JP2003531180A - 軟骨および骨の疾患の治療におけるレチノイド受容体拮抗薬または作用薬の使用 - Google Patents

軟骨および骨の疾患の治療におけるレチノイド受容体拮抗薬または作用薬の使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、骨関節炎または骨粗鬆症のような骨成長に関連した疾患を包含する軟骨または骨の疾患の治療法であって、治療有効量のレチノイド受容体拮抗薬またはレチノイド受容体作用薬を投与することを含んで成る方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願) 本出願は、1999年12月15日に出願された特許出願第09/464344号の部分継続出
願である。
【0002】 (背景技術) 関節軟骨は、四肢、胴体および頚部領域に存在する独特の組織である。該組織
は、関節軟骨細胞、ならびに、プロテオグリカン集合体、ヒアルロン酸、リンク
タンパク質およびII型コラーゲン原線維を包含する充分に特性決定されたいくつ
かの巨大分子を含有する豊富な細胞外マトリックスから成る。軟骨細胞は、マト
リックス成分の合成、堆積(deposition)および維持に関与している。プロテオグ
リカン集合体は、多量の水分子に結合し、組織に生体弾性を付与する巨大分子構
造物である。コラーゲン原線維は、引張力および剪断力に耐えることができ、組
織に引張強さを付与する三次元網状構造を形成する。プロテオグリカン集合体お
よびコラーゲン原線維が一緒になって、関節軟骨の基本的生体力学的特性である
弾性に関与している。この特性は、運動の際に関節に作用する物理的力によって
生じた形および容積の可逆的変化に組織が耐えうるようにし、従って、関節が正
常に機能しうるようにする。正常な健康的環境において、関節軟骨細胞は、生涯
を通して、活動的かつ表現型的に安定に維持され;次に、これによって、関節軟
骨がその構造および組織特性を維持することができ、生涯を通して、関節におけ
る生体力学的役割を果たすことができる。
【0003】 軟骨内骨化は、胎児および成長しつつある有機体に存在する軟骨骨格要素が、
確定的(definitive)骨要素によって置換される過程である。この過程は、胚発生
の後半に開始され、骨格成長が停止する性的成熟期の終わりに終了する。軟骨内
骨化は、軟骨細胞成熟のいくつかの明確な段階を含み、四肢における長骨成長板
において最もよく認識できる、高度に調整された多段階過程である。軟骨内骨化
の間に、休止未成熟軟骨細胞は、急速な細胞増殖段階を最初に受ける。次に、該
細胞が細胞周期を停止し、活性マトリックス生産段階に入る。この段階で合成さ
れるマトリックス成分は、プロテオグリカン(アグレカン)、II型コラーゲン、リ
ンクタンパク質およびヒアルロナンを包含する一般的な軟骨マトリックス巨大分
子である。次に、分裂後マトリックス合成細胞は、大きくなり始め、扁平形から
楕円形-円形に変化する。この段階は、前肥大段階と称され、シグナリング・フ
ァクター・インディアン・ヘッジホッグ(signaling factor Indian hedgehog)を
包含する新しいタンパク質の合成を特徴とする。細胞は、拡大を続け、成熟の最
終段階である肥大段階に進む。肥大軟骨細胞の生合成能力範囲は劇的に変化し、
細胞は、メタロプロテアーゼ、X型コラーゲン、アルカリ性ホスファターゼおよ
びアネキシンV豊富マトリックス小胞を包含する種々の新しいタンパク質の生産
を開始する。それらが生合成におけるこれらの変化を受けるとともに、肥大軟骨
細胞は、骨に特徴的なI型およびIII型コラーゲンの合成も開始し、マトリック
スに燐灰石結晶を堆積させ、従って、肥大軟骨を骨様組織に変化させる。最後に
、それらはアポトーシスを受ける。その結果、組織は、骨および骨髄先駆細胞に
よる侵入を受けやすくなり、次に、該侵入が進行して肥大組織を除去し、該組織
を確定的骨組織で置換する。
【0004】 軟骨内骨化を調整するメカニズムを解明する多くの研究がここ数年にわたって
行われている。これらのメカニズムへの関心は、軟骨内骨化の欠陥が、骨格形成
の先天的および後天的疾患に関連しており、おそらくは原因であると考えられる
ことを反映している(Jacenkoら、J. Rheumatol. 22:39-41(1995))。興味深いこ
とに、いくつかの分子は、軟骨内骨化において負の役割を有し、軟骨細胞が未成
熟から肥大段階へ進む速度を制限することが示されている。これらの分子は、繊
維芽細胞増殖因子-2(FIG-2)、繊維芽細胞増殖因子受容体-3(FGF-R3)、副甲状腺
関連タンパク質(PTH-rP)およびインディアンヘッジホッグ(IHH)を包含する(Coff
inら、Mol. Biol. Cell, 6:1861-1873(1995);Colvinら、Nature Genet., 12:
390-397(1996);Vortkampら、Science, 273:613-622(1996))。しかし、現在ま
でに、極めて少ない正の因子が確認されており、それらは負の因子を阻止する重
大な役割を有し、軟骨内プロセスが進み、その終結に至ることを可能にする。
【0005】 骨成長に関連している疾患は、骨関節炎を包含する。骨関節炎は、関節組織の
漸進的消失を生じる関節の変形性疾患である。現在、治療法(cure)または有効な
治療法がない該疾患に、60才以上の人口の10%以上が罹患している。骨関節炎は
、長時間の関節の使用によって生じた機械的傷害を包含する多くの要因によって
開始されると考えられる。一旦、関節軟骨が損傷されると、該疾患が進行し、細
胞およびマトリックスにおいて多くの変化が現れる。該疾患に最も冒された部位
において、関節軟骨細胞は増殖を再び開始することができ、異常な表現型特性を
獲得し始める。これらは、I型およびIII型コラーゲンの合成、細胞肥大、X型コ
ラーゲン合成、アルカリ性ホスファターゼ活性増加タンパク質加水分解活性およ
びマトリックス石灰化を包含する(Hamerman, New Engl. J. Med. 320, 1322-133
0(1989);Nerlichら、Vichows Archiv. B. Cell Pathol. 63, 249-255(1993);v
on der Mark, K.ら、Acta Orthop. Scand. 266, 125-129(1995))。同時に、プロ
テオグリカンの合成が増加するが、メタロプロテアーゼおよび他の分解酵素によ
る増加したマトリックス分解によって、正味プロテオグリカン含有量が減少する
。関節軟骨細胞が、細胞変質およびアポトーシスの徴候を示しうることも報告さ
れている。一旦、関節細胞が消失すると、マトリックスが変質し、組織が、非機
能性瘢痕組織または骨組織によって置換される。
【0006】 従って、骨関節炎のような骨成長関連疾患を包含する軟骨および骨の疾患を治
療する有効な治療法が必要とされている。
【0007】 (発明の開示) 本発明は、治療有効量のレチノイド受容体拮抗薬を投与することを含んで成る
軟骨または骨の疾患を治療する方法を提供する。1つの好ましい実施態様によれ
ば、レチノイド受容体拮抗薬は、RAR受容体拮抗薬、好ましくはRARα、βまたは
γ受容体拮抗薬である。
【0008】 本発明はさらに、該疾患に関係しているRARγ受容体に拮抗することを含んで
成る軟骨または骨の疾患を治療する方法も提供する。
【0009】 他の実施態様において、本発明は、治療有効量のレチノイド受容体拮抗薬を投
与することを含んで成る、軟骨および骨の疾患に関連した症状を改善する方法も
提供する。
【0010】 本発明はさらに、レチノイド受容体拮抗薬および医薬的に許容される担体また
は賦形剤を含んで成る医薬組成物の治療有効量を投与することを含んで成る、軟
骨または骨の疾患を治療する方法も提供する。
【0011】 本発明はさらに、レチノイド受容体作用薬を含んで成る医薬組成物の治療有効
量を投与することを含んで成る、軟骨または骨の疾患を治療する方法も提供する
【0012】 他の実施態様において、本発明は、治療有効量のレチノイド受容体作用薬を投
与することを含んで成る、骨原性細胞および骨芽細胞を刺激する方法を提供する
【0013】 本発明はさらに、レチノイド受容体作用薬および医薬的に許容される担体また
は賦形剤を含んで成る医薬組成物の治療有効量を投与することを含んで成る、軟
骨または骨成長を促進する方法も提供する。
【0014】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明は、レチノイド受容体拮抗薬の使用を含んで成る、骨成長に関連した疾
患を包含する軟骨および骨の疾患を治療する方法を提供する。骨成長に関連した
疾患は、病理的骨化に関連した疾患、例えば骨関節炎、多発性軟骨外骨腫、およ
び類骨骨腫、骨肉腫および骨腫を包含する骨芽細胞腫瘍;および変形性骨炎を包
含する(一般に、Pathological Basis of Disease, Robbinsら、W.B.Saunders Co
. (1979)を参照)。レチノイドは、分子レベルにおいて、核受容体の2つのファミ
リー、ステロイド/甲状腺/ビタミンD3核受容体のスーパーファミリーに属する
レチノイン酸受容体(RAR)およびレチノイドX受容体(RXR)を介して、それらの生
物学的作用を示す。
【0015】 RARおよびRXRは、下記の少なくとも2種類の方法で遺伝子発現を調節するリガ
ンド依存性転写因子である:(a)それらは、プロモーターに存在するRA-反応性要
素(RARE)に結合することによって遺伝子の発現を上方調節するか、または(b)そ
れらは、AP1のような特定の他の転写因子のエンハンサー作用に拮抗することに
よって遺伝子の発現を下方調節する。RAR(α、βおよびγ)およびRXR(α、βお
よびγ)の明確なアイソタイプは、6個の別々の遺伝子によってコードされる。各
RARアイソタイプはさらに、それらのN-末端A領域において異なるいくつかのアイ
ソフォーム(isoform)としても発現され、該アイソフォームは、選択的スプライ
シングおよび/または2つ以上のプロモーターの差異使用(differential usage)
によって発生する。RARαは、2つの主要アイソフォーム(α1およびα2)として発
現される。RARβは、4つのアイソフォーム(β1、β2、β3およびβ4)として発現
され、RARγは、2つの主要アイソフォーム(γ1およびγ2)として発現される。RA
Rは、専ら生体内でRAR-RXRヘテロダイマーとして作用すると考えられる。
【0016】 成長しつつある脚の長骨モデルに存在する肥大軟骨細胞は、高レベルのRAR、
特にRARγを発現し、内因性レチノイドを含有することが見出された。実施例に
おいて詳しく記載するように、RARγおよび内因性レチノイドの役割を決定する
ために、レチノイド拮抗薬AGN 109を充填したビーズを、ニワトリ胚成長の早期
段階における成長しつつある長骨モデルの近くに配置した。次に、RARγ拮抗薬
の存在下に胚を再び培養し、拮抗薬処置の作用を種々の時点で測定した。軟骨細
胞の成熟および長骨の成長が、拮抗薬処置によって妨げられることが見出された
。対照の脚において、長骨モデルは、それらの中心部分(骨幹と称される)に、X
型コラーゲン、アルカリ性ホスファターゼを合成し、それらのマトリックスを石
灰化する肥大軟骨細胞を含有していた。さらに、肥大軟骨は、骨および骨随先駆
細胞による侵入、および活性な骨堆積を受けていた。極めて対照的に、レチノイ
ド拮抗薬処置長骨は、完全に軟骨性であり、肥大軟骨組織、X型コラーゲンまた
はアルカリ性ホスファターゼを含有していなかった。さらに、カルシウムの堆積
および骨形成は、被験グループにおいて観察されなかった。従って、レチノイド
は、軟骨内骨化の正の調節物質であり、軟骨組織の成熟および軟骨内骨化を阻止
するレチノイド拮抗薬での処置によって正常なレチノイド信号が妨げられると考
えられる(Koyamaら、Develop. Biol. 208(2):375-391(1999)も参照)。
【0017】 従って、本発明は、骨関節炎またはカルシウム堆積を生じる関節軟骨の他の疾
患の間の、関節軟骨組織による成長板様特性の獲得を遮断するかまたは逆転させ
る方法を提供する。関節軟骨組織は、骨格関節に存在する軟骨組織である。従っ
て、好適なレチノイド受容体拮抗薬は、全て疾患過程の間に関節軟骨組織におい
て生じる(a)細胞の肥大、(b)メタロプロテアーゼおよびアルカリ性ホスファター
ゼ活性の発現、(c)無機質堆積およびアポトーシス、および(d)コラーゲン型の変
更、を予防しなければならない。そのような表現型変化を予防するかまたは遅く
することによって、拮抗薬は、関節軟骨組織が、マトリックスおよび組織の効果
的な修復を行うことを可能にしなければならず、変質過程の停止を生じる場合も
ある。本発明の方法は、関節軟骨組織に作用することに関連していないが、骨格
系のあらゆる位置の軟骨組織に作用することができ、骨格成長のあらゆる段階ま
たは骨成長に関連した疾患に関する。
【0018】 現在当分野で既知であるかまたは後に発展させたあらゆるレチノイド受容体拮
抗薬を、本発明に使用することができる。例示的受容体拮抗薬の合成は、例えば
、米国特許第5877207号、第5514825号、第5648514号、第5728846号、第5739338
号、第5760276号、第5776699号、第5773594号、第5763635号および第5808124号
ならびに米国特許出願第08/840040号および第08/845019号に開示され、それら
に記載の内容は全体として本発明の開示の一部を構成するものとする。
【0019】 好ましい方法において、拮抗薬はRAR拮抗薬、より好ましくはRARαβγ拮抗薬
である。しかし、特定のアイソタイプおよび/またはアイソフォームまたはそれ
らの組合せに特異的な活性を有する拮抗薬も本発明の方法に使用することができ
る。従って、RARα、β、γまたはそれらの組合せ、例えば、αβ、αγおよび
βγに特異的な拮抗薬を使用することができる。そのような受容体アイソタイプ
特異的拮抗薬は、非特異的拮抗薬の使用に伴う副作用を減少させるのに好ましい
【0020】 本明細書において使用される「作用薬」という用語は、特定のレチノイド受容
体のリガンド媒介トランス転写促進活性を刺激する化合物を意味する。
【0021】 本明細書において使用される「拮抗薬」という用語は、特定のレチノイド受容
体のリガンド媒介トランス転写促進活性を阻害または阻止する化合物を意味する
【0022】 本明細書において使用される「逆作用薬」は、特定のレチノイド受容体のトラ
ンス転写促進活性の基底レベルを減少させる化合物を意味する。ここで、該基底
レベルは、添加作用薬の不存在下に観測されるトランス転写促進活性の量である
【0023】 本明細書において使用される「選択的」という用語は、特定のリガンドが、1
つの受容体サブタイプに対して、他の受容体サブタイプに対するより少なくとも
約10倍大きい、例えばKd値(解離定数)で示される結合親和性を示すことを意味す
る。
【0024】 本明細書において使用される「特異的」という用語は、特定のリガンドが、1
つの受容体サブタイプに対して、他のサブタイプに対するより少なくとも約500
倍大きい結合親和性、より好ましくは約1000倍大きい結合親和性を示すことを意
味する。
【0025】 本明細書において使用される「治療」という用語は、疾患の進行を退行させる
かまたは遅くすることを意味する。選択的に、または付加的に、該用語は疾患を
軽減するかまたは治癒させることを意味する。該疾患が腫瘍に関連している場合
、「治療」という用語は、癌細胞増殖を阻害し、および/または腫瘍の徴候を減
少させることを意味する。
【0026】 本明細書において使用される「骨治癒」という用語は、軟骨が骨に変換される
病理的状態を意味する。選択的に、または付加的に、該用語は骨折の修復を意味
する。
【0027】 本明細書において使用される「癒着不能状態」という用語は、軟骨の骨への変
換が阻害されているかまたは阻止されている病理的状態を意味する。
【0028】 本明細書において使用される「骨芽細胞」という用語は、成人において骨組織
を連続的に生産する細胞を意味する。
【0029】 本明細書において使用される「破骨細胞」という用語は、骨を破壊する細胞を
意味する。
【0030】 「改善する」という用語は、痛みおよび炎症のような特定の疾患に関連した症
状を減少させることを意味する。
【0031】 好ましい治療法において、拮抗薬は下記の式(I)で示される化合物または医薬
的に許容されるそれの塩またはエステルである:
【化1】 [式中、Xは、S、SO、SO2、O、NR1、[C(R1)2]n [各R1は、独立して、または一緒
になって、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、nは1または2で
ある]であるか、または、 Xは存在せず; X1およびX2はそれぞれCであるか、または X1は存在せず、X2は、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl
、Br、I、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、SH、1〜6
個の炭素原子を有するアルコキシ、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルチ
オであり; 但し、少なくともXが存在するか、またはX1およびX2がそれぞれCであるものと
し; -----は、任意に存在する結合であり; 各R2は、独立して、または一緒になって、水素、1〜6個の炭素原子を有する低
級アルキル、F、Cl、Br、I、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アル
キル、OH、SH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有す
るアルキルチオ、NH2、NR1H、N(R1)2、N(R1)COR1、NR1CON(R1)2またはOCOR1であ
り; 各R3は、独立して、または一緒になって、水素、1〜6個の炭素原子を有する低
級アルキル、F、Cl、BrまたはIであり; mは、0〜3の整数であり; oは、0〜3の整数であり; Zは、-C≡C-、-N=N-、-N=CR1-、-CR1=N、-(CR1=CR1)n'- [n'は0〜5の整数であ
る]、-CO-NR1-、-CS-NR1-、-NR1-CO-、-NR1CS-、-COO-、-OCO-、CSO-または-OCS
-であり; Yは、フェニルまたはナフチル基、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリ
ダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリ
ルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニ
ルおよびヘテロアリール基は、1つまたは2つのR2基で場合により置換されている
か、または Zが-(CR1=CR1)n'-であり、n'が3、4または5である場合、Yは該-(CR1=CR1)n'
とBの間の直接原子価結合を表し; Aは、(CH2)q [qは1〜5である]、3〜6個の炭素原子を有する低級分岐鎖アルキ
ル、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜6個の炭素原子および1つま
たは2つの二重結合を有するアルケニル、2〜6個の炭素原子および1つまたは2つ
の三重結合を有するアルキニルであるか、または直接結合または不存在であり; Bは、水素、COOH、COOR8、CONR9R10、CH2OH、CH2OR11、CH2OCOR11、CHO、CH(O
R12)2、CHOR13O、COR7、CR7(OR12)2、CR7OR13O、またはトリ低級アルキルシリル
[R7は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアルケニル
基であり、R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキル基が1
〜10個の炭素原子を有する(トリメチルシリル)アルキル、または5〜10個の炭素
原子を有するシクロアルキル基であるか、またはR8は、フェニルまたは低級アル
キルフェニルであり、R9およびR10は、独立して、水素、1〜10個の炭素原子を有
するアルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、または
フェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R11は、低級アルキル、フェニル
または低級アルキルフェニルであり、R12は低級アルキルであり、R13は2〜5個の
炭素原子を有する二価アルキル基である]であり; R14は、(R15)r-フェニル、(R15)r-ナフチル、またはヘテロアリール基がO、S
およびNから成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する(R15)r-ヘテロア
リールであり、rは0〜6の数値であり; R15は、独立して、H、F、Cl、Br、I、NO2、N(R8)2、N(R8)COR8、NR8CON(R8)2
、OH、OCOR8、OR8、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素
原子を有するフルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重
結合を有するアルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有す
るアルキニル基、またはアルキル基が独立して1〜6個の炭素原子を有するトリア
ルキルシリルまたは(トリアルキルシリル)オキシ基である]。
【0032】 1つの実施態様において、Xが存在し、X1が存在しない式(Ia)の化合物を提供す
る:
【化2】
【0033】 他の実施態様において、Xが存在せず、X1およびX2がCである式(Ib)の化合物を
提供する:
【化3】
【0034】 特に好ましい他の実施態様において、Xが存在し、X1およびX2がCである式(Ic)
の化合物を提供する:
【化4】
【0035】 式I、Ia、IbおよびIcの好ましい実施態様において、Yはフェニルであり、R14
は(R15)r-フェニルであり、好ましくは、R14と、Xを有する複素環成分との結合
は、R14基の自由回転を可能にする。他の実施態様において、-Y(R2)-A-Bは-フェ
ニル-COOHである。
【0036】 式(I)に含まれる特定の拮抗薬、合成法、ならびに式(I)の化合物を定義するの
に使用される用語の定義は、米国特許第5776699号にさらに詳しく記載されてい
る。本発明を実施するのに使用しうる化合物の他の例は、下記の式(II)〜(V)の
化合物を包含する:
【化5】 [式中、X'は、O、S、SO、SO2、N、NR3またはC(R3)2であるか;または-X'-R14は-
C(R14)H2または-C(R14)-(CH2)nH [nは1〜6である]であり; Y1は、フェニル、ナフチル、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリダジニ
ル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリルおよ
びピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニル、ナ
フチルおよびヘテロアリール基は、1個のR'3基および1個または2個のR2基で場合
により置換されており; R'3は、H、(C1〜C10)アルキル、1-アダマンチル、2-テトラヒドロピラノキシ
、アルキルが1〜6個の炭素原子を有するトリアルキルシラニルおよびトリアルキ
ルシラニルオキシ、アルキルが1〜10個の炭素原子を有するアルコキシおよびア
ルキルチオ、またはOCH2O(C1-6)アルキルであり; Z、Y、A、B、R2、R3およびR14は先に定義した通りである]; 好ましい実施態様は、式(IIa)の化合物を包含する:
【化6】 [式中、mは0〜2である]; 他の好ましい実施態様は、式(IIb)の化合物を包含する:
【化7】 [式中、R'3は好ましくはアルキルである]; 付加的実施態様は、式(IIc)の化合物を包含する:
【化8】 式(III)の化合物:
【化9】 [式中、R2は先に定義した通りであり、付加的に好ましくはC1〜C6アルケニルで
あり;XおよびR14は先に定義した通りである]: 式(IV)の化合物:
【化10】 [式中、Xは、S、SO、SO2、O、NR1、[C(R1)2]n、-C(R1)2-NR1-、-C(R1)2-S-、-C(
R1)2-O-または-C(R1)2-(R1)2-であり、R1、R2、R3、R14、Z、Y、A、B、mおよびo
は、先に記載した通りである]; 好ましい実施態様は、式(IVa)の化合物を包含する:
【化11】 および式(V)の化合物:
【化12】 [式中、Z、Y、A、BおよびR2は、先に定義した通りである]。
【0037】 他の好ましい種類の化合物は、式(VI)の化合物である:
【化13】 [式中、X、R2、R3、m、o、Y、A、B、R14およびR15は、先に定義した通りであり
; R16は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであり; R17は、H、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、OHまたはOCOR11[R11は先
に定義した通りである]であるか、またはR17は存在せず;および pは、0または1であり、但し、pが1のとき、R17は存在しないものとする]。
【0038】 他の好ましい種類の化合物は、下記の式(VII)の化合物または医薬的に許容さ
れるその塩である:
【化14】 [式中、X、R1、R2、m、R3およびoは、先に定義した通りであり; sは、1〜3の整数であり; R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキル基が1〜10個の
炭素原子を有するトリメチルシリルアルキル、または5〜10個の炭素原子を有す
るシクロアルキル基であるか、またはR8はフェニルまたは低級アルキルフェニル
であり; R15は、先に定義した通りであり; tは、0〜5の整数であり; CONH基は、ベンゾピランの6位または7位、およびジヒドロナフタリン環の2位
または3位に存在する]。
【0039】 他の好ましい種類の化合物は、下記の式(VIII)の化合物または医薬的に許容さ
れるそれの塩である:
【化15】 [式中、Xは、好ましくは、C(CH3)2またはOであり; R2は、好ましくは、HまたはBrであり; R2’およびR2’’は、独立して、HまたはFであり; R3は、好ましくは、HまたはCH3であり; R8は、好ましくは、H、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルである]。
【0040】 そのような化合物の他の好ましい種類は、式(IX)の化合物または医薬的に許容
されるそれの塩である。
【化16】 [式中、X1は、好ましくは、SまたはOであり; X3は、CHまたはNであり; R2は、好ましくは、H、F、CF3、または1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ
であり; R2*は、H、FまたはCF3であり; R8は、好ましくは、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであり
; R14は、好ましくは、非置換フェニル、チエニルまたはピリジル、または1〜3
個のR15基で置換されているフェニル、チエニルまたはピリジルであり、R15は、
好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、塩素、CF3、または1〜6
個の炭素原子を有するアルコキシである]。
【0041】 式(IX)の化合物の好ましい実施態様は、XがSであり;R2が、H、FまたはOCH3
あり;R2*が、HまたはFであり;R8が、H、または1〜6個の炭素原子を有する低
級アルキルであり;R14が、フェニル、低級アルキルが1〜6個の炭素原子を有す
る4-(低級アルキル)フェニル、5-(低級アルキル)-2-チエニルおよび6-(低級アル
キル)-3-ピリジルから成る群から選択される化合物、または医薬的に許容される
その塩である。1つの特定の実施態様において、R2はHであり、R2*はHであり、X3 はCHであり、R14はエチルである。
【0042】 式(IX)の化合物の他の好ましい実施態様は、XがOであり;R2がHであり;R2
がHまたはFであり;R8が、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルで
あり;R14が、フェニル、および低級アルキルが1〜6個の炭素原子を有する4-(低
級アルキル)フェニルから成る群から選択される化合物、または医薬的に許容さ
れるその塩である。
【0043】 さらに他の好ましい化合物は、下記の式(X)で示される化合物または医薬的に
許容されるその塩である:
【化17】 [式中、R8は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルである]。R8がH
であるとき、この化合物は、好ましい実施態様であるAGN 109である。
【0044】 さらに、本発明に有効な付加的化合物の構造を以下に示す: A.
【化18】 [式中、nは1〜10の整数である]; B.
【化19】 [式中、nは1〜10の整数である]; C.
【化20】 D.
【化21】 E.
【化22】
【0045】 前記のように、レチノイド受容体拮抗薬活性を有するあらゆる化合物または薬
剤を使用することができる。所定の薬剤または化合物の拮抗作用を測定する方法
は、当分野において既知である。例えば、本発明の化合物の拮抗薬/作用薬様活
性、またはいくつかのレチノイド受容体サブタイプに結合するそれらの能力を測
定するホロ受容体トランス転写促進アッセイおよびリガンド結合アッセイは、19
93年6月24に公開されたPCT出願第93/11755号(特に、p.30-33およびp.37-41)に
開示され、そこに開示されている内容は本発明の開示の一部を構成するものとす
る。
【0046】 酸官能基のような塩を形成しうる基を有する本発明のあらゆる化合物について
、医薬的に許容される塩を製造することができる。医薬的に許容される塩は、親
化合物の活性を保持し、それを投与される対象において、およびそれを投与され
る情況(context)において、有害なまたは不適切な作用を生じない塩である。
【0047】 医薬的に許容される塩は、有機または無機塩基から誘導することができる。塩
は、一価または多価イオンであることができる。特に関心が持たれるのは、無機
イオン、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムである。有機塩
は、アミンを使用して生成することができ、特に、モノ-、ジ-およびトリアルキ
ルアミンまたはエタノールアミンのようなアンモニウム塩である。塩は、カフェ
イン、トロメタミンおよび同様の分子を使用して生成することもできる。酸付加
塩を生成するのに充分に塩基性の窒素が存在する場合、そのような塩は、無機ま
たは有機酸、またはヨウ化メチルのようなアルキル化剤を使用して生成すること
ができる。そのような場合、好ましい塩は、塩酸、硫酸または燐酸のような無機
酸を使用して生成される塩である。一酸、二酸または三酸のような多くの単純有
機酸のいずれかを使用することもできる。
【0048】 本発明の化合物の中には、トランスおよびシス(EおよびZ)異性体を有するもの
もある。さらに、本発明の化合物は、1つまたはそれ以上のキラル中心を有する
場合があり、従って、鏡像異性形およびジアステロマー形で存在する場合がある
。さらに、本発明のオキシムおよび関連化合物は、シンおよびアンチ異性形で存
在する場合がある。本発明は、全てのそのような異性体自体、ならびにシスおよ
びトランス異性体の混合物、シンおよびアンチ異性体の混合物、ジアステレオマ
ーの混合物および鏡像異性体(光学異性体)のラセミ混合物も包含するものとする
。本明細書において、化合物(または不斉炭素)の配置(シス、トランス、シンま
たはアンチまたはRまたはS)について特に記載がない場合、そのような異性体の
混合物、または異性体のいずれか1つを意味するものとする。同様に、本明細書
の化学構造式において、原子価結合を表す直線が不斉炭素に引かれている場合、
RおよびSの両配置の異性体ならびにそれらの混合物を意味する。不斉炭素に関し
て規定されている立体化学は、式において(適用しうる場合)、β配置を表す中実
三角によるか、またはα配置を表すハッシュ(hashed)線によって示される。
【0049】 本発明は、本発明の1つまたはそれ以上の化合物、および医薬的に許容される
希釈剤または賦形剤を含んで成る医薬組成物も提供する。好ましくは、そのよう
な組成物は、経口、非経口(例えば、静脈内、筋肉内または皮下)、鼻腔内、舌下
または直腸投与、または吸入または通気(insufflation)による投与用に、錠剤、
丸剤、カプセル剤(徐放性または遅延放出製剤)、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、
チンキ剤、シロップ剤および乳剤、滅菌非経口液剤または懸濁剤、エアゾール剤
または液体スプレー剤、滴剤、アンプル、自動注射デバイス(auto-injector dev
ices)または座薬のような単位投与形態であり、Remington's Pharmaceutical Sc
iences, Gennaro発行、Marck Publishing Co. Easton PA, 1990に開示されてい
るような許可された慣習に従って適切な方法で処方することができる。または、
組成物は、例えば週1回または月1回の投与に好適な徐放性形態であることができ
、例えばデカン酸塩のような活性化合物の不溶性塩を適合させて筋肉注射用のデ
ポー製剤を提供することができる。本発明は、例えば眼また皮膚または粘膜に投
与するのに好適な、局所製剤を提供することも意図している。
【0050】 例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与については、活性薬剤成分
を、経口、非毒性の医薬的に許容される不活性担体、例えば、エタノール、医薬
的に許容される油、グリセロール、水等と組み合わせることができる。さらに、
所望されるかまたは必要とされる場合に、好適な結合剤、潤滑剤、崩壊剤、香味
剤および着色剤も混合物に組み込むことができる。好適な結合剤は、澱粉、ゼラ
チン、天然糖、例えばブドウ糖またはβ-ラクトース、天然または合成ゴム、例
えば、アカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチル
セルロース、ポリエチレングリコール、蝋等を包含するがそれらに限定されない
。これらの投与形態に使用される潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン
酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、塩化ナトリウム等を包含するがそれらに限定されない。崩壊剤は、澱粉、メ
チルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴム等を包含するがそれらに
限定されない。
【0051】 錠剤のような固体組成物の製造については、有効成分を、前記のような好適な
医薬賦形剤および水のような他の医薬希釈剤と混合して、本発明の化合物または
医薬的に許容されるその塩の均質混合物を含有する固体製剤を形成することがで
きる。「均質な」という用語は、有効成分が組成物中に均一に分散し、それによ
って、組成物を、錠剤、丸剤およびカプセル剤のような等しく有効な単位投与形
態に容易に分割しうることを意味する。次に、固体処方前組成物を、本発明の有
効成分0.1mg〜約50mgを含有する前記の種類の単位投与形態に細分することがで
きる。
【0052】 他の実施態様において、本発明の組成物の錠剤または丸剤は、長時間作用の利
益を与える投与形態を得るために、被覆するかまたは配合することができる。例
えば、錠剤または丸剤は、活性化合物を含有する内部コアー、およびコアーのま
わりの被膜としての外層を有して成ることができる。外被膜は、胃で崩壊しない
ようにする働きをし、内部コアーが損なわれずに十二指腸を通過するかまたは放
出を遅らすことを可能にする腸溶性の層であることができる。種々の物質を、そ
のような腸溶性の層または被膜に使用することができ、そのような材料は、多く
の重合酸、および重合酸とセラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースの
ような慣習的な物質との混合物を包含する。
【0053】 経口または注射による投与のために本発明の組成物を組み込むことができる液
体形態は、水性溶液、適切に香味づけしたシロップ、水性または油性懸濁液、お
よび綿実油、ゴマ油、ココヤシ油または落花生油のような食用油を使用した香味
付けしたエマルジョン、ならびにエリキシルおよび同様の医薬担体を包含する。
水性懸濁液に好適な分散剤または懸濁化剤は、合成および天然ゴム、例えば、ト
ラガカント、アカシア、アルギネート、デキストラン、ナトリウムカルボキシメ
チルセルロース、ゼラチン、メチルセルロースまたはポリビニル-ピロリドンを
包含する。使用しうる他の分散剤はグリセリン等を包含する。非経口投与につい
ては、滅菌した懸濁液および溶液が好ましい。好適な防腐剤を一般に含有する等
張性製剤は、静脈投与が必要とされる場合に使用される。組成物は、眼投与用に
、眼用液剤または懸濁剤、即ち点眼薬として処方することもできる。
【0054】 本明細書において使用される「対象」という用語は、治療、観察または実験の
対象である動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
【0055】 本明細書において使用される「治療有効量」という用語は、組織、系、動物ま
たはヒトにおいて、研究者、獣医、医師または他の臨床医が求める、治療されて
いる疾患の症状の緩和を包含する生物反応または医薬反応を誘発する活性化合物
または薬剤の量を意味する。
【0056】 有利なことに、本発明の化合物は、単一の1日用量で投与することができ、ま
たは合計1日用量を1日に2回、3回または4回に分割した用量で投与することもで
きる。さらに、本発明の化合物は、好適な鼻腔用賦形剤の局所使用を介して鼻腔
用形態で投与することができ、または当業者によく知られている経皮性スキンパ
ッチ形態を使用して経皮経路で投与することもできる。経皮運搬システムの形態
で投与するためには、薬剤投与は当然、投与計画期間を通して断続的ではなく継
続的であり、処方の際に、投与レベルはこれを考慮して決めなければならない。
【0057】 本発明の化合物を使用する投与計画は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性お
よび健康状態;治療される疾患の重さ;投与経路;患者の腎臓および肝臓機能;
および使用される特定の化合物;を包含する種々の要素に応じて選択される。一
般の医師または獣医は、治療される疾患または障害の進行を予防し、阻止し、ま
たは抑制するのに必要とされる薬剤の有効量を容易に決定し処方することができ
る。
【0058】 レチノイド受容体拮抗薬または逆作用薬の1日用量は、0.01〜100mg/成人/日
で広範囲に変化しうる。経口投与については、治療される患者の症候に応じて用
量を調節するために、0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.
0または50.0mgの有効成分を含有する錠剤の形態で組成物を提供するのが好まし
い。単位用量は、一般に約0.001mg〜約50mgの有効成分、好ましくは約1mg〜約10
mgの有効成分を含有する。有効量の薬剤は、約0.0001mg/kg〜約25mg/kg体重/
日の投薬レベルで一般に投与される。投与レベルは、好ましくは約0.001mg/kg
〜10mg/kg体重/日、特に約0.001mg/kg〜1mg/kg体重/日である。化合物は、
1日に1〜4回の投与計画で投与することができる。
【0059】 他の実施態様において、本発明は、軟骨内骨化の正の調節剤としてのレチノイ
ド受容体作用薬の使用に関する。この実施態様において、レチノイド受容体作用
薬での治療によって、(a)骨折修復の間の修復過程を促進し、(b)低いまたは遅い
成長および骨化を示すヒトにおける先天的疾患を治療し、(c)骨粗鬆症を改善し
、(d)膜内骨化を刺激し調節する方法を提供する。低いまたは遅い骨化の先天的
疾患は、例えば、先天性脊椎骨端異形成、骨格異形成、股関節部異形成を包含す
るが、それらに限定されない。
【0060】 例示的レチノイド受容体作用薬の合成および構造は、例えば、本発明の開示の
一部を構成する下記の米国特許に開示されているが、それらに限定されない:第
5808124号、第5763635号、第5747542号、第5741896号、第5723666号、第5688957
号、第5618943号、第5618931号、第5616712号、第5556996号、第5543534号、第5
534641号、第5514825号、第5498795号、第5498755号、第5489584号、第5475022
号、第5470999号、第5451605号、第5426118号、第5399561号、第5391753号、第5
346915号、第5346895号、第5344959号、第5326898号、第5134159号、第5945551
号、第5015658号、第5013744号、第5006550号、第4992468号および第4980369号
【0061】 当分野において現在既知であるか、または後に開発されるあらゆるレチノイド
受容体作用薬を、本発明の方法を実施するのに使用しうることを本出願人は意図
している。
【0062】 全ての引用文献は、全体として本発明の開示の一部を構成するものとする。
【0063】 (実施例) いかなる意味においても本発明の範囲を限定することを意図するものではない
下記の実施例において、本発明をさらに詳しく説明する。
【0064】実施例I −原料および方法 系中ハイブリッド形成 この手順は、以前に記載されたように実施した(Nojiら、Acta Histochem. Cyt
ochem. 23, 353-366(1990);Koyamaら、Dev. Dynam. 203, 152-162(1995))。簡
単に言えば、ニワトリ胚または胚部分を、4%のパラホルムアルデヒドで4時間ま
たは一晩にわたって固定し、パラフィンに埋め、切片化した。5μm厚の切片を、
50mM Tris、5mM EDTA、pH7.5中の1μg/mlプロテイナーゼK(Sigma, St. Louis,
MO)で室温で1分間前処理し、直ぐに、4%のパラホルムアルデヒド緩衝液で10分
間にわたって後固定し、次に、2mg/mLのグリシンを含有するPBSにおいて10分/
洗浄で2回洗浄した。トリエタノールアミン緩衝液中0.25%の無水酢酸の新しく
製造した溶液で、切片を15分間処理した。切片を、50℃で16時間にわたって、35 S-標識アンチセンスまたはセンスニワトリcDNAリボプローブ(約1x106DPM/切片)
とハイブリダイズした。ハイブリダイズした後、スライドを、50℃で20分/洗浄
で、50%のホルムアルデヒドを含有する2X SSCで3回洗浄し、20μg/mL RNaseA
で37℃で30分間処理し、最後に、50℃で10分/洗浄で、0.1X SSCで3回洗浄した
。切片を、水で1:1に希釈したKodak NTB3エマルジョンで被覆し、7日間暴露し
、Kodak D19で20℃で30分間発色させた。ヒマトキシリンおよびエオシンで染色
した後、明視野および暗視野オプチックスを使用してNikon顕微鏡でスライドを
分析した。
【0065】 使用したニワトリcDNAプローブは、以下のものであった:リガンド結合ドメイ
ンを包含する1.6kb RARαおよび0.9kb RARβクローン(Nojiら、Nature 350, 83-
86(1991));全長RARγ2(Michailleら、Dev. Dynam. 201, 334-343(1994))から製
造され、ドメインCの一部をコードする0.16kb RARγサブクローン(ヌクレオチド
444-607);N-末端ドメインの一部をコードする0.56kb Ihhクローン(Vortkampら
、Science 273, 613-633(1996));I型コラーゲンpGEM821、I型コラーゲンサブ
ユニットα2(I)の3’末端からの0.821kbクローン(Bennettら、J. Biol. Chem.
264, 8402-8409(1989));II型コラーゲンクローンpDLr2(Leboyら、J. Biol. Che
m. 264, 17281-17286(1989))、II型コラーゲンの3'領域からの0.8kbクローン(Yo
ungら、Nucl. Acids Res. 12, 4207-4228(1984));0.197kb X型コラーゲンクロ
ーンpDLr10(Leboyら、J. Biol. Chem. 264, 17281-17286(1989));および、オス
テオポンチンの全コード配列を含有する1.1kbクローンpMMPP2(Mooreら、Biochem
istry 30, 2501-2508(1991))。
【0066】 拮抗薬処置 使用したRAR拮抗薬はAGN 109 (Allergan Pharmaceuticals, Irvine, CA)およ
びRo 41-5253(下記に示す) (Hoffmann-LaRoche Basel, Switzerland)であった:
【化23】
【0067】 Ro 41-5253は、全てのRARアイソフォームに拮抗作用を示すが、RARαに優先的
に拮抗作用を示す(IC50=60nM);RARγについてのIC50は3300nMである(Apfelら
、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 7129-7133(1992);Keidelら、Mol. Cell. B
iol. 14, 287-298(1994))。Ro 41-5253と比較して、ANG 109は、同様に充分にRA
Rα、βおよびγを阻害するが、RARγについては、ほぼ500倍低いIC50を有する(
5+1nM)(Kleinら、J. Boil. Chem. 271, 22692-22696(1996))。直径200〜400μm
のAG1-X2イオン交換ビーズを、3.5μM〜3.5mMの濃度のRo 41-5253またはAGN 109
の溶液に1時間浸した。この濃度範囲は、以前の研究に基づいた(例えば、Luら、
Development 124, 1643-1651(1997)参照)。拮抗薬溶液をDMSOにおいて調製し、
黄色光条件下で使用し、対照ビーズはDMSOだけに浸した。次に、ビーズをフェノ
ール含有生理食塩水(HBSS)に極短時間浸し、それによって、植え込みの間にそれ
らを見やすくした。
【0068】 拮抗薬含有ビーズまたは対照ビーズを、段階21〜22(3〜3.5日目)または段階27
〜28(5.5日目)のニワトリ胚の羽根芽に植え込み(Hamburger and Hamilton, J. M
orphol. 88, 49-92(1951));反対側の羽根芽を対照とした。卵の殻に小さい穴を
開け、羽根の前-上部基部に小さい切り込みを入れた。次に、1つのビーズまたは
数個のビーズを下記に指定する予想される上腕骨付近に配置し、卵を閉め、孵卵
器に戻した。分析の日に、胚を断頭によって犠牲にし、対照羽根および処置羽根
を、Nikon SMZ-U解剖顕微鏡写真機を使用して顕微鏡検査を行い、上腕骨の長さ
をマイクロメートル単位で測定した。対照上腕骨の長さは、胚ごとに僅かに異な
り、おそらく年齢における僅かな違いを反映していると考えられ、上腕骨は、そ
れらの長さが対照の数値より少なくとも25%短くなった場合に、拮抗薬処置によ
る作用を受けたと考えた。対照および拮抗薬処置脚を、組織研究、および組織切
片を使用する系中ハイブリッド形成に付した。
【0069】 軟骨細胞培養物 前肥大および初期肥大軟骨組織に富む細胞集団を、17〜18日目のニワトリ胚胸
骨の頭側核領域から分離し、未成熟軟骨組織は、尾側胸骨領域から分離した(Gib
son and Flint. J. Cell Biol. 101, 277-284(1985);Pacificiら、Exp. Cell R
es. 195, 38-46(1991);Iwamotoら、Exp. Cell Res. 207, 413-420(1993b))。切
開した頭側および尾側組織を、0.1%の1-S型コラゲナーゼ(Sigma Chemical Co.,
St. Louis, MO)を含有する生理食塩水中で、37℃で1時間培養し;この培養後に
放出された細胞は、軟骨膜細胞および血液細胞から主として成るので捨てた。残
る組織を、0.25%のトリプシンおよび0.1%のコラゲナーゼの新鮮な混合物中で3
時間培養し、充分に消化させた。新しく分離した軟骨組織を、12穴培養皿に2x105 細胞/穴、1x106細胞/60mm皿、または3x106細胞/100mm皿の密度で培養した。
頭側核軟骨組織を、二次培養せずに、連続的に2〜3週間にわたって単層で増殖さ
せた。最初の2日間において、培養物に4U/mLの精巣ヒアルロニダーゼを与えて
細胞剥離を最小限にし(Leboyら、J. Biol. Chem. 264, 17281-17286(1989))、培
養物は2週間までに集密になった。尾側未成熟軟骨組織を初めに5日間増殖させ、
次に、浮遊未成熟軟骨組織を付着した汚染(contaminating)繊維芽細胞から分離
した。浮遊細胞をトリプシン処理し、ヒアルロニダーゼの存在下に第二培養物に
おいて再び培養し、細胞付着を増加させた。培養物に、10%の所定ウシ胎児血清
(Hyclone Logan, UT)、2mM L-グルタミンおよび50U/mLペニシリンおよびストレ
プトマイシン(Pacificiら、Exp. Cell Res. 195, 38-46(1991))を含有するDulbe
cco改質高グルコースEagle培地(GIBCO BRL, Gaithersburg, MD)を1日置きに添加
した。培養の際に、培養物を、all-trans-RA(Sigma)またはall-trans-RAとRo 41
-5253との組合せで処理した。これらのレチノイドの貯蔵液をDMSOにおいて調製
し、希釈して95%エタノール中の使用液を得、対照皿には同量のレチノイド不含
賦形剤を与えた。石灰化を分析するために、頭側胸骨対照およびレチノイド処理
培養物に、ホスフェート源として作用する3mMのβ-グリセロホスフェートを添加
した。これらの種々の実験計画の間に、培地を毎日交換した。カルシウム堆積を
局在化するために、細胞層を0.5%のアリザリン レッドS溶液、pH4.0で、室温で
5分間染色した。培養物を2、4または6日間処理する実験において、全培養物(対
照培養物を含む)を同時に採取できるようにレチノイド処理を開始した。
【0070】 RNA分離および分析 グアニジンイソチオシアネート法(ChomczynskiおよびSacchi, Anal. Biochem.
162, 156-159(1987))によって、ニワトリ胚軟骨および培養軟骨組織から分離し
た全細胞RNAを、グリオキサール化(glyoxalation)によって変性し、1%アガロー
スゲルにおいて10〜30μg/レーンで電気泳動にかけ、以前に記載されたような
毛管ブロッティングによってHybond-N膜に移動させた(OettingerおよびPacifici
、Exp. Cell Res. 191, 292-298(1990);Iwamotoら、Exp. Cell Res. 205, 213-
224(1993a))。ブロットを0.04%のメチレンブルーで染色して、各試料が効率的
に移動したことを確認した。ブロットを、50%ホルムアミド、1.5X SSPE、500μ
g/mL剪断変性サケ精子DNA、100μg/mL tRNA、0.5%(w/v)ドライミルクおよび
1%SDSを含有する2.5x106DPM/mLのバイブリッド形成溶液のある濃度で、16時間
にわたって、32P標識リボプローブにハイブリダイズさせた。使用したcDNAブロ
ーブは、系中ハイブリッド形成で使用したものと同じであった。ハイブリッド形
成温度は、RARγおよびAPaseについては55℃、X型コラーゲンについては60℃で
あった。ハイブリッド形成後に、ブロットを2X SSCおよび0.5%SDSで室温で数回
洗浄し、最終高厳密洗浄は70℃で0.1X SSCおよび0.5%SDSで行った。ブロットを
Kodak BioMax X線フィルムに−70℃で暴露した。
【0071】 レチノイド分析 胚組織における内因性レチノイドレベルの半定量的分析を、高感度生体外リポ
ーターアッセイ(Wagnerら、Development 116, 55-66(1992);McCafferyら、Deve
lopment 115, 371-382(1992))を使用して行った。β-ガル(gal)アッセイは、E.
Coli lacZ遺伝子の直ぐ上流に位置するヒトRARβ遺伝子(de Theら、Nature 343,
377-180(1990))のプロモーター領域からの64bpレチノイン酸反応要素(RARE)を
含有するリポーター構造を安定に感染させたF9奇形癌細胞系から成る。F9細胞系
は、安定に感染した構成物にレチノイド反応性を付与するRARα、βおよびγを
構成的に発現する(Zelentら、Nature 339, 714-717(1989))。細胞を、ゼラチン
被覆皿において、20%のウシ胎児血清および0.8mg/mLのG418を補充した改質L15
CO2組織培地(Specialty Media, Lavallette, NJ)(完全培地)中に維持し、80〜9
0%の集密に達した際に使用した。この培養条件において、リポーター細胞が、0
.01nMのような低い濃度で、外因性all-trans-RA処置に極めて感受性(即ち、β-
ガルの高発現)であることが示されている(Wagnerら、Development 116, 55-66(1
992))。これらの細胞において、外因性9-シス-RA、RXRおよびRARの両方のリガン
ド(Levinら、Nature 355, 359-361(1992))は、all-trans-RA処置への反応より10
倍低い効率で転写を刺激する(未公表観察)。
【0072】 組織抽出物を調製するために、10日目のニワトリ胚から外科的に組織を分離し
た。該組織は、付着性軟骨膜組織を注意深く除去した軟骨性上腕骨および頸骨の
骨幹端-骨幹部分、肝臓、脳、砂嚢および心臓を含有していた。分離の際、全組
織を、黄色安全光条件において氷上の生理食塩水中に維持して、レチノイドを保
護した。次に、約200mgの各組織および器官を、0.9mLのL15完全培地中で4℃にお
いてPolytronと一緒にホモジナイズし、次に、完全な細胞崩壊のために試料をド
ライアイスで急速冷凍した。試料を、氷水で解凍し、4℃で1時間培養して、レチ
ノイドを抽出した。抽出物を13,000gで4℃で15分間遠心分離にかけた。得られた
上澄みを、ペレットから注意深く分離し、22mm多穴培養皿(0.4mL/穴)で増殖さ
せたF9リポーター細胞の半集密培養物に直接的に添加した。培養物を24時間にわ
たって再び培養し、次に、β-ガラクトシダーゼ活性の組織化学検出に付した(Li
mおよびChae、Biotechniques 7, 576, 579(1989))。
【0073】 β-ガラクトシダーゼ活性がレチノイド濃度に比例的であることを確認するた
めに、半集密F9細胞培養物の並行培養物を、1M〜2μM(95%エタノール中100X貯
蔵液から)の既知量のall-trans-RAで処理し、24時間培養し、次に、β-ガラクト
シダーゼ活性の定量分析に付した。簡単に言えば、培養物を、0.1M燐酸緩衝液、
pH7.0中の0.1%グルタルアルデヒドを使用して、室温で15分間にわたって固定し
た。PBSで洗浄した後、培養物を燐酸緩衝液中0.2%X-Galの溶液で37℃で16時間
染色した。再び洗浄した後、培養物を0.2mLのDMSOで抽出し、抽出物の吸光度を
、Perkin-Elmer分光光度計を使用して655nmで測定した。これらの条件下で、F9
細胞は、1nM〜0.5μM all-trans-RAにおいてβ-ガラクトシダーゼ活性の直線的
増加を示した。
【0074】実施例II −結果 骨格形成の間のRAR遺伝子発現 第一組の実験において(実施例I、系中ハイブリッド形成を参照)、RARα、β
およびγの発現パターンを、ニワトリ脚骨格形成の種々の段階で測定した。脚骨
格要素の縦方向連続切片を、アンチセンスニワトリRARα、βまたはγをコード
する35S標識アンチセンスリボプローブを使用して系中ハイブリッド形成に付し
、対照として、切片を、これらのRARを標的とする放射性センスブローブとハイ
ブリダイズさせた。未成熟軟骨組織だけを含有し、成長板をまだ示さない段階27
〜28(5.5日目)のニワトリ胚上腕骨のような初期の新しく発生した骨格要素を試
験した場合、RARαおよびγの遺伝子発現レベルは低く、拡散しており、新しく
形成された軟骨組織内のハイブリッド形成信号のレベルは、周囲の間葉組織およ
び結合組織で検出されるレベルよりいくらか低いことが分かった。RARαおよび
γの拡散した非特徴的パターンに対して、RARβの遺伝子発現は、明確であり、
軟骨膜組織において、特に初期骨幹に沿って、極めて顕著であったが、それは軟
骨組織自体においては極めて低かった。センスRARプローブとのハイブリダイズ
は、検出しうる信号をほとんど生じなかった。全体的軟骨組織は、II型コラーゲ
ンアンチセンスプローブとのハイブリダイズによって示された。
【0075】 下肢成長の8日目と10日目の間に、長骨軟骨モデルは、より明確な形態学的特
徴および構成を得る。それらは、骨端において、予想される関節軟骨細胞(ac)、
および骨幹端および骨幹を占有する、充分に規定された増殖性(pz)、後増殖性-
前肥大(phz)および肥大(hz)領域を有する長骨板を示した。さらに、骨幹は、軟
骨内骨化の過程を開始し、膜内性骨環によって囲まれている(Fell, J. Morphol.
Physiol. 40, 417-459(1925);Scott-SavageおよびHall, J. Morphol 162, 453
-464(1979);OsdobyおよびCaplan, Dev. Biol. 86, 147-156(1981);Koyamaら、
Dev. Dynam. 203, 152-162(1995))。10日目のニワトリ胚羽根の連続切片におけ
る系中ハイブリッド形成は、RARα遺伝子発現は低く維持され、軟骨組織全体に
拡散性であり、RARβ発現は軟骨膜において強かったが、RARγ発現は、成長板の
肥大領域において顕著に上方調節されたことを示した。X型コラーゲンをコード
するプローブ、肥大軟骨細胞のマーカーとのハイブリダイズによって(Gibsonお
よびFlint, J. Cell Biol. 101, 277-284(1985))、X型コラーゲン転写体およびR
ARγ転写体の形態学的分布の間に顕著な類似性が存在することを確認したが、RA
Rγ転写体の増加は、X型コラーゲン転写体の増加より僅かに多かった。他のマー
カーの分析は、RARγ-およびX型コラーゲン-豊富軟骨細胞が、成長板において、
形態形成因子Indian hedgehog(Ihh)(Koyamaら、Dev. Dynam. 207, 344-354(1996
a);Vortkampら、Science 273, 613-622(1996))を発現する前肥大軟骨細胞に先
行され、軟骨内骨化を受け、オステオポンチンような後期成熟マーカーを発現す
る後肥大軟骨細胞の石灰化が後に続くことを示した(Iwamotoら、Exp. Cell Res.
207, 413-420(1993b))。オステオポンチンの発現は、骨幹および骨幹端を囲む
成長骨環においても検出できた。予想されるように、II型コラーゲン遺伝子発現
は、大部分の軟骨組織において強いが、石灰化および軟骨内骨化領域において顕
著に下方調節され、I型コラーゲンRNAは、骨環、軟骨膜組織および他の周囲結
合組織に限定された。同様の結果が、8.5日目(段階35)の胚で得られた(下記参照
)。
【0076】 増加したRARβ発現と肥大軟骨細胞の発生との関係を、10日目の脚の足指領域
でさらに分析し、該脚は、成長の種々の段階で、近位〜遠位軸に沿って、相互に
近接した短い骨格要素を含有する。実際に、成長的に古い近位指骨(pp)要素は、
骨幹において、豊富なRARγ転写体および多くの肥大軟骨組織を含有し、成長的
に若い中間指骨(mp)は、少ない肥大細胞および少ない量のRARγ転写体を含有し
、さらに若い遠位指骨(dp)はどちらも含有していないことが見出された。近位指
骨の骨幹領域の精密な検査は、RARγ転写体は骨幹全体に存在するが、肥大軟骨
細胞は存在しないことを示した。これらの細胞は、骨幹の周囲において、その中
心より明らかであり、多かった。
【0077】 全体的に見れば、前記のデータは、RARが、脚の軟骨細胞の成熟および骨格形
成の間に種々の遺伝子発現パターンを示すことを示している。特に、RARα発現
は広くかつ拡散性に維持されるが、RARγ発現は、軟骨細胞が充分に肥大する直
前に選択的に上方調節され、肥大細胞において高く維持される。データは、最初
の肥大軟骨細胞は、軟骨要素の周囲に形成されることも示している。
【0078】 レチノイドバイオアッセイ 次に、成長の遅い段階で脚に存在する軟骨性骨格要素が、内因性レチノイドも
含有するかどうかを測定した(実施例I、レチノイド分析参照)。存在するのであ
れば、レチノイドは、それらの段階で発現されるRARのリガンドとして作用しう
ると考えられる。さらに、それらは、RAR遺伝子発現自体を調節するのに直接的
または間接的役割を有すると考えられる。1つの方法として、ニワトリおよびマ
ウス胚における他の成長しつつある組織および器官における内因性レチノイドレ
ベルを推定するのに以前に使用された選択的バイオアッセイを使用した(Wagner
ら、Development 116, 55-56(1992);McCafferyら、Development 115, 371-382(
1992))。このバイオアッセイは、レチノイド選択性RARE/β-ガラクトシダーゼ
リポーター構造を安定に感染させたF9奇形癌細胞系を使用する。
【0079】 全軟骨性上腕骨を5.5日目(段階27〜28)の胚から、および上腕骨の骨幹端-骨幹
部分を8.5日目および10日目のニワトリ胚から、顕微外科的に分離した。次に、
軟骨組織を、周囲の軟骨膜組織から分離し、該軟骨組織をレチノイド分析に付し
た。比較のために、軟骨膜組織自体、ならびに同じ日数の5.5日目、8.5日目およ
び10日目の胚からの肝臓、脳、眼および皮膚も分析した。しかし、5.5日目の胚
からの軟骨膜組織は、胚が小さいことを考慮すれば充分な量が得られないので、
分析から除外した。100〜200mgの各組織または器官を、新鮮完全培地に懸濁し、
ホモジナイズし、抽出し;清澄化した後、抽出物を12穴培養皿で増殖させたリポ
ーターF9細胞の半集密培養物に添加した。培養物を、24時間にわたって再び培養
し、次に、β-ガラクトシダーゼ活性の組織化学検出に付した。負の対照穴には
、模擬抽出した新鮮完全培地を与え、正の対照穴には、既知量のall-trans-RAを
含有する新鮮培地を与えた。
【0080】 軟骨組織は、RAR受容体遺伝子の転写を刺激することができる物質を含有し、
実験した各成長段階でそうであることが分かった。軟骨組織抽出物におけるレチ
ノイドの量は、それらの器官に存在する多量のレチノイドに基づいて予想される
ように、肝臓、眼および皮膚よりかなり少なく、脳抽出物に存在する量より多か
った。特に、軟骨膜組織は、極めて多量のレチノイドを示すこともわかった。負
および正の対照は、予想どおりの結果を示し、賦形剤(95%エタノール)だけを与
えたF9細胞は負であったが、3nMのall-trans-RAで処理した細胞は正であった。
【0081】 レチノイド拮抗薬が混乱させる生体内の骨格成長 RAR遺伝子発現は、軟骨細胞成熟の間に変化し、軟骨要素ならびにそれらの周
囲軟骨膜組織は内因性レチノドを含有することが示されたので、RARおよびそれ
らのリガンドが、軟骨細胞成熟および骨格形成の間にどのような役割をしている
かを確認するために実験を行った(実施例I、拮抗薬治療)。これを行うために、
レチノイド拮抗薬を含有するビーズを、段階21〜22(3〜3.5日目)のニワトリ胚の
予想される上腕骨間葉凝縮体(condensation)の近くに埋め込み、上腕骨成長が生
体内において、10日目までに損なわれるかどうかを確認した。Ro 41-5253または
AGN 109を3.5μM〜3.5mMの濃度で含有するビーズを1つの羽根芽に配置し、反対
側の羽根芽には賦形剤だけを含有するビーズを配置して対照として使用した。
【0082】 両方の拮抗薬は、上腕骨成長に顕著な作用を有していた。Ro 41-5253を含有す
るビーズを埋め込んだ10日目の胚の上腕骨は、賦形剤だけで処置した対照の反対
側上腕骨または非処置上腕骨より約50%短かった。その作用は、極めて選択的で
あり、形態学的に上腕骨に限定され、成長しつつある小羽枝、尺骨、足指の成長
において、大きさおよび/または形に顕著な変化は観察されなかった。同様の作
用がAGN 109によって示されたが、かなり低い濃度のこの拮抗薬が、高頻度の上
腕骨欠陥を生じるのに必要とされ、それはおそらく全てのRARに等しく拮抗する
それの能力によるものであると考えられる(表1参照)。
【表1】
【0083】 10日目の上腕骨の縦方向切片の、組織学的分析および系中ハイブリッド形成分
析は、拮抗薬のさらに詳細な作用を示した。対照上腕骨において、骨端および骨
幹端は充分に成長し、骨幹は、RARγおよびX型コラーゲンを発現する多くの成熟
肥大軟骨細胞を含有し、骨および骨髄による置換を受け、オステオポンチンを強
く発現する中心コアー領域を示し、これもまたオステオポンチンを発現する薄い
膜内骨環で囲まれていた。
【0084】 極めて対照的に、拮抗薬処置した上腕骨の骨幹は、RARγもオステオポンチン
およびX型コラーゲンも発現しない極小さい軟骨細胞を含有し、完全に軟骨性で
あり、軟骨内骨化も骨髄侵入も受けていなかった。しかし、興味深いことに、骨
幹は、オステオポンチンを発現する外観上正常な幕内骨環によって囲まれ、骨幹
端部分は、対照に見られたIhh遺伝子発現を示した。拮抗薬処置した上腕骨は、
湾曲を示す場合が多く、凹面は拮抗薬充填ビーズに面し、凸面は反対側に面して
いたことも興味深いことである。そのような湾曲は、賦形剤充填ビーズを植え込
んだ対照上腕骨においては観察されなかった。対照および拮抗薬を埋め込んだ羽
根の尺骨における強いX型コラーゲン遺伝子発現によって示されるように、拮抗
薬よって誘発される作用は上腕骨に限定され、ビーズ埋め込み部位から離れた骨
格要素は形態および遺伝子発現の両方において正常であった。これは、レチノイ
ド拮抗薬によって示される阻害作用は、ビーズ埋め込み部位に限定され、一般化
された全身性作用を示さなかったという前記の結論を繰り返すものであった。
【0085】 次の組の実験において、課題は、成長の後期段階で開始した拮抗薬処置も上腕
骨成長の阻害を生じるかどうかを検査することであった。阻害を生じるのであれ
ば、これは、内因性レチノイドが軟骨組織に継続的に存在することを示し、レチ
ノイドが骨格成長に継続的に必要とされることを示唆するバイオアッセイデータ
に充分に相関する。実験操作と作用分析との間隔を最小限にするために、処置期
間も短縮した。従って、単一または多数のAGN 109充填ビーズを、5.5日目(段階2
8)のニワトリ胚の軟骨性上腕骨の1つの面または周りに埋め込み、8.5日目に作用
を試験した。3〜4個のビーズを埋め込んだ場合に、そのような短い処置期間の後
でさえ、上腕骨成長が阻害され(6/7)、単一ビーズはあまり有効ではない(5/5)
ことが分かった。それらの標準対応物と比較して、拮抗薬処置した上腕骨は短く
、それらの細胞は肥大段階に進まず、RARγおよびX型コラーゲンをコードする転
写体が不足していた。対照および処置上腕骨の両方がII型コラーゲンの極めて強
い発現を示し、拮抗薬は細胞の生存能力および分化した機能に好ましくない副作
用を有さないことが示された。
【0086】 これらの実験は、さらに2つの興味深いデーターを示した。第一のデータは、8
.5日目の対照上腕骨において、最初のX型コラーゲン発現軟骨細胞が骨幹の周囲
に現れたというデータであった。このデータは、前記の形態学的観察に完全に一
致し、骨幹全体の連続切片における系中ハイブリッド形成によって確認された。
第二の興味深いデータは、拮抗薬処置上腕骨は、対照と同様に形態学的に真っ直
ぐであり、湾曲を示さなかったというデータであり、これはおそらく、拮抗薬充
填ビーズを上腕骨の両側に配置したからであると考えられる。
【0087】 拮抗薬処置の作用が、可逆性であるかどうか、時間およびさらなる成長ととも
に消失するかどうかを確認するために、前記のように28段階(5.5日目)でAGN 109
ビーズを埋め込んだ胚を、14日目〜18日目の胚形成まで成長させ、次に、組織分
析および系中ハイブリッド形成に付した。14日目までに、拮抗薬処置上腕骨は、
特徴的遺伝子発現パターン、即ち強いX型コラーゲン遺伝子発現および低いII型
コラーゲン遺伝子発現、を示すそれらの骨幹において肥大軟骨細胞を含有してい
たことが分かった。さらに、骨および骨髄先駆細胞は、肥大軟骨を侵襲し始めて
いた。これらの形態学的特徴および遺伝子発現特徴は一般に、約9〜9.5日目の胚
形成の上腕骨を特徴付けるものであり、これは、拮抗薬処置した上腕骨の成長が
約5日間遅らされたが、その正常な進行を再び開始したことを示している。
【0088】 培養軟骨細胞 最終の組の試験において、前記の生体内試験で使用した拮抗薬が、軟骨細胞に
おい天然レチノイドの生物学的作用に拮抗しうるかどうか、および拮抗薬が、ニ
ワトリ胚軟骨細胞の培養物における外因性all-trans-RAの成熟支持(pro-maturat
ion)作用を阻止または阻害しうるかどうかを確認した(実施例I、軟骨細胞培養
物を参照)。以前に示されたように、17〜18日目のニワトリ胚胸骨の尾側休止部
分から分離した未成熟軟骨細胞の培養は、肥大X型コラーゲン発現細胞に成長さ
せるためにall-trans-RAでの処理を必要とする。同様に、17日目〜18日目ニワト
リ胚胸骨の頭側部分から分離した新しく発生した肥大軟骨細胞の培養は、それら
の成熟を完了して、後肥大アルカリ性ホスファターゼ豊富石灰化軟骨細胞にする
ために、all-trans-RA処理を必要とする(Pacificiら、Exp. Cell Res. 195, 38-
46(1991);Iwamotoら、Exp. Cell Res. 207, 413-420(1993b);Microsc. Res. T
ech. 28, 483-491(1994))。
【0089】 即ち、未成熟尾側胸骨軟骨細胞は、培養物を含有する標準血清中で約2週間に
わたって増殖させた。この間に、細胞は活発に増殖し、適度に大きくなり(約2〜
3倍)、それらが成熟の前肥大段階に進んだことを示した(Pacificiら、Exp. Cell
Res. 195, 38-46(1991)参照)。次に、培養物を、all-trans-RA、Ro 41-5253、a
ll-trans-RAおよびRo 41-5253の両方で処理するか、または処理しなかった。Nor
thernブロット分析は、未処理の対照培養物が検出可能量のX型コラーゲン転写体
をほとんど含有していないことを示した。しかし、50nMのall-trans-RAで2、4ま
たは6日間処理した培養物は、顕著に時間依存性の、X型コラーゲン転写体の増加
を示した。そのような増加は、500nM Ro 41-5253での共処理によって、完全にで
はないが有意に阻止された。拮抗薬だけでの処理は重大な作用を有さなかった。
従って、Ro 41-5253は、培養した前肥大尾側胸骨軟骨細胞において、早期成熟マ
ーカー、X型コラーゲンの上方調節を妨げることができる。
【0090】 この結果は、胸骨の頭側コアー部分から分離したより成熟した軟骨細胞の培養
物を使用して確認され、拡大された。2週めの対照非処理培養物は、大きい細胞
直径(Pacificiら、Exp. Cell Res. 195, 38-46(1991))および豊富なX型コラーゲ
ンmRNAを特徴とする予想された肥大細胞表現型を示した。細胞を50nM all-trans
-RAで処理した場合、後期成熟マーカー、アルカリ性ホスファターゼの遺伝子発
現は劇的に増加し、X型コラーゲンの発現は6日目の治療までに基本的に消失し、
これは、生体内において、軟骨内骨化の間に肥大軟骨細胞がそれらの最終の後肥
大石灰化段階に進む際に、アルカリ性ホスファターゼの発現が上方調節され、X
型コラーゲンの発現は下方調節されるという事実(Iwamotoら、Micros. Res. Tec
h. 28, 483-491(1994))と極めて高い相関関係にあった。これらの2つの遺伝子の
、all-trans-RA処理に対する反対の反応は、500nM Ro 41-5253での共処理によっ
て妨げられた。従って、アルカリ性ホスファターゼ遺伝子発現は、極めて低く維
持され、X型コラーゲン遺伝子発現はかなり高く維持された。拮抗薬だけでの処
理は、重大な作用を有さなかった。同様のデータがAGN 109でも得られた。
【0091】 軟骨細胞成熟過程の石灰化段階を試験するために、胸骨の頭側コアー部分から
分離した成熟しつつある軟骨細胞を、集密になるまで、22mmの多穴培養皿で2週
間増殖させ、次に、all-trans-RA、all-trans-RAおよびRo 41-5253の両方、また
はRo 41-5253だけで6日間処理した。全ての培養物に、β-グリセロホスフェート
、無機質の形成および堆積に必要とされるホスフェート供与体を与え、無機質は
アリザリンレッドで染色することによって示された。対照非処理培養物は、検出
しうる染色を示さなかった。これに対して、25または50nMのall-trans-RAで処理
した培養物は、豊富なアリザリアンレッド染色性無機質を含有していた。増加量
のRo 41-5253は、all-tans-RAの石灰化支持(pro-mineralization)作用に効果的
に拮抗し、それによって、25または50nMのall-trans-RAおよび500nMのRo 41-525
3で共処理した培養物は、石灰化をほとんど示さなかった。Ro 41-5253だけでの
処理は作用を有さなかった。
【0092】 従って、外因性all-trans-RAは、培養した胸骨軟骨細胞において、生体内にお
ける軟骨細胞成熟の種々の段階で生じる変化と一致した遺伝子発現、細胞挙動お
よび活性の変化を誘発する。使用したレチノイド拮抗薬は、all-trans-RAの成熟
支持能力を妨げる。
【0093】実施例III −骨修復 上腕骨の単純骨折を有する患者が、骨の低い自然治癒を生じる先天性疾患に罹
患している。患者の病歴は、骨の修復が、そのような疾患を有さない患者より一
般に2〜4倍長い期間を要することを示す。
【0094】 上腕骨の骨折部分の空間に軟骨形成細胞を浸潤するのに要する期間、治療を延
期する。骨の修復を、X線で毎日観察する。4日以内の治療で、正常なマトリック
ス形成が観察され、次に、治療有効量のRAR受容体作用薬の経口投与によって患
者を処置する。有効用量は、薬剤の活性、患者の年齢、体重、性および健康状態
、および経口投与経路に応じて選択され、治療期間を通してX線観察を継続する
【0095】 RAR作用薬投与の間の観察は、特に患者の以前の病歴と比較した場合に、この
種の骨折の骨修復の標準期間以内で、骨化が生じていることを示す。患者は、標
準と考えられる期間以内で、骨折した腕の使用を開始することができる。
【0096】実施例IV −骨粗鬆症 61才の女性が、(1)骨原性細胞および骨芽細胞の減少した骨形成、および(2)骨
芽細胞の増加した骨吸収、を特徴とする骨粗鬆症に罹患している。患者の病歴は
、過去5年にわたる着実な骨密度の減少を示す。
【0097】 医薬的に有効な経口用量における治療有効量のレチノイド受容体作用薬で、2
ヶ月間にわたって患者を毎日治療する。治療期間中、1週間に2回、骨密度を測定
する。
【0098】 治療計画の終わりに、骨密度データは、治療開始の直ぐ前と比較して、骨密度
の減少の逆転、および骨量の統計的に有意な増加を示す。
【0099】 本明細書に記載した本発明の実施態様は、例示するものにすぎず、いかなる意
味においても本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、特許請求の範囲
によってのみ限定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07D 335/06 C07D 335/06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ロシャンタ・エイ・チャンドララトナ アメリカ合衆国92653カリフォルニア州ラ グーナ・ヒルズ、バックスキン・ドライブ 25241番 Fターム(参考) 4C023 KA02 4C084 AA17 MA17 MA35 MA52 MA55 ZA961 ZA971 ZC421 4C086 AA01 AA02 BB01 MA17 MA35 MA52 MA55 NA14 ZA96 ZA97 ZC42

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟骨または骨の疾患の治療法であって、治療有効量のレチノ
    イド受容体作用薬または医薬的に許容されるその塩またはエステルを投与するこ
    とを含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 該レチノイド受容体作用薬が、RAR受容体作用薬または医薬
    的に許容されるその塩またはエステルである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 該RAR受容体作用薬が、RARαβγ受容体作用薬または医薬的
    に許容されるその塩またはエステルである請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該疾患が骨格異形成である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 軟骨または骨の疾患に関連した症状を改善する方法であって
    、治療有効量のレチノイド受容体作用薬を投与することを含んで成る方法。
  6. 【請求項6】 該レチノイド受容体拮抗薬がRAR受容体作用薬である請求項5
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 該RAR受容体作用薬がRARαβγ受容体作用薬である請求項5
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】 骨原性細胞および骨芽細胞によって骨化を刺激する方法であ
    って、治療有効量のレチノイド受容体作用薬または医薬的に許容されるその塩ま
    たはエステルを投与することを含んで成る方法。
  9. 【請求項9】 該レチノイド受容体作用薬が、RAR受容体作用薬または医薬
    的に許容されるその塩またはエステルである請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 該RAR受容体作用薬が、RARαβγ受容体作用薬または医薬
    的に許容されるその塩またはエステルである請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 該疾患が骨粗鬆症である請求項8に記載の方法。
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