JP2003533443A - 潜在的な免疫優性アセチルコリン受容体アルファ・サブユニット・ペプチドの同定 - Google Patents

潜在的な免疫優性アセチルコリン受容体アルファ・サブユニット・ペプチドの同定

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、自己免疫疾患、特に重症筋無力症の治療に向けられる。本発明は、アセチルコリン受容体から誘導される新規な自己免疫優性ペプチド、並びにそのペプチドの製造法を提供する。本発明はさらに、主要な組織適合性複合体(MHC)分子と結合されたこれらのペプチドを含む複合体、及びそれらの複合体の製造法を提供する。本発明の複合体は、重症筋無力症を治療するために治療上、または予防上使用されることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明の背景 自己免疫疾患は、有害な自己免疫応答の特に重要な種類であり、かつ米国にお
いて主要な健康問題を形成し、900万人を超える人々に影響を与える。自己免
疫疾患においては、自己寛容が失われ、さらに免疫システムは、自己組織が異質
な標的であるかのように自己組織を攻撃する。治療が不足すると、これらの疾患
は一般に慢性であり、さらに多くの場合、死に至る。
【0002】 自己免疫疾患の治療に対する未完成のアプローチは、全身の免疫抑制である。
これは、真の異物に応答するための被験者の能力を損なうという明らかな欠点を
有するが、この異物に対しては、免疫応答を開始することが必要である。わずか
にさらに洗練されたアプローチだけが、標的組織を含む免疫複合体の除去に依存
する。これはさらに不利な副作用を有し、かつ達成することは困難である。有害
な副作用を有する免疫抑制剤を別にして、いずれかの自己免疫疾患に対する有効
な長期間治療はほとんどない。さまざまに変化する出現率を伴う、30を超える
臓器特異的及び全身的な形態の自己免疫がある。比較的多くの患者数を有するも
の、例えば関節リウマチ、I型糖尿病、及び多発性硬化症は、明らかな経済的理
由のために、非常に頻繁に新しい治療の開発のための標的とされる。
【0003】 寛容性の維持及び自己免疫の病理においてTリンパ球が演じる役割についての
増加する理解は、様々な抗原特異的治療の開発を刺激したが、この治療は保護免
疫(protective immunity)を維持する一方、自己反応性T細胞を抑制または排除
することを意図している。これらの戦略は、自己免疫疾患に含まれる自己抗原及
び自己抗原ペプチド・エピトープの同定をあてにしている。最も多くの患者数を
有するものを含めた多くの自己免疫疾患にとって、この情報は未知であり、不完
全であり、または議論の余地がある。
【0004】 重症筋無力症(MG)は、自己免疫疾患であって、これは神経筋接合部に影響
を及ぼし、さらに命にかかわる可能性がある。患者数は、25,000〜100
,000人とばらついて推定されており(Drachman(1994)N.Eng.J.Med.330:1797
〜1810; MG Foundation, 1997)、さらに平均年齢が増加するに従い、症例の増
加が予想される。MGは、アセチルコリン受容体(AChR)に対する自己抗体
によって特徴づけられる。イン・ビボの動物モデル、及び免疫抑制薬は、これら
の自己抗体の産生はCD4+T細胞に左右されることを示す。MGにおいては、
自己抗体は神経筋接合部の筋膜上のアセチルコリン受容体(AChR)に結合し
、そのAChRのエンドサイトーシス、及び補体が仲介する損傷を引き起こす。
AChRの損失は、筋肉機能の効率を低下させ、それは疲労から呼吸不全に及ぶ
症状を伴う。
【0005】 MGは、抗原特異的治療法の開発及び臨床試験のためにいくつかの利点を提供
するが、それは、充分に特徴づけられた自己抗原、AChRの存在を含む。AC
hRは、自己反応性T及びB細胞の標的として広く認められるが、それは(ミエ
リン基本タンパク質、プロテオリピド・タンパク質、ミエリン・オリゴデンドロ
サイト糖タンパク質、ミエリン結合糖タンパク質、αB−クリスタリン、CNP
ase、及び熱ショックタンパク質を含む)複数のミエリンタンパク質が含まれる
可能性のある多発性硬化症のような疾患と異なる。加えて、確実な臨床パラメー
タが利用可能である。例えば、アセチルコリンエステラーゼのブロッキングに帰
因する筋肉機能障害の一時的低下を測定する張力試験(テンション試験)、さら
に抗−AChR抗体の検出は、MGに対する診断手段である。この疾患は、初期
の発症患者においてはHLA−DR3と、さらに後期の発症においてはHLA−
DR2と関係づけられる。さらに、筋肉機能は筋電図検査(エレクトロミオグラ
フィー)によって容易に測定され、さらに抗−AChRレベルはELISA及び
その他の比較的簡単な評価法によって追うことができ、そのため、MGの臨床試
験は、簡単で、確実な、疾患の活動度の代理マーカーから利益を得る。これらの
利点にもかかわらず、治療戦略は、MGにおいてほとんど試験されていない。
【0006】 MGの抗原特異的治療法を開発することにおける最大の困難性は、免疫優性A
ChRエピトープ(類)の同一性について、目下、意見の一致を欠くことである
【0007】 AChRは、5量体のイオンチャネルであって、成人の神経支配された筋肉に
おいてはαβεδ、さらに胎児及び神経支配されていない筋肉並びに胸腺の筋
様細胞においてはαβγδからなる。このAChRαサブユニットは、アセチ
ルコリンのための結合部位、並びに自己抗体結合の優性部位である、67〜76
に主要な免疫原性領域(MIR)を有する(Tzartosら、(1989) Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 85:2899〜2903)。上記文献中には、優性AChR T細胞エピト
ープの多くの報告があるが、これらの研究の多くは裏付けられておらず、明らか
な意見の一致はない(例えば、Manfrediら、(1992) J. Lab. Clin. Med. 1:13〜
21; Hawkeら、(1996) Immunol. Today 17:307〜311中に概説される)。これらの
研究の多くは、HLA−DR制限(リストリクション)を試験するのに失敗した
。さらに、いくつかの研究は、免疫優性ペプチドの同定を、合成AChRペプチ
ドに対して反応性のT細胞系列の産生に基礎づけるが、しかし、多くの場合にこ
れらのT細胞は天然AChRと反応することに失敗した(Matsuoら、(1995) J.
Immunol. 155:3683〜3692; Hawkeら、前掲)。したがって、これらのT細胞がそ
の評価システムの人工産物かどうか不明確である。
【0008】 従来の研究は、さらに、一式のAChRペプチドに対するMG患者の末梢血単
核細胞の応答を調べている(例えば、Harcourtら、(1988) J. Clin. Invest. 82
:1894; 及びNewsom-Davisら、(1989) J. Autoimmun. 2:101を参照されたい)。
この研究はしかしながら、AChRペプチドの不完全な一式、または連続したペ
プチドの重なりがわずかなアミノ酸に限られ、適切なエピトープを逃している可
能性がある一式のペプチドのいずれか一方を試験した。別の場合においては、T
細胞応答のHLA−DR制限が決定されていない。その他の研究は、HLA−D
R対立遺伝子(alleles)に結合し、かつMGに対する重要性を有する可能性が
ある免疫優性ペプチドを同定したが、これらに対するT細胞の反応性は確認され
ていない。これらの進歩にもかかわらず、当技術分野は免疫優性AChRペプチ
ドに関連するHLA−DRについての一致した意見を欠いている。
【0009】 MGに対する現在の治療は特異的でなく、かつ多くの場合、有害な副作用を有
する。例えば、抗体を除去するための血漿泳動(plasmaphoresis)は高額なアプ
ローチであり、さらにやめたときは、力価が急激に戻り、かつ治療前のレベルを
超えることがある。ステロイド及びその他の免疫抑制薬(例えば、ACTH、ア
ザチオプリン(azathioprine)、及びシクロスポリンA(cyclosporin A)が時々投
与されるが、しばしば腎毒性、高血圧、またはその他の健康危害を伴う。胸腺切
除は多くの場合に有効であるが、しばしば失敗し、効果が確立するために最大5
年を必要とする可能性があり、さらに非常に若い人及び年輩の人には使えない。
【0010】 したがって、当技術分野において、特にMGにおいて、主要な副作用がなく、
さらに全身の免疫システムに影響を及ぼすことなく、有効に自己免疫疾患を治療
する方法に対するニーズがある。
【0011】 本発明のまとめ 本発明は、重症筋無力症における自己免疫応答に対して応答可能な免疫システ
ムのこれらの局面を抑制するために用いることができる組成物に向けられる。本
発明の組成物は、ヘルパーT細胞を標的にするために設計されるが、このヘルパ
ーT細胞はMHC成分と共同して特定の抗原を認識する。本発明の組成物はT細
胞に結合し、さらに標的のT細胞中に非応答性を生じさせ、従来の治療よりも少
ない副作用を伴う特異的治療を提供する。
【0012】 本発明は、HLA−DR2及びHLA−DR3に対する比較的高い親和性を伴
うAChRサブユニットペプチドの同定を提供するが、さらにこれは、これらの
ハプロタイプ(haplotypes)とともに、MG患者の免疫優性T細胞エピトープを
示すことができる。これらのペプチドは、次に標的T細胞の非応答性を誘発する
ために用いられることができ、したがってMGを治療することができる。
【0013】 1つの実施態様においては、本発明は上記ペプチドを提供する。別の実施態様
においては、このペプチドは、MGを治療するために医薬組成物中に用いられる
ことができ、またはMHC分子と複合化され、さらに続いて医薬組成物中に用い
られることができる。なお別の実施態様においては、本発明はMGを治療する方
法を提供する。
【0014】 具体的な実施態様の説明 I.序論 本発明は、T細胞の機能を変調するために用いられることができるペプチドを
提供する。例えば、このペプチドはMHC分子に結合されることができ、さらに
、特に重症筋無力症における、有害なT細胞仲介の免疫応答を抑制するために使
用されることができる。加えて、このペプチド自身は、非応答性を誘発するため
に用いられることができ、さらに疾患を治療するために用いられることができる
【0015】 複合化されることができる上記ペプチド及びMHC成分は、以下に別々にそれ
ぞれ記述され、続いてそのペプチド及びその複合体を製造し、評価し、さらに使
用できる方法の記述が続く。本発明のMHC:ペプチド複合体を製造し、かつ使
用するための適当な一般的方法は、米国特許第5,468,481号、及びPC
T国際公開WO96/40944中に開示される。
【0016】 特に、本発明は、新規なアセチルコリン受容体(AChR)ペプチド、MHC
クラスIIポリペプチド、及びMHCクラスII:AChRペプチド複合体を提
供する。本発明は、(天然源からの)単離され、合成され、さらに組換え産生さ
れた形態のAChRペプチド及びMHCクラスIIポリペプチドを提供する。こ
れらのペプチド及びタンパク質は、イン・ビトロまたはイン・ビボにおいて組換
えで発現されることができる。本発明のペプチド、ポリペプチド、及び複合体は
、当技術分野で公知のいずれかの方法を用いて製造され、かつ単離されることが
でき、さらに本発明はそのようなタンパク質を産生するためのいくつかの代表的
手段を提供する。加えて、MHCクラスII:ペプチド複合体を製造する手段は
、例えば、1993年3月16日に発行された米国特許第5,194,425号
;1992年7月14日に発行された同5,130,297号;1994年2月
8日に発行された同5,284,935号;1993年11月9日に発行された
同5,260,422号;及び1995年11月21日に発行された同5,46
8,481号;並びにPCT国際公開WO96/40944において教示される
【0017】 本発明の上記AChRペプチド、上記MHCクラスII分子、及び上記ACh
Rペプチド:MHCクラスII複合体をコード化する遺伝子の核酸操作及び組換
え発現のための技術は、科学文献、及び特許文献中に記述される(例えば、Samb
rookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(2nd Ed.), Vols.1-3, Cold
Spring Harbor Laboratory, (1989); Ausubelら、Current Protocols in Molecu
lar Biology, John Wiley & Sons, Inc., New York(1997); 及びTijssenら、Lab
oratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology: Hybridization
With Mucleic Acid Probes, Part I. Theory and Nucleic Acid Preparation, E
lsevier, N.Y.(1993)を参照されたい)。突然変異は、当業者に周知の、さまざ
まな通常の方法によって、核酸中に導入されることができる。例えば、部位特異
的突然変異誘発を有効に行うための1つの迅速な方法は、重複伸張ポリメラーゼ
連鎖反応(overlap extension polymerase chain reaction)である(Urban(199
7) Nucleic Acid Res. 25:2227〜2228)。関心ある核酸の配列を検証するための
塩基配列決定法は、典型的にはジデオキシ塩基配列決定法(シーケナーゼ、U.S.
バイオケミカル社(U.S.Biochemical))を用いるが、しかしながら、その他のキ
ット及び方法が利用可能であり、かつ当業者に周知である。さまざまなインビボ
発現系及び原核及び真核細胞を形質転換するための技術が用いられることができ
、さらに当業者に周知である(例えば、Weising(1988) Ann. Rev. Genet. 22:42
1〜477; Sambrookら前掲、及びTissenら前掲を参照されたい)。
【0018】 本発明のAChRペプチド、MHCクラスII分子、及びMHCクラスII:
ペプチド複合体は同様に、当業者に周知の化学的方法を用いて、全体または一部
を合成することができる(例えば、Caruthers(1980) Nucleic Acids Res. Symp.
Ser. 215〜223; Horn(1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 225〜232;及びBa
nga、Therapeutic Peptides and Proteins, Formulation, Processing and Deli
very Systems, Technomic Publishing Co., Lancaster, PA(1995)を参照された
い)。例えば、ペプチド合成はさまざまな固相技術を用いて達成されることがで
き(例えば、Roberge(1995) Science 269:202;及びMerrifield(1997) Methods E
nzymol. 289:3〜13を参照されたい)、さらに、製造者によって提供される指示
書に従ってABI431Aペプチド・シンセサイザー(パーキン・エルマー社(
Perkin Elmer)を使用して、自動化された合成を実施することができる。
【0019】 II.定義 本明細書中で使用するとき、“ペプチド”及び“オリゴペプチド”は、典型的
には、隣接するアミノ酸のアルファ−アミノ及びカルボニル基の間のペプチド結
合によって相互に結合された、典型的にはL−アミノ酸であるところの、残基の
ひとつながりである。正しいエピトープが維持される限り、このペプチドの長さ
は本発明に対して決定的ではない。このペプチドは典型的には長さで約30残基
未満であり、さらに通常約10〜約25残基、好ましくは14〜20残基からな
る。
【0020】 “AChRオリゴペプチド”は、MHC分子に特異的に結合するAChRの一
部分から誘導された配列を有するものであり、かつ重症筋無力症に関連するT細
胞の免疫応答を誘発する。オリゴペプチドは、AChRからの配列(例えば残基
7〜22、または36〜49)、または実質的にそれと同一のものを含むことが
できる。本用語はさらに、以下に説明するように、そのような配列のさまざまな
アナログを含む。
【0021】 用語“残基”は、アミド結合または擬アミド結合(amide bond mimetic)によ
ってオリゴペプチド中に組み入れられたアミノ酸(DまたはL)あるいはアミノ
酸擬態(amino acid mimetic)をいう。本発明の擬アミド結合は、当業者に周知
の、ペプチドバックボーンの修飾を含む。
【0022】 本明細書中で使用するとき、“アミノ酸擬態”は、天然アミノ酸以外の残基で
あり、それは立体配座(コンホメーション)的、及び機能的に、本発明のペプチ
ド中のアミノ酸に対する代替物として働く。AChRに結合するためのそのペプ
チドの能力を実質的に妨害しない場合、そのような残基は、アミノ酸残基に対す
る代替物として働く。アミノ酸擬態は、非タンパク質アミノ酸、例えばβ−γ−
δ−アミノ酸、β−γ−δ−イミノ酸(例えばピペリジン−4−カルボン酸)、
並びにL−α−アミノ酸の多くの誘導体を含むことができる。多くの適当なアミ
ノ酸擬態が当業者に公知である;それらは、シクロヘキシルアラニン、3−シク
ロヘキシルプロピオン酸、L−アダマンチルアラニン、アダマンチル酢酸、及び
その他同様のものを含む。本発明のペプチドのために適当なペプチド擬態は、Mo
rgan及びGainor(1989) Ann. Repts. Med. Chem. 24:243〜252で議論される。
【0023】 最大に一致するように並べたときに、2つの配列中のアミノ酸残基の配列が同
一である場合、この2つのポリペプチドは、“同一”であるといわれる。
【0024】 “配列の同一性のパーセンテージ”は、比較の窓(comparison window)の上
で、2つの最適に並べた配列を比較することによって決定されるが、ここでこの
比較の窓の中のポリヌクレオチドまたはアミノ酸配列の部分は、この2つの配列
の最適な整列のための(付加または欠失を含まない)参照配列と比較して、付加
または欠失(すなわち、ギャップ(gaps))を含むことができる。上記パーセンテ
ージは、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両者の配列中に生じる場所の数を
決定することによって計算され、一致した場所の数を与えるが、これは一致した
位置の数を、その比較の窓の中の位置の全体数で割り、さらにその結果に100
をかけて配列同一性のパーセンテージが得られる。
【0025】 これらの目的のためのアミノ酸または核酸配列の“実質的同一性(substantial
identity)”の語は、通常、少なくとも60%の配列同一性を意味する。ポリペ
プチドまたはポリヌクレオチドの好ましいパーセント同一性は、60%〜100
%のいずれかの整数であることができる。さらに好ましい実施態様は、少なくと
も80%、85%、90%、または99%を含む。“実質的類似”であるポリペ
プチドは、同一でない残基位置が保存性アミノ酸変化によって変えられることが
できることを除き、上記のように配列を共有する。“保存性アミノ酸置換(conse
rvative amino acid substitutions”は、類似の側鎖を有する残基の互換性があ
ることをいう。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸の群は、グリシン、アラニ
ン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンであり;脂肪族水酸基側鎖を有するア
ミノ酸の群は、セリンおよびトレオニンであり;アミド含有側鎖を有するアミノ
酸の群は、アスパラギン及びグルタミンであり;芳香族側鎖を有するアミノ酸の
群は、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンであり;塩基性側鎖を
有するアミノ酸の群は、リジン、アルギニン、及びヒスチジンであり;さらに、
イオウ含有側鎖を有するアミノ酸の群は、システイン及びメチオニンである。好
ましい保存性アミノ酸置換の群は以下の:バリン−ロイシン−イソロイシン、フ
ェニルアラニン−チロシン、リジン−アルギニン、アラニン−バリン、アスパラ
ギン酸−グルタミン酸、及びアスパラギン−グルタミンである。
【0026】 比較のための配列の最適な整列は、Smith及びWaterman(1981) Add. APL. Math
. 2:482の局所的同一性アルゴリズム(local identity algorithm)により、Nee
dleman及びWunsch(1970) J. Mol. Biol. 48:443の同一性整列アルゴリズム(ide
ntity alignment algorithm)により、Pearson及びLipman(1988) Proc. Natl. A
cad. Sci. (U.S.A.)85:2444の類似性検査法(the search for similarity method
)により、これらのアルゴリズムのコンピューターによる実行(ウィスコンシン
・ジェネティックス・ソフトウェア・パッケージ、ジェネティックス・コンピュ
ーター・グループ(GCG)、575サイエンス Dr.マディソン, WI のGAP
、BESTFIT、BLAST、FASTA、及びTFASTA)、または視察
によって行われることができる。
【0027】 パーセント配列同一性及び配列類似性を決定するために適したアルゴリズムの
好ましい例は、BLAST及びBLAST2.0アルゴリズムであり、これらは
、Altschulら(1977) Nuc. Acids Res. 25:3389〜3402、及びAltschulら(1990) J
. Mol. Biol. 215:403〜410にそれぞれ記述される。BLAST及びBLAST
2.0は、本明細書中に記載したパラメーターとともに使用し、本発明の核酸及
びアミノ酸配列に対するパーセント配列同一性を決定した。BLAST解析を実
施するためのソフトウェアは、バイオテクノロジー・インフォメーションのため
のナショナル・センター(the National Center for Biotechnology Informatio
n)(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公式に利用可能である。アミノ酸
配列に対しては、累積得点を計算するために、得点行列(scoring matrix)を用い
る。それぞれの方向におけるワード・ヒット(word hits)の伸張は、以下の:累
積の整列スコア(alignment score)がその最大の達成値から一定量X低下した
とき;1以上の負の得点の残基整列の累積に帰因して、その累積スコアがゼロ以
下になったとき;または、一方の配列の終点に達したとき、に停止した。このB
LASTアルゴリズムパラメーターW、T、及びXは整列(アラインメント)の
感度及び速度を決定する。アミノ酸配列に対しては、BLASTPプログラムは
初期設定として、3のワード長、及び10のエクスペクテーション(expectation
)(E)を用い、さらにBLOSUM62得点行列(Henikoff及びHenikoff(1989
) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915)は、50のアラインメント(B)、
10のエクスペクテーション(E)、M=5、N=−4、及び両鎖の比較、を使
用する。
【0028】 “単離された”の句は、その天然の状態で発見されたときにそれに通常随伴す
る成分を実質的に、または本質的に含まない物質をいう。
【0029】 本明細書中で用いるとき、用語“免疫優性”または“免疫優性ペプチド”は、
免疫応答に対する主要な標的として働くペプチドまたはペプチドエピトープをい
う。免疫優性ペプチドは、典型的には他の利用可能なエピトープよりもいっそう
多量で、かつ高い結合親和性を有する抗体を誘起するペプチドである。これらの
同定は重要だが、なぜならそれらは自己免疫疾患と闘うために標的とされるべき
ものだからである。免疫優性は複合体抗原(またはエピトープ中の一定の残基)
内の一定のエピトープの特性であるが、この特性はその一定のエピトープを免疫
原性または抗原性について最も重要にする。
【0030】 本明細書中で使用するとき、“単離されたMHC成分”の語は、MHC糖タン
パク質、またはMHC糖タンパク質の有効部分(すなわち、抗原結合部位または
その複数部位、及び適当なT細胞受容体による認識のために必要な配列を含むも
の)をいい、これはその天然の状態以外の状態にあり、例えば、通常はMHCを
発現する細胞の細胞膜と結合されない。以下に詳細に説明するように、このMH
C成分は組換えで生産され、適当な細胞原料から可溶化され、またはリポソーム
と結合されることができる。ヒトMHC分子については、ヒトリンパ芽球腫細胞
が特に好ましい。
【0031】 例えば、細胞、または核酸、タンパク質、またはベクターに関連して使用する
とき、用語“組換え(リコンビナント)”は、非相同の核酸またはタンパク質の
導入、あるいは天然核酸またはタンパク質の変化によって修飾された、細胞、核
酸、タンパク質、またはベクター、あるいはそのように修飾された細胞から誘導
された細胞をいう。したがって、例えば、組換え細胞は、天然(非組換え)型の
細胞内では発見されない遺伝子を発現するか、またはそうでなければ異常に発現
されるか、過小発現されるか、または全く発現されない天然の遺伝子を発現する
【0032】 核酸の部分に関連して使用されるとき、“非相同”の語は、天然では相互に同
一の結びつきで発見されることがない2以上の配列を含む核酸を指す。例えば、
その核酸は典型的には組換えて製造され、新しい機能の核酸を作成するために配
置された関連のない遺伝子からの2以上の配列、例えば1つの源からのプロモー
ター及び別の源からのコード領域を有する。同様に、非相同のタンパク質は、天
然において相互に同一の結びつきで発見されない2以上の配列を含むタンパク質
を指す(例えば、融合タンパク質)。
【0033】 “操作可能に連結された”の語は、核酸の発現制御配列(例えば、プロモータ
ー、または転写因子結合部位の配列)、及び第2の核酸配列の間の機能的な連結
をいい、ここでこの発現制御配列は、この第2の配列に相当する核酸の転写を誘
導する。
【0034】 III. MHC成分 MHCによってコード化される糖タンパク質は、ヒト及びマウス系の両者で広
範囲に研究されている。MHC遺伝子複合体は、マウスにおいてはH−2複合体
、さらにヒトにおいてはHLA複合体といわれる。このMHC糖タンパク質は、
全ての細胞の表面で発見され、さらに主にキラーT細胞によって認識されるクラ
スI糖タンパク質、及びマクロファージのような補助細胞を含むいくつかの細胞
の表面で発見され、かつヘルパーT細胞に対する抗体の提示に関連するクラスI
Iとして分類されている。組織適合性タンパク質のいくつかが単離され、かつ特
徴づけがされている。MHC糖タンパク質の構造及び機能の一般的な概説につい
ては、Paul, Fundamental Immunology, 2nd Ed.,Ravens Press N.Y.(1989),及び
Albertsら、Molecular Bioligy of the Cell,2nd Ed., Garland Publishing, In
c., N.Y. & London(1989)を参照されたい。
【0035】 MHCクラスII分子は、本発明において特に有用である。クラスIIMHC
分子は、膜2重層から伸張した、2つのクラスII鎖のN−末端ドメイン部分か
ら形成される。1つの鎖のN−末端部は、MHCクラスI抗原配列のアルファ 及びアルファと相同の2つのドメインを有する。MHCクラスII分子の抗原
結合ポケットは、アルファ及ベータドメインから作られる。この結合ポケッ
トは、クラスII分子においては両端で開いており、そのため、よりいっそう長
いペプチドを収容することができる。HLA−DR1の3次元構造が記述されて
いる(Brownら、(1993) Nature 364:33)。上記クラスII遺伝子のクローニン
グは、例えば以下に説明するように、上記クラスIIMHC結合ドメインの操作
を可能にする。
【0036】 本発明の複合体のMHC糖タンパク質部分は、リンパ球からの単離によって入
手することができ、さらに所望するペプチド抗原に結合する能力についてスクリ
ーニングされることができる。このリンパ球は、上記複合体で処理されるであろ
う個体の種類に由来する。例えば、それらは、標的として定めた自己免疫疾患に
かかった個体からのヒトB細胞から単離されることができるが、これは当分野で
公知の方法を利用して、複製欠損のエプスタイン−バー・ウイルスでの形質転換
によって不死化されている。
【0037】 クラスIIの組織適合性タンパク質を精製するための方法は、当分野で周知で
ある。これらは様々な技術を用いて、多数の細胞から単離されることができる。
例えば、上記糖タンパク質はプロテアーゼでの処理により、3M KClでの処
理により、または洗剤での処理により可溶化されることができる。好ましい方法
においては、リンパ球からのクラスIIタンパク質の洗剤抽出に続くアフィニテ
ィー精製が用いられる(例えば、Turkewitzら、(1983) Molecular Immunology 2
0:1139〜1147を参照されたい)。様々な方法が、所望するMHCクラスII組織
適合性ヘテロ2量体を製造するために開発されているが、このヘテロ2量体は内
在性抗原を与えず(Stern及びWiley(1992) Cell 68:465〜77; Ljunggrenら、(1
990) Nature 346:476〜80; 及び、Schumacherら、(1990) Cell 62:563〜67)、
この抗原は選択したペプチドとともに負荷されることができる。
【0038】 その代わり、MHC成分は当業者に周知の技術を用いて、組換え発現されるこ
とができる。多くのクラスIIタンパク質のそれぞれのアミノ酸配列が公知であ
り、さらにその遺伝子またはcDNAがクローンされている。したがって、これ
らの核酸は、MHCポリペプチドを発現するために用いられることができる。所
望するMHC遺伝子またはcDNAが利用できない場合、当業者に公知のクロー
ニング法が、その遺伝子を単離するために用いられることができる。用いること
ができる1つのそのような方法は、所望するMHCポリペプチドを精製し、部分
的なアミノ酸配列を入手し、そのアミノ酸配列に基づいたヌクレオチドプローブ
を合成し、さらにそのプローブを、cDNAまたはゲノムライブラリーからの所
望する遺伝子を隠しているクローンを同定するために使用することである。上記
MHCポリペプチドは、クローン化ヌクレオチド配列から発現されることができ
るが、この配列は所望の宿主中での遺伝子発現を命令する信号に対して、切断型
または完全長核酸を操作可能に連結することによって上記MHCポリペプチドを
コード化する。多くの適当な宿主が利用可能であり、かつ当業者に公知である。
【0039】 上記MHCポリペプチドは、次に細胞内で発現されることができるか、または
当業者に公知の方法を用いてその細胞から分泌されることができる。
【0040】 上記宿主細胞に形質移入するために用いられる上記ヌクレオチド配列は、さま
ざまな所望の特性を有するMHCポリペプチドを産生するための通常の技術に従
って修飾されることができる。多くの技術が当業者に公知である。例えば、この
MHCポリペプチドは、一次構造のレベルで、アミノ酸挿入、置換、欠失、及び
その他同様のものによって、天然配列から変化することができる。タンパク質融
合が同様に利用可能であり、このMHCポリペプチドに対して新しい活性または
活性の組み合わせ物を与えることができる。これらの修飾は、多くの組み合わせ
物に用いられることができ、最終的な修飾されたMHCポリペプチド鎖を生み出
す。
【0041】 アミノ酸配列変異体は、その組換え型ポリペプチドの精製及び調製を容易に行
うことを含む、考えられた様々な目的をもって作られることができる。この修飾
されたポリペプチドはさらに、治療上の半減期を変更すること、治療効果を改善
すること、及び治療上の使用の間の副作用の重大さ又は出現を減少させるために
有用である。アミノ酸配列変異体は、通常、予定された変異体であって、天然で
は発見されないが、天然配列MHCと同じペプチド結合活性及びT細胞結合活性
を示す。例えば、その一次構造の一部のみ(通常少なくとも約60〜80%、典
型的には90〜95%)を含むポリペプチド・フラグメントが産生されることが
できる。一定の好ましい実施態様において、上記MHCポリペプチドは完全長ポ
リペプチドからのαまたはβドメインのいずれかを不可欠にして構成される
。そのようなフラグメントは、典型的には約50〜約100のアミノ酸、好まし
くは約60〜約90、さらに好ましくは約70〜約80を含む。それに代わり、
合成法がポリペプチドを調製するために用いられることができる(例えば、Merr
ifield(1986) Science 232:341〜347; Athertonら、Solid Phase Peptide Synth
esis: A Practical Approach, IRL Press, Oxfordを参照されたい)。この合成
ペプチドの組成は、アミノ酸分析または配列決定によって(例えば、エドマン分
解法;例えば、Creighton Proteins, Structures and Molecular Principles, F
reeman and Co., New York NY(1983)を参照されたい)、または当業者に公知の
いずれかの他の適当な技術によって確認されることができる。
【0042】 一般に、MHCポリペプチドをコード化する配列の修飾は、さまざまな周知技
術、例えば、部位特異的突然変異誘発(Gillman及びSmith(1979) Gene 8:81〜97
;及び Robertsら、(1987) Nature 328:731〜734を参照されたい)によって、容
易に達成される。大多数の修飾は、所望する特性のための適当な評価法における
慣用スクリーニングによって評価される。例えば、ペプチドに結合し、またはT
細胞増殖に影響を及ぼすためのそのポリペプチドの能力における様々な修飾の効
果は、以下に記述する試験法を用いて容易に決定されることができる。その他の
特性、例えばレドックス(redox)、または熱安定性、疎水性、タンパク分解の受
けやすさ、凝集する傾向の変更は、通常の技術に従って、すべて評価される。
【0043】 一定の応用のためには、MHCのcDNAコード化配列は、その膜貫通ドメイ
ンを欠失させ、かつ結果として得られる可溶なMHCポリペプチドを発現するよ
うに修飾される。上記MHCのcDNAの切断は、例えば、オリゴヌクレオチド
定方向欠失突然変異誘発、またはポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)によって実
施されることができる。オリゴヌクレオチド定方向インビトロ突然変異誘発(Oli
gonucleotide-directed in vitro mutagenesis)は、例えば、Kunkelら(1987) Me
th. Enzymol. 154:367〜382(さらに、Ausubelら、前掲を参照されたい)により
記述される。
【0044】 IV.ペプチド 抗原提示細胞(APCs)の表面上のMHC糖タンパク質による抗原の提示は
、いっそう小さなペプチド単位(ペプチド・セグメント)への抗原タンパク質の
加水分解に引き続いて起こると信じられる。これらのセグメントは、長さで8〜
18残基であると考えられ、かつ(MHC分子によって認識される)アグリトー
プ、及び(Tヘルパー細胞上のT細胞受容体によって認識される)エピトープの
両者を含む。このエピトープ自体は、5〜6アミノ酸の連続または非連続配列で
あり、この配列はTヘルパー細胞の抗原特異的受容体を認識する。上記アグリト
ープは、連続または非連続配列であり、この配列はMHC糖タンパク質と上記ペ
プチドの会合の原因となる。
【0045】 MGにおける重要なペプチドは、例えば、HLA−DR2及びHLA−DR3
に結合するための重複するAChRペプチドの一組をスクリーニングすることに
よって同定されることができる。MHC化合物に対するペプチドの結合親和性は
、当業者に公知の多くの結合評価法を用いて測定されることができる。適当な結
合評価法の一例は、ユーロピウムに基づく競争結合評価法である(例えば、Tomp
kinsら、(1993) J. Immunol. Methods 163:209〜216を参照されたい)。加えて
、T細胞応答を誘発するための、本発明のペプチドの能力は、以下に記述するよ
うに、当業者に公知の、様々な通常の方法を用いて決定されることができる。
【0046】 典型的には、本発明のペプチドは、AChRのアミノ酸配列に相当するか、ま
たは実質的に同一または類似のアミノ酸配列を含むだろう。本発明のペプチドは
、天然資源から単離され、合成され、または当業者に周知の方法を用いて組換え
発現されることができる。
【0047】 所望の活性を有するペプチドは、一定の所望する特性、例えば、改良された薬
理学的特性を提供するための必要に応じて修飾されることができる一方、所望す
るMHC分子に結合するための非修飾ペプチドの生物学的活性の全てを実質的に
増加するかまたは少なくとも維持し、さらに適切なT細胞中に非応答性を誘発す
る。例えば、このペプチドは、様々な変化、例えば置換を保存的、または非保存
的に受けることができ、ここでそのような変化はそれらの使用における一定の利
点、例えば改良されたMHC結合性を提供することができる。単一のアミノ酸の
置換の効果はさらに、D−アミノ酸を用いて精査することができる。そのような
修飾は、周知のペプチド合成法を用いて作成されることができるが、例えば、Me
rrifield(1986) Science 232:341〜347; Barany及びMerrifield, The Peptides,
Gross及びMeienhofer編(N.Y., Academic Press)1〜284頁(1979);並びに、Ste
wart及びYoung, Solid Phase peptide Synthesis, (Rockford, Ill., Pierce),2
nd Ed.(1984)中に記述されているようにである。
【0048】 上記ペプチドはさらに、例えば、アミノ酸の付加または欠失によって、そのペ
プチドのアミノ酸配列を伸張または減少することによって修飾されることができ
る。本発明のペプチドはさらに、一定の残基の順序または組成を変更することに
よって修飾されることができるが、生物学的活性のために不可欠な一定のアミノ
酸残基、例えば、重大な意味をもつ接触部位または保存残基のアミノ酸残基は、
生物学的活性についての有害な効果なく一般に置換されることはできないことが
容易に理解される。重大な意味を持たないアミノ酸は、タンパク質中で天然に存
在するアミノ酸、例えばL−α−アミノ酸、またはそれらのD−異性体に制限さ
れる必要はなく、非天然アミノ酸ならびに、例えばβ−γ−δ−アミノ酸、なら
びにL−α−アミノ酸の多くの誘導体を含むことができる。
【0049】 典型的には、単一アミノ酸置換を伴う一連のペプチドが、結合における静電価
、疎水性等の影響を決定するために使用される。例えば、一連の正に荷電され(
例えば、LysまたはArg)、または負に荷電された(例えば、Glu)アミ
ノ酸置換が、そのペプチドの長さに沿って行われ、様々なMHC分子、及びT細
胞受容体に対する異なる類型(タイプ)の感受性を明らかにする。加えて、小さ
な、比較的中性残基、例えばAla、Gly、Pro、または類似の残基を用い
る複数置換が用いられることができる。この置換は、ホモ・オリゴマーまたはヘ
テロ・オリゴマーであることができる。置換または付加される残基の数及びタイ
プは、不可欠な接触部位と、配慮される一定の機能的貢献(例えば、親水性対疎
水性)との間に必要な空間配置(スペーシング)しだいである。MHC分子また
はT細胞受容体に対する増加した結合親和性も同様に、そのような置換によって
達成されることができるが、それはその親ペプチドの親和性と比較してである。
いずれにしても、そのような置換は、例えば結合を分断する立体的及び電荷妨害
を避けるために選択されたアミノ酸残基または他の分子断片(フラグメント)を
使用するべきである。
【0050】 アミノ酸置換は、典型的には単一残基である。置換、欠失、挿入、またはそれ
らのいずれかの組み合わせは、最終ペプチドに到達するように結合されることが
できる。置換変異体は、そのなかで、ペプチドの少なくとも一つの残基が除去さ
れ、さらにその場所に異なる残基が挿入されるものである。ペプチドの特性を細
かく調節することを望む場合、そのような置換は一般的に、以下の表1に従って
行われる。
【0051】
【表1】
【0052】 機能(例えば、MHC分子またはT細胞受容体に対する親和性)の実質的変化
は、表1のものよりも保存的でない置換を選択すること、すなわち、以下の(a
)その置換の領域のペプチド・バックボーンの構造、例えば、シートまたはラセ
ン配座、(b)標的部位における分子の電荷または疎水性、または(c)側鎖の
大きさ、を維持することについてのそれらの効果がよりいっそう顕著に異なる残
基を選択することによってなされる。一般に、ペプチド特性の大きな変化を生み
出すと予想される置換は、(a)親水性残基、例えばセリル(seryl)が疎水性
残基、例えばロイシル(leucyl)、イソロイシル(isoleucyl)、フェニルアラニル(
phenylalanyl)、バリル(valyl)、またはアラニル(alanyl)に対して(または、に
よって)置換される;(b)正に荷電性の側鎖を有する残基、例えばリシル(lys
l)、アルギニル(arginyl)、またはヒスチジル(histidyl)が、負に荷電性の側鎖
、例えばグルタミル(glutamyl)またはアスパルチル(asartyl)に対して(または
、によって)置換される;または、(c)嵩高い側鎖を有する残基、例えば、フ
ェニルアラニンが、側鎖を有しないもの、例えばグリシンに対して(または、に
よって)置換される置換だろう。
【0053】 上記ペプチドはさらに、免疫原性ペプチド中に2以上の残基のアイソスター(
isosters)を含む。本明細書中で定義されるようなアイソスターは、その第1の
配列の立体配座が第2の配列に対して特異的な結合部位に合致することにより、
第2の配列と置換されることが可能である2以上の残基の配列である。特異的の
語は、当業者に周知の、ペプチド・バックボーン(peptide backbone)の修飾を含
む。そのような修飾は、アミド窒素、α−炭素、アミドカルボニル、アミド結合
の完全な置換、伸張、欠失、またはバックボーン架橋の修飾を含む(一般に、Sp
atola, Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides and Proteins,
Vol. VII(Weintein Ed., 1983)を参照されたい)。
【0054】 加えて、上記ペプチドはさらに、その他の分子への結合によって修飾されるこ
とができる。例えば、異なるN−またはC−末端基が、その分子の物理的及び/
または化学的性質を変化するために導入されることができる。そのような変性は
、例えば、接着性、安定性、生物学的利用能(バイオアベイラビリティー)、そ
の分子の局在化または検出に影響を与えるために利用されることができる。診断
目的のためには、非常に多様な標識(ラベル)がその終端に連結されることがで
き、それは直接または間接に、検出可能な信号を提供することができる。従って
、本発明のペプチドは、生物学的活性をなお保持しながら、多様な最終目的のた
めに多様な方法で修飾されることができる。
【0055】 従って、AChRアミノ酸配列から直接誘導されるペプチドに加えて、それら
の配列の多くの配座アナログ(コンホメーショナル・アナログ)が用いられるこ
とができる。本明細書中で使用されるとき、“コンフォメーショナル・アナログ
”は、MHC成分に結合するために、AChRのアミノ酸配列に充分類似する空
間的または極性的構成を有する分子である。本発明のコンフォメーショナル・ア
ナログは、上記AChR配列中に発見される配列以外のアミノ酸配列から完全に
構成されることができる。
【0056】 V.複合体の形成 本発明の可溶性MHCヘテロダイマー:ペプチド複合体は、特定のT細胞及び
抗原提示細胞の結合を治療的に遮断(ブロック)するためのアンタゴニストとし
て用いることができる。加えて、この分子は、標的として定めたT細胞中で、無
反応(アネルギー)、または増殖性の不応答性を誘発することができる。
【0057】 上記複合体の成分は、当技術分野で公知の通常の方法によって結合されること
ができる。抗原性ペプチドは、例えば、上記2成分を混合することによって、M
HCタンパク質の抗原結合部位と非共有結合で結合されることができる。過剰な
ペプチドは、多くの通常法のいずれか、例えば、限外濾過または透析によって除
去されることができる。それらはさらに、通常法、例えば、光親和性標識化(フ
ォトアフィニティー・ラベリング)(例えば、Hall (1985) Biochemistry 24:57
02〜5711; Leuscher (1990) J. Biol. Chem. 265:11177〜11184; Wraith (1989)
Cell 59:247〜255を参照されたい)、またはその他の適当な様式の連結(例え
ば、Husain (1995) Biochem. Mol. Biol. Int. 36:669〜677; Traut (1995) Bi
ochem. Cell Biol. 73:949〜958; Haselgrubler (1995) Bioconjug. Chem. 6:24
2〜248; 及び、Carroll (1994) Bioconjug. Chem. 5: 248〜256を参照されたい
)のいずれかを用い、抗原結合ポケットに共有結合で結合されることができる。
【0058】 それに代わり、クラスII:ペプチド複合体は、一つの近接する組換え型ポリ
ペプチドとして設計されることができる(例えば、PCT国際公開番号WO96
/40944、1996年12月19日;WO96/40194、1996年1
2月19日;及び、WO97/04360、1997年11月6日を参照された
い)。所望の自己免疫疾患(例えば、重症筋無力症)に向けられた、可溶性の融
合MHCヘテロダイマー:ペプチド分子は、その自己免疫疾患に対して関係づけ
られた抗原性ペプチド(例えば、AChRペプチド)であって、MHCの可溶化
または独立に生産されたペプチドの外部からの添加を必要とすることなく、MH
C分子の結合溝中に正確に配置された抗原性ペプチドを含む。そのような複合体
において、MHC成分及び抗原性ペプチドは単鎖配置中に永久的に連結される。
これらの複合体は、非能率的、かつ非特異的なペプチドの装填を排除する。組換
え技術による、クレームしたMHC:ペプチド複合体の産生は、特異的、高収率
のタンパク質産生をもたらすが、ここで、最終生成物は、選択した、適切に配置
されたMHC:ペプチド複合体のみを含む。
【0059】 上記ペプチドをコード化するオリゴヌクレオチドは、各アミノ酸に対して公知
のコドン(codons)を用いて合成することができる。好ましくは、発現のために用
いられるべき組織中における利用を好むそれらのコドンが、上記オリゴヌクレオ
チドの設計において利用される。様々な組織及び様々なタイプの細胞に対して好
ましいコドンの使用は、当技術分野で公知である。適当な配列は次に、当技術分
野で公知の技術を利用して、上記MHC成分から誘導されるペプチドをコード化
する配列中に組み入れられることができる。この組み入れられる部位は、その分
子が発現され、かつ折りたたまれる場合、AChRペプチド抗原がMHC成分の
抗原結合部位に結合され、かつ標的T細胞に対するエピトープとして利用可能と
なるであろう部位であるだろう。
【0060】 例えば、本明細書中で開示されるAChRペプチドは、MGに関連するMHC
抗原から誘導されるポリペプチドのN−末端抗原結合部位に連結されることがで
きるが、それには通常の組換えDNA技術を用いる。この組換え複合体がマウス
において用いられる場合、例えば、AChRペプチドはI−A−アルファ、ま
たはI−A−ベータ鎖のいずれか一方をコード化する配列中に組み入れられる
ことができる。上記AChRペプチドが上記ベータ鎖中に組み入れられる場合、
例えば、そのオリゴヌクレオチドはそのリーダーペプチド(leader peptide)に対
する置換物として挿入されることができる。ポリヌクレオチドにおける配列の置
換の方法は、当技術分野で公知である。
【0061】 類似の手法が、適当なヒトHLA抗原に由来するペプチドをコード化する配列
中へAChRペプチドを組み入むために用いることができる。例えば、ヒトにお
いて、ハプロタイプDR2W2はMGに関連づけられる。従って、AChRペプ
チドは、例えば、DR2対立遺伝子(アレル)のベータ鎖をコード化する配列中
に組み入れられることができる。主要な血清学的な特異性に対するDR小領域(
サブリージョン)DR1−9中の構造的な基礎は公知であり、多数のDRハプロ
タイプからのHLA−DR−ベータ鎖をコード化する配列である(例えば、Bell
ら、(1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:6234〜6238を参照されたい)。
【0062】 自己免疫抗原性ペプチド及びMHC成分は、ペプチド結合を介して連結される
ことができる。しかしながら、その他の様式の結合が当業者には明らかであり、
さらに、具体的には、例えばアルファ−及び/またはベータ鎖の糖残基を含む、
糖タンパク質上の糖基を介する付着を含むことができる。
【0063】 可溶性の融合MHCヘテロダイマー:ペプチド複合体の物理学的及び生物学的
特性は、多くの方法で評価されうる。マススペクトル分析法、例えばエレクトロ
スプレー(electrospray)、及びマトリックス支援レーザー脱離/イオン化法飛行
時間型質量分析法(MALDI−TOF)が当技術分野において、分子量のよう
な情報を提供し、ジスルフィド結合形成を確認するために普通に用いられる。F
ACs分析は、単鎖複合体の適当な折りたたみを決定するために用いられること
ができる。多くの標準試験法、例えば、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)
が、濃度を測定し、さらにその可溶性の、融合MHCの正確な折りたたみを確認
するためにさらに用いられることができる(例えば、WO96/40944を参
照されたい)。
【0064】 VI.本発明のペプチド及び複合体によって誘発されるT細胞応答の測定 本発明のペプチド及びAChR:MHCクラスII複合体は、当技術分野で周
知の、様々なインビトロモデルを用いて評価されることができる。
【0065】 CD4T細胞を活性化するためには、MHCクラスII:ペプチドによるT
CR結合は充分ではない。追加の、“共刺激性(co-stimulatory)”信号が必要
である。本発明のMHCクラスII:ペプチド複合体のTCRとの相互作用は、
共刺激性信号を欠いている。従って、抗原−特異的T細胞非応答の状態が誘発さ
れる(Boussiotis (1994) Curr. Opin. Immunol. 6:797〜807; Park (1997) Eur
. J. Immunol. 27:1082〜1090)。この“寛容(tolerance)”または“無反応(ア
ネルギー)”免疫抑制、及び再チャレンジ非応答性(re-challenge non-respons
iveness)は、T細胞クローナル・アネルギーによって、免疫抑制性サイトカイ
ンにより誘発される非応答性によって、またはその両者によって引き起こされる
ことができる(Schwartz (1989) Cell 57:1073〜1081; Quill (1987) J. Immuno
l. 138:3704〜3712)。免疫抑制、または再チャレンジ非応答性(すなわち、寛
容性、アネルギー)の程度は、細胞増殖、細胞代謝、サイトカインまたはリンフ
ォカインの分泌、またはいずれかの形態の細胞活性化を監視することによって測
定されることができる。
【0066】 同様に、本発明のペプチドによって誘発されるT細胞応答は、上に列挙された
方法を用いて測定されることができる。
【0067】 T細胞活性化は、当分野で周知の様々な手段によって測定されることができる
。例えば、T細胞増殖は、例えば、H−チミジンの取り込みによって、または
3−(4,5−ジメチル−チアゾール−2−7’)−2,5ジフェニルテトラゾ
リウムブロマイドの取り込みのよって評価されることができる(例えば、Liu (1
997) J. Neurochem. 69:581〜593を参照のこと)。それに代わり、T細胞が活性
化によりサイトカインを合成しかつ分泌するとき、MHCクラスII:ペプチド
複合体の免疫抑制効果及び本発明のペプチドによって誘発されるT細胞応答は、
サイトカインの転写、翻訳、または分泌を測定することによって評価されること
ができる。したがって、様々なサイトカイン及びリンフォカインが定量化される
ことができ、例えば、インターロイキン、インターフェロン(INFs)(例え
ば、ガンマINF)、腫瘍壊死因子(TNFs)(例えば、TNFベータ)、及
びその他同様のものである。サイトカイン及びリンフォカイン産生及び/または
分泌の測定のための方法は、当分野で周知であり、かつ免疫測定法、例えば酵素
免疫吸着測定法(ELISA)を含むが、これに限定されない。
【0068】 使用できるその他の測定法は、ELISPOT測定法を含む。ELISPOT
測定法は、部分的に変更されたELISAであり、抗原刺激に対して応答する個
々のT細胞によるリンフォカイン分泌の検出を可能にする(Czerkinskyら、(199
8) J. Immunol. Methods 110:29〜36)。この評価法においては、特定のリンフ
ォカインに対する捕獲モノクローナルAbがフィルター上にプレートされ(例え
ば、ニトロセルロース、またはPVDFフィルター)、さらに末梢血単核細胞(
PBMCs)+抗原が、そのウェルに添加される。刺激により、T細胞はリンフ
ォカインを分泌し、このリンフォカインはプレートされた抗リンフォカイン抗体
によって局所的に捕獲される。この捕獲段階の最後に(一般に24時間)、細胞
を洗い流し、さらに分泌されたリンフォカインが検出される。異なるリンフォカ
インの分泌は、本発明のELISPOT評価法を用いて測定されることができ、
それは例えば、IL−2、IL−4等を含む。分泌されたリンフォカインは、例
えば、第2の抗リンフォカイン抗体で検出されることができる。この第2の抗リ
ンフォカイン抗体は、標識されることができ、あるいは標識または容易に検出可
能な酵素(例えばアルカリホスファターゼ)に直接または間接的に連結されるこ
とができる。本発明に関連して用いられることができる多数の標識及び酵素は、
当業者に利用可能であり、かつ公知である。刺激されたT細胞がリンフォカイン
を分泌したところに、スポットが形成される。この手法はELISA試験法より
もさらに敏感であり、かつMG患者のT細胞応答を試験するためにいくつかのグ
ループによって使用されている(例えば、Linkら、(1991) J. Clin. Invest. 87
:2191〜2196; Sunら、(1992) Eur. J. Immunol. 2:1553〜1559; Yiら、(1994) J
. Neuroimmunol. 50:177〜186; Newsom-Davisら、(1989) J. Autoimmun. 2:101
〜108; Ahlbergら、(1992) J. Immunol. 36:435〜442; Linkら、(1992) J. Immu
nol. 36:405〜414)。
【0069】 加えて、クローナル拡張ELISA−SPOT(またはCEE−SPOT)と
名付けられた、部分変更されたELISPOT評価法も同様に本発明に関連して
使用されることができる。このCEE−SPOT評価法において、PBMCsは
適当な時間の間(例えば、7日間)、抗原で刺激され、再刺激及びリンパ球捕獲
(例えば、10日目)に先立ち、抗原特異的T細胞の増殖を促進する。反応性T
細胞のこのクローナル拡張は顕著に、測定感度を改善する。リンフォカインの産
生は、この評価法を用いて測定されることができるが、例えば、IL−2、IL
−4等を含む。典型的には、リンフォカインはフィルター、好ましくはPVDF
フィルター上で捕獲され、そのスポットの背景(バックグラウンド)及び強度が
改善される。スポットの計数は、典型的にはビデオカメラによる映像化(ビデオ
カメライメージング)及びコンピューター解析を使用して実施される。このタイ
プの評価法はさらに、天然処理から誘導されるエピトープを同定するために使用
されることができるが、それは最初にT細胞を全タンパク質で刺激し、さらに次
にそれらをそのタンパク質から誘導されたペプチドで再刺激することによる。
【0070】 細胞死も同様に監視されることができるが、それは可溶性MHCクラスII:
ペプチド複合体とともに休止T細胞の延長されたインキュベーションがT細胞ア
ポトーシスを引き起こすことが観察されたからである(Arimilli (1996) Immuno
l. Cell Biol. 74:96〜104)。細胞死は様々な公知の方法によって測定されるこ
とができ、例えば、色素排除透過性による。アポトーシスは、例えば、細胞DN
A断片化、bcl−2のようなアポトーシス関連タンパク質の(透過型電子顕微
鏡によるような)観察、検出、及び定量化、並びにその他同様のものを用いて評
価されることができる(例えば、Arimilli (1996) 前掲を参照されたい)。
【0071】 本発明の可溶性MHCヘテロダイマー:ペプチド複合体はさらに、自己免疫疾
患の多くの動物モデルにおいてインビボで試験されることができ、特に実験的ア
レルギー性重症筋無力症モデルにおいて試験されることができる。
【0072】 VII.本発明の医薬組成物の配合及び投与 上記MHCサブユニットの膜貫通領域が含まれる場合、本発明の組成物は脂質
単分子膜または二分子膜に組み込まれた後に都合良く投与される。典型的にはリ
ポソームが本目的のために使用されるが、脂質膜のいずれかの形態、例えば平面
脂質膜または細胞(例えば、赤血球細胞)の細胞膜が用いられることができる。
上記組成物はさらに、ミセル中に都合良く組み込まれる。
【0073】 リポソームは、以下に記述するように、通常の方法に従って調製されることが
できる。しかしながら、上記膜貫通領域が欠失している場合、上記組成物はペプ
チド含有医薬に対して一般に用いられる方法で投与されることができる。
【0074】 投与は全身的であり、さらに注入、好ましくは静脈内注入によって実施され、
したがって、注入経路の投与に適合する配合が用いられることができる。適当な
配合は、Remington’s Pharmaceutical Science, Mack Publishing Company, Ph
iladelphia, PA, 17th ed.(1985)中に発見される。本発明の複合体及び医薬とし
て有効な担体を含む様々な医薬組成物が製造されうる。この医薬組成物は、様々
な薬物デリバリー(ドラッグデリバリー)システムに適している。ドラッグデリ
バリーの現在の方法の短い概観については、Langer(1990) Science 249:1527〜1
533を参照されたい。
【0075】 本発明の医薬組成物を調製することにおいて、薬物動態学及び体内分布を変化
させるために、本発明の複合体を修飾することがしばしば望ましい。薬物動態学
の一般的な議論については、Remington’s Pharmaceutical Science, 前掲、3
7〜39章を参照されたい。薬物動態学及び体内分布を変化させるための多くの
方法が当業者に公知である(例えば、Langer,前掲を参照されたい)。例えば、
上記複合体の血清半減期を増加するための適当な方法は、糖を除去する処理を含
むが、この糖は血流からの上記複合体の排除に関連する。好ましくは、実質的に
全ての糖残基が上記処理によって除去される。少なくとも約75%、好ましくは
約90%、さらに最も好ましくは約99%の糖残基が除去される場合、実質的に
全ての糖残基が除去される。可溶性高分子、例えば、タンパク質、多糖類、また
は合成高分子、例えばポリエチレングリコールへの結合も同様に有効である。そ
の他の方法は、ベシクル中での上記複合体の保護を含み、このベシクルは、例え
ば、タンパク質、脂質(例えば、リポソーム)、糖、または合成高分子のような
物質から構成される。
【0076】 当業者に周知の一般的な界面活性剤が、本発明に用いられることができる。適
当な界面活性剤は、ラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリルス
ルホン酸ナトリウム、オクタオキシエチレングリコールモノドデシルエーテル、
オクタキシノール9、及びプルロニック(PLURONIC)F−127(商標
)ワイアンドット・ケミカル社(Wyandotte Chemicals Corp.))を含む。好まし
い界面活性剤は、IV注入液と相溶性のノニオン性ポリオキシエチレン及びポリ
オキシプロピレン洗剤であり、例えば、トゥイーン(TWEEN)−80(商標
)、プルロニック(PLURONIC)F−68(商標)、及びその他同様のも
のである。好ましい洗剤は、ドデシル−β−マルトシド(dodecyl-β-maltoside)
である。加えて、リン脂質、例えば、リポソームの生産における使用について記
述されるものが、同様にミセル形成のために用いられることができる。
【0077】 本発明のMHCサブユニットは親油性の膜貫通領域、及び比較的親水性の細胞
外ドメインを含むため、混合されたミセルは、一般的な界面活性剤またはリン脂
質、及び上記サブユニットの存在下に形成される。本発明のこの混合されたミセ
ルは、上記サブユニット、リン脂質、及び/または界面活性剤のいずれかの組み
合わせ物を含むことができる。従って、このミセルは、サブユニット及び洗剤、
リン脂質及び洗剤の両者と結合されたサブユニット、またはサブユニット及びリ
ン脂質を含むことができる。
【0078】 本発明の複合体を含む医薬組成物に対しては、投与量は、例えば、具体的な複
合体、投与の方法、治療される具体的疾患及びその重大さ、患者の全身的健康お
よび状態、並びに処方する医師の判断に従って変化するだろう。マウス被験体に
対する投与量レベルは、一般に約10μg〜約500μgである。約50μg〜
約300μgの合計投与量が好ましい。例えば、疾患の経過にわたって提供され
る治療において、3回の25μgまたは100μg投与量が有効である。合計投
与量は約0.015及び約15μg/kg、好ましくは約0.15〜約10μg
/kgの間で変動する。
【0079】 上記医薬組成物は、非経口、局所(topical)、経口、または部分的(local)投
与が意図されており、それは例えばアエロジルまたは経皮により、予防及び/ま
たは治療処置のためである。上記医薬組成物は投与の方法に応じた様々な単位投
与量形態で投与されることができる。例えば、経口投与に適した単位投与量形態
は、粉末、錠剤、丸剤、及びカプセルを含む。
【0080】 好ましくは、この医薬組成物は静脈内に投与される。従って、本発明は静脈内
投与のための組成物を提供し、この組成物は許容可能な担体、好ましくは水性担
体中に溶解または懸濁された複合体の溶液を含む。様々な水性担体が用いられる
ことができるが、例えば、水、緩衝水(buffered water)、0.4%食塩水、及
びその他同様のものである。例えば、リン酸緩衝食塩水(PBS)は、本発明の
可溶性複合体の投与のために特に適している。好ましい配合物は、0.02%の
トゥイーン−80を含むPBSである。これらの組成物は、通常の、周知の滅菌
法によって滅菌されることができるか、または滅菌濾過されることができる。得
られる水性溶液はそのまま、または凍結乾燥されて、使用するために包装される
ことができるが、この凍結乾燥された製剤は投与の前に滅菌水溶液と結合される
。上記組成物は、生理的条件に近づけることが必要とされるときは医薬として許
容可能な補助物質を含むことができ、それは例えば、pH調節及び緩衝剤、浸透
性調節剤、湿潤剤及びその他同様のものであり、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸
ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノ
ラウレート、トリエタノールアミンオレエート等である。
【0081】 上記複合体の濃度は広範囲に変化でき、すなわち、質量で約0.05%未満か
ら、通常約1%または少なくとも約1%から10から30%程度までであり、さ
らに、選択される投与の具体的態様に従って、液体体積、粘度等によって主に選
択されるだろう。静脈内投与のために好ましい濃度は、PBS中に約0.02%
〜約0.1%またはそれ以上である。
【0082】 固体組成物のためには、通常の非毒性固体担体が用いられることができ、これ
は例えば、マンニトール、ラクトース、でんぷん、ステアリン酸マグネシウム、
サッカリンナトリウム、タルカム(talcum)、セルロース、グルコース、スクロ
ース、炭酸マグネシウム、及びその他同様のものを含む。経口投与のためには、
医薬として許容可能な非毒性組成物は、いずれかの通常使用される賦形剤、例え
ば、先に列挙した担体、及び一般に10〜95%の活性成分を併合することによ
って形成される。
【0083】 アエロゾル投与のためには、上記複合体は好ましくは微細に分割された形態で
、界面活性剤及び噴霧剤(propellant)とともに供給される。この界面活性剤は
、もちろん非毒性でなければならず、さらに上記噴霧剤に可溶であることが好ま
しい。そのような薬剤の代表は、6〜22の炭素原子を含む脂肪酸のエステルま
たは部分エステルであり、例えば、カプロン酸、オクタン酸、ラウリン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、オレステリック(olesteri
c)酸、及びオレイン酸と、脂肪族ポリ水素アルコール(aliphatic polyhydric a
lcohol)またはその環状無水物、例えば具体的にはエチレングリコール、グリセ
ロール、エリスリトール、アラビトール、マンニトール、ソルビトール、ソルビ
トールから誘導されるヘキシトール無水物とのエステルまたは部分エステル、並
びにこれらのエステルのポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレン誘導体で
ある。混合エステル、例えば混合または天然グリセリドを用いることができる。
上記界面活性剤は、質量で、組成物の0.1%〜20%、好ましくは0.25〜
5%を構成する。この組成物の残りのものは、通常は噴霧剤(プロペラント)で
ある。液化された噴霧剤は、環境条件においては典型的には気体であり、かつ、
圧力により凝縮される。適当な液化された噴霧剤のなかには、最大5つの炭素を
含む低級アルカン、例えば、ブタン、及びプロパンがあり;さらに好ましくはフ
ッ素化された、またはフッ素塩素化されたアルカンがある。上記のものの混合物
も同様に使用されうる。アエロゾルの生産において、適当なバルブを取り付けら
れた容器が、適当な噴霧剤で満たされ、それは微細に分割された化合物及び界面
活性剤を含む。その成分はしたがって、バルブの作用によって放出されるまで、
高められた圧力に保たれる。
【0084】 上記複合体を含む組成物は、治療、予防、または診断への応用のために投与さ
れることができる。治療への応用においては、組成物は既に疾患に罹った患者に
対して、上述のように、治療のため、またはその疾患及び合併症の症状を少なく
とも部分的に抑えるために充分な量で投与される。このことを達成するために適
切な量は、“治療に有効な投与量”として定義される。この使用のために有効な
量は、その疾患の重大さ、並びに患者の体重及び全身の状態に左右されるだろう
。上で議論したように、これは典型的には、約0.5mg/kg〜約25mg/
kg、好ましくは約3〜約15mg/kgだろう。
【0085】 予防への応用においては、本発明の複合体を含む組成物は、特定の疾患にかか
りやすいか、またはさもなければ特定の疾患の危険にある患者に投与される。そ
のような量は、“予防に有効な投与量”であると定義される。この使用において
は、的確な量はここでも患者の健康状態及び体重に左右される。この投与量は一
般に上で明らかにした範囲にあるだろう。
【0086】 診断への応用においては、適当な複合体を含む組成物、またはそれらの混合物
(カクテル)は、自己免疫疾患状態を有すると疑われる患者に投与され、その疾
患に関連する自己反応性T細胞の存在が決定される。それに代わり、特定の治療
の有効性が監視される。このことを達成するために充分な量は、“診断に有効な
投与量”であると定義される。この使用においては、的確な量は患者の健康状態
及びその他同様のものに左右されるだろうが、一般に、1投与当たり0.01m
g〜1000mg、特に患者あたり約10〜約100mgで変動する。
【0087】 キットがさらに、治療または診断への使用のために供給されることができる。
従って、本発明の主題の組成物は、通常、容器中に凍結乾燥された形態で提供さ
れることができる。標識または毒素に結合され、または結合されないことができ
る上記複合体は、緩衝剤、例えばトリス(Tris)、リン酸塩、炭酸塩等、安定剤
、殺生物剤、不活性タンパク質、例えば血清アルブミン、またはその他同様のも
の、並びに使用のための一組の説明書とともに、上記キット中に含まれる。一般
に、これらの材料は、複合体の量に基づいて約5質量%未満で存在するであろう
し、さらに通常は、再度、タンパク質濃度に基づいて少なくとも約0.001質
量%の合計量で存在するだろう。しばしば、上記活性成分を希釈するための不活
性増量剤または賦形剤を含むことが所望されるだろうが、ここでその賦形剤は全
組成物の約1〜99質量%で存在することができる。上記複合体に対して結合す
ることができる抗体が評価法において使用される場合、これは通常、別のガラス
瓶中に存在するだろう。この抗体は典型的には標識に結合され、かつ当技術分野
で周知の技術に従って配合される。
【0088】 各個別の出版物または特許出願が具体的に、及び個別に援用されることが示さ
れるかのように、本詳細な説明中に引用された全ての出版物及び特許出願は、本
明細書中に援用される。
【0089】 先の発明は、理解の明瞭の目的のための説明及び具体例として、いくらか詳細
に記述されたが、当業者には、本発明の教示のもと、添付されたクレームの範囲
または本質から離れることなく、一定の変化及び修飾がそれらに対して行われう
ることが容易に明らかとなるだろう。
【0090】 VI.実施例 実施例1 一組の重複するAChRペプチドへのHLA−DR結合に対するIC50値の 決定 一組の68の重複するAChRαペプチド(7アミノ酸の重複を伴う14量体
)を、HLA−DR4に対するそれらの相対的親和性のための競争的結合評価法
である、解離増強ランタノイド蛍光免疫測定法(dissociation-enhanced lanthan
ide fluoroimmunoassay)(“DELFIA”)によって試験した。図1は、HL
A−DR2及びHLA−DR3に対する親和性のDELFIA測定法において試
験した、重複するAChRペプチドの位置を示す。AChRαサブユニットの配
列は、影付きの囲みによって示された膜貫通領域(M1〜M4)のそれぞれと共
に示す。標識していないAChRαペプチドの10倍希釈液(好ましくは1〜1
00,000nM)を、pH5.5で、ビオチニル化ミエリン塩基タンパク質ペ
プチドMBP84−102とともに一緒にインキュベートし、さらに可溶化HL
A−DR2(DRB1*1501及びDRB5*0101の混合物)、またはHL
A−DR3(DRB1*0301及びDRB3*0101の混合物)に対する結合
のIC50を測定した。IC50の測定は、好ましくはユーロピウム−ストレプ
トアビジン解離増強ランタノイド蛍光免疫測定法(DELFIA)によって行い
、さらにIC50は典型的には、ソフトウェアプログラムSOFTmaxPro
で4つのパラメーターフィッティング解析によって計算した。図2は、HLA−
DR2及びHLA−DR3に結合する各AChRαペプチドのIC50を表にし
た。これらのペプチドの相対的親和性は、図3中の1/IC50のプロットに示
した。このグラフは、HLA−DR1〜4に対する最高の相対的親和性を伴うA
ChRαペプチドの相対的な位置を示す。HLA−DR2に対する高い相対的親
和性を伴うペプチドは、AChRα7−22、113−26、204−217、
310−327、419−437、及び421−434を含む。
【0091】 ファージ・ディスプレー・ライブラリー、合成ペプチド、及び溶離されたペプ
チドの配列決定を伴う結合試験に基づき、いくつかのグループがDRB1*15
01及びDRB5*0101に対する結合モチーフを報告している。DR2に対
する高い親和性を示すペプチド断片は、文献中に引用された潜在的なT細胞エピ
トープ、及び共通DR2結合モチーフを含むことが発見された。図4はこれらの
提案されたモチーフに合致させるための、HLA−DR2に対する高い親和性を
伴うAChRαペプチドの可能な整列化を示す。わずかのペプチドが、HLA−
DR2に対する以上にHLA−DR3に対して高い親和性を示した。高い親和性
を示すものは、7−22、36−49、145−163、195−212、及び
400−413を含む。DR3ペプチドモチーフは、位置n+3で、ほぼ普遍的
な残基Dの存在によって特徴づけられ、ここでnはDR3ポケット1によって結
合されるアンカー残基である。図5は、これらの提案されたモチーフに合致させ
るための、DR3に対する高い親和性を伴うAChRαペプチドの可能な配列化
を示す。IC50≦10,000nMに基づき、DR2及びDR3と結合される
候補となる免疫優性ペプチドのまとめは、図6に表にした。
【0092】 加えて、AchRαの一組の69の合成重複ペプチドのHLA−DR4に対す
る相対的親和性を、可溶化したDR4を用いるユーロピウムを基礎とする競争的
結合評価法によって測定した。公知のDR4結合ペプチドの50%結合を阻害す
るために必要とされるAchRペプチドの濃度を、各ペプチドに対して計算した
。高い親和性ペプチドは、それらのIC50値に基づいて同定した。
【0093】 表2は、5つの高親和性DR2結合ペプチドに対する結果をまとめたが、この
ペプチドはELISPOT試験に対して選択したものである。これらのペプチド
及びそれらのIC50値を、表2に示す。
【0094】
【表2】
【0095】 実施例2 AChRペプチドのT細胞反応性 患者及び正常な健康個体のPBMCsに対する、上記ペプチドのT細胞反応性
を、部分変更したELISPOT測定法によって測定した。30人の正常者及び
9人のMG患者から得たPBMCsをこの試験に含めた。正の対照としてのTT
/PPDを伴う上記ペプチド、及び負の対照としての媒体を、T細胞反応性につ
いて試験した。手短に、PBMCs及び抗原を7日間インキュベートし、さらに
8日目に抗原特異的なクローン増殖を行った。各抗原に対する抗原特異的細胞刺
激プロファイルは、γ−IFNの分泌によって測定したが、γ−IFNの分泌は
、抗−γIFN抗体の組の一対を用い、スポットとして検出される。各抗原に対
して得られるスポットの数を、上記媒体対照に対して得られたスポットの数に対
して基準化(ノーマライズ)した。媒体対照に対するスポットの数に比した抗原
に対するスポットの数の割合として定義される反応性インデックスを、各PBM
Cサンプル及び各抗原に対して定めた。正常者及び患者のPBMCsに対して用
いられる抗原に対する反応性インデックスのプロットは、図7及び8にそれぞれ
示す。
【0096】 患者及び正常な個体に対する評価結果の比較は、試験した5つのAchRエピ
トープに対するT細胞反応性の明らかな差を示さなかった。予想されるように、
何人かのMG患者は試験したこれらのAchRエピトープに対する反応性を示し
たが、それらのいずれも高反応性の点で他に類のないものではないということが
わかった。正常なPBMCsも同様にこれらの自己抗原性エピトープに対する反
応性を示したことに言及することは興味あることである。このことは、特定の抗
原に対するT細胞の反応性を含むいくつかの他の因子が、活動的な疾患過程の開
始に対して原因となる可能性があることを明らかに示す。同様の観察が、多発性
硬化症及びその他の自己免疫疾患の場合に行われている。
【0097】 この課題で試験された患者の数は、正常な健康個体の数よりたいへん少ないけ
れども、患者及び正常な健康個体におけるT細胞反応性のいずれかの予備的な傾
向の存在を試験した。患者または正常な健康個体のパーセンテージで、2を超え
る反応性インデックスを示したものを比較した。同様に、DR2+患者における
傾向の存在もさらに試験した。そのようなデータの解析の結果を、図9及び図1
0に示した。
【0098】 全ての正常な健康個体及び患者のHLAタイプを無視する場合、ペプチドAC
hR421−434、400−413、及び36−49に対する反応性を示す患
者のパーセントは、これらのエピトープに対する反応性を示している正常な健康
個体のパーセントの約2倍である。このことは、これらのペプチドが活動的な疾
病過程に関連する病原性のT細胞エピトープである可能性があるというさらなる
示唆である。DR2+患者のみの同様の解析は、AchRα204−217を除
く全てのペプチドが、病原性のT細胞エピトープである可能性があることを示唆
した。
【0099】 従って、試験した69のAchRαペプチドのうち、5つがDR2に対する高
い結合親和性を示し(実施例1を参照されたい)、さらにこれらの5つのペプチ
ドのうち4つが正常個体と比較したときに、MG患者集団に向いて偏ったT細胞
反応性を示した。
【0100】 上記より、本発明の具体的な実施態様が説明の目的のために本明細書中に記載
されているが、本発明の本質及び範囲から外れることなく、様々な変更が実施さ
れうることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、HLA−DR2及びHLA−DR3に対する親和性のDELFIA評
価法において試験された、重複(オーバーラップ)するAChRペプチドの位置
を示す。
【図2】 図2は、HLA−DR2及びHLA−DR3に結合するための各AChRペプ
チドのIC50値を列挙する。100,000nMを超えるIC50値は、記号
“>”によって示される。
【図3】 図3は、AChRαペプチドの1/測定値(values)、のヒストグラムを示し
、HLA−DR2及びHLA−DR3に対するペプチドの相対的親和性を示す。
【図4】 図4は、HLA−DR2に対する高い親和性を伴うAChRαペプチドの可能
なDRB11501モチーフ(motif)の整列(アラインメント)を示す。開示
されたHLA−DR2モチーフに対するAChRαペプチド配列の最良の一致が
、そのIC50値とともに示される。
【図5】 図5は、HLA−DR3に対する高い親和性を伴うAChRαペプチドの可能
なDRB10301モチーフの整列を示す。開示されたHLA−DR3モチー
フに対するAChRαペプチド配列の最高の一致が、そのIC50値とともに示
される。
【図6】 図6は、HLA−DR2及びHLA−DR3に対する免疫優性AChRペプチ
ド候補を列挙する。10,000nM以下のIC50値を有するものを列挙した
【図7】 図7は、正常な健康個体サンプルからのPBMCsに対するELISPOT評
価結果を示す。特定の抗原に対する2以上の反応性インデックスは、陽性(ポジ
ティブ)であると判断される。
【図8】 図8は、MG患者サンプルからのPBMCsに対するELISPOT評価結果
を示す。特定の抗原に対する反応性インデックスが2より大きい場合、T細胞反
応性は陽性(ポジティブ)と認定される。
【図9】 図9は、異なるAChRペプチドに対して陽性の反応性を示す、正常な健康個
体(“正常”)またはMG患者(“患者”)のパーセンテージの比較を示す。
【図10】 図10は、AChRペプチドに対して反応性を示す、DR2+正常な健康個体
(“正常”)またはDR2+MG患者(“患者”)のパーセンテージの比較を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/74 C07K 19/00 19/00 A61K 37/02 ZNA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ウェーナー,ナンシー アメリカ合衆国,カリフォルニア 94536, フレモント,カリストガ サークル 508 (72)発明者 アリミリ,スブハシニ アメリカ合衆国,カリフォルニア 94555, フレモント,リッジ ウッド ドライブ 4789 Fターム(参考) 4C084 AA02 BA02 BA08 BA18 BA19 CA18 CA59 DA01 DA58 NA14 ZA94 ZB07 ZB08 4C085 AA02 BB11 BB17 CC32 EE01 GG02 4H045 AA10 AA30 BA16 BA17 BA41 DA50 DA86 EA22

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 約12〜約20のアミノ酸残基を含む単離されたAChRオ
    リゴペプチドを含む組成物であって、ここで前記オリゴペプチドが以下の: LVAKLFKDYSSVVRPV; VEVTVGLQLIQLIN; TGHITWTPPAIFKS; HFVMQRLPLYFIVN; NWVRKFIDTIPNIMFFS; IPNIMFFSTMKRPSREKQ; QLIQLINVDEVNQI; MKLGTWTYDGSVVAINPESD;及び DTPYLDITYHFVMQRLPL からなる群から選ばれるペプチドと実質的に同じ配列を有する前記組成物。
  2. 【請求項2】 前記ペプチドが以下の: LVAKLFKDYSSVVRPV; VEVTVGLQLIQLIN; TGHITWTPPAIFKS; HFVMQRLPLYFIVN; NWVRKFIDTIPNIMFFS; IPNIMFFSTMKRPSREKQ; QLIQLINVDEVNQI; MKLGTWTYDGSVVAINPESD;及び DTPYLDITYHFVMQRLPL からなる群から選ばれる配列を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記ペプチドがD−アミノ酸またはアミノ酸擬態を含む、請
    求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記オリゴペプチドが免疫優性ペプチドである、請求項1に
    記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記ペプチドが抗原結合部位を有する単離されたMHCクラ
    スII成分と結合され、ここで前記ペプチドが前記抗原結合部位と結合される、
    請求項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記MHC成分がHLA−DR2分子である、請求項5に記
    載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記ペプチドが以下の: LVAKLFKDYSSVVRPV; VEVTVGLQLIQLIN; TGHITWTPPAIFKS; HFVMQRLPLYFIVN; NWVRKFIDTIPNIMFFS;及び IPNIMFFSTMKRPSREKQ からなる群から選ばれる、請求項6に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記MHC成分がHLA−DR3分子である、請求項5に記
    載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記ペプチドが以下の: LVAKLFKDYSSVVRPV; QLIQLINVDEVNQI; MKLGTWTYDGSVVAINPESD;及び DTPYLDITYHFVMQRLPL からなる群から選ばれる、請求項8に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 抗原性ペプチド、及び抗原結合部位を有する単離されたM
    HC成分を含む組成物であって、前記抗原性ペプチドが前記抗原結合部位と結合
    され、かつ前記ペプチドが以下の: LVAKLFKDYSSVVRPV; VEVTVGLQLIQLIN; TGHITWTPPAIFKS; HFVMQRLPLYFIVN; NWVRKFIDTIPNIMFFS; IPNIMFFSTMKRPSREKQ; QLIQLINVDEVNQI; MKLGTWTYDGSVVAINPESD;及び DTPYLDITYHFVMQRLPL からなる群から選ばれるペプチドと実質的に同じ配列を有する前記組成物。
  11. 【請求項11】 前記MHC成分がHLA−DR2である、請求項10に記
    載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記ペプチドが以下の: LVAKLFKDYSSVVRPV; VEVTVGLQLIQLIN; TGHITWTPPAIFKS; HFVMQRLPLYFIVN; NWVRKFIDTIPNIMFFS;及び IPNIMFFSTMKRPSREKQ からなる群から選ばれる、請求項11に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記MHC成分がHLA−DR3である、請求項10に記
    載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記ペプチドが以下の: LVAKLFKDYSSVVRPV; QLIQLINVDEVNQI; MKLGTWTYDGSVVAINPESD;及び DTPYLDITYHFVMQRLPL からなる群から選ばれる、請求項13に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 医薬として許容可能な担体、及び請求項1に記載のペプチ
    ドを含む医薬組成物。
  16. 【請求項16】 前記ペプチドが単離されたMHCクラスII分子と結合さ
    れる、請求項15に記載の医薬組成物。
  17. 【請求項17】 前記MHC成分がHLA−DR2及びHLA−DR3から
    なる群から選ばれる、請求項16に記載の医薬組成物。
  18. 【請求項18】 患者の重症筋無力症を治療する方法であって、前記方法が
    請求項15に記載の医薬組成物を前記患者に投与することを含む前記方法。
  19. 【請求項19】 患者の重症筋無力症を治療する方法であって、前記方法が
    請求項16に記載の医薬組成物を前記患者に投与することを含む前記方法。
  20. 【請求項20】 患者の重症筋無力症を治療する方法であって、前記方法が
    請求項17に記載の医薬組成物を前記患者に投与することを含む前記方法。
  21. 【請求項21】 哺乳動物の標的T細胞に、非応答性を誘発する方法であっ
    て、抗原性ペプチド、及び抗原結合部位を有する単離されたMHCクラスII成
    分を含む医薬組成物の治療に有効な量を前記哺乳動物に投与することを含み、こ
    こで前記抗原性ペプチドが前記抗原結合部位に結合され、かつ前記抗原性ペプチ
    ドが以下の: LVAKLFKDYSSVVRPV; VEVTVGLQLIQLIN; TGHITWTPPAIFKS; HFVMQRLPLYFIVN; NWVRKFIDTIPNIMFFS; IPNIMFFSTMKRPSREKQ; QLIQLINVDEVNQI; MKLGTWTYDGSVVAINPESD;及び DTPYLDITYHFVMQRLPL からなる群から選ばれるペプチドと実質的に同じ配列を有する前記方法。
  22. 【請求項22】 前記抗原性ペプチドが以下の: LVAKLFKDYSSVVRPV; VEVTVGLQLIQLIN; TGHITWTPPAIFKS; HFVMQRLPLYFIVN; NWVRKFIDTIPNIMFFS; IPNIMFFSTMKRPSREKQ; QLIQLINVDEVNQI; MKLGTWTYDGSVVAINPESD;及び DTPYLDITYHFVMQRLPL からなる群から選ばれる配列を有する、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記MHC成分がHLA−DR2である、請求項21に記
    載の方法。
  24. 【請求項24】 前記MHC成分がHLA−DR3である、請求項21に記
    載の方法。
  25. 【請求項25】 前記医薬組成物が静脈内に投与される、請求項21に記載
    の方法。
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