JP2003533977A - 咽頭ガン関連タンパク質larcap−1 - Google Patents

咽頭ガン関連タンパク質larcap−1

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JP2003533977A JP2001558469A JP2001558469A JP2003533977A JP 2003533977 A JP2003533977 A JP 2003533977A JP 2001558469 A JP2001558469 A JP 2001558469A JP 2001558469 A JP2001558469 A JP 2001558469A JP 2003533977 A JP2003533977 A JP 2003533977A
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seq
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クラオス デュッカー、
ベルント ヘンチュ、
エルク ホーアイゼル、
マークス フローメ、
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    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
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    • C12N9/50Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
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    • C12N9/6421Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue from mammals
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Abstract

(57)【要約】 咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1)ポリペプチドおよびそのポリヌクレオチドならびにそのようなポリペプチドを組換え技術によって製造するための方法が開示される。LarCAP−1のポリペプチドおよびポリヌクレオチドを診断アッセイにおいて用いるための方法もまた開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、下記において「咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1)
としばしば呼ばれる新しく同定されたポリペプチド、およびそのようなポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチド、診断におけるそれらの使用、および治療に
おいて潜在的に有用なアゴニスト、アンタゴニストであり得る化合物を同定する
際のそれらの使用、ならびにそのようなポリペプチドおよびポリヌクレオチドの
製造に関する。
【0002】 (発明の背景) 創薬プロセスは、現在、「機能的ゲノミクス」(すなわち、ゲノムまたは遺伝
子に基づく高処理能生物学)を採用しているので根本的な激しい変化を受けてい
る。この方法は、遺伝子および遺伝子産物を治療標的として同定する手段として
、迅速に、「ポジショナルクローニング」に基づいたより初期の方法の代わりに
なりつつある。表現型、すなわち、生物学的機能または遺伝子的疾患が同定され
、その後、これに対する原因遺伝子がその遺伝地図の位置に基づいて突き止めら
れる。
【0003】 機能的ゲノミクスは、高処理能のDNA配列決定技術に、そして今や利用可能
な多くの分子生物学データベースから潜在的に注目される遺伝子配列を同定する
ためのバイオインフォマティクスの様々なツールに大きく頼っている。さらなる
遺伝子およびその関連するポリペプチド/タンパク質を創薬の標的として同定し
て特徴付けることが引き続き求められている。
【0004】 (発明の概要) 本発明は咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1)に関し、詳細には
咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1)ポリペプチドおよび咽頭ガン
関連タンパク質−1(LarCAP−1)ポリヌクレオチド、組換え体およびそ
の製造法に関する。そのようなポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、ガン特
に咽頭ガン(これに限定されない)、転移、関節炎、骨粗鬆症、免疫障害、発作
、虚血、自己免疫疾患、血管形成、皮膚の障害および器官の奇形(特に、心臓肥
大(これに限定されない))(これらに限定されない)を含むある種の疾患(以
降、「本発明の疾患」と呼ばれる)を処置する方法に関連して注目されている。
さらなる態様において、本発明は、本発明によって提供される材料を用いてアゴ
ニストおよびアンタゴニスト(例えば、阻害剤)を同定する方法、ならびに同定
された化合物を用いて、咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1)の不
均衡に関連した状態を処置する方法に関する。さらに、さらなる態様において、
本発明は咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1)の不適切な活性およ
びレベルに関連した疾患を検出する診断アッセイに関する。
【0005】 (発明の説明) 第1の態様において、本発明は咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−
1)ポリペプチドに関する。そのようなポリペプチドには下記が含まれる: (a)配列番号1の配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるポリペ
プチド、 (b)配列番号2のポリペプチド配列に対して少なくとも95%、96%、9
7%、98%または99%の同一性を有するポリペプチド配列を含むポリペプチ
ド、 (c)配列番号2のポリペプチド配列を含むポリペプチド、 (d)配列番号2のポリペプチド配列に対して少なくとも95%、96%、9
7%、98%または99%の同一性を有するポリペプチド、 (e)配列番号2のポリペプチド配列、および (f)配列番号2のポリペプチド配列と比較して、0.95、0.96、0.
97、0.98または0.99の同一性指標を有するポリペプチド配列を有する
か、またはそのようなポリペプチド配列を含むポリペプチド、 (g)(a)〜(f)におけるそのようなポリペプチドの断片および変化体。
【0006】 本発明のポリペプチドは、プロテアーゼファミリーのポリペプチドのメンバー
であると考えられる。咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1)は、咽
頭ガンにおいてアップレギュレーションされる遺伝子を検索するスクリーニング
において最初に同定された。その遺伝子は、トロンボスポンジンモチーフを有す
るディスインテグリン/メタロプロテイナーゼ(ADAM−TS)として知られ
ている一群の亜鉛メタロプロテアーゼに対して近い配列相同性を有する新規タン
パク質をコードする(Hurskainen T.L.他、J.Biol.Ch
em.274、25555〜25563、1999)。ADAM−TSファミリ
ーの8個の同時に知られているメンバーの2つについてのみ、インビボでの機能
がこれまでに同定されている。ADAM−TS1は、悪液質をもたらすマウス結
腸ガンモデルにおいて選択的に発現しており、そしてさらなる調査により、一般
には炎症時にアップレギュレーションされることが明らかにされた(Kuno,
K.他、J.Biol.Chem.272、556〜562、1997)。異所
性の発現は、ヘパリンまたはヘパラン硫酸プロテオグリカンとの相互作用によっ
て生じることが最も考えられる明らかな細胞外マトリックス結合を示している。
ADAM−TS−2は、プロコラーゲン−1のN−プロテイナーゼまたはPCI
NPとしても知られているが、プロコラーゲンI(およびおそらくはXIV型コ
ラーゲン)のプロセシングに関与しており、そしてこの遺伝子の様々な変異によ
りVIIC型エーラーズ−ダンロス症候群が生じることが知られている(Smi
th,T.L.他、Am.J.Hum.Genet.51、235〜244、1
992;Lapiere,C.M.およびNusgens,B.V.、Arch
.Dermatol.129、1316〜1319、1993)。本明細書によ
り開示されるADAM−TSファミリーの新規なメンバーは、ADAM−TS2
(PCINP)およびADAM−TS3(KIAA0366)に対して最も大き
な配列保存性を示すので、それらと類似する機能を有することが考えられ、した
がって、細胞外マトリックス(ECM)の成熟化もしくは分解に、かつ/または
様々なシグナル変換経路において機能することが多いECM結合タンパク質のプ
ロセシングもしくは放出に関与し得る。この特徴は、器官の成長、炎症プロセス
および(転移を含む)細胞遊走のときに非常に重要であり、そしてこの遺伝子が
咽頭ガン(これを含むが、これに限定されない)において重要な役割を果たして
いるという考えを裏付けている。
【0007】 咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1)の生物学的性質は、これ以
降、「咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1)の生物学的活性」また
は「咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1)活性」と呼ばれる。好ま
しくは、本発明のポリペプチドは、咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP
−1)の生物学的活性の少なくとも1つを示す。
【0008】 本発明のポリペプチドにはまた、すべての対立遺伝子形態およびスプライス変
化体を含む上記ポリペプチドの変化体も含まれる。そのようなポリペプチドは、
挿入、欠失、および保存的もしくは非保存的であり得る置換、またはそれらの任
意の組み合わせによって基準ポリペプチドとは異なる。特に好ましい変化体は、
いくつかのアミノ酸、例えば、50〜30個、30〜20個、20〜10個、1
0〜5個、5〜3個、3〜2個、2〜1個、または1個のアミノ酸が、任意の組
み合わせで挿入、置換または欠失されている変化体である。
【0009】 本発明のポリペプチドの好ましい断片には、配列番号2のアミノ酸配列に由来
する少なくとも30個、50個または100個の連続したアミノ酸を有するアミ
ノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、あるいは配列番号2のアミノ酸配列か
ら、少なくとも30個、50個または100個の連続したアミノ酸が短縮化また
は欠失しているアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドが含まれる。好まし
い断片は、咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1)の生物学的活性を
媒介する生物学的に活性な断片である。これには、類似する活性または改善され
た活性を有するか、あるいは望ましくない活性が低下している断片が含まれる。
また、動物(特に、ヒト)において抗原性または免疫原性であるそのような断片
も好ましい。
【0010】 本発明のポリペプチドの断片は、対応する全長型ポリペプチドをペプチド合成
によって製造するために用いることができる。したがって、これらの変化体は、
本発明の全長型ポリペプチドを製造するための中間体として用いることができる
。本発明のポリペプチドは、「成熟型」タンパク質の形態であってもよく、ある
いは前駆体または融合タンパク質などのより大きなタンパク質の一部であっても
よい。分泌配列またはリーダー配列、プロ配列、精製を助ける配列(例えば、多
数のヒスチジン残基)、あるいは組換え産生時の安定性に必要なさらなる配列を
含有するさらなるアミノ酸配列を含むことは、多くの場合好都合である。
【0011】 本発明のポリペプチドは、任意の好適な方法で、例えば、天然に存在する提供
源から、または発現システム(下記参照)を含む遺伝子操作された宿主細胞から
単離することによって、あるいは例えば自動化されたペプチド合成機を使用する
化学合成によって、あるいはそのような方法の組み合わせによって調製すること
ができる。そのようなポリペプチドを調製するための手段はこの分野では十分に
理解されている。
【0012】 さらなる態様において、本発明は咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP
−1)ポリヌクレオチドに関する。そのようなポリヌクレオチドには下記が含ま
れる: (a)配列番号1のポリヌクレオチド配列に対する同一性が少なくとも95%
、96%、97%、98%または99%であるポリヌクレオチド配列を含むポリ
ヌクレオチド、 (b)配列番号1のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド、 (c)配列番号1のポリヌクレオチドに対する同一性が少なくとも95%、9
6%、97%、98%または99%であるポリヌクレオチド、 (d)配列番号1のポリヌクレオチド、 (e)配列番号2のポリペプチド配列に対する同一性が少なくとも95%、9
6%、97%、98%または99%であるポリペプチド配列をコードするポリヌ
クレオチド配列を含むポリヌクレオチド、 (f)配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むポ
リヌクレオチド、 (g)配列番号2のポリペプチド配列に対する同一性が少なくとも95%、9
6%、97%、98%または99%であるポリペプチド配列をコードするポリヌ
クレオチド配列を有するポリヌクレオチド、 (h)配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、 (i)配列番号1のポリヌクレオチド配列と比較した場合、0.95、0.9
6、0.97、0.98または0.99の同一性指標を有するポリヌクレオチド
配列を有するか、またはそのようなポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチ
ド、 (j)配列番号2のポリペプチド配列と比較した場合、0.95、0.96、
0.97、0.98または0.99の同一性指標を有するポリペプチド配列をコ
ードするポリヌクレオチド配列を有するか、またはそのようなポリヌクレオチド
配列を含むポリヌクレオチド、ならびに 上記に記載されるポリヌクレオチドの断片および変化体であるポリヌクレオチ
ド、あるいは上記に記載されるポリヌクレオチドに対してその全長にわたって相
補的であるポリヌクレオチド。
【0013】 本発明のポリヌクレオチドの好ましい断片には、配列番号1の配列に由来する
少なくとも15個、30個、50個または100個の連続したヌクレオチドを有
するヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、あるいは配列番号1
の配列から、少なくとも30個、50個または100個の連続したヌクレオチド
が短縮化または欠失している配列を含む単離されたポリヌクレオチドが含まれる
【0014】 本発明のポリヌクレオチドの好ましい変化体には、スプライス変化体、対立遺
伝子変化体、および1つまたは複数の一塩基多型(SNP)を有するポリヌクレ
オチドを含む多型体が含まれる。
【0015】 本発明のポリヌクレオチドにはまた、配列番号2のアミノ酸配列を含み、かつ
いくつかのアミノ酸残基、例えば、50〜30個、30〜20個、20〜10個
、10〜5個、5〜3個、3〜2個、2〜1個、または1個のアミノ酸残基が、
任意の組み合わせで置換、欠失または付加されているポリペプチド変化体をコー
ドするポリヌクレオチドも含まれる。
【0016】 さらなる態様において、本発明は本発明のDNA配列のRNA転写物であるポ
リヌクレオチドを提供する。したがって下記のRNAポリヌクレオチドが提供さ
れる: (a)配列番号2のポリペプチドをコードするDNA配列のRNA転写物を含
むRNAポリヌクレオチド、 (b)配列番号2のポリペプチドをコードするDNA配列のRNA転写物であ
るRNAポリヌクレオチド、 (c)配列番号1のDNA配列のRNA転写物を含むRNAポリヌクレオチド
、または (d)配列番号1のDNA配列のRNA転写物であるRNAポリヌクレオチド
、 ならびにそれらに対して相補的であるRNAポリヌクレオチド。
【0017】 配列番号1のポリヌクレオチド配列は、HSAJ3125(Colige,A
.C.他、未発表)およびAB002364(Nagase,T.他、未発表)
との相同性を示す。配列番号1のポリヌクレオチド配列は、配列番号2のポリペ
プチドをコードするcDNA配列である。配列番号2のポリペプチドをコードす
るポリヌクレオチド配列は、配列番号1の配列をコードするポリペプチドと同一
で有り得るか、あるいは遺伝暗号の重複性(縮重性)の結果として配列番号2の
ポリペプチドを同様にコードする、配列番号1とは異なる配列であり得る。配列
番号2のポリペプチドは、GI−3928000(Colige,A.C.他、
未発表)およびGI−2224673(Nagase,T.他、未発表)との相
同性および/または構造的類似性を有するプロテアーゼファミリーの他のタンパ
ク質との関連性を有する。
【0018】 本発明の好ましいポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、特に、それらの相
同的なポリペプチドおよびポリヌクレオチドと類似する生物学的な機能/性質を
有することが予想される。さらに、本発明の好ましいポリペプチドおよびポリヌ
クレオチドは少なくとも1つの咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1
)活性を有する。
【0019】 本発明のポリヌクレオチドは、ヒト咽頭ガン、心臓、胃、結腸、膵臓、包皮、
胚全体の細胞におけるmRNAに由来するcDNAライブラリーから標準的なク
ローニング技術およびスクリーニング技術を使用して得ることができる(例えば
、Sambrook他、Molecular Cloning:A Labor
atory Manual、第2版、Cold Spring Harbor
Laboratory Press、Cold Spring Harbor、
N.Y.(1989)を参照)。本発明のポリヌクレオチドはまた、ゲノムDN
Aライブラリーなどの天然の供給源から得ることができ、あるいはよく知られて
いる技術および市販の技術を使用して合成することができる。
【0020】 本発明のポリヌクレオチドが、本発明のポリペプチドの組換え製造のために使
用される場合、ポリヌクレオチドは、成熟型ポリペプチド自身のコーディング配
列、あるいはリーダー配列もしくは分泌配列、プレタンパク質配列もしくはプロ
タンパク質配列もしくはプレプロタンパク質配列、または他の融合ペプチド部分
をコードするコーディング配列などの他のコーディング配列と読み枠を合わせた
成熟型ポリペプチドのコーディング配列を含むことができる。例えば、融合ポリ
ペプチドの精製を容易にするマーカー配列をコードさせることができる。本発明
のこの態様のいくつかの好ましい実施形態において、マーカー配列は、pQEベ
クター(Qiagen,Inc.)において提供され、そしてGentz他、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA、(1989)86:821〜8
24に記載されているようなヘキサヒスチジンペプチドであるか、あるいはHA
タグである。ポリヌクレオチドはまた、転写される非翻訳配列、スプライシング
シグナルおよびポリアデニル化シグナル、リボソーム結合部位、ならびにmRN
Aを安定化させる配列などの5’非コーディング配列および3’非コーディング
配列を含有することができる。
【0021】 配列番号1のポリヌクレオチド配列に対して同一であるか、または十分な同一
性を有するポリヌクレオチドは、cDNAおよびゲノムDNAに対するハイブリ
ダイゼーションプローブとして、あるいは核酸増幅反応(例えばPCR)に対す
るプライマーとして使用することができる。そのようなプローブおよびプライマ
ーは、本発明のポリペプチドをコードする全長型cDNAおよびゲノムクローン
を単離するために、そして配列番号1に対する大きな配列類似性(典型的には少
なくとも95%の同一性)を有する他の遺伝子(ヒト供給源に由来するパラログ
ならびにヒト以外の種に由来するオルソログおよびパラログをコードする遺伝子
を含む)のcDNAクローンおよびゲノムクローンを単離するために使用するこ
とができる。好ましいプローブおよびプライマーは、一般には、少なくとも15
ヌクレオチド、好ましくは少なくとも30ヌクレオチドを含み、そして少なくと
も100ヌクレオチドとはいかなくても、少なくとも50ヌクレオチドを有し得
る。特に好ましいプローブは30個から50個の間のヌクレオチドを有する。特
に好ましいプライマーは20個から25個の間のヌクレオチドを有する。
【0022】 本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(ヒト以外の種に由来す
るホモログを含む)は、配列番号1の配列または好ましくは少なくとも15ヌク
レオチドのその断片を有する標識されたプローブを用いてストリンジェントなハ
イブリダイゼーション条件のもとでライブラリーをスクリーニングするステップ
;および前記ポリヌクレオチド配列を含有する全長型cDNAクローンおよびゲ
ノムクローンを単離するステップを含むプロセスによって得ることができる。そ
のようなハイブリダイゼーション技術は当業者には十分に知られている。好まし
いストリンジェントなハイブリダイゼーション条件には、50%ホルムアミド、
5xSSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50
mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハルト溶液、10%のデキス
トラン硫酸および20マイクログラム/mlの変性させた剪断サケ精子DNAを
含む溶液において42℃で一晩インキュベーションし、その後、0.1xSSC
において約65℃でフィルターを洗浄することが含まれる。したがって、本発明
はまた、配列番号1の配列または好ましくは少なくとも15ヌクレオチドのその
断片を有する標識されたプローブを用いてストリンジェントなハイブリダイゼー
ション条件のもとでライブラリーをスクリーニングすることによって得られる単
離されたポリヌクレオチド、好ましくは少なくとも100ヌクレオチドのヌクレ
オチド配列を有する単離されたポリヌクレオチドをも含む。
【0023】 当業者は、多くの場合において、ポリペプチドをコードする領域が5’末端に
至るまで必ずしも完全に伸長していない点で、単離されたcDNA配列が不完全
であることを理解している。これは、第1鎖cDNA合成のときにmRNAテン
プレートのDNAコピーを完成させることができない逆転写酵素の結果であり、
酵素は固有的に低い「プロセシング能」(重合化反応のときに酵素をテンプレー
トに結合したままにする能力の大きさ)を有する。
【0024】 全長型cDNAを得るために、あるいは短いcDNAを伸長させるために利用
することができ、かつ当業者に十分に知られている方法がいくつかある。例えば
、cDNA末端の迅速な増幅(RACE)方法に基づく方法がある(例えば、F
rohman他、Proc.Nat.Acad.Sci.USA、85、899
8〜9002、1988を参照)。例えば、Marathon(商標)技術(C
lontech Laboratories Inc.)によって例示されるこ
の技術の近年の改変により、より長いcDNAに対する探索が著しく単純化され
ている。Marathon(商標)技術では、cDNAが、選ばれた組織から抽
出されたmRNAから調製され、そして「アダプター」配列が両端に連結される
。その後、核酸増幅(PCR)が、遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマー
およびアダプター特異的オリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせを使用して
cDNAの「失われている」5’末端を増幅するために行われる。その後、PC
R反応が、「ネスティッド」プライマー、すなわち、増幅産物の内部にアニーリ
ングするように設計されたプライマー(典型的には、アダプター配列においてさ
らに3’側にアニーリングするアダプター特異的プライマー、および既知の遺伝
子配列においてさらに5’側にアニーリングする遺伝子特異的プライマー)を使
用して繰り返される。その後、この反応の生成物はDNA配列決定によって分析
することができる。全長型のcDNAは、完全な配列を得るために既存のcDN
Aに生成物を直接結合させることによって、あるいは5’プライマーを設計する
ための新しい配列情報を使用して別の全長PCRを行うことによってそのいずれ
かで構築することができる。
【0025】 本発明の組換えポリペプチドは、発現システムを含む遺伝子操作された宿主細
胞からこの分野で十分に知られている方法によって調製することができる。した
がって、さらなる態様において、本発明は、本発明のポリヌクレオチド(1つま
たは複数)を含む発現システム、そのような発現システムで遺伝子操作されてい
る宿主細胞、および組換え技術による本発明のポリペプチドの製造に関する。無
細胞翻訳システムもまた、本発明のDNA構築物に由来するRNAを使用してそ
のようなタンパク質を製造するために用いることができる。
【0026】 組換え製造のために、宿主細胞は遺伝子操作され、本発明のポリヌクレオチド
に対する発現システムまたはその一部を取り込ませることができる。ポリヌクレ
オチドは、Davis他、Basic Methods in Molecul
ar Biology(1986)およびSambrook他(同上)などの多
くの標準的な実験室マニュアルに記載される方法によって宿主細胞に導入するこ
とができる。ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する好ましい方法には、例えば
、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トラン
スフェクション、トランスベクション、マイクロインジェクション、カチオン性
脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、スクレイ
プ負荷、弾道学的導入または感染が含まれる。
【0027】 適切な宿主の代表的な例には、ストレプトコッカス属細胞、スタフィロコッカ
ス属細胞、大腸菌細胞、ストレプトミセス属細胞および枯草菌細胞などの細菌細
胞;酵母細胞およびアスペルギルス属細胞などの菌類細胞;ショウジョウバエ(
Drosophila)S2細胞およびSpodoptera Sf9細胞など
の昆虫細胞;CHO細胞、COS細胞、HeLa細胞、C127細胞、3T3細
胞、BHK細胞、HEK293細胞およびBowesメラノーマ細胞などの動物
細胞;ならびに植物細胞が含まれる。
【0028】 非常に様々な発現システムを使用することができる。例えば、染色体、エピソ
ームおよびウイルスに由来するシステム、例えば、細菌プラスミドに由来するベ
クター、バクテリオファージに由来するベクター、トランスポゾンに由来するベ
クター、酵母エピソームに由来するベクター、挿入エレメントに由来するベクタ
ー、酵母染色体エレメントに由来するベクター、バキュロウイルス、パポバウイ
ルス(SV40など)、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、
偽狂犬病ウイルスおよびレトロウイルスなどのウイルスに由来するベクター、な
らびに、プラスミドおよびバクテリオファージの遺伝子エレメントに由来するベ
クターなどのそれらの組み合わせに由来するベクター(コスミドおよびファージ
ミドなど)を使用することができる。これらの発現システムは、発現を生じさせ
るためだけでなく、発現を調節するための制御領域を含有することができる。一
般に、宿主においてポリペプチドを産生させるためにポリヌクレオチドを維持し
、または伝搬させ、または発現させることができるシステムまたはベクターはど
れも使用することができる。適切なポリヌクレオチド配列を、例えば、Samb
rook他(同上)に示されている技術などの様々なよく知られている日常的な
技術のいずれかによって発現システムに挿入することができる。適切な分泌シグ
ナルを、所望するポリペプチドに組み込むことができ、小胞体の内腔、細胞周辺
腔または細胞外環境に翻訳されたタンパク質を分泌させることができる。これら
のシグナルは、ポリペプチドに対して内因性であってもよく、あるいは異種のシ
グナルであってもよい。
【0029】 本発明のポリペプチドをスクリーニングアッセイにおける使用のために発現さ
せる場合、ポリペプチドを細胞の表面に産生させることが一般には好ましい。こ
の場合には、細胞を集めて、その後、スクリーニングアッセイにおいて使用する
ことができる。ポリペプチドが培地中に分泌される場合には、ポリペプチドを回
収して精製するために培地を回収することができる。細胞内に産生された場合に
は、細胞を最初に溶解して、その後、ポリペプチドを回収しなければならない。
【0030】 本発明のポリペプチドは、硫酸アンモニウム沈殿またはエタノール沈殿、酸抽
出、アニオン交換クロマトグラフィまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホ
スホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフ
ィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーお
よびレクチンクロマトグラフィーを含む十分に知られている方法によって組換え
細胞培養物から回収および精製することができる。最も好ましくは、高速液体ク
ロマトグラフィーが精製のために用いられる。ポリペプチドが細胞内合成、単離
および/または精製のときに変性した場合には、タンパク質をリフォールディン
グさせるために十分に知られている技術を用いて、活性な立体配座を再生させる
ことができる。
【0031】 本発明のポリヌクレオチドは、関連した遺伝子における変異を検出することに
よって診断試薬として使用することができる。cDNA配列またはゲノム配列に
おける配列番号1のポリヌクレオチドによって特徴付けられる遺伝子で、機能不
全に関連する遺伝子の変異した形態を検出することにより、その遺伝子の過少発
現、過剰発現あるいは変化した空間的または時間的な発現から生じる疾患の診断
またはそのような疾患に対する感受性の診断の一助になり得るか、またはそのよ
うな診断を規定し得る診断ツールが提供される。遺伝子に変異を有する個体を、
この分野で十分に知られている様々な技術によってDNAレベルで検出すること
ができる。
【0032】 診断に必要な核酸は、被検体の細胞から、例えば、血液、尿、唾液、組織生検
体または解剖体などから得ることできる。ゲノムDNAは、検出のために直接使
用することができ、あるいは分析前にPCR(好ましくはRT−PCR)または
他の増幅技術を使用することによって酵素的に増幅することができる。RNAま
たはcDNAもまた同様な様式で使用することができる。欠失および挿入は、正
常な遺伝子型と比較して増幅産物のサイズにおける変化によって検出することが
できる。点変異は、増幅されたDNAを咽頭ガン関連タンパク質−1(LarC
AP−1)の標識されたヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションさせること
によって同定することができる。完全に一致する配列は、RNase消化によっ
て、あるいは融解温度における差によってミスマッチした二本鎖から区別するこ
とができる。DNA配列の違いはまた、変性剤の存在下または非存在下でのゲル
におけるDNA断片の電気泳動移動度の変化によって、あるいは直接的なDNA
配列決定によって検出することができる(例えば、Myers他、Scienc
e、(1985)230:1242を参照)。特定の位置における配列の変化も
また、RNase保護またはS1保護などのヌクレアーゼ保護アッセイあるいは
化学的な切断方法によって明らかにすることができる(Cotton他、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA、(1985)85:4397〜44
01を参照)。
【0033】 咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1)のポリヌクレオチド配列ま
たはその断片を含むオリゴヌクレオチドプローブのアレイを、例えば、遺伝子変
異の効率的なスクリーニングを行うために構築することができる。そのようなア
レイは、好ましくは、高密度のアレイまたはグリッドである。アレイ技術法は十
分に知られており、そして一般的な適用性を有し、遺伝子発現、遺伝子連鎖およ
び遺伝子変動性を含む分子遺伝学における様々な問題を検討するために使用する
ことができる(例えば、M.Chee他、Science、274、610〜6
13(1996)およびそれに引用されている他の参考文献を参照)。
【0034】 異常に低下しているか、または異常に増大しているポリペプチドまたはmRN
Aの発現レベルの検出もまた、本発明の疾患に対する被検体の感受性を診断また
は決定するために使用することができる。低下した発現または増大した発現は、
ポリヌクレオチドを定量することに関してこの分野で十分に知られている方法、
例えば、核酸増幅(例えば、PCR、RT−PCR)など、RNase保護、ノ
ーザンブロッティングおよび他のハイブリダイゼーション法のいずれかを使用し
てRNAレベルで測定することができる。宿主に由来するサンプルにおける本発
明の、ポリペプチドなどのタンパク質のレベルを決定するために使用され得るア
ッセイ技術は当業者には十分に知られている。そのようなアッセイ方法には、放
射免疫アッセイ、競合的結合アッセイ、ウエスタンブロット分析およびELIS
Aアッセイが含まれる。
【0035】 したがって、別の態様において、本発明は下記を含む診断キットに関する: (a)本発明のポリヌクレオチド、好ましくは、配列番号1のヌクレオチド配
列またはその断片またはそのRNA転写物、 (b)(a)のヌクレオチド配列に対して相補的なヌクレオチド配列、 (c)本発明のポリペプチド、好ましくは、配列番号2のポリペプチドまたは
その断片、あるいは (d)本発明のポリペプチドに対する抗体、好ましくは、配列番号2のポリペ
プチドに対する抗体。
【0036】 任意のそのようなキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)は実
質的な成分を含み得ることが理解される。そのようなキットは、疾患または疾患
に対する感受性、中でも特に本発明の疾患を診断する際に有用である。
【0037】 本発明のポリヌクレオチド配列は染色体位置決定研究に有用である。配列は、
個々のヒト染色体における特定の位置に対して特異的に標的化され、かつ特定の
位置とハイブリダイゼーションし得る。本発明に従って関連する配列を染色体に
マッピングすることは、そのような配列を遺伝子関連疾患と相関させる際の重要
な最初のステップである。配列が正確な染色体位置にマッピングされると、染色
体上における配列の物理的な位置を遺伝地図データと相関させることができる。
そのようなデータは、例えば、V.McKusickの「ヒトにおけるメンデル
遺伝(Mendelian Inheritance in Man)」におい
て見出される(これはJohns Hopkins大学Welch Medic
al Libraryからオンラインで得ることができる)。同じ染色体領域に
マッピングされている遺伝子と疾患との関係が、その後、連鎖解析(物理的に隣
り合う遺伝子の同時遺伝)によって同定される。ゲノム配列(遺伝子断片など)
に関する正確なヒト染色体の位置決定は放射ハイブリッド(RH)マッピングを
使用して実施することができる(Walter,M.、Spillett,D.
、Thomas,P.、Weissenbach,J.およびGoodfell
ow,P.(1994)、ゲノム全体の放射ハイブリッドマップを構築するため
の方法、Nature Genetics、7、22〜28)。多数のRHパネ
ルをResearch Genetics(Huntsville、AL、米国
)から得ることができる。例えば、GeneBridge4 RHパネル(Hu
m Mol Genet、1996、Mar;5(3):339〜46、ヒトゲ
ノムの放射ハイブリッドマップ。Gyapay G.、Schmitt K.、
Fizames C.、Jones H.、Vega−Czarny N.、S
pillett D.、Muselet D.、Prud’Homme JF、
Dib C.、Auffray C.、Morissette J.、Weis
senbach,J.、Goodfellow,PN)。このパネルを使用して
遺伝子の染色体位置を決定するために、93個のPCRが、RH DNAについ
て目的とする遺伝子から設計されたプライマーを使用して行われる。これらのD
NAはそれぞれが、ハムスターのバックグラウンド(ヒト/ハムスターのハイブ
リッド細胞株)に維持されたランダムなヒトゲノム断片を含有する。これらのP
CRにより、目的とする遺伝子のPCR産物の存在または非存在を示す93個の
スコアが得られる。これらのスコアは、知られている位置のゲノム配列に由来す
るPCR産物を使用して作製されたスコアと比較される。この比較は、http
://www.genome.wi.mit.edu/において行われる。本発
明の遺伝子は、ヒト染色体*LOCATIONにマッピングされる。
【0038】 本発明のポリヌクレオチド配列はまた、組織発現研究に対する有用なツールで
ある。そのような研究により、本発明のポリヌクレオチドの発現パターンを決定
することが可能になり、これにより、コードされたポリペプチドの組織内の発現
パターンに関する指標を、それらをコードするmRNAを検出することによって
得ることができる。使用される技術は、この分野では十分に知られており、cD
NAマイクロアレイハイブリダイゼーション(Schena他、Science
、270、467〜470、1995およびShalon他、Genome R
es、6、639〜645、1996)などの、グリッド上に配置された様々な
クローンに対するインシトゥー(in situ)ハイブリット形成法技術、お
よびPCRなどのヌクレオチド増幅技術を含む。好ましい方法では、Perki
n Elmerから得られるTAQMAN(商標)技術が使用される。これらの
研究から得られる結果により、生物におけるポリペプチドの正常な機能の指標を
得ることができる。さらに、mRNAの正常な発現パターンと、同じ遺伝子の別
の形態(例えば、ポリペプチド内の変化が潜在的な変異または調節的な変異をコ
ードしている形態)によってコードされるmRNAの発現パターンとの比較研究
により、本発明のポリペプチドの役割に対する有益な洞察がもたらされ得るか、
または疾患におけるその不適切な発現の役割に対する有益な洞察がもたらされ得
る。そのような不適切な発現は、時間的、空間的または単に量的な性質であり得
る。
【0039】 本発明のポリペプチドは、咽頭ガン、心臓、胃、結腸、膵臓、包皮、胚全体に
おいて発現している。
【0040】 本発明のさらなる態様は抗体に関する。本発明のポリペプチドまたはその断片
あるいはそれらを発現する細胞は、本発明のポリペプチドに対して免疫特異的で
ある抗体を産生させるための免疫原として使用することができる。用語「免疫特
異的」は、抗体が、先行技術における他の関連するポリペプチドに対するその親
和性よりも実質的に大きな親和性を本発明のポリペプチドに対して有することを
意味する。
【0041】 本発明のポリペプチドに対して生じる抗体は、日常的なプロトコルを使用して
、ポリペプチドまたはエピトープ含有断片または細胞を動物(好ましくは、非ヒ
ト動物)に投与することによって得ることができる。モノクローナル抗体を調製
する場合、連続的な細胞株培養によって産生される抗体を提供する技術はどれも
使用することができる。例えば、ハイブリドーマ技術(Kohler,G.およ
びMilstein,C.、Nature(1975)、256:495〜49
7)、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor他、Im
munology Today(1983)、4:72)、およびEBVハイブ
リドーマ技術(Cole他、Monoclonal Antibodies a
nd Cancer Therapy、77〜96、Alan R.Liss,
Inc.、1985)が含まれる。
【0042】 米国特許第4,946,778号に記載されるような単鎖抗体の製造技術もま
た、本発明のポリペプチドに対する単鎖抗体を製造するために適応させることが
できる。また、トランスジェニックマウス、または他の哺乳動物を含む他の生物
を使用して、ヒト化抗体を発現させることができる。
【0043】 上記に記載された抗体は、ポリペプチドを発現するクローンを単離または同定
するために、あるいはアフィニティークロマトグラフィーによってポリペプチド
を精製するために用いることができる。本発明のポリペプチドに対する抗体はま
た、特に本発明の疾患を処置するために用いることができる。
【0044】 本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドはまたワクチンとして使用する
ことができる。したがって、さらなる態様において、本発明は、哺乳動物におけ
る免疫学的応答を誘導するための方法に関する。この方法は、抗体応答および/
またはT細胞免疫応答(例えば、サイトカイン産生T細胞または細胞傷害性T細
胞を含む)を生じさせて、前記動物を疾患から、その疾患が個体において既に確
立されているか否かに関わらず保護するために適切な本発明のポリペプチドを哺
乳動物に接種することを含む。哺乳動物における免疫学的応答はまた、本発明の
疾患から前記動物を保護する抗体を産生させるようにそのような免疫学的応答を
誘導するために、ポリヌクレオチドの発現を行わせ、かつポリペプチドをコード
するベクターによって本発明のポリペプチドをインビボで送達することを含む方
法によって誘導され得る。そのようなベクターを投与する1つの方法は、粒子ま
たはそれ以外のものにおけるコーティング物として所望する細胞内にベクターを
加速して入れることによる。そのような核酸ベクターは、DNA、RNA、修飾
型核酸またはDNA/RNAハイブリッドを含むことができる。使用する場合、
ワクチン、ポリペプチドまたは核酸ベクターは、通常、ワクチン配合物(組成物
)として提供される。配合物はさらに好適なキャリアを含むことができる。ポリ
ペプチドは胃において分解されることがあるので、ポリペプチドは好ましくは非
経口的に投与される(例えば、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射または皮内注
射)。非経口投与に好適な配合物には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および配合物
を接種者の血液と等張性にする溶質を含有し得る水性および非水性の無菌注射液
;ならびに懸濁剤または増粘剤を含み得る水性および非水性の無菌懸濁物が含ま
れる。配合物は、単位用量容器または多回用量容器で、例えば密封されたアンプ
ルおよびバイアルで提供することができ、そして使用直前に無菌の液体キャリア
を添加することだけを必要とする凍結乾燥状態で保存することができる。ワクチ
ン配合物はまた、この分野で知られている水中油型システムおよび他のシステム
などの、配合物の免疫原性を増強するアジュバントシステムを含むことができる
。投薬量はワクチンの比活性に依存するが、日常的な実験によって容易に決定す
ることができる。
【0045】 本発明のポリペプチドは、1つまたは複数の疾患状態、特に、本明細書中前記
に記載された本発明の疾患に関連する1つまたは複数の生物学的機能を有する。
したがって、ポリペプチドの機能またはレベルを刺激または阻害する化合物を同
定することは有用である。したがって、さらなる態様において、本発明は、ポリ
ペプチドの機能またはレベルを刺激または阻害する化合物を同定するために化合
物をスクリーニングする方法を提供する。そのような方法により、本明細書中前
記に記載されているような本発明のそのような疾患に対する治療目的および予防
目的のために用いることができるアゴニストまたはアンタゴニストが同定される
。化合物は、様々な供給源から、例えば、細胞、無細胞調製物、化学ライブラリ
ー、化学化合物のコレクションおよび天然産物の混合物から同定することができ
る。そのようにして同定されたそのようなアゴニストまたはアンタゴニストは、
天然または修飾された基質、リガンド、受容体、酵素などであり、場合によりポ
リペプチド;その構造的または機能的な模倣体(Coligan他、Curre
nt Protocols in Immunology、1(2):5章(1
991)を参照)あるいは小分子であり得る。
【0046】 スクリーニング方法では、ポリペプチドに対する候補化合物の結合、あるいは
ポリペプチドまたはその融合タンパク質を含有する細胞または膜に対する候補化
合物の結合が、候補化合物に直接的または間接的に結合している標識によって簡
単に測定され得る。あるいは、スクリーニング方法は、標識された競合剤(例え
ばアゴニストまたはアンタゴニスト)に対抗する候補化合物のポリペプチドに対
する競合的な結合を(定性的または定量的に)測定または検出することを含み得
る。さらに、これらのスクリーニング方法では、ポリペプチドの活性化または阻
害によって発生するシグナルの結果候補化合物が生じているかどうかを、ポリペ
プチドを含有する細胞に適切な検出システムを用いて調べることができる。活性
化の阻害剤が、一般には既知のアゴニストの存在下でアッセイされ、そして候補
化合物の存在による、アゴニストによる活性化における作用が観測される。さら
に、スクリーニング方法は、候補化合物を、本発明のポリペプチドを含有する溶
液と混合して、混合物を形成させるステップ、混合物における咽頭ガン関連タン
パク質−1(LarCAP−1)活性を測定するステップ、および混合物の咽頭
ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1)活性を、候補化合物を含有しない
対照混合物と比較するステップを含み得る。
【0047】 本発明のポリペプチドは、従来の低い能力のスクリーニング方法において、そ
してまた高処理能スクリーニング(HTS)形式において用いることができる。
そのようなHTS形式には、96ウエルマイクロタイタープレートおよびより最
近には384ウエルマイクロタイタープレートのよく確立された使用だけでなく
、Schullek他、Anal Biochem.、246、20〜29(1
997)に記載されているナノウエル法などの最近現れた方法もまた含まれる。
Fc部分および咽頭ガン関連タンパク質−1(LarCAP−1)ポリペプチド
から作製される融合タンパク質などの融合タンパク質もまた、本明細書中前記に
記載されているように、本発明のポリペプチドに対するアンタゴニストを同定す
るための高処理能スクリーニングアッセイに使用することができる(D.Ben
nett他、J Mol Recognition、8:52〜58(1995
);K.Johanson他、J Biol Chem、270(16):94
59〜9471(1995)を参照)。
【0048】 *スクリーニング技術 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、および本発明のポリペプチドに対
する抗体はまた、mRNAおよびポリペプチドの産生に対する添加された化合物
の細胞内の作用を検出するためのスクリーニング方法を組み立てるために使用す
ることができる。例えば、ELISAアッセイを、この分野で知られている標準
的な方法によってモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を使用してポリ
ペプチドの分泌レベルまたは細胞結合レベルを測定するために構築することがで
きる。これは、好適に操作された細胞または組織からのポリペプチドの産生を阻
害し得る薬剤または増強し得る薬剤(これらはそれぞれアンタゴニストまたはア
ゴニストとも呼ばれる)を発見するために使用することができる。
【0049】 本発明のポリペプチドは、受容体が存在する場合には、この分野で知られてい
る標準的な受容体結合技術によって膜結合型受容体または可溶性受容体を同定す
るために使用することができる。これらには、ポリペプチドが放射性同位体(例
えば、125I)で標識されるか、化学修飾(例えば、ビオチン化)されるか、あ
るいは検出または精製に好適なペプチド配列に融合させられ、そして推定される
受容体の供給源(細胞、細胞膜、細胞上清、組織抽出物、体液)とインキュベー
ションされるリガンド結合アッセイおよび架橋アッセイが含まれるが、これらに
限定されない。他の方法には、表面プラズモン共鳴および分光測定法などの生物
物理学的技術が含まれる。これらのスクリーニング方法はまた、ポリペプチドの
その受容体に対する結合と競合するポリペプチドのアゴニストおよびアンタゴニ
ストを、それらが存在する場合に同定するために使用することができる。そのよ
うなアッセイを行うための標準的な方法はこの分野では十分に理解されている。
【0050】 本発明におけるポリペプチドのアンタゴニストの例には、リガンド、基質、受
容体、酵素などに密接に関連する抗体、またはある場合にはオリゴヌクレオチド
またはタンパク質、場合により、ポリペプチド、例えば、リガンド、基質、受容
体、酵素などの断片;あるいは本発明のポリペプチドに結合するが、応答を誘発
せず、その結果ポリペプチドの活性を妨げる小分子が含まれる。
【0051】 スクリーニング方法にはまた、トランスジェニック技術および咽頭ガン関連タ
ンパク質−1(LarCAP−1)遺伝子の使用を伴うことがある。トランスジ
ェニック動物を構築する技術は十分に確立されている。例えば、咽頭ガン関連タ
ンパク質−1(LarCAP−1)遺伝子を、受精した卵母細胞の雄性前核への
マイクロインジェクションによって、着床前の胚または着床後の胚へのレトロウ
イルス移入によって、あるいはエレクトロポレーションなどによる、遺伝子操作
された胚性幹細胞の宿主胚盤胞への注入によって導入することができる。特に有
用なトランスジェニック動物は、動物の遺伝子がその動物のゲノム内においてヒ
トの等価体によって置き換えられている、いわゆる「ノックイン」動物である。
ノックイントランスジェニック動物は、標的の有効性を確認することに関して、
化合物がヒトの標的に対して特異的である創薬プロセスにおいて有用である。他
の有用なトランスジェニック動物は、細胞内の内因性DNA配列によりコードさ
れる、本発明におけるポリペプチドの動物オルソログの発現が部分的または完全
に無効にされている、いわゆる「ノックアウト」動物である。遺伝子のノックア
ウトは、特定の細胞または組織に対して標的化され得るか、あるいは技術の限界
の結果として特定の細胞または組織においてのみ生じ得るか、あるいは動物内の
すべての細胞または実質的にすべての細胞において生じ得る。トランスジェニッ
ク動物の技術はまた、導入された遺伝子が、本発明のポリペプチドを大量に得る
ために発現させられる動物全体の発現−クローニングシステムを提供する。
【0052】 上記に記載された方法において使用されるスクリーニングキットは、本発明の
さらなる態様をなす。そのようなスクリーニングキットは下記のものを含む: (a)本発明のポリペプチド、 (b)本発明のポリペプチドを発現する組換え細胞、 (c)本発明のポリペプチドを発現する細胞膜、または (d)本発明のポリペプチドに対する抗体、 そのようなポリペプチドは、好ましくは配列番号2のポリペプチドである。
【0053】 任意のそのようなキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)は実
質的な成分を含み得ることが理解される。
【0054】 (用語集) 下記の定義は、本明細書中に頻繁に使われているいくつかの用語の理解を容易
にするために提供される。
【0055】 ここで使用されている「抗体」は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル
抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、およびヒト化抗体、ならびにFab断片を包含し
、Fab発現ライブラリーまたは他の免疫グロブリン発現ライブラリーの生成物
を包含する。
【0056】 「単離(された)」は、その自然の状態から「ヒトの手によって」変化してい
ることを意味する。すなわち、自然界に存在する場合、その本来の環境から変化
しているか、または取り出されているか、またはその両方であることを意味する
。例えば、生きた生物に自然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは
「単離」されていないが、その自然状態の共存物質から分離された同じポリヌク
レオチドまたはポリペプチドは、この用語が本明細書中で用いられているように
「単離」されている。さらに、形質転換、遺伝子操作によって、または任意の他
の組換え方法によって生物に導入されているポリヌクレオチドまたはポリペプチ
ドは、そのような生物が生存または非生存であるとしても、前記生物内に依然と
して存在している場合でさえ、「単離」されている。
【0057】 「ポリヌクレオチド」は、一般には、任意のポリリボヌクレオチド(RNA)
またはポリデオキシリボヌクレオチド(DNA)をいうが、これらは、非修飾型
または修飾型のRNAまたはDNAであってもよい。「ポリヌクレオチド」には
、一本鎖DNAおよび二本鎖DNA、一本鎖領域および二本鎖領域の混合である
DNA、一本鎖RNAおよび二本鎖RNA、ならびに一本鎖領域および二本鎖領
域の混合であるRNA、一本鎖またはより典型的には二本鎖であるか、または一
本鎖領域および二本鎖領域の混合であるDNAおよびRNAを含むハイブリッド
分子が含まれるが、これらに限定されない。さらに、「ポリヌクレオチド」は、
RNAまたはDNAまたはRNAとDNAとの両方を含む三重鎖領域をいう。用
語「ポリヌクレオチド」はまた、1つまたは複数の修飾された塩基を含有するD
NAまたはRNA、および安定性または他の理由のために修飾された骨格を有す
るDNAまたはRNAを含む。「修飾(された)」塩基には、例えば、トリチル
化された塩基、およびイノシンなどの非通常型の塩基が含まれる。様々な修飾を
DNAおよびRNAに対して行うことができる。したがって、「ポリヌクレオチ
ド」は、自然界に典型的に見出されるようなポリヌクレオチドの化学的、酵素的
または代謝的に修飾された形態、ならびにウイルスおよび細胞に特徴的なDNA
およびRNAの化学的形態を包含する。「ポリヌクレオチド」はまた、オリゴヌ
クレオチドと多くの場合には呼ばれる比較的短いポリヌクレオチドを包含する。
【0058】 「ポリペプチド」は、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合(すなわち
、ペプチド等配電子体)によって互いに連結された2つ以上のアミノ酸を含む任
意のポリペプチドをいう。「ポリペプチド」は、ペプチド、オリゴペプチドまた
はオリゴマーと広く呼ばれる短い鎖、ならびに一般にはタンパク質と呼ばれるそ
れよりも長い鎖の両方をいう。ポリペプチドは、遺伝子によってコードされる2
0個のアミノ酸とは異なるアミノ酸を含有することができる。「ポリペプチド」
は、翻訳後プロセシングなどの自然のプロセスによって、またはこの分野で十分
に知られている化学的な修飾技術によってそのいずれかで修飾されたアミノ酸配
列を含む。そのような修飾は、基本的な教本に、そしてより詳細な専門書ならび
に数多くの研究文献に十分に記載されている。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸
側鎖およびアミノ末端またはカルボキシル末端を含むポリペプチド内の任意のと
ころに存在させることができる。同じタイプの修飾が所与ポリペプチド内のいく
つかの部位に同じ程度または異なる程度で存在し得ることが理解される。また、
所与ポリペプチドは多くのタイプの修飾を含有することができる。ポリペプチド
は、ユビキチン化の結果として分枝状であってもよく、そして分枝型または非分
枝型の環状であり得る。環状ポリペプチド、分枝状ポリペプチドおよび分枝した
環状ポリペプチドは、翻訳後の自然のプロセスに由来し得るか、あるいは合成的
に作製することができる。修飾には、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル
化、アミド化、ビオチン化、フラビンの共有結合、ヘム成分の共有結合、ヌクレ
オチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合
、ホスホチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合の形成
、脱メチル化、共有結合的な架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸の
形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカーの形成
、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分
解的プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、
アルギニル化などのタンパク質へのアミノ酸の転移RNA媒介による付加、なら
びユビキチン化が含まれる(例えば、Proteins−Structure
and Molecular Properties、第2版、T.E.Cre
ighton、W.H.Freeman and Company、New Y
ork、1993;Wold,F.、翻訳後のタンパク質修飾:全体像および展
望、1〜12、Post−translational Covalent M
odification of Proteins、B.C.Johnson編
、Academic Press、New York、1983;Seifte
r他、「タンパク質修飾および非タンパク質補助因子の分析」、Meth En
zymol、182、626〜646、1990;Rattan他、「タンパク
質合成:翻訳後修飾およびエージング」、Ann NY Acad Sci、6
63、48〜62、1992を参照)。
【0059】 ポリペプチド配列の「断片」は、基準配列よりも短いが、基準ポリペプチドと
同じ生物学的な機能または活性を本質的に保持しているポリペプチド配列をいう
。ポリヌクレオチド配列の「断片」は、配列番号1の基準配列よりも短いポリヌ
クレオチド配列をいう。
【0060】 「変化体」は、基準のポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは異なるが、そ
の本質的な性質を保持しているポリヌクレオチドまたはポリペプチドをいう。ポ
リヌクレオチドの典型的な変化体は、ヌクレオチド配列が基準ポリヌクレオチド
とは異なる。変化体のヌクレオチド配列における変化により、基準ポリヌクレオ
チドによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列が変化してもよく、ある
いは変化しなくてもよい。ヌクレオチドの変化は、下記に議論されているように
、基準配列によってコードされるポリペプチドにおけるアミノ酸の置換、付加、
欠失、融合および短縮化をもたらし得る。ポリペプチドの典型的な変化体は、ア
ミノ酸配列が基準ポリペプチドとは異なる。一般に、変化は、基準ポリペプチド
および変化体の配列が全体的に非常に類似し、そして多くの領域において同一で
あるように制限される。変化体ポリペプチドおよび基準ポリペプチドは、アミノ
酸配列が、1つまたは複数の置換、挿入、欠失の任意の組み合わせによって異な
り得る。置換または挿入されるアミノ酸残基は、遺伝暗号によってコードされる
アミノ酸残基であってもよく、あるいはそのようなアミノ酸残基でなくてもよい
。典型的な保存的置換には、Gly、Ala;Val、Ile、Leu;Asp
、Glu;Asn、Gln;Ser、Thr;Lys、Arg;ならびにPhe
およびTyrが含まれる。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変化体は、対
立遺伝子などの自然に存在するものであってもよく、あるいは自然に存在するこ
とが知られていない変化体であってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ドの天然に存在しない変化体は、変異誘発技術によって、あるいは直接的な合成
によって作製することができる。また、1つまたは複数の翻訳後修飾(例えば、
グリコシル化、リン酸化、メチル化、ADPリボシル化など)を有するポリペプ
チドもまた変化体として含まれる。実施形態には、N末端アミノ酸のメチル化、
セリンおよびトレオニンのリン酸化、ならびにC末端グリシンの修飾が含まれる
【0061】 「対立遺伝子」は、ゲノム内の所与遺伝子座に存在する遺伝子の2つ以上の代
わりの形態の1つをいう。
【0062】 「多型」は、集団内のゲノムにおける所与の位置でのヌクレオチド配列(関連
する場合にはコードされるポリペプチド配列)の変化をいう。
【0063】 「一塩基多型」(SNP)は、集団内においてゲノム内の1つのヌクレオチド
位置におけるヌクレオチド変動性が存在することをいう。SNPは、遺伝子内に
、またはゲノムの遺伝子間領域内に存在し得る。SNPは、対立遺伝子特異的増
幅(ASA)を用いてアッセイすることができる。このプロセスには、少なくと
も3つのプライマーが必要である。1つの共通プライマーはアッセイされる多型
に対する逆相補で使用される。この共通プライマーは、多型塩基から50bpか
ら1500bpの間であり得る。それ以外の2つ(またはそれ以上)のプライマ
ーは、最後の3’塩基が、多型を構成する2つ(またはそれ以上)の対立遺伝子
の1つと一致するように固定されていない点を除いて互いに同一である。その後
、2つ(またはそれ以上)のPCR反応がサンプルDNAについて行われる。こ
のとき、それぞれのPCRには共通プライマーおよび1つの対立遺伝子特異的プ
ライマーが使用される。
【0064】 本明細書中で使用されている「スプライス変化体」は、同じゲノムDNA配列
から最初に転写されたRNA分子から産生され、しかし選択的RNAスプライシ
ングを受けているcDNA分子をいう。選択的RNAスプライシングは、一般に
はイントロンを除くために一次RNA転写物がスプライシングを受けているとき
に生じる。その結果、それぞれが異なるアミノ酸配列をコードし得る2つ以上の
mRNA分子が生じる。スプライス変化体の用語はまた、上記のcDNA分子に
よってコードされるタンパク質をも示す。
【0065】 「同一性」は、配列を比較することによって決定される、2つ以上のポリペプ
チド配列または2つ以上のポリヌクレオチド配列の間における関係を反映する。
一般に、同一性は、比較されている配列の長さにわたって2つのポリヌクレオチ
ド配列または2つのポリペプチド配列のそれぞれのヌクレオチド毎またはアミノ
酸毎の正確な一致をいう。
【0066】 「%同一性」−正確な一致が存在しない配列については、「%同一性」が定め
られる。一般に、比較される2つの配列は、最大の相関が配列間に得られるよう
にアラインメントされる。これには、アラインメントの程度を高めるために、「
ギャップ」を一方の配列または両方の配列のいずれかで挿入することが含まれ得
る。%同一性は、比較されている配列のそれぞれの長さ全体にわたって決定され
得る(いわゆる全体的なアラインメント):これは、同じ長さまたは非常に類似
する長さの配列の場合には特に好適である;あるいは、より短い規定された長さ
にわたって定められる(いわゆる局所的アラインメント):これは、長さが等し
くない配列の場合にはより好適である。
【0067】 「類似性」は、2つのポリペプチド配列の間における関係のより精巧なさらな
る尺度である。一般に、「類似性」は、(同一性に関して)比較されている配列
のそれぞれに由来する残基の残基対の間における正確な一致だけでなく、正確な
一致が存在しない場合には、進化的な基準に基づいて、1つの残基がそれ以外の
残基に対する確からしい置換体であるかどうかをも考慮に入れて、残基毎に基づ
く2つのポリペプチド鎖のアミノ酸間の比較を意味する。この可能性は2つの配
列の「%類似性」がその後に決定され得る関連した「スコア」を有する。
【0068】 2つ以上の配列の同一性および類似性を比較するための方法はこの分野では十
分に知られている。したがって、例えば、ウイスコンシン配列分析パッケージ(
バージョン9.1;Devereux J.他、Nucleic Acids
Res.12、387〜395、1984;Genetics Compute
r Group(Madison、Wisconsin、米国)から入手可能)
において利用できるプログラム、例えば、BESTFITプログラムおよびGA
Pプログラムを使用して、2つのポリヌクレオチド間の%同一性ならびに2つの
ポリペプチド配列間の%同一性および%類似性を決定することができる。BES
TFITでは、SmithおよびWatermanの「局所的相同性」アルゴリ
ズム(J Mol Biol、147、195〜197、1981、Advan
ces in Applied Mathematics、2、482〜489
、1981)を使用して、2つの配列間における類似性の最も良い領域が見出さ
れる。BESTFITは、長さが類似していない2つのポリヌクレオチド配列ま
たは2つのポリペプチド配列を比較することに対し、より適している。このプロ
グラムは、短い方の配列が長い方の配列の一部を表すことを仮定している。比較
において、GAPは、NeddlemanおよびWunschのアルゴリズム(
J Mol Biol、48、443〜453、1970)に従って2つの配列
をアラインメントし、これにより「最大の類似性」を見出す。GAPは、ほぼ同
じの長さである配列を比較することに対してより適しており、そしてアラインメ
ントが長さ全体にわたって予想される。好ましくは、それぞれのプログラムにお
いて使用される「ギャップ加重」および「長さ加重」のパラメーターは、それぞ
れ、ポリヌクレオチド配列の場合には50および3であり、ポリペプチド配列の
場合には12および4である。好ましくは、%同一性および類似性は、比較され
ている2つの配列が最適にアラインメントされているときに決定される。
【0069】 配列間の同一性および/または類似性を決定するための他のプログラムもまた
この分野では知られている:例えば、BLASTファミリーのプログラム(Al
tschul SF他、J Mol Biol、215、403〜410、19
90;Altschul SF他、Nucleic Acids Res.、2
5:389〜3402、1997;これはNational Center f
or Biotechnology Information(NCBI)(B
ethesda、Maryland、米国)から入手可能であり、www.nc
bi.nlm.nih.govにおけるNCBIのホームページからアクセス可
能である)、およびFASTA(Pearson WR、Methods in
Enzymology、183、63〜99、1990;Pearson W
RおよびLipman DJ、Proc.Nat.Acad.Sci.USA、
85、2444〜2448、1988;これはウイスコンシン配列分析パッケー
ジの一部として入手可能である)。
【0070】 好ましくは、BLOSUM62アミノ酸置換行列(Henikoff Sおよ
びHenikoff JG、Proc.Nat.Acad.Sci.USA、8
9、10915〜10919、1992)が、比較前にヌクレオチド配列がアミ
ノ酸配列に最初に翻訳される場合を含むポリペプチド配列比較において使用され
る。
【0071】 好ましくは、プログラムBESTFITが、基準ポリヌクレオチド配列または
ポリペプチド配列に関する質問ポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の
%同一性を決定するために使用される。この場合、質問配列および基準配列は最
適にアラインメントされており、プログラムのパラメーターは設定省略時の既定
値に設定されている。
【0072】 「同一性指標」は、候補配列(ポリヌクレオチドまたはポリペプチド)および
基準配列を比較するために使用され得る配列関連性の尺度である。したがって、
例えば、基準ポリヌクレオチド配列と比較したときに、例えば0.95の同一性
指標を有する候補ポリヌクレオチド配列は、候補ポリヌクレオチド配列が基準配
列の各100ヌクレオチドあたり平均して5個までの違いを含み得ることを除い
て基準配列と同一である。そのような違いは、少なくとも1つのヌクレオチドの
欠失、トランジションおよびトランスバージョンを含む置換、または挿入からな
る群から選択される。これらの違いは、基準ポリヌクレオチド配列の5’末端位
置もしくは3’末端位置に、またはこれらの末端位置の間の任意のところに、基
準配列内のヌクレオチド間に個々に点在して、あるいは基準配列内に1つまたは
2つ以上の連続した群で点在して存在し得る。すなわち、基準ポリヌクレオチド
配列と比較したときに0.95の同一性指標を有するポリヌクレオチド配列を得
るためには、本明細書中前記に記載されているように、基準配列において100
個毎に平均して5個までのヌクレオチドの欠失、置換または挿入がその任意の組
み合わせで存在していてもよい。同じことが、同一性指標の他の値、例えば、0
.96、0.97、0.98および0.99について必要に応じて変更して適用
される。
【0073】 同様に、ポリペプチドの場合、基準ポリペプチド配列と比較したときに、例え
ば、0.95の同一性指標を有する候補ポリペプチド配列は、基準配列の各10
0アミノ酸あたり平均して5個までの違いをポリペプチド配列が含み得ることを
除いて基準配列と同一である。そのような違いは、少なくとも1つのアミノ酸の
欠失、保存的置換および非保存的置換を含む置換、または挿入からなる群から選
択される。これらの違いは、基準ポリペプチド配列のアミノ末端位置もしくはカ
ルボキシ末端位置に、またはこれらの末端位置の間の任意のところに、基準配列
内のアミノ酸間に個々に点在して、あるいは基準配列内に1つまたは2つ以上の
群で点在して存在し得る。すなわち、基準ポリペプチド配列と比較したときに0
.95の同一性指標を有するポリペプチド配列を得るためには、本明細書中前記
に記載されているように、基準配列において100個毎に平均して5個までのア
ミノ酸の欠失、置換または挿入がその任意の組み合わせで存在していてもよい。
同じことが、同一性指標の他の値、例えば、0.96、0.97、0.98およ
び0.99について必要に応じて変更して適用される。
【0074】 ヌクレオチドまたはアミノ酸の相違数と同一性指標との関係は下記の式で表す
ことができる: na≦xa−(xa・I) 式中、 naはヌクレオチドまたはアミノ酸の相違数であり、 xaは配列番号1または配列番号2におけるそれぞれのヌクレオチドまたはア
ミノ酸の総数であり、 Iは同一性指標であり、 ・は乗算演算子に対する記号であり、 この場合、xaとIとの非整数の積は最も近い整数に切り捨てられ、その後、
その値がxaから引かれる。
【0075】 「ホモログ」は、基準配列に対する高い程度の配列関連性を有するポリヌクレ
オチド配列またはポリペプチド配列を示すためにこの分野で使用されている包括
的な用語である。そのような関連性は、本明細書中前記に定義されているように
2つの配列間の同一性および/または類似性の程度を決定することによって定量
化され得る。この包括的な用語には、「オルソログ」および「パラログ」の用語
が含まれる。「オルソログ」は、別の種におけるポリヌクレオチドまたはポリペ
プチドの機能的等価体であるポリヌクレオチドまたはポリペプチドをいう。「パ
ラログ」は、機能的に類似している同じ種におけるポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチドをいう。
【0076】 「融合タンパク質」は、2つの関連しない融合された遺伝子またはその断片に
よってコードされるタンパク質をいう。様々な例が米国特許第5541087号
、米国特許第5726044号に開示されている。Fc−LarCAP−1の場
合、融合タンパク質の一部として免疫グロブリンのFc領域を用いることは、F
c−LarCAP−1またはLarCAP−1の断片を機能的に発現させて、治
療に使用されたときにそのような融合タンパク質の薬物動態学的性質を改善する
ために、そして二量体のFc−LarCAP−1を生成させるためには好都合で
ある。Fc−LarCAP−1のDNA構築物は、5’から3’の方向で、分泌
カセット(すなわち、哺乳動物細胞からの細胞外への輸送を引き起こすシグナル
配列)、融合パートナーとして免疫グロブリンのFc領域断片をコードするDN
A、およびFc−LarCAP−1またはその断片をコードするDNAを含む。
使用に応じて、機能的なFc側を変異させ、一方、融合タンパク質の残りの部分
を未変化のままにすることによって固有的な機能的性質(補体結合、Fc受容体
結合)を変化させ得ること、または発現後にFc部分を完全に除き得ることは望
ましい。
【0077】 特許および特許出願(これらに限定されない)を含む、本明細書中に引用され
ているすべての刊行物および参考文献は、個々の刊行物または参考文献のそれぞ
れが、完全に示されるように本明細書中に参考として組み込まれることが明示的
かつ個々に示されているかのように、その全体が参考として本明細書中に組み込
まれる。本出願が優先権を主張するすべての特許出願もまた、刊行物および参考
文献に関して上記に記載されている様式でその全体が参考として本明細書中に組
み込まれる。
【0078】 (さらなる実施例) LarCAP−1の組織特異的および器官特異的な発現の検出 フィルタースポッティング、ハイブリダイゼーション、データ獲得および正規
化処理。クローンを、グリセロールストック培養として、または精製プラスミド
溶液として、そのいずれかで得た。標準的なPCRプロトコルおよびQiage
n HotStarTaq(商標)マスター混合物を使用することにより、それ
ぞれのプラスミドの挿入物を、プラスミド骨格内の挿入物の隣りに結合する標準
的なプライマーを使用して増幅した。PCR反応物の一部を、アガロースゲル電
気泳動によって、PCRが成功していることについて個々に調べた。PCR産物
を、さらに精製することなく、2倍の水性希釈でナイロンメンブラン(Schl
eicher and Schuell NytranSuperCharge
(商標))に直接スポットした。スポッティングは、直径が1.14mmの平坦
端部のピンを有する384ピン高密度レプリカ装置(HDRT)を備えたBec
kman Biomek2000(商標)を用いて行った。その後、乾燥したメ
ンブランを、BioRad GS GeneLinker(商標)UV装置を使
用して50mJで架橋した。架橋後、使用するまで、メンブランを乾燥条件下で
保存した。プレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを、それ
ぞれ3時間および16時間にわたって、50℃において、15mlのClont
ech ExpressHyb(商標)ハイブリダイゼーション溶液を、それぞ
れが有する回転チューブを備えた温度制御型ハイブリダイゼーションオーブンで
行った。フィルターの洗浄を、0.8xSSC/0.1%SDSを用いて50℃
で20分間の2回、0.1xSSC/0.1%SDSを用いて50℃で20分間
、0.1xSSC/0.1%SDSを用いて65℃で40分間の2回、それぞれ
順次行った。洗浄手順の後、フィルターを半乾燥して、極めて薄いポリエチレン
ホイルで包んだ。その後、Fuji Phoshorimager画像プレート
(IP)をFuji FLA3000(商標)感光チャンバー内のフィルターに
さらした。48時間〜72時間の後にIPプレートを50μmの分解度でFuj
i Phoshorimager FLA3000(商標)装置を用いて走査し
た。Raytestから得られるソフトウエアパッケージ(AIDAアナライザ
ー(商標))を使用して、グリッドをフィルター領域内のドットの上に投射し、
手動で調節し、そしてそれぞれのソフトウエアツールを使用して微調節した。次
に、ドット認定の最適化および局所的なバックグラウンド除去の処理を行った。
これにより、それぞれの位置に存在する放射能に広範囲にわたって対応する各ス
ポット位置に対する数値データ出力を有するファイルが得られた。これらのデー
タを、すべてのさらなる計算に必要なデータとして使用した。フィルターを正規
化するために、所与フィルターにおけるすべての位置の算術平均を求め、それぞ
れのスポット強度をこの平均値で除算した。その結果、すべての値が等しい場合
には、各スポットは「1」の数値を取得する。これらの正規化されたシグナル強
度は、種々のフィルターを比較するために使用され、そしてすべてのグラフ標示
で示されるデータである。
【0079】 放射能標識されたプローブの作製 プローブの標識を2つの異なる方法で、すなわち「混合標識」または「ポリd
T標識」として注釈されるいずれかの方法で行った。種々のヒト組織のRNAを
Clontechから得た。ポリdT標識の場合、10〜20μgの一部を、C
lontechから提供された懸濁物から取り出して、沈殿、その後のイソプロ
パノールによる洗浄によってさらに処理した。振とう下において50℃で30分
間乾燥した後、ペレットを精製水に再懸濁して、4〜8μgの総RNAを21μ
lの総容量において0.25μgのポリdTプライマー[5’T12NNN3’]
とハイブリダイゼーションさせた。プライマーのアニーリングを65℃で3分間
行い、続いて0℃の水中でインキュベーションした。その後、[反応物あたり]
4.2μlの精製水、Promegaから得られた8μlのRT緩衝液(酵素M
−MLV用)、dA、dT、dGの各ヌクレオチドの0.8μl混合物[混合物
においてそれぞれ25mM]、5μlのα33[P]標識dCTP[Amersh
am Redivue(商標) AA9905]および1μl[200ユニット
]のPromega M−MLV逆転写酵素からなるカクテルを各サンプルに加
えた。酵素的標識を、これらのdCTP制限条件のもとで39℃で25分間行い
、続いて、[反応物あたり]6.2μlの精製水、Promegaからの2μl
のM−MLV緩衝液、0.8μlのdCTP[25mM]および1μl[200
ユニット]のPromega M−MLV逆転写酵素からなる新しい反応混液を
加えた。39℃でさらに15分間インキュベーションした後、全容量を、Boe
hringerクイックスピンカラム(商標)および適切な遠心分離装置を使用
してSephadex(商標)G25カラムで精製した。次に、溶出液をサーモ
ヒ−ターにおいて95℃で3分間変性させ、そして0℃の水で冷却した。その後
、このプローブ容量全体を15mlの事前に加熱されたClontech Ex
pressHyb(商標)ハイブリダイゼーション溶液に加え、そしてプレハイ
ブリダイゼーションしたフィルターに移した。
【0080】 混合標識の場合、RNAは様々なヒト組織を表す、ポリAが富化されたRNA
の水溶液としてClontechから得た。標識するために、ポリAが富化され
たRNAの0.5μgを、21μlの総容量において、0.25μgのポリdT
プライマー[5’T12NNN3’]そしてさらに0.5μgのランダムプライマ
ー[ほとんどがN6、GibcoBRL]と混合した。さらなる処理は、ポリd
T標識について記載される通りであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 LarCAP−1が様々なヒト組織および器官で発現していることを示す図で
ある。
【符号の説明】
1〜3 成人の脳 4〜5 胎児の脳 6〜8 心臓 9〜10 骨格筋 11〜12 小腸 13〜15 肺 16〜17 胎児の肺 18〜19 成人の肝臓 20〜21 胎児の肝臓 22〜24 膵臓 25〜26 脾臓 27〜28 腎臓 29〜30 前立腺 31〜32 子宮 33〜34 胎盤 35〜36 精巣
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 A61K 45/00 C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA // A61K 45/00 5/00 A (71)出願人 Frankfurter Str. 250, D−64293 Darmstadt,Fed eral Republic of Ge rmany (72)発明者 デュッカー、 クラオス ドイツ連邦共和国 64291 ダルムシュタ ット エッテスカーシュトラーセ 5 (72)発明者 ヘンチュ、 ベルント ドイツ連邦共和国 64289 ダルムシュタ ット カオプシュトラーセ 48 (72)発明者 ホーアイゼル、 エルク ドイツ連邦共和国 69168 ヴィースロッ ホ レムペンザイテ 18−5 (72)発明者 フローメ、 マークス ドイツ連邦共和国 68535 エディンゲン ダンツィガー シュトラーセ 6 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA54 BA61 CA04 CA11 DA01 DA02 DA05 DA11 HA08 HA12 4B064 AG01 AG26 CA02 CA05 CA10 CA11 CA19 CA20 CC24 DA01 DA14 4B065 AA01X AA57X AA87X AA93Y AB01 CA23 CA24 CA44 4C084 AA17 NA14 ZB262 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA09 BA41 BA54 CA41 DA75 EA20 EA51 FA72 FA73 FA74

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列番号1の配列を含むポリヌクレオチドによってコ
    ードされるポリペプチド、 (b)配列番号2のポリペプチド配列に対して少なくとも95%の同一性を有
    するポリペプチド配列を含むポリペプチド、 (c)配列番号2のポリペプチド配列に対して少なくとも95%の同一性を有
    するポリペプチド、 (d)配列番号2のポリペプチド配列、および (e)(a)〜(d)におけるそのようなポリペプチドの断片および変化体 からなる群から選択されるポリペプチド。
  2. 【請求項2】 配列番号2のポリペプチド配列を含む、請求項1に記載のポ
    リペプチド。
  3. 【請求項3】 配列番号2のポリペプチド配列である、請求項1に記載のポ
    リペプチド。
  4. 【請求項4】 (a)配列番号1のポリヌクレオチド配列に対して少なくと
    も95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、 (b)配列番号1のポリヌクレオチドに対して少なくとも95%の同一性を有
    するポリヌクレオチド、 (c)配列番号2のポリペプチド配列に対して少なくとも95%の同一性を有
    するポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチ
    ド、 (d)配列番号2のポリペプチド配列に対して少なくとも95%の同一性を有
    するポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を有するポリヌクレオ
    チド、 (e)配列番号1の配列または少なくとも15ヌクレオチドを有するその断片
    を有する標識されたプローブを用いたストリンジェントなハイブリダイゼーショ
    ン条件のもとでライブラリーをスクリーニングすることにより得られる少なくと
    も100ヌクレオチドのヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、 (f)(a)〜(e)のポリヌクレオチドのRNA等価体であるポリヌクレオ
    チド、 (g)(a)〜(f)のいずれか1つの前記ポリヌクレオチドに対して相補的
    なポリヌクレオチド配列、および (h)(a)〜(g)のいずれか1つのポリヌクレオチドの変化体または断片
    であるか、あるいは上記に記載されるポリヌクレオチドに対してその全長にわた
    って相補的であるポリヌクレオチド からなる群から選択されるポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 (a)配列番号1のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチ
    ド、 (b)配列番号1のポリヌクレオチド、 (c)配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むポ
    リヌクレオチド、および (d)配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド からなる群から選択される、請求項4に記載のポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 前記発現ベクターが適合性宿主細胞に存在するときに請求項
    1〜3のいずれかに記載されるポリペプチドを産生し得るポリヌクレオチドを含
    む発現システム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれかに記載されるポリペプチドを発現す
    る、請求項6に記載される発現ベクターを含む組換え宿主細胞またはその膜。
  8. 【請求項8】 請求項1〜3のいずれかに記載されるポリペプチドを製造す
    るための方法であって、請求項7に記載される宿主細胞を前記ポリペプチドの産
    生に十分な条件のもとで培養して、前記ポリペプチドを培養培地から回収するス
    テップを含む方法。
  9. 【請求項9】 免疫グロブリンのFc領域と請求項1〜3のいずれかに記載
    されるポリペプチドとからなる融合タンパク質。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3のいずれかに記載されるポリペプチドに対し
    て免疫特異的な抗体。
  11. 【請求項11】 請求項1〜3のいずれかに記載されるポリペプチドの機能
    またはレベルを刺激または阻害する化合物を同定するためのスクリーニング方法
    であって、 (a)前記ポリペプチド(または前記ポリペプチドを発現する細胞もしくは膜
    )またはその融合タンパク質に対する候補化合物の結合を、前記候補化合物に直
    接的または間接的に結合している標識によって定量的または定性的に測定または
    検出すること、 (b)前記ポリペプチド(または前記ポリペプチドを発現する細胞もしくは膜
    )またはその融合タンパク質に対する候補化合物の結合の競合を、標識された競
    合剤の存在下で測定すること、 (c)前記ポリペプチドの活性化または阻害により発生するシグナルを前記候
    補化合物が生じさせるかどうかを、前記ポリペプチドを発現する細胞または細胞
    膜に適切な検出システムを使用して試験すること、 (d)候補化合物を、請求項1〜3のいずれかに記載されるポリペプチドを含
    有する溶液と混合して混合物を作製し、混合物中の前記ポリペプチドの活性を測
    定し、その後、候補化合物を含有しない対照混合物に対して混合物の活性を比較
    すること、または (e)細胞における前記ポリペプチドをコードするmRNAまたは前記ポリペ
    プチドの産生に対する候補化合物の作用を、例えばELISAアッセイを使用し
    て検出すること、および (f)生物工学または化学の標準的な技術に従って前記化合物を製造すること からなる群から選択される方法を含む方法。
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