JP2003532244A - ダクト付き検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 煙又は火の検知器を検査する装置であって、頂上が開いたハウジング（１）を有し、これに検査対象の検知器（２）を収容する。検知器（２）を起動させる流体の流れは、ハウジングのうち検知器の下にくる部分（１ａ）で発生させられた後、ダクト（７）によってハウジング（１）内部の一方の側面を上に向けられ、ハウジングを横切って検知器の方向に流される。流れが、検知器の底から予め決まった距離だけ上にある点に向かうように正確に位置決めできるように、スペーサ（１０）を設けることもできる。さらに、必要であれば、加熱要素（１１）をダクト（１１）内に設けてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、検知器（更に詳しく言えば火や煙の検知器）の検査に使用される検
査装置に関する。

【０００２】 検知器とは、例えば、空気中を運ばれる物質や、当該検知器の通気孔や開口部
を通り抜ける空気の変化を検知するように設計されたものである。防火目的の場
合、熱検知器が通過する空気（そして煙）の温度上昇を検知し、その他の検知器
が燃焼の結果空気中に存在する生成物（煙など）を感知することとすればよい。
空気は通常、装置の通気孔を横方向に流れると予想されるので、通気孔は側面に
開く形で設けられる。また、こうした装置は、火災検知の用途では天井に取り付
けられるのが普通である。これは、火から生じる熱、煙、そしてガスは、天井ま
で上った後、これに沿って流れるからであり、対流が検知器の側面から入ってく
るためである。

【０００３】 天井に取り付けられた検知器を天井から取り外すことなしに検査しようとする
場合は、検知器下の床面からアクセス棒や特別な装備を使って行うことが多い。
このやり方では、当然のことながら、検知器の下側から検査装置を近づけること
になる。検知器は横向きに入ってくる刺激に最も適した設計となっているため、
下側から検知器に刺激を送り込むのは不都合である。

【０００４】 そこで、本発明が提供するのは、検査対象の検知器に下側からアクセスする場
合でも横方向から刺激を送り込める、という装置である。

【０００５】 好適な実施の形態として、検知器に刺激を運ぶ空気流は検査装置内で発生させ
られ、カップを横切って流れる形で排気され、このカップは検知器に被せられる
。また、カップについては透明な素材で製造して、検査中も検知器が目に見える
ようにしておくのが好ましい。検知器にはＬＥＤが設置されていて、これが警告
状態に達したことを示すからである。

【０００６】 本発明を更に容易に理解できるようにするために、これ以降、本発明の実施の
形態について、実施例を挙げて添付図面を参照しながら説明する。参照する図面
は、本発明による検査装置の概略側面図である。

【０００７】 本発明の好適な実施の形態を、現場で使用される検査装置に関連付けて説明す
る。この装置は棒の先端に取り付けられた形で使われ、一般的な構造はＥＰ−Ａ
−０９１００５５の特許文書（その内容は本文書でも参照の形で取り入れている
）に開示されている。装置はカップの形をしたハウジング１を有する。このハウ
ジング１は、検査対象の検知器２を囲むように構成され、棒３の先端に取り付け
られている。本発明において実現された改良とは、刺激と空気流とがカップの一
方の側面に沿って上に上っていき、その結果、カップを横切る形で横方向に流れ
ていく、という点である。装置の直径を最小限におさえ、それによって装置の密
封されたスペースへの良好なアクセスに備えるために、刺激と空気流とを発生さ
せる手段は、ハウジング１内でもカップの部分１ａの中で、検査対象の検知器を
収容するように配置された部分の下に置かれている。発生手段４から気流を発生
させるためにファンが必要な場合は、ハウジングに吸気口５を設ける必要がある
かもしれない。いずれにせよ、気流がハウジング１から出て行けるように、カッ
プには排気孔６が設けられる。排気された空気は、装置内に送り返されることと
しても、そのまま外に流れ出るにまかしてもよい。

【０００８】 空気流と刺激とを流すための構成は、カップのうち、検査対象の検知器を収容
するように配置され、ダクト７が設けられた部分である。そして、このダクトは
、カップ１の壁に平行な部分７ａと空気流と刺激とをカップの壁の面に対してお
およそ垂直な方向に向けさせてカップを横切らせるように配置された部分又は開
口部７ｂとを有する。また、望むのであれば、ダクト７にノズル又はその他の絞
りの構成を設けることで気流の方向決めを正確に行うことができる。

【０００９】 いくつかの型の検知器については、横に流れる空気流を確実に検知器のセンサ
ーの「スイートスポット」に向け、ここに集中させることで、更に活性を高める
ことができる。この技法を用いれば、刺激が直接的に感知要素に向けられるので
、必要となる刺激の量も減らすことができる。ただし、こうしたことを行うには
、検知器の「スイートスポット」の位置が分かっていなければならない。

【００１０】 熱検知器の場合、検査対象検知器の感知要素は、検知器のケースのうち天井か
ら見て最も低い部分の近くに位置することが多い。天井からこの感知要素までの
距離は、実際はかなりの幅で変わる（およそ２０〜８０ｍｍ）。しかし、検知器
の最下点から検知要素までの距離は比較的一定している（およそ０〜２０ｍｍ）
。空気流を望みの箇所に向けたり集中させたりする際、こうした形状を利用する
と効果的である。カップ内部にはスペーサ１０が用いられている。スペーサは、
カップ１が検知器にかぶさる位置に置かれた時、検知器の下側に接触する。また
、これは、ダクト７からの気流の方向を定めるための基準となる。検知器の下部
がこのスペーサ１０の上に乗っていて、この支持部のちょうど上の所でカップを
横切って流れるように気流が調整されていると、熱検知器の感知要素は、空気の
こうした動きの線上にうまく位置づけられる。熱検知器用の刺激については、そ
の上で、感知要素に向かうであろうことを確認してから、空気の中に混ぜればよ
い。

【００１１】 検査装置が電池を電源としている場合は、電池内の電気をできるだけ節約して
、次の電池交換または再充電までの使用期間を長くすることが望ましい。これを
実現するために、空気流をカップ内に運ぶダクト７の頂上部に設置した加熱要素
を使用して、空気流への熱刺激の導入を最良の形で実現する。こうすると、要素
１１からの熱のためにダクトが加熱されることはなく、逆に、熱を検査対象の検
知器の感知要素にのみ向ける上で効果的である。

【００１２】 また、ダクトを使うことで、気流又は空気について方向を決めたり狭めたりす
ることができるので、必要な加熱空気の量を減らすことができ、それによって、
装置の電池の製品寿命を更に延ばすことができる。カップ内の周囲の空気を検査
対象検知器にとって必要な温度まで加熱すること、単に、検知器の感知要素を必
要な温度まで加熱する、といったことは必要ない。こうして、空気や周囲にあっ
て空気に接触する物（例えば、検知器のケース、装置のケース）をそれほど加熱
することがない点で、多量のエネルギーが節約される。

【００１３】 上記の熱検知器の検査に適用されたのと同じ原理が、他の型の検知器にも適用
できる。刺激の種類と最も効率的な形で刺激が実際の感知要素に送られるように
するための詳細とについては変わることもある。火を検知するのに使われる他の
検知器としては、煙やガスの検知器などがある。これらの例で必要とされる刺激
は、検知しようとする火事のそれと同じものとして検知器に認識されなければな
らない。カップを横切る形で流れる空気流についても同様である。検知器は、側
面の通風孔を通して空気を受け入れるように設計されている。

【００１４】 上述の装置の設計には、上で触れたＥＰ−Ａ−０９１００５５号の特許から１
以上の特徴を組み入れることとしてもよい。例えば、電池バトン（Battery Bato
n）、アクセス棒の内部、カップ上の非接触型赤外線センサー、ヒンジ式／電気
式接続の組合わせ、カップ頂上部の密封用膜、である。刺激や空気流が方向づけ
されていて指向性が高いため、環境によっては、カップの頂上部又は開放端を天
井に密着させる必要はなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による検査装置の概略側面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＯ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ， ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ， ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，Ｐ Ｔ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ， ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ Ｆターム(参考） 5G405 AA01 AB01 AB02 CA13 FA17

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 検知器を検査する装置であって、 検査対象の検知器（２）を収容するために頂上部分が開いたハウジング（１）
   と、 ハウジング（１）の一方の側面に位置して、流体の流れがハウジングを横切っ
   て検査対象の検知器に向かうように方向を決める手段（７）と、を有すること、 を特徴とする装置。
2. 【請求項２】 ハウジング（１）はカップの形をしているとともに、方向決
   め手段を形成する通路（７ａ，７ｂ）を備えており、 通路はハウジング（１）の壁に平行な部分（７ａ）と前記壁に対しおおよそ直
   角な部分（７ｂ）とを有すること、 を特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 刺激を生成する手段（４）であって、ハウジング（１）を備
   えている前記手段、 を特徴とする請求項１又は２に記載の装置。
4. 【請求項４】 方向決め手段（７）内に位置して流体の流れを加熱する加熱
   要素、 を特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の装置。
5. 【請求項５】 ハウジング（１）内にあって検査対象の検知器（２）を受け
   止めるように配置された受け台手段（１０）を有し、それによって、方向決め手
   段（７）を予め設定された距離だけ検知器から隔てること、 を特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の装置。