオフイルムに関連した微生物感染症がなぜ治
療困難であるかの1つの理由であると思われる。
【0003】 発明の概要 本発明は、ストレス波または圧力波がバイオフイルムを透過性にするのに使用
でき、かくして化合物をバイオフイルムの中にまたはバイオフイルムを通して輸
送するために使用することができるという発見に基づく。これらの新規な方法は
、広範囲の大きさのおよび正味装入量の化合物をバイオフイルムの中に、そして
バイオフイルムを通して送達するのに用いることができる。
【0004】 本発明は、一般に、化合物をバイオフイルムの中にまたはバイオフイルムを通
して送達する方法を特徴とするものである。この方法は、バイオフイルムを化合
物と接触させ、そしてそのバイオフイルムにその透過性を高めるのに十分な数の
ストレス波を伝搬させ、それによって化合物がそのバイオフイルムに移行できる
ようにすることを含む。この透過性は数分以下の時間高められるので、ストレス
波を第一の工程で適用することができ、従って化合物をそれより後の工程で透過
性化したバイオフイルムに適用することができる。この後の工程は、第一工程と
は数秒間または数分間だけ隔てることができる。あるいはまた、ストレス波は、
化合物をバイオフイルム中に駆出するのを助けるために用いることもできる。
【0005】 ストレス波、即ち圧力波(即ち、衝撃過渡現象)は、少なくとも500ps〜
100μs、例えば1ns〜1μs、10ns〜100ns、10ns〜10μ
sまたは100〜300nsの立ち上がり時間を有するブロード−バンド圧縮波
である。ストレス波は測定可能な引張成分を有しない。ストレス波は、少なくと
も50バール、例えば200〜700バール、300〜500バールまたは55
0〜650バールのピーク圧力を有する。ストレス波は800バール以下、10
00バール以下または2000バール以下のピーク圧力を有するのが好ましい。
ストレス波は10μs以下の迅速な立ち上がり時間を持ち、かつ100ns〜1
μs、例えば200〜600nsの持続時間を有する。1つの処理において、1
〜50回またはそれ以上のパルス(即ち、個々のストレス波)、例えば1、2、
3、4または5〜10回のパルスを適用することができる。
【0006】 ある種の態様では、ストレス波は、バイオフイルムに結合されている(couple
d)標的材料にパルスレーザービームを向けることによって発生せしめられる。
パルスレーザービームは、典型的には、140nm〜約12μm、例えば250
、400、450、500、550、625、675、725、800、900
、1000または1100nmの波長を有する。標的材料としてレーザーエネル
ギーを吸収する材料が挙げられるが、この吸収性材料をレーザー誘発急速加熱す
ると、ストレス波が発生する。標的材料は、例えばポリスチレンのような重合体
であることができる。標的材料は金属箔であることもできる。金属箔での使用に
適した金属には、例えばアルミニウムまたは銅がある。
【0007】 ある特定の態様では、光に対して透明な材料、例えば石英板またはガラス板を
標的材料の表面に接着させ、レーザービームにより発生せしめられたプラズマを
制限し(confine)、それによってレーザーエネルギーの、ストレス波の機械的エ
ネルギーへの変換効率を高める。
【0008】 ある適用例の場合、化合物は、その化合物と混合するのに適したカップリング
媒体を含んでいる溜めに与えられる。溜めは、カップリング媒体がバイオフイル
ムの表面と直接接触するのを可能にするように配置される。カップリング媒体は
、ラウリル硫酸ナトリウムのような界面活性剤を含んでいることもできる。
【0009】 バイオフイルムは、哺乳動物のエナメル質表面と、例えば歯の表面上に関連づ
けられている場合がある。このバイオフイルムは、哺乳動物の歯周ポケットと関
連づけられていることもある。他の態様では、バイオフイルムは気管または肺の
表面と関連づけられている。
【0010】 化合物は、生物活性のある薬剤、例えば抗菌剤のような治療剤であることがで
きる。抗菌剤の例として、抗生物質、例えばメトロニダゾールおよびミノサイク
リン;殺菌・消毒剤、例えばクロルヘキシジンおよびトリクロサン;光増感剤、
例えばベンゾポルフェレン誘導体一酸環A(benzoporpherene derivative monoa
cid ring A:BPD-MA)が挙げられる。
【0011】 本発明の方法で透過性化され得るバイオフイルムに、細菌または細菌の産生物
によって産生されたもの、例えば細菌によって産生された莢膜多糖がある。バイ
オフイルムは1種または数種の異なる細菌種を含んでいることができる。ある種
の適用例においては、この細菌種にP.ジンジバリス(P. gingivalis)または
アクチノミセスspp(Actinomycete spp)、例えばA.ビスコサス(A. visco
sus)がある。バイオフイルムは、1種またはそれ以上の真菌類若しくは原生動
物の種またはそれらの産生物を含んでいることもできる。
【0012】 本発明は、また、抗菌剤のような化合物をバイオフイルムの中にまたはバイオ
フイルムを通して送達する方法を含む。この方法は、バイオフイルムを抗菌剤と
接触させ、そしてそのバイオフイルムに結合されている標的材料をパルスレーザ
ービームに曝露することを含む。次に、1つまたはそれ以上のストレス波が抗菌
剤と接触しているバイオフイルムを通って伝搬され、それによってその抗菌剤を
バイオフイルムへと移行またはバイオフイルムを通過させる。
【0013】 本発明には、バイオフイルムをストレス波に曝露することによりそのバイオフ
イルムを透過性にするバイオフイルムの透過性化法も含まれる。その後は、化合
物はそのバイオフイルムを、例えば拡散または適用される力によって通過するこ
とができる。
【0014】 本発明は、さらに、バイオフイルムをストレス波に曝露することによってその
バイオフイルムに関連した疾患を治療する方法を含む。ある種の態様では、スト
レス波はバイオフイルムを透過性にして治療剤が入れるようにする。ストレス波
は、また、バイオフイルムを透過性にして、他の薬剤、例えば大気酸素の進入を
可能にすることもできる。
【0015】 本明細書に記載される方法は、任意の動物またはヒトの被検体中の、例えばヒ
ト、イヌ、ウマ、ウシまたはネコのような哺乳動物中のバイオフイルムに適用す
ることができる。これらの方法は、口腔疾病、例えば慢性破壊性歯周炎に関連し
たバイオフイルムを透過性とするのに特に適している。これらの方法は、また、
動物には見いだされない他の固体表面、例えば食品加工および医療用途で用いら
れる道具上の固体表面に付着しているバイオフイルムを透過性にするのにも用い
ることができる。
【0016】 バイオフイルムのストレス波による透過性化は、生物活性薬剤および治療剤の
ような化合物を、病んでいる細胞の領域に高度に限局された効果で投与すること
ができるようにし、かくして体の他の組織に害を及ぼさない。このようにして、
健康な組織および器官は全身投与された薬物の悪影響を免れる。
【0017】 本明細書で用いられる全ての技術的および科学的用語は、別に定義されなけれ
ば、本発明が関係する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同
じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同等または類似の方法および材料
が本発明の実施および試験において使用できるけれども、適した方法および材料
を以下に記載する。本明細書に挙げられる全ての刊行物、特許出願、特許、その
他の文献は、それらを参照することによってその全体が本明細書に含まれるもの
である。不一致がある場合は、定義を含めて本発明の記載が支配するものとする
。本明細書に記載される材料、方法および例は、別に示されなければ、単に例示
であって、限定しようとするものではない。
【0018】 本発明の様々の特長および利点は、次の詳細な説明および特許請求の範囲から
明らかになるだろう。 詳細な説明 本発明は、化合物、例えば抗生物質のような抗菌剤、殺菌・消毒剤および光増
感剤を、ストレス波、即ち圧力波を用いてバイオフイルムの中にまたはバイオフ
イルムを通して送達する新規な方法を提供するものである。ストレス波はバイオ
フイルムの透過性に一時的な増加を誘発し、それによって、そのストレス波が適
用されたときまたはそのすぐ後に、化合物をバイオフイルムの中に送達すること
が可能になる。この方法は、従って、バイオフイルムの存在に関連した状態を治
療するために化合物を送達するのに有用である。
【0019】 バイオフイルムは互いにおよび固体表面と関連づけられているマトリックス封
入微生物集合体である。バイオフイルムは微生物の細胞を含んでいることができ
るが、蛋白質または多糖類、例えば微生物により発現される莢膜多糖類のような
細胞外物質を含んでいることもできる。
【0020】 バイオフイルムは低栄養源および高栄養源の両者に関連して見いだすことがで
きる。バイオフイルムの例は、ここで参照することにより全体が本明細書に含め
られるウィンペニー(Wimpenny)のAdv. Dent. Res.、11:150−159、1997の表
1に開示されている。バイオフイルムには、植物の表面のような高栄養源、例え
ば根圏に関連して見いだされるものだけでなく、コンタクトレンズ、プロテーゼ
、カテーテル、金属板、ジョイント、心臓弁およびステントのような不活性な表
面上に見いだされるものもある。他のバイオフイルム源として、動物の表面、例
えば口部表面、腸、ルーメンおよび膣のような上皮、並びに肺および心臓のよう
な体内器官の表面および心臓弁の表面が挙げられ、上記口部表面には、例えば頬
、舌、口蓋、上皮、歯の表面がある。
【0021】 バイオフイルムが口腔中に歯肉下バイオフイルムとして存在するとき、それら
バイオフイルムは歯垢と称される。歯垢は、齲食、歯周炎、歯インプラントの破
損、義歯性口内炎、およびカンジダ症のような口部イースト菌感染症のような状
態の発生に伴って生ずる。
【0022】 特定の微生物感染症に関連があるバイオフイルムの例に、グラム陽性アクチノ
ミセスspp、特にA.ビスコサスにより歯肉上沈積物中に形成されるものがあ
る。グラム陰性細菌も歯肉上バイオフイルムに関連して見いだすことができる。
これらの細菌として、P.ジンジバリス、F.ヌクレアタム(F. nucleatum)、
並びにココバシリ(coccobacili)およびキャプノサイトファージspp(Capno
cytophage spp)が挙げられる。
【0023】 口部でないバイオフイルムに関連する病原体に、嚢胞性線維病に罹っている患
者の気管に見いだされるP.アエロジノサ(P. aeroginosa);尿路関連の感染
症および腸管感染症に見いだされるE.コリ(E. coli)バイオフイルム、並び
に目の感染症におけるスタフィロコッカスspp(Staphylococcus spp)により
形成されるバイオフイルムがある。後者の感染症は往々にしてコンタクトレンズ
と関連がある。
【0024】 バイオフイルムは、また、真核細胞、例えば、アルバーツ(Alberts)等のMol
ecular Biology of the Cell、第3版、1994年、第1189頁に記載される
もののような細胞外基質の分泌のために特殊化された細胞に関連して見いだすこ
ともできる。これらの細胞に、上皮細胞、例えば歯のエナメル質を分泌するエナ
メル芽細胞、耳の前庭器のプロテオグリカン分泌半月面細胞、およびコルチ(Co
rti)器官の蓋膜被覆毛細胞を分泌するコルチ器官の歯間細胞がある。他の細胞
として、線維芽細胞のような非上皮細胞、周皮細胞、インバーテブラルディスク
(invertebral disc)の髄核細胞、セメント芽細胞/象牙質細胞、硝子軟骨、線
維軟骨または弾性軟骨の軟骨細胞、骨芽細胞/骨細胞、および骨芽細胞の幹細胞
である骨前駆細胞が挙げられる。他の細胞外基質分泌細胞に、目の硝子体の硝子
体細胞、および耳の外リンパ腔の星細胞がある。
【0025】 本発明の方法は、これらの天然産バイオフイルムの透過性を高めて、化合物が
それらバイオフイルムの中に、そしてその下にある細胞および組織に移行できる
ようにするのに使用することができる。
【0026】 ストレス波の発生方法 ストレス波の性質は、ここで参照することにより全体が本明細書に含まれるW
O98/23325号明細書に一般的に記載されている。
【0027】 ストレス波はいろいろなエネルギー源によって発生させることができる。例え
ば、ストレス波は、適切な標的材料をレーザーのような高エネルギー光源により
アブレーション(ablation)または熱弾性膨張させることによって発生させること
ができる(ドウカス[Doukas]等のレーザー誘発ストレス波の物理的特性および
生物学的効果[Physical Characteristics and Biological Effects of Laser-I
nduced Stress Waves]、Ultrasound in Med. & Biol.、22:151−164、1996)
。ストレス波をレーザーで発生させるとき、それらはレーザーストレス波と称す
ることができる。
【0028】 レーザービームは、この技術分野で公知の標準的な光変調技術で、例えば電気
光学または音響光学装置を使用する、例えばQ−スイッチレーザーまたはモード
同期レーザーで発生させることができる。赤外、可視および/または近赤外スペ
クトルにおいてパルスモードで作動できる商業的に入手可能な標準的なレーザー
として、Nd:YAG、Nd:YLF、CO2、エクシマー、染料、Ti:サファイヤ、ダイオ
ード、ホルミウム(その他の希土類物質)および金属−蒸気の各レーザーが挙げ
られる。これら光源のパルス幅は調整可能であって、数十フェムト秒(fs)か
ら数百マイクロセカンドまで変わることができる。本発明の新規な方法における
使用には、光パルス幅は100fsから約10μsまで変わることができ、好ま
しくは約500ps〜40nsである。
【0029】 ストレス波は、また、体外砕石器(コレマン[Coleman]等のUltrasound Med.
Biol.、15:213−227、1989に1例が記載される)により発生させることもでき
る。これらのストレス波は、レーザー発生ストレス波よりも長い30〜450n
sの立ち上がり時間を有する。
【0030】 使用される砕石器のタイプは、それがストレス波を発生させることができる限
り、特に重要な訳ではない。かくして、電気油圧式、電磁式または圧電式のいず
れの砕石器も使用できる。
【0031】 ストレス波は圧電変換器のような変換器を用いて発生させることもできる。変
換器は、カップリング媒体と直接接触した状態にあって、ストレス波を発生させ
るために光、熱または電場が適用されると、それに続いて速やかな置換を受ける
のが好ましい。
【0032】 例えば、絶縁破壊を利用することができるが、それは、典型的には、高電圧ス
パーク(ある種特定の体外砕石器で用いられるものと同様;例えばコレマン等の
Ultrasound Med. Biol.、15:213−227、1989を参照されたい)により誘発され
る。圧電変換器の場合、この変換器は、カップリング媒体中で速やかな置換を引
き起こすために電場が印加されると、それに続いて迅速な膨張を受ける。
【0033】 ストレス波は、別法として、コダマ(Kodama)等のUltrasound Med. Biol.、2 4 :1459(1989)に記載されるもののようなエネルギーに関する物質(energetic
materials)中に爆発的な反応を誘発することによっても発生させることができ
る。有用なエネルギーに関する物質としては、ニトロセルロース(NC)、グラシ
ディーアジド重合体(glacidy azide polymer:GAP)、ビス−アジドメチルオキ
セタン重合体(BAMO)、アジドメチル・メチルオキセタン重合体(AMMO)および
銀アジドが挙げられる。
【0034】 ある種の適用例には、ファイバーオプティクスを使ってストレス波を発生させ
ることが望ましい。ファイバーオプティク送達系が特に操作し易く、バイオフイ
ルムに隣接配置された標的材料に照射して、離れた場所か、さもなければ接近し
難い場所中にストレス波を発生させるのに使用することができる。これらタイプ
の送達系は、例えばレーザーに光学的に結合されると、それらはカテーテルおよ
びそれに関連した可撓性の装置に統合することができ、従って人体のほとんどの
器官に照射することができるので好ましい。さらに、所望とされる立ち上がり時
間とピークストレスを有するストレス波を送り出すために、光源の波長は、特定
の標的材料中に適切な吸収を生じさせ、次いでストレス波を出すように容易に調
整することができる。
【0035】 ストレス波を標的材料の照射によって発生させるとき、その吸収性材料は光学
作動変換器として作用する。光の吸収に続いて、その標的材料は迅速な熱膨張を
受けるか、またはアブレーションされてストレス波を出す。典型的には、金属フ
ィルムおよび重合体フィルムは可視または紫外スペクトル領域で高い吸収率を有
する。
【0036】 材料が使用されるレーザーの波長において光を十分に吸収するという条件で、
多くのタイプの材料が標的材料としてレーザービームと共に使用することができ
る。標的材料は容器の一部として存在していることができ、そしてアルミニウム
若しくは銅のような金属;ポリスチレン、例えば黒色ポリスチレンのようなプラ
スチック;セラミック;または高濃度の染料溶液から構成されていることができ
る。標的材料は適用されたレーザーエネルギーの断面積よりも大きな寸法を有し
ていなければならない。さらに、標的材料は、光が通過してバイオフイルムの表
面またはその下の組織に当たることのないように、レーザーの標的中光透過深さ
よりも厚くなければならない。標的材料が容器の一部として存在するとき、それ
は、また、機械的な支持を与えるべく十分に厚くなければならない。標的材料が
金属から作られている場合、その典型的な厚さは1/32〜1/16インチ、即
ち金属箔の厚さである。プラスチックの標的材料では、その厚さは一般に1/1
6〜1/8インチである。
【0037】 標的材料はカップリング媒体によりバイオフイルムに結合されなければならな
い。カップリング媒体は液体、ゲルまたはクリーム媒体であって、その中にスト
レス波が伝搬される。カップリング媒体は、ストレス波のバイオフイルム層の表
面に対する直接接触を可能にして、音響反射を最小限に抑える。多くの適用例に
おいて、送達されるべき化合物が溶解または懸濁されている溶液またはゲルは、
それ自体カップリング媒体として作用する。別法として、カップリング媒体は、
これをストレス波の適用中に使用し、次いで、所望とされるならば、化合物をそ
の新しく透過性化されたバイオフイルムに適用するために除去することができる
。かくして、送達しようとする化合物を含んでいる溶液、例えば水、ひまし油の
ような油、リン酸塩緩衝食塩水(PBS)のような等張性媒体、またはコラーゲン
ゲルのようなゲルが、全て、カップリング媒体として使用することができる。
【0038】 体外砕石器を使用する場合、前記の適切な立ち上がり時間を有するストレス波
は、WO98/23325号明細書に記載されるようにして定められた距離につ
いて、非線形カップリング媒体(例えば、水)中で伝搬させることによって発生
させることができる。
【0039】 送達しようとする化合物は、カップリング媒体中に完全に分散、好ましくは溶
解される。かくして、親水性化合物は水性カップリング媒体(e.g.水、界面活性
剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ベンズアルコニウムクロリド(B
AC)、ココアミドプロピルベタイン(CAPB)の溶液)と混合することができ、ま
た疎水性化合物は油系カップリング媒体(ひまし油のような)と混合することが
できる。これらの薬剤は媒体のカップリング能も高める。
【0040】 カップリング媒体は、さらに、界面活性剤を含んでいることができ、例えばス
トレス波の発生に続いてバイオフイルムがその化合物に対して透過性のままにな
っている時間を延ばすことによって送達しようとする化合物の輸送を向上させる
る。界面活性剤は、例えばイオン性または非イオン性の洗浄剤であることができ
、かくして、例えばラウリル硫酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブ
ロミドおよびラウリルジメチルアミンオキシドを挙げることができる。
【0041】 ストレス波の特性は、この技術分野において標準的な方法を用いて測定するこ
とができる。例えば、ピークストレスまたは圧力および立ち上がり時間は、ドウ
カス等のUltrasound Med. Biol.、21:961(1995)に記載されるポリフッ化ビニ
リデン(PVDF)変換器法を用いて測定することができる。
【0042】 ストレス波の発生効率を評価する有用なパラメーターはカップリング係数(Cm )であり、これはアブレーション中の標的材料への運動量移動の総和をパルス
エネルギーで除した商と定義される。レーザーエネルギーの、ストレス波の機械
的エネルギーへの変換効率は、標的材料のこのカップリング係数によって与えら
れる。
【0043】 ストレス波の透過性化効果を、制限(confined)アブレーションを利用して向上
させることができる。制限アブレーションにおいては、石英光窓またはガラスの
ような、レーザービームに対して透明な材料が、標的材料と密接に配置される。
この透明材料を用いることにより標的材料をアブレーションすることによって作
り出されるされるプラズマの制限は、カップリング係数を一桁増加させる(ファ
ブロ[Fabro]等のJ. Appl. Phys.、68:775、1990)。透明材料は、石英、ガラ
スまたは透明なプラスチックであることができる。標的材料と制限用透明材料と
の間の空所はプラズマを膨張させ、それによって標的に付与された運動量を減少
させるから、透明材料は、そのような空所が生じないようにするために、炭素含
有エポキシ樹脂のような初めは液状である接着剤を用いて標的材料に接着させる
のが好ましい。
【0044】 ストレス波で誘発される効果は数分間持続するから、バイオフイルムを通り、
薬物の濃度勾配に沿って受動的に拡散する薬物の輸送速度は、ストレス波の適用
に続いてバイオフイルムの表面に静水圧を適用かけることによって増加させるこ
とができる。その静水圧媒体は、水または燐酸塩緩衝食塩水のような任意の液体
であることができる。
【0045】 化合物 ストレス波は物理的な力を用いてバイオフイルムの透過性を高めるので、それ
らは多くの異なるタイプの化合物を輸送するのに用いることができる。かくして
、これら化合物は、光増感剤、例えばベンゾポルフェレン誘電体一酸環A(BPD-
MA)のような生物活性薬剤;メトロニダゾールおよびミノサイクリンのような抗
生物質;並びにクロルヘキシジンおよびトリクロサンのような殺菌・消毒剤であ
ることができる。
【0046】 使用できる追加の生物活性化合物として、化学療法剤のような治療剤、例えば
シスプラチン、成長因子および抗体を含めてポリペプチド、並びにオリゴヌクレ
オチドのような核酸、DNA、RNAおよびプラスミド、リドカインおよびベンゾカイ
ンのような局所麻酔剤が挙げられる。化合物は、場合によっては、それらのバイ
オフイルムへの輸送を促進するために、ストレス波の発生前に加熱することがで
きる。
【0047】 一般に、差動薬物局在化(differential drug localization)は、薬理学の分
野で公知の標準的な技術を使用して定められる投与指針を用いて達成することが
できる。化合物の投与量および時間推移は、治療された組織、細胞または他の治
療部位で、その周りの無治療の組織または部位に比較して、2:1またはそれ以
上の濃度比が達成されるそのようなものである。
【0048】 特定の化合物について、また個々の被験体または患者(ヒトまたは動物)につ
いて適切な投与量を決定することは、製剤投与の技術分野の当業者にとっては日
常的な事である。病んでいる(治療される)部位およびその周りの部位における
薬物の量を直接評価するために、2つの方法が一般に使用される。まず、異なる
投与量およびタイミングのプロトコルで治療されている動物(例えば、ブタ)ま
たは患者から組織試料を得る。次に、各試料中の薬物量を、化学的にか、または
、蛍光のような独特の光信号が存在する場合は、次いで、定量的な顕微鏡検査法
若しくはレーザー誘発蛍光でのいずれかの方法で測定する。結果を表にして所定
のバイオフイルムについての最適薬物投与量の規模とストレス波のタイプ、その
バイオフイルムに結合されている構造、および化合物を決定する。
【0049】 高い方の投与量で毒性作用がある化合物は、治療組織または細胞中に十分な薬
物レベルを維持しつつ、これらの治療組織または細胞中に、その周りの組織に比
較して、それより高い濃度の薬物をもたらす投与指針を用いて患者に投与するこ
とができる。
【0050】 本発明の新規な方法による化合物の局所適用および送達は、化合物が関心のあ
る部位に局在化できるようにする。かくして、化合物、例えば薬物は作用部位で
より濃度が高く、全身濃度はあるとしても最小限である。これは薬物の治療効果
を高め、同時に全身性副作用を可及的に小さく抑える。全身性投与に比較しての
もう1つの利点は、バイオフイルムを通して輸送される化合物が全身性の不活性
化または分解を回避すること(例えば、肝臓の「初回通過効果」)である。胃腸
不適合および潜在的な中毒の危険も、全身性投与に比較して最小限に抑えられる
。さらに、局所適用のために開発される薬物は、それらが標準的な技術を用いて
系統的に不活性化される(即ち、「弱い薬」という概念)ように設計することが
できる。局所投与は、また、化合物が希少であるか、または高価であるときに望
ましいだろう。
【0051】
【実施例】
本発明を次の実施例でさらに説明することとするが、これらの実施例は特許請
求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
【0052】 実施例1−ストレス波はA.ビスコサスバイオフイルムへのメチレンブルーの
浸透を高める 化合物のバイオフイルムへの浸透を高めるストレス波の能力を、適用レーザー
ストレス波の存在下および不存在下におけるメチレンブルーのバイオフイルムへ
の浸透を比較することによって証明した。
【0053】 バイオフイルムを、A.ビスコサスをエナメル質表面上で培養することによっ
て生成させた。5×5×2mmの寸法を有するエナメル質表面を滅菌し、そして
A.ビスコサスの培養物を有する24個のウエル平板(24-well plates)のウエ
ル中に5%のヒツジ血液を含むトリプチカーゼ・ソイ寒天培地(trypticase soy
agar)の中に浮遊させた。浮遊エナメル質表面を含む平板を、嫌気性チャンバ
ー中で35℃においてインキュベートした。A.ビスコサス培養物を含む新鮮な
培地を、1週間に2回の割りで、厚さ1.0〜1.5mmのバイオフイルムが形
成されるまで加えた。
【0054】 試験体をメチレンブルー(シグマ社[Sigma]、セントルイス[St. Louis]、
MO)と共にインキュベートし、続いてレーザーパルスに曝露するか、または光
の不存在下でメチレンブルーと共に5分間だけインキュベートした。
【0055】 レーザーパルスに曝露されるべき試験体を、図1に示される溜めの中に置いた
。溜め10は、A.ビスコサスバイオフイルム14が付着されているエナメル質
表面12を含んでいた。バイオフイルム14を50μg/mLのメチレンブルー
を含んでいる溶液16の中に5分間浸し、その後無菌黒色プラスチック(無発泡
ポリスチレン)標的18(直径1cm、厚さ1mm)を、溶液14と接触してい
る溜め10の上部を覆って配置した。バイオフイルムを、標的18をアブレーシ
ョンさせた後に溶液16を通してストレス波22を発生させる単一のレーザーパ
ルス20に曝露した。レーザーパルスは、Q−スイッチルビーレーザー(図示さ
れず)により発生せしめられた。レーザーの作動パラメーターは、694nm、
2.1Jおよびパルス持続期間23nsであった。
【0056】 Q−スイッチレーザーからの694nmの放射線によるポリスチレン標的のア
ブレーションで発生せしめられたストレス波の時間波形を図2に示す。ストレス
波は校正済み圧電変換器で測定されたが、50nsecの立ち上がり時間、110ns
ecの持続時間および600バールのピーク圧力を有していた。ビームの寸法は直
径約6mmで、約7.0J/cm2の流束量を与えた。
【0057】 次に、試験体をペトリ皿に入れ、PBSで覆い、その後バイオフイルムをライカ
(Leica)TCS NTTM蛍光走査共焦点顕微鏡により調べた。顕微鏡には、10xの
水液浸系対物レンズが具えられていた。メチレンブルーの励起源としてアルゴン
レーザー(476nm)が用いられた。切片を100μm間隔で採集し、そして
画像処理してバイオフイルム基質内におけるメチレンブルーの分布を評価するこ
とによって分析した。
【0058】 それらの画像は、レーザー発生ストレス波が適用されたバイオフイルムからの
蛍光は対照よりもはるかに強く、メチレンブルーがバイオフイルム中に浸透して
いたことを示していることを証明するものであった。さらに、対照スライスの蛍
光強度は400μm以下の深さまで増加されていたが、これに対してストレス波
に付された試験体では蛍光が600〜700μmの深さまで観察された。ストレ
ス波に曝露された試験体から得られた蛍光強度の有意の増加が対照に比較して観
察された。
【0059】 これらの結果は、バイオフイルムに対するストレス波の適用はそのバイオフイ
ルムの生物活性薬剤による浸透を促進することを証明している。 実施例2−ストレス波は細菌バイオフイルム上の光増感剤の殺菌効果を高める ストレス波がバイオフイルム上の光増感剤の殺菌効果を高めることができるこ
とを証明するために、A.ビスコサスバイオフイルムを、光に曝露すると光毒性
作用を及ぼすメチレンブルーに曝露した。
【0060】 これらのバイオフイルムを実施例1に記載したエナメル質表面上で増殖させた
。バイオフイルムをメチレンブルーと共に1分間または5分間インキュベートし
、そしてストレス波(1パルス)に曝露し、その後にそれらを50mW/cm2
の放射束密度において15J/cm2の流束量を持つ666nmの赤色光に曝露
した。対照試料では、バイオフイルムはメチレンブルーだけで処理されるか、ま
たはメチレンブルーで処理され、そして赤色光に曝露されたが、ストレス波には
曝露されなかった。514.5nmの放射を持つアルゴンイオンレーザーを用い
て染料レーザーを送った。このレーザー光を1.0mmの石英繊維に組み込み、
そして対物レンズを用いて適切なスポットサイズを作った。
【0061】 照明後に、上記で処理された試料からの着生細菌を上記エナメル質表面から無
菌ブレードを用いて削ぎ取り、そしてトリプチカーゼ・ソイブイヨン中に分散さ
せた。幾つかの希釈物を調製し、そして100μLずつ血液寒天平板の表面全面
に拡げた。各バイオフイルムからの生存率を、それら平板上のコロニー数を数え
、そして上記薬物と共にインキュベートされ、照射時間に等しい時間室温に保持
された暗対照からのコロニー数で割ることによって計算した。他の対照は:1)
メチレンブルー、光またはストレス波で処理されていないバイオフイルム;2)
ストレス波にのみ曝露されたバイオフイルム;3)メチレンブルーを用いずに光
に曝露されたバイオフイルム;および4)メチレンブルーと共にインキュベート
した後に光に曝露されたバイオフイルムであった。
【0062】 図3に示されるように、バイオフイルムに関連した細菌は、メチレンブルーと
共に5分間インキュベートした後にストレス波および赤色光に付されたとき、そ
の99%が死滅し、これに対して対照細菌は適用ストレス波の不存在下で赤色光
に曝露された後にその57%しか死滅しなかった。さらに、メチレンブルー中で
の1分間のインキュベーションとそれに続くストレス波に対する曝露は、96.
5%の細菌を死滅させたが、これに対してストレス波なしでの同一条件は、34
%の細菌しか死滅させなかった。これらの結果は、ストレス波と共に光増感剤を
適用することがその光増感剤の光毒性作用を高めることを証明している。
【0063】 実施例3−歯周ポケット中での生物活性薬剤のバイオフイルムへの送達 メトロニダゾールの溶液を、慢性破壊性歯周炎を持つ患者の歯周ポケットに適
用する。ポリスチレン標的材料のQ−スイッチルビーレーザーによるアブレーシ
ョンによって発生せしめられるストレス波を用いて、歯根に付着したバイオフイ
ルム(歯垢)を透過性にする。
【0064】 ステンレス鋼製針(内径0.8mm×外径1.8mm)を中空導波路として用
いる。上記レーザーパルスを標的に送るために、レーザーパルスを吸収する標的
でその針の鈍い端をシールする。この標的はレーザーパルスを完全に吸収するよ
うに選ばれる。
【0065】 レーザーパルスを送ると、その標的はバイオフイルムの透過性を一時的に高め
るストレス波を発する。その結果、メトロニダゾールはバイオフイルムに移行し
、それによってバイオフイルム中の細胞のメトロニダゾール媒介破壊が促進され
る。
【0066】 他の態様 以上、本発明をその詳細な説明に関連して説明したが、前記の説明は例証する
ためのものであって、添付特許請求の範囲により定められる本発明の範囲を限定
するものではないことを理解すべきである。他の面、利点および修正点も前記の
特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 バイオフイルムに結合された標的のレーザーアブレーションでストレス波を発
生させる装置の模式図である。
【図2】 単一の、23nsのQ−スイッチルビーレーザーパルスによる黒色ポリスチレ
ン標的材料のアブレーションで発生せしめられたストレス波の波形を示している
グラフである。
【図3】 50μg/mLのメチレンブルー(MB)と共に1分間(白のバー)および5
分間(斜線付きバー)インキュベーションし、続いて単一圧力波および赤色光(
L+MB+PW)または光だけ(L+MB)を適用した後のA.ビスコサスの光
毒性を示しているグラフである。
【符号の説明】
10 試験体溜め 12 エナメル質表面 14 A.ビスコサスバイオフイルム 16 メチレンブルー溶液 18 標的 20 レーザーパルス 22 ストレス波
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 41/00 A61K 41/00 4C089 47/12 47/12 4G075 A61N 5/06 A61N 5/06 E A61P 1/02 A61P 1/02 31/04 31/04 B01J 19/12 B01J 19/12 B (72)発明者 リー,シュン アメリカ合衆国マサチューセッツ州02114, ボストン,バートレット 814,ウェルマ ン・ラボラトリーズ・オブ・フォトメディ シン,デパートメント・オブ・ダーマトロ ジー (72)発明者 ドウカス,アポストロス・ジー アメリカ合衆国マサチューセッツ州02478, ベルモント,エッジムーア・ロード 22 Fターム(参考) 4C076 AA71 CC31 EE30 EE59 FF68 4C082 RA07 RA10 RC04 RC08 RC09 4C083 AC852 CC41 EE03 EE33 4C084 AA11 MA01 MA05 NA10 NA13 ZA672 ZB352 4C086 AA01 AA02 BC38 BC89 MA02 MA05 NA10 NA13 ZA67 ZB35 4C089 AA20 BC07 4G075 AA22 AA61 BA05 CA36 CA65 FB02 FB12 FC01

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物をバイオフイルムの中に送達する方法であって、当該
    方法は: (a)バイオフイルムを化合物と接触させ;そして (b)十分な数のストレス波を上記バイオフイルムの中に伝搬させてそのバイ
    オフイルムの透過性を高め、それによって上記化合物が上記バイオフイルムの中
    に移行できるようにすることを含む、 上記の方法。
  2. 【請求項2】 ストレス波の少なくとも1つが、少なくとも500psの立
    ち上がり時間および少なくとも50バールのピーク圧力を有するブロードバンド
    圧力波である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ストレス波が550〜650バールのピーク圧力を有する、
    請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ストレス波が約10〜100nsの立ち上がり時間を有する
    、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ストレス波が、標的材料をバイオフイルムに結合させ、そし
    てその標的材料をパルスレーザービームに曝露することによって発生せしめられ
    る、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 レーザービームが約140nm〜約12μmの波長を有する
    、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 標的材料の表面に透明な材料が接着されている、請求項5に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 標的材料が金属箔、プラスチックまたはエネルギーに関する
    物質から成る、請求項5に記載の方法。
  9. 【請求項9】 金属箔がアルミニウムまたは銅から成る、請求項8に記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 標的材料が重合体から成る、請求項5に記載の方法。
  11. 【請求項11】 標的材料がポリスチレンである、請求項5に記載の方法。
  12. 【請求項12】 標的材料がレーザーエネルギーを吸収する材料から成り、
    そしてストレス波がその吸収性材料のレーザー誘発急速加熱によって発生せしめ
    られる、請求項5に記載の方法。
  13. 【請求項13】 化合物が抗菌剤である、請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 バイオフイルムが1種またはそれ以上の細菌またはその産
    生物から成る、請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 バイオフイルムが1種またはそれ以上の細菌莢膜多糖類か
    ら成る、請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 バイオフイルムが、アクチノミセスspp若しくはその産
    生物、A.ビスコサス若しくはその産生物またはP.ジンジバリス若しくはその
    産生物より成る群から選ばれる微生物若しくはその産生物から成る、請求項1に
    記載の方法。
  17. 【請求項17】 バイオフイルムが1種またはそれ以上の真菌類またはその
    産生物から成る、請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】 バイオフイルムが1種またはそれ以上の原生動物またはそ
    の産生物から成る、請求項1に記載の方法。
  19. 【請求項19】 化合物がその化合物と混合するのに適したカップリング媒
    体を含んでいる溜めに与えられ、そして上記溜めは上記カップリング媒体がバイ
    オフイルムの表面と直接接触するのを可能にするように配置されている、請求項
    1に記載の方法。
  20. 【請求項20】 カップリング媒体が界面活性剤をさらに含んでいる、請求
    項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、請求項20
    に記載の方法。
  22. 【請求項22】 バイオフイルムが哺乳動物のエナメル質表面、歯周ポケッ
    ト、気管表面または体内器官の表面と関連づけられている、請求項1に記載の方
    法。
  23. 【請求項23】 哺乳動物がヒトである、請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 化合物が抗菌剤であり、そしてバイオフイルムを上記抗菌
    剤と接触させ、そしてそのバイオフイルム上に配置されている標的材料をパルス
    レーザービームに曝露し、それによりその生物活性薬剤と接触している上記バイ
    オフイルムを通して1つまたはそれ以上のストレス波を伝搬させ、それにより上
    記抗菌剤を上記バイオフイルムに通過させることによって、上記抗菌剤が上記バ
    イオフイルムの中に送達される、請求項1に記載の方法。
  25. 【請求項25】 バイオフイルムを透過性にする方法であって、バイオフイ
    ルムを透過性にするのに有効な十分な数のストレス波にバイオフイルムを曝露す
    ることを含む、上記の方法。
  26. 【請求項26】 バイオフイルムに関連した疾患を治療する方法であって、
    バイオフイルムを透過性にするのに十分な1つまたはそれ以上のストレス波にバ
    イオフイルムを曝露し、次いでそのバイオフイルムの中に治療剤を送達し、それ
    によってそのバイオフイルムに関連した疾患を治療することを含む、上記の方法
  27. 【請求項27】 治療剤が抗菌剤である、請求項26に記載の方法。
JP2000616934A 1999-05-12 2000-05-12 バイオフイルムの透過性化 Withdrawn JP2003534235A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13373099P 1999-05-12 1999-05-12
US60/133,730 1999-05-12
PCT/US2000/013231 WO2000067917A1 (en) 1999-05-12 2000-05-12 Permeabilizing biofilms

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003534235A true JP2003534235A (ja) 2003-11-18

Family

ID=22460051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000616934A Withdrawn JP2003534235A (ja) 1999-05-12 2000-05-12 バイオフイルムの透過性化

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP1210182A1 (ja)
JP (1) JP2003534235A (ja)
CA (1) CA2373447A1 (ja)
WO (1) WO2000067917A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006313123A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 San-Ei Faucet Mfg Co Ltd バイオフィルム評価方法
KR20150064580A (ko) * 2013-12-03 2015-06-11 (주)아모레퍼시픽 피부 개선용 키트

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AUPO652897A0 (en) 1997-04-30 1997-05-29 University Of Melbourne, The Synthetic peptide constructs for the diagnosis and treatment of periodontitis
US8129500B2 (en) 1997-12-10 2012-03-06 Csl Limited Porphyromonas gingivalis polypeptides and nucleotides
US6726898B2 (en) 2000-11-17 2004-04-27 Gary R. Jernberg Local delivery of agents for disruption and inhibition of bacterial biofilm for treatment of periodontal disease
US6576226B1 (en) * 2000-11-17 2003-06-10 Gary R. Jernberg Local delivery of agents for disruption and inhibition of bacterial biofilm for treatment of periodontal disease
ES2546658T3 (es) 2003-03-27 2015-09-25 The General Hospital Corporation Método para tratamiento dermatológico cosmético y renovación fraccionada de la piel
US7413572B2 (en) 2004-06-14 2008-08-19 Reliant Technologies, Inc. Adaptive control of optical pulses for laser medicine
PL2175851T3 (pl) * 2007-07-12 2013-11-29 Oral Health Australia Pty Ltd Działanie na biofilm
CA2735171C (en) 2008-08-29 2023-10-03 Oral Health Australia Pty Ltd Prevention, treatment and diagnosis of p.gingivalis infection
US8679103B2 (en) 2008-12-22 2014-03-25 Valam Corporation Two step mammalian biofilm treatment processes and systems
CN103417546B (zh) * 2013-08-19 2016-01-27 中国人民解放军军事医学科学院基础医学研究所 亚甲蓝的一种麻醉后促清醒的用途

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5421816A (en) * 1992-10-14 1995-06-06 Endodermic Medical Technologies Company Ultrasonic transdermal drug delivery system
US5458140A (en) * 1993-11-15 1995-10-17 Non-Invasive Monitoring Company (Nimco) Enhancement of transdermal monitoring applications with ultrasound and chemical enhancers
US5885211A (en) * 1993-11-15 1999-03-23 Spectrix, Inc. Microporation of human skin for monitoring the concentration of an analyte
US6041252A (en) * 1995-06-07 2000-03-21 Ichor Medical Systems Inc. Drug delivery system and method
US5618275A (en) * 1995-10-27 1997-04-08 Sonex International Corporation Ultrasonic method and apparatus for cosmetic and dermatological applications
US6009346A (en) * 1998-01-02 1999-12-28 Electromagnetic Bracing Systems, Inc. Automated transdermal drug delivery system
US6030374A (en) * 1998-05-29 2000-02-29 Mcdaniel; David H. Ultrasound enhancement of percutaneous drug absorption

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006313123A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 San-Ei Faucet Mfg Co Ltd バイオフィルム評価方法
JP4500206B2 (ja) * 2005-05-09 2010-07-14 株式会社三栄水栓製作所 バイオフィルム評価方法
KR20150064580A (ko) * 2013-12-03 2015-06-11 (주)아모레퍼시픽 피부 개선용 키트
KR102087187B1 (ko) 2013-12-03 2020-03-11 (주)아모레퍼시픽 피부 개선용 키트

Also Published As

Publication number Publication date
WO2000067917A1 (en) 2000-11-16
CA2373447A1 (en) 2000-11-16
EP1210182A1 (en) 2002-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Al Shahrani et al. Enhanced removal of Enterococcus faecalis biofilms in the root canal using sodium hypochlorite plus photon-induced photoacoustic streaming: an in vitro study
Grzech-Leśniak et al. Laser reduction of specific microorganisms in the periodontal pocket using Er: YAG and Nd: YAG lasers: a randomized controlled clinical study
Sarda et al. Antimicrobial efficacy of photodynamic therapy, diode laser, and sodium hypochlorite and their combinations on endodontic pathogens
GUTKNECHT et al. Diode laser radiation and its bactericidal effect in root canal wall dentin
Moritz et al. Morphologic changes correlating to different sensitivities of Escherichia coli and Enterococcus faecalis to Nd: YAG laser irradiation through dentin
US20050059731A1 (en) Erythrosin-based antimicrobial photodynamic therapy compound and its use
Zand et al. Antimicrobial efficacy of photodynamic therapy and sodium hypochlorite on monoculture biofilms of Enterococcus faecalis at different stages of development
Meral et al. Factors affecting the antibacterial effects of Nd: YAG laser in vivo
Öter et al. Evaluation of antibacterial efficiency of different root canal disinfection techniques in primary teeth
US20090054881A1 (en) Mammalian biofilm treatment processes and instruments
JP2003534235A (ja) バイオフイルムの透過性化
JP2008507327A (ja) 歯科的用途のための音響光力学的治療
CA2272647A1 (en) Compound delivery using impulse transients
Xu et al. Minimization of treatment time for in vitro 1.1 MHz destruction of Pseudomonas aeruginosa biofilms by high-intensity focused ultrasound
CA2515304C (en) A method and a laser device for treatment of infections
EP1701726B1 (en) Composition for use in photodynamic therapy
Carvalho et al. Analysis of Aloe vera cytotoxicity and genotoxicity associated with endodontic medication and laser photobiomodulation
Attiguppe et al. Comparative evaluation of different modes of laser assisted endodontics in primary teeth: an in vitro study
Tokuc et al. Bactericidal effect of 2780 nm Er, Cr: YSGG laser combined with 940 nm diode laser in Enterococcus faecalis elimination: a comparative study
Datey et al. Shockwave therapy efficiently cures multispecies chronic periodontitis in a humanized rat model
Prabakharan et al. Proteus mirabilis viability after lithotripsy of struvite calculi
US7332200B1 (en) Permeabilizing biofilms
Miranda et al. Novel technologies to improve the treatment of endodontic microbial infections: Inputs from a drug delivery perspective
Wang et al. The penetration effect of HMME-mediated low-frequency and low-intensity ultrasound against the Staphylococcus aureus bacterial biofilm
Ogura et al. Photomechanical wave-assisted molecular delivery in oral biofilms

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070807